JP2017092461A - 熱硬化性樹脂フィルム及び第1保護膜形成用シート - Google Patents

熱硬化性樹脂フィルム及び第1保護膜形成用シート Download PDF

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Abstract

【課題】半導体ウエハのバンプ形成面において、バンプの基部とその近傍領域に高選択的に保護膜を形成可能な熱硬化性樹脂フィルム、及びこれを用いた保護膜形成用シートの提供。【解決手段】半導体ウエハのバンプを有する表面に貼付し、熱硬化させることによって、バンプの周囲に第1保護膜を形成するための熱硬化性樹脂フィルムとして、70〜90℃での溶融時における平均粘度が1〜20000Pa・sであり、23℃での表面自由エネルギーが30〜40mJ/m2である熱硬化性樹脂フィルム12を用い、この熱硬化性樹脂フィルム12を、第1支持シート101の一方の表面101a上に設けて、第1保護膜形成用シート1を構成する。【選択図】図4

Description

本発明は、熱硬化性樹脂フィルム、及びこれを用いた第1保護膜形成用シートに関する。
従来、MPUやゲートアレー等に用いる多ピンのLSIパッケージをプリント配線基板に実装する場合には、半導体チップとして、その接続パッド部に共晶ハンダ、高温ハンダ、金等からなる凸状電極(バンプ)が形成されたものを用い、所謂フェースダウン方式により、それらのバンプをチップ搭載用基板上の相対応する端子部に対面、接触させ、溶融/拡散接合するフリップチップ実装方法が採用されてきた。
この実装方法で用いる半導体チップは、例えば、回路面にバンプが形成された半導体ウエハの、回路面とは反対側の面を研削したり、ダイシングして個片化することにより得られる。このような半導体チップを得る過程においては、通常、半導体ウエハの回路面及びバンプを保護する目的で、硬化性樹脂フィルムをバンプ形成面に貼付し、このフィルムを硬化させて、バンプ形成面に保護膜を形成する。このような硬化性樹脂フィルムとしては、加熱によって硬化する熱硬化性成分を含有するものが広く利用されており、このような熱硬化性樹脂フィルムを備えた保護膜形成用シートとしては、前記フィルムに特定の熱弾性率を有する熱可塑性樹脂層が積層され、さらに前記熱可塑性樹脂層上の最上層に、25℃で非可塑性の熱可塑性樹脂層が積層されてなるものが開示されている(特許文献1参照)。そして、特許文献1によれば、この保護膜形成用シートは、保護膜のバンプ充填性、ウエハ加工性、樹脂封止後の電気接続信頼性等に優れるとされている。
特開2005−028734号公報
ところで、バンプの回路面近傍の部位、すなわち基部は、上述のように半導体ウエハから半導体チップを作製する過程において、亀裂が生じたりして破損し易い部位であり、半導体チップとされた後でも、この半導体チップを基板に実装する過程において圧力が加わることで、また、高温高湿条件下に晒される等の負荷をかけられることで、同様に破損し易い部位である。したがって、半導体ウエハのバンプ形成面のうち、少なくとも、このバンプの基部と、回路面のバンプ近傍の領域とを、保護膜で被覆することにより保護すれば、十分な保護効果を得られる。
また、上記のように、バンプ形成面において、バンプの基部とその近傍領域に保護膜を形成し、それ以外の領域には保護膜を形成せずに回路面を露出させて、高選択的に保護膜を形成することで、以下のような有利な効果を奏する。
すなわち、保護膜を形成するための硬化性樹脂フィルムの使用量を大幅に低減でき、安価にバンプ形成面の十分な保護効果が得られる。また、半導体ウエハ及び半導体チップの露出している回路面を容易に検査できる。また、保護膜の形成時又は形成後の半導体ウエハを加熱処理したときに、この半導体ウエハの反りが抑制される。また、半導体ウエハの回路面で露出している領域においては、ダイシング時に保護膜越しにではなく直接半導体ウエハのダイシングラインを観察でき、ダイシングラインを正しく認識することが容易となる。
しかし、特許文献1で開示されている保護膜は、その他の従来の保護膜と同様に、半導体ウエハの回路面全面に保護膜を形成するためのものであり、上述のように、半導体ウエハのバンプ形成面において、バンプの基部とその近傍領域に高選択的に保護膜を形成できるものではない。
そこで、本発明は、半導体ウエハのバンプ形成面において、バンプの基部とその近傍領域に高選択的に保護膜を形成可能な熱硬化性樹脂フィルム、及びこれを用いた保護膜形成用シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、半導体ウエハのバンプを有する表面に貼付し、熱硬化させることによって、バンプの周囲に第1保護膜を形成するための熱硬化性樹脂フィルムであって、前記熱硬化性樹脂フィルムの、70〜90℃での溶融時における平均粘度が1〜20000Pa・sであり、前記熱硬化性樹脂フィルムの23℃での表面自由エネルギーが30〜40mJ/mである、熱硬化性樹脂フィルムを提供する。
本発明の熱硬化性樹脂フィルムを、半導体ウエハのバンプを有する表面に貼付し、溶融させ、熱硬化させることによって、バンプの基部とその近傍領域に高選択的に保護膜を形成できる。
また、本発明は、前記熱硬化性樹脂フィルムを、第1支持シートの一方の表面上に備えた、第1保護膜形成用シートを提供する。
本発明によれば、半導体ウエハのバンプ形成面において、バンプの基部とその近傍領域に高選択的に保護膜を形成可能な熱硬化性樹脂フィルム、及びこれを用いた保護膜形成用シートが提供される。
本発明の熱硬化性樹脂フィルムを用いて形成した第1保護膜を備えた半導体ウエハの一実施形態を模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。 従来の熱硬化性樹脂フィルムを用いて形成した保護膜を備えた半導体ウエハの一例を模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。 従来の熱硬化性樹脂フィルムを用いて形成した保護膜を備えた半導体ウエハの他の例を模式的に示す平面図である。 本発明の第1保護膜形成用シートの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の第1保護膜形成用シートの他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の第1保護膜形成用シートのさらに他の実施形態を模式的に示す断面図である。 実施例1〜2及び比較例1における、熱硬化性樹脂フィルムの溶融粘度の温度依存性を示すグラフである。
本発明の熱硬化性樹脂フィルムは、半導体ウエハのバンプを有する表面に貼付し、熱硬化させることによって、バンプの周囲に第1保護膜を形成するための熱硬化性樹脂フィルムであって、前記熱硬化性樹脂フィルムの、70〜90℃での溶融時における平均粘度が1〜20000Pa・sであり、前記熱硬化性樹脂フィルムの23℃での表面自由エネルギーが30〜40mJ/mのものである。
本発明の熱硬化性樹脂フィルムを、半導体ウエハのバンプを有する表面に貼付し、溶融させ、熱硬化させることによって、バンプの基部とその近傍領域に高選択的に保護膜を形成できる。
また、本発明の第1保護膜形成用シートは、上記の本発明の熱硬化性樹脂フィルムを、第1支持シートの一方の表面上に備えたものである。前記第1保護膜形成用シートにおいて、前記「熱硬化性樹脂フィルム」は、「熱硬化性樹脂層」と称することもある。
本発明の第1保護膜形成用シートは、その熱硬化性樹脂層(熱硬化性樹脂フィルム)を介して、半導体ウエハのバンプを有する表面(すなわち回路面)に貼付して使用される。そして、貼付後の熱硬化性樹脂層は、加熱によって流動性が増大し、バンプを覆うようにしてバンプ間に広がり、前記回路面上で流動しながら、バンプの表面を覆って、バンプを埋め込む。この状態の熱硬化性樹脂層は、さらに加熱によって溶融し、バンプの基部とその近傍領域に凝集し、さらに熱硬化して、最終的にはバンプの基部とその近傍領域に高選択的に第1保護膜を形成する。第1保護膜は、前記回路面においてバンプをその表面に密着した状態で保護する。
第1保護膜形成用シートを貼付し、熱ラミネートによって熱硬化性樹脂層でバンプを埋め込んだ後の半導体ウエハは、前記回路面とは反対側の面が研削された後、第1支持シートが取り除かれ、次いで、加熱によって溶融した硬化性樹脂層がバンプの基部とその近傍領域に凝集し、続く硬化によってバンプの基部とその近傍領域に高選択的に第1保護膜が形成される。この状態の半導体ウエハは、ダイシングによりこの第1保護膜を備えた状態で半導体チップとされ、最終的には半導体装置に組み込まれる。
本発明の熱硬化性樹脂フィルムは、上述のようにバンプ形成面において、バンプの回路面近傍の部位、すなわち基部と、回路面のバンプ近傍の領域とに、高選択的に第1保護膜を形成する。このように、バンプ形成面で保護の必要性が高い領域に高選択的に第1保護膜を形成することで、熱硬化性樹脂フィルムの使用量を大幅に低減でき、安価にバンプ形成面の十分な保護効果が得られ、さらに露出している回路面を容易に検査できる。
なお、本明細書において、「バンプ形成面」とは、バンプの表面と半導体ウエハの回路面とをあわせた面を意味する。
また、本発明の熱硬化性樹脂フィルムは、換言すると、回路面のバンプ近傍以外の領域においては、第1保護膜の形成を抑制することで、第1保護膜形成時又は形成後の半導体ウエハを加熱処理したときに、この半導体ウエハの反りが抑制される。
また、通常、バンプ形成面に保護膜が形成された半導体ウエハは、保護膜ごとダイシングによって切断し、半導体チップとするときに、回路面側から保護膜越しに半導体ウエハをカメラで観察して、半導体ウエハの表面に存在するダイシングライン(すなわち、ダイシングを行うべき箇所を示すライン)の位置を認識し、半導体ウエハの切断箇所を特定する必要がある。これに対して、本発明の熱硬化性樹脂フィルムを用いた場合には、回路面のバンプ近傍以外の領域で第1保護膜の形成が抑制されるため、回路面が露出している領域においては、第1保護膜越しにではなく直接半導体ウエハのダイシングラインを観察でき、ダイシングラインを正しく認識することが容易となる。
本発明の熱硬化性樹脂フィルムは、70〜90℃での溶融時における平均粘度が1〜20000Pa・sであるような、加熱時の流動性を有しているため、半導体ウエハのバンプ形成面へ貼付した後、熱ラミネートすることで、流動性が増大し、バンプの頂上とその近傍を貫通させて、それ以外の表面と、半導体ウエハの回路面とを覆い、バンプを埋め込む。
さらに、本発明の熱硬化性樹脂フィルムは、23℃での表面自由エネルギーが30〜40mJ/mであることにより、上記のようにバンプを埋め込み、第1支持シートが取り除かれた後では、続けて加熱することによって溶融し、バンプの基部と、回路面のバンプ近傍の領域に凝集し、さらに熱硬化して、最終的にはバンプの基部とその近傍領域に高選択的に第1保護膜を形成する。
本発明の熱硬化性樹脂フィルムにおける前記平均粘度及び表面自由エネルギーは、例えば、熱硬化性樹脂フィルムの後述する含有成分の種類及び量によって調節できる。
図1は、本発明の熱硬化性樹脂フィルムを用いて形成した第1保護膜を備えた、半導体ウエハの一実施形態を模式的に示す図であり、(a)は第1保護膜の上方から見下ろしたときの平面図であり、(b)は(a)のI−I線における断面図である。
なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
ここに示す半導体ウエハ90の回路面90aには、複数個のバンプ91が設けられている。バンプ91は、球の一部が平面によって切り取られた形状を有しており、その切り取られて露出した部位に相当する平面が、半導体ウエハ90の回路面90aに接触している。
なお、バンプ91の上記形状は、本発明の熱硬化性樹脂フィルムの適用に際しては、一例に過ぎず、本発明において、バンプの形状はこれに限定されない。
第1保護膜12’は、本発明の熱硬化性樹脂フィルムを用いて形成されたものであり、バンプ91のうち、回路面90a近傍の部位である基部910と、回路面90aのバンプ91近傍の領域900と、に設けられている。バンプ91の頂上911とその近傍は、第1保護膜12’から突出して露出しており、他の部材と電気的に接続可能となっている。
このように、第1保護膜12’は、バンプ91に対しては、その表面91aのうち、頂上911とその近傍以外の領域に密着して、バンプ91の周囲に設けられており、半導体ウエハ90の回路面90aに対しては、隣り合うバンプ91間において、回路面90aの露出領域900aが存在するように、バンプ91近傍の領域900に設けられている。バンプ91の、このようなほぼ球状という形状は、バンプの基部とその近傍領域に高選択的に第1保護膜を形成するのに、特に有利である。
第1保護膜12’の形状は、通常、バンプ91の形状に依存して決定される。
そして、第1保護膜12’の、その上方から見下ろしたときの外形は、特に限定されず、図1(a)に示すように、回路面90aに接触する周縁部が円形、楕円形等の特定の形状を形成しているものであってもよいし、前記周縁部が不定形の形状を形成しているものであってもよい。そして、第1保護膜12’の、その上方から見下ろしたときの外形及び大きさは、いずれも、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。通常は、第1保護膜12’の前記外形及び大きさは、ともにすべて異なるものとなり易い。また、隣り合うバンプ91の周囲に設けられている第1保護膜12’同士の間では、前記外形が異なる場合に、類似の外形となることもあるし、全く異なる外形となることもあり、前記外形の傾向は第1保護膜12’の形成条件等に依存する。
なお、本発明の熱硬化性樹脂フィルムの使用対象である半導体ウエハは、図1に示すものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、一部の構成が変更、削除又は追加されたものであってもよい。例えば、図1では、バンプとして上記のようなほぼ球状の形状(球の一部が平面によって切り取られた形状)のものを示しているが、このようなほぼ球状の形状を、高さ方向(図1においては、半導体ウエハ90の回路面90aに対して直交する方向)に引き伸ばしてなる形状、すなわち、ほぼ長球である回転楕円体の形状(長球である回転楕円体の長軸方向の一端を含む部位が平面によって切り取られた形状)のバンプや、上記のようなほぼ球状の形状を、高さ方向に押し潰してなる形状、すなわち、ほぼ扁球である回転楕円体の形状(扁球である回転楕円体の短軸方向の一端を含む部位が平面によって切り取られた形状)のバンプも、好ましい形状のバンプとして挙げられる。このような、ほぼ回転楕円体の形状のバンプも、上記のほぼ球状のバンプと同様に、バンプの基部とその近傍領域に高選択的に第1保護膜を形成するのに、特に有利である。
一方、図2は、従来の熱硬化性樹脂フィルムを用いて形成した保護膜を備えた半導体ウエハの一例を模式的に示す図であり、(a)は保護膜の上方から見下ろしたときの平面図であり、(b)は(a)のII−II線における断面図である。なお、図2において、図1に示すものと同じ構成要素には、図1の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。これは、図3以降の図においても同様である。
ここに示す保護膜92’は、従来の熱硬化性樹脂フィルムを用いて形成されたものである。保護膜92’は、半導体ウエハ90の回路面90aを被覆し、さらにバンプ91の表面91aのうち、頂上911とその近傍以外の領域を被覆している。このように、保護膜92’は、バンプ91の表面91aのうち、頂上911とその近傍以外の領域に密着するとともに、半導体ウエハ90の回路面90aにも密着して、バンプ91を埋め込んでいる。このように、保護膜92’は、隣り合うバンプ91間において、回路面90aの露出領域が全く存在しないように設けられている点で、図1中の第1保護膜12’と相違する。すなわち、保護膜92’は、半導体ウエハ90の回路面90aのうち、バンプ91が設けられていない部位の全面を被覆している。
図3は、従来の熱硬化性樹脂フィルムを用いて形成した保護膜を備えた半導体ウエハの他の例を模式的に示す図であり、保護膜の上方から見下ろしたときの平面図である。
ここに示す保護膜92’は、隣り合うバンプ91間において、回路面90aの露出領域900aが存在するものの、この露出領域900aの割合が低くなる様に設けられている点で、図1中の第1保護膜12’と相違する。すなわち、保護膜92’は、回路面90aの露出領域900aが一部存在するように、空隙部を有している点で、図2に示す保護膜92’と相違する。なお、保護膜92’の上方から見下ろしたときの露出領域900aの形状は、特に限定されない。
本発明の熱硬化性樹脂フィルムの、70〜90℃での溶融時における平均粘度は、1〜20000Pa・sであり、10〜19000Pa・sであることが好ましく、100〜18000Pa・sであることがより好ましく、1000〜17500Pa・sであることが特に好ましい。また、前記平均粘度は、例えば、10〜15000Pa・s、100〜10000Pa・s及び1000〜10000Pa・sのいずれかであってもよい。70〜90℃での溶融時における平均粘度がこのような範囲であることで、軟化時の熱硬化性樹脂フィルムは、容易にバンプの頂上とその近傍以外の表面、及び半導体ウエハの回路面を覆って、バンプを埋め込み、最終的にはバンプの基部とその近傍領域に第1保護膜を形成することが可能となる。
なお、上述の熱硬化性樹脂フィルムの溶融時における粘度(以下、「溶融粘度」と略記することがある)など、本明細書における「粘度」とは、特に断りのない限り、細管式レオメータによって測定した値を意味する。
本発明の熱硬化性樹脂フィルムの、70〜90℃での溶融時における平均粘度は、熱硬化性樹脂フィルムの温度を70℃から90℃まで変化させ、このとき、70℃、71℃、72℃、・・・・、88℃、89℃、90℃と、熱硬化性樹脂フィルムの温度1℃ごとに熱硬化性樹脂フィルムの溶融粘度を測定し、得られた21個の測定値の平均値を算出することで求められる。
本発明の熱硬化性樹脂フィルムの23℃での表面自由エネルギーは、30〜40mJ/mであり、30.5〜39.5mJ/mであることが好ましく、31〜39mJ/mであることがより好ましい。また、前記表面自由エネルギーは、例えば、33〜39.5mJ/m、35〜39mJ/m及び36〜38.5mJ/mのいずれかであってもよい。前記表面自由エネルギーがこのような範囲であることで、バンプを埋め込んだ後の溶融した熱硬化性樹脂フィルムがバンプの周囲に凝集する効果が高くなる。
そして、本発明の熱硬化性樹脂フィルムの23℃での表面自由エネルギーは、上述の範囲内において、第1保護膜の形成対象であるバンプの23℃での表面自由エネルギーに一致するか又は近似するように、調節することが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂フィルムの23℃での表面自由エネルギーは、23℃の熱硬化性樹脂フィルムに対する、水、1−ブロモナフタレン及びジヨードメタンの接触角を測定し、その測定値を用いて、北崎・畑法を適用することにより、求められる。前記接触角の測定は、例えば、測定対象の熱硬化性樹脂フィルムを23℃の環境下に置いて、その温度で安定させた後、行うことができる。
本発明の熱硬化性樹脂フィルムの貼付対象である半導体ウエハにおいて、回路面に設けられている複数個のバンプのピッチは、特に限定されないが、50〜1000μmであることが好ましく、100〜700μmであることがより好ましく、200〜500μmであることが特に好ましい。バンプのピッチが前記下限値以上であることで、上述のように、バンプ形成面において高選択的に第1保護膜を形成する効果がより高くなる。また、バンプのピッチが前記上限値以下であることで、目的とする性能の半導体装置がより容易に得られる。
なお、本明細書において、「バンプのピッチ」とは、回路面を上方から見下ろしたときの、一のバンプの高さが最も高い部位と、このバンプと隣り合うバンプの高さが最も高い部位と、の間の距離を意味する。
本発明の熱硬化性樹脂フィルムの貼付対象である半導体ウエハにおいて、回路面に設けられているバンプの高さは、特に限定されないが、50〜600μmであることが好ましく、70〜500μmであることがより好ましく、80〜400μmであることが特に好ましい。バンプの高さが前記下限値以上であることで、上述のように、バンプ形成面において高選択的に第1保護膜を形成することが、より容易となる。また、バンプの高さが前記上限値以下であることで、バンプの高さが過剰となることが避けられる。
本発明の熱硬化性樹脂フィルムを加熱により軟化、溶融及び硬化させるときの加熱温度は、熱硬化性樹脂フィルムの種類等に応じて適宜調節すればよいが、60〜200℃であることが好ましい。
以下、本発明の構成について、さらに詳細に説明する。
◎第1支持シート
前記第1支持シートは、1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよい。支持シートが複数層からなる場合、これら複数層の構成材料及び厚さは、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
なお、本明細書においては、第1支持シートの場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の構成材料及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
好ましい第1支持シートとしては、例えば、第1基材上に第1粘着剤層が積層されてなるもの、第1基材上に第1中間層が積層され、前記第1中間層上に第1粘着剤層が積層されてなるもの、第1基材のみからなるもの等が挙げられる。
本発明の第1保護膜形成用シートの例を、このような第1支持シートの種類ごとに以下、図面を参照しながら説明する。
図4は、本発明の第1保護膜形成用シートの一実施形態を模式的に示す断面図である。ここに示す第1保護膜形成用シート1は、第1支持シートとして、第1基材上に第1粘着剤層が積層されてなるものを用いている。すなわち、第1保護膜形成用シート1は、第1基材11上に第1粘着剤層13を備え、第1粘着剤層13上に熱硬化性樹脂層(熱硬化性樹脂フィルム)12を備えて、構成されている。第1支持シート101は、第1基材11及び第1粘着剤層13の積層体であり、第1支持シート101の一方の表面101a上、すなわち第1粘着剤層13の一方の表面13a上に、熱硬化性樹脂層12が設けられている。
第1保護膜形成用シート1において、熱硬化性樹脂層12は、上述のように、70〜90℃での溶融時における平均粘度が1〜20000Pa・sであり、23℃での表面自由エネルギーが35〜40mJ/mのものである。
図5は、本発明の第1保護膜形成用シートの他の実施形態を模式的に示す断面図である。なお、図5において、図4に示すものと同じ構成要素には、図4の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。これは図6以降の図においても同様である。
ここに示す第1保護膜形成用シート2は、第1支持シートとして、第1基材上に第1中間層が積層され、前記第1中間層上に第1粘着剤層が積層されてなるものを用いている。すなわち、第1保護膜形成用シート2は、第1基材11上に第1中間層14を備え、第1中間層14上に第1粘着剤層13を備え、第1粘着剤層13上に熱硬化性樹脂層(熱硬化性樹脂フィルム)12を備えて、構成されている。第1支持シート102は、第1基材11、第1中間層14及び第1粘着剤層13がこの順に積層されてなる積層体であり、第1支持シート102の一方の表面102a上、すなわち第1粘着剤層13の一方の表面13a上に、熱硬化性樹脂層12が設けられている。
第1保護膜形成用シート2は、換言すると、図4に示す第1保護膜形成用シート1において、第1基材11と第1粘着剤層13との間に、さらに第1中間層14を備えたものである。
第1保護膜形成用シート2において、熱硬化性樹脂層12は、上述のように、70〜90℃での溶融時における平均粘度が1〜20000Pa・sであり、23℃での表面自由エネルギーが35〜40mJ/mのものである。
図6は、本発明の第1保護膜形成用シートのさらに他の実施形態を模式的に示す断面図である。
ここに示す第1保護膜形成用シート3は、第1支持シートとして、第1基材のみからなるものを用いている。すなわち、第1保護膜形成用シート3は、第1基材11上に熱硬化性樹脂層(熱硬化性樹脂フィルム)12を備えて、構成されている。第1支持シート103は、第1基材11のみから構成され、第1支持シート103の一方の表面103a上、すなわち第1基材11の一方の表面11a上に、熱硬化性樹脂層12が直接接触して設けられている。
第1保護膜形成用シート3は、換言すると、図4に示す第1保護膜形成用シート1において、第1粘着剤層13が除かれてなるものである。
第1保護膜形成用シート3において、熱硬化性樹脂層12は、上述のように、70〜90℃での溶融時における平均粘度が1〜20000Pa・sであり、23℃での表面自由エネルギーが35〜40mJ/mのものである。
次に、第1支持シートの構成について、詳細に説明する。
○第1基材
前記第1基材は、シート状又はフィルム状であり、その構成材料としては、例えば、各種樹脂が挙げられる。
前記樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン;ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ノルボルネン樹脂等のポリエチレン以外のポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−ノルボルネン共重合体等のエチレン系共重合体(モノマーとしてエチレンを用いて得られた共重合体);ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂(モノマーとして塩化ビニルを用いて得られた樹脂);ポリスチレン;ポリシクロオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、すべての構成単位が芳香族環式基を有する全芳香族ポリエステル等のポリエステル;2種以上の前記ポリエステルの共重合体;ポリ(メタ)アクリル酸エステル;ポリウレタン;ポリウレタンアクリレート;ポリイミド;ポリアミド;ポリカーボネート;フッ素樹脂;ポリアセタール;変性ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリスルホン;ポリエーテルケトン等が挙げられる。
また、前記樹脂としては、例えば、前記ポリエステルとそれ以外の樹脂との混合物等のポリマーアロイも挙げられる。前記ポリエステルとそれ以外の樹脂とのポリマーアロイは、ポリエステル以外の樹脂の量が比較的少量であるものが好ましい。
また、前記樹脂としては、例えば、ここまでに例示した前記樹脂の1種又は2種以上が架橋した架橋樹脂;ここまでに例示した前記樹脂の1種又は2種以上を用いたアイオノマー等の変性樹脂も挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を包含する概念とする。(メタ)アクリル酸と類似の用語につても同様であり、例えば、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の両方を包含する概念である。
第1基材を構成する樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
第1基材は1層(単層)のみでもよいし、2層以上の複数層でもよく、複数層である場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
第1基材の厚さは、5〜1000μmであることが好ましく、10〜500μmであることがより好ましく、15〜300μmであることがさらに好ましく、20〜150μmであることが特に好ましい。
ここで、「第1基材の厚さ」とは、第1基材全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる第1基材の厚さとは、第1基材を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
第1基材は、厚さの精度が高いもの、すなわち、部位によらず厚さのばらつきが抑制されたものが好ましい。上述の構成材料のうち、このような厚さの精度が高い第1基材を構成するのに使用可能な材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレン以外のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
第1基材は、前記樹脂等の主たる構成材料以外に、充填材、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、触媒、軟化剤(可塑剤)等の公知の各種添加剤を含有していてもよい。
第1基材は、透明であってもよいし、不透明であってもよく、目的に応じて着色されていてもよいし、他の層が蒸着されていてもよい。
後述する第1粘着剤層又は硬化性樹脂層がエネルギー線硬化性を有する場合、第1基材はエネルギー線を透過させるものが好ましい。
第1基材は、公知の方法で製造できる。例えば、樹脂を含有する第1基材は、前記樹脂を含有する樹脂組成物を成形することで製造できる。
○第1粘着剤層
前記第1粘着剤層は、シート状又はフィルム状であり、粘着剤を含有する。
前記粘着剤としては、例えば、アクリル系樹脂((メタ)アクリロイル基を有する樹脂からなる粘着剤)、ウレタン系樹脂(ウレタン結合を有する樹脂からなる粘着剤)、ゴム系樹脂(ゴム構造を有する樹脂からなる粘着剤)、シリコーン系樹脂(シロキサン結合を有する樹脂からなる粘着剤)、エポキシ系樹脂(エポキシ基を有する樹脂からなる粘着剤)、ポリビニルエーテル、ポリカーボネート等の粘着性樹脂が挙げられ、アクリル系樹脂が好ましい。
なお、本発明において、「粘着性樹脂」とは、粘着性を有する樹脂と、接着性を有する樹脂と、の両方を含む概念であり、例えば、樹脂自体が粘着性を有するものだけでなく、添加剤等の他の成分との併用により粘着性を示す樹脂や、熱又は水等のトリガーの存在によって接着性を示す樹脂等も含む。
第1粘着剤層は1層(単層)のみでもよいし、2層以上の複数層でもよく、複数層である場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
第1粘着剤層の厚さは、1〜1000μmであることが好ましく、5〜500μmであることがより好ましく、10〜100μmであることが特に好ましい。
ここで、「第1粘着剤層の厚さ」とは、第1粘着剤層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる第1粘着剤層の厚さとは、第1粘着剤層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
第1粘着剤層は、エネルギー線硬化性粘着剤を用いて形成されたものでもよいし、非エネルギー線硬化性粘着剤を用いて形成されたものでもよい。エネルギー線硬化性の粘着剤を用いて形成された第1粘着剤層は、硬化前及び硬化後での物性を、容易に調節できる。
本発明において、「エネルギー線」とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを意味し、その例として、紫外線、放射線、電子線等が挙げられる。
紫外線は、例えば、紫外線源として高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ、キセノンランプ、ブラックライト又はLEDランプ等を用いることで照射できる。電子線は、電子線加速器等によって発生させたものを照射できる。
本発明において、「エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射することにより硬化する性質を意味し、「非エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射しても硬化しない性質を意味する。
<<第1粘着剤組成物>>
第1粘着剤層は、粘着剤を含有する第1粘着剤組成物を用いて形成できる。例えば、第1粘着剤層の形成対象面に第1粘着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位に第1粘着剤層を形成できる。第1粘着剤層のより具体的な形成方法は、他の層の形成方法とともに、後ほど詳細に説明する。第1粘着剤組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、第1粘着剤層の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15〜25℃の温度等が挙げられる。
第1粘着剤組成物の塗工は、公知の方法で行えばよく、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーター等の各種コーターを用いる方法が挙げられる。
第1粘着剤組成物の乾燥条件は、特に限定されないが、第1粘着剤組成物は、後述する溶媒を含有している場合、加熱乾燥させることが好ましく、この場合、例えば、70〜130℃で10秒〜5分の条件で乾燥させることが好ましい。
第1粘着剤層がエネルギー線硬化性である場合、エネルギー線硬化性粘着剤を含有する第1粘着剤組成物、すなわち、エネルギー線硬化性の第1粘着剤組成物としては、例えば、非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I−1a)(以下、「粘着性樹脂(I−1a)」と略記することがある)と、エネルギー線硬化性化合物と、を含有する第1粘着剤組成物(I−1);非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I−1a)の側鎖に不飽和基が導入されたエネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I−2a)(以下、「粘着性樹脂(I−2a)」と略記することがある)を含有する第1粘着剤組成物(I−2);前記粘着性樹脂(I−2a)と、エネルギー線硬化性低分子化合物と、を含有する第1粘着剤組成物(I−3)等が挙げられる。
<第1粘着剤組成物(I−1)>
前記第1粘着剤組成物(I−1)は、上述のように、非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I−1a)と、エネルギー線硬化性化合物と、を含有する。
[粘着性樹脂(I−1a)]
前記粘着性樹脂(I−1a)は、アクリル系樹脂であることが好ましい。
前記アクリル系樹脂としては、例えば、少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位を有するアクリル系重合体が挙げられる。
前記アクリル系樹脂が有する構成単位は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アルキルエステルを構成するアルキル基の炭素数が1〜20であるのものが挙げられ、前記アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、より具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリル)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル((メタ)アクリル酸ミリスチル)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル((メタ)アクリル酸パルミチル)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル((メタ)アクリル酸ステアリル)、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸イコシル等が挙げられる。
第1粘着剤層の粘着力が向上する点から、前記アクリル系重合体は、前記アルキル基の炭素数が4以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位を有することが好ましい。そして、第1粘着剤層の粘着力がより向上する点から、前記アルキル基の炭素数は、4〜12であることが好ましく、4〜8であることがより好ましい。また、前記アルキル基の炭素数が4以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アクリル酸アルキルエステルであることが好ましい。
前記アクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位以外に、さらに、官能基含有モノマー由来の構成単位を有することが好ましい。
前記官能基含有モノマーとしては、例えば、前記官能基が後述する架橋剤と反応することで架橋の起点となったり、前記官能基が不飽和基含有化合物中の不飽和基と反応することで、アクリル系重合体の側鎖に不飽和基の導入を可能とするものが挙げられる。
官能基含有モノマー中の前記官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、エポキシ基等が挙げられる。
すなわち、官能基含有モノマーとしては、例えば、水酸基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー等が挙げられる。
前記水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル;ビニルアルコール、アリルアルコール等の非(メタ)アクリル系不飽和アルコール((メタ)アクリロイル骨格を有しない不飽和アルコール)等が挙げられる。
前記カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸(エチレン性不飽和結合を有するモノカルボン酸);フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸(エチレン性不飽和結合を有するジカルボン酸);前記エチレン性不飽和ジカルボン酸の無水物;2−カルボキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸カルボキシアルキルエステル等が挙げられる。
官能基含有モノマーは、水酸基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマーが好ましく、水酸基含有モノマーがより好ましい。
前記アクリル系重合体を構成する官能基含有モノマーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記アクリル系重合体において、官能基含有モノマー由来の構成単位の含有量は、構成単位の全量に対して、1〜35質量%であることが好ましく、3〜32質量%であることがより好ましく、5〜30質量%であることが特に好ましい。
前記アクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位、及び官能基含有モノマー由来の構成単位以外に、さらに、他のモノマー由来の構成単位を有していてもよい。
前記他のモノマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等と共重合可能なものであれば特に限定されない。
前記他のモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド等が挙げられる。
前記アクリル系重合体を構成する前記他のモノマーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記アクリル系重合体は、上述の非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I−1a)として使用できる。
一方、前記アクリル系重合体中の官能基に、エネルギー線重合性不飽和基(エネルギー線重合性基)を有する不飽和基含有化合物を反応させたものは、上述のエネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I−2a)として使用できる。
なお、本発明において、「エネルギー線重合性」とは、エネルギー線を照射することにより重合する性質を意味する。
第1粘着剤組成物(I−1)が含有する粘着性樹脂(I−1a)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
第1粘着剤組成物(I−1)において、粘着性樹脂(I−1a)の含有量は、5〜99質量%であることが好ましく、10〜95質量%であることがより好ましく、15〜90質量%であることが特に好ましい。
[エネルギー線硬化性化合物]
第1粘着剤組成物(I−1)が含有する前記エネルギー線硬化性化合物としては、エネルギー線重合性不飽和基を有し、エネルギー線の照射により硬化可能なモノマー又はオリゴマーが挙げられる。
エネルギー線硬化性化合物のうち、モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオール(メタ)アクリレート等の多価(メタ)アクリレート;ウレタン(メタ)アクリレート;ポリエステル(メタ)アクリレート;ポリエーテル(メタ)アクリレート;エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エネルギー線硬化性化合物のうち、オリゴマーとしては、例えば、上記で例示したモノマーが重合してなるオリゴマー等が挙げられる。
エネルギー線硬化性化合物は、分子量が比較的大きく、第1粘着剤層の貯蔵弾性率を低下させにくいという点では、ウレタン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。
第1粘着剤組成物(I−1)が含有する前記エネルギー線硬化性化合物は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記第1粘着剤組成物(I−1)において、前記エネルギー線硬化性化合物の含有量は、1〜95質量%であることが好ましく、5〜90質量%であることがより好ましく、10〜85質量%であることが特に好ましい。
[架橋剤]
粘着性樹脂(I−1a)として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位以外に、さらに、官能基含有モノマー由来の構成単位を有する前記アクリル系重合体を用いる場合、第1粘着剤組成物(I−1)は、さらに架橋剤を含有することが好ましい。
前記架橋剤は、例えば、前記官能基と反応して、粘着性樹脂(I−1a)同士を架橋するものである。
架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、これらジイソシアネートのアダクト体等のイソシアネート系架橋剤(イソシアネート基を有する架橋剤);エチレングリコールグリシジルエーテル等のエポキシ系架橋剤(グリシジル基を有する架橋剤);ヘキサ[1−(2−メチル)−アジリジニル]トリフオスファトリアジン等のアジリジン系架橋剤(アジリジニル基を有する架橋剤);アルミニウムキレート等の金属キレート系架橋剤(金属キレート構造を有する架橋剤);イソシアヌレート系架橋剤(イソシアヌル酸骨格を有する架橋剤)等が挙げられる。
粘着剤の凝集力を向上させて第1粘着剤層の粘着力を向上させる点、及び入手が容易である等の点から、架橋剤はイソシアネート系架橋剤であることが好ましい。
第1粘着剤組成物(I−1)が含有する架橋剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記第1粘着剤組成物(I−1)において、架橋剤の含有量は、粘着性樹脂(I−1a)の含有量100質量部に対して、0.01〜50質量部であることが好ましく、0.1〜20質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることが特に好ましい。
[光重合開始剤]
第1粘着剤組成物(I−1)は、さらに光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤を含有する第1粘着剤組成物(I−1)は、紫外線等の比較的低エネルギーのエネルギー線を照射しても、十分に硬化反応が進行する。
前記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール等のベンゾイン化合物;アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のアセトフェノン化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド化合物;ベンジルフェニルスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のスルフィド化合物;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のα−ケトール化合物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;チタノセン等のチタノセン化合物;チオキサントン等のチオキサントン化合物;パーオキサイド化合物;ジアセチル等のジケトン化合物;ベンジル;ジベンジル;ベンゾフェノン;2,4−ジエチルチオキサントン;1,2−ジフェニルメタン;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン;2−クロロアントラキノン等が挙げられる。
また、前記光重合開始剤としては、例えば、1−クロロアントラキノン等のキノン化合物;アミン等の光増感剤等を用いることもできる。
第1粘着剤組成物(I−1)が含有する光重合開始剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
第1粘着剤組成物(I−1)において、光重合開始剤の含有量は、前記エネルギー線硬化性化合物の含有量100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.03〜10質量部であることがより好ましく、0.05〜5量部であることが特に好ましい。
[その他の添加剤]
第1粘着剤組成物(I−1)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、上述のいずれの成分にも該当しない、その他の添加剤を含有していてもよい。
前記その他の添加剤としては、例えば、帯電防止剤、酸化防止剤、軟化剤(可塑剤)、充填材(フィラー)、防錆剤、着色剤(顔料、染料)、増感剤、粘着付与剤、反応遅延剤、架橋促進剤(触媒)等の公知の添加剤が挙げられる。
なお、反応遅延剤とは、例えば、第1粘着剤組成物(I−1)中に混入している触媒の作用によって、保存中の第1粘着剤組成物(I−1)において、目的としない架橋反応が進行するのを抑制するものである。反応遅延剤としては、例えば、触媒に対するキレートによってキレート錯体を形成するものが挙げられ、より具体的には、1分子中にカルボニル基(−C(=O)−)を2個以上有するものが挙げられる。
第1粘着剤組成物(I−1)が含有するその他の添加剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
第1粘着剤組成物(I−1)において、その他の添加剤の含有量は特に限定されず、その種類に応じて適宜選択すればよい。
[溶媒]
第1粘着剤組成物(I−1)は、溶媒を含有していてもよい。第1粘着剤組成物(I−1)は、溶媒を含有していることで、塗工対象面への塗工適性が向上する。
前記溶媒は有機溶媒であることが好ましく、前記有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン;酢酸エチル等のエステル(カルボン酸エステル);テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;シクロヘキサン、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール等が挙げられる。
前記溶媒としては、例えば、粘着性樹脂(I−1a)の製造時に用いたものを粘着性樹脂(I−1a)から取り除かずに、そのまま第1粘着剤組成物(I−1)において用いてもよいし、粘着性樹脂(I−1a)の製造時に用いたものと同一又は異なる種類の溶媒を、第1粘着剤組成物(I−1)の製造時に別途添加してもよい。
第1粘着剤組成物(I−1)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
第1粘着剤組成物(I−1)において、溶媒の含有量は特に限定されず、適宜調節すればよい。
<第1粘着剤組成物(I−2)>
前記第1粘着剤組成物(I−2)は、上述のように、非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I−1a)の側鎖に不飽和基が導入されたエネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I−2a)を含有する。
[粘着性樹脂(I−2a)]
前記粘着性樹脂(I−2a)は、例えば、粘着性樹脂(I−1a)中の官能基に、エネルギー線重合性不飽和基を有する不飽和基含有化合物を反応させることで得られる。
前記不飽和基含有化合物は、前記エネルギー線重合性不飽和基以外に、さらに粘着性樹脂(I−1a)中の官能基と反応することで、粘着性樹脂(I−1a)と結合可能な基を有する化合物である。
前記エネルギー線重合性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基(エテニル基)、アリル基(2−プロペニル基)等が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
粘着性樹脂(I−1a)中の官能基と結合可能な基としては、例えば、水酸基又はアミノ基と結合可能なイソシアネート基及びグリシジル基、並びにカルボキシ基又はエポキシ基と結合可能な水酸基及びアミノ基等が挙げられる。
前記不飽和基含有化合物としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
第1粘着剤組成物(I−2)が含有する粘着性樹脂(I−2a)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
第1粘着剤組成物(I−2)において、粘着性樹脂(I−2a)の含有量は、5〜99質量%であることが好ましく、10〜95質量%であることがより好ましく、10〜90質量%であることが特に好ましい。
[架橋剤]
粘着性樹脂(I−2a)として、例えば、粘着性樹脂(I−1a)におけるものと同様な、官能基含有モノマー由来の構成単位を有する前記アクリル系重合体を用いる場合、第1粘着剤組成物(I−2)は、さらに架橋剤を含有していてもよい。
第1粘着剤組成物(I−2)における前記架橋剤としては、第1粘着剤組成物(I−1)における架橋剤と同じものが挙げられる。
第1粘着剤組成物(I−2)が含有する架橋剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記第1粘着剤組成物(I−2)において、架橋剤の含有量は、粘着性樹脂(I−2a)の含有量100質量部に対して、0.01〜50質量部であることが好ましく、0.1〜20質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることが特に好ましい。
[光重合開始剤]
第1粘着剤組成物(I−2)は、さらに光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤を含有する第1粘着剤組成物(I−2)は、紫外線等の比較的低エネルギーのエネルギー線を照射しても、十分に硬化反応が進行する。
第1粘着剤組成物(I−2)における前記光重合開始剤としては、第1粘着剤組成物(I−1)における光重合開始剤と同じものが挙げられる。
第1粘着剤組成物(I−2)が含有する光重合開始剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
第1粘着剤組成物(I−2)において、光重合開始剤の含有量は、粘着性樹脂(I−2a)の含有量100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.03〜10質量部であることがより好ましく、0.05〜5質量部であることが特に好ましい。
[その他の添加剤]
第1粘着剤組成物(I−2)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、上述のいずれの成分にも該当しない、その他の添加剤を含有していてもよい。
第1粘着剤組成物(I−2)における前記その他の添加剤としては、第1粘着剤組成物(I−1)におけるその他の添加剤と同じものが挙げられる。
第1粘着剤組成物(I−2)が含有するその他の添加剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
第1粘着剤組成物(I−2)において、その他の添加剤の含有量は特に限定されず、その種類に応じて適宜選択すればよい。
[溶媒]
第1粘着剤組成物(I−2)は、第1粘着剤組成物(I−1)の場合と同様の目的で、溶媒を含有していてもよい。
第1粘着剤組成物(I−2)における前記溶媒としては、第1粘着剤組成物(I−1)における溶媒と同じものが挙げられる。
第1粘着剤組成物(I−2)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
第1粘着剤組成物(I−2)において、溶媒の含有量は特に限定されず、適宜調節すればよい。
<第1粘着剤組成物(I−3)>
前記第1粘着剤組成物(I−3)は、上述のように、前記粘着性樹脂(I−2a)と、エネルギー線硬化性低分子化合物と、を含有する。
第1粘着剤組成物(I−3)において、粘着性樹脂(I−2a)の含有量は、5〜99質量%であることが好ましく、10〜95質量%であることがより好ましく、15〜90質量%であることが特に好ましい。
[エネルギー線硬化性低分子化合物]
第1粘着剤組成物(I−3)が含有する前記エネルギー線硬化性低分子化合物としては、エネルギー線重合性不飽和基を有し、エネルギー線の照射により硬化可能なモノマー及びオリゴマーが挙げられ、第1粘着剤組成物(I−1)が含有するエネルギー線硬化性化合物と同じものが挙げられる。
第1粘着剤組成物(I−3)が含有する前記エネルギー線硬化性低分子化合物は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記第1粘着剤組成物(I−3)において、前記エネルギー線硬化性低分子化合物の含有量は、粘着性樹脂(I−2a)の含有量100質量部に対して、0.01〜300質量部であることが好ましく、0.03〜200質量部であることがより好ましく、0.05〜100質量部であることが特に好ましい。
[光重合開始剤]
第1粘着剤組成物(I−3)は、さらに光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤を含有する第1粘着剤組成物(I−3)は、紫外線等の比較的低エネルギーのエネルギー線を照射しても、十分に硬化反応が進行する。
第1粘着剤組成物(I−3)における前記光重合開始剤としては、第1粘着剤組成物(I−1)における光重合開始剤と同じものが挙げられる。
第1粘着剤組成物(I−3)が含有する光重合開始剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
第1粘着剤組成物(I−3)において、光重合開始剤の含有量は、粘着性樹脂(I−2a)及び前記エネルギー線硬化性低分子化合物の総含有量100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.03〜10質量部であることがより好ましく、0.05〜5量部であることが特に好ましい。
[その他の添加剤]
第1粘着剤組成物(I−3)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、上述のいずれの成分にも該当しない、その他の添加剤を含有していてもよい。
前記その他の添加剤としては、第1粘着剤組成物(I−1)におけるその他の添加剤と同じものが挙げられる。
第1粘着剤組成物(I−3)が含有するその他の添加剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
第1粘着剤組成物(I−3)において、その他の添加剤の含有量は特に限定されず、その種類に応じて適宜選択すればよい。
[溶媒]
第1粘着剤組成物(I−3)は、第1粘着剤組成物(I−1)の場合と同様の目的で、溶媒を含有していてもよい。
第1粘着剤組成物(I−3)における前記溶媒としては、第1粘着剤組成物(I−1)における溶媒と同じものが挙げられる。
第1粘着剤組成物(I−3)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
第1粘着剤組成物(I−3)において、溶媒の含有量は特に限定されず、適宜調節すればよい。
<第1粘着剤組成物(I−1)〜(I−3)以外の第1粘着剤組成物>
ここまでは、第1粘着剤組成物(I−1)、第1粘着剤組成物(I−2)及び第1粘着剤組成物(I−3)について主に説明したが、これらの含有成分として説明したものは、これら3種の第1粘着剤組成物以外の全般的な第1粘着剤組成物(本明細書においては、「第1粘着剤組成物(I−1)〜(I−3)以外の第1粘着剤組成物」と称する)でも、同様に用いることができる。
第1粘着剤組成物(I−1)〜(I−3)以外の第1粘着剤組成物としては、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物以外に、非エネルギー線硬化性の粘着剤組成物も挙げられる。
非エネルギー線硬化性の粘着剤組成物としては、例えば、アクリル系樹脂((メタ)アクリロイル基を有する樹脂)、ウレタン系樹脂(ウレタン結合を有する樹脂)、ゴム系樹脂(ゴム構造を有する樹脂)、シリコーン系樹脂(シロキサン結合を有する樹脂)、エポキシ系樹脂(エポキシ基を有する樹脂)、ポリビニルエーテル、又はポリカーボネート等の粘着性樹脂を含有するものが挙げられ、アクリル系樹脂を含有するものが好ましい。
第1粘着剤組成物(I−1)〜(I−3)以外の第1粘着剤組成物は、1種又は2種以上の架橋剤を含有することが好ましく、その含有量は、上述の第1粘着剤組成物(I−1)等の場合と同様とすることができる。
<<第1粘着剤組成物の製造方法>>
第1粘着剤組成物(I−1)〜(I−3)等の前記第1粘着剤組成物は、前記粘着剤と、必要に応じて前記粘着剤以外の成分等の、第1粘着剤組成物を構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15〜30℃であることが好ましい。
○第1中間層
前記第1中間層は、シート状又はフィルム状であり、その構成材料は目的に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。
例えば、半導体表面を覆う保護膜に、半導体表面に存在するバンプの形状が反映されることによって、保護膜が変形してしまうことの抑制を目的とする場合、前記第1中間層の好ましい構成材料としては、第1中間層の貼付性がより向上する点から、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
第1中間層は1層(単層)のみでもよいし、2層以上の複数層でもよく、複数層である場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
第1中間層の厚さは、保護対象となる半導体表面のバンプの高さに応じて適宜調節できるが、比較的高さが高いバンプの影響も容易に吸収できる点から、50〜600μmであることが好ましく、70〜500μmであることがより好ましく、80〜400μmであることが特に好ましい。
ここで、「第1中間層の厚さ」とは、第1中間層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる第1中間層の厚さとは、第1中間層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
<<第1中間層形成用組成物>>
第1中間層は、その構成材料を含有する第1中間層形成用組成物を用いて形成できる。例えば、第1中間層の形成対象面に第1中間層形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させたり、エネルギー線の照射によって硬化させることで、目的とする部位に第1中間層を形成できる。第1中間層のより具体的な形成方法は、他の層の形成方法とともに、後ほど詳細に説明する。第1中間層形成用組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、第1中間層の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。ここで、「常温」とは、先に説明したとおりである。
第1中間層形成用組成物の塗工は、公知の方法で行えばよく、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーター等の各種コーターを用いる方法が挙げられる。
第1中間層形成用組成物の乾燥条件は、特に限定されないが、第1中間層形成用組成物は、後述する溶媒を含有している場合、加熱乾燥させることが好ましく、この場合、例えば、70〜130℃で10秒〜5分の条件で乾燥させることが好ましい。
第1中間層形成用組成物は、エネルギー線硬化性を有する場合、乾燥後に、さらにエネルギー線の照射により硬化させることが好ましい。
第1中間層形成用組成物としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートを含有する第1中間層形成用組成物(II−1)等が挙げられる。
<第1中間層形成用組成物(II−1)>
第1中間層形成用組成物(II−1)は、上述のように、ウレタン(メタ)アクリレートを含有する。
[ウレタン(メタ)アクリレート]
ウレタン(メタ)アクリレートは、1分子中に少なくとも(メタ)アクリロイル基及びウレタン結合を有する化合物であり、エネルギー線重合性を有する。
ウレタン(メタ)アクリレートは、単官能のもの(1分子中に(メタ)アクリロイル基を1個のみ有するもの)であってもよいし、二官能以上のもの(1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有するもの)、すなわち多官能のものであってもよいが、少なくとも単官能のものを用いることが好ましい。
第1中間層形成用成物が含有する前記ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリオール化合物と、多価イソシアネート化合物と、を反応させて得られた、末端イソシアネートウレタンプレポリマーに、さらに水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル系化合物を反応させて得られたものが挙げられる。ここで、「末端イソシアネートウレタンプレポリマー」とは、ウレタン結合を有するとともに、分子の末端部にイソシアネート基を有するプレポリマーを意味する。
第1中間層形成用組成物(II−1)が含有するウレタン(メタ)アクリレートは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
(ポリオール化合物)
前記ポリオール化合物は、1分子中に水酸基を2個以上有する化合物であれば、特に限定されない。
前記ポリオール化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記ポリオール化合物としては、例えば、アルキレンジオール、ポリエーテル型ポリオール、ポリエステル型ポリオール、ポリカーボネート型ポリオール等が挙げられる。
前記ポリオール化合物は、2官能のジオール、3官能のトリオール、4官能以上のポリオール等のいずれであってもよいが、入手が容易であり、汎用性及び反応性等に優れる点では、ジオールが好ましい。
・ポリエーテル型ポリオール
前記ポリエーテル型ポリオールは、特に限定されないが、ポリエーテル型ジオールであることが好ましく、前記ポリエーテル型ジオールとしては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2017092461
(式中、nは2以上の整数であり;Rは2価の炭化水素基であり、複数個のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
式中、nは、一般式「−R−O−」で表される基の繰り返し単位数を表し、2以上の整数であれば特に限定されない。なかでも、nは、10〜250であることが好ましく、25〜205であることがより好ましく、40〜185であることが特に好ましい。
式中、Rは、2価の炭化水素基であれば特に限定されないが、アルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基であることがより好ましく、エチレン基、プロピレン基又はテトラメチレン基であることがさらに好ましく、プロピレン基又はテトラメチレン基であることが特に好ましい。
前記式(1)で表される化合物は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールであることが好ましく、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールであることがより好ましい。
前記ポリエーテル型ジオールと、前記多価イソシアネート化合物と、を反応させることにより、前記末端イソシアネートウレタンプレポリマーとして、下記一般式(1a)で表されるエーテル結合部を有するものが得られる。そして、このような前記末端イソシアネートウレタンプレポリマーを用いることで、前記ウレタン(メタ)アクリレートは、前記エーテル結合部を有するもの、すなわち、前記ポリエーテル型ジオールから誘導された構成単位を有するものとなる。
Figure 2017092461
(式中、R及びnは前記と同じである。)
・ポリエステル型ポリオール
前記ポリエステル型ポリオールは、特に限定されないが、例えば、多塩基酸又はその誘導体を用いて、エステル化反応を行うことで得られたもの等が挙げられる。なお、本明細書において「誘導体」とは、特に断りのない限り、元の化合物の1個以上の基がそれ以外の基(置換基)で置換されてなるものを意味する。ここで、「基」とは、複数個の原子が結合してなる原子団だけでなく、1個の原子も包含するものとする。
前記多塩基酸及びその誘導体としては、ポリエステルの製造原料として通常使用される多塩基酸及びその誘導体が挙げられる。
前記多塩基酸としては、例えば、飽和脂肪族多塩基酸、不飽和脂肪族多塩基酸、芳香族多塩基酸等が挙げられ、これらのいずれかに該当するダイマー酸を用いてもよい。
前記飽和脂肪族多塩基酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽和脂肪族二塩基酸等が挙げられる。
前記不飽和脂肪族多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸等の不飽和脂肪族二塩基酸等が挙げられる。
前記芳香族多塩基酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族二塩基酸;トリメリット酸等の芳香族三塩基酸;ピロメリット酸等の芳香族四塩基酸等が挙げられる。
前記多塩基酸の誘導体としては、例えば、上述の飽和脂肪族多塩基酸、不飽和脂肪族多塩基酸及び芳香族多塩基酸の酸無水物、並びに水添ダイマー酸等が挙げられる。
前記多塩基酸又はその誘導体は、いずれも1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記多塩基酸は、適度な硬度を有する塗膜の形成に適している点では、芳香族多塩基酸であることが好ましい。
ポリエステル型ポリオールを得るためのエステル化反応においては、必要に応じて公知の触媒を用いてもよい。
前記触媒としては、例えば、ジブチルスズオキサイド、オクチル酸第一スズ等のスズ化合物;テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のアルコキシチタン等が挙げられる。
・ポリカーボネート型ポリオール
ポリカーボネート型ポリオールは、特に限定されないが、例えば、前記式(1)で表される化合物と同様のグリコールと、アルキレンカーボネートと、を反応させて得られたもの等が挙げられる。
ここで、グリコール及びアルキレンカーボネートは、いずれも1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記ポリオール化合物の水酸基価から算出した数平均分子量は、1000〜10000であることが好ましく、2000〜9000であることがより好ましく、3000〜7000であることが特に好ましい。前記数平均分子量が1000以上であることで、ウレタン結合の過剰な生成が抑制されて、第1中間層の粘弾性特性の制御がより容易となる。また、前記数平均分子量が10000以下であることで、第1中間層の過度な軟化が抑制される。
ポリオール化合物の水酸基価から算出した前記数平均分子量とは、下記式から算出された値である。
[ポリオール化合物の数平均分子量]=[ポリオール化合物の官能基数]×56.11×1000/[ポリオール化合物の水酸基価(単位:mgKOH/g)]
前記ポリオール化合物は、ポリエーテル型ポリオールであることが好ましく、ポリエーテル型ジオールであることがより好ましい。
(多価イソシアネート化合物)
ポリオール化合物と反応させる前記多価イソシアネート化合物は、イソシアネート基を2個以上有するものであれば、特に限定されない。
多価イソシアネート化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記多価イソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の鎖状脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ω,ω’−ジイソシアネートジメチルシクロヘキサン等の環状脂肪族ジイソシアネート;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。
これらの中でも、多価イソシアネート化合物は、取り扱い性の点から、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート又はキシリレンジイソシアネートであることが好ましい。
((メタ)アクリル系化合物)
前記末端イソシアネートウレタンプレポリマーと反応させる、前記(メタ)アクリル系化合物は、1分子中に少なくとも水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば、特に限定されない。
前記(メタ)アクリル系化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記(メタ)アクリル系化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5−ヒドロキシシクロオクチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有(メタ)アクリルアミド;ビニルアルコール、ビニルフェノール又はビスフェノールAジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を反応させて得られた反応物等が挙げられる。
これらの中でも、前記(メタ)アクリル系化合物は、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましく、水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることがより好ましく、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルであることが特に好ましい。
前記末端イソシアネートウレタンプレポリマーと前記(メタ)アクリル系化合物との反応は、必要に応じて、溶媒、触媒等を用いて行ってもよい。
前記末端イソシアネートウレタンプレポリマーと前記(メタ)アクリル系化合物とを反応させるときの条件は、適宜調節すればよいが、例えば、反応温度は60〜100℃であることが好ましく、反応時間は1〜4時間であることが好ましい。
前記ウレタン(メタ)アクリレートは、オリゴマー、ポリマー、並びにオリゴマー及びポリマーの混合物のいずれであってもよいが、オリゴマーであることが好ましい。
例えば、前記ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、1000〜100000であることが好ましく、3000〜80000であることがより好ましく、5000〜65000であることが特に好ましい。前記重量平均分子量が1000以上であることで、ウレタン(メタ)アクリレートと後述する重合性モノマーとの重合物において、ウレタン(メタ)アクリレート由来の構造同士の分子間力に起因して、第1中間層の硬さの最適化が容易となる。
なお、本明細書において、重量平均分子量とは、特に断りのない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値である。
[重合性モノマー]
第1中間層形成用組成物(II−1)は、製膜性をより向上させる点から、前記ウレタン(メタ)アクリレート以外に、重合性モノマーを含有していてもよい。
前記重合性モノマーは、エネルギー線重合性を有し、重量平均分子量が1000以上であるオリゴマー及びポリマーを除くものであって、1分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることが好ましい。
前記重合性モノマーとしては、例えば、アルキルエステルを構成するアルキル基が、炭素数が1〜30で鎖状のものである(メタ)アクリル酸アルキルエステル;水酸基、アミド基、アミノ基又はエポキシ基等の官能基を有する官能基含有(メタ)アクリル系化合物;脂肪族環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル;芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;複素環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル;ビニル基を有する化合物;アリル基を有する化合物等が挙げられる。
炭素数が1〜30の鎖状アルキル基を有する前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリル)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル((メタ)アクリル酸ミリスチル)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル基、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル((メタ)アクリル酸パルミチル)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル((メタ)アクリル酸ステアリル)、(メタ)アクリル酸イソオクタデシル((メタ)アクリル酸イソステアリル)、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸イコシル等が挙げられる。
前記官能基含有(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド及びその誘導体;アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル(以下、「アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル」と称することがある);アミノ基の1個の水素原子が水素原子以外の基で置換されてなる1置換アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル(以下、「1置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル」と称することがある);アミノ基の2個の水素原子が水素原子以外の基で置換されてなる2置換アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル(以下、「2置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル」と称することがある);(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル等のエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル(以下、「エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル」と称することがある)等が挙げられる。
ここで、「アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル」とは、(メタ)アクリル酸エステルの1個又は2個以上の水素原子がアミノ基(−NH)で置換されてなる化合物を意味する。同様に、「1置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル」とは、(メタ)アクリル酸エステルの1個又は2個以上の水素原子が1置換アミノ基で置換されてなる化合物を意味し、「2置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル」とは、(メタ)アクリル酸エステルの1個又は2個以上の水素原子が2置換アミノ基で置換されてなる化合物を意味する。
「1置換アミノ基」及び「2置換アミノ基」における、水素原子が置換される水素原子以外の基(すなわち、置換基)としては、例えば、アルキル基等が挙げられる。
前記脂肪族環式基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸アダマンチル等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸フェニルヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等が挙げられる。
前記複素環式基を有する(メタ)アクリル酸エステルにおける複素環式基は、芳香族複素環式基及び脂肪族複素環式基のいずれでもよい。
前記複素環式基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
前記ビニル基を有する化合物としては、例えば、スチレン、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等が挙げられる。
前記アリル基を有する化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
前記重合性モノマーは、前記ウレタン(メタ)アクリレートとの相溶性が良好である点から、比較的嵩高い基を有するものが好ましく、このようなものとしては、脂肪族環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル、芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、複素環式基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、脂肪族環式基を有する(メタ)アクリル酸エステルがより好ましい。
第1中間層形成用組成物(II−1)が含有する重合性モノマーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
第1中間層形成用組成物(II−1)において、重合性モノマーの含有量は、10〜99質量%であることが好ましく、15〜95質量%であることがより好ましく、20〜90質量%であることがさらに好ましく、25〜80質量%であることが特に好ましい。
[光重合開始剤]
第1中間層形成用組成物(II−1)は、前記ウレタン(メタ)アクリレート及び重合性モノマー以外に、光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤を含有する第1中間層形成用組成物(II−1)は、紫外線等の比較的低エネルギーのエネルギー線を照射しても、十分に硬化反応が進行する。
第1中間層形成用組成物(II−1)における前記光重合開始剤としては、第1粘着剤組成物(I−1)における光重合開始剤と同じものが挙げられる。
第1中間層形成用組成物(II−1)が含有する光重合開始剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
第1中間層形成用組成物(II−1)において、光重合開始剤の含有量は、前記ウレタン(メタ)アクリレート及び重合性モノマーの総含有量100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.03〜10質量部であることがより好ましく、0.05〜5質量部であることが特に好ましい。
[ウレタン(メタ)アクリレート以外の樹脂成分]
第1中間層形成用組成物(II−1)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、前記ウレタン(メタ)アクリレート以外の樹脂成分を含有していてもよい。
前記樹脂成分の種類と、その第1中間層形成用組成物(II−1)における含有量は、目的に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。
[その他の添加剤]
第1中間層形成用組成物(II−1)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、上述のいずれの成分にも該当しない、その他の添加剤を含有していてもよい。
前記その他の添加剤としては、例えば、架橋剤、帯電防止剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、軟化剤(可塑剤)、充填材、防錆剤、着色剤(顔料、染料)等の公知の添加剤が挙げられる。
例えば、前記連鎖移動剤としては、1分子中に少なくとも1個のチオール基(メルカプト基)を有するチオール化合物が挙げられる。
前記チオール化合物としては、例えば、ノニルメルカプタン、1−ドデカンチオール、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、トリアジントリチオール、1,2,3−プロパントリチオール、テトラエチレングリコール−ビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグルコレート、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]−イソシアヌレート、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられる。
第1中間層形成用組成物(II−1)が含有するその他の添加剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
第1中間層形成用組成物(II−1)において、その他の添加剤の含有量は特に限定されず、その種類に応じて適宜選択すればよい。
[溶媒]
第1中間層形成用組成物(II−1)は、溶媒を含有していてもよい。第1中間層形成用組成物(II−1)は、溶媒を含有していることで、塗工対象面への塗工適性が向上する。
<<第1中間層形成用組成物の製造方法>>
第1中間層形成用組成物(II−1)等の前記第1中間層形成用組成物は、これを構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15〜30℃であることが好ましい。
◎熱硬化性樹脂層
前記熱硬化性樹脂層(熱硬化性樹脂フィルム)は、半導体表面のバンプを保護するための層であり、硬化により第1保護膜を形成する。
前記熱硬化性樹脂層は、上述のように、70〜90℃での溶融時における平均粘度が1〜20000Pa・sであり、23℃での表面自由エネルギーが35〜40mJ/mのものである。
また、前記熱硬化性樹脂層は、その構成材料を含有する熱硬化性樹脂層形成用組成物を用いて形成できる。
したがって、前記熱硬化性樹脂層の前記平均粘度及び表面自由エネルギーは、熱硬化性樹脂層形成用組成物の含有成分の種類及び量のいずれか一方又は両方を調節することで、調節できる。
熱硬化性樹脂層形成用組成物及びその製造方法については、後ほど詳しく説明する。
例えば、熱硬化性樹脂層形成用組成物の含有成分のうち、特に粘度を増大させる成分の前記組成物中での含有量を低減することで、より容易に前記平均粘度を好ましい範囲に調節できる。前記粘度を増大させる成分としては、例えば、後述する充填材(D)等が挙げられるが、これに限定されない。
また、例えば、熱硬化性樹脂層形成用組成物の含有成分のうち、特に粘度を低減する成分の前記組成物中での含有量を増大させることで、より容易に前記平均粘度を好ましい範囲に調節できる。前記粘度を低減する成分としては、例えば、後述する熱可塑性樹脂等が挙げられるが、これに限定されない。
また、例えば、熱硬化性樹脂層形成用組成物の含有成分のうち、特に熱硬化剤の前記組成物中での含有量を低減したり、熱硬化剤としてその効果が穏やかなものを用いることで、より容易に前記平均粘度を好ましい範囲に調節できる。前記熱硬化剤は、例えば、後述する熱硬化剤(B2)等から適宜選択できるが、これに限定されない。
好ましい熱硬化性樹脂層としては、例えば、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)を含有するものが挙げられる。重合体成分(A)は、重合性化合物が重合反応して形成されたとみなせる成分である。また、熱硬化性成分(B)は、熱を反応のトリガーとして、硬化(重合)反応し得る成分である。なお、本発明において重合反応には、重縮合反応も含まれる。
前記熱硬化性樹脂層は1層(単層)のみでもよいし、2層以上の複数層でもよく、複数層である場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
前記熱硬化性樹脂層が複数層である場合には、熱硬化性樹脂層全体が、上述の平均粘度及び表面自由エネルギーの条件を満たせばよい。
前記熱硬化性樹脂層の厚さは、1〜50μmであることが好ましく、2〜40μmであることがより好ましく、3〜25μmであることが特に好ましい。そして、上述のように、バンプ形成面において高選択的に第1保護膜を形成する効果がより高くなるという点では、前記熱硬化性樹脂層の厚さは、例えば、3〜20μm、3〜15μm、3〜10μm等であってもよい。
ここで、「熱硬化性樹脂層の厚さ」とは、熱硬化性樹脂層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる熱硬化性樹脂層の厚さとは、熱硬化性樹脂層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
<<熱硬化性樹脂層形成用組成物>>
熱硬化性樹脂層は、その構成材料を含有する熱硬化性樹脂層形成用組成物を用いて形成できる。例えば、熱硬化性樹脂層の形成対象面に熱硬化性樹脂層形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位に熱硬化性樹脂層を形成できる。熱硬化性樹脂層形成用組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、熱硬化性樹脂層の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。ここで、「常温」とは、先に説明したとおりである。
熱硬化性樹脂層形成用組成物の塗工は、公知の方法で行えばよく、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーター等の各種コーターを用いる方法が挙げられる。
熱硬化性樹脂層形成用組成物の乾燥条件は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂層形成用組成物は、後述する溶媒を含有している場合、加熱乾燥させることが好ましく、この場合、例えば、70〜130℃で10秒〜5分の条件で乾燥させることが好ましい。
<樹脂層形成用組成物(III−1)>
熱硬化性樹脂層形成用組成物としては、例えば、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)を含有する熱硬化性樹脂層形成用組成物(III−1)(本明細書においては、単に「樹脂層形成用組成物(III−1)」と略記することがある)等が挙げられる。
[重合体成分(A)]
重合体成分(A)は、熱硬化性樹脂層に造膜性や可撓性等を付与するための重合体化合物である。
樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層が含有する重合体成分(A)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
重合体成分(A)としては、例えば、アクリル系樹脂((メタ)アクリロイル基を有する樹脂)、ポリエステル、ウレタン系樹脂(ウレタン結合を有する樹脂)、アクリルウレタン樹脂、シリコーン系樹脂(シロキサン結合を有する樹脂)、ゴム系樹脂(ゴム構造を有する樹脂)、フェノキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド等が挙げられ、アクリル系樹脂が好ましい。
重合体成分(A)における前記アクリル系樹脂としては、公知のアクリル重合体が挙げられる。
アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10000〜2000000であることが好ましく、100000〜1500000であることがより好ましい。アクリル系樹脂の重量平均分子量が前記下限値以上であることで、熱硬化性樹脂層の形状安定性(保管時の経時安定性)が向上する。また、アクリル系樹脂の重量平均分子量が前記上限値以下であることで、被着体の凹凸面へ熱硬化性樹脂層が追従し易くなり、被着体と熱硬化性樹脂層との間でボイド等の発生がより抑制される。
アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−60〜70℃であることが好ましく、−30〜50℃であることがより好ましい。アクリル系樹脂のTgが前記下限値以上であることで、第1保護膜と第1支持シートとの接着力が抑制されて、第1支持シートの剥離性が向上する。また、アクリル系樹脂のTgが前記上限値以下であることで、熱硬化性樹脂層及び第1保護膜の被着体との接着力が向上する。
アクリル系樹脂としては、例えば、1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの重合体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン及びN−メチロールアクリルアミド等から選択される2種以上のモノマーの共重合体等が挙げられる。
アクリル系樹脂を構成する前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリル)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル((メタ)アクリル酸ミリスチル)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル((メタ)アクリル酸パルミチル)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル((メタ)アクリル酸ステアリル)等の、アルキルエステルを構成するアルキル基が、炭素数が1〜18の鎖状構造である(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルオキシアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸イミド;
(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸N−メチルアミノエチル等の置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。ここで、「置換アミノ基」とは、アミノ基の1個又は2個の水素原子が水素原子以外の基で置換されてなる基を意味する。
アクリル系樹脂は、例えば、前記(メタ)アクリル酸エステル以外に、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン及びN−メチロールアクリルアミド等から選択される1種又は2種以上のモノマーが共重合してなるものでもよい。
アクリル系樹脂を構成するモノマーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
アクリル系樹脂は、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、イソシアネート基等の他の化合物と結合可能な官能基を有していてもよい。アクリル系樹脂の前記官能基は、後述する架橋剤(F)を介して他の化合物と結合してもよいし、架橋剤(F)を介さずに他の化合物と直接結合していてもよい。アクリル系樹脂が前記官能基により他の化合物と結合することで、第1保護膜形成用シートを用いて得られたパッケージの信頼性が向上する傾向がある。
本発明においては、重合体成分(A)として、アクリル系樹脂以外の熱可塑性樹脂(以下、単に「熱可塑性樹脂」と略記することがある)を、アクリル系樹脂を用いずに単独で用いてもよいし、アクリル系樹脂と併用してもよい。前記熱可塑性樹脂を用いることで、第1保護膜の第1支持シートからの剥離性が向上したり、被着体の凹凸面へ熱硬化性樹脂層が追従し易くなり、被着体と熱硬化性樹脂層との間でボイド等の発生がより抑制されることがある。
前記熱可塑性樹脂の重量平均分子量は1000〜100000であることが好ましく、3000〜80000であることがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−30〜150℃であることが好ましく、−20〜120℃であることがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、フェノキシ樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリスチレン等が挙げられる。
樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層が含有する前記熱可塑性樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
樹脂層形成用組成物(III−1)において、溶媒以外の全ての成分の総含有量に対する重合体成分(A)の含有量の割合(すなわち、熱硬化性樹脂層の重合体成分(A)の含有量)は、重合体成分(A)の種類によらず、5〜85質量%であることが好ましく、5〜80質量%であることがより好ましく、例えば、5〜70質量%、5〜60質量%、5〜50質量%、5〜40質量%、及び5〜30質量%のいずれかであってもよい。ただし、樹脂層形成用組成物(III−1)におけるこれら含有量は一例である。
重合体成分(A)は、熱硬化性成分(B)にも該当する場合がある。本発明においては、樹脂層形成用組成物(III−1)が、このような重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)の両方に該当する成分を含有する場合、樹脂層形成用組成物(III−1)は、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)を含有するとみなす。
[熱硬化性成分(B)]
熱硬化性成分(B)は、熱硬化性樹脂層を硬化させて、硬質の第1保護膜を形成するための成分である。
樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層が含有する熱硬化性成分(B)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
熱硬化性成分(B)としては、例えば、エポキシ系熱硬化性樹脂、熱硬化性ポリイミド、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂等が挙げられ、エポキシ系熱硬化性樹脂が好ましい。
(エポキシ系熱硬化性樹脂)
エポキシ系熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂(B1)及び熱硬化剤(B2)からなる。
樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層が含有するエポキシ系熱硬化性樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
・エポキシ樹脂(B1)
エポキシ樹脂(B1)としては、公知のものが挙げられ、例えば、多官能系エポキシ樹脂、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂等、2官能以上のエポキシ化合物が挙げられる。
エポキシ樹脂(B1)としては、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂を用いてもよい。不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂は、不飽和炭化水素基を有しないエポキシ樹脂よりもアクリル系樹脂との相溶性が高い。そのため、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂を用いることで、第1保護膜形成用シートを用いて得られたパッケージの信頼性が向上する。
不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、多官能系エポキシ樹脂のエポキシ基の一部が不飽和炭化水素基を有する基に変換されてなる化合物が挙げられる。このような化合物は、例えば、エポキシ基へ(メタ)アクリル酸又はその誘導体を付加反応させることにより得られる。
また、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂を構成する芳香環等に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合した化合物等が挙げられる。
不飽和炭化水素基は、重合性を有する不飽和基であり、その具体的な例としては、エテニル基(ビニル基)、2−プロペニル基(アリル基)、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基等が挙げられ、アクリロイル基が好ましい。
エポキシ樹脂(B1)の数平均分子量は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂層の硬化性、並びに硬化後の第1保護膜の強度及び耐熱性の点から、300〜30000であることが好ましく、400〜10000であることがより好ましく、500〜3000であることが特に好ましい。
エポキシ樹脂(B1)のエポキシ当量は、100〜1000g/eqであることが好ましく、300〜800g/eqであることがより好ましい。
エポキシ樹脂(B1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
・熱硬化剤(B2)
熱硬化剤(B2)は、エポキシ樹脂(B1)に対する硬化剤として機能する。
熱硬化剤(B2)としては、例えば、1分子中にエポキシ基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。前記官能基としては、例えば、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシ基、酸基が無水物化された基等が挙げられ、フェノール性水酸基、アミノ基、又は酸基が無水物化された基であることが好ましく、フェノール性水酸基又はアミノ基であることがより好ましい。
熱硬化剤(B2)のうち、フェノール性水酸基を有するフェノール系硬化剤としては、例えば、多官能フェノール樹脂、ビフェノール、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂等が挙げられる。
熱硬化剤(B2)のうち、アミノ基を有するアミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド(以下、「DICY」と略記することがある)等が挙げられる。
熱硬化剤(B2)は、不飽和炭化水素基を有するものでもよい。
不飽和炭化水素基を有する熱硬化剤(B2)としては、例えば、フェノール樹脂の水酸基の一部が、不飽和炭化水素基を有する基で置換されてなる化合物、フェノール樹脂の芳香環に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合してなる化合物等が挙げられる。
熱硬化剤(B2)における前記不飽和炭化水素基は、上述の不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂における不飽和炭化水素基と同様のものである。
熱硬化剤(B2)としてフェノール系硬化剤を用いる場合には、第1保護膜の第1支持シートからの剥離性が向上する点から、熱硬化剤(B2)は軟化点又はガラス転移温度が高いものが好ましい。
熱硬化剤(B2)のうち、例えば、多官能フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂等の樹脂成分の数平均分子量は、300〜30000であることが好ましく、400〜10000であることがより好ましく、500〜3000であることが特に好ましい。
熱硬化剤(B2)のうち、例えば、ビフェノール、ジシアンジアミド等の非樹脂成分の分子量は、特に限定されないが、例えば、60〜500であることが好ましい。
熱硬化剤(B2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層において、熱硬化剤(B2)の含有量は、エポキシ樹脂(B1)の含有量100質量部に対して、0.1〜500質量部であることが好ましく、1〜200質量部であることがより好ましく、例えば、5〜100質量部、10〜80質量部及び20〜60質量部のいずれかであってもよい。熱硬化剤(B2)の前記含有量が前記下限値以上であることで、熱硬化性樹脂層の硬化がより進行し易くなる。また、熱硬化剤(B2)の前記含有量が前記上限値以下であることで、熱硬化性樹脂層の吸湿率が低減されて、第1保護膜形成用シートを用いて得られたパッケージの信頼性がより向上する。
樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層において、熱硬化性成分(B)の含有量(例えば、エポキシ樹脂(B1)及び熱硬化剤(B2)の総含有量)は、重合体成分(A)の含有量100質量部に対して、50〜1400質量部であることが好ましく、100〜1300質量部であることがより好ましく、150〜1200質量部であることがさらに好ましく、200〜1150質量部であることが特に好ましい。熱硬化性成分(B)の前記含有量がこのような範囲であることで、第1保護膜と第1支持シートとの接着力が抑制されて、第1支持シートの剥離性が向上する。
[硬化促進剤(C)]
樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層は、硬化促進剤(C)を含有していてもよい。硬化促進剤(C)は、樹脂層形成用組成物(III−1)の硬化速度を調整するための成分である。
好ましい硬化促進剤(C)としては、例えば、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3級アミン;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類(1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されたイミダゾール);トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類(1個以上の水素原子が有機基で置換されたホスフィン);テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等が挙げられる。
樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層が含有する硬化促進剤(C)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
硬化促進剤(C)を用いる場合、樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層において、硬化促進剤(C)の含有量は、熱硬化性成分(B)の含有量100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。硬化促進剤(C)の前記含有量が前記下限値以上であることで、硬化促進剤(C)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。また、硬化促進剤(C)の含有量が前記上限値以下であることで、例えば、高極性の硬化促進剤(C)が、高温・高湿度条件下で熱硬化性樹脂層中において被着体との接着界面側に移動して偏析することを抑制する効果が高くなり、第1保護膜形成用シートを用いて得られたパッケージの信頼性がより向上する。
[充填材(D)]
樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層は、充填材(D)を含有していてもよい。熱硬化性樹脂層が充填材(D)を含有することにより、熱硬化性樹脂層を硬化して得られた第1保護膜は、熱膨張係数の調整が容易となり、この熱膨張係数を第1保護膜の形成対象物に対して最適化することで、第1保護膜形成用シートを用いて得られたパッケージの信頼性がより向上する。また、熱硬化性樹脂層が充填材(D)を含有することにより、第1保護膜の吸湿率を低減したり、放熱性を向上させたりすることもできる。
充填材(D)は、有機充填材及び無機充填材のいずれでもよいが、無機充填材であることが好ましい。
好ましい無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化ケイ素、窒化ホウ素等の粉末;これら無機充填材を球形化したビーズ;これら無機充填材の表面改質品;これら無機充填材の単結晶繊維;ガラス繊維等が挙げられる。
これらの中でも、無機充填材は、シリカ又はアルミナであることが好ましい。
樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層が含有する充填材(D)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
充填材(D)を用いる場合、樹脂層形成用組成物(III−1)において、溶媒以外の全ての成分の総含有量に対する充填材(D)の含有量の割合(すなわち、熱硬化性樹脂層の充填材(D)の含有量)は、5〜40質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましく、15〜40質量%であることが特に好ましい。また、前記割合は、例えば、7〜30質量%及び7〜25質量%のいずれかであってもよい。充填材(D)の含有量が前記下限値以上であることで、充填材(D)を用いたことによる効果がより顕著に得られ、充填材(D)の含有量が前記上限値以下であることで、熱硬化性樹脂層の前記平均粘度の調節がより容易となる。
本発明においては、熱硬化性樹脂層の前記平均粘度の調節をより容易とする点では、樹脂層形成用組成物(III−1)において、溶媒以外の全ての成分の総含有量に対する充填材(D)の含有量の割合(すなわち、熱硬化性樹脂層の充填材(D)の含有量)は、40質量%以下であることが好ましく、例えば、30質量%以下及び25質量%以下のいずれかであってもよく、0質量%であってもよい。
[カップリング剤(E)]
樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層は、カップリング剤(E)を含有していてもよい。カップリング剤(E)として、無機化合物又は有機化合物と反応可能な官能基を有するものを用いることにより、熱硬化性樹脂層の被着体に対する接着性及び密着性を向上させることができる。また、カップリング剤(E)を用いることで、熱硬化性樹脂層を硬化して得られた第1保護膜は、耐熱性を損なうことなく、耐水性が向上する。
カップリング剤(E)は、重合体成分(A)、熱硬化性成分(B)等が有する官能基と反応可能な官能基を有する化合物であることが好ましく、シランカップリング剤であることがより好ましい。
好ましい前記シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3−(フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン等が挙げられる。
樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層が含有するカップリング剤(E)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
カップリング剤(E)を用いる場合、樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層において、カップリング剤(E)の含有量は、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)の総含有量100質量部に対して、0.03〜20質量部であることが好ましく、0.05〜10質量部であることがより好ましく、0.1〜5質量部であることが特に好ましい。カップリング剤(E)の前記含有量が前記下限値以上であることで、充填材(D)の樹脂への分散性の向上や、熱硬化性樹脂層の被着体との接着性の向上など、カップリング剤(E)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。また、カップリング剤(E)の前記含有量が前記上限値以下であることで、アウトガスの発生がより抑制される。
[架橋剤(F)]
重合体成分(A)として、上述のアクリル系樹脂等の、他の化合物と結合可能なビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、イソシアネート基等の官能基を有するものを用いる場合、樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層は、前記官能基を他の化合物と結合させて架橋するための架橋剤(F)を含有していてもよい。架橋剤(F)を用いて架橋することにより、熱硬化性樹脂層の初期接着力及び凝集力を調節できる。
架橋剤(F)としては、例えば、有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物、金属キレート系架橋剤(金属キレート構造を有する架橋剤)、アジリジン系架橋剤(アジリジニル基を有する架橋剤)等が挙げられる。
前記有機多価イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物及び脂環族多価イソシアネート化合物(以下、これら化合物をまとめて「芳香族多価イソシアネート化合物等」と略記することがある);前記芳香族多価イソシアネート化合物等の三量体、イソシアヌレート体及びアダクト体;前記芳香族多価イソシアネート化合物等とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマー等が挙げられる。前記「アダクト体」は、前記芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物又は脂環族多価イソシアネート化合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン又はヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物を意味し、その例としては、後述するようなトリメチロールプロパンのキシリレンジイソシアネート付加物等が挙げられる。また、「末端イソシアネートウレタンプレポリマー」とは、先に説明したとおりである。
前記有機多価イソシアネート化合物として、より具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート;2,6−トリレンジイソシアネート;1,3−キシリレンジイソシアネート;1,4−キシレンジイソシアネート;ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート;3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート;トリメチロールプロパン等のポリオールのすべて又は一部の水酸基に、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びキシリレンジイソシアネートのいずれか1種又は2種以上が付加した化合物;リジンジイソシアネート等が挙げられる。
前記有機多価イミン化合物としては、例えば、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等が挙げられる。
架橋剤(F)として有機多価イソシアネート化合物を用いる場合、重合体成分(A)としては、水酸基含有重合体を用いることが好ましい。架橋剤(F)がイソシアネート基を有し、重合体成分(A)が水酸基を有する場合、架橋剤(F)と重合体成分(A)との反応によって、熱硬化性樹脂層に架橋構造を簡便に導入できる。
樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層が含有する架橋剤(F)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
架橋剤(F)を用いる場合、樹脂層形成用組成物(III−1)において、架橋剤(F)の含有量は、重合体成分(A)の含有量100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましく、0.5〜5質量部であることが特に好ましい。架橋剤(F)の前記含有量が前記下限値以上であることで、架橋剤(F)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。また、架橋剤(F)の前記含有量が前記上限値以下であることで、架橋剤(F)の過剰使用が抑制される。
[エネルギー線硬化性樹脂(G)]
樹脂層形成用組成物(III−1)は、エネルギー線硬化性樹脂(G)を含有していてもよい。熱硬化性樹脂層は、エネルギー線硬化性樹脂(G)を含有していることにより、エネルギー線の照射によって特性を変化させることができる。
エネルギー線硬化性樹脂(G)は、エネルギー線硬化性化合物を重合(硬化)して得られたものである。
前記エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、分子内に少なくとも1個の重合性二重結合を有する化合物が挙げられ、(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート系化合物が好ましい。
前記アクリレート系化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の鎖状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート;ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等の環状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;オリゴエステル(メタ)アクリレート;ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー;エポキシ変性(メタ)アクリレート;前記ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート以外のポリエーテル(メタ)アクリレート;イタコン酸オリゴマー等が挙げられる。
前記エネルギー線硬化性化合物の重量平均分子量は、100〜30000であることが好ましく、300〜10000であることがより好ましい。
重合に用いる前記エネルギー線硬化性化合物は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
樹脂層形成用組成物(III−1)が含有するエネルギー線硬化性樹脂(G)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
エネルギー線硬化性樹脂(G)を用いる場合、樹脂層形成用組成物(III−1)のエネルギー線硬化性樹脂(G)の含有量は、1〜95質量%であることが好ましく、5〜90質量%であることがより好ましく、10〜85質量%であることが特に好ましい。
[光重合開始剤(H)]
樹脂層形成用組成物(III−1)は、エネルギー線硬化性樹脂(G)を含有する場合、エネルギー線硬化性樹脂(G)の重合反応を効率よく進めるために、光重合開始剤(H)を含有していてもよい。
樹脂層形成用組成物(III−1)における光重合開始剤(H)としては、第1粘着剤組成物(I−1)における光重合開始剤と同じものが挙げられる。
樹脂層形成用組成物(III−1)が含有する光重合開始剤(H)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
光重合開始剤(H)を用いる場合、樹脂層形成用組成物(III−1)において、光重合開始剤(H)の含有量は、エネルギー線硬化性樹脂(G)の含有量100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましく、2〜5質量部であることが特に好ましい。
[汎用添加剤(I)]
樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層は、本発明の効果を損なわない範囲内において、汎用添加剤(I)を含有していてもよい。
汎用添加剤(I)は、公知のものでよく、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、着色剤(染料、顔料)、ゲッタリング剤等が挙げられる。
樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層が含有する汎用添加剤(I)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
樹脂層形成用組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂層の汎用添加剤(I)の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよい。
[溶媒]
樹脂層形成用組成物(III−1)は、さらに溶媒を含有することが好ましい。溶媒を含有する樹脂層形成用組成物(III−1)は、取り扱い性が良好となる。
前記溶媒は特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール(2−メチルプロパン−1−オール)、1−ブタノール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド(アミド結合を有する化合物)等が挙げられる。
樹脂層形成用組成物(III−1)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
樹脂層形成用組成物(III−1)が含有する溶媒は、樹脂層形成用組成物(III−1)中の含有成分をより均一に混合できる点から、メチルエチルケトン等であることが好ましい。
<<熱硬化性樹脂層形成用組成物の製造方法>>
樹脂層形成用組成物(III−1)等の熱硬化性樹脂層形成用組成物は、これを構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15〜30℃であることが好ましい。
◇第1保護膜形成用シートの製造方法
前記第1保護膜形成用シートは、上述の各層を対応する位置関係となるように順次積層することで製造できる。各層の形成方法は、先に説明したとおりである。
例えば、第1支持シートを製造するときに、第1基材上に第1粘着剤層又は第1中間層を積層する場合には、第1基材上に上述の第1粘着剤組成物又は第1中間層形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させるか、又はエネルギー線を照射することで、第1粘着剤層又は第1中間層を積層できる。
一方、例えば、第1基材上に積層済みの第1粘着剤層の上に、さらに熱硬化性樹脂層を積層する場合には、第1粘着剤層上に熱硬化性樹脂層形成用組成物を塗工して、熱硬化性樹脂層を直接形成することが可能である。同様に、第1基材上に積層済みの第1中間層の上に、さらに第1粘着剤層を積層する場合には、第1中間層上に第1粘着剤組成物を塗工して、第1粘着剤層を直接形成することが可能である。このように、いずれかの組成物を用いて、連続する2層の積層構造を形成する場合には、前記組成物から形成された層の上に、さらに組成物を塗工して新たに層を形成することが可能である。ただし、これら2層のうちの後から積層する層は、別の剥離フィルム上に前記組成物を用いてあらかじめ形成しておき、この形成済みの層の前記剥離フィルムと接触している側とは反対側の露出面を、既に形成済みの残りの層の露出面と貼り合わせることで、連続する2層の積層構造を形成することが好ましい。このとき、前記組成物は、剥離フィルムの剥離処理面に塗工することが好ましい。剥離フィルムは、積層構造の形成後、必要に応じて取り除けばよい。
例えば、第1基材上に第1粘着剤層が積層され、前記第1粘着剤層上に熱硬化性樹脂層が積層されてなる第1保護膜形成用シート(第1支持シートが第1基材及び第1粘着剤層の積層物である第1保護膜形成用シート)を製造する場合には、第1基材上に第1粘着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、第1基材上に第1粘着剤層を積層しておき、別途、剥離フィルム上に熱硬化性樹脂層形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、剥離フィルム上に熱硬化性樹脂層を形成しておき、この熱硬化性樹脂層の露出面を、第1基材上に積層済みの第1粘着剤層の露出面と貼り合わせて、熱硬化性樹脂層を第1粘着剤層上に積層することで、第1保護膜形成用シートが得られる。
また、例えば、第1基材上に第1中間層が積層され、前記第1中間層上に第1粘着剤層が積層されてなる第1支持シートを製造する場合には、第1基材上に第1中間層形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させるか、又はエネルギー線を照射することで、第1基材上に第1中間層を積層しておき、別途、剥離フィルム上に第1粘着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、剥離フィルム上に第1粘着剤層を形成しておき、この第1粘着剤層の露出面を、第1基材上に積層済みの第1中間層の露出面と貼り合わせて、第1粘着剤層を第1中間層上に積層することで、第1支持シートが得られる。この場合、例えば、さらに別途、剥離フィルム上に熱硬化性樹脂層形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、剥離フィルム上に熱硬化性樹脂層を形成しておき、この熱硬化性樹脂層の露出面を、第1中間層上に積層済みの第1粘着剤層の露出面と貼り合わせて、熱硬化性樹脂層を第1粘着剤層上に積層することで、第1保護膜形成用シートが得られる。
なお、第1基材上に第1粘着剤層又は第1中間層を積層する場合には、上述のように、第1基材上に第1粘着剤組成物又は第1中間層形成用組成物を塗工する方法に代えて、剥離フィルム上に第1粘着剤組成物又は第1中間層形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させるか、又はエネルギー線を照射することで、剥離フィルム上に第1粘着剤層又は第1中間層を形成しておき、これら層の露出面を、第1基材の一方の表面と貼り合わせることで、第1粘着剤層又は第1中間層を第1基材上に積層してもよい。
いずれの方法においても、剥離フィルムは目的とする積層構造を形成後の任意のタイミングで取り除けばよい。
このように、第1保護膜形成用シートを構成する第1基材以外の層はいずれも、剥離フィルム上にあらかじめ形成しておき、目的とする層の表面に貼り合わせる方法で積層できるため、必要に応じてこのような工程を採用する層を適宜選択して、第1保護膜形成用シートを製造すればよい。
なお、第1保護膜形成用シートは、通常、その第1支持シートとは反対側の最表層(例えば、熱硬化性樹脂層)の表面に剥離フィルムが貼り合わされた状態で保管される。したがって、この剥離フィルム(好ましくはその剥離処理面)上に、熱硬化性樹脂層形成用組成物等の、最表層を構成する層を形成するための組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、剥離フィルム上に最表層を構成する層を形成しておき、この層の剥離フィルムと接触している側とは反対側の露出面上に残りの各層を上述のいずれかの方法で積層し、剥離フィルムを取り除かずに貼り合わせた状態のままとすることでも、第1保護膜形成用シートが得られる。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
熱硬化性樹脂層形成用組成物の製造に用いた成分を以下に示す。
・重合体成分
重合体成分(A)−1:アクリル酸ブチル(以下、「BA」と略記する)(55質量部)、アクリル酸メチル(以下、「MA」と略記する)(10質量部)、メタクリル酸グリシジル(以下、「GMA」と略記する)(20質量部)及びアクリル酸−2−ヒドロキシエチル(以下、「HEA」と略記する)(15質量部)を共重合してなるアクリル系樹脂(重量平均分子量800000、ガラス転移温度−28℃)。
・エポキシ樹脂
エポキシ樹脂(B1)−1:液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製「YL983U」)
エポキシ樹脂(B1)−2:多官能芳香族型エポキシ樹脂(日本化薬社製「EPPN−502H」)
エポキシ樹脂(B1)−3:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC社製「EPICLON HP−7200」)
・熱硬化剤
熱硬化剤(B2)−1:ノボラック型フェノール樹脂(旭有機材工業社製「PAPS−PN4」)
・硬化促進剤
硬化促進剤(C)−1:2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業社製「キュアゾール2PHZ−PW」)
・充填材
充填材(D)−1:エポキシ基で修飾された球状シリカ(アドマテックス社製「アドマナノ YA050C−MKK」、平均粒径0.05μm)
[製造例1]
(粘着性樹脂(I−2a)の製造)
アクリル酸−2−エチルヘキシル(以下、「2EHA」と略記する)(80質量部)、HEA(20質量部)を共重合体の原料として、重合反応を行うことで、アクリル系重合体を得た。
このアクリル系重合体に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(以下、「MOI」と略記する)(22質量部、HEAに対して約80モル%)を加え、空気気流中において50℃で48時間付加反応を行うことで、目的とする粘着性樹脂(I−2a)を得た。
[実施例1]
<第1保護膜形成用シートの製造>
(熱硬化性樹脂層形成用組成物の製造)
重合体成分(A)−1、エポキシ樹脂(B1)−1、エポキシ樹脂(B1)−2、エポキシ樹脂(B1)−3、熱硬化剤(B2)−1、及び硬化促進剤(C)−1を、これらの含有量の割合が表1に示す値となるようにメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することで、熱硬化性樹脂層形成用組成物として、固形分濃度が55質量%である樹脂層形成用組成物(III−1)を得た。なお、表1中の含有成分の欄の「−」との記載は、熱硬化性樹脂層形成用組成物がその成分を含有していないことを意味する。
(第1粘着剤組成物の製造)
製造例1で得られた粘着性樹脂(I−2a)(100質量部)に対して、イソシアネート系架橋剤として、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート三量体付加物(東ソー社製「コロネートL」)(0.5質量部)を加えて23℃で撹拌することで、第1粘着剤組成物として、固形分濃度が30質量%である第1粘着剤組成物(I−2)を得た。なお、この「第1粘着剤組成物の製造」における配合部数は、すべて固形分換算値である。
(第1保護膜形成用シートの製造)
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET381031」、厚さ38μm)の前記剥離処理面に、上記で得られた第1粘着剤組成物を塗工し、120℃で2分間加熱乾燥させることにより、厚さ60μmの第1粘着剤層を形成した。
次いで、この第1粘着剤層の露出面に、第1基材として、ポリオレフィンフィルム(厚さ25μm)、接着剤層(厚さ2.5μm)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)、接着剤層(厚さ2.5μm)及びポリオレフィンフィルム(厚さ25μm)がこの順に積層されてなる、厚さ105μmの積層フィルムを貼り合せることにより、第1支持シートを得た。
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET381031」、厚さ38μm)の前記剥離処理面に、上記で得られた熱硬化性樹脂層形成用組成物を塗工し、100℃で2分間乾燥させることにより、厚さ20μmの熱硬化性樹脂フィルム(熱硬化性樹脂層)を作製した。
次いで、上記で得られた第1支持シートの第1粘着剤層から剥離フィルムを取り除き、この第1粘着剤層の露出面に、上記で得られた熱硬化性樹脂フィルムの露出面を貼り合わせて、第1基材、第1粘着剤層、熱硬化性樹脂層及び剥離フィルムが、これらの厚さ方向においてこの順に積層されてなる第1保護膜形成用シートを得た。
<熱硬化性樹脂フィルムの評価>
(熱硬化性樹脂フィルムの第1保護膜成膜性の評価)
図1に示すものと同様の形状で、回路面からの高さが210μmであるバンプが、400μmのピッチで多数形成されている半導体ウエハを用いて、そのバンプ形成面に、上記で得られた第1保護膜形成用シートを貼付した。このとき、第1保護膜形成用シートは、剥離フィルムを取り除き、露出した熱硬化性樹脂層を、貼付圧0.5MPa、貼付速度5mm/秒、温度80℃の条件で貼付することで、バンプを埋込みながら貼付した。
次いで、光量750mJ/cm、照度200mW/cmの条件で、第1粘着剤層に紫外線を照射して、第1粘着剤層を硬化させた後、この硬化後の第1粘着剤層を第1基材とともに、取り除いた。
次いで、熱硬化性樹脂層(熱硬化性樹脂フィルム)を、0.5MPaでの加圧雰囲気下において、5℃/分の昇温速度で70℃から徐々に昇温させることで、溶融させ、バンプの基部と回路面のバンプ近傍領域とに、高選択的に凝集させ、その後、160℃で加熱して1時間硬化させることで、厚さ20μmの第1保護膜を回路面上に形成した。
次いで、レーザー顕微鏡を用いて、バンプ形成面における第1保護膜の外観及び形状を観察し、下記評価基準に従って第1保護膜成膜性を評価した。結果を表1に示す。
○:第1保護膜が、バンプの基部と、回路面のバンプ近傍領域とに、高選択的に形成されており、隣り合うバンプ間の回路面のうち、バンプ近傍以外の領域に、第1保護膜がほぼ又は全く形成されていない。
△:第1保護膜が、バンプの基部と、回路面のバンプ近傍領域とに、高選択的に形成されており、隣り合うバンプ間の回路面のうち、バンプ近傍以外の領域に、第1保護膜が若干形成されている。
×:第1保護膜が回路面に接触して形成されており、隣り合うバンプ間において、回路面の露出領域が、ほぼ又は全く存在しないか、あるいは第1保護膜が回路面に接触して形成されていない。
(熱硬化性樹脂フィルムの溶融時における平均粘度の測定)
上記で得られた熱硬化性樹脂層形成用組成物を用いて、上述の第1保護膜形成用シートの製造時と同様の方法で、厚さ20μmの熱硬化性樹脂フィルムを作製した。
次いで、細管式レオメータ(フローテスタ、島津製作所社製「CFT−100D」)を用いて、熱硬化性樹脂フィルムの70〜90℃での溶融時における平均粘度を測定した。平均粘度は、70℃から90℃まで、熱硬化性樹脂フィルムの温度1℃ごとに熱硬化性樹脂フィルムの溶融粘度を測定して得られた21個の測定値の平均値とした。結果を表1及び図7に示す。なお、図7では、70〜90℃の範囲外の温度での溶融粘度もあわせて示している。図7のグラフ中、縦軸は熱硬化性樹脂フィルムの溶融粘度を、横軸は熱硬化性樹脂フィルムの温度を、それぞれ示す。
(熱硬化性樹脂フィルムの表面自由エネルギーの算出)
上記で得られた熱硬化性樹脂層形成用組成物を用いて、上述の第1保護膜形成用シートの製造時と同様の方法で、厚さ20μmの熱硬化性樹脂フィルムを作製した。
次いで、接触角測定装置(全自動接触角計、協和界面科学社製「DM−701」)を用いて、23℃の前記熱硬化性樹脂フィルムに対する、水、1−ブロモナフタレン及びジヨードメタンの接触角を測定した。接触角の測定は、上記のいずれの溶媒(水、1−ブロモナフタレン、ジヨードメタン)についても、それぞれ5回行い、得られた5つの測定値の平均値をその溶媒の接触角として採用した。そして、この接触角の値を用いて、北崎・畑法により、熱硬化性樹脂フィルムの23℃での表面自由エネルギーを算出した。結果を表1に示す。
<第1保護膜形成用シートの製造、熱硬化性樹脂フィルムの評価>
[実施例2〜4、比較例1]
熱硬化性樹脂層形成用組成物の含有成分及び含有量を表1に示すとおりとした点以外は、実施例1と同様に、第1保護膜形成用シートを製造し、熱硬化性樹脂フィルムを評価した。結果を表1に示す。また、実施例2及び比較例1については、図7にも結果を示す。
Figure 2017092461
上記結果から明らかなように、70〜90℃での溶融時における平均粘度が1553〜17370Pa・sの範囲内にあり、23℃での表面自由エネルギーが32.1〜38.6mJ/mの範囲内にある、実施例1〜4の熱硬化性樹脂フィルムを用いた場合には、バンプの基部と、回路面のバンプ近傍領域とに、高選択的に第1保護膜を形成でき、第1保護膜成膜性が良好であった。すなわち、第1保護膜の形成時に、隣り合うバンプ間の回路面のうち、バンプ近傍以外の領域に、実施例1では第1保護膜が全く形成されておらず、実施例2〜4では第1保護膜が若干形成されている程度であった。そして、実施例2〜4では、熱硬化性樹脂フィルムとして、厚さがさらに薄いものを用いれば、隣り合うバンプ間の回路面のうち、バンプ近傍以外の領域に、第1保護膜が全く形成されないようにすることが可能であると判断できた。
これに対して、比較例1の熱硬化性樹脂フィルムを用いた場合には、第1保護膜成膜性が劣っていた。すなわち、熱ラミネートによって、熱硬化性樹脂フィルムでバンプを埋め込み、第1支持シートを取り除いた後、さらにこのフィルムを加熱することで、第1保護膜を回路面に接触した状態で形成できたが、バンプの基部と、回路面のバンプ近傍領域とに、高選択的に第1保護膜を形成できなかった。比較例1の熱硬化性樹脂フィルムは、充填材(D)−1の含有量が多過ぎたことで、溶融時の流動性が低くなっており、バンプを埋め込んでいる状態でさらに加熱しても、このフィルムはバンプの基部と、回路面のバンプ近傍領域とに、高選択的に凝集せず、隣り合うバンプ間において、回路面の露出領域が、ほぼ存在しない状態になったと推測される。比較例1の熱硬化性樹脂フィルムは、たとえ厚さを薄くしても、第1保護膜成膜性を良好とすることが不可能なものであると判断できた。
本発明は、フリップチップ実装方法で使用される、接続パッド部にバンプを有する半導体チップ等の製造に利用可能である。
1,2,3・・・第1保護膜形成用シート、11・・・第1基材、11a・・・第1基材の表面、12・・・熱硬化性樹脂層(熱硬化性樹脂フィルム)、12’・・・第1保護膜、13・・・第1粘着剤層、13a・・・第1粘着剤層の表面、14・・・第1中間層、101,102,103・・・第1支持シート、101a,102a,103a・・・第1支持シートの表面、90・・・半導体ウエハ、90a・・・半導体ウエハの回路面、900・・・回路面のバンプ近傍の領域、900a・・・回路面の露出領域、91・・・バンプ、91a・・・バンプの表面、910・・・バンプの基部、911・・・バンプの頂上

Claims (2)

  1. 半導体ウエハのバンプを有する表面に貼付し、熱硬化させることによって、バンプの周囲に第1保護膜を形成するための熱硬化性樹脂フィルムであって、
    前記熱硬化性樹脂フィルムの、70〜90℃での溶融時における平均粘度が1〜20000Pa・sであり、
    前記熱硬化性樹脂フィルムの23℃での表面自由エネルギーが30〜40mJ/mである、熱硬化性樹脂フィルム。
  2. 請求項1に記載の熱硬化性樹脂フィルムを、第1支持シートの一方の表面上に備えた、第1保護膜形成用シート。
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