JP2017055509A - 電動機要素の製造方法、電動機要素、電動機、装置 - Google Patents

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Shinichi Tsutsumi
慎一 堤
慶一郎 額田
Keiichiro Nukada
慶一郎 額田
植田 浩司
Koji Ueda
浩司 植田
近藤 憲司
Kenji Kondo
憲司 近藤
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Abstract

【課題】流動性及び成形性を高めて、かつ高い磁気特性、高い耐熱性を有する新規なボンド磁石を提案する。【解決手段】電動機要素14は、略円筒状の固定子1と、固定子1の内側に回転自在に保持される回転子2とを有し、回転子2の中心にはシャフト孔3が設けられ、シャフト孔3にシャフト(図示せず)が挿通された状態で回転子2と前記シャフトとが固定されている。固定子1は、略円筒状のヨーク部4と、ヨーク部4の内側に延出するティース部5とを有する固定子の磁心7と、ティース部5の各々に絶縁電線を巻装して設ける巻装体6とを有し、ティース部5と巻装体6との間には、両者を電気的に絶縁するインシュレータ8を設け、回転子2には、円筒状の回転子コア9と、回転子2の周方向に複数形成された磁石配置孔11にボンド磁石部10とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、成形性、磁気特性及び耐熱性に優れ、且つ、流動性に優れたボンド磁石を搭載する電動機要素に関する。
情報機器用、家電用、産業用、自動車用などに用いられる電動機の電動機要素に搭載される磁石には、フェライト磁石や希土類焼結磁石、希土類系ボンド磁石などがある。特に高出力密度を求められる場合には、希土類系の磁石が使用される。希土類焼結磁石は現状、最も高い最大エネルギー積を有し、割れ、かけなどの課題はあるものの、機器の小型、高出力化に貢献している。
一方、希土類系ボンド磁石は、希土類であるNdを含むNd−Fe−B磁石粉末に樹脂を加えて固体化させた樹脂結合型の磁石が一般的である。希土類系ボンド磁石は樹脂成分を含むために、希土類焼結磁石に比較し磁石成分が少なく、磁気特性は低くなるが、希土類系焼結磁石のように割れ、かけの課題が少なく、成形後の後加工の必要もなく、一般に長尺、円筒、円筒や偏肉形状などの形状自由度が有効に働く、情報機器や家電等小型の電動機の高出力化に貢献している。
また近年、自動車のEV、HEV化の進展のため、自動車の動力となる主機の電動機以外にも、油圧から電動へと変わるパーツも多く、小型の電動機の需要が拡大している。中でもエンジン周りに搭載されるオイルポンプなどの電動機には、雰囲気温度や電動機内のコイルの発熱から150℃程度の高い耐熱要求もあり、形状自由度を活かした小型、高磁気特性かつ高耐熱な希土類系ボンド磁石の開発が要望されている。
この電動機の電動機要素などに使用される希土類系ボンド磁石の代表的な作製方法には圧縮成形と射出成形とがある。圧縮成形による希土類系ボンド磁石は、磁石粉末と熱硬化性樹脂を混合した複合粉末を、円筒形状の金型内で圧縮成形し、その後熱硬化性樹脂の硬化しボンド磁石とする。この圧縮成形による希土類系ボンド磁石の成形体は生産性良く、高密度の磁石が作製できることから、希土類系ボンド磁石では、従来から圧縮成形によるものが多用されてきた。この圧縮成形による希土類系ボンド磁石は、圧縮成形の工程の様態に起因して、一軸方向の圧縮による成形体となるため、二次元平面的な形状自由度しか得られない。従って、二次元平面的な形状の希土類系ボンド磁石によって、電動機要素の仕様の範囲(カバーレンジ)は、狭い傾向となっていた。
一方、射出成形による希土類系ボンド磁石は、磁石粉末と熱可塑性樹脂からなる複合材料を高温で溶融し、金型内に流し込み、冷却固化し磁石とすることで作製されるため、金型の形状を柔軟に変えることが可能であるため三次元的な形状自由度を得られる。従って、電動機要素の仕様の範囲(カバーレンジ)は、拡大可能となるため、近年においては技術開発が盛んである。
射出成形による希土類ボンド磁石では、優れた成形性を得るために、溶融時に高い流動性が求められる。一方、高い磁気特性を有するには、ボンド磁石に含まれる磁石粉末の含有量を多くする必要があるが、磁石粉末の含有量を増やすと溶融時の流動性は低下し、射出成形が困難となる。また、耐熱性を高めるためには、高耐熱性樹脂を用いれば良く、代表的な高耐熱性樹脂としては、ポリフェニレンサルファイド樹脂が挙げられる。しかしながら、ポリフェニレンサルファイド樹脂は、溶融時の流動性が低いため、ボンド磁石に含まれる磁石粉末の含有量を増すことは、溶融時の流動性を更に妨げることとなり、良い選
択では無い。また、比較的流動性が高いポリアミド6樹脂でも、磁石粉末の含有量を多くすると急激に流動性が低下し、射出成形が困難となる。このように、成形性及び耐熱性の向上と、希土類ボンド磁石の磁気特性の向上との間には、トレードオフの関係があり、樹脂材料毎に磁石粉末の最大含有量は自ずと定まる傾向にあった。
この特性向上の限界を解決する方法として、流動性及び成形性の向上のため、重金属不活性剤を含有するポリフェニレンサルファイド樹脂を用いる方法(例えば特許文献1等)が提案されている。また、数平均分子量が8,000〜10,500であるポリアミド6樹脂を用いる方法(例えば特許文献2等)が提案されている。
なお、周知のとおり、ポリアミド6樹脂の吸水率は、他の樹脂材料と比べると大きな数値を示し、ポリアミド6樹脂を含むボンド磁石の採用に際しては、樹脂成分の吸水による寸法変化や強度劣化に考察を要する。
また、上記の他に、流動性及び成形性の向上のため、カップリング剤、安定剤、滑剤、金属石鹸等を用いる方法(例えば特許文献3等)、シランカップリン剤やチタネートカップリング剤を用いる方法(例えば特許文献4等)が提案されている。
特開2009−152354号公報 特開2002−289416号公報 特開平4−334002号公報 特開平1−137604号公報
特許文献1に記された従来技術においては、ボンド磁石の成分に関して、樹脂量は10質量%であり、他に微量な重金属不活化剤を含むことから、残部としての磁石粉末の含有量は、90質量%以下に留まっていたことが判読できる。また、特許文献2に記された従来技術においては、その実施例4において、ボンド磁石中の磁石粉末の含有量は90.5重量%であることが読み取れる。なお、特許文献1における磁石粉末の単位標記は「質量%」であり、特許文献2における磁石粉末の単位標記は「重量%」であり、単位系が異なる。しかし、この両者の単位系による値の差は僅かであり、ほぼ同じ値として解釈する。
また、引用文献3の実施例によれば、磁石粉末の含有量は68体積%以下であり、磁石粉末を標準的なフェライト磁石密度5.0Mg/mとして、樹脂を1.1Mg/mとして換算すると90.6重量%以下である。このように、従来技術においては、磁石粉末の含有量を増すには限度があった。例えば、含有量を従来の限度を超えて増した場合には、溶融時のボンド磁石の流動性を妨げ、製造工程における成形体の成形不良を伴う。当然、この成形不良は、事業経営における経営的観点での課題となる。
なお、特許文献2に記された従来技術においては、溶融樹脂の流動性と、成形品の衝撃強度との兼ね合いから、平均分子量を数値限定したポリアミド6樹脂を採用している。しかし、平均分子量を数値限定してもポリアミド6樹脂の吸水率の値の大きさに起因する寸法変化及び強度劣化の課題は、解消し得ない。
本発明は、上記の課題に鑑み、従来よりも流動性及び成形性を高めて、かつ高い磁気特性、高い耐熱性を有する新規なボンド磁石を提案するものである。そして、この新規なボンド磁石においても、樹脂を含むことから、寸法変化及び強度劣化という欠点を有するこ
とは自明であるが、この欠点を補い、かつ新規なボンド磁石の磁気特性の高性能化を有効に作用させる電動機要素を提供することを目的とする。
第1の発明の電動機要素の製造方法は、少なくとも固定子と回転子とを含む電動機要素の製造方法において、前記回転子は磁気的突極性を有する構成を設ける工程を含み、前記磁気的突極性を有する構成には、前記固定子からの回転磁界によって発生する回転トルクの成分のうちのマグネットトルクを発生させるための複数のd軸磁束通路と、前記回転トルクの成分のうちのリラクタンストルクを発生させるための複数のq軸磁束通路とを含み、前記d軸磁束通路各々の少なくとも一部分にボンド磁石部を含み且つ前記q軸磁束通路各々の少なくとも一部分に前記ボンド磁石と接する隣接部を含み、かつ前記ボンド磁石部とこのボンド磁石部の周囲部分とが互いに密接する密接部を構成する工程を含み、
更に、前記ボンドの密接部を構成する工程には、前記回転子の磁石配置孔へボンド磁石用コンパウンドの溶融体を充填する工程を含む電動機要素の製造方法であり、
更に、
少なくとも最表層に耐候性被膜が施された磁石粉末と前記耐候性被膜と縮合反応可能な滑剤とを混合して縮合反応させる工程と、耐候性被膜が縮合反応した前記磁石粉末と樹脂材料の熱可塑性樹脂とを少なくとも含む混合体を任意の形状に成形してボンド磁石用コンパウンドを製造する工程とを含む。
第2の発明の電動機要素の製造方法は、第1の発明の電動機要素の製造方法において、磁石粉末の最表層に耐候性被膜としてリン酸塩被膜を設ける工程を含む。
第3の発明の電動機要素の製造方法は、第1の発明の電動機要素の製造方法において、熱可塑性樹脂としてポリアミド6樹脂を用いる。
第4の発明の電動機要素の製造方法は、第1の発明の電動機要素の製造方法において、耐候性被膜と縮合反応可能な滑剤としてリン酸エステル系の滑剤を用いて、磁石粉末の最表層の耐候性被膜と前記リン酸エステル系の滑剤とを脱水縮合反応させる工程を含む。
第5の発明は、第1の発明の電動機要素の製造方法によって得られた電動機要素において、ボンド磁石部の周囲部分と互いに密接する密接部を除くボンド磁石部の表面に樹脂塗膜を具備する。
第6の発明は、第1の発明の電動機要素の製造方法によって得られた電動機要素を含む電動機である。
本発明の電動機要素の製造方法によれば、少なくとも固定子と回転子とを含む電動機要素の製造方法において、前記回転子は磁気的突極性を有する構成を設ける工程を含み、前記磁気的突極性を有する構成には、前記固定子からの回転磁界によって発生する回転トルクの成分のうちのマグネットトルクを発生させるための複数のd軸磁束通路と、前記回転トルクの成分のうちのリラクタンストルクを発生させるための複数のq軸磁束通路とを含み、前記d軸磁束通路各々の少なくとも一部分にボンド磁石部を含み且つ前記q軸磁束通路各々の少なくとも一部分に前記ボンド磁石と接する隣接部を含み、かつ前記ボンド磁石部とこのボンド磁石部の周囲部分とが互いに密接する密接部を構成する工程を含み、
更に、前記ボンドの密接部を構成する工程には、前記回転子の磁石配置孔へボンド磁石用コンパウンドの溶融体を充填する工程を含む電動機要素の製造方法であり、
更に、
少なくとも最表層に耐候性被膜が施された磁石粉末と前記耐候性被膜と縮合反応可能な滑
剤とを混合して縮合反応させる工程と、耐候性被膜が縮合反応した前記磁石粉末と樹脂材料の熱可塑性樹脂とを少なくとも含む混合体を任意の形状に成形してボンド磁石用コンパウンドを製造する工程とを含む。したがって、磁石粉末と、磁石粉末の最表層と縮合反応可能な滑剤と、樹脂とを含み、磁石粉末の最表層は滑剤で被覆されることにより、磁石粉末粒子表面が滑性を有し、磁石粉末同士や成形金型内流路壁面との摩擦を低減し、かつ、磁石粉末粒子表面の滑剤成分が立体障害となり、磁石粉末同士の凝集を防ぎ、磁石粉末含有量を増大させた場合においても流動性の向上は可能である。
また、磁石粉末の最表層に耐候性被膜が施されたことから、ボンド磁石に含有する磁石粉末を熱的なダメージから保護することを可能とする。
また、耐候性被膜がリン酸塩被膜であることことから、薄い被膜形成が可能で、磁石成分を大幅に減じることなく、さらには磁石粉末の熱的な劣化をも抑制可能である。
また、磁石粉末の最表層と縮合反応可能な滑剤がリン酸エステル系滑剤であることから、熱的ダメージからの保護に加えて、磁石粉末最表層と結合し、流動性も向上することが可能である。
また、リン酸エステル系滑剤が磁石粉末の最表層と脱水縮合で結合することから、強固で緻密な流動性改善層を得ることとなり、ボンド磁石の成形時における流動性を向上することが可能となる。
また、上記樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とするボンド磁石とすることにより、高温時樹脂が溶融し材料粘度を下げ、流動性を向上することが可能となる。
また、熱可塑性樹脂がポリアミド6樹脂であるボンド磁石とすることにより、耐熱性を有したまま、流動性を更に向上することが可能となる。
また、ボンド磁石を永久磁石埋め込み型磁石回転子に搭載したことを特徴とする回転子とすることにより、形状自由度を活かした回転子設計が可能となり、かつボンド磁石の強度や寸法精度を向上することも可能となる。
また、上記永久磁石埋め込み型回転子の磁石露出面を樹脂塗膜で被覆することにより、ポリアミド6樹脂の吸水による、ボンド磁石の寸法変化及び強度劣化を抑制する構成を得ている。
また、本発明によって得られた電動機要素の回転子には、固定子からの回転磁界によって発生する回転トルクの成分のうちのマグネットトルクを発生させるための複数のd軸磁束通路と、前記回転トルクの成分のうちのリラクタンストルクを発生させるための複数のq軸磁束通路とを含み、前記d軸磁束通路各々の少なくとも一部分にボンド磁石部を含み且つ前記q軸磁束通路各々の少なくとも一部分に前記ボンド磁石と接する隣接部を含み、更に前記ボンド磁石部の成分には、少なくとも磁石粉末と樹脂材料のポリアミド6樹脂とを含み、かつ前記ボンド磁石部とこのボンド磁石部の周囲部分とが互いに密接する密接箇所を含む。したがって、樹脂材料のポリアミド6樹脂を含有することで、高い耐熱性を付与すると共に、高い流動性により優れた成形性を付与し、磁石粉末の含有量を多くした場合にも成形を可能とする。また、本発明の電動機要素の構成によって、ボンド磁石部はその周囲を構成する剛性体(回転子の磁心)によって保護され、かつ、ポリアミド6樹脂の吸水を抑制され、さらには、ボンド磁石の寸法変化及び強度劣化を抑制する構成を得ている。このように、高い流動性を有するため成形性に優れ、かつ高い磁気特性、高い耐熱性を有するボンド磁石を用いる電動機要素及び回転子を提供可能であり、その産業的価値は
大いなるものである。
本発明における電動機要素の回転軸に対して垂直な面の断面を示す断面図 本発明における、磁石粉末と、磁石粉末の最表層と縮合反応可能な滑剤とが結合した状態を示す図 参考例における、縮合反応可能な滑剤がない場合の磁石の状態を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面及び表を参照して説明する。
(磁石粉末)
本発明において用いる磁石粉末の磁性材料の種類は、特に限定されないが、例えば、Nd−Fe−B系磁石粉末、Sm−Co系磁石粉末、Sm−Fe−N系磁石粉末、フェライト系磁石粉末又はこれらの混合物などから適宜選択する。
本発明の電動機要素には、上記磁石粉末の中でも、希土類系磁石粉末を用いることが好ましい。
更に、磁気特性を高めるために、Nd−Fe−B系磁石粉末を用いることが特に好ましい。
なお、Nd−Fe−B系磁石粉末、Sm−Co系磁石粉末、Sm−Fe−N系磁石粉末、フェライト系磁石粉末、これら粉末には、長周期型周期表の第3族に属するスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)及びランタノイド元素を含むものである。ランタノイド元素は、例えば、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビニウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等であり、これら元素のうち1種または2種以上の元素を上記粉末には含むものである。
また、耐熱性被膜で予め磁石粉末を被覆することで、磁石粉末の耐熱性を更に高めることができる。本発明において用いられる耐熱性被膜層とは、特に限定されないが、リン酸塩化合物であることが好ましい。
本発明においては、ボンド磁石における希土類系磁石粉末の含有量は、ボンド磁石全体に対して93重量%〜97重量%の範囲で混練の工程における不具合は無く好結果を得ている。また、希土類系磁石粉末の含有量は、ボンド磁石全体に対して97重量%を超える場合や、98重量%に至る場合では、混練の工程における不具合を得ている。なお、混練の工程における混練温度は、ボンド磁石に含む樹脂の種類に応じて好適な温度にて行う。例えば、ポリアミド6樹脂の場合の混練の温度は、250℃程度である。また、ポリフェニレンサルファイド樹脂の場合の混練の温度は、310℃程度である。
なお、ボンド磁石全体に対して希土類系磁石粉末の含有量が93重量%〜97重量%のときの、ボンド磁石の成形体の密度の値は、約5.4Mg/mから6.5Mg/mを確認している。
さらに、本発明の工程で採用した通常の樹脂成形の工程に加えて、得られた成形体に対して、更に複数回の再加圧や、加圧方法の複合化や、再加圧時の成形温度の再調整をするなどの新工程を加味することで、ボンド磁石の成形体の密度の値を更に数%程度高めるこ
とが可能である。このように、ボンド磁石の密度を高めて、ボンド磁石の磁気特性について高性能化を図ることが可能であり、本発明の電動機要素の回転子は、所望の性能を得ることが可能となる。
(樹脂材料のポリアミド6樹脂)
樹脂材料のポリアミド6樹脂は比較的流動性が高く、かつ融点が約220℃と高いため、高い耐熱性が求められる用途に対して好適である。
なお、本発明において用いる樹脂材料のポリアミド6樹脂の粉体形状や粒体形状は、特に限定されないが、例えば、粉末状、ビーズ状、ペレット状又はこれらの混合物などから適宜選択する。
また、樹脂材料のポリアミド6樹脂の分子量は、所望の強度が得られる範囲であれば低いほうが好ましい。また、さらには、所望の強度の調整等のために分子量の異なる別の品種の樹脂材料のポリアミド6樹脂を混合して用いても良い。
(磁石粉末の最表層と縮合反応可能な滑剤)
図2には、本発明における、磁石粉末21と、磁石粉末21の最表層の耐候性被膜22と縮合反応可能な滑剤23とが結合した状態を模式的に示す図である。
図3には、磁石粉末21の最表層と縮合反応可能な滑剤22がない場合の状態を模式的に示す図である。各磁石粉末21は互いに近接し接触して凝集するため、滑性の効果は生じず、低流動な材料となる。
図2に示すとおり、磁石粉末21の最表層に耐候性被膜22が形成され、その周りに、磁石粉末の最表層と縮合反応可能な滑剤23が結合することで、磁石粉末粒子表面が滑性を有し、磁石粉末同士、成形金型内流路壁面との摩擦を低減し、かつ、磁石粉末粒子表面のリン酸エステル分子が立体障害となり、磁石粉末同士の凝集を防ぎ、磁石粉末含有量を増大させた場合にも大幅に流動性を向上させる。
本発明において用いる滑剤としては、リン酸エステル系滑剤が特に好ましい。リン酸エステル系滑剤は、磁石粉末最表層と縮合反応により磁石粉末表面に固定化されるため、個々の粉末の滑性を高め、流動性を劇的に向上することが可能となる。
リン酸エステル系滑剤としては、特に限定されないが、例えばメチルアシッドホスフェート、エチルアシドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ブトキシピロホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、アルキルアシッドホスフェート、イソトリデシルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、トリデシルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、オクタデカノキシホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、エチレングリコールアシッドホスフェート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルハイドロゼンホスファイト、ジラウリルハイドロゼンホスファイト、ジアルキルハイドロゼンホスファイト、ジオレイルハイドロゼンホスファイト、ジオレイルハイドロゼンホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリアルキルホスファイトなどを挙げることができる。
特に、分子鎖の長いものの方が、流動性の改善効果が高く好ましい。これらは単独で用
いてもよく、また混合物として用いてもよい。なお、上記物質を実際に採用する際には、地球環境及び人体への影響度の観点から定義される「環境管理物質」であるか否かという観点での再精査を要することは言うまでも無い。
また、市販され入手し得るものとしては、「堺化学工業社製:商品名 LBT−1830(ジンクステアリリルアシッドフォスフェート)」、「堺化学工業社製:商品名 LBT−1813(リン酸エステルアルミニウム塩系)」、「城北化学工業社製:商品名 JP−518Zn(オレイルアシッドフォスフェート系)」、「ADEKA社製:商品名 アデカスタブAX−71(オクタデカノキシホスフェート系)」などが知られている。
(その他添加剤)
また、ボンド磁石用のコンパウンドには、必要に応じて酸化防止剤、重金属不活性化剤、可塑剤、変性剤等の添加剤を含んでもよい。
(電動機要素の製造方法)
予め耐候性被膜の施された磁石粉末と、磁石粉末最表層と縮合反応可能な滑剤とを混合し、後に熱可塑性樹脂を加え、高温に加熱した混練押出機、ニーダー等に投入し、混練する。混練物をペレタイザ等でペレット状に加工することで、ボンド磁石用コンパウンドのペレットを作製する。
上述のボンド磁石用コンパウンドの溶融体を、射出成形機又はトランスファー成形機等を用いて、電動機要素の回転子の磁石配置孔へ充填し、構成要素としてボンド磁石を含む電動機要素を作製する。
なお、ボンド磁石部は、このボンド磁石からの磁力を、損失なく有効に作用させるために、ボンド磁石部の磁束方向に、少なくとも強磁性体、常磁性体、反磁性体のいずれかを含む構造体と接する構成を含むことが特に好ましい。
図1は、本発明の電動機要素の一構造例を示す断面図である。図1に示す電動機要素の極数とスロット数の組み合わせは、所謂、6極9スロットの集中巻の構成であり、9つのティース部に集中巻の巻装体を具備する固定子と、磁気的突極性を有する6つの磁極部を具備する回転子とを有する。
なお、本発明の電動機要素の構成は、これに限定されない。なお、図1の例示においては、1つのティース部5に巻線を巻いた集中巻による巻装体6を例示しているが、本発明はこれに限らない。例えば、複数のティース部5に渡って巻線を巻装する分布巻または波巻など種々の巻線の様態を採用可能である。
例えば、10極9スロットの集中巻の構成、10極12スロットの集中巻の構成、12極9スロットの集中巻の構成、14極12スロットの集中巻の構成、4極24スロットの分布巻の構成、4極36スロットの分布巻の構成、6極36スロットの分布巻の構成、8極48スロットの分布巻の構成、4極12スロットの波巻の構成、4極12スロットの波巻の構成、6極18スロットの波巻の構成などの周知の極数とスロット数の組み合わせのいずれにも適用可能である。
図1に示すように、本実施例に示す電動機要素14は、略円筒状の固定子1と、固定子1の内側に回転自在に保持される回転子2とを有している。回転子2の中心にはシャフト孔3が設けられ、シャフト孔3にシャフト(図示せず)が挿通された状態で回転子2と前記シャフトとが固定されている。なお、シャフトの両端部には、シャフトを回転自在に支承する一対の軸受を具備する。図1においては、シャフト及び軸受については、自明な内
容であり図示していない。
固定子1は、略円筒状のヨーク部4と、ヨーク部4の内側に延出するティース部5とを有する固定子の磁心7と、ティース部5の各々に絶縁電線を巻装して設ける巻装体6とを有している。ティース部5と巻装体6との間には、両者を電気的に絶縁するインシュレータ8が設けられている。また、回転子2は、円筒状の回転子コア9と、回転子2の周方向に複数(本例においては6つ)形成された磁石配置孔11にボンド磁石部10とを有している。
なお、巻装体6を構成する絶縁電線の芯線の材質には、不可避不純物と、銅、銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金のいずれかを含むものを用いる。
また、ボンド磁石部10は、少なくとも磁石粉末と樹脂材料を含む。この磁石粉末の磁性材料の種類は、特に限定されないが、例えば、Nd−Fe−B系磁石粉末、Sm−Co系磁石粉末、Sm−Fe−N系磁石粉末、フェライト系磁石粉末又はこれらの混合物などから適宜選択する。また、ボンド磁石部10の軸方向に対して垂直な面の断面形状は、略円弧形状の場合を示すが、こちらもこの形状に限定されるものではない。長方形、台形、V字形など、仕様に適した様態を適宜選択する。
また、本発明の電動機要素においては、回転子は磁気的突極性を有しており、図1に示すように、矢印12の横切る回転子の部位は、d軸磁束通路構成部であり、固定子からの回転磁界によって発生する回転トルクの成分のうちのマグネットトルクを発生させる。また、矢印13の横切る回転子の部位は、q軸磁束通路構成部であり、固定子からの回転磁界によって発生する回転トルクの成分のうちのリラクタンストルクを発生させる。
また、上述の方法で作製した電動機要素は、ボンド磁石が磁石配置孔に充填され、コアにより保持されているため、剛性が付与され、ポリアミド6樹脂の吸水による、ボンド磁石の寸法変化及び強度劣化を抑制する。
以下に、本発明のボンド磁石について、更に詳細に説明する。以下では、実施例1、その他の2例の実施例及び7例の参考例について示す。後述の表1には、各実施例及び各参考例のボンド磁石の材料の各材料の配合量を示す。また、各実施例及び各参考例のボンド磁石の流動性、磁気特性、射出成形温度、金型温度等を示す。
原料として下記の材料を用いる。
(磁性粉末)
磁性粉末には、Nd−Fe−B系磁石粉末を用いる。具体的には、Nd−Fe−B系磁石粉末としては、「モリコープ・マグネクエンチ社製:商品名 MQP−14−12」を用いる。この磁性粉末は、燐酸塩被膜を有していない。そのため、本実施例においては、磁石粉末には、別の工程にて、燐酸塩被膜を施している。又は、予め燐酸塩被膜が施された磁性粉末を用いてもよい。
なお、磁石粉末の表面に燐酸塩被膜を形成する方法は、様々な方法が既知である。例えば、容器内部を窒素で置換した媒体撹拌ミルを用いて、容器内へ、磁石粗粉末又は磁石粉末と、燐酸系化合物を溶解させた水溶液又は燐酸系化合物を溶解させた有機溶媒とを投入し、特定の条件で攪拌や粉砕を行うことで、磁石粉末の表面に燐酸塩皮膜を形成する方法などがあるが、好適な燐酸塩皮膜を形成する方法であれば如何様な方法でも良く、特に限定しない。
Figure 2017055509
(樹脂材料)
樹脂材料のポリアミド6樹脂には、「ユニチカ株式会社製:商品名ユニチカナイロン6
グレードA1012」を用いる。
(磁石粉末の最表層と縮合反応可能な滑剤)
本実施例においては、磁石粉末の最表層と縮合反応可能な滑剤としては、「ADEKA
社製:商品名 アデカスタブAX−71(オクタデカノキシホスフェート系)」を用いる。
なお、本発明における滑剤は、上記滑剤に限定するものではなく、磁石粉末の最表層と縮合反応可能な滑剤であれば良く、特に限定しない。
各参考例においては、上記の滑剤に換えて下記の添加剤のいずれかを適宜に用いる。
(各参考例の添加剤)
参考例1に用いる添加剤のうち、シランカップリング剤は、「日本ユニカー株式会社製、商品名:A−1100」を用いる。
また、参考例2に用いる添加剤のうち、チタネートカップリング剤は、「味の素ファインテクノ株式会社製:商品名 プレンアクト55」を用いる。
また、参考例3に用いる添加剤のうち、アルミネートカップリング剤は、「味の素ファインテクノ株式会社製:商品名 プレンアクトAL−M」を用いる。
また、参考例4に用いる添加剤のうち、金属石鹸の類のうちのステアリン酸カルシウムとしては、「堺化学工業株式会社製:商品名 SC−100」を用いる。
また、参考例5に用いる添加剤のうち、金属石鹸の類のうちのステアリン酸亜鉛としては、「堺化学工業株式会社製:商品名 SZ−2000」を用いる。
また、参考例6に用いる添加剤のうち、金属石鹸の類のうちのステアリン酸リチウムとしては、「堺化学工業株式会社製:商品名 S−7000」を用いる。
なお、上記の添加剤は、その成分がほとんど同一の代価商品が多岐に渡って市販されているものであり、入手可能なものを適宜に選択して採用し実験を行ったに過ぎない。
(各実施例及び各参考例についての説明)
表1に示す配合に従って材料を秤量・混合攪拌し、材料の混合物を作製した。
各材料を混合した混合物を、2軸混練押出機を用いて、250℃で混練し、押出した混練物をペレタイザでペレット状に加工することで、ボンド磁石用コンパウンドのペレットを作製した。
作製したペレットは、キャピラリレオメーターを用いて、流動性の指標である粘度を測定した。測定結果を表1に示す。また、直径5mm、高さ5mmの円柱状磁石を、射出成形機を用いて作製した。
作製した円柱状磁石は、振動試料型磁力計を用いて磁気特性を測定した。残留磁束密度、保磁力、最大エネルギー積の値を表1に示す。
これらの結果から、本発明に係る、予め耐候性被膜を施された磁石粉末、ポリアミド6樹脂と、磁石粉末最表層と縮合反応可能な滑剤からなるボンド磁石用コンパウンドのペレットにおいて、流動性の指標である粘度は、参考例の、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウムの添加剤を用いたボンド磁石用コンパウンドのペレットに
比較し、大幅に低く、高い流動性を有することが分かる。
実施例1においては、磁石粉末の最表層と縮合反応可能な滑剤の添加は無い。実施例2及び実施例3においては、磁石粉末の最表層と縮合反応可能な滑剤の添加量を変えて添加する。その流動性は、添加量を増すことで向上し得ることが判る。
これは磁石粉末と、磁石粉末の最表層と縮合反応可能な滑剤と、樹脂から構成されることを特徴とするボンド磁石とすることで、磁石粉末最表層が滑剤で被覆されることにより、磁石粉末粒子表面が滑性を有し、磁石粉末同士、成形金型内流路壁面との摩擦を低減し、かつ、磁石粉末粒子表面の滑剤成分が立体障害となり、磁石粉末同士の凝集を防ぎ、磁石粉末含有量を更に増した場合においても流動性の向上を確認している。
また、参考例1、参考例2、参考例3、参考例4、参考例5及び参考例6においても、各添加剤の0.5重量%の添加によって、流動性が改善し得ることが判る。各参考例毎に評価を記す。
参考例1のシランカップリング剤では、磁石粉末最外周と樹脂との結合は高まったが、逆に流動性は低下している。
参考例2におけるチタネートカップリング剤及び参考例3におけるアルミネートカップリング剤では、実施例1における滑剤を加えない場合に比べると流動性の改善は僅かである。これはカップリング剤とポリアミド6樹脂との相溶性パラメータが離れているため、相溶性の改善に効果を発揮し得ないケースであると考察する。
また、参考例4におけるのステアリン酸カルシウム、参考例5におけるステアリン酸亜鉛及び参考例64におけるステアリン酸リチウムの添加も、実施例1における滑剤を加えない場合に比べると流動性の改善は僅かである。これは、本発明の磁石粉末の最表層と縮合反応可能な滑剤のように、粉末表面結合しないため、流動を阻害する磁石粉末同士の摩擦を効果的に抑制する効果を発揮し得ないケースであると考察する。
また、参考例7の磁石粉末に耐候性被膜を施していない場合は、磁石粉末最表層と縮合反応可能な滑剤を加えた場合にも磁石粉末最外周と滑剤との結合が弱いため、流動性の改善に効果を発揮し得ないケースであると考察する。
上述のボンド磁石用コンパウンドのペレットを、射出成形機、トランスファー成形機、押出機等を用いて、永久磁石埋め込み型回転子の磁石配置孔にボンド磁石部を成形して設けることで、高性能な回転子を作製し得る。
また、上記永久磁石埋め込み型回転子のボンド磁石部の回転軸方向の端面におけるボンド磁石部磁石露出面を樹脂塗膜で被覆することにより、ポリアミド6樹脂の吸水による、ボンド磁石の寸法変化及び強度劣化を抑制する構成を得ている。
なお、本発明における電動機要素に含む回転子に用いる電磁鋼板の成分には、強磁性体を含む。また、回転子の筒状の外装管の成分には、強磁性体又は反磁性体を含んでも良い。
また、回転子には、その外装に筒状の外装管を具備する様態を採用しても良い。そして、上記電磁鋼板及び上記外装管の成分には、不可避不純物としての微量な常磁性体を含んでも良い。
また、なお、本発明における電動機要素に含む回転子に用いる電磁鋼板を積層する際に、電磁鋼板各々の積層状態を電動機要素の出力軸を中心に任意の角度で変位させて積層することで、磁石配置孔にスキュー形状を構成してもよい。
以上のように、本発明によれば、高い流動性を有し成形性に優れ、かつ高い磁気特性、高い耐熱性を有するボンド磁石部を含む電動機要素を提供可能である。
3 シャフト孔
4 ヨーク部
5 ティース部
6 巻装体
8 インシュレータ
10 ボンド磁石部
14 電動機要素

Claims (6)

  1. 少なくとも固定子と回転子とを含む電動機要素の製造方法において、前記回転子は磁気的突極性を有する構成を設ける工程を含み、前記磁気的突極性を有する構成には、前記固定子からの回転磁界によって発生する回転トルクの成分のうちのマグネットトルクを発生させるための複数のd軸磁束通路と、前記回転トルクの成分のうちのリラクタンストルクを発生させるための複数のq軸磁束通路とを含み、前記d軸磁束通路各々の少なくとも一部分にボンド磁石部を含み且つ前記q軸磁束通路各々の少なくとも一部分に前記ボンド磁石と接する隣接部を含み、かつ前記ボンド磁石部とこのボンド磁石部の周囲部分とが互いに密接する密接部を構成する工程を含み、
    更に、前記ボンドの密接部を構成する工程には、前記回転子の磁石配置孔へボンド磁石用コンパウンドの溶融体を充填する工程を含む電動機要素の製造方法であり、
    更に、
    少なくとも最表層に耐候性被膜が施された磁石粉末と前記耐候性被膜と縮合反応可能な滑剤とを混合して縮合反応させる工程と、耐候性被膜が縮合反応した前記磁石粉末と樹脂材料の熱可塑性樹脂とを少なくとも含む混合体を任意の形状に成形してボンド磁石用コンパウンドを製造する工程とを含む、電動機要素の製造方法。
  2. 請求項1記載の電動機要素の製造方法において、磁石粉末の最表層に耐候性被膜としてリン酸塩被膜を設ける工程を含む電動機要素の製造方法。
  3. 請求項1記載の電動機要素の製造方法において、熱可塑性樹脂としてポリアミド6樹脂を用いる電動機要素の製造方法。
  4. 請求項1記載の電動機要素の製造方法において、耐候性被膜と縮合反応可能な滑剤としてリン酸エステル系の滑剤を用いて、磁石粉末の最表層の耐候性被膜と前記リン酸エステル系の滑剤とを脱水縮合反応させる工程を含む電動機要素の製造方法。
  5. 請求項1記載の電動機要素の製造方法によって得られた電動機要素において、ボンド磁石部の周囲部分と互いに密接する密接部を除くボンド磁石部の表面に樹脂塗膜を具備する電動機要素。
  6. 請求項1記載の電動機要素の製造方法によって得られた電動機要素を含む電動機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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