JP2017093366A - 中種生地、その中種生地を使用したパン生地、そのパン生地を焼成して得られたパン、及び、パンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ソフトで老化しにくく、且つ、発酵臭が抑えられた良好な風味のパンを得ることができる中種生地、及びこれを用いたパン並びにその製造法を提供すること。【解決手段】乳清ミネラルを、パン生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、固形分として0.01〜1質量部となる量を含有する中種生地。該中種生地を使用したパン生地を加熱処理したパン。パン生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、乳清ミネラルを、固形分として0.01〜1質量部となる量を含有する中種生地を使用し、発酵を行う中種工程を採用することを特徴とするパンの製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、中種生地、その中種生地を使用したパン生地、そのパン生地を焼成して得られたパン、及び、パンの製造方法に関する。
現在一般的におこなわれている製パン法を大別すると、中種製パン法とストレート製パン法に分類することができるが、現在の製パン業界では、品質の安定したパンを得られることから中種製パン法が広く採用されている。
中種製パン法とは、製パンに用いる小麦粉の一部をあらかじめ水とあわせて混捏した「中種」を通常2〜4時間程度発酵、熟成、水和させ、その中種に残りの原料を添加、混捏してパン生地を製造し、分割・丸目、成形、ホイロ、焼成し、パンを得る方法である。
この中種製パン法は、ソフトで老化しにくいパンを得ることができるが、ストレート製パン法に比べて風味がやや弱いという問題があることに加え、長時間の発酵に由来する特有の発酵臭が問題になることが多くなってきている。
このため、風味が弱いという点に対しては、乳蛋白や乳製品を添加する方法が考えられたが、しかし、実際には中種製パン法においては各種の乳原料を中種生地に添加すると、パン酵母の発酵に最も適するpH域ではないpHとなりパン酵母の活性低下を招く問題があるため、本捏生地に添加するのが鉄則であり、中種生地に添加する場合は、乳蛋白質や乳製品の使用量に限界があった。
そのため、中種生地に添加物を含有する中種製パン法の改良法として、食塩水を用いる方法(例えば特許文献1参照)ペクチンを含む混合物を用いる方法(例えば特許文献2参照)小麦粉に対して、乳成分と酵素を用いる方法(例えば特許文献3参照)、リン脂質に富む乳製品を用いる方法(例えば特許文献4参照)などが考案されている。
しかし、特許文献1のように、食塩水を使用する方法は、生地に練込むのではなく生地表面に散布又は浸漬することで吸水を減少させることなく、また風味に影響をあまり与えることなく、中種生地の常温保存性を高めることを狙った発明であるため、風味の面での改良効果は見られなかった。また、特許文献2のように、各種添加物や乳化剤を中種生地に添加する方法は、発酵阻害の恐れに加え、ねちゃついた食感となったり、喉越しの悪い食感となる問題もあった。特許文献3の方法は発酵阻害の恐れはないものの、パンの種類によっては生地が脆弱になり、ねちゃついた食感となってしまう問題があった。特許文献4の方法は、ややもっちりとした食感になってしまう問題があった。
なお、ここで、乳製品の一種である乳清ミネラルに製パン改良効果があることが知られている。(特許文献5参照)
しかし、特許文献5は、従来の改良成分同様、乳清ミネラルを本捏生地に添加するものであり、パン生地に使用することで製パン改良効果を得る以上の記載はない。
従って、本発明の目的は、ソフトで老化しにくく、且つ、発酵臭が抑えられた良好な風味のパンを得ることができる中種生地、及びこれを用いたパン並びにその製造法を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究した結果、特定の塩類を、「副原料は本捏生地に添加する」という通例に反し、意外にも中種生地に添加することにより、上記目的を達成し得ることを知見した。すなわち、食塩を中種生地に練込使用すると上記特許文献1記載のように吸水量が減少し、すなわちパンがやや硬くなるところ、食塩に代えて乳清ミネラルを使用し、該乳清ミネラルを中種生地に練込使用すると、吸水量に影響なく、むしろ風味が改良されたソフトなパンが得られ、さらに発酵臭も抑えられていることを知見したものである。
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、乳清ミネラルを、パン生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、固形分として0.01〜1質量部となる量を含有する中種生地を提供するものである。
また、本発明は、上記中種生地を使用したことを特徴とするパン生地、及び、そのパン生地を加熱処理したパンを提供するものである。
またさらに、本発明は、パン生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、乳清ミネラルを、固形分として0.01〜1質量部となる量を含有する中種生地を使用し、発酵を行う中種工程を採用することを特徴とするパンの製造法を提供するものである。
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、乳清ミネラルを、パン生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、固形分として0.01〜1質量部となる量を含有する中種生地を提供するものである。
また、本発明は、上記中種生地を使用したことを特徴とするパン生地、及び、そのパン生地を加熱処理したパンを提供するものである。
またさらに、本発明は、パン生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、乳清ミネラルを、固形分として0.01〜1質量部となる量を含有する中種生地を使用し、発酵を行う中種工程を採用することを特徴とするパンの製造法を提供するものである。
本発明によれば、ソフトで老化しにくく、且つ、発酵臭が抑えられた良好な風味のパンを得ることができる。
以下、本発明について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明の中種生地は乳清ミネラルを、パン生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、固形分として0.01〜1質量部、好ましくは0.05〜1質量部、さらに好ましくは0.1〜1質量部、最も好ましくは0.1〜0.5質量部となる量を含有する。上記乳清ミネラルの含有量が0.01質量部未満であると、本発明の効果が得られない。一方1質量部を超えると中種発酵時に発酵阻害に影響が出たり、パンの食味に影響が出るおそれがある。
尚、ここで使用量の基準となる「穀粉類」とは、パン類を製造する際に使用する小麦粉、米粉等の穀粉類すべてのことであり、後述のパン類を製造する際の中種工程で使用する穀粉類と本捏工程で使用する穀粉類、さらには湯種生地等で使用する穀粉類等とを合わせたものである。(以下の「穀粉類に対して」という部分についても同様である。)
そこでまず本発明で使用する上記乳清ミネラルについて詳述する。
乳清ミネラルとは、乳又はホエー(乳清)から、可能な限りタンパク質や乳糖を除去したものであり、そのため、高濃度に乳の灰分(ミネラル)を含有し、且つ、固形分に占める灰分の割合が極めて高いという特徴を有する。そして、そのミネラル組成は、原料となる乳やホエー中のミネラル組成に近い比率となる。
本発明で使用する乳清ミネラルとしては、水溶性と口溶けの点で、純度が高いこと、即ちタンパク質や乳糖等の不純物含量が低いことが好ましい。即ち、固形分に占める灰分含量が30質量%以上である乳清ミネラルを使用することが好ましく、固形分に占める灰分含量が50質量%以上である乳清ミネラルを使用することがより好ましい。尚、該灰分含量は高いほど好ましい。
また、本発明で使用する乳清ミネラルとしては、特にソフトで、風味良好なパンを得ることができる点で、固形分中のカルシウム含量が好ましくは2質量%未満、より好ましくは1質量%未満、更に好ましくは0.5質量%未満の乳清ミネラルを使用することが好ましい。尚、該カルシウム含量は低いほど好ましい。
牛乳から通常の製法で製造された乳清ミネラルは、固形分中のカルシウム含量が5質量%以上である。上記カルシウム含量が2質量%未満の乳清ミネラルは、乳又はホエーから、膜分離及び/又はイオン交換、更には冷却により、乳糖及びタンパク質を除去して乳清ミネラルを得る際に、あらかじめカルシウムを低減した乳を使用した酸性ホエーを用いる方法、或いは、甘性ホエーから乳清ミネラルを製造する際にカルシウムを除去する工程を挿入することで得ることができるが、工業的に実施する上での効率やコストの点で、甘性ホエーから乳清ミネラルを製造する際にある程度ミネラルを濃縮した後に、カルシウムを除去する工程を挿入することで得る方法を採ることが好ましい。ここで使用する脱カルシウムの方法としては、特に限定されず、調温保持による沈殿法等の公知の方法を採ることができる。
本発明の中種生地は、上記乳清ミネラルに加え、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が該固形分を基準として0.5質量%以上である乳原料を、パン生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、固形分として0.01〜5質量部、好ましくは0.03〜1質量部、さらに好ましくは0.03〜0.2質量部となる量を含有することが、ソフトでありながら歯切れが良好なパンが得られる点で好ましい。
そこで本発明で使用する上記乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が該固形分を基準として0.5質量%以上である乳原料(以下単に「乳原料」ということもある)について詳述する。
本発明の中種生地は、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が該固形分基準で0.5質量%以上、好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上、最も好ましくは5〜40質量%である乳原料を使用する。乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が0.5質量%未満である乳原料を用いると、本発明の効果が得られない。
上記の乳由来の固形分中のリン脂質とは、乳由来の固形分中に含まれる乳由来のリン脂質のことを示す。
また、上記の乳原料は、液体状でも、粉末状でも、濃縮物でも構わない。但し、溶剤を用いて乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が0.5質量%以上となるように濃縮した乳原料は、風味上の問題から本発明における乳原料として用いないのが好ましい。
乳原料のリン脂質の定量方法は、例えば以下のような方法にて測定することができる。但し、抽出方法などについては乳原料の形態などによって適正な方法が異なるためこの定量方法に限定されるものではない。
まず、乳原料の脂質をFolch法を用いて抽出する。次いで、抽出した脂質溶液を湿式分解法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載の湿式分解法に準じる)にて分解した後、モリブデンブルー吸光度法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載のリンのモリブデン酸による定量に準じる)によりリン量を求める。求められたリン量から以下の計算式を用いて乳原料100g中のリン脂質の含有量gを求める。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/乳原料採取量(g)〕×25.4×(0.1/1000)
上記の乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が0.5質量%以上である乳原料としては、例えば、クリームからバターを製造する際に生じる水相成分(バターミルク)や、クリームまたはバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分があげられる。
上記のクリームからバターを製造する際に生じる水相成分は、その製法の違いにより組成が大きく異なるが、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、通常0.5〜1.5質量%程度である。一方、クリームまたはバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、大凡2〜15質量%であり、多量のリン脂質を含有している。
すなわち本発明では、上記の乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が0.5質量%以上である乳原料として、クリームまたはバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分を使用することが好ましい。
次に上記のクリームからバターを製造する際に生じる水相成分の製造方法について説明する。
クリームからバターを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、牛乳を遠心分離して得られる脂肪濃度30〜40質量%のクリームをプレートで加温し、遠心分離機によってクリームの脂肪濃度を70〜95質量%まで高める。次いで乳化破壊機で脂肪球を破壊して凝集させ、バター粒を形成させる工程でバターの副産物として発生するものである。
上記のクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、牛乳を遠心分離して得られる脂肪濃度30〜40質量%のクリームをプレートで加温し、遠心分離機によってクリームの脂肪濃度を70〜95質量%まで高める。次いで乳化破壊機で乳化を破壊し、再び遠心分離機で処理することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。
一方、バターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まずバターを溶解機で溶解し熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。該バターオイルの製造に用いられるバターとしては、通常のものが用いられる。
また、本発明においては、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が0.5質量%以上であれば、上記水相成分をそのまま用いてもよく、また噴霧乾燥、濃縮、冷凍などの処理を施したものを用いてもよい。
また、本発明では、上記乳原料中の乳原料の一部または全部をそのままリゾ化してもよく、また濃縮した後にリゾ化してもよい。またさらに得られたリゾ化物をさらに濃縮、あるいは、噴霧乾燥処理等を施してもよい。
乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が0.5質量%以上である乳原料中の、リン脂質をリゾ化するにはホスホリパーゼAで処理すればよい。ホスホリパーゼAは、リン脂質分子のグリセロール部分と脂肪酸残基とを結びつけている結合を切断し、この脂肪酸残基を水酸基で置き換える作用を有する酵素である。ホスホリパーゼA2の場合、リン脂質分子のグリセロール部分の2位の脂肪酸残基が選択的に切り離される。ホスホリパーゼAは作用する部位の違いによってA1、A2に分かれるが、A2が好ましい。
また、本発明では、上記の乳原料に、pHを3〜6となるように酸処理を行ったものを使用してもよい。
上記酸処理を行うには、酸を添加する方法であっても、また、乳酸発酵等の発酵処理を行う方法であってもよいが、好ましくは酸を添加する。該酸としては、無機酸であっても有機酸であってもよいが、有機酸であることが好ましい。該有機酸としては、酢酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、フィチン酸、ソルビン酸、アジピン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等が挙げられ、果汁、濃縮果汁、発酵乳、ヨーグルト等の有機酸を含有する飲食品も用いることができるが、本発明においてはより酸味が少なく、風味に影響しない点でフィチン酸及び/又はグルコン酸を使用することが好ましい。
上記酸の添加によるpHの調整は、上記酸を上記乳原料自体に添加することにより行ってもよいし、下述の水性液を製造する際に、又は製造後に上記酸を添加することにより行ってもよい。
また、本発明では、上記の乳原料に、リン脂質含有量1質量部あたり、0.01〜1質量部のカルシウム塩を添加したものを使用してもよい。
上記カルシウム塩としては塩化カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム等が例示され、このうち1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明で用いる上記の乳原料は、パン生地への分散性が良好である点、及び、下述の水性液中の経日安定性が良好である点で、均質化処理を行なったものであることが好ましい。均質化処理は1回でもよく、2回以上行ってもよい。また、粘性が高い等の場合は、加水により粘度を調整してから均質化処理を行なってもよい。
上記均質化処理に用いられる均質化機としては、例えば、ケトル型チーズ乳化釜、ステファンミキサーの様な高速せん断乳化釜、スタティックミキサー、インラインミキサー、バブル式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル、ディスパーミル等があげられる。均質化圧力は特に制限はないが、好ましくは0〜100MPaである。2段式ホモジナイザーを用いて均質化処理をする場合は、例えば、1段目3〜100MPa、2段目0〜5MPaの均質化圧力にて行ってもよい。
更に本発明で用いる上記の乳原料は、UHT加熱処理を行ってもよい。UHT加熱処理の条件としては特に制限はないが、処理温度は好ましくは120〜150℃であり、処理時間は好ましくは1〜6秒である。
(B)乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が該固形分を基準として0.5質量%以上である乳原料は、蛋白質含量が固形分中の20質量%以上であることが乳原料の調整しやすさや良好な風味が得られる点から好ましく、固形分中の80質量%以下であることがコク味強化材中に乳タンパク等の粒や沈殿が生じることを防止しやすい観点から好ましい。この観点から乳原料中の蛋白質含量は、固形分中の20質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
このようにして得られる本発明で用いる上記の乳原料や乳原料加工品は、液状、流動状、ペースト状、粉末状、固形状等の状態のものとすることができ、本発明では何れの状態のものでも使用できるが、上記乳原料や乳原料加工品は、液状、流動状又はペースト状のものを使用することが、本発明の効果が安定して得られる点で好ましい。液状、流動状又はペースト状である上記乳原料や乳原料の固形分含量としては、好ましくは50質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。上記乳原料や乳原料加工品として粉末状又は固形状のものを使用すると、パン生地への分散性が悪くなる場合があるほか、下述の水性液中の経日安定性が悪化する場合がある。
なお、本発明では上記乳清ミネラルと上記乳原料は、上記乳清ミネラル及び上記乳原料を含有する水性液として使用することが好ましい。
ここでいう水性液とは、水溶液のほか、懸濁液や水相を主体として少量の水に不溶の成分が分散した水相を連続相とする液状物を意味するものとする。
なお、上記水性液における上記乳清ミネラルの含有量は固形分として好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2〜10質量%、さらに好ましくは2〜7質量%である。また、上記水性液における上記乳原料の好ましい含有量は固形分として好ましくは0.3〜7質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜3質量%である。
なお、上記水性液は糖類を含有するものであることが水性液の保存安定性の面で好ましい。
上記糖類としては、乳糖をはじめ、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、還元水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、還元糖、還元パラチノース、ソルビトール、還元乳糖、L−アラビノース、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノース、パラチノースオリゴ糖等の糖類や糖アルコール等が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明で特にパンに対して自然な風味を付与する点において、上記糖類の中でも、乳糖を選択し、使用する糖類の固形分中の好ましくは70質量%以上、より好ましくは全部に乳糖を使用することが好ましい。
なお、上記水性液における上記糖類の含有量は固形分として好ましくは5〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%、さらに好ましくは7〜20質量%である。
なお、上記水性液が、上記乳清ミネラル、上記乳原料及び上記糖類を含有する場合は、その固形分比は、好ましくは5〜50:1〜30:30〜90、より好ましくは、10〜30:4〜20:60〜90、さらに好ましくは、10〜25:5〜10:65〜85である。
なお、上記水性液には、上記乳清ミネラル、上記乳原料、上記糖類に加え、乳酸発酵風味素材を含有するものであることが、より風味の良好なパンが得られる点で好ましい。
上記乳酸発酵風味素材とは、乳酸菌が資化可能な基質を乳酸発酵して得られた風味素材であるが、その基質としてはより自然なコク味が付与できる点で乳原料を使用することが好ましい。該乳原料としては、牛乳、濃縮乳、練乳、ホエイ、クリーム、バター、バタークリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等の乳や乳製品をはじめ、脱脂粉乳、全粉乳、ホエイパウダーなどの粉乳類や、脱脂乳などの乳糖を含有する乳製品も使用可能である。
なお、本発明では上記発酵風味素材として、乳酸発酵を利用した市販の飲食品や風味素材、たとえばクリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、ヨーグルト、発酵乳飲料、製パン用発酵種等を使用することもできる。
また、本発明では、上記乳酸発酵風味素材は、基質や発酵条件の異なる2種以上の乳酸発酵風味素材を用いてもよい。
なお、上記水性液における上記乳酸発酵風味素材の含有量は固形分として好ましくは0.1〜2質量%、より好ましくは0.2〜1質量%である。
また、上記水性液における乳酸発酵風味素材の含有割合は、上記乳清ミネラル、上記乳原料、上記糖類の固形分の合計100質量部に対し、固形分として、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部である。
なお、上記水性液は油脂含量が好ましくは10質量%未満、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下であることが好ましい。上記水性液において、油脂の含有量が10質量%以上であると、本発明の改良効果が得られにくくなる。
なお、上記水性液における固形分含量は好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上である。なお、上限については、保存性、パン生地に添加した際の分散性などの面から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。なお、固形分には油分を含まないものとする。
また、本発明の中種生地には、上記成分以外に、一般の中種生地に使用される穀粉類、水、上記乳原料以外の乳や乳製品、乳蛋白、酵素、卵類、糖、塩、油脂類、澱粉類、イースト、イーストフード等が使用され、これらの使用量は生地の種類により適宜調整される。
次に、本発明のパン生地について説明する。
本発明のパン生地は、上記本発明の中種生地を使用したものである。なお、パン生地における中種生地の使用量は特に制限されず、パン生地で使用する穀粉類のうち、中種生地で使用する穀粉類が10〜100質量%の範囲から適宜選択可能であるが、好ましくは20〜80質量%である。
なお、本発明のパン生地には、上記中種生地以外に、穀粉類、イースト、糖類、甘味料、油脂類、卵類、乳製品、水、食塩、澱粉類、調味料、香辛料、着香料、着色料、ココア、チョコレート、ナッツ類、ヨーグルト、チーズ、抹茶、紅茶、コーヒー、豆腐、黄な粉、豆類、野菜類、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、果物、ハーブ、肉類、魚介類、酸化剤、還元剤、酵素、イーストフード、乳化剤、保存料、日持ち向上剤などを適宜用いることができる。
また別途湯種生地や発酵種、液種生地を使用することもできる。
本発明のパンは、上記本発明のパン生地を加熱処理することにより得られる。該加熱処理としては、焼成、フライ、蒸し、電子レンジ加熱などが挙げられるが、焼成することが好ましい。また、得られた本発明のパンを、冷蔵、冷凍保存したり、該保存後に電子レンジ加熱することも可能である。
本発明のパンの種類としては、特に制限はないが、例えば食パン、菓子パン、バラエティーブレッド、バターロール、ソフトロール、ハードロール、スイートロール、デニッシュ、ペストリー、フランスパンなどが挙げられる。
次に、本発明のパン類の製造法について詳細に説明する。尚、以下において特に詳述しないことについては、上述した本発明の中種生地の項で詳述したことと同様である。本発明のパン類の製造法は、パン生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、乳清ミネラルを、固形分として0.01〜1質量部となる量を含有する中種生地を使用し発酵を行う中種工程を採用することを特徴とする。
上記発酵を行う際の発酵温度及び発酵時間としては、好ましくは0〜30℃で60〜1200分、更に好ましくは10〜28℃で120〜600分、一層好ましくは20〜28℃で120〜360分が採用される。上記発酵温度が0℃よりも低いと発酵阻害が起こるため好ましくなく、30℃よりも高いと、発酵の進みすぎによる悪臭が発生するので好ましくない。また、上記発酵時間が60分より短いと、パン類の発酵による風味が得られないので好ましくなく、1200分より長いと、発酵が進みすぎによる悪臭が発生するので好ましくない。
本発明の製造法においては、上記中種工程において発酵を行った中種生地を、本捏工程において使用する下記の材料と混合、ミキシングし、次いで通常の工程を経て、焼成することにより本発明のパン類が得られる。
上記本捏工程において使用する材料としては、例えば、穀粉類、イースト、糖類、甘味料、油脂類、卵類、乳製品、水、食塩、澱粉類、調味料、香辛料、着香料、着色料、ココア、チョコレート、ナッツ類、ヨーグルト、チーズ、抹茶、紅茶、コーヒー、豆腐、黄な粉、豆類、野菜類、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、果物、ハーブ、肉類、魚介類、酸化剤、還元剤、酵素、イーストフード、乳化剤、保存料、日持ち向上剤などを適宜用いることができる。
また別途湯種生地や発酵種、液種生地を使用することもできる。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。
<乳清ミネラルの製造>
〔製造例1〕
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離した後、さらに逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、これをさらにエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルAを得た。得られた乳清ミネラルAの固形分中のカルシウム含量は2.2質量%であった。
〔製造例1〕
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離した後、さらに逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、これをさらにエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルAを得た。得られた乳清ミネラルAの固形分中のカルシウム含量は2.2質量%であった。
〔製造例2〕
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離した後、さらに逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、80℃、20分の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これをさらにエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルBを得た。得られた乳清ミネラルBの固形分中のカルシウム含量は0.4質量%であった。
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離した後、さらに逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、80℃、20分の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これをさらにエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルBを得た。得られた乳清ミネラルBの固形分中のカルシウム含量は0.4質量%であった。
<乳酸発酵風味素材の調製>
〔製造例3〕
脱脂粉乳(リン脂質含量0.3質量%未満、無脂乳固形分99質量%、蛋白質含量11質量%)10質量部、ホエイパウダー(リン脂質含量0.2質量%未満、無脂乳固形分99質量%、蛋白質含量34質量%)2質量部及び水87.69質量部を混合し、55℃に加熱し、ケミコロイド社製シャーロットコロイドミルにてクリアランス0.2mm、回転数3500rpmにて均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、無脂乳固形分含量が11.9質量%であり、リン脂質含量が0.034質量%未満である、乳原料を含有するミックス液を調製した。第1乳酸発酵工程として、この乳原料を含有するミックス液にLactococcus lactis subsp. lactis var. diacetylactis及びLeuconostoc mesenteroides subsp. cremorisの2種から成る乳酸菌スターター0.01質量部を加え、30℃で15回転/分で攪拌しながら5時間発酵した。なお、乳酸菌スターターを加えた時点の乳原料を含有するミックス液のpHは6.54であり、第1乳酸発酵工程終点でのpHは6.35であった。ここで、リン脂質として、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含量3.7質量%、蛋白質含量12質量%、無脂乳固形分33.4質量%、乳由来の固形分38質量%、乳由来の固形分中のリン脂質含量9.8質量%)5質量部を添加し、更に第2乳酸発酵工程として、30℃で10回転/分で攪拌しながら7時間発酵し、pHが4.71であり固形分含量が12.6質量%である乳酸発酵風味素材Aを得た。
〔製造例3〕
脱脂粉乳(リン脂質含量0.3質量%未満、無脂乳固形分99質量%、蛋白質含量11質量%)10質量部、ホエイパウダー(リン脂質含量0.2質量%未満、無脂乳固形分99質量%、蛋白質含量34質量%)2質量部及び水87.69質量部を混合し、55℃に加熱し、ケミコロイド社製シャーロットコロイドミルにてクリアランス0.2mm、回転数3500rpmにて均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、無脂乳固形分含量が11.9質量%であり、リン脂質含量が0.034質量%未満である、乳原料を含有するミックス液を調製した。第1乳酸発酵工程として、この乳原料を含有するミックス液にLactococcus lactis subsp. lactis var. diacetylactis及びLeuconostoc mesenteroides subsp. cremorisの2種から成る乳酸菌スターター0.01質量部を加え、30℃で15回転/分で攪拌しながら5時間発酵した。なお、乳酸菌スターターを加えた時点の乳原料を含有するミックス液のpHは6.54であり、第1乳酸発酵工程終点でのpHは6.35であった。ここで、リン脂質として、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(リン脂質含量3.7質量%、蛋白質含量12質量%、無脂乳固形分33.4質量%、乳由来の固形分38質量%、乳由来の固形分中のリン脂質含量9.8質量%)5質量部を添加し、更に第2乳酸発酵工程として、30℃で10回転/分で攪拌しながら7時間発酵し、pHが4.71であり固形分含量が12.6質量%である乳酸発酵風味素材Aを得た。
<乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が該固形分を基準として0.5質量%以上である乳原料の調製>
〔製造例4〕
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)100質量部に水30質量部を添加し、ホモミキサーで均質化し、これを「乳原料A」とした。乳原料Aは乳固形分29質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%、乳固形分中の蛋白質含量36質量%であった。
〔製造例4〕
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)100質量部に水30質量部を添加し、ホモミキサーで均質化し、これを「乳原料A」とした。乳原料Aは乳固形分29質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%、乳固形分中の蛋白質含量36質量%であった。
〔製造例5〕
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)100質量部に水30質量部及び50質量%フィチン酸水溶液0.43質量部を添加・混合してpH5.2に調整し、ホモミキサーで均質化し、これを「乳原料B」とした。乳原料Bは乳固形分29質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%、乳固形分中の蛋白質含量36質量%であった。
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)100質量部に水30質量部及び50質量%フィチン酸水溶液0.43質量部を添加・混合してpH5.2に調整し、ホモミキサーで均質化し、これを「乳原料B」とした。乳原料Bは乳固形分29質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%、乳固形分中の蛋白質含量36質量%であった。
<水性液の製造>
上記乳清ミネラルA、上記乳清ミネラルB、上記乳酸発酵風味素材A、上記乳原料A、上記乳原料B、乳糖、及び、水を使用し、表1の配合にしたがって混合・溶解し、さらにこれをホモゲナイザーを使用して均質化し、水性液A〜Fを製造した。
上記乳清ミネラルA、上記乳清ミネラルB、上記乳酸発酵風味素材A、上記乳原料A、上記乳原料B、乳糖、及び、水を使用し、表1の配合にしたがって混合・溶解し、さらにこれをホモゲナイザーを使用して均質化し、水性液A〜Fを製造した。
<パン生地及びパンの製造>
〔実施例1〕
強力粉70質量部、生イースト2質量部、イーストフード0.1質量部、水性液A5質量部、水35質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速2分、中速2分、中種ミキシングし、本発明の中種生地Aを得た。捏ね上げ温度は24℃であった。この中種生地Aを生地ボックスに入れ、温度28℃、相対湿度85%の恒温室で、4時間中種発酵をおこなった。終点温度は29℃であった。この中種発酵の終了した生地を再びミキサーボウルに投入し、さらに、強力粉30質量部、食塩1.8質量部、上白糖5質量部、脱脂粉乳2質量部、水23質量部を添加し、低速3分、中速3分、本捏ミキシングした。ここで製パン練り込み用ショートニング(商品名「プレミアムショート」:株式会社ADEKA製)5質量部を投入し、フックを使用し、低速3分、中速2分、高速1分ミキシングをおこない、本発明のパン生地である食パン生地Aを得た。得られた食パン生地Aの捏ね上げ温度は28℃であった。ここで、フロアタイムを30分とった後、220gに分割・丸目をおこなった。次いでベンチタイムを20分とった後、モルダーを使用して成形し、3斤型に6個入れ、38℃、相対湿度85%、50分ホイロをとった後、200℃に設定した固定窯に入れ42分焼成し、本発明のパンである食パンAを得た。
得られた食パンAはソフトな食感であり、発酵臭が抑えられた良好な風味を有していた。また、ソフトな食感は2日後も保たれていた。
〔実施例1〕
強力粉70質量部、生イースト2質量部、イーストフード0.1質量部、水性液A5質量部、水35質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速2分、中速2分、中種ミキシングし、本発明の中種生地Aを得た。捏ね上げ温度は24℃であった。この中種生地Aを生地ボックスに入れ、温度28℃、相対湿度85%の恒温室で、4時間中種発酵をおこなった。終点温度は29℃であった。この中種発酵の終了した生地を再びミキサーボウルに投入し、さらに、強力粉30質量部、食塩1.8質量部、上白糖5質量部、脱脂粉乳2質量部、水23質量部を添加し、低速3分、中速3分、本捏ミキシングした。ここで製パン練り込み用ショートニング(商品名「プレミアムショート」:株式会社ADEKA製)5質量部を投入し、フックを使用し、低速3分、中速2分、高速1分ミキシングをおこない、本発明のパン生地である食パン生地Aを得た。得られた食パン生地Aの捏ね上げ温度は28℃であった。ここで、フロアタイムを30分とった後、220gに分割・丸目をおこなった。次いでベンチタイムを20分とった後、モルダーを使用して成形し、3斤型に6個入れ、38℃、相対湿度85%、50分ホイロをとった後、200℃に設定した固定窯に入れ42分焼成し、本発明のパンである食パンAを得た。
得られた食パンAはソフトな食感であり、発酵臭が抑えられた良好な風味を有していた。また、ソフトな食感は2日後も保たれていた。
〔実施例2〕
実施例1で使用した水性液Aに代えて水性液Bを使用した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、中種生地B、食パン生地B、及び、食パンBを得た。
得られた食パンBは、食パンAに比べてソフトでありながら歯切れがよい良好な食感であり、発酵臭が抑えられた良好な風味を有していた。また、ソフトな食感は2日後も保たれていた。
実施例1で使用した水性液Aに代えて水性液Bを使用した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、中種生地B、食パン生地B、及び、食パンBを得た。
得られた食パンBは、食パンAに比べてソフトでありながら歯切れがよい良好な食感であり、発酵臭が抑えられた良好な風味を有していた。また、ソフトな食感は2日後も保たれていた。
〔実施例3〕
実施例1で使用した水性液Aに代えて水性液Cを使用した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、中種生地C、食パン生地C、及び、食パンCを得た。
得られた食パンCは、食パンBに比べてソフトでありながら歯切れがよい良好な食感であり、発酵臭がより抑えられた優れた風味を有していた。また、ソフトな食感は2日後も保たれていた。
実施例1で使用した水性液Aに代えて水性液Cを使用した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、中種生地C、食パン生地C、及び、食パンCを得た。
得られた食パンCは、食パンBに比べてソフトでありながら歯切れがよい良好な食感であり、発酵臭がより抑えられた優れた風味を有していた。また、ソフトな食感は2日後も保たれていた。
〔実施例4〕
実施例1で使用した水性液Aに代えて水性液Dを使用した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、中種生地D、食パン生地D、及び、食パンDを得た。
得られた食パンDは、食パンCと同じく良好な食感、優れた風味を有していることに加え、良好なコク味が感じられた。また、ソフトな食感は2日後も保たれていた。
実施例1で使用した水性液Aに代えて水性液Dを使用した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、中種生地D、食パン生地D、及び、食パンDを得た。
得られた食パンDは、食パンCと同じく良好な食感、優れた風味を有していることに加え、良好なコク味が感じられた。また、ソフトな食感は2日後も保たれていた。
〔実施例5〕
実施例1で使用した水性液Aに代えて水性液Eを使用した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、中種生地E、食パン生地E、及び、食パンEを得た。
得られた食パンEは、食パンDと同じく良好な食感、優れた風味、良好なコク味が感じられた。また、ソフトな食感は2日後も保たれていた。
実施例1で使用した水性液Aに代えて水性液Eを使用した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、中種生地E、食パン生地E、及び、食パンEを得た。
得られた食パンEは、食パンDと同じく良好な食感、優れた風味、良好なコク味が感じられた。また、ソフトな食感は2日後も保たれていた。
〔実施例6〕
実施例1で使用した水性液Aに代えて水性液Fを使用した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、中種生地F、食パン生地F、及び、食パンFを得た。
得られた食パンFは、食パンEと同じく良好な食感を有しているが、風味についてはやや劣るものであった。また、ソフトな食感は2日後も保たれていた。
実施例1で使用した水性液Aに代えて水性液Fを使用した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、中種生地F、食パン生地F、及び、食パンFを得た。
得られた食パンFは、食パンEと同じく良好な食感を有しているが、風味についてはやや劣るものであった。また、ソフトな食感は2日後も保たれていた。
〔比較例1〕
実施例1で使用した水性液Aに代えて水を使用した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、中種生地G、食パン生地G、及び、食パンGを得た。
得られた食パンGは、食パンAに比べ、ソフト性が劣り、やや不良な食感であった。また、発酵臭が目だつ劣った風味であった。また、2日後の食感はさらにソフト性が劣るものであった。
実施例1で使用した水性液Aに代えて水を使用した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、中種生地G、食パン生地G、及び、食パンGを得た。
得られた食パンGは、食パンAに比べ、ソフト性が劣り、やや不良な食感であった。また、発酵臭が目だつ劣った風味であった。また、2日後の食感はさらにソフト性が劣るものであった。
〔比較例2〕
実施例1で使用した水性液Aを中種ミキシングではなく本捏ミキシング時に添加した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、中種生地H、食パン生地H、及び、食パンHを得た。
得られた食パンHは、食パンGほどではないが、食パンAに比べ、ソフト性が劣り、やや不良な食感であった。また、発酵臭についても食パンGほどではないが、やや目だつ劣った風味であった。なお、2日後の食感はさらにソフト性が劣るものであった。
実施例1で使用した水性液Aを中種ミキシングではなく本捏ミキシング時に添加した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、中種生地H、食パン生地H、及び、食パンHを得た。
得られた食パンHは、食パンGほどではないが、食パンAに比べ、ソフト性が劣り、やや不良な食感であった。また、発酵臭についても食パンGほどではないが、やや目だつ劣った風味であった。なお、2日後の食感はさらにソフト性が劣るものであった。
Claims (7)
- 乳清ミネラルを、パン生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、固形分として0.01〜1質量部となる量を含有する中種生地。
- 上記乳清ミネラルが、固形分中のカルシウム含量が2質量%未満であることを特徴とする請求項1記載の中種生地。
- さらに、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が該固形分を基準として0.5質量%以上である乳原料を、パン生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、固形分として0.01〜5質量部となる量を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の中種生地。
- 上記乳清ミネラル及び上記乳原料を含有する水性液を使用したことを特徴とする請求項3記載の中種生地。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の中種生地を使用したことを特徴とするパン生地。
- 請求項5記載のパン生地を加熱処理したパン。
- パン生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、乳清ミネラルを、固形分として0.01〜1質量部となる量を含有する中種生地を使用し、発酵を行う中種工程を採用することを特徴とするパンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015229796A JP2017093366A (ja) | 2015-11-25 | 2015-11-25 | 中種生地、その中種生地を使用したパン生地、そのパン生地を焼成して得られたパン、及び、パンの製造方法 |
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Publications (1)
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Country | Link |
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2015
- 2015-11-25 JP JP2015229796A patent/JP2017093366A/ja active Pending
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