JP2017067705A - 食後血糖値推定プログラム及び情報処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便に利用者の食後血糖値を推定する。
【解決手段】無線端末50の制御部54は、食後血糖値推定ブログラムを実行することにより、利用者の糖尿病の程度を示す指標、食事の開始から尿糖値を計測するまでの経過時間、及び前記尿糖値を取得するための取得部541と、前記指標、前記経過時間、及び前記尿糖値に基づいて、前記食事の摂取カロリーを用いることなく前記利用者の食後血糖値を推定する食後血糖値推定部542と、前記摂取カロリー、前記指標、前記尿糖値及び前記経過時間に基づいて、前記利用者の腎臓の糖排出閾値を推定する糖排出閾値推定部543として機能する。
【選択図】図3
【解決手段】無線端末50の制御部54は、食後血糖値推定ブログラムを実行することにより、利用者の糖尿病の程度を示す指標、食事の開始から尿糖値を計測するまでの経過時間、及び前記尿糖値を取得するための取得部541と、前記指標、前記経過時間、及び前記尿糖値に基づいて、前記食事の摂取カロリーを用いることなく前記利用者の食後血糖値を推定する食後血糖値推定部542と、前記摂取カロリー、前記指標、前記尿糖値及び前記経過時間に基づいて、前記利用者の腎臓の糖排出閾値を推定する糖排出閾値推定部543として機能する。
【選択図】図3
Description
本発明は、食後血糖値を推定する食後血糖値推定プログラム及び情報処理装置に関する。
血糖値の測定は、医療機関において採血後、臨床検査装置で測定するのが一般的であるが、簡易血糖測定器により、医療従事者を介さないで自宅における測定も可能であり、インスリン適用者は日常的に使用している。しかしながら、簡易血糖測定器では穿刺による侵襲、費用の面から頻回測定には向いていない。一方、尿糖計を用いた尿糖測定は血糖測定と比較し、非侵襲的であるため比較的簡便に行うことができる。
膵臓のβ細胞は、一定量のインスリンを分泌し、肝臓からの糖の放出量と全身の糖の取り込み量を適合させている。食事をすると、血糖値が上昇し、インスリンが追加分泌され、肝臓からの糖の放出を抑え、肝臓への糖の取り込みを促す。更に、骨格筋に取り込まれ、残りの糖は、中性脂肪として脂肪細胞に貯蔵されたり、血糖値が腎臓の糖***閾値を超えた場合、尿として膀胱に蓄積される。
糖尿病の多くは、血糖値上昇に見合う量のインスリンが分泌されなかったり、分泌が遅れたりする「分泌不全」と、インスリンの効きが悪い「抵抗性」の2つに起因する。インスリン分泌不全や抵抗性があると、肝臓は必要以上の糖を放出することになり、高血糖となる。食後にだけ血糖値が高くなる「食後高血糖」は、インスリンの分泌不全が始まった予兆と考えられる。
したがって、食後血糖値が、どういう状態か、手軽に分かれば、食事の炭水化物摂取量などの管理、食後の運動療法により血糖値をコントロールでき、糖尿病が進行するのを食い止め、改善させるために役立つ。特許文献1には、尿糖計を用いたそのような健康管理の一例が開示されている。
糖尿病の多くは、血糖値上昇に見合う量のインスリンが分泌されなかったり、分泌が遅れたりする「分泌不全」と、インスリンの効きが悪い「抵抗性」の2つに起因する。インスリン分泌不全や抵抗性があると、肝臓は必要以上の糖を放出することになり、高血糖となる。食後にだけ血糖値が高くなる「食後高血糖」は、インスリンの分泌不全が始まった予兆と考えられる。
したがって、食後血糖値が、どういう状態か、手軽に分かれば、食事の炭水化物摂取量などの管理、食後の運動療法により血糖値をコントロールでき、糖尿病が進行するのを食い止め、改善させるために役立つ。特許文献1には、尿糖計を用いたそのような健康管理の一例が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、食後、所定時間(例えば、2時間)経過したタイミングで尿糖値を測定する必要があり、しかも数か月に亘って測定を継続する必要がある。また、当該文献には、記載されていないが、摂取カロリーによって尿糖値は相違するため、尿糖値の計測においては、標準摂取カロリーとなる標準食を食べる必要がある。くわえて、上述したように血糖値が腎臓の糖排出閾値を超えた場合に尿糖として排出されるところ、糖排出閾値は利用者によって相違する。このため、平均的な糖排出閾値を想定するしかなく、利用者の血糖状態の推定精度が悪いといった問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡便に利用者の食後血糖値を推定することを解決課題の一つとする。
本発明に係る食後血糖値推定プログラムの一態様は、利用者の食後血糖値を推定することが可能な情報処理装置に用いられるものであって、前記情報処理装置を、前記利用者の糖尿病の程度を示す指標、食事の開始から尿糖値を計測するまでの経過時間、及び前記尿糖値を取得するための取得部と、前記取得部で取得した、前記指標、前記経過時間、及び前記尿糖値に基づいて、前記食事の摂取カロリーを用いることなく前記利用者の食後血糖値を推定する食後血糖値推定部として機能させる。
この発明の一態様によれば、利用者の糖尿病の程度を示す指標、食事の開始から尿糖値を計測するまでの経過時間、及び尿糖値に基づいて、利用者の食後血糖値を推定するので、食事の摂取カロリーを用いることなく、利用者の食後血糖値の推定が可能となる。
この発明の一態様によれば、利用者の糖尿病の程度を示す指標、食事の開始から尿糖値を計測するまでの経過時間、及び尿糖値に基づいて、利用者の食後血糖値を推定するので、食事の摂取カロリーを用いることなく、利用者の食後血糖値の推定が可能となる。
上述した発明の一態様において、前記食後血糖値推定部は、前記取得部で取得した前記尿糖値を用いて、当該尿糖値の計測に伴う排尿から直前の排尿までの間に前記糖排出閾値を超えた時間当たりの血糖値についての累算値を推定し、推定した前記累算値と前記利用者の腎臓の糖排出閾値とに基づいて前記利用者の食後血糖値を推定することが好ましい。
この態様において、当該尿糖値の計測に伴う排尿から直前の排尿までの間に糖排出閾値を超えた時間当たりの血糖値についての累算値と尿糖値との間には、高い相関があるので、尿糖値を用いて累算値を推定することができる。また、糖排出閾値を超える血糖値の累算が尿糖値となるから、糖排出閾値を基準として、そこに累算値が加算されたものが当該尿糖値の計測に伴う排尿から直前の排尿までの間の血糖状態を示している。よって、推定した累算値と利用者の腎臓の糖排出閾値とに基づいて利用者の食後血糖値を推定することができる。
この態様において、当該尿糖値の計測に伴う排尿から直前の排尿までの間に糖排出閾値を超えた時間当たりの血糖値についての累算値と尿糖値との間には、高い相関があるので、尿糖値を用いて累算値を推定することができる。また、糖排出閾値を超える血糖値の累算が尿糖値となるから、糖排出閾値を基準として、そこに累算値が加算されたものが当該尿糖値の計測に伴う排尿から直前の排尿までの間の血糖状態を示している。よって、推定した累算値と利用者の腎臓の糖排出閾値とに基づいて利用者の食後血糖値を推定することができる。
上述した発明の一態様において、前記食後血糖値推定部は、推定した前記累算値と前記利用者の腎臓の糖排出閾値とに基づいて前記利用者の食後血糖値を推定する場合に、前記取得部で取得した前記指標及び推定した前記累算値に対応する前記利用者の食後血糖値推移関数を推定し、推定した前記食後血糖値推移関数を用いて前記利用者の食後血糖値を推定することが好ましい。
この態様において、食後血糖値推移関数は、摂取カロリー及び糖尿病の程度を示す指標を変数とし、食後の血糖値の時間推移を示す。食後血糖値推移関数において、指標が定まった状態で、摂取カロリーを変化させると、摂取カロリーが大きくなる程、食後血糖ピーク値が大きくなる。また、糖排出閾値を特定した場合、摂取カロリーが大きくなると、累算値は単調増加する。したがって、指標と糖排出閾値を定めると、推定された累算値に対応する食後血糖値推移関数を一意に特定することができる。これにより、摂取カロリーが不明であっても、食後血糖値推移関数を推定し、これを用いて食後血糖値を推定することが可能となる。
この態様において、食後血糖値推移関数は、摂取カロリー及び糖尿病の程度を示す指標を変数とし、食後の血糖値の時間推移を示す。食後血糖値推移関数において、指標が定まった状態で、摂取カロリーを変化させると、摂取カロリーが大きくなる程、食後血糖ピーク値が大きくなる。また、糖排出閾値を特定した場合、摂取カロリーが大きくなると、累算値は単調増加する。したがって、指標と糖排出閾値を定めると、推定された累算値に対応する食後血糖値推移関数を一意に特定することができる。これにより、摂取カロリーが不明であっても、食後血糖値推移関数を推定し、これを用いて食後血糖値を推定することが可能となる。
上述した発明の一態様において、前記食後血糖値推定部は、推定した前記累算値に基づいて前記利用者の食後血糖値を推定する場合に、推定した前記累算値に対応する前記利用者の食後血糖値推移関数を推定するとともに、推定した前記累算値に対応する前記利用者の摂取カロリーを推定することが好ましい。
食後血糖値推移関数は、摂取カロリー及び糖尿病の程度を示す指標を変数とし、食後の血糖値の時間推移を示すものであるから、食後血糖値推移関数を推定することができれば、対応する摂取カロリーを推定することができる。よって、利用者は、摂取カロリーが不明な食事をしても尿糖値を計測することによって、摂取カロリーを推定することが可能となる。
食後血糖値推移関数は、摂取カロリー及び糖尿病の程度を示す指標を変数とし、食後の血糖値の時間推移を示すものであるから、食後血糖値推移関数を推定することができれば、対応する摂取カロリーを推定することができる。よって、利用者は、摂取カロリーが不明な食事をしても尿糖値を計測することによって、摂取カロリーを推定することが可能となる。
上述した発明の一態様において、前記取得部は、前記利用者の食事の摂取カロリーを取得することが可能であり、前記取得部で取得した、前記摂取カロリー、前記指標、前記尿糖値及び前記経過時間に基づいて、前記利用者の腎臓の糖排出閾値を推定する糖排出閾値推定部とを備えることが好ましい。
より具体的には、前記糖排出閾値推定部は、前記取得部で取得した、前記尿糖値及び前記経過時間に基づいて、当該尿糖値の計測に伴う排尿から直前の排尿までの間に前記糖排出閾値を超えた時間当たりの血糖値についての累算値を推定し、前記取得部で取得した、前記摂取カロリー及び前記指標に基づいて、前記利用者の食後血糖値推移関数を推定し、推定した食後血糖値推移関数と推定した前記累算値とに基づいて前記糖排出閾値を推定することが好ましい。
この態様によれば、食後血糖値推移関数は摂取カロリー及び糖尿病の程度を示す指標を変数とするので、摂取カロリー及び指標に基づいて、利用者の食後血糖値推移関数を推定することができる。また、尿糖値及び経過時間と一定の関係(概略、比例関係)にある累算値は糖排出閾値を超える血糖値を積分したものであるから、食後血糖値推移関数と累算値に基づいて、糖排出閾値を推定することが可能となる。
なお、尿糖値の計測に伴う排尿及び直前の排尿は、摂取カロリーが既知な食事の後の排尿であり、経過時間は食事開始から直前の排尿までの第1の経過時間と食事開始から尿糖値の計測に伴う排尿までの第2の経過時間であることが好ましい。あるいは、空腹血糖値が糖排出閾値を超えない場合には、直前の排尿は摂取カロリーが既知な食事の前の排尿であり、尿糖値の計測に伴う排尿及び直前の排尿は摂取カロリーが既知な食事の後の排尿であり、経過時間は食事開始から尿糖値の計測に伴う排尿までの時間であることが好ましい。また、摂取カロリーが既知である第1回目の食事の後に、摂取カロリーが既知である第2回目の食事をする場合は、第2回目の食事の後に尿糖値の計測に伴う排尿を行い、第2回目の食事の前に直前の排尿を行うことが好ましい。
より具体的には、前記糖排出閾値推定部は、前記取得部で取得した、前記尿糖値及び前記経過時間に基づいて、当該尿糖値の計測に伴う排尿から直前の排尿までの間に前記糖排出閾値を超えた時間当たりの血糖値についての累算値を推定し、前記取得部で取得した、前記摂取カロリー及び前記指標に基づいて、前記利用者の食後血糖値推移関数を推定し、推定した食後血糖値推移関数と推定した前記累算値とに基づいて前記糖排出閾値を推定することが好ましい。
この態様によれば、食後血糖値推移関数は摂取カロリー及び糖尿病の程度を示す指標を変数とするので、摂取カロリー及び指標に基づいて、利用者の食後血糖値推移関数を推定することができる。また、尿糖値及び経過時間と一定の関係(概略、比例関係)にある累算値は糖排出閾値を超える血糖値を積分したものであるから、食後血糖値推移関数と累算値に基づいて、糖排出閾値を推定することが可能となる。
なお、尿糖値の計測に伴う排尿及び直前の排尿は、摂取カロリーが既知な食事の後の排尿であり、経過時間は食事開始から直前の排尿までの第1の経過時間と食事開始から尿糖値の計測に伴う排尿までの第2の経過時間であることが好ましい。あるいは、空腹血糖値が糖排出閾値を超えない場合には、直前の排尿は摂取カロリーが既知な食事の前の排尿であり、尿糖値の計測に伴う排尿及び直前の排尿は摂取カロリーが既知な食事の後の排尿であり、経過時間は食事開始から尿糖値の計測に伴う排尿までの時間であることが好ましい。また、摂取カロリーが既知である第1回目の食事の後に、摂取カロリーが既知である第2回目の食事をする場合は、第2回目の食事の後に尿糖値の計測に伴う排尿を行い、第2回目の食事の前に直前の排尿を行うことが好ましい。
上述した食後血糖値推定プログラムの発明は、以下に示す利用者の食後血糖値を推定する情報処理装置の発明として捉えることができる。
本発明に係る情報処理装置の一態様は、利用者の食後血糖値を推定するものであって、前記利用者の糖尿病の程度を示す指標、食事の開始から尿糖値を計測するまでの経過時間、及び前記尿糖値を取得するための取得部と、前記指標、前記経過時間、及び前記尿糖値に基づいて、前記食事の摂取カロリーを用いることなく前記利用者の食後血糖値を推定する食後血糖値推定部と、を備える。
本発明に係る情報処理装置の一態様は、利用者の食後血糖値を推定するものであって、前記利用者の糖尿病の程度を示す指標、食事の開始から尿糖値を計測するまでの経過時間、及び前記尿糖値を取得するための取得部と、前記指標、前記経過時間、及び前記尿糖値に基づいて、前記食事の摂取カロリーを用いることなく前記利用者の食後血糖値を推定する食後血糖値推定部と、を備える。
また、上述した情報処理装置の一態様において、前記食後血糖値推定部は、前記取得部で取得した前記尿糖値を用いて、当該尿糖値の計測に伴う排尿から直前の排尿までの間に前記糖排出閾値を超えた時間当たりの血糖値についての累算値を推定し、推定した前記累算値と前記利用者の腎臓の糖排出閾値とに基づいて前記利用者の食後血糖値を推定することが好ましい。なお、累積値と尿糖値とは一定の関係にある。
また、上述した情報処理装置の一態様において、前記食後血糖値推定部は、推定した前記累算値と前記利用者の腎臓の糖排出閾値とに基づいて前記利用者の食後血糖値を推定する場合に、前記取得部で取得した前記指標及び推定した前記累算値に対応する前記利用者の食後血糖値推移関数を推定し、推定した前記食後血糖値推移関数を用いて前記利用者の食後血糖値を推定することが好ましい。
また、上述した情報処理装置の一態様において、前記食後血糖値推定部は、推定した前記累算値に基づいて前記利用者の食後血糖値を推定する場合に、推定した前記累算値に対応する前記利用者の食後血糖値推移関数を推定するとともに、推定した前記累算値に対応する前記利用者の摂取カロリーを推定することが好ましい。
また、上述した情報処理装置の一態様において、前記取得部は、前記利用者の食事の摂取カロリーを取得することが可能であり、前記取得部で取得した、前記摂取カロリー、前記指標、前記尿糖値及び前記経過時間に基づいて、前記利用者の腎臓の糖排出閾値を推定する糖排出閾値推定部とを備えることが好ましい。
また、上述した情報処理装置の一態様において、前記糖排出閾値推定部は、前記取得部で取得した、前記尿糖値及び前記経過時間に基づいて、当該尿糖値の計測に伴う排尿から直前の排尿までの間に前記糖排出閾値を超えた時間当たりの血糖値についての累算値を推定し、前記取得部で取得した、前記摂取カロリー及び前記指標に基づいて、前記利用者の食後血糖値推移関数を推定し、推定した食後血糖値推移関数と推定した前記累算値とに基づいて前記糖排出閾値を推定することが好ましい。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る一実施形態たる食後血糖値推定システム100を説明する。
<1.第1実施形態>
<1-1.食後血糖値推定システム100の構成>
食後血糖値推定システム100は尿糖計1、尿糖計1を収納するスタンド2、及び無線端末50を備える。図1に、尿糖計1の外観を示し、図2に食後血糖値推定システム100の外観を示す。また、図3は、食後血糖値推定システム100の電気的な構成を示すブロック図である。この例の無線端末50は、スマートフォンなどの携帯電話であるが、無線通信が可能なパーソナルコンピュータや、タブレットであってもよい。
<1.第1実施形態>
<1-1.食後血糖値推定システム100の構成>
食後血糖値推定システム100は尿糖計1、尿糖計1を収納するスタンド2、及び無線端末50を備える。図1に、尿糖計1の外観を示し、図2に食後血糖値推定システム100の外観を示す。また、図3は、食後血糖値推定システム100の電気的な構成を示すブロック図である。この例の無線端末50は、スマートフォンなどの携帯電話であるが、無線通信が可能なパーソナルコンピュータや、タブレットであってもよい。
尿糖計1は、図1に示すように、尿中糖分を電気化学的に検出するセンサカートリッジ11と、センサカートリッジ11による検出に基づいて尿中糖分濃度の測定・表示を行いかつ測定の際にセンサカートリッジ11を保持する部分となる尿糖計本体21とによって構成される。センサカートリッジ11が交換できるように、センサカートリッジ11と尿糖計本体21とは互いに分離可能であり且つ図1に示すように互いに結合可能である。なお、図示の尿糖計1は、使用しない時には、図2に示すように、スタンド2に挿入設置することにより保管できるようになされている。また、尿糖計1は無線端末50と通信可能である。無線端末50には、利用者の食後の血糖値を推定する食後血糖値推定プロブラムが格納されている。また、無線端末50は、利用者の食後血糖値を推定する情報処理装置の一例である。
図3のブロック図に示すように、センサカートリッジ11は、尿糖センサ13、リードスイッチ15、接続検出回路16、センサ駆動回路17及びコネクタ18を備える。尿糖センサ13は、尿中の夾雑物質の影響を排除して、低中高の広範囲に渡る尿中糖分濃度について検出する。尿糖センサ13は酵素を尿成分検知用のセンサとして構成したものである。
リードスイッチ15は、スタンド2に尿糖計1を収納したときに、磁石42による磁場の影響で例えばオフ状態(又はオン状態)になり、リードスイッチ15のオフ状態(又はオン状態)となる。リードスイッチ15のオン・オフ状態は、コネクタ18を介して後述するマイクロコンピュータ29で検知できるようになっている。
接続検出回路16は、センサカートリッジ11が尿糖計本体21に接続されているか否かを検出する。
センサ駆動回路17は、尿糖センサ13を駆動するとともに、コネクタ18を介して尿糖センサ13の検出信号を尿糖計本体21に出力する。
接続検出回路16は、センサカートリッジ11が尿糖計本体21に接続されているか否かを検出する。
センサ駆動回路17は、尿糖センサ13を駆動するとともに、コネクタ18を介して尿糖センサ13の検出信号を尿糖計本体21に出力する。
次に、尿糖計本体21は、電源23、操作ボタンB1、不揮発性記憶部25、表示部26、無線インターフェース部27、コネクタ28、及びマイクロコンピュータ29を備える。この例の電源23は電池である。利用者は操作ボタンB1を操作することによって、各種の操作指示を入力できるようになっている。不揮発性記憶部25は、例えば、フラッシュメモリで構成され、データの書き換えが可能であり、且つ、電力の供給がなくてもデータを保持する。不揮発性記憶部25には、尿糖センサ13の差分電流値と尿糖値変換係数とを対応付けて記憶した較正テーブルTBL1が記憶されている。
表示部26は、各種の情報を表示し、例えば、液晶表示装置で構成される。無線インターフェース部27は、無線端末50との間で無線通信を実行する。無線端末50に送信される情報には、尿糖値及びその計測時刻が含まれる。コネクタ28は、センサカートリッジ11のコネクタ18と接続される。
尿糖センサ13は寿命があり、使用限度に達すると表示部26にセンサ交換の旨の表示がなされる。その場合、使用者はセンサカートリッジ11を尿糖計本体21から取り外し、新しいセンサカートリッジ11を尿糖計本体21に取り付ける。センサカートリッジ11には尿や洗浄水が掛けられるので、センサカートリッジ11と尿糖計本体21との間は防水性に優れている。
マイクロコンピュータ29は、いわゆる1チップマイコンであって、データを一時的に格納するRAM291、ブートプログラムが格納されているROM292、D/A変換器293、A/D変換器294、クロック信号をカウントすることによって時間を計測する計時部295及び演算や各種の処理を実行する制御部296を備える。
無線端末50は、記憶部51、表示入力部52、無線インターフェース部53、及び制御部54を備える。記憶部51は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどで構成され、制御部54の作業領域としても機能する。また、フラッシュメモリには、食後血糖値推定プログラム、尿糖テーブルTBL2、血糖テーブルTBL3、食事テーブルTBL4、糖尿病の程度を示す指標(この例では、HbA1c)及び腎臓の糖排出閾値が記憶される。食後血糖値推定プログラムは、後述する食後血糖値推移関数を含む。また、尿糖テーブルTBL2には、尿糖値と計測時刻とが対応付けられて記憶されている。さらに、血糖テーブルTBL3には食後血糖値の最大値とその日時とが対応付けられて記憶されている。くわえて、食事テーブルTBL4には、食事日時が記憶されている。
表示入力部52は、タッチセンサを有する表示装置であって、液晶表示装置や有機EL表示装置が該当する。タッチセンサを有るので、利用者の入力操作は表示入力部52で行われる。表示入力部52は、利用者が表示入力部52をタッチした位置を示す位置検出信号を出力する。無線インターフェース部53は、尿糖計1との間で無線通信を行う。また、無線通信網との間で無線通信を行うことが可能である。
制御部54は無線端末50全体を制御する制御中枢として機能し、CPU(Central Processing Unit)で構成される。また、制御部54は、食後血糖値の推定プログラムを実行することにより、取得部541、食後血糖値推定部542、糖排出閾値推定部543として機能する。
制御部54は無線端末50全体を制御する制御中枢として機能し、CPU(Central Processing Unit)で構成される。また、制御部54は、食後血糖値の推定プログラムを実行することにより、取得部541、食後血糖値推定部542、糖排出閾値推定部543として機能する。
取得部541は、利用者の糖尿病の程度を示す指標、食事の開始から尿糖値を計測するまでの経過時間、及び尿糖値を少なくとも取得する。利用者の糖尿病の程度を示す指標の一例は、HbA1cであり、例えば、表示入力部52から入力される。なお、無線通信網を介してサーバ装置や他の無線端末から利用者の糖尿病の程度を示す指標が送信されてもよい。この場合にも、取得部541は、利用者の糖尿病の程度を示す指標を取得する。また、この例において、食事の開始日時は、利用者が表示入力部52を操作して入力し、尿糖値及びその計測日時は、尿糖計1から送信される。制御部54は、尿糖値の計測日時と食事の開始日時の差分を演算して経過時間を算出する。取得部541は算出された経過時間を取得する。なお、取得部541は、食事の摂取カロリーを取得してもよい。
食後血糖値推定部542は、取得部541で取得した、糖尿病の程度を示す指標、経過時間、及び尿糖値に基づいて、食事の摂取カロリーを用いることなく利用者の食後血糖値を推定する。より具体的には、食後血糖値推定部542は、取得部541で取得した尿糖値を用いて、当該尿糖値の計測に伴う排尿から直前の排尿までの間に糖排出閾値を超えた時間当たりの血糖値についての累算値を推定する。さらに、食後血糖値推定部542は、推定した累算値と利用者の腎臓の糖排出閾値とに基づいて利用者の食後血糖値を推定する。この点につては後述する食後血糖値推定の原理において詳細に説明する。
また、食後血糖値推定部542は推定した累算値に基づいて利用者の食後血糖値を推定する場合に、取得部541で取得した指標及び推定した累算値に対応する利用者の食後血糖値推移関数を推定し、推定した食後血糖値推移関数を用いて利用者の食後血糖値を推定することが好ましい。
糖排出閾値推定部543は、取得部541で取得した、摂取カロリー、指標、尿糖値及び経過時間に基づいて、利用者の腎臓の糖排出閾値を推定する。より具体的には、糖排出閾値推定部543は、尿糖値及び経過時間に基づいて、当該尿糖値の計測に伴う排尿から直前の排尿までの間に糖排出閾値を超えた時間当たりの血糖値についての累算値を推定する。また、糖排出閾値推定部543は、取得部541で取得した、摂取カロリー及び指標に基づいて、利用者の食後血糖値推移関数を推定し、推定した食後血糖値推移関数と推定した累算値とに基づいて糖排出閾値を推定する。
糖排出閾値推定部543は、取得部541で取得した、摂取カロリー、指標、尿糖値及び経過時間に基づいて、利用者の腎臓の糖排出閾値を推定する。より具体的には、糖排出閾値推定部543は、尿糖値及び経過時間に基づいて、当該尿糖値の計測に伴う排尿から直前の排尿までの間に糖排出閾値を超えた時間当たりの血糖値についての累算値を推定する。また、糖排出閾値推定部543は、取得部541で取得した、摂取カロリー及び指標に基づいて、利用者の食後血糖値推移関数を推定し、推定した食後血糖値推移関数と推定した累算値とに基づいて糖排出閾値を推定する。
<1-2.食後血糖値の推定の原理>
次に、食後血糖値推定システム100における食後血糖値の推定の原理について説明する。
次に、食後血糖値推定システム100における食後血糖値の推定の原理について説明する。
<1-2-1:摂取カロリーを用いた食後血糖値推移関数の推定>
まず、摂取カロリーと血糖値の関係について説明する。血液量は、ほぼ体重に比例すると考えられる。そこで、血液に、食事からの体重1kg当たりの糖の流入量を示す関数を求める。
1回の食事内の、食事の成分によって(例えば単糖類と多糖類)、グルコースに変換される時間は異なる。このため、食事開始から血液に流入する糖は確率分布状になると想定される。ここでは、確率分布の中で開始が0であることを選べるガンマ分散を用いた。
まず、摂取カロリーと血糖値の関係について説明する。血液量は、ほぼ体重に比例すると考えられる。そこで、血液に、食事からの体重1kg当たりの糖の流入量を示す関数を求める。
1回の食事内の、食事の成分によって(例えば単糖類と多糖類)、グルコースに変換される時間は異なる。このため、食事開始から血液に流入する糖は確率分布状になると想定される。ここでは、確率分布の中で開始が0であることを選べるガンマ分散を用いた。
モデル化した標準摂取カロリー(OGTTにあわせ、300カロリーとする)の、食事からの血中への糖の流入量の時間変化を図4に示す。図4において、横軸は食事開始からの時間「分」、縦軸は「mg/kg/min」(体重1kg、1分当たりの血中への糖の流入量)であり、食事開始直後は血中への糖の流入量は「0」、食事開始60分後にピークを示す定数を選んだ。血糖値の時間推移は300分=5時間までとしている。
血糖値の初期値(空腹時血糖)は、HbA1cが高いほど大きくなり、食事開始後、血中への糖の流入により血糖値は上がり、血糖の単位時間(分)単位の吸収量を、HbA1cが高いほどインスリンの分泌や抵抗性などで、血糖の吸収量が少なくなるモデルとした。
一般に、HbA1cの基準値は、「優」が6.2%未満、「良」が6.2〜6.9未満、「可・不十分」が6.9〜7.4未満、「可・不良」が7.4〜8.4未満、「不可」が8.4以上である。そこで、「可・不十分」と「可・不良」とが、いわゆる境界型及び食後高血糖である糖尿病予備軍と捉えられる。HbA1cを、「優〜不可で」ある、6.0〜9.5とし、上記モデルで計算したものが、図5である。同図において、横軸を食事開始からの時間(0〜300分=5時間)、縦軸を血糖値mg/dLとする。HbA1cが高いほど、血糖値が高く、食後のピークの時間は後ろにずれている。
一般に、HbA1cの基準値は、「優」が6.2%未満、「良」が6.2〜6.9未満、「可・不十分」が6.9〜7.4未満、「可・不良」が7.4〜8.4未満、「不可」が8.4以上である。そこで、「可・不十分」と「可・不良」とが、いわゆる境界型及び食後高血糖である糖尿病予備軍と捉えられる。HbA1cを、「優〜不可で」ある、6.0〜9.5とし、上記モデルで計算したものが、図5である。同図において、横軸を食事開始からの時間(0〜300分=5時間)、縦軸を血糖値mg/dLとする。HbA1cが高いほど、血糖値が高く、食後のピークの時間は後ろにずれている。
次に、食後血糖値の時間推移は、摂取カロリーが大きくなるほど、血糖値が高くなると考えられる。標準摂取カロリーの1.5倍の食事摂取をした場合の、体重当たりの食事からの分あたりの糖の流入量と、食後血糖値の時間推移を図6に示す。横軸は同様に食事開始からの経過時間、縦軸も同様に、それぞれmg/kg/min(食事からの血中への糖の流入量の時間変化)、食後血糖値の時間推移である。また、HbA1cを、「優〜不可で」ある、6.0〜9.5とし、標準摂取カロリーの1.5倍の食事摂取をしたものが図7である。
HbA1cが7.0の時、食後血糖値のピークが170mg/dLとなり、個人により腎臓の糖排出閾値に達する可能性が出てくる。このようにして、このモデルは、摂取カロリーを変えた場合の食後血糖値の推移を表せ、腎臓の糖排出閾値を超えた場合、尿に糖が***されるモデルとしても有効である。
ここまで述べたモデルの係数は仮のものであり、実際の係数は臨床データに合わせて決定する
ここまで述べたモデルの係数は仮のものであり、実際の係数は臨床データに合わせて決定する
具体的には、1)HbA1cの広い範囲をカバーする利用者老若男女多数を集める。2)食事摂取カロリーを変え、食事開始時刻を記録する。3)持続血糖測定システムなどで連続的に食後血糖値の時間推移を測定する。4)食前食後等、排尿時間条件も変えた尿糖値を採取する。
このデータベースから、最小2乗法を使い、少なくともHbA1c、摂取カロリーを変数とした、食後の血糖値の時間推移が最適となる係数を求める。なお、このモデルにとらわれず、食後血糖値の時間推移は、臨床データともっとうまく合致する、HbA1cの値をH、摂取カロリーの量をC、時間をtとする以下に示す式1によって食後血糖値推移関数B(t)が与えられる。
なお、食後血糖値推移関数B(t)は、誤差が許容される範囲で、臨床データと相関が高ければどのようなものであってもよい。またHbA1cの替わりに他の糖尿病の程度を示し指標(血糖状態を示す指標)を採用してもよい。例えば、血清中のタンパクの一種アルブミンとブドウ糖が結合したグルコアルブミンや、血液中の糖とタンパクが結合したフルクトサミンであってもよい。グルコアルブミンは比較的短期(1〜2週間)の血糖状態の管理に適している。
また、食後血糖値推移関数B(t)の変数としては、糖尿病の程度を示す指標、摂取カロリーの他に、体重、年齢、性別などの利用者の生体の状態を示す生体情報のうち少なくとも一つを加えてもよい。
また、食後血糖値推移関数B(t)の変数としては、糖尿病の程度を示す指標、摂取カロリーの他に、体重、年齢、性別などの利用者の生体の状態を示す生体情報のうち少なくとも一つを加えてもよい。
食後血糖値推移関数B(t)の式とその係数が決定すれば、個人が、その個人のHbA1cが分かっている場合、あるカロリー(C)の食事を摂取した後の、血糖値の時間推移が、C(kcal)とH(%)の関係式として、血糖値測定によらず、推定することが可能となる。
<1-2-2:腎臓の糖排出閾値の推定>
個人の腎臓の糖排出閾値を、M(mg/dL)とすると、糖排出閾値Mを超えた排尿間の血糖値の累算値AUCと排尿の尿糖値とは相関を持ち、一定の関係がある。即ち、累算値AUCと排尿の尿糖値との関係は、回帰式であらわすことができる。ここで、血糖値の糖排出閾値を超えた分は糖排出閾値近傍において非線形になる可能性があるので、血糖値の糖排出閾値を超えた分は必ずしも線形に尿糖として蓄積されない場合があり得る。したがって、血糖値と累積値AUCとは正確に比例するわけではないが、概略、血糖値と累積値AUCとは比例する。
実際の臨床データでは、多数の血糖値の時間推移と多数の排尿尿糖値のデータ間で誤差が最小となるように係数を算出する。
個人の腎臓の糖排出閾値を、M(mg/dL)とすると、糖排出閾値Mを超えた排尿間の血糖値の累算値AUCと排尿の尿糖値とは相関を持ち、一定の関係がある。即ち、累算値AUCと排尿の尿糖値との関係は、回帰式であらわすことができる。ここで、血糖値の糖排出閾値を超えた分は糖排出閾値近傍において非線形になる可能性があるので、血糖値の糖排出閾値を超えた分は必ずしも線形に尿糖として蓄積されない場合があり得る。したがって、血糖値と累積値AUCとは正確に比例するわけではないが、概略、血糖値と累積値AUCとは比例する。
実際の臨床データでは、多数の血糖値の時間推移と多数の排尿尿糖値のデータ間で誤差が最小となるように係数を算出する。
まず、空腹時血糖が糖排出閾値以下である場合の糖排出閾値の算出方法について説明し、その後、空腹時血糖が糖排出閾値を超える場合の糖排出閾値の算出方法について説明手法について説明する。図8に示す例では、空腹時血糖が糖排出閾値以下の被験者が食事の開始時刻である時刻「0」の直前に排尿し、150分経過した際に尿糖値を測定したものとする。
累算値AUCと、尿糖値とは一定の関係があり、概略比例する。よって、以下に示す式2が成り立つ。
但し、Aは定数、U(N)は食事開始から時間t(N)が経過した時点の尿糖値であり、Nは食事開始からの排尿回数を示す。なお、式2は、比例関係をあらわしているが、累算値と尿糖値とは、一定の関係があればよく、これが非線形であってもよい。
ここで、食事開始後時間t(N)時点の排尿(N)の尿糖値がU(N)で、その前の排尿(N−1)の時間がt(N−1)であったとき、AUC(N)は以下に示す式3で与えられる。
但し、(B(t)−M)<0 の場合、B(t)−M=0とする。即ち、血糖値が腎臓の糖排出閾値M以下の場合は「0」とする。
ここで、食事開始後時間t(N)時点の排尿(N)の尿糖値がU(N)で、その前の排尿(N−1)の時間がt(N−1)であったとき、AUC(N)は以下に示す式3で与えられる。
例えば、図9に示すように、空腹時血糖が糖排出閾値以下の被験者の1回目の排尿が食事開始から60分経過した時点にあり、当該被験者の2回目の排尿が食事開始から150分経過した時点にあったとする。この場合、累算値AUC(1)に応じた尿糖値U(1)が60分経過した時点で測定され、累算値AUC(2)に応じた尿糖値U(2)が150分経過した時点で測定される。
ここで、食事の摂取カロリーとHbA1cとが既知であるとすれば、図8及び図9に示す食後血糖値推移関数B(t)が特定される。そして、尿糖値U(1)と尿糖値U(2)が計測されたとする。この場合、AUC(1)は、A×U(1)で算出される。血糖値推移関数B(t)は既知であるから、t=60の場合にAUC(1)=A×U(1)となるように、糖排出閾値Mを定める。
B(t)=Mとなる時刻のうち早い方の時刻とTxとすれば、時刻Txより前に排尿し、その後、1回の排尿で尿糖値を測定すれば、糖排出閾値Mを算出することができる。実際には、糖排出閾値Mが算出される前に時刻Txを知ることはできないので、食事の前に排尿することが好ましい。すなわち、空腹時血糖が糖排出閾値以下の被験者については、食事の前に排尿することを条件に、食後の1回の排尿で尿糖値を測定すれば、糖排出閾値Mを算出することができる。
B(t)=Mとなる時刻のうち早い方の時刻とTxとすれば、時刻Txより前に排尿し、その後、1回の排尿で尿糖値を測定すれば、糖排出閾値Mを算出することができる。実際には、糖排出閾値Mが算出される前に時刻Txを知ることはできないので、食事の前に排尿することが好ましい。すなわち、空腹時血糖が糖排出閾値以下の被験者については、食事の前に排尿することを条件に、食後の1回の排尿で尿糖値を測定すれば、糖排出閾値Mを算出することができる。
次に、空腹時血糖が糖排出閾値以下の被験者が、食事の前に排尿しなかった場合には、食後に2回の排尿を行ない、各排尿における食事からの経過時間、及2回目の排尿における尿糖値を測定すれば、糖排出閾値Mを算出することができる。
まず、食事の摂取カロリーとHbA1cとが既知であるので、食後血糖値推移関数B(t)は既知である。ここでは、図10に示す食後血糖値推移関数B(t)を特定したものとする。
次に、食事開始から60分が経過した時点で1回目の排尿を行い、150分を経過した時点で2回目の排尿を行ったものとする。この場合、2回目の排尿で尿に排出される糖の一般式は、上述した式3となる。そして、この例を適用すると、累算値AUC(2)は以下に示す式4で与えられる。
ここで、2回目の排尿時に測定された尿糖値U(2)は、A×U(2)で算出される。血糖値推移関数B(t)は既知であるから、AUC(2)=A×U(2)となるように、糖排出閾値Mを定める。
図11に示すように2回目に排尿で測定される尿糖値U(2)に関連するt=60からt=150までの血糖値の時間推移は既知である。したがって、糖排出閾値Mを可変して、AUC(2)=A×U(2)となるように糖排出閾値Mを定めればよい。
次に、食事開始から60分が経過した時点で1回目の排尿を行い、150分を経過した時点で2回目の排尿を行ったものとする。この場合、2回目の排尿で尿に排出される糖の一般式は、上述した式3となる。そして、この例を適用すると、累算値AUC(2)は以下に示す式4で与えられる。
図11に示すように2回目に排尿で測定される尿糖値U(2)に関連するt=60からt=150までの血糖値の時間推移は既知である。したがって、糖排出閾値Mを可変して、AUC(2)=A×U(2)となるように糖排出閾値Mを定めればよい。
次に、空腹時血糖が糖排出閾値を超える場合の糖排出閾値の算出方法について説明する。糖尿病の患者は、空腹時に尿糖を測定しても反応が得れる。これは、空腹時血糖が糖排出閾値を超えているからである。
上述したように、空腹時血糖が糖排出閾値以下である場合は、食事前に排尿すれば、食事後の1回の排尿時の尿糖値と経過時間とに基づいて糖排出閾値Mを特定することができた。これは、空腹時血糖が糖排出閾値以下であるので、図9に示すように時刻Txより後に糖排出閾値を上回る血糖が尿糖に反映されるからである。
これに対して、空腹時血糖が糖排出閾値を超える場合は、例えば、図12に示すように食事の30分前に排尿しても、その排尿時から尿糖の累算が開始される。したがって、食事後の1回の排尿時の尿糖値と経過時間とに基づいて糖排出閾値Mを特定することができない。
上述したように、空腹時血糖が糖排出閾値以下である場合は、食事前に排尿すれば、食事後の1回の排尿時の尿糖値と経過時間とに基づいて糖排出閾値Mを特定することができた。これは、空腹時血糖が糖排出閾値以下であるので、図9に示すように時刻Txより後に糖排出閾値を上回る血糖が尿糖に反映されるからである。
これに対して、空腹時血糖が糖排出閾値を超える場合は、例えば、図12に示すように食事の30分前に排尿しても、その排尿時から尿糖の累算が開始される。したがって、食事後の1回の排尿時の尿糖値と経過時間とに基づいて糖排出閾値Mを特定することができない。
そこで、空腹時血糖が糖排出閾値を超える場合は、食事後の2回の排尿を行い、各排尿時の経過時間と2回目の排尿時の尿糖値とに基づいて糖排出閾値Mを特定する。例えば、図13に示すように、食事開始から60分経過後と150分経過後に排尿をした場合、2回目の排尿時に測定した尿糖値を用いて糖排出閾値Mを定めればよい。
なお、尿糖値を複数回測定して、最小2乗法によって誤差が最小になるように糖排出閾値Mを算出してもよい。
なお、尿糖値を複数回測定して、最小2乗法によって誤差が最小になるように糖排出閾値Mを算出してもよい。
また、図12に示す空腹時血糖値Hを用いて糖排出閾値Mを特定してもよい。食事から長時間が経過した後の血糖値である空腹時血糖値Hは、食事の摂取カロリーが相違しても一定の値となる。食後血糖値推移関数B(t)において、t=∞に設定した時の血糖値が空腹時血糖値Hとなる。この場合、摂取カロリーを適宜設定しても、t=∞では、血糖値が同じになる。換言すれば、空腹時血糖値Hは、HbA1c(必要により、年齢、体重、性別など)により一意に定まる。また、摂取カロリーを標準摂取カロリー(300kcal)、t=3時間を食後血糖値推移関数B(t)に代入して得られる血糖値を空腹時血糖値Hとしてもよい。また、多少前回の食事摂取カロリーが多くても、排尿まで、長時間立っていれば、B(t) は、ほぼ空腹時血糖値Hになる。摂取カロリーを標準の1.5倍、など、多めに設定してもよい。実際の血糖値と比較すると多少の誤差があるが許容範囲内となるので問題とならない。
図12に示す例では、食事30分前に排尿している。排尿がその前の食事開始以降一定時間(例えば3時間)以上経過していれば、この場合、食前の排尿から食事開始までの血糖値はほぼ空腹時血糖値Hとなる。食事30分前から食事開始までのAUC(1)は、式5で与えられる。
そして、食事から150分経過した後に排尿したとすると、食事開始から排尿までのAUC(2)は、式6で与えられる。
よって、食事30分前から食事後の排尿までのAUCは式7で与えられる。
ここで、食事後の排尿時に測定された尿糖値Uは、A×Uで算出される。血糖値推移関数B(t)は既知であるから、AUC=A×Uとなるように、糖排出閾値Mを定める。
<1-2-3:摂取カロリーを必要としない食後血糖値推移関数の推定>
上述したように、食後血糖値推移関数B(t)は、変数としてHbA1c及び摂取カロリーを有する。HbA1cの値は、長期間、一定であると考えてよい。一方、摂取カロリーの分かる食事は、レストランでメニューに表示されている場合、レシピから知ることができる場合、あるいは、食品に表示がある場合などに限られてしまう。
そこで、腎臓の糖排出閾値を求めた後であれば、食前、食後などの尿糖値を測定し、そこから逆算して食後血糖値推移関数B(t)を推定することができる。図14に、摂取カロリーを変化させた場合の食後血糖値推移関数B(t)を示す。同図に示すように摂取カロリーが大きくなると、食後血糖値の最大値は大きくなる。ここで、利用者が食事開始の直前に排尿し、経過時間100分において、尿糖値U(1)を計測したとする。この場合、糖排出閾値Mを超える時間当たりの血糖値の累算値AUC(1)は、摂取カロリーが大きくなると単調に増加する。
尿糖値AUC(1)は既知であるから、これに係数Aを乗算すれば、累算値AUC(1)を算出することができる。摂取カロリーCを変化させて食後血糖値推移関数B(t)を変化させると、算出された累算値AUC(1)に対応する摂取カロリーC及び食後血糖値推移関数B(t)が一意に定まる。
上述したように、食後血糖値推移関数B(t)は、変数としてHbA1c及び摂取カロリーを有する。HbA1cの値は、長期間、一定であると考えてよい。一方、摂取カロリーの分かる食事は、レストランでメニューに表示されている場合、レシピから知ることができる場合、あるいは、食品に表示がある場合などに限られてしまう。
そこで、腎臓の糖排出閾値を求めた後であれば、食前、食後などの尿糖値を測定し、そこから逆算して食後血糖値推移関数B(t)を推定することができる。図14に、摂取カロリーを変化させた場合の食後血糖値推移関数B(t)を示す。同図に示すように摂取カロリーが大きくなると、食後血糖値の最大値は大きくなる。ここで、利用者が食事開始の直前に排尿し、経過時間100分において、尿糖値U(1)を計測したとする。この場合、糖排出閾値Mを超える時間当たりの血糖値の累算値AUC(1)は、摂取カロリーが大きくなると単調に増加する。
尿糖値AUC(1)は既知であるから、これに係数Aを乗算すれば、累算値AUC(1)を算出することができる。摂取カロリーCを変化させて食後血糖値推移関数B(t)を変化させると、算出された累算値AUC(1)に対応する摂取カロリーC及び食後血糖値推移関数B(t)が一意に定まる。
<1-3.食後血糖値推定システム100の動作>
まず、尿糖計1の動作を図15に示すフローチャートを参照して説明する。利用者が操作ボタンB1を操作して電源が投入されると(ステップS1)、マイクロコンピュータ29の制御部296は、無線インターフェース部27を介して、日時要求を無線端末50に送信し、無線端末50から現在の年月日及び現在時刻を含む日時応答を取得する(ステップS2)。尿糖計1は、計測された尿糖値を計測時刻と共に記録する。このため、現在の年月日及び時刻が常に分かっていることが望ましいが、小型化及び低消費電力の観点から計時部295のバックアップ用の電池を有していない。よって、電源投入時は、尿糖計1において、現在の年月日及び時刻は不明となる。そこで、制御部296は、無線端末50から現在の年月日及び時刻を取得し、RAM291に記憶し、以降は計時部295により、日時を計時する。具体的には、取得した時刻に計時部295で計時した時間を加算して、現在の年月日及び時刻を管理する。
まず、尿糖計1の動作を図15に示すフローチャートを参照して説明する。利用者が操作ボタンB1を操作して電源が投入されると(ステップS1)、マイクロコンピュータ29の制御部296は、無線インターフェース部27を介して、日時要求を無線端末50に送信し、無線端末50から現在の年月日及び現在時刻を含む日時応答を取得する(ステップS2)。尿糖計1は、計測された尿糖値を計測時刻と共に記録する。このため、現在の年月日及び時刻が常に分かっていることが望ましいが、小型化及び低消費電力の観点から計時部295のバックアップ用の電池を有していない。よって、電源投入時は、尿糖計1において、現在の年月日及び時刻は不明となる。そこで、制御部296は、無線端末50から現在の年月日及び時刻を取得し、RAM291に記憶し、以降は計時部295により、日時を計時する。具体的には、取得した時刻に計時部295で計時した時間を加算して、現在の年月日及び時刻を管理する。
なお、無線端末50と接続が取れないなど、現在日時が不明な期間は、制御部296は、処理を進めない。例えば、所定時間、日時を得られなければ、マイクロコンピュータ29の動作を停止させてもよい。そして、無線端末50の準備が整った後に、操作ボタンB1を利用者が操作すると、動作を再開させ、無線端末50との接続を試み、接続できたら、無線端末50から現在日時を取得してもよい。
次に、制御部296は、スタンド2から尿糖計1が取り出された否かを判定する(ステップS3)。具体的には、制御部296は、リードスイッチ15のオン・オフ状態に基づいて、スタンド2から尿糖計1が取り出された否かを判定する。ステップS3の判定条件が充足された場合、制御部296は処理をステップS4に進め、尿糖検知動作を開始する。スタンド2から取り出された直後の尿糖センサ13には、まだ、尿がかかっていない。制御部296は、この状態において、尿糖センサ13の出力電流の値をベース電流値として、RAM291に保存する。さらに、制御部296は尿糖センサ13の出力電流を監視し(ステップS5)、尿糖センサ13の出力電流値を順次、RAM291に保存していく。
次に、制御部296は尿糖センサ13の出力電流値がベース電流値に対し、所定値以上(例えば0.5nA)大きくなったかを否かを判定する(ステップS6)。判定条件が充足されず、所定値未満の場合、制御部296は処理をステップS5に戻し、判定条件が充足されるまで、ステップs5及びS6の処理を繰り返す。そして、判定条件が充足されると、制御部296は、処理をステップS7に進め、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間は尿がかかってから安定するまでの時間に設定され、例えば、6秒である。
所定時間が経過すると、制御部296は、尿糖センサ13の出力電流値とベース電流値との差分である差分電流値を算出する(ステップS8)。差分電流値は尿糖による変化を示している。この後、制御部296は、差分電流値に基づいて尿糖値を算出し、尿糖値を表示部26に表示する(ステップS9)。具体的には、制御部296は、不揮発性記憶部25の較正テーブルTBL1にアクセスして、差分電流値に対応する尿糖値変換係数を読み出し、差分電流値に尿糖値変換係数を乗算して尿糖値を算出する。なお、較正テーブルTBL1に差分電流値と尿糖値とを対応付けて記憶してもよい。
次に、制御部296は、不揮発性記憶部25に、今回の尿糖値と計測時刻とを対応付け記憶させる(ステップS10)。これにより、尿糖計1から電池を抜いても、未送信の全尿糖値と、その計測時刻が保持される。この後、制御部296は、尿糖計1がスタンド2に収納されたか否かを判定し(ステップS11)、尿糖計1がスタンド2に収納されていなければ、収納されるまで待ち、収納された場合は、処理をステップS3に戻す。
一方、ステップS3の判定条件が充足されず、尿糖計1がスタンド2に収納されている場合、制御部296は、操作ボタンB1で無線接続の入力操作がなされたか否かを判定する(ステップS12)。なお、この尿糖計1では、操作ボタンB1が1個となっている。このため、尿糖計1の使い勝手上、操作ボタンB1に対し複数の機能を持たせる場合が多い。例えば、スタンド2に収納状態で操作ボタンB1を押した場合は、前回の尿糖値の履歴を見られるようにする、などである。そのため、「無線接続操作」は、単純な操作ボタンB1の押下ではなく、3秒間、操作ボタンを押し続ける、など特殊な操作をした場合とすることが好ましい。このため、ステップS12では、制御部296は、利用者が無線接続の為の特殊な操作ボタンB1の押し方をしたか否かを判定するものとする。
ステップS12の判定結果が否定である場合、制御部296は処理をステップS3に戻す。一方、ステップS12の判定結果が肯定である場合、制御部296は、所定時間内(例えば30秒)に無線接続が可能か否かを判定する(ステップS13)。ステップS13の判定結果が否定となり、無線端末50と接続が取れなければ、制御部296は処理をステップS3に戻す。一方、ステップS13の判定結果が肯定となり、無線端末50と接続が取れた場合、制御部296は、不揮発性記憶部25に記録された、尿糖値及びその計測時刻で、未送信のものがあるかチェックをし、全ての未送信の尿糖値及びその計測時刻を、無線インターフェース部27を介して無線端末50に送信する。未送信のものがない場合は、未送信データがない旨の情報を無線端末50に無線インターフェース部27を介して送信する(ステップS14)。この後、制御部296は、処理をステップS3に戻す。
次に、無線端末50の動作を図16に示すフローチャートを参照して説明する。利用者が無線端末50を操作して食後血糖値推定プログラムを起動させると、制御部54は、以下に説明する処理を実行する。まず、制御部54は、表示入力部52に初期画面を表示させる(ステップS20)。初期画面には、例えば、図17に示すように、個人情報を入力するための個人情報入力ボタン521、入力した個人情報を確認するための個人情報確認ボタン522、食事日時を入力するための食事日時入力ボタン523が表示され、さらに食事日時入力ボタン523の下部には、前回の計測日時が表示されるようになっている。
次に、制御部54は、表示入力部52から出力される位置検出信号の示すタッチ位置が個人情報入力ボタン521の表示領域内であるか否によって、個人情報入力ボタン521が操作されたか否かを判定する(ステップS21)。この判定結果が肯定である場合、制御部54は、例えば、図18に示す個人情報入力画面を表示入力部52に表示させる。図18に示す個人情報入力画面は、初回起動時のものであり、HbA1c、体重、年齢、性別、及び氏名の各々に対応する入力ボックス530〜534が空欄となっている。
入力ボックス530〜534に情報を入力し、設定ボタン535をクリックすると、制御部54は個人情報を記憶部51に記憶し(ステップS22)、初期画面に移行させる。既に入力済みの場合は、各入力ボックスに入力済みの情報が表示される。なお、2回目以降の起動の場合に個人情報を変更する場合は、該当する入力ボックスに情報を入力し、設定ボタン535をクリックすればよい。一方、初期画面に戻る場合は、戻るボタン536をクリックすればよい。
入力ボックス530〜534に情報を入力し、設定ボタン535をクリックすると、制御部54は個人情報を記憶部51に記憶し(ステップS22)、初期画面に移行させる。既に入力済みの場合は、各入力ボックスに入力済みの情報が表示される。なお、2回目以降の起動の場合に個人情報を変更する場合は、該当する入力ボックスに情報を入力し、設定ボタン535をクリックすればよい。一方、初期画面に戻る場合は、戻るボタン536をクリックすればよい。
ステップS21の判定結果が否定であるか、ステップS22の処理が終了すると、制御部54は、食事日時入力ボタン523が操作されたか否かを判定する(ステップS23)。
なお、初回起動時において、個人情報を入力することなく、食事日時入力ボタン523が操作されることが起こり得るが、個人情報が入力済に限り、食事日時入力ボタン523の操作が受け付け可能となる。受付可能な状態において、制御部54は、表示入力部52から出力される位置検出信号の示すタッチ位置が食事日時入力ボタン523の表示領域内であるか否によって食事日時入力ボタン523が操作されたか否かを判定する。食事日時入力ボタン523が操作された場合、制御部54は、食事日時入力画面を表示入力部52に表示し、利用者に食事日時の入力を促す。図19に食事日時入力画面の一例を示す。利用者が入力ボックス550に食事日時を入力して設定ボタン535を操作すると、制御部54は、入力された食事日時を記憶部51の食事テーブルTBL4に記憶する(ステップS24)。
なお、初回起動時において、個人情報を入力することなく、食事日時入力ボタン523が操作されることが起こり得るが、個人情報が入力済に限り、食事日時入力ボタン523の操作が受け付け可能となる。受付可能な状態において、制御部54は、表示入力部52から出力される位置検出信号の示すタッチ位置が食事日時入力ボタン523の表示領域内であるか否によって食事日時入力ボタン523が操作されたか否かを判定する。食事日時入力ボタン523が操作された場合、制御部54は、食事日時入力画面を表示入力部52に表示し、利用者に食事日時の入力を促す。図19に食事日時入力画面の一例を示す。利用者が入力ボックス550に食事日時を入力して設定ボタン535を操作すると、制御部54は、入力された食事日時を記憶部51の食事テーブルTBL4に記憶する(ステップS24)。
次に、制御部54は、摂取カロリー入力画面を表示入力部52に表示させる(ステップS25)。図20に摂取カロリー入力画面の一例を示す。摂取カロリー入力画面には、摂取カロリーを入力するための入力ボックス560が設けられている。この後、制御部54は、摂取カロリーが入力されたか否かを判定する(ステップS26)。より具体的には、制御部54は、利用者が入力ボックス560に摂取カロリーを入力し、設定ボタン535が操作されたか否かを判定する。摂取カロリーが入力された場合には、ステップS26の判定結果が肯定となり、制御部54は、入力された摂取カロリーを記憶部51に記憶する(ステップS27)。
次に、制御部54は、食後血糖値推移関数を推定する(ステップS28)。この場合、制御部54は、記憶部51から摂取カロリー及びHbA1c(糖尿病の程度を示す指標の一例)を読み出すことによって、取得部541として機能する。また、制御部54は、取得部541で取得した、摂取カロリー及びHbA1cに基づいて、利用者の食後血糖値推移関数を推定する糖排出閾値推定部543として機能する。記憶部51には、多数の被験者の臨床データに基づいて生成された、摂取カロリー、HbA1c及び時間を変数とする食後血糖値推移関数が予め記憶されている。糖排出閾値推定部543は、記憶部51から読み出した食後血糖値推移関数の変数として摂取カロリー及びHbA1cを代入することによって、経過時間のみを変数とする食後血糖値推移関数を推定する。
次に、制御部54は、食事開始の後に行った2回の排尿の時刻及び2回目の排尿における尿糖値が記憶されているか否かを判定する(ステップS29)。具体的には、制御部54は、食事テーブルTBL4にアクセスして最先の食事日時を読み出す。次に、制御部54は、尿糖テーブルTBL2にアクセスして、読み出した食事日時より後に行った2回の尿糖値及び計測時刻が記憶されているか否かを判定する。図15を参照して説明したように、尿糖計1をスタンド2に収納して、操作ボタンB1を操作すると、無線端末50に尿糖値及び計測時刻が送信され(ステップS14)、尿糖テーブルTBL2に記憶される。尿糖計1による尿糖値の計測の後に、食事日時を入力することも起こり得る。このため、制御部54は、ステップS29において判定を実行する。
ステップS29の判定結果が肯定である場合、制御部54は、糖排出閾値の算出及び記憶を実行する(ステップS30)。具体的には、制御部54は、ステップS29で読み出した計測時刻と食事日時との差分を演算して、食事開始から尿糖値の計測までの経過時間を1回目の排尿と2回目の排尿の各々について算出する。また、制御部54は、2回目の排尿の尿糖値並びに1回目及び2回目の排尿の経過時間に基づいて、1回目の排尿から2回目の排尿までの間に糖排出閾値を超えた時間当たりの血糖値についての累算値を推定する糖排出閾値推定部543として機能する。尿糖値と累算値とは一定の関係があるので、上述した式2及び式3に示すように(例えば、比例関係)、尿糖値及び経過時間から累算値を推定する。この際、多数の臨床データによって得られた係数Aを用いる。そして、制御部54は、ステップS28で推定した食後血糖値推移関数と、推定した累算値とに基づいて糖排出閾値を推定する糖排出閾値推定部543として機能する。
例えば、図9に示す例においては、経過時間60分における尿糖値がU(1)であり、
経過時間150分における尿糖値はU(2)である。尿糖値U(2)に対応する累算値AUC(2)は、AUC(2)=A×U(2)で算出できる。食後血糖値推移関数B(t)は既知であるから、上述した式4が成り立つ。
式4において変数は糖排出閾値Mのみであるので、糖排出閾値推定部543はAUC(2)=A×U(2)からMを算出する。
制御部54は、このようにして算出した糖排出閾値Mを記憶部51に記憶する。
経過時間150分における尿糖値はU(2)である。尿糖値U(2)に対応する累算値AUC(2)は、AUC(2)=A×U(2)で算出できる。食後血糖値推移関数B(t)は既知であるから、上述した式4が成り立つ。
制御部54は、このようにして算出した糖排出閾値Mを記憶部51に記憶する。
次に、制御部54は、食後血糖値の推定及び表示を実行する(ステップS31)。この場合、制御部54は、ステップS28で推定した食後血糖値推移関数を用いて、食後血糖値の推定を行う食後血糖値推定部542として機能する。ここで、食後血糖値は、食事開始から所定時間が経過した時点での血糖値であってもよいし、あるいは、食後血糖ピーク値や、食後平均血糖値であってもよい。要は食後血糖値推移関数を用いて得られる血糖値であればどのようなものであってもよい。また、食後血糖値推移関数はステップS28で推定したものだけでなく、後述するステップS33で推定した食後血糖値推移関数であってもよい。また、推定した食後血糖値は、血糖テーブルTBL3に格納するとともに、表示入力部52に表示させる。
次に、上述したステップS26の判定結果が否定であった場合、制御部54は、記憶部51に糖排出閾値、食事開始後の尿糖値及び計測時刻が記憶されているか否かを判定する
(ステップS32)。上述した「1-2-3:摂取カロリーを必要としない食後血糖値推移関数の推定」で述べたように、摂取カロリーが不明であっても、糖排出閾値、食事開始後の尿糖値及び計測時刻が既知であれば、食後血糖値推移関数を推定することができる。ステップS32は、そのような条件を充足するか否かを判定するためのものである。食事開始後の尿糖値及び計測時刻が記憶されているか否かについては、制御部54は、ステップS29と同様に動作する。また、糖排出閾値の記憶については、制御部54は、記憶部51にアクセスして糖排出閾値が記憶されているか否かを判定する。
(ステップS32)。上述した「1-2-3:摂取カロリーを必要としない食後血糖値推移関数の推定」で述べたように、摂取カロリーが不明であっても、糖排出閾値、食事開始後の尿糖値及び計測時刻が既知であれば、食後血糖値推移関数を推定することができる。ステップS32は、そのような条件を充足するか否かを判定するためのものである。食事開始後の尿糖値及び計測時刻が記憶されているか否かについては、制御部54は、ステップS29と同様に動作する。また、糖排出閾値の記憶については、制御部54は、記憶部51にアクセスして糖排出閾値が記憶されているか否かを判定する。
ステップS32の判定結果が否定である場合は、食後血糖値推移関数を推定不能であるので、制御部54は処理を終了する、一方、ステップS32の判定結果が肯定である場合は、食後血糖値推移関数の推定を実行する(ステップS33)。
図21にステップS33で制御部54が実行する食後血糖値推移関数の推定処理のフローチャートを示す。まず、制御部54は、尿糖値Uから累算値AUCを算出する(ステップS40)。この後、制御部54は、摂取カロリーCを初期値Ciniに設定する(ステップS41)。摂取カロリーCは十分小さい値に選ばれている。
次に、制御部54は、摂取カロリーC、個人情報として記録されているHbA1cに基づいて、食後血糖値推移関数B(t)を仮に設定し、記憶部51から読み出した糖排出閾値Mを用いて、累算値AUCxを算出する(ステップS42)。
次に、制御部54は、累算値AUCと累算値AUCxとの差分が所定範囲内であるか否かを判定する(ステップS43)。所定範囲は、誤差として許容される範囲として予め設定されている。
次に、制御部54は、累算値AUCと累算値AUCxとの差分が所定範囲内であるか否かを判定する(ステップS43)。所定範囲は、誤差として許容される範囲として予め設定されている。
ステップS43の判定結果が否定である場合、制御部54は、摂取カロリーCをΔCだけインクリメントして(ステップS44)、処理をステップS42に戻す。そして、ステップS43の判定結果が肯定されるまで処理を繰り返し、累算値AUCと累算値AUCxとの差分が所定範囲内となり判定結果が肯定になると、制御部54は、処理をステップS45に進める。
ステップS45において、制御部54は、その時点で得られている摂取カロリーC及び
食後血糖値推移関数B(t)を推定結果とする。
ステップS45において、制御部54は、その時点で得られている摂取カロリーC及び
食後血糖値推移関数B(t)を推定結果とする。
これにより、摂取カロリーが不明な食事を利用者が摂取して、尿糖値を計測すれば、食後血糖値を知ることができ、さらには、食事の摂取カロリーも知ることができる。このように利用者が自己の食後血糖値や摂取カロリーを知ることは、糖尿病の予防や、血糖状態の管理に有用である。また、食事開始から決められた時間が経過したタイミングで尿糖値を計測する必要がないので、利用者が容易に使用することができる。さらに、利用者ごとに腎臓の糖排出閾値を推定するので、血糖状態をより正確に推定することができる。さらに、標準摂取カロリーとなる標準食を食べなくても食後血糖値を推定することができる。
<2.第2実施形態>
上述した第1実施形態においては、食事時間の入力は、無線端末50で行った。これに対して、第2実施形態では尿糖計1Aでも食事時間の記録を可能とし、尿糖計1Aにおいて食後血糖値推定プログラムを実行する。このため、第2実施形態の尿糖計1Aは、利用者の食後血糖値を推定する情報処理装置の一例に該当する。
上述した第1実施形態においては、食事時間の入力は、無線端末50で行った。これに対して、第2実施形態では尿糖計1Aでも食事時間の記録を可能とし、尿糖計1Aにおいて食後血糖値推定プログラムを実行する。このため、第2実施形態の尿糖計1Aは、利用者の食後血糖値を推定する情報処理装置の一例に該当する。
図22に第2実施形態に係る尿糖計1Aの外観を示す。同図に示すように尿糖計本体21には、利用者が食事開始を記録するための食事ボタンB2が設けられている。
図23に、第2実施形態に係る尿糖計1Aの電気的な構成を示す。尿糖計1Aが図3を参照して説明した第1実施形態の尿糖計1と相違するのは、マイクロコンピュータ29に接続される食事ボタンB2が設けられる点、不揮発性記憶部25に第1実施形態で説明した食後血糖値推定プログラム、尿糖テーブルTBL2、血糖テーブルTBL3、食事テーブルTBL4、糖排出閾値、及びHbA1Cが格納されている点、制御部296は食後血糖値推定プログラムを実行することによって、取得部541、食後血糖値推定部542、糖排出閾値推定部543として機能する点である。なお、取得部541、食後血糖値推定部542、及び糖排出閾値推定部543は、第1実施形態で説明した取得部541、食後血糖値推定部542、糖排出閾値推定部543と同様に機能する。
図23に、第2実施形態に係る尿糖計1Aの電気的な構成を示す。尿糖計1Aが図3を参照して説明した第1実施形態の尿糖計1と相違するのは、マイクロコンピュータ29に接続される食事ボタンB2が設けられる点、不揮発性記憶部25に第1実施形態で説明した食後血糖値推定プログラム、尿糖テーブルTBL2、血糖テーブルTBL3、食事テーブルTBL4、糖排出閾値、及びHbA1Cが格納されている点、制御部296は食後血糖値推定プログラムを実行することによって、取得部541、食後血糖値推定部542、糖排出閾値推定部543として機能する点である。なお、取得部541、食後血糖値推定部542、及び糖排出閾値推定部543は、第1実施形態で説明した取得部541、食後血糖値推定部542、糖排出閾値推定部543と同様に機能する。
図24に、尿糖計1Aの動作を説明するためのフローチャートを示す。尿糖計1Aの動作は、第1実施形態の尿糖計1のステップS14の替わりにステップS14aを採用する点、ステップS10a、S10b、S15及びS16を追加して点を除いて同じである。
マイクロコンピュータ29の制御部296は、ステップS12において操作ボタンB1で無線接続の入力操作がされていないと判定すると、食事ボタンB2が操作されたか否かを判定する(ステップS15)。食事ボタンB2が操作された場合は、判定結果は肯定となり、制御部296は食事開始日時を食事テーブルTBL4に記憶する。ステップS16の処理が終了した場合、及びステップS15の判定結果が否定を示す場合に、制御部296は処理をステップS3に戻す。
次に、ステップS14aにおいて、制御部296は、無線端末50に未送信の尿糖値、計測時刻及び食事開始時間を全て送信する。また、制御部296は、最新の腎臓の糖排出閾値、最新の食事開始時間、摂取カロリー及びHbA1cを無線端末50から取得し、不揮発性記憶部25に記憶させる。
次に、ステップS10aにおいて、制御部296は最新の食事から1時間以上経過しているか否かを判定する。具体的には食事テーブルTBL4を参照して、最新の食事日時を読み出し、読み出した最新の食事日時と計時部295で管理する現在日時とを比較して、現在日時が最新の食事日時から1時間以上経過しているか否かを判定する。判定結果が否定を示す場合、制御部296は処理をステップS11に進める。一方、判定結果が肯定を示す場合、制御部296は血糖値の推定及び表示を実行する(ステップS10b)。
より具体的には、最新の食事の摂取カロリーが食事テーブルTBL4に記憶されているのであれば、制御部296は、摂取カロリーとHbA1cとに基づいて食後血糖値推移関数を推定し、推定した食後血糖値関数を用いて、食後血糖値ピーク、平均血糖値、現在の血糖値などを算出し、表示部26に表示させる。また、最新の食事の摂取カロリーが食事テーブルTBL4に記憶されておらず不明な場合、制御部296は、尿糖値及び経過時間から糖排出閾値を超える血糖値の累算値を算出し、そのような累算値に対応する食後血糖推移関数及び摂取カロリーを推定する。そして、制御部296は、推定した食後血糖推移関数を用いて、上述した食後血糖値を算出し、表示部26に表示させる。また、摂取カロリーを表示部26に表示させてもよい。
これにより、利用者は、食後血糖値を知ることができるので、健康管理や糖尿病の予防や改善に役立てることができる。さらに、摂取カロリーが不明な食事をした場合でも、利用者は摂取カロリーを知ることできる。
次に、第2実施形態に係る無線端末50の動作について、図25に示すフローチャートを参照して説明する。第2実施形態では、無線端末50及び尿糖計1Aで食後血糖値推定プログラムが実行される。このため、尿糖計1Aに各種の情報を送信する必要がある。この点で、第2実施形態の無線端末50の動作は、第1実施形態の無線端末50の動作と相違する。具体的には、制御部54は、ステップS22の替わりにステップS22a、ステップS24の替わりにステップS24a、ステップS27の替わりにステップS27a、ステップS30の替わりにステップS30aを実行する。
まず、ステップS22aにおいて、制御部54は、個人情報を記憶部51に記憶するとともに、無線インターフェース部を介して尿糖計1Aに送信する。これにより、尿糖計1Aは、HbA1cなどの個人情報を取得することができる。
次に、ステップS24aにおいて、制御部54は、食事日時を記憶部51に記憶するとともに、無線インターフェース部を介して尿糖計1Aに送信する。これにより、尿糖計1Aは、食事日時を取得することができる。
次に、ステップS27aにおいて、制御部54は、摂取カロリーを記憶部51に記憶するとともに、無線インターフェース部を介して尿糖計1Aに送信する。これにより、尿糖計1Aは、摂取カロリーを取得することができる。
次に、ステップS30aにおいて、制御部54は、糖排出閾値を記憶部51に記憶するとともに、無線インターフェース部を介して尿糖計1Aに送信する。これにより、尿糖計1Aは、糖排出閾値を取得することができる。
以上説明した第2実施形態によれば、尿糖計1Aで食後血糖値を知ることができる。食後血糖値を推定するのには、尿糖値の計測が必須であるところ、尿糖値を計測する尿糖計1Aで食後血糖値を推定するので、利用者は直ぐに食後血糖値を知ることができる。
また、摂取カロリーが既知の食事を一回して食後に2回目の排尿の尿糖値を計測すれば、糖排出閾値を推定するので、その後は、摂取カロリーが不明な食事であっても、尿糖値を計測すれば食後血糖値や摂取カロリーを推定できる。このように利用者が自己の食後血糖値や摂取カロリーを知ることは、糖尿病の予防や、血糖状態の管理に有用である。また、食事開始から決められた時間が経過したタイミングで尿糖値を計測する必要もない。
次に、ステップS24aにおいて、制御部54は、食事日時を記憶部51に記憶するとともに、無線インターフェース部を介して尿糖計1Aに送信する。これにより、尿糖計1Aは、食事日時を取得することができる。
次に、ステップS27aにおいて、制御部54は、摂取カロリーを記憶部51に記憶するとともに、無線インターフェース部を介して尿糖計1Aに送信する。これにより、尿糖計1Aは、摂取カロリーを取得することができる。
次に、ステップS30aにおいて、制御部54は、糖排出閾値を記憶部51に記憶するとともに、無線インターフェース部を介して尿糖計1Aに送信する。これにより、尿糖計1Aは、糖排出閾値を取得することができる。
以上説明した第2実施形態によれば、尿糖計1Aで食後血糖値を知ることができる。食後血糖値を推定するのには、尿糖値の計測が必須であるところ、尿糖値を計測する尿糖計1Aで食後血糖値を推定するので、利用者は直ぐに食後血糖値を知ることができる。
また、摂取カロリーが既知の食事を一回して食後に2回目の排尿の尿糖値を計測すれば、糖排出閾値を推定するので、その後は、摂取カロリーが不明な食事であっても、尿糖値を計測すれば食後血糖値や摂取カロリーを推定できる。このように利用者が自己の食後血糖値や摂取カロリーを知ることは、糖尿病の予防や、血糖状態の管理に有用である。また、食事開始から決められた時間が経過したタイミングで尿糖値を計測する必要もない。
<3.第3実施形態>
図26に第3実施形態に係る食後血糖値推定システム100Aの構成を示す。食後血糖値推定システム100Aは、尿糖計1、無線端末50A、入力表示端末60、通信網NET、及び食後血糖値推定プログラムを実行するサーバ装置70を備える。サーバ装置70は利用者の食後血糖値を推定する情報処理装置の一例に該当する。
図26に第3実施形態に係る食後血糖値推定システム100Aの構成を示す。食後血糖値推定システム100Aは、尿糖計1、無線端末50A、入力表示端末60、通信網NET、及び食後血糖値推定プログラムを実行するサーバ装置70を備える。サーバ装置70は利用者の食後血糖値を推定する情報処理装置の一例に該当する。
尿糖計1は、第1実施形態で説明したものと同じ構成である。上述した第1実施形態においては、無線端末50で食後推定プログラムを実行した。これに対して、第3実施形態に係る無線端末50Aは食後推定プログラムを実行せず、尿糖値及び計測時刻をサーバ装置70にアップロードする装置として機能する。
サーバ装置70は、RAM72、インターフェース部73、フラッシュメモリやハードディスクで構成される不揮発性記憶部74、及びCPU75を備える。不揮発性記憶部74には、食後血糖値推定プログラムが格納されている。CPU75は、食後血糖値推定プログラムを実行することにより、第1実施形態で説明した取得部541、食後血糖値推定部542及び糖排出閾値推定部543として機能する。なお、不揮発性記憶部74は、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)などで構成することができる。
入力表示端末60は、利用者が個人情報や食事日時を入力してサーバ装置70に送信する機能と、サーバ装置70にアクセスして摂取カロリーや食後血糖値を閲覧する機能を有する。なお、入力表示端末60は、無線端末50Aと兼用されてもよい。
第3実施形態によれば、サーバ装置70において、食後血糖値を算出するので、尿糖計1、無線端末50、及び入力表示端末60の処理負荷を軽減することができる。
第3実施形態によれば、サーバ装置70において、食後血糖値を算出するので、尿糖計1、無線端末50、及び入力表示端末60の処理負荷を軽減することができる。
<4.変形例>
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。また、以下の述べる変形例及び各実施形態は適宜、組み合わせることができる。
上述した実施形態において、腎臓の糖排出閾値は、摂取カロリーが既知の食事の後の1回の尿糖値から推定した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、複数回の摂取カロリーが既知の食事の後の1又は複数回の尿糖値から算出してもよい。この場合、腎臓の糖排出閾値は、最小2乗法を用いて算出することが好ましい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。また、以下の述べる変形例及び各実施形態は適宜、組み合わせることができる。
上述した実施形態において、腎臓の糖排出閾値は、摂取カロリーが既知の食事の後の1回の尿糖値から推定した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、複数回の摂取カロリーが既知の食事の後の1又は複数回の尿糖値から算出してもよい。この場合、腎臓の糖排出閾値は、最小2乗法を用いて算出することが好ましい。
上述した各実施形態では、糖尿病の程度を示す指標として、HbA1cを採用したが、本発明はこれに限定されるのではなく、糖尿病の程度を示すのであれば、どのような指標を採用してもよい。例えば、グルコアルブミン、フルクトサミンであってもよい。
上述した各実施形態の食後血糖値推定システム100,100Aでは、摂取カロリーが既知である食事の後に2回の排尿を行い、1回目及び2回目の排尿について食事開始からの経過時間と2回目の排尿に尿糖値に基づいて、糖排出閾値を推定した。これにより、空腹時血糖が糖排出閾値を超える場合にも適用可能となったが、空腹時血糖が糖排出閾値以下の被験者であれば、摂取カロリーが既知である食事の前に排尿し、食事の後に1回の排尿をし、食事後の排尿について食事開始からの経過時間と尿糖値とに基づいて、糖排出閾値を推定してもよい。
くわえて、摂取カロリーが既知である食事を2回摂取した場合には、2回目の食事前の第1回排尿と、第1回排尿から2回目の食事までの時間、2回目の食事から第2回排尿までの時間、及び第2回排尿で計測した尿糖値に基づいて、糖排出閾値を推定することができる。
図27を参照して、この点について説明する。まず、図12に示す例では、時刻0で、摂取カロリーが既知な2回目の食事がされたものとする。また、摂取カロリーが既知な1回目の食事による食事後血糖値推移関数B'(t)を求める。
第1回排尿は、第2回目の食事より30分前に行われている。第1回排尿から2回目の食事開始まで、血糖値はほぼ空腹時血糖値であるから、その間のAUC(1)(食事30分前から食事開始まで)は、以下に示す式8で与えられる。
第2回排尿は、第2回目の食事から150分後に行われている。第2回目の食事から第2回排尿までのAUC(2)は、以下に示す式9で与えられる。
第2回排尿で計測される尿糖値は、AUC(1)とAUC(2)に対応する。また、第1回目の食事後血糖値推移関数B(t)'は、1回目の食事の摂取カロリーが既知であるので、特定することができる。また、第2回目の食事後血糖値推移関数B(t)も、2回目の食事の摂取カロリーが既知であるので、特定することができる。したがって、第2回排尿で尿糖値を計測すれば、これに対応する糖排出閾値Mを推定することが可能となる。
したがって、食事開始の後の2回の排尿でなくても、食事の前の排尿と食事の後の排尿によって糖排出閾値Mを推定することが可能となる。
図27を参照して、この点について説明する。まず、図12に示す例では、時刻0で、摂取カロリーが既知な2回目の食事がされたものとする。また、摂取カロリーが既知な1回目の食事による食事後血糖値推移関数B'(t)を求める。
第1回排尿は、第2回目の食事より30分前に行われている。第1回排尿から2回目の食事開始まで、血糖値はほぼ空腹時血糖値であるから、その間のAUC(1)(食事30分前から食事開始まで)は、以下に示す式8で与えられる。
したがって、食事開始の後の2回の排尿でなくても、食事の前の排尿と食事の後の排尿によって糖排出閾値Mを推定することが可能となる。
1,1A……尿糖計、13……尿糖センサ、28……食事ボタン、50,50A……無線端末、60……入力表示端末、70……サーバ装置、75……CPU、541……取得部、542……食後血糖値推定部、543……糖排出閾値推定部、100,100A……食後血糖値推定システム。
Claims (12)
- 利用者の食後血糖値を推定することが可能な情報処理装置に用いられる食後血糖値推定プログラムであって、
前記情報処理装置を、
前記利用者の糖尿病の程度を示す指標、食事の開始から尿糖値を計測するまでの経過時間、及び前記尿糖値を取得するための取得部と、
前記取得部で取得した、前記指標、前記経過時間、及び前記尿糖値に基づいて、前記食事の摂取カロリーを用いることなく前記利用者の食後血糖値を推定する食後血糖値推定部として、
機能させる食後血糖値推定プログラム。 - 前記食後血糖値推定部は、
前記取得部で取得した前記尿糖値を用いて、当該尿糖値の計測に伴う排尿から直前の排尿までの間に前記利用者の腎臓の糖排出閾値を超えた時間当たりの血糖値についての累算値を推定し、
推定した前記累算値と前記利用者の腎臓の糖排出閾値とに基づいて前記利用者の食後血糖値を推定する、
請求項1に記載の食後血糖値推定プログラム。 - 前記食後血糖値推定部は、
推定した前記累算値に基づいて前記利用者の食後血糖値を推定する場合に、前記取得部で取得した前記指標及び推定した前記累算値に対応する前記利用者の食後血糖値推移関数を推定し、
推定した前記食後血糖値推移関数を用いて前記利用者の食後血糖値を推定する、
請求項2に記載の食後血糖値の推定プログラム。 - 前記食後血糖値推定部は、
推定した前記累算値と前記利用者の腎臓の糖排出閾値とに基づいて前記利用者の食後血糖値を推定する場合に、推定した前記累算値に対応する前記利用者の食後血糖値推移関数を推定するとともに、推定した前記累算値に対応する前記利用者の摂取カロリーを推定する、
請求項3に記載の食後血糖値の推定プログラム。 - 前記取得部は、前記利用者の食事の摂取カロリーを取得することが可能であり、
前記取得部で取得した、前記摂取カロリー、前記指標、前記尿糖値及び前記経過時間に基づいて、前記利用者の腎臓の糖排出閾値を推定する糖排出閾値推定部とを備える、
請求項2乃至4のうちいずれ1項に記載の食後血糖値推定プログラム。 - 前記糖排出閾値推定部は、
前記取得部で取得した、前記尿糖値及び前記経過時間に基づいて、当該尿糖値の計測に伴う排尿から直前の排尿までの間に前記糖排出閾値を超えた時間当たりの血糖値についての累算値を推定し、
前記取得部で取得した、前記摂取カロリー及び前記指標に基づいて、前記利用者の食後血糖値推移関数を推定し、
推定した食後血糖値推移関数と推定した前記累算値とに基づいて前記糖排出閾値を推定する、
請求項5に記載の食後血糖値推定プログラム。 - 利用者の食後血糖値を推定する情報処理装置であって、
前記利用者の糖尿病の程度を示す指標、食事の開始から尿糖値を計測するまでの経過時間、及び前記尿糖値を取得するための取得部と、
前記指標、前記経過時間、及び前記尿糖値に基づいて、前記食事の摂取カロリーを用いることなく前記利用者の食後血糖値を推定する食後血糖値推定部と、
を備える情報処理装置。 - 前記食後血糖値推定部は、
前記取得部で取得した前記尿糖値を用いて、当該尿糖値の計測に伴う排尿から直前の排尿までの間に前記糖排出閾値を超えた時間当たりの血糖値についての累算値を推定し、
推定した前記累算値と前記利用者の腎臓の糖排出閾値とに基づいて前記利用者の食後血糖値を推定する、
請求項7に記載の情報処理装置。 - 前記食後血糖値推定部は、
推定した前記累算値と前記利用者の腎臓の糖排出閾値とに基づいて前記利用者の食後血糖値を推定する場合に、前記取得部で取得した前記指標及び推定した前記累算値に対応する前記利用者の食後血糖値推移関数を推定し、
推定した前記食後血糖値推移関数を用いて前記利用者の食後血糖値を推定する、
請求項8に記載の情報処理装置。 - 前記食後血糖値推定部は、
推定した前記累算値に基づいて前記利用者の食後血糖値を推定する場合に、推定した前記累算値に対応する前記利用者の食後血糖値推移関数を推定するとともに、推定した前記累算値に対応する前記利用者の摂取カロリーを推定する、
請求項9に記載の情報処理装置。 - 前記取得部は、前記利用者の食事の摂取カロリーを取得することが可能であり、
前記取得部で取得した、前記摂取カロリー、前記指標、前記尿糖値及び前記経過時間に基づいて、前記利用者の腎臓の糖排出閾値を推定する糖排出閾値推定部とを備える、
請求項8乃至10のうちいずれ1項に記載の情報処理装置。 - 前記糖排出閾値推定部は、
前記取得部で取得した、前記尿糖値及び前記経過時間に基づいて、当該尿糖値の計測に伴う排尿から直前の排尿までの間に前記糖排出閾値を超えた時間当たりの血糖値についての累算値を推定し、
前記取得部で取得した、前記摂取カロリー及び前記指標に基づいて、前記利用者の食後血糖値推移関数を推定し、
推定した食後血糖値推移関数と推定した前記累算値とに基づいて前記糖排出閾値を推定する、
請求項11に記載の情報処理装置。
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