JP2017096861A - 入力装置 - Google Patents

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Toshiki Nakamura
俊季 中村
尚 佐々木
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尚 佐々木
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譲 川名
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Daisuke Takai
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Abstract

【課題】検出精度を維持しつつ演算回路への負荷を低減することのできる入力装置を提供する。【解決手段】基台と、基台に保持された駆動電極と、基台に設けられた複数の固定電極と、回転軸の周りを回転自在であり、回転軸を中心とした第1仮想円上に並ぶように、基台に保持された複数の可動電極とを備える入力装置であって、複数の固定電極は、回転軸を中心とし、第1仮想円と同一の半径を有する第2仮想円上に並ぶように設けられ、複数の可動電極は、複数の固定電極に対してN個(Nは整数)おきに対向するように配置され、複数の可動電極を回転軸の周りに回転させたとき、回転軸方向に沿って見た、固定電極と可動電極の重なり面積は直線的に変化し、さらに、固定電極と可動電極との間に形成されるキャパシタの静電容量に応じた検出信号を生成し、この検出信号に基づいて、複数の可動電極が基準位置から所定角度だけ回転したときの回転情報を取得する。【選択図】図2

Description

本発明は、回転操作に応じた入力信号を検出する入力装置に関する。
従来より、回転操作を検出可能な入力装置が種々提案されている(例えば、特許文献1、2)。例えば、所定の形状を備えた回転電極と固定検出電極が互いに対向して配置され、回転電極を介して固定検出電極と固定接地電極との間に形成されるキャパシタの静電容量の変化に基づいて、回転操作に応じた正弦波の検出信号を得る入力装置がある。このような入力装置においては、正弦波の検出信号に基づいて、arctangent(逆正接)関数を用いた演算によって回転角度を算出している。
特開2012−68255号公報 特開2014−2080号公報
しかしながら、arctangentを用いた演算は演算回路への負荷が大きいため、高速な演算処理を実行することが難しくなり、このために、入力装置として、回転操作の検出速度を上げることが困難になるという問題があった。
そこで本発明は、検出精度を維持しつつ演算回路への負荷を低減し、これによって、正確かつ高速に回転操作の検出を行うことのできる入力装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の入力装置は、基台と、基台に保持された駆動電極と、基台に設けられた複数の固定電極と、回転軸の周りを回転自在であり、回転軸を中心とした第1仮想円上に並ぶように、基台に保持された複数の可動電極とを備える入力装置であって、複数の固定電極は、回転軸を中心とし、第1仮想円と同一の半径を有する第2仮想円上に並ぶように設けられ、複数の可動電極は、複数の固定電極に対してN個(Nは整数)おきに対向するように配置され、複数の可動電極を回転軸の周りに回転させたとき、回転軸方向に沿って見た、固定電極と可動電極の重なり面積は直線的に変化し、入力装置は、さらに、固定電極と可動電極との間に形成されるキャパシタの静電容量に応じた検出信号を生成する検出信号生成部と、検出信号に基づいて、複数の可動電極が基準位置から所定角度だけ回転したときの回転情報を取得する回転情報処理部とを備えることを特徴としている。
この構成によれば、検出信号生成部が生成する信号が、固定電極と可動電極との重なり面積の変化に対応した直線的な変化を示すようになるため、この直線の形状に基づいて回転情報を簡便な計算によって算出することが可能となり、これにより、arctangentを用いた演算を行わずに、正確かつ高速に回転操作の検出を行うことができる。
本発明の入力装置において、回転情報処理部は、重なり面積の直線的な変化に対応して直線的に変化する検出信号に基づいて、複数の可動電極の回転方向及び/又は回転角度を算出することが好ましい。
これにより、検出信号の直線の傾き等に基づいて、容易かつ高速に回転情報を算出することができ、演算回路への負担を軽減することができる。
本発明の入力装置において、検出信号は、重なり面積の直線的な変化に対応して直線的に増加して変曲点に至り、この変曲点から直線的に減少することが好ましい。
これにより、回転方向を高速かつ正確に判別することができる。
本発明の入力装置において、複数の固定電極のうちの特定の固定電極と可動電極との間に形成されるキャパシタの静電容量に応じた検出信号と、複数の固定電極のうちの特定の固定電極に隣り合う固定電極と可動電極との間に形成されるキャパシタの静電容量に応じた検出信号との差を算出する信号差算出部を備え、回転情報処理部は、検出信号の差に基づいて回転情報を取得することが好ましい。
これにより、検出信号に含まれるオフセット分を相殺することができるため、ダイナミックレンジを広げて検出感度を高めることができる。また、ノイズが発生した場合にもこれを相殺することができるため、ノイズ除去回路等を追加することなく精度の高い検出結果を提供することができる。
本発明の入力装置において、回転情報処理部は、検出信号の差が示す直線に基づいて、複数の可動電極の回転方向及び/又は回転角度を算出することが好ましい。
これにより、演算回路への負担を軽減しつつ、回転方向や回転角度を正確かつ高速に算出することができる。
本発明の入力装置において、第1仮想円の周方向における可動電極の幅Vは、前記第2仮想円の周方向における固定電極の幅Wに対して次式(1)に示す関係を満足することが好ましい。
W≦V≦2W (1)
これにより、可動電極が重なる固定電極は2個以下となるため、2つの固定電極についての検出信号に基づいて回転情報を取得すればよいことから、その演算処理の負担を抑えることができる。
本発明によると、演算回路への負荷を低減しつつ、正確かつ高速に回転操作の検出を行うことのできる入力装置を提供することが可能となる
本発明の実施形態に係る入力装置の表面の外観を示す図である。 図1のII−II線における断面図である。 本発明の実施形態に係る入力装置における、回転操作部、スペーサシート、及び基板を、基板の裏面側から見た分解斜視図である。 (A)は回転操作部の構成を示す底面図、図4(B)は駆動電極と固定電極群の構成を示す平面図である。 (A)は、可動電極、スペーサシート、及び固定電極群の位置関係を説明するための図であり、図5(B)は、図5(A)の5B部分の一部拡大図である。 本発明の実施形態に係る入力装置の全体的な構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る入力装置における回転操作の検出原理を説明するための図である。 検出信号生成部において生成された検出信号について、特定の固定電極のグループと駆動電極との間のキャパシタの静電容量に対応した検出信号と、この特定の固定電極に隣り合う固定電極のグループと駆動電極との間のキャパシタの静電容量に対応した検出信号との差の算出値を縦軸とし、回転操作部の回転角度を横軸とったグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る入力装置について説明する。各図には、基準座標としてX−Y−Z座標が示されている。X−Y面は外観パネル3、基板4などと平行な面であって、Z方向は、基板4から外観パネル3までが順に配置される方向である。以下の説明において、Z方向から見た状態を平面視ということがある。
図1は本発明の実施形態に係る入力装置1の表面の外観を示す図である。図1に示すように、入力装置1の外観は、平面視で略長方形状を呈している。入力装置1の表面側(Z方向上側)には外観パネル3が設けられ、裏面側(Z方向下側)には基板4が設けられている。外観パネル3には、例えば、円形の開口部3aが形成されている。この開口部3aからは、回転操作部20の表面20aが回転自在な状態で露出している。
図2は、図1のII−II線における断面図である。図3は、入力装置1における、回転操作部20、スペーサシート40、及び基板4を、基板4の裏面4b側から見た分解斜視図である。
図2又は図3に示すように、外観パネル3と基板4との間には、外観パネル3側から基板4側へ順に、フレーム10及び回転操作部20と、スペーサシート40との各構成要素が設けられている。概ね円盤状の回転操作部20の裏面20bには、基板4上に設けられた駆動電極30および固定電極群50と対向する電極部22が形成されている。以下、各構成要素について順に説明する。
フレーム10は、外観パネル3と基板4との間隔を一定に保持する板状の部材である。図2に示すように、フレーム10には、外観パネル3の開口部3aよりも開口径の大きな円形の開口部10aが形成される。フレーム10は、開口部10aの中心が、XY平面において、外観パネル3の開口部3aの中心と一致するように配置され、開口部10a内には、回転操作部20が回転自在に収容される。ここで、外観パネル3、基板4、及び、フレーム10は、入力装置1の基台5を構成している。回転操作部20は、外観パネル3によって回転軸21の方向の移動を規制されつつ、基台5に対して、Z方向に沿って延びる回転軸21の周りを回転自在に保持される。
図2と図3に示すように、回転操作部20の裏面20bには、回転軸21を中心とする2つの同心円をなして基板4側へ突出した2つの突起部26、27が形成される。これら2つの突起部26、27が描く同心円の径は、突起部26の方が小さくなっており、突起部27は回転操作部20の裏面20bの周縁部に形成される。図2に示すように突起部26と突起部27はスペーサシート40に当接するように配置され、これによって、回転操作部20の裏面20bに設けた電極部22と、スペーサシート40の表面40aとが一定の距離で離間する。また、スペーサシート40は、フレーム10の開口部10aによって側面を保持される。
回転操作部20の裏面20bにおいて、2つの突起部26、27の間には、回転軸21に対して垂直な平面部25が形成されている。この平面部25には電極部22が形成されている。この電極部22は、回転軸21を中心とする仮想円C1(第1仮想円)(図3)に沿うように形成されており、前記仮想円C1上に一定の角度間隔で並ぶ8個の可動電極23と、可動電極23の内側においてリング状に形成された円環部24とからなる。電極部22は、回転操作部20の裏面20bに対して、スパッタリング・蒸着その他の手段によって導電性薄膜として形成される。なお、電極部22は、回転操作部20とは別体で形成した導電性のリング状の薄い板材の表面に一定の角度間隔で形成し、この板材を裏面20bに対して接着等によって固定してもよい。
図4(A)は回転操作部20の構成を示す底面図、図4(B)は駆動電極30と固定電極群50の構成を示す平面図である。図4(A)はZ方向下側から見た図、図4(B)はZ方向上側から見た図である。図5(A)は、可動電極23、スペーサシート40、及び固定電極群50の位置関係を説明するための図であり、図5(B)は、図5(A)の5B部分の一部拡大図である。図5(A)、(B)は、理解を容易にするために、円弧状に曲がったそれぞれの電極を平面状に広げた状態で表している。
基板4は概ね長方形の形状を持つ絶縁体の板であり、回転操作部20と対向した表面4aの平面部に駆動電極30と固定電極群50が設けられている。
図3または図4(B)に示すように、駆動電極30は、回転軸21を中心とした円(仮想円C2)に沿ったリング状に形成された導体の板である。駆動電極30の外径と内径は、図4(A)、(B)に示すように、電極部22の円環部24の外径及び内径とそれぞれほぼ一致しており、駆動電極30と円環部24は回転軸21に沿った方向において互いに対向するように配置される。
図3または図4(B)に示すように、固定電極群50は、上記仮想円C2上に等角度間隔に同一の平面形状を有する24個の固定電極が並んで設けられる。固定電極群50は、基板4の表面4a上において、駆動電極30の外側であって駆動電極30と離間した位置に配置されている。本実施形態に示す例では、固定電極群50は、8個の第1固定電極51と、8個の第2固定電極52と、8個の第3固定電極53との合計24個の個別の固定電極を有する。これらの個別の固定電極は、同一の略扇形の平面形状を有し、回転軸21を中心とした円の1周の1/24の角度範囲に配置され、かつ、周方向において微小な間隔をもって互いに離間されている。第1固定電極51、第2固定電極52、及び、第3固定電極53は、回転軸21を中心とした仮想円C2(第2仮想円)(図3)上において、この順序で周期的に8個ずつ配置されている。ここで、仮想円C2は上記仮想円C1と同一の半径を有する円である。
固定電極群50に対向する8個の可動電極23は、図4(A)、(B)に示すように、第1固定電極51、第2固定電極52、及び、第3固定電極53と同一の平面形状を備え、回転軸21を中心とする円上において8個の第1固定電極51と同じ角度間隔で配置されている。この角度間隔は、8個の第2固定電極52と、8個の第3固定電極53についても同様である。したがって、8個の可動電極23と8個の第1固定電極51とが、それぞれ、XY平面において全体が重なるように対向しているとき、第2固定電極52と第3固定電極53はすべて可動電極23には対向せずに平面部25に対向する。これに対して、回転軸21を中心として回転操作部20を回転させていくと、回転角度に応じて、可動電極23と第1固定電極51との重なる面積が直線的に減少するとともに、第1固定電極51に隣り合う第2固定電極52と可動電極23との重なる面積が直線的に増加する。このような重なり面積の変化は、回転操作部20の回転によって可動電極23を第2固定電極52上から第3固定電極53上へ移動させたときや、第3固定電極53上から第1固定電極51上へ移動させたときも同様であり、また、これらと逆方向に回転操作部20を回転させたときも同様である。したがって、可動電極23と固定電極群50の個別の固定電極との重なり面積は周期的かつ直線的に変化する。
ここで、第1固定電極51、第2固定電極52、及び、第3固定電極53の平面形状は、互いに同一でなくてもよいが、回転操作部20を回転させたときに可動電極23とそれぞれの固定電極とが重なる面積が直線的に変化することが好ましい。また、直線的に変化するというのは、変化が直線に沿っていることのほか、入力装置1の仕様等に照らして直線とみなせる曲線に沿って変化する場合も含みうる。
スペーサシート40は、絶縁性のフィルム材であり、互いに対向する回転操作部20と基板4の間に配置され、電極部22と、駆動電極30及び固定電極群50との間隔を一定とし、かつ、互いに絶縁させる。さらに、可動電極23と固定電極群50が互いに対向し、円環部24と駆動電極30とが互いに対向することから、可動電極23と固定電極群50との間、及び、円環部24と駆動電極30との間キャパシタがそれぞれ形成される。
円環部24と駆動電極30とが形成するキャパシタの静電容量は、回転操作部20の回転に拘わらず一定である。
この構成においては、可動電極23と、固定電極群50の個別の固定電極との重なり面積の変化に応じて、駆動電極30と個別の固定電極とが形成するキャパシタの静電容量も直線的かつ周期的に変化する。さらに、可動電極23と固定電極群50の個別の固定電極の平面形状が同一であるため、回転操作部20の回転によって互いの重なりの面積は、両者が正対したときに最大となり、この点を変曲点として、変曲点に至るまでは重なり面積が直線的に増加し、変曲点を上回ると重なり面積は直線的に減少する。
ここで、図5(B)に示すように、回転軸21を中心とする円の周方向(図5(A)、(B)の左右方向)において、可動電極23の幅Vは、第1固定電極51の幅Wと、第1固定電極51と第2固定電極52の間隔L1との和と同一である。ここで、第2固定電極52及び第3固定電極53の幅もWであり、第2固定電極52と第3固定電極53の間隔、及び、第3固定電極53と第1固定電極51の間隔もL1である。また、隣り合う2個の可動電極23の間隔L2は、L2=2×W+2×L1の関係を満足する。また、図4(A)、(B)に示すように、回転軸21を中心とする円の径方向において、可動電極23の長さR1は、駆動電極30の長さと、第1固定電極51、第2固定電極52、及び第3固定電極53の長さと同一である。
可動電極23、第1固定電極51、第2固定電極52、第3固定電極53の形状及び間隔をこのように設定したことによって、第1固定電極51、第2固定電極52、及び第3固定電極53のいずれかを、可動電極23に対して全体として重ね合わせるように対向させることができる。この対向状態から、回転操作部20が回転することによって可動電極23が周方向にずれると、電極間の重ね合わせ面積が直線的に増加又は減少するため、可動電極23と、これに対向する固定電極との間に形成されるキャパシタの静電容量に対応する検出信号は三角波状の波形をなす。このような波形を用いて回転情報を算出すると、直線の傾きが明確に変化するため、回転角度や回転方向を精度良く、高速に算出することができる。
また、幅Vが間隔L1より大きいため、可動電極23が特定の固定電極に対して全体として重なるように対向した状態から周方向にずれたときに、隣り合う固定電極のいずれかに対向することから、検出信号に途切れがなく、回転操作部20の回転角度を精度良く検出することができる。
ここで、可動電極23の幅Vは、第1固定電極51、第2固定電極52、及び第3固定電極53の幅Wに対して次式(1)に示す関係を満足することが好ましい。
W≦V≦2W (1)
この式(1)は、隣り合う固定電極の間隔L1が、固定電極の幅Wに対して十分に小さい場合に適用されるが、幅Wに対して間隔L1が一定以上の大きさを有する場合は、次式(2)を満足することが好ましい。
W+L1≦V≦2W+2L1 (2)
上記の式(1)や式(2)を満足することによって、可動電極23が3つ以上の固定電極にまたがることがなくなるため、駆動電極30と、可動電極23に対向する固定電極との間に形成されるキャパシタの静電容量に対応する検出信号は三角波状の波形となり、これにより回転情報を精度良く、かつ、簡便に算出することが可能となる。
図6は、本実施形態に係る入力装置1の全体的な構成の一例を示す図である。
本実施形態に係る入力装置1は、上述した構成に加えて、検出信号生成部60と、処理部70と、記憶部80と、駆動部90とを有する。また、処理部70は、回転操作の検出に関する処理を行う回転情報処理部71と、検出信号の差を算出する信号差算出部72を有する。
検出信号生成部60は、第1固定電極51、第2固定電極52、及び第3固定電極53と、可動電極23との間に形成されるキャパシタの静電容量に応じた一群の検出信号を生成する。検出信号生成部60は、例えば、静電容量−電圧変換回路(CV変換回路)と、その出力電圧をデジタル信号に変換するAD変換回路を含んで構成される。
処理部70は、入力装置1の全体的な動作を制御や信号処理などを行う回路であり、例えば記憶部80に格納されたプログラムに基づいて処理を実行するコンピュータを含んで構成される。処理部70による処理の少なくとも一部は、専用のハードウェア(ASIC等)で行ってもよい。
駆動部90は、駆動電極30に対して、処理部70の制御にしたがって所定の駆動電圧を供給する。
図6に示すように、24個の第i固定電極(iは1から3までの整数を示す。)は、基板4に形成された配線パターンによって電気的に接続される。すなわち、8個の第1固定電極51が共通の配線によって検出信号生成部60に接続されており、8個の第2固定電極52及び8個の第3固定電極53についても、それぞれが共通配線によって検出信号生成部60にそれぞれ接続されている。
駆動部90によって駆動電極30に所定の駆動電圧が供給されると、固定電極群50の個別の固定電極と、8個の可動電極23のそれぞれとの間に形成されるキャパシタには、重なった面積に対応する静電容量に応じた電荷がそれぞれ蓄積される。検出信号生成部60は、キャパシタに蓄積される電荷に応じた信号を検出信号として生成する。
図7は、入力装置1における回転操作の検出原理を説明するための図である。図7は、回転操作部20を回転軸21を中心として回転させたときに、第1固定電極51、第2固定電極52、及び第3固定電極53のそれぞれから出力された信号に基づいて検出信号生成部60においてそれぞれ生成された検出信号SA、SB、SCの信号強度を、角度θに対してプロットしたグラフである。検出信号SA、SB、SCは、第1固定電極51、第2固定電極52、第3固定電極53から出力された信号にそれぞれ対応しており、周期・振幅は互いに同一である。図7の横軸におけるA1、A2、A3、...は、等間隔に配置されており、固定電極群50の個別の固定電極51、第2固定電極52、第3固定電極53のいずれかに対して可動電極23が正対したタイミングに対応する。
この検出信号波形について以下説明する。以下の説明では、可動電極23の幅Vが固定電極の幅Wと同一である場合を例に挙げて、検出信号の波形、検出信号の差の算出、この算出値に基づいた回転角度の算出などについて述べているが、可動電極23の幅Vが固定電極の幅Wに対して「W<V≦2W」の範囲にある場合についても同様の処理が可能である。
図7に示すように、角度θ=0となる基準位置において、検出信号SAはピーク値であり、検出信号SB、SCはボトム値(最低値)となっている。このとき、8個の可動電極23は8個の第1固定電極51とそれぞれ正対している。すなわち、平面視において、8個の可動電極23と8個の第1固定電極51は全体として、すなわち、ずれのない状態で重なっており、かつ、可動電極23は、第2固定電極52と第3固定電極53には重なっていない。したがって、駆動電極30と、第2固定電極52及び第3固定電極53のそれぞれとの間のキャパシタの静電容量はボトム値である。
つづいて、回転操作部20を回転させていくと、可動電極23と第1固定電極51との重なり面積が直線的に減少するとともに、可動電極23と第2固定電極52との重なり面積が直線的に増加する。さらに回転操作部20を回転させて回転角度θ=A1に至ると、8個の可動電極23は8個の第2固定電極52と正対する。このとき、検出信号SBはピーク値となり、駆動電極30と第2固定電極52との間のキャパシタの静電容量もピーク値となる。一方、可動電極23との重なり面積がゼロとなった第1固定電極51については、検出信号SAがボトム値となり、駆動電極30との間のキャパシタの静電容量はボトム値となる。また、回転角度θが0からA1に至る間において、可動電極23と第3固定電極53は重なっていないため、検出信号SCはボトム値のままであり、駆動電極30と第3固定電極53との電極間のキャパシタの静電容量はボトム値のままである。
次に、回転角度θ=A1からさらに回転操作部20を回転させていくと、可動電極23と第2固定電極52との重なり面積が直線的に減少するとともに、可動電極23と第3固定電極53との重なり面積が直線的に増加する。さらに回転操作部20を回転させて回転角度θ=A2に至ると、8個の可動電極23は8個の第3固定電極53と正対する。このとき、検出信号SCはピーク値となり、駆動電極30と第3固定電極53との間のキャパシタの静電容量もピーク値となる。一方、可動電極23との重なり面積がゼロとなった第2固定電極52については、検出信号SBがボトム値となり、駆動電極30との間のキャパシタの静電容量はボトム値となる。また、回転角度θがA1からA2に至る間において、可動電極23と第1固定電極51は重なっていないため、検出信号SAはボトム値であり、駆動電極30と第1固定電極51との電極間のキャパシタの静電容量はボトム値のままである。
さらに、回転角度θ=A2からさらに回転操作部20を回転させていくと、可動電極23と第3固定電極53との重なり面積が直線的に減少するとともに、可動電極23と第1固定電極51との重なり面積が直線的に増加する。さらに回転操作部20を回転させて回転角度θ=A3に至ると、8個の可動電極23は8個の第1固定電極51と正対する。このとき、検出信号SAはピーク値となり、駆動電極30と第1固定電極51との間のキャパシタの静電容量がピーク値となる。一方、可動電極23との重なり面積がゼロとなった第3固定電極53については、検出信号SCがボトム値となり、駆動電極30との間のキャパシタの静電容量はボトム値となる。また、回転角度θがA2からA3に至る間において、可動電極23と第2固定電極52は重なっていないため、検出信号SBはボトム値であり、駆動電極30と第2固定電極52との電極間のキャパシタの静電容量はボトム値のままである。
つづいて、回転角度θ=A3からさらに、A4、A5、A6、...と回転操作部20を回転させていくと、可動電極23は、第2固定電極52、第3固定電極53、第1固定電極51、第2固定電極52、第3固定電極53、...と順にそれぞれ正対し、可動電極23との重なり状態に応じて、上述のように、それぞれの固定電極と駆動電極30との間に形成されるキャパシタの静電容量が直線的に変化する。
ここで、検出信号生成部60においては、検出信号を生成するときに、検出信号の強度が回転角度θに対して直線的に変化するように補正することが好ましい。この補正としては、最小二乗法等の回帰分析によって補正前の信号を直線近似する近似処理や、補正前の信号のうちの直線部分を延ばすことによって行う補間処理などがある。
図8は、検出信号生成部60において生成された検出信号について、固定電極群50のうちの特定の固定電極のグループ(例えば、8個の第1固定電極51)と8個の可動電極23との間のキャパシタに対応した検出信号と、この特定の固定電極に隣り合う固定電極のグループ(例えば、8個の第2固定電極52)と可動電極23との間のキャパシタに対応した検出信号との差の算出値を縦軸とし、横軸に回転操作部20の回転角度をとったグラフである。
この差の算出は、信号差算出部72によって行い、可動電極23と、ある特定の固定電極とが正対してから、回転操作部20の回転によって、上記特定の固定電極のとなりの固定電極に対して可動電極23が正対するまでの回転角度ごとに算出対象を変更している。算出対象となる検出信号は、対象となる角度範囲において、可動電極23に対して順に重なる2個の固定電極がそれぞれ形成するキャパシタの静電容量に対応する信号である。例えば、回転角度θがゼロからA1の範囲においては、第1固定電極51に対応する検出信号SAと第2固定電極52に対応する検出信号SBが対象となって、その差の算出値が図8によって直線d1のように表される。ここで、図7に示すように、この角度範囲において信号強度がゼロのままである検出信号SCは算出対象から除かれる。また、回転角度θがA1からA2の範囲においては、2つの検出信号SB、SCの差が図8における直線d2として表され、それ以降の回転角度θについても、直線d3、d4、d5、d6、...と表される。
回転情報処理部71は、検出信号生成部60において生成される一群の検出信号(図7に示す第1検出信号SA、第2検出信号SB、第3検出信号SC)、及び/又は、信号差算出部72において算出された検出信号の差の信号に基づいて、回転操作部20の回転に係わる情報を取得する処理を行う。
回転情報処理部71は、第1検出信号SA、第2検出信号SB、及び第3検出信号SCの直線の傾きに基づいて、又は、信号差算出部72において算出された検出信号の差の信号の直線の傾きに基づいて、回転情報として、回転操作部20の回転方向を判定する。また、回転情報処理部71は、第1検出信号SA、第2検出信号SB、及び第3検出信号SCの直線における信号強度値に基づいて、又は、信号差算出部72において算出された検出信号の差の算出値に基づいて、回転情報として、回転操作部20の回転角度を算出する。
ここで、本実施形態の入力装置1においては、信号差算出部72による信号差の演算を行わずに、第1検出信号SA、第2検出信号SB、及び第3検出信号SCの直線の傾きや信号強度値に基づいて、回転操作部20の回転方向を判定し、また、回転角度を算出することも可能である。しかし、信号差算出部72において2つの検出信号の差を算出すると、検出信号SA、SB、SCにそれぞれ含まれるオフセット分を相殺することができるため、差動演算回路などの新たな回路を追加することなくダイナミックレンジを実質的に広げることができ、これによって、検出感度を高めることが可能となる。また、IC電源ノイズやセンサ配線へのノイズが発生した場合にも、差を算出する過程でこれらを相殺することができるため、ノイズ除去回路等を追加することなく精度の高い検出結果を得ることができる。
以下に変形例について説明する。
上記実施形態においては、固定電極51、52、53が8個ずつ周期的に並び、かつ、この周期ごとに可動電極23が配置された構成を例示したが、4個以上の固定電極を周期的に配置し、この周期ごとに可動電極23を配置してもよい。
上記実施形態においては、回転操作部20を手指で操作することによって回転操作部20を回転軸21の周りを回転させていたが、これに代えて、モーター等の駆動機器によって回転操作部20を回転軸21の周りに回転させることもでき、これにより、入力装置1を回転エンコーダとして機能させることも可能である。
以上のように構成されたことから、上記実施形態によれば、複数の可動電極23を回転軸21の周りに回転させたとき、回転軸21の方向に沿って見た、固定電極群50の各電極と可動電極23の重なり面積は直線的に変化し、これに対応して検出信号生成部60が生成する信号も、上記重なり面積の変化に対応した直線的な変化を示すようになるため、この直線の形状に基づいて回転情報を簡便な計算によって算出することが可能となり、これにより、arctangentを用いた演算を行う必要がなくなることから演算回路の負担を軽減でき、正確かつ高速に回転操作の検出を行うことができる。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
以上のように、本発明に係る入力装置は、検出精度を維持しつつ演算回路への負担を低減できる点で有用である。
1 入力装置
3 外観パネル
4 基板
5 基台
10 フレーム
20 回転操作部
21 回転軸
22 電極部
23 可動電極
24 円環部
25 平面部
26、27 突起部
30 駆動電極
40 スペーサシート
50 固定電極群
51 第1固定電極
52 第2固定電極
53 第3固定電極
60 検出信号生成部
70 処理部
71 回転情報処理部
72 信号差算出部

Claims (6)

  1. 基台と、
    前記基台に保持された駆動電極と、
    前記基台に設けられた複数の固定電極と、
    回転軸の周りを回転自在であり、前記回転軸を中心とした第1仮想円上に並ぶように、前記基台に保持された複数の可動電極とを備える入力装置であって、
    前記複数の固定電極は、前記回転軸を中心とし、前記第1仮想円と同一の半径を有する第2仮想円上に並ぶように設けられ、
    前記複数の可動電極は、前記複数の固定電極に対してN個(Nは整数)おきに対向するように配置され、
    前記複数の可動電極を前記回転軸の周りに回転させたとき、前記回転軸方向に沿って見た、前記固定電極と前記可動電極の重なり面積は直線的に変化し、
    前記入力装置は、さらに、
    前記固定電極と前記可動電極との間に形成されるキャパシタの静電容量に応じた検出信号を生成する検出信号生成部と、
    前記検出信号に基づいて、前記複数の可動電極が基準位置から所定角度だけ回転したときの回転情報を取得する回転情報処理部と
    を備えることを特徴とする入力装置。
  2. 前記回転情報処理部は、前記重なり面積の直線的な変化に対応して直線的に変化する検出信号に基づいて、前記複数の可動電極の回転方向及び/又は回転角度を算出することを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
  3. 前記検出信号は、前記重なり面積の直線的な変化に対応して直線的に増加して変曲点に至り、この変曲点から直線的に減少することを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
  4. 前記複数の固定電極のうちの特定の固定電極と前記可動電極との間に形成されるキャパシタの静電容量に応じた検出信号と、前記複数の固定電極のうちの前記特定の固定電極に隣り合う固定電極と前記可動電極との間に形成されるキャパシタの静電容量に応じた検出信号との差を算出する信号差算出部を備え、
    前記回転情報処理部は、前記検出信号の差に基づいて回転情報を取得することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の入力装置。
  5. 前記回転情報処理部は、前記検出信号の差が示す直線に基づいて、前記複数の可動電極の回転方向及び/又は回転角度を算出することを特徴とする請求項4に記載の入力装置。
  6. 前記第1仮想円の周方向における前記可動電極の幅Vは、前記第2仮想円の周方向における固定電極の幅Wに対して次式(1)に示す関係を満足することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の入力装置。
    W≦V≦2W (1)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021501310A (ja) * 2017-11-09 2021-01-14 ベバスト エスエーWebasto SE 静電容量測定によるモータの位置決め

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