JP2017088715A - 光学フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
前記シクロオレフィン系樹脂が、少なくとも一つの水素結合受容性基を有するシクロオレフィン系樹脂であり、
フィルム中にアルコール系溶媒とヒンダードフェノール系化合物を含有し、かつ、
メタノールウエッタビリティ法で測定される疎水化度が、メタノールと純水が体積比で3:7の第1溶液を用いたときの当該疎水化度が20%以下であり、メタノールと純水が体積比で6:4の第2溶液を用いたときの当該疎水化度80%以上であるシリカ粒子をフィルムの全質量に対して0.1〜2.5質量%含有することを特徴とする光学フィルム。
本発明の光学フィルムは、シクロオレフィン系樹脂を含有する光学フィルムであって、前記シクロオレフィン系樹脂が、少なくとも一つの水素結合受容性基を有するシクロオレフィン系樹脂であり、フィルム中にアルコール系溶媒とヒンダードフェノール系化合物を含有し、かつ、メタノールウエッタビリティ法で測定される疎水化度が、メタノールと純水が体積比で3:7の第1溶液を用いたときの当該疎水化度が20%以下であり、メタノールと純水が体積比で6:4の第2溶液を用いたときの当該疎水化度80%以上であるシリカ粒子をフィルムの全質量に対して0.1〜2.5質量%含有することを特徴とする。
本発明に係るシリカ粒子の疎水化度は、アルコール系を含む溶媒や純水などを用いて定量することができる。疎水化度を定量化する方法としては、メタノールウエッタビリティ法(以下、「MW法」と称する。)が好ましい。本発明において、疎水化度は、本法で求められるメタノールウエッタビリティ値(以下、「MW値」と称する。)で表す。
(1)メタノール溶液Cと純水Dとを、体積比で3:7になるように混合して、第1溶液Aを調製する(例えば、メタノール溶液Cが40mLに対して、純水Dが60mL)
(2)次に、10mLの沈降管Fに、0.2gのシリカ粒子粉末Eと7mLの第1溶液Aとを入れる。
(3)沈降管Fにふたをして、ターブラーミキサを用いて、微粒子粉末Eを第1溶液A中に振盪混合する。この際、ターブラーミキサの条件は90rpmで30秒間である。
(4)シリカ粒子粉末Eを沈降させるため、遠心分離機を用いる。遠心分離機の条件は、3500rpmで10分間である。
(5)沈降管の目盛で読み取ることができる沈降した微粒子粉末Eの沈降物量を体積として読み取り、その値をtmLとする。
(6)新たに、メタノール溶液Cと純水Dとが、体積比で6:4となるように混合して、第2溶液Bを調製する(例えば、メタノール溶液Cが60mLに対して、純水Dが40mL)。
(7)第2溶液Bを用いて、上記(2)〜(5)と同じ手順(8)〜(11)により、シリカ粒子粉末Eの沈降物を作製して、沈降管の目盛で読み取ることができる沈降したシリカ粒子粉末Eの沈降物量を体積として読み取り、その値をsmLとする。
(12)下記式によりMW値(%)を求める。
第2溶液におけるMW値=(s/A)×100[%]
ここで、Aは、初めに添加したシリカ粒子の体積(AmL)である。
第1溶液におけるMW値=(1/5)×100[%]であり、疎水化度MW値は20%となる。
〔1〕シクロオレフィン系樹脂
本発明の実施態様としては、生産性向上の観点から、溶媒成分として水を含むことが好ましく、出来上がりのフィルムとしても、水分を含むことが好ましい。
本発明において、シクロオレフィン系樹脂の好ましい水素結合受容性基の保有比率は一般式(I)でR1〜R4のうち1〜2個が水素結合受容性基を有することが好ましい。
本発明の光学フィルムには、製造されたフィルムがハンドリングされる際に、傷が付いたり、搬送性が悪化することを防止するとともに、光学フィルムを偏光板の保護フィルムに用いた際に、偏光板の打ち抜き時のクラックや切り粉の発生を低減した光学フィルムを得るために、特定の疎水化度を有するシリカ粒子を含有する。
光学フィルム中におけるシリカ粒子の粒子径の測定は、ミクロトームで断層カットしたフィルム断面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で適当な倍率で撮影し、断層カット写真に含まれる100個の粒子の粒子径を測定し、平均値を求め平均粒径とする。粒子径は、粒子の断面が円形状の場合はその直径とし、円形状以外の場合は面積を算出し、それを円形状に換算したときの直径とする。
ミクロトーム:ライカ製EM UC6
フィルム中のシリカ粒子の含有量は、フィルムの全質量に対して0.1〜2.5質量%含有する必要があり、0.5〜2.0質量%の範囲内であることが好ましく、特に1.0〜2.0質量%の範囲内であることが、本発明の効果を発現する上で好ましい。
溶媒と粒子とを撹拌混合した後、分散機を用いて分散を行い、これをドープに加えて撹拌することで流延ドープを得る。
溶媒と粒子とを撹拌混合した後、分散機を用いて分散を行ない、粒子分散液を作製する。次に、溶剤に少量の樹脂を加え、撹拌溶解させたものに前記粒子分散液を加えて撹拌した後、これを原料ドープ液に加えて十分に混合させて流延ドープを得る。
溶媒に少量の樹脂を加え、撹拌溶解させた後、粒子を加えて分散機を用いて分散を行う。これをドープに加えて十分に混合させる。
フェノール系化合物は既知の化合物であり、例えば、米国特許第4839405号明細書の第12〜14欄に記載されており、2,6−ジアルキルフェノール誘導体化合物が含まれる。このような化合物のうち好ましい化合物として、下記一般式(A)で表される化合物が好ましい。
〔4.1〕可塑剤
可塑剤とは、可塑剤の例には、ポリエステル化合物、多価アルコールエステル化合物、多価カルボン酸エステル化合物(フタル酸エステル化合物を含む)、グリコレート化合物、及びエステル化合物(脂肪酸エステル化合物やリン酸エステル化合物などを含む)が含まれる。これらは、単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の光学フィルムは、位相差を調整するために位相差上昇剤を含有することができる。
本発明の光学フィルムは、偏光板や液晶表示装置に照射される不要な紫外線を遮蔽するために、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
本発明の光学フィルムの製造方法は、溶液流延製膜法又は溶融流延製膜法を採用することができるが、溶液流延製膜法によって製造することが好ましい。
シクロオレフィン系樹脂に対する良溶媒を主とする有機溶媒に、溶解釜中で当該シクロオレフィン系樹脂及びヒンダードフェノール系化合物、場合によって、位相差上昇剤、シリカ粒子又はその他の化合物を撹拌しながら溶解しドープを調製する工程、又は当該シクロオレフィン系樹脂溶液に、前記ヒンダードフェノール系化合物、場合によっては位相差上昇剤、シリカ粒子又はその他の化合物溶液を混合して主溶解液であるドープを調製する工程である。
溶媒成分として、用いた前記アルコール及び水の残留量は以下の測定方法によって行う。
(2.1)ドープの流延
ドープを、送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通して加圧ダイ30に送液し、無限に移送する無端の金属支持体31、例えば、ステンレスベルト、又は回転する金属ドラム等の金属支持体上の流延位置に、加圧ダイスリットからドープを流延する工程である。
ウェブを流延用金属支持体上で加熱し、溶媒を蒸発させる工程であり、後述する剥離時の残留溶媒量を制御する工程である。
金属支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離されたウェブはフィルムとして次工程に送られる。
残留溶媒量(%)=(ウェブ又はフィルムの加熱処理前質量−ウェブ又はフィルムの加熱処理後質量)/(ウェブ又はフィルムの加熱処理後質量)×100
なお、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、115℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
乾燥工程は予備乾燥工程、本乾燥工程に分けて行うこともできる。
金属支持体からウェブ剥離して得られたフィルムは、予備乾燥させる。フィルムの予備乾燥は、フィルムを、上下に配置した多数のローラーにより搬送しながら乾燥させてもよいし、テンター乾燥機のようにフィルムの両端部をクリップで固定して搬送しながら乾燥させてもよい。
本発明の光学フィルムは、延伸装置34にて残留溶媒量下で延伸処理を行うことで、フィルム中の樹脂にシリカ粒子を均一に分散させたり、フィルムの平面性を向上したり、フィルム内の分子の配向を制御することで、所望の位相差値Ro及びRtを得ることができる。
・長手方向に延伸→幅手方向に延伸→長手方向に延伸→長手方向に延伸
・幅手方向に延伸→幅手方向に延伸→長手方向に延伸→長手方向に延伸
・幅手方向に延伸→斜め方向に延伸
また、同時二軸延伸には、一方向に延伸し、もう一方を、張力を緩和して収縮させる場合も含まれる。
(式1において、d1は延伸後の本発明の光学フィルムの前記延伸方向の幅寸法であり、d2は延伸前の光学フィルムの前記延伸方向の幅寸法であり、tは延伸に要する時間(min)である。)
本発明の光学フィルムは、延伸することにより所望の位相差値を付与することができる。
式(ii):Rt={(nx+ny)/2−nz}×d(nm)
〔式(i)及び式(ii)において、nxは、フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表す。nyは、フィルムの面内方向において、前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表す。nzは、フィルムの厚さ方向zにおける屈折率を表す。dは、フィルムの厚さ(nm)を表す。〕
延伸工程では、通常、延伸した後、保持・緩和が行われる。すなわち、本工程は、フィルムを延伸する延伸段階、フィルムを延伸状態で保持する保持段階及びフィルムを延伸した方向に緩和する緩和段階をこれらの順序で行うことが好ましい。保持段階では、延伸段階で達成された延伸率での延伸を、延伸段階における延伸温度で保持する。緩和段階では、延伸段階における延伸を保持段階で保持した後、延伸のための張力を解除することによって、延伸を緩和する。緩和段階は、延伸段階における延伸温度以下で行えば良い。
乾燥工程では、乾燥装置35によって延伸後のフィルムを加熱して乾燥させる。
(4.1)ナーリング加工
所定の熱処理又は冷却処理の後、巻取り前にスリッターを設けて端部を切り落とすことが良好な巻姿を得るため好ましい。更に、幅手両端部にはナーリング加工をすることが好ましい。
良好な巻姿を得る別の手段として、巻き取る前に、フィルム同士のブロッキングを防止する目的で、マスキングフィルム(プロテクトフィルムともいう。)を重ねて同時に巻き取ってもよいし、延伸フィルムの少なくとも一方、好ましくは両方の端にテープ等を張り合わせながら巻き取ってもよい。マスキングフィルムとしては、上記フィルムを保護することができるものであれば特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが挙げられる。
フィルム中の残留溶媒量が2質量%以下となってからフィルムとして巻取る工程であり、残留溶媒量を好ましくは1質量%以下にすることにより寸法安定性の良好なフィルムを得ることができる。
〈ヘイズ〉
本発明の光学フィルムは、ヘイズが1%未満であることが好ましく、0.5%未満であることがより好ましい。ヘイズを1%未満とすることにより、フィルムの透明性がより高くなり、光学用途のフィルムとしてより用いやすくなるという利点がある。本発明の光学フィルムは、均一な粒子径を有するシリカ粒子が分散しているため、粒子による光散乱の程度が低く、透明性に優れる。
本発明の光学フィルムは、25℃、相対湿度60%における平衡含水率が4%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。平衡含水率を4%以下とすることにより、湿度変化に対応しやすく、光学特性や寸法がより変化しにくく好ましい。
本発明の光学フィルムは、長尺であることが好ましく、具体的には、100〜10000m程度の長さであることが好ましく、ロール状に巻き取られる。また、本発明の光学フィルムの幅は1m以上であることが好ましく、更に好ましくは1.3m以上であり、特に1.3〜4mであることが好ましい。
本発明の光学フィルムは、液晶表示装置、有機EL表示装置等の各種表示装置やタッチパネルに用いられる機能フィルムであることが好ましい。具体的には、本発明の光学フィルムは、液晶表示装置又は有機EL表示装置用の偏光板保護フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、ハードコートフィルム、防眩フィルム、帯電防止フィルム、視野角拡大等の光学補償フィルムなどでありうる。典型的には、本発明の光学フィルムは、偏光板保護フィルムである。本発明の光学フィルムは、前記位相差フィルムを兼ねる偏光板保護フィルムとして用いることもできる。
〔7.1.1〕偏光子
偏光子は、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、その例には、ポリビニルアルコール系偏光フィルムが含まれる。
[水糊]
本発明に用いられる偏光板は、本発明の光学フィルムを完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(水糊)を用いて偏光子に貼り合わせることが好ましい。もう一方の面には他の偏光板保護フィルムを貼合することができる。本発明の光学フィルムは液晶表示装置とされた際に、偏光子の液晶セル側に設けられることが好ましく、偏光子の外側のフィルムは、本発明の光学フィルム、及び従来の偏光板保護フィルムのどちらでも用いることができる。
また、本発明に用いられる偏光板においては、本発明の光学フィルムと偏光子とが、活性エネルギー線硬化性接着剤により貼合されていることが好ましい。
偏光板用の紫外線硬化型接着剤組成物としては、光ラジカル重合を利用した光ラジカル重合型組成物、光カチオン重合を利用した光カチオン重合型組成物、並びに光ラジカル重合及び光カチオン重合を併用したハイブリッド型組成物が知られている。
前処理工程は、光学フィルムの偏光子との接着面に易接着処理を行う工程である。易接着処理としては、コロナ処理、プラズマ処理等が挙げられる。
紫外線硬化型接着剤の塗布工程としては、偏光子と光学フィルムとの接着面のうち少なくとも一方に、上記紫外線硬化型接着剤を塗布する。偏光子又は光学フィルムの表面に直接、紫外線硬化型接着剤を塗布する場合、その塗布方法に特段の限定はない。例えば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーター等、種々の湿式塗布方式が利用できる。また、偏光子と光学フィルムの間に、紫外線硬化型接着剤を流延させたのち、ローラー等で加圧して均一に押し広げる方法も利用できる。
上記の方法により紫外線硬化型接着剤を塗布した後は、貼合工程で処理される。この貼合工程では、例えば、先の塗布工程で偏光子の表面に紫外線硬化型接着剤を塗布した場合、そこに光学フィルムが重ね合わされる。また、はじめに光学フィルムの表面に紫外線硬化型接着剤を塗布する方式の場合には、そこに偏光子が重ね合わされる。また、偏光子と光学フィルムの間に紫外線硬化型接着剤を流延させた場合は、その状態で偏光子と光学フィルムとが重ね合わされる。そして、通常は、この状態で両面の光学フィルム側から加圧ローラー等で挟んで加圧することになる。加圧ローラーの材質は、金属やゴム等を用いることが可能である。両面に配置される加圧ローラーは、同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。
硬化工程では、未硬化の紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して、カチオン重合性化合物(例えば、エポキシ化合物やオキセタン化合物)やラジカル重合性化合物(例えば、アクリレート系化合物、アクリルアミド系化合物等)を含む紫外線硬化型接着剤層を硬化させ、紫外線硬化型接着剤を介して重ね合わせた偏光子と光学フィルムを接着させる。偏光子の片面に光学フィルムを貼合する場合、活性エネルギー線は、偏光子側又は光学フィルム側のいずれから照射してもよい。また、偏光子の両面に光学フィルムを貼合する場合、偏光子の両面にそれぞれ紫外線硬化型接着剤を介して光学フィルムを重ね合わせた状態で、紫外線を照射し、両面の紫外線硬化型接着剤を同時に硬化させるのが有利である。
偏光子の本発明の光学フィルムとは反対側に配置されるフィルムは、偏光子の保護フィルムとして機能するフィルムであることが好ましい。
上記本発明の光学フィルムを貼合した偏光板を液晶表示装置に用いることによって、種々の視認性に優れた本発明に用いられる液晶表示装置を作製することができる。
本発明のシクロオレフィン系樹脂を用いた光学フィルムは滑り性が良好であるため加工適性が高く、例えば、曲面形状を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置にも好適である。
(シクロオレフィン系樹脂Pの合成)
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(DNM)75質量%、ジシクロペンタジエン(DCP)24質量%、2−ノルボルネン1質量%、分子量調節剤の1−ヘキセン9部及びトルエン200部を、窒素置換した反応容器に仕込んで110℃に加熱した。これにトリエチルアルミニウム0.005部、メタノール変性WCl6(無水メタノール:PhPOCl2 :WCl6=103:630:427質量比)0.005部を加え1時間反応させることにより重合体を得た。得られた重合体の溶液をオートクレーブに入れ、さらにトルエンを200部加えた。次に、水素添加触媒であるRuHCl(CO)[P(C6H5)]3を0.006部添加し、90℃まで加熱した後、水素ガスを反応器へ投入し、圧力を10MPaとした。その後、圧力を10MPaに保ったまま、165℃、3時間の反応を行った。反応終了後、多量のメタノール溶液に沈殿させ、更に沈殿物をトルエン及びメタノールを用いて再沈殿精製して共重合体Pを得た。
シリカ微粒子(アエロジルR812 日本アエロジル(株)製) 11質量%
ジクロロメタン 89質量%
以上をディゾルバーで50分間撹拌混合した後、マントンゴーリン分散機を用いて分散を行い、微粒子分散液を調製した。
(微粒子添加液1の調製)
溶解タンクにジクロロメタンを入れ、ジクロロメタンを十分に撹拌しながら上記調製した微粒子分散液を50質量%となるようにゆっくりと添加した。更に、二次粒子の粒径が、所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過して、微粒子添加液1を調製した。
(ドープAの調製)
エタノールの入った加圧溶解タンクに、上記合成したシクロオレフィン樹脂Pを撹拌しながら投入した。次いで、微粒子添加液を表1に記載の添加量になるように添加した後、表1に記載の溶解温度で3時間加熱し、撹拌しながら、完全に溶解した。その後、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、ドープAを調製した。ドープAの組成を下記に示す。
ジクロロメタン 290.0質量%
微粒子添加液 27.3質量%
ヒンダードフェノール系化合物(凝集防止剤A) 0.1質量%
バンド流延装置を用い、前記調製したドープAをステンレス製の流延支持体(支持体温度22℃)に流延した。ドープA中の残留溶媒量が略20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンターで把持し、残留溶媒量が10質量%の状態で、125℃の温度下で幅方向に1.01倍(1%)延伸しつつ乾燥した。その後、90℃の熱処理装置のロール間を30分かけて搬送することによりさらに乾燥させ、光学フィルム101を作製した。厚さは15μm、幅は1492mmであった。
(微粒子分散液の調製)
シリカ微粒子(アエロジルR812:トリメチルシラン処理品 日本アエロジル(株)製) 11質量%
エタノール 89質量%
以上をディゾルバーで50分間撹拌混合した後、マントンゴーリン分散機を用いて分散を行い、微粒子分散液を調製した。
(微粒子添加液1の調製)
溶解タンクにジクロロメタンを入れ、ジクロロメタンを十分に撹拌しながら上記調製した微粒子分散液を50質量%となるようにゆっくりと添加した。更に、二次粒子の粒径が、所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過して、微粒子添加液1を調製した。
エタノールの入った加圧溶解タンクに、上記合成したシクロオレフィン樹脂Pを撹拌しながら投入した。次いで、微粒子添加液を表1に記載の添加量になるように添加した後、表1に記載の溶解温度で3時間加熱し、撹拌しながら、完全に溶解した。その後、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、ドープBを調製した。ドープBの組成を下記に示す。
ジクロロメタン 290.0質量%
エタノール 10.0質量%
蒸留水 1.0質量%
微粒子添加液 27.3質量%
バンド流延装置を用い、前記調製したドープBをステンレス製の流延支持体(支持体温度22℃)に流延した。ドープB中の残留溶媒量が略20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンターで把持し、残留溶媒量が10質量%の状態で、125℃の温度下で幅方向に1.01倍(1%)延伸しつつ乾燥した。その後、90℃の熱処理装置のロール間を30分かけて搬送することによりさらに乾燥させ、光学フィルム101を作製した。厚さは15μm、幅は1492mmであった。
光学フィルム102の作製において、下記ドープCを用いた以外は同様にして光学フィルム103を作製した。
エタノールの入った加圧溶解タンクに、上記合成したシクロオレフィン樹脂Pを撹拌しながら投入し、次いで表1に記載の溶解温度で3時間加熱し、撹拌しながら完全に溶解した。その後、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、ドープCを調製した。ドープCの組成を下記に示す。
ジクロロメタン 290.0質量%
エタノール 10.0質量%
蒸留水 1.0質量%
ヒンダードフェノール系化合物(凝集防止剤A) 0.3質量%
<光学フィルム104の作製>
光学フィルム102の作製において、下記ドープDを用いた以外は同様にして光学フィルム104を作製した。
シクロオレフィン樹脂P 100.0質量%
ジクロロメタン 290.0質量%
エタノール 10.0質量%
蒸留水 1.0質量%
微粒子添加液 0.91質量%
ヒンダードフェノール系化合物(凝集防止剤A) 0.3質量%
<光学フィルム105〜108の作製>
光学フィルム104の作製において、シリカ粒子の添加量を表1に記載のように変化させた以外は同様にして、光学フィルム105〜108を作製した。
光学フィルム104の作製において、シリカ粒子の種類を表1に記載のように変化させた以外は同様にして、光学フィルム109〜113を作製した。
R976S:ジメチルシラン処理品
RY300:ジメチルポリシロキサン処理品
200V:未処理品
R812S:トリメチルシラン処理品
<光学フィルム114〜118の作製>
光学フィルム104の作製において、ヒンダードフェノール系化合物(凝集防止剤A)の添加量を表1に記載のように変化させた以外は同様にして、光学フィルム114〜118を作製した。
光学フィルム104の作製において、フィルム中のエタノール量を表2記載の量になるように、エタノールの添加量及び乾燥温度・乾燥時間を変化させた以外は同様にして光学フィルム119〜122を作製した。
光学フィルム119は、ドープ組成のエタノール添加量を5質量部、延伸後の乾燥熱処理装置の温度を110℃、50分かけて搬送した。
光学フィルム106の作製において、ドープの溶解温度を55℃及び10℃にそれぞれ変化させた以外は同様にして、光学フィルム123及び124を作製した。
(シクロオレフィン系樹脂Q合成液の調製)
下記のノルボルネン系モノマー混合液にシリカ微粒子、10−ウンデセン酸、フェノール系安定剤、リン系安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤を加えて溶化し又は分散させ、さらにトリフェニルホスフィン、下記化合物Cで示したルテニウム触媒を添加し、ラインミキサーで混合し、水素結合受容性基を有しないシクロオレフィン系樹脂Q合成液を調製した。シクロオレフィン樹脂Q合成液の組成を下記に示す。
(シクロオレフィン系樹脂Q合成液の組成)
ノルボルネン系モノマー混合液(ジシクロペンタジエン90部、トリシクロペンタジエン10部) 100.0質量%
シリカ微粒子(アエロジル R812 日本アエロジル(株)製) 1.6質量%
10−ウンデセン酸 0.3質量%
ヒンダードフェノール系化合物(凝集防止剤A) 0.1質量%
リン系安定剤 1.0質量%
トリフェニルホスフィン 1.0質量%
ルテニウム触媒 1.6質量%
光学フィルム106の作製において、下記ドープEを用いた以外は同様にして光学フィルム126を作製した。
シクロオレフィン樹脂P 100.0質量%
ジクロロメタン 290.0質量%
エタノール 10.0質量%
微粒子添加液 27.3質量%
ヒンダードフェノール系化合物(凝集防止剤A) 0.3質量%
<光学フィルム127の作製>
光学フィルム106の作製において、下記ドープFを用いた以外は同様にして光学フィルム127を作製した。
シクロオレフィン樹脂P 100.0質量%
ジクロロメタン 290.0質量%
メタノール 8.0質量%
蒸留水 1.0質量%
微粒子添加液 27.3質量%
ヒンダードフェノール系化合物(凝集防止剤A) 0.3質量%
<光学フィルム128の作製>
光学フィルム106の作製において、下記ドープGを用いた以外は同様にして光学フィルム128を作製した。ここで使用したシクロオレフィン樹脂Rとして、ヒンダードフェノール系化合物(凝集防止剤A)を100質量部に対して0.25質量%含んでいる、JSR(株)製のアートンG7810を用いた。
シクロオレフィン樹脂R(JSR(株)ARTON G7810)
100.0質量%
ジクロロメタン 290.0質量%
エタノール 10.0質量%
蒸留水 1.0質量%
微粒子添加液 27.3質量%
<光学フィルム129及び130の作製>
光学フィルム106の作製において、ドープを25℃で、厚さ0.075mmのポリエチレンテレフタレート製キャリアフィルム上に塗工しキャスト製膜を行い、次いで直ぐに、塗布層の上から別に用意した前記同様のキャリアフィルムをラミネートした。その後、200℃で3分間加熱を行い、その後、20℃まで冷却した後、上下のキャリアフィルムをそれぞれ剥離し、光学フィルム129(厚さは3μm、幅は1492mm)、及び光学フィルム130(厚さは5μm、幅は1492mm)を作製した。
以上作製した光学フィルム101〜130を用いて以下の評価を行った。
シリカ粒子の疎水化度は、メタノールウエッタビリティ法(以下、MW法と称する。)を用いて、本法で求められるメタノールウエッタビリティ値(以下、MW値と称する。)で表した。
(1)メタノール溶液Cと純水Dとを、体積比で3:7になるように混合して、第1溶液Aを調製する(例えば、メタノール溶液Cが40mLに対して、純水Dが60mL)
(2)次に、10mLの沈降管Fに、0.2gのシリカ粒子粉末Eと7mLの第1溶液Aとを入れる。
(3)沈降管Fにふたをして、ターブラーミキサを用いて、微粒子粉末Eを第1溶液A中に振盪混合する。この際、ターブラーミキサの条件は90rpmで30秒間である。
(4)シリカ粒子粉末Eを沈降させるため、遠心分離機を用いる。遠心分離機の条件は、3500rpmで10分間である。
(5)沈降管の目盛で読み取ることができる沈降した微粒子粉末Eの沈降物量を体積として読み取り、その値をtmLとする。
(6)新たに、メタノール溶液Cと純水Dとが、体積比で6:4となるように混合して、第2溶液Bを調製する(例えば、メタノール溶液Cが60mLに対して、純水Dが40mL)。
(7)第2溶液Bを用いて、上記(2)〜(5)と同じ手順(8)〜(11)により、シリカ粒子粉末Eの沈降物を作製して、沈降管の目盛で読み取ることができる沈降したシリカ粒子粉末Eの沈降物量を体積として読み取り、その値をsmLとする。
(12)下記の式によりMW値(%)を求める。
第2溶液におけるMW値=(s/A)×100[%]
ここで、Aは、初めに添加したシリカ粒子の体積(AmL)である。
シリカ粒子の平均粒径の測定は以下の方法で行った。
ミクロトーム:ライカ製EM UC6
[3]フィルム中のエタノール量、メタノール量及び蒸留水量
フィルム中のエタノール量及びメタノール量は以下の方法によって測定した。
作製した光学フィルムから幅90cm、長さ100cmの大きさの試料を切り出し、台の上に置いた。40Wの蛍光灯(パナソニック社製の「FLR40S−EX−D/M」)を5本並べ、台上の試料に対して45°の角度から光が照射されるように、台から1.5mの高さに固定した。蛍光灯のスイッチを入れて試料を照らし、試料の表面を目視で観察し、次の基準で評価した。
○:蛍光灯が5本とも真っ直ぐに見える
△:蛍光灯が少し曲がって見える部分がある
×:蛍光灯が全体的に曲がって見える
上記作製した光学フィルム101〜130を用いて偏光板を作製した。
厚さ30μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ7μmの偏光子を得た。
下記の各成分を混合した後、脱泡して、紫外線硬化型接着剤液1を調製した。なお、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートは、50%プロピレンカーボネート溶液として配合し、下記にはトリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートの固形分量を表示した。
エポリードGT−301(ダイセル社製の脂環式エポキシ樹脂) 40質量部
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル 15質量部
トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート 2.3質量部
9,10−ジブトキシアントラセン 0.1質量部
1,4−ジエトキシナフタレン 2.0質量部
なお、偏光板作製は、フィルムの表面にコロナ出力強度2.0kW、ライン速度18m/分でコロナ放電処理を施し、コロナ放電処理面に、上記調製した紫外線硬化型接着剤液1を、硬化後の膜厚が約3μmとなるようにバーコーターで塗工して紫外線硬化型接着剤層を形成した。
〈クラック評価〉
○:500サイクルでもクラック発生なし又は発生しても1cm以下
△:250〜500サイクルまでクラック発生なし又は発生しても1cm以下
×:250サイクルまではクラック発生なし、又は発生しても1cm以下
偏光板を裁断した際の切粉の発生状態を光学顕微鏡にて観察し、裁断部から1cmのところの5μm以上の裁断切り粉の発生有無を見た。
○:切粉発生なし
×:切粉発生あり
光学フィルムを、市販されているヘイズメーター(日本電色社製、製品名「NDH 2000」)を用いて、JISK−7136に準拠してヘイズ(%)を測定し、下記の基準で評価した。ヘイズが0.5%未満であれば、透明光学フィルムとして様々なデバイスに使用が可能である。
○:0.5%未満
×:0.5%以上
面内位相差値Ro、及び厚さ方向の位相差値Rtは自動複屈折率計アクソスキャン(Axo Scan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)を用いて、23℃・55%RHの環境下、590nmの波長において、三次元屈折率測定を行い、得られた屈折率nx、ny、nzから下記式を用いて算出する。
式(ii):Rt={(nx+ny)/2−nz}×d(nm)
〔式(i)及び式(ii)において、nxは、フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表す。nyは、フィルムの面内方向において、前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表す。nzは、フィルムの厚さ方向zにおける屈折率を表す。dは、フィルムの厚さ(nm)を表す。〕
[9]視認性:液晶表示装置としての特性評価
IPS型のタブレット型液晶表示装置であるソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社製の商品名『XPERIA Z4 Tablet』の偏光板を剥がし、液晶セルを挟むようにして、前記作製した偏光板2枚を偏光板の偏光軸が元と変わらないように互いに直交するように貼り付け、偏光板で挟まれていないところは光が漏れないように表示側から、黒いテープを張り、簡易的なIPS型カラー液晶ディスプレイを作製し、光学フィルムの偏光板としての特性を評価したところ、本発明の偏光板を用いた液晶表示装置は、偏光板を剥がす前の液晶テレビと比べても、遜色ないコントラスト性能、更に色ムラもない優れた表示性を示した。
○:コントラスト、色ムラともに問題ない
×:コントラスト、色ムラのどちらかでも明らかな劣化が見られた
得られたシートについて、白い紙を敷いた上に当該シートを置き、目視にて着色度合いを評価した。
○:着色が見られない
△:やや黄色い着色が見られる
×:黄色い着色が明らかに見られる
[11]輝点異物
フィルムの輝点異物を以下の測定法によって行った。
2枚の偏光板を直交状態(クロスニコル)に配置して透過光を遮断し、2枚の偏光板の間に作製した試料を置く。偏光板はガラス製保護板のものを使用した。片側から光を照射し、反対側から光学顕微鏡(50倍)で100cm2当たりの直径0.01mm以上の輝点の数をカウントした。輝点異物の数は少ないほど良好な特性である。
○:0〜2個
△:3〜12個
×:13個以上
○、△であれば実用に供することができる。
3、6、12、15 濾過器
4、13 ストック釜
2、5、11、14 送液ポンプ
8、16 導管
10 添加剤仕込釜
20 合流管
21 混合機
30 加圧ダイ
31 金属支持体
32 ウェブ
33 剥離位置
34 延伸装置
35 乾燥装置
36 搬送ローラー
37 巻取り装置
41 仕込釜
42 ストック釜
43 ポンプ
Claims (5)
- シクロオレフィン系樹脂を含有する光学フィルムであって、
前記シクロオレフィン系樹脂が、少なくとも一つの水素結合受容性基を有するシクロオレフィン系樹脂であり、
フィルム中にアルコール系溶媒とヒンダードフェノール系化合物を含有し、かつ、
メタノールウエッタビリティ法で測定される疎水化度が、メタノールと純水が体積比で3:7の第1溶液を用いたときの当該疎水化度が20%以下であり、メタノールと純水が体積比で6:4の第2溶液を用いたときの当該疎水化度80%以上であるシリカ粒子をフィルムの全質量に対して0.1〜2.5質量%含有することを特徴とする光学フィルム。 - 前記シリカ粒子のフィルム中の二次平均粒径が、100〜400nmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
- 前記アルコール系溶媒を10〜1000ppmの範囲内で含有し、ヒンダードフェノール系化合物を、0.1〜0.5質量%の範囲内で含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学フィルム。
- さらに、水を50〜500ppmの範囲内で含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の光学フィルム。
- 前記光学フィルムの膜厚dが5μm≦d≦40μmであり、測定波長590nmにおける面内位相差Roと厚さ方向の位相差RtがそれぞれRo≦5nm、−15nm≦Rt≦15nmであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の光学フィルム。
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