JP2017065095A - 被転写体の表面処理方法及び印画物の製造方法 - Google Patents

被転写体の表面処理方法及び印画物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 表面に微細な凹凸を有するマット状の印画物が、容易に、また高品質の印画物として得ることが可能となる被転写体の表面処理方法及びその表面処理された被転写体を使用した印画物の製造方法を提供する。【解決手段】 被転写体1と、表面処理用部材4とを、前記被転写体1の画像形成予定の表面5と前記表面処理用部材4とが接するように、重ね合わせて、加熱及び加圧し、前記被転写体1から前記表面処理用部材4を除去して、前記被転写体1の画像形成予定の表面5をマット処理する方法であって、前記表面処理用部材4のヘーズが15%以上50%以下であることを特徴とする被転写体1の表面処理方法である。【選択図】 図1

Description

本発明は、微細な凹凸の表面を有したマット状の印画物を形成できる被転写体の表面処理方法及び印画物の製造方法に関わるものである。
従来、画像を形成する種々プリント方法として、感熱により色材層中の染料が昇華拡散して染料が受像シートに移行する感熱昇華転写、加熱によって色材層が溶融軟化して、色材層自身が受像シートに転写する感熱溶融転写、インクジェット、電子写真が広く用いられている。この中で、感熱昇華転写は、記録材として用いる昇華転写染料をバインダー樹脂に溶融あるいは分散させた染料層をポリエステルフィルム等の基材シートに担持させた熱転写シートと、昇華性染料で染着可能な被転写体、例えば、紙やプラスチックフィルム等に受容層を形成した受像シートを重ね合わせ、昇華性染料を熱転写し、各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。この場合には、加熱手段として、プリンターのサーマルヘッドが使用され、極めて短時間の加熱によって3色又は4色の多数の加熱量が調整された色ドットを受像シートに転移させ、該多色の色ドットにより原稿のフルカラーを再現するものである。
このように形成された画像は、使用する色材が染料であることから、非常に鮮明であり、且つ透明性に優れているため、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優れ、従来のオフセット印刷やグラビア印刷による画像と同様であり、且つフルカラー写真画像に匹敵する高品質画像の形成が可能である。現在、簡単な印刷方法として熱転写記録方法が広く使用されている。熱転写記録方法は、各種画像を簡便に形成できるため、印刷枚数が比較的少なくてもよい印刷物、例えばIDカードの製造や、営業写真、或いはパーソナルコンピュータのプリンターやビデオプリンター等において、利用されている。
上記の感熱昇華転写方式は、熱転写シートに印加するエネルギー量によって、ドット単位で染料の移行量を制御出来るため、階調性画像の形成に優れているが、形成された画像は通常の印刷インキによるものとは異なり、色材が顔料でなく、比較的低分子量の染料であり、且つビヒクルが存在しないため、耐光性、耐候性、耐摩耗性等の耐久性に劣ると言う欠点がある。これに対して、昇華性染料の熱転写によって得られた画像上に、熱転写性樹脂層を有する保護層転写シートを重ね合わせ、サーマルヘッドや加熱ロール等を用いて熱転写性樹脂層を転写させ、画像上に保護層を形成する方法が知られている。
このような印画物において、表面が高光沢性を有するものだけではなく、表面に微細な凹凸を有するマット状の印画物を得たいという要求がある。それに対して、以下の3通りの方法があげられる。
(1)メディアの仕様として、表面凹凸を有した保護層を製造する方法がある。例えば、特許文献1に記載しているように、基材上に離型層、保護層を積層した保護層転写シートを用いて、離型層にフィラー(粒子)を含有させ、離型層の表面が粗面化されているもので、画像上に、その保護層を熱転写させて(離型層は基材側に残存する形態で)保護層表面を凹凸にさせることが挙げられる。また基材上に、剥離層、保護層を積層した保護層転写シートで、剥離層に発泡性粒子を含有させ、画像上に、剥離層と保護層が転写されるものがある。さらに、基材上に保護層を設けた保護層転写シートにおいて、保護層自体を基材上に設ける際に、表面に凹凸を有した印刷の版胴を使用して、この凹凸形状を有した保護層を基材上に印刷して設け、画像上に、その保護層を熱転写させて保護層の凹凸化を行なう。上記の表面凹凸を有した保護層を製造する方法では、所望のマット柄を得る方法として、技術的に困難な面が多く、実施が容易ではない場合があった。
また、表面のマット状の印画物を得る方法として、
(2)保護層転写シートを使用して、画像上に保護層を熱転写する際の熱エネルギーに強弱をつけて、保護層の表面光沢を変化させる方法がある。この方法は、例えば特許文献2にあるように、基材上に、熱転写性の保護層、接着層を順次積層した保護層転写シートにおいて、保護層が熱可塑性樹脂と無機層状化合物からなり、印画物の画像上に、前記保護層転写シートを用いて保護層を熱転写して形成する方法で、熱転写時の加熱量を可変制御して、保護層の表面光沢量を可変することが記載されている。上記(2)の表面凹凸を有した保護層を製造する方法では、表面をマット化させるために、高エネルギーを印加する必要があり、熱転写シートのシワが発生する、あるいは保護層が印画物に融着するなどの現象の可能性があり、高品質の印画物を得ることが容易ではない場合があった。
また、表面のマット状の印画物を得る方法として、
(3)印画物を形成した後に、表面に凹凸を有したローラーや板(エンボス版)等を押し付けて、印画物表面をマット化させる方法が想定される。(例えば、特許文献3参照)しかし、この方法では、エンボス版の凹凸の寸法精度が高いものが要求され、高価格な設備となってしまう、またエンボス処理の温度設定、加圧設定などが必要であり、簡単な処理方法ではない場合がある。
特開2004−122756号公報 特開2004−106260号公報 特開2006−182012号公報
本発明は、このような状況においてなされたものであり、表面に微細な凹凸を有するマット状の印画物が、容易に、また高品質の印画物として得ることが可能となる被転写体の表面処理方法及びその表面処理された被転写体を使用した印画物の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、被転写体と、表面処理用部材とを、前記被転写体の画像形成予定の表面と前記表面処理用部材とが接するように、重ね合わせて、加熱及び加圧し、前記被転写体から前記表面処理用部材を除去して、前記被転写体の画像形成予定の表面をマット処理する方法であって、前記表面処理用部材のヘーズが15%以上50%以下であることを特徴とする被転写体の表面処理方法である。
本発明の印画物の製造方法は、被転写体と、表面処理用部材とを、前記被転写体の画像形成予定の表面と前記表面処理用部材とが接するように、重ね合わせて、加熱及び加圧し、前記被転写体から前記表面処理用部材を除去して、前記被転写体の画像形成予定の表面をマット処理し、そのマット処理された被転写体の表面に、昇華性染料を含有する染料層を基材フィルムに設けた熱転写シートを用いて、前記染料層による加熱で、熱転写による画像を形成して、印画物を製造する方法であって、前記表面処理用部材のヘーズが15%以上50%以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、表面に微細な凹凸を有するマット状の印画物が、容易に、また高品質の印画物として得ることが可能となった。
本発明の被転写体の表面処理方法の一つの例を説明する概略図である。 本発明の印画物の製造方法の一つの例を説明する概略図である。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1は本発明の被転写体の表面処理方法の一つの例を説明する概略図である。
まず、図1(1)に示すように、被転写体(単体)1を用意する。また図1(2)に示すように、表面処理用部材4を用意する。なお、図1(1)の右側に示すように、基材2の上に受容層3を設けた被転写体1を用いることも可能である。
次に、図1(3)に示すように、上記の図1(1)及び(2)で用意した被転写体1と表面処理用部材4とを重ね合わせる。その際、被転写体1の画像形成予定の表面5と前記表面処理用部材4とが接するように、重ね合わせる。その重なった状態で、ヒートロール、サーマルヘッド等の加熱手段10と、加圧ロール11との間に、その重ね合わせられた積層体6を挿入する。
次に、その被転写体1の画像形成予定の表面5がマット処理されるように、加熱手段10を用いて、加熱し、また、その重ね合わされた積層体6を加熱手段10とロール11とで加圧する。
次に、図1(3)で、被転写体1と表面処理用部材4とが加熱及び加圧された積層体6の状態から、図1(4)に示すように、被転写体1から表面処理用部材4を剥がして除去する。その結果、被転写体1の画像形成予定の表面5をマット処理することができる。
本発明で「表面をマット処理する」記載は、表面を微細な凹凸を形成する、あるいは表面を粗面化することを意味する。
本発明の被転写体の表面処理方法で使用する表面処理用部材4は、そのヘーズが15%以上50%以下である条件となる。
上記の加熱及び加圧の条件としては、表面処理用部材4と接触する加熱手段10の表面温度は130℃以上200℃以下で、好ましくは150℃以上200℃以下である。本発明では、被転写体の表面に、微細な凹凸を形成するために、加熱手段としてヒートロールを用いることが好ましい。上記の加熱及び加圧の条件で、圧力は線圧で、例えば、1N/cm以上3N/cmで行なうことができる。また加熱及び加圧条件の際、ロールの回転速度、あるいは加熱手段を通過する積層体6の速度は10mm/s以上30mm/sが好ましい。
図2は本発明の印画物の製造方法の一つの例を説明する概略図である。図2(1)から図2(4)は、前記の図1(1)から図1(4)と同様であり、説明は省略するが、使用した被転写体1は、基材2の上に受容層3を設けた構成のものである。図2(1)〜図2(4)で示した方法で、画像形成予定の表面5をマット処理された被転写体1が用意される。その被転写体1と、昇華性染料を含有する染料層22を基材フィルム21に設けた熱転写シート20とを、被転写体1の画像形成予定の表面5と、熱転写シート20の染料層とが接するように重ね合わせ、サーマルヘッド12による加熱を行なう。(図2(5)参照)その際、サーマルヘッド12の対向する側にプラテンロール13が設置され、サーマルヘッド12とプラテンロール13の間に、熱転写シート20と被転写体1とが重なった状態で、加圧される。
上記の図2(5)の画像形成の手段であるサーマルヘッド加熱によって、図2(6)に示すように、被転写体1の受容層3に熱転写による画像31が形成された印画物30を製造することができる。
上記で説明した本発明の印画物の製造方法で使用する表面処理用部材4は、そのヘーズが15%以上50%以下である条件となる。
上記に説明した表面処理された被転写体を使用した印画物の製造方法により得られる印画物は、従来から知られた保護層転写シート(例えば、特許第4822129号等に記載の保護層転写シート)を用いて、被転写体の表面に形成された熱転写による画像を覆うように、保護層を転写して、画像の耐光性、耐摩耗性など耐久性を向上させることが好ましい。
以下、本発明の被転写体の表面処理方法及び印画物の製造方法で使用される被転写体、表面処理用部材などについて、説明する。
(被転写体)
本発明で用いられる被転写体1は、従来公知のいずれの被転写体でも使用することができる。例えば、天燃パルプ紙、コート紙、トレーシングペーパー、加熱転写時の熱で変形しないプラスチックフィルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等いずれのものでもよく、またこれらを基材2として、その基材2上に染料など熱転写性色材を定着しやすいように、従来から知られた受容層3を設けることもできる。
被転写体1として、プラスチックカードを用いることができ、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート樹脂等が使用できる。上記の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂は、樹脂自体が染着性を有する為、受容層を省略することができる。これらのプラスチックカードが昇華性染料に対して、十分は染着性を示さない場合には、樹脂中に可塑剤等を添加して染着性等を調整してもよい。
被転写体自体が染料による定着性、すなわち染着性を十分に有さない場合、受容層3を設けることが好ましい。受容層3は、加熱により溶融ないし昇華する着色材の受容性を有するものである。中でも、受容層は、有機溶剤可溶性の熱可塑性樹脂として、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の少なくとも1種を含有するもので、かつそれらの樹脂のガラス転移温度が50℃以上100℃以下の条件を満足するものであることが好ましい。
上記のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の少なくとも1種を含有することにより、被転写体の構成要素である基材2上に設けられた受容層3の表面に、微細な凹凸を有する、すなわちマット処理された、言い換えれば絹目調の表面を有した印画物30を形成することができる。
そのガラス転移温度が50℃未満であると、被転写体、あるいは印画物を保存したときにタックが生じ、ブロッキング等の問題が生じやすい。また上記のガラス転移温度が100℃より高いと、染着性が低下し、印画濃度が低くなってくる。なお、本発明で規定するガラス転移温度は、全て、JIS K 7121に準拠して測定したものである。またガラス転移温度は、Tgの記載で略して記載できる。
受容層3において、染料受容性をもたせる場合には、昇華性染料を含有する染料層を基材フィルム上に有する熱転写シートを用いて、その受容層に昇華転写による画像を形成する際、被転写体と熱転写シートとの離型性をもたせるために、上記の受容層に含有する熱可塑性樹脂に離型剤を添加する。但し、その離型剤は被転写体の基材との密着性や、印画物の保存性などを低下させることを防止するため、以下に示す特定の離型剤を用い、かつ添加量も所定の範囲にすることが好ましい。その特定の離型剤としては、側鎖型アラルキル変性シリコーン、側鎖型エポキシ変性シリコーンなどが挙げられる。その離型剤は、受容層に1種類で添加するだけでなく、熱転写シートとの熱転写時の離型性を十分にもたせるには、2種類以上の離型剤を添加することが好ましい。
受容層3は、上述の樹脂材料、さらに必要に応じて、上記で説明した離型剤を加え、有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて受容層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。受容層の厚さは特に限定はないが、通常、乾燥状態で1g/m2〜4g/m2程度である。その厚さが1g/m2未満であると、染着性が低下し、また一方で、受容層の厚さが4g/m2を超えると、被転写体の基材との密着性が低下しやすくなる。
(表面処理用部材)
本発明の表面処理に用いる表面処理用部材4について説明する。
本発明において、表面処理用部材4は、被転写体の表面処理する際の加熱および加圧処理に耐えうる機械的強度や耐溶剤性、耐熱性を有しているものであればよく、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロースなどのセルロース系フィルム、等が挙げられる。上記した樹脂からなる基材の中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系のフィルムは、耐熱性、機械的強度に優れるため好適に使用され、この中でもポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。
本発明における表面処理用部材4は、ヘーズが15%以上50%以下の部材であることが必要であり、以下の合成樹脂に充填材を分散させたものが好ましい。その合成樹脂に配合される充填材としては、サイロイド、エアロジル、ゼオライト、タルク、シリカ、ジカルボン酸エステルアミド、ポリエチレン等の無機粒子及び/又は有機粒子を挙げることができる。充填材としてシリカの場合、合成樹脂中に5%〜30%の割合で練り込み分散させたフィルムが好ましい。
本発明におけるヘーズ(単位:%)は、全てJIS K 7136に準拠して測定したものである。すなわち、本発明におけるヘーズは、試験片である基材を通過する透過光のうち,前方散乱によって,入射光から0.044rad(2.5°)以上それた透過光の百分率である。このヘーズが15%未満であると、表面凹凸のマット状態が乏しくなってしまう。また一方でヘーズが50%を超えると、その表面の凹凸が目立ち、また印画物の鮮明性が失われることがあり、好ましくない。
表面処理用部材は、厚さが一般に約1μm〜50μmであり、好ましくは約2μm〜15μmである。
本発明においては市販の部材を使用することもでき、例えば、ユニチカ株式会社の、エンブレットPTH−12(ヘーズ値:20%)、エンブレットPTHZ−12(ヘーズ値:50%)などを好ましく用いることができる。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。なお、文中、部または%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
被転写体として、以下に示す組成の白色塩化ビニル樹脂からなる基材で構成されるカードを使用した。このカードの一方の面に、バーコーター法で下記組成の受容層用塗工液1を、乾燥後3g/m2の厚さになるように塗布し乾燥して受容層を形成して被転写体1とした。
(カードの材料組成)
・ポリ塩化ビニルコンパウンド(重合度800) 100部
(安定化剤等の添加剤を約10%含有)
・白色顔料(酸化チタン) 10部
・可塑剤(DOP) 0.5部
(受容層用塗工液1)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(日信化学工業(株)製、ソルバイン(登録商標)CNL、Tg76℃、Mn12,000) 100部
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
また、表面処理用部材4として、ユニチカ株式会社製の商品名エンブレットPTH−12(二軸延伸ポリエステルフィルムに、微粒子が練り込まれたマットグレード)の厚さ12μmを用いた。
そして、被転写体1の表面処理は、被転写体1の画像形成予定の表面5に表面処理用部材4を重ね合わせた積層体6を、ラミネーター(フジプラ社製、ラミパッカーLPD3212)の加熱手段10(ヒートロール)と、加圧ロール11とで加熱及び加圧し、被転写体1から表面処理用部材4を除去して、被転写体1の画像形成予定の表面5をマット処理した。(図1を参照)
なお、表面処理条件として、ヒートロールの表面温度およびロール回転速度を表1に示す。
上記で使用した表面処理用部材4であるユニチカ株式会社製の商品名エンブレットPTH−12は、JIS K 7136に準拠して測定したヘーズが20%である。すなわち、表面処理用部材4のヘーズは20%である。
上記で得られた被転写体1を用いて、その被転写体の画像形成予定の表面に、下記に示すテストプリンターの転写条件にて下記転写箔1の剥離層及び接着層を転写した。
(テストプリンターの転写条件)
サーマルヘッド;KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値;3303(Ω)
主走査方向印字密度;300dpi
副走査方向印字密度;300dpi
印画電圧;18.5(V)
1ライン周期;3.0(msec.)
印字開始温度;35(℃)
パルスDuty比;85%
(転写箔1)
基材として、東レ株式会社製のポリエチレンテレフタレートフィルムの商品名ルミラーの厚さ4.5μmを用い、該基材の一方の面へ、バーコーター法で、下記組成の剥離層用塗工液1を、乾燥後1g/m2の厚さになるように塗布し乾燥して剥離層を形成した。次いで、この剥離層上に、バーコーター法で、下記組成の接着層用塗工液1を、乾燥後3g/m2の厚さになるように塗布し乾燥して接着層を形成し、転写箔1を作製した。
(剥離層用塗工液1)
アクリル樹脂(サーモラックLP−45M−30、数平均分子量80000、Tg105℃、綜研化学(株)製) 19部
ポリエチレンワックス(スリップ剤B 昭和インク工業(株)製) 0.76部
蛍光増白剤(ChitexOB Double Bond Chemical Ind.,Co.,Ltd) 0.14部
メチルエチルケトン 40部
トルエン 40部
(接着層用塗工液1)
・ポリエステル樹脂 20部
(バイロン200 東洋紡(株))
・紫外線吸収剤共重合樹脂 10部
(UVA−635L BASF社)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80部
(実施例2)
被転写体を以下のものに変更した。
被転写体1は、多孔質ポリエチレンフィルム(トヨパール−SS P4255 東洋紡績(株)、厚さ35μm)からなる多孔質フィルム層上に、下記組成の中間層用塗工液、受容層用塗工液をグラビアリバースコート方式で、順次塗布、乾燥して、中間層、受容層を形成した。その中間層、受容層の設けられた面と反対面の多孔質ポリエチレンフィルムに、下記組成の接着層用塗工液を用いて、グラビアリバースロールコート方式で塗布、乾燥して、接着層を形成し、RC原紙(155g/m2、厚さ151μm)(三菱製紙(株))と貼り合わせ熱転写受像シートを作製した。上記の各々の塗工量は、全て固形分で、中間層は1.5g/m2、受容層は5.0g/m2、接着層は5g/m2とした。
<中間層用塗工液>
・ポリエステル樹脂 50部
(ポリエスターWR−905 日本合成化学工業(株))
・酸化チタン 20部
(TCA888 (株)トーケムプロダクツ)
・蛍光増白剤 1.2部
(ユビテックスBAC チバ・スペシャリティーケミカルズ(株))
・水/イソプロピルアルコール=1/1 28.8部
<受容層用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60部
(ソルバインC Tg70℃ 日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 5部
<接着層用塗工液>
・ウレタン樹脂 30部
(タケラックA−969V 三井武田ケミカル(株))
・イソシアネート 10部
(タケネートA−5 三井武田ケミカル(株))
・酢酸エチル 100部
また、表面処理用部材4として、ユニチカ株式会社製の商品名エンブレットPTH−12(二軸延伸ポリエステルフィルムに、微粒子が練り込まれたマットグレード)の厚さ12μmを用いた。
そして、被転写体1の表面処理は、被転写体1の画像形成予定の表面5に表面処理用部材4を重ね合わせた積層体6を、下記に示すテストプリンターの転写条件にて加熱及び加圧し、被転写体1から表面処理用部材4を除去して、被転写体1の画像形成予定の表面5をマット処理した。(図1を参照)
なお、表面処理条件として、テストプリンターの電圧および印画速度を表1に示す。
(テストプリンター)
サーマルヘッド;KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値;3303(Ω)
主走査方向印字密度;300dpi
副走査方向印字密度;300dpi
印字開始温度;35(℃)
パルスDuty比;85%
実施例1と同様にして、上記で得られた被転写体1を用いて、その被転写体の画像形成予定の表面に、転写箔1の剥離層及び接着層を転写した。
(比較例1)
表面処理用部材4を、以下のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、被転写体の表面処理を行なった。
表面処理用部材4として、東レ株式会社製の商品名ルミラー(二軸延伸ポリエステルフィルム)の厚さ12μmを用いた。
(比較例2)
表面処理用部材4を、東レ株式会社製の商品名ルミラー(二軸延伸ポリエステルフィルム)の厚さ12μmに変更した以外は、実施例2と同様にして、被転写体の表面処理を行なった。
(比較例3)
実施例1で表面処理した被転写体において、被転写体に表面処理用部材による表面処理を行わない以外は、実施例1と同様にして被転写体を得た。すなわち、白色塩化ビニル樹脂からなる基材で構成されるカードの表面処理無しの被転写体である。
(比較例4)
実施例2で表面処理した被転写体において、被転写体に表面処理用部材による表面処理を行わない以外は、実施例2と同様にして被転写体を得た。表面処理無しの被転写体である。
上記の実施例で表面処理用部材として使用したユニチカ株式会社製の商品名エンブレットPTH−12は、JIS K 7136に準拠して測定したヘーズが20%である。また比較例で使用した表面処理用部材の東レ株式会社製のポリエチレンテレフタレートフィルムの商品名ルミラーの厚さ12μmのJIS K 7136に準拠して測定したヘーズは約1%である。
Figure 2017065095
上記の各実施例及び比較例で形成した印画物について、以下の方法にて、光沢度の測定及び印画物の評価を行なった。
(光沢度の測定)
各印画物の画像表面の光沢度を、以下の測定機と測定条件にて測定した。
測定機:日本電色(株)製 Gloss Meter VG2000
測定入射角:45°
測定方向:MD:主走査方向、TD:副走査方向
(印画物の評価)
各印画物の画像形成された表面を、目視にて観察し、微細な凹凸を有し、絹目の印画物として高品質のものかを評価した。
評価の基準は以下のとおりである。
1;微細な凹凸は、少しあり、絹目の印画物として見られるものである。
2;微細な凹凸が認められず、光沢仕上げの印画物である。
上記の光沢度及び印画物の評価の結果を以下の表2に示す。
Figure 2017065095
上記の実施例で製造した印画物は、光沢度が40%以下であり、表面に微細な凹凸を有したマット状、言い換えれば絹目調の印画物を得ることができた。
それに対して、比較例1〜4で製造した印画物は、全て光沢度が55%以上であり、表面が微細な凹凸を有する、マット状、すなわち絹目の印画物ではなく、光沢仕上げの印画物であった。
なお、上記の実施例及び比較例で形成した被転写体を使用した印画物に関し、全て使用した転写箔の接着層に熱転写による画像を形成しない条件であったが、接着層に離型剤であるシリコーンオイルを含有した例の転写箔では、その接着層に染料層を有する熱転写シートを用いて熱転写による画像を形成し、その他は上記と同様の方法で印画物を作製し、上記の光沢度及び印画物の評価を実施した。その結果は接着層に熱転写による画像の有無により、光沢度及び印画物の評価で変化はなかった。
1 被転写体
2 基材
3 受容層
4 表面処理用部材
5 画像形成予定の表面
6 積層体
10 加熱手段
11 ロール
12 サーマルヘッド
13 プラテンロール
20 熱転写シート
21 基材フィルム
22 染料層
30 印画物
31 画像

Claims (2)

  1. 被転写体と、表面処理用部材とを、前記被転写体の画像形成予定の表面と前記表面処理用部材とが接するように、重ね合わせて、加熱及び加圧し、前記被転写体から前記表面処理用部材を除去して、前記被転写体の画像形成予定の表面をマット処理する方法であって、前記表面処理用部材のヘーズが15%以上50%以下であることを特徴とする被転写体の表面処理方法。
  2. 被転写体と、表面処理用部材とを、前記被転写体の画像形成予定の表面と前記表面処理用部材とが接するように、重ね合わせて、加熱及び加圧し、前記被転写体から前記表面処理用部材を除去して、前記被転写体の画像形成予定の表面をマット処理し、そのマット処理された被転写体の表面に、昇華性染料を含有する染料層を基材フィルムに設けた熱転写シートを用いて、前記染料層による加熱で、熱転写による画像を形成して、印画物を製造する方法であって、前記表面処理用部材のヘーズが15%以上50%以下であることを特徴とする印画物の製造方法。
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