JP2017121906A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】偏摩耗を抑制しつつ耐久性に優れた空気入りタイヤの提供。【解決手段】タイヤ2は、正規内圧状態において、トレッド面上の基点Prから軸方向他方の基点Prまでの中央領域の幅Wrで、第三層46が半径方向内向きに曲率半径Rで突出する形状にされている。主溝26の中心線L1と主溝28の中心線L2との間隔をDgとする。このときに、上記基点Prは、上記主溝26の中心線L1から間隔Dgの1/2倍以上軸方向外側に位置している。上記基点Prは、上記主溝28の中心線L2から軸方向内向きに7mm以上内側に位置している。上記曲率半径Rは、670mm以上900mm以下にされている。【選択図】図2

Description

本発明は、車輌に装着される空気入りタイヤに関する。
特開2002−187410公報には、トレッドのショルダー領域の偏摩耗を抑制するタイヤが開示されている。このタイヤのベルトは、半径方向外向きに凸円弧状の中央凸部と、この中央凸部に連なり半径方向内向きに凸円弧状の外側凹部とを備えている。このベルトを備えることでトレッド面が路面に接地したときに、ショルダー領域と路面との滑りが抑制されている。これにより、ショルダー領域の偏摩耗が抑制されている。
特開2002−187410公報
特開2002−187410公報のタイヤでは、ショルダー領域の接地圧が高くなり易い。ショルダー領域の接地圧が高くなると、ベルトの端部に歪みが発生し易い。この歪みは、ベルトの端部の剥離、所謂、ルースの原因となり得る。このタイヤは、耐久性の面で改良の余地がある。
このタイヤでは、センター領域のトレッドの厚みを大きくすることで、ショルダー領域の接地圧を相対的に低減しうる。しかしながら、トレッドの厚みを大きくすると、トレッドの発熱が大きくなり易い。発熱の大きいタイヤは、耐久性に劣り易い。更に、センター領域のトレッドの厚みを大きくすることで、ショルダー領域で滑るが生じ易くなる。センター領域のトレッドの厚みを大きくしたタイヤでは、偏摩耗の発生を適切に抑制することが難しい。
本発明の目的は、偏摩耗を抑制しつつ耐久性に優れた空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、路面に接地するトレッド面を備えるトレッドと、トレッドの半径方向内側に位置して半径方向外向きにトロイダル状に突出するカーカスと、カーカスとトレッドとの間に位置するベルトとを備えている。上記ベルトは、半径方向内側に位置する第一層と、この第一層の半径方向外側に積層される第二層と、この第二層の半径方向外側に積層される第三層とを備えている。上記第一層、第二層及び第三層のそれぞれは、ベルトコードとベルトコードを覆うトッピングゴムとを備えている。上記トレッドには、軸方向内側で周方向に延びる第一主溝と、この第一主溝の軸方向外側で周方向に延びる一対の第二主溝とが刻まれている。
正規リムに組み込まれ正規内圧の空気が充填された正規内圧状態において、赤道面を挟んでトレッド面上の軸方向一方の基点Prから軸方向他方の基点Prまでの中央領域の幅Wrで、第三層が半径方向内向きに曲率半径Rで突出する形状にされている。上記第一主溝の中心線と第二主溝の中心線との間隔をDgとしたときに、上記基点Prが第一主溝の中心線から間隔Dgの1/2倍以上軸方向外側に位置しており、この基点Prが上記第二主溝の中心線から軸方向内向きに7mm以上内側に位置している。この曲率半径Rは、670mm以上900mm以下にされている。
好ましくは、上記トレッドの赤道面における厚さTcは、第三層の軸方向端における厚さTb以上の大きさにされている。この厚さTcと厚さTbとの差(Tc−Tb)は、0以上2.0mm以下にされている。
好ましくは、上記第一主溝の溝底のトレッドの厚さTgは、3.5mm以上5.5mm以下にされている。
好ましくは、上記第一層、第二層及び第三層のそれぞれのベルトコードは、スチールコードからなっている。上記第一層のベルトコードは、赤道面に対して角度の絶対値θ1で傾斜して延びている。上記第二層のベルトコードは、赤道面に対して角度の絶対値θ2で傾斜して延びている。上記第三層のベルトコードは、赤道面に対して角度の絶対値θ3で傾斜して延びている。この角度の絶対値θ1は、45°以上55°以下にされている。角度の絶対値θ2と角度の絶対値θ3とは、15°以上30°以下にされている。第二層のベルトコードの傾斜方向と第三層のベルトコードとの傾斜方向とは、赤道面に対して逆にされている。
好ましくは、上記トレッド幅Wtに対する上記ベルト幅Wbの比(Wb/Wt)は、0.7以上0.95以下である。
本発明に係る空気入りタイヤは、正規内圧状態で、ベルトが半径方向内向きに曲率半径Rで突出する形状にされている。第一主溝を挟んで幅Wrの範囲で、ベルトの第三層は半径方向内向きに突出する形状にされている。これにより、軸方向のおいてトレッドの接地圧が均一化されている。トレッドのショルダー領域の肩落ち摩耗が抑制されている。ベルトの耐久性が向上している。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤが示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの部分拡大図である。 図3は、図1のタイヤの接地形状が示された説明図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除いて、赤道面に対して対称である。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のクリンチ8、一対のビード10、カーカス12、ベルト14、バンド16、一対のエッジバンド18、一対のクッション層19、インナーライナー20、一対のチェーファー22を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、例えば、ライトトラックに装着される。
トレッド4は、半径方向外向きに面している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面24を形成する。このトレッド4には、第一主溝としての主溝26と、第二主溝としての主溝28が刻まれている。主溝26及び一対の主溝28は、トレッド4を周方向に一周して形成されている。このタイヤ2では、主溝26は、軸方向中央に形成されている。一対の主溝28は、主溝26の軸方向外側に形成されている。一対の主溝28は、赤道面に対して対称に形成されている。主溝26及び一対の主溝28の他に、軸方向に延びる溝が形成されてもよい。これらの溝により、トレッドパターンが形成される。この主溝26は、赤道面を挟んで赤道面に対称に形成される一対の主溝として形成されてもよい。
トレッド4は、ベース層30とキャップ層32とを有している。キャップ層32は、ベース層30の半径方向外側に位置している。キャップ層32は、ベース層30に積層されている。ベース層30は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。ベース層30の典型的な基材ゴムは、天然ゴムである。キャップ層32は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。
それぞれのサイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6の半径方向外側端は、トレッド4と接合されている。このサイドウォール6の半径方向内側端は、クリンチ8と接合されている。このサイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。このサイドウォール6は、カーカス12の損傷を防止する。
それぞれのクリンチ8は、サイドウォール6の半径方向略内側に位置している。クリンチ8は、軸方向において、ビード10及びカーカス12よりも外側に位置している。クリンチ8は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。クリンチ8は、タイヤ2がリムに組み込まれると、リムのフランジと当接する。
それぞれのビード10は、クリンチ8の軸方向内側に位置している。ビード10は、コア34と、このコア34から半径方向外向きに延びるエイペックス36とを備えている。コア34はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックス36は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス36は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス12は、第一プライ38及び第二プライ40からなる。第一プライ38及び第二プライ40は、両側のビード10の間に架け渡されており、半径方向外向きにトロイダル状に突出して延在している。このカーカス12は、タイヤ2の骨格を構成している。第一プライ38及び第二プライ40は、トレッド4及びサイドウォール6に沿っている。第一プライ38は、コア34の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、第一プライ38には、主部38aと折り返し部38bとが形成されている。第二プライ40は、コア34の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、第二プライ40には、主部40aと折り返し部40bとが形成されている。この折り返し部38bの端は、半径方向において、折り返し部40bの端よりも外側に位置している。
第一プライ38及び第二プライ40のそれぞれは、並列された多数のカーカスコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのカーカスコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス12はラジアル構造を有する。これらのカーカスコードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維が例示される。このカーカスコードは、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維からなってもよい。カーカス12が、1枚のプライから形成されてもよい。
ベルト14は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト14は、カーカス12の半径方向外側に積層されている。ベルト14は、カーカス12を補強する。ベルト14は、第一層42、第二層44及び第三層46からなる。第二層44は第一層42の半径方向外側に積層されている。第三層46は、第二層44の半径方向外側に積層されている。第三層46は、半径方向においてベルト14の最も外側に位置している。図1から明らかなように、軸方向において、第二層44の幅は第一層42の幅よりも若干大きい。第一層42の幅は、第三層の幅より若干大きい。
この第一層42、第二層44及び第三層46のそれぞれは、図示されないが、並列された多数のベルトコードとトッピングゴムとからなる。第一層42のベルトコードは、赤道面に傾斜している。赤道面に対して傾斜する角度の絶対値θ1は、例えば、45°以上55°以下である。第二層44及び第三層46のそれぞれのベルトコードは、赤道面に対して傾斜している。第二層44のベルトコードが赤道面に対して傾斜する角度の絶対値θ2は、例えば10°以上30°以下である。第三層46のベルトコードが赤道面に対して傾斜する角度の絶対値θ3は、例えば10°以上30°以下である。第二層44のベルトコードの赤道面に対する傾斜方向は、第三層46のベルトコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。これらのベルトコードの好ましい材質は、スチールである。これらのベルトコードに、有機繊維が用いられてもよい。
バンド16は、ベルト14の半径方向外側に位置している。バンド16は、第三層46の半径方向外側に積層されている。軸方向において、バンド16の幅はベルト14の幅よりも大きい。バンド16は、ベルト14を覆っている。バンド16は、軸方向一方端から他方端まで延在してベルト14を覆っている。このバンド16は、所謂フルバンドである。
このバンド16は、図示されないが、バンドコードとトッピングゴムとからなる。バンドコードは、タイヤ2の周方向に螺旋状に巻かれている。このバンド16は、いわゆるジョイントレス構造を有する。このバンドコードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するバンドコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。バンド16はベルト14を拘束する。バンド16は、ベルト14のリフティングを抑制する。バンド16のバンドコードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
それぞれのエッジバンド18は、ベルト14の半径方向外側であって、かつベルト14の端の近傍に位置している。図示されていないが、このエッジバンド18は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このエッジバンド18のそれぞれは、いわゆるジョイントレス構造を有する。バンドコードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するバンドコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このバンドコードによりベルト14の端が拘束される。エッジバンド18は、ベルト14のリフティングを抑制する。ベルトコードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ぞれぞれのクッション層19は、ベルト14の端の近傍において、ベルト14とカーカス12と間に積層されている。クッション層19は、軟質な架橋ゴムからなる。クッション層19は、ベルト14の端の応力を吸収する。
インナーライナー20は、カーカス12の内側に位置している。インナーライナー20は、カーカス12の内面に接合されている。インナーライナー20とカーカス12とがインスレーションゴムを介して接合されてもよい。インナーライナー20は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー20の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー20は、タイヤ2の内腔面48を形成している。インナーライナー18は、タイヤ2の内圧を保持する。
それぞれのチェーファー22は、ビード10の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー22がリムと当接する。この当接により、ビード10の近傍が保護される。このタイヤ2では、チェーファー22が、布とこの布に含浸したゴムとからなっている。チェーファー22は、クリンチ8と一体であってもよい。チェーファー22の材質はクリンチ8の材質と同じであってもよい。
図1の点Ptは、トレッド端を表している。トレッド端Ptは、トレッド面24の軸方向外端である。タイヤ2の様に、外観上明瞭なエッジによって識別しうるときには当該エッジがトレッド端Ptとされる。外観上識別が困難な場合には、正規内圧のタイヤに正規荷重を負荷してキャンバー角0゜でトレッド4を平面に接地させたときの最も軸方向外側で平面に接地する接地端が、トレッド端Ptとされる。
両矢印Wtは、トレッド幅を表している。このトレッド幅Wtは、軸方向一方のトレッド端Ptから他方のトレッド端Ptまでの距離として測定される。このトレッド幅Wtは、トレッド面24に沿って測定される。両矢印Wbは、ベルト幅を表している。このベルト幅Wbは、ベルト14の一方の軸方向端14aから他方の軸方向端14aまでの距離として測定される。このベルト幅Wbは、ベルト14に沿って測定される。このタイヤ2では、最も幅が大きい第二層44の一方の軸方向端44aから他方の軸方向端44aまでの距離として測定される。
両矢印Tcは、赤道面におけるトレッド4の厚さを表している。両矢印Tbは、第三層46の軸方向端におけるトレッド4の厚さを表している。両矢印Tgは、主溝26の溝底におけるトレッド4の厚さを表している。この厚さTc、Tb及びTgは、バンド16の半径方向外面より外側の厚さとして測定される。この厚さTc及びTgは、ベース層30とキャップ層32とを合わせた厚さである。厚さTgは、主溝26の底面において、最も厚さの薄くなる位置で測定される。このタイヤ2では、エッジバンド18を備えているので、厚さTbはベース層30とキャップ層32とエッジバンド18とを合わせた厚さである。エッジバンド18を備えないタイヤ2では、厚さTbはベース層30とキャップ層32とを合わせた厚さとして測定される。
図2には、このタイヤ2の一部が示されている。正規リムに組み込まれて正規内圧の空気が充填された正規内圧状態のタイヤ2が示されている。このタイヤ2は、路面に接地していない。この正規内圧状態で、ベルト14の軸方向中央部は半径方向内向きに突出する形状にされている。第三層46の軸方向中央部は半径方向内向きに突出する形状にされている。
図2の矢印Rは、第三層46が半径方向内向きに突出している曲率半径を表している。この曲率半径Rは、第三層46の半径方向外側面に沿って測定される。両矢印Wrは、第三層46が曲率半径Rで突出している、トレッド4の中央領域の幅を表している。点Pbは、第三層46が曲率半径Rで突出している軸方向外端を表している。点Prは、点Pbを通って半径方向に延びる直線とトレッド面24との交点を表している。この点Prは、第三層46が曲率半径Rで突出している中央部のトレッド面上の基点である。前述の幅Wrは、軸方向一方の基点Prから他方の基点Prまでの幅として測定される。この幅Wrは、トレッド面24に沿って測定される。この幅Wrは、赤道面に対して対称な幅である。
一点鎖線L1は、主溝26の中心線を表している。一点鎖線L2は、主溝28の中心線を表している。両矢印Dgは、主溝26の中心線L1から主溝28の中心線L2までの間隔を表している。この間隔Dgは、トレッド面24に沿って測定される。
図3には、タイヤ2のトレッド面24の接地面が示されている。この接地面は、タイヤ2に正規内圧の空気が充填されて、正規荷重を負荷して、キャンバー角を0゜として、トレッド4を平面の路面に接地させて得られている。両矢印Lcは、赤道面でのトレッド面24の接地長を表している。両矢印Wsは、トレッド幅Wtの0.7倍の幅を表している。この幅Wsは赤道面に対称な幅である。両矢印Lsは、この幅Wsの位置Psでの、トレッド面24の接地長を表している。
この接地面では、周方向の接地境界の輪郭は、軸方向内側から外側向きに、周方向外側から内側に向かって傾斜して延びる曲線になっている。周方向の接地長において、接地長Lcが最も長くなっている。トレッド端Ptにおける接地長が最も短くなっている。赤道面からトレッド端に向かって、徐々に、接地長が短くなっている。
このタイヤ2では、ベルト14は、第一層42、第二層44及び第三層46を備えている。このベルト14がカーカスを補強している。これにより、空気が充填されたときに、トレッド4の中央領域が半径方向外向きにせり出すことが抑制されている。このタイヤ2は、第三層46が半径方向内向きに突出し易くされている。このベルト14は、三層以上からなっている。このベルト14による補強効果を得る観点から、第一層42、第二層44及び第三層46のそれぞれのベルトコードは、金属製コードからなることが好ましい。このベルトコードとして、スチールコードが好適である。
このタイヤ2では、この第二層44のベルトコードの角度の絶対値θ2と、第三層46のベルトコードの角度の絶対値θ3は、軸方向より周方向に近い傾斜角度にされている。この第二層44のベルトコードと第三層46のベルトコードとが交差して傾斜して延びる。この第二層44及び第三層46は、ラジアス構造のカーカス12との組み合わせでトレッド4の剛性の向上に寄与する。この観点から、赤道面に対する角度の絶対値θ2と角度の絶対値θ3とは、好ましくは30°以下である。また、第二層44のベルトコードと第三層46のベルトコードとの交差は、トレッド4の剛性の向上に寄与する。この観点から、角度の絶対値θ2及び角度の絶対値θ3は、好ましくは15°以上である。
更に、第一層42のベルトコードの角度の絶対値θ1は、周方向より軸方向に近い傾斜角度にされている。この第一層42は、トレッド4が軸方向の剛性の向上に寄与する。この観点から、赤道面に対する角度の絶対値θ1は、好ましくは45°以上である。また、角度の絶対値θ1は、好ましくは55°以下である。この第一層42が第二層44及び第三層46と積層されることで、トレッド4の剛性の向上に一層寄与する。この第一層42が半径方向内側に積層されているので、第三層36は半径方向内向きの突出し易くされている。
このタイヤ2の正規内圧状態において、主溝28の軸方向内側の中央領域の幅Wrで、第三層が半径方向内向きに突出する形状にされている。このタイヤ2のトレッド面24が路面に接地すると、トレッド4のショルダー領域がセンター領域より先に接地する。主溝28の周辺部分は、主溝26の周辺部分より先に接地する。この主溝28の周辺部分が先に接地することで、半径方向内向きに突出する第三層46の中央部が半径方向外向きにせり出す。この第三層46の中央部のせり出しにより、トレッド4のセンター領域が半径方向外向きにせり出す。ベルト14により、トレッド4のセンター領域が路面に押しつけられる。軸方向において、一方のトレッド端Ptから他方のトレッド端Ptまでのトレッド面24の全体が接地しうる。このタイヤ2では、トレッド4の厚さTcを厚くすることなく、トレッド4のセンター領域が適切に接地されうる。
このタイヤ2では、主溝28の軸方向内側で第三層46が半径方向内向きに突出している。これにより、トレッド4が路面に接地する時に、主溝28の周辺がせり出すことが抑制されている。この観点から、主溝28と主溝26との間に周方向に一周して延びる主溝が形成されないことが好ましい。これにより、トレッド4のセンター領域が適切にせり出す。このタイヤ2は、トレッド4の接地圧が軸方向において均一化されている。この観点から、トレッド面24上の基点Prは、主溝28の中心線L2より軸方向内向きに7mm以上内側に位置している。
また、トレッド4の接地圧が軸方向において均一化される観点から、中央領域の幅Wrは大きいことが好ましい。この観点から、基点Prは、主溝26の中心線L1から間隔Dgの1/2倍以上軸方向外側に位置している。
このタイヤ2では、この幅Wrの範囲に主溝26が形成されている。この主溝26が形成されることで、第三層46の中央部が半径方向外向きにせり出し易くされている。この主溝26は、軸方向においてトレッド4の接地圧の均一化に寄与している。
この主溝26の厚さTgが小さくされることで、第三層46の中央部が半径方向外向きにせり出し易くされる。この観点から、この厚さTgは、好ましくは5.5mm以下である。一方で、この厚さTgが大きいタイヤ2では、主溝26の溝底の亀裂等の発生が抑制される。この厚さTgが大きいタイヤ2は耐久性に優れている。この観点から、この厚さTgは、好ましくは3.5mm以上である。
このタイヤ2では、トレッド4の接地圧の均一化の観点から、曲率半径Rは650mm以上にされている。この曲率半径Rは、900mm以下にされている。また、この曲率半径Rと、適切なトレッド4の厚さTcと厚さTbとの差(Tc−Tb)を組み合わせることで、トレッド4の接地圧がより均一化されうる。この観点から、この差(Tc−Tb)は、好ましくは0mm以上である。この差(Tc−Tb)は好ましくは2.0mm以下である。
ベルト幅Wbが大きいタイヤ2は、軸方向においてトレッド4の全体の接地圧を制御し易い。この観点から、トレッド幅Wtに対するベルト幅Wbの比(Wb/Wt)は、好ましくは0.7以上であり、更に好ましくは0.75以上であり、特に好ましくは0.8以上である。一方で、ベルト幅Wbが大き過ぎるタイヤ2では、トレッド4のショルダー領域の接地圧が大きい。ベルト幅Wbが大き過ぎるタイヤ2は耐久性に劣り易い。このタイヤ2では、トレッド4のショルダー領域の偏摩耗を生じ易い。これらの観点から、比(Wb/Wt)は、好ましくは0.95以下であり、更に好ましくは0.9以下であり、特に好ましくは0.85以下である。
このタイヤ2では、主に、ベルト14とトレッド4の形状との組み合わせにより、正規内圧状態において中央領域の幅Wrのトレッド4のせり出しを制御している。特に低扁平率のタイヤ2において、ベルト14とトレッド4の形状との組み合わせにより、このトレッド4のせり出しが容易に抑制されうる。この観点から、タイヤ2の扁平率は、好ましくは75%以下であり、更に好ましくは70%以下であり、特に好ましくは65%以下である。
このタイヤ2では、ショルダー領域の接地長Lsより、センター領域の接地長Lcが大きくされることで、ショルダー領域の接地圧が大きくなることが抑制される。これにより、トレッド4のショルダー領域の耐久性の低下及び偏摩耗が抑制される。この観点から比(Lc/Ls)は好ましくは、1.01以上であり、更に好ましくは1.05以上であり、特に好ましくは1.10以上である。一方で、センター領域の接地長Lcが大きくなり過ぎると、ショルダー領域でトレッド面24と路面との間の滑りが発生する。この滑りは、ショルダー領域の偏摩耗を招来する。この偏摩耗を抑制する観点から、比(Lc/Ls)は好ましくは、1.20以下である。
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。特に言及されない限り、測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。本明細書において正規荷重とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最高負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1の構造を備えたタイヤが準備された。このタイヤのサイズは、185/65R15であった。このタイヤでは、ベルトの第三層の曲率半径Rは、740mmであった。トレッドの厚さTcと厚さTbとの差(Tc−Tb)と、主溝の溝底の厚さTgとは、表1に示される通りであった。
[比較例1−5]
曲率半径R、差(Tc−Tb)及び厚さTgが、それぞれ表1に示される様にされたは他は、実施例1と同様にしてタイヤが得られた。
[実施例2−6]
曲率半径R、差(Tc−Tb)及び厚さTgが、それぞれ表2に示される様にされたは他は、実施例1と同様にしてタイヤが得られた。
[トレッド面接地形状]
正規内圧状態のタイヤに正規荷重を負荷して、キャンバー角を0゜として、トレッド面を平面路面に接地させたときの接地形状が確認された。図3に示されるように、赤道面でのトレッド面の接地長Lcと、幅Wsの位置Psでのトレッド面の接地長Lsが測定された。この接地長Lsに対する接地長Lcの比(Lc/Ls)が求められた、その結果が表1及び2に示されている。
[偏摩耗]
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を600kPaとした。このタイヤを、ライトトラックのフロントに装着した。このライトトラックを8000km走行させた後に、タイヤの外観が検査された。ショルダー領域の偏摩耗、所謂ショルダー肩落ち摩耗の有無が検査された。この結果が、指数として、下記の表1及び2に示されている。数値の3は肩落ち摩耗が確認されなかったことを表している。数値の2は、小さな肩落ち摩耗はあるが目立たないことを表している。数値の1は、肩落ち摩耗が発生したことを表している。
[耐久性]
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を600kPaとした。このタイヤをドラム式走行試験機に装着し、12kNの縦荷重をタイヤに負荷した。このタイヤを、80km/hの速度で、半径が1.7mであるドラムの上を走行させた。タイヤが破壊するまでの走行距離を、測定した。この結果が、指数として、下記の表1及び2に示されている。数値が大きいほど、好ましい。
Figure 2017121906
Figure 2017121906
表1及び2に示されるように、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて、偏摩耗を抑制されている。実施例のタイヤは、耐久性にも優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたタイヤは、車輌に装着されるタイヤに広く適用されうる。このタイヤは、ライトトラック等大きな荷重が負荷されるタイヤに特に適している。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・クリンチ
10・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・ベルト
24・・・トレッド面
26、28・・・主溝
42・・・第一層
44・・・第二層
46・・・第三層

Claims (5)

  1. 路面に接地するトレッド面を備えるトレッドと、トレッドの半径方向内側に位置して半径方向外向きにトロイダル状に突出するカーカスと、カーカスとトレッドとの間に位置するベルトとを備えており、
    上記ベルトが半径方向内側に位置する第一層と、この第一層の半径方向外側に積層される第二層と、この第二層の半径方向外側に積層される第三層とを備えており、
    上記第一層、第二層及び第三層のそれぞれがベルトコードとベルトコードを覆うトッピングゴムとを備えており、
    上記トレッドには、軸方向内側で周方向に延びる第一主溝と、この第一主溝の軸方向外側で周方向に延びる一対の第二主溝とが刻まれており、
    正規リムに組み込まれ正規内圧の空気が充填された正規内圧状態において、赤道面を挟んでトレッド面上の軸方向一方の基点Prから軸方向他方の基点Prまでの中央領域の幅Wrで、第三層が半径方向内向きに曲率半径Rで突出する形状にされており、
    上記第一主溝の中心線と第二主溝の中心線との間隔をDgとしたときに、上記基点Prが第一主溝の中心線から間隔Dgの1/2倍以上軸方向外側に位置しており、上記基点Prが上記第二主溝の中心線から軸方向内向きに7mm以上内側に位置しており、
    上記曲率半径Rが670mm以上900mm以下にされている空気入りタイヤ。
  2. 上記トレッドの赤道面における厚さTcが、第三層の軸方向端における厚さTb以上の大きさにされており、この厚さTcと厚さTbとの差(Tc−Tb)が0mm以上2.0mm以下にされている請求項1に記載のタイヤ。
  3. 上記第一主溝の溝底のトレッドの厚さTgが、3.5mm以上5.5mm以下にされている請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 上記第一層、第二層及び第三層のそれぞれのベルトコードがスチールコードからなっており、
    上記第一層のベルトコードが赤道面に対して角度の絶対値θ1で傾斜して延びており、上記第二層のベルトコードが赤道面に対して角度の絶対値θ2で傾斜して延びており、上記第三層のベルトコードが赤道面に対して角度の絶対値θ3で傾斜して延びており、
    この角度の絶対値θ1が45°以上55°以下にされており、角度の絶対値θ2と角度の絶対値θ3とが15°以上30°以下にされており、第二層のベルトコードの傾斜方向と第三層のベルトコードとの傾斜方向とが赤道面に対して逆方向にされている請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。
  5. 上記トレッド幅Wtに対する上記ベルト幅Wbの比(Wb/Wt)が0.7以上0.95以下である請求項1から4のいずれかに記載のタイヤ。
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