JP2017052271A - 記録装置、記録方法およびプログラム - Google Patents

記録装置、記録方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 複数色のインクを用いる場合に粒状感を抑制しつつ走査間でのインクの吐出位置ずれを抑制した記録を行う。
【解決手段】 複数回の走査における各駆動ブロックからの同色のインクの着弾位置が互いに異なり、且つ、同じ走査における各駆動ブロックからの他色のインクの着弾位置が互いに異なるように、各記録素子列の各駆動ブロックにおける駆動順序を制御する。
【選択図】 図21

Description

本発明は、記録装置、記録方法およびプログラムに関する。
インクを吐出するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が配列された記録素子列を有する記録ヘッドを用い、記録素子を駆動することにより記録媒体上にインクを吐出して画像を記録する記録装置が従来より知られている。このような記録装置において、単位領域に対する複数回の記録走査を行うことによって画像を形成する、いわゆるマルチパス記録方式が知られている。
一方、記録素子列内の複数の記録素子の駆動方式として、複数の記録素子を複数の駆動ブロックに分割し、異なる駆動ブロックに属する記録素子を互いに異なるタイミングで駆動する、いわゆる時分割駆動方式が一般に知られている。この時分割駆動方式によれば、同時に駆動される記録素子の数を少なくすることができるため、駆動電源の大容量化を抑えた記録装置を提供することが可能となる。
ここで、上述のマルチパス記録方式にしたがって記録を行う場合、ある単位領域に対する複数回の走査のうちのある種類の走査と他の種類の走査との間で種々の要因によりインクの吐出位置ずれが発生する場合がある。例えば、記録ヘッドを往方向および復方向に往復走査させる形態において記録媒体の浮き(コックリング)が生じた場合、インクの吐出方向は往方向および復方向で若干ずれてしまうため、往方向への走査で記録された領域と復方向への走査で記録された領域の間ではインクの吐出位置ずれが生じてしまう。
これに対し、特許文献1には、上述のような往走査と復走査などの2種類の走査の間でのインクの吐出位置ずれを抑制するため、当該2種類の走査間で同じ画素領域にインクを吐出するような記録データを生成し、更に当該2種類の走査それぞれで各駆動ブロックから形成されるドットの着弾位置が互いに異なるように上述の時分割駆動を行うことが記載されている。ここで、各駆動ブロックから形成されるドットの着弾位置を異ならせるため、記録ヘッドを往方向および復方向に往復走査させる場合においては、復方向への走査時の複数の駆動ブロックの駆動順序を往方向への走査時の複数の駆動ブロックの駆動順序の逆順と異ならせることが記載されている。また、記録ヘッドを一方向のみに走査させる場合においては、各駆動ブロックから形成されるドットの着弾位置を異ならせるためにある種類の走査における複数の駆動ブロックの駆動順序を他の種類の走査における複数の駆動ブロックの駆動順序と異ならせることが記載されている。同文献によれば、マルチパス記録方式と時分割駆動方式を用いて記録を行う際に2種類の走査間でのインクの吐出位置ずれを抑制した記録を実行することが可能となる。
特開2013−159017号公報
しかしながら、特許文献1にはある1種類のインクを吐出するための記録素子列の駆動ブロックの駆動順序を制御することしか記載されていない。言い換えると、特許文献1には複数種類のインクを吐出する場合、それぞれのインクを吐出する記録素子列間での駆動ブロックの駆動順序をどのように設定するかということについては何ら記載されていない。これにより、特許文献1によっては、1種類のインクを吐出する場合には2種類の走査間でのインクの吐出位置ずれを抑制できるものの、複数種類のインクを吐出する場合には画像弊害が生じてしまう虞がある。
より詳細には、例えば、特許文献1にはシアンインクを吐出する記録素子列の駆動順序とマゼンタインクを吐出する吐出口列の駆動順序の関係が記載されていないため、シアンインクとマゼンタインクの間で生じる吐出位置ずれが抑制できない虞がある。
また、例えば特許文献1には大きいドットサイズのインクを吐出する記録素子列の駆動順序と小さいドットサイズのインクを吐出する吐出口列の駆動順序の関係が記載されていないため、大きいドットサイズのインクと小さいドットサイズのインクの間で生じる吐出位置ずれが抑制できない虞がある。
本発明は上記の課題を鑑みて為されたものであり、複数種類、例えば複数色或いは複数ドットサイズ等のインクを吐出する場合であっても他の画像弊害を生じることなく、2種類の走査間でのインクの吐出位置ずれを抑制した記録を行うことを目的とするものである。
そこで、本発明は、第1の色のインクを吐出するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が所定方向に配列された第1の記録素子列と、前記第1の色と異なる第2の色のインクを吐出するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が前記所定方向に配列された第2の記録素子列と、を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対する前記所定方向と交差する交差方向に沿った第1の方向へのK(K≧1)回の第1の走査と、前記記録ヘッドの前記単位領域に対する前記第1の方向と反対の第2の方向へのL(L≧1)回の第2の走査と、を実行する走査手段と、前記第1の色のインクを吐出することにより前記単位領域に記録する画像に対応する第1の画像データに基づいて、前記走査手段によるK+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対する前記第1の色のインクの吐出または非吐出を定める複数の第1の記録データを生成し、前記第2の色のインクを吐出することにより前記単位領域に記録する画像に対応する第2の画像データに基づいて、前記走査手段による前記K+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対する前記第2の色のインクの吐出または非吐出を定める複数の第2の記録データを生成する生成手段と、(i)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第1の記録素子に関し、前記複数の第1の記録素子を分割して得られる複数の第1の駆動ブロックそれぞれに属する前記第1の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第1の記録素子を駆動させ、(ii)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第2の記録素子に関し、前記複数の第2の記録素子を分割して得られる複数の第2の駆動ブロックそれぞれに属する前記第2の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第2の記録素子を駆動させ、(iii)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第3の記録素子に関し、前記複数の第3の記録素子を分割して得られる複数の第3の駆動ブロックそれぞれに属する前記第3の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第3の記録素子を駆動させ、(iv)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第4の記録素子に関し、前記複数の第4の記録素子を分割して得られる複数の第4の駆動ブロックそれぞれに属する前記第4の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第4の記録素子を駆動させる駆動手段と、(i)前記走査手段による前記K回の第1の走査において、前記生成手段によって生成された前記K回の第1の走査に対応する前記第1の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第1の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第1の色のインクを吐出し、(ii)前記走査手段による前記L回の第2の走査において、前記生成手段によって生成された前記L回の第2の走査に対応する前記第1の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第2の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第1の色のインクを吐出し、(iii)前記走査手段による前記K回の第1の走査において、前記生成手段によって生成された前記K回の第1の走査に対応する前記第2の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第3の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第2の色のインクを吐出し、(iv)前記走査手段による前記L回の第2の走査において、前記生成手段によって生成された前記L回の第2の走査に対応する前記第2の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第4の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第2の色のインクを吐出するように、インクの吐出を制御する制御手段と、を有する記録装置であって、前記駆動手段は、(i)前記複数の第2の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序の逆順と異なり、(ii)前記複数の第4の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序の逆順と異なり、(iii)前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序と異なるように、前記複数の第1、第2、第3、第4の記録素子を駆動することを特徴とする。
本発明に係る記録装置、記録方法およびプログラムによれば、複数種類、例えば複数色或いは複数ドットサイズ等のインクを吐出する場合であっても他の画像弊害を生じることなく、2種類の走査間でのインクの吐出位置ずれを抑制した記録を行うことが可能となる。
実施形態に係る記録装置の斜視図である。 実施形態に係る記録装置の内部構成を示す模式図である。 実施形態に係る記録ヘッドの模式図である。 実施形態における記録制御系を示す図である。 実施形態におけるデータの処理過程を示す図である。 実施形態における展開テーブルを示す図である。 一般的な時分割駆動方式を説明するための図である。 実施形態におけるマルチパス記録方式を説明するための図である。 マルチパス記録方式における記録データの生成過程を説明するための図である。 デコードテーブルを示す図である。 駆動順序とインクの着弾位置の相関を説明するための図である。 記録データ、駆動順序、インク吐出位置の相関を説明するための図である。 走査間のインクの吐出位置ずれの程度を説明するための図である。 走査間のインクの吐出位置ずれの程度を説明するための図である。 走査間のインクの吐出位置ずれの程度を説明するための図である。 走査間のインクの吐出位置ずれの程度を説明するための図である。 実施形態で適用するマスクパターンを示す図である。 実施形態における駆動順序を説明するための図である。 実施形態における駆動順序を説明するための図である。 実施形態における色分解テーブルを示す図である。 実施形態によって1色のインクで記録される画像を示す模式図である。 実施形態によって複数色のインクで記録される画像を示す模式図である。 比較例によって複数色のインクで記録される画像を示す模式図である。 実施形態における駆動順序を説明するための図である。 走査間のインクの吐出位置ずれの程度を説明するための図である。 実施形態における駆動順序を説明するための図である。 実施形態によって複数色のインクで記録される画像を示す模式図である。 駆動順序のオフセット量とドットの被覆率の相関を示す図である。 実施形態で適用するマスクパターンを示す図である。 実施形態で適用するマスクパターンを示す図である。 実施形態によって1色のインクで記録される画像を示す模式図である。 比較例によって1色のインクで記録される画像を示す模式図である。 実施形態によって複数色のインクで記録される画像を示す模式図である。 比較例によって複数色のインクで記録される画像を示す模式図である。 実施形態における色分解テーブルを示す図である。 実施形態における駆動順序を説明するための図である。 実施形態における色分解テーブルを示す図である。 実施形態における色分解テーブルを示す図である。
以下に図面を参照し、本発明の第1の実施形態について詳細に記載する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る記録装置1000の内部の構成を部分的に示す斜視図である。また、図2は本発明の第1の実施形態に係る記録装置1000の内部の構成を部分的に示す断面図である。
記録装置1000の内部にはプラテン2が配置されており、このプラテン2には記録媒体3を吸着させて浮き上がらないようにするために多数の吸引孔34が形成されている。この吸引孔34はダクトと繋がっており、さらにダクトの下部に吸引ファン36が配置され、この吸引ファン36が動作することでプラテン2に対する記録媒体3の吸着を行っている。
キャリッジ6は、紙幅方向に延伸して設置されたメインレール5に支持され、X方向(交差方向)に沿った往方向および復方向に往復走査(往復移動)することが可能なように構成されている。キャリッジ6は、後述するインクジェット方式の記録ヘッド7を搭載している。なお、記録ヘッド7は、発熱体を用いたサーマルジェット方式、圧電素子を用いたピエゾ方式等、さまざまな記録方式を適用することが可能である。キャリッジモータ8は、キャリッジ6をX方向に移動させるための駆動源であり、その回転駆動力はベルト9でキャリッジ6に伝達される。
記録媒体3は、ロール状に巻かれた媒体23から巻き出すことで給送される。記録媒体3は、プラテン2の上でX方向と交差するY方向(搬送方向)に搬送される。記録媒体3はピンチローラ16と搬送ローラ11によって挟持されており、搬送ローラ11が駆動することによって搬送が行われる。また、記録媒体3はプラテン2よりY方向の下流ではローラ31と排送ローラ32に挟持され、さらにターンローラ33を介して記録媒体3は巻取りローラ24に巻きつけられている。
図3(a)は本実施形態に係る記録ヘッド7を示す斜視図である。また、図3(b)は記録ヘッド内のブラックインク用の吐出口列42Kの拡大図である。また、図3(c)は記録ヘッド内のシアンインク用の吐出口列42C1および42C2の拡大図である。
図3(a)からわかるように、本実施形態では、記録ヘッド7内には1つの記録チップ43が設けられている。そして、チップ43にはブラックインクを吐出するための吐出口列42K、シアンインクを吐出するための吐出口列42C1、42C2、マゼンタインクを吐出するための吐出口列42M1、42M2、イエローインクを吐出するための吐出口列42Y、グレーインクを吐出するための吐出口列42G1、42G2の合計8つの吐出口列42が形成されている。
図3(b)に示すように、ブラックインクの吐出口列42Kは、吐出口30bがY方向(所定方向)に1インチ当たり600個の記録解像度(600dpi)で配列された列がY方向に1インチ当たり1200個の記録解像度(1200dpi)だけずれて配列されることで形成されている。ここで、第1の実施形態と同様に、吐出口30bは約5plのインクを吐出可能であり、吐出口30bから記録媒体上にインクを1滴吐出して形成されるドットの径は約50μmとなる。また、図3(b)では簡単のため6つの吐出口30bしか記載していないが、実際には256個の吐出口30bによって吐出口列42Kが形成されている。イエローインクの吐出口列42Yも図3(b)に示すような構成である。
また、図3(c)に示すように、シアンインクの吐出口列42C1は、吐出口30bが600dpiの記録解像度で配列された列L_Evと、吐出口30cが600dpiの記録解像度で配列された列M_Evと、吐出口30dが600dpiの記録解像度で配列された列S_Odと、の3つの列から形成される。ここで、第1の実施形態と同様に吐出口30cは約2plのインクを吐出可能であり、吐出口30cからインクを1滴吐出して形成されるドットの径は約35μmとなる。また、吐出口30dは約1plのインクを吐出可能であり、吐出口30dからインクを1滴吐出して形成されるドットの径は約28μmとなる。
また、シアンインクの吐出口列42C2は、吐出口30bが600dpiの記録解像度で配列された列L_Odと、吐出口30cが600dpiの記録解像度で配列された列M_Odと、吐出口30dが600dpiの記録解像度で配列された列S_Evと、の3つの列から形成される。
ここで、吐出口列42C1、42C2内の列L_Ev、L_Od、M_Ev、M_Od、S_Ev、S_Odは、次のような配置条件に基づいて配置されている。吐出口列42C2内の列L_Odは、吐出口列42C1内の列L_EvよりもY方向下流側(図中上側)に1200dpiだけずれて配置される。また、吐出口列42C2内の列M_Odは、吐出口列42C1内の列M_EvよりもY方向下流側(図中上側)に1200dpiだけずれて配置される。ここで、吐出口列42C2内の列M_Odは吐出口列42C2内の列L_OdよりもY方向上流側(図中下側)に2400dpiだけずれて配置される。
また、吐出口列42C1内の列S_Odは吐出口列42C2内の列M_Odと、吐出口列42C2内の列S_Evは吐出口列42C1内の列M_Evと、それぞれのY方向の中央位置がほぼ同じ位置となるように配置される。したがって、吐出口列42C1内の列S_Odもまた、吐出口列42C2内の列S_EvよりもY方向下流側(図中上側)に1200dpiだけずれて配置されることになる。
なお、図3(c)では簡単のため列L_Ev、L_Od、M_Ev、M_Od、S_Ev、S_Odを構成する吐出口としてそれぞれ3つの吐出口しか記載していないが、実際にはそれぞれ128個の吐出口によって各列が形成されている。したがって、同じ量のインクを吐出する2列(例えばS_OdとS_Ev)を1列としてみた場合、その列は256個の吐出口から形成されることになる。
また、マゼンタインクの吐出口列42M1、42M2も図3(c)に示すような構成となる。更に、グレーインクの吐出口列42G1、42G2もまた図3(c)に示すような構成となる。
ここで、各吐出口30b、30c、30dの直下には記録素子が設置されており(不図示)、記録素子が駆動されることで生成される熱エネルギーによって直上のインクが発泡し、それにより吐出口からインクが吐出される。なお、以降の説明では簡単のため、同じ色、且つ、同じ量のインクを吐出する列を形成する複数の吐出口の直下に形成された複数の記録素子からなる列を記録素子列と称する。
図4は、本実施形態における制御系の概略構成を示すブロック図である。主制御部300は、演算、選択、判別、制御などの処理動作を実行するCPU301と、CPU301によって実行すべき制御プログラム等を格納するROM302と、記録データのバッファ等として用いられるRAM303、および入出力ポート304等を備えている。EEPROM313には、後述する画像データやマスクパターン、吐出不良ノズルデータ等が格納されている。そして、入出力ポート304には、搬送モータ(LFモータ)309、キャリッジモータ(CRモータ)310、記録ヘッド7に対応する各駆動回路305、306、307が接続されている。さらに、主制御部300はインターフェイス回路311を介してホストコンピュータであるPC312に接続されている。
図5は本実施形態にてCPU301が実行するデータの処理過程を示すフローチャートである。
ステップ401においてデジタルカメラやスキャナなどの画像入力機器、あるいはコンピュータ処理などによって得られるRGB各256階調(0〜255)の原画像信号を600dpiの解像度で入力する。
ステップ402の色変換処理Aによって、ステップ401で入力されたRGBの原画像信号をR’G’B’信号へ変換する。
次のステップ403の色変換処理Bおいて、R’G’B’信号が各色インクに対応する信号値に変換される。本実施形態ではC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)、G(グレー)の5色で構成するものとする。したがって、変換後の信号はシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、グレーのインク色に対応するデータC1、M1、Y1、K1、G1である。データC1、M1、Y1、K1、G1の各階調数は256(0〜255)、解像度は600dpiである。なお具体的な色処理BはR、G、B各入力値とC、M、Y各出力値の関係を示した三次元ルックアップテーブル(不図示)を使用し、テーブル格子点値から外れる入力値については、その周囲のテーブル格子点の出力値から補間により出力値を求める。以下、データC1、M1、Y1、K1、G1のうち、データC1について代表して説明する。
ステップ404において、階調補正テーブルを用いた階調補正によりデータC1の階調補正を行い、階調補正後のデータC2を得る。
ステップ405では、ステップ404で得られたデータC2に対して誤差拡散法による量子化処理を行うことで5階調(階調レベル0、1、2、3、4)で解像度600dpi×600dpiのデータC3を得る。なお、本実施形態ではデータC3のことを階調データとも称する。また、ここでは誤差拡散法を用いたが、ディザ法であっても構わない。
ステップ406では、階調データC3を図6に示す吐出口列展開テーブルに従って、各吐出口列用のデータC4を得る。本実施形態では、5pl吐出口列、2pl吐出口列用の画像データは生成せず、1pl吐出口列用の画像データはドットを配置する数および位置を定めたドット配置パターンに基づいて、「0」、「1」、「2」、「3」、「4」の5階調に展開される。詳細には、画像データC4は600dpi×1200dpiの解像度において「00」、「01」、「10」の3通りの2ビットの情報のいずれかにより構成される。なお、本実施形態では、データC4のことを画像データとも称する。
ここで、ある画素において画像データC4を構成する2ビットの情報が「00」である場合、その情報が示す値(以下、画素値とも称する)は「0」である。また、ある画素において画像データを構成する2ビットの情報が「01」である場合、その情報が示す値(画素値)は「1」である。ある画素において画像データを構成する2ビットの情報が「10」である場合、その情報が示す値(画素値)は「2」である。これらの「0」、「1」、「2」の画素値は、それぞれ画素領域に対するインクの吐出回数を示している。
上述のようにデータC3は600dpi×600dpiの解像度であるため、画像データC4の解像度は階調データC3の解像度よりも高くなることになる。詳細には、階調データC3は1画素×2画素からなる画素群に対する5値の階調レベル、すなわちその画素群に対応する画素群領域内へのインクの吐出回数の合計を定めるのに対し、画像データC4は1つの画素群を構成する2画素それぞれに対する3通りの画素値、すなわちその2つの画素に対応する画素領域それぞれへのインクの吐出回数を定めている。
図6(b)はデータC3の階調レベル(階調値)がレベル1である場合に用いるドット配置パターンを示す図である。また、図6(c)はデータC3の階調レベルがレベル2である場合に用いるドット配置パターンを示す図である。また、図6(d)はデータC3の階調レベルがレベル3である場合に用いるドット配置パターンを示す図である。また、図6(e)はデータC3の階調レベルがレベル4である場合に用いるドット配置パターンを示す図である。なお、図6中の各画素内の「0」、「1」、「2」の記載はその画素における画素値を示している。
本実施形態では、図6(b)に示すように、階調レベルがレベル1である、すなわち画像データの濃度が低濃度である場合に用いるドット配置パターンにおいて、X方向にドットの配置が定められる画素のうち、他のドットの配置が定められる画素がX方向に隣接する画素の数が、他のドットの配置が定められる画素がX方向に隣接しない画素の数よりも多くなるように、ドットの配置が定められている。
例えば、図6(b)に示すドット配置パターンにおける最も左上の画素にはドットの配置が定められており、且つ、その画素に隣接する最も上側であり左から二番目の画素にもドットの配置が定められている。このようにすることにより、低濃度の画像データであっても互いに隣接する位置に複数のドットを配置することができるため、走査間の吐出位置ずれを好適に抑制することができる。
なお、図6(c)、(d)、(e)それぞれに示すレベル2、レベル3、レベル4に対応するドット配置パターンにおいても、X方向にドットの配置が定められる画素のうち、他のドットの配置が定められる画素がX方向に隣接する画素の数が、他のドットの配置が定められる画素がX方向に隣接しない画素の数よりも多くなるようにドットの配置が定められている。ここから、本実施形態ではデータC3が再現可能な階調レベル(レベル0〜4)のうち、最小の階調値以外(レベル0以外)の階調レベルである場合には隣接位置に配置されるドット数が多くなるようなデータC4を生成できる。
但し、本実施形態で適用できるドット配置パターンは図6(b)〜(e)に示したものに限定されるものではない。例えば、ドットの配置が定められる画素のうち、他のドットの配置が定められる画素がX方向に隣接する画素の数が、他のドットの配置が定められる画素がX方向に隣接しない画素の数よりも少なくなるように、ドットの配置が定められたドット配置パターンを用いても良い。
そして、ステップ407において、画像データC4に対して後述する分配処理を行い、各走査での各画素領域に対するシアンインクの吐出または非吐出を定める記録データC5を生成する。
同様にして、マゼンタインク用の記録データM5、イエローインク用の記録データY5、ブラックインク用の記録データK5、グレーインク用の記録データG5も生成される。
そして、ステップ408にて記録ヘッドに記録データC5、M5、Y5、K5、G5が送信され、ステップ409にてそれらの記録データにしたがってインクが吐出される。
なお、ステップ401〜407における処理のすべてをPC312が行っても良いし、ステップ401〜407における処理の一部をPC312が、他部を記録装置1000が行っても良い。
なお、以降の説明では簡単のため、シアンインク用の記録データC5、マゼンタインク用の記録データM5、グレーインク用の記録データG5のみについて記載する。
本実施形態では、時分割駆動方式およびマルチパス記録方式にしたがって記録を行う。以下にそれぞれの制御について詳細に説明する。
(時分割駆動方式)
図3に示したような多数の記録素子が配列された記録ヘッドを用いる場合、全ての記録素子を同時に駆動して同一のタイミングでインクを吐出しようとすると、大容量の電源が必要となってしまう。このような電源の大容量化を抑制するために記録素子を複数の駆動ブロックに分割し、同一行内を記録するために駆動ブロックごとに駆動するタイミングを異ならせる、いわゆる時分割駆動方式を行うことが一般に知られている。この時分割駆動方式によれば、同時に駆動する記録素子の数を減らすことができるため、記録装置に必要な電源の容量を抑えることができる。
図7は本実施形態における時分割駆動方式を説明するための図である。なお、図7(a)は1つの記録素子列を構成する128個の記録素子を、図7(b)は各記録素子に印加される駆動信号を、図7(c)は実際に吐出されるインク滴をそれぞれ模式的に示す図である。なお、以下の説明では図7(a)に示すように128個の記録素子のうちの最もY方向下流側の記録素子を記録素子No.1とし、Y方向上流側に向かうにしたがって記録素子No.2、No.3、・・・No.126、No.127と1つずつ記録素子No.を増加させ、最もY方向上流側の記録素子を記録素子No.128と称して説明する。
本実施形態では、128個の記録素子をY方向に連続する16個の記録素子ずつ、第1セクションから第8セクションまでの8個のセクションに分類される。そして、8個のセクションそれぞれにおいて相対的に同じ位置に位置する記録素子を同じ駆動ブロックとし、合計で駆動ブロックNo.1から駆動ブロックNo.16までの16個の駆動ブロックに分割する。
詳細には、第1セクションから第8セクションまでの8個のセクションそれぞれにおいて最もY方向下流側の記録素子を駆動ブロックNo.1に属する記録素子とする。すなわち、記録素子No.1、No.17、・・・、No.113の記録素子が駆動ブロックNo.1に属する記録素子となる。言い換えると、0〜7の整数をaとした際に、記録素子No.(16×a+1)を満たす記録素子が駆動ブロックNo.1に属する記録素子となる。
また、第1セクションから第8セクションまでの8個のセクションそれぞれにおいてY方向下流側から2つ目の記録素子を駆動ブロックNo.2に属する記録素子とする。すなわち、記録素子No.2、No.18、・・・、No.114の記録素子が駆動ブロックNo.2に属する記録素子となる。言い換えると、0〜7の整数をaとした際に、記録素子No.(16×a+2)を満たす記録素子が駆動ブロックNo.2に属する記録素子となる。
以下、駆動ブロックNo.3〜No.16についても同様である。詳細には、0〜7の整数をaとした際に、記録素子No.(16×a+b)を満たす記録素子が駆動ブロックNo.bに属する記録素子となる。
本実施形態における時分割駆動方式では、予め定められた駆動順序にて異なる駆動ブロックに属する記録素子が互いに異なるタイミングで順次駆動されるように、各記録素子の駆動を制御する。ここで、本実施形態では駆動順序の設定が記録装置1000内のROM302に記憶されており、それを駆動回路307を介して記録ヘッドに送信する。そして記録ヘッドでは所定の間隔でブロック選択信号が送られてきて、そのブロック選択信号と記録データとのANDで駆動信号が記録素子に流れる。図7(b)では、駆動順序として駆動ブロックNo.1、5、9、13、2、6、10、14、3、7、11、15、4、8、12、16の順序で各駆動ブロックに属する記録素子が駆動されるように駆動信号27を印加する。この結果、図7(c)に示すようにインク滴28が吐出される。
(マルチパス記録方式)
本実施形態では、記録媒体上の単位領域に対して複数回の走査で記録を行うマルチパス記録方式にしたがって記録を行う。
図8は4回の走査により単位領域内に記録を行う場合を例として、一般的なマルチパス記録方式について説明するための図である。ここで、本実施形態におけるマルチパス記録方式ではX方向の上流側から下流側への走査(以下、往方向への走査とも称する)とX方向の下流側から上流側への走査(以下、復方向への走査とも称する)とを交互に実行する。
記録素子列22に設けられたそれぞれの記録素子、Y方向に沿って第1、第2、第3、第4の記録素子群に分割される。ここで、第1の記録素子群は記録素子No.97〜128、第2の記録素子群は記録素子No.65〜96、第3の記録素子群は記録素子No.33〜64、第4の記録素子群はNo.1〜32からそれぞれ構成される。また、第1から第4の記録素子群それぞれのY方向における長さは、記録素子列のY方向における長さをLとした場合、L/4となる。
1回目の記録走査(1パス)では、記録媒体3上の単位領域211に対して第1の記録素子群からインクが吐出される。ここで、1パス目はX方向の上流側から下流側に向かって行われる。
次に、記録媒体3を記録ヘッド7に対してY方向の上流側から下流側にL/4の距離だけ相対的に搬送する。なお、ここでは簡単のため、記録ヘッド7を記録媒体3に対してY方向の下流側から上流側に搬送した場合を図示しているが、搬送後の記録媒体3と記録ヘッド7との相対的な位置関係は記録媒体3をY方向下流側へ搬送した場合と同じとなる。
この後に2回目の記録走査を行う。2回目の記録走査(2パス)では、記録媒体上の単位領域211に対しては第2の記録素子群から、単位領域212に対しては第1の記録素子群からインクが吐出される。なお、2パス目はX方向の下流側から上流側に向かって行われる。
以下、記録ヘッド7の往復走査と記録媒体3の相対的な搬送を交互に繰り返す。この結果、4回目の記録走査(4パス)が行われた後には、記録媒体3の単位領域211では第1〜第4の記録素子群のそれぞれから1回ずつインクが吐出されたことになる。
なお、ここでは4回の走査で記録を行う場合について説明したが、他の回数だけ走査を行って記録する場合であっても同様の過程によって記録を行うことができる。
本実施形態では、上述のマルチパス記録方式において、n(n≧2)ビットの情報を有する画像データと、m(m≧2)ビットの情報を有するマスクパターンと、画像データとマスクパターンそれぞれにおける複数ビットの情報が示す値の組み合わせに応じてインクの吐出または非吐出を規定するデコードテーブルと、を用いて、画像データから各走査での記録に用いる1ビットの記録データを生成する。なお、以下の説明では画像データ、マスクパターンともに2ビットの情報から構成される場合について記載する。
図9はそれぞれ複数ビットの情報を有する画像データおよびマスクパターンを用いて記録データを生成する過程を説明するための図である。また、図10は図9に示すような記録データの生成に際して用いるデコードテーブルを示す図である。
図9(a)はある単位領域内の16個の画素700〜715を模式的に示す図である。なお、ここでは簡単のため16個の画素相当の画素領域からなる単位領域を用いて説明するが、図8を用いて説明したように本実施形態における単位領域は32個の記録素子に対応する大きさを有するため、本実施形態における単位領域は実際にはY方向に32個の画素領域からなる。
図9(b)は単位領域に対応する画像データの一例を示す図である。
本実施形態では、ある画素に対応する画像データを構成する2ビットの情報が「00」、すなわち画素値が「0」である場合には、当該画素に対してインクは1回も吐出されない。また、ある画素に対応する画像データを構成する2ビットの情報が「01」、すなわち画素値が「1」である場合には、当該画素に対してインクは1回吐出される。また、ある画素に対応する画像データを構成する2ビットの情報が「10」、すなわち画素値が「2」である場合には、当該画素に対してインクは2回吐出される。
図9(b)に示す画像データに関しては、例えば画素703における画素値は「0」であるため、画素703に対応する画素領域にはインクが1回も吐出されないこととなる。また、例えば画素700における画素値は「2」であるため、画素700に対応する画素領域にはインクが2回吐出されることとなる。
図9(c−1)〜(c−4)はそれぞれ1〜4回目の走査に対応し、図9(b)に示す画像データに適用するためのマスクパターンを示す図である。すなわち、図9(b)に示す画像データに対して図9(c−1)に示す1回目の走査に対応するマスクパターンMP1を適用することにより、1回目の走査で用いる記録データを生成する。同様にして、図9(b)に示す画像データに対して図9(c−2)、(c−3)、(c−4)それぞれに示すマスクパターンMP2、MP3、MP4を適用することにより、それぞれ2、3、4回目の走査で用いる記録データを生成する。
ここで、図9(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターン内の各画素には、「00」、「01」、「10」のいずれかの2ビットの情報が定められている。なお、当該2ビットの情報が「10」である場合、その情報が示す値(以下、コード値とも称する)は「2」となる。また、当該2ビットの情報が「01」である場合、その情報が示す値(コード値)は「1」となる。また、当該2ビットの情報が「00」である場合、その情報が示す値(コード値)は「0」となる。
ここで、図10に示すデコードテーブルを参照するとわかるように、コード値が「0」である場合、対応する画素における画素値が「0」、「1」、「2」のいずれであっても、インクを吐出しない。すなわち、マスクパターン内の「0」のコード値はインクの吐出をまったく許容しない(インクの吐出の許容回数が0回)ということに対応する。以下の説明では、「0」のコード値が割り当てられたマスクパターン内の画素を非記録許容画素とも称する。
一方、図10に示すデコードテーブルを参照するとわかるように、コード値が「2」である場合、対応する画素における画素値が「0」、「1」である場合にはインクを吐出しないが、「2」である場合にはインクを吐出する。すなわち、「2」のコード値は3通りの画素値に対して1回インクの吐出を許容する(インクの吐出の許容回数が1回)ということに対応する。
また、コード値が「1」である場合、対応する画素における画素値が「0」である場合にはインクを吐出しないが、「1」、「2」である場合にはインクを吐出する。言い換えると、「1」のコード値は、3通りの画素値(「0」、「1」、「2」)に対して2回だけインクの吐出を許容する(インクの吐出の許容回数が2回)、ということに対応する。すなわち、「1」のコード値は、本実施形態におけるマスクパターンを構成する2ビットの情報が再現する許容回数のうちの最大の許容回数を定めるコード値である。
なお、以下の説明では「1」、「2」のいずれかのコード値が割り当てられたマスクパターン内の画素を記録許容画素とも称する。
ここで、本実施形態にて用いられるmビットの情報を有するマスクパターンは、下記の(条件1)、(条件2)に基づいて設定される。
(条件1)
ここで、図9(c−1)〜(c−4)に示す4つのマスクパターン内の同じ位置にある4つの画素のうちの2つの画素に対しては「1」、「2」のいずれかのコード値が1つずつ割り当てられ(記録許容画素)、残りの2(=4−2)つの画素に対しては「0」のコード値が割り当てられる(非記録許容画素)。
例えば、画素700に対しては、図9(c−1)に示すマスクパターンにて「2」、図9(c−2)に示すマスクパターンにて「1」のコード値が割り当てられている。そして、残りの図9(c−3)、(c−4)に示すマスクパターンにて「0」のコード値が割り当てられている。言い換えると、画素700は、図9(c−1)、(c−2)に示すマスクパターンでは記録許容画素であり、図9(c−3)、(c−4)に示すマスクパターンでは非記録許容画素である。
また、画素701に対しては、図9(c−4)に示すマスクパターンにて「2」、図9(c−1)に示すマスクパターンにて「1」のコード値が割り当てられている。そして、残りの図9(c−2、)(c−3)に示すマスクパターンにて「0」のコード値が割り当てられている。言い換えると、画素701は、図9(c−1)、(c−4)に示すマスクパターンでは記録許容画素であり、図9(c−2)、(c−3)に示すマスクパターンでは非記録許容画素である。
このような構成により、ある画素における画素値が「0」、「1」、「2」のいずれであったとしても、その画素値に対応するインクの吐出回数だけ当該画素に対応する画素領域にインクを吐出するような記録データを生成することができる。
(条件2)
また、図9(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンには、「1」のコード値に対応する記録許容画素が互いにほぼ同数となるように配置されている。より詳細には、図9(c−1)に示すマスクパターンには画素701、706、711、712の4つの画素に「1」のコード値が割り当てられている。また、図9(c−2)に示すマスクパターンには画素700、705、710、715の4つの画素に「1」のコード値が割り当てられている。また、図9(c−3)に示すマスクパターンには画素703、704、709、714の4つの画素に「1」のコード値が割り当てられている。また、図9(c−4)に示すマスクパターンには画素702、707、708、713の4つの画素に「1」のコード値が割り当てられている。すなわち、図9(c−1)〜(c−4)それぞれに示す4つのマスクパターンには、「01」のコード値に対応する記録許容画素が4つずつ配置されている。
同様に、図9(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンには、「2」のコード値に対応する記録許容画素も互いに同じ数となるように配置されている。
なお、ここでは各マスクパターンにおける「1」、「2」それぞれにコード値に対応する記録許容画素がそれぞれ互いに同じ数だけ配置されている場合について記載していたが、実際には互いにほぼ同じ数だけ配置されていれば良い。
これにより、図9(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンを用いて画像データを4回の走査に分配して記録データを生成する際に、4回の走査それぞれにおける記録率を互いにほぼ等しくすることができる。
図9(d−1)〜(d−4)のそれぞれは、図9(b)に示す画像データに対して図9(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンを適用して生成される記録データを示す図である。
例えば、図9(d−1)に示す1回目の走査に対応する記録データにおける画素700では、画像データの画素値は「2」、マスクパターンのコード値は「2」である。そのため、図10に示すデコードテーブルを参照してわかるように、画素700ではインクの吐出(「1」)が定められる。また、画素701では、画像データの画素値は「1」、マスクパターンのコード値は「1」であるため、インクの吐出(「1」)が定められる。また、画素704では、画像データの画素値は「2」、マスクパターンのコード値は「0」であるため、インクの非吐出(「0」)が定められる。
このようにして生成された図9(d−1)〜(d−4)それぞれに示す記録データにしたがって1〜4回目の走査にてインクが吐出される。例えば、1回目の走査では図9(d−1)に示す記録データからわかるように、画素700、701、712に対応する記録媒体上の画素領域にインクが吐出される。
図9(e)は図9(d−1)〜(d−4)それぞれに示す記録データの論理和を示す図である。図9(d−1)〜(d−4)それぞれに示す記録データにしたがってインクを吐出することにより、各画素に対応する画素領域には図9(e)に示す回数だけインクが吐出されることになる。
例えば、画素700においては、図9(d−1)、(d−2)に示す1、2回目の走査に対応する記録データにおいてインクの吐出が定められている。したがって、図9(e)に示すように、画素700に対応する画素領域に対しては合計で2回インクが吐出されることになる。
また、画素701においては、図9(d−1)に示す1回目の走査に対応する記録データにおいてインクの吐出が定められている。したがって、図9(e)に示すように、画素701に対応する画素領域に対しては合計で1回インクが吐出されることになる。
図9(e)に示す記録データと図9(b)に示す画像データを比較すると、いずれの画素においても画像データの画素値に対応する吐出回数だけインクが吐出されるように記録データが生成されることがわかる。例えば、画素700、704、708、712では図9(b)に示す画像データの画素値は「2」であるが、生成された記録データの論理和により示されるインクの吐出回数も2回となる。
以上の構成によれば、複数ビットの情報を有する画像データおよびマスクパターンに基づいて、複数回の走査それぞれで用いる1ビットの記録データを生成することが可能となる。
(往復走査でのインクの吐出ずれ)
次に、往走査と復走査の間(往復走査間)でのインクの吐出位置ずれについて以下に詳細に説明する。
本実施形態では、時分割駆動制御における駆動ブロックの駆動順序によって、往復走査間のインクの吐出位置ずれを抑制する。
まず、ある色のインクについて図11を参照しながら時分割駆動制御において駆動ブロックの駆動順序とY方向に延びる同一列内での各駆動ブロックからのインクの着弾位置の相関について説明する。
図11(a)は時分割駆動制御における駆動順序の一例を示す図である。また、図11(b)は図11(a)に示す駆動順序にしたがってX方向の上流側から下流側に向かう方向への走査(往方向への走査)を行いながら記録素子No.1〜No.16を駆動した際に形成されるドットの様子を示す模式図である。また、図11(c)は図11(a)に示す駆動順序にしたがってX方向の下流側から上流側に向かう方向への走査(復方向への走査)を行いながら記録素子No.1〜No.16を駆動した際に形成されるドットの様子を示す模式図である。なお、図7に示すようにY方向上流側に向かうほど記録素子No.は大きくなるため、図11(b)、(c)それぞれにおいて最もY方向下流側に位置するドットが記録素子No.1から形成されたドットであり、そこからY方向上流側に向かうほど大きな記録素子No.から形成されたドットとなり、最もY方向上流側端部に位置するドットが記録素子No.16から形成されたドットとなる。
ここでは一例として、図11(a)に示すように、駆動ブロックNo.1、駆動ブロックNo.2、駆動ブロックNo.3、駆動ブロックNo.4、駆動ブロックNo.5、駆動ブロックNo.6、駆動ブロックNo.7、駆動ブロックNo.8、駆動ブロックNo.9、駆動ブロックNo.10、駆動ブロックNo.11、駆動ブロックNo.12、駆動ブロックNo.13、駆動ブロックNo.14、駆動ブロックNo.15、駆動ブロックNo.16の駆動順序で時分割駆動を行う場合について記載する。
往方向への走査においては、先に駆動される記録素子によって吐出されたインク滴ほどX方向の上流側に吐出される。したがって、図11(a)に示す駆動順序で記録素子No.1〜No.16を時分割駆動した場合、図11(b)に示すように記録素子No.1から形成されるドットが最もX方向上流側に位置し、記録素子No.が大きくなるほど形成されるドットがX方向下流側にずれ、記録素子No.16から形成されるドットが最もX方向下流側に位置することになる。
一方、復方向への走査においては、先に駆動される記録素子によって吐出されたインク滴ほどX方向の下流側に吐出される。したがって、図11(a)に示す駆動順序で記録素子No.1〜No.16を時分割駆動した場合、図11(c)に示すように記録素子No.1から形成されるドットが最もX方向下流側に位置し、記録素子No.が大きくなるほど形成されるドットがX方向上流側にずれ、記録素子No.16から形成されるドットが最もX方向上流側に位置することになる。
このように、往方向への走査においては駆動ブロックの駆動される順番が早いほどX方向の上流側にドットが形成される。また、復方向への走査においては駆動ブロックの駆動される順番が早いほどX方向の下流側にドットが形成されることがわかる。
更に、駆動順序が同じであっても走査方向が異なる場合には時分割駆動制御による各駆動ブロックからのインクの着弾位置は反転したものとなることがわかる。ここから、復方向への走査における駆動ブロックの駆動順序を往方向への走査における駆動ブロックの駆動順序と逆順とした場合、往方向への走査と復方向への走査における時分割駆動制御による各駆動ブロックからのインクの着弾位置を同じとなることがわかる。詳細には、例えば往方向への走査において図11(a)に示す駆動順序で記録素子No.1〜No.16を時分割駆動する場合、復方向への走査において駆動ブロックNo.16、駆動ブロックNo.15、駆動ブロックNo.14、駆動ブロックNo.13、駆動ブロックNo.12、駆動ブロックNo.11、駆動ブロックNo.10、駆動ブロックNo.9、駆動ブロックNo.8、駆動ブロックNo.7、駆動ブロックNo.6、駆動ブロックNo.5、駆動ブロックNo.4、駆動ブロックNo.3、駆動ブロックNo.2、駆動ブロックNo.1の駆動順序で時分割駆動すると、往方向への走査と復方向への走査でインクの着弾位置が同じとなる。
以上の点を踏まえた上で、記録データと駆動順序の組み合わせを複数通り設定し、各組み合わせにおいて生じる往復走査間での時分割駆動における各駆動ブロックからのインクの着弾位置ずれについて説明する。
図12は記録データと駆動順序の組み合わせを説明するための図である。なお、図12(a1)、(a2)は往走査、復走査それぞれに対応する記録データの一例を、図12(b1)、(b2)は往走査、復走査それぞれに対応する記録データの他の例をそれぞれ示している。なお、図12(a1)、(a2)、(b1)、(b2)それぞれにおける黒く塗りつぶされた画素がインクの吐出が定められる(記録データが「1」である)画素を示している。また、図12(c)は時分割駆動の駆動順序の一例を、図12(d)は時分割駆動の駆動順序の他の例をそれぞれ示している。また、図12(e)は記録データおよび駆動順序を異ならせた4つの組の内容を示している。
図12(e)からわかるように、ここでは第1の組から第4の組までの4通りの記録データおよび駆動順序の組を設定する。
第1の組においては、往走査、復走査それぞれにおける記録データとして図12(b1)、(b2)に示す記録データを用い、往走査における駆動順序を図12(c)に示す駆動順序に、復走査における駆動順序を図12(d)に示す駆動順序にそれぞれ設定する。ここで、図12(b1)、(b2)それぞれに示す記録データは、記録が定められる画素がX方向に連続する(記録が定められる画素のX方向における分散性が低い)データである。また、上述のように往走査での駆動順序(図12(c))と復走査での駆動順序(図12(d))が互いに逆順であるため、往復走査間での時分割駆動制御における各駆動ブロックからのインクの着弾位置は同じとなる。
次に、第2の組においては、往走査、復走査それぞれにおける記録データとして図12(a1)、(a2)に示す記録データを用い、往走査における駆動順序を図12(c)に示す駆動順序に、復走査における駆動順序を図12(d)に示す駆動順序にそれぞれ設定する。ここで、図12(a1)、(a2)それぞれに示す記録データは、記録が定められる画素がX方向に非連続である(記録が定められる画素のX方向における分散性が高い)データである。また、上述のように往走査での駆動順序(図12(c))と復走査での駆動順序(図12(d))が互いに逆順であるため、往復走査間での時分割駆動における各駆動ブロックからのインクの着弾位置は同じとなる。
次に、第3の組においては、往走査、復走査それぞれにおける記録データに図12(b1)、(b2)に示す記録データを用い、往走査、復走査それぞれにおける駆動順序を図12(c)に示す駆動順序に設定する。ここで、図12(b1)、(b2)それぞれに示す記録データは、記録が定められる画素がX方向に連続する(記録が定められる画素のX方向における分散性が低い)データである。また、上述のように往走査、復走査それぞれでの駆動順序(図12(c))が同じであるため、往復走査間での時分割駆動における各駆動ブロックからのインクの着弾位置は反対のものとなる。
次に、第4の組においては、往走査、復走査それぞれにおける記録データに図12(a1)、(a2)に示す記録データを用い、往走査、復走査それぞれにおける駆動順序を図12(c)に示す駆動順序に設定する。ここで、図12(a1)、(a2)それぞれに示す記録データは、記録が定められる画素がX方向に非連続である(記録が定められる画素のX方向における分散性が高い)データである。また、上述のように往走査、復走査それぞれでの駆動順序(図12(c))が同じであるため、往復走査間での時分割駆動における各駆動ブロックからのインクの着弾位置は反対のものとなる。
以上の4通りの記録データおよび駆動順序の組み合わせにおいて往走査と復走査の間にずれが生じた場合において記録される画像を図13から図16を用いて説明する。なお、図13は第1の組を、図14は第2の組を、図15は第3の組を、図15は第4の組をそれぞれ設定した場合に記録される画像を示している。更に、図13から図16のそれぞれにおいて、(a)は往走査と復走査の間にずれが生じなかった際に記録される画像を、(b)は往走査と復走査の間にX方向に約1/4ドット分のずれが生じた際に記録される画像を、(c)は往走査と復走査の間にX方向に約2/4ドット分のずれが生じた際に記録される画像を、(d)は往走査と復走査の間にX方向に約3/4ドット分のずれが生じた際に記録される画像をそれぞれ模式的に示している。なお、それぞれの図において内部に縦線が記載された円が往走査で形成されるドットを、内部に横線が記載された円が復走査で形成されるドットをそれぞれ示している。
まず、第1の組について記載する。
図13(a)に示すように、往復走査間で位置ずれが生じなかった場合には第1の組の設定によればX方向のドット間距離が各ドットで均一に分散した理想的な画像を記録することができる。しかしながら、図13(b)、(c)、(d)に示すように往復走査間のX方向のずれが大きくなるにつれてある画素間ではドット間距離が一様に短くなり、別の画素間ではドット間距離が一様に長くなっている。例えば、左側から2画素目と3画素目の間は往復走査間でのX方向のずれが大きくなるにつれてドット間距離が一様に短くなり、左側から4画素目と5画素目の間は往復走査間でのX方向のずれが大きくなるにつれてドット間距離が一様に長くなっている。この結果、例えばX方向に約3/4ドット分のずれが生じた場合には、図13(d)に示すように、記録される画像において本来異なる画素に形成されるべきドットが重なってきてしまい、図13(a)に示す場合に比べてドットの被覆面積に大きな違いが生じる。このため、得られる画像の画質は大きく低下してしまう。このように、第1の組の設定では往復走査間のX方向のずれが生じなかった場合には好ましい画像を得ることができるものの、往復走査間のX方向のずれが生じた場合には所望の画質を得ることができない虞がある。
次に、第2の組について記載する。
図14(a)に示すように、往復走査間で位置ずれが生じなかった場合には、図13(a)の第1の組と同様に、第2の組の設定によればX方向のドット間距離が各ドットで均一に分散した理想的な画像を記録することができる。しかしながら、図14(b)、(c)、(d)に示すように往復走査間のX方向のずれが大きくなるにつれてある画素間ではドット間距離が一様に短くなり、別の画素間ではドット間距離が一様に長くなっている。例えば左側から1画素目と2画素目の間は往復走査間でのX方向のずれが大きくなるにつれてドット間距離が一様に短くなり、左側から2画素目と3画素目の間は往復走査間でのX方向のずれが大きくなるにつれてドット間距離が一様に長くなっている。このため、第1の組の設定と同様に第2の組の設定においても、往復走査間のX方向のずれが生じなかった場合には好ましい画像を得ることができるが、往復走査間のX方向のずれが生じた場合には画質の低下を抑制することができない。
次に、第3の組について記載する。
第3の組の設定では、図15(a)に示すように、往復走査間で位置ずれが生じなかった場合にはX方向のドット間距離が各ドットで不均一となってしまう。例えば、左側から2画素目と3画素目の間では、最も上側のドットはドット間距離が長く、最も下側のドットはドット間距離が短くなっている。一方で、図15(b)、(c)に示すように、往復走査間のX方向のずれが生じた場合、第1の組や第2の組の設定に比べるとドットの被覆面積に差は生じにくい。このため、第3の組の設定によれば往復走査間のX方向のずれによる画質低下をある程度抑制することが可能となる。しかしながら、図15(d)に示すように、往復走査間のX方向のずれが比較的大きくなってくると、ドットの疎密が領域に応じて異なってきてしまう。例えば、1〜4画素目を見ると、下側にはドットが密となっているのに対し、上側はドットが疎となっており、ドットの疎密が生じていることがわかる。このため、得られる画質は好ましくない。
最後に、第4の組について記載する。
第4の組の設定では、図16(a)に示すように、図15(a)の第3の組と同様に、往復走査間で位置ずれが生じなかった場合にはX方向のドット間距離が各ドットで不均一となる。例えば、左側から1画素目と2画素目の間では、最も上側のドットはドット間距離が長く、最も下側のドットはドット間距離が短くなっている。また、左側から2画素目と3画素目の間では、最も上側のドットはドット間距離が短く、最も下側のドットはドット間距離が長くなっている。そのため、第1の組や第2の組の設定に比べると往復走査間で位置ずれが生じなかった場合における画質はやや低下するが、実際の1画素の幅はそれ程大きくないので、画質の低下はさほど目立たない。更に、第4の組の設定では、図16(b)、(c)、(d)に示すように往復走査間のX方向のずれが生じた場合であっても、図16(a)に比べてドットの被覆面積に差をつけず、且つ、ドットの領域ごとの疎密も生じないように記録することができる。
以上の第1、第2、第3、第4の組の設定により記録される画像から、往復走査間のX方向のずれによる画質低下を抑制するためには第4の組の設定が最も好ましいことがわかる。したがって、本実施形態では、往走査で形成されるドットと復走査で記録されるドットがX方向で交互に生じるように記録データを生成し、更に、それらの往復走査間で各駆動ブロックから記録されるドットの着弾位置が異なるように時分割駆動を行う。ここで、本実施形態では往方向への走査と復方向への走査を行うため、それぞれの走査における駆動ブロックの駆動順序を互いに逆順ではない順序とする。このようにすることにより、図11を用いて説明したように、往走査、復走査で記録されるドットの吐出位置を異ならせることができる。
(本実施形態で適用するマスクパターン)
図17は本実施形態で用いるマスクパターンを示す図である。なお、図17(a)には1回目の走査に対応するマスクパターンMP1を、図17(b)には2回目の走査に対応するマスクパターンMP2を、図17(c)には3回目の走査に対応するマスクパターンMP3を、図17(d)には4回目の走査に対応するマスクパターンMP4をそれぞれ示している。また、図17(e)は図17(a)に示す1回目の走査に対応するマスクパターンMP1と図17(c)に示す3回目の走査に対応するマスクパターンMP3それぞれにおいて定められたインクの吐出の許容回数の論理和により得られる論理和パターンMP1+MP3を示している。また、図17(f)は図17(b)に示す2回目の走査に対応するマスクパターンMP2と図17(d)に示す4回目の走査に対応するマスクパターンMP4それぞれにおいて定められたインクの吐出の許容回数の論理和により得られる論理和パターンMP2+MP4を示している。なお、図17における白抜けで示された画素が「0」のコード値が割り当てられた画素を、灰色で塗りつぶされた画素が「1」のコード値が割り当てられた画素を、黒く塗りつぶされた画素が「2」のコード値が割り当てられた画素をそれぞれ示している。
また、図17からわかるように、本実施形態ではX方向に32画素、Y方向に32画素の合計1024個の画素それぞれにおいてインクの吐出の許容回数を定めたものを1つのマスクパターンの繰り返し単位とし、これをX方向、Y方向に繰り返し用いることとする。
また、インクの吐出の許容回数の論理和とは、対応する複数のマスクパターン内のコード値が示す許容回数の和を算出したものを指す。例えば、図17(a)に示すマスクパターンMP1の最も左上の画素におけるコード値は「2」(インクの吐出の許容回数が1回)であり、図17(c)に示すマスクパターンMP3の最も左上の画素におけるコード値は「0」(インクの吐出の許容回数が0回)であるため、図17(e)に示す論理和パターンMP1+MP3の最も左上の画素におけるコード値は「2」(インクの吐出の許容回数が1回)となる。また、例えば、図17(b)に示すマスクパターンMP2の最も左上の画素におけるコード値は「1」(インクの吐出の許容回数が2回)であり、図17(d)に示すマスクパターンMP4の最も左上の画素におけるコード値は「0」(インクの吐出の許容回数が0回)であるため、図17(f)に示す論理和パターンMP2+MP4の最も左上の画素におけるコード値は「1」(インクの吐出の許容回数が2回)となる。
図17(a)〜(d)それぞれに示すマスクパターンMP1〜MP4は上述の(条件1)、(条件2)を満たすように設定されている。
すなわち、図17(a)〜(d)に示す4つのマスクパターンMP1〜MP4内の同じ位置にある4つの画素のうち、2つの画素に対しては「1」、「2」のいずれかのコード値が1つずつ割り当てられ、残りの2(=4−2)つの画素に対しては「0」のコード値が割り当てられるように、各画素に対するコード値が割り当てられている(条件1)。
更に、図17(a)〜(d)に示す4つのマスクパターンMP1〜MP4それぞれには、「1」のコード値が割り当てられた画素が互いにほぼ同数となり、且つ、「2」のコード値が割り当てられた画素が互いにほぼ同数となるように、各画素に対するコード値が割り当てられている(条件2)。
また、本実施形態では往復走査のインクの吐出位置ずれを抑制するため、高濃度の画像記録時においては往方向への走査(1、3回目の走査)と復方向への走査(2、4回目の走査)で同じ画素領域にインクを吐出するように記録データを生成する。この点を鑑み、本実施形態で用いるマスクパターンMP1〜MP4は、同じ位置にある4つの画素のうち、往走査に対応するマスクパターンMP1、MP3でコード値「1」が割り当てられている画素には復走査に対応するマスクパターンMP2、MP4でコード値「2」が割り当てられ、往走査に対応するマスクパターンMP1、MP3でコード値「2」が割り当てられている画素には復走査に対応するマスクパターンMP2、MP4でコード値「1」が割り当てられるように、各画素に対するコード値が割り当てられる。これにより、高濃度の画像、例えば画素値が「2」である画像データが入力された際には往走査と復走査で1回ずつ1つの画素領域にインクを吐出するような記録データを生成することができる。
更に、図17(a)〜(d)に示すマスクパターンMP1〜MP4は、論理和パターンMP1+MP3において「1」のコード値が割り当てられた画素と論理和パターンMP2+MP4において「1」のコード値が割り当てられた画素がX方向に交互に生じないように設定されている。より詳細には、論理和パターンMP1+MP3において「1」のコード値が割り当てられた画素がランダムなホワイトノイズ特性を持つ配置となり、且つ、論理和パターンMP2+MP4において「1」のコード値が割り当てられた画素がランダムなホワイトノイズ特性を持つ配置となるように、マスクパターンMP1〜MP4内の各画素にコード値が割り当てられている。
詳細には、本実施形態における論理和パターンMP1+MP3は、1024個の画素のうち513個の画素でコード値「1」が割り当てられており、そのうちの119個のコード「1」が割り当てられた画素に、論理和パターンMP2+MP4にてX方向における両側にコード値「1」が割り当てられた画素が隣接している。一方、論理和パターンMP1+MP3内の513個のコード値「1」が割り当てられた画素のうち、論理和パターンMP2+MP4にてX方向にコード値「1」が割り当てられた画素が隣接しない画素は119個である。すなわち、本実施形態では、論理和パターンMP1+MP3内のコード値「1」が割り当てられた画素のうち、論理和パターンMP2+MP4内でコード値「1」が割り当てられた画素がX方向における両側に隣接する画素の数とX方向に隣接しない画素の数は同じ数となる。
例えば、論理和パターンMP1+MP3内の最もY方向下流側(図中上側)端部の行では、X方向上流側(図中左側)から3、4、7、11、13、14、16、17、20、21、22、24、26、27、28、32番目の画素においてコード値「1」が割り当てられている。一方、論理和パターンMP2+MP4内の最もY方向下流側(図中上側)端部の行では、X方向上流側(図中左側)から1、2、5、6、8、9、10、12、15、18、19、23、25、29、30、31番目の画素においてコード値「1」が割り当てられている。
ここで、論理和パターンMP1+MP3内の最もY方向下流側(図中上側)端部の行のうち、X方向上流側(図中左側)から7、11、24、32番目のコード値「1」が割り当てられた画素には、論理和パターンMP2+MP4にてコード値「1」が割り当てられた画素とX方向における両側に隣接する。すなわち、論理和パターンMP1+MP3内の最もY方向下流側(図中上側)端部の行内のコード値「1」が割り当てられた画素のうち、論理和パターンMP2+MP4内の最もY方向下流側(図中上側)端部の行内のコード値「1」が割り当てられた画素がX方向における両側に隣接する画素の数は4つとなる。
一方で、論理和パターンMP1+MP3内の最もY方向下流側(図中上側)端部の行のうち、X方向上流側(図中左側)から21、27番目のコード値「1」が割り当てられた画素には、論理和パターンMP2+MP4にてコード値「1」が割り当てられた画素とX方向において隣接しない。すなわち、論理和パターンMP1+MP3内の最もY方向下流側(図中上側)端部の行内のコード値「1」が割り当てられた画素のうち、論理和パターンMP2+MP4内の最もY方向下流側(図中上側)端部の行内のコード値「1」が割り当てられた画素がX方向に隣接しない画素の数は2つとなる。
同様の計算を論理和パターンMP1+MP3内の各行に対して行うと、論理和パターンMP1+MP3内のコード値「1」が割り当てられた画素のうち、論理和パターンMP2+MP4内のコード値「1」が割り当てられた画素がX方向における両側に隣接する画素の数が119個であり、X方向に隣接しない画素の数もまた119個であることがわかる。
同様にして、本実施形態における論理和パターンMP2+MP4は、1024個の画素のうち511個の画素でコード値「1」が割り当てられており、そのうちの120個のコード「1」が割り当てられた画素に論理和パターンMP1+MP3にてX方向における両側にコード値「1」が割り当てられた画素が隣接している。一方、論理和パターンMP2+MP4内の511個のコード値「1」が割り当てられた画素のうち、論理和パターンMP2+MP4にてX方向にコード値「1」が割り当てられた画素がX方向に隣接しない画素は120個である。すなわち、本実施形態では、論理和パターンMP2+MP4内のコード値「1」が割り当てられた画素のうち、論理和パターンMP1+MP3内でコード値「1」が割り当てられた画素がX方向における両側に隣接する画素の数とX方向に隣接しない画素の数は同じ数となる。
以上記載したような条件に基づいて、本実施形態で用いるマスクパターンMP1〜MP4が設定される。なお、本実施形態では、シアンインク用の画像データC4、マゼンタインク用の画像データM4、イエローインク用の画像データY4、ブラックインク用の画像データK4、グレーインク用の画像データG4のすべてに対して図17(a)〜(d)に示すマスクパターンMP1〜MP4を用いる。但し、本実施形態はこのような形態に限定されるものではなく、例えばシアンインク用の画像データC4、マゼンタインク用の画像データM4、イエローインク用の画像データY4、ブラックインク用の画像データK4、グレーインク用の画像データG4のそれぞれに対して異なるマスクパターンを適用する形態であっても良い。
(本実施形態における駆動ブロックの駆動順序)
本実施形態では、時分割駆動制御において、シアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列における各駆動ブロックの駆動順序と、グレーインクを吐出する記録素子列における各駆動ブロックの駆動順序と、を互いに異ならせる。なお、この理由については後に詳細に記載する。
図18(a)は本実施形態で実行するシアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列における各駆動ブロックの駆動順序を示す図である。また、図18(b)は図18(a)に示す駆動順序にしたがって往方向への走査を行いながら記録素子No.1〜No.16を駆動した際に形成されるドットの様子を示す模式図である。また、図18(c)は図18(a)に示す駆動順序にしたがって復方向への走査を行いながら記録素子No.1〜No.16を駆動した際に形成されるドットの様子を示す模式図である。
本実施形態では、図18(a)に示すように、シアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列に関し、往走査、復走査ともに駆動ブロックNo.1、駆動ブロックNo.9、駆動ブロックNo.6、駆動ブロックNo.14、駆動ブロックNo.3、駆動ブロックNo.11、駆動ブロックNo.8、駆動ブロックNo.16、駆動ブロックNo.5、駆動ブロックNo.13、駆動ブロックNo.2、駆動ブロックNo.10、駆動ブロックNo.7、駆動ブロックNo.15、駆動ブロックNo.4、駆動ブロックNo.12の駆動順序で時分割駆動を行う。
上述したように、本実施形態では往走査と復走査で各駆動ブロックからのシアンインク、マゼンタインクの着弾位置が異なるように時分割駆動を行う。より詳細には、本実施形態では往復走査で記録を行うため、往走査での駆動ブロックの駆動順序と復走査での駆動ブロックの駆動順序を同じ順序とする。なお、必ずしも往復走査での駆動ブロックの駆動順序を同じとする必要はなく、上述のように往復走査で記録を行う場合にインクの吐出位置を異ならせるためには復走査における駆動ブロックの駆動順序が往走査における駆動ブロックの駆動順序の逆順と異なるようにすれば良い。
図18(a)に示す駆動順序にしたがって記録素子No.1〜No.16を時分割駆動した場合、往方向への走査では、図18(b)に示すように最初に駆動される記録素子No.1から形成されるドットが最もX方向上流側に位置し、記録素子No.9、6、14、3、11、8、16、5、13、2、10、7、15、4の順に形成されるドットがX方向上流側から下流側にずれるように位置し、最後に駆動される記録素子No.12から形成されるドットが最もX方向下流側に位置することになる。
一方、復方向への走査では、図18(c)に示すように最初に駆動される記録素子No.1から形成されるドットが最もX方向下流側に位置し、記録素子No.9、6、14、3、11、8、16、5、13、2、10、7、15、4の順に形成されるドットがX方向下流側から上流側にずれるように位置し、最後に駆動される記録素子No.12から形成されるドットが最もX方向上流側に位置することになる。
このように、図18(a)に示す駆動順序で各駆動ブロックに属する記録素子を駆動することにより、Y方向に延びる同一列内でのシアンインク、マゼンタインクの着弾位置を往復走査間で異ならせることができる。
一方、図19(a)は本実施形態で実行するグレーインクを吐出する記録素子列における各駆動ブロックの駆動順序を示す図である。また、図19(b)は図19(a)に示す駆動順序にしたがって往方向への走査を行いながら記録素子No.1〜No.16を駆動した際に形成されるドットの様子を示す模式図である。また、図19(c)は図19(a)に示す駆動順序にしたがって復方向への走査を行いながら記録素子No.1〜No.16を駆動した際に形成されるドットの様子を示す模式図である。
本実施形態では、図19(a)に示すように、グレーインクを吐出する記録素子列に関し、往走査、復走査ともに駆動ブロックNo.5、駆動ブロックNo.13、駆動ブロックNo.2、駆動ブロックNo.10、駆動ブロックNo.7、駆動ブロックNo.15、駆動ブロックNo.4、駆動ブロックNo.12、駆動ブロックNo.1、駆動ブロックNo.9、駆動ブロックNo.6、駆動ブロックNo.14、駆動ブロックNo.3、駆動ブロックNo.11、駆動ブロックNo.8、駆動ブロックNo.16の駆動順序で時分割駆動を行う。
図19(a)に示す駆動順序にしたがって記録素子No.1〜No.16を時分割駆動した場合、往方向への走査では、図19(b)に示すように最初に駆動される記録素子No.5から形成されるドットが最もX方向上流側に位置し、記録素子No.13、2、10、7、15、4、12、1、9、6、14、3、11、8の順に形成されるドットがX方向上流側から下流側にずれるように位置し、最後に駆動される記録素子No.16から形成されるドットが最もX方向下流側に位置することになる。
一方、復方向への走査では、図19(c)に示すように最初に駆動される記録素子No.16から形成されるドットが最もX方向下流側に位置し、記録素子No.13、2、10、7、15、4、12、1、9、6、14、3、11、8の順に形成されるドットがX方向下流側から上流側にずれるように位置し、最後に駆動される記録素子No.5から形成されるドットが最もX方向上流側に位置することになる。
このように、図19(a)に示す駆動順序で各駆動ブロックに属する記録素子を駆動することにより、Y方向に延びる同一列内でのグレーインクの着弾位置を往復走査間で異ならせることができる。
ここで、図19(a)に示すグレーインクを吐出する記録素子列における駆動順序は、図18(a)に示すシアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列における駆動順序を8だけ前にオフセットした順序となっている。詳細には、図19(a)に示す駆動順序は、図18(a)に示す駆動順序においては駆動順番9〜16であった駆動ブロックNo.5、駆動ブロックNo.13、駆動ブロックNo.2、駆動ブロックNo.10、駆動ブロックNo.7、駆動ブロックNo.15、駆動ブロックNo.4、駆動ブロックNo.12の駆動順番を8つずつ前にし、駆動順番1〜8に設定している。また、図19(a)に示す駆動順序は、図18(a)に示す駆動順序においては駆動順番1〜8であった駆動ブロックNo.1、駆動ブロックNo.9、駆動ブロックNo.6、駆動ブロックNo.14、駆動ブロックNo.3、駆動ブロックNo.11、駆動ブロックNo.8、駆動ブロックNo.16の駆動順序を8つずつ後にし、駆動順番9〜16に設定している。
このようにグレーインクを吐出する記録素子列における駆動順序をシアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列における駆動順序と異ならせることにより、記録データによってグレーインクとシアンインク、マゼンタインクが同じ画素にインクを付与するように定められている場合であっても、グレーインクの着弾位置をシアンインク、マゼンタインクの着弾位置からずらすことができる。そのため、グレーインクがシアンインク、マゼンタインクと同じ位置に重畳して着弾することによって生じる粒状感を抑制することができる。
ここで、シアンインク、マゼンタインク、グレーインクのうち、他の色のインクと駆動順序と異ならせるインクとしてグレーインクを選択した理由について以下に詳細に説明する。
図20はシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、グレー(G)のインクを搭載するシステムにおける、色分解テーブルの一例を示す図である。なお、図20(a)は白からシアンを通って黒までの各色を再現する場合に使用する各インクの量を示したものであり、いわゆるシアンラインを示している。また、図20(b)は白からマゼンタを通って黒までの色を再現する場合に使用する各インクの量を示したものであり、いわゆるマゼンタラインを示している。また、図20(c)は白からイエローを通って黒までの色を再現する場合に使用する各インクの量を示したものであり、いわゆるイエローラインを示している。また、図20(d)は白からグレーを通って黒までの色を再現する場合に使用する各インクの量を示したものであり、いわゆるグレーラインを示している。なお、図20(a)〜(d)のそれぞれにおいて横軸が再現する色に対応しており、左側ほど白に、右側ほど黒に近い色に対応している。また、縦軸がそれぞれのインクの出力信号値(0〜255)に対応している。
図20より、シアン、マゼンタ、イエローのインクが、それぞれがメイン色となるシアンライン、マゼンタライン、イエローラインのそれぞれと、グレーラインと、の2つのライン上にて使用されるのに対し、グレーのインクは無彩色であることからいずれのライン上でも幅広く使用されることがわかる。つまり、グレーはシアン、マゼンタ、イエローのいずれのインクとも同時に使用される確率が高い。言い換えると、記録装置が再現する複数の色のうち、グレーインクを使用して再現する色の数はシアンインクを使用して再現する色の数、マゼンタインクを使用して再現する色の数、イエローインクを使用して再現する色の数のいずれよりも多い。
以上の点を鑑み、本実施形態では複数の色のインクのうち、他の色のインクとともに用いられることが多いグレーインクを異なる駆動順序に設定し、インクの着弾位置を他の色のインクと異ならせている。これにより、幅広い色領域において紙面を効率的に被覆することができ、粒状性の良化に繋がる。
(本実施形態による記録画像)
以上記載したように、本実施形態では、図6(b)〜(e)に示すドット配置パターンと図17(a)〜(d)に示すマスクパターンMP1〜MP4を用いて記録データを生成する。更に、シアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列は往走査、復走査ともに図18(a)に示す駆動順序に、グレーインクを吐出する記録素子列は往走査、復走査ともに図19(a)に示す駆動順序にそれぞれしたがって時分割駆動を行う。これにより、複数色のインクを使用する場合であっても高濃度の画像記録時における往復走査間の吐出位置ずれを抑制した記録を行う。
まず、階調データC3として600dpi×600dpiの画素群のすべてにおいて階調レベルがレベル4である階調データが入力された場合にシアンインクによって形成されるドットの位置について説明する。
図21は階調レベルがレベル4である階調データが入力された場合にシアンインクによって記録される画像を示す図である。
図8の単位領域211内の全ての画素群において階調データの階調値がレベル4である場合、図6(e)に示すドット配置パターンからわかるように、600dpi×1200dpiのすべての画素に対して画素値が「2」の画像データが生成される。したがって、図17に示すマスクパターンMP1〜MP4内のコード値「1」、「2」のいずれかが割り当てられた画素に相当する画素領域にシアンインクが吐出されることになる。すなわち、1回目の走査では図17(a)、2回目の走査では図17(b)、3回目の走査では図17(c)、4回目の走査では図17(d)の灰色で塗りつぶされた画素と黒く塗りつぶされた画素に相当する画素領域にシアンインクが吐出される。
このうち、1回目、3回目の走査は往走査、2回目、4回目の走査は復走査であるため、往走査でシアンインクが吐出される画素は図17(e)の灰色で塗りつぶされた画素と黒く塗りつぶされた画素、復走査でシアンインクが吐出される画素は図17(f)の灰色で塗りつぶされた画素と黒く塗りつぶされた画素となる。すなわち、往走査、復走査ともにすべての画素にシアンインクが吐出されることになる。
この際に往走査、復走査ともに図18(a)に示す駆動順序で時分割駆動を行うと、往復走査間のずれがなければ往走査では図21(a)に示す位置に、復走査では図21(b)に示す位置にそれぞれシアンインクが吐出されてドットが形成される。
ここで、図21(a)、図21(b)それぞれに示すドットの配置がずれなく重なった場合におけるドット配置を図21(c)に、復走査においてX方向下流側に21.2μm(1200dpi相当)ずれて重なった場合のドット配置を図21(d)に、復走査においてX方向下流側に42.3μm(600dpi相当)ずれて重なった場合のドット配置を図21(e)にそれぞれ示している。
図21(c)からわかるように、X方向に延びる各行に関し、往走査によるドットと復走査によるドットとがほとんど重なって記録されている行、一部が重なっている行、ほとんど重ならずにずれて記録されている行が様々に存在することがわかる。図21(d)では、元々重なっていた行のドットは新たに出現する反面、元々重ならずにずれていた行のドットは新たに重なることで、濃度変動は相殺されている。図21(e)も図21(d)と同じで、元々重なっていた行のドットは新たに出現する反面、元々重ならずにずれていた行のドットは新たに重なることで、濃度変動は相殺されている。
このように画像全体として見たときに、図21(d)に示すX方向上流側への往復走査間のずれ量が21.2μmであっても、あるいは図21(e)に示すX方向上流側への往復走査間のずれ量が42.3μmであっても、図21(c)に示す往復走査間のずれが生じなかった際に比べて濃度変動はほとんど発生しないことがわかる。
図21からわかるように、本実施形態におけるマスクパターンおよび駆動順序によれば、1つの画素領域に2ドットを記録するような比較的高濃度の画像を記録する際、往復走査間の吐出位置ずれを抑制した記録を行うことが可能となる。
次に、複数の色のインク間で時分割駆動における駆動ブロックの駆動順序を異ならせた場合に形成されるドットの位置について説明する。
図22は図6に示すドット配置パターンと図17に示すマスクパターンを用いて記録データを生成し、シアンインク、マゼンタインクは往走査、復走査ともに図18に示す駆動順序で、グレーインクは往走査、復走査ともに図19に示す駆動順序で時分割駆動した場合に形成されるドットの配置を示す図である。なお、図22(a)はシアンインクのドットの配置を、図22(b)はマゼンタインクのドットの配置を、図22(c)はグレーインクのドットの配置をそれぞれ示している。更に、図22(d)は図22(a)、(b)、(c)それぞれに示すシアンインク、マゼンタインク、グレーインクのドットが重畳した際の様子を示している。
なお、図22では簡単のため、シアンインク、マゼンタインク、グレーインクそれぞれの記録素子列を構成する列S_Ev、列S_Odのうち、列S_Evから形成されたドットのみを抽出して示している。また、図22に示す内部に縦線が引かれた円がシアンインク、マゼンタインクのドットを、内部に横線が引かれた円がグレーインクのドットをそれぞれ示している。また、図22には600dpi×1200dpiの全画素に階調レベルがレベル4である階調データが入力された場合に形成されるドットを示している。
上述したように、本実施形態ではシアンインク、マゼンタインク、グレーインクそれぞれに同じドット配置パターンとマスクパターンを適用する。したがって、シアンインクに対応する記録データC5、マゼンタインクに対応する記録データM5、グレーインクに対応する記録データG5はそれぞれ同じ画素に対してインクの吐出を定めることになる。
更に、本実施形態ではシアンインクを吐出する記録素子列とマゼンタインクを吐出する記録素子列はともに図18(a)に示す駆動順序で時分割駆動を行う。このため、図22(a)、(b)からわかるように、シアンインクのドットの配置とマゼンタインクのドットの配置は同じものとなる。
一方、グレーインクを吐出する記録素子列はシアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列と異なり、図19(a)に示す駆動順序で時分割駆動を行う。したがって、図22(c)に示すように、グレーインクのドットの配置は図22(a)、(b)に示すシアンインク、マゼンタインクのドット配置と異なるものとなる。
したがって、図22(d)からわかるように、シアン、マゼンタ、グレーを重ねたドット配置は記録媒体の表面を十分に被覆することが可能となる。これは、シアンインク、マゼンタインクのドット配置にて疎となっている箇所ではグレーインクのドット配置にて密となり、シアンインク、マゼンタインクのドット配置にて密となっている箇所ではグレーインクで疎となっているためである。これにより、すべてのインクのドット配置が重畳することを避けることができるため、粒状感を抑制することが可能となる。
以上記載したように、本実施形態によれば各色のインクの往復走査間の吐出位置ずれを好適に抑制することができる。更に、他の色と同時に使用されることが多いグレーインクの駆動順序を他の色のインクの駆動順序と異ならせることにより、複数の色のインク間でドット配置が重畳することに由来する粒状感を抑制することができる。
(比較例)
次に、本実施形態に対する比較例について詳細に説明する。
比較例では、第1の実施形態で用いた図6(b)〜(e)に示すドット配置パターンと図17(a)〜(d)に示すマスクパターンを用いて記録データを生成する。また、比較例でのシアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列の駆動順序も第1の実施形態と同じく図18(a)に示す駆動順序とする。
一方、比較例では第1の実施形態と異なり、グレーインクを吐出する記録素子列の駆動順序をシアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列の駆動順序と同じ順序とする。すなわち、グレーインクを吐出する記録素子列の駆動順序もまた図18(a)に示す駆動順序とする。
図23は図6に示すドット配置パターンと図17に示すマスクパターンを用いて記録データを生成し、シアンインク、マゼンタインク、グレーインクのすべてを往走査、復走査ともに図18に示す駆動順序で時分割駆動した場合に形成されるドットの配置を示す図である。なお、図23(a)はシアンインクのドットの配置を、図23(b)はマゼンタインクのドットの配置を、図23(c)はグレーインクのドットの配置をそれぞれ示している。更に、図23(d)は図23(a)、(b)、(c)それぞれに示すシアンインク、マゼンタインク、グレーインクのドットが重畳した際の様子を示している。
なお、図23では図22と同様に簡単のため、シアンインク、マゼンタインク、グレーインクそれぞれの記録素子列を構成する列S_Ev、列S_Odのうち、列S_Evから形成されたドットのみを抽出して示している。また、図23に示す内部に縦線が引かれた円がシアンインク、マゼンタインクのドットを、内部に横線が引かれた円がグレーインクのドットをそれぞれ示している。また、図23には600dpi×1200dpiの全画素に階調レベルがレベル4である階調データが入力された場合に形成されるドットを示している。
上述したように、比較例ではシアンインク、マゼンタインク、グレーインクそれぞれに同じドット配置パターンとマスクパターンを適用する。したがって、シアンインクに対応する記録データC5、マゼンタインクに対応する記録データM5、グレーインクに対応する記録データG5はそれぞれ同じ画素に対してインクの吐出を定めることになる。
更に、比較例ではシアンインクを吐出する記録素子列とマゼンタインクを吐出する記録素子列はともに図18(a)に示す駆動順序で時分割駆動を行う。このため、図23(a)、(b)からわかるように、シアンインクのドットの配置とマゼンタインクのドットの配置は同じものとなる。なお、シアンインク、マゼンタインクに関してはドット配置パターン、マスクパターン、時分割駆動制御における駆動順序のいずれも第1の実施形態と異ならせていないため、図23(a)、(b)に示すドットの配置は図22(a)、(b)に示すドットの配置とそれぞれ同じものとなる。
また、第1の実施形態と異なり、グレーインクを吐出する記録素子列は図18(a)に示す駆動順序で時分割駆動を行う。したがって、図23(c)に示すように、グレーインクのドットの配置もまた図23(a)、(b)に示すシアンインク、マゼンタインクのドット配置と同じものとなる。
したがって、図23(d)に示すように、シアン、マゼンタ、グレーを重ねた場合、すべてのドット配置が重畳してしまう。そのため、図22(d)と比較するとわかるように、比較例では記録媒体の表面をドットにより十分に被覆することができない。これにより、粒状感の目立つ画像が記録されてしまう虞がある。
図22(d)に示す第1の実施形態によって記録された複数色のインクのドット配置と図23(d)に示す比較例によって記録された複数色のインクのドット配置を比べると明らかなように、第1の実施形態を適用することにより粒状感を抑制可能であることを実験的に確認できる。
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態では、シアンインクを吐出する記録素子列に対し、往走査、復走査ともに図18(a)に示す駆動順序、すなわち同じ駆動順序にて時分割駆動を行う形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。第1の実施形態における1つの記録素子列の駆動順序は、往復走査で記録を行う場合には復走査における駆動ブロックの駆動順序が往走査における駆動ブロックの駆動順序の逆順と異なっていれば良い。
なお、第1の実施形態における駆動順序は、往復走査で記録を行う場合には復走査における駆動ブロックの駆動順序が往走査における駆動ブロックの駆動順序をオフセットした順序の逆順と異なることが好ましい。この点について以下に詳細に説明する。
ここで、往走査時の駆動順序が図24(a)に示した順序であり、復走査時の駆動順序が図24(b)に示した順序である場合について説明する。図24(b)に示す駆動順序は、図24(a)に示す駆動順序をオフセットした順序の逆順となっている。
図24(a)に示す駆動順序は、駆動ブロックNo.1、駆動ブロックNo.2、駆動ブロックNo.3、駆動ブロックNo.4、駆動ブロックNo.5、駆動ブロックNo.6、駆動ブロックNo.7、駆動ブロックNo.8、駆動ブロックNo.9、駆動ブロックNo.10、駆動ブロックNo.11、駆動ブロックNo.12、駆動ブロックNo.13、駆動ブロックNo.14、駆動ブロックNo.15、駆動ブロックNo.16という順序である。
したがって、図24(a)の駆動順序をオフセットした順序とは、例えば駆動ブロックNo.2、駆動ブロックNo.3、駆動ブロックNo.4、駆動ブロックNo.5、駆動ブロックNo.6、駆動ブロックNo.7、駆動ブロックNo.8、駆動ブロックNo.9、駆動ブロックNo.10、駆動ブロックNo.11、駆動ブロックNo.12、駆動ブロックNo.13、駆動ブロックNo.14、駆動ブロックNo.15、駆動ブロックNo.16、駆動ブロックNo.1という順序である。この順序は、駆動ブロックNo.2〜駆動ブロックNo.16までの駆動順番を1つずつ前にし、駆動ブロックNo.1を最後の駆動順番としたものである。言い換えると、この順序は、図24(a)の駆動順序を1だけ前にオフセットした順序である。
また、例えば駆動ブロックNo.3、駆動ブロックNo.4、駆動ブロックNo.5、駆動ブロックNo.6、駆動ブロックNo.7、駆動ブロックNo.8、駆動ブロックNo.9、駆動ブロックNo.10、駆動ブロックNo.11、駆動ブロックNo.12、駆動ブロックNo.13、駆動ブロックNo.14、駆動ブロックNo.15、駆動ブロックNo.16、駆動ブロックNo.1、駆動ブロックNo.2という順序もまた図24(a)の駆動順序をオフセットした順序である。この順序は、駆動ブロックNo.3〜No.16までの駆動順番を2つずつ前にし、駆動ブロックNo.1、駆動ブロックNo.2をその順序を保ったまま後ろの駆動順番としたものである。言い換えると、この順序は、図24(a)の駆動順序を2だけ前にオフセットした順序である。
同様に考えると、駆動ブロックNo.9、駆動ブロックNo.10、駆動ブロックNo.11、駆動ブロックNo.12、駆動ブロックNo.13、駆動ブロックNo.14、駆動ブロックNo.15、駆動ブロックNo.16、駆動ブロックNo.1、駆動ブロックNo.2、駆動ブロックNo.3、駆動ブロックNo.4、駆動ブロックNo.5、駆動ブロックNo.6、駆動ブロックNo.7、駆動ブロックNo.8という順序もまた図24(a)に示す駆動順序を8つオフセットした順序である。ここで、図24(b)に示す駆動順序はこの順序の逆順となっていることがわかる。したがって、図24(b)に示す駆動順序が図24(a)に示す駆動順序をオフセットした順序の逆順であることがわかる。
図24(c)は図24(a)に示す駆動順序にしたがって往方向への走査を行いながら記録素子No.1〜No.16を駆動した際に形成されるドットの様子を示す模式図である。また、図24(d)は図24(b)に示す駆動順序にしたがって復方向への走査を行いながら記録素子No.1〜No.16を駆動した際に形成されるドットの様子を示す模式図である。このように、復走査時の駆動順序を往走査時の駆動順序をオフセットした順序の逆順とすると、往走査、復走査それぞれにおける各駆動ブロックからのインクの着弾位置は異なるものの、互いに平行な位置関係となるように吐出されることになる。
図25は往走査、復走査それぞれにおける記録データに図12(a1)、(a2)に示す記録データを用い、往走査での駆動順序を図24(a)に示す駆動順序に、復走査での駆動順序を図24(b)に示す駆動順序に設定した際に記録される画像を模式的に示す図である。なお、図25(a)は往走査と復走査の間にずれが生じなかった際に記録される画像を、図25(b)は往走査と復走査の間にX方向に約1/4ドット分のずれが生じた際に記録される画像を、図25(c)は往走査と復走査の間にX方向に約2/4ドット分のずれが生じた際に記録される画像を、図25(d)は往走査と復走査の間にX方向に約3/4ドット分のずれが生じた際に記録される画像をそれぞれ模式的に示している。また、それぞれの図において内部に縦線が記載された円が往走査で形成されるドットを、内部に横線が記載された円が復走査で形成されるドットをそれぞれ示している。
図25、図14、図16を比較するとわかるように、図16ほどではないが、図25に示す画像は図14に示す画像よりはドットの重なりや抜けが目立ちにくくなるように改善されている。ここで、上述したように図14は復走査時の駆動順序を往走査時の駆動順序の逆順とした場合に記録される画像であり、図16は復走査時の駆動順序を往走査時の駆動順序と同じ順序とした場合に記録される画像である。したがって、復走査時の駆動順序が往走査時の駆動順序をオフセットした順序の逆順である場合、復走査時の駆動順序が往走査時の駆動順序の逆順である場合よりは往復走査間の吐出位置ずれは抑制できる。一方、図16に示す復走査時の駆動順序が往走査時の駆動順序と同じ順序である場合の方がより好ましいこともわかる。
以上の点を踏まえると、各記録素子列において、本実施形態における復走査時の駆動順序は往走査時の駆動順序の逆順と異なる必要がある。その上で、往走査時の駆動順序をオフセットした順序の逆順と異なることが好ましい。そして、往走査時の駆動順序と同じ順序であることが更に好ましい。
また、第1の実施形態では、グレーインクを吐出する記録素子列の駆動順序をシアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列の駆動順序を8だけオフセットした順序とする形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。詳細には、第1の実施形態におけるグレーインクを吐出する記録素子列の駆動順序は、シアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列の駆動順序と異なっていれば良い。
図26は第1の実施形態で実行可能なグレーインクを吐出する記録素子列の他の駆動順序を示す図である。また、図26(b)は図26(a)に示す駆動順序にしたがって往方向への走査を行いながら記録素子No.1〜No.16を駆動した際に形成されるドットの様子を示す模式図である。また、図26(c)は図26(a)に示す駆動順序にしたがって復方向への走査を行いながら記録素子No.1〜No.16を駆動した際に形成されるドットの様子を示す模式図である。
本実施形態では、図26(a)に示すように、グレーインクを吐出する記録素子列に関し、往走査、復走査ともに駆動ブロックNo.9、駆動ブロックNo.4、駆動ブロックNo.15、駆動ブロックNo.10、駆動ブロックNo.5、駆動ブロックNo.16、駆動ブロックNo.11、駆動ブロックNo.6、駆動ブロックNo.1、駆動ブロックNo.12、駆動ブロックNo.7、駆動ブロックNo.2、駆動ブロックNo.13、駆動ブロックNo.8、駆動ブロックNo.3、駆動ブロックNo.14の駆動順序で時分割駆動を行う。ここで、図18(a)と図26(a)を比較するとわかるように、図26(a)に示す駆動順序は図18(a)に示す駆動順序をオフセットした順序ではなく、特に相関のない順序となっている。
図26(a)に示す駆動順序にしたがって記録素子No.1〜No.16を時分割駆動した場合、往方向への走査では、図26(b)に示すように最初に駆動される記録素子No.9から形成されるドットが最もX方向上流側に位置し、記録素子No.4、15、10、5、16、11、6、1、12、7、2、13、8、3の順に形成されるドットがX方向上流側から下流側にずれるように位置し、最後に駆動される記録素子No.14から形成されるドットが最もX方向下流側に位置することになる。
一方、復方向への走査では、図26(c)に示すように最初に駆動される記録素子No.9から形成されるドットが最もX方向下流側に位置し、記録素子No.4、15、10、5、16、11、6、1、12、7、2、13、8、3の順に形成されるドットがX方向下流側から上流側にずれるように位置し、最後に駆動される記録素子No.14から形成されるドットが最もX方向上流側に位置することになる。
図27は図6に示すドット配置パターンと図17に示すマスクパターンを用いて記録データを生成し、シアンインク、マゼンタインクは往走査、復走査ともに図18に示す駆動順序で、グレーインクは往走査、復走査ともに図26に示す駆動順序で時分割駆動した場合に形成されるドットの配置を示す図である。なお、図27(a)はシアンインクのドットの配置を、図27(b)はマゼンタインクのドットの配置を、図27(c)はグレーインクのドットの配置をそれぞれ示している。更に、図27(d)は図27(a)、(b)、(c)それぞれに示すシアンインク、マゼンタインク、グレーインクのドットが重畳した際の様子を示している。その他の点については図22と同様である。
上述のように、ここではグレーインクを吐出する記録素子列の駆動順序はシアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列の駆動順序と相関のない順序として時分割駆動を行う。このような場合においても、図27(d)と図23(d)を比較するとわかるように、グレーインクの駆動順序をシアンインク、マゼンタインクの駆動順序と同じ順序とするよりも複数色のインクを重ねた場合にドット配置によって記録媒体の表面の被覆する面積を広くすることができるため、粒状感を抑制することが可能となる。
このように、複数色のインクを用いる場合に粒状感を抑制するためにはグレーインクの駆動順序はシアンインク、マゼンタインクの駆動順序をオフセットした順序に限らず、特に相関のない順序等とすることができる。すなわち、グレーインクの駆動順序をシアンインク、マゼンタインクの駆動順序と異なる順序とすれば良い。
但し、異なる順序の中でも、時分割駆動制御における駆動ブロックの数をN個とした際、グレーインクの駆動順序はシアンインク、マゼンタインクの駆動順序をK(KはN/2−1≦K≦N/2+1を満たす自然数)だけオフセットした順序とすることが特に好ましい。この理由について以下に詳細に説明する。
図28はシアンインク、マゼンタインクの駆動順序を図18(a)に示した順序とし、且つ、グレーインクの駆動順序を図18(a)に示した順序をそれぞれ異なる数だけ前にオフセットした順序として時分割駆動制御を行った際の記録媒体の表面をドットが被覆する比率を示す図である。なお、図28にはグレーインクの駆動順序を図26(a)に示す順序として時分割駆動制御を行った際のドットが被覆する比率も「異順序」として示している。また、図28ではすべての画素にシアンインク、マゼンタインク、グレーインクを2つずつ付与した際の被覆率を示している。
図28からわかるように、グレーインクの駆動順序をシアンインク、マゼンタインクの駆動順序をオフセットした順序とした場合や特に相関のない順序とした場合、同じ順序(オフセット量=0)とした場合よりは被覆率は上昇する。しかしながら、特にオフセット量を7、8、9とした場合において特に被覆率が高くなっていることがわかる。
ここで、第1の実施形態では駆動ブロックの数は16である(N=16)ため、N/2−1は7、N/2+1は9となる。すなわち、第1の実施形態では上述のKは7、8、9のいずれかとなる。
これは、グレーインクの駆動順序をシアンインク、マゼンタインクの駆動順序から約8程度、すなわち時分割駆動数の約半数だけずらすことで、すべての駆動ブロックから形成されるグレーインクのドットとシアンインク、マゼンタインクのドットとを好適に離間させることができるためであると考えられる。
以上記載したように、第1の実施形態では、グレーインクの駆動順序はシアンインク、マゼンタインクの駆動順序と異なる順序である必要があり、その上で上述の不等式にて定義されるKだけオフセットさせた順序であることが特に好ましい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、マスクパターンとして往走査用の論理和パターンMP1+MP3と復走査用の論理和パターンMP2+MP4においてコード値「1」が割り当てられた画素がランダムなホワイトノイズ特性を持つ配置となるように、各画素に対するコード値が割り当てられたマスクパターンMP1〜MP4を用いる形態について記載した。そのため、上述したように、第1の実施形態で用いたマスクパターンMP1〜MP4は、論理和パターンMP2+MP4にてコード値「1」が割り当てられた画素のうち、論理和パターンMP1+MP3にてコード値「1」が割り当てられた画素がX方向における両側に隣接する画素の数と、論理和パターンMP1+MP3にてコード値「1」が割り当てられた画素がX方向において隣接しない画素の数と、が同じ数となるように定められていた。同様に、論理和パターンMP1+MP3にてコード値「1」が割り当てられた画素のうち、論理和パターンMP2+MP4にてコード値「1」が割り当てられた画素がX方向における両側に隣接する画素の数と、論理和パターンMP2+MP4にてコード値「1」が割り当てられた画素がX方向において隣接しない画素の数と、もまた同じ数となっていた。
これに対し、本実施形態では、復走査用の論理和パターンにおいてコード値「1」が割り当てられた画素のうち、往走査用の論理和パターンにてコード値「1」が割り当てられた画素がX方向における両側に隣接する画素の数が、往走査用の論理和パターンにてコード値「1」が割り当てられた画素がX方向において隣接しない画素の数よりも多くなるように、各画素に対するコード値が定められたマスクパターンを用いる。同様に、本実施形態で用いるマスクパターンは、往走査用の論理和パターンにおいてコード値「1」が割り当てられた画素のうち、復走査用の論理和パターンにてコード値「1」が割り当てられた画素がX方向における両側に隣接する画素の数が、復走査用の論理和パターンにてコード値「1」が割り当てられた画素がX方向において隣接しない画素の数よりも多くなるように、各画素に対するコード値が定められている。
なお、上述した第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図12から図16を用いて説明したように、第1の実施形態では復走査における駆動順序を往走査における駆動順序の逆順と異なる順序とすることにより、往復走査間のX方向のずれによる画質の低下を抑制した。
しかしながら、図15と図16を比較するとわかるように、各画素に1つずつドットを形成するような比較的低濃度の画像を記録する際には、駆動順序だけではなく記録データによっても往復走査間のX方向のずれによって生じる画質の低下の程度が異なってくる。
図15に示すように往走査で記録されるドットと復走査で記録されるドットがX方向に交互とならないように記録データを生成した場合、往復走査間のX方向のずれが小さい場合には画質の低下を好適に抑制することができる。しかしながら、図15(d)からわかるように、往復走査間のX方向のずれが大きい場合には駆動順序を互いに逆順ではない順序とした場合であってもドットの抜けや重なりが大きくなってしまう虞がある。
これに対し、往走査で記録されるドットと復走査で記録されるドットがX方向に交互となるように記録データを生成すると、図16(d)に示すように、往復走査間のX方向のずれが大きい場合であってもドットの抜けや重なりを小さくすることができる。
以上の点を鑑み、本実施形態では、低濃度の画像を記録する場合における往復走査間のX方向のずれによる画質の低下を抑制するため、低濃度の画像記録時に往走査で記録されるドットと復走査で記録されるドットが交互に生じるように記録データを生成する。ここで低濃度の画像データ、例えば画素値が「1」の画像データに関しては、図10のデコードテーブルに示したようにマスクパターン内の「1」のコード値が定められた画素にのみドットが形成される。これは、コード値「1」がコード値「0」、「1」、「2」の中でインクの吐出の許容回数が最大のコード値であるためである。したがって、低濃度の画像記録時に往走査、復走査それぞれで記録されるドットを交互に生じさせるためには、往走査用の論理和パターンと復走査用の論理和パターンでコード値「1」が定められた画素がX方向に交互に生じるようなマスクパターンを用いれば良い。
図29は本実施形態で用いるマスクパターンを示す図である。なお、図29(a)には1回目の走査に対応するマスクパターンMP1´を、図29(b)には2回目の走査に対応するマスクパターンMP2´を、図29(c)には3回目の走査に対応するマスクパターンMP3´を、図29(d)には4回目の走査に対応するマスクパターンMP4´をそれぞれ示している。また、図29(e)は図29(a)に示す1回目の走査に対応するマスクパターンMP1´と図29(c)に示す3回目の走査に対応するマスクパターンMP3´それぞれにおいて定められたインクの吐出の許容回数の論理和により得られる論理和パターンMP1´+MP3´を示している。また、図29(f)は図29(b)に示す2回目の走査に対応するマスクパターンMP2´と図29(d)に示す4回目の走査に対応するマスクパターンMP4´それぞれにおいて定められたインクの吐出の許容回数の論理和により得られる論理和パターンMP2´+MP4´を示している。なお、図29における白抜けで示された画素が「0」のコード値が割り当てられた画素を、灰色で塗りつぶされた画素が「1」のコード値が割り当てられた画素を、黒く塗りつぶされた画素が「2」のコード値が割り当てられた画素をそれぞれ示している。
図29(a)〜(d)に示すマスクパターンMP1´〜MP4´は、図17(a)〜(d)に示すマスクパターンMP1〜MP4と異なり、図29(e)に示す論理和パターンMP1´+MP3´において「1」のコード値が割り当てられた画素と図29(f)に示す論理和パターンMP2´+MP4´において「1」のコード値が割り当てられた画素がX方向に交互に生じるように設定されている。
なお、図29(a)〜(d)に示すマスクパターンMP1´〜MP4´は、上記の設定条件以外に関しては図17(a)〜(d)に示すマスクパターンMP1〜MP4と同様である。
上記の設定について詳細に説明する。
本実施形態における図29(e)に示す論理和パターンMP1´+MP3´は、1024個の画素のうち512個の画素でコード値「1」が割り当てられており、そのうちのすべて、すなわち512個のコード「1」が割り当てられた画素には、図29(f)に示す論理和パターンMP2´+MP4´にてX方向における両側にコード値「1」が割り当てられた画素が隣接している。一方、図29(e)に示す論理和パターンMP1´+MP3´内の512個のコード値「1」が割り当てられた画素のうち、図29(f)に示す論理和パターンMP2´+MP4´にてX方向にコード値「1」が割り当てられた画素が隣接する画素は0個である。
例えば、図29(e)に示す論理和パターンMP1´+MP3´内の最もY方向下流側(図中上側)端部の行では、X方向上流側(図中左側)から1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31番目の画素においてコード値「1」が割り当てられている。一方、図29(f)に示す論理和パターンMP2´+MP4´内の最もY方向下流側(図中上側)端部の行では、X方向上流側(図中左側)から2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32番目の画素においてコード値「1」が割り当てられている。
ここで、図29(e)に示す論理和パターンMP1´+MP3´内の最もY方向下流側(図中上側)端部の行の中のX方向上流側(図中左側)から3番目の画素にはコード値「1」が割り当てられているが、それとX方向における両側に隣接するY方向下流側(図中上側)端部の行の中のX方向上流側(図中左側)から2、4番目の画素には図29(f)に示す論理和パターンMP2´+MP4´においてコード値「1」が割り当てられている。すなわち、図29(e)に示す論理和パターンMP1´+MP3´内の最もY方向下流側(図中上側)端部の行の中のX方向上流側(図中左側)から3番目の画素は、コード値「1」が割り当てられ、且つ、図29(f)に示す論理和パターンMP2´+MP4´によってX方向における両側に隣接する画素にコード値「1」が割り当てられた画素が存在する画素である。
なお、ここでは同一行内に位置するX方向上流側(図中左側)端部の画素とX方向下流側(図中右側)端部の画素は互いに隣接するものとして考える。これは図29(a)〜(d)に示すマスクパターンMP1´〜MP4´はそれぞれマスクパターンの繰り返し単位を示しているため、実際にはこれらのマスクパターンがX方向において順次用いられるので、画像データに対して実際に適用する際にあるマスクパターンのX方向下流側(図中右側)端部の画素に相当する量子化データ内の領域の右隣には次のマスクパターンのX方向上流側(図中左側)端部の画素に相当する量子化データがくるためである。
したがって、例えば、図29(e)に示す論理和パターンMP1´+MP3´内の最もY方向下流側(図中上側)端部の行の中のX方向上流側(図中左側)から1番目のコード値「1」が割り当てられた画素は、それとX方向における両側に隣接するY方向下流側(図中上側)端部の行の中のX方向上流側(図中左側)から32、2番目の画素に図29(f)に示す論理和パターンMP2´+MP4´においてコード値「1」が割り当てられていることになる。
また、本実施形態における図29(f)に示す論理和パターンMP2´+MP4´も、1024個の画素のうち512個の画素でコード値「1」が割り当てられており、そのうちのすべて、すなわち512個のコード「1」が割り当てられた画素には、図29(e)に示す論理和パターンMP1´+MP3´にてX方向における両側にコード値「1」が割り当てられた画素が隣接している。一方、図29(f)に示す論理和パターンMP2´+MP4´内の512個のコード値「1」が割り当てられた画素のうち、図29(e)に示す論理和パターンMP1´+MP3´にてX方向にコード値「1」が割り当てられた画素が隣接する画素は0個である。
図30は本実施形態で適用できる他のマスクパターンを示す図である。なお、図30(a)には1回目の走査に対応するマスクパターンMP1´´を、図30(b)には2回目の走査に対応するマスクパターンMP2´´を、図30(c)には3回目の走査に対応するマスクパターンMP3´´を、図30(d)には4回目の走査に対応するマスクパターンMP4´´をそれぞれ示している。また、図30(e)は図30(a)に示す1回目の走査に対応するマスクパターンMP1´´と図30(c)に示す3回目の走査に対応するマスクパターンMP3´´それぞれにおいて定められたインクの吐出の許容回数の論理和により得られる論理和パターンMP1´´+MP3´´を示している。また、図30(f)は図30(b)に示す2回目の走査に対応するマスクパターンMP2´´と図30(d)に示す4回目の走査に対応するマスクパターンMP4´´それぞれにおいて定められたインクの吐出の許容回数の論理和により得られる論理和パターンMP2´´+MP4´´を示している。
図30(a)〜(d)に示すマスクパターンMP1´´〜MP4´´は、図29(a)〜(d)に示すマスクパターンMP1´〜MP4´と同様に、図30(e)に示す論理和パターンMP1´´+MP3´´において「1」のコード値が割り当てられた画素と図30(f)に示す論理和パターンMP2´´+MP4´´において「1」のコード値が割り当てられた画素がX方向に交互に生じるように設定されている。
本実施形態では、図29や図30に示すようなマスクパターン、すなわち論理和パターンにおいて「1」のコード値が割り当てられた画素がX方向に交互に生じるようなマスクパターンを用いて記録データを生成する。
(本実施形態による記録画像)
本実施形態では、図6(b)〜(e)に示すドット配置パターンと、論理和パターンにおいて「1」のコード値がX方向に交互に生じるような図29(a)〜(d)、図30(a)〜(d)に示すマスクパターンと、を用い、且つ、シアンインク、マゼンタインクは往走査、復走査ともに図18(a)に示す駆動順序に、グレーインクは往走査、復走査ともに図19(a)に示す駆動順序にしたがって時分割駆動を行う。これにより、複数色のインクを使用する場合であっても高濃度の画像記録時における往復走査間の吐出位置ずれを抑制する。更に、本実施形態によれば、低濃度の画像記録時における往復走査間の吐出位置ずれも抑制することが可能となる。
まず、階調データC3として600dpi×600dpiの画素群のすべてにおいて階調レベルがレベル2である階調データが入力された場合にシアンインクによって形成されるドットの位置について説明する。なお、ここでは図29に示すマスクパターンMP1´〜MP4´を用いた場合について説明する。
図31は本実施形態において階調レベルがレベル2である階調データが入力された場合にシアンインクによって記録される画像を示す図である。
図8の単位領域211内の全ての画素群において階調データの階調値がレベル2である場合、図6(c)に示すドット配置パターンからわかるように、600dpi×1200dpiのすべての画素に対して画素値が「1」の画像データが生成される。したがって、図10に示すデコードテーブルからわかるように、図29に示すマスクパターンMP1〜MP4内のコード値「1」が割り当てられた画素に相当する画素領域にシアンインクが吐出されることになる。すなわち、1回目の走査では図29(a)、2回目の走査では図29(b)、3回目の走査では図29(c)、4回目の走査では図29(d)の灰色で塗りつぶされた画素に相当する画素領域にシアンインクが吐出される。
このうち、1回目、3回目の走査は往走査、2回目、4回目の走査は復走査であるため、往走査でシアンインクが吐出される画素は図29(e)の灰色で塗りつぶされた画素、復走査でシアンインクが吐出される画素は図29(f)の灰色で塗りつぶされた画素となる。
この際に往走査、復走査ともに図18(a)に示す駆動順序で時分割駆動を行うと、往復走査間のずれがなければ往走査では図31(a)に示す位置に、復走査では図31(b)に示す位置にそれぞれシアンインクが吐出されてドットが形成される。
ここで、図31(a)、図31(b)それぞれに示すドットの配置がずれなく重なった場合におけるドット配置を図31(c)に、復走査においてX方向下流側に21.2μm(1200dpi相当)ずれて重なった場合のドット配置を図31(d)に、復走査においてX方向下流側に42.3μm(600dpi相当)ずれて重なった場合のドット配置を図31(e)にそれぞれ示している。
図31(c)からわかるように、X方向に延びる各行に関し、往走査によるドットと復走査によるドットとがほとんど重なって記録されている行、一部が重なっている行、ほとんど重ならずにずれて記録されている行が様々に存在することがわかる。図31(d)では、元々重なっていた行のドットは新たに出現する反面、元々重ならずにずれていた行のドットは新たに重なることで、濃度変動は相殺されている。図31(e)も図31(d)と同じで、元々重なっていた行のドットは新たに出現する反面、元々重ならずにずれていた行のドットは新たに重なることで、濃度変動は相殺されている。
このように画像全体として見たときに、図31(d)に示すX方向上流側への往復走査間のずれ量が21.2μmであっても、あるいは図31(e)に示すX方向上流側への往復走査間のずれ量が42.3μmであっても、図31(c)に示す往復走査間のずれが生じなかった際に比べて濃度変動はほとんど発生しないことがわかる。
図31からわかるように、本実施形態におけるマスクパターンおよび駆動順序によれば、1つの画素領域に1ドットを記録するような比較的低濃度の画像を記録する際であっても、往復走査間の吐出位置ずれを抑制した記録を行うことが可能となる。
比較として、第1の実施形態で用いた図17(a)〜(d)に示すマスクパターンを用い、他の条件は本実施形態と同様にして、階調データC3として600dpi×600dpiの画素群のすべてにおいて階調レベルがレベル2である階調データが入力された場合にシアンインクによって形成されるドットの位置について説明する。
図32は図17に示すマスクパターンMP1〜MP4を用いた際、階調レベルがレベル2である階調データが入力された場合にシアンインクによって記録される画像を示す図である。
図8の単位領域211内の全ての画素群において階調データの階調値がレベル2である場合、図6(c)に示すドット配置パターンからわかるように、600dpi×1200dpiのすべての画素に対して画素値が「1」の画像データが生成される。したがって、図10に示すデコードテーブルからわかるように、図17に示すマスクパターンMP1〜MP4内のコード値「1」が割り当てられた画素に相当する画素領域にシアンインクが吐出されることになる。すなわち、1回目の走査では図17(a)、2回目の走査では図17(b)、3回目の走査では図17(c)、4回目の走査では図17(d)の灰色で塗りつぶされた画素に相当する画素領域にシアンインクが吐出される。
このうち、1回目、3回目の走査は往走査、2回目、4回目の走査は復走査であるため、往走査でシアンインクが吐出される画素は図17(e)の灰色で塗りつぶされた画素、復走査でシアンインクが吐出される画素は図17(f)の灰色で塗りつぶされた画素となる。
この際に往走査、復走査ともに図18(a)に示す駆動順序で時分割駆動を行うと、往復走査間のずれがなければ往走査では図32(a)に示す位置に、復走査では図32(b)に示す位置にそれぞれシアンインクが吐出されてドットが形成される。
ここで、図32(a)、図32(b)それぞれに示すドットの配置がずれなく重なった場合におけるドット配置を図32(c)に、復走査においてX方向下流側に21.2μm(1200dpi相当)ずれて重なった場合のドット配置を図32(d)に、復走査においてX方向下流側に42.3μm(600dpi相当)ずれて重なった場合のドット配置を図32(e)にそれぞれ示している。
図32(c)からわかるように、第2の比較例によれば、往走査によるドットと復走査によるドットとがほとんど重なっている箇所や一部が重なっている箇所、ほとんど重なっていない箇所が混在するように記録される。そのため、往復走査間のずれが比較的小さい場合には図32(d)に示すように、ドットの重なりや抜けは図32(c)に示す場合よりは多くなるものの、それ程変わらない画像を記録できる。しかしながら、図32(e)に示すように、往復走査間のずれが比較的大きくなるとドットの重なりや抜けが目立つようになり、画質の低下が視認され易くなってしまう。記録が定められる画素のX方向における分散性が低いため、往復走査間のずれが大きくなった場合において画質の低下を抑制できないのである。
このように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態に比べて低濃度の画像を記録する際の往復走査間の1色のインクの吐出位置ずれを抑制できることが実験的に確認できる。
次に、複数の色のインク間で時分割駆動における駆動ブロックの駆動順序を異ならせた場合に形成されるドットの位置について説明する。なお、ここでは図30に示すマスクパターンMP1´´〜MP4´´を用いた場合について説明する。
図33は図6に示すドット配置パターンと図30に示すマスクパターンを用いて記録データを生成し、シアンインク、マゼンタインクは往走査、復走査ともに図18に示す駆動順序で、グレーインクは往走査、復走査ともに図19に示す駆動順序で時分割駆動した場合に形成されるドットの配置を示す図である。なお、図33(a)はシアンインクのドットの配置を、図33(b)はマゼンタインクのドットの配置を、図33(c)はグレーインクのドットの配置をそれぞれ示している。更に、図33(d)は図33(a)、(b)、(c)それぞれに示すシアンインク、マゼンタインク、グレーインクのドットが重畳した際の様子を示している。
なお、図33では簡単のため、シアンインク、マゼンタインク、グレーインクそれぞれの記録素子列を構成する列S_Ev、列S_Odのうち、列S_Evから形成されたドットのみを抽出して示している。また、図33に示す内部に縦線が引かれた円がシアンインク、マゼンタインクのドットを、内部に横線が引かれた円がグレーインクのドットをそれぞれ示している。また、図33には600dpi×1200dpiの全画素に階調レベルがレベル2である階調データが入力された場合に形成されるドットを示している。
本実施形態ではシアンインク、マゼンタインク、グレーインクそれぞれに同じドット配置パターンとマスクパターンを適用する。したがって、シアンインクに対応する記録データC5、マゼンタインクに対応する記録データM5、グレーインクに対応する記録データG5はそれぞれ同じ画素に対してインクの吐出を定めることになる。
更に、本実施形態ではシアンインクを吐出する記録素子列とマゼンタインクを吐出する記録素子列はともに図18(a)に示す駆動順序で時分割駆動を行う。このため、図33(a)、(b)からわかるように、シアンインクのドットの配置とマゼンタインクのドットの配置は同じものとなる。
一方、グレーインクを吐出する記録素子列はシアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列と異なり、図19(a)に示す駆動順序で時分割駆動を行う。したがって、図33(c)に示すように、グレーインクのドットの配置は図33(a)、(b)に示すシアンインク、マゼンタインクのドット配置と異なるものとなる。
したがって、図33(d)からわかるように、シアン、マゼンタ、グレーを重ねたドット配置は記録媒体の表面を十分に被覆することが可能となる。これは、シアンインク、マゼンタインクのドット配置にて疎となっている箇所ではグレーインクのドット配置にて密となり、シアンインク、マゼンタインクのドット配置にて密となっている箇所ではグレーインクで疎となっているためである。これにより、すべてのインクのドット配置が重畳することを避けることができるため、粒状感を抑制することが可能となる。
以上記載したように、本実施形態によれば他の色と同時に使用されることが多いグレーインクの駆動順序を他の色のインクの駆動順序と異ならせることにより、複数の色のインク間でドット配置が重畳することに由来する粒状感を抑制することができる。
比較として、図30(a)〜(d)に示すマスクパターンを用い、シアンインク、マゼンタインク、グレーインクすべてを往走査、復走査ともに図18に示す駆動順序で時分割駆動した場合に形成されるドットの位置について説明する。
図34は図6に示すドット配置パターンと図30に示すマスクパターンを用いて記録データを生成し、シアンインク、マゼンタインク、グレーインクのすべてを往走査、復走査ともに図18に示す駆動順序で時分割駆動した場合に形成されるドットの配置を示す図である。なお、図34(a)はシアンインクのドットの配置を、図34(b)はマゼンタインクのドットの配置を、図34(c)はグレーインクのドットの配置をそれぞれ示している。更に、図34(d)は図34(a)、(b)、(c)それぞれに示すシアンインク、マゼンタインク、グレーインクのドットが重畳した際の様子を示している。
なお、図34では図33と同様に簡単のため、シアンインク、マゼンタインク、グレーインクそれぞれの記録素子列を構成する列S_Ev、列S_Odのうち、列S_Evから形成されたドットのみを抽出して示している。また、図34に示す内部に縦線が引かれた円がシアンインク、マゼンタインクのドットを、内部に横線が引かれた円がグレーインクのドットをそれぞれ示している。また、図34には600dpi×1200dpiの全画素に階調レベルがレベル2である階調データが入力された場合に形成されるドットを示している。
ここではシアンインク、マゼンタインク、グレーインクそれぞれに同じドット配置パターンとマスクパターンを適用する。したがって、シアンインクに対応する記録データC5、マゼンタインクに対応する記録データM5、グレーインクに対応する記録データG5はそれぞれ同じ画素に対してインクの吐出を定めることになる。
更に、ここではシアンインクを吐出する記録素子列とマゼンタインクを吐出する記録素子列はともに図18(a)に示す駆動順序で時分割駆動を行う。このため、図34(a)、(b)からわかるように、シアンインクのドットの配置とマゼンタインクのドットの配置は同じものとなる。なお、図34(a)、(b)に示すドットの配置は図33(a)、(b)に示すドットの配置とそれぞれ同じものとなる。
また、ここではグレーインクを吐出する記録素子列は図18(a)に示す駆動順序で時分割駆動を行う。したがって、図34(c)に示すように、グレーインクのドットの配置もまた図34(a)、(b)に示すシアンインク、マゼンタインクのドット配置と同じものとなる。
したがって、図34(d)に示すように、シアン、マゼンタ、グレーを重ねた場合、すべてのドット配置が重畳してしまう。そのため、図33(d)と比較するとわかるように、記録媒体の表面をドットにより十分に被覆することができない。これにより、粒状感の目立つ画像が記録されてしまう虞がある。
図33(d)に示す第2の実施形態によって記録された複数色のインクのドット配置と図34(d)に示す比較例によって記録された複数色のインクのドット配置を比べると明らかなように、第2の実施形態を適用することにより粒状感を抑制可能であることを実験的に確認できる。
以上記載したように、本実施形態によれば高濃度の画像記録時だけではなく、低濃度の画像記録時であっても往復走査間の吐出位置ずれを抑制した記録を行うことが可能となる。更に、他の色と同時に使用されることが多いグレーインクの駆動順序を他の色のインクの駆動順序と異ならせることにより、複数の色のインク間でドット配置が重畳することに由来する粒状感を抑制することができる。
なお、本実施形態では一方の論理和パターンにおいてコード値「1」が割り当てられた画素のうち、すべての画素で他方の論理和パターンにおいてコード値「1」が割り当てられた画素とX方向における両側に隣接するようなマスクパターンを用いる形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。本実施形態による効果を得るためには、一方の論理和パターンにおいてコード値「1」が割り当てられた画素のうち、他方の論理和パターンにおいてコード値「1」が割り当てられた画素がX方向における両側に隣接する画素の数が、他方の論理和パターンにおいてコード値「1」が割り当てられた画素がX方向に隣接しない画素の数よりも多くなるようなマスクパターンを用いる形態であれば良い。
(第3の実施形態)
第1、第2の実施形態では、グレーインクを吐出する記録素子列の駆動順序をシアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列の駆動順序と異ならせる形態について記載した。
これに対し、本実施形態では駆動順序を異ならせるインクを第1、第2の実施形態とは異ならせる。
なお、上述した第1、第2の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
本実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、濃グレー(DG)、淡グレー(LG)の6つのインクを用いる。
図35は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、濃グレー(DG)、淡グレー(LG)の6つのインクを搭載するシステムにおける、色分解テーブルの一例を示す。なお、図35(a)は白〜シアン〜黒のシアンライン、(b)は白〜マゼンタ〜黒のマゼンタライン、(c)は白〜イエロー〜黒のイエローライン、(d)は白〜黒のグレーラインにおける色分解テーブルである。
図35より、シアン、マゼンタ、イエローのインクが、それぞれがメイン色となる軸からグレーラインにかけて使用されていることに対し、濃グレーおよび淡グレーのインクは無彩色であることからいずれの軸にも幅広く使用されている。つまり、濃グレーおよび淡グレーは、シアン、マゼンタ、イエローのいずれのインクとも同時に使用される確率が高いため、これらのグレーに異なるブロック駆動順序を設定してドット配置を他の色とずらしておくことにより、幅広い色領域において紙面を効率的に被覆することができ、粒状性の良化に繋がる。
また、図35に示したどのライン上においても、濃グレーおよび淡グレーの使用方法は同じ傾向を持っている。つまり、まず淡グレーを徐々に増加させて明度を下げた後、濃グレーの入り出しとともに淡グレーを減少させ、今度は濃グレーを徐々に増加させることで明度を下げるという使用方法である。このように、濃グレーと淡グレーを同時に使用する色領域が必ず存在するため、両者のブロック駆動順序も互いに異なるものに設定してドット配置をずらしておくことにより、さらに紙面を効率的に被覆することができる。
以上の点を鑑み、本実施形態では、シアンインクとマゼンタインクを吐出する記録素子列、淡グレーインクを吐出する記録素子列、濃グレーインクを吐出する記録素子列の3組の記録素子列において駆動ブロックの駆動順序を異ならせる。
詳細には、シアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列は往走査、復走査ともに第1の実施形態で説明した図18(a)に示す駆動順序で時分割駆動を行う。また、淡グレーインクを吐出する記録素子列は往走査、復走査ともに第1の実施形態で説明した図19(a)に示す駆動順序で時分割駆動を行う。
一方、図36(a)は本実施形態で実行する濃グレーインクを吐出する記録素子列における各駆動ブロックの駆動順序を示す図である。また、図36(b)は図36(a)に示す駆動順序にしたがって往方向への走査を行いながら記録素子No.1〜No.16を駆動した際に形成されるドットの様子を示す模式図である。また、図36(c)は図36(a)に示す駆動順序にしたがって復方向への走査を行いながら記録素子No.1〜No.16を駆動した際に形成されるドットの様子を示す模式図である。
ここで、図36(a)に示す濃グレーインクを吐出する記録素子列における駆動順序は、図18(a)に示すシアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列における駆動順序を4だけ前にオフセットした順序となっている。同様に、図36(a)に示す濃グレーインクを吐出する記録素子列における駆動順序は、図19(a)に示す淡グレーインクを吐出する記録素子列における駆動順序を4だけ後にオフセットした順序となっている。
このように濃グレーインクを吐出する記録素子列における駆動順序、淡グレーインクを吐出する記録素子列における駆動順序、シアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列における駆動順序、の3つをすべて異ならせることにより、記録データによって各インクが同じ画素にインクを付与するように定められている場合であっても、濃グレーインクの着弾位置と、淡グレーインクの着弾位置と、シアンインク、マゼンタインクの着弾位置からずらすことができる。そのため、粒状感を抑制することができる。
(第4の実施形態)
本実施形態では、駆動順序を異ならせるインクを第1から第3の実施形態とは異ならせる。
なお、上述した第1から第3の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
本実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)の6つのインクを用いる。ここで、ライトシアンインクはシアンインクとほぼ同じ色相であって、シアンインクよりも濃度が低いインクである。また、ライトマゼンタインクはマゼンタインクとほぼ同じ色相であって、マゼンタインクよりも濃度が低いインクである。
図37は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)の6つのインクを搭載するシステムにおける、色分解テーブルの一例を示す。なお、図37(a)は白〜シアン〜黒のシアンライン、(b)は白〜マゼンタ〜黒のマゼンタライン、(c)は白〜イエロー〜黒のイエローライン、(d)は白〜黒のグレーラインにおける色分解テーブルである。
図37(a)、(b)、(d)に示すように、シアンとライトシアン、マゼンタとライトマゼンタの使用方法は、第3の実施形態で説明した濃グレーと淡グレーの使用方法と同様である。つまり、まず淡インク(LCまたはLM)を徐々に増加させて明度を下げた後、濃インク(CまたはM)が入り出すとともに淡インクを減少させ、今度は濃インクを徐々に増加させることで明度を下げるという使用方法である。このように、濃インク(CまたはM)と淡インク(LCまたはLM)を同時に使用する色領域が必ず存在する。
以上の点を鑑み、本実施形態では、シアンインクとマゼンタインクを吐出する記録素子列と、ライトシアンインク、ライトマゼンタインクを吐出する記録素子列の2組の記録素子列において駆動ブロックの駆動順序を異ならせる。
詳細には、シアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列は往走査、復走査ともに第1の実施形態で説明した図18(a)に示す駆動順序で時分割駆動を行う。また、ライトシアンインク、ライトマゼンタインクを吐出する記録素子列は往走査、復走査ともに第1の実施形態で説明した図19(a)に示す駆動順序で時分割駆動を行う。
このようにシアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列における駆動順序と、ライトシアンインク、ライトマゼンタインクを吐出する記録素子列における駆動順序と、の2つを異ならせることにより、記録データによって各インクが同じ画素にインクを付与するように定められている場合であっても、シアンインク、マゼンタインクの着弾位置と、ライトシアンインク、ライトマゼンタインクの着弾位置からずらすことができる。そのため、粒状感を抑制することができる。
(第5の実施形態)
本実施形態では、駆動順序を異ならせるインクを第1から第4の実施形態とは異ならせる。
なお、上述した第1から第4の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
本実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、ライトブルー(LB)の5つのインクを用いる。ここで、ライトブルーインクはシアンインクとマゼンタインクをほぼ同量ずつ付与することによって再現可能な色であるブルーとほぼ同じ色相であって、ブルーよりも濃度が低い色のインクである。
図38は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、ライトブルー(LB)の5つのインクを搭載するシステムにおける、色分解テーブルの一例を示す。なお、図38(a)は白〜ブルー〜黒のブルーライン、(b)は白〜黒のグレーラインにおける色分解テーブルである。
図37(a)、(b)、(d)に示すように、シアン、マゼンタと、ライトブルーと、の使用方法は、第3の実施形態で説明した濃グレーと淡グレーの使用方法と同様である。つまり、まずライトブルー(LB)を徐々に増加させて明度を下げた後、濃インク(CおよびM)が入り出すとともにライトブルー(LB)を減少させ、今度は濃インクを徐々に増加させることで明度を下げるという使用方法である。
以上の点を鑑み、本実施形態では、シアンインクとマゼンタインクを吐出する記録素子列と、ライトブルーインクを吐出する記録素子列の2組の記録素子列において駆動ブロックの駆動順序を異ならせる。
詳細には、シアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列は往走査、復走査ともに第1の実施形態で説明した図18(a)に示す駆動順序で時分割駆動を行う。また、ライトブルーインクを吐出する記録素子列は往走査、復走査ともに第1の実施形態で説明した図19(a)に示す駆動順序で時分割駆動を行う。
このようにシアンインク、マゼンタインクを吐出する記録素子列における駆動順序と、ライトブルーインクを吐出する記録素子列における駆動順序と、の2つを異ならせることにより、記録データによって各インクが同じ画素にインクを付与するように定められている場合であっても、シアンインク、マゼンタインクの着弾位置と、ライトブルーインクの着弾位置からずらすことができる。そのため、粒状感を抑制することができる。
なお、以上に説明した各実施形態では、単位領域に対して往走査と復走査を行う場合において往走査と復走査の間の吐出位置ずれを抑制する形態について記載した。したがって、復走査時の駆動順序が往走査時の駆動順序の逆順と異なる必要があり、その上で往走査時の駆動順序をオフセットした順序の逆順と異なることが好ましく、更に往走査時の駆動順序と同じ順序であることがより好ましいと記載した。
しかしながら本発明は上記のような形態に限られるものではなく、単位領域に対して片方向への走査のみで複数回記録を行う場合において、第1の種類の走査と第2の種類の走査の間の吐出位置ずれを抑制することも可能である。例えば、第1の種類の走査を複数回の走査のうちの前半の走査、第2の種類の走査を複数回の走査のうちの後半の走査とした場合、前半の走査と後半の走査の間の吐出位置ずれを抑制することができる。この場合、第2の種類の走査時の駆動順序が第1の種類の走査時の駆動順序と異なる必要があり、その上で第1の種類の走査時の駆動順序をオフセットした順序と異なることが好ましく、更に第1の種類の走査時の駆動順序の逆順であることがより好ましい。
これは、図11等を用いて説明したように、同じ駆動順序で往復走査を行った際には時分割駆動制御における各駆動ブロックからのインクの着弾位置は互いに反転した位置となり、同じ駆動順序で片方向走査を行った際には時分割駆動制御における各駆動ブロックからのインクの着弾位置は互いに同じ位置となるためである。ここから、例えば片方向走査を行う場合に第2の種類の走査時の駆動順序を第1の種類の走査時の駆動順序の逆順として時分割駆動を行った際における各駆動ブロックからのインクの着弾位置と、往復走査を行う場合に復走査時の駆動順序を往走査時の駆動順序と同じ順序として時分割駆動した際における各駆動ブロックからのインクの着弾位置と、が互いに同じ位置となることがわかる。
以上に説明した各実施形態では異なる色のインクを吐出する記録素子列の駆動順序を互いに異ならせる形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。
例えば、異なるドットサイズのインクを吐出する記録素子列の駆動順序を互いに異ならせても良い。これによりドットサイズが大きいインクの着弾位置とドットサイズが小さいインクの着弾位置とをずらすことが可能となる。
また、列S_Evの駆動順序と列S_Odの駆動順序を互いに異ならせても良い。これにより、列S_Evからのインクの着弾位置と列S_Odからのインクの着弾位置とを互いにずらすことが可能となる。
このように、本発明は異なる色のインクを吐出する記録素子列間に限定されるものではなく、異なるドットサイズのインクを吐出する記録素子列間やY方向に互いにずれて設けられた記録素子列間であっても適用可能である。
また、以上に説明した各実施形態では、単位領域に対して往走査と復走査を行う場合において往走査と復走査の間の吐出位置ずれを抑制する形態について記載した。したがって、復走査時の駆動順序が往走査時の駆動順序の逆順と異なる必要があり、その上で往走査時の駆動順序をオフセットした順序の逆順と異なることが好ましく、更に往走査時の駆動順序と同じ順序であることがより好ましいと記載した。
しかしながら本発明は上記のような形態に限られるものではなく、単位領域に対して片方向への走査のみで複数回記録を行う場合において、第1の種類の走査と第2の種類の走査の間の吐出位置ずれを抑制することも可能である。例えば、第1の種類の走査を複数回の走査のうちの前半の走査、第2の種類の走査を複数回の走査のうちの後半の走査とした場合、前半の走査と後半の走査の間の吐出位置ずれを抑制することができる。この場合、第2の種類の走査時の駆動順序が第1の種類の走査時の駆動順序と異なる必要があり、その上で第1の種類の走査時の駆動順序をオフセットした順序と異なることが好ましく、更に第1の種類の走査時の駆動順序の逆順であることがより好ましい。
これは、図11等を用いて説明したように、同じ駆動順序で往復走査を行った際には時分割駆動制御における各駆動ブロックからのインクの着弾位置は互いに反転した位置となり、同じ駆動順序で片方向走査を行った際には時分割駆動制御における各駆動ブロックからのインクの着弾位置は互いに同じ位置となるためである。ここから、例えば片方向走査を行う場合に第2の種類の走査時の駆動順序を第1の種類の走査時の駆動順序の逆順として時分割駆動を行った際における各駆動ブロックからのインクの着弾位置と、往復走査を行う場合に復走査時の駆動順序を往走査時の駆動順序と同じ順序として時分割駆動した際における各駆動ブロックからのインクの着弾位置と、が互いに同じ位置となることがわかる。
また、以上に説明した各実施形態では、異なる色のインクに対応する画像データに対し同じマスクパターンを適用する形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。すなわち、異なる色のインクに対応する画像データに対し互いに異なるマスクパターンを用いても良い。この場合、各色のインクに適用するマスクパターンを各実施形態で説明した条件を満たしたマスクパターンものとすれば各実施形態による効果を得ることができる。
また、以上に説明した各実施形態では、グレーインクの駆動順序をシアンインク、マゼンタインクの駆動順序と異ならせる形態、ライトシアンインク、ライトマゼンタインクの駆動順序をシアンインク、マゼンタインクの駆動順序と異ならせる形態、ライトブルーインクを駆動順序をシアンインク、マゼンタインクの駆動順序と異ならせる形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。ある1色のインクの駆動順序を他の1色の駆動順序と異ならせる形態であれば本発明の効果を得ることができる。
また、以上に説明した各実施形態では、各画素に対するインクの吐出の許容回数を示す複数ビットの情報から構成され多値のマスクパターンを用いる形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。例えば、各画素に対するインクの吐出の許容または非許容を示す1ビットの情報から構成される2値のマスクパターンを用いても良い。
また、以上に説明した各実施形態では、単位領域に対して往走査と復走査を2回ずつ行う形態、および単位領域に対して往走査と復走査の一方を2回、他方を1回ずつ行う形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。すなわち、単位領域に対してK(K≧1)回の往走査とL(L≧1)回の復走査を行う形態であれば本発明を適用することができる。この場合には、往走査用のマスクパターンをK個、復走査用のマスクパターンをL個用いれば良い。
また、以上に説明した各実施形態では、単位領域に対する複数回の走査と走査の間に記録媒体の搬送を介在させながら記録を行う形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。すなわち、記録媒体の搬送を行うことなく単位領域に対する複数回の走査を行って記録を行う形態であっても良い。
また、本発明はサーマルジェット型のインクジェット記録装置に限定されるものではない。例えば圧電素子を利用してインクの吐出を行ういわゆるピエゾ型のインクジェット記録装置等、様々な記録装置に対して有効に適用できる。
また、各実施形態には記録装置を用いた記録方法について記載したが、各実施形態に記載の記録方法を行うためのデータを生成する画像処理装置または画像処理方法、プログラムを記録装置とは別体に用意する形態にも適用できる。また、記録装置の一部に備える形態にも広く適用できることは言うまでもない。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも含む。
さらに、「インク」とは、記録媒体上に付与されることで、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
3 記録媒体
7 記録ヘッド
301 CPU
302 ROM

Claims (27)

  1. 第1の色のインクを吐出するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が所定方向に配列された第1の記録素子列と、前記第1の色と異なる第2の色のインクを吐出するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が前記所定方向に配列された第2の記録素子列と、を有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対する前記所定方向と交差する交差方向に沿った第1の方向へのK(K≧1)回の第1の走査と、前記記録ヘッドの前記単位領域に対する前記第1の方向と反対の第2の方向へのL(L≧1)回の第2の走査と、を実行する走査手段と、
    前記第1の色のインクを吐出することにより前記単位領域に記録する画像に対応する第1の画像データに基づいて、前記走査手段によるK+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対する前記第1の色のインクの吐出または非吐出を定める複数の第1の記録データを生成し、前記第2の色のインクを吐出することにより前記単位領域に記録する画像に対応する第2の画像データに基づいて、前記走査手段による前記K+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対する前記第2の色のインクの吐出または非吐出を定める複数の第2の記録データを生成する生成手段と、
    (i)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第1の記録素子に関し、前記複数の第1の記録素子を分割して得られる複数の第1の駆動ブロックそれぞれに属する前記第1の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第1の記録素子を駆動させ、(ii)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第2の記録素子に関し、前記複数の第2の記録素子を分割して得られる複数の第2の駆動ブロックそれぞれに属する前記第2の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第2の記録素子を駆動させ、(iii)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第3の記録素子に関し、前記複数の第3の記録素子を分割して得られる複数の第3の駆動ブロックそれぞれに属する前記第3の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第3の記録素子を駆動させ、(iv)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第4の記録素子に関し、前記複数の第4の記録素子を分割して得られる複数の第4の駆動ブロックそれぞれに属する前記第4の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第4の記録素子を駆動させる駆動手段と、
    (i)前記走査手段による前記K回の第1の走査において、前記生成手段によって生成された前記K回の第1の走査に対応する前記第1の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第1の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第1の色のインクを吐出し、(ii)前記走査手段による前記L回の第2の走査において、前記生成手段によって生成された前記L回の第2の走査に対応する前記第1の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第2の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第1の色のインクを吐出し、(iii)前記走査手段による前記K回の第1の走査において、前記生成手段によって生成された前記K回の第1の走査に対応する前記第2の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第3の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第2の色のインクを吐出し、(iv)前記走査手段による前記L回の第2の走査において、前記生成手段によって生成された前記L回の第2の走査に対応する前記第2の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第4の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第2の色のインクを吐出するように、インクの吐出を制御する制御手段と、を有する記録装置であって、
    前記駆動手段は、(i)前記複数の第2の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序の逆順と異なり、(ii)前記複数の第4の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序の逆順と異なり、(iii)前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序と異なるように、前記複数の第1、第2、第3、第4の記録素子を駆動することを特徴とする記録装置。
  2. 前記駆動手段は、(i)前記複数の第2の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序をオフセットした順序の逆順と異なり、(ii)前記複数の第4の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序をオフセットした順序の逆順と異なるように、前記複数の第1、第2、第3、第4の記録素子を駆動することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記駆動手段は、(i)前記複数の第2の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序と同じ順序となり、(ii)前記複数の第4の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序と同じ順序となるように、前記複数の第1、第2、第3、第4の記録素子を駆動することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 第1の色のインクを吐出するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が所定方向に配列された第1の記録素子列と、前記第1の色と異なる第2の色のインクを吐出するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が前記所定方向に配列された第2の記録素子列と、を有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対する前記所定方向と交差する交差方向に沿った第1の方向へのK(K≧1)回の第1の走査と、前記記録ヘッドの前記単位領域に対する前記第1の方向へのL(L≧1)回の第2の走査と、を実行する走査手段と、
    前記第1の色のインクを吐出することにより前記単位領域に記録する画像に対応する第1の画像データに基づいて、前記走査手段によるK+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対する前記第1の色のインクの吐出または非吐出を定める複数の第1の記録データを生成し、前記第2の色のインクを吐出することにより前記単位領域に記録する画像に対応する第2の画像データに基づいて、前記走査手段による前記K+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対する前記第2の色のインクの吐出または非吐出を定める複数の第2の記録データを生成する生成手段と、
    (i)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第1の記録素子に関し、前記複数の第1の記録素子を分割して得られる複数の第1の駆動ブロックそれぞれに属する前記第1の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第1の記録素子を駆動させ、(ii)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第2の記録素子に関し、前記複数の第2の記録素子を分割して得られる複数の第2の駆動ブロックそれぞれに属する前記第2の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第2の記録素子を駆動させ、(iii)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第3の記録素子に関し、前記複数の第3の記録素子を分割して得られる複数の第3の駆動ブロックそれぞれに属する前記第3の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第3の記録素子を駆動させ、(iv)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第4の記録素子に関し、前記複数の第4の記録素子を分割して得られる複数の第4の駆動ブロックそれぞれに属する前記第4の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第4の記録素子を駆動させる駆動手段と、
    (i)前記走査手段による前記K回の第1の走査において、前記生成手段によって生成された前記K回の第1の走査に対応する前記第1の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第1の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第1の色のインクを吐出し、(ii)前記走査手段による前記L回の第2の走査において、前記生成手段によって生成された前記L回の第2の走査に対応する前記第1の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第2の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第1の色のインクを吐出し、(iii)前記走査手段による前記K回の第1の走査において、前記生成手段によって生成された前記K回の第1の走査に対応する前記第2の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第3の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第2の色のインクを吐出し、(iv)前記走査手段による前記L回の第2の走査において、前記生成手段によって生成された前記L回の第2の走査に対応する前記第2の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第4の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第2の色のインクを吐出するように、インクの吐出を制御する制御手段と、を有する記録装置であって、
    前記駆動手段は、(i)前記複数の第2の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序と異なり、(ii)前記複数の第4の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序と異なり、(iii)前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序と異なるように、前記複数の第1、第2、第3、第4の記録素子を駆動することを特徴とする記録装置。
  5. 前記駆動手段は、(i)前記複数の第2の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序をオフセットした順序と異なり、(ii)前記複数の第4の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序をオフセットした順序と異なるように、前記複数の第1、第2、第3、第4の記録素子を駆動することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 前記駆動手段は、(i)前記複数の第2の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序の逆順となり、(ii)前記複数の第4の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序の逆順となるように、前記複数の第1、第2、第3、第4の記録素子を駆動することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記駆動手段は、前記複数の第4の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第2の駆動ブロックの駆動順序と異なるように、前記複数の第1、第2、第3、第4の記録素子を駆動することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. 前記複数の第1、第2、第3、第4の駆動ブロックは、それぞれN(NはN≧4を満たす自然数)個の駆動ブロックから構成され、
    前記駆動手段は、前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序をK(KはN/2−1≦K≦N/2+1を満たす自然数)だけオフセットした順序となるように、前記複数の第1、第2、第3、第4の記録素子を駆動することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の記録装置。
  9. 前記記録ヘッドは、前記第1、第2の色と異なる第3の色のインクを吐出するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が所定方向に配列された第3の記録素子列を更に有し、
    前記生成手段は、前記第3の色のインクを吐出することにより前記単位領域に記録する画像に対応する第3の画像データに基づいて、前記走査手段による前記K+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対する前記第3の色のインクの吐出または非吐出を定める複数の第3の記録データを更に生成し、
    前記駆動手段は、(i)前記第3の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第5の記録素子に関し、前記複数の第5の記録素子を分割して得られる複数の第5の駆動ブロックそれぞれに属する前記第5の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第5の記録素子を駆動させ、(ii)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第6の記録素子に関し、前記複数の第6の記録素子を分割して得られる複数の第6の駆動ブロックそれぞれに属する前記第6の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第6の記録素子を駆動させ、
    前記制御手段は、(i)前記走査手段による前記K回の第1の走査において、前記生成手段によって生成された前記K回の第1の走査に対応する前記第3の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第5の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第3の色のインクを吐出し、(ii)前記走査手段による前記L回の第2の走査において、前記生成手段によって生成された前記L回の第2の走査に対応する前記第3の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第6の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第3の色のインクを吐出し、
    前記駆動手段は、(i)前記複数の第5の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序と同じ順序となり、(ii)前記複数の第6の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第2の駆動ブロックの駆動順序と同じ順序となるように、前記複数の第1、第2、第3、第4、第5、第6の記録素子を駆動することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の記録装置。
  10. 前記第1の色と前記第3の色は、それぞれシアン、マゼンタ、イエローのいずれかであり、前記第2の色は、グレーであることを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
  11. 前記第1の色と前記第3の色は、それぞれシアン、マゼンタ、イエローのいずれかであり、前記第2の色は、ライトシアン、ライトマゼンタのいずれかであることを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
  12. 前記第1の色と前記第3の色は、それぞれシアン、マゼンタ、イエローのいずれかであり、前記第2の色は、ライトブルーであることを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
  13. 前記第1、第2の画像データは、各画素当たり前記単位領域内の複数の画素領域のそれぞれに対する前記第1、第2の色のインクの吐出回数に関するn(n≧2)ビットの情報でそれぞれ表され、
    前記生成手段は、前記第1の画像データと、前記走査手段による前記K+L回の走査に対応し、各画素当たり前記複数の画素領域のそれぞれに対する前記第1の色のインクの吐出の許容回数に関するm(m≧2)ビットの情報で表されるK+L個の第1のマスクパターンと、に基づいて、前記複数の第1の記録データを生成し、前記第2の画像データと、前記走査手段による前記K+L回の走査に対応し、各画素当たり前記複数の画素領域のそれぞれに対する前記第2の色のインクの吐出の許容回数に関するm(m≧2)ビットの情報で表されるK+L個の第2のマスクパターンと、に基づいて、前記複数の第2の記録データを生成することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の記録装置。
  14. 前記K+L個の第1のマスクパターンのうちの前記K回の第1の走査に対応するK個の第1のマスクパターン内の各画素における前記mビットの情報が示す各画素領域に対する前記第1の色のインクの吐出の許容回数の論理和により得られる、各画素領域のそれぞれに対する前記K回の第1の走査での前記第1の色のインクの吐出の許容回数に関するmビットの情報で表される第1の論理和パターンと、前記K+L個の第1のマスクパターンのうちの前記L回の第2の走査に対応するL個の第1のマスクパターン内の各画素における前記mビットの情報が示す各画素領域に対する前記第1の色のインクの吐出の許容回数の論理和により得られる、各画素領域のそれぞれに対する前記L回の第2の走査での前記第1の色のインクの吐出の許容回数に関するmビットの情報で表される第2の論理和パターンと、に関し、前記複数の画素領域のうちの同じ画素領域において、前記第1の論理和パターンにおいて前記mビットの情報が示すインクの吐出の許容回数と、前記第2の論理和パターンにおいて前記mビットの情報が示すインクの吐出の許容回数と、はそれぞれ0より大きい回数であり、且つ、互いに異なる回数であることを特徴とする請求項13に記載の記録装置。
  15. 前記K+L個の第2のマスクパターンのうちの前記K回の第1の走査に対応するK個の第2のマスクパターン内の各画素における前記mビットの情報が示す各画素領域に対する前記第2の色のインクの吐出の許容回数の論理和により得られる、各画素領域のそれぞれに対する前記K回の第1の走査での前記第2の色のインクの吐出の許容回数に関するmビットの情報で表される第3の論理和パターンと、前記K+L個の第2のマスクパターンのうちの前記L回の第2の走査に対応するL個の第2のマスクパターン内の各画素における前記mビットの情報が示す各画素領域に対する前記第2の色のインクの吐出の許容回数の論理和により得られる、各画素領域のそれぞれに対する前記L回の第2の走査での前記第2の色のインクの吐出の許容回数に関するmビットの情報で表される第4の論理和パターンと、に関し、前記複数の画素領域のうちの同じ画素領域において、前記第3の論理和パターンにおいて前記mビットの情報が示すインクの吐出の許容回数と、前記第4の論理和パターンにおいて前記mビットの情報が示すインクの吐出の許容回数と、はそれぞれ0より大きい回数であり、且つ、互いに異なる回数であることを特徴とする請求項13または14に記載の記録装置。
  16. 前記K+L個の第1のマスクパターンのうちの前記K回の第1の走査に対応するK個の第1のマスクパターン内の各画素における前記mビットの情報が示す各画素領域に対する前記第1の色のインクの吐出の許容回数の論理和により得られる、各画素領域のそれぞれに対する前記K回の第1の走査での前記第1の色のインクの吐出の許容回数に関するmビットの情報で表される第1の論理和パターンと、前記K+L個の第1のマスクパターンのうちの前記L回の第2の走査に対応するL個の第1のマスクパターン内の各画素における前記mビットの情報が示す各画素領域に対する前記第1の色のインクの吐出の許容回数の論理和により得られる、各画素領域のそれぞれに対する前記L回の第2の走査での前記第1の色のインクの吐出の許容回数に関するmビットの情報で表される第2の論理和パターンと、に関し、前記第2の論理和パターンにおいて前記mビットの情報が示す前記第1の色のインクの吐出の許容回数が当該mビットの情報が示し得る前記第1の色のインクの吐出の許容回数のうちの最大の回数である所定の画素領域のうち、前記第1の論理和パターンにおいて前記mビットの情報が示す前記第1の色のインクの吐出の許容回数が当該mビットの情報が示し得る前記第1の色のインクの吐出の許容回数のうちの最大の回数である画素領域が前記交差方向における両側に隣接する前記所定の画素領域の数が、前記第1の論理和パターンにおいて前記mビットの情報が示す前記第1の色のインクの吐出の許容回数が当該mビットの情報が示し得る前記第1の色のインクの吐出の許容回数のうちの最大の回数である画素領域が前記交差方向に隣接しない前記所定の画素領域の数よりも多くなるように、前記K+L個の第1のマスクパターンが定められていることを特徴とする請求項13から15のいずれか1項に記載の記録装置。
  17. 前記K+L個の第2のマスクパターンのうちの前記K回の第1の走査に対応するK個の第2のマスクパターン内の各画素における前記mビットの情報が示す各画素領域に対する前記第2の色のインクの吐出の許容回数の論理和により得られる、各画素領域のそれぞれに対する前記K回の第1の走査での前記第2の色のインクの吐出の許容回数に関するmビットの情報で表される第3の論理和パターンと、前記K+L個の第2のマスクパターンのうちの前記L回の第2の走査に対応するL個の第2のマスクパターン内の各画素における前記mビットの情報が示す各画素領域に対する前記第2の色のインクの吐出の許容回数の論理和により得られる、各画素領域のそれぞれに対する前記L回の第2の走査での前記第2の色のインクの吐出の許容回数に関するmビットの情報で表される第4の論理和パターンと、に関し、前記第4の論理和パターンにおいて前記mビットの情報が示す前記第2の色のインクの吐出の許容回数が当該mビットの情報が示し得る前記第2の色のインクの吐出の許容回数のうちの最大の回数である所定の画素領域のうち、前記第3の論理和パターンにおいて前記mビットの情報が示す前記第2の色のインクの吐出の許容回数が当該mビットの情報が示し得る前記第2の色のインクの吐出の許容回数のうちの最大の回数である画素領域が前記交差方向における両側に隣接する前記所定の画素領域の数が、前記第3の論理和パターンにおいて前記mビットの情報が示す前記第2の色のインクの吐出の許容回数が当該mビットの情報が示し得る前記第2の色のインクの吐出の許容回数のうちの最大の回数である画素領域が前記交差方向に隣接しない前記所定の画素領域の数よりも多くなるように、前記K+L個の第2のマスクパターンが定められていることを特徴とする請求項13から16のいずれか1項に記載の記録装置。
  18. 前記走査手段による前記K+L回の走査のうちの連続する走査の間に前記記録媒体を前記所定方向に搬送させる搬送させる搬送手段を更に有し、
    前記複数の第1の記録素子と、前記複数の第2の記録素子と、は前記所定方向において互いに異なる位置に配列されており、前記複数の第3の記録素子と、前記複数の第4の記録素子と、は前記所定方向において互いに異なる位置に配列されていることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の記録装置。
  19. 前記走査手段は、前記単位領域に対して前記第1の走査と前記第2の走査を交互に行うことを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の記録装置。
  20. K=Lであることを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の記録装置。
  21. インクを吐出して第1のサイズのドットを形成するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が所定方向に配列された第1の記録素子列と、インクを吐出して前記第1のサイズと異なる第2のサイズのドットを形成するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が前記所定方向に配列された第2の記録素子列と、を有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対する前記所定方向と交差する交差方向に沿った第1の方向へのK(K≧1)回の第1の走査と、前記記録ヘッドの前記単位領域に対する前記第1の方向と反対の第2の方向へのL(L≧1)回の第2の走査と、を実行する走査手段と、
    前記第1のサイズのドットを形成することにより前記単位領域に記録する画像に対応する第1の画像データに基づいて、前記走査手段によるK+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対する前記第1のサイズのドットに対応するインクの吐出または非吐出を定める複数の第1の記録データを生成し、前記第2のサイズのドットを形成することにより前記単位領域に記録する画像に対応する第2の画像データに基づいて、前記走査手段による前記K+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対する前記第2のサイズのドットに対応するインクの吐出または非吐出を定める複数の第2の記録データを生成する生成手段と、
    (i)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第1の記録素子に関し、前記複数の第1の記録素子を分割して得られる複数の第1の駆動ブロックそれぞれに属する前記第1の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第1の記録素子を駆動させ、(ii)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第2の記録素子に関し、前記複数の第2の記録素子を分割して得られる複数の第2の駆動ブロックそれぞれに属する前記第2の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第2の記録素子を駆動させ、(iii)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第3の記録素子に関し、前記複数の第3の記録素子を分割して得られる複数の第3の駆動ブロックそれぞれに属する前記第3の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第3の記録素子を駆動させ、(iv)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第4の記録素子に関し、前記複数の第4の記録素子を分割して得られる複数の第4の駆動ブロックそれぞれに属する前記第4の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第4の記録素子を駆動させる駆動手段と、
    (i)前記走査手段による前記K回の第1の走査において、前記生成手段によって生成された前記K回の第1の走査に対応する前記第1の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第1の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第1のサイズのドットに対応するインクを吐出し、(ii)前記走査手段による前記L回の第2の走査において、前記生成手段によって生成された前記L回の第2の走査に対応する前記第1の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第2の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第1のサイズのドットに対応するインクを吐出し、(iii)前記走査手段による前記K回の第1の走査において、前記生成手段によって生成された前記K回の第1の走査に対応する前記第2の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第3の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第2のサイズのドットに対応するインクを吐出し、(iv)前記走査手段による前記L回の第2の走査において、前記生成手段によって生成された前記L回の第2の走査に対応する前記第2の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第4の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第2のサイズのドットに対応するインクを吐出するように、インクの吐出を制御する制御手段と、を有する記録装置であって、
    前記駆動手段は、(i)前記複数の第2の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序の逆順と異なり、(ii)前記複数の第4の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序の逆順と異なり、(iii)前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序と異なるように、前記複数の第1、第2、第3、第4の記録素子を駆動することを特徴とする記録装置。
  22. インクを吐出して第1のサイズのドットを形成するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が所定方向に配列された第1の記録素子列と、インクを吐出して前記第1のサイズと異なる第2のサイズのドットを形成するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が前記所定方向に配列された第2の記録素子列と、を有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対する前記所定方向と交差する交差方向に沿った第1の方向へのK(K≧1)回の第1の走査と、前記記録ヘッドの前記単位領域に対する前記第1の方向へのL(L≧1)回の第2の走査と、を実行する走査手段と、
    前記第1のサイズのドットを形成することにより前記単位領域に記録する画像に対応する第1の画像データに基づいて、前記走査手段によるK+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対する前記第1のサイズのドットに対応するインクの吐出または非吐出を定める複数の第1の記録データを生成し、前記第2のサイズのドットを形成することにより前記単位領域に記録する画像に対応する第2の画像データに基づいて、前記走査手段による前記K+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対する前記第2のサイズのドットに対応するインクの吐出または非吐出を定める複数の第2の記録データを生成する生成手段と、
    (i)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第1の記録素子に関し、前記複数の第1の記録素子を分割して得られる複数の第1の駆動ブロックそれぞれに属する前記第1の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第1の記録素子を駆動させ、(ii)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第2の記録素子に関し、前記複数の第2の記録素子を分割して得られる複数の第2の駆動ブロックそれぞれに属する前記第2の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第2の記録素子を駆動させ、(iii)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第3の記録素子に関し、前記複数の第3の記録素子を分割して得られる複数の第3の駆動ブロックそれぞれに属する前記第3の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第3の記録素子を駆動させ、(iv)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第4の記録素子に関し、前記複数の第4の記録素子を分割して得られる複数の第4の駆動ブロックそれぞれに属する前記第4の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第4の記録素子を駆動させる駆動手段と、
    (i)前記走査手段による前記K回の第1の走査において、前記生成手段によって生成された前記K回の第1の走査に対応する前記第1の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第1の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第1のサイズのドットに対応するインクを吐出し、(ii)前記走査手段による前記L回の第2の走査において、前記生成手段によって生成された前記L回の第2の走査に対応する前記第1の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第2の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第1のサイズのドットに対応するインクを吐出し、(iii)前記走査手段による前記K回の第1の走査において、前記生成手段によって生成された前記K回の第1の走査に対応する前記第2の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第3の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第2のサイズのドットに対応するインクを吐出し、(iv)前記走査手段による前記L回の第2の走査において、前記生成手段によって生成された前記L回の第2の走査に対応する前記第2の記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第4の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第2のサイズのドットに対応するインクを吐出するように、インクの吐出を制御する制御手段と、を有する記録装置であって、
    前記駆動手段は、(i)前記複数の第2の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序と異なり、(ii)前記複数の第4の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序と異なり、(iii)前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序と異なるように、前記複数の第1、第2、第3、第4の記録素子を駆動することを特徴とする記録装置。
  23. インクを吐出するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が所定方向に配列された第1の記録素子列と、インクを吐出するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が前記所定方向に配列された第2の記録素子列と、を有し、前記所定方向において前記第2の記録素子列内の前記記録素子が前記第1の記録素子列内の互いに隣接する2つの前記記録素子の間に位置するように、前記第1、第2の記録素子列が前記所定方向にずれて配置された記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対する前記所定方向と交差する交差方向に沿った第1の方向へのK(K≧1)回の第1の走査と、前記記録ヘッドの前記単位領域に対する前記第1の方向と反対の第2の方向へのL(L≧1)回の第2の走査と、を実行する走査手段と、
    インクを吐出することにより前記単位領域に記録する画像に対応する画像データに基づいて、前記走査手段によるK+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対するインクの吐出または非吐出を定める複数の記録データを生成する生成手段と、
    (i)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第1の記録素子に関し、前記複数の第1の記録素子を分割して得られる複数の第1の駆動ブロックそれぞれに属する前記第1の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第1の記録素子を駆動させ、(ii)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第2の記録素子に関し、前記複数の第2の記録素子を分割して得られる複数の第2の駆動ブロックそれぞれに属する前記第2の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第2の記録素子を駆動させ、(iii)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第3の記録素子に関し、前記複数の第3の記録素子を分割して得られる複数の第3の駆動ブロックそれぞれに属する前記第3の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第3の記録素子を駆動させ、(iv)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第4の記録素子に関し、前記複数の第4の記録素子を分割して得られる複数の第4の駆動ブロックそれぞれに属する前記第4の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第4の記録素子を駆動させる駆動手段と、
    (i)前記走査手段による前記K回の第1の走査において、前記生成手段によって生成された前記第1の記録素子列および前記K回の第1の走査に対応する前記記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第1の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対してインクを吐出し、(ii)前記走査手段による前記L回の第2の走査において、前記生成手段によって生成された前記第1の記録素子列および前記L回の第2の走査に対応する前記記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第2の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対してインクを吐出し、(iii)前記走査手段による前記K回の第1の走査において、前記生成手段によって生成された前記第2の記録素子列および前記K回の第1の走査に対応する前記記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第3の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対してインクを吐出し、(iv)前記走査手段による前記L回の第2の走査において、前記生成手段によって生成された前記第2の記録素子列および前記L回の第2の走査に対応する前記記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第4の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対してインクを吐出するように、インクの吐出を制御する制御手段と、を有する記録装置であって、
    前記駆動手段は、(i)前記複数の第2の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序の逆順と異なり、(ii)前記複数の第4の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序の逆順と異なり、(iii)前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序と異なるように、前記複数の第1、第2、第3、第4の記録素子を駆動することを特徴とする記録装置。
  24. インクを吐出するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が所定方向に配列された第1の記録素子列と、インクを吐出するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が前記所定方向に配列された第2の記録素子列と、を有し、前記所定方向において前記第2の記録素子列内の前記記録素子が前記第1の記録素子列内の互いに隣接する2つの前記記録素子の間に位置するように、前記第1、第2の記録素子列が前記所定方向にずれて配置された記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対する前記所定方向と交差する交差方向に沿った第1の方向へのK(K≧1)回の第1の走査と、前記記録ヘッドの前記単位領域に対する前記第1の方向へのL(L≧1)回の第2の走査と、を実行する走査手段と、
    前記第1の記録素子列からインクを吐出することにより前記単位領域に記録する画像に対応する第1の画像データに基づいて、前記走査手段によるK+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対する前記第1の記録素子列からのインクの吐出または非吐出を定める複数の第1の記録データを生成し、前記第2の記録素子列からインクを吐出することにより前記単位領域に記録する画像に対応する第2の画像データに基づいて、前記走査手段による前記K+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対する前記第2の記録素子列からのインクの吐出または非吐出を定める複数の第2の記録データを生成する生成手段と、
    (i)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第1の記録素子に関し、前記複数の第1の記録素子を分割して得られる複数の第1の駆動ブロックそれぞれに属する前記第1の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第1の記録素子を駆動させ、(ii)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第2の記録素子に関し、前記複数の第2の記録素子を分割して得られる複数の第2の駆動ブロックそれぞれに属する前記第2の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第2の記録素子を駆動させ、(iii)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第3の記録素子に関し、前記複数の第3の記録素子を分割して得られる複数の第3の駆動ブロックそれぞれに属する前記第3の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第3の記録素子を駆動させ、(iv)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第4の記録素子に関し、前記複数の第4の記録素子を分割して得られる複数の第4の駆動ブロックそれぞれに属する前記第4の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第4の記録素子を駆動させる駆動手段と、
    (i)前記走査手段による前記K回の第1の走査において、前記生成手段によって生成された前記第1の記録素子列および前記K回の第1の走査に対応する前記記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第1の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対してインクを吐出し、(ii)前記走査手段による前記L回の第2の走査において、前記生成手段によって生成された前記第1の記録素子列および前記L回の第2の走査に対応する前記記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第2の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対してインクを吐出し、(iii)前記走査手段による前記K回の第1の走査において、前記生成手段によって生成された前記第2の記録素子列および前記K回の第1の走査に対応する前記記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第3の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対してインクを吐出し、(iv)前記走査手段による前記L回の第2の走査において、前記生成手段によって生成された前記第2の記録素子列および前記L回の第2の走査に対応する前記記録データに基づいて前記駆動手段によって前記複数の第4の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対してインクを吐出するように、インクの吐出を制御する制御手段と、を有する記録装置であって、
    前記駆動手段は、(i)前記複数の第2の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序と異なり、(ii)前記複数の第4の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序と異なり、(iii)前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序と異なるように、前記複数の第1、第2、第3、第4の記録素子を駆動することを特徴とする記録装置。
  25. 第1の色のインクを吐出するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が所定方向に配列された第1の記録素子列と、前記第1の色と異なる第2の色のインクを吐出するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が前記所定方向に配列された第2の記録素子列と、を有する記録ヘッドを用いて記録を行う記録方法であって、
    前記記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対する前記所定方向と交差する交差方向に沿った第1の方向へのK(K≧1)回の第1の走査と、前記記録ヘッドの前記単位領域に対する前記第1の方向と反対の第2の方向へのL(L≧1)回の第2の走査と、を実行する走査工程と、
    前記第1の色のインクを吐出することにより前記単位領域に記録する画像に対応する第1の画像データに基づいて、前記走査工程によるK+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対する前記第1の色のインクの吐出または非吐出を定める複数の第1の記録データを生成し、前記第2の色のインクを吐出することにより前記単位領域に記録する画像に対応する第2の画像データに基づいて、前記走査工程による前記K+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対する前記第2の色のインクの吐出または非吐出を定める複数の第2の記録データを生成する生成工程と、
    (i)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第1の記録素子に関し、前記複数の第1の記録素子を分割して得られる複数の第1の駆動ブロックそれぞれに属する前記第1の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第1の記録素子を駆動させ、(ii)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第2の記録素子に関し、前記複数の第2の記録素子を分割して得られる複数の第2の駆動ブロックそれぞれに属する前記第2の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第2の記録素子を駆動させ、(iii)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第3の記録素子に関し、前記複数の第3の記録素子を分割して得られる複数の第3の駆動ブロックそれぞれに属する前記第3の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第3の記録素子を駆動させ、(iv)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第4の記録素子に関し、前記複数の第4の記録素子を分割して得られる複数の第4の駆動ブロックそれぞれに属する前記第4の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第4の記録素子を駆動させる駆動工程と、
    (i)前記走査工程による前記K回の第1の走査において、前記生成工程によって生成された前記K回の第1の走査に対応する前記第1の記録データに基づいて前記駆動工程によって前記複数の第1の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第1の色のインクを吐出し、(ii)前記走査工程による前記L回の第2の走査において、前記生成工程によって生成された前記L回の第2の走査に対応する前記第1の記録データに基づいて前記駆動工程によって前記複数の第2の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第1の色のインクを吐出し、(iii)前記走査工程による前記K回の第1の走査において、前記生成工程によって生成された前記K回の第1の走査に対応する前記第2の記録データに基づいて前記駆動工程によって前記複数の第3の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第2の色のインクを吐出し、(iv)前記走査工程による前記L回の第2の走査において、前記生成工程によって生成された前記L回の第2の走査に対応する前記第2の記録データに基づいて前記駆動工程によって前記複数の第4の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第2の色のインクを吐出するように、インクの吐出を制御する制御工程と、を有し、
    前記駆動工程は、(i)前記複数の第2の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序の逆順と異なり、(ii)前記複数の第4の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序の逆順と異なり、(iii)前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序と異なるように、前記複数の第1、第2、第3、第4の記録素子を駆動することを特徴とする記録方法。
  26. 第1の色のインクを吐出するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が所定方向に配列された第1の記録素子列と、前記第1の色と異なる第2の色のインクを吐出するためのエネルギーを生成する複数の記録素子が前記所定方向に配列された第2の記録素子列と、を有する記録ヘッドを用いて記録を行う記録方法であって、
    前記記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対する前記所定方向と交差する交差方向に沿った第1の方向へのK(K≧1)回の第1の走査と、前記記録ヘッドの前記単位領域に対する前記第1の方向へのL(L≧1)回の第2の走査と、を実行する走査工程と、
    前記第1の色のインクを吐出することにより前記単位領域に記録する画像に対応する第1の画像データに基づいて、前記走査工程によるK+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対する前記第1の色のインクの吐出または非吐出を定める複数の第1の記録データを生成し、前記第2の色のインクを吐出することにより前記単位領域に記録する画像に対応する第2の画像データに基づいて、前記走査工程による前記K+L回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の複数の画素領域それぞれに対する前記第2の色のインクの吐出または非吐出を定める複数の第2の記録データを生成する生成工程と、
    (i)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第1の記録素子に関し、前記複数の第1の記録素子を分割して得られる複数の第1の駆動ブロックそれぞれに属する前記第1の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第1の記録素子を駆動させ、(ii)前記第1の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第2の記録素子に関し、前記複数の第2の記録素子を分割して得られる複数の第2の駆動ブロックそれぞれに属する前記第2の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第2の記録素子を駆動させ、(iii)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記K回の第1の走査において前記単位領域に対応する複数の第3の記録素子に関し、前記複数の第3の記録素子を分割して得られる複数の第3の駆動ブロックそれぞれに属する前記第3の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第3の記録素子を駆動させ、(iv)前記第2の記録素子列に配列された前記複数の記録素子のうちの前記L回の第2の走査において前記単位領域に対応する複数の第4の記録素子に関し、前記複数の第4の記録素子を分割して得られる複数の第4の駆動ブロックそれぞれに属する前記第4の記録素子が互いに異なるタイミングで駆動されるように、前記複数の第4の記録素子を駆動させる駆動工程と、
    (i)前記走査工程による前記K回の第1の走査において、前記生成工程によって生成された前記K回の第1の走査に対応する前記第1の記録データに基づいて前記駆動工程によって前記複数の第1の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第1の色のインクを吐出し、(ii)前記走査工程による前記L回の第2の走査において、前記生成工程によって生成された前記L回の第2の走査に対応する前記第1の記録データに基づいて前記駆動工程によって前記複数の第2の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第1の色のインクを吐出し、(iii)前記走査工程による前記K回の第1の走査において、前記生成工程によって生成された前記K回の第1の走査に対応する前記第2の記録データに基づいて前記駆動工程によって前記複数の第3の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第2の色のインクを吐出し、(iv)前記走査工程による前記L回の第2の走査において、前記生成工程によって生成された前記L回の第2の走査に対応する前記第2の記録データに基づいて前記駆動工程によって前記複数の第4の記録素子を駆動することにより前記単位領域に対して前記第2の色のインクを吐出するように、インクの吐出を制御する制御工程と、を有し、
    前記駆動工程は、(i)前記複数の第2の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序と異なり、(ii)前記複数の第4の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序と異なり、(iii)前記複数の第3の駆動ブロックの駆動順序が前記複数の第1の駆動ブロックの駆動順序と異なるように、前記複数の第1、第2、第3、第4の記録素子を駆動することを特徴とする記録方法。
  27. 請求項25または26に記載の記録方法を記録装置に実行させるためのプログラム。
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