JP2017090842A - 遮光装置、顕微鏡、観察方法、制御方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】像の質を確保しつつ、操作性の低下を抑制することができる遮光装置を提供する。【解決手段】遮光装置1は、ステージ8上の観察位置に配置された標本Sを観察する顕微鏡MSに設けられ、顕微鏡に配置された対物レンズ4へ入射する外光の遮光時に、ステージ8の観察位置に配置された標本の上方に位置決めされ、外光の光量を制御する遮光部材40の調整部70を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、顕微鏡、観察方法、制御方法、及びプログラムに関する。
遮光部材を備える観察装置や顕微鏡が提案されている(例えば、下記の特許文献1〜3参照)。
特許文献1の観察装置は、ステージと、試料からの光を検出する検出手段と、撮像光学系と、これらの全体または一部を覆う遮光部材と、遮光部材に設けられた開口部と、開口部を開閉する蓋と、蓋の開閉を検出する開閉検出手段と、検出手段へ入射する光を制限する減光手段と、開閉検出手段により蓋が開かれたことが検出されたとき、減光手段を動作させて検出手段へ入射する光量を低減させる制御装置とを備える。
特許文献2の蛍光顕微鏡装置は、ステージと、対物レンズと、ステージと対物レンズとを相対的に移動させる移動機構と、対物レンズに固定された第1のカバー部材と、ステージ側に設けられ、第1のカバー部材とともに対物レンズ先端およびステージ上の空間を覆う第2のカバー部材と、これら第1、第2のカバー部材の相対移動を許容しかつ両カバー部材の隙間からの光の漏れを防止する遮光手段とを備える。
特許文献3の箱型電動顕微鏡は、透過照明光学系と、電動ステージと、対物レンズ及び結像レンズを備えた結像光学系とを少なくとも有する電動顕微鏡部と、電動顕微鏡部を収容するハウジングとを備え、ハウジングが、固定ハウジングと、可動ハウジングとからなり、可動ハウジングが、電動ステージの上方に配置される光学要素を保持しながら固定ハウジングに対して斜め方向に平行移動可能であって、斜め上方に所定量平行移動することによって、電動ステージに載置された試料容器を交換可能にし、斜め下方に平行移動して固定ハウジングと当接させることによって、固定ハウジングと相俟って電動顕微鏡部を密閉及び遮光するとともに、透過照明光学系の光軸と結像光学系の光軸とを略一致させる。
顕微鏡は、外光などの光が対物レンズに入射すると、得られる像の質が低下することがある。例えば、蛍光観察を行う場合、対物レンズに入射する光のうち照明光に由来する蛍光の光量が相対的に低くなり、像のコントラストが低下することがある。
本発明の第1の態様に従えば、ステージ上の観察位置に配置された標本を観察する顕微鏡に設けられ、顕微鏡に配置された対物レンズへ入射する外光の遮光時に、観察位置に配置された標本の上方に位置決めされ、外光の光量を制御する遮光部材の調整部を有する遮光装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様の遮光装置を備える顕微鏡が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、対物レンズを備え、ステージ上の観察位置に配置された標本を観察する顕微鏡を用いる観察方法であって、標本の上方に遮光部材を配置することと、遮光部材を調整し、対物レンズへ入射する外光の光量を調整することと、を含む観察方法が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、対物レンズを備え、ステージ上の観察位置に配置された標本を観察する顕微鏡の制御方法であって、標本の上方に遮光部材を配置することと、遮光部材を調整し、対物レンズへ入射する外光の光量を調整することと、を含む顕微鏡の制御方法が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、対物レンズを備え、ステージ上の観察位置に配置された標本を観察する顕微鏡の制御をコンピュータに実行させるプログラムであって、標本の上方に遮光部材を配置することと、遮光部材を調整し、対物レンズへ入射する外光の光量を調整することと、を含むプログラムが提供される。
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。図1は、実施形態に係る遮光装置1を適用した顕微鏡MSを示す図である。以下の説明において、適宜、図1などに示すXYZ直交座標系を参照する。このXYZ直交座標系は、X方向およびY方向が水平方向(横方向)であり、Z方向が鉛直方向である。また、各方向において、適宜、矢印の先端と同じ側を+側(例、+Z側)、矢印の先端と反対側を−側(例、−Z側)と称す。例えば、鉛直方向(Z方向)において、上方が+Z側であり、下方が−Z側である。
第1実施形態について説明する。図1は、実施形態に係る遮光装置1を適用した顕微鏡MSを示す図である。以下の説明において、適宜、図1などに示すXYZ直交座標系を参照する。このXYZ直交座標系は、X方向およびY方向が水平方向(横方向)であり、Z方向が鉛直方向である。また、各方向において、適宜、矢印の先端と同じ側を+側(例、+Z側)、矢印の先端と反対側を−側(例、−Z側)と称す。例えば、鉛直方向(Z方向)において、上方が+Z側であり、下方が−Z側である。
本実施形態に係る顕微鏡MS(観察装置)は、例えば、倒立顕微鏡である。顕微鏡MSは、照明光の照射により標本Sから放射される光(以下、観察光という)を用いた観察に利用される。例えば、顕微鏡MSは、標本Sに照明光を照射し、標本Sで散乱した光(観察光)により標本Sの像を形成することで、標本Sの観察(以下、非蛍光観察という)に利用される。非蛍光観察における観察光は、標本Sで透過散乱した照明光でもよいし、標本Sで反射散乱した照明光でもよい。非蛍光観察において、顕微鏡MSは、標本Sを、標本Sに対する観察光の出射側と反対側から照明(透過照明)してもよいし、標本Sに対する観察光の出射側と同じ側から照明(落射照明)してもよい。また、顕微鏡MSは、蛍光物質を含む標本Sに対して蛍光物質を励起させる照明光(励起光)を照射し、蛍光物質から放射される蛍光(観察光)により蛍光物質の分布を示す像を形成して、標本Sの観察(以下、蛍光観察という)に利用される。蛍光観察において、顕微鏡MSは、標本Sを、透過照明してもよいし、落射照明してもよい。図1の顕微鏡MSは、透過照明により非蛍光観察が可能であり、かつ落射照明により蛍光観察が可能である。なお、顕微鏡MSは、非蛍光観察と蛍光観察の少なくとも一方に利用可能であればよい。
顕微鏡MSは、遮光装置1と、標本Sが配置されるステージ装置2と、ステージ装置2上の標本Sに照明光を照射する照明光学系3と、標本Sからの観察光が入射する対物レンズ4と、観察光により標本Sの像を形成する結像光学系5(観察光学系)(図2参照)と、ベース(支持部材)6とを備える。ベース6は、例えば筐体などを含み、顕微鏡MSの各部を支持する。ベース6は、顕微鏡MSが設置される机、床などの上面に配置される。
ステージ装置2は、標本Sが載置される上面8aを有するステージ8を備える。ステージ8は、例えば、上面8aが水平面(XY平面)と平行となるように、配置される。ステージ8は、例えば、X方向とY方向との少なくとも1方に移動可能な移動部材である。ステージ装置2は、照明光学系3(例、照明領域、照射)に対してステージ8を移動可能である。また、ステージ装置2は、対物レンズ4(例、観察領域Ra、視野)に対してステージ8を移動可能である。例えば、ステージ装置2は、ベース6に支持され、ステージ8をベース6に対して移動可能である。ステージ装置2は、ステージ8の移動により、標本Sを移動可能である。なお、ステージ8は、所定の回転軸の周りで回転可能でもよい。この所定の回転軸は、水平方向に平行でもよいし、鉛直方向に平行でもよく、その他の方向でもよい。また、ステージ装置2は、ステージ8を手動(人力)により駆動するものでもよいし、ステージ8を電動により駆動するものでもよい。また、ステージ装置2は、標本Sを移動可能でなくてもよく、ステージ8は、ステージ装置2において移動不能でもよい。
照明光学系3は、落射照明に用いられる照明光学系(第1照明光学系)3aと、透過照明に用いられる照明光学系(第2照明光学系)3bと、を含む。照明光学系3bは、光源装置17a(後に図2に示す)からの照明光を、標本Sに照射する。照明光学系3bは、ステージ装置2のステージ8の上方(+Z側)に配置される。照明光学系3bは、鏡筒9(コンデンサレンズ鏡筒)に収容されており、鏡筒9に支持される。鏡筒9は、ベース6から上方に延びる支柱部10に支持される。照明光学系3bは、照明光学系3bのうち最も標本S(ステージ装置2)に近い位置に配置されるコンデンサレンズ11を含む。照明光学系3bには、例えば、コンデンサレンズ11が設けられる。コンデンサレンズ11は、ターレット12(レボルバ)に保持される。ターレット12は、コンデンサレンズ11を照明光学系3bの光路に配置可能である。なお、ターレット12には、例えば、コンデンサレンズ11以外に、位相差観察用の絞り、微分干渉顕微鏡用のプリズム等が保持されてもよい。
ステージ装置2上の観察領域Ra((観察位置)、図11参照)(標本S)は、照明光学系3bの光路に配置されたコンデンサレンズ11の後側焦点位置を含む面またはその近傍に配置(設定)される。ステージ8において標本Sが配置される領域には、照明光学系3bからの照明光が通過可能な窓13が設けられる。例えば、窓13には、照明光学系3bからの照明光が透過する特性を有する透光部材(例、ガラス板)が嵌め込まれ、標本Sは、この透光部材上に載置される。この透光部材は標本Sの一部でもよいし、標本Sはスライドガラスなどを含んでもよい。
落射照明に用いられる照明光学系3aは、ステージ8の下方(−Z側)に配置される。顕微鏡MSは、落射照明を用いる観察(例、蛍光観察)において、倒立顕微鏡に相当する。照明光学系3aは、光源装置17a(後に図2に示す)からの励起光を、対物レンズ4を介して標本Sに照射する。
落射照明において、対物レンズ4は、コンデンサレンズ(照明光学系3aの一部)として利用される。また、対物レンズ4は、結像光学系5の一部としても利用される。対物レンズ4は、例えば、ステージ装置2上の観察領域Ra(図11参照)(標本S)が前側焦点位置を含む面(前側焦点面)またはその近傍と一致するように、配置される。対物レンズ4の光軸AX1は、照明光学系3bの光軸、照明光学系3aの光軸、及び結像光学系5の光軸のそれぞれと同軸である。対物レンズ4は、上下方向に移動可能に設けられる。以下の説明において、顕微鏡MSの使用時の観察者側(−Y側)を、適宜、前面側という。また、顕微鏡MSの前面側と反対側(+Y側を)を、適宜、顕微鏡MSの背面側という。なお、顕微鏡MSが備える対物レンズ4の数は、1つでもよいし、複数でもよい。また、対物レンズ4が複数備えられる場合、例えば、複数の対物レンズ4がレボルバに保持され、複数の対物レンズ4のいずれを照明光学系3aの光路に配置するかを切替可能でもよい。また、対物レンズ4は、上下方向に移動可能でなくてもよく、例えば、顕微鏡MSは、ステージ装置2のステージ8が上下方向に移動することで、標本Sと対物レンズ4との相対位置を上下方向に可能でもよい。
結像光学系5は、ベース6に収容され、ベース6に支持される。結像光学系5は、例えば、光路が分岐しており、それぞれの光路において標本Sの像を形成する。ユーザ(例、観察者)は、結像光学系5の第1の光路に形成される像を、接眼レンズ14を介して観察可能である。また、結像光学系5の第2の光路に像が形成される位置には、撮像素子15(図2参照)が配置される。撮像素子15は、例えば、CMOSイメージセンサあるいはCCDイメージセンサなどの二次元イメージセンサである。撮像素子15は、結像光学系5の第2の光路に形成される標本Sの像を撮像する。撮像素子15は、例えば、撮像した画像のデータを表示装置16に供給する。表示装置16は、撮像素子15により撮像された標本S(例、蛍光物質)の画像を表示し、ユーザは、表示装置16に表示される画像により標本Sを観察可能である。なお、顕微鏡MSは、撮像素子15及び表示装置16の少なくとも一方を備えなくてもよい。例えば、撮像素子15及び表示装置16の少なくとも一方は、顕微鏡MSに交換可能に設けられ、観察を行う際に顕微鏡MSに取り付けられてもよい。また、顕微鏡MSは、接眼レンズ14を介した観察と、撮像素子15が撮像した画像による観察との少なくとも一方が可能であればよい。
図2は、第1実施形態に係る顕微鏡MSの光路を示す図である。まず、非蛍光観察に用いられる照明について説明する。光源装置17bは、光(照明光)を発する光源を含む。この光源は、LED(発光ダイオード)あるいはLD(レーザダイオード)などの固体光源でもよいし、ランプ光源などでもよい。光源装置17bが備える光源の数は、1つでもよいし、複数でもよい。例えば、光源装置17bは、射出する光の波長が互いに異なる複数の光源を備え、光源装置17bから出射する光の波長を切替可能でもよい。また、顕微鏡MSは、光源装置17bを備えなくてもよく、例えば、光源装置17bは、顕微鏡MSに交換可能に設けられ、観察を行う際に顕微鏡MSに取り付けられてもよい。
照明光学系3bは、光源装置17bの光出射側に、レンズ18、ミラー19、レンズ20、及びコンデンサレンズ11を備える。照明光学系3bは、透過照明を用いる観察に用いられる。光源装置17bから出射した照明光は、レンズ18を透過してミラー19で反射した後、レンズ20を透過する。コンデンサレンズ11は、レンズ20を透過した光が入射する位置に配置され、標本Sに光を照射する。
なお、照明光学系3bは、図2の構成に限定されず、適宜変更可能である。例えば、図2において、照明光学系3bは、光路がミラー19で折り曲がる光学系であるが、ミラー19を含まず光路が直線的な光学系でもよい。また、例えば、照明光学系3bは、絞り部材などの光学部材を備えていてもよい。また、照明光学系3bに含まれる部材の少なくとも一部は、照明光学系3bに含まれなくてもよく、例えば光源装置17bに含まれてもよい。
次に、蛍光観察に用いられる照明について説明する。光源装置17aは、光(照明光)を発する光源を含む。この光源は、LED(発光ダイオード)あるいはLD(レーザダイオード)などの固体光源でもよいし、ランプ光源などでもよい。また、光源装置17aは標本Sに含まれる蛍光物質を励起させる励起光を含む光を発する。なお、光源装置17aが備える光源の数は、1つでもよいし、複数でもよい。例えば、光源装置17aは、射出する光の波長が互いに異なる複数の光源を備え、例えば蛍光物質の種類に応じて、光源装置17aから出射する光の波長を切替可能でもよい。また、顕微鏡MSは、光源装置17aを備えなくてもよく、例えば、光源装置17aは、顕微鏡MSに交換可能に設けられ、観察を行う際に顕微鏡MSに取り付けられてもよい。
照明光学系3aは、光源装置17aの光出射側に、レンズ21、レンズ22、フィルタユニット23及び対物レンズ4を備える。照明光学系3aは、落射照明を用いる観察に用いられる。光源装置17aから出射した照明光は、レンズ21及びレンズ22を透過して、フィルタユニット23に入射する。フィルタユニット23は、フィルタ23aと、ダイクロイックミラー23bと、フィルタ23cと、を含む。フィルタ23aは、レンズ22から入射した励起光を透過し、励起光以外の光を遮光する特性を有する。ダイクロイックミラー23bは、フィルタ23cから入射した光(照明光)の一部が反射し、後述する対物レンズ4からの光(観察光)の一部が透過する特性を有する。ダイクロイックミラー23bで反射する光の光量と、ダイクロイックミラー23bを透過する光の光量との比は任意で設定され、例えば、8:2でもよいし、その他の比でもよい。ダイクロイックミラー23bで反射した光は、対物レンズ4に入射する。対物レンズ4は、ダイクロイックミラー23bで反射した光が入射する位置に配置され、標本Sに光を照射する。フィルタ23cについては、後述する結像光学系5の部分において説明する。
なお、照明光学系3aは、図2の構成に限定されず、適宜変更可能である。例えば、図2において、照明光学系3aは、絞り部材などの光学部材を備えていてもよい。また、照明光学系3aに含まれる部材の少なくとも一部は、照明光学系3aに含まれなくてもよく、例えば光源装置17aに含まれてもよい。
結像光学系5は、結像光学系5a及び結像光学系5bを含む。結像光学系5aは、標本Sからの光(観察光)を撮像素子15に導く。結像光学系5aは、対物レンズ4、フィルタユニット23、レンズ(第2対物レンズ)25、ミラー26、レンズ27、ミラー28、レンズ29、ビームスプリッタ30、及びレンズ31を備える。
本実施形態において、対物レンズ4及びフィルタユニット23は、照明光学系3aと共通である。対物レンズ4は、例えば、その前側焦点を含む面(前側焦点面)がコンデンサレンズ11の後側焦点を含む面(後側焦点面)またはその近傍に配置される。対物レンズ4を通った光(観察光)は、ダイクロイックミラー23bを透過し、フィルタ23cに入射する。フィルタ23cは、標本Sから放射されて対物レンズ4を通った蛍光が透過する特性を有する。フィルタ23cを透過した光は、レンズ25を通ってミラー26で反射した後、レンズ27に入射する。レンズ25とレンズ27との間の光路には、対物レンズ4の前側焦点面(物体面)と光学的に共役な1次像面32が形成される。1次像面32には、標本Sの1次像(例、中間像)が形成される。
レンズ27を通った光は、ミラー28で反射してレンズ29を通り、ビームスプリッタ30に入射する。ビームスプリッタ30は、レンズ29から入射した光の一部が透過し、レンズ29から入射した光の一部が反射する特性を有する。ビームスプリッタ30で反射する光の光量と、ビームスプリッタ30を透過する光の光量との比は任意で設定され、例えば、8:2でもよいし、その他の比でもよい。ビームスプリッタ30で反射した光は、レンズ31に入射する。レンズ31は、ビームスプリッタ30で反射した光を撮像素子15に導く。レンズ27、レンズ29、及びレンズ31は、例えばリレー光学系であり、1次像面32と光学的に共役な2次像面33を形成する。2次像面33には、標本Sの2次像(例、最終像)が形成される。撮像素子15は、2次像面33の位置またはその近傍に配置され、標本Sの2次像を撮像する。ユーザは、例えば、撮像素子15による撮像画像により標本Sを観察することができる。
結像光学系5bは、標本Sからの光(観察光)をユーザの視点VPに導く。結像光学系5bは、対物レンズ4からビームスプリッタ30までの要素が結像光学系5aと共通である。結像光学系5bは、ビームスプリッタ30に入射した光の透過側に、レンズ35、ミラー36及び接眼レンズ14を備える。ビームスプリッタ30を透過した光は、レンズ35を通ってミラー36で反射した後、接眼レンズ14に入射する。レンズ27、レンズ29、及びレンズ35は、例えばリレー光学系であり、一次像面32と光学的に共役な2次像面38が形成される。2次像面38には、標本Sの2次像が形成される。ユーザは、接眼レンズ14を介して、標本Sの2次像を観察することができる。接眼レンズ14は、例えば、顕微鏡MSの前面側(図1参照)に配置される。ユーザは、例えば、顕微鏡MSの前面側にて標本Sを観察し、この位置から標本Sの交換、移動などの操作を行う。標本Sの操作を行う際に標本Sへアクセス(接近、接触)する方向は、標本Sの位置(例、ステージ8の中央)に対して、ステージ8よりも上方に延びる部材(例、支柱部10)の配置側(例、+Y側)を避けて選択される。例えば、ユーザは、標本Sの操作を行う際に、標本Sに対して−Y側、+X側、−X側のいずれからでも標本Sにアクセス可能である。
なお、結像光学系5(結像光学系5a及び結像光学系5b)の少なくとも一部は、図2の構成に限定されず、適宜変更可能である。例えば、顕微鏡MSは、結像光学系5aまたは結像光学系5bを備えなくてもよい。結像光学系5の他の例については、後の実施形態で説明する。
次に、図1の説明に戻り、遮光装置1は、照明光に由来する光以外の光(以下、外光という)が対物レンズ4に入射する量(対物レンズ4に入射する外光の光量)を可変する。照明光に由来する光は、標本Sを透過した照明光、標本Sで反射した照明光、標本Sに含まれる蛍光物質が照明光の照射により励起して発する蛍光などである。外光は、例えば、顕微鏡MSが設置される設備の室内灯(例、照明機器)からの光、設備の窓などから設備内に入射する自然光、迷光などである。
遮光部材40は、ステージ8上の観察位置Ra(観察時の対物レンズ4の位置での光軸AX1を中心とする領域)に配置された標本S(ステージ装置2のステージ8)の上方に配置される。図1において、遮光部材40は、コンデンサレンズ11のうち光を射出する射出面(下面)よりも下方に配置される。例えば、遮光部材40は、鏡筒9の下端(−Z側の端部)よりも下方に配置される。なお、遮光部材40は、鏡筒9の下端よりも上方に配置されてもよい。
遮光部材40は、例えば、円板状である。遮光部材40の中央部分には、コンデンサレンズ11からの照明光を通すためのシャッタ部66が設けられる。遮光部材40は、コンデンサレンズ11からの照明光の光路に開口部68を有し、シャッタ部66は、照明光が開口部68を通過可能な状態(開状態)と、照明光が開口部68を通過不能な状態(閉状態)とを切り替え可能である。シャッタ部66は、透過照明を用いる際に開状態に設定される。
なお、遮光部材40の形状は、任意であり、円板状でなくてもよく、その例については後の実施形態で説明する。また、遮光部材40がコンデンサレンズ鏡筒9の下端よりも下方(ステージ8側)に配置され、観察中、コンデンサレンズ鏡筒9の下端とステージ8の間で位置決めする遮光条件での観察を行う場合は、開口部68、シャッタ部66の無い遮光部材40を用いても良い。また、顕微鏡MSが透過照明を行わない場合、あるいはコンデンサレンズ11の射出面が遮光部材40よりも下方(−Z側)に配置される場合など、顕微鏡MSは、シャッタ部66を備えなくてもよい。また、コンデンサレンズ11の射出面あるいは鏡筒9の下端が遮光部材40よりも上方(+Z側)に配置される場合において、シャッタ部66が設けられなくても、開口部68の上方に鏡筒9が配置されることにより、開口部68を介して対物レンズ4に外光が入射することを抑制することができる。更に、遮光部材40のZ方向の駆動範囲が、コンデンサレンズ鏡筒9の下端の上方から下端の下方に渡る広範囲である観察の場合は、シャッタ部66を備えた遮光部材40を顕微鏡MSまたは顕微鏡MSに配置されたコンデンサレンズ鏡筒9に装着し、遮光部材40を鏡筒9の下端より上方に配置して観察する場合は、シャッタ部66を開いた状態とし、開口部68にコンデンサレンズ鏡筒9を貫通させた状態で使用し、更に遮光部材40がコンデンサレンズ鏡筒9の下端よりも下方に配置して観察する場合には、シャッタ部66を閉じた状態になるように切り替えて使用することも可能である。なお、この切り替えは手動で行っても良い。また、例えば、遮光部材40のZ方向の位置を検出する検出部を設け、遮光部材40と予め図4に示す記憶装置82(記憶部)に記憶したコンデンサレンズ鏡筒9の下端の位置との関係を判定し、鏡筒9の下端の位置と遮光部材40の位置関係から上記のシャッタ部66の開閉を自動的に制御してもよい。この場合、顕微鏡MS非使用時の遮光部材40の位置ではシャッタ部66を開き、コンデンサレンズ鏡筒9を貫通させた状態にする。つまり遮光部材40をコンデンサレンズ鏡筒9の下端より上方(+Z方向)に配置させた状態にすることが好ましい。さらに、この状態で、後に図12等において説明する可動部41を開いた非遮光状態にすれば、ステージ8上の空間をより広くした状態で次回の観察を開始できるので、観察開始時のステージ8上へのアクセスが容易となる。また、開口部68を介して対物レンズ4に外光が入射する場合においても、遮光部材40が設けられない場合と比較して、対物レンズ4に入射する外光の光量を低減することができる。
遮光部材40は、外光(例、可視光、紫外光、赤外光)を吸収あるいは反射する特性を有する。例えば、遮光部材40は、金属で形成される。遮光部材40の少なくとも一部は、金属以外の材料で形成されてもよく、樹脂あるいは金属酸化物で形成されてもよい。また、遮光部材40の少なくとも一部は、母材の表面を黒体化したもの、あるいは母材の表面に遮光性の膜を形成したものでもよい。また、遮光部材40は、一対の偏光板が設けられる基板間に液晶層を有する液晶パネルを含むものでもよく、その例については後の実施形態で説明する。
遮光部材40とステージ装置2との間には、空間SP1((空間部)、図11参照)が設けられる。空間SP1は、少なくとも一部が顕微鏡MSを観察者側から見て左右の方向や前後方向である側方(横方向、X方向、Y方向)に開放される。この空間SP1は、ユーザが標本Sを操作するために用いられる。これにより、ユーザは、標本Sを観察すると共に、標本Sの操作することができる。例えば、遮光部材40とステージ装置2のステージ8との間の距離は、2cm以上に設定される。また、例えば、遮光部材40とステージ装置2のステージ8との間の距離を5cm以上に設定可能な場合、ユーザによる標本Sの操作性をより高くすることができる。本実施形態の遮光部材40は、顕微鏡MSに対して観察者側から見て左右の方向及び観察者側の前方向である側方(横方向、X方向、Y方向)は開放されている。そして、遮光部材40をZ方向に移動させる場合は、空間SP1が側方(横方向、X方向、Y方向)に解放される状態を維持した状態でZ方向の移動が可能となっている。従って、遮光部材40のZ方向の移動中も観察者の標本Sへの側方からのアクセスを制限することがない。すなわち、遮光部材40は、遮光状態においても、顕微鏡MSに対して観察者側から見て左右の方向及び観察者側の前方向である側方に空間SP1が形成される。また、遮光部材40を遮光状態と非遮光状態(可動部42が開いた状態)を切り替える場合、対物レンズ4の光軸AX1に交わる(例えば、略直交する)方向を回転軸として遮光部材40を移動させても良い。この場合、前記光軸AX1に沿った方向に回転軸を設け、更に遮光部材40を分割した状態の部材を複数備え(例えば図12)、上記の回転軸を中心に開閉する構成でも良い。この場合、遮光時に側方に形成された空間を維持した状態で、遮光部材40を退避させ非遮光状態とすることが可能である。このため、観察時、遮光状態で遮光部材40の側方の空間SP1を利用し側方に観察ユニット等を配置した場合、この状態から非遮光状態である遮光部材40を開いた状態に切り替える際、標本Sの側方に配置した観察ユニットを移動することなく、遮光部材40を開くことが可能であり、使い勝手が良いものとなる。なお、この場合、遮光部材40を回転させる、回転方向及び回転軸は、限定されない。
遮光装置1は、ステージ8上の観察位置Raに配置された標本Sを観察する顕微鏡MSに設けられ、顕微鏡MSに配置された対物レンズ4へ入射する外光の遮光時に、観察位置Raに配置された標本Sの上方に位置決めされ、外光の光量を制御する遮光部材40の調整部70を有する。調整部70は、遮光部材40を調整する。調整部70は、例えば、駆動部72により遮光部材40を駆動する。この場合の駆動とは、図3中のZ方向、つまり対物レンズ4の光軸AX1と平行な方向に遮光部材40を移動させることである。従って、この場合の調整部70は、遮光部材40のZ方向に位置の調整を行うものである。駆動部72は、例えば顕微鏡MSの支柱部10に取り付けられる。駆動部72は、遮光部材40を対物レンズ4の光軸AX1と平行な方向(上下方向)に移動する。これにより、対物レンズ4に入射可能な外光の入射角が変化し、つまり遮光部材40により特定角度の入射角の外光を遮光し、上記特定角度を除く角度の入射角を有する外光のみ対物レンズへの入射を許容し、対物レンズ4に入射する外光の光量が変化する。駆動部72は、例えば、遮光部材40と対物レンズ4との間隔を調整する。駆動部72は、例えば、アクチュエータにより駆動する。なお、駆動部72は、支柱部10以外に取り付けられてもよい。例えば、駆動部72は、コンデンサレンズ鏡筒9に取り付けられてもよいし、ステージ装置2に取り付けられてもよい。また、駆動部72は、手動(人力)により駆動してもよい。駆動部72が手動(人力)により駆動する場合、例えば、駆動部72は、遮光部材40を手動(人力)によりZ方向にスライドして遮光部材40のステージ8に対する高さを調節する機構でもよい。また、調整部70(駆動部72)は、対物レンズ4の光軸AX1と平行な方向における複数の位置から選択される位置に遮光部材40を保持する保持部材を含んでもよい。例えば、調整部70(駆動部72)の保持部材は、ネジ、ネジ穴、ガイド、またはクリックストップ機構でもよい。例えば、調整部70(駆動部72)は、支柱部10や鏡筒9にZ方向に並ぶ複数のネジ穴が設けられ、遮光部材40の固定用のネジを複数のネジ穴のいずれにねじ込むかにより、遮光部材40のZ方向の位置(高さ)を可変に設定可能な機構でもよい。また、調整部70の保持部材は、後述するnsinθの値が所定の値(例、0.80、0.85、0.90、0.95)に設定可能であってもよい。また、遮光装置1は、遮光部材40の上下方向の移動以外の手法によって対物レンズ4に入射する外光の光量を変化させてもよく、その例については、後の実施形態において説明する。なお、調整部70(駆動部72)による遮光部材40の対物レンズ4の光軸AX1方向への移動機構は、遮光状態と非遮光状態との切替機構を兼ねていてもよい。例えば、この切替機構は、遮光部材40を対物レンズ4から離間する方向に移動することにより非遮光状態にし、また、遮光部材40を対物レンズ4に接近する方向に移動することにより遮光状態にする。
次に図3を参照しつつ、対物レンズ4に入射する外光の光量を変化させる構成について説明する。図3は、遮光部材40を対物レンズ4の光軸に平行な方向(Z方向)に移動する例であり、本実施形態の遮光装置1を示す図である。符号h、符号h1および符号h2は、それぞれ、対物レンズ4のうち最も標本に近いレンズ部材4aの中心(光軸AX1)から遮光部材40までのZ方向の距離(高さ)を示す。また、符号θは、対物レンズ4の光軸を基準とするレンズ部材4aへの外光の、対物レンズ4の光軸AX1に対する入射角であり、符号θ1および符号θ2は、それぞれ、遮光部材40の周囲から対物レンズ4へ入射する外光(光線)の、対物レンズ4の光軸AX1に対する最小の入射角を示す。
図3に示すように、駆動部72により遮光部材40が距離h1に配置される場合、外光のうち入射角が入射角θ1よりも小さい光が遮光部材40に遮光される。また、駆動部72により遮光部材40が距離h2に配置される場合、外光のうち入射角が入射角θ2よりも小さい光が、遮光部材40に遮光される。距離h2は距離h1よりも小さく、遮光部材40が距離h2に配置される場合、遮光部材40の遮光面積が固定であり、対物レンズ4の倍率が固定とすると遮光部材40が距離h1に配置される場合と比較して、遮光部材40に遮光される外光の光量が増加し、対物レンズ4に入射する外光の光量が減少する。このように、遮光装置1は、対物レンズ4に入射する外光の光量を可変である。なお、入射角θ1および入射角θ2は対物レンズ4のNAに依存する。従って、遮光する外光の光量は、対物レンズ4のNAと、遮光部材40のZ方向の対物レンズ4と、の距離によって設定される。
本実施形態において、駆動部72は、例えば、遮光部材40から対物レンズ4までの光路の屈折率をn(光路に存在する空気の屈折率n=1)とした場合に、0.80≦nsinθ≦0.95を満たすように、遮光部材40を駆動可能である。遮光部材40が上記nsinθの範囲に設定される場合、顕微鏡MSの蛍光観察時の像は、コントラストが高くなる(後に実施例に示す)。例えば、本実施形態において、距離h1は、nsinθが0.85に相当する距離に設定され、また、距離h2は、nsinθが0.95に相当する距離に設定される。例えば、円板状の遮光部材40を仮定し、遮光部材40の径は固定の場合を想定すると、このnsinθの値は、遮光部材40と対物レンズ4の先端との距離hを規定するものになる。また、例えば円板状の遮光部材40を仮定し、遮光部材40の径を可変とし、遮光面積を変える構成であり、距離hを固定する場合を想定すると、このnsinθの値は、遮光部材40の径(半径)を規定するものになる。本実施形態においては、nを考慮したが、顕微鏡観察時の顕微鏡設置環境を考慮すれば、屈折率nの条件は必須でなない。遮光部材40の配置は、用途、対物レンズ4の倍率、対物レンズ4のNA、顕微鏡を設置する場所の光、遮光部材の面積(光軸AX1に対して直交する方向の遮光面積)などに応じて設定可能である。例えば、遮光部材40をnsinθが相対的に大きい値(例、0.90≦nsinθ≦0.95)になるように配置する場合、遮光部材40は多くの外光を遮光するため、像のコントラストが高くなるが、距離hは小さくなるため、遮光部材40と標本Sとの間隔が狭くなり、標本Sの操作性が低下する。このように、遮光部材40の駆動条件(例、Z方向の可動範囲)において距離hが相対的に小さい設定(以下、観察優先モードという)は、例えば、標本Sへの外光の入射をより多く遮光する環境を構築することで、ユーザが標本Sの詳細な観察を行う場合に用いられる。一方、遮光部材40をnsinθが相対的に小さい値(例、0.80≦nsinθ<0.90)になるように配置する場合、遮光部材40が遮光する外光の量が少なくなるため、像のコントラストが低下するが、距離hが大きくなるため標本Sの操作性が高くなる。このように、遮光部材40の駆動条件(例、Z方向の可動範囲)において距離hを相対的に大きい設定(以下、操作優先モードという)は、例えば、ユーザが標本Sを操作する頻度が観察優先モードよりも高い場合に用いられる。例えば、操作優先モードは、蛍光観察を行いながら、蛍光タンパク質の発現量が高い細胞等をスクリーニングする場合などに用いられる。顕微鏡MSは、0.80≦nsinθ≦0.95を満たすように遮光部材40を配置可能である場合、例えば、得られる像のコントラストを確保しながら、観察時の操作性を確保することもできる。また、顕微鏡MSは、遮光装置1による外光が対物レンズ4に入射する量を変化させることにより、使用モードを観察優先モードと操作優先モードとで変更する(切り替える)ことができる。また、観察優先モードにおける遮光部材40のZ方向の位置を図4に示す記憶装置82(記憶部)に記憶しておくことが可能である。例えば蛍光観察中にスクリーニング操作を行う場合、一旦遮光部材40をステージ8から離れる方向に退避させ、その後再度蛍光観察を行う場合、先に記憶した遮光部材40のZ方向の位置を読出し、遮光部材40のZ方向の位置を再現させることで蛍光観察とスクリーニングの一連の操作の円滑化、かつ画質のよい観察画像の取得が可能となる。
なお、駆動部72は、nsinθを連続的に変化させてもよいし、nsinθを段階的に(離散的な値に)変化させてもよい。駆動部72がnsinθを変化させる範囲は、0.80以上0.95以下の範囲の全域でもよいし、一部の領域でもよい。例えば、駆動部72は、nsinθが0.80≦nsinθ≦0.90を満たす範囲のみで可変なように、遮光部材40を駆動してもよい。また、駆動部72は、nsinθが0.90≦nsinθ≦0.95を満たす範囲のみで可変なように、遮光部材40を駆動してもよい。また、駆動部72は、nsinθがnsinθ<0.80あるいは0.95<nsinθを満たす範囲で可変なように、遮光部材40を駆動してもよい。また、駆動部72は、nsinθが0.80≦nsinθ≦0.90を満たす範囲で、遮光部材40を駆動しなくてもよい。また、本実施形態はJIS規格(例えば工場等の作業環境での照度条件)に適合した部屋の照度を前提にした場合を想定している。しかし、本願発明はこれに限定されることなく、例えば、顕微鏡が設置されている部屋の照明光の明るさや顕微鏡の観察条件によっては、nsinθが0.70<nsinθでもよく、更に例えば観察する標本Sの蛍光像の明るさ、標本中の発光部位の大きさ、位置によっては、nsinθが0.50<nsinθ程度でもよい。例えば、外光の照度が高い場合において、より遮光性能と向上させたい場合は、遮光部材40を標本に近づける方向に移動して、nsinθを0.50<nsinθ程度にしてもよい。また、距離h2も、例えば標本Sの厚みによっては、nsinθがnsinθ<1.0に相当する距離に設定されてもよい。このように距離hは、外光に相当する顕微鏡MSが設置されている部屋の照明光の明るさや、観察する標本Sにおける、例えば蛍光強度、発光面積、発光位置等によっても柔軟に変更することが可能である。
次に、顕微鏡MSの制御について説明する。図4は、顕微鏡MSを示すブロック図である。顕微鏡MSは、例えば、制御部80、入力部81、及び記憶装置82を備える。制御部80は、顕微鏡MSの各部を制御する。制御部80は、駆動部72と通信可能に接続され、駆動部72による遮光部材40の駆動を制御する。例えば、制御部80は、駆動部72を制御することにより、遮光部材40の位置(例、図3の距離h)を制御する。制御部80は、シャッタ部66と通信可能に接続され、シャッタ部66の開閉を制御する。シャッタ部66は、制御部80に制御される代わりに、手動(人力)により開閉されてもよい。制御部80は、撮像素子15と通信可能に接続され、撮像素子15の撮像タイミングなどを制御する。また、制御部80は、撮像素子15から撮像結果(例、画像データ)を受信する。制御部80は、ハードディスクあるいはメモリなどの記憶装置82と通信可能に接続される。制御部80は、記憶装置82に記憶(記録)された情報の読出し、および記憶装置82に情報を記憶(記憶)させる。例えば、制御部80は、撮像素子15から供給された撮像結果を、適宜、記憶装置82に記憶させる。入力部81は、例えば、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパネル、外部通信器などの各種入力デバイスである。入力部81は、外部(例、ユーザ)から情報(例、動作指令、設定情報)の入力を受け付ける。入力部81は、制御部80と通信可能に接続され、顕微鏡MSに対する動作指令を制御部80に供給する。入力部81は、例えば、駆動部72に対する動作指令、シャッタ部66に対する動作指令、撮像素子15に対する動作指令、及び表示装置16に対する動作指令の少なくとも1つを受け付ける。制御部80は、入力部81から供給された動作指令に従って、顕微鏡MSの各部を制御する。例えば、制御部80は、駆動部72に対する動作指令に従って駆動部72を制御することによって、遮光部材40の位置を制御する。また、制御部80は、シャッタ部66に対する動作指令に従って、シャッタ部66を開閉させる。また、制御部80は、撮像素子15に対する動作指令に従って、撮像素子15に撮像を実行させる。また、制御部80は、表示装置16に対する動作指令に従って、表示装置16に各種情報を示す画像を表示させる。例えば、制御部80は、表示装置16に、顕微鏡MSの設定を示す画像と撮像素子15により撮像された画像の少なくとも一方を表示させる。なお、顕微鏡MSは、制御部80、入力部81、記憶装置82、及び表示装置16の少なくとも一部を備えなくてもよい。
次に、本実施形態に係る制御方法を説明する。図5から図7は、本実施形態に係る顕微鏡MSの制御方法のフローチャートである。図5(A)は、制御方法の一例を示すフローチャートである。図5(B)、図6、および図7は、図5(A)のステップS100の処理の例を示すフローチャートである。本実施形態の制御方法は、対物レンズ4を備え、ステージ8上の観察位置Raに配置された標本Sを観察する顕微鏡MSの制御方法であって、標本Sの上方に遮光部材40を配置することと、遮光部材40を調整し、対物レンズ4へ入射する外光の光量を調整することと、を含む。ステップS100において、例えば、制御部80は、駆動部72を駆動して、nsinθが所定の値(例、0.85、0.95)になるように遮光部材40を配置する。
例えば、図5(B)に示すステップS100のステップS111において、使用情報が入力される。使用情報は、例えば、顕微鏡MSを用いる観察条件を示す情報を含む。使用情報は、例えば、顕微鏡MSの使用モード(例えば観察優先モード、操作優先モード)、落射観察を行うか否かの情報、透過観察を行うか否かの情報を含む。使用情報は、例えば、ユーザにより入力部81に入力される。使用情報の少なくとも一部は、例えば、予め定められた設定情報として記憶装置82に記憶されていてもよい。また、使用情報は、記憶装置82に記憶される場合、ユーザが入力した使用情報に更新可能でもよい。また、ステップS111において使用情報を入力する代わりに、記憶装置82に記憶された使用情報を後の処理に用いることもできる。
続くステップS112において、制御部80は、使用情報に基づいて、使用モードが操作優先モードであるか否かを判定する。制御部80は、使用モードが操作優先モードであると判定した場合(ステップS112;YES)、ステップS113において駆動部72を制御し、nsinθが0.80≦nsinθ<0.90を満たすように、遮光部材40を駆動させる。例えば、ステップS113において、駆動部72は、nsinθが上記範囲内の所定値(例、0.85)になるように、遮光部材40をZ方向に駆動する。
また、制御部80は、使用モードが操作優先モードでないと判定した場合(ステップS112;NO)、ステップS114において、使用情報に基づいて、使用モードが観察優先モードであるか否かを判定する。制御部80は、使用モードが観察優先モードであると判定した場合(ステップS114;YES)、ステップS115において、nsinθが0.90<nsinθ≦0.95を満たすように遮光部材40をZ方向に駆動する。例えば、駆動部72は、nsinθが上記範囲内の所定値(例、0.95)になるように、遮光部材40を駆動する。
制御部80は、ステップS113の処理後またはステップS115の処理後に、使用情報に基づいて、ステップS116において透過観察を行うか否かを判定する。制御部80は、ステップS116において透過観察を行うと判定した場合(ステップS116;YES)、又はステップS114において使用モードが観察優先モードでないと判定した場合(ステップS114;NO)、ステップS117においてシャッタ部66を開状態に制御する。制御部80は、ステップS116において透過観察を行わないと判定した場合(ステップS116;NO)、ステップS118においてシャッタ部66を閉状態に制御する。制御部80は、ステップS117の処理後またはステップS118の処理後に、ステップS119において、一連の処理(例、観察)を終了するか否かを判定する。制御部80は、一連の処理を終了すると判定した場合(ステップS119;YES)、一連の処理を終了する。制御部80は、一連の処理を終了しないと判定した場合(ステップS119;NO)、ステップS111に戻り、一連の処理を繰り返し行う。なお、図5(B)のステップS114において、制御部80は、使用モードが観察優先モードでないと判定した場合(ステップS117;NO)、ステップS117の処理を行うが、ステップS117の処理の代わりにステップS116の処理を実行してもよい。
次に、図6に示すステップS100の例について説明する。この例において、nsinθは、対物レンズ4の倍率に応じて設定される。すなわち、調整部70が実行する調整は、対物レンズ4の光学性能に応じて設定される。ステップS120において、制御部80は、対物レンズ4の倍率が所定倍率以下であるか否かを判定する。例えば、制御部80は、対物レンズ4を保持するターレット12(リボルバ)からの情報に基づき、観察位置に位置決めされた観察に使用する対物レンズ4の倍率を判定する。対物レンズ4の倍率の情報は、入力部81に入力された情報(例、使用情報)でもよいし、対物レンズ4の種類を検出可能なセンサの検出結果に基づくものでもよい。ステップS120における対物レンズ4の所定倍率は、例えば20倍でもよいし、20倍以外の任意の倍率でもよい。制御部80は、対物レンズ4の倍率が所定倍率以下であると判定した場合(ステップS120;YES)、ステップS115において、nsinθが0.90<nsinθ≦0.95を満たすように遮光部材40を駆動する。例えば、駆動部72は、nsinθが上記範囲内の所定値(例、0.95)になるように、遮光部材40を駆動する。また、制御部80は、対物レンズ4の倍率が所定倍率以下でないと判定した場合(ステップS120;NO)、ステップS112において、制御部80は、使用情報に基づいて、使用モードが操作優先モードであるか否かを判定する。制御部80は、使用モードが操作優先モードであると判定した場合(ステップS112;YES)、ステップS113において駆動部72を制御し、nsinθが0.80≦nsinθ<0.90を満たすように、遮光部材40を駆動させる。例えば、ステップS113において、駆動部72は、nsinθが上記範囲内の所定値(例、0.85)になるように、遮光部材40を駆動する。制御部80は、使用モードが操作優先モードであると判定した場合(ステップS112;NO)、ステップS115において、nsinθが0.90<nsinθ≦0.95を満たすように遮光部材40を駆動する。例えば、駆動部72は、nsinθが上記範囲内の所定値(例、0.95)になるように、遮光部材40を駆動する。制御部80は、ステップS113の処理後またはステップS115の処理後に、使用情報に基づいて、ステップS116において透過観察を行うか否かを判定する。制御部80は、ステップS116において透過観察を行うと判定した場合(ステップS116;YES)、ステップS117においてシャッタ部66を開状態に制御する。制御部80は、ステップS116において透過観察を行わないと判定した場合(ステップS116;NO)、ステップS118においてシャッタ部66を閉状態に制御する。制御部80は、ステップS117の処理後またはステップS118の処理後に、ステップS119において、一連の処理(例、観察)を終了するか否かを判定する。制御部80は、一連の処理を終了すると判定した場合(ステップS119;YES)、一連の処理を終了する。制御部80は、一連の処理を終了しないと判定した場合(ステップS119;NO)、ステップS120に戻り、一連の処理を繰り返し行う。
次に、図7に示すステップS100の例について説明する。この例において、画像のコントラストが所定値以下になった場合に、遮光部材40を駆動する。制御部80は、ステップS121において、像のバックグラウンドの輝度(像における背景の明るさ)が所定値以下であるか否かを判定する。このような取得画像の輝度の算出方法は、既知の方法が利用可能である。例えば、制御部80は、撮像素子15が撮像した画像に基づいて、バックグラウンドの輝度が所定値以上であるか否かを判定する。制御部80は、バックグラウンドの輝度が所定値以上である(コントラストが所定値未満である)と判定した場合(ステップS121;NO)、ステップS122においてnsinθを増加させるように(例、hが減少するように)、駆動部72を制御し、遮光部材40を駆動させる。制御部80は、ステップS122の処理後に、ステップS121に戻り、一連の処理を繰り返す。制御部80は、バックグラウンドの輝度が所定値未満である(コントラストが所定値以上である)と判定した場合(ステップS121;YES)、ステップS119において、一連の処理(例、観察)を終了するか否かを判定する。制御部80は、一連の処理を終了すると判定した場合(ステップS119;YES)、一連の処理を終了する。制御部80は、一連の処理を終了しないと判定した場合(ステップS119;NO)、ステップS121に戻り、一連の処理を繰り返し行う。
上述のような顕微鏡MSにおいて、制御部80は、例えばコンピュータシステムを含む。制御部80は、例えば、記憶装置82に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って各種の処理を実行する。このプログラムは、対物レンズ4を備え、ステージ8上の観察位置Raに配置された標本Sを観察する顕微鏡MSの制御をコンピュータに実行させるプログラムである。この制御は、標本Sの上方に遮光部材を配置することと、遮光部材40を調整し、対物レンズ4へ入射する外光の光量を調整することと、を含む。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体(記録媒体)に記憶(記録)されて提供されてもよい。
次に、本実施形態に係る観察方法を、図8を参照しつつ説明する。本観察方法は、対物レンズ4を備え、ステージ8上の観察位置Raに配置された標本Sを観察する顕微鏡MSを用いる観察方法である。まず、ステップS131において、標本Sの上方に遮光部材40を配置する。例えば、ステップS131では、遮光部材40を標本Sの上方のZ方向の位置を所定の初期位置に配置する。この初期位置は、例えば、nsinθが0.85、0.95の値を満たす位置でもよいし、これら以外の位置でもよい。続いて、ステップS132において、遮光部材40のZ方向の位置を調整し、外光が対物レンズ4に入射する量を変化させる。例えば、ステップS132において、遮光部材40を駆動し、外光が対物レンズ4に入射する量を変化させる。ステップS132においては、例えば、ユーザが設定する観察条件(例、操作優先モード、観察優先モード)等に応じて、外光が対物レンズ4に入射する量を変化させる。例えば、観察優先モードの場合、nsinθが0.90<nsinθ≦0.95を満たすように、駆動部72は、遮光部材40を駆動する。例えば、駆動部72は、nsinθが上記範囲内の所定の値(例、0.95)になるように、遮光部材40を駆動する。また、例えば、操作優先モードの場合、nsinθが0.80≦nsinθ<0.90を満たすように、駆動部72は遮光部材40をZ方向に駆動する。例えば、駆動部72は、nsinθが上記範囲内の所定値(例、0.85)になるように、遮光部材40をZ方向に駆動する。なお、調整部70が、上記したネジ、ガイド等の遮光部材40の保持部材を備える構成の場合、ステップS132において、ユーザが遮光部材40を調整して、外光が対物レンズ4に入射する量を変化させてもよい。続くステップS133において、標本Sに照明光を照射する。ステップS133において、照明光は、落射照明でもよいし、透過照明でもよい。続くステップS134において、標本Sの像を観察する。ステップS134では、遮光部材40により外光が遮光されるので、コントラストが高い標本Sの像を得ることができる。また、使用目的などに応じて使用モードが設定される場合(例、操作優先モードに設定される場合)、標本Sを容易に操作することができる。なお、ステップS134において、ユーザは標本Sの像の観察と共に、標本Sの操作を行ってもよい。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図9は、第2実施形態に係る顕微鏡MSの遮光装置1を示す図であり、(A)は遮光装置1の状態の一例を示す図、(B)は遮光装置1の状態の他の例を示す図、(C)は遮光装置1を−Y方向から見た図である。
第2実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図9は、第2実施形態に係る顕微鏡MSの遮光装置1を示す図であり、(A)は遮光装置1の状態の一例を示す図、(B)は遮光装置1の状態の他の例を示す図、(C)は遮光装置1を−Y方向から見た図である。
本実施形態の遮光装置1において、調整部70の駆動部72は、第1実施形態のように遮光部材40のZ方向の位置を変更するものではなく、Z方向の位置は固定し、遮光部材40が外光を遮る領域の面積を変化させる。しかし、Z方向の移動を連動させることも可能であり、これを排除するものではない。遮光部材40は、第1実施形態と同様に配置される。遮光部材40は、例えば、円板状である。駆動部72は、例えば、上記した遮光部材40を駆動し、遮光部材40が光を遮る領域の面積を変化させる。遮光部材40は、遮光領域の大きさに関わる光軸(例、光軸AX1)に対して直交する方向の大きさが変更可能である。遮光部材40は、図9(A)に示す半径r1状態から、図9(B)に示す半径r2の状態に広がる。また、遮光部材40は、図9(B)に示す半径r2の状態から、図9(A)に示す半径r1の状態に縮小する。図9(B)における半径r1の外周と半径r2の外周との間の部分は、例えば可変絞りと同様の構成であり、複数の部分に分割されて、図9(A)における半径r1の外周の部分に重ねられており、駆動部72により駆動されて伸縮する。駆動部72は、例えば、アクチュエータにより遮光部材40を駆動する。なお、駆動部72は、アクチュエータにより駆動しなくてもよく、例えば、駆動部72は手動(人力)により駆動してもよい。遮光部材40の中央部分には、例えば第1実施形態と同様に、シャッタ部66が設けられる。
次に、図9(C)を参照しつつ、外光が対物レンズ4に入射する量を変化させる構成について説明する。図9(C)に示すように、遮光部材40の半径が駆動部72によってr1に設定される場合、外光のうち入射角θ1より入射角が小さい光が、遮光部材40に遮光される。また、遮光部材40の半径が駆動部72によってr2に配置される場合、外光のうち入射角θ2より入射角が小さい光が、遮光部材40に遮光される。このように、遮光装置1は外光が対物レンズ4に入射する量を変化させる。
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図10は、第3実施形態に係る顕微鏡MSの遮光装置1を示す図であり、(A)〜(C)は、それぞれ、遮光装置1の動作を示す概念図である。
第3実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図10は、第3実施形態に係る顕微鏡MSの遮光装置1を示す図であり、(A)〜(C)は、それぞれ、遮光装置1の動作を示す概念図である。
本実施形態の遮光装置1において、調整部70の駆動部72は、遮光部材40が光を遮る領域の面積を変化させる。遮光部材40は、第1実施形態と同様に配置される。遮光部材40は、例えば、矩形板状の液晶装置(液晶パネル)である。この液晶装置は、一対の基板の間に液晶層が設けられた構造であり、一対の基板にはそれぞれ偏光板が設けられる。図10(A)に示すように、この液晶装置(遮光部材40)は、複数の画素PXを備える。駆動部72は、画素PXごとに液晶層を駆動し、画素PXにおける透過率を制御する。例えば、図10(B)に示すように、画素PXにおける透過率がローレベル(図10中に黒で示す)である領域は、遮光部材40において光を遮光する領域(以下、遮光領域という)になる。また、画素PXにおける透過率がハイレベル(図10中に白で示す)である領域は、遮光部材40において光が透過する部分になる。駆動部72は、画素PXにおける透過率がローレベルになる領域とハイレベルになる領域とを制御することにより、図10(B)に示すように半径がr1の領域を遮光領域にすることもできるし、図10(C)に示すように半径がr2の領域を遮光領域にすることもできる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図11は、本実施形態に係る顕微鏡MSの遮光装置1を前面側(−Y側)から見た図である。図12は、遮光装置1を示す図である。図12(A)は、遮光部材40の可動部41が所定の第1領域R1に配置された状態(以下、挿入状態という)であり、図12(B)は、遮光部材40の可動部41が第1領域R1から第2領域R2に移動した状態(以下、退避状態という)である。図12(C)は、図12(A)のA−A線に沿った断面図である。
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図11は、本実施形態に係る顕微鏡MSの遮光装置1を前面側(−Y側)から見た図である。図12は、遮光装置1を示す図である。図12(A)は、遮光部材40の可動部41が所定の第1領域R1に配置された状態(以下、挿入状態という)であり、図12(B)は、遮光部材40の可動部41が第1領域R1から第2領域R2に移動した状態(以下、退避状態という)である。図12(C)は、図12(A)のA−A線に沿った断面図である。
図11に示すように、遮光部材40は、ステージ8の観察位置に配置された標本Sの観察領域Raを含む周辺領域Rbの上方を開放可能な可動部41を含む。本明細書において、観察領域Raは、対物レンズ4の視野を意味する。周辺領域Rbは、例えば、光軸AX1からの距離が5cm以上の空間でもよいし、光軸AX1からの距離が10cm以上の空間でもよいし、ユーザの手が通行可能な空間でもよい。例えば、遮光部材40は、標本S(図1のステージ8参照)の上方をステージ8の標本載置面に沿った方向である横方向に移動する可動部41を含む。例えば、可動部41は、対物レンズ4の光軸AX1と交差する面(例、光軸AX1に垂直な面、XY平面)に沿って移動可能である。そして、遮光部材40(可動部41)が完全に開放された状態では、遮光部材40は顕微鏡MSの対物レンズ4の光軸AX1に対して背面側に退避される。その結果、周辺領域Rb(標本Sの上方の空間SP1の一部)は、可動部41の移動によってその上方の空間に開放される。ユーザ(観察者)は、可動部41の移動により開放された空間(移動前の可動部41が配置されていた空間)を介して、標本Sの移動、交換などの操作を容易に行うことができる。可動部41は、例えば、顕微鏡MSの前面側に配置可能であり、顕微鏡MSの前面側から背面側へ退避可能である。この場合、可動部41の移動(退避)により、標本Sの上方における顕微鏡MSの前面側(移動前の可動部41が配置されていた空間)は、物体(例、ユーザの手)が通行可能な空間になる。ユーザは、この空間SP1を介して、標本Sを容易に操作することができる。また、本実施形態の可動部41は、可動部41が閉じた状態において、開口部68を閉じる。したがって、本実施形態の可動部41は、開口部68を開閉するシャッタ部66としての機能も有する。
本実施形態において、可動部41は、第1可動部42および第2可動部43を備える。図1において、第1可動部42、第2可動部43は、それぞれ対物レンズ4の光軸AX1に対して−X側、+X側に配置される。第1可動部42および第2可動部43は、顕微鏡MSの対物レンズ4の光軸AX1に対して観察者側である前面側に配置された状態から、それぞれの前面側の部分がX方向に互いに離れるように移動し、顕微鏡MSの背面側に退避可能である。
遮光部材40は、可動部41を支持する固定部44を備える。可動部41は、固定部44に対して相対的に移動可能である。固定部44は、遮光部材40のうち顕微鏡MSの背面側に配置される。固定部44は、例えば、ベース6に支持される。
第1可動部42および第2可動部43は、例えば、それぞれ板状である。固定部44は、例えば、第1可動部42および第2可動部43を挟み込んで支持する。例えば、固定部44は、天板部44a、底板部44b、及び取り付け部46を含む。天板部44aおよび底板部44bは、例えば、それぞれXY面に平行な板状であり、Z方向に互いに離間して配置される。固定部44は、例えば、第1可動部42および第2可動部43を、天板部44aと底板部44bとの間のギャップに挟み込むように支持する。取り付け部46は、遮光部材40のうち顕微鏡MSの背面側に配置される。取り付け部46には、例えば、固定部44をベース6(例、支柱部10)に取り付ける際のネジが設けられる。このネジは、取り付け部46に設けられる貫通孔を通して、ベース6のネジ穴にねじ込まれる。調整部70(駆動部72)(図1参照)は、ベース6(例、支柱部10)にZ方向に並ぶ複数のネジ穴が設けられ、遮光部材40の固定用のネジを複数のネジ穴のいずれにねじ込むかにより、遮光部材40のZ方向の位置(高さ)を可変に設定可能(保持可能)である。調整部70(駆動部72)の保持部材は、ネジ、ネジ穴、ガイド、またはクリックストップ機構でもよい。なお、調整部70の保持部材は、上記したnsinθの値が所定の値(例、0.80、0.85、0.90、0.95)に設定可能であってもよい。
第1可動部42、第2可動部43および固定部44は、それぞれ、外光(例、可視光、紫外光、赤外光)を吸収あるいは反射する特性を有する。例えば、第1可動部42、第2可動部43および固定部44は、それぞれ、金属で形成される。第1可動部42、第2可動部43および固定部44の少なくとも一部は、金属以外の材料で形成されてもよく、樹脂あるいは金属酸化物で形成されてもよい。また、第1可動部42、第2可動部43および固定部44の少なくとも一部は、母材の表面を黒体化したもの、あるいは母材の表面に遮光性の膜を形成したものでもよい。
第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ、所定の回転軸の周りで回転可能に設けられ、回転により横方向に移動する。第1可動部42は、光軸AX1と平行な回転軸AX2の周りで回転可能に設けられる。また、第2可動部43は、光軸AX1と平行な回転軸AX3の周りで回転可能に設けられる。例えば、第1可動部42は歯車51と固定される。歯車51は、回転軸AX2周りで固定部44に対して回転可能に設けられる。歯車51は、固定部44に支持される。また、第2可動部43は歯車52と固定される。歯車52は、回転軸AX3周りで固定部44に対して回転可能に設けられる。歯車52は、固定部44に支持される。歯車51と歯車52とは、噛み合わされており、その一方(例、歯車51)が回転すると、他方(例、歯車52)が連動して回転する。本実施形態において、歯車51と歯車52とは歯車のピッチが同様であり、第1可動部42を図12(A)に示す状態から対物レンズ4の光軸AX1と交差する面における角度θの量で移動した場合(図12(B)参照)、第1可動部42と第2可動部43とが連動して移動し、第2可動部43も、対物レンズ4の光軸AX1と交差する面において、第1可動部42と同様に角度θの量で逆向きに回転(移動)する。このように、歯車51と歯車52とが互いに連動して回転することにより、第1可動部42と第2可動部43とが連動して回転する。
第1可動部42および第2可動部43には、それぞれ、+Z側に延びる突起状の把持部54が設けられる。ユーザは、把持部54を使って、第1可動部42及び第2可動部43を操作(移動)することができる。なお、把持部54は、+Z側に延びる突起形でなくてもよく、例えば、孔状や凹状の形状でもよい。
図12(B)に示すように、可動部41は、横方向の移動によって、遮光部材40のうち可動部41を除く部分(例、固定部44)と重なる位置に配置可能である。図12(A)に示した挿入状態は、例えば、Z方向から見た場合に可動部41と固定部44とで重なる部分の面積(重なり面積)が最小となる状態(絞りが閉じた状態、閉状態)である。図12(C)に示すように、第1可動部42と第2可動部43とは、挿入状態においてそれぞれの端部42a、端部43aが互いに重なる位置に、配置可能である。本実施形態において、第1可動部42および第2可動部43のそれぞれの端部は、厚みがステップ的に変化する階段状である。第1可動部42の端部42aは、第1可動部42における−Z側の部分が+X側に延びた形状であり、第2可動部43の端部43aは、第2可動部43における+Z側の部分が−X側に延びた形状である。挿入状態において、端部42a上に端部43aが重なって配置されることで、第1可動部42と第2可動部43との間から光が漏れることを抑制することができる。
また、挿入状態から可動部41が移動するにつれて、可動部41と固定部44との重なり面積が大きくなる。例えば、第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ、顕微鏡MSの前面側から見て左右に開くように回転する。この回転により、第1可動部42および第2可動部43の一部は、固定部44の天板部44aと底板部44bとのギャップに入り込み、このギャップ内に収容される。図12(B)の退避状態は、例えば、Z方向から見た場合に可動部41と固定部44との重なり面積が最大となる状態(絞りが開いた状態、開状態)である。このように可動部41を遮光部材40の他の部分と重なる位置に移動(退避)させる場合、退避状態において遮光部材40をコンパクトにすることができる。以下の説明において、挿入状態と退避状態のうち、挿入状態のみにおいて可動部41が配置される領域を適宜、第1領域R1という。第1領域R1は、可動部41の移動により物体(例、ユーザの手)が通過可能となる領域である。第1領域R1は、例えば、ユーザが標本Sにアクセスしやすいように、顕微鏡MSの前面側に設定される。また、退避状態において可動部41が配置される領域を適宜、第2領域R2という。第2領域R2は、例えば、ユーザが標本Sにアクセスする際にユーザの手などと衝突しないように、顕微鏡MSの背面側に設定される。
ここで、図12において、符号R3は、透過照明を行う際に照明光が通る光路に相当する領域(以下、第3領域という)である。図12(A)に示す挿入状態において、可動部41は、第3領域R3を遮光するように設けられる透過照明を行う際には、例えば可動部41を退避状態とし、図1および図2に示した照明光学系3bからの照明光を、第3領域R3を通して、標本Sに照射することができる。なお、遮光部材40は、挿入状態において第3領域R3を光が通過可能なものでもよい。例えば、第3領域R3の上方に鏡筒9が配置される場合、第3領域R3は、外光に対して鏡筒9の影となるので、第3領域R3を光が通過可能な場合でも、外光が第3領域R3を介して対物レンズ4へ入射することを抑制することができる。また、鏡筒9の下端が遮光部材40よりも下方に配置される場合、鏡筒9を第3領域R3の内側を通すことにより、外光が第3領域R3を介して対物レンズ4へ入射することを抑制することができる。また、遮光部材40は、各部の間(例、可動部41と固定部44との間、第1可動部42と第2可動部43との間)に隙間があってもよく、この場合においても遮光部材40を設けない場合と比較して、対物レンズ4へ入射する外光の光量を低減することができる。
なお、第1可動部42および第2可動部43は、対物レンズ4の光軸AX1と非垂直かつ非平行な面(例、光軸AX1に対して傾斜する面)に沿って移動可能でもよい。また、第1可動部42および第2可動部43は、平面に沿った移動以外の形態で、横方向に移動してもよい。第1可動部42および第2可動部43は、互いに連動しなくてもよく、例えば、互いに独立して横方向に移動してもよい。また、可動部41(第1可動部42および第2可動部43)は、アクチュエータにより移動するものでもよい。また、本実施形態において、可動部41に含まれる可動な部分(例、第1可動部42、第2可動部43)の数は、2つでなくてもよく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
次に、本実施形態に係る観察方法を上記した顕微鏡MSの動作に基づいて説明する。図13(A)は、本実施形態に係る観察方法を示すフローチャートであり、図13(B)は、図13(A)のステップS1の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態に係る観察方法は、顕微鏡MSと異なる構成の顕微鏡を用いる観察方法にも適用可能である。
図13(A)のステップS1において、ステージ8の観察位置に配置された標本Sの上方に遮光部材40を配置する。例えば、図13(B)のステップS11において、可動部41を、第1領域R1(例、顕微鏡MSの前面側)から第2領域R2(例、顕微鏡MSの背面側)に移動し、退避状態にする。続くステップS12において、標本Sをステージ装置2のステージ8に配置する。ステップS12では、可動部41が第1領域R1から退避しているので、標本Sを容易に配置することができる。続くステップS13では、可動部41を第2領域R2からに移動し、対物レンズ4の光軸AX1上(標本Sの観察位置上)に遮光部材40が配置された状態にする。ステップS13により、標本Sの上方に遮光部材40が配置される。
図13(A)の説明に戻り、ステップS2において、照明光を標本Sに照射する。続くステップS3において、標本Sを観察する。ステップS3では、遮光部材40により外光が遮光されるので、例えば外光により像のコントラストが低下することが抑制され、標本像が明確となる精度が高い観察像を得ることができる。続くステップS4において、遮光部材40の可動部41を移動して、標本Sの観察領域Raを含む周辺領域Rbの上方を開放する。ステップS4では、周辺領域の上方が開放されるので、標本Sを容易に操作できる。例えば、ステップS14において、標本Sの上方で遮光部材40の可動部41を横方向に移動する。例えば、ステップS14では、可動部41を第1領域R1から第2領域R2に移動し、退避状態にする。続くステップS5では、標本Sを操作する。ステップS5では、可動部41が第1領域R1から退避しているので、標本Sを容易に操作することができる。
図14(A)は、図13(A)のステップS4、ステップS5、及びそれ以降の処理の一例を示す図である。ステップS15(ステップS4)において、可動部41を第1領域R1から顕微鏡MSの第2領域R2に移動し、退避状態にする。続くステップS16(ステップS5)では、標本Sに対する操作として、標本Sを観察対象の次の標本Sに交換する。ステップS16では、可動部41が第1領域R1から退避しているので、標本Sを容易に交換することができる。続くステップS17において、可動部41を第2領域R2から第1領域R1に移動し、挿入状態にする。続くステップS18において、次の標本Sを観察する。ステップS18では、遮光部材40により外光が遮光されているので、例えば外光により像のコントラストが低下することが抑制され、精度が高い観察像を得ることができる。
図14(B)は、図13(A)のステップS4、ステップS5、及びそれ以降の処理の一例を示す図である。ステップS15(ステップS4)において、可動部41を第1領域R1から第2領域R2に移動し、退避状態にする。続くステップS20(ステップS4)において、標本Sに対する操作として、標本Sを移動する。ステップS20では、例えば、標本Sを移動し、標本S上の視野(観察位置)を変更することができる。ステップS20において可動部41が退避しているので、標本Sを容易に移動することができ、標本上の視野を容易に変更することができる。続くステップS17において、可動部41を第2領域R2から第1領域R1に移動し、挿入状態にする。続くステップS21において、移動後の標本Sを観察する。ステップS21では、遮光部材40により外光が遮光されているので、例えば外光により像のコントラストが低下することが抑制され、精度が高い観察像を得ることができる。
図14(C)は、図13(A)のステップS4、ステップS5の処理の他の例を示す図である。標本Sの観察が終了した後、ステップS15(ステップS4)において、例えば、可動部41を第1領域R1から第2領域R2に移動し、退避状態にする。続くステップS22(ステップS5)において、標本Sに対する操作として、標本Sをステージ装置2上から移動(退去)する。ステップS22では、可動部41が退避しているので、標本Sを容易に退去することができる。なお、ステップS5の操作処理は、例えば、顕微鏡MSのメンテナンスなどを含んでもよい。また、顕微鏡MSは、挿入状態においてもステージ8(標本S)と遮光部材40との間の空間SP1が横方向に開放されているので、可動部41を第1領域R1に配置したまま標本Sに対する操作を行うこともできる。例えば、ユーザは、可動部41により外光を遮って蛍光観察を行いながら、標本Sを移動させることもできる。
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図15は、第5実施形態に係る遮光装置1を示す図であり、(A)は挿入状態に相当し、(B)は退避状態に相当する。
第5実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図15は、第5実施形態に係る遮光装置1を示す図であり、(A)は挿入状態に相当し、(B)は退避状態に相当する。
本実施形態に係る遮光装置1において、遮光部材40は、横方向に移動する可動部41と、可動部41を支持する固定部44と、設置部45と、取り付け部46と、駆動部47と、を含む。可動部41は、第1可動部42および第2可動部43を含む。第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ、その平面形状(+Z側からみた平面形状)が円形の一部の板状である。また、固定部44は、その平面形状が円形の一部である。本実施形態において、第1可動部42、第2可動部43および固定部44は、それぞれ、その平面形状が、角度が約120°の扇状である。これらの扇状の中心部分には、コンデンサレンズ鏡筒9の側面と略同様の内側形状を有する円環状の設置部45が設けられる。固定部44は、第1可動部42および第2可動部43を挟み込んで支持する。固定部44は、第1可動部42および第2可動部43の少なくとも一部を収容する。
第1可動部42、第2可動部43および固定部44は、それぞれ、標本Sの上方(ステージ8の上方)で、且つ対物レンズ4の光軸AX1と交差する面(例、XY平面と平行な面)に配置される。本実施形態において、遮光部材40は、図1に示した鏡筒9の下端よりも上方(鏡筒9の側方)に配置可能である。遮光部材40は、例えば、設置部45の内側に鏡筒9が挿入されることで、コンデンサレンズ鏡筒9の側方に配置される。例えば、固定部44の取り付け部46は、調整部70である。取り付け部46は、ねじ部46aを有し、このねじ部46aの押圧によりコンデンサレンズ鏡筒9の側方に取り付けられる。例えば、鏡筒9に対してねじ部46aを締める位置をZ方向において調整することにより、遮光部材40のZ方向の位置を調整することができる。本実施形態の遮光部材40の構成は、設置部45の内側にコンデンサレンズ鏡筒9が挿入される構成であるが、これに限定されるものではない。例えば、遮光部材40の駆動範囲がコンデンサレンズ鏡筒9の下端とステージ8との間である場合、設置部45は不要である。また、コンデンサレンズ鏡筒9の側方に取り付けられる取り付け部46は遮光部材40を可動する機能を備えてもよいし、これに加えコンデンサレンズ11の光軸方向(例、光軸AX1)に遮光部材40を駆動する機能を兼ね備えていてもよい。また、図示していないが、例えばコンデンサレンズ鏡筒9の側面の光軸AX1方向(例、上下方向(Z方向))に溝部を形成し、この溝部に取り付け部46またはねじ部46aが嵌合し、溝部に沿って取り付け部46またはねじ部46aが光軸AX1方向に移動する構成でもよい。更に、本実施形態では遮光部材40の可動部41は、対物レンズ4の光軸AX1に交差する方向に退避する構成だがこれに限定されるものではない。例えば、上記の溝部に対して直交する回転軸を設け、この回転軸に取り付け部46またはねじ部46aを配置する構成でも良い。この構成の場合、回転軸により遮光装置1の遮光、非遮光状態を切り替えると共に、遮光部材40の光軸AX1方向への移動も行うことが可能となる。
第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ、標本Sの上方を横方向(顕微鏡MSに正対した状態で左右の方向)に移動可能である。本実施形態において、第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ、対物レンズ4の光軸AX1と交差する面に沿って移動可能である。第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ横方向に移動して、互いに重なる位置に配置可能である。第1可動部42および第2可動部43は、Z方向の位置(高さ)が異なるように配置される。第1可動部42および第2可動部43は、横方向に移動して、遮光部材40のうち可動部41を除く部分(例、固定部44)と重なる位置に配置可能である。図15(B)に示すように、第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ横方向に移動して、そのほぼ全体が固定部44と重なる位置まで移動可能である。また、第1可動部42と第2可動部43とは互いに重なる位置まで移動可能である。図15(A)は、可動部41と固定部44との重なり面積が最小となる状態(例、挿入状態)であり、この状態において、第1可動部42および第2可動部43は、顕微鏡MSの前面側に配置される。また、図15(B)は、可動部41と固定部44との重なり面積が最大となる状態(例、退避状態)であり、この状態において、第1可動部42および第2可動部43は、顕微鏡MSの背面側に配置される。
第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ、所定の回転軸の周りで回転可能に設けられ、回転により横方向に移動する。第1可動部42および第2可動部43は、それぞれ、光軸AX1と平行な回転軸AX4の周りで回転可能に設けられる。駆動部47は、第1可動部42および第2可動部43を回転駆動する。駆動部47は、例えば、直線運動を回転運動に変換する。ここでは、駆動部47のうち第2可動部43を駆動する部分を代表的に説明するが、駆動部47のうち第1可動部42を駆動する部分も同様である。駆動部47は、例えば、ラック47aおよびピニオンギア47bを備える。ピニオンギア47bは、第2可動部43と固定され、回転軸AX4の周りで固定部44に対して回転可能である。ラック47aは、Y方向に直線的に移動可能な把持部54に設けられる。ラック47aは、ピニオンギア47bと噛み合わされている。ユーザが把持部54をY方向に移動させると、ラック47aがY方向に移動することで、ピニオンギア47bが回転軸AX4の周りで回転し、ピニオンギア47bに固定された第2可動部43も回転軸AX4の周りで回転する。
[第6実施形態]
第6実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図16は、本実施形態に係る遮光装置1を示す図であり、(A)は挿入状態に相当し、(B)は退避状態に相当する。また、図16(C)は、遮光装置1の他の例を示す図である。
第6実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図16は、本実施形態に係る遮光装置1を示す図であり、(A)は挿入状態に相当し、(B)は退避状態に相当する。また、図16(C)は、遮光装置1の他の例を示す図である。
本実施形態に係る遮光装置1は、遮光部材40を備える。遮光部材40は、横方向に移動する可動部41と、可動部41を支持する固定部44と、を含む。可動部41は、板状であり、その平面形状(+Z側からみた平面形状)が円形の一部である。例えば、可動部41の平面形状は、円環の一部(扇状)であり、その中心角が約120°である。また、固定部44は、その平面形状+Z側からみた平面形状が円形の一部である。例えば、固定部44の平面形状は、円環の一部(扇状)であり、その中心角が約270°である。固定部44の内周には、鏡筒9の側面(外周面)と接続される設置部45が設けられる。固定部44の内周の径と鏡筒9の外周の径とは、固定部44の内側に鏡筒9を、がたつきなく通すことができるレベルでほぼ同じに設定される。
可動部41は、標本Sの上方を横方向に移動可能である。本実施形態において、可動部41は、対物レンズ4の光軸AX1(図1参照)と交差する面に沿って移動可能である。例えば、固定部44には、可動部41の移動経路を規定するガイド(図示せず)が設けられる。このガイドは、例えば、可動部41の外周と同心の円弧状である。可動部41は、ガイドに対して滑り移動可能に接触し、ガイドに沿って移動する。
なお、可動部41及び固定部44のそれぞれの中心角は任意に設定可能であり、例えば、図16(c)に示すように約180°でもよい。この場合、退避状態において、可動部41のほぼ全体と固定部44のほぼ全体が重なるので、遮光部材40を最小化することができる。
[第7実施形態]
第7実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図17は、本実施形態に係る遮光装置1を示す図である。図17(A)は退避状態に相当し、図17(B)は退避状態から挿入状態へ変更する過程の状態に相当し、図17(C)は挿入状態に相当する。
第7実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図17は、本実施形態に係る遮光装置1を示す図である。図17(A)は退避状態に相当し、図17(B)は退避状態から挿入状態へ変更する過程の状態に相当し、図17(C)は挿入状態に相当する。
本実施形態に係る遮光装置1は、遮光部材40を備える。遮光部材40は、横方向に移動する可動部41と、可動部41を支持する固定部44と、取り付け部46と、を含む。可動部41は、鏡筒9を挿通可能な貫通孔55を有する。本実施形態において、可動部41は、横方向(例、Y方向)において直線的に移動可能である。固定部44は、可動部41の移動経路を定めるガイド部56を含む。固定部44は、例えば、取り付け部46を介して、ベース6の支柱部10に設けられる調整部70(駆動部72)に固定される。ガイド部56は、Y方向に直線状に延びる溝状であり、可動部41は、その外周の一部がガイド部56に接触しながら、ガイド部56に対して滑り移動する。これにより、可動部41は、鏡筒9に対してY方向に移動する。可動部41は、貫通孔55に対して−Y側の部分に、弾性部57を含む。弾性部57は、例えばゴムなどの弾性変形が容易な材質である。弾性部57は、概ね板状であり、可動部41の移動方向(Y方向)に交差する方向(例、X方向)に分割されている。図17(B)に示すように、可動部41がY方向に移動すると、弾性部57は鏡筒9と接触し、鏡筒9から受ける力により弾性変形する。図17(C)に示すように、さらに可動部41がY方向に移動すると、貫通孔55の内側に鏡筒9が配置される。この状態において、弾性部57は、変形が解除されて、可動部41上の鏡筒9の移動経路を塞ぐ。
このように、可動部41は、標本Sの上方において横方向に直線的に移動するものでもよい。また、本実施形態において、遮光部材40は、弾性部57の変形によって可動部41上の鏡筒9の移動経路を塞ぐことにより、この移動経路において外光が漏れることを抑制することができる。なお、遮光部材40は、弾性部57の代わりに、鏡筒9の移動経路に挿脱可能な第3可動部を備えてもよい。この第3可動部は、例えば、X方向にスライド移動することで鏡筒9の移動経路に挿脱され、鏡筒9の移動経路を閉じた状態と開放した状態とを切り替え可能でもよい。また、遮光部材40は、弾性部57および上記の第3可動部を備えなくてもよく、この場合においても遮光部材40が設けられない場合と比較して、対物レンズ4に入射する外光の光量を低減することができる。また、遮光部材40が鏡筒9の下端よりも下方に配置される場合、貫通孔55、弾性部57、上記の第3可動部などはいずれも設けられなくてもよい。
[第8実施形態]
第8実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図18は、第8実施形態に係る遮光装置1を示す図である。図18(A)は斜視図であり、図18(B)は挿入状態に対応する平面図であり、図18(C)は退避状態に対応する平面図である。
第8実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図18は、第8実施形態に係る遮光装置1を示す図である。図18(A)は斜視図であり、図18(B)は挿入状態に対応する平面図であり、図18(C)は退避状態に対応する平面図である。
本実施形態に係る遮光装置1は、遮光部材40を備える。遮光部材40は、横方向に移動する可動部41と、可動部41を支持する固定部44と、を含む。遮光部材40は、平面形状が概ね長方形(例、正方形)の板状である。遮光部材40は、鏡筒9を挿通可能な貫通孔55を有する。遮光部材40は、Z方向から見て貫通孔55を通る線L1を境界として、可動部41および固定部44に分割されている。ここでは線L1がX方向と平行であるが、線L1は、Y方向に平行でもよいし、対物レンズ4の光軸AX1(図1参照)に交差する面(例、XY平面)上の任意の方向でもよい。
固定部44は、例えば、ベース6の支柱部10に設けられる調整部70(駆動部72)に固定される。固定部44は、鏡筒9に固定されてもよい。可動部41は、駆動部47を介して固定部44と接続される。駆動部47は、例えば、線L1と遮光部材40との交点の位置に設けられ、可動部41を固定部44に対して移動可能に支持する。駆動部47は固定部44に支持され、可動部41は、駆動部47を介して固定部44に支持される。
駆動部47は、例えば、可動部41を回転軸AX5の周りで回転可能に支持する。回転軸AX5は、例えば、対物レンズ4の光軸AX1と平行に設定される。ここでは、可動部41は、Z方向の位置(高さ)が固定部44と同等に設定される。図18(B)の挿入状態から駆動部47が可動部41を回転させると、可動部41の+X側の辺Qが回転軸AX5の周りで回転する。図18(C)に示すように、駆動部47は、可動部41の辺Qが固定部44にほぼ接する位置まで、可動部41を移動可能である。このように、可動部41は、横方向の移動によって、遮光部材40において可動部41を除く部分との重なり面積が変化しないものでもよい。なお、駆動部47は、例えば可動部41を固定部44と異なる高さに支持し、可動部41の少なくとも一部が固定部44と重なる位置まで可動部41を移動可能でもよい。
[第9実施形態]
第9実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図19は、第9実施形態に係る遮光装置1を示す図である。図19(A)は、挿入状態に対応する斜視図であり、図19(B)は挿入状態に対応する平面図であり、図19(C)は退避状態に対応する平面図である。
第9実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図19は、第9実施形態に係る遮光装置1を示す図である。図19(A)は、挿入状態に対応する斜視図であり、図19(B)は挿入状態に対応する平面図であり、図19(C)は退避状態に対応する平面図である。
本実施形態に係る遮光装置1は、遮光部材40を備える。遮光部材40は、横方向に移動する可動部41と、可動部41を支持する固定部44と、を含む。可動部41は、複数の可動部41a〜41cを含む。可動部41a〜41cは、例えば、板状であり、平面形状が円形の一部(扇状)である。可動部41a〜41cは、平面形状の円形に対応する中心が一致するように配置され、この中心に設けられた駆動部47に支持される。可動部41a〜可動部41cは、例えば、Z方向の位置(高さ)が互いに異なるように、駆動部47に支持される。駆動部47は、可動部41a〜41cをそれぞれ回転可能に支持する。可動部41a〜41cは、例えば、いずれも同じ寸法および形状であり、Z方向から見て外形が一致するように重ねることができる。固定部44は、例えば、可動部41a〜41cと同一の寸法および形状である。固定部44は、例えば、Z方向の位置(高さ)が可動部41a〜41cのいずれとも異なるように、駆動部47に支持される。固定部44は、その扇状のもとになる円形の中心において、駆動部47に支持される。駆動部47は、可動部41a〜41cのそれぞれを、固定部44と外形が一致するように重ねることができる。
このように、可動部41の少なくとも一部は、固定部44と別の部材(例、駆動部47)に支持されてもよい。また、固定部44の代わりに可動部41a〜41cと同様の可動部を設け、固定部44を設けなくてもよい。なお、複数の可動部41a〜41cのうち少なくとも1つは、他の可動部とZ方向の位置(高さ)が同じでもよいし、固定部44とZ方向の位置(高さ)が同じでもよい。また、複数の可動部41a〜41cのうち少なくとも1つは、他の可動部に対して寸法と形状の少なくとも一方が異なってもよいし、固定部44に対して寸法と形状の少なくとも一方が異なってもよい。本実施形態において、駆動部47は、ステージ8(ステージ装置2)に支持された支持部60に取り付けられる。遮光部材40は、駆動部47および支持部60を介して、ステージ8に支持される。支持部60は、Z方向に伸縮可能であり、調整部70の駆動部72は支持部60の伸縮を駆動する。これにより、遮光部材40がZ方向に移動し、遮光部材40とステージ8との間隔が変化する。このように、遮光部材40は、ベース6の支柱部10と別の部材に支持されてもよい。なお、本実施形態の駆動部41は、可動部41が閉じた状態において、図1等に示す開口部68を閉じる。したがって、本実施形態の可動部41は、開口部68を開閉するシャッタ部66としての機能も有する。
[第10実施形態]
第10実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図20は、第10実施形態に係る顕微鏡MSの光路を示す図である。本実施形態に係る顕微鏡MSは、第1実施形態と同様に接眼レンズ14を介して標本Sを観察可能であるが、第1実施形態で説明したような標本Sの撮像を行わない。この場合、顕微鏡MSは、結像光学系5a、撮像素子15及び表示装置16の少なくとも一部を備えなくてもよい。
第10実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図20は、第10実施形態に係る顕微鏡MSの光路を示す図である。本実施形態に係る顕微鏡MSは、第1実施形態と同様に接眼レンズ14を介して標本Sを観察可能であるが、第1実施形態で説明したような標本Sの撮像を行わない。この場合、顕微鏡MSは、結像光学系5a、撮像素子15及び表示装置16の少なくとも一部を備えなくてもよい。
なお、本実施形態の顕微鏡MSにおいて、遮光装置1、ステージ装置2、ベース6(支持部材)、光源装置17b、光源装置17b、照明光学系3b、照明光学系3a及び結像光学系5bは、第1実施形態と同様であるが、これらの少なくとも一部は、上記実施形態において説明したいずれのものを用いてもよい。
[第11実施形態]
第11実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図21は、第11実施形態に係る顕微鏡MSの光路を示す図である。本実施形態に係る顕微鏡MSは、第1実施形態で説明したような標本Sの撮像が可能であり、撮像した画像による観察が可能であるが、第1実施形態で説明したような接眼レンズ14を介した標本Sの観察が不能である。この場合、顕微鏡MSは、結像光学系5bの少なくとも一部を備えなくてもよい。
第11実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図21は、第11実施形態に係る顕微鏡MSの光路を示す図である。本実施形態に係る顕微鏡MSは、第1実施形態で説明したような標本Sの撮像が可能であり、撮像した画像による観察が可能であるが、第1実施形態で説明したような接眼レンズ14を介した標本Sの観察が不能である。この場合、顕微鏡MSは、結像光学系5bの少なくとも一部を備えなくてもよい。
なお、本実施形態の顕微鏡MSにおいて、遮光装置1、ステージ装置2、ベース6、光源装置17b、光源装置17b、照明光学系3b、照明光学系3a及び結像光学系5aは、第1実施形態と同様であるが、これらの少なくとも一部は、上記実施形態において説明したいずれのものを用いてもよい。
[第12実施形態]
第12実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図22は、第12実施形態に係る顕微鏡MSの光路を示す図である。本実施形態に係る顕微鏡MSは、照明光学系3bを備えず、透過照明を行わない。ユーザは、落射照明により照明された標本Sを観察可能である。
第12実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図22は、第12実施形態に係る顕微鏡MSの光路を示す図である。本実施形態に係る顕微鏡MSは、照明光学系3bを備えず、透過照明を行わない。ユーザは、落射照明により照明された標本Sを観察可能である。
なお、本実施形態の顕微鏡MSにおいて、遮光装置1、ステージ装置2、ベース6、光源装置17b、光源装置17b、照明光学系3a、結像光学系5a及び結像光学系5bは、第1実施形態と同様であるが、これらの少なくとも一部は、上記実施形態において説明したいずれのものを用いてもよい。
[第13実施形態]
第13実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図23は、第13実施形態に係る顕微鏡MSの光路を示す図である。本実施形態に係る顕微鏡MSは、照明光学系3aを備えず、落射照明を行わない。ユーザは、透過照明により標本Sを観察可能である。この場合、顕微鏡MSは、結像光学系5a及び結像光学系5bにフィルタユニット23を備えなくてもよい。また、この顕微鏡MSにより蛍光観察を行う場合、対物レンズ4よりも像面側(例、対物レンズ4とレンズ25との間)の光路に、励起光を遮断するフィルタ62が設けられる。フィルタ62は、励起光を遮光し、標本Sから放射されて対物レンズ4を通った蛍光が透過する特性を有する。フィルタ62は、励起光の種類に応じて任意に設定される。なお、フィルタ62は、複数の異なるものが備えられていてもよい。
第13実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図23は、第13実施形態に係る顕微鏡MSの光路を示す図である。本実施形態に係る顕微鏡MSは、照明光学系3aを備えず、落射照明を行わない。ユーザは、透過照明により標本Sを観察可能である。この場合、顕微鏡MSは、結像光学系5a及び結像光学系5bにフィルタユニット23を備えなくてもよい。また、この顕微鏡MSにより蛍光観察を行う場合、対物レンズ4よりも像面側(例、対物レンズ4とレンズ25との間)の光路に、励起光を遮断するフィルタ62が設けられる。フィルタ62は、励起光を遮光し、標本Sから放射されて対物レンズ4を通った蛍光が透過する特性を有する。フィルタ62は、励起光の種類に応じて任意に設定される。なお、フィルタ62は、複数の異なるものが備えられていてもよい。
なお、本実施形態の顕微鏡MSにおいて、遮光装置1、ステージ装置2、ベース6、光源装置17bは、第1実施形態と同様であるが、これらは、それぞれ、上記実施形態において説明したいずれのものを用いてもよい。また、顕微鏡MSはフィルタユニット23を備え、第1実施形態における光源装置17b、レンズ21及びレンズ22は、それぞれ、交換可能に設けられ、観察を行う際に顕微鏡MSに取り付けられてもよい。
以下、実施例及び比較例を説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。以下の実施例は、遮光部材40の効果を試験により調べた結果である。試験では図1に示す顕微鏡MSを使用し、遮光部材40におけるnsinθの値、対物レンズの倍率を変えて、標本の像を観察し、遮光部材40により外光を遮光する効果を評価した。
[実施例1]
遮光部材40は半径が100mmの円形状のものを用いた。標本は、細胞内にGFPを発現するように形質転換したHela細胞を用いた。落射照明による蛍光観察を行った。光源装置17aは、50Wの水銀光源を用いた。また、フィルタユニット23はGFP−BP蛍光キューブを用いた。試験は、標本に励起光(例えば青色光)を照射し、標本から放射される蛍光(例えば緑色光)に由来する像を接眼レンズ14から目で観察し、且つ撮像装置(撮像素子15)により画像を取得することにより行った。撮像装置による画像の取得は、本実施例1のすべての試験において、撮像条件を同様にして行った。なお、撮像条件における、露光時間は12秒、ISO感度は400に設定した。試験は、対物レンズが40倍および4倍のものを用いて行った。また、試験は、遮光装置1におけるnsinθが、0.75、0.85、0.95のそれぞれにおいて行った。なお、遮光部材40の位置は、nsinθが0.95の場合、距離h1は約30mmであり、nsinθが0.85の場合、距離h2は約60mmであった。
また、対照試験として、遮光装置1を用いない試験、および遮光装置1の代わりに標本Sを覆う暗箱を用いた試験を行った。なお、本実施例におけるすべての試験は、室内の明るさが300lx〜600lxの環境で行った。本実施例の結果を図24および図25に示す。図24は、40倍の対物レンズ4を用いて行った試験の結果を示し、(A)は遮光を行わない比較例、(B)はnsinθが0.75の実施例、(C)はnsinθが0.85の実施例、(D)はnsinθが0.95の実施例、(E)は暗箱を用いた比較例における試験の結果である。図25は、4倍の対物レンズ4を用いて行った試験の結果を示し、(A)はnsinθが0.85の実施例、(B)はnsinθが0.95の実施例、(C)は暗箱を用いた比較例における試験の結果である。
遮光部材40は半径が100mmの円形状のものを用いた。標本は、細胞内にGFPを発現するように形質転換したHela細胞を用いた。落射照明による蛍光観察を行った。光源装置17aは、50Wの水銀光源を用いた。また、フィルタユニット23はGFP−BP蛍光キューブを用いた。試験は、標本に励起光(例えば青色光)を照射し、標本から放射される蛍光(例えば緑色光)に由来する像を接眼レンズ14から目で観察し、且つ撮像装置(撮像素子15)により画像を取得することにより行った。撮像装置による画像の取得は、本実施例1のすべての試験において、撮像条件を同様にして行った。なお、撮像条件における、露光時間は12秒、ISO感度は400に設定した。試験は、対物レンズが40倍および4倍のものを用いて行った。また、試験は、遮光装置1におけるnsinθが、0.75、0.85、0.95のそれぞれにおいて行った。なお、遮光部材40の位置は、nsinθが0.95の場合、距離h1は約30mmであり、nsinθが0.85の場合、距離h2は約60mmであった。
また、対照試験として、遮光装置1を用いない試験、および遮光装置1の代わりに標本Sを覆う暗箱を用いた試験を行った。なお、本実施例におけるすべての試験は、室内の明るさが300lx〜600lxの環境で行った。本実施例の結果を図24および図25に示す。図24は、40倍の対物レンズ4を用いて行った試験の結果を示し、(A)は遮光を行わない比較例、(B)はnsinθが0.75の実施例、(C)はnsinθが0.85の実施例、(D)はnsinθが0.95の実施例、(E)は暗箱を用いた比較例における試験の結果である。図25は、4倍の対物レンズ4を用いて行った試験の結果を示し、(A)はnsinθが0.85の実施例、(B)はnsinθが0.95の実施例、(C)は暗箱を用いた比較例における試験の結果である。
図24に示すように、40倍の対物レンズ4を用いた場合、遮光なしの比較例(図24(A))では像のコントラストが低く、標本Sの構造を特定することができないレベルであった。また、nsinθが0.75の実施例(図24(B))では、遮光なしの条件と比較して、コントラストが顕著に高い像が得られたが、得られた像には、標本SのHela細胞に発現するGFPに由来する光以外の光に由来する像も見られた。また、nsinθが0.85の実施例(図24(C))およびnsinθが0.95の実施例(図24(D))では、暗箱を用いた比較例(図24(E))と同様の像が得られた。これらの条件の像は、遮光なしの条件と比較して、コントラストが顕著に高い像であり、また、これらの条件により得られた像において、標本SのHela細胞に発現するGFPに由来する光以外の光に由来する像は、目視で判別ができなかった。
また、図25に示すように、4倍の対物レンズ4を用いた場合、40倍の対物レンズ4を用いて行った場合と比較して、外光の影響が大きかった。遮光部材40の配置が、nsinθが0.85の実施例(図24(A))では、40倍の対物レンズ4を用いた場合に対して、外光の影響が大きく、標本SのHela細胞に発現するGFPに由来する光以外の光に由来する像(ノイズ)が見られ、コントラストが十分に高い像ではなかった。一方、nsinθが0.95の実施例(図25(B))および暗箱を用いた比較例(図25(C))では、同様の像が得られた。これらの条件で得られた像は、40倍の対物レンズ4を用いた場合と同様に、コントラストが高く、得られた像において、標本SのHela細胞に発現するGFPに由来する光以外の光に由来する像(ノイズ)は、目視で判別ができなかった。これらの結果から、実施形態に係る顕微鏡MSは、得られる像のコントラストが高いことが確認される。また、4倍の対物レンズ4を用いる場合、観察条件が厳しい場合には、nsinθ=0.95まで遮光する観察モードが良く、観察条件が緩い場合には、nsinθ=0.85の操作優先モードが良いと考えられる。
[実施例2]
実施例2において、遮光部材40におけるnsinθの値、対物レンズ4の倍率を変えて、得られる像のS/N比を調べた。顕微鏡MSは、実施例1と同じものを使用した。標本は、FluoCells(登録商標)Prepared Slide #6(Muntjac cells, Alexa Fluor(登録商標) 488 Phalloidin)(Molecular Probes社製)を用いた。撮像装置による画像の取得は、本実施例2のすべての試験において撮像条件を同様にして行った。なお、撮像条件は、実施例1と同様に、露光時間は12秒、ISO感度は400に設定した。S/N比は、得られた画像における、細胞の部分の平均輝度をシグナルとし、細胞がない部分の平均輝度をノイズとして算出した。試験は、実施例1と同じ遮光装置1を用いて、遮光装置1におけるnsinθが、0.85、0.95のそれぞれにおいて行った。また、試験は、4倍の対物レンズ4、10倍の対物レンズ4、20倍の対物レンズ4および40倍の対物レンズ4を用いて行った。また、対照試験(比較例)として、遮光装置1を用いない試験、実施例1と同様の暗箱を用いた試験、並びに暗室で行った試験を行った。なお、本実施例におけるすべての試験は、暗室で行った試験以外、室内の明るさが300lx〜600lxの環境で行った。本実施例の結果を図26に示す。図26は、各条件におけるS/N比を示し、図26中、符号D1は暗室を用いた比較例、符号D2は暗箱を用いた比較例、符号D3はnsinθが0.95の実施例、符号D4はnsinθが0.85の実施例における試験の結果である。
実施例2において、遮光部材40におけるnsinθの値、対物レンズ4の倍率を変えて、得られる像のS/N比を調べた。顕微鏡MSは、実施例1と同じものを使用した。標本は、FluoCells(登録商標)Prepared Slide #6(Muntjac cells, Alexa Fluor(登録商標) 488 Phalloidin)(Molecular Probes社製)を用いた。撮像装置による画像の取得は、本実施例2のすべての試験において撮像条件を同様にして行った。なお、撮像条件は、実施例1と同様に、露光時間は12秒、ISO感度は400に設定した。S/N比は、得られた画像における、細胞の部分の平均輝度をシグナルとし、細胞がない部分の平均輝度をノイズとして算出した。試験は、実施例1と同じ遮光装置1を用いて、遮光装置1におけるnsinθが、0.85、0.95のそれぞれにおいて行った。また、試験は、4倍の対物レンズ4、10倍の対物レンズ4、20倍の対物レンズ4および40倍の対物レンズ4を用いて行った。また、対照試験(比較例)として、遮光装置1を用いない試験、実施例1と同様の暗箱を用いた試験、並びに暗室で行った試験を行った。なお、本実施例におけるすべての試験は、暗室で行った試験以外、室内の明るさが300lx〜600lxの環境で行った。本実施例の結果を図26に示す。図26は、各条件におけるS/N比を示し、図26中、符号D1は暗室を用いた比較例、符号D2は暗箱を用いた比較例、符号D3はnsinθが0.95の実施例、符号D4はnsinθが0.85の実施例における試験の結果である。
図26に示すように、nsinθが0.85およびnsinθが0.95のそれぞれにおける、すべての対物レンズの条件において、得られた画像のS/N比は、暗箱を用いた条件と同様に高いものであった。これらの結果から、顕微鏡MSは、得られる像のコントラストが高いことが確認される。
[実施例3]
本実施例において、遮光部材40におけるnsinθの値、対物レンズ4の倍率を変えて、対物レンズ4に入射する迷光(外光)の量を調べた。顕微鏡MSは、実施例1と同じものを使用した。標本は、使用しなかった。対物レンズ4に入射する迷光の量(迷光輝度値)は、撮像装置により取得した画像により算出した。撮像装置による画像の取得は、本実施例におけるすべての試験において、撮像条件を同様にして行った。なお、撮像条件における、露光時間は15秒、ISO感度は800に設定した。試験は、実施例1と同じ遮光装置1を用いて、遮光装置1におけるnsinθが、0.85、0.95のそれぞれにおいて行った。また、試験は、4倍の対物レンズ4、10倍の対物レンズ4、20倍の対物レンズ4、40倍の対物レンズ4および60倍の対物レンズ4を用いて行った。また、対照試験として、遮光しない比較例、実施例1と同様の暗箱を用いた比較例、並びに暗室を用いた比較例を行った。なお、本実施例におけるすべての試験は、暗室で行った試験以外、室内の明るさが300lx〜600lxの環境で行った。本実施例の結果を図27に示す。図27は、遮光装置1を用いた場合における、対物レンズ4に入射する迷光の量(迷光輝度値)を示し、図27中、符号D1は暗室を用いた比較例、符号D2は暗箱を用いた比較例、符号D3はnsinθが0.95の実施例、符号D4はnsinθが0.85の実施例における試験の結果である。なお、遮光なしの条件における迷光輝度値は、4倍の対物レンズ4の条件において、145.83であり、10倍の対物レンズ4の条件において、172.2であり、20倍の対物レンズ4の条件において、2101.83であり、40倍の対物レンズ4の条件において、751.89であり、60倍の対物レンズ4の条件において、390.33であった。
本実施例において、遮光部材40におけるnsinθの値、対物レンズ4の倍率を変えて、対物レンズ4に入射する迷光(外光)の量を調べた。顕微鏡MSは、実施例1と同じものを使用した。標本は、使用しなかった。対物レンズ4に入射する迷光の量(迷光輝度値)は、撮像装置により取得した画像により算出した。撮像装置による画像の取得は、本実施例におけるすべての試験において、撮像条件を同様にして行った。なお、撮像条件における、露光時間は15秒、ISO感度は800に設定した。試験は、実施例1と同じ遮光装置1を用いて、遮光装置1におけるnsinθが、0.85、0.95のそれぞれにおいて行った。また、試験は、4倍の対物レンズ4、10倍の対物レンズ4、20倍の対物レンズ4、40倍の対物レンズ4および60倍の対物レンズ4を用いて行った。また、対照試験として、遮光しない比較例、実施例1と同様の暗箱を用いた比較例、並びに暗室を用いた比較例を行った。なお、本実施例におけるすべての試験は、暗室で行った試験以外、室内の明るさが300lx〜600lxの環境で行った。本実施例の結果を図27に示す。図27は、遮光装置1を用いた場合における、対物レンズ4に入射する迷光の量(迷光輝度値)を示し、図27中、符号D1は暗室を用いた比較例、符号D2は暗箱を用いた比較例、符号D3はnsinθが0.95の実施例、符号D4はnsinθが0.85の実施例における試験の結果である。なお、遮光なしの条件における迷光輝度値は、4倍の対物レンズ4の条件において、145.83であり、10倍の対物レンズ4の条件において、172.2であり、20倍の対物レンズ4の条件において、2101.83であり、40倍の対物レンズ4の条件において、751.89であり、60倍の対物レンズ4の条件において、390.33であった。
図27に示すように、迷光輝度値は、sinθが0.85の実施例およびnsinθが0.95の実施例におけるすべての対物レンズ4の条件において、暗箱を用いた比較例と同様に低いものであった。また、迷光輝度値は、sinθが0.85の実施例およびnsinθが0.95の実施例におけるすべての対物レンズ4の条件において、遮光なしの比較例と比較して、10倍から100倍低い値であった。また、sinθが0.85の実施例、nsinθが0.95の実施例、暗箱を用いる比較例および暗室を用いる比較例における迷光輝度値は、それぞれ低い値であり、本実施例のような長時間露光を行う撮像条件にして、はじめてこれらの差が検出されるものであった。これらの結果から、本実施例の顕微鏡MSは、遮光性に優れ、遮光性は対物レンズ4の倍率、遮光部材40と対物レンズ4の先玉(先端の対物レンズ4a(図3参照))との距離に関係することが確認される。
以上、実施例1から実施例3の結果から、顕微鏡MSは、遮光性に優れ、得られる像のコントラストが高いことが確認される。
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
例えば、顕微鏡MSは、微分干渉観察を行う機構、位相差観察を行う機構を備えるものでもよい。また、顕微鏡MSは、実体顕微鏡であってもよい。また、顕微鏡MSは、対物レンズ4がステージ装置2の上方に配置される、いわゆる正立顕微鏡であってもよい。また、遮光装置1は、顕微鏡MS以外の観察装置に対して用いてもよい。
なお、本願発明の遮光部材40は単一の部材からなるものでも良い。この場合、遮光面積の異なる遮光部材40を着脱可能とし、観察条件に合わせて選択的に例えばコンデンサレンズ鏡筒9の外側部等に装着してもよい。また、上記の様に遮光部材40が単一の部材からなり、対物レンズ4の先端との距離を可変とする調整部70(駆動部72)を備え、さらに遮光部材40の遮光状態と非遮光状態を切り替える切替調整部も備える場合、この切替調整部および調整部70(駆動部72)の両調整部を、単一の調整部として構築してもよい。例えば、コンデンサレンズ鏡筒9に遮光部材40を配置する場合、遮光部材40をZ方向に移動させる上下動装置(調整部70(駆動部72))に遮光部材40を対物レンズ4の光軸AX1に挿入、退避させる切替装置を設けてもよい。切替装置としては、例えば、コンデンサレンズ11の光軸(例、光軸AX1)に対して直交する方向と平行な方向(例、X方向、Y方向)に回転軸を設け、この回転軸を中心に遮光部材40を回動させる機構でも良い。この回転軸を伴って、上下動装置による上下動を行えばよりシンプルな構成で遮光装置1が構築できる。
1・・・遮光装置、2・・・ステージ装置、3・・・照明光学系、4・・・対物レンズ、8・・・ステージ、9・・・鏡筒(コンデンサ鏡筒)、40・・・遮光部材、70・・・調整部、S・・・標本、h・・・距離、AX1・・・光軸、MS・・・顕微鏡
Claims (14)
- ステージ上の観察位置に配置された標本を観察する顕微鏡に設けられ、前記顕微鏡に配置された対物レンズへ入射する外光の遮光時に、前記観察位置に配置された前記標本の上方に位置決めされ、前記外光の光量を制御する前記遮光部材の調整部を有する遮光装置。
- 前記調整部は、前記遮光部材を前記対物レンズの光軸と平行な方向に移動させる、
請求項1に記載の遮光装置。 - 前記調整部は、前記遮光部材が光を遮る領域の面積を変化させる、
請求項1または請求項2に記載の遮光装置。 - 前記遮光部材は、遮光状態において前記顕微鏡を観察者側から見て側方に空間部を形成するものであり、
前記調整部は遮光状態から非遮光状態へ切り替える際、前記空間部を維持した状態で前記遮光部材を移動する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遮光装置。 - 前記遮光部材は、遮光状態において前記顕微鏡を観察者側から見て側方に空間部を形成するものであり、
前記調整部は遮光状態から非遮光状態へ切り替える際、前記空間部を維持した状態で前記遮光部材を前記対物レンズの光軸方向に移動する、
請求項4に記載の遮光装置。 - 前記調整部による前記遮光部材の前記対物レンズの光軸方向への移動機構は、遮光状態と非遮光状態との切替機構を兼ねている、
請求項5に記載の遮光装置。 - 前記調整部の調整は、前記対物レンズの光学性能に対応して調整される、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の遮光装置。 - 前記遮光部材は、前記ステージの上方に設置されたコンデンサレンズの鏡筒を貫通する開口部と、前記開口部の開閉を行うシャッタ部と、を備える、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の遮光装置。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の遮光装置を備える顕微鏡。
- 前記遮光部材の周囲から前記対物レンズへ入射する光の最小の入射角を前記対物レンズの光軸に対してθとし、前記遮光部材から前記対物レンズまでの光路の屈折率をnとした場合に、前記調整部は、0.80≦nsinθ≦0.95を満たすように前記遮光部材を調整する、
請求項9に記載の顕微鏡。 - 前記調整部が実行する調整は、前記対物レンズの倍率に応じて設定される、
請求項10に記載の顕微鏡。 - 対物レンズを備え、ステージ上の観察位置に配置された標本を観察する顕微鏡を用いる観察方法であって、
前記標本の上方に遮光部材を配置することと、
前記遮光部材を調整し、前記対物レンズへ入射する外光の光量を調整することと、
を含む観察方法。 - 対物レンズを備え、ステージ上の観察位置に配置された標本を観察する顕微鏡の制御方法であって、
前記標本の上方に遮光部材を配置することと、
前記遮光部材を調整し、前記対物レンズへ入射する外光の光量を調整することと、
を含む顕微鏡の制御方法。 - 対物レンズを備え、ステージ上の観察位置に配置された標本を観察する顕微鏡の制御をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記標本の上方に遮光部材を配置することと、
前記遮光部材を調整し、前記対物レンズへ入射する外光の光量を調整することと、
を含むプログラム。
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JP2015224577A JP2017090842A (ja) | 2015-11-17 | 2015-11-17 | 遮光装置、顕微鏡、観察方法、制御方法、及びプログラム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112018002191T5 (de) | 2017-04-28 | 2020-01-09 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Halbleitervorrichtung und Herstellungsverfahren der Halbleitervorrichtung |
CN113050262A (zh) * | 2021-02-05 | 2021-06-29 | 安徽医科大学 | 一种通用型斜照明显微成像***及其校正算法 |
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CN117204823A (zh) * | 2023-11-08 | 2023-12-12 | 之江实验室 | 植入装置和实验组件 |
-
2015
- 2015-11-17 JP JP2015224577A patent/JP2017090842A/ja active Pending
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