JP2012040806A - 記録装置および記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】時分割駆動方式の1パス記録やマルチパス記録において、記録ヘッドの取り付け位置のずれや記録媒体の搬送誤差などが生じた場合にも高品位の画像を記録することができる記録装置および記録方法を提供すること。
【解決手段】複数のノズルN0,N1,N2,・・・を複数のブロックに分けて時分割駆動する場合に、同一ラスタR1,R2,R3,・・・を記録する複数のノズルの位置のずれに応じて、記録ヘッドの時分割駆動の順序を変更する。
【選択図】図10

Description

本発明は、複数の記録素子が配列された記録ヘッドを用いて、記録媒体に画像を記録する記録装置および記録方法に関するものである。
一般に、いわゆるシリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置は、記録手段としての記録ヘッドを搭載するキャリッジと、記録媒体を搬送する搬送手段と、これらを制御するための制御手段と、を具備する。このような記録装置は、記録ヘッドを主走査方向に移動させつつ、その記録ヘッドの複数のノズルからインクを吐出する記録動作と、主走査方向と交差する副走査方向に記録媒体を搬送させる動作と、を繰り返すことにより、記録媒体上に画像を記録する。ノズルのそれぞれには、電気熱変換素子やピエゾ素子などの吐出エネルギー発生素子が備えられており、その吐出エネルギー発生駆動することにより、ノズル先端の吐出口からインクを吐出する構成となっている。ノズルは、記録媒体にインクを付与する記録素子として機能する。
記録ヘッドの駆動方式としては、複数のノズルをブロック単位で時分割する時分割駆動方式(ブロック駆動方式)がある。例えば、ノズル番号1から128の128ノズルが副走査方向と直交する主走査方向に列状に形成された記録ヘッドにおいて、その128ノズルを第1から第8の8つのブロックに分けて、ノズル番号1,9,17,・・・121のノズルを第1ブロックに割り振る。同様に、ノズル番号2,10,18,・・・122のノズルを第2ブロックに割り振り、ノズル番号3,11,19,・・・123のノズルを第3ブロックに割り振り、ノズル番号4,12,20,・・・124のノズルを第4ブロックに割り振る。第5ブロックから第8ブロックに関しても同様である。例えば、このような記録ヘッドを用いて、副走査方向に延在する1ドット幅分の罫線を主走査方向の記録解像度1200dpiで記録した場合を想定する。この場合には、第1ブロックから第8ブロックの駆動時間差によって、それぞれのブロックに割り振られたノズルから吐出されるインクの着弾位置が主走査方向にずれる。ノズル番号1とノズル番号8のノズルから吐出されるインクの着弾位置は、主走査方向に約1/1200dpi相当分の21μmずれることになる。
このような着弾位置のずれは、1つの記録ヘッドを用いて、所定の記録領域を記録ヘッドの1回の走査によって記録する1パス記録方式により単色の画像を記録する場合には、画像の欠陥として認識されることは少ない。しかし、複数の記録ヘッドを用いて、所定の記録領域を記録ヘッドの複数回の走査によって記録するマルチパス記録方式により画像を記録する場合には、1つのラスタが複数の異なるノズルを用いて記録されるため、帯状の濃度ムラが発生するおそれがある。
ここで、2つの記録ヘッドを用いてマルチパス記録方式により画像を記録する際に、それらの記録ヘッドに取り付け誤差が生じて、それらの記録ヘッドのノズルから吐出されるインクの着弾位置がノズルの配列方向(副走査方向)に1画素分ずれた場合を想定する。この場合には、1つのラスタ上のドットを記録する2つの記録ヘッドのノズルの属するブロックの組み合わせが変化する。1つのラスタ上のドットを記録する複数のノズルが異なるブロックに属した場合には、それらのノズルから吐出されるインクの着弾位置がずれて、それらのインクによって形成されるドットの重なり状態が変化する。このようなドットの重なり状態の変化により、ブロック駆動数の周期で記録画像の濃度が変化する。
特許文献1には、マルチパス記録方式において、同一ラスタの記録に使用される複数のノズルを2つ以上の異なった駆動ブロックのタイミングで駆動する構成が記載されている。さらに、それぞれのラスタに対して駆動ブロックをバランスよく分配するための方法が記載されている。すなわち、それぞれのブロックに対して、それらの駆動順の番号を付した上、同一ラスタの記録に使用される複数のノズルのそれぞれが属するブロックの番号の合計を、各ラスタにおいて等しく設定する方法が記載されている。また、特許文献2には、複数の小記録ヘッドを副走査方向において部分的にオーバーラップさせるように配置した長尺記録ヘッド(つなぎヘッド)において、そのオーバーラップ部分のノズルが属するブロックを同一に設定する方法が記載されている。
特開2001−071466号公報 特開2004−276473号公報
しかしながら、特許文献1は、マルチパス記録を前提としており、複数の記録ヘッドを用いる1パス記録には適応することができず、また記録ヘッド間の取り付け誤差に関しての記載もない。また、特許文献2には、記録ヘッドの取り付け誤差に関しての記載、およびマルチパス記録に関しての記載もない。
本発明の目的は、時分割駆動方式の1パス記録やマルチパス記録において、記録ヘッドの取り付け位置のずれや記録媒体の搬送誤差などが生じた場合にも高品位の画像を記録することができる記録装置および記録方法を提供することにある。
本発明の記録装置は、複数の記録素子を配列した記録素子列が形成された少なくとも1つの記録ヘッドを用い、前記記録ヘッドと記録媒体とを前記記録素子列と交差する方向に相対移動させつつ、前記記録ヘッドにおける前記複数の記録素子を複数の駆動ブロックに分けて時分割駆動することにより、前記記録媒体に画像を記録する記録装置において、前記記録ヘッドにおける前記記録素子の少なくとも2つによって、前記記録素子列と交差する方向に沿う前記記録媒体上の同一ラスタを記録する制御手段と、前記同一ラスタを記録する前記少なくとも2つの記録素子の前記記録素子列方向における位置のずれに応じて、前記記録ヘッドの前記記録素子列における前記複数の記録素子の前記時分割駆動の順序を変更する変更手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、記録素子列を形成する複数の記録素子を複数のブロックに分けて時分割駆動する場合に、同一ラスタを記録する複数の記録素子の位置のずれに応じて、記録素子列における複数の記録素子の時分割駆動の順序を変更する。この結果、記録ヘッドの取り付け位置や記録媒体の搬送位置のずれなどによって、同一ラスタを記録する複数の記録素子の位置が変化した場合に、複数の記録素子による同一ラスタ上の記録位置のずれを小さく抑えて、高品位の画像を記録することができる。
本発明を適応可能なインクジェット記録装置の概略斜視図である。 図1のインクジェット記録装置に備わる光学センサの説明図である。 図1のインクジェット記録装置におけるプラテンギャップの変更機構の説明図である。 図1のインクジェット記録装置に搭載可能な記録ヘッドの要部斜視図である。 図1のインクジェット記録装置の制御系のブロック構成図である。 本発明の第1の実施形態の記録装置に搭載される記録ヘッドの説明図である。 ノズルのブロック駆動回路の構成例を説明するための図である。 図7のブロック駆動回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。 (a)および(b)は、本発明の第1の実施形態において、インクの着弾位置のずれ量を検出するために記録する調整パターンの説明図である。 (a)および(b)は、本発明の第1の実施形態によるブロック駆動の順序の変更前および変更後におけるインクの着弾位置の説明図である。 (a)および(b)は、本発明の第1の実施形態における調整値の設定処理および記録動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態の記録装置に搭載される記録ヘッドの説明図である。 (a)および(b)は、本発明の第2の実施形態によるブロック駆動の順序の変更前および変更後におけるインクの着弾位置の説明図である。 本発明の第3の実施形態の記録装置に搭載される記録ヘッドの説明図である。 (a)および(b)は、本発明の第3の実施形態によるブロック駆動の順序の変更前および変更後におけるインクの着弾位置の説明図である。 (a)および(b)は、本発明の第3の実施形態における調整値の設定処理および記録動作を説明するためのフローチャートである。 (a)および(b)は、本発明の第4の実施形態によるブロック駆動の順序の変更前および変更後におけるインクの着弾位置の説明図である。 本発明の第4の実施形態におけるブロック駆動順序の設定テーブルの説明図である。 本発明の第3の実施形態における記録動作を説明するためのフローチャートである。 (a)および(b)は、本発明を適用可能な順次駆動と分散駆動の説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態においては、記録ヘッドとして、ノズル列(記録素子列)に沿って複数のノズル(記録素子)が配列されたインクジェット記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置を例に挙げ説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適応可能なインクジェット記録装置(プリンタ)の構成例を示す概略斜視図である。4つのインクジェットカートリッジ202は、それぞれ、異なる色のカラーインク(ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインク)が収容されたインクタンクと、そのインクタンクから供給されるインクを吐出可能な記録ヘッド201と、を含む。紙送りローラ103は、補助ローラ104と共に記録紙(記録媒体)107を抑えながら矢印方向に回転することにより、記録紙107を矢印Yの副走査方向に給紙する。キャリッジ106は、4つのインクジェットカートリッジ202を着脱自在に搭載して、副走査方向と交差(本例の場合は、直交)する矢印Xの主走査方向に移動する。記録ヘッド201には、記録素子として、インクを吐出可能な複数のノズルが副走査方向と交差(本例の場合は、直交)する方向に配列されている。キャリッジ106は、記録装置が記録を行っていないとき、あるいは記録ヘッドの回復動作を行うときに、図1中の点線で示すホームポジションに移動して待機する。
記録動作の開始前に、キャリッジ106は図1中点線のホームポジションに位置している。記録開始命令を受けると、キャリッジ106を矢印X1の往路走査方向に移動させながら、記録ヘッド201のノズルからインクを吐出させる。これにより、記録ヘッド201のノズル列(記録幅)に対応する記録紙107上の領域に画像を記録する。このような1回の記録走査が終了した後は、キャリッジ106を元のホームポジションに戻してから、再び、キャリッジ106を矢印X1の往路走査方向に移動させつつ記録ヘッド201からインクを吐出して、次の記録走査を行なう。前回の記録走査が終了してから、次の記録走査が始まる前に、紙送りローラ103が矢印方向へ回転して、記録紙107を所定量だけ副走査方向に搬送する。このように、記録走査と、記録紙107の搬送と、を繰り返すことにより、記録紙107上に画像を順次記録する。記録ヘッドからインクを吐出する記録動作は、記録制御手段(不図示)からの制御に基づいて行われる。記録速度を高めるために、キャリッジの往路走査方向の移動時のみならず、キャリッジの矢印X2の復路走査方向の移動時にも記録を行うようにしてもよい。
図2は、キャリッジ106の側面に備え付けられた光学センサ203の説明図である。記録ヘッド201からのインクの吐出タイミングの調整値を取得するためのテストパターンを記録紙107に記録した後、キャリッジ106と共に移動する光学センサ203により、そのテストパターンを読み取って調整値を取得する。また、光学センサ203によって、記録ヘッド201のノズル面(吐出口の形成面)から記録紙107までの間の距離をプラテンギャップとして検出する。
図3は、記録ヘッド201と記録紙107との間の距離(プラテンギャップ)を変更する機構の説明図である。キャリッジ106を支持するキャリッジレール204を上下に移動させる機構(不図示)によって、プラテンギャップを変更する構成となっている。記録紙107の厚さや種類、あるいは環境の温度や湿度に応じて、キャリッジレール204を上下に移動させる。これにより、記録ヘッド201と記録紙107との間の距離を最適に維持して、記録紙による記録ヘッドの擦れや画質劣化を防止する。
記録用のインクを収容するインクタンクと、記録紙107に向けてインクを吐出する記録ヘッド201と、は、一体のインクジェットカートリッジを構成するものであってもよく、あるいは、互いに分離可能にキャリッジ106に搭載可能な構成であってもよい。また、1つの記録ヘッドから複数色のインクを吐出可能な構成のヘッド(複数色一体型の記録ヘッド)を用いてもよい。
記録ヘッドの回復動作を行う位置には、記録ヘッドの前面(吐出口の形成面)をキャップするキャッピング手段(不図示)が備えられている。さらに、そのキャッピング手段によるキャップ状態において、記録ヘッド内の増粘インクや気泡の除去などの回復動作を行う回復ユニット(不図示)が設けられている。また、キャッピング手段の側方には、クリーニングブレード(不図示)等が記録ヘッドの前面に向けて突出可能に支持されており、クリーニングブレード等が記録ヘッドの前面と当接可能となっている。これにより、記録ヘッドの回復動作後に、クリーニングブレードを記録ヘッドの移動経路中に突出させてから、記録ヘッドを移動させることにより、記録ヘッドの前面の不要なインク滴や汚れ等が払拭される。
図4は、記録ヘッド201の要部の斜視図である。記録ヘッド201には複数の吐出口300が所定のピッチで形成され、各吐出口300と共通液室301とを連結する各液路302には、インク吐出用のエネルギーを発生するための吐出エネルギー発生素子303が配設されている。吐出エネルギー発生素子303と、その制御回路は、半導体製造技術を利用してシリコン基板上に作り込まれている。本例の場合、吐出エネルギー発生素子303として、各液路302の壁面に沿って電気熱変換素子(ヒータ)が配設されている。このような液路302、吐出口300、および吐出エネルギー発生素子(以下、「ヒータ」という)303などによって、インクを吐出可能なノズルが構成される。また、温度センサ(不図示)、サブヒータ(不図示)も、半導体製造プロセスと同様のプロセスにより、同一のシリコン基板上に形成されている。
このようなシリコン基板としてのシリコンプレート308は、放熱用のアルミベースプレート307に接着されている。シリコンプレート308上の回路接続部311と、プリント板309と、の間は、超極細ワイヤー310により接続されており、記録装置本体からの信号は、信号回路312を通して回路接続部311で受け取られる。液路302および共通液室301は、射出成形されたプラスチックカバー306によって形成されている。共通液室301は、前述したインクタンクに対して、ジョイントパイプ304とインクフィルター305を介して接続されており、インクタンクから共通液室301にインクが供給される構成となっている。インクタンクから供給されて共通液室301に一時的に貯えられたインクは、毛管現象により液路302に導入され、吐出口300にメニスカスを形成して、液路302内に満たされた状態に保たれる。このような状態において、電極(不図示)を介してヒータ303が通電されて、それが発熱することにより、ヒータ303上のインクが急激に加熱されて液路302内に気泡が発生し、この気泡の膨張により吐出口300からインク滴313が吐出される。
図5は、このような記録装置の制御系のブロック構成図である。400は、ホスト装置などから記録信号を入力するインターフェ−ス、401はMPU、402は、MPU401が実行する制御プログラムを格納するプログラムROMである。403は、各種データ(記録信号や記録ヘッドに供給される記録データ等)を保存するダイナミック型のRAM(DRAM)であり、記録紙上に着弾するインクによって形成されるドットの数、および、記録ヘッドの交換回数等を記憶することもできる。404は、記録ヘッドに対する記録データの供給制御を行うゲートアレイであり、インターフェース400、MPU401、およびDRAM403の相互間のデータの転送制御も行う。405は、キャリッジ106を移動させるためのキャリアモータ(CRモータ)、406は、記録紙107を搬送するための搬送モータ(LFモータ)である。407は、搬送モータ405を駆動するモータドライバ、408は、キャリアモータ406を駆動するモータドライバである。409は、記録ヘッド201を駆動するヘッドドライバである。ヘッドドライバ409は、記録ヘッド201と一体化した基板上に構成することができる。
本実施形態においては、後述するように、基準となる第1の記録ヘッドから吐出されるインクの着弾位置に対して、第2の記録ヘッドから吐出されるインクの着弾位置がノズル列方向にずれている量を検出する。そして、その検出結果に基づいて、第2の記録ヘッドのブロック駆動の順序を変更することにより、記録ヘッドの時分割駆動に起因するインクの着弾位置のずれを小さく抑えて、記録画像における帯状の濃度むら、および画像の粒状性の劣化を低減する。
図6は、本実施形態における記録ヘッドの説明図である。H1は、ブラックインク吐出用の記録ヘッド、H2は、シランインク吐出用の記録ヘッド、H3は、マゼンタインク吐出用の記録ヘッド、H4は、イエローインク吐出の記録ヘッドであり、これらは、互いに独立したチップに構成されている。それぞれのチップには、複数のノズルN0,N1,N2,・・・が1/1200インチの間隔で列状に形成されている。図6のように、それぞれの記録ヘッドは、矢印Xの主走査方向と交差(本例の場合は、直交)する方向に沿って並ぶように、キャリッジに着脱可能に搭載される。それぞれの記録ヘッドにおけるノズルの配列方向は、矢印Xの主走査方向と交差(本例の場合は、直交)する。本例においては、キャリッジに記録ヘッドを取り付けた際に、記録ヘッドの位置がノズル列方向にずれる場合があることを想定している。本例においては、記録ヘッドH1を第1の記録ヘッド、記録ヘッドH2,H3,H4を第2の記録ヘッドとする。そして、第1の記録ヘッドから吐出されるインクの着弾位置を基準として、第2の記録ヘッドから吐出されるインクのノズル列方向の着弾位置を調整(「レジ調整」ともいう)する。その着弾位置を調整するために、後述するように、記録ヘッドの時分割駆動のブロック駆動の順序を変更する。
図7は、ノズルのブロック駆動回路の構成例の説明図である。
記録ヘッド201と一体的に基板上のヘッドドライバ409は、シフトレジスタ2、ラッチ回路3、ブロック選択レコーダ4、アンドゲート5、および駆動トランジスタ6を備え、駆動トランジスタ6は、ノズル毎のヒータ303に接続されている。本例の場合、ヒータ1から64に対応する64ノズルが8のブロック(Block1から8)に分割されている。シフトレジスタ2に対しては、記録すべき記録データIDATAがクロック信号DCLKに同期してシリアルに転送され、その記録データはラッチ回路3に転送されて保持される。1回の記録タイミングにおいて記録すべき記録データがシフトレジスタ2に転送されたときに、ラッチ回路3にラッチ信号LTCLKが入力されることにより、ラッチ回路3は、それが保持している記録データをアンドゲート5に出力する。
アンドゲート5に出力される記録データは、ブロック選択信号BENB1,BENB2,BENB3、およびイネーブル信号HENBによって、対応する駆動トランジスタ6に分配される。ブロック選択信号BENB1,BENB2,BENB3は、ブロック選択レコーダ4に入力されて、ブロック選択信号Block1から8にデコードされる。ブロック選択信号Block1から8は、3つのブロック選択信号BENB1,BENB2,BENB3の値に応じて、いずれか1つがハイ(High)となってアンドゲート5に入力される。これにより、64ノズルを8つのブロックに分けて順次駆動することができる。また、アンドゲート5に入力されるイネーブル信号HENBにより、駆動トランジスタ6の駆動タイミングが制御される。記録装置の記録制御部500(図5参照)から入力するブロック選択信号BENB1,BENB2,BENB3に応じて、後述するように記録ヘッドの時分割駆動のブロック駆動の順序を変更することができる。
図8は、このようなブロック駆動回路による動作を説明するためのタイミングチャートである。
ラッチ回路3から出力される記録データは、アンドゲート5において、ブロック選択信号Block1から8、およびイネーブル信号HENBと論理積がとられてから、駆動トランジスタ6に出力される。記録データが駆動トランジスタ6に出力されることにより、その駆動トランジスタ6に対応するヒータに駆動電圧VHが印加される。このようにして、ヒータ1から64が選択的に駆動されることにより、それに対応するノズルからインクが吐出される。
図9は、ノズル列方向におけるインクの着弾位置のずれ量を検出するための調整パターン(テストパターン)の説明図である。
調整パターンによって、第1の記録ヘッドから吐出されるインクの着弾位置に対して、第2の記録ヘッドから吐出されるインクの着弾位置がノズル列方向にずれている量、つまり、第1の記録ヘッドのノズルに対する第2の記録ヘッドのノズルのずれ量を検出する。図9においては、記録ヘッドH1(基準ヘッド)のノズルの位置(インクの着弾位置)に対して、記録ヘッドH2のノズルの位置(インクの着弾位置)がどの程度ずれているか検出する。ここでは、記録ヘッドH1のノズルN2から吐出した図中「○」印のインクと、記録ヘッドH2のノズルN2から吐出した図中「×」印のインクと、によって記録したパターンP3をずれ量「0」のパターンとする。記録ヘッドH1のノズルN2から吐出したインクと、記録ヘッドH2のノズルN3から吐出したインクと、によって記録したパターンP2をずれ量「+1」のパターンとする。また、記録ヘッドH1のノズルN2から吐出したインクと、記録ヘッドH2のノズルN4から吐出したインクと、によって記録したパターンP1をずれ量「+2」のパターンとする。同様に、記録ヘッドH1のノズルN2から吐出したインクと、記録ヘッドH2のノズルN1から吐出したインクと、によって記録したパターンP4をずれ量「−1」のパターンとする。また、記録ヘッドH1のノズルN2から吐出したインクと、記録ヘッドH2のノズルN0から吐出したインクと、によって記録したパターンP5をずれ量「−2」のパターンとする。ノズル列方向におけるインクの着弾位置のずれ量を検出するための調整パターン(テストパターン)は、このようなパターンP1から)5を含む。
図9(a)のように、記録ヘッドH1に対して記録ヘッドH2がノズル列方向にずれていない場合には、パターンP3の記録結果の濃度が他のパターンと大きく異なるため、ずれ量「0」が検出できる。図9(b)のように、記録ヘッドH1に対して記録ヘッドH2がノズル列方向に1ノズル分ずれている場合には、パターンP4の記録結果の濃度が他のパターンと大きく異なるため、ずれ量「−1」が検出できる。
図10(a)は、記録ヘッドH1に対して記録ヘッドH2がノズル列方向に1ノズル分ずれている場合に、それらの記録ヘッドを同一の順序でブロック駆動したときのインクの着弾位置の説明図である。本例において、それぞれの記録ヘッドにおけるノズルはブロック0,1,2,3の4つのブロックに分けられている。ノズルN0,N4,N8・・・はブロック0、ノズルN1,N5,N9・・・はブロック1、ノズルN2,N6,N10・・・はブロック2、ノズルN3,N7,N11・・・はブロック3にそれぞれ振り分けられている。これらのブロック0,1,2,3に設定されたノズルは、そのブロック0,1,2,3の順に駆動される。そのため、ノズルの駆動の順番が遅いほど、理想的な着弾位置からのインクの着弾位置のずれが大きくなる。
ラスタR1に対応する記録ヘッドH2のノズルは存在しないため、記録画像の先端部分を記録する走査時において、記録ヘッドH1のノズルN0(先頭ノズル)は使用されない未使用ノズルとなる。但し、次の走査以降において、記録データが存在すれば記録ヘッドH1のノズルN0は使用されることになる。記録ヘッドH1は、ラスタR2上のドットをブロック1のノズルによって記録し、ラスタR3上のドットをブロック2のノズルによって記録する。また、ラスタR4上のドットをブロック3のノズル、ラスタR5上のドットをブロック0のノズルによって記録する。一方、記録ヘッドH2は、ラスタR2上のドットをブロック0のノズルによって記録し、ラスタR3上のドットをブロック1のノズルによって記録する。また、ラスタR4上のドットをブロック2のノズル、ラスタR5上のドットをブロック3のノズルによって記録する。
したがって、同一ラスタ上のドットを記録するノズルが属する駆動ブロックは、記録ヘッドH1,H2において異なることになる。その結果、それらの記録ヘッドからのインクの着弾位置にずれに起因して、記録媒体上におけるドットの被覆率(エリアファクタ)が変化し、ノズル列方向における記録画像の濃度分布Aが不均一となる。この濃度分布Aの不均一性がノズル列方向に存在するため、記録画像に帯状の濃度ムラが発生するおそれがある。
本実施形態においては、図10(b)のように、記録ヘッドH1,H2のノズル列方向の位置ずれ量に応じて、ブロック駆動の順序を変更する。すなわち、前述した調整パターン(テストパターン)の記録結果から記録ヘッドH1,H2のノズル列方向の位置ずれ量を検出し、その検出結果に応じて、ブロック駆動の順序を変更する。
図10(b)において、記録ヘッドH1は、ラスタR2上のドットをブロック1のノズルによって記録し、ラスタR3上のドットをブロック2のノズルによって記録する。また、ラスタR4上のドットをブロック3のノズル、ラスタR5上のドットをブロック0のノズルによって記録する。一方、記録ヘッドH2は、ラスタR2上のドットをブロック1のノズルによって記録し、ラスタR3上のドットをブロック2のノズルによって記録する。また、ラスタR4上のドットをブロック3のノズルによって記録し、ラスタR5上のドットをブロック0のノズルによって記録する。
したがって、同一ラスタ上のドットを記録するノズルが属する駆動ブロックは、記録ヘッドH1,H2において同一となる。その結果、それらの記録ヘッドからのインクの着弾位置が同一となり、記録媒体上におけるドットの被覆率(エリアファクタ)が一定し、ノズル列方向における記録画像の濃度分布Bが均一となる。この濃度分布Bが均一となることにより、図10(a)における帯状の濃度ムラの発生を抑えることができる。
本例においては、記録ヘッドH1,H2のノズル列方向の位置ずれ量に応じて、ブロック駆動の順序を変更する。同様に、記録ヘッドH1を基準にして、記録ヘッドH3,H4のブロック駆動の順序を変更することができる。
図11(a)は、上述した記録ヘッドH1、H2のノズル列方向の調整値(位置ずれ量)の設定処理を説明するためのフローチャートである。
まず、記録ヘッドH1、H2のノズル列方向の位置ずれ(縦ずれ)を検出するために、前述した調整パターン(テストパターン)を記録する(ステップS1)。そして、そのパターンの記録結果に基づいて、前述したように、記録ヘッドH1、H2のノズル列方向の調整値(位置ずれ量)を検出する(ステップS2)。調整パターンの記録結果は、前述した図2の光学センサ203を用いて検出することができる。また、ユーザが調整パターンの記録結果を目視評価することにより、調整値(位置ずれ量)を検出してもよい。検出した調整値は、縦方向の位置調整値(縦方向のレジ調整値)としてメモリーに保存する(ステップS3)。同様に、記録ヘッドH2,H3に関しての調整値も検出して保存する。
図11(b)は、記録動作を説明するためのフローチャートである。
まず、先のステップS3においてメモリーに保存した調整値を取得する(ステップS11)。次に、記録ヘッドH2のブロック駆動の順序として、基準の記録ヘッドH1のブロック駆動の順序を調整値分だけシフトした順序を設定する(ステップS12)。すなわち、前述したように、同一ラスタ上のドットを記録するノズルが属する駆動ブロックが記録ヘッドH1,H2において同一となるように、記録ヘッドH2のブロック駆動の順序を設定する。同様に、記録ヘッドH2,H3に関してのブロック駆動の順序も設定する。その後、設定後のブロック駆動の順序にしたがってそれぞれの記録ヘッドを駆動することにより、全画像の記録が終了するまで画像の記録を行う(ステップS13,S14)。
以上説明したように、本実施形態においては、複数の記録ヘッド間におけるノズル列方向のずれ量を検出し、その検出結果に基づいて記録ヘッドのブロック駆動の順序を設定する。これにより、記録媒体上におけるドットの被覆率(エリアファクタ)の変動をなくして、記録画像における帯状の濃度ムラの発生を抑えることができる。
(第2の実施形態)
図12は、本実施形態における記録ヘッドの説明図である。
ブラックインク用の記録ヘッドH1、シアンインク用の記録ヘッドH2、マゼンタインク用の記録ヘッドH3、イエローインク用の記録ヘッド3のそれぞれは、独立したチップによって構成される。それぞれのチップには、半導体製法によって4つのノズル列La,Lb,Lc,Ldが形成されており、1つのノズル列には複数のノズルが600dpiのピッチで配列されている。ノズル列Laとノズル列Lbのノズルの位置は1/1200インチ分オフセットされ、ノズル列Lcとノズル列Ldのノズルの位置は1/1200インチ分オフセットされている。ノズル列Laとノズル列Lcのノズルの位置は1/2400インチ分オフセットされ、ノズル列Lbとノズル列Ldのノズルの位置は1/2400インチ分オフセットされている。このようなノズル列La,Lb,Lc,Ldによって、ノズル配列方向に解像度2400dpiの画像を記録することができる。ノズル列La上のノズルの番号を図12中の上方から下方に向かってN0−a,N1−a,N2−a・・・とし、ノズル列Lb上のノズルの番号を図12中の上方から下方に向かってN0−b,N1−b,N2−b・・・とする。同様に、ノズル列Lc上のノズルの番号をN0−c,N1−c,N2−c・・・とし、ノズル列Ld上のノズルのノズル番号をN0−d,N1−d,N2−d・・・とする。
それぞれの記録ヘッドのチップは半導体製法で形成されるため、1つのチップ内におけるノズル列La,Lb,Lc,Ldのノズルには位置ずれがなく、それらのノズルから吐出されるインクの着弾位置にはずれが生じないものとする。一方、それぞれの記録ヘッドは、図12のような横並びの形態となるように、キャリッジに対して着脱可能となっているため、キャリッジに搭載された際に、記録ヘッドの相互間にノズル列方向の位置ずれが生じる場合がある。本例においては、前述した場合と同様に、記録ヘッドH1を基準とする記録ヘッドH2,H3,H3のノズル列方向の位置ずれに応じて、それらの記録ヘッドH2,H3,H3のブロック駆動の順序を設定する。すなわち、記録ヘッドH1に対するずれ量に応じて、記録ヘッドH2,H3,H3のそれぞれにおけるノズル列La,Lb,Lc,Ldのブロック駆動の順序を設定する。
図13(a)は、記録ヘッドH1に対して記録ヘッドH2がノズル列方向に1ノズル分ずれている場合に、それらの記録ヘッドを同一の順序でブロック駆動したときのインクの着弾位置の説明図である。本例において、それぞれの記録ヘッドにおけるノズル列La,Lb,Lc,Ldのノズルは、それぞれブロック0,1,2の3つのブロックに分けられている。ノズル列Laのノズルは、ノズル列La用のブロック0,1,2(B0−a,B1−a,B2−a)に分けられている。すなわち、ノズルN0−a,N3−a,N6−a・・・はブロックB0−a、ノズルN1−a,N4−a,N7−a・・・はブロックB1−a、ノズルN2−a,N5−a,N8−a・・・はブロックB2−aのそれぞれに設定されている。同様に、ノズル列Lbのノズルは、ノズル列Lb用のブロック0,1,2(B0−b,B1−b,B2−b)に設定されている。すなわち、ノズルN0−b,N3−b,N6−b・・・はブロックB0−b、ノズルN1−b,N4−b,N7−b・・・はブロックB1−b、ノズルN2−b,N5−b,N8−b・・・はブロックB2−bのそれぞれに設定されている。同様に、ノズル列Lcのノズルは、ノズル列Lc用のブロック0,1,2(B0−c,B1−c,B2−c)に設定され、ノズル列Ldのノズルは、ノズル列Ld用のブロック0,1,2(B0−d,B1−d,B2−d)に設定されている。
これらのブロック0,1,2に振り分けられたノズルは、そのブロック0,1,2の順に駆動される。そのため、ノズルの駆動の順番が遅いほど、理想的な着弾位置からのインクの着弾位置のずれが大きくなる。ここでは、説明を簡略化するために、それぞれの記録ヘッド内におけるノズル列La,Lb,Lc,Ldのノズルから吐出されるインクは、矢印Xの主走査方向における着弾位置が理想的な位置であるものとする。
ラスタR1に対応する記録ヘッドH2のノズルは存在しないため、記録画像の先端部分を記録する走査時において、記録ヘッドH1のノズルN0−a(先頭ノズル)は使用されない未使用ノズルとなる。但し、次の走査以降において、記録データが存在すれば記録ヘッドH1のノズルN0−aは使用されることになる。
記録ヘッドH1は、ラスタR2からR4上のトッドはブロック0に属するノズルによって記録し、ラスタR5からR8上のドットはブロック1に属するノズルによって記録し、ラスタR9からR12上のドットはブロック2に属するノズルによって記録する。一方、記録ヘッドH2は、ラスタR2からR5上のトッドはブロック0に属するノズルによって記録し、ラスタR6からR9上のドットはブロック1に属するノズルによって記録し、ラスタR10からR13上のドットはブロック2に属するノズルによって記録する。そのため、ラスタR5,R9,R13,R17上のドットを記録するノズルが属する駆動ブロックは、記録ヘッドH1,H2において異なる。
このように、同一ラスタ上のドットを記録するノズルが属する駆動ブロックが異なった場合には、それらの記録ヘッドからのインクの着弾位置にずれに起因して、記録媒体上におけるドットの被覆率(エリアファクタ)が変化する。その結果、ノズル列方向における記録画像の濃度分布Dが不均一となる。この濃度分布Dの不均一性がノズル列方向に存在するため、記録画像に帯状の濃度ムラが発生するおそれがある。
本実施形態においては、図13(b)のように、記録ヘッドH1,H2のノズル列方向の位置ずれ量に応じて、ブロック駆動の順序を変更する。すなわち、前述した調整パターン(テストパターン)の記録結果から記録ヘッドH1,H2のノズル列方向の位置ずれ量を検出し、その検出結果に応じて、ブロック駆動の順序を変更する。
図13(b)において、記録ヘッドH2は、記録ヘッドH1と同様にブロックに属するノズルを用いて、同一ラスタ上のドットを記録する。すなわち、記録ヘッドH2は、ラスタR2からR4上のトッドはブロック0に属するノズルによって記録し、ラスタR5からR8上のドットはブロック1に属するノズルによって記録し、ラスタR9からR12上のドットはブロック2に属するノズルによって記録する。したがって、同一ラスタ上のドットを記録するノズルが属する駆動ブロックは、記録ヘッドH1,H2において同一となる。その結果、それらの記録ヘッドからのインクの着弾位置が同一となり、記録媒体上におけるドットの被覆率(エリアファクタ)が一定し、ノズル列方向における記録画像の濃度分布Bが均一となる。この濃度分布Eが均一となることにより、図13(a)における帯状の濃度ムラの発生を抑えることができる。
本例においては、記録ヘッドH1,H2のノズル列方向の位置ずれ量に応じて、ブロック駆動の順序を変更する。同様に、記録ヘッドH1を基準にして、記録ヘッドH3,H4のブロック駆動の順序を変更することができる。また、それぞれの記録ヘッドのノズル列方向の調整値(位置ずれ量)の設定処理、および記録動作は、前述した実施形態と同様である。
(第3の実施形態)
図14は、本実施形態における記録ヘッドの説明図である。
図14のように、ブラックインク吐出用の2つの記録ヘッドH1−1,H1−2が部分的にオーバーラップするように配置され、シアンインク吐出用の2つの記録ヘッドH2−1,H2−2が部分的にオーバーラップするように配置される。同様に、マゼンタインク吐出用の2つの記録ヘッドH3−1,H3−2が部分的にオーバーラップするように配置され、イエローインク吐出用の2つの記録ヘッドH4−1,H4−2が部分的にオーバーラップするように配置される。これら2つずつ4組の記録ヘッド、つまり計8つの記録ヘッドは、それぞれ独立したチップによって構成される。それぞれの記録ヘッドには、複数のノズルが1/600インチの間隔で配列された2つのノズル列La,Lbが形成されており、それらのノズル列La,Lb上のノズルは、1/1200インチだけオフセットされている。ノズル列La,Lbを形成するノズル数はNとする。また、ノズル列La上のノズルの番号は、図14中の上方から下方に向かってN0−a,N1−a,・・・N(N−2)−a,N(N−1)−a,N(N)−aとする。ノズル列Lb上のノズルの番号は、図14中の上方から下方に向かってN0−b,N1−b,・・・N(N−2)−b,N(N−1)−b,N(N)−bとする。
それぞれの記録ヘッドのチップは半導体製法で形成されるため、1つのチップ内におけるノズル列La,Lbのノズルには位置ずれがなく、それらのノズルから吐出されるインクの着弾位置にはずれが生じないものとする。一方、それぞれの記録ヘッドは、図14のような横並びの形態となるように、キャリッジに対して着脱可能となっているため、キャリッジに搭載された際に、記録ヘッドの相互間にノズル列方向の位置ずれが生じる場合がある。本例においては、それぞれの記録ヘッド間のノズル列方向の位置ずれに応じて、それらの記録ヘッドのブロック駆動の順序を設定する。
図15(a)は、記録ヘッドH1−1に対して記録ヘッドH1−2がノズル列方向に1ノズル分ずれている場合に、それらの記録ヘッドを同一の順序でブロック駆動したときのインクの着弾位置の説明図である。本例において、それぞれの記録ヘッドにおけるノズル列La,Lbのノズルは、それぞれブロック0,1,2の3つのブロックに分けられている。それぞれの記録ヘッドにおけるノズル列Laのノズルは、ノズル列La用のブロック0,1,2(B0−a,B1−a,B2−a)に分けられている。すなわち、ノズルN0−a,・・・N(N−3)−a,N(N)−aはブロックB0−a、ノズルN1−a,・・・N(N−2)−aはブロックB1−a、ノズルN2−a,・・・N(N−1)−aはブロックB2−aのそれぞれに振り分けられている。同様に、それぞれの記録ヘッドにおけるノズル列Lbのノズルは、ノズル列Lb用のブロック0,1,2(B0−b,B1−b,B2−b)に分けられている。すなわち、ノズルN0−b,・・・N(N−3)−b,N(N)−bはブロックB0−b、ノズルN1−b,・・・N(N−2)−bはブロックB1−b、ノズルN2−b,・・・N(N−1)−bはブロックB2−bのそれぞれに振り分けられている。
これらのブロック0,1,2に振り分けられたノズルは、そのブロック0,1,2の順に駆動される。そのため、ノズルの駆動の順番が遅いほど、理想的な着弾位置からのインクの着弾位置のずれが大きくなる。
記録ヘッドH1−1は、ラスタR(A+1)上のトッドをブロック0(B0−b)に属するノズルによって記録し、ラスタR(A+2),R(A+3)上のドットをブロック1(B1−a,B1−b)に属するノズルによって記録する。また、ラスタR(A+4),R(A+5)上のドットをブロック2(B2−a,B2−b)に属するノズルによって記録する。一方、記録ヘッドH1−2は、ラスタR(A+1),R(A+2)上のトッドをブロック0(B0−a,B0−b)に属するノズルによって記録し、ラスタR(A+3),R(A+4)上のドットをブロック1(B1−a,B1−b)に属するノズルによって記録する。また、ラスタR(A+5),R(A+6)上のドットをブロック2(B2−a,B2−b)に属するノズルによって記録する。そのため、ラスタR(A+2),R(A+4),R(A+6),R(A+8)上のドットを記録するノズルが属する駆動ブロックは、記録ヘッドH1−1,H1−2において異なる。
このように、同一ラスタ上のドットを記録するノズルが属する駆動ブロックが異なった場合には、それらの記録ヘッドからのインクの着弾位置にずれに起因して、記録媒体上におけるドットの被覆率(エリアファクタ)が変化する。その結果、ノズル列方向における記録画像の濃度分布Fが不均一となる。この濃度分布Cの不均一性がノズル列方向に存在するため、記録画像に帯状の濃度ムラが発生するおそれがある。
本実施形態においては、図15(b)のように、記録ヘッドH1−1,H1−2のノズル列方向の位置ずれ量に応じて、ブロック駆動の順序を変更する。すなわち、前述した調整パターン(テストパターン)の記録結果から記録ヘッドH1−1,H1−2のノズル列方向の位置ずれ量を検出し、その検出結果に応じて、ブロック駆動の順序を変更する。
図15(b)において、記録ヘッドH1−2は、記録ヘッドH1−1と同様にブロックに属するノズルを用いて、同一ラスタ上のドットを記録する。すなわち、記録ヘッドH1−2は、ラスタR(A+1)上のトッドをブロック0(B0−a)に属するノズルによって記録し、ラスタR(A+2),R(A+3)上のドットをブロック1(B1−b,B1−a)に属するノズルによって記録する。また、ラスタR(A+4),R(A+5)上のドットをブロック2(B2−b,B2−a)に属するノズルによって記録する。したがって、同一ラスタ上のドットを記録するノズルが属する駆動ブロックは、記録ヘッドH1−1,H1−2において同一となる。その結果、それらの記録ヘッドのつなぎ部分(オーバーラップ部分)において、それらの記録ヘッドからのインクの着弾位置が同一となり、記録媒体上におけるドットの被覆率(エリアファクタ)が一定し、ノズル列方向における記録画像の濃度分布Bが均一となる。この濃度分布Gが均一となることにより、図15(a)における帯状の濃度ムラの発生を抑えることができる。
本例においては、記録ヘッドH1−1,H1−2のノズル列方向の位置ずれ量に応じて、ブロック駆動の順序を変更する。同様に、他の記録ヘッドのブロック駆動の順序も変更することができる。
図16(a)は、上述した図14の2つずつ4組の記録ヘッド、つまり計8つの記録ヘッドのノズル列方向の調整値(位置ずれ量)の設定処理を説明するためのフローチャートである。
まず、同じ組の記録ヘッド間のノズル列方向の位置ずれ(縦ずれ)を検出するために、前述した調整パターン(テストパターン)を記録する(ステップS21)。すなわち、組を成す記録ヘッドH1−1,H1−2のオーバーラップ部分によって調整パターンを記録し、組を成す記録ヘッドH2−1,H2−2のオーバーラップ部分によって調整パターンを記録する。同様に、組を成す記録ヘッドH3−1,H3−2のオーバーラップ部分によって調整パターンを記録し、組を成す記録ヘッドH4−1,H4−2のオーバーラップ部分によって調整パターンを記録する。そして、これらのパターンの記録結果に基づいて、前述した場合と同様に、そのパターンを記録した同じ組の記録ヘッド間のノズル列方向の調整値(位置ずれ量)を検出する(ステップS22)。調整パターンの記録結果は、前述した図2の光学センサ203を用いて検出することができる。また、ユーザが調整パターンの記録結果を目視評価することにより、調整値(位置ずれ量)を検出してもよい。検出した調整値は、同じ組みの記録ヘッド間の縦方向の位置調整値(縦方向のレジ調整値)として、メモリーに保存する(ステップS23)。
次に、異なる組の記録ヘッド間のノズル列方向の位置ずれ(縦ずれ)を検出するために、前述した調整パターン(テストパターン)を記録する(ステップS24)。すなわち、異なる組の記録ヘッドH1−1とH2−1によって調整パターンを記録し、異なる組の記録ヘッドH1−1とH3−1によって調整パターンを記録し、異なる組の記録ヘッドH1−1とH4−1によって調整パターンを記録する。そして、これらのパターンの記録結果に基づいて、前述した場合と同様に、そのパターンを記録した異なる組の記録ヘッド間のノズル列方向の調整値(位置ずれ量)を検出する(ステップS25)。本例の場合は、記録ヘッドH1−1を基準として、記録ヘッドH2−1,H3−1,H4−1の調整値(位置ずれ量)を検出する。検出した調整値は、異なる組みの記録ヘッド間の縦方向の位置調整値(縦方向のレジ調整値)として、メモリーに保存する(ステップS26)。
このような調整値により、記録ヘッドH1−1に対する記録ヘッドH1−2のノズル列方向のずれ、および、記録ヘッドH2−1に対する記録ヘッドH2−2のノズル列方向のずれを調整することができる。同様に、記録ヘッドH3−1に対する記録ヘッドH3−2のノズル列方向のずれ、および、録ヘッドH4−1に対する記録ヘッドH4−2のノズル列方向のずれを調整することができる。さらに、記録ヘッドH1−1を基準として、記録ヘッドH2−1,H3−1,H4−1のノズル列方向のずれを調整することができる。これらの結果、記録ヘッドH1−1を基準として、全ての記録ヘッドのノズル列方向のずれを調整することができる。
図16(b)は、記録動作を説明するためのフローチャートである。
まず、先のステップS23,S26においてメモリーに保存した調整値を取得する(ステップS41)。次に、記録ヘッドH1−2,H2−1,H2−2,H3−1,H3−2,H4−1,H4−2のブロック駆動の順序として、基準の記録ヘッドH1−1のブロック駆動の順序を調整値分だけシフトした順序を設定する(ステップS42)。すなわち、前述したように、同一ラスタ上のドットを記録するノズルが属する駆動ブロックがそれぞれの記録ヘッドにおいて同一となるように、記録ヘッドH1−1を基準として、記録ヘッドH1−2のノズル列La,Lbのブロック駆動の順序を設定する。同様に、記録ヘッドH2−1のノズル列La,Lbに関しては、記録ヘッドH1−1を基準とする調整値に基づいてブロック駆動の順序を設定する。また、記録ヘッドH2−2のノズル列La,Lbに関しては、記録ヘッドH1−1を基準とする記録ヘッドH2−1の調整値と、記録ヘッドH2−1を基準とする記録ヘッドH2−2の調整値と、を加味して、ブロック駆動の順序を設定する。同様に、記録ヘッドH3−1,H3−2,H4−1,H4−2のブロック駆動の順序も設定する。
その後、設定後のブロック駆動の順序にしたがってそれぞれの記録ヘッドを駆動することにより、全画像の記録が終了するまで画像の記録を行う(ステップS43,S44)。
以上説明したように、本実施形態においては、複数組の記録ヘッドを用いる構成において、それらの記録ヘッド間におけるノズル列方向のずれ量を検出し、その検出結果に基づいて記録ヘッドのブロック駆動の順序を設定する。これにより、記録媒体上におけるドットの被覆率(エリアファクタ)の変動をなくして、記録画像における帯状の濃度ムラの発生、画像の粒状性の劣化を抑えることができる。
(第4の実施形態)
本実施形態においては、記録ヘッドの複数回移動(複数回のパス(走査))によって記録媒体上の所定領域を記録するマルチパス記録方式と、複数のノズルを時分割駆動する方式(ブロック駆動方式)と、を組み合わせて画像を記録する。マルチパス記録方式においては、記録ヘッドによる主走査方向の記録走査と、その記録ヘッドのノズル列の長さに対応する記録幅の1/nの長さの記録媒体の副走査方向の搬送と、を交互に繰り返すことにより、画像を順次記録する。同一ラスタ上のドットは、複数の異なるノズルによって記録されることになる。例えば、2パス記録方式の場合、記録媒体の副走査方向の搬送量は、ノズル列の長さの1/2となり、同一ラスタ上のドットが異なる2つのノズルによって記録されることになる。一方、ノズルの時分割駆動は、前述したように、ノズル列を形成する複数のノズルを複数のブロックに分けて駆動する。例えば、時分割数が3の場合には、複数のノズルが3つのブロックに分けて駆動される。
記録媒体の搬送量が時分割数で割り切れない場合(例えば、2パス記録方式と、時分割数が3のブロック駆動方式と、を組み合わせた場合)には、同一ラスタ上のドットを記録する複数のノズルの組み合わせが変化する。そのため、それらのノズルが属するブロックが異なることがある。本実施形態は、このような場合を考慮し、同一ラスタ上のドットを記録する複数のノズルが同じブロックに属するように、記録ヘッドのパス毎にブロック駆動の順序を設定する。そのため、前述した実施形態と同様に、メモリーに保存した調整値に基づいてブロック駆動の順序を設定する。その際、記録媒体の間欠的な搬送量をも考慮する。
図17(a)は、2パス記録方式と、時分割数が3のブロック駆動方式と、を組み合わせた構成において、1パス目と2パス目のブロック駆動の順序を変更しなかった場合のインクの着弾位置の説明図である。本例において、記録ヘッドHにおけるノズル列La,Lbのノズルは、それぞれブロック0,1,2の3つのブロックに分けられている。すなわち、ノズル列Laのノズルはノズル列La用のブロック0,1,2(B0−a,B1−a,B2−a)に分けられ、ノズル列Lbのノズルはノズル列Lb用のブロック0,1,2(B0−b,B1−b,B2−b)に分けられている。
これらのブロック0,1,2に振り分けられたノズルは、そのブロック0,1,2の順に駆動される。そのため、ノズルの駆動の順番が遅いほど、理想的な着弾位置からのインクの着弾位置のずれが大きくなる。
1パス目において、記録ヘッドHは、ラスタR(A),(A+1)上のトッドをブロック0(B0−a,B0−b)に属するノズルによって記録し、ラスタR(A+2),(A+3)上のドットをブロック1(B1−a,B1−b)に属するノズルによって記録する。また、ラスタR(A+4),(A+5)上のドットをブロック2(B2−a,B2−b)に属するノズルによって記録する。一方、2パス目において、ラスタR(A),(A+1)上のトッドをブロック1(B1−a,B1−b)に属するノズルによって記録し、ラスタR(A+2),(A+3)上のドットをブロック2(B2−a,B2−b)に属するノズルによって記録する。また、ラスタR(A+4),(A+5)上のドットをブロック0(B0−a,B0−b)に属するノズルによって記録する。
したがって、同一ラスタ上のドットを記録するノズルが属する駆動ブロックは、記録ヘッドHの1パス目と2パス目とにおいて異なることになる。その結果、1パス目と2パス目に記録ヘッドから吐出されるインクの着弾位置にずれに起因して、記録媒体上におけるドットの被覆率(エリアファクタ)が変化し、ノズル列方向における記録画像の濃度分布が不均一となる。この濃度分布の不均一性がノズル列方向に存在するため、記録画像に帯状の濃度ムラが発生するおそれがある。
本実施形態においては、同一ラスタ上のドットを記録する複数のノズルが同じブロックに属するように、記録ヘッドHの1パス目と2パス目において記録ヘッドHのブロック駆動の順序を設定する。
すなわち、図17(b)のように、1パス目においては、ラスタR(A),(A+1)上のトッドをブロック0(B0−a,B0−b)に属するノズルによって記録する。また、ラスタR(A+2),(A+3)上のドットをブロック1(B1−a,B1−b)に属するノズルによって記録し、ラスタR(A+4),(A+5)上のドットをブロック2(B2−a,B2−b)に属するノズルによって記録する。一方、2パス目においては、ラスタR(A),(A+1)上のトッドをブロック0(B0−a,B0−b)に属するノズルによって記録し、ラスタR(A+2),(A+3)上のドットをブロック1(B1−a,B1−b)に属するノズルによって記録する。また、ラスタR(A+4),(A+5)上のドットをブロック2(B2−a,B2−b)に属するノズルによって記録する。
したがって、同一ラスタ上のドットを記録する複数のノズルが属する駆動ブロックは、同一となる。その結果、それらのノズルから吐出されるインクの着弾位置が同一となり、記録媒体上におけるドットの被覆率(エリアファクタ)が一定し、ノズル列方向における記録画像の濃度分布が均一となる。この濃度分布が均一となることにより、帯状の濃度ムラの発生を抑えることができる。
図18は、各パスにおける記録ヘッドHのノズル列La,Lbについて、ブロック駆動の順序を設定するためのテーブルの説明図である。図17(a)のように、ブロック駆動の順序を変更しない場合には、記録媒体の間欠的な搬送に伴って、同一ラスタ上のドットを記録する複数のノズルが属するブロックの組み合わせが変化する。そこで図18のように、パス毎に、ノズル列Laのブロック駆動の順序「A−1」,「A−2」・・・と、ノズル列Lbのブロック駆動の順序「B−1」,「B−2」・・・を設定して、同一ラスタ上のドットを同じブロックの複数のノズルによって記録する。
図19は、記録動作を説明するためのフローチャートである。
まず、メモリーに保存されている調整値を取得する(ステップS51)。次に、その調整値、および記録媒体の搬送量に基づいて、記録ヘッドのブロック駆動の順序を設定する(ステップS52)。その後、その設定したブロック駆動の順序にしたがってノズルを駆動しつつ、記録ヘッドを主走査方向に移動させることにより、記録ヘッドの1パス分の画像を記録する(ステップS53)。その後、記録媒体を所定量搬送(ステップS54)してから、全画像の記録が終了するまでステップS52からS54の処理を繰り返す(ステップS55)。このように、パス毎にノズルのブロック駆動の順序を設定することにより、同一ラスタ上のドットを同じブロックの複数のノズルによって記録する。
本例においては、1つの記録ヘッドHに対して、パス毎にブロック駆動の順序を変更する。複数の記録ヘッドを用いる場合には、それらの記録ヘッドに対しても同様にブロック駆動の順序を変更することができる。
以上説明したように、本実施形態においては、記録媒体の搬送量が時分割数で割り切れないために、同一ラスタ上のドットを記録する複数のノズルの組み合わせが変化する場合を考慮して、記録ヘッドのブロック駆動の順序を設定する。これにより、同一ラスタ上のドットを同じブロックの複数のノズルによって記録することができる。この結果、記録媒体上におけるドットの被覆率(エリアファクタ)の変動をなくして、記録画像における帯状の濃度ムラの発生を抑えることができる。
(他の実施形態)
前述した実施形態においては、記録ヘッドのノズルの並び順と、ノズルが割り当てられるブロックの順序と、を一致させるようにノズルをブロック駆動(順次駆動)した。本発明は、このような順次駆動のみに限定されず、記録ヘッドのノズルの並び順と、ノズルが割り当てられるブロックの順序と、を一致させないようにノズルをブロック駆動(分散駆動)する場合にも適用することができる。
まず、実施形態と同様の順次駆動を図20(a)に基づいて説明する。本例においては、記録ヘッドH1,H2を4つのブロック(ブロック1,2,3,4)に分けて駆動し、それらの記録ヘッドの1ノズル分のずれに応じて、記録ヘッドH2のブロック駆動の順序を変更する。
図20(a)において、記録ヘッドH1、およびブロック駆動の順序を変更する前の記録ヘッドH2は、それぞれ、ノズルN0,N1,N2,N3,N4,N5,・・・がブロック1,2,3,4,1,2,・・・となる。ブロック駆動の順序を変更した後の記録ヘッドH2は、ノズルN0,N1,N2,N3,N4,N5,・・・がブロック2,3,4,1,2,3,4,・・・となり、それぞれのノズルは、ノズルN0からブロック2,3,4,1の順に割り当てられる。このように、記録ヘッドH2に関してはノズルと駆動ブロックとの関係が変更されており、このような関係の変更を「ブロック駆動の順の変更」ともいう。記録ヘッドH2のブロック駆動順序の変更前と変更後において、その記録ヘッドH2のノズルは、いずれもブロック1,2,3,4の順で駆動されることになる。しかし、ブロック駆動順序の変更前の記録ヘッドH2は、ノズルN0からブロック1,2,3,4の順に割り当てられ、ブロック駆動順序の変更前の記録ヘッドH2は、ノズルN0からブロック2,3,4,0の順に割り当てられている。そのため、ノズルと駆動ブロックとの関係が変更されることになる。図20(a)の場合、同一のラスタ上のドットを記録する記録ヘッドH1,H2のノズルが属する駆動ブロックを一致させて、同一ラスタ上のドットを同一位置に記録することができる。
図20(b)は、本発明を適用可能な分散駆動の一例の説明図である。本例においても図20(a)の場合と同様に、記録ヘッドH1,H2を4つのブロック(ブロック1,2,3,4)に分けて駆動し、それらの記録ヘッドの1ノズル分のずれに応じて、記録ヘッドH2のブロック駆動の順序を変更する。
図20(b)において、記録ヘッドH1、およびブロック駆動の順序を変更する前の記録ヘッドH2は、それぞれ、ノズルN0,N1,N2,N3,N4,N5,・・・がブロック1,3,2,4,1,3,・・・となる。ブロック駆動の順序を変更した後の記録ヘッドH2は、ノズルN0,N1,N2,N3,N4,N5,・・・がブロック2,3,4,1,2,3,4,・・・となり、それぞれのノズルは、ノズルN0からブロック2,3,4,1の順に割り当てられる。このように、記録ヘッドH2に関してはノズルと駆動ブロックとの関係が変更されており、このような関係の変更も「ブロック駆動の順の変更」という。図20(b)の場合、ラスタR1上のドットを記録する記録ヘッドH1,H2のノズルは、異なる駆動ブロック3,2に属するものの、それらの駆動ブロック間の駆動タイミングの差は小さい。そのため、そのラスタR1上に記録されるドットのずれを小さく抑えることができる。同様に、ラスタR2上に記録されるドットのずれも小さく抑えることができる。
また、記録ヘッドH1,H2のノズル列方向のずれ量が1ノズル分未満の所定量(例えば、0.5ノズル分未満)の場合には、記録ヘッドH1のブロック駆動の順序は変更しない。また、記録ヘッドH1,H2のずれ量が1ノズル分以上かつ2ノズル分未満の所定量(例えば、1.3ノズル分未満)の場合には、ずれ量が1ノズル分のときと同様に、記録ヘッドH2のブロック駆動の順序を変更することができる。
また、上述した実施形態における記録ヘッドは、記録素子としての複数のノズルをノズル列方向(記録素子列方向)に配列したインクジェット記録ヘッドである。しかし、サーマルヘッドなどように、種々の記録素子を記録素子列に沿って配列した他の記録ヘッドを用いることもできる。この場合には、記録素子列毎に、複数の記録素子を時分割駆動することができる。
また本発明は、上述したように、記録ヘッドの主走査方向の移動を伴うシリアルスキャン方式の記録装置のみならず、記録媒体の幅方向に沿う長尺な記録ヘッドを用いて、記録媒体を連続的に搬送するフルラインタイプの記録装置にも適用可能することができる。この場合、記録ヘッドのノズル列と交差する方向に沿って、記録ヘッドと記録媒体とが相対移動することになる。
107 記録紙(記録媒体)
201,H1,H2,H3,H4 記録ヘッド
203 光学センサ
409 ヘッドドライバ
500 記録制御部
P1,P2,P3,P4,P5 調整パターン(テストパターン)
X 主走査方向
Y 副走査方向

Claims (11)

  1. 複数の記録素子を配列した記録素子列が形成された少なくとも1つの記録ヘッドを用い、前記記録ヘッドと記録媒体とを前記記録素子列と交差する方向に相対移動させつつ、前記記録ヘッドにおける前記複数の記録素子を複数の駆動ブロックに分けて時分割駆動することにより、前記記録媒体に画像を記録する記録装置において、
    前記記録ヘッドにおける前記記録素子の少なくとも2つによって、前記記録素子列と交差する方向に沿う前記記録媒体上の同一ラスタを記録する制御手段と、
    前記同一ラスタを記録する前記少なくとも2つの記録素子の前記記録素子列方向における位置のずれに応じて、前記記録ヘッドの前記記録素子列における前記複数の記録素子の前記時分割駆動の順序を変更する変更手段と、
    を備えることを特徴とする記録装置。
  2. 前記変更手段は、前記同一ラスタを記録する前記少なくとも2つの記録素子のそれぞれが属する前記駆動ブロック間の駆動タイミングのずれを小さくするように、前記少なくとも1つの記録ヘッドの前記記録素子列における前記複数の記録素子の前記時分割駆動の順序を変更することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記変更手段は、前記同一ラスタを記録する前記少なくとも2つの記録素子のそれぞれが属する前記駆動ブロックを一致させるように、前記少なくとも1つの記録ヘッドの前記記録素子列における前記複数の記録素子の前記時分割駆動の順序を変更することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記記録ヘッドを前記記録素子列と交差する方向に移動させる移動手段と、
    前記記録媒体を前記記録素子列に沿って搬送する搬送手段と、
    をさらに備え、
    前記制御手段は、前記記録ヘッドにおける前記記録素子の複数によって前記同一ラスタを記録するように、前記移動手段、前記搬送手段、および前記記録ヘッドを制御することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の記録装置。
  5. 前記制御手段は、前記記録媒体上の所定領域を記録するために、前記記録ヘッドを前記移動手段によって複数回移動させつつ時分割駆動するように前記搬送手段、前記移動手段、および前記記録ヘッドを制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 前記制御手段は、前記同一ラスタを複数の記録ヘッドにおける前記記録素子によって記録し、
    前記変更手段は、前記同一ラスタを記録する前記複数の記録ヘッドにおける前記記録素子の前記記録素子列方向における位置のずれに応じて、前記複数の記録ヘッドの内の少なくとも1つの前記記録素子列における前記複数の記録素子の前記時分割駆動の順序を変更する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の記録装置。
  7. 前記記録ヘッドは複数の記録素子列を備え、
    前記変更手段は、記録素子列毎に、前記複数の記録素子の前記時分割駆動の順序を変更する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の記録装置。
  8. 前記記録ヘッドにおける前記複数の記録素子列の内、1つの記録素子列における前記複数の記録素子は、他の記録素子列における前記複数の記録素子に対して、前記記録素子列の方向に所定の間隔でオフセットされていることを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  9. 前記記録ヘッドにおける前記複数の記録素子列の内、1つの記録素子列における前記複数の記録素子は、他の記録素子列における前記複数の記録素子に対して、前記記録素子列と交差する方向に部分的にオーバーラップすることを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  10. 前記同一ラスタを記録する前記少なくとも2つの記録素子の前記記録素子列方向における位置のずれを検出するためのテストパターンを記録する手段と、
    前記テストパターンの記録結果を検出する検出手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の記録装置。
  11. 複数の記録素子を配列した記録素子列が形成された少なくとも1つの記録ヘッドを用い、前記記録ヘッドと記録媒体とを前記記録素子列と交差する方向に相対移動させつつ、前記記録ヘッドにおける前記複数の記録素子を複数の駆動ブロックに分けて時分割駆動することにより、前記記録媒体に画像を記録する記録方法において、
    前記記録ヘッドにおける前記記録素子の少なくとも2つによって、前記記録素子列と交差する方向に沿う前記記録媒体上の同一ラスタを記録する工程と、
    前記同一ラスタを記録する前記少なくとも2つの記録素子の前記記録素子列方向における位置のずれに応じて、前記記録ヘッドの前記記録素子列における前記複数の記録素子の前記時分割駆動の順序を変更する工程と、
    を備えることを特徴とする記録方法。
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