JP2024018983A - 二液硬化型エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

二液硬化型エポキシ樹脂組成物 Download PDF

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浩明 吉田
Hiroaki Yoshida
芳樹 武内
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Abstract

【課題】本発明は、低温下でも低粘度で施工性(特に注入性及び充填性)が良好であり、常温硬化性を有しかつ硬化物の耐熱性に優れる二液硬化型エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】5℃において液状であるポリエポキシド(A)を含有する主剤と、ジシアンジアミド(B)及び脂肪族ポリアミン(C)を含有する硬化剤とからなる二液硬化型エポキシ樹脂組成物であり、前記(B)の含有量が前記(A)100重量部に対して2.5~20重量%であり、前記脂肪族ポリアミン(C)がポリアルキレンポリアミン(C1)を含有し、前記(B)と前記(C1)の重量比[(B)/(C1)]が0.2~1.0である二液硬化型エポキシ樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は二液硬化型エポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂は、その優れた化学的、物理的特性により土木、注型材料、接着剤等の広範な用途に使用されている。土木建築分野では、加熱の必要のない常温硬化性の二液硬化型エポキシ樹脂組成物が多く用いられており、例えば、木造建築の接合工法の1つであるGIR(グルードインロッド)工法においては、木材に開けた穴に鋼棒等の接合具を挿入し、空隙部に樹脂接着剤を注入ガン等を用いて注入・充填後、硬化させることにより木材同士を接合する。
GIR工法は屋外で施工されるため、用いられる樹脂接着剤は、冬期あるいは寒冷地等の低温下においても低粘度であり施工性(注入性及び充填性等)を維持できることが必要とされる。
また近年、環境保全等の観点から木造高層建築が注目されている。木造高層建築に使用される部材には、建築基準に応じて従来の低層建築に比べ高い耐熱性及び耐火性が必要であり、GIR工法用接着剤用途等の木造建築用に使用されるエポキシ樹脂組成物においては、硬化物の耐熱性及び耐火性の向上が望まれている。
土木建築分野に使用される二液硬化型エポキシ樹脂組成物として、特許文献1では、スチレン化フェノールを含むことを特徴とする2液型エポキシ樹脂組成物が提案されている。特許文献1に記載の組成物は0℃以下でも硬化し実用強度に到達し、可使時間を有し、低温でも注入可能な粘度であるが、硬化物の耐熱性は不足していた。
一方、特許文献2では、主剤としてエポキシ樹脂と、硬化剤成分として1級アミン系硬化剤とイミダゾール系硬化剤とを含み、前記1級アミン系硬化剤が前記主剤のエポキシ樹脂と当量反応となる化学量論的添加量に対して30~70%の配合部数であり、且つ、前記イミダゾール系硬化剤の配合部数が前記主剤の重量に対し0.5~5重量部であることを特徴とするコンクリート構造物の繊維補強用マトリックス樹脂組成物が提案されている。
しかしながら、特許文献2に記載の組成物は60℃条件下においても高い硬化補強シート引張強度保持率並びに付着強度保持率を有するマトリックス樹脂組成物を提供することを目的としているため、組成物の注入性については考慮されておらず、また木造高層建築向け等の高い耐熱性を必要とされる用途に使用するには、依然として耐熱性が不足していた。
特開2008-88348号公報 特開2000-109578号公報
本発明は、常温及び低温下でも低粘度で施工性(特に注入性及び充填性)が良好であり、常温硬化性を有しかつ硬化物の耐熱性に優れる二液硬化型エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
なお、本発明において「硬化物の耐熱性に優れる」とは、硬化物の高温下での強度保持率が高く、かつエポキシ樹脂組成物で接合した部材間の接着強度が高温下でも維持されることを意味する。
上記「高温」とは、例えば、後述する耐熱性試験の温度(T)であり、木造建築用途に使用する場合は100℃前後である。「常温」とは10~40℃程度であり、「低温」とは、冬季又は寒冷地の外気温を想定しており、5~10℃程度である。
また、本発明におけるTgとは、動的粘弾性の温度依存性測定を後述の条件で行った際の損失正接(tanδ=損失弾性率/貯蔵弾性率)が最大になる温度を意味する。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、5℃において液状であるポリエポキシド(A)を含有する主剤と、ジシアンジアミド(B)及び脂肪族ポリアミン(C)を含有する硬化剤とからなる2液型常温硬化性エポキシ樹脂組成物であり、前記(B)の含有量が前記(A)100重量部に対して2.5~20重量%であり、前記脂肪族ポリアミン(C)がポリアルキレンポリアミン(C1)を含有し、前記(B)と前記(C1)の重量比[(B)/(C1)]が0.2~1.0である2液型常温硬化性エポキシ樹脂組成物;該エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物である。
本発明の二液硬化型エポキシ樹脂組成物は、低温下でも低粘度で施工性(特に注入性及び充填性)が良好であり、常温硬化性を有しかつ耐熱性に優れる硬化物を与えることができるという効果を奏する。
本発明の二液硬化型エポキシ樹脂組成物は、5℃において液状であるポリエポキシド(A)を含有する主剤と、ジシアンジアミド(B)及び脂肪族ポリアミン(C)を含有する硬化剤とからなる。
<5℃において液状であるポリエポキシド(A)>
本発明における5℃において液状であるポリエポキシド(A)は、分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであり、下記(A1)~(A4)、及びこれらの2種又はそれ以上の混合物が挙げられる。ポリエポキシド(A)が2種以上の混合物である場合、混合物として5℃において液状であれば、単独では5℃において固状のものを含んでいてもよい。
なお、5℃において液状であるかの判定は、試験温度を20℃から5℃に変更する以外は、危険物の試験及び性状に関する省令(平成元年自治省令第1号)の別紙第2の「液状の確認方法」に準じて行うことができる。
(A1)ポリグリシジルエーテル
(A11)2価フェノール[炭素数(以下Cと略記することがある)6~30]のジグリシジルエーテル
ビスフェノール(ビスフェノールF、-A、-B、-AD又は-S等)ジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールA(テトラクロロビスフェノールA等)ジグリシジルエーテル、単環2価フェノール(カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等)ジグリシジルエーテル、縮合多環2価フェノール[1,5-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシビフェニル、オクタクロロ-4,4’-ジヒドロキシビフェニル、9,9’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン等]のジグリシジルエーテル、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル等;
(A12)多価(3価~6価又はそれ以上)フェノールのポリグリシジルエーテル
多価フェノール(C6以上かつMn5,000以下)のポリグリシジルエーテル、例えば3価フェノール[ピロガロール、ジヒドロキシナフチルクレゾール、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、ジナフチルトリオール、p-グリシジルフェニルジメチルトリールビスフェノールA等]のトリグリシジルエーテル、4価フェノール[テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’-オキシビス(1,4-フェニルエチル)テトラクレゾール、ビス(ジヒドロキシナフタレン)等]のテトラグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂(Mn400~5,000)のポリグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂(Mn400~5,000)のポリグリシジルエーテル、リモネンフェノールノボラック樹脂(Mn400~5,000)のポリグリシジルエーテル、フェノールとグリオキザール、グルタルアルデヒド、又はホルムアルデヒドとの縮合反応によって得られるポリフェノール(Mn400~5,000)のポリグリシジルエーテル、及びレゾルシンとアセトンとの縮合反応によって得られるポリフェノール(Mn400~5,000)のポリグリシジルエーテル;
(A13)脂肪族ジオール(C2以上かつMn5,000以下)のジグリシジルエーテル
脂肪族ジオール〔2価アルコール[例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール(以下それぞれEG、PG、TMG、NPG、1,6-HDと略記)、ポリアルキレングリコール[例えばポリエチレングリコール(以下PEGと略記。分子量106以上かつMn4,000以下。)、ポリプロピレングリコール(以下PPGと略記。分子量134以上かつMn5,000以下。)、ポリテトラメチレングリコール(以下PTMGと略記。分子量162以上かつMn5,000以下。)]等〕のジグリシジルエーテル;
(A14)脂肪族ポリ(3価~6価又はそれ以上)オール(C6以上かつMn10,000以下)のポリグリシジルエーテル
脂肪族ポリオール〔多価(3~6価)アルコール[トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール(以下それぞれTMP、GR、PE、SOと略記)等]、多価アルコールの分子内もしくは分子間脱水物[ポリ(n=2~5)GR]、及びこれら多価アルコールのアルキレンオキシド[以下AOと略記。C2~6、例えばエチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシド(以下それぞれEO、POと略記)]付加物等〕のポリグリシジルエーテル等;
(A15)脂環含有ポリ(2価~4価又はそれ以上)オールのポリグリシジルエーテル
C3以上かつMn5,000以下のもの、例えば1,2-シクロプロパンジオール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、1,2,3-シクロプロパントリオール、1,3,5-シクロヘキサントリオール、スクロース及びこれらのAO(1~20モル)付加物等のポリグリシジルエーテル;
(A16)芳香環含有多価(2価~4価又はそれ以上)アルコールのポリグリシジルエーテル
C8以上かつMn5,000以下のもの、ビスフェノールAのAO(1~20モル)付加物、m-及びp-キシリレングリコール、ベンゼンジエタノール、1,2-ジフェニルエタン-1,2-ジオール、1,1,2,2,-テトラフェニルエタン-1,2-ジオール及びこれらのAO(1~20モル)付加物等のポリグリシジルエーテル;
(A2)ポリグリシジルエステル
(A21)芳香族多価(2価~6価又はそれ以上)カルボン酸のポリグリシジルエステル
芳香族多価カルボン酸(C6~C20又はそれ以上)のポリグリシジルエステル、例えば芳香族ジカルボン酸(オルト-、イソ-又はテレフタル酸等)ジグリシジルエステル、芳香族トリカルボン酸(トリメリット酸等)トリグリシジルエステル;
(A22)脂肪族もしくは脂環含有多価カルボン酸(C6~C20又はそれ以上)のポリグリシジルエステル
例えば脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸等)ジグリシジルエステル、脂肪族トリカルボン酸(トリカルバリル酸等)トリグリシジルエステル、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体(重合度は2~10)、脂環含有多価カルボン酸(ダイマー酸等)のポリグリシジルエステル、前記(A21)の核水添物;
(A3)ポリアミン(C6~C20又はそれ以上で、かつ窒素原子に直結する活性水素を2個~10個又はそれ以上有するもの)のポリグリシジルアミン
(A31)芳香族アミンのポリグリシジルアミン
例えばN,N-ジグリシジルアニリン、N,N-ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’-テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジルジアミノジフェニルスルホン、N,N,N’,N’-テトラグリシジルジアミノエチルフェニルメタン、N,N,O-トリグリシジルアミノフェノール;
(A32)脂肪族アミンのポリグリシジルアミン
例えばN,N,N’,N’-テトラグリシジルキシリレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン;
(A33)脂環含有もしくは複素環含有アミン(C6~C20又はそれ以上で、かつ窒素原子に直結する活性水素を2個~10個又はそれ以上有するもの)のポリグリシジルアミン
脂環含有アミンのポリグリシジルアミン(例えばN,N,N’,N’-テトラグリシジルキシリレンジアミンの水添物)、複素環含有アミンのポリグリシジルアミン(例えばトリスグリシジルメラミン);
(A4)その他のポリエポキシド
(A41)脂肪族ポリ(2価~6価又はそれ以上)エポキシド
C6以上かつMn2,500以下のもの、例えばエポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油;
(A42)脂環式ポリ(2価~4価又はそれ以上)エポキシド
C6以上かつMn2,500以下のもの、例えばビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3-エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシ-6’-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)ブチルアミン。
これらのポリエポキシド(A)のうち、エポキシ樹脂組成物の施工性(注入性及び充填性)の観点からは、脂肪族ジオールのジグリシジルエーテル(A13)及び脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル(A14)のうち分子中のエポキシ基の個数が3~4個であるものを含有することが好ましく、(A13)及び(A14)のうち分子中のエポキシ基の個数が3~4個であるものの合計重量がポリエポキシド(A)の重量に基づいて5~20重量%であることが更に好ましい。
エポキシ樹脂組成物の硬化物の機械的強度及び耐熱性等の観点からは、分子中にビスフェノールA型構造又はビスフェノールF型構造を有するものを含有することが好ましく、(A11)及び(A12)のうちビスフェノールA型構造又はビスフェノールF型構造を有するものを含有することが更に好ましく、その合計重量がポリエポキシド(A)の重量に基づいて70~100重量%であることが特に好ましい。
ポリエポキシド(A)としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。ポリエポキシド(A)が2種以上の混合物である場合、上述のとおり、ポリエポキシド(A)が全体として5℃において液状であれば、単独では5℃において固状の化合物を含んでいてもよい。
ポリエポキシド(A)のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの分子量)(g/eq)は、エポキシ樹脂組成物の施工性(注入性等)と、硬化性及び硬化物の機械的強度等の観点から、好ましくは120~200g/eqであり、更に好ましくは130~180g/eqであり、特に好ましくは140~180g/eqである。
なお、ポリエポキシド(A)のエポキシ当量(g/eq)は、JIS K 7236に準拠して測定される値とする。
ポリエポキシド(A)の25℃における粘度(mPa・s)は、エポキシ樹脂組成物の施工性(注入性等)等の観点から、好ましくは1,000~15,000mPa・sであり、更に好ましくは2,000~7,000mPa・sである。
なお、ポリエポキシド(A)の25℃における粘度(mPa・s)は、B型粘度計を使用して測定することができる。
ポリエポキシド(A)の5℃における粘度(Pa・s)は、エポキシ樹脂組成物の施工性(注入性等)等の観点から、好ましくは20~150Pa・s、更に好ましくは40~100Pa・sである。
なお、ポリエポキシド(A)の5℃における粘度(Pa・s)は、B型粘度計を使用して測定することができる。
<ジシアンジアミド(B)>
本発明におけるジシアンジアミド(B)は、エポキシ樹脂組成物の常温硬化反応(以下、一段階目の硬化と呼ぶことがある)の硬化剤としての機能に加え、高温(例えば100℃以上)に加熱した場合に、さらに硬化反応が進行して架橋密度を向上させる機能(以下、二段階目の硬化反応と呼ぶことがある)を果たすものと推定される。したがって、例えば本発明の組成物を木造建築等の土木用接着剤として使用した場合、火災等で高温加熱された際に、上記二段階目の硬化反応が起こり架橋密度がアップすることにより、本発明の効果の1つである耐熱性(高温下でも樹脂強度及び接着強度が保持される)が発現するものと推定される。
ジシアンジアミドは従来、一液硬化型エポキシ樹脂組成物における潜在型硬化剤として用いられることが知られているが、これらの一液硬化型エポキシ樹脂組成物は高温加熱しなければ硬化反応を起こさないため、土木用接着剤等の常温硬化性を必要とされる用途には使用できなかった。また、常温硬化性を必要とされる用途に使用するためには、主剤と硬化剤を別に保管しておき、使用時に2剤を混合して使用する二液硬化型のエポキシ樹脂組成物とする必要があった。
本発明の発明者らは、本発明の目的である「常温及び低温下でも低粘度で施工性(特に注入性)が良好であり、常温硬化性を有しかつ硬化物の耐熱性に優れる二液硬化型エポキシ樹脂組成物の提供」を達成するために検討を行い、ジシアンジアミド(B)と後述するポリアルキレンポリアミン(C1)を含有する脂肪族ポリアミン(C)を組み合わせた硬化剤を用いることにより、常温硬化反応(一段階目の硬化反応)及び高温下での更なる硬化反応(二段階目の硬化反応)が可能な二液型のエポキシ樹脂組成物とすることを考えた。ジシアンジアミドは常温で固体であり、かつ他の有機化合物との相溶性が非常に低い化合物であるため、他の硬化剤と混合して均一性及び貯蔵安定性に優れた硬化剤とし、かつ、十分な耐熱性を発現させることは困難であったが、ポリエポキシド(A)、ジシアンジアミド(B)及びポリアルキレンポリアミン(C1)を適切な比率で含有させることにより、優れた施工性及び常温硬化性と、硬化物の耐熱性とを両立するエポキシ樹脂組成物が得られることを見出した。
<脂肪族ポリアミン(C)>
本発明における脂肪族ポリアミン(C)は、N原子に直結する活性水素を2~50個有し、N原子に直結したC原子上に芳香環を有しないアミンであり、下記(C1)~(C11)、及びこれらの2種又はそれ以上の混合物が挙げられる。
(C1):ポリアルキレンポリアミン
C2以上かつMn500以下のもの、例えばC2~12のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、及び、ポリアルキレン(C2~10)ポリ(3価~6価又はそれ以上)アミン[ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン及びヘキサエチレンヘプタミン等]、これらのうち好ましいのはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン及びヘキサエチレンヘプタミン;
(C2):(C1)以外の脂肪族ポリアミン
上記(C1)のアルキル(C1~4)又はヒドロキシアルキル(C2~4)置換体、例えばジアルキル(C1~3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン及びN,N’-ジ-n-ブチル-1,6-ヘキサンジアミン;
(C3)脂環含有ポリ(2~3価)アミン
C4~15のもの、例えば1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン及び4,4’-メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン);
(C4)複素環含有ポリ(2~3価)アミン
C4~15のもの、例えばピペラジン、N-アミノエチルピペラジン、1,4-ジアミノエチルピペラジン及び1,4-ビス(2-アミノ-2-メチルプロピル)ピペラジン;
(C5)芳香環含有ポリアミン
C8~15のもの、例えばキシリレンジアミン、テトラクロル-p-キシリレンジアミン及びキシリレンジアミンのスチレン付加物;
(C6)イミダゾリン環を有するポリアミドポリアミン
分子量200以上かつMn1,000以下であり、分子内にイミダゾリン環構造を1つ以上有するもの、例えば、商品名「ポリマイド L4051(三洋化成工業(株)製」等として市場から入手できる;
(C7):(C6)以外のポリアミドポリアミン
分子量200以上かつMn1,000以下のもの、例えばジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の[カルボキシル基1当量当り2当量以上の上記(C1)等]との縮合により得られるポリアミドポリアミン、ただし上記(C6)に該当するものを除く;
(C8)ポリエーテルポリアミン
分子量100以上かつMn1,000以下のもの、例えばポリエーテルポリオール[上記ポリアルキレングリコール等]のシアノエチル化物の水添物;
(C9)エポキシ付加ポリアミン
分子量100以上かつMn1,000以下のもの、例えばエポキシ化合物1モルと上記(C1)1~30モルの反応物〔エポキシ化合物[前記ポリエポキシド(A)及びモノエポキシド(ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等)等]1モルと上記(C1)1~30モルの反応物(分子量100以上かつMn1,000以下)等〕;
(C10)シアノエチル化ポリアミン
分子量100以上かつMn500以下のもの、例えばアクリロニトリルと上記(C1)
の反応物(ビスシアノエチルジエチレントリアミン等);
(C11)その他のポリアミン
ヒドラジン化合物(分子量32以上かつMn500以下のもの、例えばヒドラジン、モノアルキルヒドラジン)、ジヒドラジッド化合物[分子量74以上かつMn1,000以下のもの、例えば酸(コハク酸、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等)ジヒドラジッド]及びグアニジン化合物(分子量59以上かつMn500以下のもの、例えばブチルグアニジン、1-シアノグアニジン)等。
脂肪族ポリアミン(C)は、ジシアンジアミド(B)との相溶性及び硬化物の耐熱性の観点から、ポリアルキレンポリアミン(C1)を必須成分として含有する。更に好ましくはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン及びヘキサエチレンヘプタミンからなる群より選ばれる1種以上を含有し、特に好ましくはペンタエチレンヘキサミンを含有する。また、接着性(常温及び高温条件下での接着性)及び硬化物の耐熱性の観点からは、更にイミダゾリン環を有するポリアミドポリアミン(C6)を含有することが好ましく、(C6)の含有量が脂肪族ポリアミン(C)の重量に基づいて5~75重量%であることが特に好ましい。
<二液硬化型エポキシ樹脂組成物>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記ポリエポキシド(A)を含有する主剤と、上記ジシアンジアミド(B)及び上記脂肪族ポリアミン(C)を含有する硬化剤とからなる二液硬化型エポキシ樹脂組成物であり、上記(B)の含有量が上記(A)100重量部に対して2.5~20重量%であり、前記脂肪族ポリアミン(C)がポリアルキレンポリアミン(C1)を含有し、前記(B)と前記(C1)の重量比[(B)/(C1)]が0.2~1.0である。
(B)の含有量が(A)100重量部に対して2.5重量%未満であると耐熱性が不足し、20重量部を超えると作業性が悪化する傾向がある。(A)100重量部に対する(B)の含有量は、耐熱性及び作業性の観点から、好ましくは2.5~15重量%であり、更に好ましくは3~8重量%である。
(B)と(C1)の重量比[(B)/(C1)]が0.2未満であるとエポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性が劣る傾向があり、1.0を超えるとエポキシ樹脂組成物の粘度が高くなり作業性が低下したり、エポキシ樹脂組成物の均一性が低下する傾向がある。
(A)100重量部に対する(B)の含有量と重量比[(B)/(C1)]がそれぞれ上記範囲であると、上述のとおり、ジシアンジアミド(B)を含有しても施工性、均一性及び常温硬化性に優れるエポキシ樹脂組成物を得ることができる。更に、本発明のエポキシ樹脂組成物の常温硬化物に高温(例えば100℃以上)が加わった場合、二段階目の硬化反応が起こり架橋度が上昇することによって、高温下でも樹脂強度及び接着強度が保持できる、すなわち硬化物の耐熱性にも優れるエポキシ樹脂組成物とすることが可能である。
本発明のエポキシ樹脂組成物中の(A)、(B)及び(C)の含有量は、(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて、それぞれ下記であることが好ましい。
(A)の含有量は、エポキシ樹脂組成物の耐熱性及び施工性等の観点から、好ましくは45~96.5重量%、更に好ましくは50~96.5重量%、特に好ましくは60~96.5重量%である。
(B)の含有量は、エポキシ樹脂組成物の耐熱性及び施工性等の観点から、好ましくは1.0~15重量%、更に好ましくは1.0~10重量%、特に好ましくは1.5~7重量%である。
(C)の含有量は、エポキシ樹脂組成物の耐熱性及び施工性等の観点から、好ましくは4~46重量%、更に好ましくは6~30重量%、特に好ましくは10~27重量%である。
主剤中の(A)のエポキシ基と、硬化剤中の(B)及び(C)の活性水素((B)及び(C)が有するN原子に直結する活性水素)のモル比[活性水素/エポキシ基]は、硬化物の物性(機械的強度)等の観点から、好ましくは0.5~2.0、更に好ましくは0.8~1.5、特に好ましくは1.0~1.2である。
<無機充填剤(D)>
本発明のエポキシ樹脂組成物には、更に無機充填剤(D)を含有させることができる。(D)を含有させることで、エポキシ樹脂組成物の硬化物の機械的強度を向上させることができる。(D)としては、下記の(D1)~(D7)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(D1)ケイ酸塩(例えばタルク、クレー、マイカ、ガラス);
(D2)酸化物[例えば酸化チタン、アルミナ、シリカ];
(D3)炭酸塩(例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト);
(D4)水酸化物(例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム);
(D5)(亜)硫酸塩(例えば硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム);
(D6)ホウ酸塩(例えばホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム);
(D7)窒化物(例えば窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素)。
これらの(D)のうち、ハンドリング性、及び工業上の観点から、好ましいのは(D1)、(D2)、(D3)及び(D4)、更に好ましいのは(D1)、(D2)及び(D3)、特に好ましいのはシリカ及び炭酸カルシウムである。
(D)の形状は、エポキシ樹脂組成物のハンドリング性の観点から、粉体であることが好ましい。また、(D)の体積平均粒子径はエポキシ樹脂組成物の粘度及びハンドリング性の観点から好ましくは0.1~800μm、更に好ましくは0.5~250μmである。
本発明のエポキシ樹脂組成物が(D)を含有する場合、主剤及び/又は硬化剤に含有させることができる。
主剤に(D)を含有させる場合、主剤中の(D)と(A)との重量比率[D/A]は、貯蔵安定性等の観点から、0.1~3.0であることが好ましい。
硬化剤に(D)を含有させる場合、硬化剤中の(D)の重量と(B)及び(C)の合計重量との重量比率[D/(B+C)]は、貯蔵安定性等の観点から、0.1~3.0であることが好ましい。
エポキシ樹脂組成物中の(D)の含有量は、ハンドリング性及び硬化物の機械的強度等の観点から、エポキシ樹脂組成物の重量に基づいて10~50重量%であることが好ましい。
<単官能エポキシド(E)>
本発明のエポキシ樹脂組成物には、更に分子中に1個のエポキシ基を有する単官能エポキシド(E)を含有させることができる。(E)を含有させることで、エポキシ樹脂組成物の粘度及び可使時間の調整がしやすくなることがある。(E)としては、分子中に1個のエポキシ基を有する化合物である限り特に限定されないが、アルキルモノグリシジルエーテル(ブチルグリシジルエーテル及び2-エチルヘキシルグリシジルエーテル等)、アリルグリシジルエーテル、グリセロールモノグリシジルエーテル、アルキルフェノールモノグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル及びグリシジルメタクリレート、及びこれらの2種又はそれ以上の混合物が挙げられる。
(E)の使用量は、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性の観点から、前記(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて3重量%以下であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に必要に応じて(1)硬化促進剤(3級アミノ化合物、前記(B)及び(C)以外のアルカリ化合物、ルイス塩基化合物及びフェノール基含有化合物等)、(2)接着性付与剤(チタンカップリング剤等)、(3)酸化防止剤(ヒンダードアミン類、ハイドロキノン類、ヒンダードフェノール類、硫黄含有化合物等)、(4)紫外線吸収剤(ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等)、(5)可塑剤(フタル酸エステル、リン酸エステル、脂肪酸エステル、エポキシ化大豆油、ひまし油、流動パラフィンアルキル多環芳香族炭化水素等)、(6)ワックス類(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、重合ワックス、蜜ロウ、鯨ロウ、低分子量ポリオレフィン等)、(7)非反応性希釈剤(ベンジルアルコール、タール、ピチューメン等)、(8)反応性希釈剤(低分子脂肪族グリシジルエーテル、芳香族モノグリシジルエーテル等)、(9)有機充填剤[アラミド繊維粉、ナイロン繊維粉、アクリル繊維粉、アクリル樹脂粉、フェノール樹脂粉等]、(10)脱臭剤[活性炭、ゼオライト等]、(11)顔料又は染料[カーボンブラック、鉛丹、パラレッド、紺青等]、(12)チクソ化剤[ベントナイト、水添ヒマシ油ワックス、ステアリン酸カルシウム等]、(13)溶剤(酢酸エチル、トルエン、アルコール、エーテル、ケトン等)、(14)発泡剤、(15)消泡剤、(16)帯電防止剤、(17)抗菌剤、(18)防かび剤、(19)粘度調整剤、(20)香料、(21)難燃剤等の添加剤(F)を含有させることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、下記の方法で製造及び使用される。
2液[(A)を含有してなる主剤と、(B)及び(C)を含有してなる硬化剤]の形態で別々に製造しておき、使用時に混合してエポキシ樹脂組成物とする。必要により含有させる(D)は、あらかじめ主剤及び/又は硬化剤に混合しても、使用時に混合してもよいが、ハンドリング性等の観点から主剤及び/又は硬化剤にあらかじめ混合することが好ましく、あらかじめ主剤及び硬化剤の両方に混合することが更に好ましい。必要により含有させる(E)及び(F)は、組成物の硬化性及び施工性等の観点から、あらかじめ主剤及び/又は硬化剤に混合することが好ましい。
本発明における(A)、(B)、(C)、及び必要により含有させる(D)、(E)、(F)の混合方法としては、例えば万能混合機等の混合機を使用する方法及び後述のミキサーを使用する方法が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の25℃における初期粘度(Pa・s)は、施工性(注入性等)の観点から、好ましくは20~55Pa・s、更に好ましくは25~50Pa・s、特に好ましくは30~50Pa・sである。また、5℃における初期粘度(Pa・s)は、好ましくは70~170Pa・s、更に好ましくは70~160Pa・s、特に好ましくは70~150Pa・sである。
なお、エポキシ樹脂組成物の初期粘度とは、主剤と硬化剤とを所定温度に温調後、主剤と硬化剤を所定の配合比で配合して2分間混合後、B型粘度計にセットして数分後(例えば混合開始から6分後)に恒温槽で所定温度に温調しながら測定した粘度を意味するものとする。
上記初期粘度の測定は、例えば下記の条件で行うことができる。
装置:BH型粘度計[型番「TVB-22H」、東機産業(株)製]
回転数:20rpm
スピンドルNo:7号
主剤と硬化剤を混合後は反応が進行するため、速やかに使用するのが望ましい。主剤と硬化剤の混合後の可使時間(ポットライフ)は、25℃において好ましくは15~190分、更に好ましくは20~60分である。
なお、可使時間(ポットライフ)とは、主剤と硬化剤とを25℃に温調後、混合開始から流動性がなくなるまでの時間(25℃の恒温槽で温調しながらB型粘度計で測定した粘度が200Pa・sに到達するまでの時間)を意味するものとする。
<二液硬化型エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物>
本発明の硬化物は、上記エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物である。上記(A)を含有してなる主剤と、上記(B)及び(C)を含有してなる硬化剤を、上記のように混合、必要により養生して硬化反応を進行させることにより得られる。土木用接着剤として使用する場合、現場で温調なしで施工されるため、硬化温度は特に限定されないが、好ましくは5~40℃であり、更に好ましくは15~30℃である。
5~40℃におけるエポキシ樹脂組成物の硬化時間は、好ましくは5~180時間、更に好ましくは10~90時間である。
なお、硬化時間とは、所定温度下で養生した際に、樹脂強度(25℃における圧縮強度)が実使用上必要な強度(例えば土木用接着剤として用いる場合、30MPa以上)に到達する時間を意味するものとする。25℃における圧縮強度は、JIS K 7181に準じて測定できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を25℃で5日間硬化させてなる硬化物(上記一段階目の硬化反応の硬化物)のTg(ガラス転移温度)であるTgは、機械的強度等の観点から、40~80℃であることが好ましく、更に好ましくは70~80℃である。
また、上記硬化物を更に高温加熱(150℃で180分間)することにより硬化させてなる硬化物(上記二段階目の硬化反応の硬化物;以下、完全硬化物と呼ぶことがある)のTgであるTgと、上記Tgとの比(Tg/Tg)は、耐熱性の観点から、1.2~4.0であることが好ましく、1.5~4.0であることが更に好ましく、2.0~4.0であることが特に好ましい。
(Tg/Tg)比は、主にTgを調整することにより上記範囲に調整することができ、具体的にはポリエポキシド(A)のエポキシ当量を小さくする、(C)の活性水素当量を小さくする、ポリエポキシド(A)及び(C)中の芳香環構造や水素結合を形成する構造の含有量を増やす、等の方法により、Tgを大きくすることができる。
なお、本発明におけるTgとは、動的粘弾性の温度依存性測定を後述の条件で行った際に、損失正接(tanδ=損失弾性率/貯蔵弾性率)が最大になる温度を意味する。
本発明のエポキシ樹脂組成物を上記の硬化温度(25℃)で5日硬化させてなる硬化物(上記一段階目の硬化反応の硬化物)の25℃における圧縮強度であるPは、機械的強度等の観点から、60~100MPaであることが好ましく、更に好ましくは70~100MPaである。
また、用途に応じて設定される耐熱性試験の温度(T)における硬化物の圧縮強度であるPと、上記Pとから下記式で求められる硬化物の高温下での強度保持率(%)は、40%以上であることが好ましく、50%以上であることが更に好ましい。
硬化物の高温下での強度保持率(%)=(P/P)×100

なお、上記耐熱性試験の温度(T)は、土木建築用途に使用される場合、建造物の構造や使用される箇所に応じて定められた耐熱性あるいは耐火性の基準により設定される。例えば木造建築に使用される場合、木材は含水しているため、火災時の温度上昇は比較的穏やかで木材内部の到達温度は100℃前後であり、Tはたとえば100℃である。
硬化物の高温下での強度保持率は、TgとTgの比(Tg/Tg)が上記好ましい範囲になり、かつ上記Tgを耐熱性試験の温度(T)以上になるよう設計すること等により高めることができる。Tg及び(Tg/Tg)比は、上記の方法により調整することができる。
なお、耐熱性試験の温度(T)における硬化物の圧縮強度は、JIS K 7181に準じ後述の方法で測定することができる。
本発明の二液硬化型エポキシ樹脂組成物は、低温下でも低粘度で施工性(注入性及び充填性)が良好であり、常温硬化性を有することから、接着剤、樹脂充填剤、成形品等の種々の用途に用いることができ、特に土木建築用の接着剤及び樹脂充填剤として好適に使用できる。更に、硬化物の耐熱性が高い(高温下での強度保持率が高く、かつエポキシ樹脂組成物で接合した部材間の接着強度が高温下でも維持される)ことから、耐熱性及び耐火性のニーズのある木造建築におけるGIR工法用接着剤として特に有用である。GIR(グルードインロッド)工法とは、木材に穴を開け、開けた穴に鋼棒等の接合具を挿入し、空隙部に樹脂接着剤を注入・充填後、硬化させることにより木材同士を接合する工法である。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、GIR工法以外の土木建築用の接着剤及び樹脂充填剤(コンクリート構造物や鋼構造物等の構造物の補修・補強工事や、ひび割れ注入、あと施工アンカー用接着剤等)としても使用することができ特にあと施工アンカー用接着剤として有用である。
「あと施工アンカー」とは、土木、建築、機械分野等で、既に製造されたコンクリート製の構造物(以下、母材という)に対し、後から、アンカーボルトや差筋等のアンカー部材を埋設する施工方法であり、本発明のエポキシ樹脂組成物は、金属製のアンカー部材を母材に埋設する際に、母材とアンカー部材との接着剤として使用することができる。具体的には、アンカー部材を母材に穿った孔の内部に装入し、更に孔の内部に本発明のエポキシ樹脂組成物を流し込むことにより、孔壁部とアンカー部材を強固に接着することができる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、上述のように耐熱性及び耐火性に優れた硬化物を与えるので、火災等で高温となった場合にも樹脂強度及び接合した部材間の接着強度を維持できる。
本明細書には以下の事項が開示されている。
本開示(1)は、5℃において液状であるポリエポキシド(A)を含有する主剤と、ジシアンジアミド(B)及び脂肪族ポリアミン(C)を含有する硬化剤とからなる二液硬化型エポキシ樹脂組成物であり、前記(B)の含有量が前記(A)100重量部に対して2.5重量%以上であり、前記脂肪族ポリアミン(C)がポリアルキレンポリアミン(C1)を含有し、前記(B)と前記(C1)の重量比[(B)/(C1)]が0.2~1.0である二液硬化型エポキシ樹脂組成物である。
本開示(2)は、前記脂肪族ポリアミン(C)が、更にイミダゾリン環を有するポリアミドポリアミン(C6)を含有する本開示(1)に記載の二液硬化型エポキシ樹脂組成物である。
本開示(3)は、本開示(1)又は本開示(2)に記載の二液硬化型エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物である。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<エポキシ樹脂組成物(耐熱性試験の温度(T):100℃向け)の製造>
実施例1~6及び比較例1~5
万能混合機[商品名「万能混合機 5DMV-01-r」、ダルトン(株)製]を用いて表1に記載の配合組成(重量部)に従ってそれぞれ主剤及び硬化剤を配合し、減圧下で脱泡しながら混合(温度25℃、撹拌時間5分間、圧力4kPa)し、主剤及び硬化剤を得た。得られた各主剤と各硬化剤を、遠心脱泡機[商品名「あわとり練太郎 ARV930TWIN」、シンキー(株)製]を用いて混合(温度25℃、撹拌時間3分間、回転数1400rpm)し、エポキシ樹脂組成物を得た。該組成物について下記の試験方法で性能評価を行った。なお、初期粘度については、上記で得られた各主剤と各硬化剤を、下記の方法で混合して測定した。評価結果を表1に示す。
<エポキシ樹脂組成物(耐熱性試験の温度(T):100℃及び120℃向け)の製造>
実施例7~10及び比較例6~9
万能混合機[商品名「万能混合機 5DMV-01-r」、ダルトン(株)製]を用いて表2に記載の配合組成(重量部)に従ってそれぞれ主剤及び硬化剤を配合し、減圧下で脱泡しながら混合(温度25℃、撹拌時間5分間、圧力4kPa)し、主剤及び硬化剤を得た。得られた各主剤と各硬化剤を、遠心脱泡機[商品名「あわとり練太郎 ARV930TWIN」、シンキー(株)製]を用いて混合(温度25℃、撹拌時間3分間、回転数1400rpm)し、エポキシ樹脂組成物を得た。該組成物について下記の試験方法で性能評価を行った。なお、初期粘度については、上記で得られた各主剤と各硬化剤を、下記の方法で混合して測定した。評価結果を表2に示す。
表1~2中の各略号は以下の通りである。
A-1:ビスフェノールAジグリシジルエーテル
[商品名「エポミックR140」、三井化学ファイン(株)製、エポキシ当量190]
A-2:ビスフェノールFジグリシジルエーテル
[商品名「JER807」、三菱ケミカル(株)製、エポキシ当量175]
A-3:ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル
[商品名:「デナコール Ex-211」、ナガセケムテックス(株)製、エポキシ当量138]
A-4:テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン
[商品名「スミエポキシELM-434」、住友化学(株)製、エポキシ当量119]
A-5:トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル
[商品名:「デナコール Ex-321」、ナガセケムテックス(株)製、エポキシ当量140、分子中のエポキシ基の個数2であるものと3であるものの混合物]
B:ジシアンジアミド
[商品名「DICY7」、三菱ケミカル(株)製、エポキシ当量21]
C-1:ペンタエチレンヘキサミン
[商品名「ペンタエチレンヘキサミン」、東ソー(株)製、活性水素当量29、N原子に直結する活性水素数8個]
C-2:イミダゾリン環を有するポリアミドポリアミン
[商品名「ポリマイドL4051」、三洋化成(株)製、活性水素当量103、N原子に直結する活性水素数6個]
C-3:キシリレンジアミン
[商品名「アンカミン2422」、エアープロダクツジャパン(株)製、活性水素当量34、N原子に直結する活性水素数4個]
C-4:キシリレンジアミンのスチレン付加物
[商品名「ガスカミンST 240」、三菱ガス化学(株)製、活性水素当量103、N原子に直結する活性水素数2個]
D-1:炭酸カルシウム
[商品名「ライトンA」、白石カルシウム(株)製、
体積平均粒子径1.8μm]
<試験方法>
(1)初期粘度(5℃)[単位:Pa・s]
主剤と硬化剤とを5℃に温調後、それぞれの実施例について表1~3に示した配合比率で合計120gとなるように配合し、2分間混合した。得られた混合物(エポキシ樹脂組成物)の粘度を5℃の恒温槽で温調しながらBH型粘度計[型番「TVB-22H」、東機産業(株)製]を用いて下記条件で測定開始し、主剤と硬化剤の混合開始から6分後の粘度(Pa・s)を測定した。
<測定条件>
温度:5℃
回転数:20rpm
スピンドルNo:7号
なお、木造建築におけるGIR工法用接着剤として使用する場合、5℃における初期粘度(Pa・s)は、180Pa・s未満である必要があり、70~170Pa・sであることが好ましい。
(2)初期粘度(25℃)[単位:Pa・s]
温調温度を25℃に変更する以外は上記(1)と同様にして、25℃における初期粘度(Pa・s)を測定した。なお、木造建築におけるGIR工法用接着剤として使用する場合、25℃における初期粘度(Pa・s)は、60Pa・s未満である必要があり、20~55Pa・sであることが好ましい。
(3)Tg:硬化物(一段階目の硬化反応の硬化物)のTg[単位:℃]
混練したエポキシ樹脂組成物を厚さ約10mmの板状に成形し、25℃で5日間養生する。養生後、厚さ約10mm×幅約10mm×長さ約3mmの直方体の試験片を切り出し、動的粘弾性装置(Rheogel-E4000、株式会社ユービーエム製)を使用し、基本周波数1Hz、昇温速度:5℃/分の条件で、貯蔵弾性率E’及び損失弾性率E”を測定し、E”/E’(tanδ)が最大値を示す温度をTgとした。
(4)Tg:高温加熱後の硬化物(完全硬化物)のTg[単位:℃]
混錬したエポキシ樹脂組成物を厚さ約10mmの板状に成形し25℃で5日間養生した後、更に150℃の恒温槽中で180分間加熱した。25℃で3時間放冷した後、厚さ約10mm×幅約10mm×長さ約3mmの直方体の試験片を切り出し、動的粘弾性装置(Rheogel-E4000、株式会社ユービーエム製)を使用し、基本周波数1Hz、昇温速度:5℃/分の条件で、貯蔵弾性率E’及び損失弾性率E”を測定し、E”/E’(tanδ)が最大値を示す温度をTgとした。
(5)P:硬化物(一段階目の硬化反応の硬化物)の25℃における圧縮強度(圧縮降伏強さ)、[単位:MPa]
混練したエポキシ樹脂組成物を厚さ約10mmの板状に成形し、25℃で5日間養生して硬化させた。厚さ約10mm×幅約10mm×長さ約30mmの直方体の試験片を切り出し、試験速度を2mm/minに変更する以外はJIS K7181に準じ、万能材料試験機[AG-50kNXplus、株式会社島津製作所製]を用いて25℃の恒温槽内で温調しながら測定した。
(6)P:耐熱性試験温度(温度T)における硬化物の圧縮強度(圧縮降伏強さ)、[単位:MPa]
混練したエポキシ樹脂組成物を厚さ約10mmの板状に成形し、25℃で5日間養生して硬化させた。厚さ約10mm×幅約10mm×長さ約30mmの直方体の試験片を切り出し、温度Tに設定した恒温槽内で1時間静置した後、恒温槽内で温度Tに温調しながら、試験速度を2mm/minに変更する以外はJIS K7181に準じ、万能材料試験機[AG-50kNXplus、株式会社島津製作所製]を用いて測定した。
なお、各実施例及び比較例における温度Tは、下記のとおりである。
実施例1~6及び比較例1~5:100℃(木造建築向けに設計)
実施例7~10及び比較例6~9:100℃と120℃の2水準で実施(木造建築向けと耐火グレード向けの両方に使用できるように設計)
(7)硬化物の高温下での強度保持率
各実施例について、上記で測定したP及びPから下記式により硬化物の高温下での強度保持率(%)を算出した。
硬化物の高温下での強度保持率(%)=(P/P)×100
(8)鋼板どうしの接着強度(重ね合せせん断接着強さ)(25℃)[単位:MPa]
JIS G3141に規定された厚さ約1.6mm×幅約25mm×長さ約100mmの冷間圧延鋼板をアセトンで洗浄し、重ね長さが12.5mm、接着層の厚さが0.2mmとなるように、2枚の冷間圧延鋼板を混練したエポキシ樹脂組成物で接着することにより試験片を得た(硬化条件:25℃で5日間養生)。養生後、10mm/minの試験速度でJIS K6850に準じて25℃における接着強度(重ね合せせん断接着強さ)を万能材料試験機[AG-50kNXplus、株式会社島津製作所製]を用いて測定した。5回試験した結果の平均値を、下記評価基準に基づき判定した結果を表1及び表2に示す。
<評価基準>
◎:10MPa以上
〇:5MPa以上、10MPa未満
×:5MPa未満
(9)鋼板どうしの接着強度(重ね合せせん断接着強さ)(温度T)[単位:MPa]
JIS G3141に規定された厚さ約1.6mm×幅約25mm×長さ約100mmの冷間圧延鋼板をアセトンで洗浄し、重ね長さが12.5mm、接着層の厚さが0.2mmとなるように、2枚の冷間圧延鋼板を混練したエポキシ樹脂組成物で接着することにより試験片を得た(硬化条件:25℃で5日間養生)。試験片を温度Tに設定した恒温槽内で1時間静置した後、恒温槽内で温度Tに温調しながら、10mm/minの試験速度でJIS K6850に準じて25℃における接着強度(重ね合せせん断接着強さ)を万能材料試験機[AG-50kNXplus、株式会社島津製作所製]を用いて測定した。5回試験した結果の平均値を、下記評価基準に基づき判定した結果を表1及び表2に示す。
<評価基準>
◎:10MPa以上
〇:5MPa以上、10MPa未満
×:5MPa未満
表1及び表2の結果から、実施例1~10のエポキシ樹脂組成物は、低温下でも低粘度で施工性が良好であり、かつ耐熱性に優れる硬化物を与えることができることがわかる。
一方、ジシアンジアミド(B)を含有しない比較例1及び6のエポキシ樹脂組成物は硬化物の耐熱性(高温下での強度保持率及び接着強度)が不足していた。重量比[(B)/(C1)]が下限外である比較例2及び8のエポキシ樹脂組成物は硬化物の耐熱性(高温下での強度保持率及び接着強度)が不足していた。重量比[(B)/(C1)]が上限外である比較例3のエポキシ樹脂組成物は初期粘度が高すぎて施工性が悪かった。(C1)を含有しない比較例4及び9のエポキシ樹脂組成物は(B)が樹脂組成物中に均一に溶解しないため硬化物の耐熱性が不足していた。(B)及び(C1)ともに含有しない比較例5及び7のエポキシ樹脂組成物は、初期粘度が高すぎて施工性が悪かった。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、低温下でも低粘度で施工性(特に注入性及び充填性)が良好であり、常温硬化性を有しかつ耐熱性に優れる硬化物を与えることができるので、接着剤、樹脂充填剤、成形品等の種々の用途に用いることができ、特に土木建築分野の接着剤及び樹脂充填剤として好適に使用できる。とりわけ、GIR工法用接着剤及びあと施工アンカー用接着剤として有用である。

Claims (3)

  1. 5℃において液状であるポリエポキシド(A)を含有する主剤と、ジシアンジアミド(B)及び脂肪族ポリアミン(C)を含有する硬化剤とからなる二液硬化型エポキシ樹脂組成物であり、前記(B)の含有量が前記(A)100重量部に対して2.5~20重量%であり、前記脂肪族ポリアミン(C)がポリアルキレンポリアミン(C1)を含有し、前記(B)と前記(C1)の重量比[(B)/(C1)]が0.2~1.0である二液硬化型エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記脂肪族ポリアミン(C)が、更にイミダゾリン環を有するポリアミドポリアミン(C6)を含有する請求項1に記載の二液硬化型エポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の二液硬化型エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
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