JP2017094638A - 積層体、加飾フィルム、加飾フィルムの製造方法、加飾成形体、及び加飾成形体の製造方法 - Google Patents

積層体、加飾フィルム、加飾フィルムの製造方法、加飾成形体、及び加飾成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】深みのある色味、及び光沢性を両立する積層体、加飾フィルム、加飾フィルム、加飾成形体、並びに加飾成形体の製造方法を提供する。【解決手段】色材及び樹脂を含む第1の着色層と、色材及び樹脂を含む第2の着色層と、第1の着色層と第2の着色層との間に配置された光輝層と、第1の着色層の光輝層が配置された側とは反対側に配置された、金属を含む金属含有反射層と、を有する積層体、加飾フィルム、加飾フィルムの製造方法、加飾成形体、及び加飾成形体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、積層体、加飾フィルム、加飾フィルムの製造方法、加飾成形体、及び加飾成形体の製造方法に関する。
携帯電話、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、券売機、及び銀行の端末などの電子機器では、近年、液晶装置などの表面にタブレット型の入力装置が配置され、液晶装置の画像表示領域に表示された指示画像を参照しながら、この指示画像が表示されている箇所に指又はタッチペンなどを触れることで、指示画像に対応する情報の入力が行えるものがある。
このような入力装置においては、表示装置の引き回し回路等を使用者から視認されないようにするため、また、見栄えよくするため、指、又はタッチペンなどで触れる情報表示部を囲む枠状の加飾材により加飾が行われている。このような加飾材(例えば、加飾フィルム)として、近年では、需要者の嗜好の多様性に対応するため高度な意匠性が求められる。
加飾材としては、熱可塑性樹脂から成る基材シートと、基材シートの一方の面上に印刷される第1透明着色インキ層と、第1透明着色インキ層の基材シート側と反対側の面上に印刷される光輝性顔料を含有する光輝性インキ層と、光輝性インキ層の第1透明着色インキ層側と反対側の面上に印刷される第2透明着色インキ層と、を備えた加飾シートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の加飾材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はアクリルフィルムで形成された基材フィルムの面上に、パターン層、雲母又はガラスの微粉末に酸化チタンを多層コーティングして生成されるパール顔料を含む光輝層、隠蔽層の順で積層されて形成された加飾フィルムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2014−200977号公報 特開2012−201006号公報
加飾材(例えば、加飾フィルム)において高度な意匠性を実現するためには、多彩な色を再現できることが求められる。加飾フィルムにおいて多彩な色を再現するための特性として、加飾フィルムには、深みのある色味と光沢性とを両立することが求められている。
上記の特許文献1に記載の加飾シート及び特許文献2に記載の加飾フィルムでは、深みのある色味と光沢性と両立はできず、この2つの特性を満たす加飾フィルムへの要求は高まっている。
深みのある色味とは、見る角度により色味の変化が見られ、かつ、塗膜に奥行きがみられるものである。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、深みのある色味、及び光沢性を両立する積層体、加飾フィルム、加飾フィルムの製造方法、加飾成形体、並びに加飾成形体の製造方法を提供すること課題とする。
上記課題を解決するための本発明の具体的な態様には、以下の態様が含まれる。
<1> 色材及び樹脂を含む第1の着色層と、色材及び樹脂を含む第2の着色層と、第1の着色層と第2の着色層との間に配置された光輝層と、第1の着色層の光輝層が配置された側とは反対側に配置された、金属を含む金属含有反射層と、を有する積層体。
<2> 金属含有反射層は、金属粒子を含む<1>に記載の積層体。
<3> 金属含有反射層は、アルミニウム金属粒子を含む<1>又は<2>に記載の積層体。
<4> 金属含有反射層は、下記式(1)で表されるグラフト型シリコーンポリマーを含む<2>又は<3>に記載の積層体。
式(1)中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数が1〜3のアルキル基を表し、R11及びR12は、それぞれ独立に、アリーレン基又は炭素数が1〜3のアルキレン基を表し、R13及びR14は、それぞれ独立に、単結合又は2価の有機連結基を表し、Aは、粒子吸着部位を有する基を表し、Bは、下記式(2)で表される構造を有する基を表し、l及びnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表し、mは、0以上の整数を表す。
式(2)中、R15及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数が1〜3のアルキル基を表し、kは、1以上の整数を表す。
<5> 光輝層は、光透過性及び光反射性を有する顔料を含む<1>〜<4>のいずれか1つに記載の積層体。
<6> 光透過性及び光反射性を有する顔料が、雲母、ガラス、酸化チタン被覆雲母、又は酸化チタン被覆ガラスである<5>に記載の積層体。
<7> 光輝層は、アクリル樹脂、エステル樹脂、及びシリコーン樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載の積層体。
<8> 第1の着色層及び第2の着色層に含まれる樹脂が、アクリル樹脂、エステル樹脂、及びシリコーン樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の積層体。
<9> 基材フィルム上に、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の積層体が配置された加飾フィルム。
<10> 基材フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルム、アクリルフィルム、又はポリカーボネートフィルムである<9>に記載の加飾フィルム。
<11> <9>又は<10>に記載の加飾フィルムと、樹脂成形体と、を備えた加飾成形体。
<12> <1>〜<8>のいずれか1つに記載の積層体と、樹脂成形体と、を備えた加飾成形体。
<13> 基材フィルム上に、第2の着色層用塗布液を塗布し、第2の着色層を形成する第2の着色層形成工程と、第2の着色層上に光輝層用塗布液を塗布し、光輝層を形成する光輝層形成工程と、光輝層上に第1の着色層用塗布液を塗布し、第1の着色層を形成する第1の着色層形成工程と、第1の着色層上に金属含有反射層を形成する金属含有反射層形成工程と、を有する加飾フィルムの製造方法。
<14> <9>又は<10>に記載の加飾フィルムに樹脂成形体を固着させる工程を含む加飾成形体の製造方法。
<15> 更に加飾フィルムの基材フィルムを剥離する工程を有する<14>に記載の加飾成形体の製造方法。
本発明によれば、深みのある色味、及び光沢性を両立する積層体、加飾フィルム、加飾フィルムの製造方法、加飾成形体、並びに加飾成形体の製造方法が提供される。
本発明の積層体の層構成の一例を示す断面模式図である。 本発明の加飾フィルムの層構成の一例を示す断面模式図である。
以下、本発明の積層体、加飾フィルム、加飾フィルムの製造方法、加飾成形体、及び加飾成形体の製造方法について詳細に説明する。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
<積層体>
積層体は、色材及び樹脂を含む第1の着色層と、色材及び樹脂を含む第2の着色層と、第1の着色層と第2の着色層との間に配置された光輝層と、第1の着色層の光輝層が配置された側とは反対側に配置された、金属を含む金属含有反射層と、を有する。
本発明の効果が現れる理由は明確ではないが、以下のように推定される。
従来の加飾フィルムの層構成としては、例えば、基材上に、着色層、光輝層、及び反射層がこの順に積層された積層体が知られているが、着色層の光吸収により光輝層由来の反射が抑えられるため、光沢性は十分ではない。また、例えば、基材上に、光輝層、着色層、及び反射層がこの順に積層された積層体を有する構成も挙げられ、光輝層由来の強い光沢が塗膜全面に見られるため、深みのある色味は得られない。
近年の高度な意匠性の要求に応じるためには、深みのある色味と光沢性とを両立することが求められる。
特許文献1に記載の加飾シートは、反射層を有さず、基材シートが反射層の機能を兼ねるものの白色の基材シートが想定されているため、深みのある色味は得られない。また、特許文献2に記載の加飾フィルムは、反射層を有さないため、深みのある色味を有さない。このように、特許文献1に記載の加飾シート及び特許文献2に記載の加飾フィルムでは、深みのある色味、及び光沢性を両立することができない。
本発明の積層体は、第1の着色層と第2の着色層との間に光輝層を有し、第1の着色層の光輝層を有する側とは反対側の面側に金属含有反射層を有する。
このように、2つの着色層で光輝層を挟み、さらに一方の着色層の外側(光輝層を有さない側)に金属含有反射層を配置することで、第2の着色層側から入射した光は、第2の着色層を通過し、一部の光は光輝層で反射され、一部の光は光輝層と第1の着色層とを通過し金属含有反射層で反射される。そのため、積層体は深みのある色味と光沢性とを両立することができると考えられる。
本発明の積層体は、上記の深みのある色味及び光沢性に加え、金属含有層を有することで、金属含有反射層の背後の素材の色に対する遮蔽性にも優れると考えられる。
遮蔽性とは、加飾フィルムの背後に配置される素材の色が、加飾フィルムの表側から視認されない性質を意味する。
[第1の着色層]
第1の着色層は、色材及び樹脂を含む。
積層体は、第1の着色層を有し、後述の光輝層を介して後述の第2の着色層を有することで、深みのある色味を有する。
(色材)
第1の着色層は、色材の少なくとも1種を含む。色材は特に制限されず、所望の色の色材から選択できる。色材は、顔料でもよく、染料でもよい。
顔料としては、従来公知の種々の無機顔料、及び有機顔料を用いることができる。
無機顔料としては、例えば、特開2005−7765号公報の段落0015及び段落0114に記載の白色顔料が挙げられる。
具体的な無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、リトポン、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、及び硫酸バリウムなどの白色顔料、並びに、カーボンブラック、チタンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン、及び黒鉛などの黒色顔料が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、特開2009−256572号公報の段落0093に記載の有機顔料が挙げられる。
具体的な有機顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 177、224、242、254、255、264等の赤色顔料、C.I.Pigment Yellow 138、139、150、180、185等の黄色顔料、C.I.Pigment Orange 36、38、71等の橙色顔料、C.I.Pigment Green 7、36、58等の緑色顔料、C.I.Pigment Blue 15:6等の青色顔料、C.I.Pigment Violet 23等の紫色顔料が挙げられる。
これらの無機顔料及び有機顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、無機顔料と有機顔料とを併用してもよい。
色材は、深みのある色味及び光沢性の両立の観点から、一次粒子の数平均粒径が、10nm〜300nmのものが好ましく、30nm〜270nmのものがより好ましく、50nm〜250nmのものがさらに好ましい。
色材の数平均粒径が10nm以上であると、色材由来の隠蔽性により深みのある色味を再現しやすい。一方、数平均粒子径が300nm以下であると光沢性がより向上する。
一次粒子の数平均粒径は、色材の粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした際の直径(円相当径)を、粒子100個について求め、100個の粒子の円相当径を算術平均することで得られる値を意味する。
第1の着色層における色材の含有量は、第1の着色層の全質量に対して、1質量%以上60質量%以下が好ましく、5質量%以上55質量%以下がより好ましく、10質量%以上50質量%以下がさらに好ましい。
第1の着色層の色材の含有量が1質量%以上であると色材由来の隠蔽性により深みのある色味を再現しやすい。一方、第1の着色層の色材の含有量が60質量%以下であると光沢性がより向上する。
(樹脂)
第1の着色層は、樹脂の少なくとも1種を含む。第1の着色層における樹脂は、色材を固定化するバインダーとして機能する。
樹脂としては、特に制限されず、公知の樹脂を適宜選択できる。樹脂は、深みのある色味及び光沢性を両立する観点から、透明な樹脂であることが好ましく、具体的には、全光透過率が80%以上の樹脂が好ましい。
全光透過率は、分光光度計(例えば、(株)島津製作所製のUV−2100)により測定することができる。
樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂が挙げられる。
また、樹脂は、後述の重合性化合物(モノマー)を重合(硬化)して高分子化した化合物であってもよい。重合性化合物を硬化して得られた樹脂を用いる場合、積層体の強度が向上する。
これらの中でも、透明性の観点から、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、及びエステル樹脂が好ましく、アクリル樹脂、及びシリコーン樹脂がより好ましい。さらに、耐熱性の観点からは、シリコーン樹脂が好ましい。
本明細書において「アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリロイル基を有するアクリルモノマーに由来の構造単位を含む樹脂を指す。(メタ)アクリロイル基とは、メタクリロイル基及びアクリロイル基を包含する概念である。
アクリル樹脂には、例えば、アクリル酸の単独重合体、メタクリル酸の単独重合体、アクリル酸エステルの単独重合体、メタクリル酸エステルの単独重合体、アクリル酸と他のモノマーとの共重合体、メタクリル酸と他のモノマーとの共重合体、アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体、メタクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体などが包含される。
アクリル樹脂としては、シクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体のグリシジルメタクリレート付加物、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸のランダム共重合体、アリルメタクリレート/メタクリル酸の共重合体、及びベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体などが挙げられる。
シリコーン樹脂としては、公知のシリコーン樹脂から選択でき、例えば、メチル系ストレートシリコーン樹脂、メチルフェニル系ストレートシリコーン樹脂、アクリル樹脂変性シリコーン樹脂、エステル樹脂変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂、アルキッド樹脂変性シリコーン樹脂及びゴム系のシリコーン樹脂が挙げられる。
中でも、メチル系ストレートシリコーン樹脂、メチルフェニル系ストレートシリコーン樹脂、アクリル樹脂変性シリコーン樹脂、ゴム系のシリコーン樹脂が好ましく、メチル系ストレートシリコーン樹脂、メチルフェニル系ストレートシリコーン樹脂、ゴム系のシリコーン樹脂がより好ましい。
シリコーン樹脂は市販品を用いてもよく、市販品としては、信越化学工業(株)のKR−300、KR−311、KR−251、X−40−2406M、KR−282等が挙げられる。
エステル樹脂としては、例えば、芳香族二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルが挙げられる。
線状飽和ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。
第1の着色層における樹脂の含有量は、第1の着色層の全質量に対して、20質量%以上90質量%以下が好ましく、30質量%以上85質量%以下がより好ましく、35質量%以上80質量%以下がさらに好ましい。
第1の着色層の樹脂の含有量が20質量%以上であるとバインダーとして機能しやすい。一方、第1の着色層の樹脂の含有量が90質量%以下であると深みのある色味を再現しやすく、光沢性がより向上する。
(重合性化合物)
第1の着色層は、重合性化合物を硬化した樹脂を含んでいてもよく、硬化に寄与しない重合性化合物を含んでいてもよい。
重合性化合物としては、特に制限は無く、例えば、不飽和基を有する化合物が挙げられる。不飽和基としては、エチレン性不飽和基、及びエポキシ基などが挙げられる。
重合性化合物は、エチレン性不飽和結合含有化合物が好ましく、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含むことがより好ましい。
エチレン性不飽和結合含有化合物としては、例えば、特許第4098550号公報の段落0023〜0024に記載の重合性化合物、トリシクロデカンジオールジメタノールジアクリレートなどの2官能の重合性化合物が挙げられる。
重合性化合物としては、DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、ジペンタエリスリトール(ペンタ/ヘキサ)アクリレート、及びトリペンタエリスリトールオクタアクリレートなどの少なくとも5つのエチレン性不飽和基を有する重合性化合物;ウレタン(メタ)アクリレート化合物などのウレタン系モノマー;エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、及びトリシクロデカンジオールジメタノールジアクリレートなどの2官能の重合性化合物を好ましく用いることができる。
重合性化合物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いることが、硬化感度の観点から好ましい。
重合性化合物は、少なくとも5つのエチレン性不飽和基を有する重合性化合物と2官能の重合性化合物を併用することが好ましい。
重合性化合物は、平均分子量が200〜3,000であることが好ましく、250〜2,600であることがより好ましく、280〜2,200であることが特に好ましい。
第1の着色層における重合性化合物の含有量は、第1の着色層の全質量に対して1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上45質量%以下がより好ましく、10質量%以上40質量%以下がさらに好ましい。
重合性化合物として2官能の重合性化合物を含む場合、2官能の重合性化合物は、全ての重合性化合物に対して10質量%以上90質量%の範囲で含まれることが好ましく、20質量%以上85質量%以下の範囲で含まれることがより好ましく、30質量%以上80質量%以下の範囲で含まれることがさらに好ましい。
重合性化合物として少なくとも5つのエチレン性不飽和基を有する重合性化合物を含む場合、少なくとも5つのエチレン性不飽和基を有する重合性化合物は、全ての重合性化合物に対して10質量%以上90質量%以下の範囲で含まれることが好ましく、15質量%以上80質量%以下の範囲で含まれることがより好ましく、20質量%以上70質量%以下の範囲で含まれることがさらに好ましい。
(重合開始剤)
第1の着色層が重合性化合物を硬化した樹脂を含む場合、重合性化合物の硬化には重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、特開2011−95716号公報の段落0031〜0042に記載の重合開始剤、特開2015−014783号公報の段落0064〜0081に記載のオキシム系重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤としては、例えば、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](例えば、IRGACURE(登録商標)OXE−01、BASF社製)、エタン−1−オン,[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)(例えば、IRGACURE(登録商標)OXE−02、BASF社製)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(例えば、IRGACURE(登録商標)379EG、BASF社製)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(例えば、IRGACURE(登録商標)907、BASF社製)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(例えば、IRGACURE(登録商標)127、BASF社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(例えば、IRGACURE(登録商標)369、BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(例えば、IRGACURE(登録商標)1173、BASF社製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(例えば、IRGACURE(登録商標)184、BASF社製)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(例えば、IRGACURE(登録商標)651、BASF社製)、オキシムエステル系重合開始剤である商品名:Lunar 6(DKSHジャパン(株)製)、2,4−ジエチルチオキサントン(例えば、カヤキュアDETX−S、日本化薬(株)製)、フルオレンオキシム系重合開始剤であるDFI−091、DFI−020(ともにダイトーケミックス社製)が挙げられる。
中でも、トリクロロメチルトリアジン系化合物などのハロゲン含有重合開始剤以外の他の開始剤を用いることが硬化感度を高める観点から好ましく、α−アミノアルキルフェノン系化合物、α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、オキシムエステル系化合物などのオキシム系重合開始剤がより好ましい。
重合開始剤の使用量は、重合性化合物に対する質量比が、0.05〜0.125であることが好ましく、0.070〜0.100であることがより好ましい。
(その他の成分)
第1の着色層は、上記の成分以外にも、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、例えば特許第4502784号公報の段落0017、特開2009−237362号公報の段落0060〜0071に記載の界面活性剤、特許第4502784号公報の段落0018に記載の熱重合防止剤(重合禁止剤ともいう。好ましくはフェノチアジン)、さらに、特開2000−310706号公報の段落0058〜0071に記載のその他の添加剤が挙げられる。
〜第1の着色層の厚み〜
第1の着色層の厚みは、1μm以上50μm以下が好ましく、1μm以上40μm以下がより好ましく、2μm以上40μm以下がさらに好ましい。
第1の着色層の厚みが1μm以上であると、深みのある色味をより再現しやすい。一方、第1の着色層の厚みが50μm以下であると光沢性がより向上する。
[第2の着色層]
第2の着色層は、色材及び樹脂を含む。
積層体は、上記の第1の着色層上に後述の光輝層を介して第2の着色層を有することで、深みのある色味を有する。
(色材)
第2の着色層は、色材の少なくとも1種を含む。色材は特に制限されず、所望の色の色材から選択できる。色材は顔料でもよく、染料でもよい。
第2の着色層に用いることができる色材は、上記の第1の着色層に用いることができる色材と同じであり、好ましい態様についても同じである。
第2の着色層における色材の含有量は、第2の着色層の全質量に対して、1質量%以上60質量%以下が好ましく、5質量%以上55質量%以下がより好ましく、10質量%以上50質量%以下がさらに好ましい。
第2の着色層の色材の含有量が1質量%以上であると色材由来の隠蔽性により深みのある色味を再現しやすい。一方、第2の着色層の色材の含有量が60質量%以下であると光沢性がより向上する。
(樹脂)
第2の着色層は、樹脂の少なくとも1種を含む。第2の着色層における樹脂は、色材を固定化するバインダーとして機能する。
樹脂としては、特に制限されず、公知の樹脂を適宜選択できる。樹脂は、深みのある色味及び光沢性を両立する観点から、透明な樹脂であることが好ましく、具体的には、全光透過率が80%以上の樹脂が好ましい。
全光透過率は、既述の方法により測定することができる。
樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂が挙げられる。
また、樹脂は、後述の重合性化合物(モノマー)を重合(硬化)して高分子化した化合物であってもよい。重合性化合物を硬化して得られた樹脂を用いる場合、積層体の強度が向上する。
これらの中でも、透明性の観点から、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、及びエステル樹脂が好ましく、アクリル樹脂、及びシリコーン樹脂がより好ましい。さらに、耐熱性の観点からは、シリコーン樹脂が好ましい。
第2の着色層に用いることができる樹脂としては、上記の第1の着色層に用いることができる樹脂と同じものが挙げられ、好ましい態様についても同じである。
第2の着色層における樹脂の含有量は、第2の着色層の全質量に対して、20質量%以上90質量%以下が好ましく、30質量%以上85質量%以下がより好ましく、35質量%以上80質量%以下がさらに好ましい。
第2の着色層の樹脂の含有量が20質量%以上であるとバインダーとして機能しやすい。一方、第2の着色層の樹脂の含有量が90質量%以下であると深みのある色味を再現しやすく、光沢性がより向上する。
(重合性化合物、重合開始剤、その他の成分)
第2の着色層に用いることができる重合性化合物、重合開始剤、及びその他の成分は、上記の第1の着色層に用いることができる重合性化合物、重合開始剤、及びその他の成分と同じものが挙げられ、好ましい態様についても同じである。
〜第2の着色層の厚み〜
第2の着色層の厚みは、1μm以上50μm以下が好ましく、1μm以上40μm以下がより好ましく、2μm以上40μm以下がさらに好ましい。
第2の着色層の厚みが1μm以上であると、深みのある色味をより再現しやすい。一方、第2の着色層の厚みが50μm以下であると光沢性がより向上する。
[光輝層]
積層体は、光輝層を有し、光輝層は第1の着色層及び第2の着色層の間に配置される。光輝層が第1の着色層と第2の着色層との間に配置されることで、積層体は光沢性に優れる。
光輝層は、光透過性と光反射性とを有する層であり、光透過性及び光反射性を有する顔料、並びに樹脂を含むことが好ましい。
「光透過性と光反射性とを有する」とは、入射した光の一部が透過し、他の一部が反射する性質を有することを意味する。光輝層は、入射した光の全光透過率が20%以上85%以下であり、かつ、入射した光の全光反射率が50%以上80%以下であることが好ましい。
全光透過率は既述の方法により測定することができる。全光反射率は、分光光度計(例えば、日本分光(株)製のV−570)により測定することができる。
(光透過性及び光反射性を有する顔料)
光輝層は、光透過性及び光反射性を有する顔料の少なくとも1種を含むことが好ましい。
光透過性及び光反射性を有する顔料としては、例えば、雲母、ガラス、酸化チタン被覆雲母(雲母チタン)、酸化チタン被覆ガラス、酸化チタン被覆タルク、酸化鉄被覆雲母、パール顔料、ビスマスパール等が挙げられる。また、酸化チタンの被覆層が複数積層された顔料、酸化チタンの被覆層に酸化ケイ素の被覆層が積層された顔料等も挙げられる。
雲母顔料としては、日本光研(株)製のツインクルパールシリーズ、アルティミカシリーズ、及びパールグレイズシリーズ、並びにSANDREAM社製のMicaBasedシリーズ、及びfluorphlogophiteBasedシリーズ等が挙げられる。ガラス顔料としては、日本板硝子(株)製のメタシャインシリーズ、及びSANDREAM社製のGlassBasedシリーズ等が挙げられる。
光透過性及び光反射性を有する顔料の形状は特に制限されず、例えば、真球形状、平板形状、楕円形状であってもよい。光透過性及び光反射性を有する顔料は、高い光反射性が得られるよう層中に粒子を平行に並べることが好ましいため、平板形状であることが好ましい。
平板形状である場合、光沢の点から長径の大きさが10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、50μm以上であることがより好ましい。また、塗布液のろ過や層形成といった製造の際の取り扱いの点から、長径は500μm以下が好ましい。また、層中に粒子を平行に配列させるため、長径は層の厚み同等以上であることが好ましい。
光輝層における光透過性及び光反射性を有する顔料の含有量は、光輝層の全質量に対して、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、1質量%以上20質量%以下がより好ましく、2質量%以上15質量%以下がさらに好ましい。
光輝層の光透過性及び光反射性を有する顔料の含有量が0.1質量%以上であると光沢性がより向上する。一方、光輝層の光透過性及び光反射性を有する顔料の含有量が30質量%以下であると光輝層由来のぎらつきが抑えられ深みのある色味を再現しやすい。
(樹脂)
光輝層は、樹脂の少なくとも1種を含むことが好ましい。
樹脂としては、特に制限されず、公知の樹脂を適宜選択できる。樹脂は、深みのある色味及び光沢性を両立する観点から、透明な樹脂であることが好ましく、具体的には、全光透過率が80%以上の樹脂が好ましい。
全光透過率は既述の方法により測定することができる。
光輝層における樹脂の含有量は、光輝層の全質量に対して、50質量%以上99.5質量%以下が好ましく、70質量%以上99質量%以下がより好ましく、80質量%以上98質量%以下がさらに好ましい。
樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂が挙げられる。
また、樹脂は、後述の重合性化合物(モノマー)を重合(硬化)して高分子化した化合物であってもよい。重合性化合物を硬化して得られた樹脂を用いる場合、積層体の強度が向上する。
これらの中でも、透明性の観点から、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、及びエステル樹脂が好ましく、アクリル樹脂、及びシリコーン樹脂がより好ましい。さらに、耐熱性の観点からは、シリコーン樹脂が好ましい。
光輝層に用いることができる樹脂としては、上記の第1の着色層に用いることができる樹脂と同じものが挙げられ、好ましい態様についても同じである。
(重合性化合物、重合開始剤、その他の成分)
光輝層は重合性化合物、重合開始剤、及びその他の成分を含んでいてもよく、これらは上記の第1の着色層に用いることができる重合性化合物、重合開始剤、及びその他の成分と同じものが挙げられ、好ましい態様についても同じである。
〜光輝層の厚み〜
光輝層の厚みは、10μm以上100μm以下が好ましく、15μm以上90μm以下がより好ましく、20μm以上80μm以下がさらに好ましい。
光輝層の厚みが10μm以上であると、光沢性がより向上する。一方、光輝層の厚みが100μm以下であると深みのある色味をより再現しやすい。
[金属含有反射層]
積層体は、第1の着色層の光輝層が配置される側とは反対側に配置された、金属を含む金属含有層を含む。金属含有反射層は、積層体の第2の着色層側から入射した光を反射する層である。
積層体が金属含有反射層を有することで、積層体は深みのある色味、及び高い遮蔽性を実現できる。
金属含有反射層の全光反射率は、遮蔽性の観点から、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、75%以上が更に好ましい。
全光反射率は、既述の方法で測定することができる。
金属含有反射層は、金属粒子と樹脂とを含む層であってもよく、金属膜自体であってもよい。金属含有反射層が金属粒子を含む場合、分散剤を含むことがより好ましい。
(金属粒子)
金属含有反射層に含まれ得る金属粒子としては、例えば、アルミニウム金属粒子、金粒子、銀粒子、銅粒子が挙げられる。
中でも、積層体の軽量化、及びコストの観点から、アルミニウム金属粒子が好ましい。
金属粒子の形状は特に制限されず、例えば、真球形状、平板形状、楕円形状であってもよい。金属粒子は、高光反射性が得られるよう層中に粒子を平行に並べることが好ましいため、平板形状であることが好ましい。
平板形状である場合、光沢の点から長径の大きさが10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、50μm以上であることがより好ましい。また、塗布液のろ過や層形成といった製造の際の取り扱いの点から、長径は500μm以下が好ましい。また、層中に粒子を平行に配列させるため、長径は層の厚み同等以上であることが好ましい。
アルミニウム金属粒子としては、例えば、旭化成ケミカルズ(株)のGXシリーズ、BSシリーズ、MHシリーズ、東洋アルミニウム(株)のアルペーストシリーズ、DECOMETシリーズが挙げられる。
金属含有反射層における金属粒子の含有量は、金属含有反射層の全質量に対して、1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましく、10質量%以上30質量%以下がさらに好ましい。
金属含有反射層の金属粒子の含有量が1質量%以上であると遮蔽性がより向上する。一方、金属含有反射層の金属粒子の含有量が50質量%以下であると積層体を軽量化することができる。
(分散剤)
金属含有反射層が金属粒子を含む場合、金属含有反射層は分散剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。
分散剤を含むことで、金属含有反射層中における金属粒子の分散性が向上し、積層体は深みのある色味をより実現しやすく、かつ、遮蔽性がより向上する。
分散剤としては、シリコーンポリマー、アクリルポリマー、ポリエステルポリマーが挙げられる。積層体の耐熱性の観点から、シリコーンポリマー(例えば、グラフト型シリコーンポリマー)が好ましい。
−グラフト型シリコーンポリマー−
グラフト型シリコーンポリマーとしては、特に限定されてないが、下記式(1)で表されるグラフト型シリコーンポリマーであることが好ましい。下記式(1)で表されるグラフト型シリコーンポリマーは、ランダム共重合体でもよく、ブロック共重合体でもよい。
式(1)中、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数が1〜3のアルキル基を表し、R11及びR12は、それぞれ独立に、アリーレン基又は炭素数が1〜3のアルキレン基を表し、R13及びR14は、それぞれ独立に、単結合又は2価の有機連結基を表し、Aは、粒子吸着部位を有する基を表し、Bは、下記式(2)で表される構造を有する基を表し、l及びnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表し、mは、0以上の整数を表す。
式(1)中、R〜R10は、それぞれ独立に、アリール基又は炭素数が1〜3のアルキル基であることが好ましく、炭素数が1〜3のアルキル基であることがより好ましい。
〜R10が表すアリール基としては、例えば、無置換フェニル基、置換フェニル基が挙げられる。
〜R10が表す炭素数が1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、及びi−プロピル基が挙げられる。炭素数が1〜3のアルキル基としては、メチル基及びエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
〜R10は更なる置換基を有していてもよく、例えば、R〜R10の末端がヒドロキシ基である場合、任意のアルキル基を介してヒドロキシ基を有する基(アルコキシ基)であってもよい。但し、R〜R10は、更なる置換基を有さないことが好ましい。
式(1)中、lは1以上の整数を表し、1〜100であることが好ましく、1〜60であることがより好ましく、1〜30であることが特に好ましい。
式(1)中、lが2以上である場合、l個のR、及びRは、それぞれ互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(1)中、mは0以上の整数を表し、1以上の整数であることが金属粒子の分散性を高める観点から好ましく、1〜60であることがより好ましく、1〜30であることが特に好ましい。
式(1)中、mが2以上である場合、m個のRは、それぞれ互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(1)中、nは1以上の整数を表し、1〜100であることが好ましく、1〜60であることがより好ましく、1〜30であることが特に好ましい。
式(1)中、nが2以上である場合、n個のRは、それぞれ互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(1)で表されるグラフト型シリコーンポリマーにおける各部分構造の含有量の割合は、特に制限はない。すなわち、式(1)中、lとmとnの割合は特に制限はない。
式(1)中、R11及びR12は、炭素数が1〜3のアルキレン基が好ましい。
11及びR12が表すアリーレン基としては、例えば、無置換フェニレン基、置換フェニレン基が挙げられる。
11及びR12が表す炭素数が1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、及びトリメチレン基が挙げられる。
mが2以上である場合、m個のR11は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。nが2以上である場合、n個のR12は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(1)中、mが2以上である場合、m個のR13は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(1)中、nが2以上である場合、n個のR14は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
13又はR14が表す2価の有機連結基としては、1個〜100個の炭素原子、0個〜10個の窒素原子、0個〜50個の酸素原子、1個〜200個の水素原子、及び0個〜20個の硫黄原子から形成される基が含まれ、無置換でもさらに置換基を有していてもよい。
13又はR14が表す2価の有機連結基の具体的な例としては、下記の構造単位群Gから選ばれる構造単位又はこれらの構造単位が組み合わさって形成される基が挙げられる。
13又はR14としては、単結合、又は1個〜50個の炭素原子、0個〜8個の窒素原子、0個〜25個の酸素原子、1個〜100個の水素原子、及び0個〜10個の硫黄原子から形成される2価の有機連結基が好ましく、単結合、又は1個〜30個の炭素原子、0個〜6個の窒素原子、0個〜15個の酸素原子、1個〜50個の水素原子、及び0個〜7個の硫黄原子から形成される2価の有機連結基がより好ましく、単結合、又は1個〜10個の炭素原子、0個〜5個の窒素原子、0個〜10個の酸素原子、1個〜30個の水素原子、及び0個〜5個の硫黄原子から形成される2価の有機連結基が特に好ましい。
13又はR14は、単結合、又は、上記構造単位群Gから選ばれる構造単位又はこれらの構造単位が組み合わさって形成される、「1個〜10個の炭素原子、0個〜5個の窒素原子、0個〜10個の酸素原子、1個〜30個の水素原子、及び0個〜5個の硫黄原子」から形成される2価の有機連結基(置換基を有していてもよく、この置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素原子数1〜20のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素原子数6〜16のアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素原子数1〜6のアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素原子数1〜6のアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素原子数2〜7のアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基が挙げられる)であることが好ましい。
13は、−(CH)−CH(R13A)−で表される2価の有機連結基であることが好ましい。R13Aは、水素原子又は炭素数が1〜3のアルキル基を表す。R13Aは、水素原子又はメチル基であることが好ましい。R13Aは、さらに置換基を有していてもよく、置換基を有する場合、カルボキシ基を有することが好ましい。
14は、−(CH)−CH(R14A)−C(=O)−O−(C2p)−で表される2価の有機連結基であることが好ましい。R14Aは、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、pは0以上の整数を表す。水素原子又はメチル基であることが好ましい。R14Aは、さらに置換基を有していてもよい。pは1以上の整数であることが好ましい。
式(1)中、Aは粒子吸着部位を表す。
mが2以上の場合、m個のAは互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
Aは、1つの粒子吸着部位を有していてもよく、複数の粒子吸着部位を有していてもよい。Aが複数の粒子吸着部位を有する場合、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
Aは、例えば、粒子吸着部位と、1個〜200個の炭素原子、0個〜20個の窒素原子、0個〜100個の酸素原子、1個〜400個の水素原子、及び0個〜40個の硫黄原子から構成される有機連結基と、が結合してなる1価の有機基であることが好ましい。粒子吸着部位自体が1価の有機基を構成し得る場合には、粒子吸着部位そのものがAで表される有機基であってもよい。
粒子吸着部位は、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素原子数4以上の炭化水素基、複素環残基、アミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシ基、及びチオール基から選択される部位を、少なくとも1種含むことが好ましく、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、配位性酸素原子を有する基、複素環残基、アミド基、アルコキシシリル基、ヒドロキシ基、及びチオール基から選択される部位を少なくとも1種含むことがより好ましく、酸性基及びアルコキシシリル基から選択される部位を少なくとも1種含むことがさらに好ましく、カルボン酸基、リン酸基及びトリメトキシシリル基であることが特に好ましい。
粒子吸着部位が表す酸性基としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基(ホスホノ基など)、ホスホノオキシ基、モノリン酸エステル基、ホウ酸基が挙げられる。中でも、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、ホスホノオキシ基、モノリン酸エステル基がより好ましく、カルボン酸基、スルホン酸基、及びリン酸基が特に好ましい。
粒子吸着部位が表す塩基性窒素原子を有する基としては、例えば、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR108、−NR109110、ここで、R108、R109、及びR110は、各々独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6以上のアリール基、炭素原子数7以上のアラルキル基を表す)、グアニジル基、アミジニル基が挙げられる。
粒子吸着部位が表すウレア基としては、例えば、−NR115CONR116117(R115、R116、及びR117は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6以上のアリール基、又は炭素原子数7以上のアラルキル基を表す)が挙げられる。中でも、−NR115CONHR117(R115及びR117は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6以上のアリール基、又は炭素原子数7以上のアラルキル基を表す)がより好ましく、−NHCONHR117(R117は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6以上のアリール基、又は炭素原子数7以上のアラルキル基を表す)が特に好ましい。
粒子吸着部位が表すウレタン基としては、例えば、−NHCOOR118、−NR119COOR120、−OCONHR121、−OCONR122123(R118、R119、R120、R121、R122及びR123は、各々独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6以上のアリール基、又は炭素原子数7以上のアラルキル基を表す)が挙げられる。中でも、−NHCOOR118、−OCONHR121(ここで、R118、R121は各々独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6以上のアリール基、又は炭素原子数7以上のアラルキル基を表す)がより好ましく、−NHCOOR118、−OCONHR121(R118、R121は、各々独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6以上のアリール基、又は炭素原子数7以上のアラルキル基を表す)が特に好ましい。
粒子吸着部位が表す配位性酸素原子を有する基としては、例えば、アセチルアセトナート基、クラウンエーテルが挙げられる。
粒子吸着部位が表す炭素原子数4以上の炭化水素基としては、例えば、炭素原子数4以上のアルキル基、炭素原子数6以上のアリール基、炭素原子数7以上のアラルキル基が挙げられる。中でも、炭素原子数4〜20アルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアラルキル基がより好ましく、炭素原子数4〜15アルキル基(例えば、オクチル基、ドデシル基)、炭素原子数6〜15のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)、炭素原子数7〜15のアラルキル基(例えば、ベンジル基)が特に好ましい。
粒子吸着部位が表す複素環残基としては、例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノンが挙げられる。
粒子吸着部位が表すアミド基としては、例えば、−CONHR124(R124は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素原子数6以上のアリール基、又は炭素原子数7以上のアラルキル基を表す)が挙げられる。
粒子吸着部位が表すアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基が挙げられる。
粒子吸着部位を有する有機基のその他のとり得る態様としては、例えば、特開2013−43962号公報の段落0016〜0046に記載された有機基が挙げられる。
式(1)中、Bは下記式(2)で表される構造を有する。
式(2)中、R15及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数が1〜3のアルキル基を表し、kは、1以上の整数を表す。
15及びR16が表すアリール基としては、例えば、無置換フェニル基、置換フェニル基が挙げられる。
15及びR16が表す炭素数が1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、及びi−プロピル基が挙げられる。
15及びR16は、それぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
kは1以上の整数を表し、2〜300であることが好ましく、10〜200であることがより好ましい。
式(2)で表される構造は、シリコーン系モノマーから誘導される構造であることが好ましい。B自体がシリコーン系モノマーから誘導される構造であってもよく、BとR14の組み合わせがシリコーン系モノマーから誘導される構造であってもよい。
シリコーン系モノマーは、シリコーン系マクロマーであってもよい。
「マクロマー(マクロモノマーともいう)」は、重合性官能基を有するオリゴマー(重合度2以上300以下程度)又はポリマーの総称であり、高分子と単量体(モノマー)との両方の性質を有するものである。上記の式(2)で表される構造は、重量平均分子量が1,000〜50,000(より好ましくは1,000〜10,000であり、さらに好ましくは1,000〜5,000)であるシリコーン系マクロマーから誘導される構造であることが好ましい。
重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定することができる。
具体的には、下記の条件で測定することができる。
・カラム:GPCカラムTSKgelSuper HZM−H(東ソー社製)
・溶媒:テトラヒドロフラン
・標準物質:単分散ポリスチレン
更には、ポリマーは有機溶媒に可溶であることが好ましい。有機溶媒との親和性が高いと、例えば、分散剤として使用した場合、分散媒との親和性が強まり、分散安定化に十分な金属含有反射層を確保しやすい。
式(2)で表される構造を有する基としては、例えば、信越化学工業(株)製のX−22−174ASX、X−22−174BX、KF−2012、X−22−173BXX−22−3710に由来する基などが挙げられる。
式(1)で表されるグラフト型シリコーンポリマーは、l、m、n、k個の繰り返し単位以外のその他の繰り返し単位を有していてもよいが、その他の繰り返し単位を有さないことが好ましい。
その他の繰り返し単位としては、例えば、式(1)で表されるグラフト型シリコーンポリマーは、下記式(3)で表される(未反応の)チオール基を有する繰り返し単位を有していてもよい。
式(3)中、RJ6は、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、RJ11は、アリーレン基又は炭素数が1〜3のアルキレン基を表し、jは0以上の整数を表す。
J6が表すアリール基としては、例えば、無置換フェニル基、置換フェニル基が挙げられる。
J6が表す炭素数が1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、及びi−プロピル基が挙げられる。
J11及が表すアリーレン基としては、例えば、無置換フェニレン基、置換フェニレン基が挙げられる。
J11が表す炭素数が1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、及びトリメチレン基が挙げられる。
jが2以上である場合、j個のRJ6は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。jが2以上である場合、j個のRJ11は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
J6及びRJ11の好ましい範囲は、R及びR11の好ましい範囲と同様である。
jは0であることが好ましい。
式(3)で表されるチオール基を有する繰り返し単位を含むポリマーの例には、信越化学工業(株)製のKF−2001、KF−2004などが挙げられる。
分散剤は、式(1)で表されるグラフト型シリコーンポリマーの中でも、下記式(4)で表されるグラフト型シリコーンポリマーであることがより好ましい。
式(4)中、R11及びR12は、それぞれ独立に、アリーレン基又は炭素数が1〜3のアルキレン基を表し、R13及びR14は、それぞれ独立に、単結合又は2価の有機連結基を表し、Aは、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素原子数4以上の炭化水素基、複素環残基、アミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシ基及びチオール基から選択される部位を、少なくとも1種含む粒子吸着部位を有する基を表し、Bは上記の式(2)で表される構造を有する基を表し、l、m1及びnはそれぞれ独立に1以上の整数を表す。
式(4)中におけるR11〜R14、B、l及びnの定義及び好ましい範囲は、式(1)中におけるR11〜R14、B、l及びnの定義及び好ましい範囲とそれぞれ同様である。
式(4)中におけるA及びm1の好ましい範囲は、式(1)中におけるA及びmの好ましい範囲とそれぞれ同様である。
〜分散剤の製造方法〜
上述の分散剤の製造方法としては特に制限はない。
例えば、以下のメルカプト変性シリコーンである化合物A、シリコーンマクロモノマーである化合物B及び粒子吸着部位を有するマクロモノマーである化合物Cの組み合わせにより合成することができ、例えば以下のスキーム1により合成できる。
なお、下記スキーム1ではマクロモノマー(具体的にはラジカル重合性モノマー、より具体的には(メタ)アクリルモノマー)である化合物B及び化合物Cを用いた例を示したが、上述の分散剤の製造方法はこのような製造方法に限定されるものではない。
化合物A、化合物B、化合物C及びスキーム1中、R〜R12、l、m及びnは式(1)中のR〜R12、l、m、nと同じであり、pは0以上の整数であり、kは1以上の整数であり、Rは任意の置換基であり、Rはメチル基を表し、Xはカルボキシ基を表し、V−601は重合開始剤の一例であるジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)である。
スキーム1
分散剤の製造方法は、特開2013−43962号公報の段落0110〜0134の記載を参照してもよい。
(分散剤の重量平均分子量)
分散剤の重量平均分子量としては、1,000〜5,000,000であることが好ましく、2,000〜3,000,000であることがより好ましく、2,500〜3,000,000であることが特に好ましい。重量平均分子量が1,000以上であると、金属粒子の分散性がより向上する。
重量平均分子量は、既述の方法により測定できる。
(金属膜)
金属含有反射層が金属膜である場合、金属膜としては、銀、金、アルミニウム、銅、パラジウム、白金、錫、インジウム、亜鉛、チタン、カドミウム、鉄、コバルト、クロム、ニッケルなどの金属又は合金等でなる膜が挙げられる。
〜金属含有反射層の形成〜
金属含有反射層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第1の着色層上に、金属含有反射層形成用分散液を、ディップコーター、ダイコーター、スリットコーター、バーコーター、グラビアコーター等により塗布する方法、LB膜(Langmuir−Blodgett膜)法、自己組織化法、スプレー塗布などの方法で形成する方法が挙げられる。
金属含有反射層が金属膜の場合は、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式等の中から使用する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って成膜することができる。
[積層体の層構成]
積層体の層構成について図1を用いて説明する。図1は積層体の層構成を示す断面模式図である。積層体10は、金属含有反射層11と、第1の着色層12と、光輝層13と、第2の着色層14と、をこの順に有する。
積層体は、遮蔽性の観点から、光学濃度が、3.5〜6.0であることが好ましく、4.0〜5.5であることがより好ましく、4.5〜5.0であることが特に好ましい。
光学濃度は、透過濃度計(例えば、サカタインクス(株)製のBMT−1)を用いて測定することができる。
積層体全体の厚みは、20μm以上500μm以下が好ましく、50μm以上400μm以下がより好ましい。
<加飾フィルム>
加飾フィルムは、基材フィルム上に、上述の本発明の積層体が配置されている。加飾フィルムは、積層体の第2の着色層と基材フィルムとが対向して配置されている。
加飾フィルムには、本発明の積層体が配置されているため、深みのある色味、及び光沢性を両立することができる。
[基材フィルム]
基材フィルムとしては、種々の材質のものを用いることができるが、光学的に歪みがないフィルム、透明度が高いフィルムを用いることがより好ましい。
基材フィルムは、全光透過率が80%以上であることが好ましい。
全光透過率は、既述の方法により測定することができる。
基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、アクリルフィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルムが挙げられる。
基材フィルムは、透明性の観点から、PETフィルム、アクリルフィルム、又はPCフィルムであることが好ましく、アクリルフィルムがより好ましい。
また、基材フィルム表面には、種々の機能を付加してもよい。具体的には、耐傷層、自己修復層、帯電防止層、防汚層、防電磁波層、導電性層などが挙げられる。
基材フィルムの厚みは、35μm〜300μmが好ましく、50μm〜250μmがより好ましい。
[加飾フィルムの層構成]
加飾フィルムの層構成について図2を用いて説明する。図2は加飾フィルムの層構成を示す断面模式図である。加飾フィルム20は、積層体10と、基材フィルム21と、をこの順に有する。積層体10は、金属含有反射層11と、第1の着色層12と、光輝層13と、第2の着色層14と、がこの順に積層されている。
加飾フィルムは、遮蔽性の観点から、光学濃度が、2.5〜6.0であることが好ましく、3.0〜5.5であることがより好ましい。
光学濃度は既述の方法により測定できる。
加飾フィルム全体の厚みは、50μm以上600μm以下が好ましく、100μm以上500μm以下がより好ましい。
<加飾フィルムの製造方法>
加飾フィルムの製造方法は、基材フィルム上に、第2の着色層用塗布液を塗布し、第2の着色層を形成する第2の着色層形成工程と、第2の着色層上に光輝層用塗布液を塗布し、光輝層を形成する光輝層形成工程と、光輝層上に第1の着色層用塗布液を塗布し、第1の着色層を形成する第1の着色層形成工程と、第1の着色層上に金属含有反射層を形成する金属含有反射層形成工程と、を有する。
加飾フィルムの製造方法における金属含有反射層形成工程における金属含有反射層の形成方法は既述の通りである。
各層を形成するための塗布液を塗布する方法としては、公知の方法を適用することができ、ディップコーター、ダイコーター(例えば、エクストルージョンコーター)、スリットコーター、バーコーター、グラビアコーター等により塗布する方法が挙げられる。
各層を形成するために調製する塗布液は、上記の各層に含まれる成分に加え、溶剤、界面活性剤などを混合することにより調製することができる。
塗布液に含まれ得る溶剤としては、通常用いられる溶剤を特に制限なく用いることができる。具体的には例えば、エステル類、エーテル類、ケトン類、芳香族炭化水素類等の溶剤が挙げられる。
また、米国特許公開2005/282073A1号明細書の段落0054、0055に記載のSolventと同様のメチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、及び乳酸メチル等も本発明においても好適に用いることができる。
中でも、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(エチルカルビトールアセテート)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ブチルカルビトールアセテート)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、及びメチルエチルケトン等が本発明における溶剤として好ましく用いられる。これらの溶剤は、1種単独でもあるいは2種以上を併用してもよい。
各層の成分として重合性化合物及び重合開始剤を含む場合、加飾フィルムの作製における各層の形成を、露光工程を設けて行ってもよい。露光工程により重合性化合物を硬化させることで積層体の強度がより向上する。
露光工程は、例えば、特開2006−23696号公報の段落0035〜0051に記載の方法を本発明においても好適に用いることができる。
露光工程は、第1の着色層、第2の着色層、光輝層、並びに金属含有反射層に、重合性化合物及び重合開始剤が含まれる場合、各層を形成するための塗布液を塗布した後、露光すること各塗布液に含まれる重合性化合物を硬化させる工程である。
露光の光源としては、前述の重合性化合物を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nm)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、及びメタルハライドランプ等が挙げられる。
露光量としては、通常5mJ/cm〜200mJ/cm程度であり、好ましくは10mK/cm〜100mJ/cm程度である。
<加飾成形体>
加飾成形体における樹脂成形体は、加飾フィルムの金属含有反射層側の面に対向して配置されることが好ましい。加飾フィルムと樹脂成形体とは、直接接していてもよく、接着層を介していてもよい。
また、加飾成形体は、上記の加飾フィルムを備える加飾成形体を作製した後、加飾フィルムの基材フィルムを剥離した態様、すなわち、本発明の積層体と、樹脂成形体と、を備える態様でもよい。
加飾成形体は、本発明の加飾フィルム又は積層体を備えるため、深みのある色味、及び光沢性を両立することができる。
(樹脂成形体)
樹脂成形体としては、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂等を成形した成形体が挙げられる。
(接着層)
加飾成形体において、加飾フィルムと樹脂成形体との間に接着層を設けてもよい。
接着層を形成する接着剤としては、公知の接着剤を適宜選択することができる。具体的には、例えば、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体及びアクリル樹脂を含む接着剤が挙げられる。
接着剤は市販品を用いてもよく、市販品としては、帝国インキ社のIMB−003などが挙げられる。
<加飾成形体の製造方法>
加飾成形体の製造方法は、本発明の加飾フィルムに樹脂成形体を固着させる工程を含む。
また、加飾成形体の製造方法は、本発明の加飾フィルムに樹脂成形体を固着させる工程以外の工程として、さらに加飾フィルムの基材フィルムを剥離する工程を有していてもよい。
以下に、加飾成形体の製造方法について具体的に説明する。なお、ここでは、加飾フィルムと樹脂成形体とを、インサート成形により固着する場合を例に挙げて説明する。
以下、射出成形用の金型内に、一定寸法の四辺形に形成されている加飾フィルムを配置して型閉めを行い、その後、溶融樹脂を金型内に射出して、射出樹脂が固化したところで取り出すことによって、加飾フィルムが表面に接着した加飾成形体を製造する工程について説明する。
上記の工程により、加飾フィルムは三次元的な形状に成形されるため、加飾フィルムの有する深みのある色味及び光沢性が付与された三次元形状の加飾成形体が作製される。
加飾成形体の製造に用いる射出成形用の金型(成形金型)は、凸形状を有する金型(雄型)と凸形状に対応する凹形状を有する金型(雌型)を備えており、雌型の内周面となる成形面に加飾フィルムを配置した後に、型閉めを行う。
ここで、成形金型内に加飾フィルムを配置する前には、加飾フィルムを、成形金型を用いて加飾フィルムを成形(プレフォーム)することにより、加飾フィルムに予め三次元形状を付与しておき、成形金型に供給することも可能である。
また、成形金型内に加飾フィルムを配置する際には、成形金型へ加飾フィルムを挿入した状態で、加飾フィルムと成形金型との位置合わせが必要になる。
成形金型へ加飾フィルムを挿入した状態で、加飾フィルムと成形金型との位置合わせを行う方法としては、雌型が有する位置合わせ穴へ、雄型が有する固定ピンを挿入して保持する方法がある。
ここで、位置合わせ穴は、雌型において、加飾フィルムの端部(成形後に三次元形状が付与されない位置)予め形成されている。
また、固定ピンは、雄型において、位置合わせ穴と嵌合する位置に、予め形成されている。
また、成形金型へ加飾フィルムを挿入した状態で、加飾フィルムと成形金型との位置合わせを行う方法としては、位置合わせ穴へ固定ピンを挿入する方法以外にも、以下の方法を用いることが可能である。
例えば、加飾フィルムのうち成形後に三次元形状が付与されない位置に予め付した位置合わせマークに目標として、加飾フィルムの搬送装置側の駆動により微調整して合わせ込む方法が挙げられる。この方法の場合、位置合わせマークは、射出成形品(加飾成形体)の製品部分から見て、対角2点以上で認識するのが好ましい。
加飾フィルムと成形金型との位置合わせを行い、成形金型を型閉じした後に、加飾フィルムを挿入した成形金型内に溶融樹脂を射出する。このとき、加飾フィルムの金属含有反射層側(接着層が設けられている場合は接着層側)に溶融樹脂を射出する。
成形金型内に射出される溶融樹脂の温度は、使用する樹脂の物性等に応じて設定する。例えば、使用する樹脂がアクリル樹脂であれば、溶融樹脂の温度は、240℃以上260℃以下の範囲内とすることが好ましい。
なお、雄型が有する注入口(射出口)の位置を、溶融樹脂を成形金型内へ射出する際に発生する熱やガスにより、加飾フィルムが異常に変形しないように、成形金型の形状や溶融樹脂の種類に合わせて設定してもよい。
加飾フィルムを挿入した成形金型内に射出した溶融樹脂が固化した後、成形金型を型開きして、成形金型から、固化した溶融樹脂と加飾フィルムからなる中間加飾成形体を取り出す。
中間加飾成形体は、最終的に製品(加飾成形体)となる加飾部の周囲に、バリと、加飾成形体のダミー部分が一体化している。ここで、ダミー部分には、上述した位置合わせにおいて、固定ピンが挿通されて形成された挿通孔が存在している。
そして、加飾部から、上記のバリとダミー部分を取り除くことにより、加飾成形体を製造する。
得られた加飾成形体は、必要に応じて加飾フィルムの基材フィルムを剥離して、積層体と、樹脂成形体と、を備えた加飾成形体としてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
<加飾フィルム用塗布液の作製>
[着色層用塗布液の調製]
下記表1に記載の各着色層用塗布液を、表1に示す組成となるように調製した。表1中の数値は、各塗布液の全質量に対する各成分の質量部を示し、「−」は当該成分を含有していないことを示す。
表1に記載の各成分の詳細は以下の通りである。
・赤色顔料分散液1:下記の方法により調製
・赤色顔料分散液2:下記の方法により調製
・青色顔料分散液:下記の方法により調製
・黒色顔料分散液:下記の方法により調製
・アクリル樹脂:下記の構造
・シリコーン樹脂1:シリコーン樹脂のキシレン溶液(固形分50質量%)、信越化学工業(株)製、KR−300
・シリコーン樹脂2:シリコーン樹脂のキシレン溶液(固形分60質量%)信越化学工業(株)製、KR−311
・モノマー1:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、新中村化学工業(株)製、A−DCP
・モノマー2:ウレタンアクリレート、大成ファインケミカル(株)製、8UX−015A
・モノマー3:カルボン酸含有モノマー、東亞合成(株)製、アロニックス(登録商標)TO−2349
・重合開始剤1:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、BASF社製、OXE−02
・重合開始剤2:2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、BASF製、IRGACURE(登録商標)907
・界面活性剤:パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル型アミン中和物のメチルイソブチルケトン溶液(固形分30質量%)、DIC(株)製、メガファック(登録商標)F−551
・MEK:メチルエチルケトン
(赤色顔料分散液1の調製)
−赤色色材組成物1の調製−
市販のC.I.ピグメント・レッド254(赤顔料)100部、塩化ナトリウム400部、及び溶剤としてのジエチレングリコール140部、を卓上型ニーダー((株)入江商会製)に仕込み、10時間混練した。次に、得られた混練物をディゾルバー((株)日本精機製作所製)で水と撹拌、混合した後、ろ過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及び溶剤を除き、赤顔料の水ケーキを得た。得られた水ケーキを80℃のオーブンで6時間乾燥させ、赤色色材組成物1を得た。
−粗分散−
上記で得られた赤色色材組成物1を用いて、下記の組成の各成分を混合して混合物を得たのち、混合物をアイガーミル(登録商標)(アイガー・ジャパン(株)製)と直径0.8mmのジルコニアビーズとを用いて分散し、粗分散物を得た。
−組成−
・上記赤色色材組成物:100部
・分散助剤:10部
(日本ルーブリゾール(株)製、SOLSPERSE(登録商標)22000)
・分散剤:40部
(日本ルーブリゾール(株)製、SOLSPERSE(登録商標)24000)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:150部
−精密分散−
上記粗分散後の粗分散物を取り出し、粗分散物300部に対してプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75部を加えて混合した。その後、アイガーミル(登録商標)(アイガー・ジャパン(株)製)と直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて分散し、精密分散物を得た。
−濃度調整−
精密分散後の精密分散物を取り出し、顔料濃度が20質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて希釈し、赤色顔料分散液1とした。
赤色顔料分散液1中のC.I.ピグメント・レッド254の数平均粒径は、60nmであった。
数平均粒子径は、顔料の粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした際の直径(円相当径)を、粒子100個について求め、100個の粒子の円相当径を算術平均することで求めた。
以下に記載の他の顔料分散液における顔料の数平均粒径についても同様に測定した。
(赤色顔料分散液2の調製)
赤色色材組成物1の調製においてC.I.ピグメント・レッド254(赤顔料)100部を、C.I.ピグメント・レッド177(赤顔料、数平均粒径:100nm)100部に変更した以外は同様にして赤色顔料分散液2を調製した。
(青色顔料分散液の調製)
赤色色材組成物1の調製においてC.I.ピグメント・レッド254(赤顔料)100部を、C.I.ピグメント・ブルー15:6(青顔料、数平均粒径:75nm)100部に変更した以外は同様にして青色顔料分散液を調製した。
(黒色顔料分散液の調製)
下記の組成となるように各成分を混合して混合物を得たのち、混合物に対し、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いてビーズミルで3時間分散し、黒色顔料分散液(数平均粒径:210nm)を得た。
−組成−
・カーボンブラック:15.0部
(三菱化学(株)製)
・アクリル系高分子分散剤:15.0部
(BASFジャパン社製、EFKA 4300)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:30.0部
[光輝層用塗布液の調製]
下記表2に記載の各光輝層用塗布液を、表2に示す組成となるように調製した。表2中の数値は、各塗布液の全質量に対する各成分の質量部を示し、「−」は当該成分を含有していないことを示す。
表2に記載の各成分の詳細は以下の通りである。なお、アクリル樹脂、シリコーン樹脂1、シリコーン樹脂2、界面活性剤、及びMEKは、既述の通りである。
・パール顔料(酸化チタン被覆雲母、日本光研工業(株)、ツインクルパールSX)
[金属含有反射層用塗布液の調製]
下記表3に記載の各金属含有反射層用塗布液を、表3に示す組成となるように調製した。表3中の数値は、各塗布液の全質量に対する各成分の質量部を示し、「−」は当該成分を含有していないことを示す。
表3中、塗布液8〜塗布液10は、金属含有反射層用塗布液であり、塗布液11〜塗布液13は、比較塗布液である。
表3に記載の各成分の詳細は以下の通りである。なお、黒色顔料分散液、アクリル樹脂、シリコーン樹脂1、シリコーン樹脂2、モノマー1、モノマー2、モノマー3、重合開始剤1、重合開始剤2、界面活性剤、及びMEKは、既述の通りである。
・銀色顔料分散液1:下記の方法により調製
・銀色顔料分散液2:下記の方法により調製
・白色顔料分散液:山陽色素(株)製、FP White B422、組成(白色顔料(酸化チタン):70.0質量%、分散助剤:3.5質量%、分散溶媒(メチルエチルケトン):26.5質量%)
・シリコーン樹脂3:シリコーン樹脂のトルエン溶液(固形分20質量%)、信越化学工業(株)製、KR−251
・シリコーン樹脂4:シリコーンオリゴマー(固形分100質量%)、信越化学工業(株)製、X−40−9246
・縮合触媒:亜鉛含有触媒のキシレン溶液(固形分25質量%)、信越化学工業(株)製、D−15
(銀色顔料分散液1の調製)
下記の組成となるように各成分を混合して混合物を得たのち、混合物に対し、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いてビーズミルで8時間分散し、銀色顔料分散液1を得た。
−組成−
・アルミペースト:20.0部
(アルミニウム金属粒子、旭化成ケミカルズ(株)製、GX−4100)
・アクリル系高分子分散剤:2.0部
(BASFジャパン社製、EFKA 4300)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:78.0部
(銀色顔料分散液2の調製)
下記の組成となるように各成分を混合して混合物を得たのち、混合物に対し、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いてビーズミルで8時間分散し、銀色顔料分散液2を得た。
−組成−
アルミペースト:20.0部
(アルミニウム金属粒子、旭化成ケミカルズ(株)製、GX−4100)
分散剤A:4.0部
(下記に合成法記載)
キシレン:78.0部
−分散剤Aの合成−
キシレン100部に、KF−2001(信越化学工業(株)製)45.8部、KF−2012(信越化学工業(株)製)53.3部、及びメタクリル酸0.9部を溶解した溶液を調製した。調製した溶液に重合開始剤(ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、和光純薬工業(株)製、V−601)を全重合成分に対して0.3mol%の比率で溶解させ、窒素雰囲気下、80℃で重合を行った。重合開始2時間後に、重合開始剤(V−601)を全重合成分に対する比率で0.3mol%追加し、重合開始剤追加後、さらに2時間(合計で4時間)重合した。重合後、精製処理及び乾燥を行い、分散剤A(重量平均分子量40,000)を得た。
なお、分散剤Aは、KF−2001の−SHに置換して、KF−2012のメタクリロイル基又はメタクリル酸が付加した構造を有する。分散剤AにおいてKF−2012が付加した部分は式(1)中の「−R14−B」の部分に相当し、メタクリル酸が付加した部分は式(1)中の「−R13−A」の部分に相当する。また、分散剤Aは、式(1)中のR〜R10がメチル、R11及びR12がR、lはa1、m+nはa2に相当する。
重量平均分子量は、下記の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
・カラム:GPCカラムTSKgelSuper HZM−H(東ソー社製)
・溶媒:テトラヒドロフラン
・標準物質:単分散ポリスチレン
上記のKF−2001は、以下の構造式で表される構造であり、官能基当量1,900(g/mol)である。構造式中、Rは連結基を表し、a1及びa2は自然数を表す。
上記のKF−2012は、以下の構造式で表される構造であり、官能基当量4,600(g/mol)である。構造式中、Rは置換基又は連結基を表し、nは自然数を表す。
<加飾フィルムの作製>
−基材の準備−
基材として、アクリプレンHBS010(厚さ125μmのアクリル樹脂、三菱レイヨン(株)製)を準備した。
−保護フィルムの準備−
次に、保護フィルムとして、GF−8(厚さ35μmのポリエチレンフィルム、タマポリ(株)製)を準備した。
[基材上への第1の着色層、光輝層、第2の着色層及び金属含有反射層の作製]
エクストルージョンコーターを使用し、基材上に、上記表1〜表3に記載の各塗布液を、下記表4に記載の組み合わせ及び厚み(乾燥後の厚み)となるように塗布し、各塗布液を乾燥させた。なお、基材上には、第2の着色層、光輝層、第1の着色層、及び金属含有反射層の順に積層し、さらに最上層(金属含有反射層の上)には、上記の保護フィルムを圧着した。
こうして、第2の着色層、光輝層、第1の着色層、及び金属含有反射層、を有する積層体が、基材フィルム上に形成された実施例1〜実施例13、及び比較例1〜比較例7の加飾フィルムを作製した。
<評価>
上記で得た各実施例及び比較例の加飾フィルムについて下記の評価を行った。各評価結果は表4に示す。
[深みのある色味及び光沢性の評価]
各実施例及び比較例の色味(深み)及び光沢性(光沢)について、下記基準に従い官能評価を行った。なお、深みは、Aのみが許容されるレベルであり、光沢は、A及びBが許容されるレベルである。
(深み)
A:色に奥行きがあり、深みが感じられる。
B:深みが感じられない。
C:背後の色味が透けているようにみえる。
(光沢)
A:光沢が強く、光をあてると強い反射がみられる。
B:光沢があり、光をあてると反射がみられる。
C:光沢が見られない。
[耐熱性評価(着色)]
加飾フィルムを加飾成形体に成形する際にかかる熱に対する耐性を簡易評価するため、各実施例及び比較例の加飾フィルムについて耐熱性評価を行った。
耐熱性は、各実施例及び比較例の加飾フィルムを、耐熱テープを用いてガラス(厚み0.7mm)に固定し、150℃、30分の条件で加熱した前後の色味を観察し、加熱前後の色味変化ΔEにより下記の基準に従い評価した。
色味は、分光測色計CM−700d(コニカミノルタ(株)製)により測定した。なお、色味のレベルとしてはA、及びB評価であることが実用上必要であり、Aであることが好ましい。
A:加熱前後で色味変化ΔEが0.5未満である。
B:加熱前後で色味変化ΔEが0.5以上1.0未満である。
C:加熱前後で色味変化ΔEが1.0以上である。
(遮蔽性評価)
各実施例及び比較例の加飾フィルムについてサカタインクス(株)製のBMT−1を用いて光学濃度(OD)を測定し、遮蔽性を評価した。
光学濃度(OD)は、3以上であると遮蔽性に優れ、3.5であるとより遮蔽性に優れ、4.0以上であるとさらに遮蔽性に優れる。
表4より、実施例の加飾フィルムは、いずれも深みのある色味と光沢性とが両立していることがわかる。
比較例1は、光輝層を有さないため光沢性に劣ることがわかる。比較例2は第1の着色層を有さず、比較例3は第2の着色層を有さないため、いずれも深みのある色味は有さないことがわかる。比較例4及び比較例5は、金属含有層において金属が含まれていないため、いずれも深みのある色味は有さず、特に白色を用いた場合は深みが大きく低下していた。比較例6は、金属含有層に金属も色材も含まれていないため、深みのある色味は有さず、遮光性にも劣ることがわかる。比較例7は、金属含有層を有さないため、深みのある色味は有さず、遮光性にも劣ることがわかる。
<加飾成形体の作製>
各実施例の加飾フィルムから保護フィルムを剥がし、露出した金属含有反射層の面上に、シルクスクリーン印刷によって接着層を設けた。ここで、接着層を設けるためのシルクスクリーン印刷用の接着剤には、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体及びアクリル樹脂を主成分とする接着剤(帝国インキ社製、IMB−003)を用い、接着層の厚さを4μmとした。
接着層を設けた加飾フィルムの端部(成形後に三次元形状が付与されない位置)に位置合わせ穴を設けた。
そして、位置合わせ穴と成形金型の固定ピンとを合わせて、位置合わせを行い、接着層を設けた加飾フィルムを、接着層が内側を向くように成形金型内に固定した。
成形金型に加飾フィルムを固定した後、成形金型を用いて加飾フィルムを成形(プレフォーム)した。
プレフォームを行った加飾フィルムを成形金型に固定した状態で型閉めを行い、加飾フィルムの接着層側に、温度240℃、射出速度100mm/秒の条件にて、溶融したアクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、アクリペット)を射出した。
次に、射出した溶融樹脂を固化させて得られた中間加飾成形体の、周囲に残ったバリをトリミングし、更に、ダミー部分を断裁して除去し、バリ取りの仕上げを行って加飾成形体を得た。
各実施例の加飾フィルムを備えた加飾成形体は、いずれも深みのある色味、及び光沢性を有していた。
10 積層体
11 金属含有反射層
12 第1の着色層
13 光輝層
14 第2の着色層
20 加飾フィルム
21 基材フィルム

Claims (15)

  1. 色材及び樹脂を含む第1の着色層と、
    色材及び樹脂を含む第2の着色層と、
    前記第1の着色層と前記第2の着色層との間に配置された光輝層と、
    前記第1の着色層の前記光輝層が配置された側とは反対側に配置された、金属を含む金属含有反射層と、
    を有する積層体。
  2. 前記金属含有反射層は、金属粒子を含む請求項1に記載の積層体。
  3. 前記金属含有反射層は、アルミニウム金属粒子を含む請求項1又は請求項2に記載の積層体。
  4. 前記金属含有反射層は、下記式(1)で表されるグラフト型シリコーンポリマーを含む請求項2又は請求項3に記載の積層体。

    式(1)中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数が1〜3のアルキル基を表し、R11及びR12は、それぞれ独立に、アリーレン基又は炭素数が1〜3のアルキレン基を表し、R13及びR14は、それぞれ独立に、単結合又は2価の有機連結基を表し、Aは、粒子吸着部位を有する基を表し、Bは、下記式(2)で表される構造を有する基を表し、l及びnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表し、mは、0以上の整数を表す。

    式(2)中、R15及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アリール基又は炭素数が1〜3のアルキル基を表し、kは、1以上の整数を表す。
  5. 前記光輝層は、光透過性及び光反射性を有する顔料を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記光透過性及び光反射性を有する顔料が、雲母、ガラス、酸化チタン被覆雲母、又は酸化チタン被覆ガラスである請求項5に記載の積層体。
  7. 前記光輝層は、アクリル樹脂、エステル樹脂、及びシリコーン樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 前記第1の着色層及び前記第2の着色層に含まれる樹脂が、アクリル樹脂、エステル樹脂、及びシリコーン樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の積層体。
  9. 基材フィルム上に、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の積層体が配置された加飾フィルム。
  10. 前記基材フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルム、アクリルフィルム、又はポリカーボネートフィルムである請求項9に記載の加飾フィルム。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の加飾フィルムと、樹脂成形体と、を備えた加飾成形体。
  12. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の積層体と、樹脂成形体と、を備えた加飾成形体。
  13. 基材フィルム上に、第2の着色層用塗布液を塗布し、第2の着色層を形成する第2の着色層形成工程と、
    前記第2の着色層上に光輝層用塗布液を塗布し、光輝層を形成する光輝層形成工程と、
    前記光輝層上に第1の着色層用塗布液を塗布し、第1の着色層を形成する第1の着色層形成工程と、
    前記第1の着色層上に金属含有反射層を形成する金属含有反射層形成工程と、
    を有する加飾フィルムの製造方法。
  14. 請求項9又は請求項10に記載の加飾フィルムに樹脂成形体を固着させる工程を含む加飾成形体の製造方法。
  15. 更に前記加飾フィルムの基材フィルムを剥離する工程を有する請求項14に記載の加飾成形体の製造方法。
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