JP2017105995A - 常温硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

常温硬化性エポキシ樹脂組成物 Download PDF

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博 杉田
橋本 学
Manabu Hashimoto
橋本  学
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Hirokazu Murakami
広和 村上
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Abstract

【課題】加熱することなく、常温のみならず特に低温下において迅速に硬化しうる常温硬化性エポキシ樹脂組成物の提供、及び、該組成物を用いた接着剤と、該組成物を用いた構造物の補修・補強方法の提供。【解決手段】常温硬化性エポキシ樹脂組成物を、(A)成分であるオキシラン環を分子内に少なくとも2つ以上有するエポキシ樹脂と、(B)成分であるアミン系化合物、及びその変性物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物と、(C)成分であるハロゲン化ホウ素又はその錯体からなる化合物の少なくとも一方から選ばれた1種以上の化合物と、(D)フェノール系化合物とを必須成分として含有することを特徴とするものとすることにより、硬化物の力学的性質を低下させることなく、常温、特には冬季屋外などの低温環境雰囲気下においても加熱することなく迅速硬化し、十分な可使時間の確保がされ、さらに、該エポキシ樹脂組成物を用いることで、低温環境雰囲気下において、十分な可使時間を備えつつも硬化する注入剤、コーティング、接着剤が提供でき、構造物の補修・補強が可能となる。【選択図】なし

Description

本発明は、常温硬化性エポキシ樹脂硬化性組成物に関し、具体的には、エポキシ樹脂組成物を加熱することなく、常温、特に低温下においても加熱することなく迅速に硬化し、且つ十分な可使時間の確保がされる常温硬化性エポキシ樹脂組成物に関するものである。
従来より、エポキシ樹脂と硬化剤とからなる2液型硬化性組成物は、種々の用途に用いられている。例えば、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤とからなる2液型硬化性組成物は、常温硬化性、接着性、耐久性、機械的特性に優れているという観点で、コンクリート構造物や鋼構造物等の構造物の補修・補強工事や、ひび割れ注入、あと施工アンカーボルトの固着等の用途で、またエポキシ樹脂とポリチオール系硬化剤とからなる2液型硬化性組成物は、低温硬化性、および速硬化性という観点から、緊急補修用の接着剤やコーティング剤、およびアミン系硬化剤と併用して注入補修用の接着剤、あと施工アンカーボルトの固着用の接着剤として広く用いられている。
このような補修・補強工事のほとんどは、場所や季節の如何に関わらず実施される傾向にあるため、外気温の影響を多大に被るが、特に冬季や気温の低い場所において工事を実施するためには、2液型硬化性組成物が有している低温硬化性が良好であることが求められる。
しかしながら、脂肪族ポリアミンや脂環式ポリアミン類等のアミン系化合物をエポキシ樹脂の硬化剤として用いた場合、常温における硬化性は良好であるものの、低温における硬化性が著しく遅延するという欠点があった。
このような欠点を改善すべく、従来から様々な材料・技術が提案されてきた。例えば、エポキシ樹脂の低温硬化性を確保するために、三級アミン系化合物とポリメルカプタン系化合物とを併用してエポキシ樹脂を硬化させる公知の方法がある。しかしこれらの化合物の組み合わせによって硬化させたエポキシ樹脂組成物は、ポリアミン系化合物によって硬化させたエポキシ樹脂組成物と比較して耐水性に乏しく、風雨に晒される屋外土木構造物の補修、補強工事用途としては、中長期的な耐久性という観点において十分信頼のおけるものではなかった。
また、低温でも硬化が速いアミン化合物として、ノルボルナンジアミン、メタキシリレンジアミンのマンニッヒ変性物などの材料があるが、日中の最高気温が5℃前後であるような環境条件下で求められる硬化性は十分ではなかった。
また、エポキシ樹脂とアミン系化合物からなる2液型硬化性組成物の硬化促進剤として、フェノール系化合物の配合が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、冬季や気温の低い場所において求められる低温硬化性を得るには不十分であった。
特許第5000180号広報
本発明は、加熱することなく、常温のみならず、特に低温下においても迅速に硬化し、且つ、十分な可使時間の確保がされ、得られる硬化組成物の機械的強度、耐水性、耐久性が良好である、常温硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、本発明に係る組成物は、以下の構成を採用するものである。即ち、本発明は、(A)成分:オキシラン環を分子内に少なくとも2つ以上有するエポキシ樹脂と、(B)成分:アミン系化合物、及びその変性物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物と、(C)成分:ハロゲン化ホウ素又はその錯体からなる化合物の少なくとも一方から選ばれた1種以上の化合物と、(D)成分:フェノール系化合物とを、必須成分として含有することを特徴とする常温硬化性エポキシ樹脂組成物に関するものである。
上記課題を解決するための第1の発明は、(A)成分:オキシラン環を分子内に少なくとも2つ以上有するエポキシ樹脂と、(B)成分:アミン系化合物、及びその変性物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物と、(C)成分:ハロゲン化ホウ素又はその錯体からなる化合物の少なくとも一方から選ばれた1種以上の化合物と、(D)成分:フェノール系化合物とを、必須成分として含有することを特徴とする常温硬化性エポキシ樹脂組成物である。
上記課題を解決するための第2の発明は、(C)成分が、三フッ化ホウ素又はその錯体からなる化合物の少なくとも一方から選ばれた1種以上の錯体である、上記第1の発明の常温硬化性エポキシ樹脂組成物である。
上記課題を解決するための第3の発明は、(A)成分100質量部に対して、(B)成分が5〜200質量部、(C)成分が0.1〜50質量部、(D)成分が1〜100質量部である、上記第1又は第2の発明の常温硬化性エポキシ樹脂組成物である。
上記課題を解決するため第4の発明は、上記第1〜第3のいずれか1の発明の常温硬化性エポキシ樹脂組成物からなる接着剤である。
上記課題を解決するため第5の発明は、上記第1〜第3のいずれか1の発明の常温硬化性エポキシ樹脂組成物からなる補修・補強剤である。
上記課題を解決するため第6の発明は、上記第1〜第3のいずれか1の発明の常温硬化性エポキシ樹脂組成物を用い、構造物の補修・補強工事を行うことを特徴とする構造物の補修・補強方法である。
本発明に係る常温硬化性エポキシ樹脂組成物は、(A)成分:オキシラン環を分子内に少なくとも2つ以上有するエポキシ樹脂と、(B)成分:アミン系化合物、及びその変性物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物と、(C)成分:ハロゲン化ホウ素またはその錯体からなる化合物の少なくとも一方から選ばれた1種以上の化合物と、(D)成分:フェノール系化合物を必須成分として含有する組成を採用することで、加熱することなく迅速に硬化し、十分な可使時間が確保され、且つ機械的強度、耐水性、耐久性に優れた硬化組成物が得られるという、優れた効果を発揮する。
本発明の常温硬化性エポキシ樹脂組成物は、冬季屋外のような低温環境雰囲気下においても、十分な可使時間を確保しつつも硬化するため、コンクリート構造物のひびわれ補修、浮き注入、隙間注入における注入剤、あるいは繊維シートや補強板により補修・補強するための含浸剤、コーティング剤、接着剤として使用することにより、それら構造物の補修・補強を、冬季屋外等の低温雰囲気下においても、容易、確実且つ強固に実施することができ、特に冬季や気温の低い場所における構造物や鋼構造物等の構造物の新設、改修、補修、補強工事における工程短縮に大きく貢献することが可能となる。
更に、補修・補強において、より速やかに硬化が完了し実用に供することが可能となる、或いは接着物が完全に固定されるまでの待機時間を短縮するなど、作業効率の改善効果を発揮する。
また、冬季屋外の施工条件下で迅速に硬化することにより、樹脂組成物は本来の機械的強度・接着性・耐久性をも速やかに発現する。これによって施工後に予期せぬ地震、降雨、風圧などが作用しても、十分に硬化したエポキシ樹脂組成物の存在により、構造物の破損や劣化を未然に防止するという効果を発揮する。
更に、冬季屋外の施工においては、気温や湿度の変化による、施工対象面の結露や白化、アミンブラッシングなど、構造物補修、補強の効果を損なうような、好ましくない現象が発生することがしばしばあるが、本発明に係る常温硬化性エポキシ樹脂組成物を接着剤やコーティング剤として使用することで、硬化途中の組成物が環境因子に暴露される時間をより短くすることが可能となり、好ましくない現象の発生リスクを大幅に低減するという効果を発揮する。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に記載する。なお、本発明はこれらの例示にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更を加え得ることは勿論のことである。
[(A)成分について]
本発明に係る(A)成分は、分子内に2個以上のオキシラン環を含む、常温で液状または固形状の樹脂である。
本発明に使用される分子内に2個以上のオキシラン環を含む化合物(A)は、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、カテコール、レゾルシノール等の多価フェノール、グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル;P−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル;フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル;さらにはエポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン、環式脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン樹脂、その他ウレタン変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
市販されているエポキシ樹脂製品としては例えば三菱化学株式会社製のjER(登録商標)828、1001、801、806、807、152、604、630、871、YX8000、YX8034、YX4000、DIC株式会社製のエピクロン(登録商標)830、835LV、HP4032D、703、720、726、HP820、株式会社ADEKA製のEP4100、EP4000、EP4080、EP4085、EP4088、EPU6、EPR4023、EPR1309、EP49−20等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは、それぞれ単独で用いることも、また二種以上を混合して用いても良く、常温で固形状の(A)成分は、適宜他の液状成分に溶解して使用してもよい。
[(B)成分について]
本発明に用いる(B)成分は、アミン系化合物、及びその変性物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物である。
アミン系化合物としては、アンモニアの誘導体でアルキル基やアリール基でその水素が一つ置換された一級アミン化合物、二つ置換された二級アミン化合物、三つ置換された三級アミン化合物が挙げられる。より具体的には鎖状脂肪族系アミン、環状脂肪族系アミン、芳香族系アミン、ポリアミドアミンよりなる群から選ばれる少なくとも1種のアミン系化合物が挙げられる。これらは1つの分子内に一級アミン、二級アミン、三級アミンが複数個混在しても良い。
これらアミン系化合物においては、エポキシ樹脂と重合する際、より高分子になり、且つ三次元網目構造を構築し易く、その硬化物の機械的強度、および耐水性が優れるという理由により、分子内に2個以上のアミン窒素原子をもつ化合物、更に好ましくは一級アミンまたは二級アミンから選ばれる、2 〜 6 個のアミン窒素原子をもつアミン系化合物が好ましい。
鎖状脂肪族ポリアミンとしては、メチレンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、ジプロピレンジアミン、ジプロピレントリアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、1 , 2 − ジアミノプロパン、トリプロピレンテトラミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、リシン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
環状脂肪族ポリアミンとしては、N − アミノエチルピペラジン、ビス( 4 − アミノ− 3− メチルジシクロヘキシル) メタン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス( アミノメチル) シクロヘキサン、3 , 9 − ビス( 3 − アミノプロピル) − 2 , 4 , 8 , 1 0 − テトラオキサスピロ( 5 . 5 ) ウンデカン、1 , 4− シクロヘキサンジアミン、4 , 4 ’ − メチレンビスシクロヘキシルアミン、4 , 4 ’ −イソプロピリデンビスシクロヘキシルアミン、ノルボルナジアミン、ビス( アミノメチル) シクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
芳香族ポリアミンとしては、o − キシリレンジアミン、M − キシリレンジアミン、P −キシリレンジアミン、ビス( アミノアルキル) ベンゼン、ビス( アミノアルキル) ナフタレン、M − フェニレンジアミン、P − フェニレンジアミン、トリレン− 2 , 4 − ジアミン、トリレン− 2 , 6 − ジアミン、メシチレン− 2 , 4 − ジアミン、メシチレン− 2 , 6 −ジアミン、3 , 5 − ジエチルトリレン− 2 , 4 − ジアミン、3 , 5 − ジエチルトリレン−2 , 6 − ジアミン、ビフェニレンジアミン、4 , 4 − ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルフェニルメタン、2 , 2 − ビス( 4 − アミノフェニル) プロパン、2 , 5 − ナフチレンジアミン、2 , 6 − ナフチレンジアミン、4 , 4 ’ − ジアミノジフェニルエーテル、4 , 4 ’ − ジアミノベンゾフェノン、4 , 4 ’ − ジアミノジフェニルエーテル、4 ,4 ’ − ジアミノジフェニルスルホン、2 , 2 ’ − ジメチル− 4 , 4 ’ − ジアミノジフェニルメタン、2 , 4 ’ − ジアミノビフェニル、2 , 3 ’ − ジメチル− 4 , 4 ’ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ’ − ジメトキシ− 4 , 4 ’ − ジアミノビフェニル、ビス( アミノメチル) ナフタレン、ビス( アミノエチル) ナフタレン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
二級アミンとしては、エチレンイミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−N−ブチルジエタノールアミン、N−tert−ブチルエタノールアミン、チミン、プロリンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1つの分子内に一級アミン、二級アミンが混在している化合物としては、例えばトリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、N−(β−アミノエチル)イソプロパノールアミン、トリプトファン、グアニジン、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジッド類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
三級アミンとしては、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、トリエタノールアミン、ピペリジン、N,N−ジメチルピペラジン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルイソプロパノールアミン、N−T−ブチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネンなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1つの分子内に一級アミン、三級アミンが混在している化合物としては、例えばジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノピペラジンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1つの分子内に二級アミン、三級アミンが混在している化合物としては、例えばイミダゾール、ピラゾール、ベンゾイミダゾール、4-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1つの分子内に一級アミン、二級アミン、三級アミンが混在している化合物としては、例えばポリエチレンイミン、シトシン、グアニン、β-アラニル-N-メチルヒスチジン、N-β-アラニル-L-ヒスチジンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ポリアミドアミンとしては、ジカルボン酸とポリアミンの縮合反応により生成される、分子中に反応性のモノアミン、及びジアミンを有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ポリアミドアミンの合成に使用されるジカルボン酸の具体例としては、重合脂肪酸、単量体脂肪酸、エポキシ化不飽和脂肪酸、アルケニルコハク酸、二塩基性シクロヘキサン環結合化合物等が挙げられる。また、ポリアミンの具体例としては、ポリエチレンポリアミン: エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリオキシアルキレンポリアミン、メタキシレンジアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、上記(B)成分であるアミン系化合物の変性物としては、これらのエポキシアダクト反応生成物、ダイマー酸付加反応生成物、カルボン酸付加反応生成物、マンニッヒ反応生成物、シアノエチル化反応生成物、マイケル付加反応生成物、ケチミン化反応生成物、イソシアネート反応生成物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(B)成分は、これらに限定されるものではなく、それぞれ単独で用いることも、また二種以上を混合して用いても良い。
[(C)成分について]
本発明に用いる(C)成分は、ハロゲン化ホウ素又はその錯体からなる化合物の少なくとも一方から選ばれた1種以上の化合物であり、エポキシ樹脂とアミン系化合物又はその変性物との硬化反応を促進させるものである。
上記ハロゲン化ホウ素としては、例えば三フッ化ホウ素、三臭化ホウ素、三塩化ホウ素が挙げられる。その中でも取り扱いの容易さ、入手のし易さの点から、三フッ化ホウ素が好ましい。
上記三フッ化ホウ素の錯体としては、モノエチルアミンやピペラジン等のアミン系化合物と三フッ化ホウ素の錯体、フェノール錯体、テトラヒドロフラン錯体、ジエチルエーテル錯体、N−ブチルエーテル錯体、アニリン錯体、ピペラジン錯体、水錯体、メタノール錯体、アセトニトリル錯体、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。この中で入手のし易さ、常温において固体であること、刺激性が比較的少なく取扱いが容易である、という観点から、三フッ化ホウ素のアミン錯体が好ましい。
[(D)成分について]
(D)成分は、フェノール系化合物であり、エポキシ樹脂とアミン系化合物又はその変性物との硬化反応を促進させるものである。
上記フェノール系化合物としては、クレゾール、4−エチルフェノール、スチレン化フェノール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、パラ-tert-ブチルフェノール、フロログルシノール、ピロガロール、ヒドロキシヒドロキノン、カテコール、アミノフェノール、ブチルフェノール、炭素数16以下のアルキル鎖を有するアルキルフェノール等のフェノール類、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、サリチル酸、フェノールフタレイン、ナフトールのようなフェノール誘導体、フェノール樹脂、チロシン、プロリンのようなアミノ酸、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、レゾール樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレン樹脂、4-ヒドロキシフェニルメタクリレート等が挙げられる。
これらの成分(D) は、常温で液体であっても固体であってもよいが、4−エチルフェノール、スチレン化フェノール、および一部のフェノール樹脂、例えば明和化成株式会社製フェノール樹脂、「MEH−8000H」は常温で液体であり、容易に他成分と混合できる点から好ましい。
一方、レゾルシノール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、パラ−tert-ブチルフェノール、フロログルシノール、ピロガロール、ヒドロキシヒドロキノン、カテコールのような成分(D)は、常温で固体ではあるものの、1分子中に含まれるフェノール性水酸基の数が多く、少量の使用で大きな促進効果が得られるという観点から、他の成分に溶解して使用することが好ましく、入手のし易さ、溶解性の高さという観点より、ビスフェノールA、レゾルシノール、パラ−tert-ブチルフェノールが最も好ましい。
固体の(D)成分を、予め他の液状化合物、または溶剤に溶解させて使用することもできる。例えば成分(A)または成分(B)に溶解、混合し、硬化性組成物を調製することもできる。前記化合物としては、固体の成分(D) を溶解できる化合物であり、本発明の効果を損なわないものであれば、特に限定されるものではない。
また、成分(D)を、使用時に溶解させて使用することもできる。使用時に溶解する手法としては固体の成分(D) を溶解できる化合物に溶解する方法、または加温により溶解する方法のいずれか一方、または両者を併用しても良い。
成分(D)は、これらに限定されるものではなく、また2種類以上組み合わせて使用しても良い。
[(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分の割合について]
(B)成分、(C)成分、(D)成分は、所望の可使時間を確保するために、適宜選択すれば良く、各々1種単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
(B)成分の混合量としては、(A)成分100質量部に対して5〜200質量部が好ましい。(B)成分の混合量が5質量部を下回ると、硬化が不十分となる等の問題が発生する可能性があり、200質量部を上回ると、硬化物が柔軟になり過ぎたり、十分な可使時間が確保されない場合がある。
(C)成分の混合量としては、(A)成分100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましい。更に0.1〜10質量部が好ましく、それより更に0.1〜5質量部が最も好ましい。(C)成分の混合量が0.1質量部を下回ると、低温における硬化性が不十分となる等の問題が発生する可能性があり、50質量部を上回ると、十分な可使時間や耐久性が発揮されない場合がある。
(D)成分の混合量としては、(A)成分100質量部に対して、1〜100質量部が好ましく、更に1〜25質量部が好ましい。更に(D)成分の混合量が1質量部を下回ると、低温における硬化が不十分となる等の問題が発生する可能性があり、100質量部を上回ると、十分な可使時間や耐久性が発揮されない場合がある。
[その他の成分について]
本発明の硬化剤組成物は、更にシランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機アルミニウム化合物、ポリチオール化合物、溶剤、フィラー、レベリング剤、消泡剤、粘度調整剤、希釈剤、熱可塑性樹脂、添加剤、可塑剤、染料、顔料、顔料分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、たれ止剤、硬化促進剤等の公知の任意成分を含有させることができる。これらの任意の成分の含有量としては、本発明の所定の効果に影響を及ぼさない限り特に限定されるものではなく、所望の範囲で適用される。これらの任意成分は、硬化剤組成物として、また、後述の硬化剤において、本発明の効果が損なわれない範囲で適宜設定して配合される。
シランカップリング剤としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、P-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3-ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、およびこれらのオリゴマー体が挙げられる。
チタンカップリング剤としては、例えばテトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラオクチルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、ドデシルベンゼンスルホン酸チタン化合物、リン酸チタン化合物、チタンオクチレングリコレート、チタンエチルアセトアセテート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ-TERT-ブチルチタネート、テトラステアリルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート化合物、チタンオクチレングリコレート、チタンイソステアレート、チタンラクテート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンジエタノールアミネート、チタンアミノエチルアミノエタノレート等が挙げられる。
有機アルミニウム化合物としては、例えばアルミニウム-SEC-ブトキシド、アルミニウム-トリス-アセチルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート、アルミニウム-トリス-エチルアセトアセテート等が挙げられる。
ポリチオール化合物としては、分子中に少なくとも2個のチオール基を有する化合物であり、特に限定されるものではないが、例えば、ポリオキシプロピレンポリ2- ハイドロオキシチオール、エチレングリコール型ジ(ポリ) ハイドロオキシチオール、リモネンジハイドロオキシチオール、ビスフェノールA 型ジハイドロオキシチオール、ビスフェノールF 型ジハイドロオキシチオール等のエーテル型ポリメルカプタンやフタル酸エステル型ジメルカプタン、トリメチロールプロパンポリメルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールポリメルカプトプロピオネート等のエステル型ポリメルカプタン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
溶剤としては、テトラヒドロフラン、1,2- ジメトキシエタン、1,2- ジエトキシエタン等のエーテル; イソ− 又はN- ブタノール、イソ− 又はN- プロパノール、アミルアルコール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等のアルコール; メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン等のケトン; 酢酸エチル、酢酸N- ブチル等のエステル; ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素; テレピン油、D- リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油; 高沸点パラフィン系溶剤; アニリン; トリエチルアミン; ピリジン; ジオキサン; アセトニトリル等が挙げられる。
フィラーとしては、アルミニウム; 亜酸化鉛; 水和アルミナ; 珪藻土; 亜鉛;炭酸カルシウム; 炭酸バリウム; 硫酸バリウム; ガラス繊維; ガラスビーズ; ガラスマイクロバルーン; 炭素繊維; セルロース; ケイ砂; セメント; カオリン; クレー; 水酸化アルミニウム; ベントナイト; シリカ; 二酸化チタン; カーボンブラック; グラファイト;酸化鉄; 瀝青物質; ウォラストナイト; パイロフィライト等の含水ケイ酸アルミニウム系粘土鉱物; タルク等の含水ケイ酸マグネシウム系粘土鉱物、シラスバルーン等の火山性鉱物、フライアッシュバルーン等、火力発電事業に伴い発生する副生成物、金属粉等が挙げられる。これらのフィラーの形状は、特に限定されず、繊維状、( 微) 粉末状、粒状、フレーク状、板状、棒状等いずれの形状であってもよい。
レベリング剤及び消泡剤としては、アクリル酸エステル、アクリル酸エステルとビニル系化合物の共重合体、脂肪族多価カルボン酸等のアクリル系レベリング剤; イソパラフィン; 流動パラフィン; シリコーンオイル; ポリシロキサン系オリゴマー; フッ素系化合物等が挙げられる。
粘度調整剤としては、合成シリカ; アマイドワックス等のワックス; ベントナイト等の粘土鉱物; コロイド炭酸カルシウム等が挙げられる。
希釈剤としては、キシレン樹脂; ジオクチルフタレート; ジブチルフタレート; ベンジルアルコール; メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン; ブタノール等のアルコール; キシレン等の芳香族炭化水素; エチレンジクロライド; アクリロニトリル; メチル−tert−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。
熱可塑性樹脂として塩化ゴム、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン; (メタ) アクリル酸メチル系共重合体、(メタ) アクリル酸エチル系共重合体、(メタ) アクリル酸プロピル系共重合体、(メタ) アクリル酸ブチル系共重合体、(メタ) アクリル酸シクロヘキシル系共重合体等のアクリル系樹脂; 塩化ビニル− 酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル− プロピオン酸ビニル共重合体、塩化ビニル− イソブチルビニルエーテル共重合体、塩化ビニル− イソプロピルビニルエーテル共重合体、塩化ビニル− エチルビニルエーテル共重合体等の塩化ビニル系樹脂( 塩化ビニル共重合体); スチレン系樹脂; ポリビニルアセタール樹脂;芳香族系石油樹脂; 脂肪族系石油樹脂; 尿素アルデヒド縮合系樹脂;ケトン系樹脂;ポリビニルピロリドン樹脂;ボリアクリルアミド樹脂等も挙げられる。
添加剤としては、例えば、トリメチルアミン、エチルジメチルアミン、プロピルジメチルアミン、N , N ’ − ジメチルピペラジン、ピリジン、ピコリン、1,8- ジアザビスシクロ(5,4,0) ウンデセン− 1 ( D B U )等の三級アミン;フェノールノボラック、o- クレゾールノボラック、P- クレゾールノボラック、tert − ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、ビスフェノールA 、ビスフェノールF 、フェノール、炭素数16以下のアルキル鎖を有するアルキルフェノール等のフェノール系化合物;P- トルエンスルホン酸、チオシアン酸の1- アミノピロリジン塩; トリフェニルホスファイト、ジフェニルハイドロゲンホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト等の亜リン酸フェニルエステル; トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価アルコール、アミノ酸等が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル等の多塩基酸エステル; ジエチレングリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールジオクトエート、グリセロールトリブチレート等の多価アルコールエステル; 9,10− エポキシステアリン酸オクチル、エポキシ化植物油、4,5- エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル等のエポキシ化エステル; トリフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、ジフェニルモノイソプロピルホスフェートのリン酸エステル等が挙げられる。
染料及び顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、黄鉛、ジスアゾ系イエロー、キノフタロン系イエロー、モノアゾ系レッド、ベンズイミダゾロン系レッド、フタロシアニンブルー等が挙げられる。
顔料分散剤としては、例えば高分子脂肪酸誘導体の溶液、有機変性ポリシロキサンを含む高分子脂肪酸誘導体の溶液、アミン誘導体含有高分子ポリカルボン酸溶液、ポリエーテル類、変性ポリエーテル重合物のリン酸エステル、脂肪酸誘導体、変性ポリエーテル重合物のリン酸エステル、脂肪酸誘導体と顔料親和性を持つポリマーおよびその水溶液、カオチン系界面活性剤、変性ポリエステル化合物、脂肪酸誘導体溶液、ウレタンポリマー、アクリルポリマーのナトリウム塩、ノニオン活性剤、顔料親和性官能基を持つ高分子ポリマー、顔料親和性官能基を持つコポリマーの水溶液、顔料親和性官能基を持つ高分子ポリマー、顔料親和性官能基を持つ高分子ポリマー、大豆レシチンおよびその変性物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン等のヒンダードフェノール系酸化防止剤; ジラウリルチオジプロピオネート、2- メルカプトベンゾイミダゾール等の硫黄系酸化防止剤; トリデシルホスファイト、トリウリルトリチオホスファイト等の亜リン酸エステル等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2 ( 2,- ヒドロキシ− 5’- メチルフェニル) ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物; 2,4- ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物; サリチル酸フェニル等のサリチル酸エステル系化合物等が挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6-− テトラメチル-4 - ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系化合物等が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、三酸化アンチモン、塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、リン酸エステル等が挙げられる。
たれ止剤としては、例えば、コロイダルシリカ、水添ヒマシ油系ワックス、ポリエチレンワックス、アマイドワックス、有機ベントナイト、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
硬化促進剤としては、例えば三級アミン化合物、二級アミン化合物、イミダゾール類、カルボキシル基含有化合物、酸無水物、リン系化合物、フェノール性水酸基含有化合物、アルコール性水酸基含有化合物、水等が挙げられる。
[エポキシ樹脂硬化用樹脂組成物の形態]
上記硬化性樹脂組成物は、保存安定性を損ねない範囲で、成分(A)〜(D)より選ばれる任意の2成分、あるいは3成分同士を予め混合して使用しても良い。
上記硬化性樹脂組成物は、保存安定性を損ねない範囲で、成分(A)〜(D)にその他の成分を予め混合、或いは溶解して使用しても良い。
(A)〜(D)成分を収納する容器は、硬化性樹脂組成物がその材質に変形、溶解、変質、染み出し、ひび割れ、変色、デラミ、破裂等、異常な作用を及ぼさない限り、ガラス容器、プラスチック容器、ラミネート容器、パウチ容器、カートリッジ型容器など、通常エポキシ樹脂接着剤や補修剤で使用される容器を使用することができる。
上記硬化性樹脂組成物は、(C)成分、および/又は(D)成分を含まない別のエポキシ樹脂硬化性組成物に添加して使用することができる。この場合(C)成分、(D)成分は、予め混合して添加してもよいし、それぞれ別個に添加してもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<エポキシ樹脂組成物の製造、及び、可使時間、硬化時間及び固定時間の評価方法>
以下に実施例及び比較例として示すエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例1)
(A)成分であるjER828(ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、三菱化学株式会社製、商品名)、50質量部、エピクロン830(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、DIC株式会社製、商品名)25質量部、SR−NPG(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、阪本薬品工業株式会社製、商品名)25質量部に、(D)成分であるビスフェノールAP(ビスフェノールA、三井化学株式会社製、商品名)10質量部をガラス瓶に加え、80℃2時間加温しながら攪拌してビスフェノールAPを完全に溶解させ、均一な溶液[主剤1]を得た。
(B)成分である1,3-BAC(1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、三菱ガス化学株式会社製、商品名)19部に、(C)成分の三フッ化ホウ素モノエチルアミン(ステラケミファ株式会社製)1質量部を加え、窒素雰囲気下で60℃約1時間半、加温しながら攪拌し、三フッ化ホウ素モノエチルアミンを完全に溶解させ均一な溶液[硬化剤1]を得た。
[主剤1]と[硬化剤1]を、110:20の質量比で混合し、実施例1の常温硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。
そして、作製した常温硬化性エポキシ樹脂組成物について、以下の項目の評価を行った。
[常温硬化性]
23℃雰囲気下で、ポリエチレン容器中に、上記常温硬化性エポキシ樹脂組成物の総量が約20gとなるよう反応硬化させ、ポリエチレン容器から脱型できるようになるまでの時間を測定する。
[低温硬化性]
幅100mm、長さ400mm、高さ100mmの直方体コンクリートブロックの上面に直径14.5mm,深さ50mmの円柱形の穴を開ける。-5℃環境下で、上記常温硬化性エポキシ樹脂組成物を注入し、その上からM12のアンカーボルトを差し込み、同環境下で静置し、アンカートルクが60N以上発現するまでの時間を測定する。
[圧縮強さ]
23℃雰囲気下で、表面に離型剤を塗布した型枠に、上記常温硬化性エポキシ樹脂組成物を注入し、同環境下で7日間養生する。養生後、硬化物を型枠から取り外し、表面を研磨して寸法12.7mm±0.3mm×12.7mm±0.3mm×25.4mm±0.3mmの試験体を調製する。得られた試験体を、23℃雰囲気下で、圧縮試験機を用いて圧縮速度10±0.2mm/分で圧縮した際の圧縮応力を測定する。
[可使時間]
5℃雰囲気下で、上記常温硬化性エポキシ樹脂組成物の総量が約100gとなるよう[主剤1]と[硬化剤1]を所定の質量比で混合し、同環境下で30分経過後の流動性の有無を確認する。
判定基準○:使用するために十分な流動性を有する×:粘度が上昇もしくは硬化している。
(実施例2)
実施例1における(C)成分の三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体を、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体(東京化成工業株式会社製、試薬)1質量部に変更した以外は、実施例1と同一の方法で評価をおこなった。
(実施例3)
実施例1における(C)成分の三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体を、三フッ化ホウ素ブチルエーテル錯体(東京化成工業株式会社製、試薬)1質量部に変更した以外は、実施例1と同一の方法で評価をおこなった。
(実施例4)
実施例1における(C)成分の三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体を、三フッ化ホウ素メタノール錯体(Ardrich株式会社製、試薬)1質量部に変更した以外は、実施例1と同一の方法で評価をおこなった。
(実施例5)
実施例1における(C)成分の三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体を、三フッ化ホウ素アセトニトリル錯体(Ardrich株式会社製、試薬)1質量部に変更した以外は、実施例1と同一の方法で評価をおこなった。
(実施例6)
実施例1における(C)成分の三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体を、三フッ化ホウ素水錯体(Ardrich株式会社製、試薬)1質量部に変更した以外は、実施例1と同一の方法で評価をおこなった。
(比較例1)
(A)成分であるjER828を50質量部、エピクロン830を25質量部、SR−NPGを25質量部混合し、均一な溶液[主剤2]を得た。
実施例1における[主剤1]を、[主剤2]に変更し、質量比100:20の割合で混合した以外は、実施例1と同一の方法で評価をおこなった。
(比較例2)
実施例2における[主剤1]を、[主剤2]に変更し、質量比100:20の割合で混合した以外は、実施例1と同一の方法で評価をおこなった。
(比較例3)
実施例3における[主剤1]を、[主剤2]に変更し、質量比100:20の割合で混合した以外は、実施例1と同一の方法で評価をおこなった。
(比較例4)
実施例4における[主剤1]を、[主剤2]に変更し、質量比100:20の割合で混合した以外は、実施例1と同一の方法で評価をおこなった。
(比較例5)
実施例5における[主剤1]を、[主剤2]に変更し、質量比100:20の割合で混合した以外は、実施例1と同一の方法で評価をおこなった。
(比較例6)
実施例6における[主剤1]を、[主剤2]に変更し、質量比100:20の割合で混合した以外は、実施例1と同一の方法で評価をおこなった。
(比較例7)
実施例1における[硬化剤1]を、(B)成分 である1,3-BACに変更し、質量比110:19の割合で混合した以外は、実施例1と同一の方法で評価をおこなった。
(比較例8)
実施例1における[主剤1]を、[主剤2]に、且つ[硬化剤1]を(B)成分である1,3-BACに変更した以外は、実施例1と同一の方法で評価をおこなった。
上記で得た実施例1〜6、比較例1〜8におけるエポキシ樹脂組成物の試験結果を表1に示す。
Figure 2017105995
(実施例7)
(A)成分であるjER828を50質量部、エピクロン830を50質量部に、(D)成分であるビスフェノールAPを10質量部ガラス瓶に入れ、80℃で2時間加温しながら攪拌してビスフェノールAPを完全に溶解させ、均一な溶液[主剤3]を得た。
ラッカマイドTD960(ポリアミドアミン、DIC株式会社製、商品名)36質量部、ラッカマイドWN155(変性脂肪族ポリアミン、DIC株式会社製、商品名)11質量部、アンカミンK54(2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールとビスジメチルアミノメチルフェノールの混合物、エアープロダクツジャパン社製、商品名)3質量部に、(C)成分の三フッ化ホウ素モノエチルアミン1質量部を加え、60℃、窒素雰囲気下で約1時間攪拌・混合し、三フッ化ホウ素モノエチルアミンを完全に溶解させ、[硬化剤2]を得た。
作成した[主剤3]、および[硬化剤2]を、質量比110:51の割合で混合し、常温硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。そして、実施例1と同様の方法で評価を行った。
(比較例9)
(A)成分であるjER828を50質量部、エピクロン830を50質量部混合し、均一な溶液[主剤4]を得た。実施例7における[主剤3] を[主剤4]に変更し、質量比100:51の割合で混合した以外は、実施例7と同様な方法で評価をおこなった。
(比較例10)
(B)成分であるラッカマイドTD960を36質量部、ラッカマイドWN155を11質量部、アンカミンK54の3質量部を、窒素雰囲気下で混合し、均一な溶液[硬化剤3]を得た。
実施例7における[硬化剤2]を、[硬化剤3]に変更し、質量比110:50の割合で混合した以外は、実施例7と同一の方法で評価をおこなった。
(比較例11)
実施例7における[主剤3]を、[主剤4]に変更し、且つ[硬化剤2]を[硬化剤3]に変更し、質量比100:50の割合で混合した以外は、実施例7と同一の方法で評価をおこなった。
上記で得た実施例7、比較例9〜11におけるエポキシ樹脂組成物の試験結果を表2に示す。
Figure 2017105995
(A)成分であるjER828を50質量部、エピクロン830を30質量部、SR−NPG20質量部に、(D)成分であるビスフェノールAP(ビスフェノールA、三井化学株式会社製、商品名)10質量部をガラス瓶に加え、80℃2時間加温しながら攪拌してビスフェノールAPを完全に溶解させ、均一な溶液[主剤5]を得た。
(実施例8)
(B)成分であるアミノアルコールMMA(N-メチルエタノールアミン(二級アミン)、日本乳化剤株式会社製、商品名)30部に、(C)成分の三フッ化ホウ素モノエチルアミン1質量部を加え、60℃、窒素雰囲気下で約1時間半攪拌し、三フッ化ホウ素モノエチルアミンを完全に溶解させ、均一な溶液[硬化剤4]を得た。
[主剤5] と[硬化剤4]を、質量比110:31の割合で混合し、常温硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。そして、作成した常温硬化性エポキシ樹脂組成物について、以下の項目の評価をおこなった。
[常温硬化性]
23℃雰囲気下で、ポリエチレン容器中に、上記常温硬化性エポキシ樹脂組成物の総量が約20Gとなるよう混合して反応硬化させ、ポリエチレン容器から脱型できるようになるまでの時間を測定する。
[塗膜硬化性]
348×25×2mmのアクリル板の周囲に、1mm(幅)×2mm(高さ)の発泡ポリエチレン製バッカーを接着して型枠を作成した。0℃雰囲気下で、上記常温硬化性エポキシ樹脂組成物を流し込み、表面を平滑にした後そのまま養生し、指で塗膜の表面に触れてもベタツキがなくなる最小の時間を測定した。
[可使時間]
5℃雰囲気下で、上記常温硬化性エポキシ樹脂組成物の総量が約100gとなるよう[主剤5]と[硬化剤4]を所定の質量比で混合し、同環境下で30分経過後の流動性の有無を確認する。
判定基準○:使用するために十分な流動性を有する×:粘度が上昇もしくは硬化している。
(比較例12)
(A)成分であるjER828を50質量部、エピクロン830を30質量部、SR−NPG20質量部をガラス瓶に加え攪拌混合し、均一な溶液[主剤6]を得た。
実施例8における[主剤5]を、[主剤6]に変更し、質量比100:31の割合で混合した以外は、実施例8と同様な方法で評価をおこなった。
(比較例13)
実施例8における[硬化剤4]を(B)成分であるアミノアルコールMMAに変更し、質量比110:30の割合で混合した以外は、実施例8と同一の方法で評価をおこなった。
(比較例14)
実施例8における[主剤5]を、[主剤6]に変更し、且つ[硬化剤4]を(B)成分であるアミノアルコールMMAに変更し、質量比100:30の割合で混合した以外は、実施例8と同一の方法で評価をおこなった。
(実施例9)
(B)成分であるアンカミンK54(2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールとビスジメチルアミノメチルフェノールの混合物、エアープロダクツジャパン社製、商品名)20部に、(C)成分の三フッ化ホウ素モノエチルアミン1質量部を加え、60℃、窒素雰囲気下で約1時間半攪拌し、三フッ化ホウ素モノエチルアミンを完全に溶解させ、均一な溶液[硬化剤5]を得た。
[主剤5]と[硬化剤5]を、110:21の質量比で混合し、常温硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。そして、作成した常温硬化性エポキシ樹脂組成物について、実施例8と同様の方法で評価をおこなった。
(比較例15)
実施例9における[主剤5]を[主剤6]に変更し、質量比100:21の割合で混合した以外は、実施例8と同様な方法で評価をおこなった。
(比較例16)
実施例9における[硬化剤5]を(B)成分であるアンカミンK54に変更し、質量比110:20の割合で混合した以外は、実施例8と同一の方法で評価をおこなった。
(比較例17)
実施例9における[主剤5]を[主剤6]に変更し、且つ[硬化剤5]を(B)成分であるアンカミンK54に変更し、質量比100:20の割合で混合した以外は、実施例8と同一の方法で評価をおこなった。
上記で得た実施例8〜9、比較例12〜17におけるエポキシ樹脂組成物の試験結果を表3に示す。
Figure 2017105995
(実施例10)
(A)成分であるjER828を70質量部、SR−NPG30質量部に、(D)成分であるビスフェノールAP10質量部をガラス瓶に入れ、80℃で2時間加温しながら攪拌してビスフェノールAPを完全に溶解させ、均一な溶液 [主剤7]を得た。
(B)成分であるラッカマイドWN155を33質量部、アンカミンK54を2質量部、(C)成分である三フッ化ホウ素モノエチルアミン1質量部、その他の成分であるチオコールLP-3(ポリチオール化合物、東レチオコール株式会社製、商品名)15質量部を加え、60℃、窒素雰囲気下で約1時間半攪拌し、三フッ化ホウ素モノエチルアミンを完全に溶解させ、均一な溶液 [硬化剤6]を得た。
作成した[主剤7]、および[硬化剤6]を、質量比110:51の割合で混合し、常温硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。そして、作成した常温硬化性エポキシ樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で評価を行った。
(比較例18)
(A)成分であるjER828を70質量部、SR−NPG30質量部をガラス瓶に加え、攪拌混合して、均一な溶液[主剤8]を得た。
実施例10における[主剤7]を[主剤8]に変更し、質量比100:51の割合で混合した以外は、実施例1と同様な方法で評価をおこなった。
(比較例19)
(B)成分であるラッカマイドWN155を33質量部、アンカミンK54を2質量部、その他の成分であるチオコールLP-3を15質量部加え、60℃、窒素雰囲気下で約1時間半攪拌し、均一な溶液 [硬化剤7]を得た。
実施例10における[硬化剤6]を[硬化剤7]に変更し、質量比110:50の割合で混合した以外は、実施例1と同一の方法で評価をおこなった。
(比較例20)
実施例10における[主剤7]を[主剤8]に、且つ [硬化剤6]を[硬化剤7]に変更し、質量比100:50の割合で混合した以外は、実施例1と同一の方法で評価をおこなった。
上記で得た実施例10、比較例18〜20におけるエポキシ樹脂組成物の試験結果を表4に示す。
Figure 2017105995
(実施例11)
(D)成分であるビスフェノールAP50質量部に、SR-NPGの200質量部を混合し、80℃で1時間撹拌して、均一な溶液[添加剤1]を得た。(表5)
Figure 2017105995
[主剤2]の100質量部に、[添加剤1]を25質量部混合し、均一な溶液[主剤9]を得た。
(B)成分である1,3-BACの100質量部に、三フッ化ホウ素モノエチルアミン5質量部を加え、60℃、窒素雰囲気下で約1時間半攪拌し、均一な溶液 [添加剤2]を得た。(表6)
Figure 2017105995
1,3-BACの12質量部に、[添加剤2]を11質量部混合し、均一な溶液[硬化剤8]を得た。
[主剤9]と[硬化剤8]を125:23の質量比で混合し、常温硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。そして、作成した常温硬化性エポキシ樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で評価を行った。
(比較例21)
実施例11における[主剤9]中の[添加剤1]を、SR-NPG20質量部に変更し、120:23の質量比で混合した以外は、実施例11と同一の方法で評価をおこなった。
(比較例22)
実施例11における[硬化剤8]中の[添加剤2]を、1,3-BAC10質量部に変更し、125:22の質量比で混合した以外は、実施例11と同一の方法で評価をおこなった。
(比較例23)
実施例11における[主剤9]を[主剤2]に、且つ[硬化剤8]中の[添加剤2]を、1,3-BAC7質量部に変更し、100:19の質量比で混合した以外は、実施例11と同一の方法で評価をおこなった。
上記で得た実施例11、比較例21,22,23におけるエポキシ樹脂組成物の試験結果を表7に示す。
Figure 2017105995
上記各組成物を用いて評価を行った結果、エポキシ樹脂組成物を、本発明のように「(A)成分:オキシラン環を分子内に少なくとも2つ以上有するエポキシ樹脂」と、「(B)成分:アミン系化合物、及びその変性物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物」と、「(C)成分:ハロゲン化ホウ素又はその錯体からなる化合物の少なくとも一方から選ばれた1種以上の化合物」と、「(D)成分:フェノール系化合物」という、特定の4成分を含有するものとすることにより、23℃における硬化時間が8分〜15分と、極めて迅速な硬化時間を有し、且つ、硬化物の圧縮強さが85MPa以上と、高い力学的性質を確保する、優れた効果を奏する新規の常温硬化性エポキシ樹脂組成物を得ることが可能になったことが明らかとなった(表1:実施例1〜実施例6、表2:実施例7、表3:実施例8,9、表4:実施例10、表7:実施例11)。
そしてさらに、エポキシ樹脂組成物を、本発明のように「(A)成分:オキシラン環を分子内に少なくとも2つ以上有するエポキシ樹脂」と、「(B)成分:アミン系化合物、及びその変性物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物」と、「(C)成分:ハロゲン化ホウ素又はその錯体からなる化合物の少なくとも一方から選ばれた1種以上の錯体と」と、「(D)成分:フェノール系化合物」という、特定の4成分を含有するものとすることにより、驚くべきことに、0℃〜5℃において、加熱をすることなく、塗膜の指触硬化時間が12時間以内、及び/又は硬化時間が24時間以内と十分迅速な硬化時間を有し、かつ、可使時間が5℃において30分経過後も使用するために十分な流動性を有し、冬期屋外などの低温雰囲気下においても十分な作業性が確保されるという、従来の課題が解決された大変優れた効果を奏する、新規の常温硬化性エポキシ樹脂組成物を得ることが可能になったことが明らかとなった(表1:実施例1〜実施例6、表2:実施例7、表3:実施例8,9、表4:実施例10、表7:実施例11)。
そして、(C)成分:モノエチルアミン等のアミン系化合物と三フッ化ホウ素の錯体、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体、三フッ化ホウ素ブチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素水錯体、三フッ化ホウ素メタノール錯体、三フッ化ホウ素アセトニトリル錯体はそれぞれ異なる特性を有しているが、これらを本発明の(C)成分として用い、またフェノール系化合物を(D)成分として、そして、(A)成分及び(B)成分と共に用いることで、上記のように、いずれも優れた効果を奏することが確認された。(表1:実施例1〜実施例6)
一方、上記(D)成分を加えず、樹脂組成物の基本成分が「(A)成分:オキシラン環を分子内に少なくとも2つ以上有するエポキシ樹脂」と「(B)成分:アミン系化合物、及びその変性物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物」と「(C)成分:ハロゲン化ホウ素又はその錯体からなる化合物の少なくとも一方から選ばれた1種以上の化合物」からなる比較例1〜6、9,18,21,23のエポキシ樹脂組成物は、23℃における硬化時間が、15分以上と、本願発明のものに比して長くかかり、特に5℃においては、40〜60時間と、実用範囲内において硬化しないものであった。(表1:比較例1〜6、表2:比較例9、表4:比較例18、表7:比較例21)
上記(D)成分を加えず、樹脂組成物の基本成分が「(A)成分:オキシラン環を分子内に少なくとも2つ以上有するエポキシ樹脂」と「(B)成分:アミン系化合物、及びその変性物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物」と「(C)成分:ハロゲン化ホウ素又はその錯体からなる化合物の少なくとも一方から選ばれた1種以上の化合物」からなる比較例12,15のエポキシ樹脂組成物は、23℃における硬化時間が、15分以上と、本願発明のものに比して長くかかり、特に0℃環境下における塗膜においては、40〜50時間と、実用範囲内において硬化しないものであった。(表3:比較例12,15)
また、上記(C)成分を加えず、樹脂組成物の基本成分が「(A)成分:オキシラン環を分子内に少なくとも2つ以上有するエポキシ樹脂」と「(B)成分:アミン系化合物、及びその変性物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物」と「(D)成分:フェノール系化合物」からなる比較例7,10,19,22,のエポキシ樹脂組成物は、23℃における硬化時間が15分以上と、本願発明のものに比して長くかかり、特に5℃においては、30〜40時間と、実用的に不十分な硬化速度であった。(表1:比較例7、表2:比較例10、:表4:比較例19、表7:比較例22)
上記(C)成分を加えず、樹脂組成物の基本成分が「(A)成分:オキシラン環を分子内に少なくとも2つ以上有するエポキシ樹脂」と「(B)成分:アミン系化合物、及びその変性物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物」と「(D)成分:フェノール系化合物」からなる比較例13,16のエポキシ樹脂組成物は、23℃における硬化時間が15分以上と、本願発明のものに比して長くかかり、特に0℃環境下における塗膜においては、30〜40時間と、実用的に不十分な硬化速度であった。(表3:比較例13,16)
更に、上記(C)成分、及び(D)成分を加えず、樹脂組成物の基本成分が「(A)成分:オキシラン環を分子内に少なくとも2つ以上有するエポキシ樹脂」と「(B)成分:アミン系化合物、およびその変性物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物」からなる比較例8,11,20,23のエポキシ樹脂組成物は、23℃における硬化時間が15分以上と、本願発明のものに比して長くかかり、特に5℃においては、50時間以上と、実用範囲内において硬化しないものであった(表1:比較例8、表2:比較例11、表4:比較例20、表7:比較例23)
上記(C)成分、及び(D)成分を加えず、樹脂組成物の基本成分が「(A)成分:オキシラン環を分子内に少なくとも2つ以上有するエポキシ樹脂」と「(B)成分:アミン系化合物、及びその変性物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物」からなる比較例14,17のエポキシ樹脂組成物は、23℃における硬化時間が15分以上と、本願発明のものに比して長くかかり、特に0℃環境下における塗膜においては、50時間以上と、実用範囲内において硬化しないものであった(表3:比較例14,17)
エポキシ樹脂組成物を、(A)成分:オキシラン環を分子内に少なくとも2つ以上有するエポキシ樹脂と、(B)成分:アミン系化合物、及びその変性物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物と、(C)成分:ハロゲン化ホウ素又はその錯体からなる化合物の少なくとも一方から選ばれた1種以上の化合物と、(D)成分:フェノール系化合物とを必須成分として含有することを特徴とするものとすることで、加熱することなく常温硬化し、特に冬期屋外などの低温雰囲気下においても加熱することなく迅速に硬化し、かつ、十分な可使時間の確保がされた常温硬化性エポキシ樹脂組成物の提供が可能となる。
そして、上記各成分を含有することを特徴とする常温硬化性エポキシ樹脂組成物を用いることで、低温環境雰囲気下においても、十分な可使時間を備えつつも硬化する実用的な、注入剤、コーティング、及び接着剤の提供が可能となる。
また、上記各成分を含有することを特徴とする常温硬化性エポキシ樹脂組成物を、コンクリート構造物のひび割れ補修における注入剤、あるいはコンクリート構造物や鋼構造物を繊維シートや補強板により補強するためのコーティング剤や接着剤等、促進剤として使用することで、冬期屋外などの低温雰囲気下においても、それら構造物の補修・補強を、容易、確実かつ強固に行うことが可能となる。
そして、冬期屋外などの低温雰囲気下で上記各成分を含有することを特徴とする常温硬化性エポキシ樹脂組成物を用いた施工を行った後は、予期せぬ地震等により、通常であればコンクリート構造物や鋼構造物が変形を受け破壊が生じる程に大きな応力が負荷される場合であっても、施工により確実かつ十分に硬化したエポキシ樹脂硬化物の存在により変形が生じにくくなることで、それら構造物の倒壊が未然に防止される。














Claims (6)

  1. (A)成分であるオキシラン環を分子内に少なくとも2つ以上有するエポキシ樹脂と、(B)成分であるアンモニアの誘導体でアルキル基やアリール基でその水素が一つ又は二つ又は 三つとも置換された化合物(以下、アミン系化合物という)、及びその変性物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物と、(C)成分であるハロゲン化ホウ素又はその錯体からなる化合物の少なくとも一方から選ばれた1種以上の化合物と、(D)成分である分子内に1つ以上の水酸基を含有し且つ水酸基が芳香環に直接結合している化合物(以下、フェノール系化合物という)とを必須成分として含有してなる常温硬化性エポキシ樹脂組成物。
  2. (C)成分が、三フッ化ホウ素またはその錯体からなる化合物の少なくとも一方から選ばれた1種以上の化合物である、請求項1に記載の常温硬化性エポキシ樹脂組成物。
  3. (A)成分100質量部に対して、(B)成分が5〜200質量部、(C)成分が0.1〜50質量部、(D)成分が1〜100質量部である、請求項1又は請求項2に記載の常温硬化性エポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の常温硬化性エポキシ樹脂組成物からなる接着剤。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の常温硬化性エポキシ樹脂組成物からなる補修・補強剤。
  6. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の常温硬化性エポキシ樹脂組成物を用い、構造物の補修・補強工事を行うことを特徴とする構造物の補修・補強方法。










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