JP2017043847A - 合金材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、軽量でかつ熱電特性の高いp型の熱電材料を容易に提供することにある。【解決手段】構成元素としてマグネシウム、カルシウム及びシリコンを有する合金であって、当該合金を構成する元素の原子比が、マグネシウム、カルシウム及びシリコンの含有量をそれぞれMg、Ca及びSiとしたときに0atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦70atm%20atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦60atm%であり、当該合金中の含有酸素量が10atm%以下であることを特徴とする合金。【選択図】図1
Description
熱エネルギーと電気エネルギーとの相互変換が可能な素子として熱電変換素子が知られている。この熱電変換素子は、p型及びn型の二種類の熱電変換材料(熱電材料)を用いて構成されており、この二種類の熱電材料を電気的に直列に接続し、熱的に並列に配置した構成とされている。この熱電変換素子は、両端子間に電圧を印加すれば、正孔の移動及び電子の移動が起こり、両面間に温度差が発生する(ペルチェ効果)。また、この熱電変換素子は、両面間に温度差を与えれば、やはり正孔の移動及び電子の移動が起こり、両端子間に起電力が発生する(ゼーベック効果)。このため、ペルチェ効果を利用したパーソナルコンピュータのCPU、冷蔵庫、カーエアコン等の冷却用の素子としての検討、ゼーベック効果を利用したごみ焼却炉等から生ずる廃熱を利用した発電装置用の素子としての検討が進められている。特に、自動車のエンジンの廃熱量は無視できないほど多量であるため、エンジンの廃熱を利用して発電することも考えられており、その温度域は数百度と言われている。
従来、熱電変換素子を構成する熱電材料として、Bi2Te3が主に実用化されており、Bi−Te系の材料でn型の熱電材料を形成する際には一般にSeが添加される。しかし、これらの熱電材料を構成する元素のBi、Te及びSeは毒性が強いため、環境汚染のおそれがある。そのため、環境負荷の少ない、即ち毒性を有しない熱電材料が望まれている。また、Bi−Te系の材料は100℃程度での利用が主であり、自動車の排熱利用に対しては適していない。さらには、自動車の廃熱回収に使用するには軽量で資源的に豊富な材料が望まれている。
無毒で高性能のn型の中温用熱電材料としてMg2Siが知られている(例えば、特許文献1参照)。同族元素を用いたp型の熱電材料としてMg2SiとCaMgSiの混合物が提案されているが(例えば、特許文献2参照)、400℃におけるゼーベック係数は60μV/K以下と小さく、実用に耐えうる熱電特性を得られていない。また、MgやCaは低温で揮発しやすく、容易に指定の組成のCa−Mg−Si組成の材料を得ることが困難であった。さらには、どの結晶相が存在することで熱電特性が向上するか明らかになっていなかった。
本発明の目的は、軽量でかつ熱電特性の高いp型の熱電材料を容易に提供することにある。
このような背景に鑑み、本発明者らは鋭意検討を重ねた。その結果、Mg−Ca−Siの組成を最適化する事で高いゼーベック係数を持つ熱電材料を作製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の態様は以下の通りである。
(1)構成元素としてマグネシウム、カルシウム及びシリコンを有する合金であって、当該合金を構成する元素の原子比が、マグネシウム、カルシウム及びシリコンの含有量をそれぞれMg、Ca及びSiとしたときに
0atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%
10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦70atm%
20atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦60atm%
であり、当該合金中の含有酸素量が10atm%以下であることを特徴とする合金。
(2)CaMgSi相、CaMg2相、Ca2Si相、Ca5Si3相からなる群の少なくとも一つの結晶相を含む(1)に記載の合金。
(3)CaMgSi相と、CaMg2相又はCa5Si3相の少なくともいずれかを含む(1)又は(2)に記載の合金。
(4)CaMgSi相とCa5Si3相を含む(1)乃至(3)いずれかに記載の合金。
(5)CaMgSi相を主相として含み、CaMgSi相(211)面に起因する回折ピークの回折角が低角側に0.05°以上シフトしている(1)乃至(4)いずれかに記載の合金。
(6)かさ密度が1.2g/cm3以上2.1g/cm3以下である(1)乃至(5)いずれかに記載の合金。
(7)半導体特性としてp型を示すことを特徴とする(1)乃至(6)いずれかに記載の合金。
(8)マグネシウム、カルシウム及びシリコンから合金を合成する工程と、前記合金を600℃〜1100℃でホットプレス処理する工程とを含む(1)乃至(7)いずれかに記載の合金の製造方法。
(9)ホットプレス工程において、少なくともCa5Si3相を含む合金をホットプレス処理する(8)に記載の製造方法。
(10)ホットプレス工程において、CaMgSi相とCaMg2相を含む合金をホットプレス処理する(8)又は(9)に記載の製造方法。
(11)(7)に記載の合金とn型半導体とを接合させる構造を有する熱電変換素子。
(12)n型半導体の主相がMg2Siであることを特徴とする(11)に記載の熱電変換素子。
(1)構成元素としてマグネシウム、カルシウム及びシリコンを有する合金であって、当該合金を構成する元素の原子比が、マグネシウム、カルシウム及びシリコンの含有量をそれぞれMg、Ca及びSiとしたときに
0atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%
10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦70atm%
20atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦60atm%
であり、当該合金中の含有酸素量が10atm%以下であることを特徴とする合金。
(2)CaMgSi相、CaMg2相、Ca2Si相、Ca5Si3相からなる群の少なくとも一つの結晶相を含む(1)に記載の合金。
(3)CaMgSi相と、CaMg2相又はCa5Si3相の少なくともいずれかを含む(1)又は(2)に記載の合金。
(4)CaMgSi相とCa5Si3相を含む(1)乃至(3)いずれかに記載の合金。
(5)CaMgSi相を主相として含み、CaMgSi相(211)面に起因する回折ピークの回折角が低角側に0.05°以上シフトしている(1)乃至(4)いずれかに記載の合金。
(6)かさ密度が1.2g/cm3以上2.1g/cm3以下である(1)乃至(5)いずれかに記載の合金。
(7)半導体特性としてp型を示すことを特徴とする(1)乃至(6)いずれかに記載の合金。
(8)マグネシウム、カルシウム及びシリコンから合金を合成する工程と、前記合金を600℃〜1100℃でホットプレス処理する工程とを含む(1)乃至(7)いずれかに記載の合金の製造方法。
(9)ホットプレス工程において、少なくともCa5Si3相を含む合金をホットプレス処理する(8)に記載の製造方法。
(10)ホットプレス工程において、CaMgSi相とCaMg2相を含む合金をホットプレス処理する(8)又は(9)に記載の製造方法。
(11)(7)に記載の合金とn型半導体とを接合させる構造を有する熱電変換素子。
(12)n型半導体の主相がMg2Siであることを特徴とする(11)に記載の熱電変換素子。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明は、構成元素としてマグネシウム、カルシウム及びシリコンを有する合金であって、当該合金を構成する元素の原子比が、マグネシウム、カルシウム及びシリコンの含有量をそれぞれMg、Ca及びSiとしたときに
0atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%
10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦70atm%
20atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦60atm%
であり、当該合金中の含有酸素量が10atm%以下であることを特徴とする合金に関するものである。
0atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%
10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦70atm%
20atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦60atm%
であり、当該合金中の含有酸素量が10atm%以下であることを特徴とする合金に関するものである。
ここでの合金とは溶融体、成型体、焼結体等に代表されるバルク体形状、粉末形状、膜形状などその形状を問わない。後述の製法において、アーク溶解により得られる合金を溶融体、ホットプレス等の方法で焼結した合金を焼結体と読み替えることができる。特に、バルク体における組成、結晶相がより均一になり、安定した性能を発揮するため、ホットプレスにより得られる焼結体が好ましい。
本発明は、構成元素としてマグネシウム、カルシウム及びシリコンを有する合金に関するものであり、当該合金を構成する元素の原子比が、マグネシウム、カルシウム及びシリコンの含有量をそれぞれMg、Ca及びSiとしたときに
0atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%
10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦70atm%
20atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦60atm%
であることを特徴とし、
10atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%
10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦50atm%
20atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦50atm%
であることが好ましい。
0atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%
10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦70atm%
20atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦60atm%
であることを特徴とし、
10atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%
10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦50atm%
20atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦50atm%
であることが好ましい。
さらに好ましくは
20atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%
30atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦50atm%
16atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦33atm%
であり、さらに好ましくは
20atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%
30atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦50atm%
20atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦30atm%
である。
20atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%
30atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦50atm%
16atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦33atm%
であり、さらに好ましくは
20atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%
30atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦50atm%
20atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦30atm%
である。
マグネシウムの含有量が50atm%以上となる場合、合金組成が安定しないために、緻密な材料を作製することが困難である。マグネシウムを一定量含有させることで、部分的に熱電特性が良好なMgCaSi相を生成することで熱電特性を向上させることが可能となるため、マグネシウムの含有量は10atm%以上であることが好ましく、20atm%以上であることがさらに好ましい。
また、カルシウムが70atm%より多く存在すると、カルシウムが単離し酸化しやすくなるため、バルクを形成する際に悪影響を与える。一方、カルシウムの含有量は30atm%以上であることが好ましい。これにより、合金が含む二珪化カルシウム(CaSi2)や珪化カルシウム(CaSi)の結晶相の比率が低下し、本発明の合金がより顕著に半導体特性を示す。
本発明の合金のCa/Si原子量比は1より大きいことが好ましい。これにより合金が含むCa7Mg7.25Si14結晶相の比率が低下し、本発明の合金がより高いゼーベック係数を示す。
また、シリコンの含有量が20atm%未満の場合、マグネシウムもしくはカルシウムが単離しやすくなり、酸化され、酸素がより含有しやすくなることで、バルクの性状を維持できなくなる。また、シリコンの含有量が60atm%よりも多くなると、材料中の二珪化カルシウム(CaSi2)や珪化カルシウム(CaSi)が増加することで、半導体から導電体へ変化し、熱電特性を失う。さらに好ましくは30atm%以下である。そうすることでCa7Mg7.25Si14の生成を抑制することができる。
マグネシウム、カルシウム及びシリコン以外の金属は合成の容易さの観点から、少ないことが好ましく、マグネシウム、カルシウム及びシリコンの合計量に対して10atm%未満であることが好ましく、5atm%未満がより好ましく、1atm%未満であることが更に好ましい。
また、本発明は、合金中の含有酸素量が10atm%以下であることを特徴とする。合金中の含有酸素量が10atm%より多い場合、材料の酸化が進行しやすくなる。特にカルシウムは容易に水分と反応し、水酸化カルシウムとなり体積が膨張するため、バルクを作製しても割れを生じてしまう。また、熱電特性の優れたCa−Mg−Si相等が形成しにくくなり、熱電特性も悪化する。合金中の含有酸素量は、7atm%以下がより好ましく、5atm%以下であることが更に好ましい。なお、合金中の含有酸素量とは合金中に含まれる金属元素の総量と酸素の総和における酸素の割合を指すものである。
本発明の性状はバルク体である事が好ましい。熱電変換法は素子の両端に温度差が発生する際に電気を発生するが、より温度差が顕著に現れるためには素子に一定の厚みが必要となること、電気を流すためには緻密体である必要がある事から、粉末状や膜であるよりもバルク体である事が好ましい。
ここでバルク体とは厚さが0.100mm以上の構造体である。ここで構造体における厚さとは当該構造体において最も薄い部分の長さをいう。構造体として塊状体、溶融体、焼結体を例示することができる。
バルク体は、用途次第であるが、なるべく緻密であることが好ましい。バルク体を緻密にすることで、バルク体の開気孔を低減し、酸化などによる素子の劣化を抑制すると共に、機械強度を向上することが可能となる。ただし、その密度は低い方が好ましい場合もある。
本発明の合金の密度は、好ましくは2.1g/cm3以下、さらに好ましくは2.0g/cm3以下、より好ましくは1.6g/cm3以下である。これにより軽量化し、自動車用途などにおいてより有効に活用することが可能となる。通常、本発明の合金の密度は、1.2g/cm3以上である。
本発明の合金は、CaMgSi相、CaMg2相、Ca2Si相、Ca5Si3相からなる群の少なくとも一つの結晶相を含むことが好ましい。これにより、本発明の合金がより高い熱電変換特性を示す。
本発明の合金は、さらに好ましくはCaMgSi相と、CaMg2相又はCa5Si3相の少なくともいずれかを含み、またさらに好ましくはCaMgSi相とCa5Si3相を含む。これにより、本発明の合金がより高いゼーベック係数を示す。
CaMgSi相らは半導体特性を示し、これを含む合金は、ゼーベック係数部分の熱電特性をより向上する。
本発明の合金が上記の結晶相の少なくともいずれかを有することは、X線回折測定により確認することができる。例えば、Cuを線源とするX線回折測定(以下、「XRD」という。)において検出される回折ピークを、それぞれの結晶相に対応するJCPDS(Joint Committee for Powder Diffraction Standards)のカードのデータと参照することで確認可能である。複数の結晶相が存在する場合、ピークが重複しない同定される結晶相が存在すること、もしくは回折角2θ=20°〜80°の走査範囲において、3か所以上で結晶方位が同定される場合、その結晶相があると判断した。
本発明の合金がCaMgSi相を含む場合、CaMgSi相が主相であることが好ましい。これにより、本発明の合金がより高いゼーベック係数を示す。ここでCaMgSi相が主相であるとは、合金のXRDパターンにおいて、CaMgSi相に起因する回折ピークが確認でき、なおかつ、その回折ピーク群における最大強度を示す回折ピークがCaMgSi相に起因するピークであることを示す。例えば、XRD測定においてJCPDSカードを用いて結晶相の同定を行う場合、カードNo.CaMgSi:01−089−1917における(211)面、回折角2θ=33.218°における回折ピークを、CaMgSiの最大強度を示す回折ピークとする。
本発明の合金が含むCaMgSi相は、その(211)面に起因する回折ピークの回折角が低角側にシフトしていることが好ましい。そのシフト量は低角側へ0.05°以上シフトしていることが好ましく、より好ましくは0.1°以上、さらに好ましくは0.2°以上、さらに好ましくは0.3°以上である。これにより、CaMgSi相に対し他の相、特にCaMg2が固溶することでピークシフトを起こし、格子が(211)面に垂直な方向に広がることで、歪を発生させ、ゼーベック係数を向上させているものと推測される。
一方、Ca7Mg7.25Si14相は導電特性を示し、これを低含有量で含む合金はより高いゼーベック係数を示す。本発明の合金がCa7Mg7.25Si14相を低含有量で含むことは、合金のXRDパターンにおいて、最大ピーク強度に対する、Ca7Mg7.25Si14相の最大回折ピーク強度の比で表すことができる。本発明の合金は、具体的には2θ=20°〜80°をX線回折装置にてスキャンした際の最大ピーク強度に対し、Ca7Mg7.25Si14の(221)相(カードNo.01−088−1551)のピーク強度が50%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは3%未満である。
また、Mg2Si相はn型半導体特性を示し、これを低含有量で含む合金はp型半導体特性、そしてより高い熱電特性示す。本発明の合金がMg2Si相を低含有量で含むことは、合金のXRDパターンにおいて、最大ピーク強度に対する、Mg2Si相の最大回折ピーク強度の比で表すことができる。本発明の合金は、具体的には2θ=20°〜80°をX線回折装置にてスキャンした際の最大ピーク強度に対するMg2Siの(111)相(カードNo.01−071−9591)のピーク強度が、10%以下、さらには1%以下であることが好ましく、(111)相のピークが検出されないことがまたさらに好ましい。
ここで、Mg2Si相の存在の判別方法として、まずMg2Si単独で同定される回折ピークが確認できない場合、合金中にMg2Si相が存在しないと判断する。
また、Mg2Si(111)面のピーク位置(2θ=24.257°)と、CaMgSi(102)面のピーク位置(2θ=24.533°)が近いため、どちらの相に帰属する回折ピークか判断できない場合がある。この場合、合金における2θ=24.25°±0.3°の回折ピークにおける強度を、Mg2Si(111)面と、CaMgSi(102)面、それぞれの寄与分として換算を行い、Mg2Si(111)面の回折ピーク強度寄与分を、Mg2Si(111)面の回折ピーク強度と見なして判断を行った。具体的には、JCPDSカードに記載されているCaMgSi相の(211)面の回折ピーク強度と、CaMgSiの(102)面の回折ピーク強度の比(0.037)を元に、Mg2Si相の寄与分(I(Mg2Si))を下記の計算により算出した
I(Mg2Si)(%)=(合金の(24.25°±0.3°)の
最大ピーク強度 − CaMgSi(211)面ピーク強度
× 0.037) / CaMgSi(211)面ピーク強度
本発明の合金は、好ましくは400℃における抵抗値が0.1Ωcm以下であり、さらに好ましくは0.05Ωcm以下である。
I(Mg2Si)(%)=(合金の(24.25°±0.3°)の
最大ピーク強度 − CaMgSi(211)面ピーク強度
× 0.037) / CaMgSi(211)面ピーク強度
本発明の合金は、好ましくは400℃における抵抗値が0.1Ωcm以下であり、さらに好ましくは0.05Ωcm以下である。
また、本発明の合金は、p型半導体特性を示し、Mg2Siに近い熱膨張率等の物性を示す。
更に、n型半導体にMg2Siを主相とする材料を用い、p型半導体として本発明の材料を用いると、安定的に駆動する熱電変換素子を作製することが可能となる。接合方法は、Mg2Siと本発明のバルクを直接接合してもよいし、応力発生を軽減するために、金属層を含んでも構わないが、物性の近い材料を接合していること、簡便にp−n接合を可能とする点でも直接接合することが好ましい。
本発明は、バルク体を作製することで、スパッタリングターゲットとして利用することも可能となる。とくに高い熱電特性を持つことから、一定の導電率もあり、RFスパッタリングのみならずDCスパッタリングも可能となる。このようなスパッタリングターゲットを用いることで指定組成のCa−Mg−Si薄膜を作製することも可能である。
次に、本発明の製造方法について説明する。ここでは製造方法の一例を示すが、必ずしもその方法による必要はない。
本発明の製造方法は、マグネシウム、カルシウム及びシリコンから合金を合成する工程と、場合に応じて前記合金を粉砕して含有酸素量が10atm%以下の合金粉末とする工程と、前記合金粉末を600℃〜1100℃でホットプレス処理する工程とを含んでなる。
まず、マグネシウム、カルシウム及びシリコンを、元素の原子比がマグネシウム、カルシウム及びシリコンの含有量をそれぞれMg、Ca及びSiとしたときに、溶解方法にもよるが、例えばアーク溶解法を利用する場合、マグネシウムやカルシウムが揮発することも念頭に入れて
0atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<70atm%
10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦70atm%
9atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦60atm%
となるように混合する必要があり、
10atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<70atm%
10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦50atm%
9atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦50atm%
となるように混合することが好ましく、
0atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%
10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦70atm%
20atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦60atm%
となるように混合することがさらに好ましく、
10atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%
10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦50atm%
20atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦50atm%
となるように混合することがより好ましく、
50atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<70atm%
20atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦40atm%
9atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦30atm%
となるように混合することがまたさらに好ましい。
0atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<70atm%
10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦70atm%
9atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦60atm%
となるように混合する必要があり、
10atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<70atm%
10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦50atm%
9atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦50atm%
となるように混合することが好ましく、
0atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%
10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦70atm%
20atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦60atm%
となるように混合することがさらに好ましく、
10atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%
10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦50atm%
20atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦50atm%
となるように混合することがより好ましく、
50atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<70atm%
20atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦40atm%
9atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦30atm%
となるように混合することがまたさらに好ましい。
合成後に上述した組成となるように原料を添加しても構わないが、上述した組成の原料をすべて含んだ上で合成することが好ましい。原料中の含有酸素量は極力少ないことが望ましく、具体的には10atm%以下であることが好ましく、5atm%以下であることがより好ましい。
また、合成方法は特に限定されないが、極力酸素を含有させないような合成方法が好ましく、そのためには容器などに酸素を含有する機材をなるべく使用しない装置であるアーク溶解法が好ましい。特にカルシウム(融点約800℃)、マグネシウム(融点約650℃)の融点における蒸気圧がそれぞれ0.87Torr、2.2Torrと高いため、加熱に時間のかかる通常の溶解炉では上述の組成の材料を作製することは難しい。それに対し、アーク溶解法は数秒で溶融温度まで昇温可能であるため、処理中における各添加成分の揮発を抑制することが可能である。更に溶解条件として、低い放電パワーで長時間溶融するよりも、高いパワーで短時間処理する事が好ましい。その電流量は原料の投入量により左右され、電流値で1g当たり15A以上が好ましく、更に好ましくは20A以上である。また、原料中にカルシウムがシリコンよりも多く含まれると、アーク溶解時に表面に合金、もしくは酸化物被膜を形成するため、1gの原料当たり10A以下の電流値では電流量が不足し、被膜を溶融できず、結果として均質な合金を得ることが難しい。特にカルシウムが合金化せず析出し、合成後カルシウムが酸化するために酸素を多く含有しやすくなる。上限としては、1g当たり、100A以下であることが好ましい。100Aを超える電流を与えると、瞬時にマグネシウム、カルシウムが揮発し、指定の合金を作製することが難しい。アーク溶解時において原料は均一に混合されていることが好ましい。そうすることで合成された合金もより均一なものとなる。更に指定組成に微調整するために指定元素を追加しても構わない。このようにして合成された珪化カルシウム系材料は本発明の範囲内の組成を持ち、含有酸素量が10atm%以下となる。
次に、必要に応じて得られた合金材料を粉砕して粉末状とする。合金中の含有酸素量を10atm%以下とするため、合金の合成後から含有酸素量を増加させないように、粉砕作業は不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。そうすることで粉末表面の酸化を防ぎ、含有酸素量を低く抑えることができるからである。またその合金粉末を焼成に用いる場合において、一定の粗粒を除去しておくことが好ましい。そうすることで粗粒に起因する焼結体の割れを防止することが可能となる。除去すべき粒径は300μm以上であることが好ましく、より好ましくは150μm以上である。
次に、合金粉末を600℃〜1100℃、好ましくは600〜900℃でホットプレス処理する。ホットプレス法は粉末を加圧しながら温度を与えることで焼結を進める装置であり、加熱時に一軸加圧を行なうことで焼成時の拡散を補助し、拡散係数が低い場合や、金属など粒子径が大きい場合など焼結しにくい材料を焼結できるようにする焼成法である。ホットプレス法により焼成を行なうことで組成にもよるが従来よりも密度が向上し、1.3g/cm3以上、さらには1.8g/cm3以上のバルク体を得ることが可能となる。
ホットプレス処理における焼成温度は600℃以上1100℃以下、好ましくは600℃以上900℃以下であり、さらに好ましくは、700℃以上1000℃以下、またさらに好ましくは700℃以上800℃以下で焼成する。600℃より低い温度では焼結が進まず密度が成形体密度と同程度にしか向上しない。また、1100℃よりも高い温度にて焼成を行なうと融点が近いために、合金が溶融する可能性がある。
焼成時の圧力は10MPa以上100MPa以下である事が好ましい。バルク体の密度を向上させ、一般的に用いられるカーボン製の金型でも使用に耐えうるからである。焼結の雰囲気は酸素を含まない窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気や真空中で行なう事が好ましい。
本発明の製造方法における焼成工程においてホットプレス処理に供する合金、すなわち、合成工程において得られる合金は、少なくともCa5Si3相を含むことが好ましく、CaMgSi相とCa5Si3相を含むことがさらに好ましい。これにより、最終的に得られる合金がCaMgSi相を主相として含む。
本発明の製造方法における焼成工程においてホットプレス処理に供する合金、すなわち、合成工程において得られる合金は、少なくともCaMgSi相を含むことが好ましく、CaMgSi相とCaMg2相を含むことがさらに好ましい。これにより、最終的に得られる合金(焼結体)がCaMgSi相を主相として含み、更にSiを含む相が少ないためにCa7Mg7.25Si14相、CaSi2相の発生を抑制することが可能となる。さらにCaMg2は固溶しやすいため、CaMgSi相の格子歪を発生しやすい。
本発明の製造方法における焼成工程においてホットプレス処理に供する合金、すなわち、合成工程において得られる合金は、好ましくはCaMgSi相と、CaMg2相又はCa5Si3相の少なくともいずれかを含み、さらに好ましくはCaMgSi相、及びCa5Si3相を含み、より好ましくはCaMgSi相、CaMg2相、及びCa5Si3相を含む。これにより、最終的に得られる合金が熱電変換素子として好適な性能を有する。
また、本発明の製造方法における焼成工程においてホットプレス処理に供する合金はMg相を含まないことが好ましい。
本発明のバルク体は、所定の寸法に加工してもよい。加工方法は特に限定しないが、平面研削法、ロータリー研削法または円筒研削法等を用いることができる。水と反応するために加工時の水あるいは研削液の取扱いには注意を要する。
また、本発明のバルク体は、スパッタリングターゲットとして利用することも可能である。その際は必要に応じて平板状または円筒状の支持体にハンダ材等の接着剤により固定(ボンディング)しても良い。支持体の材質は、熱伝導率が高く成型物を支持できる強度があれば特に限定されないが、熱伝導率が高く強度が高いことからCu、SUSまたはTiなどの金属が好ましい。支持体の形状は平板形状の成形物には平板形状の支持体を用い、円筒形状の成形物には円筒形状の支持体を用いる。成形物と支持体を接着する接着材(ボンディング材)は、支持するために十分な接着強度があれば特に限定されないが、導電性の樹脂、スズ系ハンダ材またはインジウム系のハンダ材を使用することが出来る。導電性、熱伝導性が高く、かつ柔らかく変形しやすいことからインジウムハンダが好ましい。その理由は、ターゲット表面の熱を効率的に冷却でき、熱膨張により発生した多結晶体と支持体の間の応力を吸収しバルク体の割れを防止することができるためである。
本発明のスパッタリングターゲットは、スパッタ法により所定のマグネシウム、カルシウム、シリコン比率の薄膜を作製することが可能である。
以下、実施例をもって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(組成、純度)
ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析)装置により定量した。組成比はカルシウム、マグネシウム、シリコンの合計量に対する各元素の比率として算出した。純度は検出された全金属元素中のカルシウム、マグネシウム、シリコンを合計した量が占める割合(atm%)とした。
(含有酸素量)
測定物を熱分解させ、酸素・窒素・水素分析装置(Leco社製)を用いて酸素量を熱伝導度法により測定し、合金中のカルシウム、マグネシウム、シリコンを合計した量に対する割合(atm%)とした。
(かさ密度)
バルク体のかさ密度は寸法と重量を測定し算出した。
(ゼーベック係数)
測定物を必要な形状に加工し、熱電特性評価装置(アルバック製:ZEM−3)を用いてJIS R 1650−1に準じて室温から600℃までのゼーベック係数の測定を行った。測定雰囲気は減圧He下で実施した。
(X線回折測定)
通常の測定は一般的な粉末X線回折装置(装置名:UltimaIII、リガク社製)を用いた。XRD測定の条件は以下のとおりである。
(組成、純度)
ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析)装置により定量した。組成比はカルシウム、マグネシウム、シリコンの合計量に対する各元素の比率として算出した。純度は検出された全金属元素中のカルシウム、マグネシウム、シリコンを合計した量が占める割合(atm%)とした。
(含有酸素量)
測定物を熱分解させ、酸素・窒素・水素分析装置(Leco社製)を用いて酸素量を熱伝導度法により測定し、合金中のカルシウム、マグネシウム、シリコンを合計した量に対する割合(atm%)とした。
(かさ密度)
バルク体のかさ密度は寸法と重量を測定し算出した。
(ゼーベック係数)
測定物を必要な形状に加工し、熱電特性評価装置(アルバック製:ZEM−3)を用いてJIS R 1650−1に準じて室温から600℃までのゼーベック係数の測定を行った。測定雰囲気は減圧He下で実施した。
(X線回折測定)
通常の測定は一般的な粉末X線回折装置(装置名:UltimaIII、リガク社製)を用いた。XRD測定の条件は以下のとおりである。
線源 : CuKα線(λ=0.15418nm)
測定モード : 2θ/θスキャン
測定間隔 : 0.01°
発散スリット: 0.5deg
散乱スリット: 0.5deg
受光スリット: 0.3mm
計測時間 : 1.0秒
測定範囲 : 2θ=20°〜80°
同定する結晶相は下記のJCPDSカードを用いて同定した。
CaMgSi:01−089−1917
Ca7Mg7.25Si14:01−088−1551
CaMg2:01−072−5708
Mg2Si:01−071−9591
Ca5Si3:01−070−7854、01−082−1714
Ca2Si:01−089−4856
CaSi2:01−071−4840
CaSi:01−087−0894
Mg:01−089−4856
Ga14Si19:01−087−0861
(抵抗率)
測定物を必要な形状に加工し、熱電特性評価装置(アルバック製:ZEM−3)を用いて、室温から600℃までの抵抗率の測定を行った。測定雰囲気は減圧He下で実施した。
測定モード : 2θ/θスキャン
測定間隔 : 0.01°
発散スリット: 0.5deg
散乱スリット: 0.5deg
受光スリット: 0.3mm
計測時間 : 1.0秒
測定範囲 : 2θ=20°〜80°
同定する結晶相は下記のJCPDSカードを用いて同定した。
CaMgSi:01−089−1917
Ca7Mg7.25Si14:01−088−1551
CaMg2:01−072−5708
Mg2Si:01−071−9591
Ca5Si3:01−070−7854、01−082−1714
Ca2Si:01−089−4856
CaSi2:01−071−4840
CaSi:01−087−0894
Mg:01−089−4856
Ga14Si19:01−087−0861
(抵抗率)
測定物を必要な形状に加工し、熱電特性評価装置(アルバック製:ZEM−3)を用いて、室温から600℃までの抵抗率の測定を行った。測定雰囲気は減圧He下で実施した。
[実施例1〜5、比較例1〜3]
マグネシウム粉末(純度:99.9% フルウチ化学製)、カルシウム(粒径:3〜5mm、純度99% フルウチ化学製)、シリコン(粒径:2〜5mm、純度:5N 高純度化学研究所製)を合計10gとなるように混合した後に電流200A(比較例1のみ100A)にて3分間アルゴンアーク溶解を実施した。結果として得られた材料を窒素雰囲気中にて乳鉢にて粉砕し、150μm目開きの篩下の粉末を得た。組成比、含有酸素量を確認したところ表1のような結果となった。
マグネシウム粉末(純度:99.9% フルウチ化学製)、カルシウム(粒径:3〜5mm、純度99% フルウチ化学製)、シリコン(粒径:2〜5mm、純度:5N 高純度化学研究所製)を合計10gとなるように混合した後に電流200A(比較例1のみ100A)にて3分間アルゴンアーク溶解を実施した。結果として得られた材料を窒素雰囲気中にて乳鉢にて粉砕し、150μm目開きの篩下の粉末を得た。組成比、含有酸素量を確認したところ表1のような結果となった。
作製した粉末を用いて下記の条件にてホットプレス処理を実施した。
ホットプレス温度:800℃
雰囲気:真空(50Pa)保持時間1時間
圧力:50MPa
型材質:カーボン(材質:IG−11)型
焼結体サイズ:40mm×12mm
実施例1においてゼーベック係数を測定したところ、85μV/Kであった。
ホットプレス温度:800℃
雰囲気:真空(50Pa)保持時間1時間
圧力:50MPa
型材質:カーボン(材質:IG−11)型
焼結体サイズ:40mm×12mm
実施例1においてゼーベック係数を測定したところ、85μV/Kであった。
得られたバルク体の含有酸素量とかさ密度を表2に示す。なお、比較例1、3については割れを生じ、バルク体を得ることができなかった。
比較例2のバルクのゼーベック係数を測定したところ3μV/Kと低い数値となり、熱電素子として利用するためには困難な材料であることを確認した。
実施例1〜5、比較例1〜3の合金の酸素含有量、かさ密度を表2に、400℃におけるゼーベック係数を表3に、合金(溶融体)の含有する結晶相を表4に、合金(焼結体)の含有する結晶相を表5に示す。
[実施例6〜11]
合金粉末の組成を表1の組成比とし、ホットプレスを800℃としたこと以外は実施例1〜5と同様の方法で合金を作製した。
合金粉末の組成を表1の組成比とし、ホットプレスを800℃としたこと以外は実施例1〜5と同様の方法で合金を作製した。
実施例6〜11の合金粉末の組成比、含有酸素量を表1に、合金の酸素含有量、かさ密度を表2に、400℃におけるゼーベック係数を表3に、合金(溶融体)の含有する結晶相を表4に、合金(焼結体)の含有する結晶相を表5に、抵抗値を表6に、XRDパターンの解析結果を表7に示す。
表4、5における◎は、例えばCaMgSiに◎が記載されている場合、合金のXRDパターンにおいてCaMgSi相に起因する回折ピークが確認でき、なおかつ、その回折ピーク群における最大強度を示す回折ピークがCaMgSi相であることを示す。同様に○は、例えばCaMgSiに○が記載されている場合、合金のXRDパターンにおいてCaMgSi相に起因する回折ピークが確認できることを示す。
表4において、同一実施例において◎が二つついている例があるが、これはCaMgSiとCa5Si3の最大ピーク強度が同一の回折角で存在し、明確に強度比を分けることができないため、記している。最大ピーク強度以外のピークにより、上記の二つの相が存在していることを確認できた。
また、表4においてCa7Mg7.25Si14は○をつけていないが、表7のピーク強度比は1より大きな値を示している。これは、ピークは確認できないが、該当する回折角におけるXRD強度から機械的に計算されたものである。
また実施例6のゼーベック係数−測定温度のプロットを掲載する。
(比較例4)
アーク溶解電流を50Aとした以外は実施例3と同様の条件にてアーク溶解を実施したが原料が溶解せず、原料であるマグネシウム、カルシウム、シリコンのピークが主に得られ、合金は得られなかった。
アーク溶解電流を50Aとした以外は実施例3と同様の条件にてアーク溶解を実施したが原料が溶解せず、原料であるマグネシウム、カルシウム、シリコンのピークが主に得られ、合金は得られなかった。
(比較例5)
アーク溶解電流を500Aとし、合計の重量を3gとした以外は実施例3と同様の条件にてアーク溶解を実施したところ、原料が揮発し、回収することができなかった。
アーク溶解電流を500Aとし、合計の重量を3gとした以外は実施例3と同様の条件にてアーク溶解を実施したところ、原料が揮発し、回収することができなかった。
Claims (12)
- 構成元素としてマグネシウム、カルシウム及びシリコンを有する合金であって、当該合金を構成する元素の原子比が、マグネシウム、カルシウム及びシリコンの含有量をそれぞれMg、Ca及びSiとしたときに
0atm%≦Mg/(Mg+Ca+Si)<50atm%
10atm%≦Ca/(Mg+Ca+Si)≦70atm%
20atm%≦Si/(Mg+Ca+Si)≦60atm%
であり、当該合金中の含有酸素量が10atm%以下であることを特徴とする合金。 - CaMgSi相、CaMg2相、Ca2Si相、Ca5Si3相からなる群の少なくとも一つの結晶相を含む請求項1に記載の合金。
- CaMgSi相と、CaMg2相又はCa5Si3相の少なくともいずれかを含む請求項1又は2に記載の合金。
- CaMgSi相とCa5Si3相を含む請求項1乃至3いずれか一項に記載の合金。
- CaMgSi相を主相として含み、CaMgSi相(211)面に起因する回折ピークの回折角が低角側に0.05°以上シフトしている請求項1乃至4いずれか一項に記載の合金。
- かさ密度が1.2g/cm3以上2.1g/cm3以下である請求項1乃至5いずれか一項に記載の合金。
- 半導体特性としてp型を示すことを特徴とする請求項1乃至6いずれか一項に記載の合金。
- マグネシウム、カルシウム及びシリコンから合金を合成する工程と、前記合金を600℃〜1100℃でホットプレス処理する工程とを含む請求項1乃至7いずれか一項に記載の合金の製造方法。
- ホットプレス工程において、少なくともCa5Si3相を含む合金をホットプレス処理する請求項8に記載の製造方法。
- ホットプレス工程において、CaMgSi相とCaMg2相を含む合金をホットプレス処理する請求項8又は9に記載の製造方法。
- 請求項7に記載の合金とn型半導体とを接合させる構造を有する熱電変換素子。
- n型半導体の主相がMg2Siであることを特徴とする請求項11に記載の熱電変換素子。
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