JP2017052491A - 制御装置 - Google Patents

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Kohei Tsuda
耕平 津田
高志 吉田
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高志 吉田
佳史 林
Yoshifumi Hayashi
佳史 林
小林 弘和
Hirokazu Kobayashi
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Abstract

【課題】パワーオンダウンシフトを行う場合に変速エンドショックを低減する。【解決手段】内燃機関と車輪とを結ぶ動力伝達経路に係合装置と変速装置とが設けられた車両用駆動装置用の制御装置は、係合装置の直結係合状態でパワーオンダウンシフトを行う場合に、変速入力部材の実回転速度が変速後同期回転速度から第一所定回転速度以内の回転速度域に達するまでに、係合装置がスリップ係合状態となるように係合装置の伝達トルクを制御する。【選択図】図4

Description

本発明は、車両用駆動装置を制御対象とする制御装置に関する。
内燃機関と車輪とを結ぶ動力伝達経路に係合装置と変速装置とが設けられた車両用駆動装置が用いられている。このような車両用駆動装置の一例として、特開平9−331602号公報(特許文献1)に開示された装置が知られている。特許文献1の車両用駆動装置では、内燃機関と変速装置との間に設けられる係合装置の係合の状態が、走行モードに応じて係合状態又は解放状態のいずれかとされる。言い換えれば、係合装置が係合状態とされて内燃機関を駆動力源に含みながら車両を走行させる走行モードが実現されている際には、係合装置は係合状態に維持される。
しかし、係合装置を係合状態に維持したままで例えば変速動作を行う場合、当該変速動作の終了時にショックが生じる場合がある。すなわち、変速動作中はスリップ係合状態を経て新たに係合される変速用係合装置の伝達トルクに応じたトルクが車輪に伝達されるのに対して、変速動作の終了後は変速入力部材に伝達されるトルクがそのまま車輪に伝達されることになるため、それらにズレがあると、そのトルク段差分に応じた変速エンドショックが生じてしまう。特に、車輪に前進加速方向のトルクが伝達されている状態で変速比が相対的に大きい変速段に切り替えるパワーオンダウンシフトを行う場合には、変速エンドショックが生じやすい。
特開平9−331602号公報
パワーオンダウンシフトを行う場合に変速エンドショックを低減できる技術が求められている。
本開示に係る制御装置は、
内燃機関と車輪とを結ぶ動力伝達経路に入力部材と係合装置と変速入力部材と変速装置とが記載の順に設けられた車両用駆動装置を制御対象とする制御装置であって、
前記係合装置の直結係合状態で、前記車輪に前進加速方向のトルクが伝達されている状態で前記変速装置において変速段を変速比が相対的に大きい変速段に切り替えるパワーオンダウンシフトを行い、前記変速入力部材の実回転速度が変化し始めた後に前記パワーオンダウンシフトの完了後の変速段での当該変速入力部材の回転速度である変速後同期回転速度から第一所定回転速度以内の回転速度域に達するまでに、前記係合装置がスリップ係合状態となるように前記係合装置の伝達トルクを制御する。
この構成によれば、変速動作中に変速入力部材の実回転速度が変速後同期回転速度から第一所定回転速度以内の回転速度域に達するまでに、内燃機関の出力トルクを変速装置側に伝達させつつ、内燃機関と変速装置との間の係合装置をスリップさせることができる。よって、パワーオンダウンシフトを進行させつつ、内燃機関の慣性系を変速入力部材の慣性系から切り離すことができる。これにより、切り離される内燃機関の慣性系の分、変速装置の変速段の切替完了時に変速入力部材の回転速度を変化させるためのイナーシャトルクを小さく抑えることができる。よって、変速動作の終了時に生じ得るトルク段差を小さく抑えることができるので、パワーオンダウンシフトを行う場合に生じやすい変速エンドショックを、低減することができる。
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
実施形態に係る車両用駆動装置の概略図 制御装置の概略構成を示すブロック図 変速中スリップ制御の一例を示すタイムチャート 変速中スリップ制御の処理手順を示すフローチャート 同期タイミング予測処理の処理手順を示すフローチャート 別態様の車両用駆動装置の概略図 別態様の車両用駆動装置の概略図 別態様の車両用駆動装置の概略図
制御装置の実施形態について説明する。この制御装置1は、車両用駆動装置3を制御対象とする車両用駆動装置用制御装置である。制御装置1による制御対象となる車両用駆動装置3は、車輪Wの駆動力源として少なくとも内燃機関EGを備えた車両を駆動するための駆動装置である。本実施形態では、車輪Wの駆動力源として内燃機関EG及び回転電機33の双方を備えた車両(ハイブリッド車両)を駆動するための車両用駆動装置3(ハイブリッド車両用駆動装置)を例として説明する。この車両用駆動装置3は、パラレル方式のハイブリッド車両を駆動するためのパラレルハイブリッド車両用駆動装置として構成されている。
以下の説明において、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力(トルクと同義)を伝達可能に連結された状態を意味する。この概念には、2つの回転要素が一体回転するように連結された状態や、1つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態が含まれる。このような伝動部材には、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(軸、歯車機構、ベルト等)が含まれ、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等)が含まれても良い。
また、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いる。
また、摩擦係合装置の係合の状態に関して、「係合状態」は、当該摩擦係合装置に伝達トルク容量が生じている状態を意味する。ここで、伝達トルク容量は、摩擦係合装置が摩擦により伝達可能な最大トルクであり、その大きさは、当該摩擦係合装置に備えられる一対の係合部材(入力側係合部材と出力側係合部材)を相互に押し付けあう圧力(係合圧)に比例して定まる。「係合状態」には、一対の係合部材間に回転速度差(スリップ)がない「直結係合状態」と、回転速度差がある「スリップ係合状態」とが含まれる。「解放状態」は、摩擦係合装置に伝達トルク容量が生じていない状態を意味する。
図1に示すように、車両用駆動装置3は、内燃機関EGと車輪Wとを結ぶ動力伝達経路に、切離用係合装置32と変速装置35とを備えており、本実施形態では、回転電機33をさらに備えている。また、車両用駆動装置3は、前記動力伝達経路において各構成部材間での回転及び駆動力を伝達するため、入力部材31と変速入力部材34と出力部材36とを備えている。入力部材31、切離用係合装置32、回転電機33、変速入力部材34、変速装置35、及び出力部材36は、前記動力伝達経路において、内燃機関EGの側から記載の順に設けられている。
入力部材31は、内燃機関EGに駆動連結される。内燃機関EGは、機関内部における燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等)である。入力部材31は、例えば軸部材(入力軸)で構成されている。入力部材31は、内燃機関EGの出力部材である内燃機関出力部材(クランクシャフト等)と一体的に回転するように駆動連結される。従って、入力部材31の回転速度は内燃機関EGの回転速度に一致する。以下、入力部材31の回転速度を、代数「Neg」を用いて表す場合がある。なお、入力部材31と内燃機関出力部材とは、直接的に連結されても良いし、ダンパ等の他の部材を介して連結されても良い。入力部材31は、切離用係合装置32を介して回転電機33に駆動連結されている。
切離用係合装置32は、入力部材31と回転電機33とを選択的に連結する。言い換えれば、切離用係合装置32は、内燃機関EGと回転電機33との間の連結を解除可能に設けられている。切離用係合装置32は、車輪Wから内燃機関EGを切り離す内燃機関切離用係合装置として機能する。本実施形態では、切離用係合装置32は摩擦係合装置であり、例えば湿式多板クラッチ等を用いることができる。本実施形態では、切離用係合装置32が「係合装置」に相当する。
回転電機33は、非回転部材であるケースに固定されたステータと、このステータの径方向内側に回転自在に支持されたロータとを含む。回転電機33は、インバータ装置を介して蓄電装置に接続されている。回転電機33は、蓄電装置から電力の供給を受けて力行し、或いは、内燃機関EGのトルクや車両の慣性力等によって発電した電力を蓄電装置に供給して蓄電させる。回転電機33のロータは、変速入力部材34と一体回転するように連結されている。従って、変速入力部材34の回転速度Ninは回転電機33(ロータ)の回転速度に一致する。変速入力部材34は、例えば軸部材(変速入力軸)で構成されている。ロータと一体回転する変速入力部材34は、変速装置35に駆動連結されている。
本実施形態では、変速装置35は有段自動変速装置として構成されている。本実施形態の変速装置35は、例えば、遊星歯車機構(図示せず)と複数の変速用係合装置35Cとを備えている。変速用係合装置35Cには、1つ又は複数のクラッチ35Xと、1つ又は複数のブレーキ35Yとが含まれる。本実施形態では、変速用係合装置35Cを構成するクラッチ35X及びブレーキ35Yは摩擦係合装置であり、例えば湿式多板クラッチや湿式多板ブレーキ等を用いることができる。なお、変速用係合装置35Cには、1つ又は複数のワンウェイクラッチが含まれていても良い。
変速装置35は、変速用係合装置35Cのそれぞれの係合の状態に応じて、複数の変速段のいずれかを選択的に形成可能である。例えば変速装置35は、複数の変速用係合装置35Cのうちの2つを選択的に直結係合状態とすることで、係合される変速用係合装置35Cの組み合わせに応じた変速段を形成する。変速装置35は、変速入力部材34の回転速度Ninを、形成された変速段に応じた変速比に基づいて変速して出力部材36に伝達する。なお、「変速比」は、出力部材36の回転速度Noutに対する変速入力部材34の回転速度Ninの比であり、変速入力部材34の回転速度Ninを出力部材36の回転速度Noutで除算した値として算出される。出力部材36は、例えば軸部材(出力軸)で構成されている。
出力部材36は、差動歯車装置37を介して、左右一対の車輪Wに駆動連結されている。出力部材36に伝達されたトルクは、差動歯車装置37を介して左右2つの車輪Wに分配されて伝達される。これにより、車両用駆動装置3は、内燃機関EG及び回転電機33の一方又は双方のトルクを車輪Wに伝達させて車両を走行させることができる。
車両用駆動装置3の各部の動作制御を行う中核として機能する制御装置1は、図2に示すように、統合制御部11、回転電機制御部12、係合制御部13、変速中スリップ制御部15、及び同期タイミング推定部16を備えている。これらの各機能部は、メモリ等の記憶媒体に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方によって構成されている。各機能部は、互いに情報の受け渡しを行うことが可能に構成されている。また、制御装置1は、車両用駆動装置3が搭載された車両の各部に備えられた各種センサ(第一センサ51〜第三センサ53)の検出結果の情報を取得可能に構成されている。
第一センサ51は、入力部材31及び当該入力部材31と一体回転する部材(例えば、内燃機関EG)の回転速度を検出する。第二センサ52は、変速入力部材34及び当該変速入力部材34と一体回転する部材(例えば、回転電機33)の回転速度を検出する。第三センサ53は、出力部材36の回転速度Nout、又は、出力部材36と同期回転する部材(例えば、車輪W)の回転速度を検出する。なお、「同期回転」とは、基準回転速度に対して比例した回転速度で回転することを意味する。制御装置1は、第三センサ53の検出結果に基づいて車速を算出可能である。また、制御装置1は、第一センサ51〜第三センサ53の検出結果をそれぞれ時間微分して、入力部材31、変速入力部材34、及び出力部材36の回転加速度(回転速度の時間変化率)をそれぞれ算出可能である。制御装置1は、これら以外にも、例えばアクセル開度、ブレーキ操作量、蓄電装置の蓄電量等の情報を取得可能に構成されても良い。
統合制御部11は、内燃機関EG、回転電機33、切離用係合装置32、及び変速装置35(変速用係合装置35C)等に対して行われる各種の制御(トルク制御、回転速度制御、係合制御等)を車両全体として統合する制御を行う。統合制御部11は、センサ検出情報(主に、アクセル開度及び車速の情報)に基づいて、車両(車輪W)の駆動のために要求される車両要求トルクを算出する。
また、統合制御部11は、センサ検出情報(主に、アクセル開度、車速、及び蓄電装置の蓄電量の情報)に基づいて、走行モードを決定する。本実施形態では、統合制御部11が選択可能な走行モードには、電動走行モードとハイブリッド走行モードとが含まれる。電動走行モードは、回転電機33のトルクのみを車輪Wに伝達させて車両を走行させる走行モードである。ハイブリッド走行モードは、内燃機関EG及び回転電機33の両方のトルクを車輪Wに伝達させて車両を走行させる走行モードである。
統合制御部11は、決定された走行モードやセンサ検出情報等に基づいて、内燃機関EGに対して要求する出力トルク(内燃機関要求トルク)や、回転電機33に対して要求する出力トルク(回転電機要求トルク)を決定する。統合制御部11は、決定された走行モードやセンサ検出情報等に基づいて、切離用係合装置32の係合の状態や、変速装置35に形成させる目標変速段等を決定する。
本実施形態では、制御装置1(統合制御部11)は、内燃機関制御装置20を介して、内燃機関EGの動作点(出力トルク及び回転速度)を制御する。内燃機関制御装置20は、車両の走行状態に応じて内燃機関EGのトルク制御と回転速度制御とを切り替えることが可能である。内燃機関EGのトルク制御は、内燃機関EGに目標トルクを指令し、内燃機関EGの出力トルクTegをその目標トルクに追従させる制御である。内燃機関EGの回転速度制御は、内燃機関EGに目標回転速度を指令し、内燃機関EGの回転速度をその目標回転速度に追従させるように出力トルクTegを決定する制御である。
回転電機制御部12は、回転電機33の動作点(出力トルク及び回転速度)を制御する。回転電機制御部12は、車両の走行状態に応じて回転電機33のトルク制御と回転速度制御とを切り替えることが可能である。回転電機33のトルク制御は、回転電機33に目標トルクを指令し、回転電機33の出力トルクをその目標トルクに追従させる制御である。回転電機33の回転速度制御は、回転電機33に目標回転速度を指令し、回転電機33の回転速度をその目標回転速度に追従させるように出力トルクを決定する制御である。
係合制御部13は、切離用係合装置32の係合の状態や、変速装置35に備えられる複数の変速用係合装置35Cの係合の状態を制御する。本実施形態では、切離用係合装置32や複数の変速用係合装置35Cは、油圧駆動式の摩擦係合装置である。係合制御部13は、切離用係合装置32や変速用係合装置35Cのそれぞれに供給される油圧を、油圧制御装置41を介して制御することで、切離用係合装置32や変速用係合装置35Cのそれぞれの係合の状態を制御する。
各係合装置の係合圧は、当該係合装置に供給されている油圧の大きさに比例して変化する。これに応じて、各係合装置に生じる伝達トルク容量の大きさは、当該係合装置に供給される油圧の大きさに比例して変化する。そして、各係合装置の係合の状態は、供給される油圧に応じて、直結係合状態、スリップ係合状態、及び解放状態のいずれかに制御される。油圧制御装置41は、オイルポンプ(図示せず)から供給される作動油の油圧を調整するための油圧制御弁(リニアソレノイド弁等)を備えている。オイルポンプは、例えば、入力部材31又は変速入力部材34等によって駆動される機械式ポンプや、ポンプ用回転電機によって駆動される電動ポンプ等であって良い。油圧制御装置41は、係合制御部13からの油圧指令に応じて油圧制御弁の開度を調整することで、当該油圧指令に応じた油圧の作動油を各係合装置へ供給する。
係合制御部13は、切離用係合装置32の係合の状態を、統合制御部11によって決定された走行モードを形成するように制御する。係合制御部13は、例えば電動走行モードの形成時には切離用係合装置32を解放状態とするように制御し、ハイブリッド走行モードの形成時には切離用係合装置32を直結係合状態とするように制御する。
また、係合制御部13は、複数の変速用係合装置35Cのそれぞれの係合の状態を、統合制御部11によって決定された目標変速段を形成するように制御する。係合制御部13は、目標変速段に応じた2つの変速用係合装置35Cを直結係合状態とするように制御するとともに、それ以外の全ての変速用係合装置35Cを解放状態とするように制御する。また、係合制御部13は、車両の走行中に目標変速段が変更された場合には、変更前後の目標変速段でそれぞれ直結係合状態とすべき変速用係合装置35Cの差分に基づき、特定の変速用係合装置35Cを直結係合状態から解放状態とするように制御するとともに、他の特定の変速用係合装置35Cを解放状態から係合状態とするように制御する。以下の説明において、変速動作中に新たに解放状態とされる変速用係合装置35Cを「解放側係合装置35R」と言い、新たに係合状態とされる(締結される)変速用係合装置35Cを「締結側係合装置35A」と言う。
変速中スリップ制御部15は、変速装置35の変速動作中に切離用係合装置32をスリップさせる変速中スリップ制御を実行する。本実施形態では特に、変速中スリップ制御部15は、少なくとも切離用係合装置32の直結係合状態でパワーオンダウンシフトを行う場合に、変速中スリップ制御を実行して、直結係合状態の切離用係合装置32をスリップさせる。ここで、パワーオンダウンシフトは、車輪Wに前進加速方向のトルクが伝達されている状態で、変速装置35において変速比が相対的に小さい変速段から変速比が相対的に大きい変速段への切り替えを行う変速動作である。
一般に、ダウンシフトは、図3に示すように、プレ相Pp、イナーシャ相Pi、及びトルク相Ptを記載の順に経て進行する。プレ相Ppは、解放側係合装置35Rの係合圧を低下させ始めるとともに締結側係合装置35Aへの初期油圧供給を行い、その後の実質的変速動作に備えるための準備期間である。イナーシャ相Piは、変速動作中に、変速装置35における実変速比を変更前の変速段の変速比から変更後の変速段の変速比へと変化させる期間である。言い換えれば、イナーシャ相Piは、出力部材36の回転速度Noutに応じた変速入力部材34の回転速度Ninを、変速前同期回転速度Nsynbから変速後同期回転速度Nsynaに向けて変化させる期間である。トルク相Ptは、変速動作中に、解放側係合装置35Rと締結側係合装置35Aとのトルク分担比を変化させて、解放側係合装置35Rが車輪伝達トルクを伝達する状態から締結側係合装置35Aが車輪伝達トルクを伝達する状態への状態移行を行う期間である。
なお、変速前同期回転速度Nsynbは、変速動作の開始前の変速段(すなわち、変更前の変速段)での変速入力部材34の回転速度Ninである。変速前同期回転速度Nsynbは、出力部材36の回転速度Noutに変更前の変速段での変速比を乗じて算出することができる。変速後同期回転速度Nsynaは、変速動作の完了後の変速段(すなわち、変更後の変速段)での変速入力部材34の回転速度Ninである。変速後同期回転速度Nsynaは、出力部材36の回転速度Noutに変更後の変速段での変速比を乗じて算出することができる。
変速動作がパワーオンダウンシフトである場合には、イナーシャ相Piにおいて、変速入力部材34の回転速度Ninを変速前同期回転速度Nsynbから変速後同期回転速度Nsynaまで上昇させる必要がある。この変速入力部材34の回転速度Ninの上昇は、車輪Wを前進方向に加速させるための内燃機関EGの正方向のトルクを利用して促進することができる。このとき、変速入力部材34の回転速度Ninを上昇させるために内燃機関EGの正方向のトルクを確実に変速入力部材34に伝達させようとすれば、切離用係合装置32の伝達トルクを内燃機関EGのトルク以上に維持させる必要がある。このため、通常であれば、切離用係合装置32をスリップさせることは困難である。
これに対して、本実施形態の変速中スリップ制御部15は、イナーシャ相Piの当初は切離用係合装置32の伝達トルクを内燃機関EGの出力トルクTeg以上としつつ、イナーシャ相Piの終盤では切離用係合装置32の伝達トルクを低下させる。変速中スリップ制御部15は、内燃機関EGの出力トルクTegから、入力部材31に回転速度変化を生じさせるためのイナーシャトルクTiを差し引いた大きさのトルクよりも低い目標伝達トルクTtとなるように、切離用係合装置32の伝達トルクを制御する。
入力部材31に回転速度変化を生じさせるためのイナーシャトルクTiは、内燃機関EG及び当該内燃機関EGと一体回転する部材のイナーシャと入力部材31の回転加速度Aとに基づいて算出される。なお、切離用係合装置32の直結係合状態では、入力部材31と変速入力部材34とが一体回転するので、入力部材31の回転加速度Aは変速入力部材34の回転加速度に一致する。上記のイナーシャトルクTiは、内燃機関EG及び当該内燃機関EGと一体回転する部材のイナーシャに入力部材31及び変速入力部材34の回転加速度Aを乗じて算出することができる。
変速中スリップ制御部15は、変速入力部材34の回転速度Ninが変速後同期回転速度Nsynaを基準として定められる第一同期範囲に達するまでに、切離用係合装置32の伝達トルクを上記の目標伝達トルクTt(<Teg−Ti)まで低下させる。第一同期範囲は、変速後同期回転速度Nsynaに一致している、又は、一致しているとみなすことができる回転速度範囲である。第一同期範囲は、例えば変速後同期回転速度Nsynaよりも第一判定差回転速度だけ低い回転速度以上、変速後同期回転速度Nsyna以下の回転速度範囲とすることができる。第一判定差回転速度は、例えば0〜100〔rpm〕等の範囲内で適宜設定されると良い。本実施形態では、第一判定差回転速度が「第一所定回転速度」に相当する。また、第一同期範囲が「変速後同期回転速度から第一所定回転速度以内の回転速度域」に相当する。
このように切離用係合装置32の伝達トルクを制御することで、イナーシャ相Piが終了するまでに、内燃機関EGの出力トルクTegを変速装置35側に伝達させつつ、切離用係合装置32をスリップさせることができる。内燃機関EGの出力トルクTegを変速装置35側に伝達させることで、パワーオンダウンシフトを進行させることができる。また、切離用係合装置32をスリップさせることで、内燃機関EGの慣性系を変速入力部材34の慣性系から切り離すことができる。これにより、切り離される内燃機関EGの慣性系の分、変速段の切替完了時に変速入力部材34の回転速度Ninを変化させるためのイナーシャトルクを小さく抑えることができる。よって、変速動作の終了時に生じ得るトルク段差を小さく抑えることができるので、変速エンドショックを低減することができる。
本実施形態の制御装置1は、より的確なタイミングで切離用係合装置32をスリップさせることを可能とするべく、同期タイミング推定部16を備えている。同期タイミング推定部16は、イナーシャ相Piにおいて、変速入力部材34の回転速度Ninが第一同期範囲に達する将来の時点である同期到達時点Sを推定する。同期タイミング推定部16は、所定周期で更新される入力部材31の回転速度Neg、所定周期で更新される入力部材31の回転加速度A、及び切離用係合装置32の応答時間Trに少なくとも基づいて、同期到達時点Sを推定する。また、同期タイミング推定部16は、所定周期で更新される出力部材36の回転速度Nout、所定周期で更新される出力部材36の回転加速度B、及び変更後の変速比λにも基づいて、同期到達時点Sを推定する。なお、切離用係合装置32の応答時間Trは、切離用係合装置32に目標伝達トルクTtに応じた油圧指令を出力してから実際に伝達トルクが目標値に到達するまでに要する制御遅れ分の時間である。この応答時間Trは、一律の値に設定されても良いし、切離用係合装置32の個体毎に異なる値に設定されても良い。
同期タイミング推定部16は、例えば、その時点での入力部材31の回転速度Negと、その時点での入力部材31の回転加速度Aに切離用係合装置32の応答時間Trを乗じた値とを加算して、応答時間Tr後の入力部材31の回転速度Negを予測する。また、同期タイミング推定部16は、例えば、その時点での出力部材36の回転速度Noutと、その時点での出力部材36の回転加速度Bに切離用係合装置32の応答時間Trを乗じた値とを加算して、応答時間Tr後の出力部材36の回転速度Noutを予測する。そして、同期タイミング推定部16は、応答時間Tr後の出力部材36の回転速度Noutの予測値に変更後の変速比λを乗じて応答時間Tr後の変速後同期回転速度Nsynaを予測し、応答時間Tr後の入力部材31の回転速度Negの予測値が変速後同期回転速度Nsynaの予測値を基準とする第一同期範囲に達する将来の時点を、同期到達時点Sとして推定する。
変速中スリップ制御部15は、同期到達時点Sを含むように定められる推定同期到達期間において上記の目標伝達トルクTt(<Teg−Ti)となるように、切離用係合装置32の伝達トルクを制御する。推定同期到達期間は、例えば同期到達時点Sよりも予め定められた始期設定時間だけ早い時点から、同期到達時点Sまでの期間とすることができる。始期設定時間は、例えば0〜10〔msec〕等の範囲内で適宜設定されると良い。このようにすれば、切離用係合装置32をスリップさせ始めるタイミングを、イナーシャ相Piが終了するタイミングにほぼ正確に合わせることができる。よって、必要以上に早期に切離用係合装置32がスリップし始めることによって変速動作が遅延するような事態の発生を、有効に回避することができる。
以下、変速中スリップ制御部15及び同期タイミング推定部16を中核として実行される変速中スリップ制御のより具体的な例について、図3〜図5を参照して説明する。ここで説明するのは、切離用係合装置32の直結係合状態でパワーオンダウンシフトが行われる場合に実行される変速中スリップ制御(オンダウン中スリップ制御)である。
まず、パワーオンダウンシフト要求が受け付けられると(ステップ#01:Yes/時刻T01)、通常の変速制御が実行され、プレ相Ppが進行する(T01〜T02)。その後、イナーシャ相Piの開始が判定されると(#02:Yes/T02)、内燃機関EGの出力トルクTeg及び切離用係合装置32の油圧指令が次第に上昇される(#03)。これにより、一体回転する入力部材31及び変速入力部材34の回転速度Neg,Ninが次第に上昇し、イナーシャ相Piが進行する。イナーシャ相Pi中は、逐次、同期タイミング予測処理が行われる(#04)。
同期タイミング予測処理では、その時点を基準とする応答時間Tr後の入力部材31の回転速度Neg(+Tr)が予測される(#21)。本実施形態では、その時点での入力部材31の回転速度Neg、その時点での入力部材31の回転加速度A、及び切離用係合装置32の応答時間Trに基づいて、応答時間Tr後の入力部材31の回転速度Neg(+Tr)が予測される。具体的には、その時点での入力部材31の回転速度Negと、その時点での入力部材31の回転加速度Aに切離用係合装置32の応答時間Trを乗じた値とを加算して、応答時間Tr後の入力部材31の回転速度Neg(+Tr)が算出される。
また、それと並行して、その時点を基準とする応答時間Tr後の変速後同期回転速度Nsyna(+Tr)が予測される(#22)。本実施形態では、その時点での出力部材36の回転速度Nout、その時点での出力部材36の回転加速度B、切離用係合装置32の応答時間Tr、及び変更後の変速比λに基づいて、応答時間Tr後の変速後同期回転速度Nsyna(+Tr)が予測される。具体的には、その時点での出力部材36の回転速度Noutと、その時点での出力部材36の回転加速度Bに切離用係合装置32の応答時間Trを乗じた値とを加算し、さらに、得られた値に変更後の変速比λを乗じて、応答時間Tr後の変速後同期回転速度Nsyna(+Tr)が算出される。
そして、これらの予測値どうしを比較し、応答時間Tr後において、入力部材31の回転速度Neg(+Tr)が変速後同期回転速度Nsyna(+Tr)を基準とする第一同期範囲に達するか否かの判定(予測同期判定)が実施される(#23)。すなわち、応答時間Tr後の入力部材31の回転速度Neg(+Tr)が、応答時間Tr後の変速後同期回転速度Nsyna(+Tr)よりも第一判定差回転速度だけ低い回転速度以上となるか否かが判定される。否定的な判定がなされている間は(#23:No)、ステップ#21〜#23の処理が繰り返される。やがて肯定的な判定が得られると(#23:Yes/T03)、その時点を基準とする応答時間Tr後の時点(T04)が、同期到達時点Sとして推定される(#24)。
同期到達時点Sが推定されると、その同期到達時点Sを含むように定められる推定同期到達期間に向けて、切離用係合装置32の伝達トルクが低下され、或いは、その上昇が抑えられる(#05)。本実施形態では、推定同期到達期間(好ましくは同期到達時点S)において、内燃機関EGの出力トルクTegから、入力部材31に回転速度変化を生じさせるためのイナーシャトルクTiを差し引いた大きさのトルクよりも低い目標伝達トルクTtとなるように、切離用係合装置32の伝達トルクが制御される。これにより、同期到達時点Sの付近で、切離用係合装置32をスリップさせ始めることができる。
本実施形態では、それと並行して、次第に上昇する入力部材31の回転速度Negが、実際に変速後同期回転速度Nsynaを基準とする第一同期範囲に到達したか否かの判定(第一同期判定)が実施される(#06)。なお、ここでの第一同期範囲は、基準となる同期回転速度が予測値であるかリアルタイム値であるかの違いこそあるものの、上述した予測同期判定における第一同期範囲と同じである。肯定的な判定が得られると(#06:Yes/T04)、切離用係合装置32の回転速度制御が実行され(#07)、より積極的に切離用係合装置32がスリップされる。
ここで、切離用係合装置32の回転速度制御は、当該切離用係合装置32に備えられる一対の係合部材間(入力部材31と一体回転する入力側係合部材と、変速入力部材34と一体回転する出力側係合部材との間)の目標回転速度差を指令し、一対の係合部材間の回転速度差ΔWをその目標回転速度差に追従させるように伝達トルクを決定する制御である。本実施形態では、切離用係合装置32の一対の係合部材間の目標回転速度差は、予め定められたスリップ差回転ΔWsを初期値として、経時的に漸減してやがてゼロとなるように設定されている。なお、スリップ差回転ΔWsは、例えば50〜200〔rpm〕等の範囲内で適宜設定されると良い。
このような切離用係合装置32の回転速度制御の実行により、切離用係合装置32が確実にスリップし(T04〜T05)、この状態でトルク相Ptが進行する。よって、変速エンドショックを低減することができる。また、車輪Wを前進方向に加速させるための内燃機関EGの正方向のトルクが入力部材31に作用する場合であっても、その回転速度Negの過度の上昇(いわゆる、内燃機関EGの“吹き上がり”)が生じるのを抑制することができる。
切離用係合装置32の回転速度制御において、一対の係合部材間の回転速度差ΔWを経時的に漸減する目標回転速度差に追従させることで、入力部材31の回転速度Negが変速後同期回転速度Nsynaに向かって次第に近づいていく。このとき、入力部材31の回転速度Negが変速後同期回転速度Nsynaを基準とする第二同期範囲に到達したか否かの判定(第二同期判定)が実施される(#08)。第二同期範囲は、変速後同期回転速度Nsynaに一致している、又は、一致しているとみなすことができる回転速度範囲である。第二同期範囲は、例えば変速後同期回転速度Nsyna以上、変速後同期回転速度Nsynaよりも第二判定差回転速度だけ高い回転速度以下の回転速度範囲とすることができる。第二判定差回転速度は、例えば0〜100〔rpm〕等の範囲内で適宜設定されると良い。本実施形態では、第二判定差回転速度が「第二所定回転速度」に相当する。また、第二同期範囲が「変速後同期回転速度から第二所定回転速度以内の回転速度域」に相当する。肯定的な判定が得られると(#08:Yes/T06)、切離用係合装置32が再度直結係合状態とされて(#09)、変速中スリップ制御が終了する。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、推定同期到達期間(好ましくは同期到達時点S)において目標伝達トルクTtとなるように、切離用係合装置32の伝達トルクが制御される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば推定同期到達期間よりも前の推定同期未到達期間においてスリップ係合状態となるように、切離用係合装置32の伝達トルクが制御されても良い。例えば推定同期到達期間よりも前の推定同期未到達期間において目標伝達トルクTt(<Teg−Ti)となるように、切離用係合装置32の伝達トルクが制御されても良い。
(2)上記の実施形態では、パワーオンダウンシフト中に切離用係合装置32の伝達トルクを低下させる制御を行った後に、切離用係合装置32の回転速度制御が実行される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば切離用係合装置32の回転速度制御に代えて、内燃機関EGの出力トルクを低下させるトルクダウン制御が実行されても良い。このトルクダウン制御は、例えば内燃機関EGのスロットル開度を低減させる制御や、内燃機関EGにおける点火時期を遅角化させる制御等によって実施されて良い。このようなトルクダウン制御によってでも、内燃機関EGの吹き上がりが生じるのを抑制することができる。
(3)上記の実施形態では、複数の変速用係合装置35Cのうちのいずれか2つの直結係合状態で目標変速段が形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば1つ又は3つ以上の変速用係合装置35Cの直結係合状態で目標変速段が形成されても良い。
(4)上記の実施形態では、内燃機関EGと車輪Wとを結ぶ動力伝達経路に備えられる係合装置が切離用係合装置32だけである車両用駆動装置3を制御対象とする例について説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、制御対象の車両用駆動装置3において、例えば図6に示すように、内燃機関EGと変速装置35との間の動力伝達経路に第二切離用係合装置38がさらに設けられても良い。或いは、例えば図7に示すように、内燃機関EGと変速装置35との間の動力伝達経路に、直結用係合装置39Lを有する流体継手39(トルクコンバータやフルードカップリング等)がさらに設けられても良い。これらの場合には、パワーオンダウンシフト中に伝達トルクが制御される「係合装置」は、切離用係合装置32であっても良いし、第二切離用係合装置38又は直結用係合装置39Lであっても良い。
(5)上記の実施形態では、変速装置35として遊星歯車機構と複数の変速用係合装置35Cとを有する形式の有段自動変速装置を備える車両用駆動装置3を制御対象とする例について説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、制御対象の車両用駆動装置3において、変速装置35として例えばDCT(Dual Clutch Transmission)等の他の形式の有段自動変速装置が用いられても良い。
(6)上記の実施形態では、内燃機関EGと車輪Wとを結ぶ動力伝達経路に切離用係合装置32と回転電機33と変速装置35とを備える車両用駆動装置3(ハイブリッド車両用駆動装置)を制御対象とする例について説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、制御対象の車両用駆動装置3は、例えば図8に示すように、第2の駆動力源としての回転電機33を備えていない、いわゆる内燃機関車両用駆動装置であっても良い。
なお、上述した各実施形態(上記の実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎないと理解されるべきである。従って、当業者は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔実施形態の概要〕
以上をまとめると、本開示に係る制御装置は、好適には、以下の各構成を備える。
[1]
内燃機関(EG)と車輪(W)とを結ぶ動力伝達経路に入力部材(31)と係合装置(32,38,39L)と変速入力部材(34)と変速装置(35)とが記載の順に設けられた車両用駆動装置(3)を制御対象とする制御装置(1)であって、
前記係合装置(32,38,39L)の直結係合状態で、前記車輪(W)に前進加速方向のトルクが伝達されている状態で前記変速装置(35)において変速段を変速比が相対的に大きい変速段に切り替えるパワーオンダウンシフトを行い、前記変速入力部材(34)の実回転速度(Nin)が変化し始めた後に前記パワーオンダウンシフトの完了後の変速段での当該変速入力部材(34)の回転速度(Nin)である変速後同期回転速度(Nsyna)から第一所定回転速度以内の回転速度域に達するまでに、前記係合装置(32,38,39L)がスリップ係合状態となるように前記係合装置(32,38,39L)の伝達トルクを制御する。
この構成によれば、変速動作中に変速入力部材の実回転速度が変速後同期回転速度から第一所定回転速度以内の回転速度域に達するまでに、内燃機関の出力トルクを変速装置側に伝達させつつ、内燃機関と変速装置との間の係合装置をスリップさせることができる。よって、パワーオンダウンシフトを進行させつつ、内燃機関の慣性系を変速入力部材の慣性系から切り離すことができる。これにより、切り離される内燃機関の慣性系の分、変速装置の変速段の切替完了時に変速入力部材の回転速度を変化させるためのイナーシャトルクを小さく抑えることができる。よって、変速動作の終了時に生じ得るトルク段差を小さく抑えることができるので、パワーオンダウンシフトを行う場合に生じやすい変速エンドショックを、低減することができる。
[2]
前記変速入力部材(34)の実回転速度(Nin)が前記変速後同期回転速度(Nsyna)から前記第一所定回転速度以内の回転速度域に達したら、前記内燃機関(EG)の出力トルク(Teg)から前記入力部材(31)に回転速度変化を生じさせるためのイナーシャトルク(Ti)を差し引いた大きさのトルクよりも低い目標伝達トルク(Tt)となるように前記係合装置(32,38,39L)の伝達トルクを制御する。
パワーオンダウンシフトを行う場合には、車輪を前進方向に加速させるためのトルクの向きと、変速入力部材の回転速度を上昇させてダウンシフトを進行させるためのトルクの向きとが一致する。このため、特別な意図をもって特別な制御を実行するのでなければ、通常、パワーオンダウンシフト中に内燃機関と変速装置との間の係合装置をスリップさせることはほとんどない。
この点、上記の構成では、変速動作中に変速入力部材の実回転速度が変速後同期回転速度から第一所定回転速度以内の回転速度域に達するまでに、意図的に、係合装置の伝達トルクを内燃機関の出力トルクから入力部材に回転速度変化を生じさせるためのイナーシャトルクを差し引いた大きさのトルクよりも低くする。これにより、パワーオンダウンシフトを行う場合にも、内燃機関と変速装置との間の係合装置を適切にスリップさせることができ、変速エンドショックを低減することができる。この際、回転変化に必要なイナーシャトルクは残っているため、変速時間を短くすることなく、かつ変速エンドショックを低減することができる。
[3]
少なくとも前記入力部材(31)の回転速度(Neg)、前記入力部材(31)の回転加速度(A)、及び前記係合装置(32,38,39L)の応答時間(Tr)に基づいて前記変速入力部材(34)の回転速度(Nin)が前記変速後同期回転速度(Nsyna)から前記第一所定回転速度以内の回転速度域に達する同期到達時点(S)を推定し、推定された前記同期到達時点(S)を含むように定められる推定同期到達期間において前記目標伝達トルク(Tt)となるように前記係合装置(32,38,39L)の伝達トルクを制御する。
この構成によれば、内燃機関と変速装置との間の係合装置をスリップさせ始めるタイミングを、変速入力部材の実回転速度が変速後同期回転速度に到達するタイミングにほぼ正確に合わせることができる。よって、当該係合装置が必要以上に早期にスリップし始めることによってダウンシフトに係る変速動作が遅延するような事態の発生を、有効に回避することができる。
[4]
スリップ係合状態となるように前記係合装置(32,38,39L)の伝達トルクを制御した後、前記係合装置(32,38,39L)に備えられる一対の係合部材間の実回転速度差(ΔW)を経時的に漸減する目標回転速度差に追従させる前記係合装置(32,38,39L)の回転速度制御を実行し、前記入力部材(31)の回転速度(Neg)が前記変速後同期回転速度(Nsyna)から第二所定回転速度以内の回転速度域に達した後に前記係合装置(32,38,39L)を直結係合状態とする。
この構成によれば、係合装置の回転速度制御により、当該係合装置をスリップさせる場合であっても入力部材の回転速度の過度の上昇を抑制することができ、内燃機関のいわゆる“吹き上がり”が生じるのを抑制することができる。また、当該回転速度制御の目標回転速度差を継時的に漸減することで、係合装置を直結係合状態とする場合のショックを低減できる。
本開示に係る制御装置は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができれば良い。
1 制御装置
3 車両用駆動装置
15 変速中スリップ制御部
16 同期タイミング推定部
31 入力部材
32 切離用係合装置(係合装置)
34 変速入力部材
35 変速装置
38 第二切離用係合装置(係合装置)
39L 直結用係合装置(係合装置)
EG 内燃機関
W 車輪
Neg 入力部材の回転速度
Nin 変速入力部材の回転速度
Nsynb 変速前同期回転速度
Nsyna 変速後同期回転速度N
Tt 目標伝達トルク
Teg 内燃機関の出力トルク
Ti イナーシャトルク
A 入力部材の回転加速度
Tr 切離用係合装置の応答時間
ΔW 切離用係合装置の一対の係合部材間の回転速度差

Claims (4)

  1. 内燃機関と車輪とを結ぶ動力伝達経路に入力部材と係合装置と変速入力部材と変速装置とが記載の順に設けられた車両用駆動装置を制御対象とする制御装置であって、
    前記係合装置の直結係合状態で、前記車輪に前進加速方向のトルクが伝達されている状態で前記変速装置において変速段を変速比が相対的に大きい変速段に切り替えるパワーオンダウンシフトを行い、前記変速入力部材の実回転速度が変化し始めた後に前記パワーオンダウンシフトの完了後の変速段での当該変速入力部材の回転速度である変速後同期回転速度から第一所定回転速度以内の回転速度域に達するまでに、前記係合装置がスリップ係合状態となるように前記係合装置の伝達トルクを制御する制御装置。
  2. 前記変速入力部材の実回転速度が前記変速後同期回転速度から前記第一所定回転速度以内の回転速度域に達するまでに、前記内燃機関の出力トルクから前記入力部材に回転速度変化を生じさせるためのイナーシャトルクを差し引いた大きさのトルクよりも低い目標伝達トルクとなるように前記係合装置の伝達トルクを制御する請求項1に記載の制御装置。
  3. 少なくとも前記入力部材の回転速度、前記入力部材の回転加速度、及び前記係合装置の応答時間に基づいて前記変速入力部材の回転速度が前記変速後同期回転速度から前記第一所定回転速度以内の回転速度域に達する同期到達時点を推定し、推定された前記同期到達時点を含むように定められる推定同期到達期間において前記目標伝達トルクとなるように前記係合装置の伝達トルクを制御する請求項2に記載の制御装置。
  4. スリップ係合状態となるように前記係合装置の伝達トルクを制御した後、前記係合装置に備えられる一対の係合部材間の実回転速度差を経時的に漸減する目標回転速度差に追従させる前記係合装置の回転速度制御を実行し、前記入力部材の回転速度が前記変速後同期回転速度から第二所定回転速度以内の回転速度域に達した後に前記係合装置を直結係合状態とする請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
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