JP2017109446A - 液体噴射装置及び圧力調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】汎用性を高めることができる液体噴射装置及び圧力調整装置を提供する。【解決手段】液体噴射装置は、液体流入部252と、ダイヤフラム部232の変位で内部の容積が変化する液体収容部231と、液体流入部252と液体収容部231とを連通する連通経路254と、連通経路254を開閉する開閉弁255とを有する圧力調整機構250と、ダイヤフラム部232を押圧して開閉弁255を開弁する押圧機構251とを備える。押圧機構251は、ダイヤフラム部232を押圧する押圧部237を有した回動可能なレバー233と、レバー233に回動力を付与する可撓壁221を有した圧力調整室220と、圧力調整室220内の圧力を調整する圧力調整部とを有し、圧力調整部による圧力調整室220の圧力の調整に伴う可撓壁221による回動力の付与によりレバー233を回動させて押圧部237によるダイヤフラム部232の押圧を行う。【選択図】図12
Description
本発明は、例えばインクジェット式プリンターなどの液体噴射装置及び当該液体噴射装置に備えられる圧力調整装置に関する。
従来から、液体噴射装置の一例として、インクタンク(液体供給源)から供給されたインク(液体)をインクジェットヘッド(液体噴射部)から媒体に噴射することで印刷を行うインクジェットプリンターが知られている。そして、こうしたプリンターの中には、インクジェットヘッドへ供給するインクの圧力を調整するダンパ(圧力調整装置)を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
このダンパは、タンク側液室(液体流入部)とヘッド側液室(液体収容部)とを接続するインク経路(連通経路)と、インク経路を開閉する弁(開閉弁)とを備えている。そして、弁は、ヘッド側液室と可撓性膜(ダイヤフラム部)を隔てて形成された圧力可変室(圧力調整室)の圧力に応じて開弁するように構成されている。すなわち、インク経路の弁は、タンク側液室の圧力が圧力可変室の圧力よりも所定値以上高くなると閉弁する。
そして、例えば、インクタンクからインクをインクジェットヘッドへ加圧供給してノズルから排出する、所謂加圧クリーニングを行う場合には、ダンパの弁を強制的に開弁させる必要がある。すなわち、加圧クリーニングを行う場合には、圧力可変室内を加圧し続けて弁の開弁状態を維持する必要がある。
ところで、上述のようなプリンターでは、圧力可変室がダンパの弁の大きさに依存する傾向にあるため、例えばダンパの弁を大きくする場合、圧力可変室も大きくする必要がある。このため、ダンパ全体を設計し直さなければならず、汎用性に乏しいという問題がある。
なお、こうした問題は、ノズルからインクを噴射して印刷を行うインクジェット式プリンターに限らず、液体の圧力を調整する液体噴射装置及び圧力調整装置においては、概ね共通したものとなっている。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、汎用性を高めることができる液体噴射装置及び圧力調整装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体噴射装置は、アクチュエーターを駆動してノズルから液体を噴射する液体噴射部に前記液体を液体供給源から供給可能な液体供給経路と、前記液体供給経路に設けられた圧力調整機構であって、前記液体供給源から供給される前記液体が流入する液体流入部と、前記液体を内部に収容可能であってダイヤフラム部が変位することで内部の容積が変化する液体収容部と、前記液体流入部と前記液体収容部とを連通させる連通経路と、前記ダイヤフラム部における前記液体収容部の内面となる第1の面にかかる圧力が前記ダイヤフラム部における前記液体収容部の外面となる第2の面にかかる圧力より低く且つ前記第1の面にかかる圧力と前記第2の面にかかる圧力との差が所定値以上になると、前記連通経路において前記液体流入部と前記液体収容部とを非連通とする閉弁状態から前記液体流入部と前記液体収容部とを連通させる開弁状態となる開閉弁と、を有する圧力調整機構と、前記ダイヤフラム部を前記液体収容部の容積が小さくなる方向に押圧することによって、前記開閉弁を開弁状態とする押圧機構であって、前記ダイヤフラム部の前記第2の面側を押圧可能な押圧部を有する回動可能なレバーと、前記レバーに回動力を付与する回動力付与部を有した圧力調整室と、前記圧力調整室内の圧力を調整可能な圧力調整部と、を有し、前記圧力調整部が前記圧力調整室内の圧力を調整して前記回動力付与部により前記レバーに回動力を付与することで、前記レバーを回動させて、前記押圧部による前記ダイヤフラム部の前記第2の面側の押圧を行う押圧機構と、を備える。
上記課題を解決する液体噴射装置は、アクチュエーターを駆動してノズルから液体を噴射する液体噴射部に前記液体を液体供給源から供給可能な液体供給経路と、前記液体供給経路に設けられた圧力調整機構であって、前記液体供給源から供給される前記液体が流入する液体流入部と、前記液体を内部に収容可能であってダイヤフラム部が変位することで内部の容積が変化する液体収容部と、前記液体流入部と前記液体収容部とを連通させる連通経路と、前記ダイヤフラム部における前記液体収容部の内面となる第1の面にかかる圧力が前記ダイヤフラム部における前記液体収容部の外面となる第2の面にかかる圧力より低く且つ前記第1の面にかかる圧力と前記第2の面にかかる圧力との差が所定値以上になると、前記連通経路において前記液体流入部と前記液体収容部とを非連通とする閉弁状態から前記液体流入部と前記液体収容部とを連通させる開弁状態となる開閉弁と、を有する圧力調整機構と、前記ダイヤフラム部を前記液体収容部の容積が小さくなる方向に押圧することによって、前記開閉弁を開弁状態とする押圧機構であって、前記ダイヤフラム部の前記第2の面側を押圧可能な押圧部を有する回動可能なレバーと、前記レバーに回動力を付与する回動力付与部を有した圧力調整室と、前記圧力調整室内の圧力を調整可能な圧力調整部と、を有し、前記圧力調整部が前記圧力調整室内の圧力を調整して前記回動力付与部により前記レバーに回動力を付与することで、前記レバーを回動させて、前記押圧部による前記ダイヤフラム部の前記第2の面側の押圧を行う押圧機構と、を備える。
この構成によれば、レバーの回動により押圧部がダイヤフラム部の第2の面側を押圧するので、レバーの仕様(レバー比や形状等)を変更するだけで、圧力調整室の仕様(加圧力や大きさ等)を変更することなく押圧部による押圧力を変更することができる。すなわち、押圧部による必要な押圧力が変化しても、レバーの仕様を変更するだけで、圧力調整室の仕様を変更することなく対応することができるので、汎用性を高めることができる。
上記液体噴射装置において、前記レバーに前記回動力付与部による回動力が付与されない状態では、前記押圧部が前記ダイヤフラム部から離れていることが好ましい。
この構成によれば、レバーの押圧部がダイヤフラム部に接触することに起因する圧力調整機構の動作不良の発生を抑制できる。
この構成によれば、レバーの押圧部がダイヤフラム部に接触することに起因する圧力調整機構の動作不良の発生を抑制できる。
上記液体噴射装置において、前記圧力調整機構は、前記液体収容部の容積を小さくする方向へ変位する前記ダイヤフラム部に接触した状態で移動可能な移動部材をさらに有し、前記押圧機構は、前記ダイヤフラム部における前記移動部材が接触する領域を前記レバーの前記押圧部によって押圧することが好ましい。
この構成によれば、ダイヤフラム部における移動部材の外側領域を液体収容部側に変形させないように、押圧部によってダイヤフラム部を押圧することができる。そして、押圧部によるダイヤフラム部の押圧を解除した後には、ダイヤフラム部における移動部材の外側領域が液体収容部の容積が大きくなる方向に移動して押圧前の状態に復帰するので、ノズルから気泡や液体が引き込まれることを抑制できる。
上記液体噴射装置において、前記押圧機構は、前記圧力調整部が前記圧力調整室内の圧力を大気圧よりも高い圧力に調整することで、前記レバーの前記押圧部によって前記ダイヤフラム部を押圧することが好ましい。
この構成によれば、圧力調整室内の圧力を大気圧よりも高い圧力に調整するだけで、レバーの押圧部によってダイヤフラム部を押圧することができる。
上記液体噴射装置において、前記押圧機構は、前記圧力調整部が前記圧力調整室内の圧力を前記押圧部による前記ダイヤフラム部の押圧時の前記圧力調整室内の圧力よりも低い圧力に調整することで、前記レバーの前記押圧部による前記ダイヤフラム部の押圧を解除することが好ましい。
上記液体噴射装置において、前記押圧機構は、前記圧力調整部が前記圧力調整室内の圧力を前記押圧部による前記ダイヤフラム部の押圧時の前記圧力調整室内の圧力よりも低い圧力に調整することで、前記レバーの前記押圧部による前記ダイヤフラム部の押圧を解除することが好ましい。
この構成によれば、レバーの押圧部によるダイヤフラム部の押圧状態を容易に解除することができる。
上記液体噴射装置において、前記回動力付与部は、前記圧力調整室の一部を形成する可撓壁であり、前記レバーに接触することにより前記レバーに回動力を付与することが好ましい。
上記液体噴射装置において、前記回動力付与部は、前記圧力調整室の一部を形成する可撓壁であり、前記レバーに接触することにより前記レバーに回動力を付与することが好ましい。
この構成によれば、圧力調整室の一部を形成する可撓壁を、レバーに回動力を付与する回動力付与部として好適に機能させることができる。
上記液体噴射装置において、前記圧力調整機構に供給される前記液体を加圧可能な加圧機構をさらに備え、前記加圧機構は、前記押圧機構が前記ダイヤフラム部を押圧することによる前記開閉弁の開弁状態において前記液体を加圧することで、加圧状態の前記液体を前記液体噴射部に対して供給可能に構成されていることが好ましい。
上記液体噴射装置において、前記圧力調整機構に供給される前記液体を加圧可能な加圧機構をさらに備え、前記加圧機構は、前記押圧機構が前記ダイヤフラム部を押圧することによる前記開閉弁の開弁状態において前記液体を加圧することで、加圧状態の前記液体を前記液体噴射部に対して供給可能に構成されていることが好ましい。
この構成によれば、開閉弁を強制的に開弁した状態で加圧機構によって液体を加圧することで加圧状態の液体を液体噴射部に供給してノズルから排出させるクリーニングである、所謂加圧クリーニングを行うことができる。
上記液体噴射装置において、前記加圧機構によって前記液体が加圧された状態で、前記押圧機構による前記ダイヤフラム部の押圧状態を解除して前記開閉弁を閉弁状態とすることが好ましい。
この構成によれば、液体が加圧された状態で、押圧機構によるダイヤフラム部の押圧状態を解除して開閉弁を閉弁状態とするので、加圧クリーニング後にノズルから気泡や液体が引き込まれることを抑制できる。
上記課題を解決する圧力調整装置は、アクチュエーターを駆動してノズルから液体を噴射する液体噴射部に前記液体を液体供給源から供給可能な液体供給経路に設けられた圧力調整機構であって、前記液体供給源から供給される前記液体が流入する液体流入部と、前記液体を内部に収容可能であってダイヤフラム部が変位することで内部の容積が変化する液体収容部と、前記液体流入部と前記液体収容部とを連通させる連通経路と、前記ダイヤフラム部における前記液体収容部の内面となる第1の面にかかる圧力が前記ダイヤフラム部における前記液体収容部の外面となる第2の面にかかる圧力より低く且つ前記第1の面にかかる圧力と前記第2の面にかかる圧力との差が所定値以上になると、前記連通経路において前記液体流入部と前記液体収容部とを非連通とする閉弁状態から前記液体流入部と前記液体収容部とを連通させる開弁状態となる開閉弁と、を有する圧力調整機構と、前記ダイヤフラム部を前記液体収容部の容積が小さくなる方向に押圧することによって、前記開閉弁を開弁状態とする押圧機構であって、前記ダイヤフラム部の前記第2の面側を押圧可能な押圧部を有する回動可能なレバーと、前記レバーに回動力を付与する回動力付与部を有した圧力調整室と、前記圧力調整室内の圧力を調整可能な圧力調整部と、を有し、前記圧力調整部が前記圧力調整室内の圧力を調整して前記回動力付与部により前記レバーに回動力を付与することで、前記レバーを回動させて、前記押圧部による前記ダイヤフラム部の前記第2の面側の押圧を行う押圧機構と、を備える。
この構成によれば、レバーの回動により押圧部がダイヤフラム部の第2の面側を押圧するので、レバーの仕様(レバー比や形状等)を変更するだけで、圧力調整室の仕様(加圧力や大きさ等)を変更することなく押圧部による押圧力を変更することができる。すなわち、押圧部による必要な押圧力が変化しても、レバーの仕様を変更するだけで、圧力調整室の仕様を変更することなく対応することができるので、汎用性を高めることができる。
(第1実施形態)
以下、液体噴射装置の第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、例えばインクジェット式プリンターなどの液体噴射装置11は、例えばインクなどの液体を噴射する液体噴射部12と、液体供給源13から液体噴射部12に液体を供給する供給機構14とを備えている。さらに、液体噴射装置11は、液体噴射部12と対向する位置に配置された支持台112と、例えば用紙などの媒体113を搬送方向Yに搬送する搬送部114と、液体噴射部12を走査方向Xに移動させながら媒体113に液体を噴射することで印刷を行う印刷部115とを備えている。
以下、液体噴射装置の第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、例えばインクジェット式プリンターなどの液体噴射装置11は、例えばインクなどの液体を噴射する液体噴射部12と、液体供給源13から液体噴射部12に液体を供給する供給機構14とを備えている。さらに、液体噴射装置11は、液体噴射部12と対向する位置に配置された支持台112と、例えば用紙などの媒体113を搬送方向Yに搬送する搬送部114と、液体噴射部12を走査方向Xに移動させながら媒体113に液体を噴射することで印刷を行う印刷部115とを備えている。
支持台112は、媒体113の搬送方向Yと直交(交差)する方向である媒体113の幅方向(走査方向X)に延在している。支持台112、搬送部114、及び印刷部115は、ハウジングやフレームなどによって構成される本体116に組み付けられている。そして、本体116には、カバー117が開閉可能に設けられている。
搬送部114は、搬送方向Yにおける支持台112の上流側及び下流側にそれぞれ配置された搬送ローラー対118,119と、搬送ローラー対119の下流側に配置されて媒体113を案内する案内板120とを備えている。そして、搬送ローラー対118,119が搬送モーター(図示略)に駆動されて媒体113を挟持しながら回転すると、媒体113は、支持台112及び案内板120に支持されつつ、支持台112の表面及び案内板120の表面に沿って搬送される。
印刷部115は、走査方向Xに沿って延設されたガイド軸122,123と、そのガイド軸122,123に案内されて走査方向Xに往復移動可能なキャリッジ124とを備えている。キャリッジ124は、キャリッジモーター(図示略)の駆動に伴って移動する。キャリッジ124における鉛直方向Z側の端部である下端部には、少なくとも1つ(本実施形態では2つ)の液体噴射部12が取り付けられている。これら2つの液体噴射部12同士は、走査方向Xに所定の距離だけ離れ、且つ搬送方向Yに所定の距離だけずれるように配置されている。そして、各液体噴射部12は、ノズル形成面18に形成された複数のノズル19から液体を噴射する。
図2に示すように、走査方向Xにおいて液体噴射部12が搬送中の媒体113と対峙しない領域である非印刷領域には、ワイパーユニット126と、フラッシングユニット127と、キャップユニット128とが設けられている。ワイパーユニット126は、ノズル形成面18を払拭可能な可動式のワイピング部材130と、ワイピング部材130の動力源となるワイピングモーター131とを有している。
ワイピング部材130は、例えば布ワイパーやゴムブレードなどによって構成することができる。本実施形態のワイピング部材130は、布ワイパーによって構成され、液体噴射部12をワイピング部材130によって払拭可能な位置に移動させた状態でワイピングモーター131を駆動させることで、搬送方向Yに沿って移動しながらノズル形成面18の払拭を行う。
フラッシングユニット127は、液体噴射部12のノズル19からフラッシングによって吐出された液体を受容する液体受容部132を有している。液体受容部132は、可動式のベルトによって構成され、フラッシングモーター133の動力により移動する。なお、フラッシングとは、ノズル19の目詰まりなどを予防及び解消する目的で全てのノズル19から印刷とは無関係に液体を強制的に吐出(排出)する動作のことである。
キャップユニット128は、2つの液体噴射部12の各ノズル19の開口を覆う2つの有底四角箱状のキャップ134と、キャップ134を昇降させるキャッピングモーター135とを備えている。そして、2つの液体噴射部12を2つのキャップ134とそれぞれ対向する位置に移動させた状態でキャッピングモーター135を駆動させて2つのキャップ134を上昇させることで、2つの液体噴射部12のノズル形成面18に対して全てのノズル19を覆うように2つのキャップ134がそれぞれ当接する、所謂キャッピングが行われる。すなわち、各キャップ134は、各液体噴射部12のノズル形成面18における全てのノズル19を含む領域をキャッピングすることが可能になっている。
図3に示すように、液体噴射部12は、液体中の気泡や異物を捕捉する噴射部フィルター16と、噴射部フィルター16を通過した液体を貯留する共通液室17とを備えている。さらに、液体噴射部12は、ノズル形成面18に形成された複数のノズル19と共通液室17とを連通させる複数の圧力室20を備えている。この圧力室20の壁面の一部は振動板21によって形成され、共通液室17と圧力室20とは連通孔22を通じて連通している。さらに、振動板21における圧力室20と面する部分の反対側の面であって共通液室17と異なる位置には、収容室23に収容されたアクチュエーター24が配設されている。
本実施形態のアクチュエーター24は、駆動電圧が印加された場合に収縮する圧電素子によって構成されている。そして、駆動電圧の印加によるアクチュエーター24の収縮に伴って振動板21を変形させた後、アクチュエーター24への駆動電圧の印加を解除すると、容積が変化した圧力室20内の液体がノズル19から液滴として噴射される。すなわち、液体噴射部12は、アクチュエーター24を駆動してノズル19から液体を噴射する。
液体供給源13は、例えば液体を収容可能な収容容器であり、収容容器を交換することで液体を補給するカートリッジであってもよいし、装着部26に固定された収容タンクであってもよい。液体供給源13がカートリッジである場合、装着部26は液体供給源13を着脱可能に保持する。なお、液体供給源13及び供給機構14は、液体噴射部12から噴射する液体の種類ごとに少なくとも1組(本実施形態では4組)設けられている。
また、供給機構14は、液体の供給方向Aにおいて上流側となる液体供給源13から下流側となる液体噴射部12に液体を供給可能な液体供給経路27を備えている。液体供給経路27の一部は、循環経路形成部28と協働して循環経路としても機能する。すなわち、循環経路形成部28は、共通液室17と液体供給経路27とを接続する。そして、循環経路形成部28には、循環経路において液体を循環方向Bに循環させる循環ポンプ29が設けられている。
液体供給経路27における循環経路形成部28が接続された位置よりも液体供給源13側には、液体供給源13から供給方向Aに液体を流動させることにより、液体を液体噴射部12に向けて加圧供給する加圧機構31が設けられている。さらに、液体供給経路27における循環経路形成部28が接続された位置よりも下流側の循環経路としても機能する部分には、上流側から順にフィルターユニット32、スタティックミキサー33、液体貯留部34、及び圧力調整機構35が設けられている。
加圧機構31は、可撓性を有する可撓性部材37を往復運動させることにより所定量の液体を加圧可能な容積ポンプ38と、液体供給経路27における容積ポンプ38の上流側と下流側とにそれぞれ設けられた一方向弁39,40とを備えている。容積ポンプ38は、可撓性部材37によって区切られたポンプ室41と負圧室42とを有している。さらに、容積ポンプ38は、負圧室42を減圧するための減圧部43と、負圧室42内に設けられて可撓性部材37をポンプ室41側に向けて付勢する付勢部材44とを備えている。
また、一方向弁39,40は、液体供給経路27において上流側から下流側への液体の流動を許容し、且つ下流側から上流側への液体の流動を阻害する。すなわち、加圧機構31は、付勢部材44が可撓性部材37を介してポンプ室41内の液体を付勢することにより、圧力調整機構35に供給される液体を加圧可能である。このため、加圧機構31が液体を加圧する加圧力は、付勢部材44の付勢力により設定される。
フィルターユニット32は、液体中の気泡や異物を捕捉し、交換可能に設けられている。スタティックミキサー33は、液体の流れに方向転換や分割などの変化を起こし、液体中の濃度の偏りを低減させる。液体貯留部34は、ばね45により付勢された容積可変の空間に液体を貯留し、液体の圧力の変動を緩和する。
次に、圧力調整装置47について説明する。
図3に示すように、圧力調整装置47は、液体供給経路27に設けられてこの液体供給経路27の一部を構成する圧力調整機構35と、圧力調整機構35を押圧する押圧機構48とを備えている。圧力調整機構35は、液体供給源13から液体供給経路27を介して供給される液体が流入する液体流入部50と、液体を内部に収容可能な液体収容部51とが形成された本体部52を備えている。
図3に示すように、圧力調整装置47は、液体供給経路27に設けられてこの液体供給経路27の一部を構成する圧力調整機構35と、圧力調整機構35を押圧する押圧機構48とを備えている。圧力調整機構35は、液体供給源13から液体供給経路27を介して供給される液体が流入する液体流入部50と、液体を内部に収容可能な液体収容部51とが形成された本体部52を備えている。
液体供給経路27と液体流入部50とは、壁部53により仕切られており、壁部53に形成された貫通孔54により連通している。貫通孔54は、フィルター部材55により覆われている。したがって、液体供給経路27の液体は、フィルター部材55に濾過されて液体流入部50に流入する。
液体収容部51は、壁面の一部がダイヤフラム部56により構成されている。このダイヤフラム部56は、液体収容部51の内面となる第1の面56aで液体収容部51内の液体の圧力を受ける一方、液体収容部51の外面となる第2の面56bで大気圧を受ける。このため、ダイヤフラム部56は、液体収容部51内の圧力に応じて変位する。したがって、液体収容部51は、ダイヤフラム部56が変位することで容積が変化する。なお、液体流入部50と液体収容部51とは、連通経路57により連通されている。
圧力調整機構35は、連通経路57において液体流入部50と液体収容部51とを非連通とする閉弁状態(図3に示す状態)と、液体流入部50と液体収容部51とを連通させる開弁状態(図5に示す状態)とを切り替え可能な開閉弁59を備えている。開閉弁59は、連通経路57を遮断可能な弁部60と、ダイヤフラム部56から圧力を受ける受圧部61とを有し、受圧部61がダイヤフラム部56に押圧されることで移動する。すなわち、受圧部61は、液体収容部51の容積を小さくする方向へ変位するダイヤフラム部56に接触した状態で移動可能な移動部材としても機能している。
液体流入部50内には上流側付勢部材62が設けられ、液体収容部51内には下流側付勢部材63が設けられている。上流側付勢部材62と下流側付勢部材63とは、いずれも開閉弁59を閉弁させる方向に付勢する。そして、開閉弁59は、第1の面56aにかかる圧力が第2の面56bにかかる圧力より低く且つ第1の面56aにかかる圧力と第2の面56bにかかる圧力との差が所定値(例えば、1kPa)以上になると、閉弁状態から開弁状態になる。
この所定値は、上流側付勢部材62の付勢力、下流側付勢部材63の付勢力、ダイヤフラム部56を変位させるために必要な力、弁部60によって連通経路57を遮断するために必要な押圧力(シール荷重)、弁部60の表面に作用する液体流入部50内の圧力、及び液体収容部51内の圧力に応じて決まる値である。すなわち、上流側付勢部材62と下流側付勢部材63の付勢力が大きいほど所定値も大きくなる。
上流側付勢部材62と下流側付勢部材63の付勢力は、液体収容部51内の圧力がノズル19における気液界面にメニスカス64を形成可能な範囲の負圧状態(例えば、第2の面56bにかかる圧力が大気圧の場合、−1kPa)となるように設定される。この場合、気液界面とは液体と気体とが接する境界であり、メニスカス64とは液体がノズル19と接してできる湾曲した液体表面である。そして、ノズル19には、液体の噴射に適した凹状のメニスカス64が形成されることが好ましい。
押圧機構48は、ダイヤフラム部56の第2の面56b側に圧力調整室66を形成する膨張収縮部67と、膨張収縮部67を押える押え部材68と、圧力調整室66内の圧力を調整可能な圧力調整部69とを備えている。膨張収縮部67は、例えばゴムや樹脂により風船状に形成され、圧力調整部69による圧力調整室66の圧力の調整に伴って膨張したり収縮したりする。押え部材68は、有底円筒形状をなしており、底部に形成された挿通孔70に膨張収縮部67の一部が挿通されている。
押え部材68における内側面の開口部71側の端縁部は、R面取りされて丸みが付けられている。押え部材68は、開口部71が圧力調整機構35に塞がれるようにして圧力調整機構35に取り付けられることにより、ダイヤフラム部56の第2の面56bを覆う空気室72を形成する。空気室72内の圧力は大気圧にされ、ダイヤフラム部56の第2の面56bには大気圧が作用する。
すなわち、圧力調整部69は、圧力調整室66内の圧力を空気室72の圧力である大気圧よりも高い圧力に調整することで膨張収縮部67を膨張させる。そして、押圧機構48は、圧力調整部69が膨張収縮部67を膨張させることで、ダイヤフラム部56を液体収容部51の容積が小さくなる方向に押圧する。このとき、押圧機構48の膨張収縮部67は、ダイヤフラム部56における受圧部61が接触する領域を押圧する。なお、ダイヤフラム部56における受圧部61が接触する領域の面積は、連通経路57の断面積よりも大きくなっている。
図4に示すように、圧力調整部69は、例えば空気や水などの流体を加圧する加圧ポンプ74と、加圧ポンプ74と膨張収縮部67とを接続する接続経路75と、接続経路75に設けられた検出部76及び流体圧調整部77とを備えている。接続経路75の下流側は、複数(本実施形態では4つ)に分岐しており、複数(本実施形態では4つ)設けられた圧力調整装置47の膨張収縮部67にそれぞれ接続されている。なお、接続経路75の複数に分岐した流路に当該流路の連通状態と非連通状態とを切替える切替弁をそれぞれ設けることにより、加圧された流体を複数の膨張収縮部67に選択的に供給することも可能である。
すなわち、加圧ポンプ74により加圧された流体は、接続経路75を介してそれぞれの膨張収縮部67に供給される。検出部76は接続経路75内の流体の圧力を検出し、流体圧調整部77は例えば安全弁によって構成される。そして、流体圧調整部77は、接続経路75内の流体の圧力が所定の圧力よりも高くなった場合に自動的に開弁して接続経路75内の流体を外部へ放出することにより接続経路75内の流体の圧力を低下させる。
また、液体噴射装置11は、検出部76が検出した接続経路75内の流体の圧力に基づいて加圧ポンプ74の駆動を制御する制御部78を備えている。この制御部78は、液体噴射装置11全体の駆動を統括的に制御し、例えば各種機構、各種モーター、各種ポンプなどの駆動を制御する。
次に、液体噴射部12に供給される液体の圧力を調整する圧力調整装置47の作用について説明する。
図3に示すように、液体噴射部12が液体を噴射すると、液体収容部51に収容された液体が液体供給経路27を介して液体噴射部12に供給される。すると、図5に示すように、液体収容部51内の圧力が低下し、ダイヤフラム部56における第1の面56aにかかる圧力と第2の面56bにかかる圧力との差が所定値以上になると、ダイヤフラム部56が液体収容部51の容積を小さくする方向へ撓み変形する。このダイヤフラム部56の変形に伴って受圧部61が押圧されて移動すると、開閉弁59が開弁状態となる。
図3に示すように、液体噴射部12が液体を噴射すると、液体収容部51に収容された液体が液体供給経路27を介して液体噴射部12に供給される。すると、図5に示すように、液体収容部51内の圧力が低下し、ダイヤフラム部56における第1の面56aにかかる圧力と第2の面56bにかかる圧力との差が所定値以上になると、ダイヤフラム部56が液体収容部51の容積を小さくする方向へ撓み変形する。このダイヤフラム部56の変形に伴って受圧部61が押圧されて移動すると、開閉弁59が開弁状態となる。
すると、液体流入部50内の液体は加圧機構31により加圧されているため、液体流入部50から液体収容部51に液体が供給されて液体収容部51内の圧力が上昇する。これにより、ダイヤフラム部56は、液体収容部51の容積を増大させるように変形する。そして、ダイヤフラム部56における第1の面56aにかかる圧力と第2の面56bにかかる圧力との差が所定値よりも小さくなると、開閉弁59は開弁状態から閉弁状態になって液体の流動を阻害する。
このようにして、圧力調整機構35は、ダイヤフラム部56を変位させて液体噴射部12に供給される液体の圧力を調整することで、ノズル19の背圧となる液体噴射部12内の圧力を調整する。
次に、液体噴射部12のメンテナンスのために、液体供給源13から液体噴射部12へ液体を強制的に流動させて加圧クリーニングを行う場合の作用について説明する。
図4に示すように、制御部78が加圧ポンプ74を駆動すると、膨張収縮部67に加圧された流体が供給される。すると、図5に示すように、流体が供給された膨張収縮部67は、膨張してダイヤフラム部56における受圧部61が接触する領域を押圧することで、開閉弁59を開弁状態にする。
図4に示すように、制御部78が加圧ポンプ74を駆動すると、膨張収縮部67に加圧された流体が供給される。すると、図5に示すように、流体が供給された膨張収縮部67は、膨張してダイヤフラム部56における受圧部61が接触する領域を押圧することで、開閉弁59を開弁状態にする。
すなわち、押圧機構48は、上流側付勢部材62及び下流側付勢部材63の付勢力に抗して受圧部61を移動させることにより、開閉弁59を開弁状態にする。この場合、圧力調整部69は、複数の圧力調整装置47の膨張収縮部67に接続されているため、全ての圧力調整装置47の開閉弁59を開弁状態にする。
このとき、ダイヤフラム部56は液体収容部51の容積を小さくする方向に変形するため、液体収容部51に収容されていた液体は液体噴射部12側に押し出される。すなわち、ダイヤフラム部56が液体収容部51を押圧した圧力が液体噴射部12に伝わることにより、メニスカス64が壊れてノズル19から液体が溢れる。つまり、押圧機構48は、液体収容部51内の圧力が、少なくとも1つのメニスカス64が壊れる圧力(例えば、気液界面における液体側の圧力が気体側の圧力よりも3kPa高くなる圧力)よりも高くなるように、ダイヤフラム部56を押圧する。
また、押圧機構48は、ダイヤフラム部56を押圧することによって、液体流入部50内の圧力に関わらず開閉弁59を開弁状態とする。この場合、押圧機構48は、加圧機構31が液体を加圧する圧力に前述の所定値を加えた圧力がダイヤフラム部56に加わった場合に発生する押圧力よりも大きな押圧力でダイヤフラム部56を押圧する。
そして、制御部78は、押圧機構48がダイヤフラム部56を押圧することによる開閉弁59の開弁状態において、減圧部43を定期的に駆動することにより、加圧機構31により加圧された液体を液体噴射部12に供給する。すなわち、減圧部43の駆動に伴って負圧室42が減圧されると、可撓性部材37はポンプ室41の容積を増大させる方向に移動する。
すると、液体供給源13からポンプ室41に液体が流入する。そして、減圧部43による減圧が解除されると、可撓性部材37は付勢部材44の付勢力によりポンプ室41の容積を減少させる方向に付勢される。すなわち、ポンプ室41内の液体は、可撓性部材37を介して付勢部材44の付勢力により加圧され、下流側の一方向弁40を通過して液体供給経路27の下流側に供給される。
押圧機構48がダイヤフラム部56を押圧している間は開閉弁59の開弁状態が維持されるため、この状態で加圧機構31が液体を加圧すると、その加圧力が液体流入部50、連通経路57、液体収容部51を介して液体噴射部12に伝わり、ノズル19から液体が排出される、加圧クリーニングが行われる。
そして、加圧クリーニングを終了する場合、制御部78は、加圧機構31によって液体が加圧された状態で、押圧機構48によるダイヤフラム部56の押圧状態を解除して開閉弁59を閉弁状態にする。この場合、制御部78は、開閉弁59を開弁状態から閉弁状態にする過程において、液体噴射部12のアクチュエーター24を駆動する。
すなわち、アクチュエーター24が駆動されると、ノズル19から液体が噴射されると共に、この噴射された分の液体が液体収容部51から液体噴射部12に供給されるため、液体流入部50から液体収容部51に液体を流動させた状態で開閉弁59が閉弁される。その後、制御部78は、ワイピング部材130にノズル形成面18を払拭(ワイピング)させてからアクチュエーター24を駆動してフラッシングを行う。これにより、ノズル19にはメニスカス64が形成される。
次に、圧力調整機構35と押圧機構48とを接合して圧力調整装置47を製造する製造方法について説明する。
はじめに、本実施形態の本体部52は、レーザー光を吸収して発熱する光吸収性樹脂(例えばポリプロピレンやポリブチレンテレフタレート)や、光を吸収する色素で着色された樹脂により形成されている。また、ダイヤフラム部56は、例えばポリプロピレンとポリエチレンテレフタレートなどの異なる材料を積層して形成され、レーザー光を透過させる透過性及び可撓性を有する。そして、押え部材68は、レーザー光を透過する光透過性樹脂(例えばポリスチレンやポリカーボネート)により形成されている。すなわち、ダイヤフラム部56の透明度は、本体部52の透明度よりも高く、押え部材68の透明度よりも低い。
はじめに、本実施形態の本体部52は、レーザー光を吸収して発熱する光吸収性樹脂(例えばポリプロピレンやポリブチレンテレフタレート)や、光を吸収する色素で着色された樹脂により形成されている。また、ダイヤフラム部56は、例えばポリプロピレンとポリエチレンテレフタレートなどの異なる材料を積層して形成され、レーザー光を透過させる透過性及び可撓性を有する。そして、押え部材68は、レーザー光を透過する光透過性樹脂(例えばポリスチレンやポリカーボネート)により形成されている。すなわち、ダイヤフラム部56の透明度は、本体部52の透明度よりも高く、押え部材68の透明度よりも低い。
さて、図3に示すように、まず挿通孔70に膨張収縮部67の一部を挿通させた押え部材68と本体部52とによりダイヤフラム部56を挟持させる(挟持工程)。そして、押え部材68を介してレーザー光を照射する(照射工程)。すると、押え部材68を透過したレーザー光を本体部52が吸収して発熱する。このとき生じた熱により、本体部52、ダイヤフラム部56、押え部材68が溶着される。したがって、押え部材68は、圧力調整装置47を製造する際にダイヤフラム部56を押える治具としても機能する。
以上、詳述した第1実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)液体流入部50内の圧力が変動しても、押圧機構48は液体流入部50内の圧力に関わらず開閉弁59を開弁状態にできる。このため、液体噴射部12に液体を安定して供給できる。
(1)液体流入部50内の圧力が変動しても、押圧機構48は液体流入部50内の圧力に関わらず開閉弁59を開弁状態にできる。このため、液体噴射部12に液体を安定して供給できる。
(2)圧力調整部69は、圧力調整室66内の圧力を調整することでダイヤフラム部56を液体収容部51の容積が小さくなる方向に押圧する。このため、押圧機構48は、ダイヤフラム部56の押圧を好適に行うことができる。
(3)圧力調整部69は、膨張収縮部67を膨張させることでダイヤフラム部56を液体収容部51の容積が小さくなる方向に押圧する。このため、押圧機構48は、ダイヤフラム部56の押圧を好適に行うことができる。
(4)液体供給源13側から加圧供給した液体をノズル19から排出させる加圧クリーニング時には、メニスカス64が壊れる圧力よりも高い圧力で液体を加圧供給する。この点、本実施形態では、押圧機構48によりダイヤフラム部56が押圧された液体収容部51内の圧力は、メニスカス64が壊れる圧力より高いため、加圧クリーニングを行う場合でも開閉弁59を開弁状態にすることができる。
(5)押圧機構48は、ダイヤフラム部56において受圧部61が接触する領域を押圧するため、圧力調整機構35が受圧部61を有していない場合に比べてダイヤフラム部56の変形を制限できる。したがって、押圧機構48がダイヤフラム部56の押圧を解除し、ダイヤフラム部56が液体収容部51の容積を大きくする方向に変位した場合に、ノズル19から気体などが引き込まれてしまう虞を低減できる。
(6)開閉弁59を開弁した状態において、加圧機構31により加圧された液体を液体噴射部12に供給することにより、液体噴射部12のクリーニングを好適に行うことができる。
(7)押圧機構48により押圧されたダイヤフラム部56は、液体収容部51の容積を小さくする方向に変位して開閉弁59を開弁状態とするため、押圧機構48の押圧を解除すると、ダイヤフラム部56は液体収容部51の容積を大きくする方向に変位しようとする。この場合、加圧機構31により加圧された液体が圧力調整機構35に供給されるため、液体噴射部12側から液体を引き込む虞を低減できる。したがって、ノズル19から気体などを引き込んでしまう虞を低減できる。
(8)液体噴射部12は、アクチュエーター24を駆動することにより、液体供給源13から供給された液体をノズル19から噴射する。すなわち、液体供給源13側から液体噴射部12側に向かって液体を流動させることができるため、ノズル19から気体などを引き込んでしまう虞を低減できる。
(9)液体流入部50の圧力に関わらず開閉弁59を開弁状態とすることができる。このため、例えばノズル19から液体を噴射して媒体113に記録処理を行う際に液体流入部50の圧力が高くなった場合でも、開閉弁59を開弁状態とすることにより液体噴射部12に液体を供給することができる。したがって、記録処理の中断や、記録処理の中断に伴う記録品質の低下を抑制できる。
(10)接続経路75に流体圧調整部77を設けたため、加圧ポンプ74が予期しない駆動をして接続経路75の圧力が高まった場合でも、膨張収縮部67に供給される流体の圧力を調整することができる。したがって、膨張収縮部67に予期しない圧力が加わる虞を低減することができる。
(11)開閉弁59を開弁状態から閉弁状態にした後、ワイピング及びフラッシングを行うことで、メニスカス64を整えることができる。例えば、ダイヤフラム部56が液体収容部51の容積を増大させる方向に移動する場合に、受圧部61と接触しない領域が液体収容部51の容積を減少させる方向に移動してノズル19から液体が溢れてしまった場合でも、メニスカス64を整えることができる。
(第2実施形態)
次に、液体噴射装置の第2実施形態を図面にしたがって説明する。
この第2実施形態は、上記第1実施形態における圧力調整装置47を図6及び図7に示す圧力調整装置200に変更したものであり、その他の点では第1実施形態とほぼ同じであるため、同一の部材については同一符号を付すことによって重複した説明は省略する。
次に、液体噴射装置の第2実施形態を図面にしたがって説明する。
この第2実施形態は、上記第1実施形態における圧力調整装置47を図6及び図7に示す圧力調整装置200に変更したものであり、その他の点では第1実施形態とほぼ同じであるため、同一の部材については同一符号を付すことによって重複した説明は省略する。
図6及び図7に示すように、圧力調整装置200は、空気室形成ユニット201と、圧力調整機構形成ユニット202と、底板部材203と、接続部形成ユニット204と、2つのレバーユニット205とを組み付けることによって形成される。
接続部形成ユニット204は、本体部206と、本体部206の外側面を覆うように取着された接続フィルム207とを備えている。本体部206の上面には、複数の液体供給経路27のうちの2つがそれぞれ接続される第1液体接続部208及び第2液体接続部209と、圧力調整部210が接続される圧力接続部211とが突設されている。本体部206の内側面には、第1液体接続部208、第2液体接続部209、及び圧力接続部211とそれぞれ連通する第1液体導出部212、第2液体導出部213、及び圧力供給部214が突設されている。
接続部形成ユニット204の本体部206の外側面には3つの溝(図示略)が形成されており、3つの溝と接続フィルム207とで3つの流路(図示略)が形成されている。これら3つの流路(図示略)は、第1液体接続部208、第2液体接続部209、及び圧力接続部211と、第1液体導出部212、第2液体導出部213、及び圧力供給部214とをそれぞれ接続している。
空気室形成ユニット201は、本体部215と、本体部215の両側面の全体を覆うように当該両側面にそれぞれ取着される可撓性の空気室フィルム216とを備えている。本体部215における接続部形成ユニット204側の側面には、圧力供給部214が接続される空気導入部217が設けられている。本体部215の両側面における圧力調整機構形成ユニット202との境界近傍には、レバーユニット205が取り付けられる略T字状の取付部218がそれぞれ突設されている。
図6及び図8に示すように、空気室形成ユニット201の本体部215の両側面には、円形の凹部219がそれぞれ形成されている。そして、各凹部219と各空気室フィルム216とで囲まれた空間は、空気室である圧力調整室220とされている。各空気室フィルム216における凹部219と対応する円形の部分は、圧力調整室220の一部を形成する可撓壁221とされている。本実施形態では、可撓壁221によって回動力付与部が構成されている。
図9及び図10に示すように、空気室形成ユニット201の本体部215の両側面には溝222がそれぞれ形成され、これらの溝222同士は貫通孔223によって連通している。2つの溝222はそれぞれ反対側に位置する凹部219の中央部に貫通孔224を介して連通している。そして、これら2つの溝222と2つの空気室フィルム216とで囲まれた空間により空気流路225が形成されている。したがって、空気流路225は、本体部215の両側面にわたって延びている。なお、空気流路225は、空気導入部217と連通している。
図6に示すように、圧力調整機構形成ユニット202は、本体部226と、本体部226の両側面の全体を覆うように当該両側面にそれぞれ取着される可撓性の圧力フィルム227とを備えている。本体部226における接続部形成ユニット204側の側面には、第1液体導出部212及び第2液体導出部213がそれぞれ接続される第1液体導入部228及び第2液体導入部229が設けられている。
図6及び図8に示すように、圧力調整機構形成ユニット202の本体部226の両側面には、円形の凹部230がそれぞれ形成されている。そして、各凹部230と各圧力フィルム227とで囲まれた空間は、液体収容部231とされている。各圧力フィルム227における凹部230と対応する円形の部分は、液体収容部231の一部を形成するダイヤフラム部232とされている。
図6及び図10に示すように、レバーユニット205は、矩形板状のレバー233と、レバー233の係止部234に係止されたねじりばね235とを備えている。レバー233における長手方向の中央部よりもやや一端側寄りの位置には、レバーユニット205を取付部218に取り付けるための取付孔236が貫通するように形成されている。レバー233は、その一方側の面における長手方向の一端部に略円板状の押圧部237を有し、他端部に略半球状の被押圧部238を有している。
そして、レバーユニット205は、レバー233の取付孔236において取付部218に取り付けた場合に、レバー233における取付部218との接触部分である支点を回動中心として回動可能になっている。このとき、押圧部237はダイヤフラム部232の中央部と対向するとともに、被押圧部238は可撓壁221の中央部に接触している。
さらにこのとき、ねじりばね235の付勢力は、押圧部237がダイヤフラム部232に近づく方向にレバー233を回動させる際の抵抗力として作用するようになっている。したがって、押圧部237は、通常、ダイヤフラム部232から離れている。
図11に示すように、圧力調整部210は、環状の環状管240と、環状管240の途中に設けられたポンプ241と、環状管240におけるポンプ241と反対側の位置に設けられて環状管240と圧力接続部211とを接続する接続管242とを備えている。環状管240における接続管242との接続位置とポンプ241との間には第2バルブV2が設けられ、環状管240における第2バルブV2と反対側の位置には第3バルブV3が設けられている。
環状管240における第2バルブV2とポンプ241との間には先端側が大気開放された第1分岐管243の基端側が接続され、第1分岐管243の途中位置には第1バルブV1が設けられている。環状管240における第3バルブV3とポンプ241との間には先端側が大気開放された第2分岐管244の基端側が接続され、第2分岐管244の途中位置には第4バルブV4が設けられている。
ポンプ241は、その駆動により環状管240内の空気を図11の矢印で示す一方向に流動させる。そして、圧力調整部210は、第1バルブV1及び第3バルブV3を閉弁するとともに第2バルブV2及び第4バルブV4を開弁した状態でポンプ241を駆動することで、圧力接続部211から空気を加圧供給して圧力調整室220(図7及び図8参照)を加圧する。
一方、圧力調整部210は、第1バルブV1及び第3バルブV3を開弁するとともに第2バルブV2及び第4バルブV4を閉弁した状態でポンプ241を駆動することで、圧力接続部211から空気を吸引して圧力調整室220(図7及び図8参照)を減圧する。
したがって、圧力調整部210は、圧力調整装置200の2つの圧力調整室220(図7及び図8参照)を同時に加圧したり減圧したりすることが可能な加圧減圧装置として機能する。なお、第1〜第4バルブV1〜V4は電磁バルブによって構成され、それらの開閉動作は制御部78(図4参照)によってそれぞれ制御される。
次に、圧力調整装置200について詳述する。
ここでは、主に図3と図12とに基づいて説明するが、図3においては圧力調整装置47を図12に示す圧力調整装置200に置き換えたものとして説明する。
ここでは、主に図3と図12とに基づいて説明するが、図3においては圧力調整装置47を図12に示す圧力調整装置200に置き換えたものとして説明する。
図3及び図12に示すように、圧力調整装置200は、液体供給経路27に設けられてこの液体供給経路27の一部を構成する圧力調整機構250と、圧力調整機構250を押圧する押圧機構251とを2つずつ備えている。したがって、圧力調整装置200は、1つで2種類の液体の圧力を調整することが可能になっている。
圧力調整機構形成ユニット202が備える圧力調整機構250は、液体供給源13から液体供給経路27を介して供給される液体が流入する液体流入部252と、液体を内部に収容可能な液体収容部231とが形成された本体部226を備えている。液体供給経路27と液体流入部252とは、壁部247により仕切られており、壁部247に形成された貫通孔248により連通している。液体供給経路27における貫通孔248の直ぐ上流側には、フィルター部材249が配置されている。したがって、液体供給経路27の液体は、フィルター部材249に濾過されて液体流入部252に流入する。
液体収容部231は、壁面の一部がダイヤフラム部232により構成されている。このダイヤフラム部232は、液体収容部231の内面となる第1の面232aで液体収容部231内の液体の圧力を受ける一方、液体収容部231の外面となる第2の面232bで大気圧を受ける。
このため、ダイヤフラム部232は、液体収容部231内の圧力に応じて変位する。したがって、液体収容部231は、ダイヤフラム部232が変位することで容積が変化する。なお、液体流入部252と液体収容部231とは、連通経路254によって連通されている。
圧力調整機構250は、連通経路254において液体流入部252と液体収容部231とを非連通とする閉弁状態(図12に示す状態)と、液体流入部252と液体収容部231とを連通させる開弁状態(図13に示す状態)とを切り替え可能な開閉弁255を備えている。
開閉弁255は、連通経路254を遮断可能な弁部256と、連通経路254に挿通されるロッド部257とを備えている。ロッド部257は、その先端がダイヤフラム部232の第1の面232aの中央部に接触するように配置された略円板状の受圧部258に接触している。この場合、受圧部258は、ロッド部257の先端に固定されていてもよいし、ダイヤフラム部232の第1の面232aの中央部に固定されていてもよい。
開閉弁255は、ダイヤフラム部232により受圧部258を介して押圧されることで移動する。すなわち、受圧部258は、液体収容部231の容積を小さくする方向へ変位するダイヤフラム部56に接触した状態で移動可能な移動部材としても機能している。
液体流入部252内には上流側付勢部材259が設けられ、液体収容部231内には下流側付勢部材260が設けられている。上流側付勢部材259は開閉弁255を閉弁させる方向に付勢し、下流側付勢部材260は、受圧部258をダイヤフラム部232側に付勢する。そして、開閉弁255は、第1の面232aにかかる圧力が第2の面232bにかかる圧力より低く且つ第1の面232aにかかる圧力と第2の面232bにかかる圧力との差が所定値(例えば、1kPa)以上になると、閉弁状態から開弁状態になる。
この所定値は、上流側付勢部材259の付勢力、下流側付勢部材260の付勢力、ダイヤフラム部232を変位させるために必要な力、弁部256によって連通経路254を遮断するために必要な押圧力(シール荷重)、弁部256の表面に作用する液体流入部252内の圧力、及び液体収容部231内の圧力に応じて決まる値である。すなわち、上流側付勢部材259と下流側付勢部材260の付勢力が大きいほど所定値も大きくなる。
上流側付勢部材259と下流側付勢部材260の付勢力は、液体収容部231内の圧力がノズル19における気液界面にメニスカス64を形成可能な範囲の負圧状態(例えば、第2の面232bにかかる圧力が大気圧の場合、−1kPa)となるように設定される。この場合、気液界面とは液体と気体とが接する境界であり、メニスカス64とは液体がノズル19と接してできる湾曲した液体表面である。そして、ノズル19には、液体の噴射に適した凹状のメニスカス64が形成されることが好ましい。
押圧機構251は、ダイヤフラム部232の第2の面232b側を押圧可能な押圧部237を有する回動可能なレバー233と、レバー233に回動力を付与する可撓壁221を有した圧力調整室220と、圧力調整室220内の圧力を調整可能な圧力調整部210(図7参照)とを備えている。可撓壁221は、圧力調整部210(図7参照)による圧力調整室220内の圧力の調整に伴って膨らんだり凹んだりする。
そして、押圧機構251は、圧力調整部210(図7参照)が圧力調整室220内の圧力を大気圧よりも高い圧力に調整することによって可撓壁221を膨らませることで、ダイヤフラム部232を液体収容部231の容積が小さくなる方向にレバー233の押圧部237によって押圧することによって開閉弁255を開弁状態とする。
すなわち、可撓壁221がレバー233の被押圧部238に接触した状態で膨らむと、可撓壁221によって被押圧部238が押圧されてレバー233に回動力が付与され、この回動力によりレバー233が取付部218との接触部分である支点を回動中心として回動する。
このレバー233の回動に伴って押圧部237がダイヤフラム部232の第2の面232b側を液体収容部231の容積が小さくなる方向に押圧することで、開閉弁255が閉弁状態から開弁状態にされる。このとき、押圧機構251の押圧部237は、ダイヤフラム部232における受圧部258が接触する領域を押圧する。この場合、ダイヤフラム部232における受圧部258が接触する領域の面積は、連通経路254の断面積よりも大きくなっている。
また、押圧機構251は、圧力調整部210(図7参照)が圧力調整室220内の圧力をレバー233の押圧部237によるダイヤフラム部232の押圧時の圧力調整室220内の圧力よりも低い圧力に調整することで、レバー233の押圧部237によるダイヤフラム部232の押圧を解除する。なお、レバー233に可撓壁221による回動力が付与されない状態では、押圧部237がダイヤフラム部232から離れている。
次に、液体噴射部12に供給される液体の圧力を調整する圧力調整装置200の作用について説明する。
さて、液体噴射部12が液体を噴射すると、液体収容部231に収容された液体が液体供給経路27を介して液体噴射部12に供給される。すると、図13に示すように、液体収容部231内の圧力が低下し、ダイヤフラム部232における第1の面232aにかかる圧力と第2の面232bにかかる圧力との差が所定値以上になると、ダイヤフラム部232が液体収容部231の容積を小さくする方向へ撓み変形する。このダイヤフラム部232の変形に伴って受圧部258を介して開閉弁255が押圧されて移動し、開閉弁255が開弁状態となる。
さて、液体噴射部12が液体を噴射すると、液体収容部231に収容された液体が液体供給経路27を介して液体噴射部12に供給される。すると、図13に示すように、液体収容部231内の圧力が低下し、ダイヤフラム部232における第1の面232aにかかる圧力と第2の面232bにかかる圧力との差が所定値以上になると、ダイヤフラム部232が液体収容部231の容積を小さくする方向へ撓み変形する。このダイヤフラム部232の変形に伴って受圧部258を介して開閉弁255が押圧されて移動し、開閉弁255が開弁状態となる。
すると、液体流入部252内の液体は加圧機構31により加圧されているため、液体流入部252から液体収容部231に液体が供給されて液体収容部231内の圧力が上昇する。これにより、ダイヤフラム部232は、液体収容部231の容積を増大させるように変形する。そして、ダイヤフラム部232における第1の面232aにかかる圧力と第2の面232bにかかる圧力との差が所定値よりも小さくなると、開閉弁255が上流側付勢部材259の付勢力により移動して開弁状態から閉弁状態になって液体の流動を阻害する。
このようにして、圧力調整機構250は、ダイヤフラム部232を変位させて液体噴射部12に供給される液体の圧力を調整することで、ノズル19の背圧となる液体噴射部12内の圧力を調整する。
次に、液体噴射部12のメンテナンスのために、液体供給源13から液体噴射部12へ液体を強制的に流動させて加圧クリーニングを行う場合の作用について説明する。
図11に示すように、制御部78(図4参照)が圧力調整部210の第1バルブV1及び第3バルブV3を閉弁するとともに第2バルブV2及び第4バルブV4を開弁した状態でポンプ241を駆動すると、圧力接続部211から空気が加圧供給されて圧力調整室220(図12参照)内の圧力が大気圧よりも高い圧力に調整される。
図11に示すように、制御部78(図4参照)が圧力調整部210の第1バルブV1及び第3バルブV3を閉弁するとともに第2バルブV2及び第4バルブV4を開弁した状態でポンプ241を駆動すると、圧力接続部211から空気が加圧供給されて圧力調整室220(図12参照)内の圧力が大気圧よりも高い圧力に調整される。
これにより、図13に示すように、可撓壁221が膨らんでレバー233の被押圧部238を押圧し、レバー233がねじりばね235の付勢力に抗して取付部218との接触部分である支点を回動中心として回動する。
すると、レバー233の押圧部237がダイヤフラム部232における受圧部258が接触する領域を下流側付勢部材260の付勢力に抗して押圧する。すると、開閉弁255もダイヤフラム部232及び受圧部258越しに押圧部237による押圧力を受けて上流側付勢部材259の付勢力に抗して移動し、開閉弁255が開弁状態になる。
すなわち、押圧機構251は、上流側付勢部材259及び下流側付勢部材260の付勢力に抗して受圧部258及び開閉弁255を移動させることにより、開閉弁255を開弁状態にする。つまり、制御部78は、押圧機構251にダイヤフラム部232を押圧させることにより開閉弁255を開弁させる。この場合、圧力調整部210は、複数の圧力調整装置200の圧力接続部211に接続されているため、全ての圧力調整装置200の開閉弁255を開弁状態にする。
このとき、ダイヤフラム部232は液体収容部231の容積を小さくする方向に変形するため、液体収容部231に収容されていた液体は液体噴射部12側に押し出される。すなわち、ダイヤフラム部232が液体収容部231を押圧した圧力が液体噴射部12に伝わることにより、メニスカス64が壊れてノズル19から液体が溢れる。
つまり、押圧機構251は、液体収容部231内の圧力が、少なくとも1つのメニスカス64が壊れる圧力(例えば、気液界面における液体側の圧力が気体側の圧力よりも3kPa高くなる圧力)よりも高くなるように、ダイヤフラム部232を押圧する。
また、押圧機構251は、ダイヤフラム部232を押圧することによって、液体流入部252内の圧力に関わらず開閉弁255を開弁状態にする。この場合、押圧機構251は、加圧機構31が液体を加圧する圧力に前述の所定値を加えた圧力がダイヤフラム部232に加わった場合に発生する押圧力よりも大きな押圧力でダイヤフラム部232を押圧する。
そして、制御部78は、押圧機構251がダイヤフラム部232を押圧することによる開閉弁255の開弁状態において、減圧部43を定期的に駆動することにより、加圧機構31により加圧された所定量の液体を液体噴射部12に供給する。すなわち、減圧部43の駆動に伴って負圧室42が減圧されると、可撓性部材37はポンプ室41の容積を増大させる方向に移動する。
すると、液体供給源13からポンプ室41に液体が流入する。そして、減圧部43による減圧が解除されると、可撓性部材37は付勢部材44の付勢力によりポンプ室41の容積を減少させる方向に付勢される。すなわち、ポンプ室41内の所定量の液体は、可撓性部材37を介して付勢部材44の付勢力により加圧され、下流側の一方向弁40を通過して液体供給経路27の下流側に送られて液体噴射部12に供給される。
押圧機構251がダイヤフラム部232を押圧している間は開閉弁255の開弁状態が維持されるため、この状態で加圧機構31が所定量の液体を加圧すると、その加圧力が液体流入部252、連通経路254、液体収容部231を介して液体噴射部12に伝わり、ノズル19から液体が排出(滴下)される、加圧クリーニングが行われる。つまり、制御部78は、加圧機構31に液体を加圧させることにより加圧状態の所定量の液体を液体噴射部12に供給してノズル19から排出させる。
そして、ノズル19から所定量(ポンプ室41内の所定量の液体分)の液体が排出されると、ノズル19からの液体の排出が停止される。すなわち、加圧機構31は、所定量の加圧された液体をノズル19から排出(滴下)させると、この液体の排出に伴って供給する液体の加圧のレベルが低下し、やがてノズル19から液体が排出されない程度の加圧レベルになる。
この状態で、制御部78は、ワイピングモーター131を駆動させてワイピング部材130にノズル形成面18を払拭させる。これにより、通常のメニスカス形成時の液体噴射部12の内圧よりも高い内圧状態でノズル19内にメニスカス64が形成される。その後、制御部78が圧力調整部210の第1バルブV1及び第3バルブV3を開弁するとともに第2バルブV2及び第4バルブV4を閉弁すると、圧力接続部211から空気が吸引されて圧力調整室220が減圧される。
これにより、膨らんでいた可撓壁221が萎んで凹んだ状態になる。すると、レバー233がねじりばね235の付勢力によって取付部218との接触部分である支点を回動中心として回動して元の位置に戻る。すなわち、レバー233の押圧部237がダイヤフラム部232から離れた状態になる。
すると、受圧部258とともにダイヤフラム部232が下流側付勢部材260の付勢力によって元の位置に戻るとともに、開閉弁255が上流側付勢部材259の付勢力によって移動して閉弁状態になる。すなわち、制御部78は、加圧機構31によって液体がノズル19から液体が排出されない程度に加圧された状態で、押圧機構251によるダイヤフラム部232の押圧状態を解除して開閉弁255を閉弁状態にする。
このとき、開閉弁255の閉弁動作によって液体噴射部12の内圧が低下した場合にノズル19内のメニスカス64が壊れてノズル19内に空気等が引き込まれるおそれがある。この点、本実施形態では、上述のように通常のメニスカス形成時の液体噴射部12の内圧よりも高い内圧状態でノズル19内にメニスカス64が形成されるので、開閉弁255の閉弁動作によって液体噴射部12の内圧が低下してもメニスカス64が壊れてノズル19内に空気等が引き込まれることが抑制される。これにより、液体噴射部12の加圧クリーニングが終了し、その後、制御部78は、圧力調整部210のポンプ241を停止する。
以上、詳述した第2実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(12)液体噴射装置11において、押圧機構251は、圧力調整部210が圧力調整室220内の圧力を調整して可撓壁221によりレバー233に回動力を付与することで、レバー233を回動させて、押圧部237によるダイヤフラム部232の第2の面232b側の押圧を行う。このため、レバー233の仕様(レバー比や形状等)を変更するだけで、圧力調整室220の仕様(加圧力や大きさ等)を変更することなく押圧部237による押圧力を変更することができる。すなわち、押圧部237による必要な押圧力が変化しても、レバー233の仕様を変更するだけで、圧力調整室220の仕様を変更することなく対応することができるので、汎用性を高めることができる。
(12)液体噴射装置11において、押圧機構251は、圧力調整部210が圧力調整室220内の圧力を調整して可撓壁221によりレバー233に回動力を付与することで、レバー233を回動させて、押圧部237によるダイヤフラム部232の第2の面232b側の押圧を行う。このため、レバー233の仕様(レバー比や形状等)を変更するだけで、圧力調整室220の仕様(加圧力や大きさ等)を変更することなく押圧部237による押圧力を変更することができる。すなわち、押圧部237による必要な押圧力が変化しても、レバー233の仕様を変更するだけで、圧力調整室220の仕様を変更することなく対応することができるので、汎用性を高めることができる。
(13)液体噴射装置11において、レバー233に可撓壁221による回動力が付与されない状態では、押圧部237がダイヤフラム部232から離れている。このため、レバー233の押圧部237がダイヤフラム部232に接触することに起因する圧力調整機構250の動作不良の発生を抑制できる。
(14)液体噴射装置11において、押圧機構251は、ダイヤフラム部232における受圧部258が接触する領域をレバー233の押圧部237によって押圧する。このため、ダイヤフラム部232における受圧部258の外側領域(周囲の領域)を液体収容部231側に変形させないように、押圧部237によってダイヤフラム部232を押圧することができる。そして、押圧部237によるダイヤフラム部232の押圧を解除した後には、ダイヤフラム部232における受圧部258の外側領域が液体収容部231の容積が大きくなる方向に移動して押圧前の状態に復帰するので、ノズル19から気泡や液体が引き込まれることを抑制できる。
(15)液体噴射装置11において、押圧機構251は、圧力調整部210が圧力調整室220内の圧力を大気圧よりも高い圧力に調整することで、レバー233の押圧部237によってダイヤフラム部232を押圧する。このため、圧力調整室220内の圧力を大気圧よりも高い圧力に調整するだけで、レバー233の押圧部237によってダイヤフラム部232を押圧することができる。
(16)液体噴射装置11において、押圧機構251は、圧力調整部210が圧力調整室220内の圧力を押圧部237によるダイヤフラム部232の押圧時の圧力調整室220内の圧力よりも低い圧力に調整することで、レバー233の押圧部237によるダイヤフラム部232の押圧を解除する。このため、レバー233の押圧部237によるダイヤフラム部232の押圧状態を容易に解除することができる。
(17)液体噴射装置11において、回動力付与部は、圧力調整室220の一部を形成する可撓壁221であり、レバー233に接触することによりレバー233に回動力を付与する。このため、圧力調整室220の一部を形成する可撓壁221を、レバー233に回動力を付与する回動力付与部として好適に機能させることができる。
(18)液体噴射装置11において、加圧機構31は、押圧機構251がダイヤフラム部232を押圧することによる開閉弁255の開弁状態において液体を加圧することで、加圧状態の液体を液体噴射部12に対して供給する。このため、開閉弁255を強制的に開弁した状態で加圧機構31によって液体を加圧することで加圧状態の液体を液体噴射部12に供給してノズル19から排出させるクリーニングである、所謂加圧クリーニングを行うことができる。
(19)液体噴射装置11は、加圧機構31によって液体が加圧された状態で、押圧機構251によるダイヤフラム部232の押圧状態を解除して開閉弁255を閉弁状態にする。このため、加圧クリーニング後にノズル19から気泡や液体が引き込まれることを抑制できる。
(20)液体噴射装置11において、制御部78は、押圧機構251にダイヤフラム部232を押圧させることにより開閉弁255を開弁し、加圧機構31に液体を加圧させることにより加圧状態の液体を液体噴射部12に供給してノズル19から排出させた後、ワイピング部材130にノズル形成面18を払拭させる。このため、加圧機構31により加圧された液体を液体噴射部12に供給してノズル19から強制的に排出する加圧クリーニングを行った後に、ワイピング部材130によりノズル形成面18の払拭(ワイピング)を行うことで、ノズル19内にメニスカス64を形成することができる。したがって、加圧クリーニングを行った後に、ノズル形成面18におけるノズル開口付近に付着した液体が異物や気泡とともにノズル19内に吸い込まれることを抑制できる。
(21)液体噴射装置11において、制御部78は、加圧機構31に所定量の液体を加圧させることにより加圧状態の所定量の液体を液体噴射部12に供給し、ノズル19からの液体の排出が停止した後、ワイピング部材130にノズル形成面18を払拭させてから押圧機構251にダイヤフラム部232の押圧状態を解除させて開閉弁255を閉弁する。
通常、所定量の加圧された液体をノズル19から排出させると、液体の排出に伴って供給される液体の加圧のレベルが低下し、やがてノズル19から液体が排出されない程度の加圧レベルになる。この状態でワイピング部材130によってノズル形成面18を払拭(ワイピング)することで、通常のメニスカス形成時の液体噴射部12の内圧よりも高い内圧状態でノズル19内にメニスカス64を形成させることができる。このため、開閉弁255の閉弁動作によって液体噴射部12の内圧が低下した場合にノズル19内のメニスカス64が壊れてノズル19内に空気等が引き込まれることを抑制できる。
(変更例)
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
(変更例1)上記第2実施形態における液体噴射部12のメンテナンスのための加圧クリーニングは、次のように行うようにしてもよい。すなわち、まず、制御部78は、押圧機構251にダイヤフラム部232を押圧させることにより開閉弁255を開弁してから連続的に液体を加圧可能な加圧ポンプ(加圧機構)に液体を加圧させることにより加圧状態の液体を液体噴射部12に供給してノズル19から排出させる。そして、制御部78は、押圧機構251にダイヤフラム部232の押圧状態を解除させることにより開閉弁255を閉弁して加圧状態の液体の液体噴射部12への供給を停止した後、ワイピング部材130にノズル形成面18を払拭させる。これにより、加圧クリーニングが終了する。このようにすれば、加圧された液体のノズル19からの排出中に開閉弁255を閉弁させると、開閉弁255の閉弁後も液体噴射部12の加圧状態の液体がノズル19から排出され、やがてノズル19から液体が排出されない程度の加圧レベルになる。この状態でワイピング部材130によってノズル形成面18を払拭(ワイピング)することにより、通常のメニスカス形成時の液体噴射部12の内圧よりも高い内圧状態でノズル19内にメニスカス64を形成させることができる。このため、開閉弁255の閉弁動作によって液体噴射部12の内圧が低下した場合にノズル19内のメニスカス64が壊れてノズル19内に空気等が引き込まれることを抑制できる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
(変更例1)上記第2実施形態における液体噴射部12のメンテナンスのための加圧クリーニングは、次のように行うようにしてもよい。すなわち、まず、制御部78は、押圧機構251にダイヤフラム部232を押圧させることにより開閉弁255を開弁してから連続的に液体を加圧可能な加圧ポンプ(加圧機構)に液体を加圧させることにより加圧状態の液体を液体噴射部12に供給してノズル19から排出させる。そして、制御部78は、押圧機構251にダイヤフラム部232の押圧状態を解除させることにより開閉弁255を閉弁して加圧状態の液体の液体噴射部12への供給を停止した後、ワイピング部材130にノズル形成面18を払拭させる。これにより、加圧クリーニングが終了する。このようにすれば、加圧された液体のノズル19からの排出中に開閉弁255を閉弁させると、開閉弁255の閉弁後も液体噴射部12の加圧状態の液体がノズル19から排出され、やがてノズル19から液体が排出されない程度の加圧レベルになる。この状態でワイピング部材130によってノズル形成面18を払拭(ワイピング)することにより、通常のメニスカス形成時の液体噴射部12の内圧よりも高い内圧状態でノズル19内にメニスカス64を形成させることができる。このため、開閉弁255の閉弁動作によって液体噴射部12の内圧が低下した場合にノズル19内のメニスカス64が壊れてノズル19内に空気等が引き込まれることを抑制できる。
(変更例2)上記変更例1において、図14に示すように、制御部78は、キャップ134を液体噴射部12のノズル形成面18におけるノズル19を含む領域に対してキャッピングさせた状態で、加圧機構に液体を加圧させることにより加圧状態の液体を液体噴射部12に供給してノズル19から排出させる。そして、制御部78は、開閉弁255を閉弁させてノズル19からの液体の排出を停止させた後、キャップ134による上記領域のキャッピング状態を解除してからワイピング部材130にノズル形成面18を払拭させるようにしてもよい。このようにすれば、キャップ134によって液体噴射部12のノズル形成面18におけるノズル19を含む領域をキャッピングした状態でノズル19から液体が排出されると、キャップ134内の圧力が上昇して大気圧よりも高くなるので、ノズル19からの液体の排出を妨げる抵抗が発生する。このため、ノズル19から液体が排出されなくなったときの加圧レベルは、キャッピングしない場合に比べて高くなる。この状態でキャップ134によるキャッピング状態を解除してもノズル19内に空気等が引き込まれ難い。その後、ワイピング部材130によってノズル形成面18を払拭(ワイピング)することで、通常のメニスカス形成時の液体噴射部12の内圧よりも高い内圧状態でノズル19内にメニスカス64を形成させることができる。したがって、開閉弁255の閉弁動作によって液体噴射部12の内圧が低下した場合にノズル19内のメニスカス64が壊れてノズル19内に空気等が引き込まれることを抑制できる。
(変更例3)上記変更例2において、図15に示すように、キャップ134の底壁に、キャップ134内の液体を箱状の廃液回収容器300に排出するための排出流路301を設けるようにしてもよい。このようにすれば、キャップ134によって液体噴射部12のノズル形成面18におけるノズル19を含む領域をキャッピングした状態でノズル19から液体が排出されると、液体が排出流路301を流れる際の流路抵抗の影響により、上記変更例2の場合と同様に、キャップ134内の圧力が上昇して大気圧よりも高くなる。このため、上記変更例2と同様の作用効果を得ることができる。
(変更例4)上記変更例2において、図16に示すように、キャップ134の底壁に、キャップ134が液体噴射部12のノズル形成面18におけるノズル19を含む領域をキャッピングした際に形成される閉空間を大気と連通させる連通流路302を設ける。さらに、連通流路302の途中位置に上記閉空間を大気と連通する連通状態と大気と連通しない非連通状態との間で切替え可能な大気開放弁303を設けるようにしてもよい。そして、制御部78は、ノズル19からの液体の排出中の一定時間及びキャップ134による上記領域のキャッピング状態の解除時に、大気開放弁303を連通状態から非連通状態に切替えるようにしてもよい。このようにすれば、大気開放弁303が連通状態で且つキャップ134によって液体噴射部12のノズル形成面18におけるノズル19を含む領域をキャッピングした状態でノズル19から液体を排出させ、途中から大気開放弁303を非連通状態に切替えることで、キャップ134内の圧力を変化させることができる。すなわち、大気開放弁303を連通状態から非連通状態に切替えるタイミングを変化させることで、キャップ134内の圧力の上昇度合いを調節することができる。因みに、キャップ134内の圧力は、液体の排出量によって変化するので、例えば、キャップ134の容積が小さくてキャップ134内への液体の排出量が多い場合には、大気開放弁303を連通状態から非連通状態に切替えるタイミングが早すぎると、キャップ134内の圧力が大きくなりすぎる。このため、ノズル19からキャップ134内に液体が排出されなくなるおそれがある。
(変更例5)上記第2実施形態において、図16に示すように、キャップ134の底壁にキャップ134内の液体を排出するための排出流路304を設け、且つ排出流路304の途中位置にキャップ134内を吸引可能な吸引ポンプ305を設けるようにする。そして、吸引ポンプ305の吸引力によってノズル19から液体を排出する吸引クリーニングを行った後に、上記変更例4の加圧クリーニングを組み合わせて行うようにしてもよい。
(変更例6)上記第2実施形態において、押圧機構251における圧力調整室及び回動力付与部は、図17に示すように、圧力調整部210によって内部の圧力が調整されることによって伸縮する蛇腹部分を有した伸縮部材306によって構成してもよい。なお、図17では、伸縮部材306の伸長状態を実線で示すとともに収縮状態を二点鎖線で示している。あるいは、押圧機構251における圧力調整室及び回動力付与部は、エアシリンダーによって構成してもよい。
(変更例7)上記第2実施形態において、レバー233の押圧部237、レバー233の回動中心、及びレバー233の被押圧部238は、例えば、レバー233の回動中心、レバー233の押圧部237、レバー233の被押圧部238の順で並ぶように構成してもよい。この場合、圧力調整室220及び可撓壁221が上記第2実施形態と同じ側に配置され、圧力調整室220が減圧されることによりレバー233が回動されて押圧部237によりダイヤフラム部232が押圧される。さらにこの場合、被押圧部238と可撓壁221とは互いに連結されている必要がある。
(変更例8)上記第2実施形態において、回動力付与部は、必ずしも可撓壁221である必要はない。
(変更例9)上記第2実施形態において、受圧部258を省略してもよい。
(変更例9)上記第2実施形態において、受圧部258を省略してもよい。
(変更例10)上記第2実施形態において、レバー233に可撓壁221による回動力が付与されない状態では、必ずしも押圧部237がダイヤフラム部232から離れている必要はない。
(変更例11)上記第2実施形態において、可撓壁221に受圧部を設けてもよい。
(変更例12)上記第2実施形態において、レバー233を金属製にし、金属の弾性を利用してレバー233がダイヤフラム部232を押圧するようにしてもよい。このようにすれば、ねじりばね235を省略することができる。
(変更例12)上記第2実施形態において、レバー233を金属製にし、金属の弾性を利用してレバー233がダイヤフラム部232を押圧するようにしてもよい。このようにすれば、ねじりばね235を省略することができる。
(変更例13)上記第2実施形態において、開閉弁255と受圧部258とは、連結されていてもよいし、一体形成されていてもよい。
(変更例14)上記第2実施形態において、加圧機構31は、ギヤポンプ、ねじポンプ、ピストンポンプなどによって構成してもよい。
(変更例14)上記第2実施形態において、加圧機構31は、ギヤポンプ、ねじポンプ、ピストンポンプなどによって構成してもよい。
(変更例15)上記各実施形態において、液体噴射装置11は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したような水系インク、非水系インク、油性インク、ジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物や液晶等が挙げられる。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。
11…液体噴射装置、12…液体噴射部、13…液体供給源、14…供給機構、16…噴射部フィルター、17…共通液室、18…ノズル形成面、19…ノズル、20…圧力室、21…振動板、22…連通孔、23…収容室、24…アクチュエーター、26…装着部、27…液体供給経路、28…循環経路形成部、29…循環ポンプ、31…加圧機構、32…フィルターユニット、33…スタティックミキサー、34…液体貯留部、35…圧力調整機構、37…可撓性部材、38…容積ポンプ、39…一方向弁、40…一方向弁、41…ポンプ室、42…負圧室、43…減圧部、44…付勢部材、45…ばね、47…圧力調整装置、48…押圧機構、50…液体流入部、51…液体収容部、52…本体部、53…壁部、54…貫通孔、55…フィルター部材、56…ダイヤフラム部、56a…第1の面、56b…第2の面、57…連通経路、59…開閉弁、60…弁部、61…受圧部、62…上流側付勢部材、63…下流側付勢部材、64…メニスカス、66…圧力調整室、67…膨張収縮部、68…押え部材、69…圧力調整部、70…挿通孔、71…開口部、72…空気室、74…加圧ポンプ、75…接続経路、76…検出部、77…流体圧調整部、78…制御部、112…支持台、113…媒体、114…搬送部、115…印刷部、116…本体、117…カバー、118…搬送ローラー対、119…搬送ローラー対、120…案内板、122…ガイド軸、123…ガイド軸、124…キャリッジ、126…ワイパーユニット、127…フラッシングユニット、128…キャップユニット、130…ワイピング部材、131…ワイピングモーター、132…液体受容部、133…フラッシングモーター、134…キャップ、135…キャッピングモーター、200…圧力調整装置、201…空気室形成ユニット、202…圧力調整機構形成ユニット、203…底板部材、204…接続部形成ユニット、205…レバーユニット、206…本体部、207…接続フィルム、208…第1液体接続部、209…第2液体接続部、210…圧力調整部、211…圧力接続部、212…第1液体導出部、213…第2液体導出部、214…圧力供給部、215…本体部、216…空気室フィルム、217…空気導入部、218…取付部、219…凹部、220…圧力調整室、221…可撓壁(回動力付与部)、222…溝、223…貫通孔、224…貫通孔、225…空気流路、226…本体部、227…圧力フィルム、228…第1液体導入部、229…第2液体導入部、230…凹部、231…液体収容部、232…ダイヤフラム部、232a…第1の面、232b…第2の面、233…レバー、234…係止部、235…ねじりばね、236…取付孔、237…押圧部、238…被押圧部、240…環状管、241…ポンプ、242…接続管、243…第1分岐管、244…第2分岐管、247…壁部、248…貫通孔、249…フィルター部材、250…圧力調整機構、251…押圧機構、252…液体流入部、254…連通経路、255…開閉弁、256…弁部、257…ロッド部、258…受圧部(移動部材)、259…上流側付勢部材、260…下流側付勢部材、300…廃液回収容器、301…排出流路、302…連通流路、303…大気開放弁、304…排出流路、305…吸引ポンプ、306…伸縮部材、A…供給方向、B…循環方向、X…走査方向、Y…搬送方向、Z…鉛直方向、V1…第1バルブ、V2…第2バルブ、V3…第3バルブ、V4…第4バルブ。
Claims (9)
- アクチュエーターを駆動してノズルから液体を噴射する液体噴射部に前記液体を液体供給源から供給可能な液体供給経路と、
前記液体供給経路に設けられた圧力調整機構であって、
前記液体供給源から供給される前記液体が流入する液体流入部と、
前記液体を内部に収容可能であってダイヤフラム部が変位することで内部の容積が変化する液体収容部と、
前記液体流入部と前記液体収容部とを連通させる連通経路と、
前記ダイヤフラム部における前記液体収容部の内面となる第1の面にかかる圧力が前記ダイヤフラム部における前記液体収容部の外面となる第2の面にかかる圧力より低く且つ前記第1の面にかかる圧力と前記第2の面にかかる圧力との差が所定値以上になると、前記連通経路において前記液体流入部と前記液体収容部とを非連通とする閉弁状態から前記液体流入部と前記液体収容部とを連通させる開弁状態となる開閉弁と、
を有する圧力調整機構と、
前記ダイヤフラム部を前記液体収容部の容積が小さくなる方向に押圧することによって、前記開閉弁を開弁状態とする押圧機構であって、
前記ダイヤフラム部の前記第2の面側を押圧可能な押圧部を有する回動可能なレバーと、
前記レバーに回動力を付与する回動力付与部を有した圧力調整室と、
前記圧力調整室内の圧力を調整可能な圧力調整部と、
を有し、
前記圧力調整部が前記圧力調整室内の圧力を調整して前記回動力付与部により前記レバーに回動力を付与することで、前記レバーを回動させて、前記押圧部による前記ダイヤフラム部の前記第2の面側の押圧を行う押圧機構と、
を備えることを特徴とする液体噴射装置。 - 前記レバーに前記回動力付与部による回動力が付与されない状態では、前記押圧部が前記ダイヤフラム部から離れていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記圧力調整機構は、前記液体収容部の容積を小さくする方向へ変位する前記ダイヤフラム部に接触した状態で移動可能な移動部材をさらに有し、
前記押圧機構は、前記ダイヤフラム部における前記移動部材が接触する領域を前記レバーの前記押圧部によって押圧することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。 - 前記押圧機構は、前記圧力調整部が前記圧力調整室内の圧力を大気圧よりも高い圧力に調整することで、前記レバーの前記押圧部によって前記ダイヤフラム部を押圧することを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記押圧機構は、前記圧力調整部が前記圧力調整室内の圧力を前記押圧部による前記ダイヤフラム部の押圧時の前記圧力調整室内の圧力よりも低い圧力に調整することで、前記レバーの前記押圧部による前記ダイヤフラム部の押圧を解除することを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
- 前記回動力付与部は、前記圧力調整室の一部を形成する可撓壁であり、前記レバーに接触することにより前記レバーに回動力を付与することを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記圧力調整機構に供給される前記液体を加圧可能な加圧機構をさらに備え、
前記加圧機構は、前記押圧機構が前記ダイヤフラム部を押圧することによる前記開閉弁の開弁状態において前記液体を加圧することで、加圧状態の前記液体を前記液体噴射部に対して供給可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。 - 前記加圧機構によって前記液体が加圧された状態で、前記押圧機構による前記ダイヤフラム部の押圧状態を解除して前記開閉弁を閉弁状態とすることを特徴とする請求項7に記載の液体噴射装置。
- アクチュエーターを駆動してノズルから液体を噴射する液体噴射部に前記液体を液体供給源から供給可能な液体供給経路に設けられた圧力調整機構であって、
前記液体供給源から供給される前記液体が流入する液体流入部と、
前記液体を内部に収容可能であってダイヤフラム部が変位することで内部の容積が変化する液体収容部と、
前記液体流入部と前記液体収容部とを連通させる連通経路と、
前記ダイヤフラム部における前記液体収容部の内面となる第1の面にかかる圧力が前記ダイヤフラム部における前記液体収容部の外面となる第2の面にかかる圧力より低く且つ前記第1の面にかかる圧力と前記第2の面にかかる圧力との差が所定値以上になると、前記連通経路において前記液体流入部と前記液体収容部とを非連通とする閉弁状態から前記液体流入部と前記液体収容部とを連通させる開弁状態となる開閉弁と、
を有する圧力調整機構と、
前記ダイヤフラム部を前記液体収容部の容積が小さくなる方向に押圧することによって、前記開閉弁を開弁状態とする押圧機構であって、
前記ダイヤフラム部の前記第2の面側を押圧可能な押圧部を有する回動可能なレバーと、
前記レバーに回動力を付与する回動力付与部を有した圧力調整室と、
前記圧力調整室内の圧力を調整可能な圧力調整部と、
を有し、
前記圧力調整部が前記圧力調整室内の圧力を調整して前記回動力付与部により前記レバーに回動力を付与することで、前記レバーを回動させて、前記押圧部による前記ダイヤフラム部の前記第2の面側の押圧を行う押圧機構と、
を備えることを特徴とする圧力調整装置。
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