JP2017106710A - 吸収式冷凍機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプによるコストアップ及び信頼性の低下を防止しつつ、冷凍能力の向上を図ることができる吸収式冷凍機を提供する。【解決手段】吸収式冷凍機1は、稀溶液を加熱して冷媒蒸気と濃溶液とを生成する再生器10と、再生器10で生成された冷媒蒸気を凝縮する凝縮器20と、凝縮器20で凝縮された冷媒液を受け入れて冷水が流れる第2冷水伝熱管32に滴下させて蒸発させる冷媒分配器31を有した蒸発器30と、蒸発器30で蒸発した冷媒蒸気を再生器10で生成された濃溶液に吸収させて稀溶液を生成する吸収器40とを備え、吸収器40の稀溶液を再生器10へ送る吸収冷凍サイクルを形成したものであって、凝縮器20と蒸発器30との高低差を利用して凝縮器20から蒸発器30まで冷媒液を移送する冷媒液配管61と、第2冷水伝熱管32に滴下され蒸発しなかった未蒸発冷媒液を利用して冷媒液配管61内の冷媒液と熱交換する冷媒冷却器70とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は吸収式冷凍機に関する。
従来、再生器、凝縮器、蒸発器、及び吸収器の循環サイクルによって冷液を得る吸収式冷凍機が提案されている(例えば特許文献1参照)。しかし、特許文献1に記載の吸収式冷凍機においては、蒸発器内において冷液が流れる伝熱管の濡れ性や、冷媒液を滴下する冷媒ドリッパーの滴下バラつき等の種々の理由から蒸発器内で蒸発しない未蒸発冷媒液の量が増加することがある。そして、このような未蒸発冷媒液はいわゆる冷凍能力に寄与しない無効冷媒となってしまうことから、未蒸発冷媒液の増加時には冷凍能力が低下してしまうこととなる。
そこで、冷凍能力の低下を防止するために、上記未蒸発冷媒液を溜めておく冷媒溜め部を備えた吸収式冷凍機が提案されている(例えば特許文献2参照)。このような吸収式冷凍機によれば、冷媒溜め部内の未蒸発冷媒液を蒸発器に送る経路を備えているため、未蒸発冷媒液を再度蒸発器に供給して蒸発させることができる。特に、特許文献2に記載の吸収式冷凍機は、冷媒溜め部から蒸発器に冷媒液を送り込むためのポンプを備えるため、全体冷媒量を特許文献1に記載の吸収式冷凍機よりも多くでき、蒸発器への冷媒滴下量も大量にすることができる結果、上記伝熱管の濡れ性等の影響を受け難く、安定した冷凍能力を期待することができる。
さらに、凝縮器にて凝縮した冷媒液を蒸発器に送る配管の途中に熱交換器を設置した吸収式冷凍機も提案されている(例えば特許文献3,4参照)。このような吸収式冷凍機において、熱交換器には空調機器等に用いられる冷水が導入され(特許文献3参照)、又は冷却水回路を流れる冷却水が導入され(特許文献4参照)、これらと熱交換することにより冷媒液の温度を低下させて蒸発器に流入させる。これにより、フラッシュ蒸気が減ることとなり、蒸気の飛散により蒸発器の伝熱管周りに付着してしまう冷媒液を減らして蒸発器の有効伝熱面積を増やし、有効冷媒を増加させることができる。すなわち、冷凍能力の向上を図ることができる。
特開平3−211371号公報 特開平1−121662号公報 特開2002−181400号公報 特開2002−310525号公報
しかし、特許文献2に記載の吸収式冷凍機は、ポンプを要する関係上、ポンプ自体のコスト及びポンプ動力によるランニングコストが余分に掛かるうえ、ポンプが動作しなくなることがあり得ることから信頼性の低下にもつながってしまう。
また、特許文献3に記載の吸収式冷凍機は、フラッシュ蒸気を減少させて有効冷媒を増加させることにより冷凍能力の向上を図っているが、凝縮器から蒸発器への冷媒液の冷却に、空調機器等に用いられる冷水を用いることから、空調機器等の冷房効率の低下を招くこととなり、全体的にみた場合、冷凍能力の向上に寄与しているとは言えなくなってしまう。
さらに、特許文献4に記載の吸収式冷凍機についても、フラッシュ蒸気を減少させて有効冷媒を増加させることにより冷凍能力の増大を図っているが、冷却水(例えば32℃)と冷媒液(例えば40℃)との温度差が小さく、冷媒液の温度が少ししか低下しないことから、結果として冷凍能力の向上にあまり寄与しなくなってしまう。
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ポンプによるコストアップ及び信頼性の低下を防止しつつ、冷凍能力の向上を図ることができる吸収式冷凍機を提供することにある。
本発明の吸収式冷凍機は、稀溶液を加熱して冷媒蒸気と濃溶液とを生成する再生器と、前記再生器で生成された冷媒蒸気を凝縮する凝縮器と、前記凝縮器で凝縮された冷媒液を受け入れて冷液が流れる伝熱管に滴下させて蒸発させる冷媒分配器を有した蒸発器と、前記蒸発器で蒸発した冷媒蒸気を前記再生器で生成された濃溶液に吸収させて稀溶液を生成する吸収器と、を備え、前記吸収器で生成された稀溶液を前記再生器へ送る吸収冷凍サイクルを形成した吸収式冷凍機であって、前記凝縮器と前記蒸発器との高低差を利用して前記凝縮器から前記蒸発器まで冷媒液を移送する冷媒液配管と、前記伝熱管に滴下され蒸発しなかった未蒸発冷媒液を利用して前記冷媒液配管内の冷媒液と熱交換する冷媒冷却器と、を備えることを特徴とする。
本発明の吸収式冷凍機によれば、凝縮器から蒸発器まで冷媒液を移送する冷媒液配管と、伝熱管に滴下され蒸発しなかった未蒸発冷媒液を利用して冷媒液配管内の冷媒液と熱交換する冷媒冷却器とを備えるため、冷媒液配管により冷媒液が凝縮器から蒸発器まで移送される過程において冷媒冷却器により冷却され、蒸発器の冷媒分配器にて受け入れられた段階ではフラッシュ蒸発量が抑えられることとなる。これにより、伝熱管に滴下される冷媒液の量を増加させ、しかも、フラッシュ蒸気の減少による伝熱管の有効面積の増加を見込めることから、冷凍能力の向上を図ることができる。また、凝縮器と蒸発器との高低差を利用して凝縮器から蒸発器まで冷媒液を移送するため、ポンプを設置する必要もない。従って、ポンプによるコストアップ及び信頼性の低下を防止しつつ、冷凍能力の向上を図ることができる。
また、本発明の吸収式冷凍機において、前記冷媒冷却器は、前記伝熱管の下部に設けられ前記伝熱管に滴下され蒸発しなかった未蒸発冷媒液を溜める冷媒溜め部と、入口及び出口が共に前記冷媒液配管に接続されて冷媒液が流れると共に前記冷媒溜め部に溜められた未蒸発冷媒液に浸された状態となる熱交換用配管と、を備えて構成されていることが好ましい。
この吸収式冷凍機によれば、伝熱管に滴下され蒸発しなかった未蒸発冷媒液を溜める冷媒溜め部と、冷媒液配管に接続されて冷媒液が流れると共に冷媒溜め部に溜められた未蒸発冷媒液に浸された状態となる熱交換用配管とを備えるため、伝熱管の下部に未蒸発冷媒液を溜める容器等の冷媒溜め部を設置すると共に冷媒溜め部に冷媒液が流れる熱交換用配管を設ければ冷媒冷却器を構成でき、比較的簡易な構成にて冷媒冷却器を実現することができる。
また、本発明の吸収式冷凍機において、一端が前記冷媒溜め部に接続されて他端が開放端となり下側に凸となる略U字又は略V字形状の配管によって形成され、冷凍機停止時に加熱され配管内の未蒸発冷媒液を沸騰させることで、前記冷媒溜め部に溜められた未蒸発冷媒液を前記一端側から他端側へ移送して他端の開放端から排出する気泡ポンプをさらに備えることが好ましい。
この吸収式冷凍機によれば、冷凍機停止時に加熱され管内の未蒸発冷媒液を沸騰させることで、冷媒溜め部に溜められた未蒸発冷媒液を排出する気泡ポンプをさらに備えるため、冷媒溜め部に溜められた未蒸発冷媒液の凍結に伴う熱交換用配管や冷媒液配管の破損を防止することができる。
また、本発明の吸収式冷凍機において、冷凍機運転中において前記吸収器で生成された稀溶液を前記再生器へ送り冷凍機停止時には動作を停止する溶液ポンプをさらに備え、前記気泡ポンプは、前記溶液ポンプの動作時には稀溶液に浸漬せず、前記溶液ポンプの停止時において一部が稀溶液に浸漬することで加熱される構成となっていることが好ましい。
この吸収式冷凍機によれば、冷凍機運転中において吸収器で生成された稀溶液を再生器へ送り冷凍機停止時には動作を停止する溶液ポンプをさらに備える。ここで、溶液ポンプが停止すると稀溶液が再生器へ送られることがなく稀溶液の液位が上昇する。これにより、溶液ポンプの動作時には稀溶液に浸漬せず、溶液ポンプの停止時において一部が稀溶液に浸漬することで加熱される気泡ポンプを構成でき、加熱用のヒータ等を要することなく、気泡ポンプを動作させて冷媒溜め部に溜められた未蒸発冷媒液を排出することができる。
また、本発明の吸収式冷凍機において、前記気泡ポンプは、一端側から略直線状に垂下するストレート管と、前記ストレート管から延びると共に一端側よりも他端側が高くなるように前記鉛直方向に対して傾斜した傾斜部を有した吐出管とを備え、前記吐出管は、前記溶液ポンプの停止時において少なくとも前記傾斜部の一部が稀溶液に浸漬していることが好ましい。
この吸収式冷凍機によれば、気泡ポンプは、ストレート管と、一端側よりも他端側が高くなるように傾斜した傾斜部を有する吐出管とを備え、吐出管は、溶液ポンプの停止時において傾斜部の一部が稀溶液に浸漬している。このため、傾斜部における未蒸発冷媒液は傾斜に沿って誘導されるようにして他端へ移動して開放端から排出される。そして、一度未蒸発冷媒液が排出されると、その後はその流れに沿って冷媒溜め部内の未蒸発冷媒液がストレート管を通じて吐出管に至り、吐出管を通じて他端の開放端から排出される。従って、未蒸発冷媒液を効率良く排出することができる。
また、本発明の吸収式冷凍機において、前記ストレート管は、前記吐出管よりも管径が大きくされていることが好ましい。
この吸収式冷凍機によれば、ストレート管は吐出管よりも管径が大きくされているため、ストレート管の容積が増し且つストレート管内において未蒸発冷媒液の対流が発生することから、吐出管内の未蒸発冷媒液を優先的に加熱沸騰させることができ、一層未蒸発冷媒液を効率良く排出することができる。
また、本発明の吸収式冷凍機において、前記ストレート管は、前記冷媒溜め部から略直線状に垂下する第1ストレート管と、前記第1ストレート管の少なくとも一部の外周側を覆う第2ストレート管とからなる二重構造となっており、前記吐出管は、前記第2ストレート管のうち前記第1ストレート管の下端部よりも上側となる位置に接続されていることが好ましい。
この吸収式冷凍機によれば、ストレート管は、第1ストレート管と、第1ストレート管の少なくとも一部の外周側を覆う第2ストレート管とからなる二重構造となっているため、第1ストレート管内の未蒸発冷媒液については加熱され難く、吐出管内の未蒸発冷媒液のみならず、第2ストレート管内の未蒸発冷媒液について優先的に加熱沸騰させることができる。そして、吐出管は、第2ストレート管のうち第1ストレート管の下端部よりも上側となる位置に接続されているため、第2ストレート管にて加熱沸騰された未蒸発冷媒液(冷媒蒸気)を吐出管内に導き易くすることができる。従って、より一層未蒸発冷媒液を効率良く排出することができる。
また、本発明の吸収式冷凍機において、前記伝熱管の下部に設けられ前記伝熱管に滴下され蒸発しなかった未蒸発冷媒液を溜める冷媒溜め部をさらに備え、前記冷媒冷却器は、前記冷媒溜め部に溜められた未蒸発冷媒液を導入して、前記冷媒液配管を流れる冷媒液と熱交換することで未蒸発冷媒液を沸騰させて前記冷媒分配器まで移送する気液ポンプとして機能することが好ましい。
この吸収式冷凍機によれば、冷媒冷却器が、冷媒溜め部に溜められた未蒸発冷媒液を沸騰させて冷媒分配器まで移送する気液ポンプとして機能するため、電動ポンプなしに未蒸発冷媒液を再度伝熱管に滴下することができ、より一層の冷凍能力の向上を図ることができる。さらに、冷媒冷却器を気液ポンプとして機能させる際に、冷媒液配管を流れる冷媒液を冷媒冷却器にて冷却して蒸発器の冷媒分配器まで送り込むことができる。
なお、吸収式冷凍機の概念には、吸収式冷凍機の機能に加えて暖房運転も可能な吸収式冷温水機も含まれることはいうまでもない。
本発明によれば、ポンプによるコストアップ及び信頼性の低下を防止しつつ、冷凍能力の向上を図ることができる吸収式冷凍機を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る吸収式冷凍機を示す概略構成図である。 図1に示した冷媒冷却器の詳細を示す斜視図である。 第1比較例に係る吸収式冷凍機の動作を説明するための概略図である。 第2比較例に係る吸収式冷凍機の動作を説明するための概略図である。 第1実施形態に係る吸収式冷凍機の動作を説明するための概略図である。 第2実施形態に係る吸収式冷凍機を示す概略構成図である。 図6に示した気泡ポンプの詳細を示す断面図である。 図6に示した気泡ポンプの第1変形例を示す断面図である。 図6に示した気泡ポンプの第2変形例を示す断面図である。 第3実施形態に係る吸収式冷凍機を示す概略構成図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が生じない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
図1は、本発明の第1実施形態に係る吸収式冷凍機を示す概略構成図である。なお、以下の説明においては吸収式冷凍機を例に説明するが、これに限らず、吸収式冷凍機の機能を備えていれば更に暖房運転も可能な吸収式冷温水機に適用してもよい。
図1に示す吸収式冷凍機1は、再生器10、凝縮器20、蒸発器30、及び吸収器40を備え、これらの吸収冷凍サイクルによって冷液を冷却するものである。さらに、吸収式冷凍機1は、溶液ポンプ50を備えている。
再生器10は、例えば冷媒となる水(以下、冷媒が蒸気化したものを冷媒蒸気と称し、冷媒が液化したものを冷媒液と称する)と、吸収液となる臭化リチウム(LiBr)とが混合された稀溶液(吸収液の濃度が低い溶液)を加熱するものである。この再生器10には熱源が配置されており、熱源によって稀溶液が加熱される。再生器10は、この加熱により稀溶液から蒸気を放出させることにより、冷媒蒸気と濃溶液(吸収液の濃度が高い溶液)とを生成する。
凝縮器20は、再生器10から供給された冷媒蒸気を液化(凝縮)させるものである。この凝縮器20内には、第1冷水伝熱管21が挿通されている。第1冷水伝熱管21には冷却塔などから冷却水が供給されており、蒸発した冷媒蒸気は第1冷水伝熱管21内の冷却水によって液化する。さらに、凝縮器20にて液化した冷媒液は蒸発器30に供給される。
蒸発器30は、冷媒液を蒸発させるものである。この蒸発器30内には、凝縮器20にて凝縮された冷媒液を受け入れる冷媒分配器31を備えている。冷媒分配器31は、受け入れた冷媒液を滴下(散布)させるものである。さらに、蒸発器30内には、室内機等に接続される第2冷水伝熱管32が設けられている。この第2冷水伝熱管(伝熱管)32は、例えば室内機と接続されており、室内機による室内空気の冷却によって暖められた水が流れている。また、蒸発器30内は、真空状態となっている。このため、冷媒である水の蒸発温度は約5℃となる。よって、冷媒分配器31により第2冷水伝熱管32上に滴下された冷媒液は第2冷水伝熱管32の温度によって蒸発することとなる。また、第2冷水伝熱管32内の水は、冷媒液の蒸発によって温度が奪われる。これにより、第2冷水伝熱管32の水は冷水(冷液の一例)として室内機に供給され、室内機は冷水を利用して冷風を室内に供給することとなる。
吸収器40は、蒸発器30において蒸発した冷媒蒸気を吸収するものである。この吸収器40内には再生器10から濃溶液が供給され、冷媒蒸気は濃溶液によって吸収され、稀溶液が生成される。また、吸収器40には、第3冷水伝熱管41が挿通されている。第3冷水伝熱管41には冷却水が流れており、濃溶液の冷媒の吸収により生じる吸収熱は、第3冷水伝熱管41の冷却水により除去される。なお、この第3冷水伝熱管41は、第1冷水伝熱管21と接続されている。また、吸収器40は、冷媒の吸収により濃度が低下した稀溶液を溶液ポンプ50によって再生器10に供給する。
さらに、本実施形態に係る吸収式冷凍機1は、冷媒液配管61と、稀溶液配管62と、濃溶液配管63と、冷媒冷却器70とを備えている。
冷媒液配管61は、凝縮器20から蒸発器30まで冷媒液を移送する配管である。この冷媒液配管61は、凝縮器20と蒸発器30との高低差を利用して、冷媒液を凝縮器20から蒸発器30まで移送するものである。このため、冷媒液配管61には、移送動力を発生させるためのポンプが設けられていない。
稀溶液配管62は、吸収器40内の稀溶液を再生器10まで移送するための配管である。この稀溶液配管62上には上記した溶液ポンプ50が設けられており、稀溶液は溶液ポンプ50によって吸収器40から再生器10まで移送される。
濃溶液配管63は、再生器10にて得られた濃溶液を吸収器40まで移送するための配管である。この濃溶液配管63についても再生器10と吸収器40との高低差を利用して、濃溶液を再生器10から吸収器40まで移送する構成となっている。なお、この濃溶液配管63は高低差を利用して濃溶液を移送する配管であるが、これに限らず、ポンプ等の濃溶液の移送手段が設けられていてもよい。
冷媒冷却器70は、第2冷水伝熱管32に滴下され蒸発しなかった未蒸発冷媒液を利用して冷媒液配管61内の冷媒液と熱交換するものである。図2は、図1に示した冷媒冷却器70の詳細を示す斜視図である。
図2に示すように、冷媒冷却器70は、概略的に冷媒溜め部71と、熱交換用配管72とから構成されている。冷媒溜め部71は、第2冷水伝熱管32の下部に設けられ第2冷水伝熱管32に滴下され蒸発しなかった未蒸発冷媒液を溜めるトレイ状の容器である。特に、本実施形態において冷媒溜め部71は、平面視して長方形状となる容器となっている。
熱交換用配管72は、入口73及び出口74が共に冷媒液配管61に接続されて冷媒液が流れると共に冷媒溜め部71に溜められた未蒸発冷媒液に浸された状態となるものである。この熱交換用配管72は、具体的に8本の直管75a〜75hと、5つのヘッダー部材76a〜76eとから構成されている。
8本の直管75a〜75hは冷媒溜め部71の内側(すなわち容器内)に容器の長手方向に沿って配置されており、5つのヘッダー部材76a〜76eは冷媒溜め部71の外側面(すなわち容器外であって特に長方形状の容器の短辺外側面)に設置されている。また、8本の直管75a〜75hと5つのヘッダー部材76a〜76eとは連通状態にあり、それぞれを冷媒液が流通可能となっている。
このような冷媒冷却器70において、熱交換用配管72の入口73側は第1ヘッダー部材76aに接続されており、第1ヘッダー部材76aは第1及び第2直管75a,75bに接続されている。このため、冷媒液配管61からの冷媒液は第1ヘッダー部材76aを通じて第1及び第2直管75a,75bを流れる。
また、第1及び第2直管75a,75bは第2ヘッダー部材76bに接続されている。第2ヘッダー部材76bは、第3及び第4直管75c、75dにも接続されている。このため、第1及び第2直管75a,75bを流れる冷媒液は、第2ヘッダー部材76bを通じて第3及び第4直管75c、75dを流れる。
さらに、第3及び第4直管75c,75dは第3ヘッダー部材76cに接続されている。第3ヘッダー部材76cは、第5及び第6直管75e、75fにも接続されている。加えて、第5及び第6直管75e、75fは第4ヘッダー部材76dに接続されている。第4ヘッダー部材76dは、第7及び第8直管75g、75hにも接続されている。第7及び第8直管75g、75hは、出口74につながる第5ヘッダー部材76eに接続されている。このため、第3及び第4直管75c,75dを流れる冷媒液は、第3ヘッダー部材76cを介して第5及び第6直管75e、75fに至り、第5及び第6直管75e、75fを流れる冷媒液は、第4ヘッダー部材76dを介して第7及び第8直管75g、75hに至る。第7及び第8直管75g、75hを流れる冷媒液は第5ヘッダー部材76eを通じて出口74から冷媒液配管61(蒸発器30側の冷媒液配管61)に戻る。
また、冷媒溜め部71には未蒸発冷媒液が溜められており、8本の直管75a〜75hが未蒸発冷媒液に浸ることから、凝縮器20側の冷媒液配管61から入口73を介して流入した冷媒液は、熱交換(冷却)されることとなり、冷却されたうえで蒸発器30側の冷媒液配管61に戻されることとなる。
次に、第1実施形態に係る吸収式冷凍機1の動作を説明するが、これに先立って比較例に係る吸収式冷凍機の動作を説明する。図3は、第1比較例に係る吸収式冷凍機の動作を説明するための概略図であり、図4は、第2比較例に係る吸収式冷凍機の動作を説明するための概略図である。なお、図3に示す第1比較例に係る吸収式冷凍機100は上記特許文献1に近い構成のものであり、図4に示す第2比較例に係る吸収式冷凍機200は上記特許文献2に近い構成のものである。
図3に示すように、第1比較例の吸収式冷凍機100において、40℃で「107.5」の量の冷媒液が凝縮器120から冷媒液配管161に流れ込んだとする。第1比較例においては、冷媒液配管161が冷媒冷却器70を有しないことから、40℃で「107.5」の量の冷媒液は、直接に冷媒分配器131に至る。このため、比較的多量のフラッシュ蒸気(「5.5」の量フラッシュ蒸気)が発生することとなる。また、フラッシュ蒸気の発生により冷媒液は温度が低下する。よって、6.5℃で「102」の量の冷媒液が第2冷水伝熱管132に滴下される。
ここで、第1比較例では第2冷水伝熱管132の濡れ性等の製品上のバラツキから、無効冷媒が多くなることがある。このため、当初無効冷媒は「2」程度であるとの予想のもとに設計していたとしても、蒸発器130においては、例えば「5」の量の冷媒液が蒸発せずに無効冷媒となり、「97」の量の冷媒液が蒸発して冷媒蒸気となることがある。このような場合、能力寄与分は蒸発した「97」の量の分となるため、第1比較例に係る吸収式冷凍機100では、冷凍能力面で問題があることとなる。
また、図4に示すように、第2比較例の吸収式冷凍機200において、40℃で「107.5」の量の冷媒液が凝縮器220から冷媒液配管261に流れ込んだとする。この冷媒液は、蒸発器230の下部に位置する未蒸発冷媒液を溜める冷媒溜め部271に至る。この冷媒溜め部271に40℃で「107.5」の量の冷媒液が流入する段階において、「5.5」の量の未蒸発冷媒液が冷却に利用され、「2」の量の未蒸発冷媒液が飛散等する。そして、冷媒液ポンプPによって冷媒溜め部271内の未蒸発冷媒液が蒸発器230の冷媒分配器231に至る。このとき、蒸発器230の冷媒分配器231には、6.5℃で「200〜300」の量の冷媒液が送り込まれる。よって、低温のためフラッシュ蒸気が発生せず、かつ「200〜300」という多量の冷媒液が第2冷水伝熱管232に滴下される。
ここで、第2比較例では多量の冷媒液が第2冷水伝熱管232に滴下されることから、第2冷水伝熱管232の濡れ性等の影響を受け難く、安定した冷凍能力を期待することができる。すなわち、蒸発器230においては、「100」の量の冷媒液が蒸発して冷媒蒸気となる(「100」の量の冷媒液が能力寄与分となる)。なお、多量の冷媒液を滴下する関係上、「100〜200」の量の冷媒液が未蒸発冷媒液となる。
しかし、第2比較例に係る吸収式冷凍機200は、冷媒溜め部271の未蒸発冷媒液を蒸発器230の冷媒分配器231まで汲み上げる必要があることから、冷媒液ポンプPが必須となってしまう。コスト面や信頼性の面で不利となってしまう。
図5は、第1実施形態に係る吸収式冷凍機1の動作を説明するための概略図である。図5に示すように、第1実施形態に係る吸収式冷凍機1において、40℃で「107.5」の量の冷媒液が凝縮器20から冷媒液配管61に流れ込んだとする。そして、冷媒液は、蒸発器30の下部に位置する冷媒冷却器70に至り未蒸発冷媒液と熱交換される。このとき、「4」の量の未蒸発冷媒液が冷却に利用され、「2」の量の未蒸発冷媒液が飛散等により無効冷媒となる。
また、上記熱交換によって冷媒冷却器70から冷媒液配管61に流れ込む冷媒液は、16℃程度まで冷却される。このため、冷媒分配器131に至る段階において発生するフラッシュ蒸気は比較的少量であり、例えば約「1.5」程度の量である。このため、フラッシュ蒸発量が抑えられて第2冷水伝熱管32に滴下される冷媒液量が増加し、「106」の量の冷媒液が滴下される。このため、たとえ製品上のバラツキにより、例えば「6」の量という比較的多くの冷媒液が蒸発せずに未蒸発冷媒液となる状況においても、「100」の量の冷媒液が蒸発することとなる。すなわち、製品上のバラツキによって比較的多くの量の冷媒液が未蒸発冷媒液となる状況においても、滴下される冷媒液の量が増加しているため、これをカバーでき、冷凍能力の向上を図ることができる。加えて、フラッシュ蒸気の減少による第2冷水伝熱管32の有効面積の増加を見込めることから、冷凍能力の向上を図ることができる。
また、第1実施形態に係る吸収式冷凍機1は、特許文献4のような冷却水回路の水よりも温度が低い未蒸発冷媒液(例えば6.5℃)を利用して、蒸発器30に流入する冷媒液を冷却するため、フラッシュ蒸気をより効果的に抑え、冷凍能力の向上を図ることができる。加えて、第1実施形態に係る吸収式冷凍機1は、特許文献3のように第2冷水伝熱管32内の冷水も利用することなく、冷凍能力の向上を図ることができる。
さらに、第1実施形態に係る吸収式冷凍機1において何らかの理由により未蒸発冷媒液の量が増えたとしても、冷媒冷却器70に溜まる未蒸発冷媒液の量が増え、交換熱量が多くなる。このため、冷媒分配器31に流入する冷媒液の温度は一層下げられることとなる。これにより、フラッシュ蒸気をより減らし、第2冷水伝熱管32への冷媒液の滴下量を増やすこととなる。すなわち、製品上のバラツキを抑え、機差による冷凍能力のバラツキを少なくすることもできる。
このようにして、第1実施形態に係る吸収式冷凍機1によれば、凝縮器20から蒸発器30まで冷媒液を移送する冷媒液配管61と、第2冷水伝熱管32に滴下され蒸発しなかった未蒸発冷媒液を利用して冷媒液配管61内の冷媒液と熱交換する冷媒冷却器70とを備えるため、冷媒液配管61により冷媒液が凝縮器20から蒸発器30まで移送される過程において冷媒冷却器70により冷却され、蒸発器30の冷媒分配器31にて受け入れられた段階ではフラッシュ蒸発量が抑えられることとなる。これにより、第2冷水伝熱管32に滴下される冷媒液の量を増加させ、しかも、フラッシュ蒸気の減少による第2冷水伝熱管32の有効面積の増加を見込めることから、冷凍能力の向上を図ることができる。また、凝縮器20と蒸発器30との高低差を利用して凝縮器20から蒸発器30まで冷媒液を移送するため、ポンプを設置する必要もない。従って、ポンプによるコストアップ及び信頼性の低下を防止しつつ、冷凍能力の向上を図ることができる。
さらには、無効冷媒の量を減らすことができるため、蒸発器30や吸収器40の伝熱面積を減少させてコストダウンを図ることも可能となる。
また、第2冷水伝熱管32に滴下され蒸発しなかった未蒸発冷媒液を溜める冷媒溜め部71と、冷媒液配管61に接続されて冷媒液が流れると共に冷媒溜め部71に溜められた未蒸発冷媒液に浸された状態となる熱交換用配管72とを備えるため、第2冷水伝熱管32の下部に未蒸発冷媒液を溜める容器等の冷媒溜め部71を設置すると共に冷媒溜め部71に冷媒液が流れる熱交換用配管72を設ければ冷媒冷却器70を構成でき、比較的簡易な構成にて冷媒冷却器70を実現することができる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る吸収式冷凍機は、第1実施形態のものと同様であるが、構成及び動作が一部異なっている。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
図6は、第2実施形態に係る吸収式冷凍機を示す概略構成図である。第2実施形態に係る吸収式冷凍機2は、更に気泡ポンプ80を備えている。気泡ポンプ80は、液中において気泡が上昇する性質を利用して液体を気泡により押し上げるものである。このような気泡ポンプ80には、ポンプ内に気泡を送り込むものもあるが、第2実施形態では加熱沸騰により液中に気泡を発生させる構成を採用している。
具体的に気泡ポンプ80は、一端81が冷媒溜め部71に接続されて他端82が開放端となっている。このような気泡ポンプ80は、下側に凸となる略U字又は略V字形状の配管83によって形成され、他端82が一端81よりも高く位置している。このような気泡ポンプ80は、吸収式冷凍機2の停止時に加熱され、冷媒溜め部71から配管83内に流れ込んだ未蒸発冷媒液を沸騰させることで、冷媒溜め部71に溜められた未蒸発冷媒液を一端81側から他端82側へ移送して他端82の開放端から排出するものである。
特に、第2実施形態において気泡ポンプ80の加熱は、稀溶液を利用して行われる。まず、稀溶液は再生器10により加熱されていることから基本的に高温である。また、吸収式冷凍機2の運転中においては、吸収器40で生成された稀溶液が溶液ポンプ50によって再生器10へ送り込まれているため液位FL1が低いが、吸収式冷凍機2の停止時には稀溶液を再生器10に送り込む必要がなく、溶液ポンプ50は動作を停止する。このため、吸収式冷凍機2の停止時においては吸収器40の下部において高温の稀溶液の液位FL2が上昇する。第2実施形態において気泡ポンプ80は、溶液ポンプ50の動作時には稀溶液に浸漬せず、溶液ポンプ50の停止時において一部が稀溶液に浸漬することで加熱される構成となっている。
このような気泡ポンプ80を設ける理由は以下の通りである。まず、吸収式冷凍機2の停止時において、冷媒溜め部71には未蒸発冷媒液が溜まっている。ここで、冷凍機停止時において稀溶液が外気温度により温度低下した場合に蒸気圧が低下する。よって、冷媒溜め部71に溜められた未蒸発冷媒液が自己蒸発してしまい、これに伴って未蒸発冷媒液から温度が奪われて凍結してしまう可能性がある。そして、凍結時には、熱交換用配管72や冷媒液配管61が破損してしまう可能性がある。
気泡ポンプ80は、このような問題を解消すべく、冷凍機停止時に冷媒溜め部71に残る未蒸発冷媒液を冷媒溜め部71外に排出することとなる。
図7は、図6に示した気泡ポンプ80の詳細を示す断面図である。図7に示すように、気泡ポンプ80は、一端81側から略直線状に垂下するストレート管84と、ストレート管84から延びると共に一端81側よりも他端82側が高くなるように鉛直方向に対して傾斜した傾斜部85aを有した吐出管85とを備えている。また、吐出管85は、溶液ポンプ50の停止時において少なくとも傾斜部85aの一部が稀溶液に浸漬している。
ここで、第2実施形態に係る気泡ポンプ80では、冷媒溜め部71の未蒸発冷媒液を排出する必要がある。このため、気泡ポンプ80を加熱して冷媒液を一端81から他端82に移送する必要がある。しかし、気泡ポンプ80の形状によっては他端82から一端81へ移送する流れが発生してしまう可能性もある。
そこで、図7に示すように、第2実施形態では一端81側よりも他端82側が高くなる傾斜部85aを設けることにより、傾斜部85aにおける未蒸発冷媒液を傾斜に沿って誘導するようにして他端82へ移送して開放端から排出させるようにしている。そして、一度未蒸発冷媒液が排出されると、その後はその流れに沿って冷媒溜め部71内の未蒸発冷媒液がストレート管84を通じて吐出管85に至り、吐出管85を通じて他端82の開放端から排出される。これにより、未蒸発冷媒液を効率良く排出するようにしている。
図8は、図6に示した気泡ポンプ80の第1変形例を示す断面図である。図7に示す気泡ポンプ80では冷媒飽和温度と加熱温度との温度差が大きい場合、他端82から一端81側へ逆流する可能性があった。そこで、第1変形例に係る気泡ポンプ80は、ストレート管84が吐出管85よりも管径が大きくなっている。これにより、ストレート管84の容積が増し且つストレート管84内において未蒸発冷媒液の対流が発生することから、吐出管85内の未蒸発冷媒液を優先的に加熱沸騰させることができ、逆流を防止することができる。
図9は、図6に示した気泡ポンプ80の第2変形例を示す断面図である。図8に示す気泡ポンプ80では、ストレート管84の未蒸発冷媒液が対流により一部吐出管85に流入してしまい、冷媒飽和温度と加熱温度との温度差が大きい場合、未蒸発冷媒液を吐出し難くなってしまう可能性があった。そこで、第2変形例に係る気泡ポンプ80は、ストレート管84を二重構造としている。すなわち、ストレート管84は、冷媒溜め部71から略直線状に垂下する第1ストレート管84aと、第1ストレート管84aの下側一部の外周側を覆う第2ストレート管84bとからなる二重構造となっている。また、吐出管85は、第2ストレート管84bのうち第1ストレート管84aの下端部UEPよりも上側となる位置UPに接続されている。
このように、ストレート管84が二重構造であるため、第1ストレート管84a内の未蒸発冷媒液については加熱され難く、吐出管85内の未蒸発冷媒液のみならず、第2ストレート管84b内の未蒸発冷媒液について優先的に加熱沸騰させることができる。そして、吐出管85は、第2ストレート管84bのうち第1ストレート管84aの下端部UEPよりも上側となる位置UPに接続されているため、第2ストレート管84bにて加熱沸騰された未蒸発冷媒液(冷媒蒸気)を吐出管85内に導き易くすることができる。これにより、逆流も防止しつつ吐出し易い構造とすることができる。
このようにして、第2実施形態に係る吸収式冷凍機2によれば、第1実施形態と同様に、ポンプによるコストアップ及び信頼性の低下を防止しつつ、冷凍能力の向上を図ることができる。また、比較的簡易な構成にて冷媒冷却器70を実現することができる。
さらに、第2実施形態によれば、冷凍機停止時に加熱され配管83内の未蒸発冷媒液を沸騰させることで、冷媒溜め部71に溜められた未蒸発冷媒液を排出する気泡ポンプ80をさらに備えるため、冷媒溜め部71に溜められた未蒸発冷媒液の凍結に伴う熱交換用配管72や冷媒液配管61の破損を防止することができる。
また、冷凍機運転中において吸収器40で生成された稀溶液を再生器10へ送り冷凍機停止時には動作を停止する溶液ポンプ50をさらに備える。ここで、溶液ポンプ50が停止すると稀溶液が再生器10へ送られることがなく稀溶液の液位FL2が上昇する。これにより、溶液ポンプ50の動作時には稀溶液に浸漬せず、溶液ポンプ50の停止時において一部が稀溶液に浸漬することで加熱される気泡ポンプ80を構成でき、加熱用のヒータ等を要することなく、気泡ポンプ80を動作させて冷媒溜め部71に溜められた未蒸発冷媒液を排出することができる。
また、気泡ポンプ80は、ストレート管84と、一端81側よりも他端82側が高くなるように傾斜した傾斜部85aを有する吐出管85とを備え、吐出管85は、溶液ポンプ50の停止時において傾斜部85aの一部が稀溶液に浸漬している。このため、傾斜部85aにおける未蒸発冷媒液は傾斜に沿って誘導されるようにして他端82へ移動して開放端から排出される。そして、一度未蒸発冷媒液が排出されると、その後はその流れに沿って冷媒溜め部71内の未蒸発冷媒液がストレート管84を通じて吐出管85に至り、吐出管85を通じて他端82の開放端から排出される。従って、未蒸発冷媒液を効率良く排出することができる。
また、ストレート管84は吐出管85よりも管径が大きくされているため、ストレート管84の容積が増し且つストレート管84内において未蒸発冷媒液の対流が発生することから、吐出管85内の未蒸発冷媒液を優先的に加熱沸騰させることができ、一層未蒸発冷媒液を効率良く排出することができる。
また、ストレート管84は、第1ストレート管84aと、第1ストレート管84aの少なくとも一部の外周側を覆う第2ストレート管84bとからなる二重構造となっているため、第1ストレート管84a内の未蒸発冷媒液については加熱され難く、吐出管85内の未蒸発冷媒液のみならず、第2ストレート管84b内の未蒸発冷媒液について優先的に加熱沸騰させることができる。そして、吐出管85は、第2ストレート管84bのうち第1ストレート管84aの下端部UEPよりも上側となる位置UPに接続されているため、第2ストレート管84bにて加熱沸騰された未蒸発冷媒液(冷媒蒸気)を吐出管85内に導き易くすることができる。従って、より一層未蒸発冷媒液を効率良く排出することができる。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る吸収式冷凍機は、第1実施形態のものと同様であるが、構成及び動作が一部異なっている。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
図10は、第3実施形態に係る吸収式冷凍機を示す概略構成図である。図10に示すように、第3実施形態に係る吸収式冷凍機3は、第1実施形態に示した冷媒溜め部71と同様の冷媒溜め部90を備えている。この冷媒溜め部90は、第2冷水伝熱管32の下部に設けられ第2冷水伝熱管32に滴下され蒸発しなかった未蒸発冷媒液を溜めるトレイ状の容器である。
また、第3実施形態において吸収式冷凍機3は、冷媒溜め部90と蒸発器30の冷媒分配器31とを接続する第2冷媒液配管91を備えている。さらに、第3実施形態においては、冷媒液配管61と第2冷媒液配管91との冷媒液同士を熱交換する冷媒冷却器70が設けられている。
このような構成であるため、冷媒液配管61を流れる冷媒液は第2冷媒液配管91の未蒸発冷媒液との熱交換により冷却されて、蒸発器30の冷媒分配器31に供給される。
一方、第2冷媒液配管91の未蒸発冷媒液は冷媒液配管61を流れる冷媒液と熱交換されることで加熱される。しかも、第2冷媒液配管91は蒸発器30につながっており、蒸発器圧力+流路圧損+液深分の圧力となっていることから、冷媒沸点は7℃以上20℃以下程度となる。よって、第2冷媒液配管91の未蒸発冷媒液は冷媒液配管61を流れる冷媒液と熱交換されることで沸騰する。これにより、冷媒冷却器70は気液ポンプとして機能し、冷媒溜め部90の未蒸発冷媒液を蒸発器30の冷媒分配器31まで移送することとなる。
このような未蒸発冷媒液の移送には電動ポンプを要せず、しかも未蒸発冷媒液を再度蒸発器30の冷媒分配器31に供給して、第2冷水伝熱管32に滴下するため、冷凍能力のより一層の向上を図ることとなる。加えて、未蒸発冷媒液の冷媒分配器31に移送する過程において冷媒液配管61を流れる冷媒液を冷却して、フラッシュ蒸気の発生を抑えることとなる。
このようにして、第3実施形態に係る吸収式冷凍機3によれば、第1実施形態と同様に、ポンプによるコストアップ及び信頼性の低下を防止しつつ、冷凍能力の向上を図ることができる。
さらに、第3実施形態によれば、冷媒冷却器70が、冷媒溜め部90に溜められた未蒸発冷媒液を沸騰させて冷媒分配器31まで移送する気液ポンプとして機能するため、電動ポンプなしに未蒸発冷媒液を再度第2冷水伝熱管32に滴下することができ、より一層の冷凍能力の向上を図ることができる。さらに、冷媒冷却器70を気液ポンプとして機能させる際に、冷媒液配管61を流れる冷媒液を冷媒冷却器70にて冷却して蒸発器30の冷媒分配器31まで送り込むことができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、各実施形態を組み合わせてもよい。
例えば、上記第1及び第2実施形態において冷媒冷却器70は、蒸発器30の下部に設けられているが、特にこれに限らず、未蒸発冷媒液を利用して蒸発器30に流入する冷媒液を冷却できれば、蒸発器30の下部以外の位置に設けられていてもよい。また、冷媒冷却器70の構成も冷媒溜め部71と熱交換用配管72とからなる構成に限るものではない。
また、第2実施形態に係る気泡ポンプ80の加熱は稀溶液にて行われているが、これに限らず、他の加熱源を備えていてもよい。加えて、気泡ポンプ80は、図7〜図9に示す構造のものに限られるものではない。
また、上記実施形態では、1つの再生器10により稀溶液が加熱される構成となっているが、これに限らず、高温再生器及び低温再生器などの複数の再生器10により構成されていてもよい。さらに、上記実施形態においては、熱交換器等の他の構成を各所に設けるようにしてもよい。
1〜3 :吸収式冷凍機
10 :再生器
20 :凝縮器
21 :第1冷水伝熱管
30 :蒸発器
31 :冷媒分配器
32 :第2冷水伝熱管(伝熱管)
40 :吸収器
41 :第3冷水伝熱管
50 :溶液ポンプ
61 :冷媒液配管
62 :稀溶液配管
63 :濃溶液配管
70 :冷媒冷却器
71 :冷媒溜め部
72 :熱交換用配管
73 :入口
74 :出口
75a〜75h :直管
76a〜76e :ヘッダー部材
80 :気泡ポンプ
81 :一端
82 :他端
83 :配管
84 :ストレート管
84a :第1ストレート管
84b :第2ストレート管
85 :吐出管
85a :傾斜部
90 :冷媒溜め部
91 :第2冷媒液配管
FL1 :液位
FL2 :液位
UEP :下端部

Claims (8)

  1. 稀溶液を加熱して冷媒蒸気と濃溶液とを生成する再生器と、前記再生器で生成された冷媒蒸気を凝縮する凝縮器と、前記凝縮器で凝縮された冷媒液を受け入れて冷液が流れる伝熱管に滴下させて蒸発させる冷媒分配器を有した蒸発器と、前記蒸発器で蒸発した冷媒蒸気を前記再生器で生成された濃溶液に吸収させて稀溶液を生成する吸収器と、を備え、前記吸収器で生成された稀溶液を前記再生器へ送る吸収冷凍サイクルを形成した吸収式冷凍機であって、
    前記凝縮器と前記蒸発器との高低差を利用して前記凝縮器から前記蒸発器まで冷媒液を移送する冷媒液配管と、
    前記伝熱管に滴下され蒸発しなかった未蒸発冷媒液を利用して前記冷媒液配管内の冷媒液と熱交換する冷媒冷却器と、
    を備えることを特徴とする吸収式冷凍機。
  2. 前記冷媒冷却器は、前記伝熱管の下部に設けられ前記伝熱管に滴下され蒸発しなかった未蒸発冷媒液を溜める冷媒溜め部と、入口及び出口が共に前記冷媒液配管に接続されて冷媒液が流れると共に前記冷媒溜め部に溜められた未蒸発冷媒液に浸された状態となる熱交換用配管と、を備えて構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の吸収式冷凍機。
  3. 一端が前記冷媒溜め部に接続されて他端が開放端となり下側に凸となる略U字又は略V字形状の配管によって形成され、冷凍機停止時に加熱され前記配管内の未蒸発冷媒液を沸騰させることで、前記冷媒溜め部に溜められた未蒸発冷媒液を前記一端側から他端側へ移送して他端の開放端から排出する気泡ポンプをさらに備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の吸収式冷凍機。
  4. 冷凍機運転中において前記吸収器で生成された稀溶液を前記再生器へ送り冷凍機停止時には動作を停止する溶液ポンプをさらに備え、
    前記気泡ポンプは、前記溶液ポンプの動作時には稀溶液に浸漬せず、前記溶液ポンプの停止時において一部が稀溶液に浸漬することで加熱される構成となっている
    ことを特徴とする請求項3に記載の吸収式冷凍機。
  5. 前記気泡ポンプは、一端側から略直線状に垂下するストレート管と、前記ストレート管から延びると共に一端側よりも他端側が高くなるように鉛直方向に対して傾斜した傾斜部を有した吐出管とを備え、
    前記吐出管は、前記溶液ポンプの停止時において少なくとも前記傾斜部の一部が稀溶液に浸漬している
    ことを特徴とする請求項4に記載の吸収式冷凍機。
  6. 前記ストレート管は、前記吐出管よりも管径が大きくされている
    ことを特徴とする請求項5に記載の吸収式冷凍機。
  7. 前記ストレート管は、前記冷媒溜め部から略直線状に垂下する第1ストレート管と、前記第1ストレート管の少なくとも一部の外周側を覆う第2ストレート管とからなる二重構造となっており、
    前記吐出管は、前記第2ストレート管のうち前記第1ストレート管の下端部よりも上側となる位置に接続されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の吸収式冷凍機。
  8. 前記伝熱管の下部に設けられ前記伝熱管に滴下され蒸発しなかった未蒸発冷媒液を溜める冷媒溜め部をさらに備え、
    前記冷媒冷却器は、前記冷媒溜め部に溜められた未蒸発冷媒液を導入して、前記冷媒液配管を流れる冷媒液と熱交換することで未蒸発冷媒液を沸騰させて前記冷媒分配器まで移送する気液ポンプとして機能する
    ことを特徴とする請求項1に記載の吸収式冷凍機。
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