JP2017057238A - 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム - Google Patents
耐熱性合成樹脂微多孔フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017057238A JP2017057238A JP2015180347A JP2015180347A JP2017057238A JP 2017057238 A JP2017057238 A JP 2017057238A JP 2015180347 A JP2015180347 A JP 2015180347A JP 2015180347 A JP2015180347 A JP 2015180347A JP 2017057238 A JP2017057238 A JP 2017057238A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- synthetic resin
- microporous film
- resin microporous
- heat
- meth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Cell Separators (AREA)
- Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
【課題】耐熱性及び機械的強度の双方に優れていると共に、機械的強度の経時的な低下が抑制されている耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを提供する。【解決手段】本発明の耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは、合成樹脂微多孔フィルムと、上記合成樹脂微多孔フィルムの表面の少なくとも一部に形成された皮膜層とを含み、上記皮膜層は、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物の重合体を含んでおり、25℃から250℃まで5℃/分の昇温速度にて加熱した後の最大熱収縮率が15%以下であり、突き刺し強度が0.6N以上であり、且つ、200℃の酸素雰囲気中で測定したOITが7分以上であることを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムに関する。
従来から携帯用電子機器の電池としてリチウムイオン二次電池が用いられている。このリチウムイオン二次電池は、一般的に正極と、負極と、セパレータとを電解液中に配設することによって構成されている。正極は、アルミニウム箔の表面にコバルト酸リチウム又はマンガン酸リチウムが塗布されることで形成される。負極は、銅箔の表面にカーボンが塗布されることで形成される。そして、セパレータは、正極と負極とを仕切るように配設され、電極間の電気的な短絡を防止している。
リチウムイオン二次電池の充電時には、正極からリチウムイオンが放出されて負極内に移動する。一方、リチウムイオン二次電池の放電時には、負極からリチウムイオンが放出されて正極内に移動する。したがって、セパレータには、リチウムイオンなどのイオン透過性を有していることが必要とされている。
セパレータとしては、絶縁性及びコスト性に優れていることから、合成樹脂微多孔フィルムが用いられている。合成樹脂微多孔フィルムは、プロピレン系樹脂などの合成樹脂を含んでいる。
そして、合成樹脂フィルムを延伸することによって、合成樹脂微多孔フィルムが製造されている。延伸法によって製造された合成樹脂微多孔フィルムは、延伸による高い残留応力が発生している。そのため、このような合成樹脂微多孔フィルムは高温下で熱収縮し、その結果、正極と負極とが短絡する可能性が指摘されている。したがって、合成樹脂微多孔フィルムの耐熱性を向上させることにより、リチウムイオン二次電池の安全性を確保することが望まれている。
特許文献1には、非水電解質二次電池に使用されるセパレータであって、架橋構造を有する樹脂(A)を少なくとも含有しており、前記架橋構造を有する樹脂(A)は、少なくとも、エネルギー線の照射により重合可能なオリゴマーに、エネルギー線を照射することで得られたものであり、かつガラス転移温度が0℃より高く80℃未満である非水電解質二次電池用セパレータが開示されている。
特許文献2には、架橋構造を有し、気孔率が20〜80%、ゲル分率が1%以上、平均孔径が0.001〜0.2μm、溶融突き刺し強度が0.01N以上、溶融突き刺し強度保持率が40%以上であることを特徴とする、高強度かつ耐熱性に優れたポリエチレン微多孔膜が開示されている。
特許文献1では、エネルギー線の照射により重合可能なオリゴマーに、エネルギー線を照射することによって架橋構造を付与することによって、耐熱性の向上を図っている。
しかしながら、エネルギー線照射による処理だけでは、樹脂を脆化させて機械的強度を低下させる。すなわち、エネルギー線の照射によって、樹脂の分子鎖が切断され、非水電解質二次電池用セパレータの機械的強度を低下させる。さらに、エネルギー線の照射によって、非水電解質二次電池用セパレータ中に残存ラジカルが発生する。残存ラジカルが発生すると、残存ラジカルによって非水電解質二次電池用セパレータに含まれている樹脂の分子鎖が経時的に切断され、非水電解質二次電池用セパレータの機械的強度を経時的に低下させる。
特許文献2では、架橋処理後に熱処理を行うことによって残存ラジカルを消失させ、ポリエチレン微多孔膜の経時劣化の抑制を図っている。しかしながら、熱処理を酸素を多く含む大気中で行っており、熱処理の過程で、酸化によって樹脂の分子鎖が切断されてしまい、ポリエチレン微多孔膜の機械的強度が低下するという問題を有する。
機械的強度が低下した合成樹脂微多孔フィルムは、リチウムイオン二次電池の生産性や安全性を低下させる場合がある。例えば、機械的強度が低下した合成樹脂微多孔フィルムを電池作製工程において切断する際に、合成樹脂微多孔フィルムが裂けてしまうことがある。また、機械的強度が低下した合成樹脂微多孔フィルムは、電極間の短絡を十分に防止することができず、リチウムイオン二次電池の安全性を低下させることもある。したがって、耐熱性及び機械的強度の双方に優れていると共に、機械的強度の経時的な低下が抑制されているセパレータが必要とされている。
そこで、本発明は、耐熱性及び機械的強度の双方に優れていると共に、機械的強度の経時的な低下が抑制されている耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを提供する。
本発明の耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは、
合成樹脂微多孔フィルムと、上記合成樹脂微多孔フィルムの表面の少なくとも一部に形成された皮膜層とを含み、
上記皮膜層は、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物の重合体を含んでおり、
25℃から250℃まで5℃/分の昇温速度にて加熱した後の最大熱収縮率が15%以下であり、突き刺し強度が0.6N以上であり、且つ、200℃の酸素雰囲気中で測定したOITが7分以上であることを特徴とする。
合成樹脂微多孔フィルムと、上記合成樹脂微多孔フィルムの表面の少なくとも一部に形成された皮膜層とを含み、
上記皮膜層は、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物の重合体を含んでおり、
25℃から250℃まで5℃/分の昇温速度にて加熱した後の最大熱収縮率が15%以下であり、突き刺し強度が0.6N以上であり、且つ、200℃の酸素雰囲気中で測定したOITが7分以上であることを特徴とする。
本発明によれば、耐熱性及び機械的強度の双方に優れていると共に、機械的強度の経時的な低下が抑制されている耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを提供することができる。
本発明の耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは、合成樹脂微多孔フィルムと、合成樹脂微多孔フィルムの表面の少なくとも一部に形成された皮膜層とを含む。
(合成樹脂微多孔フィルム)
合成樹脂微多孔フィルムとしては、リチウムイオン二次電池などの従来の二次電池においてセパレータとして用いられている微多孔フィルムであれば、特に制限されずに用いることができる。合成樹脂微多孔フィルムとしては、オレフィン系樹脂微多孔フィルムが好ましい。
合成樹脂微多孔フィルムとしては、リチウムイオン二次電池などの従来の二次電池においてセパレータとして用いられている微多孔フィルムであれば、特に制限されずに用いることができる。合成樹脂微多孔フィルムとしては、オレフィン系樹脂微多孔フィルムが好ましい。
オレフィン系樹脂微多孔フィルムはオレフィン系樹脂を含んでいる。オレフィン系樹脂としては、エチレン系樹脂及びプロピレン系樹脂が好ましく、プロピレン系樹脂がより好ましい。
プロピレン系樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。延伸法によって合成樹脂微多孔フィルムが製造される場合には、ホモポリプロピレンが好ましい。プロピレン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。又、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであってもよい。プロピレン系樹脂中におけるプロピレン成分の含有量は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
なお、プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィンなどが挙げられ、エチレンが好ましい。
エチレン系樹脂としては、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高密度ポリエチレン、及びエチレン−プロピレン共重合体などが挙げられる。また、エチレン系樹脂微多孔フィルムは、エチレン系樹脂を含んでいれば、他のオレフィン系樹脂を含んでいてもよい。エチレン系樹脂中におけるエチレン成分の含有量は、好ましくは50質量%を超え、より好ましくは80質量%以上である。
オレフィン系樹脂の重量平均分子量は、25万〜50万が好ましく、28万〜48万がより好ましい。重量平均分子量が上記範囲内であるオレフィン系樹脂によれば、製膜安定性に優れていると共に、微小孔部が均一に形成されているオレフィン系樹脂微多孔フィルムを提供することができる。
オレフィン系樹脂の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、7.5〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。分子量分布が上記範囲内であるオレフィン系樹脂によれば、高い表面開口率を有していると共に、機械的強度にも優れているオレフィン系樹脂微多孔フィルムを提供することができる。
ここで、オレフィン系樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって測定されたポリスチレン換算した値である。具体的には、オレフィン系樹脂6〜7mgを採取し、採取したオレフィン系樹脂を試験管に供給した上で、試験管に0.05質量%のBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)を含んでいるo−DCB(オルトジクロロベンゼン)溶液を加えてオレフィン系樹脂濃度が1mg/mLとなるように希釈して希釈液を作製する。
溶解濾過装置を用いて145℃にて回転数25rpmにて1時間に亘って上記希釈液を振とうさせてオレフィン系樹脂をo−DCB溶液に溶解させて測定試料とする。この測定試料を用いてGPC法によってオレフィン系樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量を測定することができる。
オレフィン系樹脂における重量平均分子量及び数平均分子量は、例えば、下記測定装置及び測定条件にて測定することができる。
測定装置 TOSOH社製 商品名「HLC-8121GPC/HT」
測定条件 カラム:TSKgelGMHHR-H(20)HT×3本
TSKguardcolumn-HHR(30)HT×1本
移動相:o−DCB 1.0mL/分
サンプル濃度:1mg/mL
検出器:ブライス型屈折計
標準物質:ポリスチレン(TOSOH社製 分子量:500〜8420000)
溶出条件:145℃
SEC温度:145℃
測定装置 TOSOH社製 商品名「HLC-8121GPC/HT」
測定条件 カラム:TSKgelGMHHR-H(20)HT×3本
TSKguardcolumn-HHR(30)HT×1本
移動相:o−DCB 1.0mL/分
サンプル濃度:1mg/mL
検出器:ブライス型屈折計
標準物質:ポリスチレン(TOSOH社製 分子量:500〜8420000)
溶出条件:145℃
SEC温度:145℃
オレフィン系樹脂の融点は、160〜170℃が好ましく、160〜165℃がより好ましい。融点が上記範囲内であるオレフィン系樹脂によれば、製膜安定性に優れていると共に、高温下における機械的強度の低下が抑制されているオレフィン系樹脂微多孔フィルムを提供することができる。
なお、本発明において、オレフィン系樹脂の融点は、示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツル社 装置名「DSC220C」など)を用い、下記手順に従って測定することができる。先ず、オレフィン系樹脂10mgを25℃から昇温速度10℃/分にて250℃まで加熱し、250℃にて3分間に亘って保持する。次に、オレフィン系樹脂を250℃から降温速度10℃/分にて25℃まで冷却して25℃にて3分間に亘って保持する。続いて、オレフィン系樹脂を25℃から昇温速度10℃/分にて250℃まで再加熱し、この再加熱工程における吸熱ピークの頂点の温度を、オレフィン系樹脂の融点とする。
合成樹脂微多孔フィルムは、微小孔部を含んでいる。微小孔部は、フィルム厚み方向に貫通していることが好ましく、これにより耐熱性合成樹脂微多孔フィルムに優れた透気性を付与することができる。このような耐熱性合成樹脂微多孔フィルムはその厚み方向にリチウムイオンなどのイオンを透過させることが可能となる。
合成樹脂微多孔フィルムの透気度は、50〜600sec/100mLが好ましく、100〜300sec/100mLがより好ましい。透気度が上記範囲内である合成樹脂微多孔フィルムによれば、機械的強度とイオン透過性の双方に優れている耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを提供することができる。
なお、合成樹脂微多孔フィルムの透気度は、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下でJIS P8117に準拠して、合成樹脂微多孔フィルムの長さ方向に10cm間隔で10箇所測定し、その相加平均値を算出することにより得られた値とする。
合成樹脂微多孔フィルムの表面開口率は、25〜55%が好ましく、30〜50%がより好ましい。表面開口率が上記範囲内である合成樹脂微多孔フィルムによれば、機械的強度とイオン透過性の双方に優れている耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを提供することができる。
なお、合成樹脂微多孔フィルムの表面開口率は下記の要領で測定することができる。先ず、合成樹脂微多孔フィルム表面の任意の部分において、縦9.6μm×横12.8μmの平面長方形状の測定部分を定め、この測定部分を倍率1万倍にて写真撮影する。
次いで、測定部分内に形成された各微小孔部を、長辺と短辺の何れか一方が合成樹脂微多孔フィルムの長さ方向(延伸方向)に平行となる長方形で囲む。この長方形は、長辺及び短辺が共に最小寸法となるように調整する。長方形の面積を各微小孔部の開口面積とする。各微小孔部の開口面積を合計して微小孔部の総開口面積S(μm2)を算出する。この微小孔部の総開口面積S(μm2)を122.88μm2(9.6μm×12.8μm)で除して100を乗じた値を表面開口率(%)とする。なお、測定部分と、測定部分でない部分とに跨がって存在している微小孔部については、微小孔部のうち、測定部分内に存在している部分のみを測定対象とする。
合成樹脂微多孔フィルムの厚みは、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
なお、本発明において、合成樹脂微多孔フィルムの厚みの測定は、次の要領に従って行うことができる。すなわち、合成樹脂微多孔フィルムの任意の10箇所をダイヤルゲージを用いて測定し、その相加平均値を合成樹脂微多孔フィルムの厚みとする。
合成樹脂微多孔フィルムとしては、延伸法によって製造されたオレフィン系樹脂微多孔フィルムがより好ましい。延伸法によって製造されたオレフィン系樹脂微多孔フィルムは、延伸によって発生した残留歪みによって、高温時に特に熱収縮を生じやすい。一方、本発明の皮膜層によれば、オレフィン系樹脂微多孔フィルムの熱収縮を低減することができ、したがって、本発明による効果を特に発揮できる。
オレフィン系樹脂微多孔フィルムを延伸法により製造する方法として、具体的には、
(1)オレフィン系樹脂を押し出すことによりオレフィン系樹脂フィルムを得る工程と、このオレフィン系樹脂フィルム中にラメラ結晶を発生及び成長させる工程と、オレフィン系樹脂フィルムを延伸してラメラ結晶間を離間させることにより微小孔部が形成されてなるオレフィン系樹脂微多孔フィルムを得る工程とを有する方法;
(2)オレフィン系樹脂と充填剤とを含んでいるオレフィン系樹脂組成物を押し出すことによりオレフィン系樹脂フィルムを得る工程と、このオレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸又は二軸延伸してオレフィン系樹脂と充填剤との界面を剥離させることにより微小孔部が形成されてなるオレフィン系樹脂微多孔フィルムを得る工程とを有する方法;及び
(3)オレフィン系樹脂と抽出可能物(例えば、充填剤や可塑剤など)とを含んでいるオレフィン系樹脂組成物を押し出すことによりオレフィン系樹脂フィルムを得る工程と、オレフィン系樹脂フィルムから抽出可能物を溶剤によって抽出することにより微小孔部を形成する工程と、微小孔部を形成したオレフィン系樹脂フィルムを延伸することによりオレフィン系樹脂微多孔フィルムを得る工程とを有する方法などが挙げられる。
(1)オレフィン系樹脂を押し出すことによりオレフィン系樹脂フィルムを得る工程と、このオレフィン系樹脂フィルム中にラメラ結晶を発生及び成長させる工程と、オレフィン系樹脂フィルムを延伸してラメラ結晶間を離間させることにより微小孔部が形成されてなるオレフィン系樹脂微多孔フィルムを得る工程とを有する方法;
(2)オレフィン系樹脂と充填剤とを含んでいるオレフィン系樹脂組成物を押し出すことによりオレフィン系樹脂フィルムを得る工程と、このオレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸又は二軸延伸してオレフィン系樹脂と充填剤との界面を剥離させることにより微小孔部が形成されてなるオレフィン系樹脂微多孔フィルムを得る工程とを有する方法;及び
(3)オレフィン系樹脂と抽出可能物(例えば、充填剤や可塑剤など)とを含んでいるオレフィン系樹脂組成物を押し出すことによりオレフィン系樹脂フィルムを得る工程と、オレフィン系樹脂フィルムから抽出可能物を溶剤によって抽出することにより微小孔部を形成する工程と、微小孔部を形成したオレフィン系樹脂フィルムを延伸することによりオレフィン系樹脂微多孔フィルムを得る工程とを有する方法などが挙げられる。
なかでも、微小孔部が均一に且つ多数形成されているオレフィン系樹脂微多孔フィルムが得られることから、(1)の方法が好ましい。
(皮膜層)
本発明の耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは、合成樹脂微多孔フィルム表面の少なくとも一部に形成された皮膜層を有している。この皮膜層は、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物の重合体を含んでいる。このような重合体を含んでいる皮膜層は、高い硬度を有していると共に、適度な弾性及び伸度を有している。したがって、上記重合体を含んでいる皮膜層を用いることによって、突き刺し強度などの機械的強度及び耐熱性の双方に優れている耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを提供することができる。
本発明の耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは、合成樹脂微多孔フィルム表面の少なくとも一部に形成された皮膜層を有している。この皮膜層は、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物の重合体を含んでいる。このような重合体を含んでいる皮膜層は、高い硬度を有していると共に、適度な弾性及び伸度を有している。したがって、上記重合体を含んでいる皮膜層を用いることによって、突き刺し強度などの機械的強度及び耐熱性の双方に優れている耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを提供することができる。
皮膜層は、合成樹脂微多孔フィルムの表面の少なくとも一部に形成されていればよいが、合成樹脂微多孔フィルムの表面全面に形成されていることが好ましく、合成樹脂微多孔フィルムの表面、及び合成樹脂微多孔フィルム表面から連続する微小孔部の壁面にも形成されていることがより好ましい。
また、重合性化合物を用いることにより、合成樹脂微多孔フィルムの微小孔部を閉塞しないように、合成樹脂微多孔フィルム表面に皮膜層を形成することができる。これによって、優れた透気性及びイオン透過性が確保されている耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを提供することができる。
重合性化合物は、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有している。ラジカル重合性官能基は、活性エネルギー線の照射によってラジカル重合可能なラジカル重合性不飽和結合を含んでいる官能基である。ラジカル重合性官能基としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリロイル基やビニル基などが挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
重合性化合物としては、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する多官能性アクリル系モノマー、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有するビニル系オリゴマー、1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多官能性(メタ)アクリレート変性物、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する樹枝状ポリマー、及び(メタ)アクリロイル基を2個以上有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。また、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
多官能性アクリル系モノマーは、ラジカル重合性官能基を1分子中に2個以上有していればよいが、ラジカル重合性官能基を1分子中に3個以上有している3官能以上の多官能性アクリル系モノマーが好ましく、ラジカル重合性官能基を1分子中に3〜6個有している3官能〜6官能の多官能性アクリル系モノマーがより好ましい。
多官能性アクリル系モノマーとしては、
1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、及びトリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の2官能の多官能性アクリル系モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、及びエトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能性アクリル系モノマー;
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、及びエトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能の多官能性アクリル系モノマー;
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の5官能の多官能性アクリル系モノマー;
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能の多官能性アクリル系モノマー;
等を例示することができる。
1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、及びトリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の2官能の多官能性アクリル系モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、及びエトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能性アクリル系モノマー;
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、及びエトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能の多官能性アクリル系モノマー;
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の5官能の多官能性アクリル系モノマー;
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能の多官能性アクリル系モノマー;
等を例示することができる。
ビニル系オリゴマーとしては、特に限定されず、例えば、ポリブタジエン系オリゴマー等を例示することができる。なお、ポリブタジエン系オリゴマーとは、ブタジエン骨格を有するオリゴマーを意味する。ポリブタジエン系オリゴマーは、単量体成分として、ブタジエン成分を含む重合体が挙げられる。ポリブタジエン系オリゴマーの単量体成分としては、1,2−ブタジエン成分、及び1,3−ブタジエン成分が挙げられる。なかでも、1,2−ブタジエン成分が好ましい。
ビニル系オリゴマーとしては、主鎖の両末端に水素原子を有するものであってもよく、また、末端の水素原子が、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ヒロドキシエチル基などのヒドロキシアルキル基によって置換されたものであっても構わない。また、ビニル系オリゴマーとしては、分子鎖の側鎖又は末端に、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、及びビニル基などラジカル重合性官能基を有するものであっても構わない。
ポリブタジエン系オリゴマーとしては、
ポリ(1,2−ブタジエン)オリゴマー、ポリ(1,3−ブタジエン)オリゴマー等のポリブタジエンオリゴマー;
ブタジエン骨格に含まれる炭素−炭素二重結合の少なくとも一部がエポキシ化されることによって、分子内にエポキシ基が導入されたエポキシ化ポリブタジエンオリゴマー;
ブタジエン骨格を有し、且つ主鎖の側鎖又は末端に(メタ)アクリロイル基を有しているポリブタジエン(メタ)アクリレートオリゴマー;
等を例示することができる。
ポリ(1,2−ブタジエン)オリゴマー、ポリ(1,3−ブタジエン)オリゴマー等のポリブタジエンオリゴマー;
ブタジエン骨格に含まれる炭素−炭素二重結合の少なくとも一部がエポキシ化されることによって、分子内にエポキシ基が導入されたエポキシ化ポリブタジエンオリゴマー;
ブタジエン骨格を有し、且つ主鎖の側鎖又は末端に(メタ)アクリロイル基を有しているポリブタジエン(メタ)アクリレートオリゴマー;
等を例示することができる。
ポリブタジエン系オリゴマーは市販されている製品を用いることができる。ポリ(1,2−ブタジエン)オリゴマーとしては、日本曹達社製 商品名「B−1000」、「B−2000」及び「B−3000」等を例示することができる。主鎖の両末端にヒドロキシ基を有するポリブタジエンオリゴマーとしては、日本曹達社製 商品名「G−1000」、「G−2000」及び「G−3000」等を例示することができる。エポキシ化ポリブタジエンオリゴマーとしては、日本曹達社製 商品名「JP−100」及び「JP−200」等を例示することができる。ポリブタジエン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、日本曹達社製 商品名「TE−2000」、「EA−3000」及び「EMA−3000」等を例示することができる。
多官能性(メタ)アクリレート変性物は、ラジカル重合性官能基を1分子中に2個以上有していればよいが、ラジカル重合性官能基を1分子中に3個以上有している3官能以上の多官能性(メタ)アクリレート変性物が好ましく、ラジカル重合性官能基を1分子中に3〜6個有している3官能〜6官能の多官能性(メタ)アクリレート変性物がより好ましい。
多官能性(メタ)アクリレート変性物としては、多官能性(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、及び多官能性(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物が好ましく挙げられる。
多官能性(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物は、好ましくは、多価アルコールとアルキレンオキサイドとの付加物を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得られる。また、多官能性(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物は、好ましくは、多価アルコールとカプロラクトンとの付加物を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得られる。
アルキレンオキサイド変性物及びカプロラクトン変性物における多価アルコールとしては、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、及びトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸などが挙げられる。
アルキレンオキサイド変性物におけるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、イソプロピレンオキサイド、及びブチレンオキサイドなどが挙げられる。
カプロラクトン変性物におけるカプロラクトンとしては、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、及びγ−カプロラクトンなどが挙げられる。
多官能性(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物において、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、ラジカル重合性官能基当たり、1モル以上であればよい。アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、ラジカル重合性官能基当たり、1モル以上で且つ4モル以下が好ましく、1モル以上で且つ3モル以下がより好ましい。
3官能の多官能性(メタ)アクリレート変性物としては、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物;
グリセリルトリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、グリセリルトリ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、グリセリルトリ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、グリセリルトリ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びグリセリルトリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのグリセリルトリ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにグリセリルトリ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物;並びに、
トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのエチレンオキサイド変性物、トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのプロピレンオキサイド変性物、トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのイソプロピレンオキサイド変性物、トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのブチレンオキサイド変性物、及びトリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのトリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにトリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのカプロラクトン変性物、などが挙げられる。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物;
グリセリルトリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、グリセリルトリ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、グリセリルトリ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、グリセリルトリ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びグリセリルトリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのグリセリルトリ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにグリセリルトリ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物;並びに、
トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのエチレンオキサイド変性物、トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのプロピレンオキサイド変性物、トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのイソプロピレンオキサイド変性物、トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのブチレンオキサイド変性物、及びトリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのトリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにトリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのカプロラクトン変性物、などが挙げられる。
4官能の多官能性(メタ)アクリレート変性物として、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物;並びに
ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物、などが挙げられる。
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物;並びに
ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物、などが挙げられる。
5官能以上の多官能性(メタ)アクリレート変性物として、具体的には、
ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物、などが挙げられる。
ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物、などが挙げられる。
多官能性(メタ)アクリレート変性物として、市販されている商品を用いることもできる。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物としては、サートマー社製の商品名「SR454」、「SR499」及び「SR502」、大阪有機化学社製の商品名「ビスコート#360」、並びにMiwon社製の商品名「Miramer M3130」、「Miramer M3160」及び「Miramer M3190」などが挙げられる。トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物としては、サートマー社製の商品名「SR492」及び「CD501」、並びにMiwon社製の商品名「Miramer M360」などが挙げられる。トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物としては、日本化薬社製の商品名「TPA−330」などが挙げられる。
グリセリルトリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物としては、新中村化学社製の商品名「A−GYL−3E」及び「A−GYL−9E」などが挙げられる。グリセリルトリ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物としては、サートマー社製の商品名「SR9020」及び「CD9021」などが挙げられる。グリセリルトリ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物としては、日本化薬社製の商品名「GPO−303」などが挙げられる。
トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのカプロラクトン変性物としては、新中村化学社製の商品名「A−9300−1CL」、「A−9300−3CL」などが挙げられる。
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物としては、Miwon社製の商品名「Miramer M4004」などが挙げられる。ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物としては、新中村化学社製の商品名「AD−TMP−4E」などが挙げられる。
ジペンタエリスリトールポリアクリレートのエチレンオキサイド変性物としては、新中村化学社製の商品名「A−DPH−12E」などが挙げられる。ジペンタエリスリトールポリアクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物としては、新中村化学社製の商品名「A−DPH−6P」などが挙げられる。
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹枝状ポリマーとは、(メタ)アクリロイル基を配置した枝分子を放射状に組み立てた球状の巨大分子を意味する。
(メタ)アクリロイル基を有する樹枝状ポリマーとしては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するデンドリマー、及び1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するハイパーブランチポリマーが挙げられる。
デンドリマーとは、(メタ)アクリレートを枝分子とし、(メタ)アクリレートを球状に集積することによって得られる球状高分子を意味する。
デンドリマーは、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有していればよいが、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有している3官能以上のデンドリマーが好ましく、1分子中に5〜20個の(メタ)アクリロイル基を有している多官能デンドリマーがより好ましい。
デンドリマーの重量平均分子量は、1000〜50000が好ましく、1500〜25000がより好ましい。デンドリマーの重量平均分子量を上記範囲内とすることによって、デンドリマー分子内の結合密度とデンドリマー分子同士の結合密度とが「密」と「粗」となり、これにより高い硬度を有していると共に、適度な弾性及び伸度を有している皮膜層を形成することができる。
なお、デンドリマーの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレンにより換算された値とする。
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹枝状ポリマーとして、市販されている商品を用いることもできる。1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するデンドリマーとして、サートマー社製の商品名「CN2302」、「CN2303」及び「CN2304」、大阪有機化学社製の商品名「V1000」、「SUBARU−501」、及び「SIRIUS−501」、並びに新中村化学社製の商品名「A−HBR−5」などが挙げられる。
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するハイパーブランチポリマーとは、ABx型の多官能性モノマー(ここでAとBは互いに反応する官能基、Bの数Xは2以上)を重合させて得られる不規則な分岐構造を有する高分岐構造体の表面および内部を(メタ)アクロイル基によって修飾することによって得られる球状高分子を意味する。
(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する。
ウレタンアクリレートオリゴマーは、例えば、ポリイソシアネート化合物と、ヒドロキシル基またはイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートと、ポリオール化合物とを反応させることにより得られる。
ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、例えば、(1)ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを更に反応させて得られるウレタンアクリレート、及び(2)ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させて得られる末端ヒドロキシル基含有ウレタンプレポリマーに、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートを更に反応させて得られるウレタンアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、及びジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどが挙げられる。
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及びポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えば、アルキレン型、ポリカーボネート型、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物が挙げられる。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、及びポリエーテルジオールなどが挙げられる。
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとして、市販されている商品を用いることもできる。例えば、新中村化学社製の商品名「UA−122P」、共栄社化学社製の商品名「UF−8001G」、サートマー社製の商品名「CN977」、「CN999」、「CN963」、「CN985」、「CN970」、「CN133」、「CN975」及び「CN997」、ダイセルオルネクス社製の商品名「IRR214−K」、並びに日本化薬社製の商品名「UX−5000」、「UX−5102D−M20」、「UX−5005」、及び「DPHA−40H」などが挙げられる。また、重合性化合物として、サートマー社製 商品名「CN113」などの脂肪族特殊オリゴマーを用いることもできる。
本発明においては、上記した重合性化合物のうち、多官能性アクリル系モノマーが好ましく、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが好ましい。これらによれば、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムに機械的強度を低下させることなく、優れた耐熱性を付与することができる。
重合性化合物として多官能性アクリル系モノマーを用いる場合、重合性化合物中における多官能性アクリル系モノマーの含有量は、30質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。多官能性アクリル系モノマーを30質量%以上含んでいる重合性化合物を用いることにより、得られる耐熱性合成樹脂微多孔フィルムに、透気性を低下させることなく優れた耐熱性を付与することができる。
なお、本発明においては、重合性化合物としては、上記した重合性化合物のうちの一種のみを用いてもよく、二種以上の重合性化合物を併用しても構わない。
皮膜層は、上述した重合性化合物の重合体を含んでいる。この重合体は、活性エネルギー線の照射によって重合性化合物が重合されてなる重合体であることが好ましい。即ち、上記重合体は、活性エネルギー線の照射による重合性化合物の重合体であることが好ましい。このような重合体を含んでいる皮膜層は高い硬度を有しており、これにより高温下における耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの熱収縮を低減して、耐熱性を向上させることができる。
活性エネルギー線としては、特に限定されず、例えば、電子線、プラズマ、紫外線、α線、β線、及びγ線などが挙げられる。なかでも、電子線及び紫外線が好ましく、電子線がより好ましい。
皮膜層中の重合体の一部と合成樹脂微多孔フィルム中の合成樹脂との一部とが化学的に結合していることが好ましい。このような重合体を含んでいる皮膜層を用いることによって、上述した通り、高温下における熱収縮が低減され、優れた耐熱性を有する耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを提供することができる。化学的な結合としては、特に制限されず、共有結合、イオン結合、及び分子間結合などが挙げられる。
耐熱性合成樹脂微多孔フィルム中における皮膜層の含有量は、合成樹脂微多孔フィルム100質量部に対して、5〜80質量部が好ましく、5〜60質量部がより好ましく、10〜40質量部が特に好ましい。皮膜層の含有量を上記範囲内とすることによって、合成樹脂微多孔フィルム表面の微小孔部を閉塞させることなく皮膜層を均一に形成することができる。これにより、透気性を低下させることなく耐熱性が向上されている耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを提供することができる。
皮膜層の厚みは、特に制限されないが、1〜100nmが好ましく、5〜50nmがより好ましい。皮膜層の厚みを上記範囲内とすることによって、合成樹脂微多孔フィルム表面に微小孔部を閉塞させることなく皮膜層を均一に形成することができる。これにより、透気性を低下させることなく耐熱性が向上されている耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを提供することができる。
皮膜層は、無機粒子を含んでいなくても、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの耐熱性を向上させることができる。したがって、皮膜層は、無機粒子を含んでいないことが好ましい。しかしながら、必要に応じて、皮膜層は無機粒子を含んでいてもよい。無機粒子としては、耐熱性多孔質層に一般的に用いられている無機粒子が挙げられる。無機粒子を構成する材料としては、例えば、Al2O3、SiO2、TiO2、及びMgOなどが挙げられる。
(耐熱性合成樹脂微多孔フィルム)
本発明の耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは、上述した通り、合成樹脂微多孔フィルムと、この合成樹脂微多孔フィルム表面の少なくとも一部に形成された皮膜層とを含んでいる。
本発明の耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは、上述した通り、合成樹脂微多孔フィルムと、この合成樹脂微多孔フィルム表面の少なくとも一部に形成された皮膜層とを含んでいる。
耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを25℃から250℃まで5℃/分の昇温速度にて加熱した際の、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの最大熱収縮率は、15%以下であるが、5〜15%が好ましく、8〜13%がより好ましい。耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは、皮膜層によって高温下における熱収縮が低減されており、優れた耐熱性を有している。したがって、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの最大熱収縮率を15%以下とすることができる。
なお、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの最大熱収縮率の測定は、次の通りに行うことができる。先ず、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを切断することにより、平面長方形状の試験片(幅3mm×長さ30mm)を得る。この時、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの長さ方向(押出方向)と試験片の長さ方向とを平行にする。試験片の長さ方向の両端部をつかみ具により把持して、TMA測定装置(例えば、セイコーインスツル社製 商品名「TMA−SS6000」など)に取り付ける。この時、つかみ具間の距離を10mmとし、つかみ具は試験片の熱収縮に伴って移動可能とする。そして、試験片に長さ方向に19.6mN(2gf)の張力を加えた状態で、試験片を25℃から250℃まで5℃/分の昇温速度にて加熱し、各温度においてつかみ具間の距離L(mm)を測定し、下記式に基づいて熱収縮率を算出し、その最大値を最大熱収縮率とする。
熱収縮率(%)=100×(10−L)/10
熱収縮率(%)=100×(10−L)/10
耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの突き刺し強度は、0.6N以上であるが、0.8N以上が好ましく、1.0〜1.2Nがより好ましい。突き刺し強度が0.6N以上である耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは、機械的強度に優れており、これにより電池の生産性や安全性を向上させることができる。
耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを70℃で168時間加熱した後の、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの突き刺し強度の維持率は、85%以上であるが、90%以上がより好ましい。突き刺し強度の維持率が85%以上である耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは、経時的な機械的強度の低下が抑制されており、優れた機械的強度を長期間に亘って維持することができる。
なお、本発明において、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの突き刺し強度は、JIS Z1707(1998)に準拠して測定することができる。具体的には、直径1.0mm、先端形状が半径0.5mmの半円形である針を50mm/分の速度で耐熱性合成樹脂微多孔フィルムに突刺し、針が貫通するまでの最大応力を突き刺し強度とする。
そして、加熱前の耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの突き刺し強度S1[N]、及び70℃で168時間加熱した後の耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの突き刺し強度S2[N]を、上述した要領に従って測定し、下記式により突き刺し強度の維持率[%]を算出することができる。
突き刺し強度の維持率[%]=100×S2/S1
突き刺し強度の維持率[%]=100×S2/S1
耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの透気度は、特に限定されないが、50〜600sec/100mLが好ましく、100〜300sec/100mLがより好ましい。耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは、上述した通り、皮膜層の形成によって合成樹脂微多孔フィルムの微小孔部の閉塞が低減されており、皮膜層の形成による透気性の低下が低減されている。したがって、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの透気度を上記範囲内にすることができる。透気度が上記範囲内である耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは、イオン透過性に優れている。
なお、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの透気度の測定方法としては、合成樹脂微多孔フィルムの透気度の上述した測定方法と同じ方法が用いられる。
耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの表面開口率は、特に限定されないが、30〜55%が好ましく、30〜50%がより好ましい。上述した通り、皮膜層の形成によって合成樹脂微多孔フィルムの微小孔部の閉塞が低減されており、これにより耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの表面開口率を上記範囲内にすることができる。表面開口率が上記範囲内である耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは、機械的強度とイオン透過性の双方に優れている。
合成樹脂微多孔フィルムの表面開口率の測定方法としては、合成樹脂微多孔フィルムの表面開口率の上述した測定方法と同じ方法が用いられる。
耐熱性合成樹脂微多孔フィルムにおいて、200℃の酸素雰囲気中で測定したOIT(酸素誘導期間)は7分以上であり、15分以上が好ましく、30分以上がより好ましい。OITが7分以上であることによって、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの酸化劣化を抑え、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの機械的強度の経時的な低下を抑制することができる。
耐熱性合成樹脂微多孔フィルムにおける200℃の酸素雰囲気中で測定したOITは下記の要領で測定される。φ=5mmのアルミニウム製サンプルパンに耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを5mg詰めた後、SUSメッシュの蓋を被せ、示差走査熱量計(DSC) にセットする。流量50mL/minの窒素雰囲気下で、20℃から200℃まで昇温速度20℃/分で加熱した後、5分間保持する。その後、窒素雰囲気を流量50mL/minの酸素雰囲気に切り換える。窒素雰囲気から酸素雰囲気に切り換えてから発熱反応が始まるまでの時間を測定し、この時間をOITとする。発熱反応の開始時間は、縦軸をDSC(mW)、横軸を時間(min)としたチャートにおける発熱ピークの傾き正の接線と、内挿されたベースラインとの交点とする。なお、発熱ピークの傾き正の接線は内挿されたベースラインとピークトップとの間の横軸に垂直な距離の中点近傍の値から計算する。上記耐熱性合成樹脂微多孔フィルムのOIT測定は、例えば、セイコーインスツル社から商品名「DSC220C」にて市販されている測定装置を用いることができる。
耐熱性合成樹脂微多孔フィルムのラジカル量は、2.0×1016spins/100mg以下が好ましく、2.0×1014〜2.0×1016spins/100mgがより好ましく、2.0×1014〜2.0×1015spins/100mgが特に好ましい。ラジカル量を少なくすることによって、残存ラジカルによる耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの機械的強度の経時的な低下を抑制することができる。
なお、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムのラジカル量は、電子スピン共鳴法(Electron Spin Resonance(ESR))によって測定された値とする。耐熱性合成樹脂微多孔フィルムのラジカル量の測定は、次の通りにして行うことができる。先ず、耐熱性合成樹脂微多孔フィルム80mgを試料として用い、この試料をXバンド測定用石英製試料管(長さ10cm、径4mm)に入れる。そして、試料について電子スピン共鳴(ESR)測定装置(例えば、日本電子社製 商品名「FA-200」など)を用いて、室温で測定を行う。試料のマイクロ波の共鳴ディップを確認し、シグナルを観測する。測定は以下の条件で行う。
出力:1.01mW
センター磁場:336mT
掃引幅:±10mT
掃引時間:4min
モジュレーション幅(FMW):0.6mT
ゲイン:×20
タイムコンスタント:0.03sec
積算回数:1回
データポイント数:8192
Mn2+デジタルマーカー設定:850
標準物質:TEMPOL(4-hydroxy-2,2,6,6-tetramethyl piperidine-1-oxyl)
<データ処理条件>
ベースライン補正:Mn2+第3及び第4シグナルの2信号による補正
シグナル波高比:Mn2+(第3シグナル)は、試料のシグナルと重なるため基準のMn2+(第4シグナル)の波高を用い、試料のシグナル波高に対する波高の比で表示する。サンプルのシグナル波高比(S)を求めた後、事前に測定した試料の重量(Ws)から、サンプル重量を100mgとした時のシグナル波高比(補正シグナル波高比)を下記式(1)より求める。
補正シグナル波高比 = S×(100/Ws) (1)
スピン数:TEMPOLを標準物質として用い、Mn2+デジタルマーカーを850に設定した際の、Mn2+の第3シグナルのスピン数を求める。Mn2+の第3シグナルの測定サンプルのシグナルに対する相対強度からサンプルのスピン数を算出する。また、試料100mgあたりのスピン数も示す。
g値:Mn2+の第3及び第4シグナルのg値と磁場間隔、及びサンプルのシグナルの中心磁場から演算プログラムによりg値を算出する。
出力:1.01mW
センター磁場:336mT
掃引幅:±10mT
掃引時間:4min
モジュレーション幅(FMW):0.6mT
ゲイン:×20
タイムコンスタント:0.03sec
積算回数:1回
データポイント数:8192
Mn2+デジタルマーカー設定:850
標準物質:TEMPOL(4-hydroxy-2,2,6,6-tetramethyl piperidine-1-oxyl)
<データ処理条件>
ベースライン補正:Mn2+第3及び第4シグナルの2信号による補正
シグナル波高比:Mn2+(第3シグナル)は、試料のシグナルと重なるため基準のMn2+(第4シグナル)の波高を用い、試料のシグナル波高に対する波高の比で表示する。サンプルのシグナル波高比(S)を求めた後、事前に測定した試料の重量(Ws)から、サンプル重量を100mgとした時のシグナル波高比(補正シグナル波高比)を下記式(1)より求める。
補正シグナル波高比 = S×(100/Ws) (1)
スピン数:TEMPOLを標準物質として用い、Mn2+デジタルマーカーを850に設定した際の、Mn2+の第3シグナルのスピン数を求める。Mn2+の第3シグナルの測定サンプルのシグナルに対する相対強度からサンプルのスピン数を算出する。また、試料100mgあたりのスピン数も示す。
g値:Mn2+の第3及び第4シグナルのg値と磁場間隔、及びサンプルのシグナルの中心磁場から演算プログラムによりg値を算出する。
(耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの製造方法)
本発明の耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの製造方法としては、例えば、下記工程、
合成樹脂微多孔フィルムの表面の少なくとも一部に、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を塗布する塗布工程と、
上記重合性化合物を塗布した合成樹脂微多孔フィルムに、活性エネルギー線を照射する照射工程と、
上記活性エネルギー線を照射した合成樹脂微多孔フィルムを、酸素濃度が20ppm以下の雰囲気下で加熱処理する加熱工程と、
を有する製造方法を例示することができる。
本発明の耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの製造方法としては、例えば、下記工程、
合成樹脂微多孔フィルムの表面の少なくとも一部に、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を塗布する塗布工程と、
上記重合性化合物を塗布した合成樹脂微多孔フィルムに、活性エネルギー線を照射する照射工程と、
上記活性エネルギー線を照射した合成樹脂微多孔フィルムを、酸素濃度が20ppm以下の雰囲気下で加熱処理する加熱工程と、
を有する製造方法を例示することができる。
(塗布工程)
本発明の方法では、先ず、合成樹脂微多孔フィルムの表面の少なくとも一部に、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を塗布する塗布工程を実施する。
本発明の方法では、先ず、合成樹脂微多孔フィルムの表面の少なくとも一部に、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を塗布する塗布工程を実施する。
合成樹脂微多孔フィルム表面に重合性化合物を塗布することによって、合成樹脂微多孔フィルム表面に重合性化合物を付着させることができる。この時、重合性化合物をそのまま合成樹脂微多孔フィルム表面に塗布してもよい。しかしながら、重合性化合物を溶媒中に分散又は溶解させて塗布液を得、この塗布液を合成樹脂微多孔フィルム表面に塗布することが好ましい。このように重合性化合物を塗布液として用いることによって、微小孔部の閉塞を低減しながら、合成樹脂微多孔フィルム表面に重合性化合物を均一に付着させることができる。これにより皮膜層が均一に形成され、透気性を低下させることなく、耐熱性が向上された耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを製造することが可能となる。
更に、塗布液は合成樹脂微多孔フィルムにおける微小孔部の壁面にも円滑に流動することができ、これにより合成樹脂微多孔フィルムの表面だけでなく、この表面に連続する微小孔部の開口端部の壁面にも皮膜層を形成することができる。これにより皮膜層を合成樹脂微多孔フィルムの表面に強固に一体化させることができる。
また、2官能以上のラジカル重合性官能基を有する重合性化合物は合成樹脂微多孔フィルムに対する馴染み性に優れていることから、合成樹脂微多孔フィルムに微小孔部を閉塞させることなく重合性化合物を塗布することができる。これにより、合成樹脂微多孔フィルムの微小孔部に対応する箇所に、厚み方向に貫通する貫通孔を有している皮膜層を形成することができる。したがって、このような皮膜層によれば、透気性を低下させることなく、耐熱性が向上された耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを提供することができる。
塗布液に用いられる溶媒としては、重合性化合物を溶解又は分散させることができれば、特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エチル、クロロホルムなどが挙げられる。なかでも、酢酸エチル、エタノール、メタノール、アセトンが好ましい。これらの溶媒は、塗布液を合成樹脂微多孔フィルム表面に塗布した後に円滑に除去することができる。さらに、上記溶媒は、リチウムイオン二次電池などの二次電池を構成している電解液との反応性が低く、安全性にも優れている。
塗布液中における重合性化合物の含有量は、3〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。重合性化合物の含有量を上記範囲内とすることによって、合成樹脂微多孔フィルム表面に微小孔部を閉塞させることなく皮膜層を均一に形成することができ、したがって、透気性を低下させることなく耐熱性が向上されている耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを製造することができる。
合成樹脂微多孔フィルム表面への重合性化合物の塗布方法としては、特に制限されず、例えば、(1)合成樹脂微多孔フィルム表面に重合性化合物を塗布する方法;(2)重合性化合物中に合成樹脂微多孔フィルムを浸漬して、合成樹脂微多孔フィルム表面に重合性化合物を塗布する方法;(3)重合性化合物を溶媒中に溶解又は分散させて塗布液を作製し、この塗布液を合成樹脂微多孔フィルムの表面に塗布した後、合成樹脂微多孔フィルムを加熱して溶媒を除去する方法;及び(4)重合性化合物を溶媒中に溶解又は分散させて塗布液を作製し、この塗布液中に合成樹脂微多孔フィルムを浸漬して、塗布液を合成樹脂微多孔フィルム中に塗布した後、合成樹脂微多孔フィルムを加熱して溶媒を除去する方法が挙げられる。なかでも、上記(3)(4)の方法が好ましい。これらの方法によれば、重合性化合物を合成樹脂微多孔フィルム表面に均一に塗布することができる。
上記(3)及び(4)の方法において、溶媒を除去するための合成樹脂微多孔フィルムの加熱温度は、用いられる溶媒の種類や沸点によって設定することができる。溶媒を除去するための合成樹脂微多孔フィルムの加熱温度は、50〜140℃が好ましく、70〜130℃がより好ましい。加熱温度を上記範囲内とすることによって、合成樹脂微多孔フィルムの熱収縮や微小孔部の閉塞を低減しつつ、塗布された溶媒を効率的に除去することができる。
上記(3)及び(4)の方法において、溶媒を除去するための合成樹脂微多孔フィルムの加熱時間は、特に制限されず、用いられる溶媒の種類や沸点によって設定することができる。溶媒を除去するための合成樹脂微多孔フィルムの加熱時間は、0.02〜60分が好ましく、0.1〜30分がより好ましい。
上述の通り、合成樹脂微多孔フィルム表面に重合性化合物又は塗布液を塗布することによって、合成樹脂微多孔フィルム表面に重合性化合物を付着させることができる。
(照射工程)
本発明の方法では、次に、重合性化合物を塗布した上記合成樹脂微多孔フィルムに、活性エネルギー線を照射する照射工程を実施する。これにより重合性化合物を重合させて、重合性化合物の重合体を含む皮膜層を、合成樹脂微多孔フィルム表面の少なくとも一部、好ましくは表面全面に一体的に形成することができる。
本発明の方法では、次に、重合性化合物を塗布した上記合成樹脂微多孔フィルムに、活性エネルギー線を照射する照射工程を実施する。これにより重合性化合物を重合させて、重合性化合物の重合体を含む皮膜層を、合成樹脂微多孔フィルム表面の少なくとも一部、好ましくは表面全面に一体的に形成することができる。
活性エネルギー線を照射することで、合成樹脂微多孔フィルム中に含まれている合成樹脂の一部が分解して、合成樹脂微多孔フィルムの引き裂き強度などの機械的強度が低下する可能性がある。しかしながら、重合性化合物の重合体を含む皮膜層によれば、上述した通り、合成樹脂微多孔フィルムの機械的強度の低下を補うことができ、これにより機械的強度及び耐熱性の双方に優れている耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを提供することが可能となる。
合成樹脂微多孔フィルムに対する活性エネルギー線の照射線量は、合成樹脂微多孔フィルムがホモポリプロピレンを含む場合、20〜100kGyであるが、30〜80kGyが好ましく、40〜70kGyがより好ましい。活性エネルギー線の照射線量を上記範囲内とすることによって、合成樹脂微多孔フィルム中の合成樹脂の劣化を低減しながら重合性化合物を重合させることができ、これにより機械的強度及び耐熱性の双方に優れている耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを提供することができる。
活性エネルギー線としては、特に限定されず、例えば、電子線、プラズマ、紫外線、α線、β線、及びγ線などが挙げられる。なかでも、電子線及び紫外線が好ましく、電子線がより好ましい。
活性エネルギー線として電子線を用いる場合、合成樹脂微多孔フィルムに対する電子線の加速電圧は特に限定されないが、50〜300kVが好ましく、100〜250kVがより好ましい。電子線の加速電圧を上記範囲内とすることによって、合成樹脂微多孔フィルム中の合成樹脂の劣化を低減しながら皮膜層を形成することができる。
活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、合成樹脂微多孔フィルムに対する紫外線の積算光量は、1000〜5000mJ/cm2が好ましく、1000〜4000mJ/cm2がより好ましく、1500〜3700mJ/cm2が特に好ましい。なお、活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、上記塗布液に光重合開始剤が含まれていることが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、及びアントラキノンなどが挙げられる。
活性エネルギー線としてプラズマを用いる場合、合成樹脂微多孔フィルムに対するプラズマのエネルギー密度は特に限定されないが、5〜50J/cm2が好ましく、10〜45J/cm2がより好ましく、20〜45J/cm2が特に好ましい。
照射工程において、酸素濃度が20ppm以下の雰囲気下で、重合性化合物を塗布した合成樹脂微多孔フィルムに活性エネルギー線を照射することが好ましい。照射工程における雰囲気中の酸素濃度は、20ppm以下が好ましいが、10〜0ppmがより好ましく、5〜0ppmが特に好ましい。このような酸素濃度の雰囲気下で照射工程を実施することにより、重合性化合物の重合反応後に残存ラジカルが発生したとしても、この残存ラジカルを酸素がトラップすることができる。これにより、残存ラジカルによる耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの機械的強度の経時的な低下を抑制することができる。
照射工程は、不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。これにより、照射工程における雰囲気中の酸素濃度を容易に調整することができる。不活性ガスとしては、特に制限されず、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、及びこれらの混合ガスなどが挙げられる。
(加熱工程)
本発明の方法では、次に、活性エネルギー線を照射した合成樹脂微多孔フィルムを、酸素濃度が20ppm以下の雰囲気下で加熱処理する加熱工程を実施する。加熱工程によれば、上述した照射工程において残存した残存ラジカルを基点として重合性化合物の重合を促進させることができると共に、重合性化合物の重合の促進によっても残存した残存ラジカルを失活させることができる。これにより耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの機械的強度の経時的な低下を抑制することができると共に、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの機械的強度及び耐熱性を向上させることができる。
本発明の方法では、次に、活性エネルギー線を照射した合成樹脂微多孔フィルムを、酸素濃度が20ppm以下の雰囲気下で加熱処理する加熱工程を実施する。加熱工程によれば、上述した照射工程において残存した残存ラジカルを基点として重合性化合物の重合を促進させることができると共に、重合性化合物の重合の促進によっても残存した残存ラジカルを失活させることができる。これにより耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの機械的強度の経時的な低下を抑制することができると共に、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの機械的強度及び耐熱性を向上させることができる。
加熱工程において、活性エネルギー線を照射した合成樹脂微多孔フィルムを、好ましくは90〜150℃、より好ましくは110〜150℃、特に好ましくは130〜150℃で加熱処理することが好ましい。合成樹脂微多孔フィルムの加熱処理温度を上記範囲内とすることによって、照射工程において残存した残存ラジカルを基点とした重合性化合物の重合を促進させると共に、合成樹脂微多孔フィルム中の合成樹脂の劣化を低減しながら、重合性化合物の重合の促進によっても残存した残存ラジカルを失活させることができる。
加熱工程において、活性エネルギー線を照射した合成樹脂微多孔フィルムの加熱処理時間は、2分〜3時間が好ましく、20分〜3時間がより好ましい。合成樹脂微多孔フィルムの加熱処理時間を上記範囲内とすることによって、照射工程において残存した残存ラジカルを基点とした重合性化合物の重合を促進させると共に、合成樹脂微多孔フィルム中の合成樹脂の劣化を低減しながら、重合性化合物の重合の促進によっても残存した残存ラジカルを失活させることができる。
加熱工程では、酸素濃度が20ppm以下の雰囲気下で、活性エネルギー線を照射した合成樹脂微多孔フィルムに加熱処理を施す。加熱工程における雰囲気中の酸素濃度は、20ppm以下であるが、10〜0ppmが好ましく、5〜0ppmがより好ましい。このような酸素濃度の雰囲気下で加熱工程を実施することにより、加熱工程において、合成樹脂微多孔フィルムに含まれている合成樹脂の酸化劣化を低減することができると共に、皮膜層の架橋密度を高くすることができる。これにより、合成樹脂の分子鎖切断による耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの機械的強度の経時的な低下を抑制することができると共に、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの機械的強度及び耐熱性を向上させることができる。
加熱工程は、不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。これにより、加熱工程における雰囲気中の酸素濃度を容易に調整することができる。不活性ガスとしては、特に制限されず、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、及びこれらの混合ガスなどが挙げられる。
本発明の耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは、非水電解液二次電池用セパレータとして好適に用いられる。非水電解液二次電池としては、リチウムイオン二次電池などが挙げられる。本発明の耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは耐熱性に優れていることから、このような耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを用いることによって、電池内部が、例えば100〜150℃、特に130〜150℃の高温となった場合であっても、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの収縮による電極間の電気的な短絡が低減することができる。さらに、本発明の耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは機械的強度にも優れており、この優れた機械的強度を長期間に亘って維持することができることから、非水電解液二次電池の優れた生産性や安全性を確保することもできる。
非水電解液二次電池は、本発明の耐熱性合成樹脂微多孔フィルムをセパレータとして含んでいれば特に制限されず、正極と、負極と、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを含むセパレータと、非水電解液とを含んでいる。耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは正極及び負極の間に配設され、これにより電極間の電気的な短絡を防止することができる。また、非水電解液は、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの微小孔部内に少なくとも充填され、これにより充放電時に電極間をリチウムイオンが移動することができる。
正極は、特に制限されないが、正極集電体と、この正極集電体の少なくとも一面に形成された正極活物質層とを含んでいることが好ましい。正極活物質層は、正極活物質と、この正極活物質間に形成された空隙とを含んでいることが好ましい。正極活物質層が空隙を含んでいる場合には、この空隙中にも非水電解液が充填される。正極活物質はリチウムイオンなどを吸蔵放出することが可能な材料であり、正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム又はマンガン酸リチウムなどが挙げられる。正極に用いられる集電体としては、アルミニウム箔、ニッケル箔、及びステンレス箔などが挙げられる。正極活物質層は、バインダーや導電助剤などをさらに含んでいてもよい。
負極は、特に制限されないが、負極集電体と、この負極集電体の少なくとも一面に形成された負極活物質層とを含んでいることが好ましい。負極活物質層は、負極活物質と、この負極活物質間に形成された空隙とを含んでいることが好ましい。負極活物質層が空隙を含んでいる場合には、この空隙中にも非水電解液が充填される。負極活物質はリチウムイオンなどを吸蔵放出することが可能な材料であり、負極活物質としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック及びケチェンブラックなどが挙げられる。負極に用いられる集電体としては、銅箔、ニッケル箔、及びステンレス箔などが挙げられる。負極活物質層は、バインダーや導電助剤などをさらに含んでいてもよい。
非水電解液とは、水を含まない溶媒に電解質塩を溶解させた電解液である。リチウムイオン二次電池に用いられる非水電解液としては、例えば、非プロトン性有機溶媒に、リチウム塩を溶解した非水電解液が挙げられる。非プロトン性有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、及びエチレンカーボネートなどの環状カーボネートと、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、及びジメチルカーボネートなどの鎖状カーボネートとの混合溶媒などが挙げられる。また、リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、及びLiN(SO2CF3)2などが挙げられる。
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
[実施例1]
(押出工程)
ホモポリプロピレン(重量平均分子量413000、分子量分布9.3、融点163℃、融解熱量96mJ/mg)を押出機に供給して、樹脂温度200℃にて溶融混練し、押出機先端に取り付けられたTダイからフィルム状に押出し、表面温度が30℃となるまで冷却してホモポリプロピレンフィルム(厚み30μm)を得た。なお、押出量は9kg/時間、成膜速度は22m/分、ドロー比は83であった。
(押出工程)
ホモポリプロピレン(重量平均分子量413000、分子量分布9.3、融点163℃、融解熱量96mJ/mg)を押出機に供給して、樹脂温度200℃にて溶融混練し、押出機先端に取り付けられたTダイからフィルム状に押出し、表面温度が30℃となるまで冷却してホモポリプロピレンフィルム(厚み30μm)を得た。なお、押出量は9kg/時間、成膜速度は22m/分、ドロー比は83であった。
(養生工程)
得られたホモポリプロピレンフィルムを雰囲気温度150℃の熱風炉中に24時間に亘って静置して養生した。
得られたホモポリプロピレンフィルムを雰囲気温度150℃の熱風炉中に24時間に亘って静置して養生した。
(第1延伸工程)
養生後のホモポリプロピレンフィルムを押出方向(長さ方向)に300mm、幅方向に160mmの短冊状に裁断した。このホモポリプロピレンフィルムを一軸延伸装置を用いて表面温度が23℃となるようにして50%/分の延伸速度にて延伸倍率1.20倍に押出方向にのみ一軸延伸した。
養生後のホモポリプロピレンフィルムを押出方向(長さ方向)に300mm、幅方向に160mmの短冊状に裁断した。このホモポリプロピレンフィルムを一軸延伸装置を用いて表面温度が23℃となるようにして50%/分の延伸速度にて延伸倍率1.20倍に押出方向にのみ一軸延伸した。
(第2延伸工程)
続いて、ホモポリプロピレンフィルムを一軸延伸装置を用いて表面温度が120℃となるようにして42%/分の延伸速度にて延伸倍率2倍に押出方向にのみ一軸延伸した。
続いて、ホモポリプロピレンフィルムを一軸延伸装置を用いて表面温度が120℃となるようにして42%/分の延伸速度にて延伸倍率2倍に押出方向にのみ一軸延伸した。
(アニーリング工程)
しかる後、ホモポリプロピレンフィルムをその表面温度が130℃となるように且つホモポリプロピレンフィルムに張力が加わらないようにして10分間に亘って静置して、ホモポリプロピレンフィルムにアニールを施した。これにより、微小孔部を有するホモポリプロピレン微多孔フィルム(厚み25μm)を得た。なお、アニール時のホモポリプロピレンフィルムの収縮率は20%とした。
しかる後、ホモポリプロピレンフィルムをその表面温度が130℃となるように且つホモポリプロピレンフィルムに張力が加わらないようにして10分間に亘って静置して、ホモポリプロピレンフィルムにアニールを施した。これにより、微小孔部を有するホモポリプロピレン微多孔フィルム(厚み25μm)を得た。なお、アニール時のホモポリプロピレンフィルムの収縮率は20%とした。
得られたホモポリプロピレン微多孔フィルムは、透気度が110sec/100mLであり、表面開口率が40%であり、微小孔部の開口端の最大長径が600nmであり、微小孔部の開口端の平均長径が360nmであり、孔密度が30個/μm2であった。
(塗布工程)
溶媒として酢酸エチル90質量%、及び重合性化合物としてトリメチロールプロパントリアクリレート(共栄化学社製 商品名「ライトアクリレートTMP−A」)10質量%を含んでいる塗布液を用意した。次に、塗布液をホモポリプロピレン微多孔フィルム表面に塗工した後、ホモポリプロピレン微多孔フィルムを80℃で2分間加熱することにより溶媒を除去した。これによりホモポリプロピレン微多孔フィルム表面全面に重合性化合物を付着させた。
溶媒として酢酸エチル90質量%、及び重合性化合物としてトリメチロールプロパントリアクリレート(共栄化学社製 商品名「ライトアクリレートTMP−A」)10質量%を含んでいる塗布液を用意した。次に、塗布液をホモポリプロピレン微多孔フィルム表面に塗工した後、ホモポリプロピレン微多孔フィルムを80℃で2分間加熱することにより溶媒を除去した。これによりホモポリプロピレン微多孔フィルム表面全面に重合性化合物を付着させた。
(照射工程)
次に、ホモポリプロピレン微多孔フィルムを、酸素濃度1ppm以下に調整したグローブボックス(M Braun社製 「Labmaster130」)中で、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み25μm)からなる袋に入れて、袋の開口部を気密的に密閉した。密閉した袋中の酸素濃度は1ppm以下となっていた。この密閉された袋中に入れられているホモポリプロピレン微多孔フィルムに、加速電圧110kV、照射線量50kGyで、電子線を照射し、重合性化合物を重合させた。
次に、ホモポリプロピレン微多孔フィルムを、酸素濃度1ppm以下に調整したグローブボックス(M Braun社製 「Labmaster130」)中で、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み25μm)からなる袋に入れて、袋の開口部を気密的に密閉した。密閉した袋中の酸素濃度は1ppm以下となっていた。この密閉された袋中に入れられているホモポリプロピレン微多孔フィルムに、加速電圧110kV、照射線量50kGyで、電子線を照射し、重合性化合物を重合させた。
(加熱工程)
続いて、密閉された袋中に入れられているホモポリプロピレン微多孔フィルムを、120℃のオーブン中で1時間加熱した。密閉された袋中の酸素濃度は1ppm以下となっていた。これにより、ホモポリプロピレン微多孔フィルムの表面及びこの表面に連続する微小孔部の開口端部の壁面に重合性化合物の重合体を含む皮膜層が形成されている耐熱性ホモポリプロピレン微多孔フィルムを得た。
続いて、密閉された袋中に入れられているホモポリプロピレン微多孔フィルムを、120℃のオーブン中で1時間加熱した。密閉された袋中の酸素濃度は1ppm以下となっていた。これにより、ホモポリプロピレン微多孔フィルムの表面及びこの表面に連続する微小孔部の開口端部の壁面に重合性化合物の重合体を含む皮膜層が形成されている耐熱性ホモポリプロピレン微多孔フィルムを得た。
[実施例2]
照射工程において、グローブボックス内の酸素濃度を20ppmとし、照射工程及び加熱工程において密閉した袋中の酸素濃度を20ppmとした以外は、実施例1と同様にして、耐熱性ホモポリプロピレン微多孔フィルムを得た。
照射工程において、グローブボックス内の酸素濃度を20ppmとし、照射工程及び加熱工程において密閉した袋中の酸素濃度を20ppmとした以外は、実施例1と同様にして、耐熱性ホモポリプロピレン微多孔フィルムを得た。
[比較例1]
照射工程及び塗布工程を下記の通りに実施した以外は、実施例1と同様にして、耐熱性ホモポリプロピレン微多孔フィルムを得た。
照射工程及び塗布工程を下記の通りに実施した以外は、実施例1と同様にして、耐熱性ホモポリプロピレン微多孔フィルムを得た。
(照射工程)
酸素濃度が300ppmの雰囲気下で、ホモポリプロピレン微多孔フィルムに、加速電圧110kV、照射線量50kGyで、電子線を照射し、重合性化合物を重合させた。
酸素濃度が300ppmの雰囲気下で、ホモポリプロピレン微多孔フィルムに、加速電圧110kV、照射線量50kGyで、電子線を照射し、重合性化合物を重合させた。
(塗布工程)
続いて、ホモポリプロピレン微多孔フィルムを、120℃のオーブン中で1時間加熱した。この時、オーブン中には空気を循環させ、オーブン中の酸素濃度を2.1×105ppmとした。これにより、ホモポリプロピレン微多孔フィルムの表面及びこの表面に連続する微小孔部の開口端部の壁面に重合性化合物の重合体を含む皮膜層が形成されている耐熱性ホモポリプロピレン微多孔フィルムを得た。
続いて、ホモポリプロピレン微多孔フィルムを、120℃のオーブン中で1時間加熱した。この時、オーブン中には空気を循環させ、オーブン中の酸素濃度を2.1×105ppmとした。これにより、ホモポリプロピレン微多孔フィルムの表面及びこの表面に連続する微小孔部の開口端部の壁面に重合性化合物の重合体を含む皮膜層が形成されている耐熱性ホモポリプロピレン微多孔フィルムを得た。
[比較例2]
照射工程において、電子線の照射線量を25kGyとした以外は、実施例1と同様にして、耐熱性ホモポリプロピレン微多孔フィルムを得た。
照射工程において、電子線の照射線量を25kGyとした以外は、実施例1と同様にして、耐熱性ホモポリプロピレン微多孔フィルムを得た。
[比較例3]
照射工程において、電子線の照射線量を80kGyとした以外は、実施例1と同様にして、耐熱性ホモポリプロピレン微多孔フィルムを得た。
照射工程において、電子線の照射線量を80kGyとした以外は、実施例1と同様にして、耐熱性ホモポリプロピレン微多孔フィルムを得た。
[評価]
耐熱性合成樹脂微多孔フィルムについて、突き刺し強度、透気度、表面開口率、及びラジカル量を、それぞれ上述した手順に従って測定した。耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを25℃から250℃まで5℃/分の昇温速度にて加熱した際の、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの最大熱収縮率を上述した手順に従って測定した。耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを70℃で168時間加熱した後の、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの突き刺し強度の維持率を上述した手順に従って測定した。耐熱性合成樹脂微多孔フィルムにおける200℃の酸素雰囲気中で測定したOIT(酸化誘導時間)を上述した手順に従って測定した。これらの結果を表1に示した。また、ホモポリプロピレン微多孔フィルム100質量部に対する、耐熱性ホモポリプロピレン微多孔フィルム中における皮膜層の含有量も表1に示した。
耐熱性合成樹脂微多孔フィルムについて、突き刺し強度、透気度、表面開口率、及びラジカル量を、それぞれ上述した手順に従って測定した。耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを25℃から250℃まで5℃/分の昇温速度にて加熱した際の、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの最大熱収縮率を上述した手順に従って測定した。耐熱性合成樹脂微多孔フィルムを70℃で168時間加熱した後の、耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの突き刺し強度の維持率を上述した手順に従って測定した。耐熱性合成樹脂微多孔フィルムにおける200℃の酸素雰囲気中で測定したOIT(酸化誘導時間)を上述した手順に従って測定した。これらの結果を表1に示した。また、ホモポリプロピレン微多孔フィルム100質量部に対する、耐熱性ホモポリプロピレン微多孔フィルム中における皮膜層の含有量も表1に示した。
本発明の耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは、耐熱性及び機械的強度の双方に優れていると共に、機械的強度の経時的な低下が抑制されている。したがって、この耐熱性合成樹脂微多孔フィルムは、非水電解液二次電池用セパレータとして好適に用いられる。
Claims (5)
- 合成樹脂微多孔フィルムと、上記合成樹脂微多孔フィルムの表面の少なくとも一部に形成された皮膜層とを含み、
上記皮膜層は、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物の重合体を含んでおり、
25℃から250℃まで5℃/分の昇温速度にて加熱した後の最大熱収縮率が15%以下であり、突き刺し強度が0.6N以上であり、且つ、200℃の酸素雰囲気中で測定したOITが7分以上であることを特徴とする耐熱性合成樹脂微多孔フィルム。 - 透気度が50〜600sec/100mLであることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性合成樹脂微多孔フィルム。
- 表面開口率が30〜55%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐熱性合成樹脂微多孔フィルム。
- 電子スピン共鳴法によって測定されるラジカル量が2.0×1016spins/100mg以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐熱性合成樹脂微多孔フィルム。
- 皮膜層は、活性エネルギー線の照射による重合性化合物の重合体を含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐熱性合成樹微多孔フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015180347A JP2017057238A (ja) | 2015-09-14 | 2015-09-14 | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015180347A JP2017057238A (ja) | 2015-09-14 | 2015-09-14 | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017057238A true JP2017057238A (ja) | 2017-03-23 |
Family
ID=58389746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015180347A Pending JP2017057238A (ja) | 2015-09-14 | 2015-09-14 | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017057238A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109509861A (zh) * | 2017-09-14 | 2019-03-22 | 住友化学株式会社 | 非水电解液二次电池用间隔件 |
-
2015
- 2015-09-14 JP JP2015180347A patent/JP2017057238A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109509861A (zh) * | 2017-09-14 | 2019-03-22 | 住友化学株式会社 | 非水电解液二次电池用间隔件 |
CN109509861B (zh) * | 2017-09-14 | 2019-09-24 | 住友化学株式会社 | 非水电解液二次电池用间隔件 |
US10784481B2 (en) | 2017-09-14 | 2020-09-22 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Nonaqueous electrolyte secondary battery separator |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2017203145A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム及び電池用セパレータ | |
JP5934438B2 (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム及びその製造方法、非水電解液二次電池用セパレータ並びに非水電解液二次電池 | |
JP5593003B1 (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム及びその製造方法、非水電解液二次電池用セパレータ並びに非水電解液二次電池 | |
JP2015221889A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの製造方法、耐熱性合成樹脂微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池 | |
JP6046835B2 (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム及びセパレータの製造方法 | |
JP2016199734A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、非水電解液二次電池、及び耐熱性合成樹脂微多孔フィルムのその製造方法 | |
JP5996801B2 (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム及びその製造方法、非水電解液二次電池用セパレータ並びに非水電解液二次電池 | |
JP2017078152A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム及びその製造方法 | |
JP2017128639A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム | |
JP2017057238A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム | |
JP2015063639A (ja) | 耐熱性プロピレン系樹脂微多孔フィルムの製造方法、耐熱性プロピレン系樹脂微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池 | |
JP2017078153A (ja) | オレフィン系樹脂微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池 | |
JP2017132107A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム | |
JP2017095576A (ja) | オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法、並びに、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法 | |
JP2015212322A (ja) | 耐熱性微多孔フィルムの製造方法、耐熱性微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ及び非水電解液二次電池 | |
JP2017186477A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム | |
JP2015221558A (ja) | 耐熱性微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、非水電解液二次電池、及び耐熱性微多孔フィルムの製造方法 | |
JP2017132925A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム | |
JP2017170723A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、非水電解液二次電池、及び耐熱性合成樹脂微多孔フィルムのその製造方法 | |
JP2017132105A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム | |
JP2016091687A (ja) | 積層型電池の製造方法 | |
JP2015214689A (ja) | 耐熱性微多孔フィルム及びその製造方法、非水電解液二次電池用セパレータ並びに非水電解液二次電池 | |
JP2017132106A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム | |
JPWO2017104760A1 (ja) | 合成樹脂微多孔フィルム及びその製造方法、蓄電デバイス用セパレータ、並びに蓄電デバイス | |
JP2016088976A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの製造方法、耐熱性合成樹脂微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池 |