JP2017066383A - 炭素繊維強化プラスチックの処理方法及び燃料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料として用いる場合の回収率を高く維持したまま、粉砕性を良くすることができる炭素繊維強化プラスチックの処理方法、及び廃材としての炭素繊維強化プラスチックを燃料として有効利用できる燃料の製造方法を提供する。【解決手段】炭素繊維強化プラスチックを以下の条件1及び2に従い加熱処理を施す、炭素繊維強化プラスチックの処理方法、及び該炭素繊維強化プラスチックの処理方法により、炭素繊維強化プラスチックを処理する工程と、処理後の炭素繊維強化プラスチックを粉砕する工程と、を含む燃料の製造方法である。(条件1)加熱温度を300〜500℃の範囲内に設定する。(条件2)設定した加熱温度に応じて10分〜12時間の範囲内で加熱時間を設定する。【選択図】なし

Description

本発明は、炭素繊維強化プラスチックの機械強度を低下させる処理方法、及びをその処理方法で処理して得た炭素繊維強化プラスチックを用いる燃料の製造方法に関する。
炭素繊維強化プラスチック(以下、「CFRP」とも呼ぶ。)は、軽量であり、高強度・高弾性などの機械的強度に優れているため、テニスラケット、ゴルフクラブ用シャフト、釣竿などの小型のものから、自動車や航空機などの産業用の大型のものまで幅広く、大量に使用されている。それらの製品ばかりでなく、その製造工程で発生する不良品等も加わり、今後廃棄されるCFRPの量は増加し続けると考えられ、これらを資源として有効利用することが求められている。
リサイクル技術として、CFRPの廃棄物から炭素繊維を分離回収する種々の技術が検討されている。例えば、特許文献1には、CFRPの処理方法として、炭素繊維強化プラスチックを、酸素濃度が3〜18体積%の範囲内で、温度が300〜600℃の範囲内のガス雰囲気下で燃焼させないで処理し、プラスチックを熱分解し、炭素繊維を回収することが提案されている。しかし、廃棄物から炭素繊維を回収しても、繊維が短くなったり、強度が低下したりすることが多い。そのため、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルが難しく、最終的に埋立て処分されている量も多い。しかし、今後、埋立て処分場の確保、規制の強化などにより、埋立て処分は困難となる。
結局、CFRPを燃料として利用するサーマルリサイクルが、リサイクルと最終処分を両立させることができるので有効な方法である。その一つの方法として、セメント製造工程等での燃料化がある。これは、処理量が増加した場合でもそれに対処できること、CFRP以外の廃棄物が混入しても処理できること、様々な形状や組成のCFRPの処理に対応できること、及び処理により廃棄物が発生しないことなどの利点があり、有効なリサイクル方法である。
特許文献2には、炭素繊維を含む廃プラスチックをセメントキルンに供給し、燃焼処理を行うことにより生じる排気ガスを集塵装置に供給して、排気ガス中の煤塵を捕集するようにした炭素繊維を含む廃プラスチックの焼却処理方法において、炭素繊維を含む廃プラスチックを平均粒子径が3mm以下になるように粉砕し、セメントキルンの内部温度が1200℃以上である位置に供給することにより、炭素繊維の分別を施すことなく、セメント製造装置において燃料の一部に使用することができる旨記載されている。
特開平6−99160号公報 特開2007−131463号公報
しかしながら、特許文献2に記載の処理方法においては、CFRPは機械的強度が優れているので粉砕機の磨耗が激しく、また大量の粉砕エネルギーが必要であるので、CFRPを3mm以下に粉砕する方式は現実的ではない。つまり、CFRPは、炭素繊維と樹脂の一体性が高く高強度であるため、破砕や微粉砕することが困難であり、これまでは燃料としては使用することが困難であった。また、特許文献1に記載の処理方法においては、燃料として用いる場合の回収率が低かった。ここで、回収率とは、加熱前のCFRPの発熱量に対する加熱後のCFRPの発熱量の割合を指す。より詳細には、測定で得られる単位発熱量(J/g)の比較ではなく、処理前の重量、処理後の重量を加味した発熱量のマテリアルバランスを示す。すなわち、回収率は以下の式で求められる。
回収率=処理後の単位発熱量×回収重量/処理前の単位発熱量×処理重量
なお、本明細書においては、カーボンと樹脂の発熱量はほぼ同等とみなし、残存重量≒回収率としている。
本発明の目的は、燃料として用いる場合の回収率を高く維持したまま、粉砕性を良くすることができる炭素繊維強化プラスチックの処理方法、及び廃材としての炭素繊維強化プラスチックを燃料として有効利用できる燃料の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、高強度のCFRPであっても、適切な温度及び適切な時間で加熱すると機械強度が低下し、微粉砕可能であることを見出し本発明を完成するに至った。より詳細には以下の通りである。すなわち、CFRPを加熱すると、樹脂が揮発・分解するため、その分重量が減少・熱量ロスが発生し、回収率が減少する。一方、炭素繊維は、樹脂に比べて熱安定性が高いため、重量減少・熱量ロスはほとんど発生しない。回収率が高いほど、加熱による発熱量ロスが少なく、化石燃料代替量が多くなる。また、タールの発生や一酸化炭素などの有害ガスの発生量も抑制できる。本発明者らはこれらの点を踏まえ、加熱条件を最適化して、樹脂の揮発・分解を最小限にして高い回収率を維持しつつ、粉砕性を高めるベストポイントを見出すための検討を行い本発明を完成した。
本発明の炭素繊維強化プラスチックの処理方法は、炭素繊維強化プラスチックを以下の条件1及び2に従い加熱処理を施すことを特徴とする。
(条件1)加熱温度を300〜500℃の範囲内に設定する。
(条件2)設定した加熱温度に応じて10分〜12時間の範囲内で加熱時間を設定する。
本発明の炭素繊維強化プラスチックの処理方法では、加熱温度と加熱時間とを上記条件1及び2に従い設定することで、炭素繊維強化プラスチックの分子構造中の炭素と水素の結合の酸化、高分子構造の体積変化などを起こし物性が変化するため機械強度が低下し、ひいては微粉砕(例えば、0.1mm以下)が容易となる。そして、一般的に使用される石炭と同程度又はそれ以上に微粉砕が可能であり燃料として好適に使用し得る。
本発明において、条件1により、加熱温度を300〜500℃の範囲内に設定するが、300℃未満であると処理が長時間に及び、500℃を超えると回収率が低下し、タールや有害ガスの生成量が増加するので、タールにより軟化した樹脂が処理装置内部で付着するなどの悪影響を及ぼす。すなわち、本発明においては、上限500℃という比較的低温で加熱をするため、処理装置内での樹脂の付着を防止することができる。
また、本発明において、条件2により、設定した加熱温度に応じて10分〜12時間の範囲内で加熱時間を設定するが、加熱温度が高いほど加熱時間を短く、逆に加熱温度が低いほど加熱時間を長く設定する。また、処理するCFRPが小さいほど加熱時間を短く、逆に大きいほど加熱時間を長く設定する。
本発明の炭素繊維強化プラスチックの処理方法においては、炭素繊維強化プラスチックの重量減少率が5〜50%となるように加熱処理を施すことが好ましい。加熱により、炭素繊維強化プラスチック内の樹脂の一部が揮発して重量減少が発現するのであるが、重量減少は必要最小限に止めることで、燃料としての回収率と微粉砕性との両立をより効率的に達成することができる。
さらに、本発明の炭素繊維強化プラスチックの処理方法においては、前記炭素繊維強化プラスチックの重量減少率を、JIS M8812(2004)(工業分析)により得られる前記炭素繊維強化プラスチック中の揮発分の含有率で除した値が、15〜70%となるように加熱処理を施すことが好ましい。このような条件で加熱処理を施すことで、CFRPの微粉砕が容易になるとともに、樹脂も燃料として回収することができる。
本発明の燃料の製造方法は、上記本発明の炭素繊維強化プラスチックの処理方法により、炭素繊維強化プラスチックを処理する工程と、前記処理後の炭素繊維強化プラスチックを粉砕する工程と、を含むことを特徴とする。前記処理後の炭素繊維強化プラスチックは3mm以下に粉砕することが好ましい。
本発明の燃料の製造方法では、上述の本発明の炭素繊維強化プラスチックの処理方法により処理され機械強度が低下した炭素繊維強化プラスチックを用いるため、微粉砕が容易であり、特に、粒子径0.5mm以下、さらには微粉炭並みの粒子径0.1mm以下の燃料を容易に製造することができる。つまり、廃材としての炭素繊維強化プラスチックを燃料として有効利用が可能となる。
本発明の炭素繊維強化プラスチックの処理方法を実施するためのシステムの全体構成図。 実施例で用いた各試料の加熱時間に対する燃焼率を示すグラフ。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態のCFRPの処理方法は、CFRPを以下の条件1及び2に従い加熱処理を施す。
(条件1)加熱温度を300〜500℃の範囲内に設定する。
(条件2)設定した加熱温度に応じて10分〜12時間の範囲内で加熱時間を設定する。
条件1及び2に従い加熱処理を施すことで、CFRPの機械強度を低下させることができるのであるが、例えば、加熱温度を300℃に設定するなら加熱時間を2時間、同様に400℃に設定するなら1時間、500℃に設定するなら10分というように、加熱温度と加熱時間との関係は反比例するように設定することが好ましい。また、CFRPのサイズその他条件により、加熱温度及び加熱時間の好適な関係は異なるため適宜設定することが好ましい。
加熱処理を行う加熱手段としては、300〜500℃の温度範囲に設定できるものであればよく、固定炉、ストーカ炉、ロータリーキルン炉、流動床炉、竪型炉、多段炉などが挙げられる。
加熱処理は、大気中、酸化性雰囲気、還元性雰囲気、及び不活性雰囲気のいずれでもよいが、酸化性雰囲気であるとより短時間でCFRPの機械強度を低下することができ好ましい。
加熱処理において、CFRPの重量減少率が5〜50%となるように加熱処理を施すことが好ましく、10〜40%とすることがより好ましく、15〜35%とすることがさらに好ましい。CFRPの重量が減少するのは樹脂が揮発するためと考えられ、重量減少率は樹脂の種類により異なるが、上記数値範囲はエポキシ樹脂の場合のものである。
また、加熱処理において、JIS M8812(2004)(工業分析)により得られるCFRP中の揮発分の含有率に対するCFRPの重量減少率が、15〜70%となるように加熱処理を施すことが好ましく、20〜65%とすることがより好ましく、30〜55%とすることがさらに好ましい。当該値を15%以上とすることで、CFRPの微粉砕が容易となる。また、当該値を70%以下とすることで、樹脂も燃料として回収される。
なお、上述の通り、本実施形態のCFRPの処理方法によりCFRPの機械強度が低下することで、粉砕性が向上し、とくに微粉砕が容易となる。しかし、処理対象のCFRPが10cmを超えるような場合は、かえって加熱時間が長くなって負荷がかかったり、処理量が減少したり、加熱時間の調整が困難となってくる。従って、処理対象のCFRPを、数mm程度に粗粉砕したのち、加熱処理を行ってもよい。
一方、本実施形態の燃料の製造方法は、前記炭素繊維強化プラスチックの処理方法により、炭素繊維強化プラスチックを処理する工程と、処理後の炭素繊維強化プラスチックを粉砕する工程と、を含む。CFRPを処理する工程については既に説明したので、CFRPを粉砕する工程について以下に説明する。
CFRPを粉砕する工程においては、その前工程における加熱処理によりCFRPの機械強度が低下しているため微粉砕が容易である。従って、粉砕装置としては、強力な粉砕能を有する装置は必ずしも必要ではない。粉砕装置としては、ハンマーミル、カッターミル、せん断破砕機、ロールクラッシャー、インパクトクラッシャー、ロータリーミル、ボールミル、ディスクミル、縦型ミルなどが挙げられる。また、既存の設備において燃料として使用されている石炭などとCFRPとを同時にミルに投入して混合粉砕すると、新規の粉砕設備が不要であり、また粉砕も容易であり、燃料の性状も大きく変化することがないため好ましい。
粉砕後のCFRPの粒子径は、3mmふるい残分が10%以下であることが好ましく、0.5mmふるい残分が10%以下であることがより好ましい。CFRPの粒子径が3mmを超えると、排ガス系統に悪影響を与える。具体的には、燃え残った炭素繊維が煤塵を捕集するための電気集塵機に荷電不良を起こし、捕集性能が低下する。CFRPの粒子径が大きくなるほど、絡みあって綿状の繊維が発生するため、電気集塵機系内で異常再飛散を起こす上に、装置壁面・配管・放電極・集じん極に付着、滞留するからである。
粉砕後のCFRPの粒子径を0.5mm以下とすることで、異常再飛散の原因となる極間距離の短縮が起きにくくなり、またCFRPが絡み合った綿状繊維は発生しないため、電気集塵機のトラブルが低減される。バグフィルタで集塵した場合も、粒子径0.5mm以下とすることで、CFRPが絡みあった綿状の繊維が、装置壁面や装置までの配管に付着、滞留することが防止される。また、綿状繊維がろ布から付着物を払い落す際に再飛散して、集じんダストとして回収されずに滞留されることも防止される。さらに、粒子径0.1mm以下とすることで、たとえ燃焼することなく電気集塵機の放電極に付着したとしても、極間放電は生じにくくなり、印加電圧の低下は通所運転のばらつき程度となる。
また、CFRPの粒子径を0.1mm以下とすると燃えきり時間は微粉炭と同程度になるため、セメント工場の窯尻など比較的に温度が低い場所でも完全燃焼することができ、炭素繊維も燃料として有効活用される。
なお、本発明において、「粒子径がAmmふるい残分が10%以下である」とは、目開きAmmのふるい上に残る粒子の重量が10%であることを指す。
次いで、図面を参照して、燃料の製造方法について説明する。図1は、本発明の燃料の製造方法の実施するためのシステムの一例を示し、この処理システム1は、受け入れた加熱処理後のCFRPを貯留するタンク2と、タンク2からのCFRPを段階的に破砕及び粉砕する二軸せん断破砕機4、カッターミル5及び縦型ミル6と、縦型ミル6からの粉砕物Pをセメント製造装置10に投入する投入装置7とで構成される。
二軸せん断破砕機4は、2本の軸の各々に鋭利な回転刃が設けられ、処理対象物を噛み込んで破砕する装置である。二軸せん断破砕機4に代えて、一軸せん断破砕機、四軸せん断破砕機、ロールクラッシャー、インパクトクラッシャー等を用いてもよい。
カッターミル5は、ロータに装着されたカッタと、ケーシングに装着された固定刃とで、せん断力を利用して挟み切るように処理対象物を破砕する装置であって、衝撃力を受けても力を吸収したり、延びたりして細かく破砕することが困難な物を破砕するのに適する。カッターミル5に代えて、ロータリーミル、ハンマーミル等を用いてもよい。
縦型ミル6は、水平回転するテーブルと、テーブル凹部上面に沿うように取り付けられた複数のローラとを有し、テーブルとローラの間の処理対象物を粉砕する装置であって、粉砕された処理対象物はテーブルの外周方向に移動し、上昇気流でセパレータに運ばれて分級される。縦型ミル6に代えて、ボールミル、ディスクミル等を用いてもよい。
投入装置7には、スクリュー式、エゼクタ式の空気流動式のものや、ロータリフィーダ、スクリューフィーダ等が用いられる。
上記処理システム1によって得られた粉砕物Pを燃料として用いるセメント製造装置10は、セメント原料CRを予熱するためサイクロンを多段に重ねたプレヒータ16と、セメント原料CRを仮焼する仮焼炉15と、主バーナ12等を備えてセメント原料CRを焼成するセメントキルン(ロータリーキルン)11と、セメントキルン11から排出されたセメントクリンカを冷却するクリンカクーラ13等で構成される。
次に、上記構成を有する処理システム1による燃料の燃焼処理方法について説明する。
受け入れたCFRPをタンク2に一時的に貯留した後、二軸せん断破砕機4、カッターミル5及び縦型ミル6でこの順に、最終的にCFRPの粒子径が0.2mmふるい残分が10%以下になるように粉砕する。
縦型ミル6からの粉砕物Pを、投入装置7を介してセメントキルン11の窯前11a、窯尻11bに投入したり、主バーナ12からセメントキルン11内に投入したりして燃料として使用しセメント原料CRを焼成する(図示例は、窯尻11bに投入した場合を示している)。窯前11a、窯尻11b、主バーナ12のいずれか一箇所からセメントキルン11に投入してもよく、複数箇所から投入してもよい。この中でも炭素繊維の燃え残りをなくすために主バーナ12から投入するのがよい。
尚、上記実施形態では、縦型ミル6からの粉砕物Pを投入装置7によってセメント製造装置10に投入したが、縦型ミル6と投入装置7との間にタンクを設け、粉砕物Pを一旦タンクに貯留した後投入装置7でセメント製造装置10に投入してもよい。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
1〜30mmに破砕したCFRP30gを、箱型電気炉(ヤマト科学社;FP-41)に投入し、表1に示す加熱温度及び加熱時間に設定してCFRPに加熱処理を施し、加熱前後の重量から重量減少率を確認した。結果を表1に示す。
表1より、CFRPの重量を一定以上減少させるには、加熱温度が高いほど加熱時間を短くし、逆に加熱温度が低いほど加熱時間を長く設定すればよいことが分かる。
次いで、表1に示す加熱温度及び加熱時間に設定して加熱処理を施したCFRPを10g分取してディスクミル(ハルツオック社製;HSM-100A)を用い、粉砕時間60秒にて粉砕した後、目開き1mm、0.5mm、0.1mmの篩を用いて篩い分けを行った。それぞれの粉砕後の粒度分布について表2に示す。
表2より、加熱温度・加熱時間が、300℃・30分以上、400℃・10分以上、500℃・10分以上の場合に、0.1mm未満の粒度分布が多くなった。従って、そのような加熱温度・加熱時間で加熱処理及び微粉砕したCFRPが燃料としての利用に資する。
[実施例2]
2〜5mmに破砕したCFRP30gを、箱型電気炉(ヤマト科学社;FP−41)に投入し、表3に示す加熱温度及び加熱時間に設定してCFRPに加熱処理を施し、加熱前後の重量から重量減少率を確認した。結果を表3に示す。また、JIS M8812(2004)(工業分析)により得られるCFRP中の揮発分の含有率に対するCFRPの重量減少率の値を表4に示す。なお、未処理のCFRPの揮発分の含有率は33.8%であった。
表4より、CFRPの揮発分の含有率に対するCFRPの重量減少率を一定以上減少させるには、加熱温度が高いほど加熱時間を短くし、逆に加熱温度が低いほど加熱時間を長く設定すればよいことが分かる。
次いで、表3および表4に示す加熱温度及び加熱時間に設定して加熱処理を施したCFRPを10g分取してディスクミル(ハルツオック社製;HSM−100A)を用い、粉砕時間60秒にて粉砕した後、目開き2mm、1mm、0.5mm、0.1mmの篩を用いて篩い分けを行った。それぞれの粉砕後の粒度分布について表5に示す。
表5より、加熱温度・加熱時間が、300℃・2時間以上、350℃・30分以上、400℃・10分以上、450℃・10分以上、500℃・10分以上の場合に、0.1mm未満の粒度分布が多くなったことが分かる。
次いで、セメント工場で燃料として使用した場合の電気集塵機に及ぼす影響を評価した。表5の未処理品及び400℃で1時間処理を行った粉砕物について、セメントキルン窯尻(クリンカ製造量150t/h)に1時間あたり400gを投入した。未処理品の場合、電気集塵機の印加電圧が30分後に50kVから35kVに低下した。一方、処理品は45kVを下回ることはなかった。
従って、本発明のCFRPの処理方法により処理して得られたCFRP脆化物は、未処理のCFRPと比較して、電気集塵機にほとんど影響を与えない0.1mm以下の粒度に容易に粉砕できることが分かる。
次いで、未処理のCFRPと400℃で1時間処理を行った粉砕物について、セメントキルンの主要燃料である微粉炭に対する燃焼性(所定時間燃焼した際の重量減少率)を評価するため、管状電気炉(直径42mm、温度1450℃、大気ガス流量1L/分、供試量1g)、を用いて、燃焼試験を実施した。試料の粒度(中位径D50)を表6に示す。燃焼試験中の重量減少率(燃焼率)は、図2に示す。
図2より、CFRPは微粉炭より燃焼速度が遅く、さらにCFRP脆化物の燃焼速度は遅くなることが分かる。また、CFRP、CFRP脆化物ともに、粒径が大きくなると燃焼速度は遅くなる。しかし、CFRP、CFRP脆化物ともに、粒径0.1mm以下であれば、微粉炭、あるいは未処理のCFRPとほぼ同等の燃えきり時間(6分)となることが分かる。
従って、本発明のCFRPの処理方法により処理して得られたCFRP脆化物は、未処理である場合に比べて、微粉炭と同様の燃えきり時間となるまでの粒度に容易に粉砕できることが分かる。
1 処理システム
2 タンク
4 二軸せん断破砕機
5 カッターミル
6 縦型ミル
7 投入装置
10 セメント製造装置
11 セメントキルン
12 主バーナ
13 クリンカクーラ
15 仮焼炉
16 プレヒータ
CR セメント原料
P 粉砕物
CFRP 炭素繊維強化プラスチック

Claims (6)

  1. 炭素繊維強化プラスチックを以下の条件1及び2に従い加熱処理を施すことを特徴とする炭素繊維強化プラスチックの処理方法。
    (条件1)加熱温度を300〜500℃の範囲内に設定する。
    (条件2)設定した加熱温度に応じて10分〜12時間の範囲内で加熱時間を設定する。
  2. 請求項1に記載の炭素繊維強化プラスチックの処理方法において、前記炭素繊維強化プラスチックの重量減少率が5〜50%となるように加熱処理を施す炭素繊維強化プラスチックの処理方法。
  3. 請求項1又は2に記載の炭素繊維強化プラスチックの処理方法において、前記炭素繊維強化プラスチックの重量減少率を、JIS M8812(2004)(工業分析)により得られる前記炭素繊維強化プラスチック中の揮発分の含有率で除した値が、15〜70%となるように加熱処理を施す炭素繊維強化プラスチックの処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭素繊維強化プラスチックの処理方法により、炭素繊維強化プラスチックを処理する工程と、
    前記処理後の炭素繊維強化プラスチックを粉砕する工程と、
    を含むことを特徴とする燃料の製造方法。
  5. 請求項4に記載の燃料の製造方法において、
    前記処理後の炭素繊維強化プラスチックを3mm以下に粉砕する燃料の製造方法。
  6. 請求項4に記載の燃料の製造方法において、
    前記処理後の炭素繊維強化プラスチックを0.1mm以下に粉砕する燃料の製造方法。
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