JP2017062201A - 膜厚測定装置及び膜厚測定方法 - Google Patents

膜厚測定装置及び膜厚測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン電池の製造工程において、集電体に形成された活物質材料を含む膜の膜厚検査を非接触で行う技術を提供する。【解決手段】膜厚測定装置1は、テラヘルツ波LT1を試料9に照射するテラヘルツ波照射部10と、試料9で反射したテラヘルツ波LT1の反射波LT3を検出する光伝導スイッチ34Aを備えた反射波検出部30Aを備える。膜厚測定装置1は、反射波検出部30Aによって検出された反射波LT3のうち、試料9における活物質膜91の表面で反射した表面反射波LT31と、試料9における活物質膜91と集電体93との界面で反射した界面反射波LT32との、光伝導スイッチ34Aに到達する時間差Δtを取得する時間差取得モジュール509と、時間差Δtおよび活物質膜91の屈折率nSに基づいて、活物質膜91の膜厚dを算出する膜厚算出部511とを備える。【選択図】図4

Description

この発明は、集電体に形成された活物質材料の膜の膜厚を測定する技術に関する。
リチウムイオン二次電池(LiB)は、正極と、負極と、正極および負極間で電気的な短絡防止するためにこれらを分離するように配されたセパレータとで構成されている。正極は、アルミニウム箔などの集電体上にコバルト酸リチウムなどの金属活物質、導電性黒鉛(カーボンブラックなど)およびバインダ樹脂を塗布することによって、構成されている。また、負極は、アルミニウム箔などの集電体上に活物質である黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛など)およびバインダ樹脂を塗布することによって、構成されている。さらに、セパレータは、ポリオレフィン系の絶縁フィルムなどで構成されている。正極、負極およびセパレータは、多孔質であり、有機電解質がしみ込んだ状態で存在している。有機電解質としては、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)などのリチウム塩を含んだ炭酸エチレンまたは炭酸ジエチルなどの有機溶媒が使用される。
正極および負極は、電位を与えられると、活物質内へのリチウムイオンの放出および取込みが起こり、放出および取込み時の電位が異なる活物質を正極と負極に用いることで、電池が構成されている。以下は、放出電時の正極および負極における反応の例である。
正極:LiCoO ⇔ Li1−xCoO+xLi+xe
負極:xLi+xe6C ⇔ Li
特許文献1には、バインダ樹脂の膜厚均一性に偏りがあると、活物質層の剥離などの問題が発生することが記載されている。また、特許文献2には、キャパシタの高容量化に対応するために、電極層を厚膜化する際、電極形成用スラリーのレベリング性、すなわち、膜厚の均一化を図ることが重要である点が記載されている。
また、特許文献3、特許文献4では、正極および負極の双方について、活物質量については、目付量として単位面積当たりの重量で調整されるが、塗布工程後の膜厚検査などは行われていない。そして、最終製作物であるLiBにおける充放電のサイクル試験などによって、不良品が検出されている。
特開2004−71472号公報 国際公開第2011/024789号パンフレット 特開2014−116317号公報 特開2014−96386号公報 特表2006−526774号公報
しかしながら、特許文献3または特許文献4に記載されているように、活物質量の目付量の調整のみ行って、膜厚検査を行わずに最終製作物で不良品検査を行った場合、不良品が発生したときの経済的損失が大きいという問題があった。
また、正極材および負極材の塗布液において、活物質の目付量が一定であることから、活物質の量は膜厚から算出することが可能である。従って、膜厚を測定すれば、活物質量を特定できるが、前述のとおり、塗布および乾燥直後の膜厚検査は行われていない。
また、非破壊検査の手法として、例えば特許文献5には、25GHzから100GHzの範囲の周波数を持つ電磁波を用いることが記載されている。しかしながら、特許文献5の技術は、スペクトル特性から、試料の成分濃度を解析するものであって、膜厚を検査することはできない。特に、リチウムイオン電池の正極および負極のように、カーボンを含み可視光が透過しない薄膜を測定することはできない。
そこで、本発明は、リチウムイオン電池の製造工程において、集電体に形成された活物質材料を含む膜の膜厚検査を非接触で行う技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、第1の態様は、集電体に形成された活物質膜の膜厚を測定する膜厚測定装置であって、0.01THzから10THzに含まれる周波数帯のテラヘルツ波を試料に照射するテラヘルツ波照射部と、前記試料で反射した前記テラヘルツ波の反射波を検出する検出器を備えた反射波検出部と、前記反射波検出部によって検出された前記反射波のうち、前記試料における前記活物質膜の表面で反射した表面反射波と、前記試料における前記活物質膜と前記集電体との界面で反射した界面反射波との、前記検出器に到達する時間差を取得する時間差取得部と、前記時間差および前記活物質膜の屈折率に基づいて、前記活物質膜の膜厚を算出する膜厚算出部とを備える。
また、第2の態様は、第1の態様に係る膜厚測定装置であって、前記時間差取得部は、前記反射波の時間波形におけるピーク時間に基づいて、前記時間差を取得する。
また、第3の態様は、第2の態様に係る膜厚測定装置であって、前記時間差取得部は、前記試料で得た前記反射波の時間波形から表面反射サンプルで得た前記反射波の時間波形を差し引くことによって、前記界面反射波のピーク時間を特定し、前記表面反射サンプルは、テラヘルツ波が照射された際に、前記界面反射波を全吸収する厚みの前記活物質膜を、前記集電体の表面に形成したものである。
また、第4の態様は、第3の態様に係る膜厚測定装置であって、前記時間差取得部は、前記試料で得た前記反射波の時間波形、及び、前記表面反射サンプルで得た前記反射波の時間波形について、各反射波のピーク時間を合わせてから、差し引きする。
また、第5の態様は、第1から第4の態様のいずれか1つに係る膜厚測定装置であって、前記試料において、前記テラヘルツ波が照射される位置を、前記試料の表面に平行な2軸方向に変位させる照射位置変位部と、前記膜厚算出部が算出した、試料上の複数地点の膜厚分布を示す膜厚分布画像を生成する画像生成部とをさらに備える。
また、第6の態様は、第1から第5の態様のいずれか1つに係る膜厚測定装置であって、前記テラヘルツ波照射部は、前記0.01THzから1THzの周波数帯のテラヘルツ波を前記試料に照射する。
また、第7の態様は、第1から第6の態様のいずれか1つに係る膜厚測定装置であって、前記反射波のローパスフィルタ処理するフィルタ処理部、をさらに備える。
また、第8の態様は、第7の態様に係る膜厚測定装置であって、前記ローパスフィルタ処理が1THz以下のテラヘルツ波を透過させる処理である。
また、第9の態様は、集電体に形成された活物質膜の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、(a)0.01THzから10THzに含まれる周波数帯のテラヘルツ波を試料に照射し、前記試料で反射した前記テラヘルツ波の反射波を検出器で検出する検出工程と、(b)前記検出器で検出された前記反射波のうち、前記試料における前記活物質膜の表面で反射した表面反射波と、前記試料における前記活物質膜と前記集電体との界面で反射した界面反射波との、前記検出器に到達する時間差を取得する時間差取得工程と、(c)前記時間差および前記活物質膜の屈折率に基づいて、前記活物質膜の膜厚を算出する膜厚算出工程とを含む。
第1の態様に係る膜厚測定装置によると、テラヘルツ波の反射波を利用して膜厚測定するため、集電体に活物質膜が形成された時点で、非接触で膜厚測定ができる。これによって、活物質量の過不足などの不良を早期に発見することが可能となり、不良品発生による経済的損失を低減できる。
第2の態様に係る膜厚測定装置によると、表面反射波および界面反射波の時間差を、特定が比較的容易なピーク時間に基づいて取得することによって、膜厚を容易に取得することが可能となる。
また、第3の態様に係る膜厚測定装置によると、試料で得た反射波から、表面反射サンプルで得た反射波を差し引くことによって、表面反射波の成分を除去でき、これによって、界面反射波を良好に抽出することができる。
また、第4の態様に係る膜厚測定装置によると、時間合わせをしてから差し引きすることによって、試料で得た反射波の時間波形から、表面反射の成分を良好に除去できる。
また、第5の態様に係る膜厚測定装置によると、膜厚分布画像を生成することで、膜厚分布を容易に把握することができる。
第6の態様に係る膜厚測定装置によると、照射するテラヘルツ波の周波数帯を活物質膜の透過性が高い0.01THz〜1THzに設定することで、反射波から不要な周波数成分を除くことができる。これによって、活物質膜の膜厚の測定精度を高めることができる。
第7の態様に係る膜厚測定装置によると、反射波の成分を低周波帯に限定することで、時間差取得部によって得られる時間差と、膜厚との相関がより高くなる。これによって、活物質膜の膜厚をより高精度に得ることができる。
第8の態様に係る膜厚測定装置によると、反射波の成分を1THz以下にすることで、時間差取得部によって得られる時間差と、膜厚との相関がより高くなる。これによって、活物質膜の膜厚をより高精度に得ることができる。
第9の態様に係る膜厚測定方法によると、テラヘルツ波の反射波を利用して膜厚測定するため、集電体に活物質膜が形成された時点で、非接触で膜厚測定ができる。これによって、且つ物質量の過不足などの不良を早期に発見することが可能となり、不良品発生による経済的損失を低減できる。
第1実施形態に係る膜厚測定装置を示す概略構成図である。 透過波を測定するための試料ステージを分解して示す概略斜視図である。 透過波を測定するための試料ステージを示す概略斜視図である。 反射波を測定するための試料ステージを示す概略側面図である。 試料の他の支持態様を示す図である。 第1実施形態に係る制御部の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る屈折率取得処理を示す流れ図である。 屈折率取得のために復元された透過波の時間波形を示す図である。 第1実施形態に係る膜厚測定処理を示す流れ図である。 リチウムイオン電池の正極(膜厚88μm)を試料として、測定された反射波の時間波形を示す図である。 リチウムイオン電池の負極を試料としたときの、反射波の時間波形を示す図である。 膜厚測定対象の時間波形から表面反射の時間波形を差し引いた後の時間波形を示す図である。 実際の膜厚とピーク時間差との検量線を示す図である。 図12に示す時間波形について、ローパスフィルタで処理した時間波形を示す図である。 ローパスフィルタ処理したときの、実際の膜厚と時間差との検量線を示す図である。 画像生成モジュールが生成した膜厚分布画像の一例を示す図である。 リチウムイオン電池の負極活物質(黒鉛)の膜を透過した透過波の周波数スペクトルを示す図である。 第2実施形態に係る膜厚測定装置1Aが組み込まれた活物質膜形成システム100を示す概略側面図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
<1. 第1実施形態>
<膜厚測定装置の構成>
図1は、第1実施形態に係る膜厚測定装置1を示す概略構成図である。図1に示すように、膜厚測定装置1は、テラヘルツ波照射部10、試料ステージ20、透過波検出部30、反射波検出部30A、遅延部40,40A、および、制御部50を備えている。透過波検出部30および遅延部40は、活物質材料を含む膜(以下、「活物質膜」という。)の屈折率を取得するために設けられた屈折率取得システムを構成している。また、反射波検出部30Aおよび遅延部40Aは、活物質膜の膜厚を測定するために設けられた膜厚測定システムを構成している。
<テラヘルツ波照射部10>
テラヘルツ波照射部10は、試料ステージ20に支持された試料9に対して、テラヘルツ波LT1を照射するように構成されている。
テラヘルツ波照射部10は、フェムト秒パルスレーザ11を備えている。
フェムト秒パルスレーザ11は、例えば、360nm(ナノメートル)以上1.5μm(マイクロメートル)以下の可視光領域を含む波長のレーザパルス光(パルス光LP10)を発振する。一例として、フェムト秒パルスレーザ11は、中心波長が800nm付近であり、周期が数kHz〜数百MHz、パルス幅が10〜150フェムト秒程度の直線偏光のパルス光LP10を発振するように構成される。もちろん、フェムト秒パルスレーザ11は、その他の波長領域(例えば、青色波長(450〜495nm)、緑色波長(495〜570nm)などの可視光波長)のパルス光LP10を発振するように構成されていてもよい。
フェムト秒パルスレーザ11から発振されたパルス光LP10は、ビームスプリッタB1によって2つに分波され、一方はポンプ光LP1(第1パルス光)、他方がプローブ光LP2(第2パルス光)となる。ポンプ光LP1は、高周波信号発振器300によって制御されるチョッパー12および平面ミラー13などを介して、エミッタ側の光伝導スイッチ14に入射する。光伝導スイッチ14には、アンプ15によってバイアス電圧が印加されており、パルス状のポンプ光LP1が入射することに応じて、パルス状のテラヘルツ波LT1を発生させる。光伝導スイッチ14は、テラヘルツ波を発生させるテラヘルツ波発生器の一例である。
光伝導スイッチ14において発生するテラヘルツ波は、好ましくは0.01THz〜10THzに含まれる周波数帯のものであり、より好ましくは0.01THz〜1THzの範囲内の周波数帯のものである。なお、光伝導スイッチ14において発生するテラヘルツ波の周波数は、当該光伝導スイッチ14の形状によって概ね決定される。例えば、ダイポール型であれば0.1THzから4THzの範囲のテラヘルツ波を良好に発生させることができ、ボータイ型であれば0.03THzから2THzの範囲のテラヘルツ波を良好に発生させることができる。
光伝導スイッチ14にて発生したテラヘルツ波LT1は、超半球シリコンレンズ16を介して拡散される。そして、テラヘルツ波LT1は、放物面鏡17によって平行光とされ、さらに放物面鏡18で集光される。そして焦点位置に配置された試料9に、当該テラヘルツ波LT1が照射される。
なお、テラヘルツ波照射部10は、試料9にテラヘルツ波LT1を照射することが可能であればどのように構成されていてもよい。例えば、フェムト秒パルスレーザ11から発振されたポンプ光LP1が、光ファイバーケーブルによって、光伝導スイッチ14に入射するようにしてもよい。また、放物面鏡18を省略するとともに、光伝導スイッチ14および放物面鏡17の距離を短くして、当該放物面鏡17で反射したテラヘルツ波LT1が集光する焦点位置に、試料9が配置されるようにしてもよい。また、放物面鏡17,18のうち、一方または双方を、テラヘルツレンズに置き換えてもよい。
<透過波検出部30>
透過波検出部30は、試料9を透過したテラヘルツ波LT1である透過波LT2の電界強度を検出する。透過波検出部30は、後述するように、活物質材料で構成される活物質膜の屈折率を取得するために行われるものである。屈折率を取得する場合、試料9として、テラヘルツ波の透過性が高い材料(例えば、PET)で構成された透過基材と、当該透過基材の表面に活物質膜が形成されたものとされる。透過基材に薄膜を形成する場合、例えば、活物質材料のスラリーを板状の透過基材の一主面(最も広い面)に均一に塗布し、これを乾燥させたものが好適である。
ここで、透過波LT2を測定するための試料ステージ20の構成について説明する。図2は、透過波LT2を測定するための試料ステージ20を分解して示す概略斜視図である。また、図3は、透過波LT2を測定するための試料ステージ20を示す概略斜視図である。
透過波LT2を測定する場合、試料ステージ20は、試料9を、テラヘルツ波LT1の進行方向と垂直かつ放物面鏡18および後述する放物面鏡31の焦点位置で把持する。より詳細には、試料ステージ20は、試料9の形状に応じて支持する支持手段を備える。一例として、試料9である透過基材を保持する場合、試料ステージ20は、図2および図3に示すように、試料抑え枠21,22で構成される。試料抑え枠21,22によって試料9の周縁部を把持した状態で、試料抑え枠21,22同士がネジなどで連結される。そして連結された、試料抑え枠21,22は、試料ステージ20の台座23に、起立姿勢で、ネジなどで固定される。
図1に示すように、試料9を透過した透過波LT2は、試料9から焦点距離の位置に配置された放物面鏡31によって平行光となる。そして、平行光となった透過波LT2は、放物面鏡32で集光される。そして、超半球シリコンレンズ33を介して、光伝導スイッチ34に入射する。光伝導スイッチ34は、放物面鏡32の焦点距離の位置に配置される。
また、フェムト秒パルスレーザ11から発振され、ビームスプリッタB1により2つに分波されたビーム光のうちの他方のプローブ光LP2(第2パルス光)は、平面ミラー35および遅延部40を介して、光伝導スイッチ34に入射する。光伝導スイッチ34は、プローブ光LP2を受光した際に、当該光伝導スイッチ34に入射している透過波LT2の電界強度に応じた電流が流れる。この際の電圧変化が、ロックインアンプ36で増幅されるとともに、高周波信号発振器300に従った周波数で、所定のインターフェースを介して制御部50に取り込まれる。光伝導スイッチ34は、透過波LT2の電界強度を検出する透過波検出器の一例である。
なお、放物面鏡31,32のうち、どちらか一方または双方を、テラヘルツレンズに置き換えてもよい。また、放物面鏡32を省略し、試料9および放物面鏡31間の距離を、放物面鏡31の焦点距離よりも短くしてもよい。そして、放物面鏡31の焦点位置に光伝導スイッチ34を配置することによって、透過波LT2が当該光伝導スイッチ34に入射させてもよい。
<遅延部40>
遅延部40は、ポンプ光LP1がテラヘルツ波発振器である光伝導スイッチ14に入射する時間に対して、プローブ光LP2が透過波検出器である光伝導スイッチ34に入射する時間を相対的に遅延させる。
より詳細には、遅延部40は、平面ミラー41,42、遅延ステージ43および遅延ステージ移動機構44を備えている。プローブ光LP2は、平面ミラー35で反射した後、平面ミラー41によって、遅延ステージ43に向かう方向に反射される。遅延ステージ43は、入射したプローブ光LP2を、その入射方向とは反対の方向に折り返させる折返しミラーを備えている。遅延ステージ43で折り返されたプローブ光LP2は、平面ミラー42で反射した後、光伝導スイッチ34に入射する。
遅延ステージ43は、遅延ステージ移動機構44によって、プローブ光LP2が入射する方向と平行に移動する。遅延ステージ移動機構44の構成例としては、リニアモータまたはスライダ側のナット部材が螺合するネジ軸をサーボモータの駆動によって回転駆動させる電動スライダ機構などで遅延ステージ43を軸方向に移動させるとともに、遅延ステージ43の移動量をリニアゲージなどで測長するように構成することが考えられる。
遅延ステージ43をプローブ光LP2と平行に直線移動させることによって、フェムト秒パルスレーザ11から光伝導スイッチ34に至るまでのプローブ光LP2の光路長を変更できる。これによって、光伝導スイッチ34に入射するプローブ光LP2のタイミングを変更できる。すなわち、光伝導スイッチ34が、透過波LT2の電界強度を検出するタイミング(位相)を変更できる。
なお、ポンプ光LP1(第1パルス光)の光路上に、遅延部40を設けてもよい。すなわち、ポンプ光LP1の光路長を変更することによって、ポンプ光LP1が光伝導スイッチ34に到達するタイミングを遅延させることができる。これによって、パルス状のテラヘルツ波LT1が発生するタイミングを変更できるため、光伝導スイッチ34が透過波LT2の電界強度を検出するタイミング(位相)を変更できる。
<反射波検出部30A>
反射波検出部30Aは、試料9で反射したテラヘルツ波LT1である反射波LT3の電界強度を検出するように構成されている。反射波LT3の検出は、後述するように、アルミニウム箔などの集電体に形成された活物質膜の膜厚を計測するために行われるものである。このため、反射波LT3を計測するための試料9は、膜厚測定を行う活物質膜が形成された集電体とされる。
図4は、反射波LT3を測定するための試料ステージ20を示す概略側面図である。反射波LT3を測定する場合、試料ステージ20は、図4に示すように、試料9(活物質膜91が形成された集電体93)を支持する支持台20Aが使用される。図1に示すように、支持台20Aには、試料ステージ移動機構24が接続される。試料ステージ移動機構24は、支持台20Aを、試料9の主面に平行な平面内において、1軸方向、または、互いに直交する2軸方向に移動させる。これによって、試料9において、テラヘルツ波LT1が照射される位置を、試料9の表面に平行な2軸方向に変位させることができる。すなわち、試料ステージ移動機構24は、照射位置変更部の一例である。なお、支持台20Aと共に試料9を移動させるのではなく、テラヘルツ波照射部10及び反射波検出部30Aを試料9の表面に平行な2軸方向に移動させる移動機構を設けることによって、テラヘルツ波LT1の照射位置を変更するようにしてもよい。
試料ステージ移動機構24の構成例としては、リニアモータまたはスライダ側のナット部材が螺合するネジ軸をサーボモータの駆動によって回転駆動させる電動スライダ機構などで支持台20Aを軸方向に移動させるように構成することが考えられる。また、支持台20Aの移動量をリニアゲージなどで測長するようにしてもよい。
なお、図4に示す例では、支持台20Aの表面にて、テラヘルツ波LT1が照射される活物質膜91とは反対側の集電体93側を支持しているが、支持態様はこれに限定されない。図5は、試料9の他の支持態様を示す図である。図5に示す例は、支持台20Bの表面にて、テラヘルツ波LT1が照射される活物質膜91側を支持するものである。この場合、テラヘルツ波LT1が、支持台20Bを透過させて、試料9に照射される。このため、支持台20Bは、テラヘルツ波LT1の透過性が高い材料(例えば、石英、樹脂(ポリエチレンテレフタラート(PET))、ゴム)で構成されていることが好ましい。なお、支持台20Bに、テラヘルツ波を通過させるための貫通孔が形成されていてもよい。
反射波検出部30Aにおいては、放物面鏡18から試料9に至るまでのテラヘルツ波LT1の光路上に、ワイヤグリッド81,82が設けられている。ワイヤグリッド81,82は、偏光角度を変えて配置されている。一例として、ワイヤグリッド81は、テラヘルツ波LT1の入射角度に対して90度を成すように配置され、ワイヤグリッド82は、図14に示すように、ワイヤグリッド81に対して45度の角度を成すように配置される。このように、ワイヤグリッド81とワイヤグリッド82の偏光角度は、それらの角度差が45度となるように設定することによって、反射波LT3の電界強度の減衰を最小限に抑えることができる。
ワイヤグリッド81,82を透過したテラヘルツ波LT1は、試料ステージ20に入射され、試料9でその一部が反射する。反射したテラヘルツ波である反射波LT3は、ワイヤグリッド82で反射され、放物面鏡83に入射する。放物面鏡83で反射した反射波LT3は、放物面鏡84によって集光され、光伝導スイッチ34A(検出器)に入射する。
光伝導スイッチ34Aは、遅延部40Aを介して入射したプローブ光LP3を受光した際に、当該光伝導スイッチ34Aに入射している反射波LT3の電界強度に応じた電流が流れる。プローブ光LP3は、プローブ光LP2がビームスプリッタB2によって分波されることによって発生させたビーム光である。光伝導スイッチ34Aで電流が流れることによって発生した電圧変化が、ロックインアンプ36Aで増幅され、制御部50に取り込まれる。
<遅延部40A>
遅延部40Aは、平面鏡41A,42A、遅延ステージ43Aおよび遅延ステージ移動機構44Aを備えており、遅延部40と略同様の構成を備えている。遅延ステージ43Aは、遅延ステージ移動機構44Aによって、プローブ光LP3が入射する方向と平行に移動する。遅延ステージ43をプローブ光LP3と平行に直線移動させることによって、フェムト秒パルスレーザ11から光伝導スイッチ34Aに至るまでのプローブ光LP3の光路長を変更する。これによって、光伝導スイッチ34Aに入射するプローブ光LP3のタイミングを変更される。すなわち、遅延部40Aは、光伝導スイッチ34Aが反射波LT3の電界強度を検出するタイミング(位相)を変更する。
<制御部50>
図6は、第1実施形態に係る制御部50の構成を示すブロック図である。制御部50は、図示を省略するが、CPU、ROM、RAMなどを備えた一般的なコンピュータとして構成されている。
制御部50のCPUは、不図示のプログラムに従って動作することによって、試料ステージ制御モジュール501、遅延ステージ制御モジュール503、透過波強度取得モジュール505、屈折率取得モジュール507として機能する。また、CPUは、遅延ステージ制御モジュール503A、反射波強度取得モジュール505A、時間差取得モジュール509、膜厚算出モジュール511および画像生成モジュール513として機能する。なお、これらの機能のうち一部または全部が、専用の回路などでハードウェア的に実現されてもよい。
試料ステージ制御モジュール501は、試料ステージ移動機構24を制御するように構成されている。また、遅延ステージ制御モジュール503は、遅延ステージ移動機構44を制御するように構成されている。
透過波強度取得モジュール505は、光伝導スイッチ34で発生した電圧値を、ロックインアンプ36を介して読み取ることによって、透過波LT2の電界強度を取得する。透過波強度取得モジュール505は、テラヘルツ時間領域分光法(THz−TDS)を行うことによって、透過波TL2の時間波形を復元する。すなわち、遅延ステージ制御モジュール503が遅延部40の遅延ステージ43を移動させることによって、透過波強度取得モジュール505が透過波LT2の電界強度を異なるタイミング(位相)で取得する。これによって、透過波LT2の時間波形が復元される。
屈折率取得モジュール507は、透過波強度取得モジュール505によって取得された、透過波LT2の電界強度に基づく時間波形から、試料の屈折率を取得する。この屈折率取得の詳細については、後述する。屈折率取得モジュール507によって取得された膜の屈折率は、屈折率情報C1として、記憶部60(ハードディスク、光学ディスクまたは光磁気ディスクなどの不揮発性のストレージの他、RAMなどの一時的に情報を記憶するものを含む。)に保存される。屈折率情報C1は、後述する膜厚算出モジュール511によって読取り可能とされている。
遅延ステージ制御モジュール503Aは、遅延ステージ移動機構44Aを制御するように構成されている。
反射波強度取得モジュール505Aは、光伝導スイッチ34Aで発生した電圧値を、ロックインアンプ36Aを介して読み取ることによって、反射波LT3の電界強度を取得する。また、反射波強度取得モジュール505Aは、テラヘルツ時間領域分光法(THz−TDS)を行うことによって、反射波TL3の時間波形を復元する。すなわち、遅延ステージ制御モジュール503Aが遅延部40Aの遅延ステージ43Aを移動させることによって、反射波強度取得モジュール505Aが反射波LT3の電界強度を異なるタイミング(位相)で取得する。これによって、反射波LT3の時間波形が復元される。
時間差取得モジュール509は、試料(ここでは、活物質膜が形成された集電体)について、反射波強度取得モジュール505Aが復元した反射波LT3から、試料9における活物質膜の表面で反射した表面反射波と、試料における活物質膜と集電体との界面で反射した界面反射波との、検出器(光伝導スイッチ34A)に到達する時間差を取得する。この時間差取得の詳細については、後述する。
膜厚算出モジュール511は、時間差取得モジュール509によって取得された時間差と、集電体に形成された活物質膜の屈折率と、テラヘルツ波LT1の入射角度とに基づいて、活物質膜の膜厚を算出する。活物質膜の屈折率は、屈折率情報C1として記憶部60に保存されたものである。
画像生成モジュール513は、試料9の表面上の複数地点で膜厚計測を行って得られた膜厚分布を示す画像(膜厚分布画像)を生成し、表示部61に表示するように構成されている。画像生成モジュール513は、試料9の各地点における膜厚の違いを、色調や模様(網点柄など)で表現した二次元画像を生成するように構成されていてもよいし、あるいは、立体的に表現した三次元画像を生成するように構成されていてもよい。
制御部50には、表示部61および操作入力部62が接続されている。表示部61は、液晶ディスプレイなどで構成されており、各種測定結果(例えば、画像生成モジュール513が生成した画像の他、透過波LT2の時間波形、反射波LT3の時間波形などを含む。)を表示する。操作入力部62は、例えば、キーボードおよびマウスによって構成される入力デバイスであり、オペレータからの各種の操作(コマンドや各種データを入力する操作)を受け付ける。具体的には、膜厚測定装置1の動作モード(相関情報取得モードまたは触媒担持量測定モードを含む。)を選択する操作、または、試料9における測定箇所(または測定範囲)を指定する操作などを受け付ける。なお、操作入力部62は、各種スイッチ、タッチパネルなどにより構成されてもよい。
<屈折率取得処理>
図7は、第1実施形態に係る屈折率取得処理を示す流れ図である。集電体に形成された活物質膜の膜厚を算出する際には、活物質膜の屈折率が必要となるため、屈折率取得処理が実行される。なお、活物質膜の屈折率が既知である場合には、この屈折率取得処理は、省略することが可能である。また、屈折率を取得するための構成(透過波検出部30、遅延部40など)についても、膜厚測定装置1から省略してもよい。
まず、試料9や試料ステージ20などが何も配されていない空間を通過したテラヘルツ波LT1のピーク時間が計測される(ステップS11)。詳細には、透過波検出部30で空間を通過したテラヘルツ波LT1を検出するTHz−TDSが実行され、その時間波形が復元される。そして、復元された時間波形において、ピーク時間T、すなわち、電界強度が最大(ピーク)となる時間が特定される。
続いて、透過基材のみを透過した透過波LT2のピーク時間が計測される(ステップS12)。詳細には、透過基材のみで構成される試料9が試料ステージ20に配され、テラヘルツ波LT1が照射される。そして、透過基材のみを透過した透過波LT2を検出するTHz−TDSが実行され、その時間波形が復元される。そして、復元された時間波形において、ピーク時間Tが特定される。
続いて、表面に活物質膜が形成された透過基材(活物質膜付透過基材)を透過した透過波LT2のピーク時間が計測される(ステップS13)。具体的には、活物質膜付透過基材で構成される試料9が試料ステージ20に固定され、当該試料9にテラヘルツ波LT1が照射される。ここで、活物質膜付透過基材を構成する透過基材は、ステップS12で計測した透過基材と同一のもの、もしくは、当該透過基材と同一の材質および厚さを有するものとされる。そして、活物質膜付透過基材を透過した透過波LT2を検出するTHz−TDSが実行され、その時間波形が復元される。そして復元された時間波形において、ピーク時間TSBが特定される。図8に、復元された各時間波形WR,WB,WSBを示す。時間波形WRは、空間を通過したテラヘルツ波LT1の時間波形である。時間波形WBは、透過基材を透過した透過波の時間波形である。時間波形WSBは、活物質膜付透過基材を透過した透過波の時間波形である。
続いて、ステップS11〜ステップS13で取得された各ピーク時間に基づいて、活物質膜の屈折率が算出される(ステップS14)。以下、屈折率を算出する原理について説明する。
まず、活物質膜の屈折率をn、真空中の光速度をc、活物質膜中の光速度をvとおく。すると、屈折率nは、次の式(1)で表される。
Figure 2017062201
次に、透過基材のみを透過した透過波のピーク時間Tから、空間を通過したテラヘルツ波LT1のピーク時間Tを差し引くことで、透過基材の透過時間に相当するピーク時間差Δtを求めることができる。ここで、透過基材の厚さL、透過基材中のテラヘルツ波の速度vとおくと、このピーク時間差Δtは次の式(2)で表される。
Figure 2017062201
上記式(2)に基づき、速度vは、次の式(3)で表される。
Figure 2017062201
さらに、上記(3)に基づき、透過基材の屈折率nは、次の式(4)で表される。
Figure 2017062201
続いて、テラヘルツ波が活物質膜付透過基材を透過する時間ΔtSBから、テラヘルツ波が透過基材を透過する時間Δtを差し引くことで、活物質膜の透過時間に相当するピーク時間差Δtを取得することができる。これを次の式(5)で表す。
Figure 2017062201
また、ピーク時間差Δtは、膜厚Lの活物質膜を、テラヘルツ波が速度vで進んだ時間と、空気中の速度cで進んだ時間の差でもある。すなわち、ピーク時間差Δtは、次の式(6)で表される。
Figure 2017062201
すると、式(5)および式(6)に基づいて、次の式(7)が得られる。
Figure 2017062201
式(7)より、活物質膜中を通過するテラヘルツ波の速度vは、次の式(8)で表される。
Figure 2017062201
なお、時間ΔtSBは、膜付透過基材を透過したテラヘルツ波のピーク時間TSBから、空間を通過したテラヘルツ波のピーク時間Tを差し引くことで求めることができる。また、時間Δtは、透過基材を透過したテラヘルツ波のピーク時間Tから、空間を通過したテラヘルツ波のピーク時間Tを差し引くことで求めることができる(式(2)参照)。
式(8)から、活物質膜の屈折率nは、次の式(9)で表される。
Figure 2017062201
ここで、活物質膜付透過基材における、活物質膜の膜厚Lは、公知の膜厚計を用いて測定可能である。したがって、この膜厚Lと、ステップS11〜ステップS13で得られた各テラヘルツ波のピーク時間T,T,TSBとをそれぞれ式(9)に代入することによって、活物質膜の屈折率nを取得できる。
以上が、屈折率取得処理の流れの説明である。次に、膜厚測定について説明する。
図9は、第1実施形態に係る膜厚測定処理を示す流れ図である。
まず、測定対象である試料9が、試料ステージ20に設置される(ステップS21)。ここでの試料9は、図4に示すように、リチウムイオン電池を構成する集電体(例えば、アルミニウム箔又は銅箔)の表面に、活物質膜が形成されたものである。
続いて、試料9に向けて、テラヘルツ波LT1が照射され、試料9で反射された反射波LT3を検出するTHz−TDSが行われる。そして、反射波強度取得モジュール505Aが、反射波LT3の時間波形を復元する(ステップS22)。
続いて、膜厚算出モジュール511が、ステップS22で復元された反射波LT3に基づいて、活物質膜表面で反射したテラヘルツ波と、活物質膜と集電体の界面で反射したテラヘルツ波が、検出器である光伝導スイッチ34Aに到達する時間差Δtを特定する(ステップS23)。そして、この時間差Δtに基づいて、膜厚の算出が行われる(ステップS24)。このステップS23,S24の詳細について、図4などを参照しつつ説明する。
図4に示すように、試料9に照射されたテラヘルツ波LT1は、試料9で反射するが、この反射した反射波LT3には、試料9の活物質膜91の表面で反射した表面反射波LT31と、活物質膜91中をさらに進んで活物質膜91と集電体93の界面で反射した界面反射波LT32とが含まれる。
界面反射波LT32は、活物質膜91を通過する分、表面反射波LT31に比べて、検出器(光伝導スイッチ34A)に到達する時間が遅延する。ここでは、遅延時間(時間差)をΔtとおく。そして、空気中の絶対屈折率を1、光の速度をc、活物質膜91中を進むテラヘルツ波の速度をv、入射角をθ、屈折角をθとおく。また、図6に示す屈折率取得処理などで取得された活物質膜91の屈折率をnとおく。すると、スネルの法則により次の式(10)が成立する。
Figure 2017062201
式(10)により、活物質膜91の膜厚dは、次の式(11)で求めることができる。
Figure 2017062201
以上の原理に基づき、膜厚算出モジュール511は、時間差Δt、屈折率nおよびテラヘルツ波LT1の入射角θを式(11)にそれぞれ代入することによって、膜厚dを算出する。
図10は、リチウムイオン電池の正極(膜厚88μm)を試料として、測定された反射波LT3の時間波形W1を示す図である。図10において、横軸は時間軸を示しており、縦軸は電界強度を示している。本例では、テラヘルツ波LT1を発生させる光伝導スイッチ14をボータイ型とし、反射波LT3を検出する光伝導スイッチ34Aをダイポール型としている。
図10に示す時間波形W1では、ピーク時間T1に、最初のピーク点P1が表れ、その後のピーク時間T2に次のピーク点P2が表れている。このうち、ピーク点P1が、表面反射波LT31のピークに相当しており、ピーク点P2が界面反射波LT32のピークに対応する。すなわち、表面反射波LT31および界面反射波LT32の、光伝導スイッチ34Aへの到達時間差は、ピーク点P1,P2間の時間差Δt(=T2−T1=1.5ps)であることが分かる。また、屈折率取得処理によって得られた活物質膜の屈折率は、2.5であった。これらの値を式(11)にあてはめると、活物質膜の膜厚dが89.75μmとなることから、反射波LT3を計測することによって、実際の膜厚(88μm)に近い値を得ることができる。
図11は、リチウムイオン電池の負極を試料としたときの、反射波LT3の時間波形を示す図である。図11では、活物質膜の膜厚が48μm、49μm、53μm、56μm、63μmおよび71μmである各試料で計測された時間波形を示している。
図11に示すように、リチウムイオン電池の負極を試料とした場合、各時間波形において、表面反射波LT31のピークに相当する最初のピーク点は容易に特定できる。しかしながら、界面反射波LT32のピークに相当する次のピーク点は、矢印で示す付近にあると考えられるが、上側凸の波形の中に若干埋没しており、正確に特定することが困難となっている。これは、集電体に形成された活物質(負極活物質、例えば黒鉛)の活物質膜の透過率が低く、吸光度が高いために、活物質膜と集電体の界面で反射する界面反射波LT32が、活物質膜表面で反射する表面反射波LT31に埋没しているためと考えられる。そこで、反射波LT3の時間波形から、表面反射波LT31の成分を除くことで、界面反射波LT32の成分を抽出する。
具体的には、まず、集電体上に十分な厚さを有する活物質膜が形成されたサンプル(表面反射サンプル)にテラヘルツ波LT1を照射して、その反射波LT3を復元する。ここで、十分な厚さとは、活物質膜91と集電体93の界面で反射する界面反射波LT32が略全吸収されてしまう程度の活物質膜91の厚みをいう。この表面反射サンプルで復元された反射波LT3は、ほぼ、表面反射サンプルの活物質膜91の表面で反射した表面反射波LT31であり、活物質膜91と集電体93の界面で反射した界面反射波LT32はほとんど含まない。以下、表面反射サンプルを用いて復元された時間波形を、「表面反射の時間波形」と称する。
続いて、この表面反射の時間波形を、膜厚測定対象の時間波形から差し引く。これによって、膜厚測定対象の時間波形から、界面反射波LT32のピークに相当するピーク点を抽出することができる。なお、図10に示す時間波形W2は、表面反射の時間波形である。
ここで、膜厚測定対象における活物質膜91の表面の高さ位置と、表面反射サンプルの活物質膜表面の高さ位置とを、完全に一致させて、それぞれからの反射波LT3を計測することは困難である。このため、膜厚測定対象の表面反射波LT31と、表面反射サンプルからの表面反射波LT31とは、時間的なズレが生じやすい。そこで、膜厚測定対象の時間波形から、活物質膜表面で反射した表面反射波LT31の成分を高精度に除くため、膜測定対象の時間波形と、表面反射の時間波形との時間(位相)を合わせしてから、差し引くことが望ましい。具体的には、膜厚測定対象の時間波形の最初のピークの時間と、表面反射の時間波形の最初のピークの時間とが一致するように位置を合わせればよい。ただし、上記時間合わせは、必須の処理ではなく、省略することも可能である。
また、図5に示す支持態様を採用した場合、膜厚測定対象における活物質膜91の表面の高さ位置と、表面反射サンプルの活物質膜表面の高さ位置とを一致させることができる。このため、双方の活物質膜91の表面で反射した表面反射波LT31の時間的なズレが起きにくい。このため、上記時間合わせを省略することができる。
図12は、膜厚測定対象の時間波形から表面反射の時間波形を差し引いた後の時間波形を示す図である。図12に示す各膜厚の時間波形は、矢印で示す付近にピークを含んでおり、これらのピークは、界面反射波LT32のピークに対応する。したがって、図11で特定される最初のピークが表れる時間T1と、図12で特定されるピークの時間T2とのピーク時間差Δtを求めることができる。そして、このピーク時間差Δtを上述の式(11)に代入することによって、各試料の膜厚を算出することができる。
図13は、実際の膜厚とピーク時間差Δtとの検量線L1を示す図である。図13において、横軸は膜厚を示しており、縦軸はピーク時間差Δtを示す。本例では、相関係数が0.73であることから、ピーク時間差Δtは、実際の膜厚と比較的高い相関を有していることが分かる。
図14は、図12に示す時間波形について、ローパスフィルタで処理した時の時間波形を示す図である。ここでは、ローパスフィルタの閾値を、1.0THz以下としている。また、図15は、ローパスフィルタ処理したときの、実際の膜厚と時間差Δtとの検量線L2を示す図である。ローパスフィルタ処理した場合の相関係数は、0.95であり、ローパスフィルタ処理しない場合の相関係数(=0.73)に比べて、「1」により近い値となっている。すなわち、1.0THz以下の周波数で復元される時間波形に基づいて、表面反射波LT31、界面反射波LT32の時間差Δtを特定することによって、膜厚をより正確に算出することが可能となる。
なお、ローパスフィルタ処理は、例えば、反射波LT3の光路上にローパスフィルタを設けることによって実現してもよいし、あるいは、フーリエ変換などの演算処理によって実現してもよい。
また、試料9に照射されるテラヘルツ波LT1が0.01〜1THzの周波数帯になるようにしてもよい。例えば、テラヘルツ波LT1の光路上にローパスフィルタを配するようにしてもよいし、あるいは、テラヘルツ波照射部10で発生させるテラヘルツ波LT1を上記周波数帯に収まるようにしてもよい。
図9に戻って、ステップS24の膜厚算出が完了すると、制御部50は、測定位置の変更が不要かどうか判定する。すなわち、予め、複数の地点で膜厚測定を行うように設定されていた場合、ステップS24において、他に測定を行う地点の存否が判断される。なお、一つの地点のみで膜厚測定を行うように設定されている場合には、ステップS24は省略される。
ステップS24において、膜厚測定を行うべき地点が在ると判定された場合、測定位置が変更される(ステップS25)。具体的には、テラヘルツ波LT1が膜厚測定を行う位置に照射されるように、試料ステージ移動機構24が試料ステージ20の支持台20Aを移動させる。
ステップS24において、膜厚測定を行うべき地点がないと判定された場合、画像生成モジュール513によって、膜厚分布を示す画像(膜厚分布画像)を生成し、表示部61に表示する(ステップS27)。
図16は、画像生成モジュール513が生成した膜厚分布画像I20の一例を示す図である。図16に示す膜厚分布画像I20は、膜厚分布を三次元グラフで表した画像であって、X軸およびY軸は、試料9の表面に平行な2軸方向を示しており、Z軸は、膜厚を示している。このように、膜厚分布画像I20によれば、測定地点間での膜厚の変化を容易に視認することができる。
以上のように、膜厚測定装置1によると、集電体93に活物質材料の活物質膜91が形成された時点で、膜厚を測定することができる。これによって、活物質量の過不足などの不良を早期に発見することが可能となり、経済的損失が大きくなることを抑制できる。
図17は、リチウムイオン電池の負極活物質(黒鉛)の膜を透過した透過波の周波数スペクトルを示す図である。なお、周波数スペクトルは、時間波形をフーリエ変換することによって得られる。図17では、光伝導スイッチ14,34の種類の組合せを変えて透過波の検出を行ったものである。グラフG1は光伝導スイッチ14,34が共にボータイ型(b)のものである。グラフG2は、光伝導スイッチ14がボータイ型であり、光伝導スイッチ34がダイポール型のものである。グラフG3は、光伝導水治14,34が共にダイポール型のものである。図17から明らかなように、リチウムイオン電池の負極活物質は、1THz以下で透過強度が高くなっている。このため、照射するテラヘルツ波を1THz以下のものとすることで、反射波LT3から余分な周波数成分を除くことができ、膜厚を高精度に求めることができる。
<2. 第2実施形態>
図18は、第2実施形態に係る膜厚測定装置1Aが組み込まれた活物質膜形成システム100を示す概略側面図である。活物質膜形成システム100は、ロールtoロール方式で搬送されるシート状の集電体93の片面に、活物質膜91を形成するシステムである。この活物質膜形成システム100は、集電体93の搬送経路途中に、活物質膜の膜厚測定をする膜厚測定装置1Aを備えている。
活物質膜形成システム100では、巻き出しローラ701から巻き出された集電体93が、搬送ローラ702,703を経由して塗工部71まで搬送される。
塗工部71は、スリットダイ711、塗工液供給部713および支持ローラ715を備えている。スリットダイ711は、集電体93の幅方向に延びるスリット状の吐出口を備える。塗工液供給部713は、配管を介してスリットダイ711に活物質材料を含む塗工液(スラリー)を供給する。支持ローラ715は、スリットダイ711の吐出口に対向する位置に配置され、集電体93の裏面を支持する。
塗工部71で塗工液が塗布された集電体93は、乾燥部72に搬送される。乾燥部72は、塗工部71のスリットダイ711によって集電体93の片面に形成された塗工液の塗膜の乾燥処理を行う。乾燥部72は、一例として、集電体93に向けて熱風を供給することによって当該集電体93を加熱し、塗工液の水分または溶媒を蒸発させる。
乾燥部72で乾燥された集電体93は、搬送ローラ704,705を経由して巻き取りローラ706によって巻き取られる。
膜厚測定装置1Aは、搬送ローラ704,705の間の位置に配置されており、乾燥状態の集電体93(測定対象物)に形成された活物質膜91の膜厚を測定するように構成されている。なお、膜厚測定装置1Aの配置位置はこれに限定されるものではない。例えば、乾燥部72と搬送ローラ704の間の位置、または、搬送ローラ705と巻き取りローラ706の間の位置に配置されてもよい。膜厚測定装置1Aは、集電体93のうち、乾燥処理によって片面に形成された活物質膜91にテラヘルツ波LT1を照射して、反射した反射波LT3を検出する。
なお、膜厚測定装置1は、測定対象物である試料がロールtoロールで搬送されるシート部材であり、搬送ローラ704,705によって支持されている点で、試料ステージ20を備える膜厚測定装置1とは相違する。膜厚測定装置1Aのその他の構成については、膜厚測定装置1と略同様に、テラヘルツ波照射部10、反射波検出部30A、遅延部40Aおよび制御部50で構成される。
なお、活物質膜形成システム100を変形して、活物質膜91を集電体93の両面に形成するように構成してもよい。この場合、活物質膜形成システムが、一方側の活物質膜91の膜厚を測定する膜厚測定装置1Aと、他方側の活物質膜91の膜厚を測定する膜厚測定装置1Aを備えていてもよい。
本実施形態に係る膜厚測定装置1Aによると、反射波LT3を測定することによって、集電体93の表面に形成された活物質膜91の膜厚を特定できる。すなわち、集電体93に活物質膜91を形成した時点で、膜厚をモニタリングすることが可能である。このため、活物質材料の過不足などの不良を早期に発見することが可能となり、経済的損失を低減できる。
また、膜厚測定装置1Aによると、非接触・非破壊で活物質膜の膜厚を検査できる。このため、試料を破壊または破損することなく膜厚測定ができるため、サンプリングによる無駄の発生を低減できる。
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。また、上記各実施形態および各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
1,1A 膜厚測定装置
10 テラヘルツ波照射部
20 試料ステージ
20A 支持台
30 透過波検出部
30A 反射波検出部
34 光伝導スイッチ(透過波検出器)
34A 光伝導スイッチ(反射波検出器)
40,40A 遅延部
50 制御部
501 試料ステージ制御モジュール
505 透過波強度取得モジュール
505A 反射波強度取得モジュール
507 屈折率取得モジュール
509 時間差取得モジュール
511 膜厚算出モジュール
513 画像生成モジュール
60 記憶部
9 試料
91 活物質膜
93 集電体
100 活物質膜形成システム
C1 屈折率情報
Im1 膜厚分布画像
LP1 ポンプ光
LT1 テラヘルツ波
LT2 透過波
LT3 反射波
LT31 表面反射波
LT32 界面反射波
T1,T2 ピーク時間
Δt ピーク時間差
d 膜厚
活物質膜の屈折率

Claims (9)

  1. 集電体に形成された活物質膜の膜厚を測定する膜厚測定装置であって、
    0.01THzから10THzに含まれる周波数帯のテラヘルツ波を試料に照射するテラヘルツ波照射部と、
    前記試料で反射した前記テラヘルツ波の反射波を検出する検出器を備えた反射波検出部と、
    前記反射波検出部によって検出された前記反射波のうち、前記試料における前記活物質膜の表面で反射した表面反射波と、前記試料における前記活物質膜と前記集電体との界面で反射した界面反射波との、前記検出器に到達する時間差を取得する時間差取得部と、
    前記時間差および前記活物質膜の屈折率に基づいて、前記活物質膜の膜厚を算出する膜厚算出部と、
    を備える、膜厚測定装置。
  2. 請求項1に記載の膜厚測定装置であって、
    前記時間差取得部は、前記反射波の時間波形におけるピーク時間に基づいて、前記時間差を取得する、膜厚測定装置。
  3. 請求項2に記載の膜厚測定装置であって、
    前記時間差取得部は、前記試料で得た前記反射波の時間波形から表面反射サンプルで得た前記反射波の時間波形を差し引くことによって、前記界面反射波のピーク時間を特定し、
    前記表面反射サンプルは、テラヘルツ波が照射された際に、前記界面反射波を全吸収する厚みの前記活物質膜を、前記集電体の表面に形成したものである、膜厚測定装置。
  4. 請求項3に記載の膜厚測定装置であって、
    前記時間差取得部は、前記試料で得た前記反射波の時間波形、及び、前記表面反射サンプルで得た前記反射波の時間波形について、各反射波のピーク時間を合わせてから、差し引きする、膜厚測定装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の膜厚測定装置であって、
    前記試料において、前記テラヘルツ波が照射される位置を、前記試料の表面に平行な2軸方向に変位させる照射位置変位部と、
    前記膜厚算出部が算出した、試料上の複数地点の膜厚分布を示す膜厚分布画像を生成する画像生成部と、
    をさらに備える、膜厚測定装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の膜厚測定装置であって、
    前記テラヘルツ波照射部は、前記0.01THzから1THzの周波数帯のテラヘルツ波を前記試料に照射する、膜厚測定装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の膜厚測定装置であって、
    前記反射波のローパスフィルタ処理するフィルタ処理部、をさらに備える、膜厚測定装置。
  8. 請求項7に記載の膜厚測定装置であって、
    前記ローパスフィルタ処理が1THz以下のテラヘルツ波を透過させる処理である、膜厚測定装置。
  9. 集電体に形成された活物質膜の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、
    (a)0.01THzから10THzに含まれる周波数帯のテラヘルツ波を試料に照射し、前記試料で反射した前記テラヘルツ波の反射波を検出器で検出する検出工程と、
    (b)前記検出器で検出された前記反射波のうち、前記試料における前記活物質膜の表面で反射した表面反射波と、前記試料における前記活物質膜と前記集電体との界面で反射した界面反射波との、前記検出器に到達する時間差を取得する時間差取得工程と、
    (c)前記時間差および前記活物質膜の屈折率に基づいて、前記活物質膜の膜厚を算出する膜厚算出工程と、
    を含む、膜厚測定方法。
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