JP2017088383A - 平ベルト - Google Patents

平ベルト Download PDF

Info

Publication number
JP2017088383A
JP2017088383A JP2015224089A JP2015224089A JP2017088383A JP 2017088383 A JP2017088383 A JP 2017088383A JP 2015224089 A JP2015224089 A JP 2015224089A JP 2015224089 A JP2015224089 A JP 2015224089A JP 2017088383 A JP2017088383 A JP 2017088383A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
flat belt
belt
core body
ear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015224089A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6912857B2 (ja
Inventor
交成 中村
Katanari Nakamura
交成 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP2015224089A priority Critical patent/JP6912857B2/ja
Publication of JP2017088383A publication Critical patent/JP2017088383A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6912857B2 publication Critical patent/JP6912857B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Belt Conveyors (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】織布を使用した平ベルトを使用すると、ベルトの耳部において織布が摩耗し、繊維のホツレ(毛羽立ち)が生じやすい。ホツレが生じると、ベルトの耳部に繋がった糸が長く伸びた状態となり、そのような糸が、運搬中の物品について検知するためのセンサーに誤って検知される場合がある。これは、ベルトを用いた運搬を行っている装置の誤動作の原因となり得る。織布を使用した搬送用の平ベルトにおいて、耳ホツレを抑制する。【解決手段】搬送用の平ベルト1は、繊維布からなり且つ第1のポリマーが含浸された芯体2と、芯体2の少なくとも一方の面に形成された第2のポリマーからなるポリマー層3、4とを備える。第1のポリマーは、硬化剤を含む。【選択図】図1A

Description

本開示は平ベルトに関し、特に、織布を使用した搬送用の平ベルトに関する。
種々の物品の運搬のために平ベルトを用いることは一般的であり、工場の生産ラインにおいて製造途中の製品を運搬するためにも用いられている。
このような平ベルトは、例えば、芯体となる織布にゴムシート等を加圧接着する、非加硫のゴムシート等を積層して加硫成形する等の方法により製造されている。また、継ぎ目の無い平ベルトを製造するためには、芯体として袋織された継ぎ目の無い織布を用い、該芯体にゴムシート等を積層して加硫成形した後、所定のベルト幅に切断してシームレスベルトとする等の方法が知られている。
また、ベルトを用いて物品を運搬する際に、ベルト上の物品の有無、位置、向き等をセンサーにより検知し、その結果に基づいて所定の動作を行うことが一般に行われている。
特開平7−41127号公報
上記のような織布を使用した平ベルトを使用すると、ベルトの耳部において織布が摩耗し、繊維のホツレ(毛羽立ち)が生じやすい。ホツレが生じると、ベルトの耳部に繋がった糸が長く伸びた状態となり、そのような糸が、運搬中の物品について検知するためのセンサーに誤って検知される場合がある。これは、ベルトを用いた運搬を行っている装置の誤動作の原因となり得る。
以上に鑑みて、本開示の目的は、織布を使用した平ベルトにおいて、耳ホツレの発生を抑制又は防止することである。
前記の課題を解決するために、本開示の搬送用の平ベルトは、繊維布からなり且つ第1のポリマーが含浸された芯体と、芯体の少なくとも一方の面に形成された第2のポリマーからなるポリマー層とを備える。第1のポリマーは、硬化剤を含む。
本開示の平ベルトによると、芯体に含浸された第1のポリマーが硬化剤を含むので、硬度が増す代わりに脆くなっている。従って、ホツレが生じても千切れやすく、ベルトの耳部に糸が長く繋がった状態とはなりにくい。この結果、センサーによる誤検知及びそれに伴う装置の誤動作を抑制・防止することができる。
図1Aは、本開示の一実施形態の平ベルトを模式的に示す図である。 図1Bは、図1Aの平ベルトがプーリに巻き掛けられた状態を示す図である。 図2Aは、平ベルトの製造方法を示す図であり、準備された芯材を模式的に示している。 図2Bは、平ベルトの製造方法を示す図であり、芯材にポリマーを塗布する工程を示している。 図2Cは、平ベルトの製造方法を示す図であり、芯材及びその両面に設けられたポリマー層をプレスする工程を示している。 図3Aは、硬化剤を含まないベルトのホツレについて示す図である。 図3Bは、硬化剤を含むベルトのホツレについて示す図である。 図4Aは、耳ホツレ性を評価する装置の構成を示す図であり、横から見たレイアウトを示している。 図4Bは、図4Aの装置を上から見たレイアウトを示している。 図5は、イソシアネートの配合量と耳ホツレ長さとの関係を示す図である 図6は、平ベルトの屈曲疲労性を評価する装置を示す図である。 図7は、イソシアネートと配合量と屈曲疲労寿命指数との関係を示すグラフである。
以下、本開示の一実施形態に係る搬送用の平ベルトについて、図面を参照して説明する。
図1Aは、本実施形態の平ベルト1を模式的に示す断面図(ベルトの幅方向の断面図)である。図1Aに示す通り、平ベルト1は、合成繊維布からなる芯体2を備える(図中、芯体2の波状の線及び円は布を構成する経緯の糸を象徴的に示すものである)。芯体2の一方の面には搬送物を支持する支持層3、他方の面にはプーリと接触するプーリ接触層4が設けられている。また、芯体2には第1のポリマーが含浸されており、且つ、第1のポリマーは硬化剤を含有する。支持層3及びプーリ接触層4は、第2のポリマーからなるポリマー層であり、芯体2上に塗布して形成されたコーティング層、芯体2上に積層されたシート等である。
図1Bには、このような平ベルト1をプーリ5に巻き掛けて使用する様子を示す。この際、プーリ5のプーリフランジ5aと平ベルト1の端部(耳部)とが接触し、摩耗することが平ベルト1に耳ホツレが生じさせる原因の1つであり、従来の平ベルトにおいて問題となっていた。
ここで、芯体2としては、例えば、ポリエステル、ナイロン、ビニロン等の糸を織った織布を用いることができる。ここで、糸の表面に細かな繊維(毛羽)が多いと、芯体2に含浸させる第1のポリマーを物理的に保持する効果が得られる。この点からは、例えばビニロンが望ましい。
第1のポリマー及び第2のポリマーは、同一のポリマーであっても良いし、異なるポリマーであってもよい。同一のポリマーを用いる場合、芯体2と、支持層3及びプーリ接触層4との接着性が良好になり、接着剤等が不要になる場合もある。また、異なるポリマーを用いる場合、芯体2と、支持層3及びプーリ接触層4とに求められる特性に応じてポリマーを選択できる。
第1のポリマー及び第2のポリマーとしては、例えば、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ウレタン、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、シリコンゴム及びフッ素ゴム等を用いることができる。
合成繊維布2に含浸される第1のポリマーが含有する硬化剤は、ポリマーの種類に応じて選択する。例えば、第1のポリマーとしてウレタンを用いる場合には、イソシアネートを用いることができる。また、第1のポリマーとしてクロロプレンゴム又はニトリルゴムを用いる場合、デスモジュール(登録商標)を用いることができる。
このような平ベルト1によると、芯体2に含浸させた第1のポリマーは、硬化剤により硬度が高くなる代わりに柔軟性が低下し、脆くなっている。この結果、ベルトの耳部が摩擦を受けた際に、芯体2を構成する合成繊維布の繊維は短く千切れやすい。つまり、ベルトの耳部に長い繊維が繋がった状態にはなりにくく、ホツレは短くなる。これにより、耳部に繋がったホツレがセンサーの誤動作を生じることは抑制・防止される。
尚、ベルトの表面にポリマーをコーティングすることにより、ベルトの耐摩耗性、耐油性及び耐熱性を向上させる、摩擦係数を織物よりも高くする等の機能を付加することもできる。
(平ベルトの製造方法)
以下、本実施形態の平ベルト1について、図2A〜Cを参照して製造方法の一例を説明する。
まず、図2Aに示すように、袋織により形成されたビニロンの織布を所定の幅に裁断し、筒状の芯体2とする。また、溶媒に第1のポリマーを溶解し、硬化剤を添加して、芯体2に含浸させるためのディッピング液を調整する。次に、芯体2をディッピング液に浸漬し、取り出して乾燥させる。このようにして、第1のポリマーが含浸された芯体2を準備する。
次に、芯体2上に設けられたポリマー層として、支持層3及びプーリ接触層4を形成する。これらは、図2Bに示すように、コーティング層として形成しても良い。第2のポリマーによるコーティング層を形成するためには、まず、溶媒に第2のポリマーを溶解したコーティング液を準備する。コーティング液は、ディッピング液よりもポリマー濃度が高い。従って、第1のポリマーと第2のポリマーとが同一である場合、コーティング液を調整した後に、その一部を溶媒によって希釈すると共に硬化剤を添加してディッピング液としても良い。
続いて、第1のポリマーが含浸された芯体2の表面に、コーティング液をコーティングする。例えば、芯体2を2軸のローラー6に巻き掛けて走行させ、ドクターブレード7を用いて塗布することによりコーティングを行っても良い。
また、ポリマー層は、コーティングに変えて、第2のポリマーからなるシートを用いて形成しても良い。このためには、第2のポリマーからなるシートを別途準備し、第1のポリマーが含浸された芯体2に積層する。この際、芯体とシートとを接着するために、必要に応じて接着剤等を用いる。
尚、図1A等では、芯体2の一方の面に支持層3、他方の面にプーリ接触層4が形成されている。ここで、例えば、支持層3をコーティングにより形成し、プーリ接触層4をポリマーからなるシートの積層により形成しても良い。しかしこれには限らず、芯体2の両面にコーティング層を形成しても良いし、両面にシートを積層するのであっても良い。更に、芯体2の一方の面のみに第2のポリマーからなるポリマー層を形成する構成の平ベルトとすることも可能である。平ベルトの使用目的等によって要求される特性が異なるので、必要に応じて構造を選択すれば良い。一例として、通常、コーティングにより形成した方がシートの積層による場合よりも薄いポリマー層とすることができる。従って、使用する機械に応じて望ましい厚さのベルトを得るために、より薄い平ベルトを製造するためにはコーティングを用い、より厚い平ベルトを製造するためにはシートを用いることが考えられる。また、厚いベルトの方が、摩耗に対して余裕を持たせることができる。
以上のように芯体2上にコーティング又はシートの積層を行った後、図2Cに示すように、プレス機にてプレスする。つまり、製造中の平ベルト1aを2軸のローラー6に巻き掛け、2つのプレス型8と、中敷き9とを有するプレス機を用いてプレスを行い、芯体2の両面にポリマー層である支持層3及びプーリ接触層4を有するベルトを構成する。
更に、用いたポリマーの種類に応じて加硫、乾燥、ヒートセット等を行った後、所定の幅に切断して、例示的平ベルト1を得る。
(試験評価用ベルト)
試験評価用ベルトは、芯体2として、ポリエステル繊維(110dtex)を長さ方向、ビニロン繊維(30番手)を幅方向に用い、袋織により筒状に形成した平織布を用いる。ここでは、幅400mm、周長700mmのものを用いた。
また、芯体2に含浸させる第1のポリマー及びポリマー層を形成するための第2のポリマーとして、いずれもウレタンを用いた。具体的には、日本ミラクトラン社製、商品名P-22SRNATを用いた。
このウレタン100質量部を溶媒であるTHF(500質量部)に溶解し、更に硬化剤としてイソシアネート(住化バイエルウレタン社製、商品名44V20)を所定量(具体的には後述する)加えて、ディッピング液を調整した。
ディッピング液に平織布を浸漬し、乾燥させた後、2軸のローラーに巻き掛け、130℃程度に加熱しながら走行させて皺を伸ばした。
次に、コーティングによりポリマー層(支持層3)を形成するためのコーティング液を準備した。具体的には、ウレタン100質量部を溶媒400質量部に溶解したものを準備した。
イソシアネートを含むウレタンが含浸された芯体2を2軸のローラーに巻き掛け、芯体2の一方の面に、ドクターブレードを用いて上記のコーティング液を塗布した。
コーティングの後、芯体を裏返して、コーティングした面とは反対側の面にプーリ接触層4を形成した。プーリ接触層4は、ウレタンからなるシートを積層することにより形成した。つまり、芯体2に応じた寸法を有する筒状のウレタンシートを準備し、芯体2のコーティングした面とは反対側の面上に被せて積層させた。ここで、芯体2に含浸させたポリマー及びシートを構成するポリマーは同じウレタンであるから、プレス等により芯体とシートとの接着が可能であり、接着剤等は必要としない。
続いて、プレス機を用いて、芯体2と、コーティング層である支持層3と、シートを積層したプーリ接触層4とをプレスし、一体化させる。
この後、ベルトを2軸のローラーに巻き掛けて走行させながら、130℃程度に加熱して乾燥及びヒートセット(寸法安定化)させた。
この後、幅4.5mmに切断し、試験評価用の平ベルトを得た。ベルトの周長は700mm、厚さは0.65mm程度である。
尚、後に述べるとおり、イソシアネートの添加量と、屈曲疲労性及び耳ホツレ性との関係を得るために、イソシアネートの添加量のみが異なる複数の試験評価用ベルトを作成した。添加量は、ウレタン100質量部に対する質量部(PHR)において、添加量を0PHR〜16PHRの範囲で設定した。尚、添加量が0PHRのベルト(比較例の平ベルト)は、芯体2に含浸させるディッピング液に硬化剤(イソシアネート)を加えない点を除いて、上記と同様に作成した。
(目視観察)
図3A及び図3Bに、イソシアネートを含まない比較例の平ベルト及びイソシアネートを6.5PHR含む実施例の平ベルトの写真を示す。いずれも、図の縦方向が平ベルトの幅方向に対応し、上部にベルトの端部(耳)が示されている。
図3Aに示す比較例の平ベルトの場合、耳ホツレが生じており、その長さは約1mm及び2mmである。ベルトの全長に亘って、このような耳ホツレ、特に長さ0.5mm程度以上の耳ホツレが生じている。これに対し、図3Bに示す実施例の平ベルトでは、耳ホツレが発生するとしても、その長さは0.5mm未満となっている。
(耳ホツレ性評価)
図4A及び図4Bに、ベルトの耳ホツレ性を評価する装置の構成(プーリレイアウト等)を示している。図4Aは横から見たレイアウトであり、図4Bは上から見たレイアウトである。つまり、一頂点を下方にした正三角形状に3つのプーリ21が配置され、これに平ベルト1が巻き掛けられている(図を見やすくするために、図4Bにおいて下方のプーリ21は省略している)。また、平ベルト1の端部(耳部)に、支持具23を用いてサンドペーパー22を荷重200gにて押しつける。このような状態で平ベルト1を走行させて、発生する耳ホツレの長さ、つまり、ベルトの耳部に繋がっている糸くずの長さを測定した。
尚、プーリ21の径は30mm、回転数は110rpmであり、走行時間は10分とした。また、サンドペーパー22の粒度は60番であり、幅25mmのものを用いた。
測定の結果を図5のグラフに示す。ここでは、イソシアネートの添加量と、発生した耳ホツレの長さとの関係を示している。イソシアネートの添加量は、ウレタン100質量部に対する質量部(PHR)によって示している。また、耳ホツレの長さは、観察された最大値を示している。但し、添加量が0PHRの場合の耳ホツレ長さは1mm以上であることを意味している。
(屈曲疲労性の評価)
図6に、屈曲疲労性を評価する装置の構成(プーリレイアウト)を示している。ここでは、軸数が8のレイアウトにおいて、プーリに巻き掛けられたベルトは十字型を呈している。つまり、四角形に配置された4つの第1プーリ11の外側に試験評価用の平ベルト1が巻き掛けられ、各第1プーリの間において、第2プーリ12によって平ベルト1が内側に押し込まれている。平ベルト1は、第1プーリ11において内側に約180°、第2プーリ12において外側に約90°屈曲した状態で走行することになる。第1プーリ11及び第2プーリ12は、共に軸径が25mmである。
このようなレイアウトにおいて平ベルト1を走行させて、屈曲後の破断強度を比較した。イソシアネートの添加量と、測定した屈曲疲労性との関係を図7のグラフに示す。ここで、縦軸の屈曲疲労寿命指数とは、イソシアネートを含有しないウレタンを用いた比較例の場合を1とする指数である。イソシアネートの添加量は、ウレタン100質量部に対する質量部(PHR)によって示している。
尚、プーリの回転数は1000rpm、ベルト速度は1.31m/s、ベルト回転回数は1.87回/s、走行時間は186時間、屈曲回数は1.00×10回である。
(試験評価結果)
図3A及びBに示す通り、ウレタンにイソシアネートを配合することにより、耳ホツレの発生自体が抑制される。また、耳ホツレが発生したとしても、その長さは(イソシアネートを配合しない場合に比べて)短くなる。
このように、ウレタンにイソシアネートを配合することにより、発生する耳ホツレの長さは短くなることについて、図5に示す。既に述べた通り、長い耳ホツレが発生すると、ベルトで運搬する物品を検知するためのセンサーが耳ホツレを誤って検知してしまい、装置の誤動作を招く。ホツレが発生したとしても、十分に短いものであれば、センサーの誤動作を回避することができる。つまり、ホツレを短くすることが望ましく、例えば、長さ0.5mm未満とすることが望ましい。
ここで、ウレタンに対するイソシアネートの配合量を多くすることによりホツレの長さは短くなるが、特に、配合量が0PHRから2PHR程度までの間ではホツレが急激に短くなる。それ以上の配合量ではホツレは緩やかに短くなり、8〜10PHR程度を越えるとほぼ変化しなくなる。従って、ウレタンに対するイソシアネートの配合量は、耳ほつれ長さの変曲点となっている添加量2PHR以上とするのが良い。添加量が2PHRの際、耳ホツレの長さは0.4mm程度であって、望ましい範囲の値である。
更に、図7に示す通り、合成繊維布2に含浸させるウレタンにおけるイソシアネートの含有量が増えると、屈曲疲労寿命指数は低下している。これについて、硬化剤であるイソシアネートの含有量が増えると、その効果として合成繊維布2自体が曲がりにくくなることが原因であると考えられる。つまり、プーリ上で合成繊維布2が屈曲した際に繊維が切断されてしまい、合成繊維布2の強度が低下することになる。
但し、屈曲疲労寿命指数の低下は、イソシアネートの含有量が小さい範囲であれば僅かであり、含有量が一定値を超えると急激に低下する。図7には、ウレタンに対するイソシアネートの配合量が10PHRを越えると屈曲疲労寿命指数が急速に低下する(屈曲疲労寿命指数の変曲点が10PHRである)ことが示されている。このことから、イソシアネートの配合量は10PHR以下とするのが良い。
以上の通り、合成繊維布2に含浸させるポリマー(例えばウレタン)に対し、2PHR以上で且つ10PHR以下の硬化剤(例えばイソシアネート)を配合することにより、屈曲疲労寿命指数の低下を抑えながら、耳ホツレの発生自体を抑制すると共に耳ホツレの長さを短くすることができる。これにより、繊維クズによる搬送物及び/又は周囲の汚染を抑制・防止可能な平ベルトが実現する。尚、ウレタン及びイソシアネートとは異なるポリマー及び硬化剤を用いる場合にも、同様にして適切な硬化剤の配合量を設定すれば良い。
本開示の平ベルトによると、耳ホツレの発生を抑制することができるので、センサーの誤動作を抑制・防止可能な平ベルトとして有用である。
1 平ベルト
2 芯体
3 支持層
4 プーリ接触層
5 プーリ
5a プーリフランジ
6 ローラー
7 ドクターブレード
8 プレス型
9 中敷き
11 第1プーリ
12 第2プーリ
21 プーリ
22 サンドペーパー
23 支持具

Claims (7)

  1. 搬送用の平ベルトにおいて、
    繊維布からなり且つ第1のポリマーが含浸された芯体と、
    前記芯体の少なくとも一方の面に形成された第2のポリマーからなるポリマー層とを備え、
    前記第1のポリマーは、硬化剤を含むことを特徴とする平ベルト。
  2. 請求項1の平ベルトにおいて、
    前記ポリマー層として、前記芯体上に形成されたコーティング層を有することを特徴とする平ベルト。
  3. 請求項1の平ベルトにおいて、
    前記ポリマー層として、前記芯体に積層されたシートからなる層を有することを特徴とする平ベルト。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つの平ベルトにおいて、
    前記硬化剤は、前記第1のポリマー100質量部に対して、2質量部以上且つ10質量部以下の範囲で含まれていることを特徴とする平ベルト。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つの平ベルトにおいて、
    前記繊維布は、ポリエステル、ナイロン及びビニロンのうちの少なくとも1つからなることを特徴とする平ベルト。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つの平ベルトにおいて、
    前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーは、同じ又は異なるポリマーであり、それぞれ、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ウレタン、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、シリコンゴム及びフッ素ゴムのいずれか1つであることを特徴とする平ベルト。
  7. 請求項1〜5のいずれか1つの平ベルトにおいて、
    前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーはいずれもウレタンであり、前記硬化剤はイソシアネートであることを特徴とする平ベルト。
JP2015224089A 2015-11-16 2015-11-16 平ベルト Active JP6912857B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015224089A JP6912857B2 (ja) 2015-11-16 2015-11-16 平ベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015224089A JP6912857B2 (ja) 2015-11-16 2015-11-16 平ベルト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017088383A true JP2017088383A (ja) 2017-05-25
JP6912857B2 JP6912857B2 (ja) 2021-08-04

Family

ID=58767666

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015224089A Active JP6912857B2 (ja) 2015-11-16 2015-11-16 平ベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6912857B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10297730A (ja) * 1997-04-24 1998-11-10 Mitsuboshi Belting Ltd 樹脂製コンベヤベルト
JP2000141508A (ja) * 1989-06-19 2000-05-23 Ricoh Co Ltd 用紙移送ベルト
JP2001097520A (ja) * 1999-09-29 2001-04-10 Bando Chem Ind Ltd 樹脂製コンベヤベルト
JP2005154146A (ja) * 2003-10-30 2005-06-16 Mitsuboshi Belting Ltd 搬送ベルト及びその製造方法
JP2006144847A (ja) * 2004-11-17 2006-06-08 Bando Chem Ind Ltd 樹脂ベルト
JP2013177237A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Mitsuboshi Belting Ltd シームレスベルト
JP2015067442A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 三ツ星ベルト株式会社 搬送ベルト
WO2015163168A1 (ja) * 2014-04-25 2015-10-29 横浜ゴム株式会社 コンベヤベルト用コートゴム組成物

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000141508A (ja) * 1989-06-19 2000-05-23 Ricoh Co Ltd 用紙移送ベルト
JPH10297730A (ja) * 1997-04-24 1998-11-10 Mitsuboshi Belting Ltd 樹脂製コンベヤベルト
JP2001097520A (ja) * 1999-09-29 2001-04-10 Bando Chem Ind Ltd 樹脂製コンベヤベルト
JP2005154146A (ja) * 2003-10-30 2005-06-16 Mitsuboshi Belting Ltd 搬送ベルト及びその製造方法
JP2006144847A (ja) * 2004-11-17 2006-06-08 Bando Chem Ind Ltd 樹脂ベルト
JP2013177237A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Mitsuboshi Belting Ltd シームレスベルト
JP2015067442A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 三ツ星ベルト株式会社 搬送ベルト
WO2015163168A1 (ja) * 2014-04-25 2015-10-29 横浜ゴム株式会社 コンベヤベルト用コートゴム組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6912857B2 (ja) 2021-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102330871B1 (ko) 마찰 전동 벨트
JP6283097B2 (ja) ゴム補強用短繊維、該短繊維含有ゴム組成物及び動力伝動ベルト
WO2011027380A1 (ja) 平ベルト
JP5860906B2 (ja) 伝動ベルト及びその製造方法
JPWO2015049808A1 (ja) 織物からなる被覆物を被覆してなるローラとそれを用いた装置
US10570990B2 (en) Endless flat belt and method for manufacturing the same
JP6334595B2 (ja) ラップドvベルト及びラップドvベルトの製造方法
JP6343872B2 (ja) スチールコードおよびゴム製品の製造方法
JP4834331B2 (ja) 摩擦伝動ベルト及びそれを用いたベルト伝動装置
WO2016175265A1 (ja) ラップドvベルト及びラップドvベルトの製造方法
JP5835165B2 (ja) スチールコードおよびゴム製品の製造方法
JP2017088383A (ja) 平ベルト
JP6837920B2 (ja) ラップドvベルト、及びラップドvベルトの製造方法
JP2009270583A (ja) 伝動ベルトおよび搬送ベルト
JP2017100848A (ja) 無端状平ベルトおよびその製造方法
CN111372762A (zh) 带状皮带、无接缝皮带、以及其制造方法
JP6868575B2 (ja) 両面伝動ベルトの製造方法
JP6770901B2 (ja) 搬送ベルトおよび搬送ベルトの製造方法
JP5088781B2 (ja) フリクションベルト
JP2007314895A (ja) 糸撚りベルト
JP6943787B2 (ja) ラップドvベルト及びその製造方法
JP6902443B2 (ja) 摩擦伝動ベルト
JP2012167711A (ja) 伝動ベルト
JP2017043435A (ja) 紙葉類搬送用ベルト及びその製造方法、並びにそれを用いた紙葉類搬送装置
JP2022171350A (ja) 歯付ベルト

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190718

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190806

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191002

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200331

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210629

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210709

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6912857

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150