JP2017067868A - 表示装置用部材の検査装置、検査方法及び製造装置 - Google Patents

表示装置用部材の検査装置、検査方法及び製造装置 Download PDF

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明彦 滝沢
寿 西垣
Hisashi Nishigaki
寿 西垣
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Abstract

【課題】消滅する異質領域を正確に判断して、表示装置用部材の製造効率を向上させることができる表示装置用部材の検査装置及び製造装置を提供する。【解決手段】検査装置5は、表示装置を構成する一対のワークが、接着剤を介して貼り合わされた表示装置用部材を撮像する撮像部51と、撮像部51が撮像した画像から正常な領域と区別される異質領域を抽出する抽出部52bと、抽出部52bが抽出した異質領域の大きさを示す値を求めるサイズ算出部52eと、表示装置用部材を1回目に撮像した画像における異質領域の大きさを示す値と、所定の時間をおいて2回目に撮像した画像における当該異質領域の大きさを示す値とに基づいて、異質領域が許容されるか否かを判定する許否判定部52iとを有する。【選択図】図7

Description

本発明は、表示装置用部材の検査装置、検査方法及び製造装置に関する。
一般的に、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイを代表とする平板状の表示装置、いわゆるフラットパネルディスプレイは、表示パネルとその他のワークが筐体に組み込まれて構成されている。その他のワークとしては、操作用のタッチパネル、表面を保護するカバーパネル、バックライト、バックライトの導光板等がある。
これらのワークは、個別にあるいは予め積層された状態で筐体に組み込まれる。例えば、保護カバーにタッチパネルを積層した複合パネルとして構成されたものを用いることもある。
また、表示パネルには、タッチパネルの機能が組み込まれたものが用いられることもある。このように、ワークとしては様々な形態があるが、以下、表示装置を構成するワークを、複数積層したものを、表示装置用部材と呼ぶ。
このような、表示装置用部材として積層される各ワークの間にギャップが存在すると、外光反射により、ディスプレイの表示面の視認性が低下する。これに対処するため、各ワークを、接着剤を介して貼り合せて積層することによって、各ワークの間のギャップを埋めることが行われている。
特開2004−325788号公報
接着剤を介した貼り合せには種々の方法があるが、一例として、一方のワークに接着剤を点状又は線状に塗布し、他方のワークに重ね合わせる方法がある。このとき、埃、繊維、傷、ボイドといった異物が混入する場合がある。ボイドには、空気等の気体の混入による気泡、真空貼合時に接着剤が埋まらない空間が形成されることによる真空泡が含まれる。
このような異物が混入すると、表示部分において、正常な貼合領域と異なり、視覚的に区別できる異質領域が形成される。例えば、ボイドの場合には、ほぼ円形の異質領域が形成される。このような異質領域は、表示画面における視認を阻害したり、外観不良にもなるため、各工程で検査員が目視又は検査装置によって検査を行って、不良品といえるものは排除している。
ただし、ボイドの場合には、真空貼合時には異質領域であっても、時間の経過によってボイドが消滅し異質領域とならないものもある。このようにいずれ消滅する異質領域についても、不良と判断してしまうと、正常となる製品を排除してしまうことになり、無駄が発生し、歩留まりの低下につながる。
本発明の目的は、上述したような課題を解決するために、消滅する異質領域を正確に判断して、表示装置用部材の製造効率を向上させることができる表示装置用部材の検査装置、検査方法及び製造装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の表示装置用部材の検査装置は、表示装置を構成する一対のワークが、接着剤を介して貼り合わされた表示装置用部材を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像した画像から、正常な領域と区別される異質領域を抽出する抽出部と、前記抽出部が抽出した異質領域の大きさを示す値を求めるサイズ算出部と、前記表示装置用部材を1回目に撮像した画像における異質領域の大きさを示す値と、所定の時間をおいて2回目に撮像した画像における当該異質領域の大きさを示す値とに基づいて、当該異質領域が許容されるか否かを判定する許否判定部と、を有する。
前記1回目の画像における異質領域と、前記2回目の画像における異質領域との大きさを示す値の変化量を判定する変化量判定部と、前記変化量と所定のしきい値とを比較する比較部と、を有し、前記許否判定部は、前記比較部による比較結果に基づいて、当該異質領域が許容されるか否かを判定してもよい。
前記許否判定部による判定結果と、1回目と2回目の異質領域の大きさを示す情報とを表示する表示部を有してもよい。
前記1回目の画像における異質領域の輝度から、当該異質領域がボイドか否かを判定する輝度判定部を有してもよい。前記1回目の画像における異質領域の形状から、当該異質領域がボイドか否かを判定する形状判定部を有してもよい。
また、本発明の表示装置用部材の製造装置は、前記一対のワークの少なくとも一方に、接着剤を塗布する塗布装置と、前記塗布装置により塗布された接着剤を介して、前記一対のワークを貼り合わせる貼合装置と、前記貼合装置により貼り合わされた前記一対のワークを検査する前記検査装置と、を有する。
また、本発明の表示装置用部材の検査方法は、撮像部が、表示装置を構成する一対のワークが接着剤を介して貼り合わされた表示装置用部材を撮像し、抽出部が、前記撮像部が撮像した画像から、正常な領域と区別される異質領域を抽出し、サイズ算出部が、前記抽出部が抽出した異質領域の大きさを示す値を求め、許否判定部が、前記表示装置用部材を1回目に撮像した画像における異質領域の大きさを示す値と、所定の時間をおいて2回目に撮像した画像における当該異質領域の大きさを示す値とに基づいて、当該異質領域が許容されるか否かを判定する。
以上、説明したように、本発明によれば、消滅する異質領域を正確に判断して、表示装置用部材の製造効率を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る表示装置用部材の製造装置の概略構成図である。 塗布装置の概略構成図である。 接着剤の塗布の態様を示す斜視図である。 貼合装置の概略構成及び動作を示す図である。 硬化装置の概略構成及び動作を示す図である。 検査装置の撮像部を示す図である。 検査装置を示すブロック図である。 1回目と2回目に撮像した画像の例を示す図である。 検査処理の手順を示すフローチャートである。 検査結果の例を示す図である。 面塗布の場合のボイドの変化例を示す説明図である。 線塗布の場合のボイドの変化例を示す説明図である。 線塗布の態様を示す平面図である。 点塗布の態様を示す平面図である。
本発明の実施の形態(以下、実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明
する。
[構成]
[ワーク]
本装置は、表示装置用部材の積層体を製造する表示装置用部材の製造装置である。表示装置用部材には、表示パネルとカバーパネルを積層した部材のように表示機能を備えた部材も、カバーパネルとタッチパネルを積層した部材のようにその部材だけでは表示機能を備えていない部材も含まれる。すなわち、表示装置用部材の製造装置での処理の対象となるワークは、表示パネル、タッチパネル、カバーパネル、バックライトやその導光板等の様々なものがあり、いずれを組み合わせても良い。
[表示装置用部材の製造装置]
図1に示すように、表示装置用部材の製造装置100は、搬送装置1、塗布装置2、貼合装置3、硬化装置4、検査装置5及び制御装置6を備えている。以下に、各装置の構成を詳述する。
(搬送装置)
搬送装置1は、ワークWを搬送する装置である。搬送装置1は、表示装置用部材Lを構成するワークWを、上述した塗布装置2、貼合装置3及び硬化装置4の各部へ搬送する搬送部とその駆動機構から構成される。なお、本実施形態では、ワークWが液晶パネル(第1のワーク)S1とカバーパネル(第2のワーク)S2のいずれか、またはそれらの組み合わせであるものとして説明する。搬送装置1としては、たとえば、ターンテーブル、コンベア、レール上に走行可能に設けられたピックアップ手段等が考えられるが、上記の各装置の間で液晶パネルS1とカバーパネルS2を搬送可能なものであれば、どのような装置であってもよい。
本実施形態では、搬送装置1としてコンベア10を用いる例を説明する。表示装置用部材Lの材料となるワークWはローダ200によって搬入され、コンベア10の面に載置され、搬送される。塗布装置2、貼合装置3及び硬化装置4はこのコンベア10に沿って配置されている。不図示のピックアップ手段によって、液晶パネルS1、カバーパネルS2はコンベア10からピックアップされ、不図示の搬入口を介して各装置への搬入及び搬出がなされる。各装置での工程を経て最終的に製造された表示装置用部材Lは、アンローダ300によって表示装置用部材の製造装置100から搬出される。ここで、コンベア10は、液晶パネルS1とカバーパネルS2とを、搬送方向とは直交する方向に並べて搬送するものでも、搬送方向に沿う方向に並べて搬送するものでもどちらでも良い。
(塗布装置)
塗布装置2は、ワークWに接着剤Rを塗布する装置である。塗布装置2は、図2に示すように、ワークWを水平方向に往復移動可能に支持する支持ユニット21と、塗布ユニット22及び照射ユニット23を備える。
支持ユニット21は、ステージ21a及び駆動機構21bを有する。ステージ21aは、液晶パネルS1が載置される平板状のテーブルである。駆動機構21bは、ステージ21aをX方向に往復移動させる機構である。なお、X方向は図面の左右方向である。駆動機構21bとしては、例えば、駆動源によって回転するボールねじとすることが考えられる。ただし、載置された液晶パネルS1をX方向に往復移動可能な装置であれば、どのような装置であってもよい。
また、駆動機構21bを、ステージ21aをX及びY方向に往復移動させる機構としてもよい。Y方向は図面の手前から奥の方向である。この場合、駆動機構21bは、例えば、ステージ21aをX方向及びY方向にそれぞれ移動させるリニアスライダを組み合わせて構成しても良い。ただし、載置されたワークWをX及びY方向に往復移動可能なものであれば、どのような機構であってもよい。駆動機構21bにおけるステージ21aの移動の開始、停止及び速度は、制御装置6によって制御される。
塗布ユニット22は、接着剤Rを収容するタンク22aと、スリットコータ22bとを備えている。タンク22aは、接着剤Rの流路である配管及び接着剤Rの供給量を調節するバルブを介してスリットコータ22bに接続される。スリットコータ22bは、図3に示すように、ポンプにより送り出された接着剤Rを面状に供給する部材であり、その先端はスリットノズルを構成している。
スリットノズルは、液晶パネルS1の塗布面に平行で、液晶パネルS1の相対移動の方向、つまり、X方向に直交する方向に細長く延びた開口である。開口の長さは、塗布する領域に応じて適宜調整することができる。例えば、開口は接着領域の幅に設定するとよい。
塗布装置2で使用する接着剤Rは、後述する硬化装置4において硬化処理を行う為、外部からエネルギーの照射により硬化する樹脂を用いる。例えば、紫外線(UV)硬化樹脂や熱硬化樹脂、その他の電磁波、放射線等のエネルギーによって硬化する樹脂等が考えられる。本実施形態では、UV硬化樹脂を用いて説明する。使用される接着剤Rの粘度は、特に限定はされない。
照射ユニット23は、塗布装置2において、ワークWに塗布された接着剤Rの仮硬化処理を行う装置として機能する。照射ユニット23では、接着剤Rを、完全な硬化には至らない「仮硬化」の状態とする。なお、本実施形態ではワークWに塗布された接着剤Rを完全に硬化させる処理は、後述する硬化装置4で行う。照射ユニット23は、ステージ21a上方において、塗布ユニット22に隣接するように配置され、照射源はステージ21a上に載置されたワークWに対向するように取り付けられている。
照射ユニット23は、硬化エネルギーを照射する装置から構成されている。例えば、照射ユニット23は、紫外線を発することができる1つまたは複数のランプやLED等から構成することができる。照射ユニット23の照射は、接着剤Rを硬化するのに必要な量のエネルギーを照射することができるように調節されている。このエネルギーの量は、照射の強度と時間により調整される。
(貼合装置)
貼合装置3は、一対のワークWを貼り合わせる装置である。貼合装置3は、図4(A)及び(B)に示すように、下側プレート32と上側プレート33を対向配置した構成となっている。下側プレート32と上側プレート33との間の貼り合わせ空間は、ステージ36と真空チャンバ37に覆われて真空とされる。
上側プレート33は、面上にワークWを保持する保持機構を備えている。保持機構としては、たとえば、静電チャック、メカチャック、真空チャック、粘着チャック等、現在又は将来において利用可能なあらゆる保持機構が適用可能である。複数の種類のチャックを併用することも可能である。上側プレート33には駆動機構35が備えられている。この駆動機構35によって、上側プレート33は上下方向に移動可能になっている。
下側プレート32は、ワークWが載置される平板状の部材である。なお、下側プレート32は、載置されたワークWの位置がずれないように、上側プレート33と同様の保持機構を備えていてもよい。下側プレート32は、不図示の駆動機構を備えている。この駆動機構によって、下側プレート32はX方向、Y方向及びθ方向に移動可能になっている。なお、X方向は図面の左右方向であり、Y方向は図面の手前から奥の方向であり、θ方向は垂直方向を軸とする回転方向である。なお、上側プレート33及び下側プレート32のいずれかあるいは両方が、上下方向並びにX,Y及びθ方向の全ての方向に移動可能なものであっても良い。
ステージ36は、下側プレート32を支持する平坦な台である。真空チャンバ37は、貼り合わされる液晶パネルS1、カバーパネルS2の周囲を覆い、ステージ36との間を密閉することにより、真空室を構成する容器である。真空チャンバ37には、真空源(減圧装置)である減圧ポンプ(図示せず)が、配管を介して接続されている。また、真空チャンバ37は、図示しない駆動機構によって、上側プレート33とは独立に上下方向に移動可能に設けられている。
(硬化装置)
硬化装置4は、貼り合わされたワークWの接着剤Rを本硬化(完全に硬化)させる装置である。本硬化(完全に硬化)とは、製品として必要とされる硬さまで接着剤を硬化させるという意味である。硬化装置4は、図5(A)及び(B)に示すように、ワークWが載置される載置台41と、載置台41の上方に配置された照射ユニット43を備える。
照射ユニット43は、硬化エネルギーとしての紫外線を照射する装置から構成される。照射するエネルギーの種類は、ワークWの貼り合せに使用する接着剤Rの種類によって、紫外線の他にも、赤外線などの電磁波、粒子線からなる放射線等から適宜選択することができる。例えば、照射ユニット43は、紫外線を発することができる1つまたは複数のランプやLED等から構成することができる。照射ユニット43の照射は、接着剤Rを硬化するのに必要な量のエネルギーを照射することができるように調節されている。このエネルギーの量は、照射の強度と時間により調整される。なお、このような硬化処理を行った後であっても、接着剤Rの流動性は残るので、ボイドの縮小は可能である。
(検査装置)
検査装置5は、貼り合わされたワークWの接着剤Rの状態を検査する装置である。検査装置5は、図1に示すように、撮像部51、検査処理部52、表示部53を有する。撮像部51は、表示装置を構成する一対のワークWが、接着剤Rを介して貼り合わされた表示装置用部材Lの接着層を撮像する。撮像部51は、例えば、図1及び図6に示すように、2台の撮像装置51a、51bを有する。撮像装置51aは、貼合装置3の近傍におけるワークWの搬送経路の上方に設けられている。撮像装置51bは、ワークWの搬送経路の上方であって、撮像装置51aよりも搬送方向の下流に設けられている。ワークWの搬送経路を挟んで各々の撮像装置51a、51bに対向した位置には、図示しない照明装置が設けられている。各撮像装置51a、51bは、照明装置との間にワークWが介在し、照明装置からの照射光をワークWの異物が遮る状態で撮像する。撮像装置51aは、貼り合わせ直後のワークWに対して、1回目の撮像を行う。貼り合わせ直後とは、例えば、貼り合わせた時から、より具体的には、貼合装置3から搬出された時点から、10〜15秒後程度とすることができるが、これには限定されない。
撮像装置51bは、1回目の撮像から所定の時間をおいて、ワークWに対して2回目の撮像を行う。この所定の時間は、例えば、10〜15秒程度とすることができるが、これには限定されない。
検査処理部52は、制御装置6に構成され、撮像部51が接続されている。検査処理部52は、図7に示すように、撮像指示部52a、抽出部52b、輝度判定部52c、形状判定部52d、サイズ算出部52e、第1の比較部52g、第2の比較部52h、変化量判定部52f、許否判定部52i、記憶部52jを有する。
撮像指示部52aは、撮像部51に対して、後述する記憶部52jにあらかじめ記憶された所定のタイミングでの撮像を指示する。撮像指示部52aは、各ワークWに対する1回目の撮像タイミング、2回目の撮像タイミングが、常に一定となるように指示する。例えば、1回目の撮像が、貼り合わせた時から10秒後、2回目の撮像が、1回目の撮像から15秒後となるように指示する。但し、このタイミングには限定されない。
なお、各撮像装置51a、51bは、ワークWの全体が視野に収まる場合には、一度に全体を撮像する。ワークWの全体が視野に収まらない場合には、スキャナのように、各撮像装置51a、51bの下方を通過する箇所を連続して撮像することにより、接着剤Rを介して貼り合わされたワークWの接着層全体を撮像する。その場合も、1回目と2回目の同一箇所の撮像時間の間隔は、同一となるようにする。なお、撮像装置51a、51bは、二次元エリアを一度に撮像するエリアセンサカメラであっても、撮像素子が1列に並んだラインセンサカメラであってもよい。スキャナのように撮像する場合には、ラインセンサカメラを用いる。連続した撮像を行う場合に生じる重複部分は、周知の画像処理方法によって、排除する。
抽出部52bは、撮像部51が撮像した画像から、異質領域を抽出する。異質領域は、正常な貼合領域とは異なる様相を示す領域である。本実施形態において、正常な貼合領域は、撮像装置51a、51bと照明装置との間に、埃、繊維、ボイドといった照射光を遮る異物がないので、明るい領域として抽出される。これに対して、異質領域は、埃、繊維、ボイドといった照射光を遮る異物により暗い領域として抽出される。画像の暗い部分を抽出し、この部分を境界線とする領域を異質領域とすることができる。このような異質領域の抽出は、公知のあらゆる技術を適用可能である。一般的には、本発明の実施形態のような光学系において、ボイドの場合には、異質領域は内部が明るい略円形の暗い線で囲まれた領域となる。異物が混入した場合には、内部も照射光が遮られるので、異質領域は、暗い非円形の領域となる。
輝度判定部52cは、1回目の画像における異質領域の輝度から、当該異質領域がボイドか否かを判定する。この判定は、異質領域の内部が示す輝度が、所定のしきい値以上か否かにより行う。しきい値は、ボイドが示す明るい色か、異物が示す暗い色かを区別できる値とする。
形状判定部52dは、1回目の画像における異質領域の形状から、当該異質領域がボイドか否かを判定する。この判定は、異質領域の外形と、所定の形状との比較により行う。例えば、円形とのパターンマッチングにより、円形か非円形かを区別して、円形の場合にはボイドと判定できる。ここで、円形は、必ずしも真円である必要はなく、円に近似した形状であればよい。
サイズ算出部52eは、抽出部52bが抽出した異質領域の大きさを示す値を算出する。異質領域の大きさを示す値は、当該異質領域が円形の場合に、その直径とすることができる。円に近似した形状の場合は、中心を通る径の最長部分とすることができる。但し、大きさを示す値は、径には限定されず、面積であってもよい。
変化量判定部52fは、1回目の画像における異質領域と2回目の画像における異質領域との大きさを示す値の変化量を判定する。例えば、異質領域の直径の差分から、変化量を判定する。
第1の比較部52g(比較部)は、変化量判定部52fが判定した変化量と、所定のしきい値とを比較する。これにより、異質領域が時間の経過とともに変化しているかどうか、その変化がどの程度大きいかを判断できる。第2の比較部52hは、1回目及び2回目の少なくとも一方の画像における異質領域の大きさを示す値と、所定のしきい値とを比較する。これにより、異質領域が肉眼で識別できる大きさか、消失する可能性が高い大きさかを判断できる。
許否判定部52iは、ワークWを1回目に撮像した画像における異質領域の大きさを示す値と、2回目に撮像した画像における当該異質領域の大きさを示す値とに基づいて、当該異質領域が良品として許容されるか否かを判定する。
より具体的には、許否判定部52iは、第1の比較部52gによる比較結果に基づいて、異質領域が許容されるか否かを判定する。つまり、所定のしきい値以下の変化しかない場合には、異質領域が消滅する可能性がないため、良品として許容されないと判定する。一方、所定のしきい値より大きな変化がある場合には、異質領域が消滅する可能性が高いとして、良品として許容されると判定する。例えば、真空泡であれば、変化が大きく、消滅する可能性が高い。気泡や異物の混入の場合には、変化が少なく、消滅する可能性は低い。気泡の場合、空気は接着剤Rに溶けるが、その速度は、真空泡の消滅する速度に比べて非常に遅い。このため、所定時間内の変化の大小によって、真空泡か否かを判断できる。なお、消滅とは、完全に消失する場合も、製品として問題がない程度、例えば、肉眼で識別できない程度に小さくなる場合も含む。
また、許否判定部52iは、第2の比較部52hによる比較結果に基づいて、異質領域が許容されるか否かを判定する。つまり、所定のしきい値以下の大きさの異質領域は、消滅する可能が高いか、肉眼で識別できない程に小さいものであるとして、許容されると判定する。一方、所定のしきい値以上の大きさの異質領域は、消滅する可能性が低いため、許容されないと判定する。
記憶部52jは、上記の処理に必要な情報を記憶する。このような情報は、例えば、2回の撮像タイミング、撮像タイミングの間隔、撮像した画像、領域抽出のための基準、輝度判定のためのしきい値、形状判定のための基準、大きさを示す値を算出する演算式、変化量による許否判定のためのしきい値、大きさによる許否判定のためのしきい値、許容される異質領域か否かの検査結果等を含む。
制御装置6は、上記の構成の他、図示はしないが、表示装置用部材の製造装置100の動作を制御する構成を有している。制御装置6は、各部を構成する装置の動作の制御や、ワークWの搬送タイミングの制御、さらには各装置の動作に必要な検出処理や算出処理等を行う。制御装置6は、専用の電子回路若しくは所定のプログラムで動作するコンピュータ等によって実現できる。
さらに、検査装置5は表示部53を有する。表示部53は、許否判定部52iによる判定結果を表示する。また、表示部53は、1回目と2回目の異質領域の大きさを示す情報を表示する。大きさを示す情報は、上記の大きさを示す値、異質領域の画像を含む。表示部53は、検査処理部52に接続されている。例えば、図8に示すように、1回目に撮像した画像(a)と、2回目に撮像した画像(b)を並べて表示する。図中A〜Dの白塗りの円はボイドによる異質領域、黒塗りの円は異物の混入による異質領域である。
なお、制御装置6に、スイッチ、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力装置を接続し、オペレータが制御装置6を操作できるようにしても良い。また、上記の表示部53に加えて、装置やパネルの状態を確認するためのランプ、メータ等の出力装置を接続しても良い。
[動作]
以上のような構成を有する表示装置用部材の製造装置100の動作例を、図1〜図8に加え、図9〜図10を参照して説明する。なお、各装置やワークWの位置及び大きさ等は、説明のための便宜的な表現に過ぎない。
上述したように、表示装置用部材の製造装置100での処理の対象となるワークは、様々なものがある。ここでは、一例として、表示パネルとカバーパネルS2に対してそれぞれの処理を行い、表示装置用部材を構成する場合を説明する。
表示パネルは、液晶パネルや有機ELパネル等の様々な種類があり、その形状も様々であるが、ここでは一例として、矩形状の液晶パネルS1、カバーパネルS2を貼り合わせることにより表示装置用部材を製造する例を説明する。
(搬入処理)
液晶パネルS1及びカバーパネルS2は、図1に示すように、ローダ200によって表示装置用部材の製造装置100に搬入され、搬送装置1のコンベア10上に搬送方向とは直交する方向に並べて載置され、搬送される。それぞれのパネルは、貼り合せ面となる面が上側になるように搬送される。すなわち、本実施形態では、液晶パネルS1は接着剤Rが塗布される面が上側に向くように載置され、カバーパネルS2は印刷枠Pが形成された面が上側に向くようにコンベア10に載置される。
(塗布処理)
液晶パネルS1は不図示のピックアップ手段によりピックアップされ、図2に示すように、塗布装置2のステージ21a上に載置される。
ステージ21aを駆動機構21bによって移動させ、スリットコータ22bのスリットノズルの先端位置に、カバーパネルS2の接着領域の始端の位置が来たところで、接着剤Rの吐出を開始する。ステージ21aは移動を継続することで、図3に示すように、接着領域に接着剤Rが面状に塗布されていく。さらに、塗布された接着剤Rに対して、スリットコータ22bに隣接する照射ユニット23によって、接着剤Rの塗布と並行して紫外線が順次照射される。これによって、接着剤Rは大部分がゲル化して流動が抑制された仮硬化の状態となる。スリットノズルの先端位置に、液晶パネルS1の接着領域の終端の位置が来たところで、接着剤Rの吐出を終了する。照射ユニット23による紫外線照射も、接着領域の終端位置で終了する。液晶パネルS1は、塗布装置2から搬出される。
(貼合処理)
接着剤塗布処理が完了した液晶パネルS1と、カバーパネルS2は、コンベア10上を搬送され、不図示のピックアップ手段によって貼合装置3に搬入される。ここでは、一例として、上側プレート33に液晶パネルS1が保持され、下側プレート32にカバーパネルS2が支持される場合を説明する。また、貼合処理を真空で行う真空貼り合わせの場合を説明する。
図4(A)に示すように、カバーパネルS2は下側プレート32に載置される。液晶パネルS1は、不図示の反転装置によって接着剤Rが塗布された面が下を向くように反転されて、上側プレート33に受け渡されて保持機構により保持される。
次に、真空チャンバ37が下降して、液晶パネルS1、カバーパネルS2の周囲が密閉される。そして、減圧ポンプが作動することにより、真空チャンバ37内の排気による減圧が開始する。
真空引き完了後は、図4(B)に示すように、上側プレート33が下側プレート32に向かって下降し、上側プレート33に保持されている液晶パネルS1を、下側プレート32に支持されているカバーパネルS2に押し付ける。上側プレート33と下側プレート32によって接着剤Rを押圧することによって、両パネルは密着し、貼り合わされる。その後、排気路の開放等により真空破壊が行われ、真空チャンバ37が上昇することにより、貼り合わされた液晶パネルS1、カバーパネルS2は大気開放される。
このように、液晶パネルS1とカバーパネルS2を貼り合せて表示装置用部材Lを構成する。この表示装置用部材Lを、以下、積層体と呼ぶ。積層体は貼合装置3から搬出され、再び搬送装置1で搬送される。続いて、不図示のピックアップ手段によって、積層体が硬化装置4へ搬入される。
(硬化処理)
硬化装置4においては、図5(A)に示すように、積層体が載置台41に載置され、図5(B)に示すように、照射ユニット43によって、接着剤Rが硬化するのに必要な強度のエネルギーが照射され、接着剤Rの硬化処理が行われる。積層体はピックアップ手段によって硬化装置4から搬送装置1に搬出され、必要に応じてその他の処理が施される。製造された表示装置用部材Lは、アンローダ300によって表示装置用部材の製造装置100から搬出される。
(検査処理)
以上のような工程において、検査装置5は、貼り合わされた積層体の接着層を撮像して、異質領域を検査する。このような処理の手順を、図9のフローチャートに沿って説明する。
まず、貼合装置3から搬送装置1に搬出された貼り合せ直後の積層体を、撮像指示部52aの指示する1回目のタイミングで、撮像装置51aが撮像する(ステップ101)。これが、1回目の撮像である。そして、硬化装置4から搬送装置1に搬出された硬化処理直後の積層体を、撮像指示部52aの指示する2回目のタイミングで、撮像装置51bが撮像する(ステップ102)。
抽出部52bは、このように撮像された1回目と2回目の画像から、異質領域を抽出する(ステップ103)。1回目に抽出された全ての異質領域の数を、変数Nに代入する(ステップ104)。Nは、全異質領域を網羅して検査するためのカウンタ変数である。
輝度判定部52cは、しきい値との比較により、異質領域が暗い色か否かを判定する(ステップ105)。暗い色の場合(ステップ106のYES)、輝度判定部52cは、異質領域がボイドではなく、異物混入による許容できない異質領域であると判定する(ステップ116)。
暗い色でない場合(ステップ106のNO)、形状判定部52dは、異質領域が円形か否かを判定する(ステップ107)。円形でない場合(ステップ108のNO)、形状判定部52dは、異質領域がボイドではなく、異物混入による許容できない異質領域であると判定する(ステップ116)。暗い色でなく、円形と判定された異質領域は、ボイドであると判定する(ステップ106のNO、ステップ108のYES)。
ボイドの場合、サイズ算出部52eは、1回目と2回目の画像における同一のボイドのそれぞれの大きさを算出する(ステップ109)。例えば、ボイドの直径を算出する。
第2の比較部52hは、1回目の画像におけるボイドの大きさを示す値と、しきい値とを比較する(ステップ110)。この比較の結果、大きさを示す値がしきい値よりも小さい場合には(ステップ110のYES)、許否判定部52iは、ボイドが十分に小さいために許容できると判定する(ステップ113)。
例えば、ボイドが30μm以下の直径であれば、肉眼では識別できなくなるので許容される。また、ボイドには、対向するワーク間の接着層を貫通しないボイドと貫通するボイドが存在する。接着層を貫通しないボイドは、消失するか、視認できない程度に小さくなる。しかし、接着層を貫通するような大きさのボイドの場合は、その後の接着剤Rの流動によっても埋まり難い傾向がある。つまり、広がる速度が速かったり遅かったりといった接着剤Rの流動の状態に左右されて、消失したりしなかったりするため、視認される大きさのまま残ってしまうことがある。そこで、例えば、接着層の厚みをしきい値とすることが考えられる。接着層の厚みが200μmである場合、しきい値を200μmとする。これにより、消失する可能性の高い200μmよりも小さいボイドが許容されることになる。但し、接着層の厚みよりも大きいボイドは、埋まり難い傾向はあるが、必ずしも消失しないものではない。このため、必ずしもしきい値を接着層の厚みとする必要はない。従って、実験によって、消失し易いか、消失し難いかを区別する最適なしきい値を決めることが好ましい。さらに、このようにボイドが消失するかしないかは、単にボイドの径としきい値とを比較するだけでは判断が難しい。そこで、本実施形態では、後述するように、大きさの変化量の比較を行って判断することにより、困難性を克服している。
許否判定部52iが、ボイドが大きいと判定した場合(ステップ110のNO)、第1の比較部52gは、1回目の画像におけるボイドの大きさを示す値と、2回目の画像におけるボイドの大きさを示す値とを比較する(ステップ112)。この比較の結果、1回目と2回目との差分がしきい値よりも大きい場合には(ステップ112のYES)、ボイドが縮小する速度が速いといえる。このため、許否判定部52iは、消滅する可能性が高いとして、ボイドが許容できると判定する(ステップ113)。
また、比較の結果、1回目と2回目との差分がしきい値よりも小さい場合には(ステップ112のNO)、ボイドは縮小しているけど、縮小速度が遅く、ボイドの消失が期待できるほど、縮小する速度が速くないといえる。このため、許否判定部52iは、消滅する可能性が低いとして、ボイドが許容できないと判定する(ステップ116)。
許容できる、許容できないと判定がされる毎に(ステップ113、116)、変数Nがデクリメントされる(ステップ114)。そして、変数Nが0となった場合(ステップ115)、表示部53は、輝度判定部52c、形状判定部52d、許否判定部52iの判定結果を表示する(ステップ117)。
なお、最終的に、一つの表示装置用部材Lに関して、一つでも許容できない異質領域があれば、製品としては許容されない。つまり、許否判定部32iにより、少なくとも一つの異質領域が許容できないと判定された表示装置用部材Lは、製品として許容できないと判定される。より具体的には、輝度判定(ステップ106)で暗い色の判定が出た段階で、許否判定部32iは、その表示装置用部材Lは製品として許容できないと判定する。また、形状判定(ステップ108)で円形では無いとの判定が出た段階で、許否判定部32iは、その表示装置用部材Lは製品として許容できないと判定する。N個全てのボイドの判定が完了した段階で、大きさ比較(ステップ112)でNO判定が一つでもあれば、許否判定部32iは、その表示装置用部材Lは製品として許容できないと判定する。
許容できないと判定された異質領域については、ボイドであれば、オートクレーブという装置により、積層体に圧力をかけながら昇温させて、数十分待つことにより消滅させることができる。この方法は、大気圧でボイドが小さくなる速度よりも速く、ボイドを消滅させることはできる。しかし、消滅させるまで数十分待たなければならず、効率が良くない。本実施形態は、2回の撮像によって、より早期に許容されるものか否かを判定して、許容されないもののみを、オートクレーブに入れるという判断が可能となる。
(表示例)
図10に、表示部53の表示例を示す。この表示例は、第1列目に、抽出された異質領域を識別する異質領域番号、第2列目に1回目の直径、第3列目に2回目の直径、第3列目に判断内容、第4列目に結論を示した表である。
異質領域番号1は、1回目が直径200μmより小さく、2回目が直径200μmより小さい場合、ボイドが十分に小さいために許容できるとして、OKとなっている。これは、第2の比較部52hが比較するしきい値として、200μmを設定したことによる。
異質領域番号2は、1回目が直径200μmよりも非常に大きく、2回目が直径200μmよりも小さくなっている場合、ボイドが小さくなったために許容できるとして、OKとなっている。これは、第1の比較部52gが比較するしきい値を超える変化があったことによる。
異質領域番号3は、1回目が直径200μmよりも非常に大きく、2回目が直径200μmよりも大きいがその近傍となっている場合、ボイドが今後小さくなると推定できるとして、OKとなっている。これは、第1の比較部52gが比較するしきい値を超える変化があったことによる。
異質領域番号4は、1回目が直径200μmよりも非常に大きく、2回目も直径200μmよりも非常に大きい場合、変化が期待できないほど大きいために許容できないとして、NGとなっている。これは、第1の比較部52gが比較するしきい値を超える変化がなかったことによる。
表示部53は、上記のような表示画面とともに、又は表示画面を切り替えて、撮像した画像を表示することもできる。例えば、図8に示すように、1回目に撮像した画像(a)、2回目に撮像した画像(b)を表示する。白塗りの円A〜Dのうち、A、Dは変化がないために気泡であって許容できないボイド、B、Cは変化があるために真空泡であって許容できるボイドと判定できる。また、黒塗りの円は、異物の混入によるものであり、許容できないと判定できる。
(試験結果)
貼り合わせ後のボイドの変化を計測した試験の結果を、図11、図12に示す。試験条件は以下の通りである。
・ワーク…ガラス製、112.0×63.0(mm)の長方形、厚さ0.7mm
・貼合せ時雰囲気…真空
・接着剤(レジン)…粘度5000mPa・sの紫外線(UV)硬化樹脂
・接着層(接着領域)…約85.0×60.0(mm)
・仮硬化UV強度…積算光量110mJ/cm2
・接着剤厚み…200μm
上記の条件で、貼り合わせ直後、10分後、30分後、60分後のサイズ(直径)別のボイド数を記録した。図11は、上記の実施形態で示したように、接着剤の塗布方式として、スリットコータにより接着剤を面状に塗布するスリット塗布方式の場合の結果である。図12は、マルチノズル塗布方式の場合の結果である。マルチノズル塗布方式は、図13に示すように、複数のノズルから接着剤Rを線状に塗布する方式である。スリット塗布方式の場合、真空度10Pa、30Pa、50Pa、100Pa、300Pa、500Pa、1000Pa、3000Pa、マルチノズル塗布方式の場合、真空度10Pa、30Pa、50Pa、100Pa、300Paで貼り合わせた。
図11の表に示すように、スリット塗布方式の場合、真空度10Pa、30Pa、50Pa、100Pa、300Pa、500Paであれば、30分後には全てのボイドが消失した。しかし、真空度1000Pa、3000Paでは、60分経過しても、500μm以上のボイドは残留していた。このため、第2の比較部52hのしきい値として、500μmを設定するとよい。
図12の表に示すように、マルチノズル塗布方式の場合、真空度10Pa、30Pa、50Paであれば、10分後には全てのボイドが消失した。しかし、真空度100Pa、300Paでは、60分経過しても、100μm以下のボイドが残留していた。このため、第2の比較部52hのしきい値として、100μmよりも小さな値を設定する必要がある。
さらに、以上の試験の結果から、スリット塗布方式の方が、マルチノズル塗布方式よりも、ボイドが消滅しやすいことがわかる。このため、塗布装置2として、スリット塗布方式を採用する方が、本実施形態の効果がより高まる。但し、本実施形態は、スリット塗布方式の態様に限定するものではなく、マルチノズル塗布方式であっても適用可能である。また、マルチノズル塗布方式によって、図14に示すように、散点状に接着剤Rを塗布してもよい。
[効果]
(1)本実施形態の表示装置用部材の検査装置5は、表示装置を構成する一対のワークWが、接着剤Rを介して貼り合わされた表示装置用部材を撮像する撮像部51と、撮像部51が撮像した画像から正常な領域と区別される異質領域を抽出する抽出部52bと、抽出部52bが抽出した異質領域の大きさを示す値を求めるサイズ算出部52eと、表示装置用部材を1回目に撮像した画像における異質領域の大きさを示す値と、所定の時間をおいて2回目に撮像した画像における当該異質領域の大きさを示す値とに基づいて、異質領域が許容されるか否かを判定する許否判定部52iとを有する。
このように、所定の時間をおいて撮像した異質領域の大きさを示す値により、当該異質領域が許容されるか否かを判定できる。このため、消滅する可能性の高い異質領域を正確に判断して、製造効率を向上させ、製造コストを低減することができる。
(2)本実施形態は、1回目の画像における異質領域と、2回目の画像における異質領域との大きさを示す値の変化量を判定する変化量判定部52fと、変化量と所定のしきい値とを比較する第1の比較部52gとを有し、許否判定部52iは、第1の比較部52gによる比較結果に基づいて、当該異質領域が許容されるか否かを判定する。
消失する可能性の高い異質領域は、変化量が大きい。このため、所定の時間をおいて撮像した異質領域の大きさを示す値の変化量により、消失する可能性の高い異質領域を正確に判断できる。特に、異質領域が消滅するまで待つ必要がないため、早期に次工程に進むことができる。
(3)本実施形態は、1回目及び2回目の少なくとも一方の画像における異質領域の大きさを示す値と、所定のしきい値とを比較する第2の比較部52hを有し、許否判定部52iは、第2の比較部52hによる比較結果に基づいて、当該異質領域が許容されるか否かを判定する。
消失する可能性の高い異質領域は、大きさがある程度決まっている。このため、異質領域の大きさを示す値により、消失する可能性の高い異質領域を早期に判断できる。
(4)本実施形態は、許否判定部52iによる判定結果を表示する表示部53を有する。このため、オペレータは判定結果を認識して、オートクレーブによるボイドの消滅処理を行うことができる。
(5)表示部53は、1回目と2回目の異質領域の大きさを示す情報を表示する。このため、オペレータは異質領域の大きさの変化を視覚的に把握できる。
(6)1回目の画像における異質領域の輝度から、当該異質領域がボイドか否かを判定する輝度判定部52cを有する。このため、異物混入等による異質領域をあらかじめ許容できないものとして、詳細な検査対象をボイドに絞って処理の高速化を図ることができる。
(7)1回目の画像における異質領域の形状から、当該異質領域がボイドか否かを判定する形状判定部52dを有する。このため、異物混入等による異質領域をあらかじめ許容できないものとして、詳細な検査対象をボイドに絞って処理の高速化を図ることができる。
(8)表示装置用部材の製造装置100に、検査装置5が組み込まれているので、装置から表示装置用部材が排出される段階で、検査済みとなり、良品、不良品、オートクレーブへの搬送の仕分けが可能となる。
[他の実施形態]
(1)検査装置5は、表示装置用部材の製造装置100と別体で構成されていてもよい。上記の態様では、2台の撮像装置51a、51bを用いていたが、1台として、所定の時間をおいて2回撮像してもよい。第2の比較部52hを省略して、第1の比較部52gによる変化量によってのみ、許否の判断を行う構成とすることもできる。また、第1の比較部52gを省略して、第2の比較部52hによる大きさによる区別によってのみ、許否の判断を行う構成とすることもできる。
(2)上述の実施形態では、仮硬化を含む硬化処理を行う装置として、UV照射ユニットを用い、接着剤Rは紫外線(UV)硬化樹脂を用いたが、これに限られない。例えば、熱、赤外線等の電磁波、粒子線からなる放射線等のエネルギーを照射する装置と、それに対応する硬化樹脂を用いても良い。仮硬化の処理を省略してもよい。上記の実施形態では、2回目の撮像を、硬化装置4による硬化後に行っていたが、硬化装置4による硬化前に行ってもよい。
(3)表示装置用部材の製造装置100は上述した装置の他にも、別の工程を行う装置を備えても良い。例えば、完成した液晶表示パネルを梱包するテーピングユニット等を備えても良い。また、接着剤Rの種類によって硬化処理が不要な場合や、硬化処理を別体の装置で行う場合等には、硬化装置4の無い表示装置用部材の製造装置100としても良い。
(4)上述の実施形態では、液晶パネルS1を第1のワークとし、カバーパネルS2を第2のワークとして説明したが、もちろん、カバーパネルS2を第1のワークとし、液晶パネルS1を第2のワークとしても良い。また、液晶パネルS1及びカバーパネルS2はあくまで貼り合せ対象となるワークの一例である。表示装置を構成する積層体となる部材であって、接着剤Rを介して貼り合わせるものであれば、種類、大きさ、形状、材質等は問わない。もちろん、印刷枠Pの無いワークを貼り合せても良い。例えば、偏光板等を含む表示パネル、操作用のタッチパネル、表面を保護するカバーパネルS2、平板状のバックライトやバックライトの導光板等、これらの少なくとも2種を貼合して表示装置用部材Lを構成するものであればよい。表示装置としても、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等、貼り合わされる平板状のワークを有し、現在又は将来において利用可能な表示装置を広く含む。
(5)また、互いに貼り合わされる一対のワークは、1枚であっても、複数枚の積層体であってもよい。表示パネル、駆動回路、プリント基板を貼合した積層体に、さらに、タッチパネル、保護パネル又は複合パネルを貼合する等であってもよい。すなわち、表示装置用部材Lとして積層されるワークの積層数は、特定の数には限定されない。
(6)記憶部52jに記憶させる撮像タイミングの記憶データとしては、パネル等のワークの品種、接着剤の品種、またはそれらの組み合わせと1回目の撮像タイミングと2回目の撮像タイミングの一覧である表とすることができる。この表の中から、品種の情報等に応じて、最適な撮像タイミングが選択されるようにしてもよい。さらに、この表又はその一部の品種等が表示部53に表示され、オペレータが入力装置によりいずれかの品種を選択すると、これに対応するタイミングが検査に使用されるタイミングとして選択されるようにしてもよい。
(7)撮像した貼合領域の色、ボイドの色、埃、繊維等のゴミの色などは、照明や撮像装置の条件などで変わるので、上記の実施形態での例示した色には限定されない。
(8)撮像した画像から異質領域を抽出するタイミングは、1回目の画像と2回目の画像を取り終わった後にまとめて行なっても、撮像毎に個別に行なってもよい。例えば、2回目の撮像と並行して、1回目の画像から異質領域を抽出するように設定してもよい。
(9)実施形態に用いられる情報の具体的な内容、値は自由であり、特定の内容、数値には限定されない。実施形態において、情報が示す値に対する過不足、大小判断、一致不一致の判断等において、以上、以下、として値を含めるように判断するか、より大きい、より小さい、超える、超えない、上回る、下回る、不足する、足りない、未満として値を含めないように判断するかも自由である。
1 搬送装置
2 塗布装置
3 貼合装置
4 硬化装置
5 検査装置
6 制御装置
10 コンベア
21 支持ユニット
21a ステージ
21b 駆動機構
22 塗布ユニット
22a タンク
22b スリットコータ
23 照射ユニット
32 下側プレート
33 上側プレート
35 駆動機構
36 ステージ
37 真空チャンバ
41 載置台
43 照射ユニット
51 撮像部
51a 撮像装置
51b 撮像装置
52 検査処理部
52a 撮像指示部
52b 抽出部
52c 輝度判定部
52d 形状判定部
52e サイズ算出部
52f 変化量判定部
52g 第1の比較部
52h 第2の比較部
52i 許否判定部
52j 記憶部
53 表示部
100 表示装置用部材の製造装置
200 ローダ
300 アンローダ
W ワーク
R 接着剤
S1 液晶パネル
S2 カバーパネル

Claims (7)

  1. 表示装置を構成する一対のワークが、接着剤を介して貼り合わされた表示装置用部材を撮像する撮像部と、
    前記撮像部が撮像した画像から、正常な領域と区別される異質領域を抽出する抽出部と、
    前記抽出部が抽出した異質領域の大きさを示す値を求めるサイズ算出部と、
    前記表示装置用部材を1回目に撮像した画像における異質領域の大きさを示す値と、所定の時間をおいて2回目に撮像した画像における当該異質領域の大きさを示す値とに基づいて、当該異質領域が許容されるか否かを判定する許否判定部と、
    を有することを特徴とする表示装置用部材の検査装置。
  2. 前記1回目の画像における異質領域と、前記2回目の画像における異質領域との大きさを示す値の変化量を判定する変化量判定部と、
    前記変化量と所定のしきい値とを比較する比較部と、
    を有し、
    前記許否判定部は、前記比較部による比較結果に基づいて、当該異質領域が許容されるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の表示装置用部材の検査装置。
  3. 前記許否判定部による判定結果と、1回目と2回目の異質領域の大きさを示す情報とを表示する表示部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の表示装置用部材の検査装置。
  4. 前記1回目の画像における異質領域の輝度から、当該異質領域がボイドか否かを判定する輝度判定部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置用部材の検査装置。
  5. 前記1回目の画像における異質領域の形状から、当該異質領域がボイドか否かを判定する形状判定部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置用部材の検査装置。
  6. 前記一対のワークの少なくとも一方に、接着剤を塗布する塗布装置と、
    前記塗布装置により塗布された接着剤を介して、前記一対のワークを貼り合わせる貼合装置と、
    前記貼合装置により貼り合わされた前記一対のワークを検査する請求項1〜5のいずれか1項に記載の検査装置と、
    を有することを特徴とする表示装置用部材の製造装置。
  7. 撮像部が、表示装置を構成する一対のワークが接着剤を介して貼り合わされた表示装置用部材を撮像し、
    抽出部が、前記撮像部が撮像した画像から、正常な領域と区別される異質領域を抽出し、
    サイズ算出部が、前記抽出部が抽出した異質領域の大きさを示す値を求め、
    許否判定部が、前記表示装置用部材を1回目に撮像した画像における異質領域の大きさを示す値と、所定の時間をおいて2回目に撮像した画像における当該異質領域の大きさを示す値とに基づいて、当該異質領域が許容されるか否かを判定することを特徴とする表示装置用部材の検査方法。
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