JP2011084035A - 流体供給装置、流体噴射装置及び流体供給方法 - Google Patents

流体供給装置、流体噴射装置及び流体供給方法 Download PDF

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Abstract

【課題】流体蓄圧部の構成を簡単にして容易に設計することができる流体供給装置、流体噴射装置及び流体供給方法を提供する。
【解決手段】インク流路15と、ポンプ室の容積を増減させるように変位可能な第1変位部37がポンプ室と隣接する第1空気室34aの圧力変化に応じて変位することによりポンプ駆動するポンプ43と、ポンプ室よりも下流となる位置に設けられ、上流側から下流側へのインクの通過のみを許容するボール弁39と、蓄圧室32aの容積を増減させるように変位可能な第2変位部38が蓄圧室と隣接する第2空気室35aの圧力変化に応じて変位することにより蓄圧室に貯留されたインクを加圧する吐出側バルブ44と、第1空気室及び第2空気室の各々に連通して各空気室のうち一方の空気室の容積を増加させるように正圧を発生させた場合には他方の変圧室の容積を減少させるように負圧を発生させる圧力発生装置45を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体供給装置、流体噴射装置及び流体供給方法に関する。
従来、ターゲットに対して流体を噴射する流体噴射装置として、インクジェット式プリンターが広く知られている。このプリンターは、記録ヘッド(流体噴射ヘッド)に供給されるインク(流体)を記録ヘッドに形成されたノズルから噴射することによりターゲットとしての記録媒体に印刷を施すようになっている。
そして、こうしたプリンターには、例えば特許文献1に記載されるように、インクカートリッジ(流体供給源)と記録ヘッドとの間を接続するインク流路(流体供給流路)の途中にインクカートリッジ側となる上流側から記録ヘッド側となる下流側にインクを加圧供給するためにポンプ駆動するポンプを備えた流体供給装置が設けられている。
すなわち、この流体供給装置は、ダイアフラム式ポンプなどの脈動型のポンプをインク流路に備え、ポンプよりも上流側となる位置に上流側から下流側へのインクの通過を許可する吸引側バルブを一方向弁として備えると共に、ポンプよりも下流側となる位置に上流側から下流側へのインクの通過を許可するボール弁を一方向弁として備えている。さらに、この流体供給装置のインク流路においてボール弁よりも下流側となる位置には記録ヘッドにインクを加圧供給するための吐出側バルブ(流体蓄圧部)が設けられている。
また、この流体供給装置におけるポンプは、インクが流入出するポンプ室と、該ポンプ室の容積を増減させるべく変位する変位部材と、該変位部材を変位させるべく駆動する圧力発生装置とを備えている。また、吐出側バルブは、インクを流入出する蓄圧室と、該蓄圧室の容積を増減させるべく変位する変位部材と、該変位部材を蓄圧室の容積が減少する方向に付勢力を付与するばね等の付勢部材を備えている。そして、インクカートリッジ側からインクを記録ヘッド側に供給させる場合には、圧力発生装置を駆動させることにより、ポンプ室の容積が増大するように変位部材を変位させる。すると、容積が増大したポンプ室内には、インクカートリッジ側からインクが流入する。その後、ポンプ室の容積が減少するように変位部材を変位させると、ポンプ室内のインクは、変位部材によってポンプ室から下流側に向けて吐出されて一方向弁としてのボール弁を通過する。そして、ボール弁を通過したインクは、一旦、蓄圧室内に貯留される。この場合において、蓄圧室は容積が減少する方向に付勢部材の付勢力が付与されているのでインクは蓄圧室内に蓄圧状態で貯留されることになる。そして、蓄圧状態で貯留されたインクは、ボール弁によってポンプ室側への逆流が抑制されると共に、インクが消費される下流側に向けて加圧供給されることになる。
特開2009−160912号公報
ところで、この流体供給装置は、ポンプの加圧力で蓄圧室内にインクを満たしている為、インクの圧力により蓄圧室の変位部材が上方へ弾性変形できるように蓄圧室の加圧力、すなわち吐出側バルブにおける付勢部材による加圧力はポンプの加圧力よりも小さくなければならない。そのため、吐出側バルブにおける付勢部材の設計が非常に複雑になり、さらに、蓄圧室の加圧に付勢部材を用いると配置構成の関係から流体供給装置自体の設計が難しくなるという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、蓄圧室に作用する圧力の変化に応じて蓄圧室内に上流側から流体を流入させて蓄圧状態で一旦貯留すると共に当該蓄圧室内から流体を下流側に向けて加圧供給する流体蓄圧部の構成を簡単にして容易に設計することができる流体供給装置、流体噴射装置及び流体供給方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の流体供給装置は、流体供給源側となる上流側から下流側に向けて流体を供給する流体供給流路と、該流体供給流路の一部をポンプ室として該ポンプ室の容積を増減させるように変位可能な第1変位部が該第1変位部を介して前記ポンプ室と区画された容積可変の第1変圧室の圧力変化に応じて変位することによりポンプ駆動するポンプと、前記流体供給流路における前記ポンプ室よりも下流となる位置に設けられ、上流側から下流側への流体の通過を許容する一方向弁と、前記流体供給流路における前記ポンプ室よりも下流側の一部を蓄圧室として該蓄圧室の容積を増減させるように変位可能な第2変位部が該第2変位部を介して前記蓄圧室と区画された容積可変の第2変圧室の圧力変化に応じて変位することにより前記蓄圧室に貯留された流体を加圧する流体蓄圧部と、前記第1変圧室及び前記第2変圧室の各々に連通して前記第1変圧室及び前記第2変圧室のうち一方の変圧室の容積を増加させるように当該一方の変圧室に作用させる正圧を発生させた場合には他方の変圧室の容積を減少させるように当該他方の変圧室に作用させる負圧を発生させる圧力発生装置と、を備える。
この構成によれば、圧力発生装置から第1変圧室に付与される負圧に応じて第1変位部がポンプ駆動するときに圧力発生装置から第2変圧室に付与される正圧に応じて第2変位部が蓄圧室に貯留されている流体を下流側に加圧供給する。したがって、流体蓄圧部においては付勢部材を用いることなく蓄圧室に貯留されている流体を加圧することができるため、流体蓄圧部の構成が簡単になり、かかる流体蓄圧部を備える流体供給装置を容易に設計することができる。
本発明の流体供給装置において、前記ポンプは、前記圧力発生装置からの負圧の作用による前記第1変圧室の減圧に基づき前記第1変位部が前記第1変圧室の容積が減少する方向に変位して前記ポンプ室に前記流体を引き入れる吸引駆動をするとともに、前記圧力発生装置からの正圧の作用による前記第1変圧室の加圧に基づき前記第1変位部が前記第1変圧室の容積が増加する方向に変位して前記ポンプ室から前記流体を吐出する吐出駆動をする一方、前記流体蓄圧部は、前記圧力発生装置からの正圧の作用による前記第2変圧室の加圧に基づき前記第2変位部が前記第2変圧室の容積が増加する方向に変位して前記蓄圧室に貯留された流体を加圧するとともに、前記圧力発生装置からの負圧の作用による前記第2変圧室の減圧に基づき前記第2変位部が前記第2変圧室の容積が減少する方向に変位して前記蓄圧室に前記流体を引き入れる。
この構成によれば、ポンプを吸引駆動させて流体をポンプ室内に吸引する場合には、流体蓄圧部が蓄圧室に貯留されている流体を加圧する。一方、ポンプを吐出駆動させて流体をポンプ室内から吐出する場合には、流体蓄圧部が蓄圧室に流体を引き入れる。したがって、ポンプの吸引駆動及び吐出駆動の切り替えに連動して流体蓄圧部による蓄圧室内に貯留される流体の下流側への加圧供給と上流側からの流入とを行うことができる。
本発明の流体供給装置において、前記圧力発生装置は、前記第1変圧室に連通する第1連通室と前記第2変圧室に連通する第2連通室とを区画しつつ変位可能な第3変位部が、前記第1連通室及び前記第2連通室のうち一方の容積を増加させた場合には他方の容積を減少させるように変位することにより前記第1変圧室及び前記第2変圧室のうち一方の変圧室を加圧すると共に他方の変圧室を減圧する。
この構成によれば、第1変圧室と第2変圧室とに連通する圧力発生装置の第1連通室及び第2連通室のうちの何れか一方の容積を変化させることにより、流体供給装置のポンプの吸引駆動と吐出駆動との切り替え及び流体蓄圧部による蓄圧室内に貯留される流体の下流側への加圧供給と上流側からの流入とを行うことができる。
本発明の流体供給装置において、前記ポンプは前記第1変位部を前記ポンプ室の容積が減少する方向又は増加する方向に付勢する付勢部材を備えている。
この構成によれば、ポンプをポンプ駆動させて流体を供給する場合には、ポンプを吸引駆動させる場合又は吐出駆動させる場合のいずれか一方の場合にのみ付勢部材の付勢力に抗して第1変位部を変位させればよく、逆の場合は付勢部材の付勢力で第1変位部が元の状態に変位するので、ポンプの駆動負荷を低減することができる。
本発明の流体供給装置は、前記第1変圧室及び第2変圧室を大気開放するための大気開放手段を更に備えている。
この構成によれば、第1変圧室及び第2変圧室の加圧状態もしくは減圧状態を必要に応じて解除することができる。
上記目的を達成するために、本発明の流体噴射装置は、流体を噴射する流体噴射ヘッドと、流体供給源側から前記流体噴射ヘッド側に向けて前記流体を供給する上記流体供給装置とを備える。
この構成によれば、流体噴射装置において上記流体供給装置の場合と同様の作用効果を得ることができる。
上記目的を達成するために、本発明の流体供給方法は、前記流体供給流路の一部を構成するポンプ室の容積を増減させるように変位可能な第1変位部を介して前記ポンプ室と区画された第1変圧室と、前記流体供給流路の一部を構成する蓄圧室の容積を増減させるように変位可能な第2変位部を介して前記蓄圧室と区画された第2変圧室とに連通して、前記第1変圧室及び前記第2変圧室の各々の容積を増減させるように加圧又は減圧する圧力発生装置が、前記第1変圧室を減圧して該第1変圧室の容積が減少する方向に前記第1変位部を変位させて前記ポンプ室に前記流体を引き入れるとともに、前記第2変圧室を加圧して該第2変圧室の容積が増加する方向に前記第2変位部を変位させて前記蓄圧室から前記流体を流出させる流体流出段階と、前記圧力発生装置が、前記第1変圧室を加圧して該第1変圧室の容積を増加する方向に前記第1変位部を変位させて前記ポンプ室から前記流体を吐出させるとともに、前記第2変圧室を減圧して該第2変圧室の容積が減少する方向に前記第2変位部を変位させて前記蓄圧室に前記流体を流入させる流体流入段階と、を備える。
この構成によれば、上記流体供給装置と同様の作用効果を得ることができる。
第1実施形態におけるインクジェット式記録装置の模式図。 (a)はポンプが吸引駆動時の第1実施形態におけるインク供給装置の模式図、(b)はポンプが吐出駆動時の第1実施形態におけるインク供給装置の模式図。 (a)はポンプが吐出駆動及びインク噴射時の第1実施形態におけるインク供給装置の模式図、(b)はインク噴射及びポンプが吸引駆動時の第1実施形態におけるインク供給装置の模式図。 (a)はポンプが吸引駆動時の第2実施形態におけるインク供給装置の模式図、(b)はポンプが吐出駆動時の第2実施形態におけるインク供給装置の模式図。 (a)はポンプが吐出駆動及びインク噴射時の第2実施形態におけるインク供給装置の模式図、(b)はインク噴射及びポンプが吸引駆動時の第2実施形態におけるインク供給装置の模式図。
(第1実施形態)
以下、本発明を流体噴射装置の一種であるインクジェット式記録装置(以下、「プリンター」ともいう)に具体化した第1実施形態を図1〜図3を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態のプリンター11は、ターゲット(図示略)に対して流体としてのインクを噴射する流体噴射ヘッドとしての記録ヘッド12と、流体供給源としてのインクカートリッジ13に収容されたインクを記録ヘッド12側に供給する流体供給装置としてのインク供給装置14とを備えている。インク供給装置14には、インクカートリッジ13に上流端が接続されると共に記録ヘッド12に下流端が接続された状態で、インクカートリッジ13側となる上流側から記録ヘッド12側となる下流側に向けてインクを供給する流体供給流路としてのインク流路15が設けられている。
なお、プリンター11には、印刷処理に使用するインクの色数(種類)に対応して複数のインク供給装置14が設けられている。但し、各インク供給装置14は共通の構成からなるため、図1には何れか一色のインクを供給する一つのインク供給装置14を記録ヘッド12及び一つのインクカートリッジ13と共に図示している。そして、以下においては、この図1に示す一つのインク供給装置14がインク流路15を介してインクカートリッジ13から記録ヘッド12に向けてインクを供給する場合を例にして説明を行う。
図1に示すように、記録ヘッド12のノズル形成面12aには、インクを噴射可能な複数のノズル開口16が設けられている。また、記録ヘッド12には、バルブユニット17が内蔵されている。バルブユニット17はインクを安定して供給するための流動圧調整機構を備えたもので、消費量に応じた量のインクを供給することで、インクの流動圧を調整するようになっている。
プリンター11には、記録ヘッド12のクリーニング等を行うメンテナンスユニット18が設けられている。メンテナンスユニット18は、記録ヘッド12のノズル形成面12aにノズル開口16を囲うように当接可能なキャップ19と、キャップ19内に負圧を発生させるために駆動される吸引ポンプ20と、吸引ポンプ20の駆動に伴って記録ヘッド12内から吸引されたインクを収容するための廃液タンク21とを備えている。そして、印刷処理の終了時などには、図1に示す状態からキャップ19を移動させて記録ヘッド12に当接させた状態で吸引ポンプ20を駆動し、キャップ19の内部空間に負圧を発生させる。これにより、記録ヘッド12内から増粘したインクや気泡混じりのインクを廃液タンク21に向けて吸引排出するクリーニングを実施するようになっている。
インクカートリッジ13は、内部がインクを収容するインク室22aとされた略箱体形状のケース22を備えている。ケース22の下壁からはインク室22a内に連通する筒部23が突設されていると共に、筒部23の先端にはインクを導出可能なインク供給口24が形成されている。
そして、インクカートリッジ13をインク供給装置14に接続する際には、このインク供給口24に対して、インク供給装置14からインク流路15の上流端を構成するべく突設されたインク供給針25が挿入されるようになっている。また、ケース22の上壁には、インクが収容されたインク室22a内を大気に連通させる大気連通孔26が設けられ、インク室22a内に収容されたインクの液面に対して大気圧を作用させるようになっている。
次に、インク供給装置14の構成について詳細に説明する。
図1に示すように、インク供給装置14は、基台となる樹脂製の第1流路形成部材27と、この第1流路形成部材27に対して積層状態に組み付けられる同じく樹脂製の第2流路形成部材28と、組み付け時に両流路形成部材27,28の間に挟み込まれるゴム板等からなる可撓性部材29とを備えている。
第1流路形成部材27の一面(図1における上面)には、平面視円形状をなす凹部30,31,32が形成されている。また、第2流路形成部材28の一面(図1における下面)には、第1流路形成部材27に形成された凹部30,31,32と互いに対向する平面視円形状の凹部33,34,35がそれぞれ形成されている。
可撓性部材29は、第1流路形成部材27の凹部30〜32と第2流路形成部材28の凹部33〜35との間をそれぞれ仕切るように第1流路形成部材27と第2流路形成部材28との間に挟み込まれている。そして、可撓性部材29において凹部30と凹部33との間に介在する部分は、両凹部30,33の間で弾性変形することにより変位可能な弁体36として機能するようになっている。
なお、弁体36の中心部分には貫通孔36aが形成されている。そのため、凹部30と凹部33とは貫通孔36aを介して連通されていると共に、凹部30,33によって囲み形成される空間域が弁室30aとなっている。
可撓性部材29において凹部31と凹部34との間に介在する部分は、両凹部31,34の容積を増減させるように変位可能な第1変位部37として機能するようになっている。また、第1変位部37と凹部31とで囲み形成される空間域はインク流路15の一部を構成するポンプ室31a(図2参照)となっている一方、第1変位部37と凹部34とで囲み形成される空間域は第1変圧室としての第1空気室34aとなっている。
可撓性部材29において凹部32と凹部35との間に介在する部分は、両凹部32,35の容積を増減させるように変位可能な第2変位部38として機能するようになっている。また、第2変位部38と凹部32とで囲み形成される空間域はインク流路15の一部を構成する蓄圧室32aとなっている一方、第2変位部38と凹部35とで囲み形成される空間域は第2変圧室としての第2空気室35aとなっている。
そして、積層状態とされる第1流路形成部材27、第2流路形成部材28及び可撓性部材29には、上流側となるインク供給針25から下流側となる記録ヘッド12側へ繋がるインク流路15a〜15dが図1における右側から左側に向かって形成されている。
具体的には、第1流路形成部材27には、第2流路形成部材28を貫通するように突設されたインク供給針25と、インク供給針25の先端側と凹部30の間を連通するインク流路15aが形成されている。また、凹部33と凹部31の間はインク流路15bによって連通されていると共に、凹部31と凹部32の間はインク流路15cによって連通されている。さらに、上流側が凹部32に接続されたインク流路15dの下流端には、インク供給チューブ15eの一端(上流端)が接続されている。そして、インク供給チューブ15eの他端(下流端)は記録ヘッド12に接続されている。
すなわち、インク供給装置14においては、上流側から下流側に向かって順次配置されるインク供給針25、インク流路15a、弁室30a、インク流路15b、ポンプ室31a、インク流路15c、蓄圧室32a、インク流路15d、インク供給チューブ15eによって、インク流路15が構成されている。
また、弁室30aの凹部33内には弁体36を常には凹部30側に向けて付勢するコイルスプリング40が収容されていると共に、弁体36には、凹部30の内底面に当接することで閉弁状態となる突起部36bが設けられている。そして、弁体36はコイルスプリング40によって常には閉弁方向に付勢された状態とされている。本実施形態において、弁室30a、弁体36及びコイルスプリング40は、上流側から下流側へのインクの通過のみを許容する吸引側バルブ41を構成している。
第1空気室34a内には、第1変位部37を常にはポンプ室31aの容積を減少させる方向に付勢する付勢部材としてのコイルスプリング42が収容されている。本実施形態において、ポンプ室31a、第1空気室34a、第1変位部37及びコイルスプリング42は脈動型のポンプ43を構成している。ポンプ43は、ポンプ室31aの容積を増減させるように変位可能な第1変位部37が、第1変位部37を介してポンプ室31aと隣接する第1空気室34aの圧力変化に応じて変位することによりポンプ駆動するようになっている。そして、インク流路15においては、ポンプ室31aの上流側となる位置に吸引側バルブ41が、ポンプ室31aの下流側となる位置に一方向弁としてのボール弁39が設けられることにより、ポンプ駆動に伴って下流側から上流側へ向けてインクが逆流することが抑制されるようになっている。
また、本実施形態においては、蓄圧室32a、第2空気室35a及び第2変位部38によりインクを蓄圧状態で貯留する流体蓄圧部としての吐出側バルブ44が構成されている。この吐出側バルブ44は、蓄圧室32aの容積を増減させるように変位可能な第2変位部38が、第2変位部38を介して蓄圧室32aと隣接する第2空気室35aの圧力変化に応じて変位することにより、インクを蓄圧状態で貯留すると共に、蓄圧室32a内に貯留したインクを加圧された状態で下流側へ供給する。
ポンプ43は、圧力発生装置としてのチューブポンプ45によって第1空気室34a内が減圧されることによって、第1変位部37がポンプ室31aの容積が増加する方向に変位してポンプ室31a内にインクを引き入れる吸引駆動をするようになっている。このポンプ43の吸引駆動と共に、吐出側バルブ44は、チューブポンプ45によって第2空気室35a内が加圧されることによって、第2変位部38が蓄圧室32aの容積が減少する方向に変位して蓄圧室32aに貯留しているインクを加圧して下流側に供給する。
チューブポンプ45の流路チューブ46は、その一端部46aが第1空気室34aに接続されると共に、その他端部46bが第2空気室35aに接続されている。また、流路チューブ46において、その一端部46aの近傍からは第1分岐管47aが分岐形成されると共に、その他端部46bの近傍からは第2分岐管47bが分岐形成されている。そして、これらの第1分岐管47a及び第2分岐管47bは図示しない大気開放弁を備えた大気開放手段としての大気開放装置48に連通している。
チューブポンプ45は、流路チューブ46の外側方向への移動を規制する内周面を有した円筒状のポンプフレーム49と、該ポンプフレーム49内で図示しないポンプモーターによって正逆両方向に回転されるポンプホイル50と、該ポンプホイル50の外周部に軸支されたローラー51、52とを備える。ポンプフレーム49とポンプホイル50との間の空間には、流路チューブ46がポンプフレーム49の内周面に沿って円を描くように配置されて巻回され、一部重なり部を含んだ状態で配置されている。
そして、ポンプモーターの正転駆動によりポンプホイル50が正回転された場合には、ローラー51、52により流路チューブ46内の空気が他端部46bから押し出されるように流動して、ポンプ43の第1空気室34aが減圧されると共に、吐出側バルブ44の第2空気室35aが加圧されるようになっている。また、その場合、第1空気室34a内が減圧されることにより第1変位部37がポンプ室31aの容積が増加する方向に変位すると共に、第2空気室35a内が加圧されることにより第2変位部38が蓄圧室32aの容積が減少する方向に変位するようになっている。
大気開放装置48は、図示しない大気開放弁を有しており、チューブポンプ45におけるポンプモーターの正転駆動が停止した後、大気開放弁がそれぞれ開作動して流路チューブ46内が大気に開放され、第1空気室34a内の負圧状態及び第2空気室35a内の加圧状態が解消されるようになっている。
このように第1空気室34a内の負圧状態が解消されると、第1変位部37はコイルスプリング42の付勢力によってポンプ室31aの容積が減少する方向に変位する。すなわち、ポンプ43は、第1空気室34a内が減圧されることによって上流側からインクをポンプ室31a内に吸引する吸引駆動をする一方、第1空気室34aが大気開放されることを契機として、コイルスプリング42の付勢力によってポンプ室31aからインクを下流側に吐出する吐出駆動をするようになっている。また、吐出側バルブ44は、第2空気室35a内が加圧されることによって蓄圧室32aに貯留されているインクを加圧する一方、第2空気室35aが大気開放されることを契機として、第2変位部38の変位状態が元に戻ることによりポンプ室31aから吐出されたインクを蓄圧室32a内に流入させるようになっている。
そして、ポンプ室31aが吸引駆動する際には、ポンプ室31a内に生じる負圧により下流側に位置するボール弁39が閉弁されると共に、上流側に設けられた吸引側バルブ41がコイルスプリング40の付勢力に抗して開弁される。また、ポンプ室31aが吐出駆動する際には、ポンプ室31a内に生じる正圧により下流側に位置するボール弁39が開弁されると共に、上流側に設けられた吸引側バルブ41が閉弁される。
したがって、インクカートリッジ13がインク供給針25に接続されてポンプ43が吸引駆動と吐出駆動を交互に繰り返すことにより、インクカートリッジ13からインクが消費される記録ヘッド12に向けて断続的にインクが供給されるようになっている。
次に、以上のように構成されたプリンター11における作用について、特にインク供給装置14の作用に着目して説明する。
ここで、図1に示す状態は、インクカートリッジ13の交換直後であって、吸引側バルブ41の弁体36及びポンプ43の第1変位部37は、それぞれコイルスプリング40,42の付勢力で各凹部30,31の内底面に押し付けられた状態にあるものとする。また、吐出側バルブ44の第2変位部38は変位していない状態にあると共に、ボール弁39は対応する付勢部材(図示略)により閉弁位置に付勢された状態にあるものとする。さらに、大気開放装置48は大気開放弁が閉弁状態にあるものとする。
始めに、このような図1に示す状態から、ポンプ43が吸引駆動する場合について、図2(a)に基づいて説明する。
まず、ポンプ43をポンプ駆動させるために、チューブポンプ45のポンプモーターが正転駆動される。すると、チューブポンプ45が負圧を発生し、このチューブポンプ45に流路チューブ46の一端部46aを通じて接続された第1空気室34a内が負圧状態になる。そのため、図2(a)に示すように、第1変位部37がコイルスプリング42の付勢力に抗して第1空気室34a側に変位して、第1空気室34aの容積を減少させる。すると、この第1空気室34aの容積減少に伴い、第1変位部37を介して第1空気室34aと隣接するポンプ室31aは逆に容積が増加し、インクがポンプ室31a内に吸引される。そしてポンプ室31aの負圧がインク流路15cにも作用しているため、ボール弁39は閉弁状態が維持される。このとき、チューブポンプ45に流路チューブ46の他端部46bを通じて接続された第2空気室35a内は加圧状態になる。そのため、第2変位部38が蓄圧室32a側に変位して、第2空気室35aの容積を増加させる。すると、この第2空気室35aの容積増加に伴い、第2変位部38を介して第2空気室35aと隣接する蓄圧室32aは逆に容積が減少するため、蓄圧室32a内からインクが下流側に加圧された状態で流出するようになる(流体流出段階)。
次に、ポンプ43が吐出駆動する場合について、図2(b)に基づいて説明する。
ポンプ43が吐出駆動する際には、大気開放装置48が作動して大気開放弁が開放され、第1空気室34a内の負圧状態が解消される。そのため、図2(b)に示すように、ポンプ43の第1変位部37がコイルスプリング42の付勢力によりポンプ室31a側、すなわち、凹部31の内底面側へ変位して、第1空気室34aの容積を増加させる。具体的には、ポンプ43の第1変位部37がコイルスプリング42の付勢力により上死点位置から若干だけ下死点位置の方向に変位する。すると、第1空気室34aの容積増加に伴い、第1変位部37を介して第1空気室34aと隣接するポンプ室31aは逆に容積が減少し、インクが加圧されてポンプ室31a外へ吐出される。そして、ポンプ室31aから吐出されたインクの圧力により閉弁状態にあるボール弁39を開弁作動させ、蓄圧室32aがポンプ室31aと連通する。その結果、ポンプ室31a内からインクがインク流路15cを介して吐出側バルブ44の蓄圧室32a内に加圧状態で流入するようになる(流体流入段階)。このとき、吐出側バルブ44では、第2空気室35a内の加圧状態も解消されるとともに、蓄圧室32a内に加圧供給されたインクの圧力により第2変位部38が第2空気室35a側に変位した状態となる。その結果、蓄圧室32a内にはインクが蓄圧状態で貯留される。
その後、記録ヘッド12からインクがターゲット(図示略)に向けて噴射されると、そのインク噴射に伴うインクの消費量に相当する分量のインクがインク流路15内から記録ヘッド12に供給される。そのため、この下流側(記録ヘッド12側)でのインクの消費に伴い、ポンプ室31a内から対応するインク量のインクが蓄圧室32aを経由して加圧状態で供給される。その結果、図3(a)に示すように、ポンプ室31a内の容積が次第に減少し、遂には第1変位部37が下死点位置付近まで変位する。
そして、再びポンプ43の吸引駆動を開始するためにチューブポンプ45のポンプモーターが正転駆動され、ポンプ43の第1空気室34a内が負圧状態となる。そのため、図3(b)に示すように、第1変位部37がコイルスプリング42の付勢力に抗して第1空気室34a側に変位して、ポンプ室31aの容積が増加し、インクがポンプ室31a内に吸引される。その一方、ポンプ室31aよりも下流側の蓄圧室32aでは、蓄圧室32a内の圧力に対してポンプ室31a内の圧力が低下することで、ボール弁39は閉弁位置に変位する。このとき、第2空気室35a内は再び加圧状態になり、第2変位部38が蓄圧室32a側に押圧されるのに伴い、ポンプ43の吸引駆動中も蓄圧室32aと連通状態が維持されたインク流路15dを介して下流側の記録ヘッド12に向けてインクが加圧供給され続ける。以後、上記と同様のポンプ43の吐出駆動が実行されて、ポンプ室31a内からインクが下流側の蓄圧室32aを経由して記録ヘッド12へと加圧供給される。
上記第1実施形態のインク供給装置14及びプリンター11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)チューブポンプ45から第1空気室34aに付与される負圧に応じて第1変位部37がポンプ駆動するときにチューブポンプ45から第2空気室35aに付与される正圧に応じて第2変位部38が蓄圧室32aに貯留されているインクを下流側に加圧供給する。したがって、吐出側バルブ44においては、付勢部材を用いることなく蓄圧室32a内に貯留されている流体を加圧することができるため、その構成が簡単になり、かかる吐出側バルブ44を備えるインク供給装置14を容易に設計することができる。
(2)吐出側バルブ44の加圧力をポンプ43の加圧力よりも低く設定する必要がないため、吐出側バルブ44の加圧力を大きく設計することができる。そのため、吐出側バルブ44から記録ヘッド12までの流路の圧力損失が大きいシステムにおいても、十分な加圧力を保持したまま記録ヘッド12にインクを供給できる。
(3)ポンプ43を吸引駆動させてインクをポンプ室31a内に吸引する場合には、吐出側バルブ44が第2変位部38の変位により蓄圧室32aに貯留されているインクを加圧する。一方、ポンプ43を吐出駆動させてインクをポンプ室31a内から吐出する場合には、吐出側バルブ44が第2変位部38の変位の解消より蓄圧室32a内にインクを流入させる。したがって、ポンプ43の吸引駆動と吐出駆動の切り替えに連動して吐出側バルブ44による蓄圧室32a内に貯留されるインクの下流側への加圧供給と上流側からの流入とを行うことができる。
(4)ポンプ43は、吸引駆動時にはチューブポンプ45の駆動に伴ってポンプ43の第1変位部37がコイルスプリング42の付勢力に抗して第1空気室34a側に変位することで第1空気室34aの容積が減少する一方、その減少分だけポンプ室31aの容積が増加してポンプ室31a内の圧力が減圧状態となる。そして吐出駆動時には、第1空気室34aの負圧状態を大気開放により解消し、第1変位部37がコイルスプリング42の付勢力に従ってポンプ室31a側に変位することで第1空気室34aの容積が増加する一方、その増加分だけポンプ室31aの容積量が減少してポンプ室31a内の圧力が加圧状態となる。そのため、ポンプ43をポンプ駆動させてインクを供給する場合には、ポンプ43を吸引駆動する場合にのみコイルスプリング42の付勢力に抗して第1変位部37を撓み変形させればよく、逆の場合はコイルスプリング42の付勢力で第1変位部37が元の状態に変位するので、ポンプ43の駆動負荷を低減することができる。
(5)インク供給装置14は、ポンプ室31a及び蓄圧室32a内を加圧もしくは減圧する第1空気室34a及び第2空気室35a内を大気圧にするための大気開放装置48を有する。そのため、この大気開放装置48を通じて第1空気室34a及び第2空気室35a内を大気開放することにより、ポンプ室31a及び蓄圧室32a内の加圧状態もしくは減圧状態を必要に応じて解除することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図4及び図5に基づいて説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態との対比において、インク供給装置14が圧力発生装置としてチューブポンプ45の代わりにピストンポンプ53を備える点及び第1空気室34a内には付勢部材としてのコイルスプリング42が備えられていない点で異なり、その他の点では第1実施形態とほぼ同一の構成となっている。そのため、以下では上記第1実施形態と相違する点について主に説明することにし、同一の構成については同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態のインク供給装置14は、圧力発生装置としてのピストンポンプ53を備えている。ピストンポンプ53は有底筒状のシリンダ54を有しており、シリンダ54内には第3変位部としてのピストン55が進退移動自在に内装されている。そして、ピストン55とシリンダ54の内面との間にはピストン55の進退移動に伴い容量が変化する第1連通室56a及び第2連通室56bがピストン55によって区画形成されている。また、シリンダ54におけるピストン55の第1連通室56a側の側面と対向する壁部にはシール機能付きの貫通孔54aが形成され、この貫通孔54aにはピストン55の進退方向と平行な方向に延びる軸部材57が摺動自在に挿通されている。そして、軸部材57は、その一端が第1連通室56a内においてピストン55に連結されると共に、その他端がシリンダ54の外部において当該軸部材57を進退方向に駆動するピストン駆動装置58に対して動力伝達可能に連結されている。
さらに、シリンダ54における第1連通室56aの周壁部分には第1接続口59が形成されると共に、第2連通室56bの周壁部分には第2接続口60が形成されている。そして、第1接続口59に接続された第1流路チューブ61を介して第1連通室56aはポンプ43の第1空気室34aに連通し、第2接続口60に接続された第2流路チューブ62を介して第2連通室56bは吐出側バルブ44の第2空気室35aに連通している。
ピストンポンプ53は、シリンダ54内でのピストン55の進退移動に伴い、第1連通室56a内の容積が増加する場合には、第1空気室34a内の空気が第1連通室56aに流入することにより、第1空気室34aが減圧されるようになっている。また、そのときには、第2連通室56bの容積が減少して第2連通室56b内の空気が第2空気室35aに流入することにより、第2空気室35aが加圧されるようになっている。その一方、ピストンポンプ53は、シリンダ54内でのピストン55の進退移動に伴い、第1連通室56a内の容積が減少する場合には、第1連通室56a内の空気が第1空気室34aに流入することにより、第1空気室34aが加圧されるようになっている。また、そのときには、第2連通室56bの容積が増加して第2空気室35a内の空気が第2連通室56bに流入することにより、第2空気室35aが減圧されるようになっている。また、本実施形態においては、第1空気室34a内にはコイルスプリングは備えられていない。
そして、ポンプ43は、ピストンポンプ53によって第1空気室34a内が減圧されることによって、第1変位部37がポンプ室31aの容積が増加する方向に変位してポンプ室31a内にインクを引き入れる吸引駆動をするようになっている。その一方、ポンプ43は、ピストンポンプ53によって第1空気室34a内が加圧されることによって、第1変位部37がポンプ室31aの容積を減少する方向に変位してポンプ室31a内からインクを下流側に吐出する吐出駆動をするようになっている。また、吐出側バルブ44は、第2空気室35a内が加圧されることによって蓄圧室32a内に貯留されたインクを加圧して下流側に流出させる一方、第2空気室35aが減圧されることによって、第2変位部38が蓄圧室32aの容積が増加する方向に変位して蓄圧室32a内にインクを上流側から流入させるようになっている。
次に、以上のように構成された本実施形態のプリンター11における作用について、特にインク供給装置14の作用に着目して説明する。
始めに、ポンプ43が吸引駆動する場合について、図4(a)に基づいて説明する。
まず、ポンプ43を吸引駆動させるためには、ピストンポンプ53の駆動に伴い、ピストン55が第1連通室56aの容積が増加する方向に移動し、この第1連通室56aに第1流路チューブ61を介して接続された第1空気室34a内が負圧状態になる。
そのため、図4(a)に示すように、第1変位部37が第1空気室34a側に変位して、第1空気室34aの容積を減少させる。すると、この第1空気室34aの容積減少に伴い、第1変位部37を介して第1空気室34aと隣接するポンプ室31aは逆に容積が増加し、インクがポンプ室31a内に吸引される。そしてポンプ室31aの負圧がインク流路15cにも作用しているため、ボール弁39は閉弁状態が維持される。このとき、ピストンポンプ53の第2連通室56bに第2流路チューブ62を介して接続された第2空気室35a内は加圧状態になる。そのため、第2変位部38が蓄圧室32a側に変位して、第2空気室35aの容積を増加させる。すると、この第2空気室35aの容積増加に伴い、第2変位部38を介して第2空気室35aと隣接する蓄圧室32aは逆に容積が減少するため、蓄圧室32a内からインクが下流側に加圧された状態で流出するようになる(流体流出段階)。
次に、ポンプ43が吐出駆動する場合について、図2(b)に基づいて説明する。
ポンプ43が吐出駆動する際には、ピストンポンプ53の駆動に伴い、ピストン55が第1連通室56aの容積が減少する方向に移動し、この第1連通室56aに第1流路チューブ61を介して接続された第1空気室34a内が加圧状態になる。そのため、図4(b)に示すように、第1変位部37がポンプ室31a側、すなわち、凹部31の内底面側へ変位して、第1空気室34aの容積を増加させる。具体的には、ポンプ43の第1変位部37がコイルスプリング42の付勢力により上死点位置から若干だけ下死点位置の方向に変位する。すると、この第1空気室34aの容積増加に伴い、第1変位部37を介して第1空気室34aと隣接するポンプ室31aは逆に容積が減少し、インクがポンプ室31a外へ吐出される。そして、ポンプ室31aから吐出されたインクの圧力により閉弁状態にあるボール弁39を開弁作動させ、蓄圧室32aがポンプ室31aと連通する。その結果、ポンプ室31a内からインクがインク流路15cを介して吐出側バルブ44の蓄圧室32a内に加圧状態で流入するようになる(流体流入段階)。このとき、ピストンポンプ53の第2連通室56bに第2流路チューブ62を介して接続された第2空気室35a内は減圧状態になる。そのため、第2変位部38が第2空気室35a側に変位して、第2空気室35a内の容積を減少させる。その結果、蓄圧室32a内にはインクが蓄圧状態で貯留される。
その後、記録ヘッド12からインクがターゲット(図示略)に向けて噴射されると、そのインク噴射に伴うインクの消費量に相当する分量のインクがインク流路15内から記録ヘッド12に供給される。そのため、この下流側(記録ヘッド12側)でのインクの消費に伴い、ポンプ室31a内から対応するインク量のインクが蓄圧室32aを経由して加圧状態で供給される。その結果、図5(a)に示すように、ポンプ室31a内の容積が次第に減少し、遂には第1変位部37が下死点位置付近まで変位する。
そして、再びポンプ43の吸引駆動を開始するためにピストンポンプ53の駆動に伴い、ピストン55が第1連通室56aの容積が減少する方向に移動し、この第1連通室56aに第1流路チューブ61を介して接続された第1空気室34a内が加圧状態になる。そのため、図5(b)に示すように、第1変位部37が第1空気室34a側に変位して、ポンプ室31aの容積が増加し、インクがポンプ室31a内に吸引される。その一方、ポンプ室31aよりも下流側の蓄圧室32aでは、蓄圧室32a内の圧力に対してポンプ室31a内の圧力が低下することで、ボール弁39は閉弁位置に変位する。このとき、第2空気室35a内は再び加圧状態になり、第2変位部38が蓄圧室32a側に押圧されるのに伴い、ポンプ43の吸引駆動中も蓄圧室32aと連通状態が維持されたインク流路15dを介して下流側の記録ヘッド12に向けてインクが加圧供給され続ける。以後、上記と同様のポンプ43の吐出駆動が実行されて、ポンプ室31a内からインクが下流側の蓄圧室32aを経由して記録ヘッド12へと加圧供給される。
上記第2実施形態のインク供給装置14及びプリンター11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(6)第1空気室34aと第2空気室35aとに連通するピストンポンプ53の第1連通室56a及び第2連通室56bのうちの何れか一方の容積を変化させることにより、インク供給装置14のポンプ43のポンプ駆動及び吐出側バルブ44による蓄圧室32a内に貯留されるインクの下流側への加圧供給と上流側からの流入とを行うことができる。
なお、上記各実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第1実施形態において、ポンプ43の吐出駆動時にチューブポンプ45を逆転駆動させて第1空気室34aを加圧すると共に第2空気室35aを減圧させて蓄圧室32a内にインクを流入させても良い。この場合には、第1空気室34a内にコイルスプリングを備えなくてもよくなるため、部品点数を削減することができる。
・第1の実施形態において、チューブポンプ45の代わりにピストンポンプを用いてもよい。
・ボール弁39は、ポンプ43側から吐出側バルブ44へのインクの流れを許容する構成ならば、インク流路15cの途中もしくは上流端に設けてもよい。また、一方向弁は、ボール弁39の代わりに、他の逆止弁形態の一方向弁のものを用いる構成としてもよい。
・付勢部材としてのコイルスプリング40,42は圧縮ばねではなく引っ張りばねを適用してもよい。また、板ばね、コイルスプリング及びゴム等以外の付勢部材を用いてもよい。
・第1空気室34aと第2空気室35aとに個別に圧力発生装置を接続し、駆動させるようにしてもよい。
・第1変位部37及び第2変位部38に圧力変動を伝えるための媒体は空気に限らず、例えばオイルなどの流体を第1変圧室(第1空気室34a)及び第2変圧室(第2空気室35a)に流動させるようにしてもよい。
・上記実施形態では、流体噴射装置をインクジェット式プリンター11に具体化したが、インク以外の他の流体(例えばトナーなど)を噴射したり吐出したりする流体噴射装置を採用してもよい。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置(流体噴射装置の一種)に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
11…流体噴射装置としてのプリンター、12…流体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、13…流体供給源としてのインクカートリッジ、14…流体供給装置としてのインク供給装置、15…流体供給流路としてのインク流路、31a…ポンプ室、32a…蓄圧室、34a…第1変圧室としての第1空気室、35a…第2変圧室としての第2空気室、37…第1変位部、38…第2変位部、39…一方向弁としてのボール弁、42…付勢部材としてのコイルスプリング、43…ポンプ、44…流体蓄圧部としての吐出側バルブ、45…圧力発生装置としてのチューブポンプ、53…圧力発生装置としてのピストンポンプ、55…第3変位部としてのピストン、56a…第1連通室、56b…第2連通室。

Claims (7)

  1. 流体供給源側となる上流側から下流側に向けて流体を供給する流体供給流路と、
    該流体供給流路の一部をポンプ室として該ポンプ室の容積を増減させるように変位可能な第1変位部が該第1変位部を介して前記ポンプ室と区画された容積可変の第1変圧室の圧力変化に応じて変位することによりポンプ駆動するポンプと、
    前記流体供給流路における前記ポンプ室よりも下流となる位置に設けられ、上流側から下流側への流体の通過を許容するとともに、下流側から上流側へ流体の通過を抑制する一方向弁と、
    前記流体供給流路における前記ポンプ室よりも下流側の一部を蓄圧室として該蓄圧室の容積を増減させるように変位可能な第2変位部が該第2変位部を介して前記蓄圧室と区画された容積可変の第2変圧室の圧力変化に応じて変位することにより前記蓄圧室に貯留された流体を加圧する流体蓄圧部と、
    前記第1変圧室及び前記第2変圧室の各々に連通して前記第1変圧室及び前記第2変圧室のうち一方の変圧室の容積を増加させるように当該一方の変圧室に作用させる正圧を発生させた場合には他方の変圧室の容積を減少させるように当該他方の変圧室に作用させる負圧を発生させる圧力発生装置と、
    を備えることを特徴とする流体供給装置。
  2. 請求項1に記載の流体供給装置において、
    前記ポンプは、前記圧力発生装置からの負圧の作用による前記第1変圧室の減圧に基づき前記第1変位部が前記第1変圧室の容積が減少する方向に変位して前記ポンプ室に前記流体を引き入れる吸引駆動をするとともに、前記圧力発生装置からの正圧の作用による前記第1変圧室の加圧に基づき前記第1変位部が前記第1変圧室の容積が増加する方向に変位して前記ポンプ室から前記流体を吐出する吐出駆動をする一方、
    前記流体蓄圧部は、前記圧力発生装置からの正圧の作用による前記第2変圧室の加圧に基づき前記第2変位部が前記第2変圧室の容積が増加する方向に変位して前記蓄圧室に貯留された流体を加圧するとともに、前記圧力発生装置からの負圧の作用による前記第2変圧室の減圧に基づき前記第2変位部が前記第2変圧室の容積が減少する方向に変位して前記蓄圧室に前記流体を流入させることを特徴とする流体供給装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の流体供給装置において、
    前記圧力発生装置は、前記第1変圧室に連通する第1連通室と前記第2変圧室に連通する第2連通室とを区画しつつ変位可能な第3変位部が、前記第1連通室及び前記第2連通室のうち一方の容積を増加させた場合には他方の容積を減少させるように変位することにより前記第1変圧室及び前記第2変圧室のうち一方の変圧室を加圧すると共に他方の変圧室を減圧することを特徴とする流体供給装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の流体供給装置において、
    前記ポンプは前記第1変位部を前記ポンプ室の容積が減少する方向又は増加する方向に付勢する付勢部材を備えていることを特徴とする流体供給装置。
  5. 請求項4に記載の流体供給装置において、
    前記第1変圧室及び前記第2変圧室を大気開放するための大気開放手段を更に備えていることを特徴とする流体供給装置。
  6. 流体を噴射する流体噴射ヘッドと、
    流体供給源側から前記流体噴射ヘッド側に向けて前記流体を供給する請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載の流体供給装置と、
    を備えたことを特徴とする流体噴射装置。
  7. 流体供給源となる上流側から下流側に向けて流体供給流路を介して流体を供給する流体供給方法であって、
    前記流体供給流路の一部を構成するポンプ室の容積を増減させるように変位可能な第1変位部を介して前記ポンプ室と区画された第1変圧室と、前記流体供給流路の一部を構成する蓄圧室の容積を増減させるように変位可能な第2変位部を介して前記蓄圧室と区画された第2変圧室とに連通して、前記第1変圧室及び前記第2変圧室の各々の容積を増減させるように加圧又は減圧する圧力発生装置が前記第1変圧室を減圧して該第1変圧室の容積が減少する方向に前記第1変位部を変位させて前記ポンプ室に前記流体を引き入れるとともに、前記第2変圧室を加圧して該第2変圧室の容積が増加する方向に前記第2変位部を変位させて前記蓄圧室から前記流体を流出させる流体流出段階と、
    前記圧力発生装置が前記第1変圧室を加圧して該第1変圧室の容積を増加する方向に前記第1変位部を変位させて前記ポンプ室から前記流体を吐出させるとともに、前記第2変圧室を減圧して該第2変圧室の容積が減少する方向に前記第2変位部を変位させて前記蓄圧室に前記流体を流入させる流体流入段階と、
    を備えることを特徴とする流体供給方法。
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