JP2017115078A - 粘着剤組成物、これを架橋させてなる粘着剤、マスキングフィルム用粘着剤、耐熱粘着フィルム用粘着剤、マスキング用耐熱粘着フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明において「粘着フィルム」とは、粘着シート、粘着フィルム、粘着テープを概念的に包含するものである。
好ましい(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a1)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらは1種を単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
また、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a1)中、炭素数が1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーを含有量を80重量%以上含有することが加熱工程後の被着体汚染に優れる点で好ましく、特に好ましくは85重量%以上、更に好ましくは90重量%以上、殊に好ましくは95重量%以上である。
上記水酸基含有モノマーの中でも、イソシアネート系架橋剤(B)との反応性に優れる点で、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
また、水酸基含有モノマーを2種以上併用することが、架橋構造を密にすることができ
耐熱性が向上する点で好ましく、特には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを併用することが好ましい。
これらの中でも、本発明においては、架橋促進効果の点から、窒素原子を含有する官能基含有モノマーを含有することが好ましく、特に好ましくはアミノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー、更に好ましくはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、殊に好ましくはジメチルアミノプロピルアクリルアミドである。
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、α―メチルスチレン等の1つの芳香環を含有するモノマー;
ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート等のビフェニルオキシ構造含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルコキシ基またはオキシアルキレン基を含有するモノマー;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、メチルビニルケトン、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン等が挙げられる。
これらは1種を単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
また測定に際してポリマーを誘導体化してもよいし溶離液の種類を適宜変更してもよい。
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;
イソホロンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トランス−シクロヘキサンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;
ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系イソシアネート;
等が挙げられ、
さらに、これらのポリイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、これらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体等が挙げられる。
かかる架橋剤としては、例えば、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、アミン系架橋剤等が挙げられる。
上記無機亜鉛としては、例えば、亜鉛酸化物、亜鉛水酸化物、亜鉛無機塩、亜鉛無機酸塩等があげられる。
上記有機亜鉛としては、例えば、アルコールが結合してなるアルコキシド亜鉛化合物や、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル等のβ−ジケトン化合物等が配位してなる亜鉛キレート系化合物が挙げられ、具体的には、亜鉛プロポキシド、亜鉛ブトキシド、亜鉛アセチルアセテート、亜鉛エチルアセトアセテート、亜鉛アセチルアセトネート等が挙げられ、本発明においては、充分なポットライフと即硬化性を両立させる点から、亜鉛アセチルアセトネートを用いることが好ましい。
」、King Industries,Inc.製「K−KAT 670」等を用いればよい。
イソシアネート系架橋剤(B)の含有量に対して、亜鉛化合物(C)の含有量が多すぎると金属が析出する傾向がある。
少なすぎると即硬化性が不十分で、平滑な粘着剤層の表面が得られない傾向がある。
これらのなかでも、ポットライフと即硬化性のバランスの点から、架橋遅延剤(D)としてアセチルアセトンを用いることが好ましい。
なお、これら架橋遅延剤(D)は1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
粘着剤組成物のポットライフを延長し、かつ即硬化性を損なわないためには、架橋遅延剤(D)と亜鉛化合物(C)(固形分換算量)の含有割合(重量比)が、亜鉛化合物(C):架橋遅延剤(D)=0.01:1〜15:1の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1:1〜13:1であり、特に好ましくは、0.5:1〜10:1である。
亜鉛化合物(C)の含有量に対して、架橋遅延剤(D)の含有量が少なすぎると、ポットライフが短く塗工性が低下する傾向があり、多すぎると即硬化性が低下する傾向がある。
ゲル分率が低すぎると粘着剤の凝集力が低下し、糊残りを生じて、被着体汚染の原因となる傾向がある。
また、本発明の粘着剤組成物は即硬化性を有し、離型フィルムの有する微細な凹凸が粘着剤層の粘着面に転写されにくいため、フラットパネルディスプレイやタッチパネルなどのディスプレイの保護フィルム用として用いた場合でも、凹凸による視認性の低下などを防ぐことができる。
〔製造例1:アクリル系樹脂(A−1)〕
温度計、攪拌機、滴下ロート及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル74.2部を仕込み、撹拌しながら昇温し、約80℃になったらブチルアクリレート(BA)91.85部、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)7.0部、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA)0.15部、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.06部、酢酸エチル6.0部を混合溶解させた混合液を2時間にわたって滴下した。更に、重合途中に、酢酸エチル0.3部に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)0.8部を混合させた混合溶液、酢酸エチル0.3部にAIBN0.05部を混合させた混合溶液、酢酸エチル0.3部に4HBA0.2部を混合させた混合溶液、最後に酢酸エチル0.3部にAIBN0.05部を混合させた混合溶液を逐次追加しながら前記温度で還流下7.5時間還流させた後、酢酸エチルで希釈してアクリル系樹脂(A−1)の42%溶液を得た。
(B−1)
ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(日本ポリウレタン工業株式会社製「コロネートHX」)
〔亜鉛化合物(C)〕
(C−1)
亜鉛アセチルアセトネート(マツモトファインケミカル株式会社製「X−1301」、固形分濃度19%)
(C’−1:ジルコニウム化合物)
ジルコニウムテトラアセチルアセトネート(マツモトファインケミカル株式会社製「ZC−700」、固形分濃度20%)
(C’−2:アルミ化合物)
トリス(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(III)(日本化学産業株式会社製「ナーセムアルミニウム」、固形分濃度100%)
(C’−3:スズ化合物)
ジブチルスズジラウレート(キシダ化学株式会社製)
(C’−4:スズ化合物)
ジアルキルアセチルアセトン錫錯体溶液;ジブチルスズジラウレート(DBTL)をトルエンに溶解した1%溶液10部にアセチルアセトン30部を加え、ジアルキルアセチルアセトン錫錯体を0.25重量%含む触媒溶液を製造した。
・(D−1)
アセチルアセトン
〔粘着剤組成物の調製〕
上記で得られたアクリル系樹脂(A−1)の固形分100部に対して、イソシアネート系架橋剤(B−1)を11.8部、亜鉛化合物(C−1)を0.1部(固形分換算量)、アセチルアセトン(D−1)20部を配合し、粘着剤組成物を調製した。
上記で調製した粘着剤組成物について、下記の方法でポットライフを評価した。
粘着組成物の調製後、保存ビンに入れて25℃の恒温水槽につけておき、1時間経過後の粘着組成物の粘度を、B型粘度計にて、25℃×1分で測定した。その後、さらに続けて25℃の恒温水槽につけておき、調整から8時間経過後の粘度を、B型粘度計にて25℃×1分で測定し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○・・・8時間経過後の粘度が、1時間経過後の粘度の2倍未満
△・・・8時間経過後の粘度が、1時間経過後の粘度の2倍以上、3倍未満
×・・・8時間経過後の粘度が、1時間経過後の粘度の3倍以上
上記で調製した粘着剤組成物を乾燥後の延着剤層の厚さが約25μmになるように、基材のPETフィルム(厚さ38μm)に塗布した後、150℃で2分間乾燥させた。その後、塗工面に、離型処理されたPETフィルムを貼着して粘着剤層を保護し、粘着フィルムを作製した。
得られた粘着フィルムを用いて下記の評価を行った。結果を表1に示す。
上記粘着フィルム作製から3時間経過後の粘着フィルムを用いて、25mm×100mmの試験片を作製し、離型フィルムを剥がしたうえで、ステンレス板(SUS304BA板)に厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン100H」)を貼り付けた被着体のポリイミドフィルム面に、23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、同雰囲気下で30分放置した後、剥離速度300mm/minで180度剥離強度(N/25mm)を測定し、以下の基準で評価した。
なお、剥離強度の数値が小さいほど、粘着剤層がより架橋されていることを示し、粘着フィルム作製から3時間といった短時間で架橋が進んでいることが分かる。そのため、離型処理されたPETフィルムの微細な凹凸形状が転写されることなく、平滑な粘着剤層表面となっていると判断できる。
(評価基準)
○・・・0.3N/25mm未満
△・・・0.3N/25mm以上、0.5N/25mm未満
×・・・0.5N/25mm以上
〈粘着力:加熱前〉
上記で得られた粘着フィルムを40℃で7日間エージング処理した後、25mm×100mmの試験片を作製し、離型フィルムを剥がしたうえで、ステンレス板(SUS304BA板)に厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン100H」)を貼り付けた被着体のポリイミドフィルム面に、23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、同雰囲気下で30分放置した後、剥離速度300mm/minで180度剥離強度(N/25mm)を測定し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○・・・0.3N/25mm未満
△・・・0.3N/25mm以上、0.5N/25mm未満
×・・・0.5N/25mm以上
上記で得られた粘着フィルムを40℃で7日間エージング処理した後、25mm×100mmの試験片を作製し、離型フィルムを剥がしたうえで、ステンレス板(SUS304BA板)に厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン100H」)を貼り付けた被着体のポリイミド面に、23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、同雰囲気下で30分放置した。続いて、150℃の条件下に1.5時間晒し、その後23℃に戻した。さらに23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて2時間放置した後、剥離速度300mm/minで180度剥離強度(N/25mm)を測定し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○・・・0.3N/25mm未満
△・・・0.3N/25mm以上、0.6N/25mm未満
×・・・0.6N/25mm以上
上記で得られた粘着フィルムを40℃で7日間エージング処理した後、25mm×100mmの試験片を作製し、ステンレス板(SUS304BA板)に厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン100H」)を貼り付けた被着体に、23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、同雰囲気下で30分放置した。続いて、150℃の条件下に1.5時間晒し、その後23℃に戻した。さらに23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて2時間放置した後、剥離速度300mm/minで180度剥離後の被着体表面の様子を観察し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○:糊残り、貼り跡はほとんど確認されなかった
×:基材界面剥離が確認された
上記で得られた粘着フィルムを40℃で7日間エージング処理した後、粘着フィルムの離形フィルムを剥離し、粘着剤層表面に、JFC−1600オートファインコーターにて、30mAで40秒間白金を蒸着させた。その後、白金を蒸着させた粘着剤層表面をマイクロスコープ(キーエンス社製、VHX−900(型番))にて観察し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○・・・表面の凹凸がほとんど確認されなかった。
△・・・表面の凹凸が少し確認された。
×・・・表面の凸凹が多く確認された。
粘着剤組成物の各成分を表1に示す割合で配合した以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製し、粘着フィルムを作製した。得られた粘着剤組成物および粘着フィルムを用いて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
また、亜鉛以外の金属化合物(ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、スズ化合物)を用いた比較例2〜5では、粘着組成物の粘度の上昇率が高く、十分なポットライフを持たなかったり、作製後3時間での粘着フィルムの粘着剤層の粘着力が高く、塗膜に凹凸が認められる、即ち、即硬化性に劣っていることが分かる。
Claims (8)
- 水酸基を有するアクリル系樹脂(A)、イソシアネート系架橋剤(B)、および亜鉛化合物(C)を含有することを特徴とする粘着剤組成物。
- イソシアネート系架橋剤(B)の含有量が、水酸基を有するアクリル系樹脂(A)100重量部に対して0.5〜40重量部であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
- イソシアネート系架橋剤(B)と亜鉛化合物(C)(固形分換算量)の含有割合(重量比)(C)/(B)が0.0001〜0.5であることを特徴とする請求項1または2記載の粘着剤組成物。
- 架橋遅延剤(D)を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の粘着剤組成物。
- 請求項1〜4いずれか記載の粘着剤組成物がイソシアネート系架橋剤(B)により架橋されてなることを特徴とする粘着剤。
- 請求項5に記載の粘着剤からなることを特徴とするマスキングフィルム用粘着剤。
- 請求項5に記載の粘着剤からなることを特徴とする耐熱粘着フィルム用粘着剤。
- 請求項5に記載の粘着剤からなる粘着剤層をフィルム上に有することを特徴とするマスキング用耐熱粘着フィルム。
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