JP2017071372A - 弾性クローラ及び弾性クローラ装置 - Google Patents

弾性クローラ及び弾性クローラ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】屈曲抵抗の抑制された弾性クローラおよびその弾性クローラにより走行時のパワーロスが低減され、ひいては燃費を向上させることができる弾性クローラ装置を提供する。【解決手段】弾性クローラ1Aは、弾性を有する無端帯状の本体2の内周面2fに、内周面2fを凹ませて幅方向または幅方向に対して傾斜して延びるV溝6が設けられている。V溝6の本体の周方向における溝幅と溝深さとの比率は(1.05〜2.05):1とすることが好ましい。弾性クローラ装置は、弾性クローラ1Aを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、弾性クローラ及び弾性クローラ装置に関する。
従来の弾性クローラには、無端帯状の本体(弾性クローラ本体)の内周面(内周部)に、転輪転動面(転輪通過面)の幅方向外縁から延びて本体の幅方向外縁(クローラ本体の幅端)に開放される凹部(第1凹部)を周方向に間隔を置いて形成することにより、本体の周方向における屈曲抵抗を局所的に低下させることで本体が曲がり易くなることにより、走行時のパワーロスが低減され、ひいては燃費が向上するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2012−111368号公報
しかしながら、本願発明者は、試験・研究の結果、本体の周方向における屈曲抵抗の抑制には、さらに凹部の断面形状が関係していることを認識するに至った。
そこで、本発明の目的は、屈曲抵抗の抑制された、弾性クローラおよび弾性クローラ装置を提供することにある。
本発明に係る弾性クローラは、弾性を有する無端帯状の本体の内周面に、当該内周面を凹ませて前記本体の幅方向に延びるV溝を設けたことを特徴とする。
なお、ここで、「本体の幅方向に延びる」とは、幅方向に対して平行に延びることだけでなく、幅方向に対して傾斜して延びる場合を含む意味である。
本発明に係る弾性クローラによれば、屈曲抵抗の抑制された、弾性クローラを提供することができる。
本発明に係る弾性クローラでは、前記V溝の前記本体の周方向における溝幅と、当該V溝の溝深さとの比率を(1.05〜2.05):1とすることが好ましい。
この場合、V溝の表面が繰り返し屈曲される事で発生する亀裂を抑制することができる。
本発明に係る弾性クローラでは、前記本体の周方向に間隔を置いて当該本体に埋設される、複数の芯金を有し、前記本体の周方向に隣接する当該芯金の間にそれぞれ、前記V溝を設けることが好ましい。
この場合、V溝の表面が繰り返し屈曲される事で発生する亀裂を抑制することができる。
本発明に係る弾性クローラでは、前記内周面の一部が転輪転動面を形成し、当該転輪転動面に、前記本体の幅方向に対して傾斜して延びる前記V溝を設けることが好ましい。
この場合、屈曲抵抗を抑制しつつ、転輪等に嵌まったり、落ちたりすることで生じる上下動に伴う振動を併せて抑制することができる。
本発明に係る弾性クローラでは、前記V溝を、前記転輪転動面の前記本体の幅方向全体にわたって延在させることが好ましい。
この場合、さらに屈曲抵抗を抑制することができる。
本発明に係る弾性クローラ装置は、上述のいずれか1つの弾性クローラを備えることを特徴とする。
本発明に係る弾性クローラ装置によれば、屈曲抵抗の抑制された、弾性クローラ装置を提供することができる。
本発明によれば、屈曲抵抗の抑制された、弾性クローラおよび弾性クローラ装置を提供することができる。
(a)は、本発明の第1の実施形態に係る弾性クローラの一部を、その内周面側から示した平面図であり、(b)は、(a)のA−A断面図である。 図1(a)のX−X断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る弾性クローラの一部を、その内周面側から示した平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る弾性クローラの一部を、その内周面側から示した平面図である。 本発明に係る弾性クローラをモデル化した解析モデルの斜視図である。 (a)は、本発明の実施例1に係る解析モデルの、V溝の溝幅及び溝深さを説明するための側面図であり、(b)は、本発明の実施例1に係る解析モデルをモデル化されたスプロケットに巻き掛けたと仮定したときの、歪分布の解析結果を、解析モデルの内周面側から示す分布特性データである。 (a),(b)はそれぞれ、図6(b)の一部を拡大した分布特性データである。 (a)は、本発明の実施例2に係る解析モデルの、V溝の溝幅及び溝深さを説明するための側面図であり、(b)は、本発明の実施例2に係る解析モデルをモデル化されたスプロケットに巻き掛けたと仮定したときの、歪分布の解析結果を、解析モデルの内周面側から示す分布特性データである。 (a),(b)はそれぞれ、図8(b)の一部を拡大した分布特性データである。 (a)は、本発明の実施例3に係る解析モデルの、V溝の溝幅及び溝深さを説明するための側面図であり、(b)は、本発明の実施例3に係る解析モデルをモデル化されたスプロケットに巻き掛けたと仮定したときの、歪分布の解析結果を、解析モデルの内周面側から示す分布特性データである。 (a),(b)はそれぞれ、図10(b)の一部を拡大した分布特性データである。 (a)は、本発明の実施例4に係る解析モデルの、V溝の溝幅及び溝深さを説明するための側面図であり、(b)は、本発明の実施例4に係る解析モデルをモデル化されたスプロケットに巻き掛けたと仮定したときの、歪分布の解析結果を、解析モデルの内周面側から示す分布特性データである。 (a),(b)はそれぞれ、図12(b)の一部を拡大した分布特性データである。 (a)は、本発明の比較例1に係る解析モデルの側面図であり、(b)は、比較例1に係る解析モデルをモデル化されたスプロケットに巻き掛けたと仮定したときの、歪分布の解析結果を、解析モデルの内周面側から示す分布特性データである。 (a),(b)はそれぞれ、図14(b)の一部を拡大した分布特性データである。
以下、図面を参照して、本発明の様々な実施形態に係る、弾性クローラ及び弾性クローラ装置を説明する。
図1(a)及び図2中、符号1Aは、本発明の第1の実施形態に係る、弾性クローラである。弾性クローラ1Aは、弾性を有する無端帯状のクローラ本体(本体)2を有する。本実施形態では、クローラ本体2は、ゴム材料で構成されている。以下の説明では、符号Wは、クローラ本体2の幅方向(本体の幅方向)(以下、単に「幅方向」ともいう)である。また、符号Lは、クローラ本体2の周方向(本体の周方向)(以下、単に「周方向」ともいう)である。さらに、符号Dは、クローラ本体2の厚み方向(本体の厚み方向)(以下、単に「厚み方向」ともいう)である。なお、ここで、厚み方向とは、クローラ本体2を水平に伸ばしたときの垂線の方向とする。
符号3は、クローラ本体2に埋設された芯金である。本実施形態では、図1(a)の破線で示すように、複数の芯金3が周方向に間隔を置いて埋設されている。芯金3はそれぞれ、クローラ本体2をその幅方向に二等分して当該クローラ本体2の周方向に延びるクローラ幅中心線O2上に配置される中心部3aと、中心部3aを挟んで幅方向外側に伸びる一対の翼部3bと、を有し、また、芯金3の中心部3aには、一対の突起部3cが幅方向に間隔をおいて設けられている。
図2中、符号4は、クローラ本体2に埋設されたメインコード層である。メインコード層4は、例えば、周方向に沿って延在する、複数の抗張体(例えば、スチールコード)4aを幅方向に間隔を置いて配置してなる。本実施形態では、メインコード層4は、芯金3の翼部3bのクローラ本体2の外周面側(図面下側)に埋設されている。
符号5は、クローラ本体2の外周側に設けられたラグである。ラグ5は、クローラ本体2の外周側に、周方向に間隔を置いて設けられている。本実施形態では、ラグ5は、ゴム材料で構成されている。ラグ5は、例えば、クローラ本体2の外周面に加硫接着することができ、また、クローラ本体2と一体に成形することもできる。
符号6は、クローラ本体2の内周面2fに設けられたV溝である。V溝6は、クローラ本体2の内周面2fをV字形に凹ませることで形成されている。本実施形態では、V溝6は、図1(a)に示すように、当該V溝6の溝幅中心線O6に沿って延びると共に、図1(b)に示すように、V溝6の溝幅中心線O6に対して線対称な輪郭形状を有している。詳細には、溝幅中心線O6は、図1(b)に示すように、V溝6の溝底6aを通ってV溝6の溝幅wを二等分する線であり、V溝6の輪郭形状は、溝底6aからクローラ本体2の内周面2fに向かって傾斜して当該内周面2fに繋がる2つの溝側面6bをそれぞれ、溝幅中心線O6に対して線対称に配置した形状をしている。
好適には、V溝6は、以下のとおり、V溝6のクローラ本体2の周方向における溝幅、本実施形態では、V溝6の溝幅wの溝幅成分のうち、クローラ本体2の幅中心線O2に対して平行に延びる溝幅成分(以下、「周方向溝幅」ともいう)w1と、当該V溝6の溝深さdとの比率を2:1としている。
1.05:1<w:d=2.05:1
ここで、V溝6の周方向溝幅w1とは、V溝6の周方向溝幅w1がV溝6の延びる方向(溝幅中心線O6の延びる方向)で変化する場合には、その最大値を意味し、また、溝深さdとは、溝深さdがV溝6の延びる方向で変化する場合には、その最大値を意味している。具体例としては、周方向溝幅w1及び溝深さdの寸法はそれぞれ、抗張体4から後述する転輪転動面2aまでのゴム厚さに対して、25〜50%の範囲にする。なお、図2には、V溝6のクローラ本体2の幅方向における幅方向溝幅w2を示す。
V溝6は、図1(a)に示すように、クローラ本体2の平面視で、クローラ本体2の幅方向に延びている。なお、ここで、「クローラ本体2の幅方向に延びる」とは、クローラ本体2の幅方向に対して平行に延びることだけでなく、クローラ本体2の幅方向に対して傾斜して延びる場合を含む意味である。本実施形態では、V溝6は、それぞれ、クローラ本体2の周方向に隣接する、芯金3の間に設けられている。詳細には、V溝6は、クローラ本体2の内周面2fの一部が転輪転動面2aを形成し、当該転輪転動面2aに、クローラ本体2の幅方向に対して傾斜して延びている。また、V溝6は、転輪転動面2aの幅方向全体にわたって延びている。
本実施形態では、転輪転動面2aは、クローラ本体2の周方向に沿って延在し、クローラ本体2の内周面2fの一部を内周側に膨出させることで設けられている。本実施形態では、2つの転輪転動面2aがクローラ本体2の幅方向に間隔を置いて設けられている。
また、本実施形態では、V溝6は、クローラ本体2の幅中心線O2に対して線対称な位置に設けられている。本実施形態では、弾性クローラ1Aは、図1(a)の平面視で、クローラ本体2の幅中心線O2に対して線対称な位置に設けられている、2つのV溝6が前進方向に向かって互いに接近するように、機体に巻き掛けることが好ましい。この場合、V溝6内に?み込んだ異物を弾性クローラ1Aの幅方向外側に排出させることができる。
加えて、本実施形態では、クローラ本体2の周方向に隣接する、芯金3の間にそれぞれ、クローラ本体2の内周面2fの一部を幅方向に沿って凹ませた第1凹部2bを設けている。詳細には、第1凹部2bは、転輪転動面2aの幅方向外縁2a1とクローラ本体2の幅方向外縁2eとの間を幅方向に延びている。更に、本実施形態では、クローラ本体2の内周面2fに、後述のスプロケット20が係合する係合部2dを設け、この係合部2dは、クローラ本体2の内周面2fの一部を幅方向に沿って凹ませた位置に設けられている。加えて、本実施形態では、転輪転動面2aと係合部2dとの間に、クローラ本体2の内周面2fの一部を幅方向に沿って凹ませた第2凹部2cを設けている。これにより、本実施形態に係る、クローラ本体2は、第1凹部2b、V溝6、第2凹部2c、及び係合部2dによって形作られた、クローラ本体2の2つの幅方向外縁2e間を延びる凹部を、周方向に間隔を置いて有している。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aのように、クローラ本体2の内周面2fに、当該内周面2fを凹ませて幅方向に延びるV溝6を設ければ、歪みが最大になる転輪転動面2aを除くクローラ本体2の内周表面から、歪みが小さくなる転輪転動面2a側に向かうに従い、V溝6の溝幅を狭くすることで、弾性クローラ1Aを機体に巻き掛けたときに、クローラ本体2の内周面2fで、繰り返し屈曲で発生する亀裂や屈曲抵抗に影響を与える高い歪や歪の広範囲にわたる発生が見られず、クローラ本体2の周方向での屈曲抵抗が抑制され、弾性クローラ1A全体が曲げ易くなる。このため、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、走行時のパワーロスが低減され、ひいては燃費を向上させることができる。
特に、本実施形態に係る弾性クローラ1Aのように、V溝6の周方向溝幅w1と、V溝6の溝深さdとを(1.05〜2.05):1の比率で規定すれば、V溝6の表面が繰り返し屈曲される事で発生する亀裂を抑制することができる。
また、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、クローラ本体2の周方向に間隔を置いてクローラ本体2に埋設される、複数の芯金3を有し、クローラ本体2の周方向に隣接する、当該芯金3の間にV溝6を設けたことで、V溝6の表面が繰り返し屈曲される事で発生する亀裂を抑制することができる。また、こうした構成によれば、クローラ本体2の周方向での屈曲抵抗が効果的に抑制され、弾性クローラ1A全体が効果的に曲げ易くなるため、走行時のパワーロスが効果的に低減され、ひいては燃費を効果的に向上させることができる。
更に、本実施形態に係る弾性クローラ1Aのように、クローラ本体2の内周面2fの一部が転輪転動面2aを形成し、当該転輪転動面2aに、幅方向に対して傾斜して延びるV溝6を設ければ、V溝6を転輪転動面2aの幅方向全体に設けても、図2に示すように、機体の転輪等との接触部分でV溝6が占める割合は小さい。このため、機体の転輪等がV溝6上にあっても、図2に示すように、機体の転輪等がV溝6に嵌まったり、落ちたりすることがない。したがって、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、屈曲抵抗を抑制しつつ、機体の転輪等がV溝6に嵌まったり、落ちたりすることで生じる上下動に伴う振動を併せて抑制することができる。なお、この場合には、例えば、V溝6は、転輪の全幅が同時に溝と一致しないように、クローラ本体2の幅方向に対して角度が付いているとことが好ましい。
特に、本実施形態に係る弾性クローラ1Aのように、転輪転動面2aに設けたV溝6を転輪転動面2aの幅方向全体にわたって延在させれば、クローラ本体2の周方向での屈曲抵抗をさらに抑制することができる。
次に図3中、符号1Bは、本発明の第2の実施形態に係る、弾性クローラである。なお、以下の説明において、第1の実施形態に係る弾性クローラ1Aと実質的に同一の部分は同一の符号をもって、その説明を省略する。
本実施形態に係る弾性クローラ1Bでは、第1の実施形態に係る弾性クローラ1Aと異なり、転輪転動面2aに設けられたV溝6が、図3の平面視において、クローラ本体2の幅中心線O2を挟んで左右両側で同じ方向に傾斜している。弾性クローラ1Bが図の下方向に進んだ場合、V溝6内に噛み込んだ異物を図の左方向に選択的に排出することができる。
更に図4中、符号1Cは、本発明の第3の実施形態に係る、弾性クローラである。なお、以下の説明において、他の実施形態と実質的に同一の部分は同一の符号をもって、その説明を省略する。
本実施形態に係る弾性クローラ1Cでは、他の弾性クローラ1B及び1Cと異なり、クローラ本体2の転輪転動面2aに設けられたV溝6は、図4の平面視で、周方向に突出する輪郭形状(延在形状)を有する。詳細には、V溝6は、図4の平面視で、折り返し点6eを有し、当該折り返し点6eに繋がる2つの延在部分6c及び6dがそれぞれ、折り返し点6eに向かうに従って互いに接近する向きに傾斜している。より詳細には、V溝6の2つの延在部分6c及び6dはそれぞれ、直線部分として形成されている。これにより、V溝6は、図4の平面視で、幅方向にV字形に延びる輪郭形状を有している。なお、図4の平面視での、V溝6の輪郭形状は、少なくとも1つのV字形を有していればよい。このため、本実施形態に係る弾性クローラ1Cでは、V溝6は、幅方向に沿って複数のV字形の輪郭形状が組み合わされたジグザク形状とすることができる。また、2つの延在部分6c及び6dはそれぞれ、直線部分に限定されることなく、曲線部分として形成することができる。
更に、本実施形態に係る弾性クローラ1Cでは、転輪転動面2aに設けられたV溝6は、図4の平面視において、クローラ本体2の係合部2dの中心点P2(図4では、符号を1つの係合部2dだけに例示的に付している)を中心とする回転対象な位置に設けられている。この場合、弾性クローラ1Cが屈曲した時に、V溝6の折り返し点6eと2つの延在部分6c及び6dとで変形が異なるため、V溝6内に異物が噛み込み難い。
次に、本発明に係る弾性クローラ装置は、本発明に係る弾性クローラを備える。
例えば、本発明の一実施形態に係る弾性クローラ装置は、上記弾性クローラ1A〜1Cのいずれかを備えている。
具体例としては、図2に示すように、少なくとも、弾性クローラ1Aと、回転体10とを有している。詳細には、回転体10は、弾性クローラ装置を構成する転輪である。回転体10は、クローラ本体2に設けられた転輪転動面2a上を転動する。詳細には、回転体10は、2つのローラ11が連結軸12を介して連結されている。これにより、図2の破線で示すように、2つの転輪転動面2aでは、それぞれ、弾性クローラ1Aを駆動させる際に、2つのローラ11が転動する。
更に図2中、符号S及びIは、それぞれ、弾性クローラ装置を構成するスプロケットまたはアイドラである。本実施形態では、スプロケットSは、弾性クローラ1Aを駆動させるための駆動輪を構成し、図2では、符号21で示す円盤状の回転本体と、回転本体21の外周面に周方向に間隔を置いて配置される複数の歯22とで構成されている。また、アイドラIは、弾性クローラ1Aに追従して回転する従動輪を構成し、図2では、回転本体21のみで構成されている。詳細には、スプロケットSは、図2に示すように、その歯21がクローラ本体2に設けられた係合部2dに係合して、弾性クローラ1Aを駆動させ、アイドラ20は、その歯22がクローラ本体2に設けられた係合部2dに係合して、スプロケットSで駆動させた弾性クローラ1Aに従動する。なお、図2では、図面の簡略化のため、スプロケットS及びアイドラIは、同一平面上に表記されているが、実際には、図面表側及び裏側に間隔を置いて配置されている。
本実施形態では、係合部2dは、クローラ本体2の幅中心線O2上にあって、周方向に隣接する芯金3の相互間に幅方向に対応する位置に設けられている。本実施形態では、係合部2dは、クローラ本体2を厚み方向に貫通する貫通孔で構成されているが、クローラ本体2を厚み方向に貫通させることなく、窪み部とすることもできる。或いは、回転体10は、弾性クローラ1Aを駆動させる、又は、弾性クローラ1Aに従動する摩擦車として、回転体10をクローラ本体2の転輪転動面2a上で転動させることができる。この場合、クローラ本体2の係合部2dは不要であり、回転体10は、摩擦車としての、駆動輪、従動輪及び転輪である。
上述のような本実施形態に係る弾性クローラ装置によれば、弾性クローラ1Aを機体に巻き掛けたときに、クローラ本体2の内周面2fで高い歪の分布が見られず、クローラ本体2の周方向での屈曲抵抗が抑制され、弾性クローラ1A全体が曲げ易くなるため、走行時のパワーロスが低減され、ひいては燃費を向上させることができる。
屈曲抵抗の抑制された、弾性クローラ装置を提供することができる。
このように、本発明によれば、屈曲抵抗の抑制された、弾性クローラおよび弾性クローラ装置を提供することができる。
図5に示すように、弾性クローラの一部を切り取ってモデル化した弾性クローラ(以下、「解析モデル」ともいう)を用いて、本発明の実施例に係る弾性クローラの巻き掛け時に生じる歪をFEM解析した。解析モデルは、クローラ本体が内周ゴム及び外周ゴムからなり、スチールコードは、クローラ本体を構成する膜要素とした。材料特性は、以下の表1に示すように仮定した。
本発明の実施例では、FEM解析における境界条件は、解析モデルの周方向外端のスチールコードをそれぞれ、y軸方向(ここでは、解析モデルの厚み方向の外周側を正(+)とする)に固定し、図5に示すように、解析モデルの内周面にスプロケットを接触させた状態を初期条件とした。歪εの解析は、この条件からスプロケットをy軸方向にy=−266.00mmだけ移動させ、解析モデルをスプロケットに巻き掛けると仮定して行った。なお、解析モデルを巻き掛けるスプロケットは、直径φ=350mm、幅30mmの剛体ディスクとしてモデル化した。
[実施例1]
実施例1では、図6(a)に示すように、V溝の周方向溝幅w1及びV溝の溝深さdをそれぞれ、w1=20.5mm、d=10.0mmと設定した。歪分布の解析結果は、図6(b)に示し、図7(a),(b)は、図6(b)の拡大図である。
図6(b)及び図7(a),(b)では、歪分布を色分けしている。ここでは、歪εが大きい程、また、歪εが広範囲に分布する程、屈曲抵抗が高く、色彩が、緑色→薄緑色→青緑色→薄青色→青色→濃青色→紫→赤色に変化するに従って、歪εも大きくなることを示している。図6(b)に示すように、実施例1の解析モデルでは、大きな歪は生じていない。また、図7(a),(b)に示すように、解析モデルの曲げ中心のV溝の溝底の歪εを局所的に解析したところ、ε=0.29、ε=0.30であった。
[実施例2]
実施例2では、図8(a)に示すように、V溝の周方向溝幅w1及び溝深さdをそれぞれ、w1=10.5mm、d=10.0mmと設定した。歪分布の解析結果は、図8(b)に示し、図9(a),(b)は、図8(b)の拡大図である。
図8(b)に示すように、実施例2の解析モデルでは、実施例1と比較して、溝領域の歪εは大きくなっているものの、これらの歪εは、屈曲抵抗に大きく影響を与える程ではない。また、図9(a),(b)に示すように、解析モデルの曲げ中心のV溝の溝底の歪εを局所的に解析したところ、ε=0.32、ε=0.39、ε=0.40、ε=0.43であった。
[実施例3]
実施例3では、図10(a)に示すように、V溝の周方向溝幅w1及び溝深さdをそれぞれ、w1=20.5mm、d=20.0mmと設定した。歪分布の解析結果は、図10(b)に示し、図11(a),(b)は、図10(b)の拡大図である。
図10(b)に示すように、実施例3の解析モデルでも、実施例1と比較して、溝領域の歪εは大きくなっているものの、これらの歪εは、屈曲抵抗に大きく影響を与える程ではない。また、図11(a),(b)に示すように、解析モデルの曲げ中心のV溝の溝底の歪εを局所的に解析したところ、ε=0.35、ε=0.46、ε=0.48、ε=0.52であった。
[実施例4]
実施例4では、図12(a)に示すように、芯金間に2つのV溝を設けている。2つのV溝において、その溝深さdはそれぞれ、d=9.6mmで等しいが、V溝の周方向溝幅w1は、一方をw1=10.5mm、他方をw1=13.0mmと設定した。歪分布の解析結果は、図12(b)に示し、図13(a),(b)は、図12(b)の拡大図である。
図12(b)に示すように、実施例3の解析モデルでも、実施例1と比較して、溝領域の歪εは大きくなっているものの、これらの歪εは、屈曲抵抗に大きく影響を与える程ではない。また、図13(a),(b)に示すように、解析モデルの曲げ中心のV溝の溝底の歪εを局所的に解析したところ、ε=0.38、ε=0.39であった。なお、実施例4では、2つのV溝は、図5(c)に示すように、夫々の溝底が溝幅中心線に対して、互いに接近する方向にオフセットしている。
[比較例1]
比較例1では、図14(a)に示すように、解析モデルの内周面にはV溝が存在しない。歪分布の解析結果は、図14(b)に示し、図15(a),(b)は、図14(b)の拡大図である。
図14(b)に示すように、比較例1の解析モデルでも、実施例1〜4と比較して、歪εは広い範囲に分布し、濃青色の領域、即ち、歪εが大きい領域が多い。このため、実施例1〜4と比較すると、曲げ抵抗(曲げ剛性)が高い。なお、図15(a),(b)に示すように、解析モデルの内周面の歪εを局所的に解析したところ、ε=0.13、ε=0.14、ε=0.28であった。
上述した解析結果に基づき、実施例1〜4の溝領域での最大歪を以下の表2に示す。
上述した解析結果から、弾性クローラの曲げ抵抗は、最大歪の最も小さい実施例1で最も軽減され、次いで、実施例2、実施例3となることが明らかになった。実施例1は、2つのV溝を用いた実施例4と比較しても、最大歪が小さく、弾性クローラの曲げ抵抗がより軽減されていることが明らかである。即ち、上述した解析結果から、弾性クローラの曲げ抵抗を軽減するには、クローラ本体の幅方向に延びる凹部をV溝で構成し、実施例1のように、V溝の周方向溝幅w1の最大値と、V溝の溝深さdの最大値との比率を2:1とすることが最も好ましい。
上述したところは、本発明のいくつかの実施形態及び実施例を開示したにすぎず、特許請求の範囲に従えば、様々な変更が可能となる。例えば、上述の各実施形態では、本発明に係る弾性クローラを、芯金を有する弾性クローラで説明したが、本発明は、芯金を有しない弾性クローラに適用することができる。
本発明は、弾性を有する無端帯状の本体を有する、弾性クローラ及び、これを用いた弾性クローラ装置に利用することができる。
1A〜1C;弾性クローラ(第1〜第3の実施形態), 2;クローラ本体(本体), 2a;転輪転動面, 2e;クローラ本体の幅方向外縁, 2f;クローラ本体の内周面, 3;芯金, 4;メインコード層, 4a;抗張体, 5;ラグ, 6;V溝, 6a;溝底, 6b;溝側面, 6c,6d;延在部分, 6e;折り返し点, 10;回転体, 11;ローラ, 12;連結軸, 21;回転本体, 22;歯, I;アイドラ, S;スプロケット, O2;クローラ本体の幅中心線, O6;V溝の幅中心線, D;クローラ本体の厚み方向(本体の厚み方向), L;クローラ本体の周方向(本体の周方向), W;クローラ本体の幅方向(本体の幅方向), d;V溝の溝深さ, w;V溝の溝幅, w1;V溝の周方向溝幅(V溝のクローラ本体の周方向における溝幅)

Claims (6)

  1. 弾性を有する無端帯状の本体の内周面に、当該内周面を凹ませて前記本体の幅方向に延びるV溝を設けたことを特徴とする、弾性クローラ。
  2. 請求項1において、前記V溝の前記本体の周方向における溝幅と、当該V溝の溝深さとの比率を(1.05〜2.05):1とした、弾性クローラ。
  3. 請求項1又は2において、前記本体の周方向に間隔を置いて当該本体に埋設される、複数の芯金を有し、前記本体の周方向に隣接する当該芯金の間にそれぞれ、前記V溝を設けた、弾性クローラ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、前記本体の内周面の一部が転輪転動面を形成し、当該転輪転動面に、前記本体の幅方向に対して傾斜して延びる前記V溝を設けた、弾性クローラ。
  5. 請求項4において、前記V溝を、前記転輪転動面の前記本体の幅方向全体にわたって延在させた、弾性クローラ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の弾性クローラを備えることを特徴とする、弾性クローラ装置。
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