JP2017057075A - ワックス付与装置及び糸巻取装置 - Google Patents

ワックス付与装置及び糸巻取装置 Download PDF

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Abstract

【課題】綾振り領域の少なくとも一部にワックス成形体を位置させるワックス付与装置及び糸巻取装置において、ワックス成形体の交換の影響が糸道に及ぶことを抑制する。【解決手段】ワックス付与装置70は、ワインダユニット2に取り付けられた筐体72と、ワインダユニット2のパッケージ形成部8に巻き取られる糸20が所定の綾振り領域Pを形成して綾振りされるように糸20を案内する綾振りガイド部74と、所定の綾振り領域Pの少なくとも一部にワックス成形体Wが位置するようにワックス成形体Wを支持するワックス支持部76と、を備えている。綾振りガイド部74は、筐体72に対して固定的に設けられている。ワックス支持部76は、ワックス成形体Wを着脱するために所定の綾振り領域Pから離れる方向に移動可能に構成された移動機構82を介して筐体72に取り付けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、ワックス付与装置及び糸巻取装置に関する。
従来、糸巻取装置に取り付けられ、走行する糸にワックスを付与するワックス付与装置が知られている。例えば特許文献1には、糸巻取装置の巻取部によって巻き取られる糸が所定の綾振り領域を形成して綾振りされる場合において、ワックス成形体を所定の綾振り領域の少なくとも一部に位置させるワックス付与装置が記載されている。
独国特許出願公開第102006018838号明細書
上述したようなワックス付与装置では、ワックス成形体の交換(ワックス成形体の取付け及び/又は取外しを含む、以下同じ)を行う際、当該交換の影響が糸道に及ぶおそれがある。そのため、例えば、パッケージからの糸を繋げたままワックス成形体を交換することが困難となる場合がある。
そこで、本発明は、綾振り領域の少なくとも一部にワックス成形体を位置させるワックス付与装置及び糸巻取装置において、ワックス成形体の交換の影響が糸道に及ぶことを抑制することを目的とする。
本発明に係るワックス付与装置は、走行する糸にワックスを付与するワックス付与装置であって、糸巻取装置に取り付けるための取付け部を備えた筐体と、糸巻取装置の巻取部によって巻き取られる糸が所定の綾振り領域を形成して綾振りされるように、糸を案内する綾振りガイド部と、所定の綾振り領域の少なくとも一部にワックス成形体が位置するように、ワックス成形体を支持するワックス支持部と、を備え、綾振りガイド部は、筐体に対して固定的に設けられ、ワックス支持部は、ワックス成形体を着脱するために所定の綾振り領域から離れる方向に移動可能に構成された移動機構を介して筐体に取り付けられている。
本発明に係るワックス付与装置では、所定の綾振り領域の少なくとも一部に位置するようにワックス支持部でワックス成形体が支持されている。このワックス支持部は、ワックス成形体を着脱するために所定の綾振り領域から離れる方向に移動可能に構成された移動機構を介して筐体に取り付けられている。よって、移動機構によりワックス支持部を移動させて、ワックス成形体の交換を行うことができる。このとき、綾振りガイド部は筐体に対して固定的に設けられていることから、移動機構によるワックス支持部の移動にかかわらず、巻取部によって巻き取られる糸を綾振りされるよう案内することができる。したがって、綾振り領域の少なくとも一部にワックス成形体を位置させるワックス付与装置において、ワックス成形体の交換の影響が糸道に及ぶことを抑制することが可能となる。その結果、パッケージからの糸を繋げたままでワックス成形体の交換を容易に行うことが可能となる。
本発明に係るワックス付与装置において、移動機構は、ワックス支持部及び当該ワックス支持部に支持されたワックス成形体を所定の綾振り領域に通過させることなく、ワックス支持部を移動させてもよい。この構成によれば、ワックス支持部及びワックス成形体を所定の綾振り領域に通過させずに、ワックス成形体の交換を行うことができる。
本発明に係るワックス付与装置において、取付け部は、筐体に対して固定的に設けられていてもよい。この構成では、移動機構によるワックス支持部の移動にかかわらず、筐体を糸巻取装置に取り付けることができる。したがって、ワックス成形体の交換の影響が筐体の取付けに及ぶことを抑制することが可能となる。
本発明に係るワックス付与装置は、ワックス支持部で支持されたワックス成形体に対して所定の綾振り領域を介して接触し、糸に対するワックス成形体の位置決めを行う位置決め部を備え、位置決め部は、筐体に対して固定的に設けられていてもよい。この構成では、移動機構によるワックス支持部の移動にかかわらず、位置決め部によるワックス成形体の位置決め精度を確保できる。したがって、ワックス成形体の交換の影響がワックス成形体の位置決めに及ぶことを抑制することが可能となる。
本発明に係るワックス付与装置において、移動機構は、回転軸を有し、当該回転軸回りに回転するようにワックス支持部を筐体に対して回転移動させてもよい。この構成によれば、容易にワックス成形体を交換することが可能となる。また、狭い作業スペースであっても容易にワックス成形体を交換することができる。
本発明に係るワックス付与装置において、移動機構は、ワックス支持部を筐体に対してスライド移動させてもよい。この構成によれば、容易にワックス成形体を交換することが可能となる。
本発明に係るワックス付与装置において、移動機構は、ワックス支持部を円弧状の軌跡に沿って移動させてもよい。この構成によれば、ワックス支持部を円弧状の軌跡に沿って移動させて、ワックス成形体を綾振り領域から離間させることが可能となる。
本発明に係るワックス付与装置は、予め設定された所定力以下の力でワックス支持部が移動しないように移動機構を規制するロック機構を備えていてもよい。この構成によれば、例えば作業者が移動機構によりワックス支持部を移動させた際に作業者が手を離した場合でも、ワックス支持部の状態を維持でき、ワックス成形体を交換する作業を容易化することが可能となる。
本発明に係る糸巻取装置は、上記ワックス付与装置を具備する。この糸巻取装置においても、上記効果と同様な効果、すなわち、綾振り領域の少なくとも一部にワックス成形体を位置させる糸巻取装置において、ワックス成形体の交換の影響が糸道に及ぶ影響を抑制できるという効果が奏される。また、ワックス成形体と綾振り領域との位置決め精度を向上させることができる。
本発明に係る糸巻取装置において、ワックス成形体は、所定の綾振り領域に対して糸巻取装置の反正面側に位置していてもよい。この構成によれば、正面側から見て糸道がワックス成形体により隠れてしまうことを回避できる。
本発明に係る糸巻取装置において、ワックス付与装置は、ワックス成形体に対して糸の走行方向における上流側に設けられ、糸の糸道を規制する上流側規制ガイドを備えていてもよい。この構成によれば、上流側規制ガイドによって糸の糸道を規制して、所定の綾振り領域にワックス成形体を位置させたことに起因するワックス損傷(いわゆる、輪切れ)を抑制することが可能となる。
本発明に係る糸巻取装置において、上流側規制ガイドは、所定の綾振り領域の起点に設けられ、ワックス成形体と所定の綾振り領域との当接箇所に沿った面を基準面とした場合、ワックス付与装置に導入される糸における基準面から起点側に屈曲する屈曲角度(θ1)は、ワックス付与装置から導出される糸における基準面からパッケージ側に屈曲する屈曲角度(θ2)よりも大きくてもよい。この構成によれば、ワックス付与装置に導入される糸を規制ガイドに効果的に当て、当該糸のテンションを安定化できる。その結果、糸に対するワックスの付着を安定して行うことができる。さらに、ワックス損傷を抑制することが可能となる。
本発明に係る糸巻取装置において、ワックス付与装置は、ワックス成形体に対して糸の走行方向における下流側に設けられ、糸の糸道を規制する下流側規制ガイドを備え、上流側規制ガイド及び下流側規制ガイドは、糸道の下流側が糸道の上流側よりもワックス成形体から離れるように糸道を規制してもよい。この構成によっても、ワックス損傷を抑制できる上記効果が奏される。
本発明に係る糸巻取装置において、糸の糸道に沿う方向から見て、上流側規制ガイドは、綾振り方向における糸道の位置を中心とした一方側の部分が、他方側の部分よりも前記ワックス成形体から離れる方向に突き出た形状とされていてもよい。この構成によっても、ワックス損傷を抑制できる上記効果が奏される。
本発明に係る糸巻取装置は、給糸ボビンが支持される給糸部と、給糸部に支持された給糸ボビンから糸を解舒し、解舒した糸を巻き取る糸貯留装置と、をさらに備え、糸貯留装置は、ワックス付与装置に対し糸の走行方向における上流側の位置に設けられていてもよい。この構成によれば、糸貯留装置とパッケージとの間の糸道にワックス成形体の交換の影響が及ぶことを抑制できる。なお、例えば糸貯留装置とパッケージとの間の糸道に糸継装置を配置しない場合には、パッケージからの糸を繋げたままでワックス成形体の交換を容易に行う上記効果は特に効果的となる。
本発明によれば、綾振り領域の少なくとも一部にワックス成形体を位置させるワックス付与装置及び糸巻取装置において、ワックス成形体の交換の影響が糸道に及ぶことを抑制することが可能となる。
第1実施形態に係る自動ワインダの全体的な構成を示す概略正面図である。 第1実施形態に係るワインダユニットを示す概略側面図である。 第1実施形態に係るワックス付与装置の通常巻取時を示す斜視図である。 第1実施形態に係るワックス付与装置の通常巻取時を示す平面図である。 第1実施形態に係るワックス付与装置の所定の綾振り領域を説明する図である。 第1実施形態に係るワックス付与装置の通常巻取時を示す側面図である。 第1実施形態に係るワックス付与装置の交換作業時を示す斜視図である。 第1実施形態に係るワックス付与装置の交換作業時を示す平面図である。 第1実施形態に係るワックス付与装置の通常巻取時における他の状態を示す平面図である。 第2実施形態に係るワックス付与装置の通常巻取時を示す斜視図である。 第2実施形態に係るワックス付与装置の交換作業時を示す斜視図である。 第3実施形態に係るワックス付与装置の通常巻取時を示す斜視図である。 変形例に係るワックス付与装置を示す側面図である。 (a)は変形例に係る上流側規制ガイドを示す斜視図であり、(b)は変形例に係る上流側規制ガイドを示す平面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。「上流」及び「下流」とは、紡績時での糸の走行方向における上流及び下流をそれぞれ意味する。
[第1実施形態]
図1に示されるように、自動ワインダ1は、並べて配置された複数のワインダユニット(糸巻取装置)2と、機台制御装置3と、給糸ボビン供給装置4と、玉揚装置5と、図略のブロアボックスと、を備えている。
機台制御装置3は、各ワインダユニット2と通信可能に構成されている。自動ワインダ1のオペレータは、機台制御装置3を適宜操作することにより、複数のワインダユニット2を集中的に管理することができる。機台制御装置3は、給糸ボビン供給装置4及び玉揚装置5の動作を制御する。
給糸ボビン供給装置4は、給糸ボビン21を1本ずつ搬送トレイ26上にセットする。給糸ボビン供給装置4は、搬送トレイ26上にセットした給糸ボビン21を、複数のワインダユニット2のそれぞれに供給する。
玉揚装置5は、ワインダユニット2においてパッケージ30が満巻(規定量の糸20が巻き取られた状態)となった場合に、当該ワインダユニット2の位置まで走行し、満巻のパッケージ30を取り外す。玉揚装置5は、パッケージ30を取り外した当該ワインダユニット2に対して空の巻取ボビン22をセットする。
次に、ワインダユニット2の構成について説明する。図2に示されるように、ワインダユニット2は、給糸部6と、糸貯留装置18と、パッケージ形成部8と、ワックス付与装置70と、を備えている。ワインダユニット2では、給糸部6の給糸ボビン21の糸20を解舒し、解舒した糸20を糸貯留装置18で一旦貯留した後、巻取ボビン22に巻き取ってパッケージ30を形成する。
給糸部6は、搬送トレイ26にセットされた給糸ボビン21を所定の位置で支持し、この給糸ボビン21から糸20を解舒できるように構成されている。給糸部6は、給糸ボビン21から全ての糸20が解舒されると、空になった給糸ボビン21を排出して、給糸ボビン供給装置4から新しい給糸ボビン21の供給を受ける。
糸貯留装置18は、給糸部6とパッケージ形成部8との間に配置されている。糸貯留装置18は、ワックス付与装置70に対し糸20の走行方向における上流側の位置に設けられている。糸貯留装置18は、給糸部6で解舒した糸20を巻き取って一時的に貯留する。糸貯留装置18は、貯留している糸20をパッケージ形成部8へ供給する。糸貯留装置18は、糸20を巻き付けることが可能な糸貯留ローラ32と、糸貯留ローラ32を回転駆動するローラ駆動モータ33と、を備えている。ローラ駆動モータ33は、給糸部6からの糸20を巻き取る方向に糸貯留ローラ32を回転させる。また、ローラ駆動モータ33は、当該巻き取る方向とは反対の方向に糸貯留ローラ32を回転させることもできる。
パッケージ形成部8は、巻取ボビン22を装着可能に構成されたクレードル23と、糸20を綾振りさせながら巻取ボビン22を駆動する綾振ドラム24と、を備えている。パッケージ形成部8は、巻取部を構成する。クレードル23は、巻取ボビン22(又はパッケージ30)を回転可能に支持する。クレードル23は、支持しているパッケージ30の外周面を綾振ドラム24の外周面に対して接触可能に構成されている。
綾振ドラム24は、図略の駆動源(電動モータ等)によって回転駆動され、巻取ボビン22又はパッケージ30の外周面に接触した状態で回転することで、巻取ボビン22を従動回転させる。これにより、糸貯留装置18に貯留された糸20を解舒して引き出し、巻取ボビン22に巻き取ることができる。綾振ドラム24の外周面には図略の綾振溝が形成されており、この綾振溝によって糸20を所定の幅で綾振り(トラバース)することが可能になっている。以上の構成で、糸20を綾振りさせながら巻取ボビン22に巻き付けて、所定形状のパッケージ30を形成することができる。
ワックス付与装置70は、糸貯留装置18とパッケージ形成部8との間に配置されている。ワックス付与装置70は、糸貯留装置18からパッケージ形成部8に向けて走行する糸20にワックスを付与する。ワックス付与装置70の具体的な構成については、後述する。
ワインダユニット2は、給糸部6から糸貯留装置18を経由してパッケージ形成部8に至る糸走行経路中に、各種の装置を備えている。具体的には、糸20の糸道(糸走行経路)には、上流の給糸部6側から下流の糸貯留装置18側へ向かって順に、解舒補助装置10と、上流糸吹送り部11と、第二捕捉部12と、糸継装置13と、第一捕捉部14と、テンション付与部15と、カッタ16と、糸監視装置17と、下流糸吹送り部48と、が配置されている。
解舒補助装置10は、給糸ボビン21から解舒される糸20が振り回されて給糸ボビン21の上部に形成されるバルーンに対し、可動部材27を接触させ、当該バルーンの大きさを適切に制御することによって糸20の解舒を補助する。
上流糸吹送り部11は、解舒補助装置10の下流側における解舒補助装置10に近接する位置に配置されたエアサッカー装置である。上流糸吹送り部11は、圧縮空気を噴出することにより、糸20を第一捕捉部14まで吹き送る空気流を形成する。したがって、例えば糸切れが生じた場合、上流糸吹送り部11が動作することで、給糸ボビン21側の糸端を糸継装置13側に向かって吹き送ることができる。
なお、給糸部6に新しい給糸ボビン21が供給された直後の場合には、上流糸吹送り部11によって糸端を糸継装置13側に吹き送ることができる位置まで糸端を吹き送る補助吹送り部28が設けられている。
補助吹送り部28は、中空状に形成された搬送トレイ26及び給糸ボビン21の内部に圧縮空気を噴出することにより、給糸ボビン21の先端部に、当該給糸ボビン21の糸20を上流糸吹送り部11側へ吹き送る空気流を形成する。新しく供給された給糸ボビン21が給糸部6に支持された場合、補助吹送り部28及び上流糸吹送り部11が連動して動作することにより、当該給糸ボビン21側の糸端を糸継装置13側に向かって確実に送ることができる。
第二捕捉部12は、糸継装置13の上流側に配置されている。第二捕捉部12は図略の吸引流発生源に接続されており、糸継時に吸引空気流を発生させて、糸貯留装置18側の糸20を吸引して捕捉する。
糸継装置13は、分断された糸20の糸継ぎを行う。糸継装置13は、糸監視装置17が糸欠陥を検出してカッタ16で糸20を切断する糸切断時、給糸ボビン21から解舒中の糸20が切れる糸切れ時、又は、給糸ボビン21の交換時等のように、給糸ボビン21と糸貯留装置18との間の糸20が分断された状態となったときに、給糸ボビン21側の糸20と、糸貯留装置18側の糸20と、を糸継ぎする。糸継装置13は、糸道から若干退避した位置に配置されている。糸継装置13は、導入された糸端同士を繋いで、糸20を連続状態とすることができる。糸継装置13としては、圧縮空気等の流体を用いる装置や、機械式の装置を使用できる。
第一捕捉部14は、糸継装置13の下流側における糸継装置13に近接する位置に配置されている。第一捕捉部14は、図略の負圧源に接続されるとともに先端部に開口が形成された筒状の部材として構成されている。第一捕捉部14は、進退駆動部47を備えている。進退駆動部47は、第一捕捉部14を糸道に対して進退させる。
第一捕捉部14は、糸道に接近している状態において、その先端側に吸引空気流を発生させることにより、上流糸吹送り部11によって吹き送られてくる給糸ボビン21からの糸端を吸引して捕捉する。第一捕捉部14は、カッタ16で糸20を切断した際に、切断した糸20の給糸ボビン21側の糸端を吸引して捕捉する。また、第一捕捉部14は、その先端側に吸引空気流を発生させることにより、走行する糸20に付着している風綿等を吸引して除去するように構成してもよい。なお、第一捕捉部14は、給糸ボビン21の糸端を捕捉した状態で糸道から退避することにより、当該糸端を糸継装置13に導入することができる。
テンション付与部15は、走行する糸20に所定のテンションを付与する。テンション付与部15は、固定の櫛歯に対して可動の櫛歯を配置してなるゲート式に構成されており、櫛歯の間に糸20を走行させることで所定の抵抗を付与する。可動側の櫛歯は、櫛歯同士が噛合せ状態又は解放状態になるように、例えばソレノイドにより移動可能に構成されている。これにより、テンション付与部15は、糸20に付与するテンションを調整することができる。なお、テンション付与部15の構成は特に限定されず、例えばディスク式のテンション付与部であってもよい。
糸監視装置17は、糸20の太さ等を適宜のセンサで監視することにより、スラブや異物混入等の糸欠陥を検出する。糸監視装置17の上流側における当該糸監視装置17に近接する位置には、カッタ16が配置されている。カッタ16は、糸監視装置17が糸欠陥を検出した場合直ちに、糸20を切断する。
カッタ16及び糸監視装置17は、共通のハウジング19に収容されている。糸監視装置17を収容するハウジング19は、テンション付与部15の下流側における当該テンション付与部15に近接する位置に配置されている。この構成により、走行する糸20がテンション付与部15によって保持(案内)されている部分の近くを糸監視装置17で監視することになるため、監視部分の糸20がブレにくくなり、糸監視装置17が糸20の欠陥を検出する精度を一層高めることができる。
下流糸吹送り部48は、糸貯留装置18の上流側における糸貯留装置18に近接する位置に配置されたエアサッカー装置である。下流糸吹送り部48は、圧縮空気を噴出することにより、糸貯留装置18側の糸端を吹き飛ばして第二捕捉部12まで送る空気流を形成する。具体的には、下流糸吹送り部48は、内部に糸20を通過させることが可能な細い筒状のガイド部材と、湾曲した筒状の部材である糸案内部材60と、を備えている。ガイド部材の一端には、糸20の吹出口が形成されている。糸案内部材60は、下流糸吹送り部48の吹出口に近接するように設けられている。糸案内部材60の長手方向両端には、それぞれ開口が形成されている。
糸案内部材60は、その一端側の開口を下流糸吹送り部48の吹出口に対向させ、且つ、その他端側の開口を第二捕捉部12に対向させた状態で配置されている。糸案内部材60の内部には、案内経路が形成されている。案内経路は、糸監視装置17、テンション付与部15、及び糸継装置13等を迂回するように、糸案内部材60の両端の開口同士を繋ぐ。下流糸吹送り部48と糸案内部材60と第二捕捉部12とにより、貯留側糸端捕捉装置50が構成されている。
下流糸吹送り部48は、給糸ボビン21と糸貯留装置18との間で糸20が分断状態となった場合、糸貯留装置18側の糸20を捕捉して糸案内部材60の案内経路へ吹き飛ばし、糸20を当該案内経路に沿って引き出して、第二捕捉部12に捕捉させる。なお、糸案内部材60には図略の貫通状のスリットが全長にわたって形成されているため、糸20を第二捕捉部12に捕捉させた状態で、当該糸20を糸案内部材60の内部から引っ張り出すことができる。以上により、下流糸吹送り部48によって糸貯留装置18側の糸20を吹き送って、糸継装置13側に向かって案内することができる。
各ワインダユニット2は、制御部25を備えている。制御部25は、図略のCPU、ROM、RAM等のハードウェアを備えている。RAMには、制御プログラム等のソフトウェアが記憶されている。制御部25は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により、ワインダユニット2の各構成を制御する。制御部25は、機台制御装置3と通信可能に構成されている。これにより、自動ワインダ1が備えた複数のワインダユニット2の動作を、機台制御装置3において集中的に管理することができる。
次に、第1実施形態に係るワックス付与装置70について詳細に説明する。以下の説明において、「正面側」及び「背面側」とは、ワインダユニット2の正面側(前側)及び背面側(後側)をそれぞれ意味する。「X方向」は、糸20の綾振り方向に対応する。
図3〜図6では、通常巻取時におけるワックス付与装置70の状態が示されている。通常巻取時は、給糸ボビン21とパッケージ30との間で糸20が連続している状態であって、走行している糸20にワックスを塗布するワックス塗布時である。図7及び図8では、交換作業時におけるワックス付与装置70の状態が示されている。交換作業時は、給糸ボビン21とパッケージ30との間で糸20が連続している状態であって、ワックス成形体Wの交換(取付け及び/又は取外し)時である。また交換作業時は、ワックス成形体Wが交換可能となるようにワックス成形体Wを筐体72外へ露出させた状態である。
図3〜図6に示されるように、ワックス付与装置70は、ワインダユニット2に取り付けられたワックス付与装置である。ワックス付与装置70は、円筒形状のワックス成形体Wをその軸回りに回転させると共に、綾振りされながら走行する糸20にワックス成形体Wの一端面を押し当てる。これにより、ワックス付与装置70は、当該糸20にワックスを付与する。
ワックス成形体Wは、円筒形状に成形されたワックスである。ワックスとしては、糸20の用途又は仕様等に応じた種々のワックスが用いられる。例えばワックスとして、蝋等の天然ワックス、パラフィンワックス等の合成ワックス、又は、これらを組み合わせたワックスを用いることができる。ワックス付与装置70は、筐体72、綾振りガイド部74、ワックス支持部76、移動機構82、ロック機構86、位置決め部92、上流側規制ガイド94、下流側規制ガイド96、及び、緩衝部材98を備えている。
筐体72は、ワインダユニット2のフレーム(不図示)に取り付けられている。筐体72は、上流側プレート72a、下流側プレート72b、側方プレート72cと、により構成されている。上流側プレート72a及び下流側プレート72bは、平板形状に形成され、その厚さ方向が糸20の走行方向に沿うように配置されている。下流側プレート72bは、上流側プレート72aの下流側における所定距離離れた位置に、上流側プレート72aに対向するように配置されている。なお、図中においては、説明の便宜上、下流側プレート72bを鎖線で示す場合ある。
側方プレート72cは、X方向における上流側プレート72aの一端と下流側プレート72bの一端とを固定して連結する。側方プレート72cは、上流側プレート72a及び下流側プレート72bと直交するように延在している。
側方プレート72cには、ねじ孔73が設けられ、ねじ孔73には、ねじNが挿通されている。側方プレート72cは、ねじNによりワインダユニット2のフレーム(不図示)に固定されている。これにより、筐体72がワインダユニット2に取り付けられている。すなわち、筐体72は、ワインダユニット2に取り付けるための取付け部としてねじ孔73及びねじNを備える。ねじ孔73及びねじNは、筐体72に対して固定的に設けられている。
綾振りガイド部74は、パッケージ30(図2参照)に巻き取られる糸20を、所定の綾振り領域Pを形成して綾振りされるように案内する。所定の綾振り領域Pは、綾振りされている糸20によって形成された、当該糸20の運動面である。所定の綾振り領域Pは、上流側を頂点(綾振りセンター)とし、糸20の走行方向を高さ方向とし、綾振り方向であるX方向を幅方向とする三角形形状の面である(図5参照)。綾振り領域は、トラバース面とも称される。綾振りガイド部74は、上流側プレート72aに形成された孔部74aと、下流側プレート72bに形成されたスリット部74bと、により構成されている。すなわち、綾振りガイド部74は、筐体72に対して固定的に設けられている。
孔部74aは、所定の綾振り領域Pで綾振りされている糸20を挿通させる。孔部74aは、所定の綾振り領域Pで綾振りされている糸20を、綾振りセンター側の第1綾振り幅の位置にて挿通させる。孔部74aは、正面側に開口する開口部75aに連通する。開口部75aは、孔部74a内に糸20を進入等させる糸通路を形成する。本実施形態では、孔部74aにおいて、綾振り領域Pの起点が形成される。
スリット部74bは、X方向に沿って延在し、糸20の走行方向において孔部74aに対向する。スリット部74bは、所定の綾振り領域Pで綾振りされている糸20を挿通させる。スリット部74bは、所定の綾振り領域Pで綾振りされている糸20を、第1綾振り幅よりも大きい第2綾振り幅の位置にて挿通させる。スリット部74bは、正面側に開口する開口部75bに連通する。開口部75bは、スリット部74b内に糸20を進入等させる糸通路を形成する。
ワックス支持部76は、ワックス成形体Wを、所定の綾振り領域Pの少なくとも一部に位置するように支持する(図5参照)。ワックス支持部76は、通常巻取時において、ワックス成形体Wの一端面(正面側の端面)を所定の綾振り領域Pに対して押し付けるように支持する。ワックス支持部76は、取付軸77及び押さえレバー78により構成されている。
取付軸77は、ワックス成形体Wの筒孔に挿入されて、ワックス成形体Wが同期回転可能に取り付けられている。取付軸77は、上流側プレート72aと下流側プレート72bとの間に配置されている。取付軸77の後端部は、取付軸77を回転駆動するモータ79に取り付けられている。モータ79は、後述の揺動アーム84に固定されている。これにより、取付軸77は、後述の揺動アーム84上において、ワックス成形体Wを回転可能に軸支する。
押さえレバー78は、取付軸77に取り付けられたワックス成形体Wを正面側へ押さえる。押さえレバー78は、上流側プレート72aと下流側プレート72bとの間に配置されている。押さえレバー78は、その基端側に設けられた揺動軸78aと、その先端側に設けられた押圧部78bと、を有している。
押さえレバー78は、揺動軸78aを中心に揺動可能に構成されている。揺動軸78aは、後述の揺動アーム84上に立設され、糸20の走行方向に沿って延びる。揺動軸78aには、不図示のねじりコイルばねが取り付けられており、当該ねじりコイルばねの弾性力で押さえレバー78が付勢されることにより、押圧部78bが正面側に向けて付勢される。これにより、押さえレバー78は、ワックス成形体Wの後端面に取り付けられた鍔状部材Waを押圧部78bで押圧し、ワックス成形体Wを所定の綾振り領域Pに対して正面側に向けて押し付ける。
押さえレバー78において押圧部78b側とは反対側の端部には、揺動規制ピン78cが立設されている。揺動規制ピン78cは、揺動軸78aに取り付けられた上記ねじりコイルばねの弾性力で押さえレバー78が付勢されることにより、後方に向けて付勢される。揺動規制ピン78cは、交換作業時に下流側プレート72bの内面(上流側プレート72a側の面)に設けられた係合片80と係合することにより、押さえレバー78の揺動を規制する(詳しくは、後述)。
以上のようなワックス支持部76で支持されたワックス成形体Wは、所定の綾振り領域Pに対して反正面側(背面側)に位置する。つまり、所定の綾振り領域Pは、ワックス成形体Wに対し正面側に位置する。ワックス支持部76は、ワックス成形体Wを着脱するために所定の綾振り領域Pから離れる方向に移動可能に構成された移動機構82を介して、筐体72に取り付けられている。
移動機構82は、糸20の走行方向に沿って延びる回転軸83を有し、回転軸83回りにワックス支持部76を筐体72に対して回転移動させて、ワックス支持部76を開閉する。つまり、移動機構82は、通常巻取時のワックス付与装置70の状態(図3〜図6参照)と交換作業時のワックス付与装置70の状態(図7及び図8参照)との間で、ワックス支持部76を可動させる回転開閉式の機構である。ここでの移動機構82は、ワックス支持部76を背面側に揺動させて開く、後方開き型のワックス付与装置70を実現する。
移動機構82は、回転軸83を中心に回転可能(揺動可能)に構成された揺動アーム84を有している。移動機構82は、回転軸83を中心に揺動アーム84を回転(揺動)することにより、この揺動アーム84に取り付けられたワックス支持部76を筐体72に対して回転移動(揺動移動)させる。
回転軸83は、上流側プレート72a及び下流側プレート72bの間に配置され、下流側プレート72bにねじ等で固定されている。揺動アーム84は、ワックス付与装置70において背面側に配置されている。揺動アーム84は、厚さ方向を糸20の走行方向とする概略L字形の平板形状とされている。揺動アーム84は、その一端部と他端部との間の部分(L字形の屈曲部分)に、回転軸83が取り付けられている。
揺動アーム84の一端部には、取付軸77及びモータ79が取り付けられている。具体的には、揺動アーム84の一端部には、その正面側が折れ曲がるように立ち上がってなる立板部84aが設けられている。立板部84aは、下流側プレート72bを超えて下流側に突出するように延在している。立板部84aには、取付軸77が挿通されている。この取付軸77に接続されたモータ79は、立板部84aと当接させた状態で揺動アーム84の一端部に固定されている。揺動アーム84の他端部には、押さえレバー78が取り付けられている。具体的には、揺動アーム84の他端部には、押さえレバー78の揺動軸78aが固定されている。これにより、揺動アーム84の他端部において、押さえレバー78が揺動軸78aを中心に揺動可能に支持される。
ロック機構86は、通常巻取時及び交換作業時において、予め設定された所定力以下の力ではワックス支持部76が移動しないように、移動機構82を規制する。ここでは、ロック機構86は、所定力以下の力が揺動アーム84に加わっても揺動アーム84が揺動しないように、当該揺動アーム84の動作をロックする。ロック機構86は、ロックピン87、カム88、ロック用軸89、ロック用アーム90及びねじりコイルばね91を有している。
ロックピン87は、糸20の走行方向を軸方向とする円柱形状に形成されている。ロックピン87は、揺動アーム84の他端部に立設されている。カム88は、糸20の走行方向を軸方向とする円柱形状に形成されている。カム88は、その外周面がロックピン87の外周面と摺動可能に当接している。ロック用軸89は、上流側プレート72a及び下流側プレート72bの間に配置されている。ロック用軸89は、糸20の走行方向に延び、上流側プレート72aにねじ等で固定されている。
ロック用アーム90は、その基端側にロック用軸89が設けられ、ロック用軸89を中心に揺動可能に構成されている。ロック用アーム90の先端側には、カム88が当該カム88の軸回りに回転可能に取り付けられている。ねじりコイルばね91は、ロック用軸89に取り付けられている。ねじりコイルばね91は、その弾性力により、ロック用アーム90が所定力以下の力では揺動しないように付勢する。
このようなロック機構86では、図4に示されるように、通常巻取時において、ロックピン87の取付軸77側にカム88が係合し、これにより、揺動アーム84には、閉じる方向に所定力(回転軸83を中心とした回転方向における所定力)が加わる。その結果、揺動アーム84上に支持されたワックス成形体Wは強く正面側に押し付けられることになり、ワックス成形体Wのガタツキが抑制される。一方、図8示されるように、交換作業時において、ロックピン87の取付軸77側とは反対側にカム88が係合し、これにより、揺動アーム84には、開く方向に所定力(回転軸83を中心とした回転方向における所定力)が加わる。
図3〜図6に示されるように、位置決め部92は、ワックス支持部76で支持されたワックス成形体Wに対して所定の綾振り領域Pを介して接触し、糸20に対するワックス成形体Wの位置決めを行う。位置決め部92は、上流側プレート72aと下流側プレート72bとの間に配置され、通常巻取時にワックス成形体Wの正面側に対向する。位置決め部92は、複数のワックスピン93を有している。ワックスピン93は、通常巻取時において、ワックス支持部76で支持されたワックス成形体Wの一端面に突き当てられる。位置決め部92は、上流側プレート72a及び下流側プレート72bにねじ等で固定されている。すなわち、位置決め部92は、筐体72に対して固定的に設けられている。
上流側規制ガイド94及び下流側規制ガイド96は、糸20の糸道を規制する部材である。上流側規制ガイド94及び下流側規制ガイド96は、平板形状に形成され、その厚さ方向が糸20の走行方向に沿うように配置されている。
上流側規制ガイド94は、通常巻取時において、ワックス成形体Wに対して糸20の走行方向における上流側に近接する位置に設けられている。上流側規制ガイド94は、所定の綾振り領域Pの起点に設けられている。上流側から見て、上流側規制ガイド94の正面側の端面は、綾振りガイド部74の孔部74a内に位置している。上流側規制ガイド94は、上流側プレート72aの内面(下流側プレート72b側の面)にねじ等で固定されている。
下流側規制ガイド96は、通常巻取時において、ワックス成形体Wに対して糸20の走行方向における下流側に近接する位置に設けられている。下流側規制ガイド96は、所定の綾振り領域Pに対して背面側に設けられている。下流側から見て、下流側規制ガイド96の正面側の端面は、綾振りガイド部74のスリット部74b内に位置している。下流側規制ガイド96は、下流側プレート72bの内面にねじ等で固定されている。
緩衝部材98は、交換作業時から通常巻取時へ揺動アーム84を揺動する際(ワックス支持部76を閉じる際)、揺動アーム84の立板部84aと下流側プレート72bとの接触で生じる衝撃を吸収(緩衝)する。緩衝部材98としては、例えば樹脂部品を用いることができる。緩衝部材98は、通常巻取時において下流側プレート72bと立板部84aとの間に挟まれるように、下流側プレート72bに設けられている。緩衝部材98によれば、立板部84aと下流側プレート72bとの接触により生じる音及び損傷を抑制することができる。
ワックス付与装置70では、図6に示されるように、導入される糸20についての基準面Sから所定の綾振り領域Pの起点側に屈曲する屈曲角度θ1が、導出される糸20についての基準面Sからパッケージ30側に屈曲する屈曲角度θ2よりも大きくされている。基準面Sは、ワックス成形体Wと所定の綾振り領域Pとの当接箇所に沿った面である。また基準面Sは、上流側規制ガイド94及び下流側規制ガイド96の正面側の端面に沿っている。屈曲角度θ1,θ2は、基準面Sと糸20との間の角度であり、基準面Sからの傾き角度である。屈曲角度θ1,θ2を実現する構成は特に限定されないが、例えばワインダユニット2に対するワックス付与装置70の取付角度を変更することにより、屈曲角度θ1>屈曲角度θ2を実現してもよい。
次に、ワックス付与装置70におけるワックス成形体Wの交換に係る動作の一例について説明する。
作業者は、図3及び図4に示される通常巻取時の状態において、ワックス成形体Wを交換する場合、例えば押さえレバー78の先端部を背面側に押し込み、立板部84aを背面側に押し込み、揺動アーム84に対して開方向Oに揺動させる力を付与する。
ロック機構86では、ロックピン87にカム88が係合しており、揺動アーム84には、開方向Oの反対方向に所定力の規制力が加わっている。そのため、付与する力が当該所定力以下の場合には、揺動アーム84は揺動しない。一方で、当該所定力よりも大きい力が付与されると、ロックピン87がカム88を乗り越えるように摺動し、揺動アーム84が開方向Oに揺動する。その結果、ワックス成形体Wの正面側の端部が筐体72外に露出するようにワックス支持部76が揺動移動し、図7及び図8に示される交換作業時の状態に達する。
開方向Oに揺動アーム84が揺動する際には、押さえレバー78の揺動規制ピン78cが係合片80の正面側を通過する。そして、図7及び図8に示される交換作業時の状態では、揺動規制ピン78cがねじりコイルばねの弾性力で後方に付勢されており、揺動規制ピン78cの背面側と係合片80の正面側とが係合し、揺動規制ピン78cがそれ以上背面側へ移動不能となる。よって、交換作業時の状態では、押さえレバー78の揺動が規制され、押さえレバー78によるワックス成形体Wの押付けが停止される。その結果、ワックス成形体Wが意図せず押さえレバー78で押されて抜け出すことを抑制できる。
また、交換作業時の状態では、ロックピン87にカム88が係合し、揺動アーム84には、閉方向Cの反対方向に所定力の規制力が加わっている。よって、作業者が手を離しても、揺動アーム84が戻ること(閉方向Cに閉じること)を抑制し、作業者は容易に交換作業ができる。
このような交換作業時の状態において、作業者は、例えば新しいワックス成形体Wに交換した後、通常巻取時の状態へ戻すべく、揺動アーム84に対して閉方向Cに揺動させる力を付与する。上述したロック機構86の規制力により、付与する力が当該所定力以下の場合には、揺動アーム84は揺動しない。一方で、当該所定力よりも大きい力が付与されると、ロックピン87がカム88を乗り越えるように摺動し、揺動アーム84が閉方向Cに揺動し、図3及び図4に示される通常巻取時の状態に達する。
以上の一連の交換作業において、筐体72はワインダユニット2に取りついたままであり、この筐体72に固定的に設けられた綾振りガイド部74により、走行する糸20は所定の綾振り領域Pを形成して綾振りされるように案内され続ける。また、ワックス支持部76及びワックス成形体Wが所定の綾振り領域Pを通過(横断)することなく、移動機構82によりワックス支持部76が揺動移動される。
なお、図4及び図9に示されるように、通常巻取時の状態において、例えばワックス成形体Wが消費されて、押さえレバー78がワックス成形体Wを押し付ける方向へ揺動する場合には、揺動規制ピン78cは係合片80の背面側を通過するように移動する。よってこの場合、後方に付勢されている揺動規制ピン78cが係合片80と係合することない。その結果、押さえレバー78は、その揺動が規制されることなく、ワックス成形体Wを正面側へ押し付けることができる。
以上、ワックス付与装置70、並びに、これを備えたワインダユニット2及び自動ワインダ1に係る本実施形態では、所定の綾振り領域Pの少なくとも一部に位置するようにワックス支持部76でワックス成形体Wが支持されている。このワックス支持部76は、ワックス成形体Wを着脱するために所定の綾振り領域Pから離れる方向に移動可能に構成された移動機構82を介して筐体72に取り付けられている。よって、移動機構82によりワックス支持部76を移動させて、ワックス成形体Wの交換を行うことができる。このとき、綾振りガイド部74は筐体72に固定的に設けられていることから、移動機構82によるワックス支持部76の移動にかかわらず、パッケージ形成部8によって巻き取られる糸20を綾振りされるよう案内できる。なお、綾振りガイド部74は、筐体72に固定的に設けられているが、若干の位置調整が可能に構成されていてもよい。
したがって、綾振り領域Pの少なくとも一部にワックス成形体Wを位置させる本実施形態において、ワックス成形体Wの交換の影響が糸道に及ぶこと(糸20が繋がった状態を妨げること)を抑制することが可能となる。その結果、パッケージ30からの糸20を繋げたままでワックス成形体Wの交換を容易に行うことが可能となる。綾振りされる糸20を緩めずにワックス成形体Wを交換できる。ワックス成形体Wの交換作業中に、綾振りされる糸20を引っ掛け難くすることができる。加えて、本実施形態では、綾振り領域Pの少なくとも一部にワックス成形体Wを位置させることから、ワインダユニット2の低背化ひいては小型化が可能となる。ワックス成形体Wと綾振り領域Pとの位置決め精度を向上させることができる。
ワックス付与装置70において、移動機構82は、ワックス支持部76及び当該ワックス支持部76に支持されたワックス成形体Wを所定の綾振り領域Pに通過させることなく、ワックス支持部76を移動させる。これにより、ワックス支持部76及びワックス成形体Wを所定の綾振り領域Pに通過させずに、ワックス成形体Wの着脱ひいては交換を行うことができる。
ワックス付与装置70は、筐体72をワインダユニット2に取り付けるためのねじN及びねじ孔73を備えている。これらねじN及びねじ孔73は筐体72に固定的に設けられていることから、移動機構82によるワックス支持部76の移動にかかわらず、筐体72をワインダユニット2に取り付けることができる。したがって、ワックス成形体Wの交換の影響が筐体72の取付けに及ぶことを抑制できる。
ワックス付与装置70は、糸20に対するワックス成形体Wの位置決めを行う位置決め部92を備えている。位置決め部92は筐体72に固定的に設けられていることから、移動機構82によるワックス支持部76の移動にかかわらず、位置決め部92によるワックス成形体Wの位置決め精度を確保できる。したがって、ワックス成形体Wの交換の影響がワックス成形体Wの位置決めに及ぶことを抑制できる。
ワックス付与装置70において、移動機構82は、回転軸83回りに回転するようにワックス支持部76を筐体72に対して回転移動させる。この構成によれば、容易にワックス成形体Wを交換することが可能となる。作業者は、狭い作業スペースであっても容易にワックス成形体Wを交換できる。少ない部品点数でガタツキの少ない機構を実現できる。作業者は、ワックス成形体Wの片手交換を容易に行うことができる。ワックス成形体Wの交換作業時に、モータ79のケーブルが大きく引きずられることを抑制できる。
ワックス付与装置70は、予め設定された所定力以下の力でワックス支持部76が移動しないように移動機構82を規制するロック機構86を備えている。これにより、例えば作業者が移動機構82によりワックス支持部76を移動させた際に作業者が手を離した場合でも、ワックス支持部76の状態(交換作業時の状態)を維持できる。片手でのワックス成形体Wの交換を容易に実現でき、当該交換作業を容易化することが可能となる。
ワックス付与装置70において、ワックス成形体Wは、所定の綾振り領域Pに対して反正面側に位置している。この構成によれば、正面側から見て糸道がワックス成形体Wにより隠れてしまうことを回避できる。その結果、ワックス成形体Wの摩耗面が正面側から視認可能となり、ワックス成形体Wへのアクセスのし易さを改善できる。
ワックス付与装置70は、上流側規制ガイド94を備え、上流側規制ガイド94は、ワックス成形体Wに対して糸20の走行方向における上流側で、且つ所定の綾振り領域Pに対して背面側に設けられている。そして、ワックス付与装置70に導入される糸20の屈曲角度θ1は、ワックス付与装置70から導出される糸20の屈曲角度θ2よりも大きくなるように構成されている。これにより、ワックス付与装置70に導入される糸20を上流側規制ガイド94に効果的に当て、当該糸20のテンションを安定化できる。その結果、糸20に対するワックスの付着を安定して行うことができる。さらに、所定の綾振り領域Pにワックス成形体Wを位置させたことに起因するワックスの損傷(いわゆる、輪切れ)を抑制することが可能となる。
ワインダユニット2は、ワックス付与装置70に対し糸20の走行方向における上流側の位置に糸貯留装置18を具備している。この構成によれば、糸貯留装置18とパッケージ30との間の糸道にワックス成形体Wの交換の影響が及ぶことを抑制できる。また、糸貯留装置18とパッケージ30との間の糸道には、糸継装置13のような糸継装置が配置されないため、パッケージ30からの糸を繋げたままでワックス成形体Wの交換を容易に行う上記効果は特に効果的である。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るワックス付与装置について説明する。本実施形態の説明では、第1実施形態と重複する説明は省略し、異なる点について説明する。
図10及び図11に示されるように、第2実施形態に係るワックス付与装置170は、移動機構82(図3参照)に代えて移動機構182を備えた点において、第1実施形態のワックス付与装置70と異なる。なお、図11及び図12中では、説明の便宜上、位置決め部92を省略して示す。
移動機構182は、ワックス支持部76を筐体72に対してスライド移動させて、ワックス支持部76を開閉する。つまり、移動機構182は、通常巻取時のワックス付与装置170の状態(図10参照)と交換作業時のワックス付与装置170の状態(図11参照)との間で、ワックス支持部76を可動させるスライド開閉式の機構である。移動機構182は、ワックス成形体Wが所定の綾振り領域Pに対して離れるように及び近づくように、ワックス支持部76をX方向の延びる直線に近い円弧状の軌跡に沿って移動可能にする。ここでの円弧状は、ワックス成形体W側とは反対側に凸となる円弧形状である。ワックス支持部76を直線に近い円弧状の軌跡に沿って移動させることにより、ワックス支持部76を移動させるに際してワックス成形体Wを所定の綾振り領域Pから確実に離間させることが可能となり、ワックス成形体Wが不安定な状態で糸20に接触することを防止する。
移動機構182は、X方向にスライド移動するスライドプレート184と、下流側プレート72bに形成されたカム溝185,186と、を有している。スライドプレート184には、取付軸77、モータ79及び押さえレバー78が取り付けられている。スライドプレート184には、下流側に突出する係合ピン184aが設けられている。カム溝185,186は、綾振り方向であるX方向に沿って且つ円弧状に延在する。カム溝185内には、スライドプレート184の係合ピン184aが配置されている。カム溝186内には、押さえレバー78の揺動規制ピン78cが配置されている。
このような移動機構182によれば、カム溝185,186によって係合ピン184a及び揺動規制ピン78cのX方向に沿う移動がそれぞれ案内され、係合ピン184a及び揺動規制ピン78cがカム溝185,186に沿ってそれぞれ移動される。これにより、スライドプレート184が、X方向に沿ってスライド移動する。
ここで、カム溝186の一端は、背面側に延びる前後溝187と連通している。図10に示される通常巻取時において、押さえレバー78の押圧部78bが最も背面側に位置するとき、揺動規制ピン78cはカム溝186(前後溝187)の最も正面側に位置する。この状態では、揺動規制ピン78cはカム溝186に沿ってX方向に移動可能であり、その結果、スライドプレート184もX方向に沿ってスライド移動可能である。一方、通常巻取時において、押さえレバー78の押圧部78bが正面側に移動すると、これに伴って、揺動規制ピン78cは前後溝187の背面側に移動する。この状態では、揺動規制ピン78cはX方向に移動不能であり、その結果、スライドプレート184もX方向に沿ってスライド移動ができず、移動機構182のスライド移動がロックされる。
図11に示される交換作業時において、揺動規制ピン78cはカム溝186の他端に位置する。この状態では、揺動規制ピン78cは背面側へ移動不能となることから、押さえレバー78の揺動が規制され、押さえレバー78によるワックス成形体Wの押し付けが停止される。その結果、ワックス成形体Wが意図せず押さえレバー78で押されて抜け出すことを抑制できる。
以上、本実施形態によれば、所定の綾振り領域Pの少なくとも一部にワックス成形体Wを位置させるワックス付与装置170において、ワックス成形体Wの交換の影響が糸道に及ぶことを抑制することが可能となる。また、ワックス付与装置170の移動機構182は、ワックス支持部76を筐体72に対してスライド移動させる。この構成によれば、容易にワックス成形体Wを交換することが可能となる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るワックス付与装置について説明する。本実施形態の説明では、第1実施形態と重複する説明は省略し、異なる点について説明する。
図12に示されるように、第3実施形態に係るワックス付与装置270は、所定の綾振り領域Pがワックス成形体Wに対し背面側に位置する背面式の装置である点において、第1実施形態のワックス付与装置70と異なる。ワックス支持部76で支持されたワックス成形体Wは、所定の綾振り領域Pに対して正面側に位置する。
また、ワックス付与装置270は、移動機構82(図3参照)に代えて移動機構282を備えた点において、第1実施形態のワックス付与装置70と異なる。移動機構282は、ヒンジ283を中心に回転可能に構成された回転プレート284を有している。回転プレート284は、ワックス付与装置270において正面側に配置されている。移動機構282は、ヒンジ283を中心に回転プレート284を回転することにより、回転プレート284に取り付けられたワックス支持部76を筐体72に対して回転移動させる。移動機構282は、ワックス支持部76を正面側に開く、前方開き型のワックス付与装置270を実現する。
以上、本実施形態によれば、所定の綾振り領域Pの少なくとも一部にワックス成形体Wを位置させるワックス付与装置170において、ワックス成形体Wの交換の影響が糸道に及ぶことを抑制することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
図13は、変形例に係るワックス付与装置を示す側面図である。図13に示されるように、変形例に係る上流側規制ガイド94及び下流側規制ガイド96は、糸道の下流側(図示上側)が糸道の上流側(図示下側)よりもワックス成形体Wから離れるように、糸道を規制する。図示する例では、下流側規制ガイド96の正面側の先端部が、上流側規制ガイド94の正面側の先端部よりも正面側に位置している。換言すると、下流側規制ガイド96が上流側規制ガイド94よりも正面側(ワックス成形体Wから離れる側)に突き出ている。側方から見て、下流側規制ガイド96の先端部と上流側規制ガイド94の先端部とを繋ぐ直線が、ワックス成形体Wの軸と直交(90°交差)しないように構成される。
このような構成によれば、ワックス成形体Wの上流側を糸20に効果的に当て、糸20に対するワックスの付着を安定して行うことができる。さらに、所定の綾振り領域Pにワックス成形体Wを位置させたことに起因するワックスの損傷を抑制できる。
図14(a)は、変形例に係る上流側規制ガイドを示す斜視図である。図14(b)は、変形例に係る上流側規制ガイドを示す平面図である。図14(b)では、糸20の糸道に沿う方向から見た状態が示されている。図14に示されるように、糸20の糸道に沿う方向から見て、上流側規制ガイド94は、綾振り方向であるX方向における糸道の位置を中心とした一方側(図示左側)の部分が、他方側(図示右側)の部分よりもワックス成形体Wから離れる方向に突き出た形状とされていてもよい。
具体的には、上流側規制ガイド94において糸道(綾振りセンター)から他方側の部分は、X方向に沿った平面状に延びる前面94xを有している。上流側規制ガイド94において糸道からX方向一方側の部分は、前面94xに対して正面側に出っ張っており、前面94yを有している。上流側規制ガイド94の前面94yは、糸道の位置からX方向一方側に行くに連れて、正面側に傾くように曲面状に傾斜した後、前面94xよりも正面側の位置にて綾振り方向に沿った平面状に延びる。
ここでは、ワックス成形体Wの回転方向CWは、正面から見て右回りである。この場合、上流側規制ガイド94において突き出るX方向一方側は、正面から見て左側となる。なお、ワックス成形体Wの回転方向CWが正面から見て左回りの場合、上流側規制ガイド94において突き出るX方向一方側は、正面から見て右側となる。
このような構成によれば、ワックス成形体Wを糸20に効果的に当て、糸20に対するワックスの付着を一層安定して行うことができる。さらに、所定の綾振り領域Pにワックス成形体Wを位置させたことに起因するワックスの損傷を一層抑制できる。
上記実施形態では、糸貯留装置18を省略し、給糸部6の糸20をパッケージ形成部8で直接巻き取るように構成し、糸20が分断された場合には、パッケージ形成部8から糸20を捕捉して糸継装置13に導入するように構成してもよい。上記において「固定的に設ける」とは、完全に(一体的に)固定されるように設ける場合の他に、例えば位置調整機構等を介して位置調整可能に設ける場合を含んでいる。
上記実施形態では、給糸部6をトレイ搬送式とする構成に限らず、マガジン式のボビン供給装置から新しい給糸ボビン21の供給を受けるように構成してもよい。この構成において、ボビン供給装置が給糸部6に新しい給糸ボビン21を供給するときに、当該ボビン供給装置が当該給糸ボビン21から糸端を引き出して上流糸吹送り部11に受け渡すようにすることもできる。この場合、補助吹送り部28を省略することができる。
上記実施形態では、パッケージ形成部8の一例として、綾振ドラム24による糸20のトラバースを示したが、これには限定されない。糸20のトラバース方法として、アーム式やベルト式のトラバース機構を採用することもできる。上記実施形態では、ねじりコイルばねを用いたが、種々の弾性部材を用いてもよい。上記実施形態では、チーズ形状のパッケージ30を巻き取ってもよいし、コーン形状のパッケージ30を巻き取ってもよい。各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。
2…ワインダユニット(糸巻取装置)、6…給糸部、8…パッケージ形成部(巻取部)、18…糸貯留装置、20…糸、21…給糸ボビン、30…パッケージ、70,170,270…ワックス付与装置、72…筐体、73…ねじ孔(取付け部)、74…綾振りガイド部、76…ワックス支持部、82,182,282…移動機構、83…回転軸、86…ロック機構、92…位置決め部、94…上流側規制ガイド(規制ガイド)、N…ねじ(取付け部)、P…所定の綾振り領域、S…基準面、W…ワックス成形体、θ1,θ2…屈曲角度。

Claims (15)

  1. 走行する糸にワックスを付与するワックス付与装置であって、
    糸巻取装置に取り付けるための取付け部を備えた筐体と、
    前記糸巻取装置の巻取部によって巻き取られる前記糸が所定の綾振り領域を形成して綾振りされるように、前記糸を案内する綾振りガイド部と、
    前記所定の綾振り領域の少なくとも一部にワックス成形体が位置するように、前記ワックス成形体を支持するワックス支持部と、を備え、
    前記綾振りガイド部は、前記筐体に対して固定的に設けられ、
    前記ワックス支持部は、前記ワックス成形体を着脱するために前記所定の綾振り領域から離れる方向に移動可能に構成された移動機構を介して前記筐体に取り付けられている、ワックス付与装置。
  2. 前記移動機構は、前記ワックス支持部及び当該ワックス支持部に支持された前記ワックス成形体を前記所定の綾振り領域に通過させることなく、前記ワックス支持部を移動させる、請求項1に記載のワックス付与装置。
  3. 前記取付け部は、前記筐体に対して固定的に設けられている、請求項1又は2に記載のワックス付与装置。
  4. 前記ワックス支持部で支持された前記ワックス成形体に対して前記所定の綾振り領域を介して接触し、前記糸に対する前記ワックス成形体の位置決めを行う位置決め部を備え、
    前記位置決め部は、前記筐体に対して固定的に設けられている、請求項1〜3の何れか一項に記載のワックス付与装置。
  5. 前記移動機構は、回転軸を有し、前記回転軸回りに回転するように前記ワックス支持部を前記筐体に対して回転移動させる、請求項1〜4の何れか一項に記載のワックス付与装置。
  6. 前記移動機構は、前記ワックス支持部を前記筐体に対してスライド移動させる、請求項1〜4の何れか一項に記載のワックス付与装置。
  7. 前記移動機構は、前記ワックス支持部を円弧状の軌跡に沿って移動させる、請求項6に記載のワックス付与装置。
  8. 予め設定された所定力以下の力で前記ワックス支持部が移動しないように前記移動機構を規制するロック機構を備える、請求項1〜7の何れか一項に記載のワックス付与装置。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載のワックス付与装置を具備する、糸巻取装置。
  10. 前記ワックス成形体は、前記所定の綾振り領域に対して前記糸巻取装置の反正面側に位置する、請求項9に記載の糸巻取装置。
  11. 前記ワックス付与装置は、
    前記ワックス成形体に対して前記糸の走行方向における上流側に設けられ、前記糸の糸道を規制する上流側規制ガイドを備える、請求項9又は10に記載の糸巻取装置。
  12. 前記上流側規制ガイドは、前記所定の綾振り領域の起点に設けられ、
    前記ワックス成形体と前記所定の綾振り領域との当接箇所に沿った面を基準面とした場合、前記ワックス付与装置に導入される前記糸における前記基準面から前記起点側に屈曲する屈曲角度(θ1)は、前記ワックス付与装置から導出される前記糸における前記基準面からパッケージ側に屈曲する屈曲角度(θ2)よりも大きい、請求項11に記載の糸巻取装置。
  13. 前記ワックス付与装置は、
    前記ワックス成形体に対して前記糸の走行方向における下流側に設けられ、前記糸の糸道を規制する下流側規制ガイドを備え、
    前記上流側規制ガイド及び前記下流側規制ガイドは、前記糸道の下流側が前記糸道の上流側よりも前記ワックス成形体から離れるように前記糸道を規制する、請求項11又は12に記載の糸巻取装置。
  14. 前記糸の糸道に沿う方向から見て、前記上流側規制ガイドは、綾振り方向における前記糸道の位置を中心とした一方側の部分が、他方側の部分よりも前記ワックス成形体から離れる方向に突き出た形状とされている、請求項11〜13の何れか一項に記載の糸巻取装置。
  15. 給糸ボビンが支持される給糸部と、
    前記給糸部に支持された給糸ボビンから糸を解舒し、解舒した糸を巻き取る糸貯留装置と、をさらに備え、
    前記糸貯留装置は、前記ワックス付与装置に対し前記糸の走行方向における上流側の位置に設けられている、請求項9〜14の何れか一項に記載の糸巻取装置。
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