JP2017116194A - コージェネレーションシステム、制御装置、制御方法 - Google Patents

コージェネレーションシステム、制御装置、制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】貯湯槽の温度成層を崩すことで停電時における発電を長く継続することを可能とする、コージェネレーションシステム等を提供する。【解決手段】本発明に係るコージェネレーションシステム1は、電気と熱を発生する発電装置100と、湯水を貯える貯湯槽20と、貯湯槽20と発電装置100との間で熱交換器6を介して湯水を循環させる熱回収循環回路7と、停電時において、熱回収循環回路7中を循環する湯水が最大流量となるように湯水を循環制御する制御装置10と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、発電装置を用いて発電を行い、その際に発生する熱を冷暖房、給湯等に利用するコージェネレーションシステムに関し、特に、停電が発生した場合に自立運転によって発電を継続する技術に関する。
発電を継続するためには、一般的に貯湯槽から発電装置に戻る湯水が一定の温度以下でなければならない。このため、貯湯槽から発電装置へ戻る配管にラジエータを設けて湯水の温度上昇を防ぐ方法がとられる場合がある。しかしながら、ラジエータは大掛かりな冷却装置であるため、機器レイアウトの自由度が制限されるとともに、設備導入コストの負担も大きくなる。また、冬季にはラジエータ自体が凍結する虞があり、この凍結を防ぐためのヒータを別途設けなければならない場合もある。
これに対し、特許文献1では、ラジエータ等の大掛かりな冷却装置を設けずに、貯湯槽に貯まった湯を排水して新たな水を給水することで、発電装置に冷却水を供給し発電を長く継続させる手段が開示されている。
特開2009−103418号公報 特開2010−181049号公報
しかしながら、給水による冷却は、停電時において給水が止まった場合には対応できない。例えば、多くの集合住宅では屋上等に給水塔が設けられているが、停電が発生すると、この給水塔に水を汲み上げる給水ポンプが作動しなくなり、各住戸に水が供給できなくなる。このような場合、貯湯槽に貯まっている湯水だけを用いて発電装置の冷却を続け、発電装置の発電を継続させる必要がある。
ところで、通常運転時には、発電装置から貯湯槽へ熱回収する湯水は、貯湯槽内の湯を給湯等に利用しやすい温度に保つ(温度成層を維持する)ように制御される(特許文献2参照)。例えば、排熱の発生量に応じて循環流量を調整して一定の温度以上となるように制御したり、循環量だけでは一定の温度以上に制御できない場合は貯湯槽への回路を切り替えて貯湯槽を経由せずに発電装置に戻す等の制御を行っている。しかしながら、停電時においても、通常運転時と同様に温度成層を維持する制御を行ったのでは、貯湯槽内の湯水(特に高温層)が高温のままとなり、貯湯槽内全体の湯水を発電装置の発電を継続するための冷却水として使用できなくなる。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、貯湯槽の温度成層を崩すことで停電時の、特に給水停止時における発電を好適に継続することを可能とする、コージェネレーションシステム等を提供することである。
前述した目的を達成するための第1の発明は、電気と熱を発生する発電装置と、湯水を貯える貯湯槽と、前記貯湯槽と前記発電装置との間で熱交換器を介して湯水を循環させる熱回収循環回路と、停電時において、前記熱回収循環回路中を循環する湯水が最大流量となるように湯水を循環制御する制御装置と、を備えることを特徴とするコージェネレーションシステムである。
第1の発明によれば、低い温度の湯水が貯湯槽に供給され続け、貯湯槽の温度成層が次第に崩れ、貯湯槽内全体の湯水の温度が下がる。これにより、貯湯槽内全体の湯水を、発電装置を冷却するために使用できるようになる。このため、長時間に亘り、相対的に低い温度の湯水を発電装置へ供給し続けることができ、発電を好適に継続させることが可能となる。
また第1の発明において、蓄電池を更に備え、前記制御装置は、前記貯湯槽から前記発電装置へ通流する湯水の温度が所定の閾値を超えると前記発電装置の発電を停止させる手段と、発電を停止させたあと、引き続き、前記蓄電池の電力を用いて前記循環制御を継続させる手段と、前記循環制御を継続させたあと、前記貯湯槽から前記発電装置へ通流する湯水の温度が所定の閾値を下回ると前記発電装置の発電を再開させる手段と、を備えるように構成してもよい。これにより、貯湯槽から発電装置へ供給される湯水が閾値を超えて上昇すると発電を一旦停止する。そして、蓄電地の電力を用いて湯水の循環を継続させることで、貯湯槽内の湯水の温度を下げ、貯湯槽から発電装置へ供給される湯水が発電を行えるまでに冷却されると、発電を再開させるように制御する。
また第1の発明において、熱回収循環回路中の前記貯湯槽から前記発電装置へ通流する湯水を冷却する冷却手段、を更に備えるように構成してもよい。例えば、前記冷却手段は、ラジエータまたはペルチェ素子である。これにより、湯水の温度上昇を確実に防止抑制することができるため、発電を確実に長く継続させることが可能となる。またこのとき、前記冷却手段の冷却能力は、前記発電装置の発電による排熱の発生熱量よりも小さいことが望ましい。これにより、大掛かりな冷却手段を設ける必要がない。
前述した目的を達成するための第2の発明は、電気と熱を発生する発電装置と、湯水を貯える貯湯槽と、前記貯湯槽と前記発電装置との間で熱交換器を介して湯水を循環させる熱回収循環回路と、を備えるコージェネレーションシステムの制御装置であって、停電時において、前記熱回収循環回路中を循環する湯水が最大流量となるように湯水を循環制御することを特徴とする制御装置である。
前述した目的を達成するための第3の発明は、電気と熱を発生する発電装置と、湯水を貯える貯湯槽と、前記貯湯槽と前記発電装置との間で熱交換器を介して湯水を循環させる熱回収循環回路と、制御装置と、を備えるコージェネレーションシステムの制御方法であって、前記制御装置が、停電時において、前記熱回収循環回路中を循環する湯水が最大流量となるように湯水を循環制御することを特徴とする制御方法である。
本発明によれば、貯湯槽の温度成層を崩すことで停電時における発電を好適に継続することを可能とする、コージェネレーションシステム等が提供される。
第1実施形態に係るコージェネレーションシステム1の全体構成を示す図 コージェネレーションシステム1の基本制御動作を示すフローチャート 貯湯槽20の温度成層が崩れていく様子を示す概念図 第2実施形態に係るコージェネレーションシステム1Aの全体構成を示す図 コージェネレーションシステム1Aの制御動作の流れを示すフローチャート 第3実施形態に係るコージェネレーションシステム1Bの全体構成を示す図 第3実施形態に係るコージェネレーションシステム1Cの全体構成を示す図 コージェネレーションシステム1B、1Cの制御動作の流れを示すフローチャート
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付すことにより重複説明を省略することにする。
[第1実施形態]
まず、図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
<コージェネレーションシステム1の構成>
図1は、第1実施形態に係るコージェネレーションシステム1の全体構成を示す図である。図に示すように、コージェネレーションシステム1は、電気と熱を発生する発電装置100と、湯水を貯える貯湯装置200(貯湯槽20)と、貯湯装置200(貯湯槽20)と発電装置100との間で熱交換器6を介して湯水を循環させて発電装置100の排熱を回収する熱回収循環回路7等を備える。熱回収循環回路7中の湯水は制御装置10によって循環制御される。なお、図1に示すように、発電装置100と貯湯装置200とは別体に構成してもよいし、図の例に依らず、両装置を一つの筐体内に構成してもよい。
(1.発電装置)
発電装置100は、主に、燃料電池11、水素生成装置2、空気供給装置3、冷却水循環回路4、冷却水ポンプ5、熱交換器6、熱回収循環回路7、熱回収循環ポンプ8、電力変換装置9、制御装置10、冷却温度センサ13、及び余剰電力消費ヒータ14等を備えている。なお、発電装置100の構成は、特開2015−18729号公報に開示されている構成と略同様である。
燃料電池11は、水素を含有する還元剤ガスと、空気などの酸素を含有する酸化剤ガスとを、電気化学的に反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させる。燃料電池11は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜、および高分子電解質膜の両面に形成された一対の電極、すなわち燃料極(アノード)と空気極(カソード)を複数積層し構成される。アノード及びカソードは、例えば、白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とし、高分子電解質膜の両面に形成される触媒層、および前記触媒層の外面に形成される、通気性と電子導電性とを併せ持つガス拡散層から構成される。燃料電池11としては、例えば、固体高分子形やリン酸形、固体酸化物形などが用いられる。
燃料電池11のアノードには、還元剤ガス供給経路15の下流端が接続されている。還元剤ガス供給経路15の上流端は、水素生成装置2に接続されている。これにより、水素生成装置2で生成された水素を多く含む還元剤ガスがアノードに供給される。
燃料電池11のカソードには、酸化剤ガス供給経路16の下流端が接続されている。酸化剤ガス供給経路16の上流端は、空気供給装置3に接続されている。これにより、空気供給装置3からカソードに酸化剤ガスが供給される。酸化剤ガスとしては、主に空気が用いられる。空気供給装置3としては、例えば、遠心ポンプや往復ポンプ、スクロールポンプなどが用いられる。
水素生成装置2は、燃料電池11の発電に必要な水素を多く含む還元剤ガスを、都市ガスなどの炭化水素系原料に水蒸気を添加し、改質反応させて生成する。水素生成装置2は、メタンを主成分とする天然ガスや都市ガス、ブタン、プロパンなどを主成分とするLPG、灯油、アルコール(メタノール)、ジメチルエーテルといった原料を改質することにより水素を生成してもよい。
冷却水循環回路4には、冷却水ポンプ5、冷却温度センサ13、燃料電池11、余剰電力消費ヒータ14、および熱交換器6が接続されている。燃料電池11には、冷却水ポンプ5を駆動させることで、冷却水循環回路4を通じて冷却水を供給する。これにより、燃料電池11の発電により発生する熱が除去される。冷却水は、燃料電池11で加熱されたあと、熱交換器6により湯水に熱を伝達して冷却され、再び燃料電池11へと供給される。冷却水循環回路4の接続は前述の順番に限るものではなく、燃料電池11からの熱を熱回収循環回路7に伝達できる位置であればよい。冷却水ポンプ5には、主に遠心ポンプや斜流ポンプ、往復ポンプなどが用いられ、熱交換器6には、主にプレート式熱交換器や二重管式熱交換器、フィンチューブ式熱交換器などが用いられる。余剰電力消費ヒータ14は、発電により余った電力を熱にして消費するものであり、配管内に挿入され直接的に冷却媒体を加熱してもよく、配管外に設置され間接的に冷却媒体を加熱してもよい。さらに、冷却水循環回路4に設置されてもよく、熱回収循環回路7に設置されてもよい。
熱回収循環回路7は、貯湯槽20の下部から貯湯槽20の上部へと接続されている。また熱回収循環回路7の途中には、熱回収循環ポンプ8、および熱交換器6が接続されている。具体的には、熱回収循環回路7は、熱交換器6から貯湯槽20までの熱回収往き管路7aと貯湯槽20から熱交換器6までの熱回収戻り管路7bとで形成される。熱回収戻り管路7bにより、貯湯槽20の下部の低温の湯水が熱交換器6に供給され、燃料電池11が発生した熱により加熱され、熱回収往き管路7aを通じて貯湯槽20の上部に回収される。熱回収循環回路7を循環する湯水の循環量は、制御装置10が熱回収循環ポンプ8を制御することによって調整される。熱回収循環ポンプ8には、主に遠心ポンプや斜流ポンプ、往復ポンプなどが用いられる。熱回収循環ポンプ8は、図1の例に限らず、貯湯装置200側に設置されてもよい。
電力変換装置9は、燃料電池11で発電された直流電力を交流電力に変換して電力負荷に供給する。電力変換装置9の一方側は、直流電力経路17を介して、燃料電池11と接続されている。また、電力変換装置9の他方側は、交流電力経路18を介して、家庭の電化製品などの電力負荷(不図示)、商用電源(不図示)に接続されている。また交流電力経路18には、自動電源切替器(不図示)が接続されている。この自動電源切替器は、停電が発生すると、電力の供給先を商用電源から停電時専用の停電時専用コンセント(不図示)に自動で切り替える。
(2.貯湯装置)
貯湯装置200は、貯湯槽20を備えており、この貯湯槽20は、熱交換後の湯水を貯える。すなわち、貯湯槽20内の湯水は、貯湯槽20の下部から熱回収戻り管路7bへ流出して、熱交換器6によって加熱され、さらに熱回収往き管路7aを流れて貯湯槽20の上部から貯湯槽20へ回収され貯えられる。貯湯槽20内の湯水は、最初、温度が低い状態から、貯湯槽20の上部に熱交換器6により加熱された高温の温水が逐次戻されることから、冷水層の上部に高温層が積層した状態(「温度成層」)となる。したがって、貯湯槽20の内部下方には相対的に低温の湯水が貯えられ、貯湯槽20の内部上方には相対的に高温の湯水が貯えられる状態となる。また貯湯槽20は、貯められた湯水の放熱を防ぐため、通常、断熱材で覆われている。
熱回収循環回路7(熱回収往き管路7a)に設けられている熱回収温度センサ19aによって、発電装置100で排熱を回収して貯湯槽20へ貯えられる湯水の温度が検出される。また、熱回収循環回路7(熱回収戻り管路7b)に設けられている熱回収温度センサ19bによって、貯湯槽から流出して発電装置100に供給される湯水の温度が検出される。熱回収温度センサ19a、19bの検出データは、制御装置10に伝達され、記憶部に記憶される。
貯湯装置200は、蓄熱された貯湯槽20内の湯水を給湯、風呂に利用する。また図示しない貯湯槽20内の湯水を水―水交換器を通して熱を取り出し、暖房等に利用する。貯湯装置200は、給湯機能と風呂の追い焚き機能と暖房機能とを備えており、暖房端末50(50a〜50c)と浴槽27とを熱的に接続して形成されている。暖房端末50(50a〜50c)に液体(例えば温水)を循環させる暖房回路21は、貯湯装置200の筐体内に設けられた管路89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99と、貯湯装置200の外部に設けられた管路40,41,44,45,59とを有している。
管路40は管路97に接続され、管路41,44は液体合流手段35と管路59と介して管路95に接続され、管路45は液体分岐手段37を介して管路90に接続されている。管路40,41には、暖房端末50aの内部通路51が接続され、管路44,45には、暖房端末50b,50cの内部通路52がそれぞれ接続されている。暖房端末50b,50cは例えば温水マット等の低温暖房端末である。暖房端末50aは予め定められる高温暖房設定温度(例えば80℃)の液体が供給される浴室暖房機等の高温暖房端末である。暖房端末50aには熱動弁53が設けられている。なお、液体分岐手段37と液体合流手段35には、必要に応じ、同図に示している以外の暖房端末を接続することができる。
暖房回路21には、この暖房回路21に液体を循環させる暖房循環ポンプ26と、この暖房循環ポンプ26の駆動により循環する液体を加熱する暖房用熱交換器28(暖房潜熱熱交換器28a,暖房顕熱熱交換器28b)が設けられている。暖房潜熱熱交換器28aの液体導入側には管路95が、液体導出側には管路94がそれぞれ接続されており、暖房顕熱熱交換器28bの液体導入側には管路91が、液体導出側には管路92がそれぞれ接続されている。管路92には、暖房高温温度センサ33が設けられており、暖房顕熱熱交換器28bから出る液体の温度を検出する。
また、管路91は、暖房循環ポンプ26の吐出側に、管路90と共に接続されており、管路91には、暖房顕熱熱交換器28bに導入される液体の温度を検出する暖房低温温度センサ36が設けられている。また、暖房循環ポンプ26の吸入口側には管路93が接続されており、管路93と管路94との間にはシスターン装置60が介設されている。シスターン装置60のタンク容量は、例えば約1〜1.8リットルである。シスターン装置60の上部には、補給水電磁弁61が設けられ、この補給水電磁弁61には、給水通路101aから分岐された補給水通路57が接続されている。補給水電磁弁61が開弁状態に切替わると、補給水通路57を介してシスターン装置60に補給水が供給される。
暖房用熱交換器28(暖房潜熱熱交換器28a,暖房顕熱熱交換器28b)は、それぞれ、燃焼室24内に設けられており、燃焼室24には、暖房用熱交換器28と共に、暖房用熱交換器28を加熱するバーナ46と、このバーナ46の燃焼の給排気を行なう燃焼ファン48とが設けられている。また、燃焼室24と連通して燃焼室25が設けられ、燃焼室25内には、バーナ47と、このバーナ47により加熱される給湯用熱交換器29(29a,29b)とが設けられている。
バーナ46,47には、それぞれのバーナ46,47に燃料を供給するガス管31,32が接続されている。これらのガス管31,32は、ガス管30から分岐形成されており、ガス管30には、ガス開閉弁80が介設されている。また、ガス管31には、ガス比例弁86とガス開閉弁81,82,83,84,85がそれぞれ介設されている。これらの弁80〜86はいずれも電磁弁により形成されており、ガス開閉弁80〜85は、対応するバーナ46,47への燃料供給・停止を制御し、ガス比例弁86は、バーナ46,47への供給燃料量を弁開度でもって制御する。なお、バーナ46,47の燃焼制御は、制御装置10によって、適宜の制御方法により制御される。
給水系通路101は、上水源から低温の上水を貯湯槽20に供給するものであり、給水通路101a、給水通路101bを有する。給水通路101aは上水源と接続され、給水通路101bは給水通路101aから分岐して貯湯槽20の下部と接続されている。給水通路101aには、流量センサ102、給水温度センサ103、減圧弁104、混合弁105が設けられ、給水通路101bには、逆止弁107が設けられている。
給湯系通路201は、貯湯槽20に貯えられた湯水を給湯栓等の給湯先に供給するものであり、高温の湯水が流れる給湯通路201aと、低温の上水と高温の湯水が混合した混合湯水が流れる給湯通路201bと、給湯栓等の給湯先に接続されている給湯通路201cと、からなる。給湯通路201aには、給湯温度センサ202、混合弁203が設けられている。この混合弁203と、低温の上水が流れる給水通路101aに設けられた混合弁105と、により低温の上水と高温の湯水の混合量が調整され、混合湯水として給湯通路201bを流れ、給湯用熱交換器29aに導入される。給湯通路201bには、給湯通路201bを流れる湯水の流れを検出する流量センサ73と、湯水の温度を検出する混合湯水温度センサ74が設けられている。また、給湯用熱交換器29bの出口側には給湯通路201cが設けられており、湯水が給湯通路201cを流れて給湯栓等の給湯先に導かれる。給湯通路201cは、分岐通路70と湯水経路切替弁58を介して給湯通路201bと接続されている。また給湯通路201cには、分岐通路70の分岐部よりも下流側に出湯温度センサ113が設けられ、給湯用熱交換器29側に缶体温度センサ114が設けられている。
浴槽27には、風呂往き管63aと風呂戻り管63bを有する追い焚き循環回路63が接続されており、この追い焚き循環回路63は、熱交換手段(液―液熱交換器)としての風呂熱交換器67を介して、暖房回路21と熱的に接続されている。なお、暖房回路21の風呂熱交換器67を形成する管路89には、風呂熱交換器67の入口に追い焚き流量制御弁38が設けられている。追い焚き循環回路63には、浴槽湯水を循環させる風呂循環ポンプ68が設けられ、風呂熱交換器67は、この風呂循環ポンプ68を駆動することによって追い焚き循環回路63を循環する浴槽湯水を加熱する熱交換器と成る。
また、追い焚き循環回路63には、風呂往き管63aへ流れる湯水の温度を検出する風呂往き温度センサ64aと、風呂戻り管63bから流れてくる湯水の温度を検出する風呂戻り温度センサ64bと、浴槽湯水の水位を検出する水位センサ65と、追い焚き循環回路63の水流を検知する風呂水流スイッチ66とが介設されている。風呂循環ポンプ68の吸入口側に、風呂戻り管63bの一端側が接続され、風呂戻り管63bの他端側が循環金具56を介して浴槽27に連通接続されている。風呂循環ポンプ68の吐出口側には、風呂往き管63aの一端側が接続され、風呂往き管63aの他端側は循環金具56を介して浴槽27に連通接続されている。
また給湯通路201cには、分岐通路70の形成部および出湯温度センサ113の配設部よりも下流側に、管路54を介して出湯水ユニット55が接続されている。出湯水ユニット55には出湯通路23の一端側が接続され、出湯通路23の他端側は、風呂循環ポンプ68に接続されている。出湯水ユニット55には、湯張り電磁弁42、逆止弁43a,43b、湯張り水量センサ49が設けられている。なお、給湯用熱交換器29から給湯通路201cと管路54、出湯水ユニット55、出湯通路23、風呂循環ポンプ68、風呂熱交換器67、風呂往き管63aを順に通って浴槽27に至るまでの通路によって、湯張りや注水を行うための湯張り注水通路が構成される。
暖房端末50の暖房運転を行うときには、バーナ46によって暖房用熱交換器28を加熱し、暖房循環ポンプ26を駆動させる。これにより、暖房回路21の液体が図1の矢印A〜Gに示すように循環する。つまり、管路95から暖房潜熱熱交換器28aに導入されて暖房潜熱熱交換器28aで加熱された液体は、シスターン装置60を通り、管路93を通って暖房循環ポンプ26に導入される。
そして、液体分岐手段37の熱動弁39が開いている状態においては、液体は暖房循環ポンプ26の吐出側から管路90側と管路91側とにそれぞれ流れ、管路90側に流れた液体は、管路90,45を順に通って暖房端末50b,50cに導入される。また、暖房循環ポンプ26の吐出側から管路91側に導入された液体は、管路91を通って暖房顕熱熱交換器28bに導入され、暖房顕熱熱交換器28bよりさらに加熱されて高温(例えば80℃程度)とされた後、管路92に導入される。
この管路92を通った液体は、暖房端末50aの熱動弁53が開いている状態においては、管路97側と管路89側とにそれぞれ流れ、管路89側(風呂熱交換器67側)に流れた液体は、管路96を通り、管路95に戻る。また、管路97側に流れた液体は、管路40を通って暖房端末50aに導入される。そして、各暖房端末50a〜50cに導入された液体は、対応する管路41,44と液体合流手段35を通り、管路95に戻る。なお、熱動弁53,39が閉じている場合には、その熱動弁53,39に接続されている暖房端末50側への液体の流れ(管路90,45を通しての暖房端末50b,50cへの流れや管路97,40を通しての暖房端末50aへの流れ)は停止される。
また、例えばリモコン装置(不図示)からの浴槽湯水の追い焚き指令を受けると、風呂循環ポンプ68を駆動させる。これにより、暖房回路21内の液体が風呂熱交換器67を介して循環するとともに、追い焚き循環回路63内の浴槽湯水が図1の矢印Hに示すように循環する。この浴槽湯水と暖房回路21を通る液体とを風呂熱交換器67を介して熱交換することにより浴槽27内の湯水の追い焚き動作が行われる。この追い焚き動作中には、暖房高温温度センサ33の温度が設定温度(例えば80℃)となるようにバーナ46の燃焼を行いながら、図示しない風呂温度センサの検出温度が風呂設定温度となるまで、暖房回路21内の液体と追い焚き循環回路63内の浴槽湯水とをそれぞれ循環させる。なお、風呂温度センサの検出温度が風呂設定温度となったら、バーナ46の燃焼を停止し、暖房循環ポンプ26と風呂循環ポンプ68は、予め定められたポストポンプ時間経過後に停止する。
さらに、浴槽27への湯張り(自動湯張り動作)を行うときには、バーナ47の燃焼によって給湯用熱交換器29を通る水を加熱し、湯張り注水通路を通して湯を浴槽27に注ぐ。そして、この自動湯張り後、例えば4時間といった保温動作時間中には、風呂温度センサの検出温度を監視し、この検出温度が予め設定される風呂設定温度より予め定められている許容範囲を超えて低下したときには、前記の追い焚き動作を例えば3分間行い、風呂温度センサの検出温度が風呂設定温度となるようにする保温モードの機能の動作が行われる。
(3.制御装置)
制御装置10は、上述したコージェネレーションシステム1を構成する各機器を制御する。制御装置10は、マイクロプロセッサ、CPU等に例示される制御部、各制御動作を実行するためのプログラムや制御パラメータを格納した、メモリ等から構成される記憶部、タイマ等を備えている。そして、制御装置10は、制御部が、記憶部に格納された所定の制御プログラムを読み出し、これを実行することにより、コージェネレーションシステム1の各種動作を制御する。
なお、制御装置10は、単独の制御装置で構成されてもよいし、複数の制御装置が協働してコージェネレーションシステム1の制御を実行するように構成されてもよい。また、制御装置10は、MPU、PLC(programmable logic controller)、論理回路等によって構成されてもよい。また制御装置10は、図1の例に限らず、貯湯装置200に設置されてもよい。また制御装置10は、発電装置100と貯湯装置200に分散して配置され、協働してコージェネレーションシステム1の各機器を制御するように構成してもよい。
<コージェネレーションシステム1の制御動作>
次にコージェネレーションシステム1の制御動作について説明する。本発明では、通常時においては常法に従い一般的な制御方法によってコージェネレーションシステム1の運転が制御される。通常時とは、コージェネレーションシステム1を設置した家庭等への電力供給が平常に行われており(送電状態)、かつ、水道局等からの送水が平常に行われている(通水状態)場合をいう。一方、非常時においては、非常時に特化した制御方法によってコージェネレーションシステム1の運転が制御される。非常時とは、コージェネレーションシステム1を設置した家庭等への電力供給が何らかの原因(災害や計画停電等)により停止しており(停電状態)、かつ、停電によって水の供給がされない(断水状態)場合をいう。この点について詳述すると、水道局には停電に備えて自家発電装置があり、停電しても水道局からマンション貯水槽までは送水される。しかし、マンションに自家発電装置を設置していない場合が多く、停電すれば、機械式駐車場から自家用車を取り出すこともできず、エレベーターも止まり、冷蔵庫内の食品が腐り始め、マンション貯水槽から各戸に送るポンプも動かない。
図2は、コージェネレーションシステム1の基本制御動作を示すフローチャートである。コージェネレーションシステム1は、通常時においては、一般的な制御方法によって運転が制御(通常時制御)される(ステップS1)。例えば、制御装置10は、電力負荷計測器(不図示)で計測された電力負荷需要量が、コージェネレーションシステム1の定格出力以上の場合には、コージェネレーションシステム1を定格出力以上で発電運転し、定格出力分(例えば700W)を電力負荷に電力を供給するとともに、電力負荷需要量の残りの不足分は、商用電源により賄う。定格出力以上で発電運転し、供給する定格出力分を差し引いた電力は、コージェネレーションシステム1内の、例えば、空気供給装置3、冷却水ポンプ5、熱回収循環ポンプ8、電力変換装置9、制御装置10等、の発電運転に必要な各機器の駆動電力として割与えるとともに、余剰電力消費ヒータ14に供給され、電力を熱に変換し、例えば熱回収循環回路7(熱回収往き管路7a)を通流する湯水に伝熱することで貯湯槽20へ通流する湯水を加熱する。一方、電力負荷需要量がコージェネレーションシステム1の定格出力未満の場合には、コージェネレーションシステム1を電力負荷需要量相当で発電運転し、電力負荷へ電力を供給する。さらに、電力負荷需要量がコージェネレーションシステム1の最低発電量未満の場合には、コージェネレーションシステム1を最低発電量で発電運転し、電力負荷へ電力を供給するとともに、余剰電力消費ヒータ14により残りの電力(余剰電力)を熱に変換し、熱回収循環回路7(熱回収往き管路7a)を通流する湯水に伝熱する。
また、制御装置10は、熱回収循環回路7内の湯水が、回収可能な一定の温度以上(例えば60℃以上)となるように、熱回収循環ポンプ8の循環流量を制御する。例えば、熱回収温度センサ19aで検出される温度が目標温度より低下すると、熱回収循環ポンプ8の流量を減少させ、熱回収温度センサ19aで検出される温度が高温を維持するように制御する。また、循環量だけでは一定の温度以上に制御できない場合には、熱回収循環回路7の回路を切り替えて貯湯槽20へ経由せずに発電装置100に戻すように制御する。
ここで、通常、発電装置100がオーバーヒートせずに発電を継続するためには、発電装置100へ戻る湯水の温度が一定の温度以下でなければならない。このため、熱回収温度センサ19b(または冷却温度センサ13)で検出される温度が所定以上に上昇すると、発電装置100の運転を停止する。通常は、お湯を使用すると、貯湯槽20の上部に蓄えられた湯が出て行き、それに見合った新たな水が貯湯槽20の下部に送り込まれる(貯湯槽20の下部に送り込まれる水で貯湯槽20の上部に蓄えられた湯が押し出される)ので、適宜湯を使用すると貯湯槽20の下部には常時水で満たされ、発電装置100へ戻る湯水の温度は一定の温度以下に維持される。発電装置100の発電継続(給湯使用により、貯湯槽20の下部に送り込まれた水を発電装置100の冷却水として使用)と給湯(発電装置100の発電によって出た排熱によって水を湯にしたものの)使用とが好循環し、オーバーヒートせずに発電を継続することができる。
一方、コージェネレーションシステム1は、災害や計画停電等により停電状態(非常時)になると(ステップS2;Yes)、自立運転モードとなり、商用電力系統を切り離し、発電の継続に必要な各種機器に必要な電力を供給しつつ、停電時専用コンセントに電力を供給し(例えば500W)、非常時に特化した制御方法によって運転が制御(非常時制御)される(ステップS3)。
このとき、電力負荷需要量が、コージェネレーションシステム1の非常時定格出力未満(例えば500W未満)の場合であっても、コージェネレーションシステム1は非常時定格出力以上(例えば500W以上)での発電運転を継続し、電力負荷需要量がコージェネレーションシステム1の最低発電量未満の場合であっても、コージェネレーションシステム1は非常時定格出力以上(例えば500W以上)での発電運転を継続して、電力負荷へ電力を供給する。
非常時定格出力以上(例えば500W以上)で発電運転し、供給する定格出力分を差し引いた電力は、余剰電力となる。また、停電時専用コンセントに供給を行ったが家庭内において電力が使用されない場合にも余剰電力が発生する。例えば、停電時専用コンセントに供給する定格出力を500Wとした場合、この停電時専用コンセントに例えば冷蔵庫を接続すると、1.コンプレッサー起動(起動時480W)、2.定格運転(380W)、3.庫内一定温度到達でコンプレッサー停止(30W)のように負荷が変動し、これに伴って、1.余剰電力20W、2.余剰電力120W、3.余剰電力470Wが発生する。
上記した余剰電力は、発電装置100内の、例えば、空気供給装置3、冷却水ポンプ5、熱回収循環ポンプ8、電力変換装置9、制御装置10等、の駆動電力として割与えられる。
ここで、非常時においては、前述したように停電によって水の供給がされない(断水状態)。すなわち、通常時のように発電装置100の発電を継続するために新たな水を供給して冷却水の温度を下げるようなことができない。よって、貯湯槽20に貯えられている湯水だけを用いて冷却水を発電装置100へ供給し発電を継続させる必要がある。しかしながら、貯湯槽20の湯水は前述したように蓄熱時には温度成層を形成しており、特に高温層の湯水は冷却水としてそのまま使用できない。
このため、本発明では、貯湯槽20の温度成層を崩すように湯水を循環制御することで貯湯槽20全体の湯水の温度を下げ、貯湯槽20全体の湯水を発電装置100を冷却するために使用できるようにする。具体的には、熱回収循環回路7を循環する湯水の循環量が最大流量となるように熱回収循環ポンプ8を制御する(熱回収循環ポンプ8をフルパワーで運転する)。
このように最大流量で循環させることで、低い温度の湯水を貯湯槽20の上部に供給することができる。低い温度の湯水が貯湯槽20上部に供給されると温度成層が次第に崩れ、貯湯槽20内全体の湯水の温度が下がり始める。図3は、非常時制御により貯湯槽20の湯水の温度成層が崩れていく様子を示す概念図である。図3(a)に示すように、貯湯槽20内は、蓄熱時には温度層が形成された状態である。つまり、貯湯槽20の上部から下部に向かって、高温層L1、中温層L2、低温層L3のように温度層が形成されている。ここで、非常時制御により、高温層L1の温度より低い温度の湯水が貯湯槽20上部から供給される。これにより、図3(b)〜図3(d)に示すように、温度層の境界が次第に崩れ、また、貯湯槽20内全体の湯水の温度が下がり始める。貯湯槽20全体の湯水の温度が下がるため、貯湯槽20全体の湯水を冷却水として使用できるようになる。このため、貯湯槽20から発電装置100へ、長時間に亘り相対的に低い温度の湯水を供給し続けることができ、発電装置100の発電を長く継続させることが可能となる。
また最大流量で湯水を循環させる(熱回収循環ポンプ8をフルパワーで運転させる)ことで、余剰電力消費ヒータ14により湯水が無駄に加熱されることが防止される。通常、自立運転時(停電時)には、停電時専用コンセントがいつ使用されても構わないように、燃料電池11をフルパワーで運転させ電力を出力し続けている。しかしながら、停電時専用コンセントは使用されない場合も多く、このような場合、多くの余剰電力が余剰電力消費ヒータ14によって熱に変換され、熱回収循環回路7を循環する湯水を加熱することとなる。通常時においては、熱が有効利用されるため問題とならないが、非常時には貯湯槽20の湯水の温度が上昇すると、発電装置100へ供給される冷却水の温度も上昇し、発電が直ぐに停止してしまう虞がある。本実施形態では、熱回収循環ポンプ8をフルパワーで運転することで、余剰電力消費ヒータ14に電力が供給されることを抑制し、湯水の不要な加熱が回避される。
以上のように、本発明では、非常時において、熱回収循環回路7を循環する湯水の循環量が最大流量となるように熱回収循環ポンプ8を制御する。これにより、貯湯槽20内の温度成層が崩れ、貯湯槽20内全体の湯水の温度が降下するため、貯湯槽20内全体の湯水を冷却水として使用できるようになる。このため、貯湯槽20から発電装置100へ、相対的に低い温度の湯水を長時間供給し続けることができ、発電を好適に継続させることが可能となる。
また、本実施形態では、発電装置100へ戻る配管にラジエータ等の別途の冷却手段を設けずに、冷却水の温度を下げ、発電を継続する。このため、通常時には使用されない装置に対して大きなスペースを用意する必要がなく、機器レイアウト上の自由度を確保でき、また、装置を低コストに構成することが可能となる。
[第2実施形態]
次に、図4、5を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
<コージェネレーションシステム1Aの構成>
図4は、第2実施形態に係るコージェネレーションシステム1Aの全体構成を示す概念図である。コージェネレーションシステム1Aは、第1実施形態の余剰電力消費ヒータ14の代わりに蓄電池110の構成を備える。蓄電池110は電力変換装置9と接続されており、燃料電池11で発生した電力の余剰電力を蓄電する。
第2実施形態では、貯湯槽20から発電装置100(燃料電池11)へ供給される湯水の温度が所定の閾値を超えると、発電を一旦停止させる。そして、蓄電池110の電力を用いて、最大流量での湯水の循環を継続して行い、貯湯槽20内の温度を下げていく。そして、貯湯槽20から発電装置100へ供給される湯水の温度が発電可能な温度にまで下がると、発電を再開させるように制御する。
<コージェネレーションシステム1Aの制御動作>
図5は、コージェネレーションシステム1Aの制御動作の流れを示すフローチャートである。制御装置10は、所定時間おきに熱回収温度センサ19bにより熱回収戻り管路7bを流れる湯水の温度Tを取得し、この温度Tが所定の閾値Taを超えているか否かを判定する(ステップS11)。温度Tが閾値Taを超えると(ステップS11;Yes)、制御装置10は、発電装置100(燃料電池11)の発電を一旦停止させる(ステップS12)。閾値Taは、これ以上の温度上昇があると発電が正常に行えない虞がある温度として(発電の停止条件として)予め定められた値である。発電装置100の発電が停止すると、制御装置10は、蓄電池110の電力によって熱回収循環ポンプ8を稼働制御し、熱回収循環回路7中の湯水を第1実施形態と同様に最大流量で循環させる(ステップS13)。これにより、貯湯槽20内の湯水の温度が降下していく。制御装置10は、引き続き、熱回収温度センサ19bにより熱回収戻り管路7bを流れる湯水の温度Tを監視し、この温度Tが所定の閾値Tb以下になると(ステップS14;Yes)、発電装置100(燃料電池11)の発電を再開させるとともに、蓄電池110の電力による稼働制御を終了する。閾値Tbは、発電が正常に行える温度として(発電の再開条件として)予め定められた値である。通常、前述のTaに対し、閾値Ta≦Tbの関係を満たすように設定されている。
以上のように、第2実施形態によれば、貯湯槽20から発電装置100へ供給される湯水が所定値を超えて上昇すると発電を一旦停止させた上で、蓄電池110の電力を用いて湯水の循環を継続させ、貯湯槽20内の湯水の温度を下げる。そして、貯湯槽20から発電装置100へ供給される湯水が発電を行えるまでに冷却されると、発電を再開させるように制御する。
なお、余剰電力消費ヒータ14の代わりに蓄電池110を設ける構成としているが、余剰電力消費ヒータ14と蓄電池110の双方を備えるように構成してもよい。また、蓄電池110は燃料電池11の余剰電力を蓄電するように構成しているが、これに限らず、商用電源から供給される電力を蓄電するものでもよい。また、冷却温度センサ13により燃料電池11へ供給される冷却水の温度に基づいて、発電停止および発電再開の制御を行ってもよい。
[第3実施形態]
次に、図6〜図8を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態のコージェネレーションシステム1B、1Cは、第1実施形態のコージェネレーションシステムの構成に冷却手段120(冷却装置)を加えたものである。これにより、冷却手段120を用いて湯水の温度上昇を確実に防止抑制でき、発電を確実に長く継続することが可能となる。
<コージェネレーションシステム1B、1Cの構成>
図6、7は、第2実施形態に係るコージェネレーションシステム1B、1Cの全体構成を示す図である。図6のコージェネレーションシステム1Bは、冷却手段120としてラジエータ120Bを備える。図に示すように、ラジエータ120Bは、熱回収戻り管路7bの途中に設けられ、貯湯槽20から発電装置100へ流れる湯水を冷却する。
また図7のコージェネレーションシステム1Cは、冷却手段としてペルチェ素子120Cを備える。ペルチェ素子120Cとは、2種類の金属の接合部に電流を流すと、片方の金属からもう片方へ熱が移動するペルチェ効果を利用した板状の半導体素子である。直流電流を流すと、一方の面が吸熱し、反対面は放熱する。電流の極性を逆転させると、この関係が逆転し、一方の面が放熱し、反対面は吸熱する。ペルチェ素子は、小規模なデバイスであるため、大きな設置スペースを必要としない。図7において、ペルチェ素子120Cの一方の面(面部121C)は、熱回収循環回路7中の熱回収戻り管路7bと接触するように設けられている。このようにペルチェ素子120Cを設けることで、熱回収戻り管路7bを冷却することができる。また、ペルチェ素子120Cの反対面(面部122C)は、コージェネレーションシステム1Cの機器筐体と接触するように設けられる。例えば、貯湯装置200の機器筐体内部の側面、底面、上面のいずれかに接触するように設けられる。このようにすれば、熱回収戻り管路7bから吸熱した熱を、機器筐体を介して逃がすことができる。
また冷却手段120(ラジエータ120B、ペルチェ素子120C)の冷却能力は、発電装置100の停電時(断水時)の発電による排熱の発生熱量よりも小さいものとする。このように冷却能力を小さくできる理由は、本発明では、前述した非常時制御により、貯湯槽20内の温度成層が崩され、貯湯槽20全体の湯水の温度が降下しているためである。通常運転時には、発電をするとその発電に応じた発生熱量が熱交換器6を介して貯湯槽20に蓄熱されるため、貯湯槽20の湯を冷却するためには、発生熱量と同等以上の冷却能力を持つ大きなラジエータ等が必要となる。しかしながら、本発明では、貯湯槽20全体の湯水の温度が既に十分下がっているため、発電装置100の発生熱量と同等以上の冷却能力を必要としない。これにより、上述したように冷却手段120の冷却能力を、発電装置100の停電時(断水時)の発生熱量よりも小さくすることができる。
<コージェネレーションシステム1B、1Cの制御動作>
図8は、コージェネレーションシステム1B、1Cの制御動作の流れを示すフローチャートである。非常制御時において、制御装置10は、所定時間おきに熱回収温度センサ19bにより熱回収戻り管路7bを流れる湯水の温度Tを取得し、この温度Tが所定の閾値Tαを超えているか否かを判定する(ステップS31)。閾値Tαは、これ以上の温度上昇があると発電が正常に行えない虞がある温度として(冷却制御の開始条件として)予め定められた値である。温度Tが閾値Tαを超えると(ステップS31;Yes)、制御装置10は、冷却手段120(120B、120C)の稼働を開始させて(ステップS32)、熱回収戻り管路7bを流れる湯水を冷却する。冷却手段120(120B、120C)を稼働させたあと、制御装置10は、引き続き、熱回収温度センサ19bにより熱回収戻り管路7bを流れる湯水の温度Tを監視し、この温度Tが所定の閾値Tβ以下になると(ステップS33;Yes)、冷却手段120(120B、120C)の稼働を停止し(ステップS34)、冷却制御を終了する。閾値Tβは、これ以下の温度下降があれば発電が正常に行える温度として(冷却制御の停止条件として)予め定められた値である。通常、前述の閾値Tαに対し、閾値Tα≦閾値Tβの関係を満たすように設定される。
以上のように、第3実施形態によれば、冷却手段120(120B、120C)を更に備えることで、発電を確実に長く継続させることが可能となる。また本発明では、非常時の循環制御によって貯湯槽20の温度成層が崩れ湯水の温度が降下した状態となっているため、冷却手段120の冷却能力を、発電装置100の停電時(断水時)における発電による排熱の発生熱量より小さいものとすることができる。すなわち、大掛かりな冷却手段を設ける必要がない。
なお、冷却温度センサ13により燃料電池11へ供給される冷却水の温度に基づいて、冷却手段の稼働制御を行ってもよい。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1A〜1C:コージェネレーションシステム
4 :冷却水循環回路
5 :冷却水ポンプ
6 :熱交換器
7 :熱回収循環回路
7a :熱回収往き管路
7b :熱回収戻り管路
8 :熱回収循環ポンプ
9 :電力変換装置
10 :制御装置
11 :燃料電池
13 :冷却温度センサ
14 :余剰電力消費ヒータ
19a :熱回収温度センサ
19b :熱回収温度センサ
20 :貯湯槽
100 :発電装置
110 :蓄電池
120 :冷却手段
120B :ラジエータ
120C :ペルチェ素子
200 :貯湯装置

Claims (7)

  1. 電気と熱を発生する発電装置と、
    湯水を貯える貯湯槽と、
    前記貯湯槽と前記発電装置との間で熱交換器を介して湯水を循環させる熱回収循環回路と、
    停電時において、前記熱回収循環回路中を循環する湯水が最大流量となるように湯水を循環制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とするコージェネレーションシステム。
  2. 蓄電池を更に備え、
    前記制御装置は、
    前記貯湯槽から前記発電装置へ通流する湯水の温度が所定の閾値を超えると前記発電装置の発電を停止させる手段と、
    発電を停止させたあと、引き続き、前記蓄電池の電力を用いて前記循環制御を継続させる手段と、
    前記循環制御を継続させたあと、前記貯湯槽から前記発電装置へ通流する湯水の温度が所定の閾値を下回ると前記発電装置の発電を再開させる手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
  3. 熱回収循環回路中の前記貯湯槽から前記発電装置へ通流する湯水を冷却する冷却手段、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
  4. 前記冷却手段は、ラジエータまたはペルチェ素子であることを特徴とする請求項3に記載のコージェネレーションシステム。
  5. 前記冷却手段の冷却能力は、前記発電装置の発電による排熱の発生熱量よりも小さいことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のコージェネレーションシステム。
  6. 電気と熱を発生する発電装置と、湯水を貯える貯湯槽と、前記貯湯槽と前記発電装置との間で熱交換器を介して湯水を循環させる熱回収循環回路と、を備えるコージェネレーションシステムの制御装置であって、
    停電時において、前記熱回収循環回路中を循環する湯水が最大流量となるように湯水を循環制御する
    ことを特徴とする制御装置。
  7. 電気と熱を発生する発電装置と、湯水を貯える貯湯槽と、前記貯湯槽と前記発電装置との間で熱交換器を介して湯水を循環させる熱回収循環回路と、制御装置と、を備えるコージェネレーションシステムの制御方法であって、
    前記制御装置が、停電時において、前記熱回収循環回路中を循環する湯水が最大流量となるように湯水を循環制御する
    ことを特徴とする制御方法。





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