JP2017107932A - 熱電変換素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境負荷が小さく、低コスト化が可能な熱電変換素子を実現する。【解決手段】熱電変換素子を、フォノンの平均自由行程よりも小さく、かつ、キャリアの平均自由行程よりも大きいサイズのシリコンドット6を備えるものとする。【選択図】図1

Description

本発明は、熱電変換素子及びその製造方法に関する。
一次エネルギー消費のうち、約70%は100〜300℃の低温の熱エネルギーであるが未利用のまま大気中に廃棄されている。このため、この廃熱エネルギーを回収して有効利用する技術への関心は非常に高い。この中でも、最も有望な廃熱回収技術が熱電変換技術である。
熱電変換技術は、熱電変換材料(熱電材料)の両端部に高温部と低温部を設けることにより、両端部間に電位差が生じる効果(ゼーベック効果)を利用して電気エネルギーを取り出す技術である。
この熱電変換技術が有望な主な理由としては、可動部がないので長寿命である、熱から電気へ直接変換を行なうため、クリーンで静かである、小型・軽量化が可能なので携帯機器用や非常用電源にも最適である、少量の熱エネルギーも電気に変換できる等が挙げられる。
特開2002−076452号公報 特開2015−135939号公報
ところで、従来、熱電変換材料としてよく用いられてきた材料系としては、Bi−Te系、Pb−Te系、Co−Sb系などがある。
しかしながら、これらの材料系は、毒性元素や希少元素(レアメタル)を含んでいるため、環境負荷が大きく、低コスト化が困難であるという課題がある。
本発明は、環境負荷が小さく、低コスト化が可能な熱電変換素子を実現することを目的とする。
1つの態様では、熱電変換素子は、フォノンの平均自由行程よりも小さく、かつ、キャリアの平均自由行程よりも大きいサイズのシリコンドットを備える。
1つの態様では、熱電変換素子の製造方法は、基板上に、化学量論比の正しいシリコンを含む層よりもシリコンリッチなシリコンリッチ層を形成する工程と、シリコンリッチ層にシリコンドット形成用の穴を形成する工程と、シリコンドット形成用の穴にシリコン結晶を成長させる工程と、熱処理を行なってシリコンドットを形成する工程とを含む。
1つの側面として、環境負荷が小さく、低コスト化が可能な熱電変換素子を実現することができるという効果を有する。
本実施形態にかかる熱電変換素子の構成を示す模式的断面図である。 熱電変換素子を用いた熱電変換を説明するための模式図である。 (A)〜(D)は、本実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法を説明するための模式図であり、(A)〜(C)は断面図であり、(D)は平面図である。 (A)〜(C)は、本実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法を説明するための模式的断面図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる熱電変換素子及びその製造方法について、図1〜図4を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる熱電変換素子は、図1に示すように、熱電変換材料(熱電材料)を含む熱電変換部1と、その両端部に設けられた電極2、3とを備え、図2に示すように、高温部4と低温部5との間に設けられ、ゼーベック効果を利用して電気エネルギーを取り出すようになっている。
ここでは、熱電変換部1として、n型熱電変換材料を含むn型熱電変換部1Xと、p型熱電変換材料を含むp型熱電変換部1Yとを備え、これらの両端部に電極2、3が設けられている。そして、このような構成を備える熱電変換素子は、一方の電極3が高温部に接し、他方の電極2が低温部に接するように設けられる。
特に、本実施形態では、熱電変換部1を構成する熱電変換材料に、フォノンの平均自由行程よりも小さく、かつ、キャリアの平均自由行程よりも大きいサイズのシリコンドット6を用いる。つまり、本実施形態の熱電変換素子は、フォノンの平均自由行程よりも小さく、かつ、キャリアの平均自由行程よりも大きいサイズのシリコンドット6を備える。このようなサイズのシリコンドット6を用いることで、ドット内部で、フォノンは効率よく散乱されるが、キャリアは散乱されないようにすることができる。つまり、このようなサイズのシリコンドット6は、キャリアを散乱させずに、フォノンを散乱させることができるシリコンドットである。なお、ここでは、上述のようなサイズのシリコンドット6を複数備えるものとなるが、各シリコンドット6のサイズは全てが均一でなくても良い。また、n型熱電変換部1Xに用いる場合には、シリコンドット6はn型にドーピングされ、p型熱電変換部1Yに用いる場合には、シリコンドット6はp型にドーピングされる。
ここで、シリコンドット6は、ドット形状又はドット構造のシリコン結晶である。このため、シリコンドット6をシリコンドット結晶又はシリコンドット構造ともいう。
ここでは、シリコンドット6は、ナノメートルスケールサイズである。このため、シリコンドット6をシリコンナノドット、シリコンナノドット結晶又はシリコンナノドット構造ともいう。
また、ここでは、シリコンドット6は、その高さ方向のサイズ及び面内方向のサイズ(円形状の場合は直径、楕円形状の場合は短径及び長径)の全てのサイズが、上述のように、フォノンの平均自由行程よりも小さく、かつ、キャリアの平均自由行程よりも大きくなっている。なお、シリコンドット6の高さ方向のサイズと面内方向のサイズは同一であっても良いし、異なっていても良い。
ところで、上述のようなサイズのシリコンドット6を用いているのは、以下の理由による。
まず、熱電変換材料の性能指数Zは、次の式1で表される。
Figure 2017107932
ここで、Sはゼーベック係数、σは電気伝導率、κは熱伝導率、Tは温度(絶対温度)である。
熱電変換性能の指標としては、Zに温度Tを掛けて無次元化したZTがよく用いられている。
そして、ZTの値が大きいほど、熱電変換材料としては高性能となる。
そこで、ZTの値を大きくするために様々な取り組みがなされている。
本実施形態では、電気伝導率σを下げることなく、熱伝導率κを下げることによって、ZTの値を向上させ、高性能な熱電変換素子を実現する。
つまり、熱伝導率κは、電子による熱伝導とフォノン(格子振動)による熱伝導の和として表される。
そして、シリコンなどの半導体では、フォノンによる熱伝導寄与分が大きい。
このため、フォノン散乱を増大させれば、熱伝導率κを下げることができ、ZTの値を大きくすることができる。
一方、キャリアが散乱されてしまうと、電気伝導率σが低下し、ZTの値が小さくなってしまい、結果的に、高性能な熱電変換素子を実現することができなくなる。
このため、フォノンは効率よく散乱されるが、キャリアは散乱されないような構造にする必要がある。
そこで、本実施形態では、上述のようなサイズのシリコンドット6を用いている。
具体的には、シリコンドット6のサイズは、散乱させたいフォノンの平均自由行程、及び、電子や正孔などの電気伝導を担うキャリアの平均自由行程によって決めれば良い。
例えば、シリコンにおいて、上述のZTの値を大きくするために熱伝導率を約80%以上低下させたい場合、平均自由行程が約100nm以上のフォノンを散乱させれば良く、この場合、散乱させたいフォノンの平均自由行程の下限値は約100nmであるため、これよりもシリコンドット6のサイズを小さくすれば良い。
なお、熱伝導率を約80%以上低下させるのに平均自由行程が約100nm以上のフォノンを散乱させれば良いということは、例えば、シリコンにおけるフォノンの平均自由行程に対する熱伝導率(累積熱伝導率)の関係(例えば塩見淳一郎,“ナノスケールにおける半導体のフォノン熱伝導”, 伝熱, Vol. 50, No. 211, (2011), pp. 21-28.参照)などを用いて導き出すことができる。つまり、シリコンにおけるフォノンの平均自由行程に対する熱伝導率の関係から、平均自由行程が約100nm以上のフォノンを選択的に散乱させることができれば、その寄与分として、熱伝導率を80%以上低下させることができることを導き出すことができる。
一方、電子や正孔などの電気伝導を担うキャリアが散乱されてしまうと、電気伝導率が低下してしまい、結果として、上述のZTの値が小さくなってしまう。そこで、電気伝導率の低下を抑制するために、シリコンの場合、電気伝導を担うキャリアの平均自由行程は約40nmであるため、これよりもシリコンドット6のサイズを大きくすれば良い。
このように、熱電変換材料にシリコンを用い、熱伝導率を約80%以上低下させながら、電気伝導率を低下させずに、上述のZTの値を大きくして、高性能な熱電変換材料を実現するためには、シリコンドット6のサイズを、約40nmよりも大きく、かつ、約100nmよりも小さくすれば良い。例えば、シリコンドット6のサイズを約50nmとすれば良い。この場合、平均自由行程が約40nmのキャリアは、シリコンドット6のサイズ約50nmよりも小さいため、ドット内部での散乱が抑制され、電気伝導率の低下が抑えられる一方、平均自由行程が約50nm以上のフォノンはドット内部で散乱され、熱伝導率を80%以上低下させることができる。この結果、上述のZTの値を最大で約7倍程度大きくすることができ、高性能な熱電変換素子、ひいては、高性能な熱電変換素子を実現することができる。
なお、例えば、上述のZTの値を約2.5倍程度大きくすることができれば良いのであれば、熱伝導率を60%程度低下させれば良く、この場合、平均自由行程が約1000nm(1μm)以上のフォノンが散乱されるように、シリコンドット6のサイズを、約1000nm(1μm)よりも小さくすれば良い。
また、ここでは、図1に示すように、隣接するシリコンドット6は結合した状態になっている。そして、結合した状態になっているシリコンドット6は結晶方位が揃っている。ここでは、シリコンナノドット6の結晶方位は揃っており、かつ、隣接するシリコンドット同士は結合して一体となった状態になっている。このように、シリコンドット同士が結合しており、この結合部分を通じてキャリアの伝導経路が確保されるため、電気伝導率の低下をより確実に抑制することが可能となり、また、熱電変換素子の性能ばらつきを抑制することも可能となる。また、シリコンドット6の結晶方位が揃っているため、結晶粒界でのキャリアの散乱が抑制され、電気伝導率の低下をより確実に抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、熱電変換部1は、熱電変換材料であるシリコンドット6を絶縁層7、8の中に埋め込んだ構造になっている。つまり、熱電変換部1は、シリコンドット6と、シリコンドット6の周囲を覆う絶縁層7、8とを備える。ここで、絶縁層7、8は、例えばSiO層又はSi層である。なお、絶縁層7、8は、シリコンよりも熱伝導率の低い材料で構成されていることが好ましい。
次に、本実施形態にかかる熱電変換素子の製造方法について、図3、図4を参照しながら説明する。
本実施形態では、まず、図3(A)に示すように、基板8X上に、化学量論比の正しいシリコンを含む層よりもシリコンリッチなシリコンリッチ層7Xを形成する。
本実施形態では、シリコン基板8X上に、シリコンリッチ層7Xとして、SiO(x<2)層を形成する。つまり、シリコン基板8X上に、化学量論比の正しいSiOよりもシリコンリッチなSiO(x<2)層7Xを形成する。
ここでは、SiO(x<2)層7Xの膜厚tは、電気伝導を担うキャリアの平均自由行程(例えば約40nm)よりも大きく、かつ、散乱させたいフォノンの平均自由行程の下限値(例えば100nm)よりも小さくする。例えばt=50nmとする。
次に、図3(B)に示すように、シリコンリッチ層7Xにシリコンドット形成用の穴9を形成する。
ここでは、SiO(x<2)層7Xをレジスト10でマスクし、SiO(x<2)層7Xをエッチングして、シリコンドット形成用の穴9を形成する。具体的には、シリコンドット6を二次元的に配置するために、図3(D)に示すように、シリコンドット形成用の複数の穴9を、二次元的に、即ち、面内で均一に並ぶように形成する。そして、シリコンドット形成用の穴9の横方向及び奥行き方向のピッチは、SiO(x<2)層7Xの膜厚と同じ間隔t(=50nm)とする。
次に、図3(C)に示すように、シリコンドット形成用の穴9にシリコン結晶6Xを成長させる。
本実施形態では、シリコン結晶6Xをエピタキシャル成長させる。これにより、後述のシリコンドット6を形成する工程において、結晶方位が揃っているシリコンドット6が形成されることになる。
次に、レジスト10を除去した後、図4(A)に示すように、シリコン結晶6Xが形成されたシリコンドット形成用の穴9を埋め込み、化学量論比の正しいシリコンを含む層よりもシリコンリッチなシリコンリッチ埋込層7Yを形成する。
本実施形態では、シリコンリッチ埋込層7Yとして、SiO(x<2)埋込層を形成する。つまり、シリコンリッチ埋込層7Yとして、化学量論比の正しいSiOよりもシリコンリッチなSiO(x<2)埋込層を形成する。その後、SiO(x<2)埋込層7Y上にSiO層7Zを形成する。なお、SiO層7Zは形成しなくても良い。
次に、図4(B)に示すように、熱処理を行なってシリコンドット6を形成する。
本実施形態では、隣接するシリコンドット6が結合した状態になるようにシリコンドット6を形成する。
ここでは、熱処理を行なうことによって、シリコンドット形成用の穴9の中に成長させたシリコン結晶6Xが核となって、その周囲に、シリコンリッチなSiO(x<2)層7X、7Yから析出したシリコンが成長して、シリコンドット6が形成される。なお、SiO(x<2)層7X、7Yは安定なSiO層7になっていく。
特に、シリコンドット形成用の穴9の中にシリコン結晶6Xをエピタキシャル成長させた場合、結晶方位が揃っているシリコンドット6が形成される。
また、上述のように、SiO(x<2)層7Xの膜厚t、及び、シリコンドット形成用の穴9の横方向及び奥行き方向のピッチtを設定しておくことで、シリコンドット6のサイズ(ここでは直径)dは、SiO(x<2)層7Xの膜厚t、及び、シリコンドット形成用の穴9の横方向及び奥行き方向のピッチtで規定され、d≒tとなる。例えば、t=50nmとした場合、シリコンドット6のサイズ(直径)dは50nmとなる。このように、シリコンドット6のサイズ(大きさ)は、SiO(x<2)層7Xの膜厚、及び、シリコンドット形成用の穴9の横方向及び奥行き方向のピッチによって規定されるため、制御性良く所望のサイズのシリコンドット6を形成することが可能である。
例えば、上述のようにしてシリコン基板8X上に形成した構造物を加熱炉に入れ、真空又はアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で、約900℃〜約1100℃、約1〜約2時間程度の熱処理を行なう。
なお、熱処理は、これに限られるものではなく、例えば、上述のようにしてシリコン基板8X上に形成した構造物を、真空又はアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中において、フェムト秒レーザで照射することによって加熱しても良い。この場合、フェムト秒レーザの照射条件は、例えば、中心波長約800nm、パルス幅200fs、繰り返し周波数100kHz、出力1Wとすれば良い。
そして、隣接するシリコンドット同士が結合して一体となった状態となる。
その後、本実施形態では、熱酸化処理を行なって、シリコンドット6の周囲を覆うSiO層7、8を形成する。ここでは、シリコン基板8Xを、必要に応じて、その裏面側から研磨し、熱酸化して、SiO層8とする。また、SiO層にならなかったSiO(x<2)層7X、7Yも、この熱酸化処理によって、SiO層7となる。このようにして、シリコンドット6の周囲を覆うSiO層7、8が形成される。
その後、SiO層7、8によって周囲を覆われたシリコンドット6からなる熱電変換部1の左右両側に電極2、3を取り付け、熱電変換素子とする。
なお、上述の実施形態では、シリコン基板8X上にシリコンリッチ層7XとしてSiO(x<2)層を形成し、シリコンリッチ埋込層7YとしてSiO(x<2)埋込層を形成し、熱酸化処理を行なってシリコンドット6の周囲を覆うSiO層7、8を形成しているが、これに限られるものではない。例えば、シリコン基板上にシリコンリッチ層としてSi(x<4)層、即ち、化学量論比の正しいSiOよりもシリコンリッチなSi(x<4)層を形成し、シリコンリッチ埋込層としてSi(x<4)埋込層、即ち、化学量論比の正しいSiOよりもシリコンリッチなSi(x<4)層を形成し、熱窒化処理を行なって、シリコンドットの周囲を覆うSi層(絶縁層)を形成しても良い。このように、SiO(x<2)層、SiO(x<2)埋込層、SiO層に代えて、Si(x<4)層、Si(x<4)埋込層、Si層を用いても良い。なお、ここでは、シリコンドットの表面側と裏面側を、いずれもSiO層又はSi層とし、同一の絶縁層によって覆っているが、これに限られるものではなく、一方の側をSiO層とし、他方の側をSi層とするなど、シリコンドットの表面側を覆う絶縁層と裏面側を覆う絶縁層とが異なっていても良い。
また、上述の実施形態では、シリコン結晶6Xを成長させる工程の後、シリコンドット6を形成する前に、シリコンリッチ埋込層7Yを形成するようにしているが、これに限られるものではなく、シリコンリッチ埋込層を形成する工程は行なわなくても良い。この場合、例えば、シリコンドットを形成した後に、シリコンドットが埋め込まれるようにSiO層を形成すれば良い。
したがって、本実施形態にかかる熱電変換素子及びその製造方法によれば、環境負荷が小さく、低コスト化が可能な熱電変換素子を実現することができるという効果を有する。また、従来の材料系を用いた熱電変換素子では高価で大量普及が困難であったのに対し、本実施形態にかかる熱電変換素子及びその製造方法によれば、安価で大量普及が可能で、かつ、高性能な熱電変換素子を実現することができるという効果も有する。
なお、本発明は、上述した実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
以下、上述の実施形態に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
フォノンの平均自由行程よりも小さく、かつ、キャリアの平均自由行程よりも大きいサイズのシリコンドットを備えることを特徴とする熱電変換素子。
(付記2)
隣接する前記シリコンドットが結合した状態になっていることを特徴とする、付記1に記載の熱電変換素子。
(付記3)
結合した状態になっている前記シリコンドットは結晶方位が揃っていることを特徴とする、付記2に記載の熱電変換素子。
(付記4)
前記シリコンドットの周囲を覆う絶縁層を備えることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
(付記5)
前記絶縁層は、SiO層又はSi層であることを特徴とする、付記4に記載の熱電変換素子。
(付記6)
基板上に、化学量論比の正しいシリコンを含む層よりもシリコンリッチなシリコンリッチ層を形成する工程と、
前記シリコンリッチ層にシリコンドット形成用の穴を形成する工程と、
前記シリコンドット形成用の穴にシリコン結晶を成長させる工程と、
熱処理を行なってシリコンドットを形成する工程とを含むことを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
(付記7)
前記シリコンドットを形成する工程において、隣接する前記シリコンドットが結合した状態になるように前記シリコンドットを形成することを特徴とする、付記6に記載の熱電変換素子の製造方法。
(付記8)
前記シリコン結晶を成長させる工程は、前記シリコン結晶をエピタキシャル成長させる工程であることを特徴とする、付記7に記載の熱電変換素子の製造方法。
(付記9)
前記シリコン結晶を成長させる工程の後、前記シリコンドットを形成する工程の前に、前記シリコン結晶が形成された前記シリコンドット形成用の穴を埋め込み、化学量論比の正しいシリコンを含む層よりもシリコンリッチなシリコンリッチ埋込層を形成する工程を含むことを特徴とする、付記6〜8のいずれか1項に記載の熱電変換素子の製造方法。
(付記10)
前記シリコンリッチ層を形成する工程において、シリコン基板上にSiO(x<2)層又はSi(x<4)層を形成し、
前記シリコンリッチ埋込層を形成する工程において、SiO(x<2)埋込層又はSi(x<4)埋込層を形成し、
前記シリコンドットを形成する工程の後に、熱酸化処理又は熱窒化処理を行なって、前記シリコンドットの周囲を覆うSiO層又はSi層を形成することを特徴とする、付記9に記載の熱電変換素子の製造方法。
1 熱電変換部
1X n型熱電変換部
1Y p型熱電変換部
2、3 電極
4 高温部
5 低温部
6 シリコンドット
6X シリコン結晶
7、8 絶縁層
7X シリコンリッチ層(SiO(x<2)層)
7Y シリコンリッチ埋込層(SiO(x<2)埋込層)
7Z SiO
8X 基板(シリコン基板)
9 シリコンドット形成用の穴
10 レジスト

Claims (8)

  1. フォノンの平均自由行程よりも小さく、かつ、キャリアの平均自由行程よりも大きいサイズのシリコンドットを備えることを特徴とする熱電変換素子。
  2. 隣接する前記シリコンドットが結合した状態になっていることを特徴とする、請求項1に記載の熱電変換素子。
  3. 結合した状態になっている前記シリコンドットは結晶方位が揃っていることを特徴とする、請求項2に記載の熱電変換素子。
  4. 前記シリコンドットの周囲を覆う絶縁層を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
  5. 基板上に、化学量論比の正しいシリコンを含む層よりもシリコンリッチなシリコンリッチ層を形成する工程と、
    前記シリコンリッチ層にシリコンドット形成用の穴を形成する工程と、
    前記シリコンドット形成用の穴にシリコン結晶を成長させる工程と、
    熱処理を行なってシリコンドットを形成する工程とを含むことを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
  6. 前記シリコンドットを形成する工程において、隣接する前記シリコンドットが結合した状態になるように前記シリコンドットを形成することを特徴とする、請求項5に記載の熱電変換素子の製造方法。
  7. 前記シリコン結晶を成長させる工程は、前記シリコン結晶をエピタキシャル成長させる工程であることを特徴とする、請求項6に記載の熱電変換素子の製造方法。
  8. 前記シリコン結晶を成長させる工程の後、前記シリコンドットを形成する工程の前に、前記シリコン結晶が形成された前記シリコンドット形成用の穴を埋め込み、化学量論比の正しいシリコンを含む層よりもシリコンリッチなシリコンリッチ埋込層を形成する工程を含むことを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載の熱電変換素子の製造方法。
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