JP2020007075A - 糸巻取機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワックス付与装置における不具合の発生を回避できる糸巻取機を提供する。【解決手段】巻取ユニット3は、給糸装置12と、巻取装置14と、ワックス付与装置30と、糸継装置26と、第2捕捉案内装置34と、を備え、ワックス付与装置30は、ワックス成形体Wを支持する支持部42と、支持部42に対してワックス成形体Wを保持させる第1位置P1と、支持部42においてワックス成形体Wを着脱するために支持部42から離れる第2位置P2と、に移動可能に設けられている保持部44と、保持部44を第2位置P2において保持する規制部46と、を有し、保持部44は、第2位置P2において第2捕捉案内装置34が移動する軌道上に位置しており、第2捕捉案内装置34との接触により規制部46による保持が解除されて第1位置P1に移動する。【選択図】図3
Description
本発明は、糸巻取機に関する。
糸巻取装置は、糸にワックスを付与するワックス付与装置を備えている。ワックス付与装置は、ワックス成形体を糸に押し当てて、糸にワックスを付与する。特許文献1に記載のワックス付与装置は、ワックス成形体を支持する支持部材と、支持部材に対してワックス成形体を保持させる押圧部材と、を備えている。
ワックス付与装置においてワックス成形体の着脱(交換)を行う際、押圧部材を操作して、支持部材に対するワックス成形体の保持を解除する。ワックス成形体を取り付けた後、支持部材に対してワックス成形体が保持されるように押圧部材を取り付ける作業が必要になるが、作業者が当該作業を忘れるおそれがある。この場合、ワックス成形体が脱落したり、ワックスが糸に付与されなかったりする。
本発明の一側面は、ワックス付与装置における不具合の発生を回避できる糸巻取機を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る糸巻取機は、糸を供給する給糸部と、糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、巻取装置によって巻き取られる糸にワックスを付与するワックス付与装置と、給糸部によって供給される糸と、巻取装置によってパッケージに巻き取られた糸とを継ぐ糸継装置と、パッケージに巻き取られた糸を捕捉して糸継装置に案内する捕捉装置と、を備え、ワックス付与装置は、ワックス成形体を支持する支持部と、支持部に対してワックス成形体を保持させる第1位置と、支持部においてワックス成形体を着脱するために支持部から離れる第2位置と、に移動可能に設けられている保持部と、保持部を第2位置において保持する規制部と、を有し、保持部は、第2位置において捕捉装置が移動する軌道上に位置しており、捕捉装置との接触により規制部による保持が解除されて第1位置に移動する。
本発明の一側面に係る糸巻取機では、ワックス付与装置においてワックス成形体の着脱作業した後に巻取動作を開始させる際、糸継装置によって糸継ぎが行われる。そのため、捕捉装置は、ワックス成形体の着脱作業の後、パッケージに巻き取られた糸を捕捉して糸継装置に案内するために移動する。このような構成において、保持部は、第2位置において捕捉装置が移動する軌道上に位置しており、捕捉装置との接触により規制部による保持が解除されて第1位置に移動する。これにより、糸巻取機では、保持部を第2位置に移動させてワックス成形体を着脱した後に、作業者が保持部を第2位置のままとした場合であっても、捕捉装置の移動に伴って保持部が第1位置に移動する。したがって、糸巻取機では、巻取動作を行うときには、ワックス成形体が保持部によって支持部に対して確実に保持されている。その結果、糸巻取機では、ワックス成形体が脱落したり、ワックスが糸に付与されなかったりする等といった、ワックス付与装置における不具合の発生を回避できる。
一実施形態においては、保持部は、ワックス成形体を糸の糸道側に押圧する方向に移動するように付勢されていてもよい。この構成では、第2位置において保持部が捕捉装置と接触して規制部による保持が解除された場合、付勢力によって保持部が第1位置に向かって移動する。したがって、糸巻取機では、保持部を第1位置に確実に位置させることができる。
一実施形態においては、捕捉装置は、糸を捕捉する捕捉位置と、捕捉した糸を糸継装置に案内する案内位置と、に移動可能に設けられており、捕捉位置に向かって移動する捕捉装置と保持部とが接触してもよい。この構成では、捕捉装置が捕捉位置に向かうときに保持部と接触するため、糸継装置に糸を案内する前に、保持部を第1位置に位置させることができる。したがって、糸巻取機では、糸継装置よって糸継ぎが完了する前までに、すなわち巻取動作が開始されるまでに、保持部を第1位置に確実に位置させることができる。
一実施形態においては、規制部は板ばねであり、保持部は、規制部に係止されることにより、第2位置において保持されてもよい。この構成では、第2位置において保持部を保持できると共に、捕捉装置との接触によって保持部の保持を確実に解除できる。
一実施形態においては、規制部は、保持部を磁力で保持してもよい。この構成では、第2位置において保持部を保持できると共に、捕捉装置との接触によって保持部の保持を確実に解除できる。
本発明の一側面によれば、ワックス付与装置における不具合の発生を回避できる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、自動ワインダ1は、並べて配置された複数の巻取ユニット(糸巻取機)3と、機台制御装置5と、玉揚装置7と、を備えている。
機台制御装置5は、複数の巻取ユニット3それぞれと通信可能である。自動ワインダ1のオペレータは、機台制御装置5を適宜操作することにより、複数の巻取ユニット3を一括して管理できる。機台制御装置5は、表示画面5aと、入力キー5bと、が設けられている。表示画面5aは、巻取ユニット3の設定内容及び/又は状態に関する情報等を表示することができる。オペレータが入力キー5bを用いて適宜の操作を行うことにより、巻取ユニット3の設定作業を行うことができる。
複数の巻取ユニット3のそれぞれは、給糸ボビンSBから糸Yを解舒しつつ、糸Yを綾振りしながら巻取ボビンWBに巻き取る。このようにして、巻取ユニット3は、パッケージPを形成する。糸Yは、芯糸が含まれていてもよい。芯糸は、例えば、モノフィラメント糸、糸等である。
玉揚装置7は、複数の巻取ユニット3のそれぞれにおいてパッケージPが満巻(規定量の糸が巻き取られた状態)となった際に、当該巻取ユニット3の位置まで走行し、満巻パッケージを巻取ユニット3から取り外すと共に、空の巻取ボビンWBを巻取ユニット3にセットする。
次に、図2を参照して、巻取ユニット3の構成について説明する。図2に示されるように、複数の巻取ユニット3のそれぞれは、ユニット制御部10と、給糸装置(給糸部)12と、巻取装置14と、を備えている。
ユニット制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、を備えている。ROMには、巻取ユニット3の各構成を制御するためのプログラムが記憶される。CPUは、ROMに記憶されたプログラムを実行する。ユニット制御部10は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により、巻取ユニット3の各構成を制御する。ユニット制御部10は、機台制御装置5と通信可能に構成されている。これにより、自動ワインダ1が備えた複数の巻取ユニット3の動作を、機台制御装置5において集中的に管理することができる。
給糸装置12は、図略の搬送トレイに載せられた給糸ボビンSBを所定の位置で支持する支持機構である。これにより、給糸ボビンSBから糸Yが解舒され、給糸ボビンSBから糸Yが引き出される。これにより、給糸装置12は、糸Yを供給する。給糸装置12は、搬送トレイ式に限られず、例えばマガジン式であってもよい。
巻取装置14は、クレードル16と、巻取ドラム18と、を備えている。クレードル16は、一対の回転支持部(図示しない)を有している。クレードル16は、回転支持部で巻取ボビンWBを挟み込むことにより、当該巻取ボビンWB(又はパッケージP)を回転可能に支持する。クレードル16は、支持しているパッケージPを巻取ドラム18に接触させる状態と、パッケージPを巻取ドラム18から離した状態と、に切替可能である。
巻取ドラム18は、パッケージPの表面で糸Yをトラバースさせると共にパッケージPを回転させる。巻取ドラム18は、ドラム駆動モータ(図示しない)によって回転駆動される。パッケージPの外周を巻取ドラム18に接触させた状態で、当該巻取ドラム18を回転駆動することにより、パッケージPを従動回転させる。また、巻取ドラム18の外周面には、螺旋状の綾振溝が形成されている。給糸ボビンSBから解舒された糸Yは、綾振溝によって一定の幅でトラバースされながらパッケージPの表面に巻き取られる。これにより、一定の巻幅を有するパッケージPを形成することができる。
複数の巻取ユニット3のそれぞれは、給糸装置12と巻取装置14との間の糸走行経路中に、給糸装置12側から順に、解舒補助装置20と、テンション付与装置22と、テンション検出装置24と、糸継装置26と、糸監視装置28と、ワックス付与装置30と、を備えている。糸継装置26の近傍には、第1捕捉案内装置32と、第2捕捉案内装置(捕捉装置)34と、が配置されている。
解舒補助装置20は、給糸ボビンSBの芯管に被さることが可能な規制部材21を備えている。規制部材21は、略筒状であり、給糸ボビンSBの糸層上部に形成されたバルーンに接触するように配置されている。なお、バルーンとは、給糸ボビンSBから解舒される糸Yが遠心力に振り回されている部分のことである。このバルーンに対して規制部材21を接触させることにより、当該バルーンの部分の糸Yに接触して、糸Yが過度に振り回されることを防止する。これにより、当該糸Yを給糸ボビンSBから適切に解舒できる。
テンション付与装置22は、走行する糸Yに所定のテンションを付与する。本実施形態では、テンション付与装置22は、固定の櫛歯に対して可動の櫛歯を配置するゲート式である。可動側の櫛歯は、櫛歯同士が噛み合わせ状態となるように付勢されている。テンション付与装置22は、噛み合わせ状態の櫛歯の間を屈曲させながら糸Yを通過させることにより、当該糸Yに対してテンションを付与する。テンション付与装置22の動作は、ユニット制御部10により制御される。
テンション検出装置24は、給糸装置12と巻取装置14との間において、走行する糸Yのテンションを検出(測定)する。テンション検出装置24は、糸Yのテンションの測定値を示すテンション測定信号をユニット制御部10に出力する。
糸継装置26は、給糸装置12と巻取装置14との間で糸Yが何らかの理由により分断状態となったときに、給糸装置12側の糸Y(下糸)と、巻取装置14側の糸Y(上糸)と、を糸継ぎする。本実施形態において、糸継装置26は、圧縮空気により発生させた旋回空気流によって糸端同士を撚り合わせるスプライサ装置として構成されている。
糸監視装置28は、糸道を走行する糸Yの状態を監視して、監視した情報に基づいて糸欠陥の有無を検出する。糸監視装置28は、糸欠陥として、例えば、糸Yの太さ異常及び/又は糸Yに含有されている異物を検出する。また、糸監視装置28は、糸切れ、すなわち糸道における糸Yの有無等も検出する。糸監視装置28の近傍には、糸Yを切断するためのカッタ29が設けられている。カッタ29は、糸監視装置28により作動させられる。
ワックス付与装置30は、巻取装置14と糸監視装置28との間に配置されている。ワックス付与装置30は、糸監視装置28から巻取装置14に向けて走行する糸Yにワックスを付与する。ワックス付与装置30は、円筒形状のワックス成形体Wをその軸回りに回転させると共に、綾振りされながら走行する糸Yにワックス成形体Wの一端面を押し当てる。これにより、ワックス付与装置30は、当該糸Yにワックスを付与する。
ワックス成形体Wは、円筒形状に成形されたワックスである。ワックスとしては、糸Yの用途又は仕様等に応じた種々のワックスが用いられる。例えばワックスとして、蝋等の天然ワックス、パラフィンワックス等の合成ワックス、又は、これらを組み合わせたワックスを用いることができる。
図3、図4及び図5に示されるように、ワックス付与装置30は、筐体40と、支持部42と、保持部44と、規制部46と、を備えている。
筐体40は、巻取ユニット3のフレーム(図示しない)に取り付けられている。筐体40は、第1本体部50と、第2本体部52と、プレート54と、を含んで構成されている。第1本体部50は、巻取ユニット3のフレームに固定されている。これにより、筐体40が巻取ユニット3に固定されている。
第1本体部50は、内部に空間が形成されている部材である。第1本体部50には、ワックス付与装置30に搭載される電気機器に接続されるコネクタ等が設けられている。第2本体部52は、第1本体部50に固定されている。第2本体部52は、上流側プレート52aと、下流側プレート52bと、側方プレート52cと、を有している。
上流側プレート52a及び下流側プレート52bは、平板形状に形成され、その厚さ方向が糸Yの走行方向に沿うように配置されている。下流側プレート52bは、上流側プレート52aの下流側における所定距離離れた位置に、上流側プレート52aに対向するように配置されている。上流側プレート52aには、糸Yが走行するガイド部53aが設けられている。下流側プレート52bには、糸Yが走行するガイド部53bが設けられている。ガイド部53aとガイド部53bとは、糸Yの走行方向に沿った直線上に配置されている。
上流側プレート52aと下流側プレート52bとの間には、筒状部材56が配置されている。筒状部材56は、上流側プレート52aと下流側プレート52bとの間において、上流側プレート52a寄りの位置に配置されている。筒状部材56は、不図示の負圧源と接続されており、糸巻き取り中は常時吸引状態が維持される。これにより、筒状部材56は、ワックス成形体Wから分離したワックスの塊、及び/又は、糸Yから発生する風綿を吸引している。
側方プレート52cは、上流側プレート52aの一端と下流側プレート52bの一端とを連結する。側方プレート52cは、上流側プレート52a及び下流側プレート52bと直交するように延在している。側方プレート52cは、第1本体部50に固定されている。これにより、第2本体部52が第1本体部50に固定されている。
図3及び図4に示されるように、プレート54は、第1本体部50に固定されている。プレート54は、平板形状に形成され、その厚さ方向が糸Yの走行方向に沿うように配置されている。プレート54は、第2本体部52の上流側プレート52aの上流側における所定距離離れた位置に、上流側プレート52aに対向するように配置されている。プレート54には、ガイド部54aが設けられている。ガイド部54aは、上流側プレート52aのガイド部53aとずれた位置に配置されている。
支持部42は、ワックス成形体Wを支持する。支持部42は、取付軸60と、位置決め部材62と、を有している。取付軸60は、ワックス成形体Wの筒孔及びワックス成形体Wに取り付けられるワックスプレート64の孔に挿入される。ワックスプレート64の孔は、取付軸60と係合する。図4に示されるように、ワックスプレート64は、円形状を呈する板部材である。ワックスプレート64において、ワックス成形体Wの他端面と対向する一面には、ワックスプレート64に対するワックス成形体Wの移動(回転)を規制する突起部(図示省略)が複数設けられている。
取付軸60は、第2本体部52の上流側プレート52aと下流側プレート52bとの間に配置されている。取付軸60の一端部は、取付軸60を回転駆動するモータ(図示省略)の回転軸66に取り付けられている。取付軸60は、ワックス成形体Wを回転可能に支持する。位置決め部材62は、筐体40の第1本体部50に固定されている。位置決め部材62は、回転軸66を支持している。位置決め部材62には、複数(例えば3個)のワックスピン62aが設けられている。ワックスピン62aは、通常巻取時において、支持部42に支持されたワックス成形体Wの一端面に突き当てられる。
保持部44は、支持部42の取付軸60に対してワックス成形体Wを保持させる。保持部44は、第2本体部52の上流側プレート52aと下流側プレート52bとの間の領域に配置されている。保持部44は、揺動軸70を中心に揺動可能に構成されている。揺動軸70は、第2本体部52の上流側プレート52aに設けられている。揺動軸70は、糸Yの走行方向に沿って延在している。揺動軸70には、図示しないコイルばねが取り付けられている。保持部44は、コイルばねの弾性力で付勢されることにより、ワックス成形体Wを糸Yの糸道側(第1本体部50側又は位置決め部材62側)に押圧する方向に移動(回動)するように付勢されている。本実施形態では、保持部44は、図5に示されるように、半時計回りに回動するように付勢されている。
保持部44は、押圧レバー44aと、突設部44bと、検出部44cと、を有している。保持部44は、略L字形状を呈している。押圧レバー44a、突設部44b及び検出部44cは、一体に形成されている。保持部44は、例えば、樹脂を材料として形成されている。
押圧レバー44aは、支持部42の取付軸60に取り付けられたワックス成形体Wを押圧する。押圧レバー44aは、ワックスプレート64の一面に接触することにより、ワックス成形体Wを押圧する。図5に示されるように、押圧レバー44aは、その先端部(揺動軸70に軸支されている基端部とは反対側の端部)が湾曲した形状を呈している。押圧レバー44aは、ワックス成形体W側に向かって湾曲している。
突設部44bは、規制部46に係止される部分である。突設部44bは、押圧レバー44aの側面に設けられている。規制部46は、押圧レバー44aよりも上流側に突出している。突設部44bの上流側の部位は、先細りの形状を呈している。突設部44bは、当該先細りの部位が規制部46に係止される。
検出部44cは、センサ72によって検出される部分である。検出部44cは、押圧レバー44aの基端部に接続されている。検出部44cは、保持部44の第1位置P1(後述)において、センサ72に検出され得る。センサ72は、検出結果をユニット制御部10に出力する。ユニット制御部10は、センサ72の検出結果に基づいて、ワックス成形体Wの残量等を取得する。
図6又は図7に示されるように、保持部44は、第1位置P1と、第2位置P2と、に揺動可能である。図6に示されるように、第1位置P1は、支持部42に対してワックス成形体Wを保持させる位置であり、押圧レバー44aがワックス成形体W(ワックスプレート64)を糸道側に向かって押圧する位置である。図7に示されるように、第2位置P2は、支持部42においてワックス成形体Wを着脱するために支持部42から離れる位置である。第2位置P2は、保持部44が規制部46によって保持される位置である。なお、第1位置P1は、第2位置P2以外の位置として定義することもできる。
保持部44(押圧レバー44a)は、第2位置P2において第2捕捉案内装置34の移動の軌道上に位置している。すなわち、保持部44は、移動する第2捕捉案内装置34と第2位置P2において接触可能である。保持部44は、第2捕捉案内装置34との接触により規制部46による保持が解除されて第1位置P1に移動する。具体的には、保持部44は、第2位置P2において規制部46による保持が解除されると、コイルばねの付勢力によって、第1位置P1に向かって回動する。
規制部46は、保持部44の移動を規制する。規制部46は、保持部44を第2位置P2において保持可能な位置に配置されている。本実施形態では、規制部46は、弾性を有する板ばねである。規制部46は、第2本体部52に固定されている。規制部46は、保持部44の突設部44bを係止することにより、保持部44を第2位置P2で保持する。規制部46は、支持部46aと、係止部46bと、を有している。支持部46a及び係止部46bは、一体に形成されている。
支持部46aは、第2本体部52の上流側プレート52aに固定されている。係止部46bは、保持部44の突設部44bを係止する。これにより、規制部46は、保持部44の移動を規制する。係止部46bは、屈曲した形状を呈している。規制部46の弾性力は、第2捕捉案内装置34との接触によって保持部44が移動したときに、変形し得るように設定されている。
第1捕捉案内装置32は、糸Yが分断状態となったときに上糸を捕捉する。第1捕捉案内装置32は、ユニット制御部10の制御により、給糸装置12側の待機位置(図2の実線)から巻取装置14側の捕捉位置(図2の鎖線)まで旋回可能(移動可能)である。本実施形態では、待機位置は、捕捉した糸Yを糸継装置26に案内する案内位置でもある。第1捕捉案内装置32は、図示しない負圧源に接続されており、吸引流を発生させる。この構成により、上糸吸引捕捉部33は、捕捉位置で上糸を捕捉して、待機位置まで戻ることで糸継装置26に上糸を案内する。
第2捕捉案内装置34は、ユニット制御部10の制御により、給糸装置12側の待機位置(図2の実線)から巻取装置14側の捕捉位置(図2の鎖線)まで旋回可能(移動可能)である。本実施形態では、待機位置は、捕捉した糸Yを糸継装置26に案内する案内位置でもある。すなわち、第2捕捉案内装置34は、パッケージPの糸Yを捕捉する捕捉位置と、捕捉した糸Yを糸継装置26に案内する案内位置と、に旋回可能である。第2捕捉案内装置34は、図示しない負圧源に接続されており、吸引流を発生させる。この構成により、第2捕捉案内装置34は、下糸を捕捉して糸継装置26に案内する。
図8及び図9に示されるように、第2捕捉案内装置34は、ノズル部34aと、パイプ部34bと、を含んで構成されている。ノズル部34aは、パイプ部34bの先端部に設けられている。パイプ部34bは、モータMによって回動する。第2捕捉案内装置34は、待機位置から捕捉位置に移動する場合、所定の軌道に沿って移動する。
続いて、ワックス付与装置30におけるワックス成形体Wの交換に係る動作の一例について説明する。
作業者は、ワックス成形体Wを交換する場合、保持部44の押圧レバー44aを操作して、保持部44を第1位置P1から第2位置P2に移動させる。保持部44が第2位置P2に位置すると、規制部46によって、保持部44が第2位置P2において保持される。
作業者は、保持部44を第2位置P2に位置させると、支持部42の取付軸60からワックス成形体W及びワックスプレート64を引き抜く。これにより、支持部42からワックス成形体Wが取り外される。続いて、作業者は、ワックスプレート64に新たなワックス成形体Wを取り付けた後、ワックス成形体Wを支持部42の取付軸60に取り付ける。その後、作業者は、保持部44を操作して、規制部46による保持部44の保持を解除する。これにより、保持部44は、第2位置P2から第1位置P1に移動する。
作業者は、ワックス成形体Wの交換が完了すると、機台制御装置5の入力キー5bにおいて、所定の操作を行う。これにより、巻取ユニット3において、糸継動作が開始され、糸継動作の完了後、巻取動作が開始される。
ここで、作業者が、ワックス成形体Wを支持部42に取り付けた後、規制部46による保持部44の移動規制の解除の作業を行うことを忘れる場合がある。すなわち、作業者が、保持部44を第1位置P1に移動させること忘れる場合がある。この場合、保持部44が第2位置P2に位置した状態で、巻取ユニット3において糸継動作が開始される。具体的には、第1捕捉案内装置32は、待機位置から捕捉位置に移動し、糸Yを捕捉した後に、糸継装置26に糸Yを案内する。
同様に、第2捕捉案内装置34は、待機位置から捕捉位置に移動し、糸Yを捕捉した後に、糸継装置26に糸Yを案内する。このとき、保持部44は、第2捕捉案内装置34と接触する第2位置P2に位置している。そのため、図8及び図9に示されるように、第2捕捉案内装置34が捕捉位置に向かって移動するときに、第2捕捉案内装置34と保持部44とが接触する。具体的には、保持部44の押圧レバー44aの先端部(湾曲した部分)と第2捕捉案内装置34とが接触する。これにより、保持部44は、規制部46による保持が解除、すなわち規制部46の係止部46bによる保持部44の突設部44bの係止が解除され、第1位置P1に移動する。
以上説明したように、本実施形態に係る自動ワインダ1の巻取ユニット3では、ワックス付与装置30においてワックス成形体Wの着脱作業した後に巻取動作を開始させる際、糸継装置26によって糸継ぎが行われる。そのため、第1捕捉案内装置32及び第2捕捉案内装置34は、ワックス成形体Wの着脱作業の後、糸Yを捕捉して糸継装置26に案内するために移動する。このような構成において、保持部44は、第2位置P2において第2捕捉案内装置34が移動する軌道上に位置しており、第2捕捉案内装置34との接触により規制部46による保持が解除されて第1位置P1に移動する。これにより、巻取ユニット3では、保持部44を第2位置P2に移動させてワックス成形体Wを着脱した後に、作業者が保持部44を第2位置P2のままとした場合であっても、第2捕捉案内装置34の移動に伴って保持部44が第1位置P1に移動する。したがって、巻取ユニット3では、巻取動作を行うときには、ワックス成形体Wが保持部44によって支持部42に対して確実に保持されている。その結果、巻取ユニット3では、ワックス成形体Wが脱落したり、ワックスが糸Yに付与されなかったりする等といった、ワックス付与装置30における不具合の発生を回避できる。
本実施形態に係る巻取ユニット3では、保持部44は、ワックス成形体Wを糸Yの糸道側に押圧する方向に移動するように付勢されていている。この構成では、第2位置P2において保持部44が第2捕捉案内装置34と接触して規制部46による保持が解除された場合、付勢力によって保持部44が第1位置P1に向かって移動する。したがって、巻取ユニット3では、保持部44を第1位置P1に確実に位置させることができる。
本実施形態に係る巻取ユニット3では、第2捕捉案内装置34は、糸Yを捕捉する捕捉位置と、捕捉した糸Yを糸継装置26に案内する案内位置と、に移動可能に設けられている。第2捕捉案内装置34は、捕捉位置に向かって移動するときに保持部44と接触する。この構成では、第2捕捉案内装置34が捕捉位置に向かうときに保持部44と接触するため、糸継装置26に糸Yを案内する前に、保持部44を第1位置P1に位置させることができる。したがって、巻取ユニット3では、糸継装置26よって糸継ぎが完了する前までに、すなわち巻取動作が開始されるまでに、保持部44を第1位置P1に確実に位置させることができる。
本実施形態に係る巻取ユニット3では、規制部46は板ばねである。保持部44は、規制部46に係止されることにより、第2位置P2において保持される。この構成では、第2位置P2において保持部44を保持できると共に、第2捕捉案内装置34との接触によって保持部44の保持を確実に解除できる。また、巻取ユニット3では、規制部46として板ばねを採用している。そのため、巻取ユニット3では、例えばソレノイド等の機器によって保持部44の移動を規制する場合に比べて、構成の簡易化を図れる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
上記実施形態では、糸巻取機が自動ワインダ1の巻取ユニット3である形態を一例に説明した。しかし、糸巻取機は、生成した糸を巻き取る紡績ユニットであってもよい。
上記実施形態では、規制部46が板ばねである形態を一例に説明した。しかし、規制部は、磁力によって保持部44を第2位置P2で保持する形態であってもよい。具体的には、例えば、規制部が磁石であり、保持部の一部に磁石又は金属が設けられている。この構成では、保持部が第2位置P2に位置したときに、規制部の磁力により、保持部の移動が規制される。
上記実施形態では、保持部44の押圧レバー44aが湾曲した形状を呈している形態を一例に説明した。しかし、押圧レバー44aは、湾曲した形状に限定されず、ワックス成形体Wを押圧可能な形状であれば如何なる形状であってもよい。
上記実施形態では、保持部44と第2捕捉案内装置34のパイプ部34bとが接触する形態を一例に説明した。しかし、保持部44と第2捕捉案内装置34のノズル部34aとが接触してもよい。
3…巻取ユニット(糸巻取機)、12…給糸装置(給糸部)、14…巻取装置、26…糸継装置、30…ワックス付与装置、34…第2捕捉案内装置(捕捉装置)、P1…第1位置、P2…第2位置、W…ワックス成形体、Y…糸。
Claims (5)
- 糸を供給する給糸部と、
前記糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、
前記巻取装置によって巻き取られる前記糸にワックスを付与するワックス付与装置と、
前記給糸部によって供給される前記糸と、前記巻取装置によって前記パッケージに巻き取られた前記糸とを継ぐ糸継装置と、
前記パッケージに巻き取られた前記糸を捕捉して前記糸継装置に案内する捕捉装置と、を備え、
前記ワックス付与装置は、
ワックス成形体を支持する支持部と、
前記支持部に対して前記ワックス成形体を保持させる第1位置と、前記支持部において前記ワックス成形体を着脱するために前記支持部から離れる第2位置と、に移動可能に設けられている保持部と、
前記保持部を前記第2位置において保持する規制部と、を有し、
前記保持部は、前記第2位置において前記捕捉装置が移動する軌道上に位置しており、前記捕捉装置との接触により前記規制部による保持が解除されて前記第1位置に移動する、糸巻取機。 - 前記保持部は、前記ワックス成形体を前記糸の糸道側に押圧する方向に移動するように付勢されている、請求項1に記載の糸巻取機。
- 前記捕捉装置は、前記糸を捕捉する捕捉位置と、捕捉した前記糸を前記糸継装置に案内する案内位置と、に移動可能に設けられており、
前記捕捉位置に向かって移動する前記捕捉装置と前記保持部とが接触する、請求項1又は2に記載の糸巻取機。 - 前記規制部は板ばねであり、
前記保持部は、前記規制部に係止されることにより、前記第2位置において保持される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の糸巻取機。 - 前記規制部は、前記保持部を磁力で保持する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の糸巻取機。
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