JP2017050402A - 太陽電池セル及び太陽電池セルの製造方法 - Google Patents

太陽電池セル及び太陽電池セルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い接着強度と低い接触抵抗を両立する電極と、界面準位密度の低い不純物拡散層を両立した、信頼性が高く変換効率の高い太陽電池セル及びその安価な製造方法を提供する。
【解決手段】 凹凸部と平坦部を形成した半導体基板上に酸化シリコン膜を形成し、酸化シリコン膜の上からドーパントの拡散処理を行う。この時、凹凸部はドーパントの拡散が進みやすいため高濃度不純物拡散層が形成されるが、平坦部はドーパントの拡散が進みにくいため低濃度不純物拡散層が形成される。これにより、電極とシリコン基板の界面には高濃度の不純物拡散層及び凹凸が形成されるため、接触抵抗は低く接着強度は高くなり、一方で電極が接しない不純物拡散層の界面準位密度は低くすることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、太陽電池セル及び太陽電池セルの製造方法に関する。
一般に、太陽電池セルは、図1に示す断面構造を有する。図1において、101は、大きさが100〜150mm角、厚みが0.1〜0.3mmの板状で、かつ、多結晶や単結晶シリコン等からなり、ボロン等のp型不純物がドープされたp型の半導体基板である。この基板101の受光面には、光閉じ込めのための凹凸構造が形成される。凹凸構造は、基板を酸性またはアルカリ性の溶液に一定時間浸漬させることで得られる。太陽電池セルは、凹凸構造を形成した基板101を以下のように処理して製造される。まず、凹凸構造を形成した基板101の受光面に、リン等のn型不純物をドープしてエミッタ層102として機能するn型拡散層を形成する。そして、SiN(窒化シリコン)などの反射防止膜兼パッシベーション膜103を設け、スクリーン印刷法を用いて、裏面に導電性アルミニウムペーストを印刷する。その後、乾燥・焼成することで裏面電極106とBSF(Back Surface Field)層104を同時に形成する。また、表面にガラスフリットなどを含んだ導電性銀ペーストを印刷後、乾燥して焼成し、SiN膜103を貫通(ファイヤースルー)して表面電極105を形成することで図1に示した太陽電池セルの構造が得られる。この表面電極105は、太陽電池セルで生じた光生成電流を外部へ取出すためのバスバー電極と、これらのバスバー電極に接続される集電用のフィンガー電極とからなる。なお、以下、太陽電池の受光面側となる基板の面を受光面、受光面側と反対側になる基板の面を裏面とする。
このような方法で製造される太陽電池セルにあっては、上記のように、裏面の電極形成に導電性アルミニウムペーストのスクリーン印刷法と焼成を用いることで、安価に効率よく太陽電池セルを大量生産することができる。裏面電極と同時に形成されるBSF層には、キャリア再結合を抑制して太陽電池セル特性を向上させる目的がある。しかし、アルミニウムペーストを使った電極を用いることで形成されるBSF層によるキャリア再結合抑制効果は限定的であり、更に光の吸収係数が大きいため、光学的な損失が大きく、また、太陽電池セルの反りが大きくなって、取り扱いが困難になる、などという問題があった。
上記のような問題を回避し、太陽電池セルを高効率化するために、図2に示すような、いわゆるPR(Passivated Rear)構造型太陽電池セルが提案されている。PR構造型太陽電池セルの特徴は、基板201の裏面をパッシベーション効果の高い保護膜206で覆い、更に基板201と裏面電極207のコンタクト箇所を局在化し、キャリアの表面再結合を低減していることにある。
ところで、図2に示す構造では、基板201の裏面に凹凸が形成されているが、この凹凸により界面準位が増加し、裏面でのキャリア再結合が発生しやすくなるという問題がある。このため、一般的には太陽電池セル特性を十分に高めるためには、裏面の凹凸を除去して界面準位を減少させることが効果的である。
一方で、スクリーン印刷法と焼成により形成される電極には、基板と電極の界面に凹凸が形成されていた方が、コンタクト抵抗が低くなり、且つ基板と電極の密着性が向上する。これは導電性銀ペーストを用いた電極形成において特に顕著である。基板に形成された凹凸が、基板と電極のコンタクト面積を広げ、且つガラスフリットによるファイアースルーが効率よく進むことがその要因であると言われている。
また、裏面のBSF層の不純物表面濃度に関しては、基板と電極の界面では、不純物表面濃度が高いほうが良好なコンタクトを形成しやすく、且つ拡散電位差が大きくなる。一方、電極が形成されていない箇所では、表面再結合を低減することができるため、不純物表面濃度は低いほうが好ましい。すなわち、裏面のBSF層の不純物表面濃度は、基板と電極の界面では高く、電極が形成されていない箇所では低くすることが望ましい。
以上のような従来技術に関して、受光面に凹凸構造を形成し、且つ非受光面を平滑化する方法としては、受光面のみを反応性イオンやエッチングガスに曝して凹凸構造を形成する方法が開示されている(例えば特許文献1を参照)。しかしこの場合、反応性イオンを使用する装置は、装置自体の面積が大きくなってコスト増大につながりやすく、また面内均一に全ての基板に凹凸を形成することが困難である。また、理想的には裏面は部分的に凹凸が形成されている箇所と形成されていない箇所を形成する必要があるが、この方法では形成できない。また、裏面の凹凸を除去した太陽電池セルの構造(例えば特許文献2を参照)が開示されているが、この場合、裏面のBSF層に濃度差をつけるのが困難である。その他、基板の主面にて高濃度拡散層と低濃度拡散層をそれぞれ有する構造の太陽電池セルを製造する方法が開示されている(例えば特許文献3、4を参照)が、この場合高濃度拡散層と低濃度拡散層をそれぞれ別の熱処理で形成する必要があり、高コストの原因になったり、電極直下が平坦部と凹凸部の両方を有する構造になってしまうため、電極の密着性が不十分になったりするという問題がある。
特表2014−511038号公報 特開2014−239150号公報 特開2013−187241号公報 国際公開第2012/140808号
そこで、本発明は上記の問題点を解消するためになされたものであり、安価で信頼性が高く変換効率の高い太陽電池セルを提供することを目的とする。
本発明者らは上記を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、本発明を成すに至った。即ち、凹凸部と平坦部を形成した半導体基板上に酸化シリコン膜を形成し、酸化シリコン膜の上からドーパントの拡散処理を行う。この時、凹凸の谷間にはドーパントが貯まって局所的にドーパントの面密度が上昇することなどから、凹凸部ではドーパントの拡散が進みやすいため高濃度不純物拡散層が形成される。一方、平坦部では酸化シリコン膜厚が均一に成長し、ドーパントも均一に付着することから、比較的ドーパントの拡散が進みにくいため低濃度不純物拡散層が形成される。これにより、高濃度不純物拡散層が形成された凹凸部には低コストで大量生産に向いたスクリーン印刷法により高い接着強度と低い接触抵抗を両立する電極とシリコン基板界面を形成可能になり、一方平坦部は凹凸が無く不純物拡散層濃度が低いためキャリアの表面再結合を減らすことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
そこで本発明の実施形態にかかる太陽電池セルは、半導体基板を用いた拡散層及び電極を有する太陽電池セルにであって、前記半導体基板は、第一の主表面に凹凸部と平坦部をそれぞれ有しており、凹凸部には第一の不純物拡散層が形成されており、平坦部には第一の不純物拡散層と導電型が同じで不純物表面濃度が第一の不純物拡散層の不純物表面濃度より低い第二の不純物拡散層が形成されており、少なくとも凹凸部上に電極を有することを特徴とする。
本発明では、前記第一の不純物拡散層の不純物濃度の最大値が1×1018atoms/cm以上5×1020atoms/cm以下とし、前記第二の不純物拡散層の不純物濃度の最大値が1×1015atoms/cm以上2×1020atoms/cm以下とするとよい。また本発明では、前記第一の不純物拡散層及び前記第二の不純物拡散層を形成する不純物がホウ素とするとよい。
また本発明の実施形態にかかる太陽電池セルの製造方法は、半導体基板の第一の主表面に、凹凸部と平坦部をそれぞれ有する太陽電池セルの製造方法にであって、前記凹凸部と前記平坦部上に酸化シリコン膜を形成する工程と、前記酸化シリコン膜の上から不純物拡散を行うことで、前記凹凸部には第一の不純物拡散層を、前記平坦部には前記第一の不純物拡散層と導電型が同じで不純物表面濃度が前記第一の不純物拡散層の不純物表面濃度より低い第二の不純物拡散層を、それぞれ形成する工程とを備えることを特徴とする。
本発明では、前記酸化シリコン膜の膜厚が20nm以上300nm以下とするとよい。また本発明では、前記不純物拡散が、前記酸化シリコン膜の上に不純物含有溶液を塗布してから熱処理することによってなるとよい。あるいは、本発明は、前記酸化シリコン膜の上からホウ素含有材料を塗布してから熱処理するとよい。
従来の太陽電池セルの構造を例示する断面図である。 PR(Passivated Rear)構造型太陽電池セルの構造を例示する断面図である。 従来のPR構造型太陽電池セルの製造工程を示すフロー図である。 本発明の太陽電池セルの構造を例示する断面図である。 本発明の太陽電池セルの製造工程を示すフロー図である。 本発明の太陽電池セルの改善された製造工程を示すフロー図である。 比較例3の太陽電池セルの製造工程を示すフロー図である。 実施例3の太陽電池セルの製造工程を示すフロー図である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は下記説明に加えて広範な他の実施形態で実施することが可能であり、本発明の範囲は、下記に制限されるものではなく、特許請求の範囲に記載されるものである。さらに、図面は原寸に比例して示されていない。本発明の説明や理解をより明瞭にするために、関連部材によっては寸法が拡大されており、また、重要でない部分については図示されていない。
まず、図2に示した従来のPR構造型太陽電池セルの製造工程を、図3を参照して説明する。図を追加
半導体基板201を用意する(図3(a))。この半導体基板は、単結晶または多結晶シリコンなどからなり、p型、n型いずれでもよいが、ボロンなどのp型の半導体不純物を含み、比抵抗は0.1〜4.0Ω・cmのp型シリコン基板が用いられることが多い。以下、p型シリコン基板を用いた太陽電池セル製造方法を例にとって説明する。大きさは100〜150 mm角、厚みは0.05〜0.30mmの板状のものが好適に用いられる。基板201を、例えば酸性溶液中に浸漬してスライスなどによる表面のダメージを除去してから、さらに水酸化カリウム水溶液などのアルカリ溶液で化学エッチングして洗浄、乾燥することで、テクスチャとよばれる凹凸構造を基板の両面に形成する(図3(b))。凹凸構造は、太陽電池セル受光面において光の多重反射を生じさせる。そのため、凹凸構造を形成することにより、実効的に反射率が低減し、変換効率が向上する。
次に、BSF層204として機能するp型拡散層を形成する(図3(c))。例えばBBrなどを含む、800〜1100℃の高温ガス中に基板201を設置し、裏面にボロン等のp型不純物元素を拡散させる熱拡散法により、シート抵抗が20〜300Ω/□ 程度のp型拡散層とガラス層を裏面に形成する。このとき、熱拡散時に2枚の基板201の受光面同士を向かい合わせて重ねた状態で拡散することで、受光面へのp型拡散層形成を防ぐことができる。その後、例えば希釈したフッ酸溶液などの薬品に浸漬させることにより、拡散時に基板の表面に形成されたガラス層を除去し、純水で洗浄する。
次に、エミッタ層202として機能するn型拡散層を形成する(図3(d))。例えばPOClなどを含む、850〜1100℃の高温ガス中に基板201を設置し、基板201の全面にリン等のn型不純物元素を拡散させる熱拡散法により、シート抵抗が30〜300Ω/□ 程度のn型拡散層とガラス層を受光面に形成する。なお、n型拡散層を熱拡散法により形成する場合には、基板の裏面および端面にもn型拡散層が形成されることがあるが、この場合も、熱拡散時に基板の裏面同士を2枚向かい合わせて重ねた状態で拡散することで、裏面へのn型拡散層形成を防ぐことができる。その後、例えば希釈したフッ酸溶液などの薬品に浸漬させることにより、拡散時に基板の表面に形成されたガラス層を除去し、純水で洗浄する。また、ここではBSF層を形成してからエミッタ層を形成しているが、エミッタ層を形成してからBSF層を形成してもよい。
次に、上記基板201の受光面と裏面にそれぞれ、反射防止膜兼パッシベーション膜(203、206)を形成する(図3(e))。この反射防止膜兼パッシベーション膜(203、206)は、例えばSiN(窒化シリコン)などからなる。SiNによる反射防止膜兼パッシベーション膜(203、206)は、例えばSiHとNHとの混合ガスをNで希釈し、グロー放電分解でプラズマ化させて堆積させるプラズマCVD法などで形成される。反射防止膜兼パッシベーション膜(203、206)は、基板201との屈折率差などを考慮して、屈折率が1.8 〜 2.3程度になるように形成され、厚み500 〜 1000Å 程度の厚みに形成される。反射防止膜兼パッシベーション膜(203、206)は、基板201の表面で光が反射するのを防止して、基板内に光を有効に取り込むために設けられる。また、反射防止膜兼パッシベーション膜(203、206)としてSiNを用いる場合、このSiNは、形成の際にn型拡散層に対してパッシベーション効果があるパッシベーション膜としても機能し、反射防止の機能と併せて太陽電池セルの電気特性を向上させる効果がある。また、この膜は窒化シリコンにかぎらず、酸化シリコン、炭化シリコン、非晶質シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタンなどの単層膜、またはこれらを組み合わせた積層膜を用いてもよい。また、受光面と裏面で異なる膜を使用してもよい。
次に、上記基板201の受光面と裏面に、例えば銀粉末とガラスフリットとワニスなどを含む導電性ペーストをスクリーン印刷し、乾燥させる。この後、それぞれの導電性ペーストを500℃〜950℃程度の温度で1〜60秒程度焼成することで、反射防止膜兼パッシベーション膜(203、206)を貫通させ、銀粉末を焼結させて形成した電極とシリコンを導通させて、電極(205、207)を形成する(図3(f))。なお、受光面と裏面の電極形成は順番を入れ替えても良いし、焼成を一度に行ってもよい。
上記のような従来のPR構造型太陽電池セルの製造方法においては、製造される太陽電池セル基板裏面の全面に凹凸が形成されており、かつ裏面のBSF層204は全面均一な不純物濃度の拡散層から形成されている。既に指摘した通り、太陽電池セルの性能を向上させるためには、基板裏面において、電極とシリコン基板との界面には凹凸が形成されているが、その他の箇所では凹凸が除去された構造を成し、更にBSF層の不純物表面濃度は基板と電極の界面で高く、その他の箇所では低くすることが望ましい(図4を参照)。これにより、高い接着強度と低いコンタクト抵抗を両立した電極とシリコン基板界面、更にキャリア再結合を抑制できるBSF層を得ることができる。
上記のような構造を得るための製造方法の一例を、以下では図5を参照しつつ説明する。まず、上記の従来のPR構造型太陽電池セルの製造方法と同様の工程(図3(a)及び(b))により、p型シリコン基板301の両面に凹凸構造を形成する。そして、両面に凹凸構造を形成したp型シリコン基板301を、BBrなどを含む、900〜1100℃の高温ガス中に設置し、基板の裏面にボロン等のp型不純物元素を拡散させる熱拡散法により、シート抵抗が20〜100Ω/□ 程度の高濃度p型拡散層308とガラス層309を裏面に形成する(図5(a))。その後、例えば希釈したフッ酸溶液などの薬品に浸漬させることにより、拡散時に半導体基板の表面に形成されたガラス層309を除去し、純水で洗浄する(図5(b))。更に、例えば酸素雰囲気下の800〜1100℃の高温中に基板を設置し、熱酸化法により、膜厚が30〜300nm 程度の酸化シリコン膜310を基板の全面に形成する(図5(c))。その後、例えばレジストペースト312をスクリーン印刷でパターン状に塗布・硬化してから、フッ酸水溶液に浸漬させることで、基板の裏面の酸化シリコン膜310を部分的に除去し(図5(d))、さらに水酸化カリウム水溶液などのアルカリ溶液に浸漬して化学エッチングする(図5(e))。その後、例えばアセトン等に浸漬することでレジストペースト312を除去し、更に希釈したフッ酸溶液などの薬品に浸漬させることにより、残った熱酸化膜310を除去し、純水で洗浄することで、基板裏面の一部にのみ、凹凸と高濃度p型拡散層308を形成した基板を作成することができる(図5(f))。更に基板を、BBrなどを含む、800〜1000℃の高温ガス中に設置し、基板の裏面にボロン等のp型不純物元素を拡散させる熱拡散法により、シート抵抗が50〜300Ω/□ 程度の低濃度p型拡散層304とガラス層を裏面に形成し、その後、例えば希釈したフッ酸溶液などの薬品に浸漬させることにより、拡散時に基板の表面に形成されたガラス層を除去し、純水で洗浄する。以上の工程により、基板裏面において、電極とシリコン基板との界面には凹凸が形成されているが、その他の箇所では凹凸が除去され、更にBSF層の不純物表面濃度は基板と電極の界面で高く、その他の箇所では低くい構造を得ることができる(図5(h))。
この後、上記の従来のPR構造型太陽電池セルの製造方法と同様の工程(図3(d)〜(f))により、エミッタ層302、反射防止膜兼パッシベーション膜(303、306)、及び電極(305、307)を形成することで、図4に示した構造の太陽電池セルが得られる。
しかし、上記のような手法を用いた場合、高濃度p型拡散層形成、酸化シリコン膜形成、低濃度p型拡散層形成と三度の高温熱処理プロセスを必要とする上、その間に洗浄工程が必要になるため、プロセスが複雑になってコストが増大するだけでなく、基板の洗浄が不十分な場合は不純物汚染が発生しやすくなって太陽電池セル特性を低下させてしまう可能性があり、改善の余地がある。より簡便な方法でこの問題を解決することが望まれている。
これらの問題は、以下で説明する改善された製造方法により解決される。すなわち、当該改善された製造方法では、凹凸部と平坦部を形成した基板の表面に、酸化シリコン膜を形成した後、その酸化シリコン膜を残したまま不純物拡散する。この時、凹凸の谷間にはドーパントが溜まって局所的にドーパントの面密度が上昇することなどから、凹凸部ではドーパントの拡散が進みやすいため高濃度不純物拡散層が形成される。一方、平坦部では酸化シリコン膜厚が均一に成長し、ドーパントも均一に付着することから、比較的ドーパントの拡散が進みにくいため低濃度不純物拡散層が形成される。これにより、高温熱処理プロセス及び酸化シリコン膜部分除去工程を無くすことで工程を減らしてコストを削減し、基板の汚染可能性を減らして基板ライフタイムを高く保つことが可能になる。この結果、高濃度拡散層形成箇所には凹凸が残っているので、低コストで大量生産に向いたスクリーン印刷法により、高い接着強度と低い接触抵抗を両立する電極とシリコン基板の界面を形成可能になり、低濃度拡散層形成箇所には凹凸が無いためキャリアの表面再結合を減らすことができることを見出し、本発明を完成するに至った。以下に、本発明における太陽電池セルの改善された製造方法を、図6を参照しつつ説明する。
まず、従来のPR構造型太陽電池セルの製造方法と同様の工程(図3(a)及び(b))により、p型シリコン基板301の両面に凹凸構造を形成する。そして、両面に凹凸構造を形成したp型シリコン基板の、凹凸を平坦化したい箇所に、例えばシリコンエッチングペーストをスクリーン印刷してから洗浄・乾燥することで凹凸部を除去し、基板表面に凹凸部と平坦部を形成する(図6(a))。もしくは、凹凸形成前のp型シリコン基板301の、平坦化したい箇所にレジストペーストをパターン状に印刷・硬化してから、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ溶液で化学エッチングして洗浄、乾燥し、アセトン等に浸漬することでレジストペーストを除去することによっても、基板表面に凹凸部と平坦部を形成することができる。
このようにして、基板表面に凹凸部と平坦部を形成したp型シリコン基板301を、例えば酸素雰囲気下の800〜1100℃の高温中に基板を設置し、熱酸化法により、膜厚が30〜300nm 程度の酸化シリコン膜311を基板の全面に形成する(図6(b))。その酸化シリコン膜形成済み基板を、BBrなどを含む、900〜1100℃の高温ガス中に設置し、基板の裏面にボロン等のp型不純物元素を拡散させる熱拡散法を行う(図6(c))。この場合には、熱拡散時に基板の受光面同士を2枚向かい合わせて重ねた状態で拡散することで、受光面へのp型拡散層形成を防ぐことができる。これにより、凹凸部にはシート抵抗が20〜100Ω/□ 程度の高濃度p型拡散層308とガラス層が、平坦部にはシート抵抗が60〜300Ω/□ 程度の低濃度p型拡散層304とガラス層が、それぞれ形成される。その後、例えば希釈したフッ酸溶液などの薬品に浸漬させることにより、拡散時に半導体基板の表面に形成された酸化シリコン膜及びガラス層を除去し、純水で洗浄することで、前述の方法よりも簡便で安価に、且つライフタイムキラーの汚染を低減させて、電極とシリコン基板との界面には凹凸が形成されているが、その他の箇所では凹凸が除去され、更にBSF層の不純物表面濃度は基板と電極の界面で高く、その他の箇所では低くい基板裏面の構造を得ることができる(図6(d))。
この後、上記の従来のPR構造型太陽電池セルの製造方法と同様の工程(図3(d)〜(f))により、エミッタ層302、反射防止膜兼パッシベーション膜(303、306)、及び電極(305、307)を形成することで、図4に示した構造の太陽電池セルが得られる。
前記の本発明における太陽電池セルの改善された製造方法において、BBrなどを含む雰囲気中での気相拡散を行っているが、この工程は、例えばホウ素含有材料を塗布してからの熱処理による拡散で代替することができる。この場合、塗布材料中のホウ素の濃度制御が容易である上、凹凸の谷間へホウ素を行き渡らせやすくなるため、高濃度拡散層と低濃度拡散層の濃度差の形成が容易になる。
上記はp型シリコン基板を用いた場合の太陽電池セルについての実施形態の例であるが、本発明はn型シリコン基板を用いた太陽電池セルに適用することもできる。その場合、エミッタ層はp型拡散層、BSF層はn型拡散層によって成ることが多い。また本発明は、非受光面にエミッタ層が形成された太陽電池セルにも適用することができるし、更に非受光面にエミッタ層、BSF層の両方が形成された、裏面電極型太陽電池セルにも適用することもできる。
以下に本発明の実施例および比較例をあげてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、幅広い用途で活用できるものである。
[比較例1]
まず、ボロンがドープされ、厚さ0.2mmにスライスして作製された比抵抗が約1Ω・cmのp型の単結晶シリコンからなるp型シリコン基板に外径加工を行うことによって、一辺15cmの正方形の板状とした。そして、この基板をフッ硝酸溶液中に15秒間浸漬させてダメージエッチし、さらに2%のKOHと2%のIPAを含む70℃の溶液で5分間化学エッチングした後に純水で洗浄し、乾燥させることで、基板の両面にテクスチャ構造を形成した。
上記テクスチャ形成済み基板の裏面に対して、BBrガス雰囲気中において、950℃の温度で30分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、基板の裏面にBSF層としてのp型拡散層とガラス層を形成した。ここで用意した基板表面の熱処理後のシート抵抗は、一面が約50Ω/□、ボロン濃度の最大値は1×1020atoms/cm、p層拡散深さは0.8μmであった。その後、前処理済み基板を、25%のフッ酸水溶液に浸漬した後、純水で洗浄し、乾燥させることで、ガラス層を除去した。
[比較例2]
比較例1と同様の方法で基板の両面にテクスチャ構造を形成した。そして、テクスチャ形成済み基板の裏面に対して、シリコンエッチングペーストを部分的にスクリーン印刷して、100℃の温度で加熱して乾燥させることで、裏面の一部の凹凸を除去して平坦化した。ここで、シリコンエッチングペーストとしては、メルク社製isishapeペーストを用いた。この基板を、2%のKOHと2%のIPAを含む70℃の溶液で5分間化学エッチングした後に純水で洗浄し、乾燥させた。これにより、基板の受光面全面にはテクスチャ構造を、裏面には一部にテクスチャ構造(凹凸部)を、一部には平坦部を形成した。
上記凹凸部と平坦部を形成済みの基板の裏面に対して、BBrガス雰囲気中において、950℃の温度で30分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、基板の裏面にBSF層としてのp型拡散層とガラス層を形成した。ここで用意した基板表面の熱処理後のシート抵抗は、一面が約50Ω/□、ボロン濃度の最大値は1×1020atoms/cm、p層拡散深さは0.8μmであった。その後、前処理済み基板を、25%のフッ酸水溶液に浸漬した後、純水で洗浄し、乾燥させることで、ガラス層を除去した。
[実施例1]
比較例2と同様の方法で凹凸部と平坦部を形成済みの基板を準備した。そして凹凸部と平坦部を形成済みの基板を、酸素雰囲気中において、1000℃の温度で120分間の条件で熱酸化することにより、基板の両面に酸化シリコン膜を厚さ700 Åで形成した。その酸化シリコン膜形成済み基板の裏面に対して、BBrガス雰囲気中において、1100℃の温度で50分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、基板裏面の凹凸部に高濃度BSF層としての高濃度p型拡散層とガラス層を、平坦部に低濃度BSF層としての低濃度p型拡散層とガラス層を、それぞれ形成した。ここで用意した基板裏面の凹凸部のシート抵抗は、約30Ω/□、ボロン濃度の最大値は1×1020atoms/cm、p層の拡散深さは1.3μmであり、基板裏面の平坦部のシート抵抗は、約100Ω/□、ボロン濃度の最大値は6×1019atoms/cm、p層の拡散深さは0.6μmであった。その後、基板を、25%のフッ酸水溶液に浸漬した後、純水で洗浄し、乾燥させることで、ガラス層及び酸化シリコン膜を除去した。
[実施例2]
比較例2と同様の方法で凹凸部と平坦部を形成済みの基板を準備した。そして、上記凹凸部と平坦部を形成済みの基板を、酸素雰囲気中において、1000℃の温度で120分間の条件で熱酸化することにより、基板の両面に酸化シリコン膜を厚さ700 Åで形成した。その酸化シリコン膜形成済み基板の裏面に対して、5wt%のホウ酸含有水溶液をスピン塗布し、100℃の温度で加熱して乾燥させることで、裏面の凹凸部及び平坦部の酸化シリコン膜の上にホウ素を付着させた。その後、基板を1100℃の温度で50分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、基板裏面の凹凸部に高濃度BSF層としての高濃度p型拡散層とガラス層を、平坦部に低濃度BSF層としての低濃度p型拡散層とガラス層を、それぞれ形成した。ここで用意した基板裏面の凹凸部のシート抵抗は、約30Ω/□、ボロン濃度の最大値は1×1020atoms/cm、p層の拡散深さは1.3μmであり、基板裏面の平坦部のシート抵抗は、約100Ω/□、ボロン濃度の最大値は6×1019atoms/cm、p層の拡散深さは0.6μmであった。その後、基板を、25%のフッ酸水溶液に浸漬した後、純水で洗浄し、乾燥させることで、ガラス層及び酸化シリコン膜を除去した。
更に、上記比較例1及び比較例2、実施例1及び実施例2のp型拡散層形成済みの基板の受光面に対して、POClガス雰囲気中において、900℃の温度で20分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、基板の受光面にn型拡散層とガラス層を形成した。ここで用意した基板受光面の熱処理後のシート抵抗は、一面が約60Ω/□、リン濃度の最大値は7×1019atoms/cm、n層の拡散深さは0.4μmであった。その後、基板を25%のフッ酸水溶液に浸漬した後、純水で洗浄し、乾燥させることで、ガラス層を除去した。
続いて、SiHとNH、Nを用いたプラズマCVD法により、基板の受光面及び裏面上に、反射防止膜兼パッシベーション膜となるSiNを厚さ1000 Åで形成した。
次に、ここまでの処理を施した基板の裏面に、スクリーン印刷法を用いて、導電性銀ペーストを印刷し、150℃で乾燥させた。この場合、比較例2、実施例1及び実施例2の基板の裏面には、凹凸部と平坦部が形成されているので、凹凸部の上に導電性銀ペーストを印刷した。更に、基板の受光面に、スクリーン印刷法を用いて、導電性銀ペーストを印刷し、150℃で乾燥させた。ここで導電性銀ペーストとしては、Heraeus社製SOL9383Mを用いた。その後、前処理済み基板を、最高温度800℃で5秒間導電性ペーストを焼成して、太陽電池セルを作製した。
表1に、上記の比較例1と比較例2、実施例1及び実施例2の方法で、それぞれ50枚ずつの太陽電池セルを作製した際の、太陽電池セルの平均変換効率を示す。
Figure 2017050402
表1に示すように、本発明による実施例を用いることで、比較例と比較すると、太陽電池セルの平均変換効率を高めることができる。高品質なPR構造を容易かつ安価に形成することができ、太陽電池セルの高効率化とコスト削減に極めて有効である。
また、前述のとおり、本発明は、受光面には電極が形成されていない、裏面電極型太陽電池セルの高効率化とコスト削減にも適用することができる。以下に本発明の裏面電極型太陽電池セルへの適用について、比較例3及び実施例3を、それぞれ図7、図8を参照しつつ具体的に説明する。
[比較例3]
まず、リンがドープされ、厚さ0.2mmにスライスして作製された比抵抗が約2Ω・cmのn型の単結晶シリコンからなるn型シリコン基板401に外径加工を行うことによって、一辺15cmの正方形の板状とした(図7(a))。そして、この基板401をフッ硝酸溶液中に15秒間浸漬させてダメージエッチし、さらに2%のKOHと2%のIPAを含む70℃の溶液で5分間化学エッチングした後に純水で洗浄し、乾燥させることで、基板の両面にテクスチャ構造を形成した(図7(b))。
上記テクスチャ形成済み基板の裏面に対して、BBrガス雰囲気中において、950℃の温度で30分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、基板の裏面にp型拡散層404とガラス層を形成した(図7(c))。ここで用意した基板表面の熱処理後のシート抵抗は、一面が約50Ω/□、ボロン濃度の最大値は1×1020atoms/cm、p層拡散深さは0.8μmであった。その後、前処理済み基板を、25%のフッ酸水溶液に浸漬した後、純水で洗浄し、乾燥させることで、ガラス層を除去した。前記処理済み基板を、酸素雰囲気中において、1000℃の温度で120分間の条件で熱酸化することにより、基板の両面に酸化シリコン膜410を厚さ700 Åで形成した(図7(d))。その酸化シリコン膜形成済み基板の裏面に対して、シリコンエッチングペーストを部分的にスクリーン印刷して、100℃の温度で加熱して乾燥させることで、裏面の一部の酸化シリコン膜及びp型拡散層及び凹凸を除去して平坦化した(図7(e))。ここで、シリコンエッチングペーストとしては、メルク社製isishapeペーストを用いた。この基板を純水で洗浄し、乾燥させた後、POClガス雰囲気中において、950℃の温度で60分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、前記の酸化シリコン膜及びp型拡散層及び凹凸除去箇所に、n型拡散層402とガラス層を形成した(図7(f))。ここで形成したn型拡散層のシート抵抗は約30Ω/□、リン濃度の最大値は1.2×1020atoms/cm、n層の拡散深さは0.8μmであった。その後、基板を25%のフッ酸水溶液に浸漬した後、純水で洗浄し、乾燥させることで、ガラス層及び酸化シリコン膜410を除去した(図7(g))。
[実施例3]
比較例3と同様の方法(図7(a)及び(b)で基板501の両面にテクスチャ構造を形成した。そして、上記テクスチャ形成済み基板501の裏面に対して、シリコンエッチングペーストを部分的にスクリーン印刷して、100℃の温度で加熱して乾燥させることで、裏面の一部凹凸を除去して平坦化した(図8(a))。ここで、シリコンエッチングペーストとしては、メルク社製isishapeペーストを用いた。この基板を純水で洗浄し、乾燥させた後、酸素雰囲気中において、1000℃の温度で120分間の条件で熱酸化することにより、基板の両面に酸化シリコン膜511を厚さ700 Åで形成した(図8(b))。その酸化シリコン膜形成済み基板の裏面に対して、5wt%のホウ酸含有水溶液をスピン塗布し、100℃の温度で加熱して乾燥させることで、裏面の凹凸部及び平坦部の酸化シリコン膜の上にホウ素を付着させた。その後、基板501を1100℃の温度で50分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、基板裏面の凹凸部に高濃度BSF層としての高濃度p型拡散層508とガラス層を、平坦部に低濃度BSF層としての低濃度p型拡散層504とガラス層を、それぞれ形成した(図8(c))。ここで用意した基板裏面の凹凸部のシート抵抗は、約30Ω/□、ボロン濃度の最大値は1×1020atoms/cm、p層の拡散深さは1.3μmであり、基板裏面の平坦部のシート抵抗は、約100Ω/□、ボロン濃度の最大値は6×1019atoms/cm、p層の拡散深さは0.6μmであった。その基板の裏面の平坦部に対して、シリコンエッチングペーストを部分的にスクリーン印刷して、100℃の温度で加熱して乾燥させることで、裏面の一部の酸化シリコン膜511及びp型拡散層504及びガラス層を除去した(図8(d))。ここで、シリコンエッチングペーストとしては、メルク社製isishapeペーストを用いた。この基板を純水で洗浄し、乾燥させた後、POClガス雰囲気中において、950℃の温度で60分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、前記の酸化シリコン膜及びp型拡散層及びガラス層除去箇所に、n型拡散層502とガラス層を形成した(図8(e))。ここで形成したn型拡散層502のシート抵抗は約30Ω/□、リン濃度の最大値は1.2×1020atoms/cm、n層の拡散深さは0.8μmであった。その後、基板を25%のフッ酸水溶液に浸漬した後、純水で洗浄し、乾燥させることで、ガラス層及び酸化シリコン膜511を除去した(図8(f))。
続いて、比較例3または実施例3の方法で処理した基板(401、501)の受光面及び裏面上に、SiHとNH、Nを用いたプラズマCVD法により、反射防止膜兼パッシベーション膜となるSiNを厚さ1000 Åで形成した。
次に、ここまでの処理を施した基板の裏面のp型拡散層形成箇所及びn型拡散層形成箇所に、スクリーン印刷法を用いて、導電性銀ペーストを印刷し、150℃で乾燥させた。実施例3のp型拡散層においては、凹凸が形成された高濃度p型拡散層の上に導電性銀ペーストを印刷した。ここで導電性銀ペーストとしては、Heraeus社製SOL9383Mを用いた。その後、前処理済み基板を、最高温度800℃で5秒間導電性ペーストを焼成して、太陽電池セルを作製した。
表2に、上記の比較例3と実施例3の方法で、それぞれ50枚ずつの太陽電池セルを作製した際の、太陽電池セルの平均変換効率を示す。
Figure 2017050402
表2に示すように、本発明による実施例を用いることで、比較例と比較すると、太陽電池セルの平均変換効率を高めることができる。太陽電池セルの高効率化とコスト削減に極めて有効である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
101,201,301,401,501 半導体基板
102,202,302,402,502 エミッタ層
103,203,206,303,306 反射防止膜兼パッシベーション膜
104,204,404 BSF層
304,504 低濃度BSF層
308,508 高濃度BSF層
105,106,205,207,305,307 電極

Claims (7)

  1. 半導体基板を用いた拡散層及び電極を有する太陽電池セルであって、
    前記半導体基板は、第一の主表面に凹凸部と平坦部をそれぞれ有しており、
    前記凹凸部には、第一の不純物拡散層が形成されており、
    前記平坦部には前記第一の不純物拡散層と導電型が同じで不純物表面濃度が前記第一の不純物拡散層の不純物表面濃度より低い第二の不純物拡散層が形成されており、
    少なくとも前記凹凸部上に電極を有することを特徴とする、太陽電池セル。
  2. 前記第一の不純物拡散層の不純物濃度の最大値が1×1018atoms/cm以上5×1020atoms/cm以下であり、前記第二の不純物拡散層の不純物濃度の最大値が1×1015atoms/cm以上2×1020atoms/cm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池セル。
  3. 前記第一の不純物拡散層及び前記第二の不純物拡散層を形成する不純物がホウ素であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の太陽電池セル。
  4. 半導体基板の第一の主表面に、凹凸部と平坦部をそれぞれ有する太陽電池セルの製造方法にであって、
    前記凹凸部と前記平坦部上に酸化シリコン膜を形成する工程と、
    前記酸化シリコン膜の上から不純物拡散を行うことで、前記凹凸部には第一の不純物拡散層を形成し、前記平坦部には前記第一の不純物拡散層と導電型が同じで不純物表面濃度が前記第一の不純物拡散層の不純物表面濃度より低い第二の不純物拡散層を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする、太陽電池セルの製造方法。
  5. 前記酸化シリコン膜の膜厚が20nm以上300nm以下であることを特徴とする、請求項4に記載の太陽電池セルの製造方法。
  6. 前記不純物拡散が、前記酸化シリコン膜の上に不純物含有溶液を塗布してから熱処理することによってなることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の太陽電池セルの製造方法。
  7. 前記酸化シリコン膜の上からホウ素含有材料を塗布してから熱処理することを特徴とする、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の太陽電池セルの製造方法。
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