JP2017066003A - ディスプレイ用ガラス基板の製造方法、ディスプレイ用ガラス基板製造装置 - Google Patents

ディスプレイ用ガラス基板の製造方法、ディスプレイ用ガラス基板製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス基板の主表面の第1面を粗面化し表面処理することにおいて、汚れや異物が制約されるガラス基板の第2面にエッチング液が回り込むことを防ぎつつ、品質の高いディスプレイ用ガラス基板を、連続処理で粗面化し量産することができる、ディスプレイ用ガラス基板の製造方法およびディスプレイ用ガラス基板製造装置を提供する。【解決手段】ガラス基板100の主表面のうち第1面100aを粗面化処理する表面処理工程を含む、ディスプレイ用ガラス基板の製造方法であって、前記表面処理工程では、エッチング液MSを保持した多孔質材を外周部に有する粗面化ローラーにより、エッチング液MSをガラス基板100の第1面100aに付着させながらガラス基板100を搬送し、前記ガラス基板の搬送の間、エッチング液が付着するガラス基板の第1面と反対側の第2面上に、前記ガラス基板の搬送方向とほぼ反対向きの流体。【選択図】図5

Description

本発明は、薄板ガラスの主表面の一方を粗面化処理する表面処理工程を含むディスプレイ用ガラス基板の製造方法、およびその製造装置に関する。
表示用パネルとして用いられる液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、あるいは有機ELディスプレイパネル等を用いたフラットパネルディスプレイの製造では、より高精細な薄膜パターンが薄板ガラス基板上に形成される。
これらのフラットパネルディスプレイに使用されるディスプレイパネルの製造は、製造ラインにガラス基板を投入後、搬送、成膜、フォトリソグラフィ、エッチング、ドーピング、あるいは配線等の各処理工程を経て製造される。各処理工程では、様々な要因によって、ガラス基板を含んだパネルは帯電し易い環境に置かれる。例えば、ガラス基板を製造ラインに投入するとき、合紙を挟んで積層された複数のガラス基板の中から、合紙を剥離除去してガラス基板を1枚ずつ取り出す。このときガラス基板は合紙の除去に際して帯電し易い。また、成膜等のために半導体製造装置を用いる場合、ガラス基板を載置テーブルに載せて成膜を行う。このとき、ガラス基板には流体による帯電や接触帯電や剥離帯電が生じやすい。
このような帯電は種々の問題を引き起こす。例えば、ガラス基板上にTFT(Thin Film Transistor)及び配線パターンを形成するとき、帯電によって塵や埃などの異物がガラス基板や配線パターンに付着し、配線パターンの欠損や剥離が生じる、あるいは蓄積された電荷の放電によってTFTの破壊等が生じる、等がある。また、帯電によりガラス基板が載置テーブルに張り付き、載置テーブルからははがす時にガラス基板が割れる場合もある。よって、可能な限りガラス基板は帯電しないのが好ましい。
特に、フュージョン法やダウンドロー法でつくられる薄板ガラスの表面は、フロート法でつくられる薄板ガラスと比べ、表面が非常に滑らかであるため、帯電の問題が生じ易い。このため、フュージョン法やダウンドロー法で得られる薄板ガラス基板の主表面には帯電を防止する何らかの処理を施すことが好ましい。その一般的な方法として、薄板ガラス基板の主表面の一方を化学的な方法で粗面化することが挙げられ、適度な粗面化により薄板ガラス基板の帯電を防ぐことができる。そのほか、イオナイザを用いて、帯電したガラス基板の除電を行う方法が知られている(特許文献1)。感光層等が形成された処理基板をステージ上へ載置、密着、除去する工程で発生する処理基板への静電気の帯電量を減少させる露光装置も知られている(特許文献2)。
特開2009−64950号公報 特開2007−322630号公報
フラットパネルディスプレイ用の薄板ガラス基板においては、主表面のうち、TFT及び配線パターンが形成されない側の主表面(以下、第1面という)を、帯電防止のために化学的処理などで粗面化する。TFT及び配線パターンが形成される主表面(以下、第2面という)は処理されず、汚れや異物は除去されなければならない。
スポンジなど連続気孔構造の多孔質材を用い、エッチング液を吸収させた多孔質材を外周部に有する粗面化ローラーで、薄板ガラスの第1面のみにエッチング液を付着させる表面処理法によれば、連続処理でガラス基板を粗面化することができる。
このような表面処理工程では、エッチング液を吸収した粗面化ローラーにより、ガラス基板の第1面にエッチング液を付着させながらガラス基板を搬送する。従来、汚れや異物が制約されるガラス基板の第2面に、エッチング液が回り込まない様、スポンジの吸液量を調整しながら、表面処理が行われている。
スポンジの吸液量が多すぎると、粗面化ローラーによるガラス基板の搬送の過程で、ガラス基板が粗面化ローラーから離れるとき、ガラス基板の端面側において、汚れや異物が制約されるガラス基板の第2面上へとエッチング液が回り込む場合がある。
しかし、連続処理を行いながら、多孔質材の吸液量を適切に調整するのは容易でない。多孔質材の種類や気孔構造によって、スポンジのエッチング液の吸液性は異なり、また、連続処理が進むにつれスポンジ状態は変化し吸液能力も落ちるためである。
そこで、本発明は、連続気孔構造の多孔質材を外周部に有する粗面化ローラーを用いて、ガラス基板を搬送しながらガラス基板の第1面のみにエッチング液を塗布することにおいて、ガラス基板の第2面上にエッチング液が回り込むのを防ぎつつ、品質の高い薄板ガラスを連続処理で粗面化し量産することができる、表面処理方法とその処理装置を含む、ディスプレイ用ガラス基板の製造方法およびディスプレイ用ガラス基板製造装置を提供する。
本発明の一態様は、ガラス基板の主表面のうち第1面を粗面化処理する表面処理工程を含む、ディスプレイ用ガラス基板の製造方法であって、
前記表面処理工程において、エッチング液を保持した多孔質材を外周部に有する粗面化ローラーにより、エッチング液を前記ガラス基板の第1面に付着させながらガラス基板を搬送し、前記ガラス基板の搬送の間、エッチング液が付着するガラス基板の第1面と反対側の第2面上に、前記ガラス基板の搬送方向とほぼ反対向きの流体を供給する。
前記表面処理工程において、前記流体の供給は、前記ガラス基板が粗面化ローラーから離れるタイミングに行われる、ことが好ましい。
前記表面処理工程後のガラス基板の第1面の算術平均粗さRaが0.40nm以上である、ことが好ましい。
本発明の一態様は、ガラス基板の主表面のうち第1面を粗面化処理する表面処理装置を含む、ディスプレイ用ガラス基板の製造方法であって、
前記表面処理装置は、エッチング液を保持した多孔質材を外周部に有し、前記ガラス基板の第1面にエッチング液を付着させながら、ガラス基板を搬送する粗面化ローラと、
前記ガラス基板の搬送の間、前記エッチング液が付着するガラス基板の第1面と反対側の第2面上に、前記ガラス基板の搬送方向とほぼ反対向きの流体を供給する流体吐出手段と、を備える、ディスプレイ用ガラス基板製造装置。
前記粗面化ローラと前記ガラス基板との接触を検知する検知手段と、前記検知手段から得られた情報に基づいて、ガラス基板が粗面化ローラーから離れるタイミングに前記流体が供給されるように制御する流体制御手段と、をさらに備えることが好ましい。
本発明によれば、ガラス基板の主表面の第1面を粗面化し表面処理することにおいて、汚れや異物が制約されるガラス基板の第2面にエッチング液が回り込むことを防ぎつつ、品質の高いディスプレイ用ガラス基板を、連続して粗面化処理し量産することができる。
本実施形態のディスプレイ用ガラス基板の製造過程の一例の概要を示すフローチャートである。 本実施形態の表面処理工程で用いるガラス基板表面処理装置の一例を説明する模式図である。 本実施形態のガラス基板表面処理装置の粗面化ローラの概略上面図である。 粗面化ローラによるガラス基板の粗面化を説明する図である。 ガラス基板の第2面への気体の供給を説明する図である。 第2面へのエッチング溶液の回りこみを説明する図である。
以下、本実施形態のガラス基板の製造方法及びガラス基板表面処理装置について説明する。図1は、ガラス基板100の製造過程の概要を示すフローチャートである。図1では、ガラス基板が、原料を熔融する状態から客先等に出荷される状態になるまでの工程の概略を示している。
(1)ガラス基板の製造方法
以下、本発明のガラス基板の製造装置およびガラス基板の製造方法について説明する。
本実施形態において製造されるガラス基板は、特に制限されないが、例えば縦寸法及び横寸法のそれぞれが、500mm〜3500mm、1500mm〜3500mm、1800〜3500mm、2000mm〜3500mmなどが挙げられ、2000mm〜3500mmであることが好ましい。
ガラス基板の厚さは、例えば、0.1〜1.1(mm)が挙げられ、より好ましくは0.75mm以下の極めて薄い矩形形状の板で、例えば、0.55mm以下、さらには0.45mm以下の厚さがより好ましい。ガラス基板の厚さの下限値としては、0.15mm以上が好ましく、0.25mm以上がより好ましい。
まず、熔融されたガラスが、例えばフュージョン法あるいはフロート法等の公知の方法により、所定の厚さの帯状ガラスであるシートガラスが成形される(ステップS1)。
次に、成形されたシートガラスが所定の長さの素板であるガラス基板に採板される(ステップS2)。採板により得られたガラス基板は、搬送機構により、ピンチング保持されつつ、熱処理工程に誘導され搬送され、次に、この搬送されたガラス基板に対し熱処理を行なってもよい。
ステップS2あるいは熱処理後のガラス基板は切断工程に搬送され、製品のサイズに切断され、ガラス基板が得られる(ステップS3)。得られたガラス基板には、端面の研削、研磨およびコーナカットを含む端面加工が行われる(ステップS4)。端面加工後のガラス基板のガラス表面の微細な異物や汚れを取り除くために、ガラス基板を洗浄する(ステップS5)。
本実施形態の表面化処理S6粗面化工程Pr1及びすすぎ工程Pr2)は、端面加工直後の洗浄工程S5の後に行う。本実施形態の表面処理工程の詳細は後述する。
表面処理工程S6の後に、第2洗浄後S7を行い、この後、洗浄されたガラス基板はキズ、塵、汚れあるいは光学欠陥を含む傷が無いか、光学的検査が行われる(ステップS8)。検査により品質の適合したガラス基板は、ガラス基板を保護する紙と交互に積層された積層体としてパレットに積載されて梱包される(ステップS9)。梱包されたガラス基板は納入先業者に出荷される。
このようなガラス基板として、以下のガラス組成のガラス基板が例示される。つまり、以下のガラス組成のガラス基板が製造されるように、熔融ガラスの原料が調合される。
SiO2 55〜80モル%、
Al23 8〜20モル%、
23 0〜12モル%、
RO 0〜17モル%(ROはMgO、CaO、SrO及びBaOの合量)。
SiO2は60〜75モル%、さらには、63〜72モル%であることが、熱収縮率を小さくするという観点から好ましい。
ROのうち、MgOが0〜10モル%、CaOが0〜15モル%、SrOが0〜10%、BaOが0〜10%であることが好ましい。
また、SiO2、Al23、B23、及びROを少なくとも含み、モル比((2×SiO2)+Al23)/((2×B23)+RO)は4.5以上であるガラスであってもよい。また、MgO、CaO、SrO、及びBaOの少なくともいずれか含み、モル比(BaO+SrO)/ROは0.1以上であることが好ましい。
また、モル%表示のB23の含有率の2倍とモル%表示のROの含有率の合計は、30モル%以下、好ましくは10〜30モル%であることが好ましい。
また、上記ガラス組成のガラス基板におけるアルカリ金属酸化物の含有率は、0モル%以上0.4モル%以下であってもよい。
また、ガラス中で価数変動する金属の酸化物(酸化スズ、酸化鉄)を合計で0.05〜1.5モル%含み、As、Sb及びPbOを実質的に含まないということは必須ではなく任意である。
本実施形態で製造されるガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板、またはカーブドパネルディスプレイ用ガラス基板で、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板あるいは、有機ELディスプレイ用のガラス基板として好適である。さらに、本実施形態で製造されるガラス基板は、高精細ディスプレイに用いるLTPS(Low−temperature poly silicon)・IGZO(Indium−Gallium−Zinc−Oxide)・TFTディスプレイ用ガラス基板として特に好適である。
本実施形態における熔融ガラスからシートガラスを成形する方法として、フロート法やフュージョン法等が用いられるが、本実施形態のガラス基板のオフラインにおける熱処理を含むガラス基板の製造方法は、フュージョン法(オーバーダウンドロー法)において製造ライン上の徐冷装置を長くすることが困難である点から、フュージョン法に適している。本実施形態のガラス基板の熱収縮率は、50ppm以下であり、好ましくは40ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更により好ましくは20ppm以下である。熱収縮率を低減する前のガラス基板の熱収縮率の範囲としては、10ppm〜40ppmが好ましい。
(2)表面処理工程S6
(2−1)表面処理方法および表面処理装置
本実施形態の表面処理工程について詳細に説明する。本実施形態の表面処理工程は、ガラス基板の主表面のうち一方の面(第1面)をエッチング液で表面処理する粗面化工程(Pr1)と、粗面化された第1面のエッチング液を洗浄水で洗浄した後にもう一度再洗浄するとともに、粗面化を施していない第2面を純水で洗浄する、すすぎ工程(Pr2)とを含む。表面化処理工程S6の詳細は後述する。
表面処理工程S6では、ガラス基板の主表面の一方の面のみが粗面化処理される。粗面化処理の対象となる主表面はTFT及び配線パターンを形成する形成面と反対側の主表面であり、もう一方の主表面に表面処理(粗面化)は行わない。
粗面化処理をすることで、次に挙げる様な帯電による種々の問題を防ぐことができる。例えば、ガラス基板上にTFT(Thin Film Transistor)及び配線パターンを形成するとき、帯電によって塵や埃などの異物がガラス基板や配線パターンに付着し、配線パターンの欠損や剥離が生じる、あるいは蓄積された電荷の放電によってTFTの破壊等が生じる、等の問題がある。また、帯電によりガラス基板が載置テーブルに張り付き、載置テーブルからははがす時にガラス基板が割れる場合もある。これら帯電により引き起こされる問題を防ぐには、可能な限り、ガラス基板の主表面の一方の面について帯電を防ぐための粗面化されているのが好ましく、特に、フュージョン法やオーバーフローダウンドロー法で成形されたガラスシートについては、粗面化処理を行うのが好ましい。
図2は、表面処理工程S6を行うガラス基板表面処理装置1の一例を説明する模式図である。図2に示される装置では、ガラス基板を水平状態でエッチングローラーの上を搬送させて粗面化する方式を採用している。ガラス基板を斜めあるいは縦にして搬送させながらガラス基板の主表面の一方の面を粗面化する方式を採用してもよい。
図3は、ガラス基板表面処理装置1で用いるエッチングローラーの概略上面図である。図4は、エッチングローラーによるガラス基板の粗面化を説明する図である。
図2を参照しながら、本実施形態の表面処理工程を説明するが、ガラス基板表面処理装置1(図2〜4)は一例であって、表面処理工程S7は、ガラス基板表面処理装置1以外の構成の装置を用いて行うことができる。
ガラス基板表面処理装置1は、ガラス基板を搬送方向(具体的には、図2〜図4の矢印A1に示す方向)に搬送させながら一方の主表面を粗面化する。ここでは、ガラス基板表面処理装置1は、ガラス基板100の一方の主表面である第1面100a(図2を参照)を粗面化することによって、第1面100aを所定の表面粗さにしている。ここで、第1面100aとは、表示装置の製造過程において、薄膜であるTFT素子や配線パターンが形成されない面である。
<粗面化工程Pr1の装置構成>
ガラス基板表面処理装置1は、図2〜図4に示すように、主として、表面処理する粗面化工程(Pr1)では、多孔質材で構成される外周部を有し、第1面110aにエッチング液を付着する複数の粗面化ローラ12と、エッチング液が付着するガラス基板の第1面と反対側の第2面上に、前記ガラス基板の搬送方向とほぼ反対向きの流体を供給する流体吐出手段31と、を備える。
さらに任意で、前記粗面化ローラと前記ガラス基板との接触を検知する検知手段32(図5を参照)と、前記検知手段から得られる情報に基づいてガラス基板が粗面化ローラーから離れるタイミングに前記流体が供給されるように制御する流体制御手段33(図5を参照)と、を備えてもよい。
また、粗面化工程(Pr1)は、ハウジング2に囲まれており、ハウジング内の空間の温度管理を行う温度制御手段をさらに備えてもよい。粗面化工程では、エッチング槽11のエッチング液が気化し、ハウジング内の空気中に滞留するので、適宜、ハウジング内の空気は換気され、排出されたハウジング内の空気中に含まれるエッチング液由来の化学物質を回収する回収機構を備えるのが好ましい。
A.実施形態1.エッチング液回り込みの防御機構を含む表面処理装置
本実施形態における表面処理装置は、周表面を含む外周部に多孔質材を有する複数の粗面化ローラ12と、ガラス基板の第2面110b上に、前記ガラス基板の搬送方向とほぼ反対向きの流体を供給する流体吐出手段31とを、少なくとも、備える。
さらに、任意で、粗面化ローラとガラス基板との接触を検知する検知手段32と、検知手段から得られる情報に基づいてガラス基板が粗面化ローラーから離れるタイミングに前記流体が供給される様に制御する流体制御手段33と、を備えてもよい。
粗面化工程(Pr1)は、エッチング液を調整し貯留するエッチング液タンク16を、さらに設けてもよい。エッチング液タンク16により、エッチング槽11にエッチング液を供給し循環させる。さらに、粗面化処理におけるエッチングレートを維持する様に、エッチング液タンク16にフッ酸を補充しながらエッチング液を調整して、調整されたエッチング液をエッチング槽11に循環させて使用することができる。エッチング槽11とエッチング液タンクとの間は、エッチング液MSが循環できるように配管15a及び15bが設けられる。
エッチング液タンク16には、エッチング液を調整するための(エッチング液の酸成分)を供給する複数のタンクがさらに連結されている。例えば、フッ酸を供給するフッ酸タンクと、リン酸を供給するリン酸タンクとがエッチング液タンク16に連結され、これらのタンクからエッチング液の構成材料(酸成分)が供給されて、エッチング液タンク16にてエッチング液が調整される。エッチング成分を供給する複数のタンクの設置は、構成材料の種類に応じ決定する。例えば、エッチング液がさらに塩酸を含む場合には、エッチング液タンク16に塩酸タンクがさらに連結される。
エッチング槽11は、ガラス基板100の表面を処理するための処理流体としてのエッチング液MSを貯留する。本実施形態では、エッチング液MSとしてフッ酸とリン酸を必須に含むもの、あるいは、エッチング液MSがフッ酸及びリン酸にさらに塩酸を含むもの、が使用される(この詳細について、後述する)。エッチング液MSによるエッチングにより、ガラス基板100の第1面100aは、所望の表面粗さ、例えば所望の算術平均粗さRaを有する形状を得ることができる。算術平均粗さRaは、0.3nm以上とすることが好ましく、より好ましくは、算術平均粗さRaは、0.40nm以上である。算術平均粗さRaの上限値は、ガラス基板の帯電を防止する程度の粗さという点から、0.6nm以下とすることが好ましく、より好ましくは、0.5nm以下である。
エッチング槽11は、上部が開口された略直方体形状の容器である。エッチング槽11には、エッチング液MSが略容器いっぱいになるように貯留されている。エッチング槽11は、ガラス基板100の搬送方向に沿って、所定の間隔をもって配置される。図2の形態では、3つ配置されている。本実施形態の図2では、エッチング槽11は3つ配置されているが、配置数は、1つでも2つでもよく、4つ以上であってもよい。配置数は、生産数、エッチング液及びエッチングレート、搬送速度、等を踏まえ、適宜設定される。
各エッチング槽11では、1つのエッチングローラ12がエッチング液MSに浸漬して配置されている。エッチング液タンク16は、各エッチング槽11が、配管15a及び15bによりエッチング液タンク16に連通される。エッチング液タンク16のエッチング液は、エッチャントMSの必須成分であるフッ酸(HF)及びリン酸(HPO4)、任意の塩酸(HCl)を供給する、フッ酸タンク11b、リン酸タンク11c、及び塩酸タンク11dと流量調整バルブ11e,11f,11gを介して接続される。
粗面化ローラ12はエッチング液MSを吸収し(保持し)、図示しない駆動モータによって駆動回転される回転体として機能する。粗面化ローラ12が駆動モータによって回転することで、粗面化ローラ12に接触するガラス基板100は、複数の粗面化ローラ12が配置されている方向(すなわち、搬送方向)に搬送される。すなわち、粗面化ローラ12は、ガラス基板100を搬送する機能も有する。粗面化ローラ12は、ガラス基板100の搬送方向に沿って、所定の間隔をもって複数配置される。複数の粗面化ローラ12は、全て同方向に回転する。
粗面化ローラ12は、1つのエッチング槽11に貯留されているエッチング液MSに、一部(具体的には、下部)が浸漬した状態で固定されている。エッチングローラ12のエッチング液MSに浸漬している部分の垂直方向の長さは、適宜設定される。
粗面化ローラ12は、芯部材12aと、芯部材12aを覆うローラ部材12bとを有する。芯部材12aは、SUS等からなる軸芯と、塩化ビニル系の素材からなる円柱状の部材とからなる。芯部材12aは、カーボンシャフトでもよい。芯部材12aは、その直径は適宜設定される。芯部材12aは、粗面化ローラ12の回転軸である。
ローラ部材12bは、外径が芯部材12aよりも大きく中心部が開口された円筒状の部材である。ローラ部材12bは、液体を吸収しやすい発泡樹脂、すなわちスポンジから構成される。ローラ部材12bのスポンジは、PVAおよびPU等からなる。ローラ部材12bは、その内面が芯部材12aの外面に当接する。ローラ部材12bの直径は例えば適宜設定される。
ここでは、粗面化ローラ12(ローラ部材12b)は、エッチング液MSに浸漬することによってエッチング液MSを吸収する。そして、エッチング液MSを吸収して保持するエッチングローラ12(ローラ部材12b)に接触するガラス基板100の第1面100aに、ローラ部材12bが吸収したエッチング液MSの一部が供給され付着する。これにより、ガラス基板100と粗面化ローラ12との間に、エッチング液の接液膜層が形成される。
流体吐出手段31の設置は、ガラス基板の第2面110b上に搬送方向とは反対向きの流体を供給することができるよう、粗面化工程Pr1のいずれかに配置されればよく、特に制限されない。また、本実施形態におけるガラス基板100の搬送方向とほぼ反対向きの流体とは、気体または液体であり、気体としては空気、あるいは空気のほかの気体として、ガラス基板又はエッチング液(エッチング液の気化物)と反応する物質を除き、特に制限されない。流体の供給には空気を使用するのが特に好ましい。液体としては、異物や汚れの制約のある第2面側に供給することから、純水が特に好ましい、但し、流体として液体が使用されるのは、搬送タイプが縦タイプあるいは斜めタイプに制限される。純水のほか、TFT及び配線パターンが形成される第2面に供給する液体として適しているものであれば種類は特に制限されない。ただし、ガラス基板の搬送を水平式で実施する場合には、流体として空気を使用するのが好ましい。
流体吐出手段31を設置する数は、粗面化工程Pr1の期間中継続して流体吐出手段31を駆動する場合、流体吐出手段31を一つのみ設置して行ってもよい。あるいは、ガラス基板100と粗面化ローラ12との接触を検知する検知手段を設けて、検知手段の情報に基づいて、流体吐出のタイミングを制御する場合、複数の流体吐出手段31を粗面化ローラー上に設けることができ、この場合、複数の流体吐出手段31を制御するように、ガラス基板100と粗面化ローラ12との接触を検知する検知手段も複数設け、これらを制御するための制御機構を更に設けてもよい。
流体吐出手段31の駆動については、粗面化工程Pr1の期間中継続して流体吐出手段31を駆動することができる。
あるいは、ガラス基板が粗面化ローラーから離れるタイミングに特定し、流体が供給されるように、流体吐出手段31を駆動させてもよい。この場合、ガラス基板100と粗面化ローラ12との接触を検知する検知手段を設け、検知手段の情報に基づいて流体吐出手段31を駆動し、吐出のタイミングを制御するように制御手段を配置することができる。ガラス基板100と粗面化ローラ12との接触を検知する検知手段としては、センサ等、接触を検知するものであればよい。
流体吐出装置31の駆動により、ガラス基板110の第2面110b上に搬送方向とは反対向きの流体を供給することで、ガラス基板100の端面から第2面100bへエッチング液が回り込むのを防ぐことができる。
流体吐出手段31から供給される流体の強さは、強すぎない程度に、薄板ガラスの搬送を妨げず、また、エッチング液が舞い上がること等が起きない範囲で、なお且つ、ガラス基板の第2面110b上にエッチング液が上昇し回り込むのを抑制できるように、適宜、設定される。
絞りローラー14は、粗面化ローラ12に押し付けられてエッチングローラ12が保持するエッチング液MSの量を調整する機能を有する。絞りローラー14は、ローラ部材12bに比べて剛性の高い材料、例えば塩化ビニル系、カーボン等の材料から構成される。絞りローラー14は円柱状の形状を有する丸棒である。なお、絞りローラー14の形状は、丸棒に限られるものではない。図3に示されるように、絞りローラー14は、粗面化ローラ12の回転軸である芯部材12aよりも、ガラス基板100の搬送方向の上流側に配置されている。
絞りローラー14は、エッチングローラ12の回転に追従して回転する。よって、粗面化ローラ12とは逆方向に回転する。ここでは、絞りローラー14を回転させるモータ等を別途用いなくてもすむので、コストを抑制できる。
絞りローラー14は、図4に示されるように、粗面化ローラ12に対する上下位置や左右位置が調整可能なように、支持部材17によって支持されている。すなわち、絞りローラー14は、粗面化ローラ12への接触位置が調整可能である。これにより、絞りローラー14の粗面化ローラ12への接触圧力を調整できる。
また、粗面化ローラ12は、ガラス基板100に対する相対位置を調整することができる機構を備えている。すなわち、粗面化ローラ12の回転軸をガラス基板100の側に近づけたり、遠ざけたりすることができる。また、エッチング槽11には、エッチング液MSの液面レベルを調整することができる機構を備えている。これにより、粗面化ローラ12がガラス基板100に付着させるエッチング液MSの量を調整することができる。
搬送ローラ18は、回転軸と複数のコロとからなる。コロは、回転軸に固定され、Oリングが取り付けられる円筒状の部材である。図示されない駆動モータによって搬送ローラ18が軸回転すると、搬送ローラ18の上部に接触して支持されているガラス基板100は、粗面化工程Pr1を行うハウジング2内に搬送される。搬送ローラ18は、ガラス基板100の搬送方向に沿って、所定の間隔をもって複数配置される。搬送ローラ18は、全て同方向に回転する。
<粗面化プロセス>
本実施形態における表面処理方法では、周表面を含む外周部にエッチング液を保持した多孔質材を有する粗面化ローラにより、エッチング液を前記ガラス基板の第1面にエッチング液を付着させながらガラス基板を搬送し、ガラス基板の搬送の間、エッチング液が付着するガラス基板の第1面と反対側の第2面上に、ガラス基板の搬送方向とほぼ反対向きの流体を供給する。
さらに、ガラス基板が粗面化ローラーから離れるタイミングを特定し、前記流体を供給してもよい。
B.実施形態2.エッチング液回り込みの防御方法を含む表面処理方法
水平状態で所定の方向(搬送方向)に搬送されながら端面処理後の洗浄工程S6が行われたガラス基板100が、その状態を維持したまま、搬送ローラ18によって搬送されながら、ガラス基板表面処理装置1のハウジング2内に入る。
ハウジング2内に入ったガラス基板100の先端部の下面は粗面化ローラ12に接触し、粗面化ローラ12によって支持される。粗面化ローラ12(ローラ部材12b)は、エッチング液MSに浸漬していることによって、エッチング液MSを吸収し、エッチング液MSを吸収している粗面化ローラ12(ローラ部材12b)の上部は、表面が粗面化される第1面100aが接触して、ガラス基板100は、粗面化ローラ12の回転駆動によって、搬送方向に沿って搬送される。このとき、粗面化ローラ12(ローラ部材12b)はエッチング液MSを吸収しているので、粗面化ローラ12(ローラ部材12b)に接触するガラス基板100の第1面100aには、粗面化ローラ12(ローラ部材12b)を介してエッチング液MSが付着する。こうして、ガラス基板100が粗面化ローラ12によって搬送されながら、第1面100aにエッチング液MSが付着することで、ガラス基板の第1面100aが粗面化処理される。こうして、ガラス基板100が粗面化ローラ12によって搬送されながら、第1面100aにエッチング液MSが付着し、ガラス基板100と粗面化ローラ12との間にエッチング液の接液膜層が形成され、この間に第1面100aが粗面化される。
ガラス基板100が搬送されるとき、周表面を含む外周部にエッチング液MSを吸収した多孔質材を有する粗面化ローラ12によって、前記ガラス基板の第1面100aにエッチング液が付着する。ガラス基板100の搬送の間、ガラス基板の第1面100aと反対側の第2面上100bに、ガラス基板100の搬送方向とほぼ反対向きの流体が供給される。
ガラス基板100が粗面化ローラ12を離れるとき、ガラス基板100の端面部から、エッチング液が、粗面化ローラ12の回転とともに第2面100bに回り込む場合があったが(図6)、ガラス基板100の搬送の間、ガラス基板の第1面100aと反対側の第2面上100bに、ガラス基板の搬送方向とほぼ反対向きの流体が供給されることで、この様なガラス基板110bへのエッチング液の回り込みは抑えられ、防ぐことができる(図5)。
本実施形態におけるガラス基板100の搬送方向とほぼ反対向きの流体とは、気体または液体であり、気体としては空気、あるいは空気のほかの気体として、ガラス基板又はエッチング液(エッチング液の気化物)と反応する物質を除き特に制限されない。流体の供給には空気を使用するのが特に好ましい。液体としては、異物や汚れの制約のある第2面側に供給することから、純水が特に好ましい、但し、流体として液体が使用されるのは、搬送タイプが縦タイプあるいは斜めタイプに制限される。純水のほか、TFT及び配線パターンが形成される第2面に供給する液体として適しているものであれば種類は特に制限されない。ただし、ガラス基板の搬送を水平式で実施する場合には、流体として空気を使用するのが好ましい。
粗面化ローラ12によりガラス基板100が搬送される間のすべて、流体を供給し続けてもよく、あるいは、例えばセンサ等の検知手段によって粗面化ローラ12とガラス基板100が接触していることを検知し、ガラス基板100が粗面化ローラー12から離れるタイミングを特定して、供給動作を制御しながら流体を供給してもよい。
供給される流体の強さは、強すぎない程度に、薄板ガラスの搬送を妨げず、また、エッチング液が舞い上がること等が起きない範囲で調整され、ガラス基板の第2面110b上にエッチング液が回り込むのを抑制できるように、適宜設定し、流体を供給する。
エッチング液MSが第1面100aに付着してからすすぎ工程Pr2に至るまでの期間における、粗面化ローラー12とガラス基板100との接触時間がエッチング期間となるので、このエッチング期間中に、所望のエッチング量が達成されるように、ガラス基板100を搬送しながら粗面化する粗面化ローラ12の回転速度(搬送速度)を調整することができる。例えば、粗面化ローラーの回転速度を遅くし、粗面化ローラー12の上を搬送するガラス基板100の搬送時間を長くすることで、粗面化ローラー12とガラス基板100との接触時間を長くし、これによりガラス基板100aのエッチングの程度や形状を調整することができる。
<すすぎ工程Pr2の装置構成>
すすぎ工程(Pr2)では、複数の搬送ローラ18と、粗面化しないガラス基板の面に蒸留水をあてる蒸留水ノズル25と、粗面化されたガラス基板面を洗浄する洗浄ノズル24と、残存するエッチング液を充分に洗い流すノズル26と、ガラス基板の両面に付着する液体をハウジング内に留める様にガラス基板表面から取り除くエアーカッターと、を備える。
すすぎ工程(Pr2)は、ハウジング4に囲まれた空間であり、ハウジング内の空間の温度管理は、行ってもよく、行わなくてもよい。粗面化工程(Pr1)と、すすぎ工程(Pr2)とが接するハウウジングの壁の部分には、ガラス基板100が通過可能なスリットが設けられている。
洗浄ノズル24は、ガラス基板100の第1面100aに付着したエッチング液MSを洗い流すように、ガラス基板100の搬送経路に沿って設けられ、洗浄水を第1面100aに向けて噴出する。洗浄ノズル24に用いる洗浄水は、かならずしも純水(蒸留水)でなくともよい。洗浄水タンク24aには、一度洗浄に使用した洗浄後の水を貯留し、ガラス基板100の第1面100aを洗浄するために循環させて再利用することができる。
蒸留水ノズル25は、ガラス基板100の第1面100aと反対側の主表面を洗浄するために、第1面100aと反対側の主表面からガラス基板100の搬送経路に沿って設けられ、純水を第1面100aと反対側の主表面に向けて噴出する。
ノズル26は、ガラス基板100の第1面100aに残存するエッチング液を充分に洗い流すために、洗浄水を第1面100aに向けて噴出する。ノズル26は、ガラス基板100の搬送経路に沿って、ガラス基板100の第1面100a側に設けられている。なお、ノズル26から噴出する洗浄水には、蒸留水ノズル25が噴出するのと同じ純水を用いてもよいし、洗浄ノズル24が噴出するのと同じ洗浄水を用いてもよい。
ガラス基板100の第1面aとその反対側の面を洗浄した後、エアーカッターでガラス基板の表面から液体が飛ばされ、次工程の第2洗浄工程を行うために、搬送ローラ18によりハウジング4の外に搬出される。
<すすぎ工程のプロセス>
粗面化処理工程(Pr1)の後、ガラス基板100は、粗面化処理中搬送方向に移動するので、第1面100aの一部にエッチング液MSが付着されるとき、ガラス基板100の先端部はハウジング4内の搬送ローラ18に接触する。この搬送ローラ18により、ガラス基板100は、すすぎ工程Pr2に進む。
すすぎ工程Pr2では、まず、第1面100aが洗浄ノズル24から噴出する洗浄水で洗浄されエッチング液MSがほぼ洗い流され、その後、第1面100aを、さらにノズル26から噴出する水(再利用水など)で洗浄する。このとき、ガラス基板100の第1面100aと反対側の主表面は、蒸留水ノズル25から噴出する純水で洗浄される。さらにこの後、第1面100a、及び第1面100aと反対側の主表面に向けてエアーカッターでエアーを噴きつけて液体を飛ばす。こうして、すすぎ工程Pr2が終了し、第2洗浄工程S8を行うために、搬送ローラ18により搬出される。
(2−2)エッチング液
本発明におけるエッチング液MSは、純水に少なくともフッ酸HF及びリン酸HPOを含む水溶液である(以降で説明する濃度も、いずれも質量%を表す。)。
エッチング液MSにおけるリン酸HPOの濃度は、0.3%(質量%)〜10%である。リン酸HPOの濃度が10%を超えると排液回収の点から好ましくない。エッチング液MSにおけるリン酸HPOの濃度は、エッチングレート低下抑制効果の観点から、好ましくは0.3%〜8%、より好ましくは0.5%〜8%、更により好ましくは1%〜6%である。エッチング液MSがフッ酸及びリン酸HPO1%以上含有した場合、フッ酸を同じ濃度とした条件下、フッ酸、フッ酸と塩酸(リン酸と同じ濃度)の混酸、フッ酸と硫酸(リン酸と同じ濃度)に比べて、同じ温度条件下で、エッチングレートの低下を大きく抑制することができ、すなわち、フッ酸HF及びリン酸HPOの混酸は、エッチングレート低下の抑制効果が高い。また、エッチング液MSにおいて、フッ酸HF及びリン酸HPOを含む混酸におけるフッ酸の濃度は、好ましくは0.3%〜10%であり、0.3%〜8%が好ましく、0.3%〜6%がより好ましく、0.3%〜5%が更により好ましい。フッ酸の濃度が5%を超えると、排液回収の問題など、環境負荷が大きくなるため、5%以下が好ましい。本実施形態においては、エッチング液MSのフッ酸濃度を低く抑えることができるので、環境負荷は小さく、また、フッ酸の廃液処理コストも抑制することができる。
フッ酸HF及びリン酸HPOを含むエッチング液MSが、エッチングレート低下抑制効果に優れていることとして、例えば、5%のフッ酸HFからなるエッチング液MSを14時間繰り返し使用した後のエッチングレートの低下は45%であり、5%のフッ酸HF及び5%の塩酸HClの混酸のエッチング液MSを14時間繰り返し使用した後のエッチングレートの低下は44%であるのに対して、5%のフッ酸HF及び5%のリン酸HPOの混酸のエッチング液MSを14時間繰り返し使用後のエッチングレートの低下は15%である。このように、フッ酸HF及びリン酸HPOを含むエッチング液MSにおけるガラス基板100のエッチングレートの低下は著しく小さい。なお、これらのエッチングレートはすべて同じ温度条件下で測定している。
また、エッチング液MSがフッ酸及びリン酸HPO1%以上を含有した場合、フッ酸を同じ濃度とした条件下、フッ酸、フッ酸と硫酸(リン酸と同じ濃度)に比べて、スラッジの発生量を低く抑えることができ、フッ酸HF及びリン酸HPOの混酸は、スラッジ発生量の抑制効果をも備える。
フッ酸HF及びリン酸HPOを含むエッチング液MSが、スラッジ発生量の抑制効果に優れていることとして、例えば、スラッジ発生量が、5%のフッ酸HFからなるエッチング液MSの場合に比べて、5%のフッ酸HF及び5%のリン酸HPOの混酸のエッチング液MSは、20〜30%少ない。このように、フッ酸HF及びリン酸HPOの混酸は、スラッジ量の抑制効果においても優れる。
フッ酸HF及びリン酸HPOを含むエッチング液MSについて、フッ酸HF及びリン酸HPOの濃度比率(フッ酸:リン酸)としては、およそ1:1〜30:1であり、好ましくは1:1〜10:1である。本実施形態のエッチング液MSは、フッ酸HF及びリン酸HPOを必須成分として含む混酸であり、フッ酸及びリン酸を必須成分とすることでエッチングレートの低下抑制の効果とともに、粗面化のエッチング処理で発生するスラッジ量の抑制効果という二つ同時の効果を兼ね備える。
従来よりエッチング液として知られているフッ化ナトリウムとリン酸を含んだ溶液の場合、エッチングレートそのものが低いため、連続的な粗面化処理におけるエッチング液としては適さない。
エッチング液MSは、上記の組合せ(フッ酸及びリン酸による2種混酸、あるいはフッ酸及、リン酸及び塩酸による3種の混酸)に、必要に応じ、硫酸HSO、硝酸HNOなどを組み合わせてもよい。
本実施形態では、エッチング液MSに、フッ酸HF及びリン酸HPOに加え、塩酸HClをさらに含んでよい。フッ酸HF及びリン酸HPOに塩酸HClを組み合わせた3種の混酸の場合、スラッジの発生をさらに抑えることができる。したがって、本実施形態のエッチング液MSでは、フッ酸HF及びリン酸HPOとともに、塩酸HClをさらに含むことが好ましく、この場合、スラッジ量の抑制効果をさらに高めることができる。
エッチング液MSにおいて、フッ酸HF及びリン酸HPOに塩酸HClを組み合わせる場合、塩酸HClの濃度は0.3質量%〜15質量%、好ましくは塩酸HCl0.3質量%〜10質量%である。この場合、エッチング液MSにおいて、フッ酸HFは0.3質量%〜10質量%、リン酸HPOは0.3%〜10質量%、塩酸HClは0.3質量%〜15質量%である。エッチング液MSに塩酸を使用する場合のフッ酸HFと塩酸HClの濃度比率(フッ酸:塩酸)としては、およそ1:10〜5:1である。
(粗面化処理の温度)
エッチングレートはエッチング液MSの温度により異なる。エッチング液MSの温度は、所定のエッチングレートを得る様に適宜決定される。粗面化処理を行っている間は、エッチングレートが一定になる様にエッチング液MSの温度を一定に保つのが好ましい。本実施形態では、エッチングMSの温度は20℃〜30℃の間でコントロールされる。エッチング液が気化すると処理環境が悪化するため、エッチング液MSの温度は40℃を超えないのが好ましい。また、エッチングMSの温度が20℃を下回ると所定のエッチングレートが得られ難くなる。
(粗面化の処理時間)
粗面化の処理時間は、粗面化で得る表面粗さ(算術平均粗さRa)を決定し、前工程のタクトタイムを踏まえて、粗面化処理の搬送速度、粗面化処理で使用するエッチングローラー本数、粗面化処理に使用するエッチング液MSの組成、エッチングレートととともに、設定される。
粗面化で得る表面粗さは、0.30nm以上とすることが好ましく、より好ましくは、算術平均粗さRaは、0.40nm以上である。算術平均粗さRaの上限値は、0.60nm以下とすることが好ましく、より好ましくは、0.50nm以下である。
(2−3)ガラス基板の特徴
<ガラス組成>
本実施形態が適用するガラス組成として、例えば、次が挙げられる(質量%表示)。
SiO:50〜70%(好ましくは、57〜64%)、Al:5〜25%(好ましくは、12〜18%)、B:0〜15%(好ましくは、6〜13%)を含み、さらに、次に示す組成を任意に含んでもよい。任意で含む成分として、MgO:0〜10%(好ましくは、0.5〜4%)、CaO:0〜20%(好ましくは、3〜7%)、SrO:0〜20%(好ましくは、0.5〜8%、より好ましくは3〜7%)、BaO:0〜10%(好ましくは、0〜3%、より好ましくは0〜1%)、ZrO:0〜10%(好ましくは、0〜4%,より好ましくは0〜1%)が挙げられる。さらに、R’O:0.10%を超え2.0%以下(ただし、R’はLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種である)を含むことがより好ましい。
或いは、SiO:50〜70%(好ましくは、55〜65%)、B:0〜10%(好ましくは、0〜5%、1.3〜5%)、Al:10〜25%(好ましくは、16〜22%)、MgO:0〜10%(好ましくは、0.5〜4%)、CaO:0〜20%(好ましくは、2〜10%、2〜6%)、SrO:0〜20%(好ましくは、0〜4%、0.4〜3%)、BaO:0〜15%(好ましくは、4〜11%)、RO:5〜20%(好ましくは、8〜20%、14〜19%),を含有することが好ましい(ただし、RはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種である)。さらに、R’Oが0.10%を超え2.0%以下(ただし、R’はLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種である)を含むことがより好ましい。
<ヤング率>
本実施形態が適用されるガラス板のヤング率として、例えば、72(Gpa)以上が好ましく、75(Gpa)以上がより好ましく、77(Gpa)以上がより更に好ましい。
<歪点>
本実施形態が適用されるガラス基板の歪率として、例えば、650℃以上が好ましく、680℃以上がより好ましく、700℃以上、720℃以上が更により好ましい。
(実施例)
上述の基板表面処理装置1(図2)を用いて0.5mm厚さの薄板ガラスの粗面化処理を行った。エッチング液MSについては、3%のフッ酸HF、9%の塩酸HCl、及び1%リン酸H3PO4を含むエッチング液(エッチング液MS1)と、を用いて、25℃の条件下で、粗面化処理を、連続処理で24時間、続けて実施した。
粗面化処理を行ったガラス基板の第1面100aは、ガラス基板の表面の帯電を抑制できる表面粗さで、算術平均粗さRa(JIS B0601−20010.42〜0.48nmであった。
粗面化処理のプロセスにおいて、ガラス基板の第2面上に、ガラス基板の搬送方向とほぼ反対向きの流体を供給し続けながら、ガラス基板を搬送し、第1面110aの粗面化処理を行ったことで、ガラス基板の第2面上にエッチング液が回り込むことなく、表面処理を行うことができた。
(比較例)
比較例として、ガラス基板の第2面上に、搬送方向とほぼ反対向きの流体を供給せずに、この点以外はすべて、実施例と同様の操作および条件下でガラス基板の第1面110aの粗面化処理を行った。結果、すすぎ工程で第2面側の洗浄が行われたにも関わらず、ガラス基板の端面側から第2面上にエッチング液が回り込んでしまい、目的の品質を満たさなかったガラス基板が、発生した。
以上のように、本発明の表面処理方法および表面処理装置によれば、1700〜1900枚(24時間連続処理)レベルのガラス基板を連続して表面処理を実施した場合においても、ガラス基板の第2面側にエッチング液が回り込むことなく、品質の優れたガラス基板を、高効率レベルで生産することが達成できる。これにより、高精細ディスプレイに有用なガラス基板を、経済的に優れた方法で提供することができる。
以上、本発明のガラス基板製造装置、およびガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよい。
1 ガラス基板表面処理装置
2,4 ハウジング
11 エッチング槽
16 エッチング液タンク
11b フッ酸タンク
11c リン酸タンク
11d 塩酸タンク
11e,11f,11g 流量調整バルブ
12a 芯部材
12b ローラ部材
14 接触部材
15 配管
18 搬送ローラ
31 流体吐出装置
32 検知手段
33 流体制御手段
24,25 リンスノズル
24a,25a リンス液タンク
26 洗浄ノズル
26a 洗浄タンク
100 ガラス基板
100a 第1面
100b 第2面

Claims (5)

  1. ガラス基板の主表面のうち第1面を粗面化処理する表面処理工程を含む、ディスプレイ用ガラス基板の製造方法であって、
    前記表面処理工程において、エッチング液を保持した多孔質材を外周部に有する粗面化ローラーにより、エッチング液を前記ガラス基板の第1面に付着させながらガラス基板を搬送し、
    前記ガラス基板の搬送の間、エッチング液が付着するガラス基板の第1面と反対側の第2面上に、前記ガラス基板の搬送方向とほぼ反対向きの流体を供給する、ディスプレイ用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記表面処理工程において、前記流体の供給は、前記ガラス基板が粗面化ローラーから離れるタイミングに行われる、請求項1に記載のディスプレイ用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記表面処理工程後のガラス基板の第1面の算術平均粗さRaが0.40nm以上である、請求項1又は2に記載のディスプレイ用ガラス基板の製造方法。
  4. ガラス基板の主表面のうち第1面を粗面化処理する表面処理装置を含む、ディスプレイ用ガラス基板の製造方法であって、
    前記表面処理装置は、エッチング液を保持した多孔質材を外周部に有し、前記ガラス基板の第1面にエッチング液を付着させながら、ガラス基板を搬送する粗面化ローラと、
    前記ガラス基板の搬送の間、前記エッチング液が付着するガラス基板の第1面と反対側の第2面上に、前記ガラス基板の搬送方向とほぼ反対向きの流体を供給する流体吐出手段と、を備える、ディスプレイ用ガラス基板製造装置。
  5. さらに、前記粗面化ローラと前記ガラス基板との接触を検知する検知手段と、前記検知手段から得られた情報に基づいて、ガラス基板が粗面化ローラーから離れるタイミングに前記流体が供給されるように制御する流体制御手段と、を備える、請求項4に記載のディスプレイ用ガラス基板製造装置。
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