以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下において参照する各図面では互いに共通する部材に同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態におけるブレース連結金具1の外観斜視図であり、図2はそのブレース連結金具1の構成部材を分解して示す斜視図である。また図3は、ブレース連結金具1の吊りボルト8への取り付け態様を例示する斜視図である。図1及び図2に示すように、ブレース連結金具1は、吊りボルト8に固定される固定金具2と、その固定金具2の両側に連結される一対のブレース支持金具3a,3bとを備え、一対のブレース支持金具3a,3bのそれぞれが斜め方向に配設されるボルト状のブレースの端部を支持する構成である。
図2に示すように、固定金具2は、金属プレートを概略L字状に折り曲げて形成される第1金具10と、金属プレートを概略W字状に折り曲げて形成される第2金具20と備え、第1金具10及び第2金具20がボルト18によって固定される。第1金具10及び第2金具20は、固定金具2を構成する一対の部材であり、互いに対向して配置される。
第1金具10は、その中央に設けられる円弧状に90度折り曲げられた屈曲部11と、その屈曲部11の両側から互いに直角を成すように延設される平板状の一対の支持部5a,5bとを備えている。そして円弧状の屈曲部11の内側には、吊りボルト8の外周面に形成される螺子溝と係合する係合突起12が設けられる。例えば図2に示すように係合突起12は、第1金具の長手方向に沿って横方向(水平方向)に伸びる爪状の突起が縦方向に複数配置されて構成される。また一対の支持部5a,5bのそれぞれには、ボルト18を挿通するために横方向に長く形成された長孔13が形成されると共に、その長孔13よりも更に先端側に連結ボルト38を装着するための雌螺子部14が形成される。本実施形態では、雌螺子部14が支持部5a,5bに予め固定されたナット15で構成される場合を例示している。しかし、これに限られるものではなく、例えば孔にバーリング加工を施すことによって孔の周囲に支持部5a,5bの表面から立ち上げた壁部を一体形成し、その壁部の内側に雌螺子を形成することによって雌螺子部14を設けたものであっても構わない。
第2金具20は、その中央に設けられる円弧状に湾曲した湾曲部21と、その湾曲部21の両側から互いに直角を成すように延設される一対の平板部とを備え、全体として平面視概略W字状に形成される。そして湾曲部21の両側に位置する平板部には、ボルト18と螺合する雌螺子部24が形成される。本実施形態では、雌螺子部24が第2金具20に予め固定されたナット25で構成される場合を例示している。しかし、これに限られるものではなく、例えば第2金具20に形成した孔にバーリング加工を施すことによってその孔の周囲に第2金具20の表面から立ち上げた壁部を一体形成し、その壁部の内側に雌螺子を形成することによって雌螺子部24を設けたものであっても構わない。また湾曲部21の内側には、屈曲部11と同様に、吊りボルト8の外周面に形成される螺子溝と係合する係合突起12が設けられる。尚、係合突起12は、第1金具10と第2金具20のいずれか一方に設けられたものであっても良い。
固定金具2は、第1金具10に設けられた屈曲部11と、第2金具20に設けられた湾曲部21との間に吊りボルト8を挟み込むようにして取り付けられる。したがって、第1金具10の屈曲部11及び第2金具20の湾曲部21は、吊りボルト8に固定される固定部4として機能する。
ブレース支持金具3a,3bはいずれも同じ構成である。すなわち、ブレース支持金具3a,3bはいずれも第1部材31と第2部材32とを備えて構成される。
第1部材31は、金属プレートを折曲加工することによって構成される部材であり、その中央にブレースの外周面と係合するように概略半円状に湾曲した係合部31aが設けられ、その係合部31aの一方の側方に延設される第1平板部31bと、係合部31aの他方の側方に延設される第2平板部31cとを有している。そして第1平板部31b及び第2平板部31cのそれぞれには、ボルトを挿通するためのボルト挿通孔34a,34bが形成される。また湾曲した係合部31aの内側には、屈曲部11と同様に、ブレースの外周面に形成される螺子溝と係合する係合突起12が設けられる。
第2部材32は、第1部材31と対向して配置される平板状の部材であり、第1平板部31bに形成されたボルト挿通孔34aと整合する位置に第1の孔35aが形成されると共に、第2平板部31cに形成されたボルト挿通孔34bと整合する位置に第2の孔35bが形成され、その第2の孔35bに雌螺子が形成された構成である。本実施形態では、雌螺子の形成された第2の孔35bが第2部材32に予め固定されるナット36で構成される場合を例示している。しかし、これに限られるものではなく、例えば第2部材32に形成した第2の孔35bにバーリング加工を施すことによってその孔の周囲に第2部材32の表面から立ち上げた壁部を一体形成し、その壁部の内側に雌螺子を形成することによって雌螺子を形成したものであっても構わない。
このようなブレース支持金具3a,3bは、第1部材31に設けられたボルト挿通孔34a、及び、第2部材32に設けられた第1の孔35aに対して連結ボルト38が予め挿通され、その連結ボルト38の先端が固定金具2の雌螺子部14に対して緩く螺合した状態に装着されることにより、固定金具2の第1金具10に対して予め取り付けられる。そしてブレース連結金具1は、図3に示すように固定金具2の第1金具10に対し、ブレース支持金具3a,3bが緩く取り付けられた状態で作業者による作業が行われ、吊りボルト8の所定位置に固定される。例えば、図3に示す例では、作業者は、第1金具10に設けられた屈曲部11の内側に吊りボルト8を接合させた状態でその吊りボルト8を挟み込むように第2金具20を配置し、ボルト18を第1金具10の長孔13に挿通すると共に、そのボルト18の先端を第2金具20の雌螺子部24に螺合させて第2金具20を仮止めする。その後、作業者は、電動工具のツール先端をボルト18の頭部に装着して電動工具を動作させることにより、ボルト18が雌螺子部24に対して締着され、吊りボルト8を挟み込んだ状態で第1金具10と第2金具20とが吊りボルト8に対して強固に固定される。
このとき、ボルト18は第1金具10に設けられた長孔13に挿通されているため、電動工具によるボルト18の締め付けが行われることに伴い、第2金具20は第1金具10との距離をスムーズに縮小させることができる。図4は、電動工具によってボルト18が締着される前後の状態を示す図であり、図4(a)はボルト18が雌螺子部24に仮止めされた状態を、図4(b)はボルト18が雌螺子部24に対して強固に締着された状態を示している。まず図4(a)に示すようにボルト18が雌螺子部24に対して仮止めされた状態のとき、ボルト18は、長孔13の内側において支持部5a,5bの先端寄りに位置している。その状態でボルト18の頭部に電動工具のツール先端5が装着され、電動工具が動作してボルト18が雌螺子部24に対して螺合進行していくと、第2金具20と第1金具10との距離が次第に小さくなる。このとき、電動工具のツール先端5が装着されていない他方のボルト18は、長孔13の内側を、支持部5a,5bの先端寄りの位置から吊りボルト8に近づくように移動する。そのため、電動工具によるボルト18の締め付けが行われることに伴って、矢印Fで示すように第2金具20と第1金具10との距離をスムーズに縮小させることが可能である。そして電動工具による2つのボルト18の締着作業が終了すると、図4(b)に示すように2つのボルト18はいずれも長孔13の内側において吊りボルト8に近い位置まで移動し、屈曲部11と湾曲部21とが左右ほぼ均等な状態で吊りボルト8を挟持した状態となる。そして作業者が電動工具を用いてボルト18を締着する作業を行うときには、ブレース連結金具1の外側から作業を行うことができるため、作業がし易く、作業効率に優れている。
上記のようにしてブレース連結金具1の固定金具2が吊りボルト8に固定されると、次にボルト状のブレースがブレース支持金具3a,3bに取り付けられる。図5は、ブレース9を取り付ける際の作業工程の一例を示す図である。まず図5(a)に示すように、ブレース支持金具3a,3bの第1部材31及び第2部材32が連結ボルト38によって固定金具2に緩く取り付けられた状態のときには、第1部材31及び第2部材32はいずれも固定されておらず、連結ボルト38を軸芯として回動可能である。そのため、作業者は、ブレース9の配設角度に応じて第1部材31及び第2部材32を回動させる。
次に作業者は、第1部材31と第2部材32の内側にブレース9を収容する。すなわち、第1部材31のボルト挿通孔34a及び第2部材32の第1の孔35aに対して連結ボルト38が挿通され、且つ、その連結ボルト38が雌螺子部14に対して緩着された状態のときには、図5(b)に示すように第1部材31と第2部材32との間隔を拡開させることができる。特に、図5(b)に示すように、第1部材31と第2部材32とを連結する締着ボルト39の装着前であれば、第1部材31と第2部材32との先端側を大きく拡開することができる。そして第1部材31と第2部材32との先端を拡開した開放部からブレース9を第1部材31に設けられた係合部31aの内側に収容可能である。そのため、作業者は、第1部材31と第2部材32とを拡開させてブレース9を係合部31aの内側に収容する。
次に作業者は、図5(c)に示すようにブレース9を係合部31aの内側に収容した状態で、第1部材31のボルト挿通孔34bに締着ボルト39を挿通し、その締着ボルト39の先端を第2部材31に設けられた第2の孔35bの雌螺子に螺合させて仮止めする。この仮止めにより、ブレース9は係合部31aの内側から離脱しないようになる。
次に作業者は、図5(d)に示すように電動工具のツール先端5を連結ボルト38及び締着ボルト39のそれぞれの頭部に装着し、電動工具を動作させることによって連結ボルト38及び締着ボルト39のそれぞれを締め付ける。すなわち、電動工具を用いて連結ボルト38を雌螺子部14に締着固定すると共に、締着ボルト39を第2の孔35bの雌螺子に締着固定することにより、図5(e)に示すように係合部31aがブレース9に密着した状態となり、ブレース9を第1部材31と第2部材32との間で挟持した状態に押圧固定することができる。そして作業者が電動工具を用いて連結ボルト38及び締着ボルト39の締着作業を行うときには、ブレース連結金具1の外側から作業を行うことができるため、作業がし易く、作業効率に優れている。
図6は、ブレース連結金具1にブレース9が取り付けられた状態の一例を示す側面図である。図6(a)は、ブレース連結金具1が吊りボルト8の上部に取り付けられ、ブレース支持金具3a,3bがブレース9を斜め下方に向けて支持した状態を示している。これに対し、図6(b)は、ブレース連結金具1が吊りボルト8の下部に取り付けられ、ブレース支持金具3a,3bがブレース9を斜め上方に向けて支持した状態を示している。すなわち、本実施形態のブレース連結金具1は、連結ボルト38を軸芯としてブレース支持金具3a,3bを回動させることにより、固定金具2に対するブレース支持金具3a,3bの設置角度をブレース9の配設角度に合わせることができるため、ブレース9を任意の角度で保持することが可能である。また本実施形態のブレース連結金具1は、固定金具2の左右両側に一対の支持部5a,5bが設けられており、それらの支持部5a,5bに一対のブレース支持金具3a,3bが取り付けられるので、2本のブレース9をそれぞれ異なる角度に配設した状態で保持することができる。
以上のように本実施形態のブレース連結金具1は、吊りボルト8に固定された固定金具2に一対のブレース支持金具3a,3bが取り付けられ、それら一対のブレース支持金具3,3bのそれぞれが斜め方向に配設されるブレース9の端部を挟持する構成である。つまり、ブレース支持金具3a,3bを構成する第1部材31及び第2部材32は、ブレース9を挟み込む部分の両側が連結ボルト38及び締着ボルト39によって二点止めされるため、強固にブレース9を保持することができる。
また本実施形態のブレース連結金具1は、合計6つのボルトを用いてブレース9を吊りボルト8に連結する構成であり、それら6つのボルトの全てを、電動工具を用いて締着することができる。つまり、本実施形態のブレース連結金具1を用いれば、ブレース9に対してナットを装着する必要がないため、従来のスパナなどの手動工具を用いてブレース9に装着したナットを締め付ける作業を行う必要がない。それ故、ブレース9を吊りボルト8に連結する際の作業効率が従来と比較して著しく向上する。
また本実施形態のブレース連結金具1は、電動工具を用いてボルトを締着固定する際には、電動工具のツール先端をブレース連結金具1の外側(第1金具10において第2金具20が接合しない側)からボルトの頭部に装着させることができる。そのため、ブレース連結金具1の内側で電動工具を使用しなければならない場合と比較すると作業が行い易いため、この点においても作業効率が向上する。
上記においては、固定金具2の第1金具10と第2金具20とを予め分離しておき、ブレース連結金具1を施工する際に吊りボルト8を挟み込むようにして第1金具10と第2金具20とを互いに対向するように配置した後にボルト18を用いて第1金具10と第2金具20とを連結する場合を例示すると共に、一対のブレース支持金具3a,3bにおいても締着ボルト39を後に装着する場合を例示した。しかし、上述したブレース連結金具1は、各部品を予め組み付けた状態でも施工することが可能である。以下、この場合のブレース連結金具1の施工方法について詳しく説明する。
まず図7及び図8は、ブレース連結金具1の各部品を予め組み付けた状態を示す図であり、図7はその斜視図を、図8はその平面図を示している。ブレース連結金具1の施工前の状態では、図7及び図8に示すようにボルト18、連結ボルト38及び締着ボルト39は、いずれもその先端が雌螺子に対して緩く係合した状態である。このようにボルト18及び締着ボルト39を予め取り付けておくことにより、各部品が分離しないため、施工時の部品管理が簡単になる。
ボルト18が第1金具10の長孔13に挿入され、その先端が第2金具20の雌螺子部24に対して緩く装着された状態のとき、第1金具10及び第2金具20の間隔をボルト18の長さによって規制される範囲内で広げることができる。そして第1金具10及び第2金具20の間隔を広げた状態のとき、固定金具2は、図8に示すように、互いに対向して配置される第1金具10と第2金具20との間に吊りボルト8を挿通可能な挿通空間7を形成する。
また一対のブレース支持金具3a,3bにおいては、締着ボルト39が第1部材31のボルト挿通孔34bに挿入され、その先端が第2部材32に設けられた第2の孔35bの雌螺子に緩く装着された状態のとき、第1部材31と第2部材32との間隔を締着ボルト39の長さによって規制される範囲内で広げることができる。そして第1部材31及び第2部材32の間隔を広げたとき、ブレース支持金具3a,3bは、図8に示すように、第1部材31の係合部31aと、第2部材32との間に、ブレース9を挿通可能な挿通部6を形成する。
上記のように各部品が予め組み付けられた状態でブレース連結金具1を施工する場合、作業者は、図9に示すように、ブレース連結金具1の一対のボルト18が緩められている状態で第1金具10と第2金具20との間隔を広げることにより、吊りボルト8を挿通可能な挿通空間7を広げ、その挿通空間7に対し、矢印Fで示すように、吊りボルト8を下端から挿通していくことにより、ブレース連結金具1を吊りボルト8の取り付け位置に配置する。ただし、単にブレース連結金具1を吊りボルト8の取り付け位置に配置した状態では、第1金具10と第2金具20とが固定されていないため、作業者がブレース連結金具1から手を離してしまうとブレース連結金具1が吊りボルト8の下方へ位置ずれしてしまうことがある。これを防止するため、作業者は、ブレース連結金具1を吊りボルト8の取り付け位置に配置した後、そのブレース連結金具1の下端位置に対し、クリップなどで構成される留め具40aを吊りボルト8へ取り付けることでブレース連結金具1を仮止めする。留め具40aによってブレース連結金具1が仮止めされると、図10に示すようにブレース連結金具1は、その下部が留め具40aによって支持されるようになり、作業者がブレース連結金具1から手を離した場合であっても、ブレース連結金具1が取り付け位置から下方に位置ずれしてしまったり、吊りボルト8から抜け落ちてしまったりすることを防止することができる。図10の例では、天井スラブSから垂下する吊りボルト8の上下2箇所にブレース連結金具1が仮止めされた状態を示している。この場合、吊りボルト8の上部に配置されるブレース連結金具1が天井スラブSから所定距離X1の位置に仮止めされ、吊りボルト8の下部に配置されるブレース連結金具1が吊りボルト8の下端から所定距離X2の位置に仮止めされた場合を例示している。これらの距離X1,X2は、施工環境などに応じて適宜設定可能である。
そして作業者は、仮止めされたブレース連結金具1を吊りボルト8の取り付け位置に固定する。すなわち、作業者は、電動工具のツール先端をボルト18の頭部に装着して電動工具を動作させることにより、ボルト18が雌螺子部24に対して螺合進行し、第1金具10と第2金具20との間隔が狭くなる。これに伴い、第1金具10の屈曲部11と、第2金具20の湾曲部21との隙間(挿通空間7)が次第に縮小する。そして一対のボルト18を締着固定することにより、第1金具10の屈曲部11と第2金具20の湾曲部21との間に吊りボルト8を挟み込んだ状態で第1金具10と第2金具20とが吊りボルト8に対して強固に固定される。このとき、屈曲部11と湾曲部21の内側に設けられる係合突起12が吊りボルト8の螺子溝と係合するので、ブレース連結金具1が吊りボルト8の軸方向に沿って上下動することを防止できる。このようにしてブレース連結金具1が吊りボルト8に固定されると、その後は留め具40aが不要となる。そのため、一対のボルト18の締着作業が終了することに伴い、吊りボルト8から留め具40aを取り外すようにしても良い。
続いて作業者は、連結ボルト38及び締着ボルト39を締め付ける前に、ブレース支持金具3a,3bの第1部材31と第2部材32との間に設けられた挿通部6に対してブレース9を挿通する。すなわち、作業者は、第1部材31と第2部材32との間隔を広げることにより、ブレース9を挿通可能な挿通部6を広げ、図11(a)に示すようにブレース9の端部をその挿通部6に挿入する。このとき、第1部材31及び第2部材32は、連結ボルト38を軸芯にして回動可能であるため、作業者は、ブレース9の配設角度に応じて第1部材31及び第2部材32を回動させることにより、第1部材31及び第2部材32の姿勢をブレース9の配設角度に合わせることができる。そして作業者は、挿通部6にブレース9の端部を挿入することによって第1部材31と第2部材32の内側にブレース9を収容した後、電動工具を用いて連結ボルト38及び締着ボルト39のそれぞれを締め付ける。これにより、図11(b)に示すように第1部材31の係合部31aがブレース9の外周面に密着した状態となり、ブレース9を第1部材31と第2部材32との間で挟持した状態に押圧固定することができる。また連結ボルト38を締着固定することにより、ブレース支持金具3a,3bが固定金具2に固定されるため、ブレース9の配設角度が同時に固定される。そして作業者が電動工具を用いて連結ボルト38及びボルト39の締着作業を行うときには、ブレース連結金具1の外側から作業を行うことができるため、作業が行い易く、作業効率に優れている。
上記のようにして施工作業が終了すると、図12に示すように、吊りボルト8に対してブレース連結金具1が固定され、そのブレース連結金具1を介してブレース9が吊りボルト8に連結された状態となる。そして上述した施工方法では、ブレース連結金具1の各部品を一体化させた状態で作業を行うことができるため、作業効率に優れている。また上述した施工方法では、ブレース9がブレース支持金具3a,3bによって挟着固定されるため、作業者がブレース9に対してナットを装着する作業を行う必要もない。それ故、上述した施工方法は、作業効率に優れており、短時間で施工を完了させることが可能である。
次に図13は、固定金具2の第1金具10に設けられる係合突起12の変形例を示す図であり、(a)は第1金具10の斜視図を、(b)は第1金具10の平面図を、(c)は係合突起12が設けられた部分に拡大断面図をそれぞれ示している。吊りボルト8の外周面に係合する係合突起12は、図13(a)に示すように例えば円筒状に突出した突起部12aによって構成されるものであっても良い。この突起部12aは、図13(c)に示すように内部が中空に形成され、その肉厚は第1金具10の本体部分よりも薄い。このような突起部12aは、例えば第1金具10の裏側(屈曲部11の外側の面)を打撃又は押圧することにより形成される。また突起部12aは、図13(a),(b)に示すように屈曲部11の内側の複数箇所に設けられる。
このような突起部12aは、例えば平面状に形成される先端が吊りボルト8の外周面と係合するように構成される。そして突起部12aの先端の直径Dは、吊りボルト8の螺子山ピッチよりも大きくなるように形成される。
図14は、係合突起12として突起部12aが設けられた第1金具10を用いてブレース連結金具1を構成した場合を示している。図14に示すブレース連結金具1では、第1金具10の屈曲部11の内側に突起部12aが設けられ、第2金具20の湾曲部21の内側には係合突起12が設けられていない場合を示しているが、第2金具20の湾曲部21の内側にも同様の突起部12aを設けても良い。また第1金具10の屈曲部11の内側に突起部12aを設ける代わりに、第2金具20の湾曲部21の内側に突起部12aを設けても良い。そして第1金具10と第2金具20とが組み付けられると、図14に示すように突起部12aは、吊りボルト8を挿通する挿通空間7の内側に向かって突出した状態となる。
上記のような突起部12aが設けられる場合、固定金具2には、図14に示すように、第1金具10と第2金具20とを結束して第1金具10と第2金具20とを密着させる方向、すなわち挿通空間7を縮小させる方向に付勢する結束部材40bが設けられる。この結束部材40bは、例えば輪ゴムなどのような伸縮性のあるベルト状部材によって構成され、ブレース連結金具1が施工される前の状態において第1金具10と第2金具20とをほぼ密着させた状態で保持する。尚、結束部材40bは、必ずしもベルト状部材であることに限られるものではなく、例えば収縮方向に付勢する機能を有するクリップなどを用いても良い。
図14に示したブレース連結金具1を用いて施工する場合、作業者は、まず結束部材40bの付勢力に抗して第1金具10と第2金具20との間隔を広げることにより、吊りボルト8を挿通可能な挿通空間7を広げ、図9と同様に、その挿通空間7に対して吊りボルト8の下端を挿入する。吊りボルト8の下端を挿通空間7の内側に挿入すると、作業者は、ブレース連結金具1から手を離しても良い。なぜなら、結束部材40bの収縮作用によって第1金具10と第2金具20とが吊りボルト8を挿通空間7に挟み込んだ状態で仮止めされるからである。
図15は、結束部材40bの収縮作用によって第1金具10と第2金具20とが吊りボルト8を挟み込んだ状態で仮止めされた状態を示す断面図である。第1金具10と第2金具20は互いに逆方向から吊りボルト8を押圧するため、図15に示すように作業者がブレース連結金具1から手を離した状態となっても、ブレース連結金具1は吊りボルト8の任意の位置で仮止めされた状態となる。このとき、第2金具20は湾曲部21の内側が吊りボルト8の外周面と接触した状態となり、第1金具10は突起部12aの先端が吊りボルト8の外周面と接触した状態となる。そして突起部12aの先端の直径Dは、上述したように吊りボルト8の螺子山ピッチPよりも大きいため、突起部12aの先端が螺子山の間(螺子溝)に入り込むことはなく、図15に示すように吊りボルト8の軸方向(上下方向)に隣接する複数の螺子山の頂部と接触した状態となる。この状態は、ブレース連結金具1が吊りボルト8の表面を滑ってF1方向又はF2方向にスライド可能な状態である。したがって、作業者は、挿通空間7に吊りボルト8を挿入した後、ブレース連結金具1を上下方向にスライドさせることにより、ブレース連結金具1を吊りボルト8の取り付け位置に対して簡単に配置することができる。更に、作業者はブレース連結金具1から手を離しても結束部材40bの収縮作用によってブレース連結金具1を吊りボルト8の任意の位置で仮止めできるため、上述したような留め具40aを用いる必要がない。
図16は、結束部材40bによってブレース連結金具1が仮止めされた状態を示す図である。図16に示すようにブレース連結金具1は、結束部材40bの収縮作用によって支持されるようになり、作業者がブレース連結金具1から手を離した場合であっても、ブレース連結金具1が取り付け位置から下方に位置ずれしてしまったり、吊りボルト8から抜け落ちてしまったりすることを防止することができる。尚、図16の例では、図10の場合と同様に、天井スラブSから垂下する吊りボルト8の上下2箇所にブレース連結金具1が仮止めされた状態を示している。
その後、作業者は、仮止めされたブレース連結金具1を吊りボルト8の取り付け位置に固定する。すなわち、作業者は、電動工具のツール先端をボルト18の頭部に装着して電動工具を動作させることにより、ボルト18が雌螺子部24に対して螺合進行し、第1金具10と第2金具20との間隔が更に狭くなる。これに伴い、突起部12aが吊りボルト8の螺子山に対して強い力で押圧されるので突起部12aが潰れる。その結果、図17に示すように、突起部12aが吊りボルト8の螺子溝に食い込むので固定金具2と吊りボルト8とが強固に固定されるようになり、ブレース連結金具1が吊りボルト8の軸方向に沿って上下動することを防止できる。
したがって、上記のように吊りボルト8の螺子山ピッチPよりも大きな突起部12aを設け、結束部材40bを用いて第1金具10と第2金具20を予め結束したブレース連結金具1は、施工効率が最も優れたものとなる。尚、この場合の突起部12aの先端は必ずしも平面状である必要はない。すなわち、突起部12aは、吊りボルト8の外周面と接触する先端が複数の螺子山の頂部と同時に接触できるものであれば良いため、その先端部の吊りボルト8の軸方向に沿った長さが吊りボルト8の螺子山ピッチPよりも大きいものであれば良い。
(第2実施形態)
図18は本発明の第2実施形態におけるブレース連結金具1aの外観斜視図であり、図19はそのブレース連結金具1aの構成部材を分解して示す斜視図である。図18及び図19に示すように、ブレース連結金具1aは、第1実施形態と同様に、吊りボルト8に固定される固定金具2と、その固定金具2の両側に連結される一対のブレース支持金具3a,3bとを備え、一対のブレース支持金具3a,3bのそれぞれが斜め方向に配設されるボルト状のブレースの端部を支持する構成である。
図19に示すように、固定金具2は、予め所定形状に形成された金属プレートを概略L字状に折り曲げて形成される第1金具10と、金属プレートを概略W字状に折り曲げて形成される第2金具20と備え、第1金具10及び第2金具20がボルト18によって固定される。尚、第2金具20は、第1実施形態で説明したものと同様である。
第1金具10は、その中央に設けられる円弧状に90度折り曲げられた屈曲部11と、その屈曲部11の両側から互いに直角を成すように延設される平板状の一対の支持部5a,5bとを備えている。そして本実施形態では、一対の支持部5a,5bの形状が第1実施形態よりも大きく形成される。すなわち、第1金具10の両端側に設けられる一対の支持部5a,5bは、例えば雌螺子部14を中心に所定半径の範囲内を覆うように先端側及び下方側に広がった平板部41を有している。尚、第1金具10における他の点は、第1実施形態と同様である。
一方、ブレース支持金具3a,3bは、金属プレートを折曲加工して形成される1つの支持部材42によって構成される。この支持部材42は、ほぼ中央位置にブレース9の外周面と係合するように概略半円状に湾曲した係合部43を備えている。そして係合部43の内側には、ブレース9の外周面に形成される螺子溝と係合する係合突起12が設けられる。また支持部材42は、係合部43の一方の側方に延設される第1平板部44と、係合部43の他方の側方に延設される第2平板部45とを有している。そして第1平板部44には、ボルトを挿通するためのボルト挿通孔46が形成される。
このようなブレース支持金具3a,3bは、支持部材42に設けられたボルト挿通孔46に対して連結ボルト38が予め挿通され、その連結ボルト38の先端が固定金具2の雌螺子部14に対して緩く螺合した状態に装着されることにより、固定金具2の第1金具10に対して予め取り付けられる。ブレース支持金具3a,3bは、連結ボルト38によって固定金具2の第1金具10に取り付けられると、連結ボルト38を軸芯に回動可能な状態となる。そして第1金具10の平板部41は、ブレース支持金具3a,3bが連結ボルト38を中心にして所定角度範囲内で回転するとき、第2平板部45の回転範囲を覆うように設けられる。
そしてブレース連結金具1aは、第1実施形態と同様に、固定金具2の第1金具10に対してブレース支持金具3a,3bが緩く取り付けられた状態のままで作業者による作業が行われ、吊りボルト8の所定位置に固定される。すなわち、作業者は、第1金具10に設けられた屈曲部11の内側に吊りボルト8を接合させた状態でその吊りボルト8を挟み込むように第2金具20を配置し、ボルト18を第1金具10の長孔13に挿通すると共に、そのボルト18の先端を第2金具20の雌螺子部24に螺合させて第2金具20を仮止めする。その後、作業者は、電動工具のツール先端をボルト18の頭部に装着して電動工具を動作させることにより、ボルト18が雌螺子部24に対して締着され、吊りボルト8を挟み込んだ状態で第1金具10と第2金具20とが吊りボルト8に対して強固に固定される。
上記のようにしてブレース連結金具1aの固定金具2が吊りボルト8に固定されると、次にボルト状のブレース9がブレース支持金具3a,3bに取り付けられる。図20は、ブレース9を取り付ける際の作業工程を示す図である。まず図20(a)に示すように、ブレース支持金具3a,3bの支持部材42が連結ボルト38によって固定金具2に緩く取り付けられた状態のときには、上述のように支持部材42が固定されておらず、連結ボルト38を軸芯として回動可能である。そのため、作業者は、ブレース9の配設角度に応じて支持部材42を回動させる。
次に作業者は、支持部材42の内側にブレース9を収容する。すなわち、支持部材42が連結ボルト38によって固定されていないときには、図20(b)に示すように支持部材42の先端を平板部41から離間させて拡開できるため、ブレース9を支持部材42に設けられた係合部43の内側に収容可能である。そのため、作業者は、支持部材42を拡開させてブレース9を係合部43の内側に収容する。
次に作業者は、図20(c)に示すようにブレース9を係合部31aの内側に収容した状態で、電動工具のツール先端5を連結ボルト38の頭部に装着し、電動工具を動作させることによって連結ボルト38を締め付ける。すなわち、電動工具を用いて連結ボルト38を雌螺子部14に締着固定することにより、図20(d)に示すように係合部43がブレース9に密着した状態となり、ブレース9を支持部材42と平板部41との間で挟持した状態に押圧固定することができる。そして作業者が電動工具を用いて連結ボルト38の締着作業を行うときには、ブレース連結金具1aの外側から作業を行うことができるため、作業がし易く、作業効率に優れている。
図21は、ブレース連結金具1aにブレース9が取り付けられた状態の一例を示す側面図である。図21(a)は、ブレース連結金具1aが吊りボルト8の上部に取り付けられ、ブレース支持金具3a,3bがブレース9を斜め下方に向けて支持した状態を示している。これに対し、図21(b)は、ブレース連結金具1aが吊りボルト8の下部に取り付けられ、ブレース支持金具3a,3bがブレース9を斜め上方に向けて支持した状態を示している。すなわち、本実施形態のブレース連結金具1aは、連結ボルト38を軸芯としてブレース支持金具3a,3bを回動させることにより、固定金具2に対するブレース支持金具3a,3bの設置角度をブレース9の配設角度に合わせることができるため、ブレース9を任意の角度で保持することが可能である。また本実施形態のブレース連結金具1aは、固定金具2の左右両側に一対の支持部5a,5bが設けられており、それらの支持部5a,5bに一対のブレース支持金具3a,3bが取り付けられるので、2本のブレース9をそれぞれ異なる角度に配設した状態で保持することができる。
以上のように本実施形態のブレース連結金具1aは、吊りボルト8に固定された固定金具2に一対のブレース支持金具3a,3bが取り付けられ、それら一対のブレース支持金具3,3bのそれぞれが斜め方向に配設されるブレース9の端部を挟持する構成である。つまり、ブレース支持金具3a,3bを構成する支持部材42は、連結ボルト38によって一点止めされることにより、ブレース9を挟持した状態に保持することができる。
また本実施形態のブレース連結金具1aは、合計4つのボルトを用いてブレース9を吊りボルト8に連結する構成であり、それら4つのボルトの全てを、電動工具を用いて締着することができる。つまり、本実施形態のブレース連結金具1aを用いれば、ブレース9に対してナットを装着する必要がないため、従来のスパナなどの手動工具を用いてブレース9に装着したナットを締め付ける作業を行う必要がない。また本実施形態のブレース連結金具1aは、第1実施形態よりもボルトの数が少ないため、電動工具を用いて締着作業を行う回数が少なくなる。それ故、ブレース9を吊りボルト8に連結する際の作業効率が第1実施形態よりも更に向上する。
また本実施形態のブレース連結金具1aは、第1実施形態と同様に、電動工具を用いてボルトを締着固定する際には、電動工具のツール先端をブレース連結金具1aの外側(第1金具10において第2金具20が接合しない側)からボルトの頭部に装着させることができる。そのため、ブレース連結金具1aの内側で電動工具を使用しなければならない場合と比較すると作業が行い易いため、この点においても作業効率が向上する。
尚、本実施形態においても、第1実施形態で説明したように固定金具2の第1金具10と第2金具20とを予め組み付けた状態のままで施工しても良い。すなわち、一対のボルト18を緩めた状態で第1金具10と第2金具20とを離間させることにより、吊りボルト8の挿通空間7を広げ、その挿通空間7に吊りボルト8を挿入してブレース連結金具1を吊りボルト8の取り付け位置へ配置するようにしても良い。また本実施形態においても、係合突起12を第1実施形態で説明したような突起部12aとして構成し、結束部材40bを用いて第1金具10と第2金具20とを予め結束しておくようにしても良い。
(第3実施形態)
図22は本発明の第3実施形態におけるブレース連結金具1bの外観斜視図であり、図23はそのブレース連結金具1bの構成部材を分解して示す斜視図である。図22及び図23に示すように、ブレース連結金具1bは、上述の各実施形態と同様に、吊りボルト8に固定される固定金具2と、その固定金具2の両側に連結される一対のブレース支持金具3a,3bとを備え、一対のブレース支持金具3a,3bのそれぞれが斜め方向に配設されるボルト状のブレース9の端部を支持する構成である。
図23に示すように、固定金具2は、金属プレートを概略L字状に折り曲げて形成される第1金具10と、金属プレートを概略W字状に折り曲げて形成される第2金具20と備え、第1金具10及び第2金具20がボルト18によって固定される構成である。ここで、第1金具10が第1実施形態で説明したものと異なる点は、一対の支持部5a,5bにおいて連結ボルト38を挿通する位置に雌螺子部14が設けられておらず、その位置に第1の孔61が形成されている点である。一方、第2金具20は、第1実施形態で説明したものと同様である。
またブレース支持金具3a,3bは、金属プレートを折曲加工して形成される1つの支持部材51によって構成される。この支持部材51は、ボルト状のブレース9の外周面に係合する平面視略C字状の係合部52と、その係合部52の開放先端を延長して互いに所定角度を成すように拡開して設けられた一対の平板部53,54とを有し、一対の平板部53,54が係合部52に接続する部分では一対の平板部53,54の間隔がブレース9の直径よりも小さく形成された括れ部55となっている。そして一対の平板部53,54のうちの一方の平板部53には連結ボルト38を挿通する第2の孔62が形成され、他方の平板部54には連結ボルト38を挿通する第3の孔63が形成される。また本実施形態では、第3の孔63に対して連結ボルト38と螺合する雌螺子部57が形成される。図23の例では、雌螺子部57が他方の平板部54に予め固定されたナット58で構成される場合を例示している。しかし、これに限られるものではなく、例えば他方の平板部54に形成した孔にバーリング加工を施すことによってその孔の周囲に平板部54の表面から立ち上げた壁部を一体形成し、その壁部の内側に雌螺子を形成することによって雌螺子部57を設けたものであっても構わない。またC字状の係合部52の内側には、屈曲部11と同様に、ブレース9の外周面に形成される螺子溝と係合する係合突起12が設けられる。
このようなブレース支持金具3a,3bは、予めブレース9に装着される。図24は、ブレース9を取り付ける際の作業工程を示す図である。まず図24(a)に示すように、ブレース支持金具3a,3bは、C字状の係合部52から延設された一対の平板部53,54の先端がブレース9の直径よりも広く拡開している。そのため、作業者は、一対の平板部53,54の隙間からブレース9を係合部52に向かって押し込み、一対の平板部53,54を更に拡開させて括れ部55よりも係合部52の内側にブレース9を進入させることにより、図24(b)に示すように係合部52の内側にブレース9を仮止めする。すなわち、一対の平板部53,54は、ブレース9が係合部52に向かって押し込まれると、互いの間隔を更に広げてブレース9を係合部52に案内し、ブレース9が係合部52の内側に収まると、再び互いの間隔を縮めて元の状態に戻る。そして係合部52の内側にブレース9が収まると、係合突起12がブレース9の外周面に形成される螺子溝と係合した状態になるので、ブレース9の所定位置にブレース支持金具3a,3bが仮止めされた状態となる。
次に作業者は、固定金具2を吊りボルト8に固定する。ただし、この作業は、ブレース支持金具3a,3bをブレース9の所定位置に装着する前に予め行っておいても良い。そして作業者は、図24(c)に示すように吊りボルト8に固定した固定金具2の外側から第1の孔61に連結ボルト38を通し、更にその連結ボルト38の先端をブレース支持金具3a,3bの平板部53に設けられた第2の孔62に通してから平板部54の雌螺子部57が形成された第3の孔63に螺合挿入することにより、ブレース支持金具3a,3bを固定金具2に仮止めする。このとき、ブレース支持金具3a,3bの姿勢は、ブレース9の配設角度に応じた姿勢となっている。そして作業者は、ブレース支持金具3a,3bを固定金具2に仮止めした状態で、図20(c)に示すように電動工具のツール先端5を連結ボルト38の頭部に装着し、電動工具を動作させることによって連結ボルト38を締め付ける。すなわち、電動工具を用いて連結ボルト38を雌螺子部57に締着固定することにより、一対の平板部53,54の間隔が縮小し、それに伴って係合部52がブレース9を締め付けるので、ブレース9が係合部52に押圧固定される。また一対の平板部53,54も連結ボルト38の締着により、固定金具2に対して固定される。したがって、ブレース9は、ブレース連結金具1bによって吊りボルト8に対して強固に固定された状態となる。そして作業者が電動工具を用いて連結ボルト38の締着作業を行うときには、ブレース連結金具1bの外側から作業を行うことができるため、作業がし易く、作業効率に優れている。
図25は、ブレース連結金具1bにブレース9が取り付けられた状態の一例を示す側面図である。図25(a)は、ブレース連結金具1bが吊りボルト8の上部に取り付けられ、ブレース支持金具3a,3bがブレース9を斜め下方に向けて支持した状態を示している。これに対し、図25(b)は、ブレース連結金具1bが吊りボルト8の下部に取り付けられ、ブレース支持金具3a,3bがブレース9を斜め上方に向けて支持した状態を示している。すなわち、本実施形態のブレース連結金具1bは、ブレース支持金具3a,3bをブレース9の配設角度に応じた姿勢で固定金具2に固定することができるため、ブレース9を任意の角度で保持することが可能である。また本実施形態のブレース連結金具1bは、固定金具2の左右両側に一対の支持部5a,5bが設けられており、それらの支持部5a,5bに一対のブレース支持金具3a,3bが取り付けられるので、2本のブレース9をそれぞれ異なる角度に配設した状態で保持することができる。
以上のように本実施形態のブレース連結金具1bは、吊りボルト8に固定された固定金具2に一対のブレース支持金具3a,3bが取り付けられ、それら一対のブレース支持金具3,3bのそれぞれが斜め方向に配設されるブレース9の端部を挟持する構成である。つまり、ブレース支持金具3a,3bを構成する支持部材51は、連結ボルト38によって一点止めされることにより、ブレース9を挟持した状態に保持することができる。
また本実施形態のブレース連結金具1bは、第2実施形態と同様に、合計4つのボルトを用いてブレース9を吊りボルト8に連結する構成であり、それら4つのボルトの全てを、電動工具を用いて締着することができる。つまり、本実施形態のブレース連結金具1bを用いれば、ブレース9に対してナットを装着する必要がないため、従来のスパナなどの手動工具を用いてブレース9に装着したナットを締め付ける作業を行う必要がない。また本実施形態のブレース連結金具1aは、第1実施形態よりもボルトの数が少ないため、電動工具を用いて締着作業を行う回数が少なくなる。それ故、ブレース9を吊りボルト8に連結する際の作業効率が第1実施形態よりも更に向上する。
また本実施形態のブレース連結金具1bは、第1実施形態と同様に、電動工具を用いてボルトを締着固定する際には、電動工具のツール先端をブレース連結金具1aの外側(第1金具10において第2金具20が接合しない側)からボルトの頭部に装着させることができる。そのため、ブレース連結金具1bの内側で電動工具を使用しなければならない場合と比較すると作業が行い易いため、この点においても作業効率が向上する。
尚、本実施形態においても、第1実施形態で説明したように固定金具2の第1金具10と第2金具20とを予め組み付けた状態のままで施工しても良い。すなわち、一対のボルト18を緩めた状態で第1金具10と第2金具20とを離間させることにより、吊りボルト8の挿通空間7を広げ、その挿通空間7に吊りボルト8を挿入してブレース連結金具1を吊りボルト8の取り付け位置へ配置するようにしても良い。また本実施形態においても、係合突起12を第1実施形態で説明したような突起部12aとして構成し、結束部材40bを用いて第1金具10と第2金具20とを予め結束しておくようにしても良い。
(第4実施形態)
図26は本発明の第4実施形態におけるブレース連結金具1cの外観斜視図であり、図27はそのブレース連結金具1cの構成部材を分解して示す斜視図である。図26及び図27に示すように、ブレース連結金具1cは、上述の各実施形態と同様に、吊りボルト8に固定される固定金具2と、その固定金具2の両側に連結される一対のブレース支持金具3a,3bとを備え、一対のブレース支持金具3a,3bのそれぞれが斜め方向に配設されるボルト状のブレース9の端部を支持する構成である。このブレース連結金具1cが第3実施形態と異なる点は、第1金具10の第1の孔61に連結ボルト38と螺合する雌螺子部57が形成され、連結ボルト38によって連結ボルト38の頭部と第1金具10の支持部5a,5bとの間にブレース支持金具3a,3bが挟着される点である。尚、雌螺子部57は、固定金具2に予め固定されたナット15で構成される場合を例示しているが、これに限らず、バーリング加工によって第1の孔61の周囲を立ち上げた壁部を形成し、その壁部の内側に雌螺子を形成することによって雌螺子部57を設けても良い。
そして第3実施形態と同様に、ブレース支持金具3a,3bは、予めブレース9に装着される。その後、ブレース9に装着されたブレース支持金具3a,3bが吊りボルト8に固定された固定金具2に取り付けられる。図28は、ブレース支持金具3a,3bを固定金具2に取り付ける際の作業工程を示す図である。作業者は、図28に示すように吊りボルト8に固定した固定金具2の外側からまずブレース支持金具3a,3bの第2の孔62及び第3の孔63に連結ボルト38を通し、その連結ボルト38の先端を固定金具2に形成された第1の孔61の雌螺子部57に螺合挿入することにより、ブレース支持金具3a,3bを固定金具2に仮止めする。このとき、ブレース支持金具3a,3bの姿勢は、ブレース9の配設角度に応じた姿勢となっている。そして作業者は、ブレース支持金具3a,3bを固定金具2に仮止めした状態で、図28に示すように電動工具のツール先端5を連結ボルト38の頭部に装着し、電動工具を動作させることによって連結ボルト38を締め付ける。すなわち、電動工具を用いて連結ボルト38を雌螺子部57に締着固定することにより、一対の平板部53,54の間隔が縮小し、それに伴って係合部52がブレース9を締め付けるので、ブレース9が係合部52に押圧固定される。また一対の平板部53,54も連結ボルト38の締着により、固定金具2に対して固定される。したがって、ブレース9は、ブレース連結金具1cによって吊りボルト8に対して強固に固定された状態となる。そして作業者が電動工具を用いて連結ボルト38の締着作業を行うときには、ブレース連結金具1cの外側から作業を行うことができるため、作業がし易く、作業効率に優れている。また、本実施形態では、作業者が連結ボルト38を締着する作業を行うとき、連結ボルト38の先端を吊りボルト8に固定された雌螺子部57に挿通することができるため、第3実施形態の場合よりも連結ボルト38の締着作業が行い易いという利点がある。
その他の点は、第3実施形態と同様である。したがって、第4実施形態においても、上述の第3実施形態で説明したものと同様の作用効果が得られる。
(第5実施形態)
図29及び図30は第5実施形態におけるブレース連結金具1dを示す図であり、図29はその斜視図を、図30はその平面図を示している。図29及び図30に示すように、ブレース連結金具1dは、上述したブレース連結金具1などと同様に、吊りボルト8に固定される固定金具2と、その固定金具2の両側に連結される一対のブレース支持金具3a,3bとを備え、一対のブレース支持金具3a,3bのそれぞれが斜め方向に配設されるボルト状のブレース9の外周面を挟着して支持する構成である。
ブレース連結金具1dにおいて、固定金具2は第1実施形態で説明したブレース連結金具1と同様の構成である。これに対し、固定金具2の両端に設けられる一対のブレース支持金具3a,3bは、上記各実施形態で説明したブレース連結金具1と異なる構成を有している。
ブレース支持金具3a,3bはいずれも金属プレートを折曲加工して形成される概略U字状の1つの支持部材70によって構成される。支持部材70は、ブレース9の外周面に係合する平面視略C字状の係合部71と、その係合部71の両端を延長して互いに所定角度を成すように拡開して設けられた一対の平板部72,73とを有している。図30に示すように、係合部71の内側には、ブレース9の外周面に形成される螺子溝と係合する係合突起12が設けられる。この係合突起12は、例えば図29に示すように係合部71の外側の面を横方向線状にプレスして凹部76を形成し、その凹部76の内側に横方向の突条を形成することにより構成される。また一対の平板部72,73の先端側には、連結ボルト38を挿通するための孔が形成される。更に一対の平板部72,73には、図30に示すように係合部71の近傍位置において内側に突出した凸部74が設けられる。この凸部74は、係合部71の近傍位置において縦方向に形成される。このような凸部74は、例えば平板部72,73の外側の面をプレスして凹部75を形成することにより、その凹部75に対応する平板部72,73の内側を膨出させることで形成される。
上記のようなブレース支持金具3a,3bは、一対の平板部72,73に設けられた孔に対して連結ボルト38が挿通され、その連結ボルト38の先端が固定金具2の雌螺子部14に対して緩く螺合した状態に装着されることにより、固定金具2の第1金具10に対して予め取り付けられる。すなわち、連結ボルト38は、ブレース連結金具1dの外側から一対の平板部72,73の孔に挿通され、その先端が固定金具2の雌螺子部14に緩く螺合した状態に装着される。このとき、連結ボルト38は、一対の平板部72,73の拡開角度を縮小させないように、一対の平板部72,73に対して押圧力を作用させないように装着される。
図30は、上記のようにしてブレース連結金具1dの各部材が組み付けられた施工前の状態を示している。固定金具2の第1金具10と第2金具20とを組み付ける一対のボルト18は、その先端が雌螺子部24に緩く螺合している状態である。そのため、施工前の状態では、第1金具10と第2金具20との間隔をボルト18によって許容される範囲内で広げることが可能である。そのため、第1金具10と第2金具20との間隔を広げると、第1金具10の屈曲部11と第2金具20の湾曲部21との間には吊りボルト8を挿通可能な挿通空間7が形成される。
またブレース支持金具3a,3bを固定金具2と連結する連結ボルト38は、その先端が雌螺子部14に緩く螺合している状態である。そのため、施工前の状態では、支持部材70の一対の平板部72,73がその先端を拡開させた状態であり、係合部71及び一対の平板部72,73によって囲まれた部分の内側にブレース9を挿通可能な挿通部6が形成される。つまり、ブレース支持金具3a,3bは、連結ボルト38が締め付けられる前の状態では支持部材70の内側にブレース9を挿通可能な挿通部6を有している。
上記のようなブレース連結金具1dは、各部品が予め組み付けられた状態のままで施工可能である。すなわち、ブレース連結金具1dを吊りボルト8に取り付ける際には、一対のボルト18を緩めた状態で第1金具10と第2金具20とを離間させることにより、吊りボルト8の挿通空間7を広げ、その挿通空間7に吊りボルト8を挿入してブレース連結金具1を吊りボルト8の取り付け位置へ配置するようにし、仮止め状態とする。そして電動工具を用いて一対のボルト18を締め付けることにより、固定金具2を吊りボルト8に対して固定することができる。その後、一対のブレース支持金具3a,3bに対してブレース9を取り付けることにより、ブレース9が吊りボルト8に対して連結される。
図31は、ブレース9をブレース支持金具3a,3bに対して取り付ける作業の一例を示す図である。まず図31(a)に示すように、連結ボルト38を締め付ける前に、ブレース支持金具3a,3bの支持部材70の内側に設けられた挿通部6に対してブレース9を挿通する。ブレース支持金具3a,3bの支持部材70が連結ボルト38によって固定金具2に緩く取り付けられた状態のときには、支持部材70は固定されておらず、連結ボルト38を軸芯として回動可能である。そのため、作業者は、ブレース9の配設角度に応じて支持部材70を回動させる。そして作業者は、支持部材70の内側に形成された挿通部6にブレース9を先端から挿通し、支持部材70の内側にブレース9を収容する。尚、作業者は、支持部材70の内側にブレース9を挿入した後、連結ボルト38の頭部を指先で締めることにより、仮止め状態としても良い。
続いて作業者は、図31(b)に示すようにブレース支持金具3a,3bがブレース9を挟着した状態に固定すると共に、ブレース支持金具3a,3bを固定金具2の延設部に対して固定する。この工程において、作業者は、電動工具のツール先端を連結ボルト38の頭部に装着し、電動工具を動作させることによって連結ボルト38を締め付ける。すなわち、電動工具を用いて連結ボルト38を雌螺子部14に締着することにより、支持部材70が係合部71においてブレース9を挟持した状態に押圧固定する。このとき、ブレース9は、支持部材70の内側において係合部71と、凸部74との間に配置されている。この状態で連結ボルト38が電動工具によって締め付けられていくと、一対の平板部72,73の拡開角度が次第に縮小していく。そして平板部72,73の内側に形成された凸部74がブレース9を係合部71に向けて押圧し、ブレース9を係合部71に密着させる。その結果、係合部71の内側に設けられた係合突起12がブレース9の外周面に形成された螺子溝と係合する。そしてブレース9は支持部材70によって強固に固定された状態となる。
尚、本実施形態においても、係合突起12を第1実施形態で説明したような突起部12aとして構成し、結束部材40bを用いて第1金具10と第2金具20とを予め結束しておくようにしても良い。この場合、更に施工効率が向上する。
(その他の実施形態)
図32は、更に別のブレース連結金具1e,1fを示す図であり、図32(a)はブレース連結金具1eの平面図を、図32(b)はブレース連結金具1fの平面図を示している。これらのブレース連結金具1e,1fはいずれも固定金具2が第1実施形態で説明したブレース連結金具1と異なる構造を有している。
まず図32(a)に示すブレース連結金具1eの固定金具2は、第1金具10が平板状部材によって構成され、その中央に吊りボルト8の外周面と係合させるために円弧状に湾曲した屈曲部11が設けられると共に、その屈曲部11の両端に一対のボルト18が装着される。これに対し、第2金具20は、第1金具10と対向して配置される平板部の中央に吊りボルト8の外周面と係合させるために円弧状に湾曲した湾曲部21が設けられると共に、平板部の両端が約45度ずつ折れ曲がって延設された延設部を構成している。湾曲部21の両側の平板部には、ボルト18の先端と螺合する雌螺子部を有するナット25が設けられている。図32(a)に示す固定金具2は、第1実施形態で説明したブレース連結金具1と同様に、吊りボルト8を挟着するように取り付けられる部材であり、互い対向する一対の金具10,20の間に吊りボルトを挿通可能な挿通空間7を有し、一対の金具10,20に装着されたボルト18が締め付けられることによって挿通空間7を縮小して一対の金具10,20が吊りボルト8に挟着固定される構造である。したがって、このブレース連結金具1eは、第1実施形態と同様にして施工することが可能である。尚、図32(a)では、固定金具2の両端に、第1実施形態と同様のブレース支持金具3a,3bが取り付けられた状態を例示しているが、これに限られるものではなく、第2乃至第だい5実施形態で説明したブレース連結金具1a,1b,1c,1dと同様のブレース支持金具3a,3bが取り付けられたものであっても構わない。また図32(a)に示すブレース連結金具1eにおいても、第1金具10又は第2金具20に形成する係合突起12を第1実施形態で説明したような突起部12aとして構成し、結束部材40bを用いて第1金具10と第2金具20とを予め結束しておくようにしても良い。この場合、更に施工効率が向上する。
次に図32(b)に示すブレース連結金具1fの固定金具2は、第1金具10及び第2金具20の一端が蝶番構造(ヒンジ構造)81によって互いに回動可能に連結されており、第1金具10及び第2金具20の他端側がボルト18とナット25によって連結されると共に、第1金具10及び第2金具20のそれぞれの先端が約45度ずつ互いに外側に折れ曲がって延設された延設部を構成している。そして一対のブレース支持金具3a,3bは、第1金具10及び第2金具20のそれぞれの延設部に連結ボルト38を介して連結され、互いにほぼ直角を成すように設けられる。図32(b)に示す固定金具2は、第1実施形態で説明したブレース連結金具1と同様に、吊りボルト8を挟着するように取り付けられる部材であり、互い対向する一対の金具10,20の間に吊りボルトを挿通可能な挿通空間7を有し、一対の金具10,20に装着されたボルト18が締め付けられることによって挿通空間7を縮小して一対の金具10,20が吊りボルト8に挟着固定される構造である。したがって、このブレース連結金具1fもまた、第1実施形態と同様にして施工することが可能である。特にブレース連結金具1fは、第1金具10と第2金具20とを締着するボルト18が1つだけであるため、電動工具を用いてボルト18を締め付ける作業を効率的に行うことができ、作業効率がより一層向上するという利点がある。尚、図32(b)においても、固定金具2の両端に第1実施形態と同様のブレース支持金具3a,3bが取り付けられた状態を例示しているが、これに限られるものではなく、第2乃至第だい5実施形態で説明したブレース連結金具1a,1b,1c,1dと同様のブレース支持金具3a,3bが取り付けられたものであっても構わない。また図32(b)に示すブレース連結金具1fにおいても、第1金具10又は第2金具20に形成する係合突起12を第1実施形態で説明したような突起部12aとして構成し、結束部材40bを用いて第1金具10と第2金具20とを予め結束しておくようにしても良い。
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態において説明したものに限定されるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば上記実施形態では、固定金具2が、第1金具10と、第2金具20との2つの部材で構成される場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、例えば固定金具2は、特許文献1に開示されたものと同様のものを作用してもよい。この場合であっても、上記各実施形態で説明したブレース支持金具3a,3bを用いることにより、ブレース9を取り付ける際にブレース9に対してナットを装着する必要がなくなるので作業効率が向上する。
また上記実施形態では第1金具10及び第2金具20を結束する結束部材40bとして、輪ゴムやクリップなどを例示した。しかし、これに限られるものではなく、例えば第1金具10及び第2金具20のいずれか一方に磁石を設け、その磁石の磁力によって他方を引きつけることにより、第1金具10と第2金具20とを結束するようにしたものであっても構わない。この場合、第1金具10及び第2金具20のいずれか一方に設けられる磁石が結束部材40bとして機能することになる。