JP2017119837A - 熱可塑性樹脂用帯電防止剤及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂用帯電防止剤及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】透明熱可塑性樹脂に練り込んだ際に帯電防止性能と樹脂の透明性がいずれも良好となる帯電防止剤、及び練り込み型帯電防止剤を含有した熱可塑性樹脂組成物とその成形体を提供する。【解決手段】有機スルホン酸化合物、有機硫酸エステル化合物及び有機リン酸エステル化合物から選ばれる少なくとも1種である成分(A)と、下記一般式(1)で示される化合物、ホウ酸エステル化合物及び下記一般式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種である成分(B)とを含有し、前記成分(A)と前記成分(B)との重量比(A/B)が67/33〜5/95である、熱可塑性樹脂用帯電防止剤。【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂用帯電防止剤及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成物に関する。
熱可塑性樹脂は加工の容易さと優れた外観から繊維分野や包装分野などの幅広い分野で使用されている。特にポリエステル樹脂やポリオレフィン樹脂など透明性に優れた樹脂はフィルム・シート・成型品として透明性を活用した形態にて使用されている。
合成樹脂の持つ欠点として樹脂の絶縁性が原因となって静電気が生ずる点が挙げられる。静電気が生ずると製品に埃やゴミが付着して外観を損ねるだけではなく火花の発生や作業者の不快感等生産性に悪影響を与える場合がある。これらの問題を解決するため帯電防止剤を利用して静電気の発生を抑制することが広く行なわれている。
帯電防止剤には大きく分けて2種の使用形態が存在し、樹脂表面に塗布する塗布型帯電防止剤と樹脂に溶融混合する練り込み型帯電防止剤がある。特に練り込み型帯電防止剤は処理が容易であることから広く用いられている。練り込み型帯電防止剤は界面活性剤を用いる方法と高分子型帯電防止剤を用いる方法が存在し、界面活性剤の使用が経済的な方法であるため、実施されることが多い。界面活性剤型帯電防止剤は樹脂内部に練り込まれた帯電防止剤の親水基部分が樹脂表面にブリードすることで性能が発揮される。
しかし、界面活性剤型帯電防止剤は使用樹脂種によって発現性能が異なり十分な性能が出ない場合や樹脂物性を損ねる場合がある。特に結晶性ポリエステル樹脂はガラス転移点が高いために成型後の帯電防止剤のブリードが阻害される。そのためポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂など低結晶性樹脂に使用されるノニオン型帯電防止剤では性能が発現しない傾向がある。
特許文献1ではグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルを利用した帯電防止剤が挙げられているが、基材樹脂に非晶性ポリエステル樹脂が使用されており、結晶性の高いポリエステル樹脂では界面活性剤のブリードが不十分となり、十分な帯電防止性が発揮できない恐れがある。
ノニオン型界面活性剤よりもブリードしやすい、親水性の高い界面活性剤としてアニオン性界面活性剤を利用することも提案されている。例えば、特許文献2及び3においてスルホン酸金属塩誘導体を用いた帯電防止剤が挙げられている。しかし、アニオン性界面活性剤を用いるとポリエステル樹脂等の透明性熱可塑性樹脂が白濁する問題が知られており、ポリエステル樹脂本来の透明性を保ったまま帯電防止性を発現する練り込み型帯電防止剤はこれまで知られていなかった。
さらに別の帯電防止剤として半極性有機ホウ素化合物を用いた帯電防止剤も提案されている。例えば、特許文献4、5ではホウ酸とグリセリン誘導体の縮合物及び含窒素化合物の組み合わせが提案されている。しかしいずれも帯電防止剤添加直後の樹脂の透明性、及びポリエステル樹脂へ適用可能かは言及されていない。
また、特許文献6ではホウ酸エステル系界面活性剤をポリエステル樹脂に対する帯電防止剤として使用しているが、基材となるポリエステル樹脂が生分解性のポリ乳酸に限定されており、より結晶性の高いポリエステル樹脂では十分な性能が発揮できない恐れがある。
特開2003−138108号公報 特開昭52−47069号公報 特開平7−331231号公報 特開昭61−238839号公報 特開2015−199880号公報 特開2005−23316号公報
本発明は、透明熱可塑性樹脂に練り込んだ際に帯電防止性能と樹脂の透明性がいずれも良好となる帯電防止剤、及び上記練り込み型帯電防止剤を含有した熱可塑性樹脂組成物とその成形体を提供する事を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の成分を特定の重量比で含有する熱可塑性樹脂用帯電防止剤であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の熱可塑性樹脂用帯電防止剤は、有機スルホン酸化合物、有機硫酸エステル化合物及び有機リン酸エステル化合物から選ばれる少なくとも1種である成分(A)と、下記一般式(1)で示される化合物、ホウ酸エステル化合物及び下記一般式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種である成分(B)とを含有し、前記成分(A)と前記成分(B)との重量比(A/B)が67/33〜5/95である、熱可塑性樹脂用帯電防止剤である。
Figure 2017119837
(式(1)中、Rは炭素数6〜33の置換又は非置換のアリール基である。AOは、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基から選ばれる少なくとも1種から構成されるオキシアルキレン基である。nはAOの平均付加モル数を表し、1〜50である。)
Figure 2017119837
(式(2)中、Rは炭素数6〜30のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基であり、直鎖又は分岐鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5のアシル基である。kは、0又は1である。AO及びAOは、それぞれ独立してオキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基から選ばれる少なくとも1種から構成されるオキシアルキレン基である。p及びqは、それぞれAO及びAOの平均付加モル数を表し、p+q=0〜20である。)
本発明の熱可塑性樹脂用帯電防止剤は、次の1)〜8)から選ばれる少なくとも1つをさらに満足すると好ましい。
1)前記成分(B)が、前記一般式(1)で示される化合物を含む。
2)前記成分(B)が、前記ホウ酸エステル化合物及び前記一般式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種をさらに含む。
3)前記一般式(1)で示される化合物が、下記一般式(3)で示される化合物及び下記一般式(4)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種である。
Figure 2017119837
(式(3)中、mは0〜5の整数である。m個のRは、それぞれ独立してアルキル基又はアルケニル基であり、直鎖又は分岐鎖のいずれの構造から構成されていてもよく、m個のRの合計の炭素数が0〜27である。AOは、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基から選ばれる少なくとも1種から構成されるオキシアルキレン基である。nはAOの平均付加モル数を表し、1〜50である。)
Figure 2017119837
(式(4)中、jは1〜3の整数である。j個のRは、それぞれ独立して、メチレン基、エチレン基、エチリデン基又はイソプロピリデン基である。AOは、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基から選ばれる少なくとも1種から構成されるオキシアルキレン基である。nはAOの平均付加モル数を表し、1〜50である。)
4)前記成分(B)が、前記ホウ酸エステル化合物及び前記一般式(2)で示される化合物を含む。
5)前記ホウ酸エステル化合物が、多価アルコール類と、下記一般式(5)で示される化合物と、下記一般式(6)で示される化合物との反応物及び/又はその塩である。
Figure 2017119837
(式(5)中、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基である。)
Figure 2017119837
(式(6)中、R10は炭素数7〜21の脂肪族炭化水素基であり、R11は水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基である。)
6)前記成分(A)が、下記一般式(7)で示される化合物を含む。
Figure 2017119837
(式(7)中、a及びbは、0以上の整数であって、a+b=5〜17を満たす整数である。Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アミン基又はホスホニウム基である。)
7)前記成分(A)が下記一般式(8)で示される化合物を含む。
Figure 2017119837
(式(8)中、R12、R13はそれぞれ独立して炭素数2〜12のアルキル基又はアルケニル基であり、直鎖又は分岐鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アミン基又はホスホニウム基である。)
8)前記成分(A)が下記一般式(9)で示される化合物を含む。
Figure 2017119837
(式(9)中、R14は炭素数6〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、直鎖又は分岐鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アミン基又はホスホニウム基である。)
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の熱可塑性樹脂用帯電防止剤と、熱可塑性樹脂とを含むものである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、次の9)及び10)から選ばれる少なくとも1つをさらに満足すると好ましい。
9)前記熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂である。
10)前記熱可塑性樹脂組成物を用いて射出成形により2mm厚の成型品を作成した時、温度20℃、湿度45%の条件下で測定した表面固有抵抗率が1×1014Ω以下となり、全光線透過率が50%以上となる。
本発明の熱可塑性樹脂成形体は、上記の熱可塑性樹脂組成物を用いて作製されたものである。
本発明の帯電防止剤は、熱可塑性樹脂に練り込んだ際に、熱可塑性樹脂に対して優れた帯電防止性能を付与できるとともに、熱可塑性樹脂の持つ透明性を低下させる度合いが小さい。そのため、本発明の帯電防止剤を用いることによって、帯電防止性能及び透明性に優れる熱可塑性樹脂成形体の製造が可能となる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の帯電防止剤を含むため、帯電防止性能及び透明性に優れる熱可塑性樹脂成形体の製造が可能となる。
本発明の熱可塑性樹脂成形体は、帯電防止性能及び透明性に優れる。
本発明の熱可塑性樹脂用帯電防止剤(以下、単に「帯電防止剤」と略記することがある)は、有機スルホン酸化合物、有機硫酸エステル化合物及び有機リン酸エステル化合物から選ばれる少なくとも1種である成分(A)と、上記一般式(1)で示される化合物、ホウ酸エステル化合物及び上記一般式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種である成分(B)とを、特定の重量比率で含有するものである。以下、詳細に説明する。
〔熱可塑性樹脂用帯電防止剤〕
〔成分(A)〕
成分(A)は、本発明の帯電防止剤の必須成分であり、有機スルホン酸化合物、有機硫酸エステル化合物及び有機リン酸エステル化合物から選ばれる少なくとも1種である。
有機スルホン酸化合物は、有機スルホン酸であってもよく、有機スルホン酸塩であってもよく、それらの混合物であってもよい。
有機スルホン酸としては、特に限定されないが、例えば、アルカンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸、N−アシルスルホン酸等を挙げることができる。具体的には、アルカンスルホン酸として、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、トリデカンスルホン酸、テトラデカンスルホン酸、ペンタデカンスルホン酸、ヘキサデカンスルホン酸、ヘプタデカンスルホン酸、オクタデカンスルホン酸、デカンジスルホン酸、ドデカンジスルホン酸、テトラデカンジスルホン酸、ヘキサデカンジスルホン酸、オクタデカンジスルホン酸等を、α−オレフィンスルホン酸として、デセンスルホン酸、ドデセンスルホン酸、テトラデセンスルホン酸、ヘキサデセンスルホン酸、オクタデセンスルホン酸等を、アルキルベンゼンスルホン酸として、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸等を、アルキルナフタレンスルホン酸として、デシルナフタレンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、テトラデシルナフタレンスルホン酸、ヘキサデシルナフタレンスルホン酸等を、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸として、デシルジフェニルエーテルジスルホン酸、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸、テトラデシルジフェニルエーテルジスルホン酸、ヘキサデシルジフェニルエーテルジスルホン酸、ジブチルジフェニルエーテルジスルホン酸、ジヘキシルジフェニルエーテルジスルホン酸、ジオクチルジフェニルエーテルジスルホン等を、ジアルキルスルホコハク酸として、ジプロピルスルホコハク酸、ジヘキシルスルホコハク酸、ジオクチルスルホコハク酸、ジデシルスルホコハク酸等を、N−アシルスルホン酸として、ラウロイルメチルタウリン、ミリストイルメチルタウリン、パルミトレイルメチルタウリン、ステアロイルメチルタウリン等を好適に使用することができる。
有機スルホン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、上記で示した有機スルホン酸の塩等を挙げることができる。
これらの有機スルホン酸化合物は、1種又は2種以上を併用してもよい。これらの中でも、有機スルホン酸化合物が、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩及びアルキルベンゼンスルホン酸塩から選ばれる少なくとも1種であると帯電防止性に優れるため好ましい。
有機硫酸エステル化合物は、有機硫酸エステルであってもよく、有機硫酸エステル塩であってもよく、それらの混合物であってもよい。
有機硫酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、アルキル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸エステルなどを挙げることができる。具体的には、アルキル硫酸エステルとして、デシル硫酸エステル、ドデシル硫酸エステル、テトラデシル硫酸エステル、ヘキサデシル硫酸エステル、オクタデシル硫酸エステル等を、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステルとして、ポリオキシエチレンデシル硫酸エステル、ポリオキシエチレンドデシル硫酸エステル、ポリオキシエチレンテトラデシル硫酸エステル、ポリオキシエチレンヘキサデシル硫酸エステル、ポリオキシエチレンオクタデシル硫酸エステル等を、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸エステルとして、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンヘキサデシルフェニルエーテル硫酸エステル等を好適に使用することができる。
有機硫酸エステル塩としては、特に限定されないが、例えば、上記で示した有機硫酸エステルの塩等を挙げることができる。
これらの有機硫酸エステル化合物は、1種又は2種以上を併用してもよい。これらの中でも、有機硫酸エステル化合物が、アルキル硫酸エステル塩であると帯電防止性に優れるため好ましい。
有機リン酸エステル化合物は、有機リン酸エステルであってもよく、有機リン酸エステル塩であってもよく、それらの混合物であってもよい。
有機リン酸エステル化合物としては、特に限定されないが、例えば、アルキルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル等が挙げられる。具体的には、アルキルリン酸エステルとして、デシルリン酸エステル、ドデシルリン酸エステル、テトラデシルリン酸エステル、ヘキサデシルリン酸エステル、オクタデシルリン酸エステル等を、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルとして、ポリオキシエチレンデシルリン酸エステル、ポリオキシエチレンドデシルリン酸エステル、ポリオキシエチレンテトラデシルリン酸エステル、ポリオキシエチレンヘキサデシルリン酸エステル、ポリオキシエチレンオクタデシルリン酸エステル等を、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸エステルとして、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンヘキサデシルフェニルエーテルリン酸エステル等を好適に使用することができる。
有機リン酸エステル塩としては、特に限定されないが、例えば、上記で示した有機リン酸エステルの塩等を挙げることができる。
これらの有機リン酸エステル化合物は、1種又は2種以上を併用してもよい。これらの中でも、有機リン酸エステル化合物が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルであると帯電防止性に優れるため好ましい。
成分(A)が、上記一般式(7)で示される化合物を含むと、帯電防止性に優れるため好ましい。一般式(7)中、a及びbは、0以上の整数であって、a+b=5〜17を満たす整数である。a+bが上記範囲内であると、熱可塑性樹脂に対して優れた帯電防止性を付与することができるとともに、熱可塑性樹脂との相溶性にも優れるため熱可塑性樹脂の透明性を損なう度合いが小さい。a+bは、7〜17が好ましく、10〜15がさらに好ましい。
一般式(7)中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アミン基又はホスホニウム基である。帯電防止性に優れるという観点から、Mがアルカリ金属であると好ましい。アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等を挙げることができ、これらのなかでもナトリウムが特に好ましい。アンモニウム基及び有機アミン基としては、NRで示される基を挙げることができる。R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基又はポリオキシアルキレン基である。アルキル基及びアルケニル基の炭素数は、1〜24が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜18がさらに好ましい。ポリオキシアルキレン基は「−(AO)H」で示され、(AO)は一般式(1)で示されるものと同様である。
ホスホニウム基としては、PRで示される基を挙げることができる。R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基又はポリオキシアルキレン基である。アルキル基及びアルケニル基の炭素数は、1〜24が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜18がさらに好ましい。ポリオキシアルキレン基は「−(AO)H」で示され、(AO)は一般式(1)で示されるものと同様である。
NRで示される基としては、例えばアンモニウム基、メチルアンモニウム基、エチルアンモニウム基、プロピルアンモニウム基、ジメチルアンモニウム基、ジエチルアンモニウム基、ジプロピルアンモニウム基、ジブチルアンモニウム基、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、トリプロピルアンモニウム基、トリブチルアンモニウム基、テトラメチルアンモニウム基、テトラエチルアンモニウム基、テトラプロピルアンモニウム基、テトラブチルアンモニウム基、エチルトリメチルアンモニウム基、プロピルトリメチルアンモニウム基、ブチルトリメチルアンモニウム基、メタノールアンモニウム基、エタノールアンモニウム基、プロパノールアンモニウム基、ブタノールアンモニウム基、ヘキサノールアンモニウム基、オクタノールアンモニウム基、ジメタノールアンモニウム基、ジエタノールアンモニウム基、ジプロパノールアンモニウム基、ジブタノールアンモニウム基、トリメタノールアンモニウム基、トリエタノールアンモニウム基、トリプロパノールアンモニウム基、トリブタノールアンモニウム基、(EO6)ブチルアミノエーテル基等が挙げられる。
PRで示される基としては、例えばホスホニウム基、メチルホスホニウム基、エチルホスホニウム基、プロピルホスホニウム基、ジメチルホスホニウム基、ジエチルホスホニウム基、ジプロピルホスホニウム基、ジブチルホスホニウム基、トリメチルホスホニウム基、トリエチルホスホニウム基、トリプロピルホスホニウム基、トリブチルホスホニウム基、テトラメチルホスホニウム基、テトラエチルホスホニウム基、テトラプロピルホスホニウム基、テトラブチルホスホニウム基、エチルトリメチルホスホニウム基、プロピルトリメチルホスホニウム基、ブチルトリメチルホスホニウム基、メタノールホスホニウム基、エタノールホスホニウム基、プロパノールホスホニウム基、ブタノールホスホニウム基、ヘキサノールホスホニウム基、オクタノールホスホニウム基、ジメタノールホスホニウム基、ジエタノールホスホニウム基、ジプロパノールホスホニウム基、ジブタノールホスホニウム基、トリメタノールホスホニウム基、トリエタノールホスホニウム基、トリプロパノールホスホニウム基、トリブタノールホスホニウム基等が挙げられる。
一般式(7)で示される有機スルホン酸化合物は、1種又は2種以上を併用することができる。
上記一般式(7)で示される化合物は、スルホン酸(塩)基を一つ有するモノスルホン酸化合物である。成分(A)が、一般式(7)で示される化合物を含み、さらに下記一般式(10)で示される化合物(ジスルホン酸化合物)を含むと、より帯電防止性に優れるため好ましい。
Figure 2017119837
式(10)中、c、d及びeは、0以上の整数であって、c+d+e=4〜16を満たす整数である。c+d+eは6〜16が好ましく、9〜14がさらに好ましい。
Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アミン基又はホスホニウム基である。Mについての詳細は、一般式(7)のところで説明したMと同様である。
一般式(10)で示される化合物は、1種又は2種以上を併用することができる。
成分(A)が、一般式(7)で示される化合物と、一般式(10)で示される化合物とを含有する場合、その重量比(一般式(7)で示される化合物/一般式(10)で示される化合物)は、好ましくは50/50〜99/1、より好ましくは60/40〜90/10、さらに好ましくは65/35〜85/15である。該重量比が上記範囲にあると、帯電防止性がさらに優れるため好ましい。
成分(A)が、上記一般式(8)で示される化合物を含むと、帯電防止性に優れるため好ましい。一般式(8)中、R12、R13はそれぞれ独立してアルキル基又はアルケニル基であり、直鎖又は分岐鎖のいずれの構造から構成されていてもよく、それぞれ独立して炭素数が2〜12である。アルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2一エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、イソウンデシル基、ドデシル基、イソドデシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基等が挙げられる。R12、R13の炭素数はそれぞれ2〜12が好ましく、4〜10がさらに好ましい。Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アミン基又はホスホニウム基である。Mについての詳細は、一般式(7)のところで説明したMと同様である。一般式(8)で示される化合物は、1種又は2種以上を併用することができる。
成分(A)が、上記一般式(9)で示される化合物を含むと、帯電防止性に優れるため好ましい。一般式(9)中、R14はアルキル基又はアルケニル基であり、直鎖又は分岐鎖のいずれの構造から構成されていてもよく、炭素数が6〜24である。アルキル基としては、例えば、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2一エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、イソウンデシル基、ドデシル基、イソドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、イソテトラデシル基、ペンタデシル基、イソペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、ヘプタデシル基、イソヘプタデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、2−オクチルデシル基、2−ヘキシルドデシル基、ノナデシル基、イソノナデシル基、エイコシル基、イソエイコシル基、ヘンエイコシル基、イソヘンエイコシル基、ドコシル基、イソドコシル基、トリコシル基、イソトリコシル基、テトラコシル基、イソテトラコシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、イコサデセニル基、ドコセニル基等が挙げられる。R14の炭素数は好ましくは8〜22であり、より好ましくは10〜18である。Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基又、有機アミン基又はホスホニウム基である。Mについての詳細は、一般式(7)のところで説明したMと同様である。一般式(9)で示される化合物は、1種又は2種以上を併用することができる。
〔成分(B)〕
成分(B)は、本発明の帯電防止剤の必須成分であり、上記一般式(1)で示される化合物、ホウ酸エステル化合物及び上記一般式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種である。
一般式(1)で示される化合物は、芳香族アルコールに対して、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付加した構造を持つ化合物であり、非イオン界面活性剤の1種である。
一般式(1)中、Rは炭素数6〜33の置換又は非置換のアリール基である。Rの具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、トリメチルフェニル基、クメニル基、テトラメチルフェニル基、チミル基、カルバクリル基、キセニル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ヒドロシンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、α−クミル基、p−クミルフェニル基、クミニル基、ネオフィル基、ベンジルフェニル基、フェネチルフェニル基、スチレン化フェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等が挙げられる。
一般式(1)中、AOは、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基から選ばれる少なくとも1種から構成されるオキシアルキレン基である。AOが、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基から選ばれる2種以上から構成される場合、オキシアルキレン基の付加形式はブロック状であってもよく、ランダム状であってもよい。入手の容易さやコストの観点から、AOは、好ましくはオキシエチレン基及びオキシプロピレン基から選ばれる少なくとも1種から構成されるオキシアルキレン基であり、より好ましくはオキシエチレン基である。
一般式(1)中、nはAOの平均付加モル数を表す。AOの平均付加モル数nは1〜50であり、より好ましくは3〜47、さらに好ましくは5〜45、特に好ましくは8〜35である。nが1未満であると、親水性不足により成分(A)との相溶性が悪化し、成形体の白濁に繋がる。一方、nが50超であると、親水性過剰となり成分(A)の熱可塑性樹脂への分散性が阻害される。
一般式(1)で示される化合物の重量平均分子量としては、特に限定はないが、好ましくは200〜5000、より好ましくは400〜4000、さらに好ましくは600〜3000である。重量平均分子量が200未満であると、溶融成形時に揮発することで成形体の外観及び生産性に悪影響を及ぼすことがある。一方、重量平均分子量が5000超であると、熱可塑性樹脂中での界面活性剤の移動が妨げられ成形体の帯電防止性が不足する恐れがある。
一般式(1)で示される化合物は、1種又は2種以上を併用することができる。
一般式(1)で示される化合物は、従来公知の方法を組み合わせて製造することができ、その製造方法は、特に限定されないが、例えば、ROHで示されるアルコールに対してアルキレンオキサイドを付加反応させる方法等が挙げられる。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等を挙げることができ、1種又は2種以上を併用することができる。上記付加反応は、常法によって行われ、触媒の存在下で行ってもよい。
上記付加反応においてアルキレンオキサイドを2種以上併用する場合、アルキレンオキサイドの付加形態については、ランダム付加でもブロック付加でもよく、特に限定はないが、たとえば、1)ROHで示されるアルコールに2種以上のアルキレンオキサイドがランダム付加した形態や、2)ROHで示されるアルコールに2種以上のアルキレンオキサイドがブロック付加した形態や、3)ROHで示されるアルコールに2種以上のアルキレンオキサイドがランダム付加した後に、さらに1種または2種以上のアルキレンオキサイドがブロック付加した形態や、4)ROHで示されるアルコールに1種のアルキレンオキサイドが付加した後に、2種以上のアルキレンオキサイドがランダム付加した形態や、5)ROHで示されるアルコールに1種のアルキレンオキサイドが付加した後、2種以上のアルキレンオキサイドがランダム付加し、さらに1種のアルキレンオキサイドが付加した形態等が挙げられる。
成分(B)が、一般式(1)で示される化合物を含むと、熱可塑性樹脂に対して優れた帯電防止性を付与することができるとともに、熱可塑性樹脂の透明性を損なう度合いも小さいため好ましい。
本発明の効果がより顕著に発揮されるという観点から、上記一般式(1)で示される化合物が、上記一般式(3)で示される化合物及び上記一般式(4)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種であると好ましく、上記一般式(4)で示される化合物であるとさらに好ましい。
一般式(3)中、mは0〜5の整数であり、好ましくは1〜3である。
一般式(3)中、m個のRは、それぞれ独立してアルキル基又はアルケニル基であり、直鎖又は分岐鎖のいずれの構造から構成されていてもよく、m個のRの合計の炭素数が0〜27である。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n一ブチル基、t一ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2一エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、イソウンデシル基、ドデシル基、イソドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、イソテトラデシル基、ペンタデシル基、イソペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、ヘプタデシル基、イソヘプタデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、2−オクチルデシル基、2−ヘキシルドデシル基、ノナデシル基、イソノナデシル基、エイコシル基、イソエイコシル基、ヘンエイコシル基、イソヘンエイコシル基、ドコシル基、イソドコシル基、トリコシル基、イソトリコシル基、テトラコシル基、イソテトラコシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、イコサデセニル基、ドコセニル基等が挙げられる。m個のRの合計の炭素数は、好ましくは3〜22であり、より好ましくは6〜18である。
一般式(3)中のAOおよびnに対しては、それぞれ一般式(1)のところで説明したAOおよびnの説明をそのまま適用できる。一般式(3)で示される化合物は、1種又は2種以上を併用することができる。
一般式(3)で示される化合物は、従来公知の方法を組み合わせて製造することができ、その製造方法は、特に限定されないが、例えば、上記一般式(1)で示される化合物のところで説明した製造方法等を適用することができる。
一般式(4)中、jは1〜3の整数であり、より好ましくは2又は3である。
一般式(4)中、j個のRは、それぞれ独立して、メチレン基、エチレン基、エチリデン基又はイソプロピリデン基である。Rは、好ましくはエチリデン基である。
一般式(4)中のAOおよびnに対しては、それぞれ一般式(1)のところで説明したAOおよびnの説明をそのまま適用できる。一般式(4)で示される化合物は、1種又は2種以上を併用することができる。
一般式(4)で示される化合物は、従来公知の方法を組み合わせて製造することができ、その製造方法は、特に限定されないが、例えば、上記一般式(1)で示される化合物のところで説明した製造方法等を適用することができる。
ホウ酸エステル化合物は、多価アルコール類、脂肪酸、ホウ酸等を原料として合成される化合物であり、通常、単量体、多量体、反応副生物など複数の化合物の混合物として得られる。
本発明において、ホウ酸エステル化合物が、多価アルコール類と、上記一般式(5)で示される化合物と、上記一般式(6)で示される化合物との反応物及び/又はその塩であると好ましい。前記反応物の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン塩等が挙げられる。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、アラビトール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、グルコース、ラクトース、単糖類、ショ糖、及びそれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらの多価アルコール類は、1種又は2種以上を併用することができる。
一般式(5)で示される化合物は、ホウ酸、又は、ホウ酸を炭素数1〜5の1価アルコールでエステル化した化合物であり、一般式(5)中、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基である。炭素数1〜5の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n一ブチル基、t一ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基等が挙げられる。エステル化反応又はエステル交換反応の反応性を向上させる観点から、R、R及びRは、水素原子又はメチル基であると好ましい。一般式(5)で示される化合物は、1種又は2種以上を併用することができる。
一般式(6)で示される化合物は、炭素数8〜22の脂肪酸、又は、炭素数8〜22の脂肪酸を炭素数1〜5の1価アルコールでエステル化した化合物であり、一般式(6)中、R10は炭素数7〜21の脂肪族炭化水素基であり、R11は水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基である。R10としては、例えば、CH(CH、CH(CH、CH(CH、CH(CH10、CH(CH12、CH(CH14、CH(CH16、CH(CHCH=CH(CH、CH(CH(CHCH=CH)(CH、CH(CHCH=CH)(CH、CH(CH(CHCH=CH)(CH、CH(CH18、CH(CH20等が挙げられる。炭素数1〜5の炭化水素基としては、一般式(5)のところで例示した炭化水素基等が挙げられる。一般式(6)で示される化合物は、1種又は2種以上を併用することができる。
ホウ酸エステル化合物は、従来公知の方法を組み合わせて製造することができ、その製造方法は特に限定されないが、例えば、I)多価アルコール類と一般式(6)で示される化合物とを、多価アルコール類の水酸基が残存する程度にエステル化又はエステル交換反応させてエステル化物を得て、次いでこのエステル化物と一般式(5)で示される化合物とを反応させる方法、II)多価アルコール類と一般式(5)で示される化合物とを、多価アルコール類の水酸基が残存する程度にエステル化又はエステル交換反応させてエステル化物を得て、次いでこのエステル化物と一般式(6)で示される化合物とを反応させる方法、等の方法が挙げられる。
上記I)の方法において、多価アルコール類と一般式(6)で示される化合物とのエステル化反応又はエステル交換反応は、公知の方法により行うことができ、その反応モル比は特に限定されないが、多価アルコール中の水酸基1モルに対して一般式(6)で示される化合物0.1〜0.5モルを用いることが好ましい。多価アルコール中の水酸基と一般式(6)で示される化合物のカルボニル基との反応モル比により、モノエステル、ジエステル、又はトリエステル以上のエステルが得られる。分子蒸留によるモノエステルの純度が高い方が望ましいが、特にエステル化度に限定はなく、これらが混在していても良い。一方、多価アルコール類を一般式(6)で示される化合物でエステル化した化合物と一般式(5)で示される化合物との反応も公知の方法により行うことができ、多価アルコール類を一般式(6)で示される化合物でエステル化した化合物中の水酸基1モルに対して、一般式(5)で示される化合物を0.1〜0.7モル用いることが好ましく、0.2〜0.5モル用いることがより好ましい。一般式(5)で示される化合物の量が0.8モル以上となると残存しているホウ酸と熱可塑性樹脂とが反応して物性が変化する恐れがあり、好ましくない。
上記I)の方法により得られるホウ酸エステル化合物としては、例えば、グリセリンモノラウレートとホウ酸との反応物、グリセリンモノステアレートとホウ酸との反応物、グリセリンモノステアレートとホウ酸トリメチルとの反応物、グリセリンモノオレートとホウ酸との反応物、グリセリンジラウレートとホウ酸との反応物、グリセリンジステアレートとホウ酸との反応物、ジグリセリンモノラウレートとホウ酸との反応物、ジグリセリンモノステアレートとホウ酸との反応物、ジグリセリンモノオレートとホウ酸との反応物、ジグリセリンジラウレートとホウ酸との反応物、ジグリセリンジステアレートとホウ酸との反応物、ジグリセリントリラウレートとホウ酸との反応物、ポリグリセリンモノラウレートとホウ酸との反応物、ポリグリセリンジラウレートとホウ酸との反応物、ポリオキシエチレングリセリンモノラウレートとホウ酸との反応物、ポリオキシプロピレングリセリンモノラウレートとホウ酸との反応物、ソルビトールモノラウレートとホウ酸との反応物、ソルビトールモノステアレートとホウ酸との反応物、ソルビトールモノオレートとホウ酸との反応物、ポリオキシエチレンソルビトールモノラウレートとホウ酸との反応物、ポリオキシエチレンソルビトールモノステアレートとホウ酸との反応物、ペンタエリスリトールモノラウレートとホウ酸との反応物、ペンタエリスリトールモノステアレートとホウ酸との反応物、ペンタエリスリトールジラウレートとホウ酸との反応物、ショ糖モノラウレートとホウ酸との反応物、ショ糖モノステアレートとホウ酸との反応物、ショ糖モノオレートとホウ酸との反応物、ポリエチレングリコールモノラウレートとホウ酸との反応物、ポリプロピレングリコールモノラウレートとホウ酸との反応物、グリセリンモノラウレートとホウ酸との反応物のナトリウム塩、グリセリンモノオレートとホウ酸との反応物のナトリウム塩、グリセリンジステアレートとホウ酸との反応物のカリウム塩、ジグリセリンモノラウレートとホウ酸との反応物のナトリウム塩、ポリグリセリンモノステアレートとホウ酸との反応物のカルシウム塩、ソルビトールモノラウレートとホウ酸との反応物のナトリウム塩、ペンタエリスリトールモノステアレートとホウ酸との反応物のカルシウム塩等が挙げられる。これらの反応物及びその塩は、1種又は2種以上を併用することができる。
上記II)の方法において、多価アルコール類と一般式(5)で示される化合物とのエステル化反応又はエステル交換反応は、公知の方法により行うことができ、その反応モル比は特に限定されないが、多価アルコール類1モルに対して、一般式(5)で示される化合物0.5〜1モルを用いることが好ましい。一方、多価アルコール類を一般式(5)で示される化合物でエステル化した化合物と一般式(6)で示される化合物との反応も公知の方法により行うことができ、その反応モル比も特に限定されないが、多価アルコール類を一般式(5)で示される化合物でエステル化した化合物1モルに対して、一般式(6)で示される化合物1〜2モルを用いることが好ましい。
上記II)の方法により得られるホウ酸エステル化合物としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンをベースにそれぞれ例えばグリセロールボレート−ラウレート、グリセロールボレート−パルミテート、グリセロールボレート−ステアレート、グリセロールボレート−オレート、グリセロールボレート−イソステアレート、グリセロールボレート−ヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレングリセロールボレート−ラウレート、ポリオキシエチレングリセロールボレート−パルミテート、ポリオキシエチレングリセロールボレート−ステアレート、ポリオキシエチレングリセロールボレート−オレート、ポリオキシエチレングリセロールボレート−イソステアレート、ジグリセロールボレート−ラウレート、グリセロールボレート−ラウレートのナトリウム塩、ジグリセロールボレート−ステアレートのカリウム塩、ポリオキシエチレングリセロールボレート−イソステアレートのカルシウム塩等が挙げられる。これらの反応物及びその塩は、1種又は2種以上を併用することができる。
一般式(2)で示される化合物は、含窒素界面活性剤の1種である。
一般式(2)中、Rは炭素数6〜30のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシルアルキル基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基であり、直鎖又は分岐鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。Rとしては、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヘキセン基、オクテン基、デセン基、ドデセン基、テトラデセン基、ヘキサデセン基、オクタデセン基、2−ヒドロキシヘキシル基、2−ヒドロキシオクチル基、2−ヒドロキシデシル基、2−ヒドロキシドデシル基、2−ヒドロキシテトラデシル基、2−ヒドロキシオクタデシル基、ヘキシルフェニル基、オクチルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基、テトラデシルフェニル基、ヘキサデシルフェニル基、オクタデシルフェニル基、フェニルヘキシル基、フェニルオクチル基、フェニルデシル基、フェニルドデシル基、フェニルテトラデシル基、フェニルオクタデシル基等が挙げられる。Rの炭素数は、より好ましくは10〜20である。
一般式(2)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5のアシル基である。R及びRのうち、少なくとも一方が水素原子であると好ましく、R及びRがいずれも水素原子であるとさらに好ましい。
一般式(2)中、kは、0又は1である。
一般式(2)中、AO及びAOは、それぞれ独立してオキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基から選ばれる少なくとも1種から構成されるオキシアルキレン基である。AO及びAOに対しては、一般式(1)におけるAOの説明をそのまま適用できる。
一般式(2)中、p及びqは、それぞれAO及びAOの平均付加モル数を表し、p+q=0〜20である。p+qは、1〜20が好ましく、2〜15がさらに好ましい。
一般式(2)で示される化合物としては、一級アミン、一級アミンのアルキレンオキサイド付加物、一級アミンのアルキレンオキサイド付加物の少なくとも1つの末端水酸基を脂肪酸で封鎖したエステル、脂肪酸アミド、脂肪酸アルカノールアミド、アンモニアと炭化水素のエポキシ化物とを反応させて作られる2−ヒドロキシ脂肪族アミン、一級の2−ヒドロキシ脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。一般式(2)で示される化合物の具体例としては、例えば、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ドデシルジエタノールアミン、テトラデシルジエタノールアミン、ヘキサデシルジエタノールアミン、オクタデシルジエタノールアミン、ドデシルジエタノールアミンアセテート、テトラデシルジエタノールアミンアセテート、ヘキサデシルジエタノールアミンアセテート、ドデシルアミド、テトラデシルアミド、ヘキサデシルアミド、オクタデシルアミド、ドデシルジエタノールアミド、テトラデシルジエタノールアミド、ヘキサデシルジエタノールアミド、オクタデシルジエタノールアミド、2ーヒドロキシドデシルアミン、2−ヒドロキシテトラデシルアミン、2−ヒドロキシヘキサデシルアミン、2−ヒドロキシオクタデシルアミン、2ーヒドロキシドデシルジエタノールアミン、2−ヒドロキシテトラデシルジエタノールアミン、2−ヒドロキシヘキサデシルジエタノールアミン、2−ヒドロキシオクタデシルジエタノールアミン等が挙げられる。
一般式(2)で示される化合物は、1種又は2種以上を併用することができる。
一般式(2)で示される化合物は、従来公知の方法を用いて製造することができ、その製造方法は特に限定されない。
成分(B)が、ホウ酸エステル化合物及び一般式(2)で示される化合物を含むと、熱可塑性樹脂に対して優れた帯電防止性を付与することができるとともに、熱可塑性樹脂の透明性を損なう度合いも小さいため好ましい。
成分(B)が、一般式(1)で示される化合物を含み、ホウ酸エステル化合物及び一般式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種をさらに含むと、帯電防止性及び透明性がより優れるため好ましい。
本発明の帯電防止剤は、上記成分(A)と上記成分(B)とを含有し、成分(A)と成分(B)との重量比(A/B)が67/33〜5/95である。
本発明の帯電防止剤は、大きく分けて2つの成分から構成される。帯電防止性能は高いが樹脂との相溶性に劣り、熱可塑性樹脂の透明性を阻害する成分(A)に対して成分(B)を熱可塑性樹脂と成分(A)の分散剤として混合、添加することで熱可塑性樹脂の透明性、均一性を維持した上で優れた帯電防止性能を発揮することができる。
該重量比(A/B)は、好ましくは60/40〜5/95、より好ましくは50/50〜7/93、さらに好ましくは40/60〜10/90、特に好ましくは30/70〜10/90である。
本発明の帯電防止剤は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記成分(A)及び(B)に加えて、さらに成分(C)を含むものであってもよい。成分(C)は、成分(A)及び成分(B)を除くものをいう。
成分(C)としては、例えば、上記成分(A)及び(B)のところで記載された化合物を除く各種界面活性剤等が挙げられ、具体的には、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノミリステート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート等のグリセリンモノ脂肪酸エステル;グリセリンジラウレート、グリセリンジミリステート、グリセリンジパルミテート、グリセリンジステアレート、グリセリンジベヘネート等のグリセリンジ脂肪酸エステル;グリセリンセスキラウレート、グリセリンセスキミリステート、グリセリンセスキパルミテート、グリセリンセスキステアレート、グリセリンセスキベヘネート等のグリセリンセスキ脂肪酸エステル;グリセリントリラウレート、グリセリントリミリステート、グリセリントリパルミテート、グリセリントリステアレート、グリセリントリベヘネート等のグリセリントリ脂肪酸エステル;ポリグリセリン脂肪酸エステル;ショ糖脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;1−ヘキサデカノール、1−オクタデカノール、1−イコサノール、1−ドコサノール、1−テトラコサノール、1−オクタコサノール、1−ドトリアコンタノール、2−テトラデシル−テトラデカン−1−オール等の脂肪族高級アルコール;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩;ラウリルジエタノールアミンラウレート、ミリスチルジエタノールアミンミリステート、パルミチルジエタノールアミンパルミテート、ステアリルジエタノールアミンステアレート等の一般式(2)で示される化合物を除く脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル等が挙げられる。なお、成分(C)には、上記で説明した有機スルホン酸化合物、有機硫酸エステル化合物、有機リン酸エステル化合物、一般式(1)で示される化合物、ホウ酸エステル化合物及び一般式(2)で示される化合物に由来する不純物等も含まれる。これらの成分(C)は、1種又は2種以上を併用することができる。
本発明の帯電防止剤における、成分(A)及び成分(B)の合計と、成分(C)との重量比[(A+B)/C]については、特に限定されないが、好ましくは100/0〜30/70、より好ましくは100/0〜50/50、さらに好ましくは100/0〜70/30、特に好ましくは100/0〜90/10、最も好ましくは100/0〜95/5である。(A+B)/Cが上記範囲を外れると、帯電防止性が不十分となることがあり、また、熱可塑性樹脂の透明性を損なうことがある。
本発明の帯電防止剤に占める、成分(A)及び成分(B)の合計の重量割合は、好ましくは30〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%、さらに好ましくは70〜100重量%、特に好ましくは90〜100重量%、最も好ましくは95〜100重量%である。該重量割合が、30重量%未満であると、帯電防止性が不十分となることがあり、また、熱可塑性樹脂の透明性を損なうことがある。
本発明の帯電防止剤は、上記で説明した各成分をそれぞれ混合することによって製造される。混合方法については、特に限定はなく、例えば、各成分を溶融混合する方法が挙げられる。また、各成分は、一挙または順次に混合してもよく、予めいくつかの成分を混合しておいて、残りの成分と混合してもよい。帯電防止剤を構成する各成分は、熱可塑性樹脂と混合するまでの段階で予め混合されていてもよく、熱可塑性樹脂と混合する段階になってから混合されてもよい。
〔熱可塑性樹脂組成物〕
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の熱可塑性樹脂用帯電防止剤と、熱可塑性樹脂とを含むものである。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の帯電防止剤を含むため、帯電防止性および透明性の双方に優れる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いる熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリルとブタジエンとスチレンが共重合したABS樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−EPDM−スチレン共重合樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン系ゴム−スチレン共重合樹脂(MBS樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合樹脂(AES樹脂)、アクリロニトリル−アクリル系ゴム−スチレン共重合樹脂(AAS樹脂)等のスチレン系樹脂;低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、TPO、TPV、オレフィン系熱可塑性エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合樹脂、アイオノマー樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等のポリビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリロニトリル等のアクリル系樹脂;6−ナイロン、6,6−ナイロン、TPEA等のポリアミド系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種又は2種以上を併用することができる。これらの中でも、成分(B)と樹脂との相溶性という観点から、熱可塑性樹脂が、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂又はスチレン系樹脂であると好ましく、ポリエステル系樹脂であると特に好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の熱可塑性樹脂用帯電防止剤及び熱可塑性樹脂以外に、さらに必要に応じて、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防曇剤、滑剤、難燃剤、着色剤、顔料、無機充填剤、可塑剤、造核剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤としては、従来公知のものを使用することができ、それらの配合量は目的に応じて適宜設定すればよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて射出成形により2mm厚の成型品を作成したとき、温度20℃、湿度45%の条件下で測定した表面固有抵抗率は、好ましくは1×1014Ω以下、より好ましくは1×1013Ω以下、さらに好ましくは1×1012Ω以下であり、全光線透過率は、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。なお、本発明における表面固有抵抗率及び全光線透過率の測定方法は、実施例に記載されたものによる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形材料の中間原料であるマスターバッチであってもよいし、成形に用いられる成形材料であってもよい。以下、本発明の熱可塑性樹脂組成物がマスターバッチの場合と、成形材料の場合とに分けて、それぞれ説明する。
(マスターバッチ)
本発明においてマスターバッチとは、成形体の製造工程における中間原料であって、着色剤や樹脂性能改質剤等の添加剤を高濃度に含有した樹脂組成物のことを指す。樹脂ペレットにマスターバッチを混合すると、添加剤を含まない樹脂ペレットに添加剤を単独で混合するよりも、ハンドリング性良く混合することができる。また、マスターバッチを使用することにより、低濃度の添加剤であっても分散性良く樹脂中に均一に混合することが可能となる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物がマスターバッチの場合、このマスターバッチを原料として成形材料を製造する上で、分散の均一性やハンドリング性を向上させる目的から、熱可塑性樹脂組成物に占める帯電防止剤の重量割合(以下、「帯電防止剤濃度」ということがある)は、好ましくは5〜30重量%であり、より好ましくは10〜20重量%である。該重量割合が5重量%未満では、成形材料や成形加工品を作製する際に均一な濃度での混合性を確保できないうえ、成形材料を製造する場合にマスターバッチが大量に必要となり、コスト高となる。一方、該重量割合が30重量%を超えると、相溶性不足によりマスターバッチの製造が困難になる。
マスターバッチは、本発明の効果を損なわない限りにおいて、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤や、防曇剤、滑剤、造核剤、顔料、無機充填剤、可塑剤、必要に応じてその他のポリオレフィン熱可塑性樹脂添加剤等を含有してもよい。
マスターバッチの製造方法としては、たとえば、通常のプラスチック成形機、すなわちバンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、ベント付スクリュー押出成形機、ニーダー等を使用して、熱可塑性樹脂と本発明の帯電防止剤とを溶融混練、冷却後、ペレタイズしマスターバッチを作製する方法等を挙げることができる。
(成形材料)
本発明における成形材料とは、それ自体が成形加工されて、フィルム・シート等の最終製品(熱可塑性樹脂成形体)となるものを指す。
本発明の熱可塑性樹脂組成物が成形材料の場合、熱可塑性樹脂組成物に占める帯電防止剤の重量割合(帯電防止剤濃度)は、好ましくは0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.3〜5重量%である。該重量割合が0.1重量%未満であると、十分な帯電防止性能が発揮されないことがある。一方、該重量割合が10重量%を超えると、さらなる帯電防止性能の向上が認められないうえに、熱可塑性樹脂の持つ透明性が損なわれることがある。
成形材料は、マスターバッチと同様に、本発明の効果を損なわない限りにおいて、他の添加剤等を含有してもよい。
成形材料の製造方法としては、帯電防止剤と熱可塑性樹脂とを単に溶融混練する方法や、前記マスターバッチと熱可塑性樹脂とを溶融混練する方法等を挙げることができる。成形材料の製造方法では、マスターバッチ製造と同様の通常のプラスチック成形機を用いることができる。
前記マスターバッチと熱可塑性樹脂とを溶融混練して成形材料を製造する場合、マスターバッチに含まれる樹脂と溶融混練で用いる熱可塑性樹脂とが必ずしも同じ種類の樹脂である必要はないが、両者の分散均一性を向上するため、マスターバッチに含まれる樹脂と熱可塑性樹脂とが相溶性を有していることが好ましく、マスターバッチの嵩比重と熱可塑性樹脂の嵩比重とが概略一致しているとさらに好ましい。
〔熱可塑性樹脂成形体〕
本発明の熱可塑性樹脂成形体(以下、単に「成形体」と略記することがある)は、上記の熱可塑性樹脂組成物を用いて作製されたものである。本発明の成形体としては、たとえば、インフレーションフィルムや2軸延伸フィルム等のフィルム、シート、射出成形品、ブロー成形品など様々な形状のものを挙げることができるが、フィルムにおいて最も本発明の効果が発揮される。
成形体の製造方法としては、例えば、前記成形材料を加熱溶融した状態で、射出成形、ブロー成形、押出成形、熱成形(2軸延伸加工等)する方法等を挙げることができる。
成形材料と成形体の製造は、連続して行なってもよく、たとえば、前記マスターバッチと熱可塑性樹脂を押出成形機で溶融混練、ついで、Tダイ、インフレーションダイ等によりフィルムに加工する方法が挙げられる。
以下の実施例および比較例で本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例における帯電防止性樹脂成型品の物性評価は、下記の方法にて実施した。
[実施例1〜32、比較例1〜12]
(成型品作成)
実施例1〜32及び比較例1〜12では、表1に示す帯電防止剤成分を用いて、それぞれ表2〜5に示す配合量で帯電防止剤を調製した。なお、表1におけるPOEはポリオキシエチレンを意味し、括弧内の数字はオキシエチレン基の平均付加モル数を示す。また、表2〜5における帯電防止剤の各成分の数字は、重量部を示す。
ついで、ポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度:0.80、融点:232℃)を基材樹脂として、帯電防止剤濃度が10重量%となるように帯電防止剤を混合し、二軸押出成形機にて250℃で溶融混練してストランドを得た。得られたストランドをペレタイザーでカットし、マスターバッチを作製した。
次に、得られた帯電防止剤マスターバッチとマスターバッチ作製に使用したポリエチレンテレフタレート樹脂を混合し、射出成形機(金型温度50℃・溶融温度250℃)にて全光線透過率測定用の板状成型品、及び表面固有抵抗率測定用の円盤を作成した。この際、成型品中の帯電防止剤濃度が比較例2を除いて1重量%となるよう調製した。比較例2では帯電防止剤濃度を0.45重量%とした。
得られた成型品に関してJIS−K7100に準じた保管条件にて1日保管した後帯電防止性、透明性および着色を評価した。その結果を表2〜5に示す。
(成型品透明性)
射出成形にて作製した厚さ2mmの板状成型品の全光線透過率(%)を、色差・濁度測定器(日本電色工業製 COH−300A)を使用して測定する。
(帯電防止性)
射出成形により作製した厚さ3mm、半径50mmの円盤を20℃45%R.Hの条件で表面固有抵抗率(Ω)を極超絶縁計(東亜電波工業製)を使用して測定する。
(着色)
目視により、板状成型品が着色しているか判断する。
○:無色透明もしくは白色であり、変色が見られない。
×:黄変など着色が顕著に見られる。
Figure 2017119837
Figure 2017119837
Figure 2017119837
Figure 2017119837
Figure 2017119837
表2、3及び4に示す評価結果より、本発明の熱可塑性樹脂用帯電防止剤を使用した成型品に関して、いずれも全光線透過率50%以上、表面固有抵抗率1×1014Ω未満であり、良好な透明性と帯電防止性を示していることを確認した。特に帯電防止性能については低湿度条件であっても十分発揮されていた。さらに帯電防止剤の耐熱性も良好であり、いずれの成型品においても変色、着色等は見られなかった。
比較例1、2では(A)成分のみを使用し、濃度を変えた結果を確認したが、どちらの成型品に関しても帯電防止性と透明性が両立できなかった。また比較例3において実施例1から(A)成分の割合を増やしたところ、帯電防止性能は発現したが成型品の透明性が維持できなかった。比較例4〜7においては(B)成分の代わりに別のノニオン界面活性剤を(A)成分と併用して使用したが、いずれの成型品においても透明性及び帯電防止性が不十分な結果となった。比較例8〜11では比較例4〜7で使用したノニオン界面活性剤とホウ酸エステル化合物を併用したが、帯電防止効果が低下した。(B)成分である含窒素界面活性剤とホウ酸エステル化合物のみを併用した場合でも帯電防止性は不足し、成型品は黄色に着色した。

Claims (13)

  1. 有機スルホン酸化合物、有機硫酸エステル化合物及び有機リン酸エステル化合物から選ばれる少なくとも1種である成分(A)と、下記一般式(1)で示される化合物、ホウ酸エステル化合物及び下記一般式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種である成分(B)とを含有し、
    前記成分(A)と前記成分(B)との重量比(A/B)が67/33〜5/95である、
    熱可塑性樹脂用帯電防止剤。
    Figure 2017119837
    (式(1)中、Rは炭素数6〜33の置換又は非置換のアリール基である。AOは、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基から選ばれる少なくとも1種から構成されるオキシアルキレン基である。nはAOの平均付加モル数を表し、1〜50である。)
    Figure 2017119837
    (式(2)中、Rは炭素数6〜30のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基であり、直鎖又は分岐鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5のアシル基である。kは、0又は1である。AO及びAOは、それぞれ独立してオキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基から選ばれる少なくとも1種から構成されるオキシアルキレン基である。p及びqは、それぞれAO及びAOの平均付加モル数を表し、p+q=0〜20である。)
  2. 前記成分(B)が、前記一般式(1)で示される化合物を含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂用帯電防止剤。
  3. 前記成分(B)が、前記ホウ酸エステル化合物及び前記一般式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種をさらに含む、請求項2に記載の熱可塑性樹脂用帯電防止剤。
  4. 前記一般式(1)で示される化合物が、下記一般式(3)で示される化合物及び下記一般式(4)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂用帯電防止剤。
    Figure 2017119837
    (式(3)中、mは0〜5の整数である。m個のRは、それぞれ独立してアルキル基又はアルケニル基であり、直鎖又は分岐鎖のいずれの構造から構成されていてもよく、m個のRの合計の炭素数が0〜27である。AOは、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基から選ばれる少なくとも1種から構成されるオキシアルキレン基である。nはAOの平均付加モル数を表し、1〜50である。)
    Figure 2017119837
    (式(4)中、jは1〜3の整数である。j個のRは、それぞれ独立して、メチレン基、エチレン基、エチリデン基又はイソプロピリデン基である。AOは、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基から選ばれる少なくとも1種から構成されるオキシアルキレン基である。nはAOの平均付加モル数を表し、1〜50である。)
  5. 前記成分(B)が、前記ホウ酸エステル化合物及び前記一般式(2)で示される化合物を含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂用帯電防止剤。
  6. 前記ホウ酸エステル化合物が、多価アルコール類と、下記一般式(5)で示される化合物と、下記一般式(6)で示される化合物との反応物及び/又はその塩である、請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂用帯電防止剤。
    Figure 2017119837
    (式(5)中、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基である。)
    Figure 2017119837
    (式(6)中、R10は炭素数7〜21の脂肪族炭化水素基であり、R11は水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基である。)
  7. 前記成分(A)が、下記一般式(7)で示される化合物を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂用帯電防止剤。
    Figure 2017119837
    (式(7)中、a及びbは、0以上の整数であって、a+b=5〜17を満たす整数である。Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アミン基又はホスホニウム基である。)
  8. 前記成分(A)が下記一般式(8)で示される化合物を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂用帯電防止剤。
    Figure 2017119837
    (式(8)中、R12、R13はそれぞれ独立して炭素数2〜12のアルキル基又はアルケニル基であり、直鎖又は分岐鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アミン基又はホスホニウム基である。)
  9. 前記成分(A)が下記一般式(9)で示される化合物を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂用帯電防止剤。
    Figure 2017119837
    (式(9)中、R14は炭素数6〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、直鎖又は分岐鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、有機アミン基又はホスホニウム基である。)
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の熱可塑性樹脂用帯電防止剤と、熱可塑性樹脂とを含む、熱可塑性樹脂組成物。
  11. 前記熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂である、請求項10に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  12. 前記熱可塑性樹脂組成物を用いて射出成形により2mm厚の成型品を作成した時、温度20℃、湿度45%の条件下で測定した表面固有抵抗率が1×1014Ω以下となり、全光線透過率が50%以上となる、請求項10又は11に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  13. 請求項10〜12のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を用いて作製された、熱可塑性樹脂成形体。
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