JP2017044766A - プロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】固体光源を用いたプロジェクターにおいて、被投射面上での色ムラを抑える。
【解決手段】本発明のプロジェクター1は、第1の色光を射出する固体光源を含む第1の光源装置30と、第1の光源装置からの光を画像情報に応じて変調して画像光を生成する光変調装置400R,400G,400Bと、光変調装置の後段に設けられた位相差素子20と、画像光を投射する投射光学系600と、を備える。位相差素子20の光学軸は、位相差素子に入射する第1の色光の光軸と直交する面に対して傾斜している。
【選択図】図1

Description

本発明は、プロジェクターに関する。
下記の特許文献1には、光源からの光を変調するライトバルブと、ライトバルブにより変調された光を透過型スクリーンに投射する投射レンズと、透過型スクリーンに投射される光の偏光状態を擬似的に無偏光にする偏光変換部材と、を備えた投射型表示装置が開示されている。この投射型表示装置において、偏光変換部材を構成する位相板は、投射レンズの光射出側に設けられている。特許文献1には、投射レンズから射出された光が位相板により擬似的に無偏光状態となることによって、スクリーン上での色ムラが改善される、と記載されている。
特開2005−321544号公報
特許文献1の投射型表示装置では、光源として放電灯の使用を想定している。スクリーン上の色むらを改善する手法として、スペクトルの広い光を射出する放電灯を備えたプロジェクターに対しては、上記の技術が有効であったとしても、スペクトルの狭い光を射出するレーザー光源等の固体光源を備えたプロジェクターに対しては、上記の技術は有効ではない。
本発明の一つの態様は、上記の課題を解決するためになされたものであり、固体光源を用いたプロジェクターにおいて、被投射面上での色ムラを抑えることを目的の一つとする。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの態様のプロジェクターは、第1の色光を射出する固体光源を含む第1の光源装置と、前記第1の光源装置からの光を画像情報に応じて変調して画像光を生成する光変調装置と、前記光変調装置の後段に設けられた位相差素子と、前記画像光を投射する投射光学系と、を備え、前記位相差素子の光学軸は、前記位相差素子に入射する前記第1の色光の光軸と直交する面に対して傾斜している。
プロジェクターにおいて、画像光はある程度発散する光からなっている。本発明の一つの態様のプロジェクターにおいては、光変調装置の後段に設けられた位相差素子の光学軸が、位相差素子に入射する第1の色光の光軸と直交する面に対して傾斜している。そのため、光学軸が前記面に対して傾斜していない場合に比べて、位相差素子通過後の光の偏光状態の入射角依存性が大きい。したがって、例えば一定の方向に偏光した偏光成分を位相差素子に入射させた場合、入射角に応じて異なる偏光状態の複数の偏光成分が混在した光が位相差素子から射出され、被投射面上に結像される。これにより、被投射面上での色ムラを低減することができる。
本発明の一つの態様のプロジェクターにおいて、前記位相差素子を透過した前記第1の色光は、第1の方向に偏光した第1偏光成分と、前記第1の方向と直交する第2の方向に偏光した第2偏光成分と、を含み、前記位相差素子を透過した後の前記第1偏光成分と前記第2偏光成分との比率は、前記位相差素子に入射する前の前記第1偏光成分と前記第2偏光成分との比率よりも1に近い構成であってもよい。
この構成によれば、位相差素子を通過した後の第1の色光は、位相差素子を通過する前に比べて、第1偏光成分と第2偏光成分とが1に近い比率で混在した状態となる。これにより、被投射面上での色ムラを効果的に低減することができる。
本発明の一つの態様のプロジェクターにおいて、前記光学軸の前記面に対する傾斜角は、20°以上、55°以下であることが望ましい。
この構成によれば、色ムラを実用上充分なレベルまで低減することができる。
本発明の一つの態様のプロジェクターは、前記第1の色光とは異なる第2の色光を射出する第2の光源装置をさらに備え、前記第2の色光は、第1の波長の成分と第2の波長の成分とを含み、前記第1の波長をλ1とし、前記第2の波長をλ2とし、前記第1の波長に対する位相差をRe(λ1)とし、前記第2の波長に対する位相差をRe(λ2)としたとき、以下の式(1)を満足するようにしてもよい。
Re(λ1)−Re(λ2)>λ2/2 …(1)
この構成によれば、式(1)を満足しない場合に比べて、位相差素子の位相差の波長依存性が大きくなる。これにより、異なる波長にわたって様々な偏光状態が混在した光が位相差素子から射出されるため、被投射面上での色ムラをより効果的に低減することができる。
本発明の一実施形態のプロジェクターの概略構成図である。 位相差素子の光学軸の配置を示す図である。 シミュレーションのモデルを示す図である。 従来の位相差素子を用いた場合の光の偏光状態のシミュレーション結果を示す図である。 本実施形態の位相差素子を用いた場合の光の偏光状態のシミュレーション結果を示す図である。 光学軸の傾斜角と色ムラとの関係を示すグラフである。 ランプを用いた場合の位相差素子通過後のS偏光成分およびP偏光成分の光量の波長依存性を示す図である。 レーザー光源を用いた場合の位相差素子通過後のS偏光成分およびP偏光成分の光量の波長依存性を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図8を用いて説明する。
本実施形態のプロジェクターは、3つの液晶ライトバルブからなる光変調装置を備えた液晶プロジェクターの例である。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
以下の図面を用いた説明においては、XYZ直交座標系を設定し、XYZ直交座標系を参照しつつ各部材について説明する。
照明光軸100axは、照明装置100から色分離導光光学系200に向けて射出される光の光軸とする。照明光軸100axと平行な方向をY軸とする。
図1に示すように、プロジェクター1は、照明装置100と、色分離導光光学系200と、光変調装置400Rと、光変調装置400Gと、光変調装置400Bと、クロスダイクロイックプリズム500と、投射光学系600と、を備える。
照明装置100は、第1の光源装置30と、集光光学系40と、第2の光源装置10と、コリメート光学系60と、インテグレーター光学系110と、偏光変換素子120と、重畳レンズ130と、がこの順に配置された構成を有する。
第1の光源装置30は、後述する第2の光源装置10の蛍光体層11を励起させるための励起光を射出する。第1の光源装置30は、複数のレーザー光源31から構成される。レーザー光源31は、励起光として、所定の波長域を有する青色光BLを射出する。青色光BLの強度のピーク波長は、例えば445nmである。
第1の光源装置30は、複数のレーザー光源31を備える構成であってもよいし、一つのレーザー光源31を備える構成であってもよい。後述する蛍光体層11を励起させることができる波長の光であれば、445nm以外の強度ピーク波長を有する色光を射出するレーザー光源であってもよい。
本実施形態のレーザー光源31は、特許請求の範囲の固体光源に対応する。本実施形態の青色光BLは、特許請求の範囲の第1の色光に対応する。
集光光学系40は、複数の第1レンズ42と、1つの第2レンズ44と、を備えている。一つの第1レンズ42は、一つのレーザー光源31に対応して設けられている。第1レンズ42および第2レンズ44は、ともに凸レンズで構成される。レーザー光源31から射出された光は、第1レンズ42を透過する。複数の第1レンズ42を透過した複数の光は、第2レンズ44を透過する。集光光学系40は、第1の光源装置30から射出される青色光BLの光軸上に配置され、複数のレーザー光源31から射出された青色光BLを蛍光体層11に向けて集光する。
第2の光源装置10は、蛍光体ホイールから構成されている。蛍光体ホイールは、第1の光源装置30から射出された青色光BLの一部を透過させ、残りの青色光BLを黄色の蛍光に変換する機能を有する。蛍光体ホイールは、蛍光体層11を備える。蛍光体層11は、上記残りの青色光BLを吸収し、赤色光および緑色光を含む黄色の蛍光YLを射出する。蛍光YLの強度のピーク波長は、例えば550nmである。蛍光体層11を透過した青色光BL1と、蛍光体層11で発生した黄色の蛍光YLと、が合成されることによって、第2の光源装置10から白色の照明光WLが射出される。
本実施形態の黄色の蛍光YLは、特許請求の範囲の第2の色光に対応する。
コリメート光学系60は、第1レンズ62と、第2レンズ64と、を備える。第1レンズ62は、第2の光源装置10から射出される照明光WLの広がりを抑える。第2レンズ64は、第1レンズ62から入射される光を略平行化する。第1レンズ62は、第2の光源装置10に近接した位置に配置され、第2の光源装置10から射出された照明光WLを取り込む。コリメート光学系60は、第2の光源装置10から射出された照明光WLを略平行化して、インテグレーター光学系110に入射させる。
インテグレーター光学系110は、第1レンズアレイ111と、第2レンズアレイ112と、を備える。第1レンズアレイ111は、マトリクス状に配置された複数のレンズを備える。第2レンズアレイ112は、第1レンズアレイ111の複数のレンズに対応し、マトリクス状に配置された複数のレンズを備える。第1レンズアレイ111は、コリメート光学系60からの照明光WLを複数の光束に分割する。第2レンズアレイ112は、第1レンズアレイ111から射出された光束を所定の発散角で射出する。
偏光変換素子120は、偏光ビームスプリッター(PBS)と、ミラーと、位相差板を備える。偏光変換素子120は、非偏光を一方向に偏光した直線偏光に変換する。
重畳レンズ130は、偏光変換素子120から射出された複数の光束を、光変調装置400R、光変調装置400G、および光変調装置400Bの各々の被照明領域において互いに重畳させる。
色分離導光光学系200は、ダイクロイックミラー210と、ダイクロイックミラー220と、反射ミラー230と、反射ミラー240と、反射ミラー250と、リレーレンズ260と、リレーレンズ270と、を備える。色分離導光光学系200は、照明装置100からの光を赤色光Rと緑色光Gと青色光Bとに分離し、赤色光R、緑色光Gおよび青色光Bの各色光をそれぞれの照明対象である光変調装置400R、光変調装置400G、および光変調装置400Bに導く。色分離導光光学系200と光変調装置400Rとの間、色分離導光光学系200と光変調装置400Gとの間、および色分離導光光学系200と光変調装置400Bとの間に、集光レンズ300R、集光レンズ300G、集光レンズ300Bがそれぞれ配置されている。
ダイクロイックミラー210は、赤色光Rを透過し、緑色光Gおよび青色光Bを反射する。ダイクロイックミラー220は、ダイクロイックミラー210で反射した緑色光Gおよび青色光Bのうち、緑色光Gを反射して、青色光Bを透過させる。
反射ミラー230は、ダイクロイックミラー210を透過した赤色光Rを反射する。反射ミラー240および反射ミラー250は、ダイクロイックミラー220を透過した青色光Bを反射する。
ダイクロイックミラー210を透過した赤色光Rは、反射ミラー230で反射され、集光レンズ300Rを透過して赤色光用の光変調装置400Rの画像形成領域に入射する。ダイクロイックミラー210で反射された緑色光Gは、ダイクロイックミラー220でさらに反射され、集光レンズ300Gを透過して緑色光用の光変調装置400Gの画像形成領域に入射する。ダイクロイックミラー220を透過した青色光Bは、リレーレンズ260、反射ミラー240、リレーレンズ270、反射ミラー250、集光レンズ300Bを経て青色光用の光変調装置400Bの画像形成領域に入射する。
光変調装置400R、光変調装置400Gおよび光変調装置400Bは、入射された色光を画像情報に応じて変調して、それぞれ、赤色光Rに対応した画像光、緑色光Gに対応した画像光、青色光Bに対応した画像光を形成する。光変調装置400R、光変調装置400Gおよび光変調装置400Bは、照明装置100の照明対象である。
例えば、光変調装置400R、光変調装置400Gおよび光変調装置400Bの各々は、一対の透明基板間に液晶を封入した透過型の液晶パネルで構成される。液晶パネルの入射側および射出側には、一対の偏光板(図示せず)が配置されている。
クロスダイクロイックプリズム500は、赤色光Rに対応した画像光、緑色光Gに対応した画像光、および青色光Bに対応した画像光を合成する光学素子である。
クロスダイクロイックプリズム500によって合成された画像光は、投射光学系600によって拡大投射され、スクリーンSCR上で画像を形成する。
投射光学系600は、複数のレンズから構成されている。
位相差素子20は、光変調装置400R、光変調装置400Gおよび光変調装置400Bの後段に設けられている。具体的には、位相差素子20は、クロスダイクロイックプリズム500と投射光学系600との間に設けられている。位相差素子20は、例えば水晶、サファイア等の複屈折材料の板体から構成されている。
第2の光源装置10から射出される黄色の蛍光YLのスペクトルにおいて、任意の第1の波長をλ1とし、第1の波長と異なる任意の第2の波長をλ2とし、第1の波長に対する位相差素子20の位相差をRe(λ1)とし、第2の波長に対する位相差素子20の位相差をRe(λ2)とする。このとき、位相差素子20は以下の式(1)を満足することが望ましい。
Re(λ1)−Re(λ2)>λ2/2 …(1)
図2に示すように、位相差素子20の光学軸Fは、位相差素子20へ入射する直前の青色光Bの光軸AX1と直交する面Hに対して傾斜している。なお、光軸AX1はY軸と平行である。位相差素子20の光入射端面20aと光射出端面20bは、光軸AX1と直交している。位相差素子の光学軸Fの方位角は、位相差素子20へ入射する直前の青色光Bの偏光方向を基準として、45°である。なお、方位角は、光軸AX1の方向から見た光学軸Fの角度である。
一般に、画像光が投射されるスクリーンの散乱特性は偏光依存性を有している。そのため、例えば青色光Bの偏光状態が特定の偏光状態に偏っていると、画像に色ムラが生じる場合がある。そこで、位相差素子を用いて青色光Bの偏光状態を乱し、青色光Bを様々な偏光成分が混在した光とすることにより、色ムラを改善する手法が考えられてきた。他の色光についても同様である。例えば水晶等、比較的大きい位相差を有する位相差素子を色合成後の光路上に配置すると、図7に示すように、位相差素子の波長依存性により、画像光に含まれるS偏光成分の光量(符号Sで示す)とP偏光成分の光量(符号Pで示す)との比率は、波長に応じて変化する。これにより、各色光をS偏光成分とP偏光成分とが混在した光とすることができる。
しかしながら、この手法は、青色光B、赤色光R、緑色光Gの各スペクトルが、ある程度広がった分布を持つことが前提である。そのため、図8に示したように、青色光Bがスペクトルの狭いレーザー光である場合、青色光Bは例えばP偏光成分の光量(符号Pで示す)に対してS偏光成分の光量(符号Sで示す)が圧倒的に多くなる場合がある。この場合、色ムラが生じる。位相差素子の位相差値を精度良く制御すれば、レーザー光からなる青色光Bにおいても、P偏光成分の光量をS偏光成分の光量に近づけることができる。ところが、この場合、レーザーの波長バラツキ、水晶の厚みバラツキ等に要求される公差が非常に厳しくなり、プロジェクターの量産性が低下する。
本実施形態の場合、図2に示すように、位相差素子20の光学軸Fが、位相差素子20に入射する直前の青色光Bの光軸AX1と直交する面に対して傾斜しているため、光の入射角の違いによる位相差の変化量を大きくすることができる。青色光B(画像光)はある程度発散する光からなっているため、位相差素子20を透過した光を様々な偏光成分が混在した光とすることができ、プロジェクターの量産性を低下させることなく、色ムラを改善することができる。
一般に、プロジェクターの光変調装置から射出される光は、例えば5°〜10°程度の角度分布を持っている。ここで、便宜上、位相差素子20の光学軸FがXY面と平行であるとする。また、XY面と平行に位相差素子20へ入射する光を考える。光が位相差素子20を透過することによって与えられる位相差は光の入射方向に依存する。光学軸FがX軸と平行な場合、位相差は、XY面においてY軸方向を中心として対称である。しかし、光学軸FがX軸から角度θだけ傾いている場合、位相差の対象中心はY軸からθだけ傾き、位相差はY軸方向に対して非対称となる。そのため、位相差の入射方向依存性は、光学軸FがX軸と平行な場合よりも光学軸FがX軸と平行でない場合の方が大きい。
本発明者は、位相差素子による光の偏光状態の変化と位相差素子の光学軸の傾斜角度との関係をシミュレーションによって調べた。シミュレーションのモデルを図3に示す。
図3に示すように、位相差素子20として、厚さtが0.992mmの水晶板を用いた。偏光方向がX軸に平行なP偏光成分LPのみからなる光を、その光軸が、XY面と平行な面においてY軸と−10°〜+10°の範囲の角θxをなし、YZ面と平行な面においてY軸と−10°〜+10°の範囲の角θzをなすように位相差素子20に入射させた。そして、位相差素子20を透過した後の光軸AX1に垂直な平面P上での偏光成分の分布を計算により求めた。
実施例として、光軸AX1に垂直な平面Hに対する光学軸Fの傾斜角度θが20°の位相差素子を用いた。比較例として、傾斜角度θが0°の位相差素子を用いた。
図4は、比較例の偏光状態の分布を示す。図5は、実施例の偏光状態の分布を示す。図4、図5ともに、縦軸はXY面と平行な面における入射角(°)(角θx)であり、横軸はYZ面と平行な面における入射角(°)(角θz)である。図中の横方向の線分MSは、Z軸方向に偏光しているS偏光成分LSを表し、図中の縦方向の線分MPは、X軸方向に偏光しているP偏光成分LPを表している。また、線分MSの長さはS偏光成分LSの強度を表し、線分MPの長さはP偏光成分LPの強度を表している。長さゼロの線分MSもしくは線分MPは、強度がゼロであることを意味する。
図4に示すように、比較例の場合、X軸方向、Z軸方向ともに入射角が±10°の近傍で、P偏光成分LPおよびS偏光成分LSが混在している箇所がわずかに認められるが、残りの多くの領域ではP偏光成分LPのみが存在している。すなわち、光が位相差素子を透過した後も、光全体としてP偏光成分LPに大きく偏ったままであり、光全体として偏光状態がそれ程変化していない。
これに対して、図5に示すように、実施例の場合、P偏光成分LPおよびS偏光成分LSが混在している光が得られる領域が比較例に比べて多い。位相差素子に入射する前の光におけるP偏光成分のS偏光成分に対する比率は無限大であるが、位相差素子を透過した後の光全体としての当該比率は有限の値を持ち、比較例よりも1に近い。
また、本発明者は、位相差素子の光学軸の傾斜角度と色ムラとの関係を検証するシミュレーションを行った。光学軸の傾斜角度θを0°〜90°の範囲内で変化させ、各傾斜角度θにおけるΔu’v’を計算により求めた。Δu’v’は、色度図上の黒体軌跡からの偏差であり、色ムラの程度を示す指標である。Δu’v’の値が大きい程、色ムラの程度が大きく、Δu’v’の値が小さい程、色ムラの程度が小さい。位相差素子の厚さは0.992mm、1mmの2種類で計算を行った。
図6は、位相差素子の光学軸の傾斜角度とΔu’v’との関係を示すグラフである。図6の横軸は、位相差素子の光学軸の傾斜角度(°)である。図6の縦軸は、Δu’v’である。
図6に示すように、位相差素子の厚さが0.992mmの場合と位相差素子の厚さが1mmの場合とで、Δu’v’の値はほとんど変わらない。一般に、Δu’v’の値が0.002未満になると、実用上色ムラがほとんど視認されなくなると言われている。したがって、図6のグラフから、色ムラを改善するためには位相差素子の光学軸の傾斜角度を20°〜55°の範囲とすることが望ましい。
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1は、位相差素子20へ入射する直前の青色光Bの光軸AX1と直交する面Hに対して傾斜した光学軸Fを有する位相差素子20を備えている。そのため、位相差素子20を透過した青色光Bは様々な偏光成分を含んでいる。さらに、位相差素子20が上記の式(1)を満足する場合には偏光状態の波長依存性が充分大きいため、赤色光Rおよび緑色光Gも様々な偏光成分を含んでいる。これらの作用により、スクリーンの偏光依存性に伴う画像の色ムラが低減されたプロジェクターを実現できる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記実施形態では、位相差素子がクロスダイクロイックプリズムの後段に設けられた例を示したが、位相差素子は光変調装置の後段に設けられていればよい。例えば位相差素子が光変調装置とクロスダイクロイックプリズムとの間に設けられていてもよい。その場合、最もスペクトルが狭い色光を変調する光変調装置とクロスダイクロイックプリズムとの間に設けることが好ましい。
上記実施形態では、透過型光変調装置を備えたプロジェクターに本発明を適用した例について説明したが、本発明は、反射型光変調装置を備えたプロジェクターに適用することも可能である。光変調装置は、液晶ライトバルブ等に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。また、上記実施形態では、3つの液晶ライトバルブを用いたプロジェクターの例を挙げたが、本発明は、1つの液晶ライトバルブのみを用いたプロジェクター、4つ以上の液晶ライトバルブを用いたプロジェクターにも適用可能である。その他、プロジェクターの各構成要素の形状、寸法、数、配置、材料等に関しては、適宜変更が可能である。
1…プロジェクター、20…位相差素子、30…第1の光源装置、31…レーザー光源(固体光源)、400B,400G,400R…光変調装置、600…投射光学系。

Claims (4)

  1. 第1の色光を射出する固体光源を含む第1の光源装置と、
    前記第1の光源装置からの光を画像情報に応じて変調して画像光を生成する光変調装置と、
    前記光変調装置の後段に設けられた位相差素子と、
    前記画像光を投射する投射光学系と、を備え、
    前記位相差素子の光学軸は、前記位相差素子に入射する前記第1の色光の光軸と直交する面に対して傾斜している、プロジェクター。
  2. 前記位相差素子を透過した前記第1の色光は、第1の方向に偏光した第1偏光成分と、前記第1の方向と直交する第2の方向に偏光した第2偏光成分と、を含み、
    前記位相差素子を透過した後の前記第1偏光成分と前記第2偏光成分との比率は、前記位相差素子に入射する前の前記第1偏光成分と前記第2偏光成分との比率よりも1に近い、請求項1に記載のプロジェクター。
  3. 前記光学軸の前記面に対する傾斜角は、20°以上、55°以下である、請求項1または請求項2に記載のプロジェクター。
  4. 前記第1の色光とは異なる第2の色光を射出する第2の光源装置を備え、
    前記第2の色光は、第1の波長の成分と第2の波長の成分とを含み、
    前記第1の波長をλ1とし、前記第2の波長をλ2とし、前記第1の波長に対する位相差をRe(λ1)とし、前記第2の波長に対する位相差をRe(λ2)としたとき、以下の式(1)を満足する、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のプロジェクター。
    Re(λ1)−Re(λ2)>λ2/2 …(1)
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WO2019116634A1 (ja) 2017-12-14 2019-06-20 日東電工株式会社 プロジェクターおよび該プロジェクターに用いられる光学部材

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