JP2017037236A - 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】カブリの発生が抑制される画像形成装置の提供。【解決手段】導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、金属酸化物粒子を含む下引層であって、コール・コールプロット解析によって求められる前記下引層の体積抵抗率が、1.0×108Ωcm以上1.0×1010Ωcm以下ある下引層と、前記下引層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体の表面に直接転写する直接転写方式の転写手段と、を備える画像形成装置。【選択図】なし

Description

本発明は、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真方式の画像形成装置は高速でかつ高印字の品質が得られ、複写機およびレーザビームプリンタ等の画像形成装置において利用されている。画像形成装置において用いられる電子写真感光体としては、有機の光導電性材料を用いた有機感光体が主流となっている。有機感光体を製造する場合、例えば、アルミニウム等の導電性基体の上に下引層(中間層と呼ばれる場合もある)を形成し、その後、感光層、特に電荷発生層および電荷輸送層からなる感光層を形成する場合が多い。
また、電子写真方式の画像形成装置において、装置構成をより簡素化するために、画像出力媒体である被転写媒体に直接転写する直接転写方式による画像形成装置が広く用いられている。
例えば、特許文献1には、直接転写方式の画像形成装置において、電子写真感光体の下引層の体積抵抗率を、温度10℃湿度15%RHの環境下、10V/cmの電場下で、1.0×1010Ωcm以上1.0×1013Ωcm以下の範囲に制御する技術が開示されている。
特許文献2には、接触帯電方式の画像形成装置において、電子写真感光体の下引層の体積抵抗率を、3.5×10Ωcm以上1.0×10Ωcm以下の範囲に制御する技術が開示されている。
特開2006−184512号公報 特開2013−068825号公報
本発明の課題は、直接転写方式の画像形成装置において、金属酸化物粒子を含む下引層に対してコール・コールプロット解析を行うことにより求められる体積抵抗率が、1.0×10Ωcm未満、又は1.0×1010Ωcmを超える電子写真感光体を備える場合に比べ、短辺紙に繰り返し画像を形成した後に、長辺紙に画像を形成したときに生じるカブリの発生が抑制される画像形成装置を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
即ち、請求項1に係る発明は、
導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、金属酸化物粒子を含む下引層であって、コール・コールプロット解析によって求められる前記下引層の体積抵抗率が、1.0×10Ωcm以上1.0×1010Ωcm以下ある下引層と、前記下引層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に直接転写する直接転写方式の転写手段と、
を備える画像形成装置。
請求項2に係る発明は、
前記トナー像を前記記録媒体の表面に直接転写した後の前記電子写真感光体の表面を帯電させる非接触帯電方式の再帯電手段をさらに備える請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、
前記金属酸化物粒子が、酸化亜鉛粒子である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、
前記下引層が、水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、
前記感光層が、電荷発生層と、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料、及び下記一般式(PCA)で示される構造単位と下記一般式(PCB)で示される構造単位とを含むポリカーボネート樹脂を含有する電荷輸送層と、を有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
(一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。cn及びcmは、各々独立に、0、1又は2を表す。)
(一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロアルキル基、又は、炭素数6以上12以下のアリール基を表す。XP1は、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アルキレン基、又は、シクロアルキレン基を表す。)
請求項6に係る発明は、
導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、金属酸化物粒子を含む下引層であって、コール・コールプロット解析によって求められる前記下引層の体積抵抗率が、1.0×10Ωcm以上1.0×1010Ωcm以下ある下引層と、前記下引層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体と、
トナー像を記録媒体の表面に直接転写する直接転写方式の転写手段と、
を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジである。
請求項1に係る発明によれば、直接転写方式の画像形成装置において、金属酸化物粒子を含む下引層に対してコール・コールプロット解析を行うことにより求められる体積抵抗率が、1.0×10Ωcm未満、又は1.0×1010Ωcmを超える電子写真感光体を備える場合に比べ、短辺紙を繰り返し画像を形成した後に、長辺紙に画像を形成したときに生じるカブリの発生が抑制される画像形成装置が提供される。
請求項2に係る発明によれば、直接転写方式の画像形成装置が、トナー像を記録媒体の表面に転写した後の電子写真感光体を帯電させる再帯電手段を備えていない場合に比べ、短辺紙を繰り返し画像を形成した後に、長辺紙に画像を形成したときに生じるカブリの発生が抑制される画像形成装置が提供される。
請求項3に係る発明によれば、金属酸化物粒子を含む下引層に対してコール・コールプロット解析を行うことにより求められる体積抵抗率が、1.0×10Ωcm未満、又は1.0×1010Ωcmを超える電子写真感光体を備える場合に比べ、金属酸化物粒子が酸化亜鉛粒子であり、短辺紙を繰り返し画像を形成した後に、長辺紙に画像を形成したときに生じるカブリの発生が抑制される画像形成装置が提供される。
請求項4に係る発明によれば、金属酸化物粒子を含む下引層に、水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物を含まない電子写真感光体を備える場合に比べ、短辺紙を繰り返し画像を形成した後に、長辺紙に画像を形成したときに生じるカブリの発生が抑制される画像形成装置が提供される。
請求項5に係る発明によれば、感光層が電荷発生層と電荷輸送層とを有し、電荷輸送層の電荷輸送性材料がベンジジン系電荷輸送性材料のみである電子写真感光体を備える場合、又は、電荷輸送層の結着樹脂が、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZの単独重合型ポリカーボネート樹脂)である電子写真感光体を備える場合に比べ、短辺紙を繰り返し画像を形成した後に、長辺紙に画像を形成したときに生じるカブリの発生が抑制される画像形成装置が提供される。
請求項6に係る発明によれば、金属酸化物粒子を含む下引層に対してコール・コールプロット解析を行うことにより求められる体積抵抗率が、1.0×10Ωcm未満、又は1.0×1010Ωcmを超える電子写真感光体を備える場合に比べ、短辺紙を繰り返し画像を形成した後に、長辺紙に画像を形成したときに生じるカブリの発生が抑制されるプロセスカートリッジが提供される。
抵抗とコンデンサーとの並列回路を表す模式図である。 コール・コールプロット解析の概念を示す図表である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す概略部分断面図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
<画像形成装置(及びプロセスカートリッジ)>
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に直接転写する直接転写方式の転写手段と、を備える。
上記の電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも称する)は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた金属酸化物粒子を含む下引層と、下引層上に設けられた電荷発生材料、及び荷輸送材料を含む感光層と、を有する。
そして、下引層のコール・コールプロット解析により求められる体積抵抗率が、1.0×10Ωcm以上1.0×1010Ωcm以下ある。
本実施形態に係る画像形成装置は、下引層のコール・コールプロット解析により求められる体積抵抗率が上記範囲であると、直接転写方式の画像形成装置で、短辺紙を繰り返し画像を形成した後に長辺紙に画像を形成したときに生じるカブリの発生が抑制される。この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと推測される。
直接転写方式の画像形成装置において、感光体と転写手段とが向かい合う領域である転写領域では、記録媒体(以下、「用紙」とも称する)の寸法によって、用紙が通過する領域と用紙が通過しない領域が存在する場合がある。上記画像形成装置によって、トナー像を用紙に転写する際に、転写手段に印加された転写電圧によって、感光体へと転写電流が流入する。用紙は電気抵抗が大きいため、感光体の用紙が通過しない領域に対応する部分(以下、「非通紙部」とも称する)への転写電流の流入は、感光体の用紙が通過する領域に対応する部分(以下、「通紙部」とも称する)への転写電流の流入に比べ、大きくなり易い。
直接転写方式による画像形成装置において、例えば、短辺紙として、A4寸法の用紙を横方向での搬送で繰り返し画像を形成した後に、長辺紙として、A3寸法の用紙を横方向での搬送で画像を形成した場合、長辺紙の進行方向に対する左右の両端部(以下、「長辺紙の両端部」とも称する)には、本来、画像が形成されない白地である領域にトナーが付着してトナー像が現れる現象(いわゆる「カブリ」)が発生することがある。この現象は、感光体の非通紙部に過度に転写電流が流入したことに起因して、感光体の非通紙部における帯電電位の低下が生じ易くなるために発生し易くなる。
特に、直接転写方式の画像形成装置において、プロセス速度(用紙の搬送速度)を速くして画像を形成する場合、用紙の電気抵抗が高い点、及びプロセス速度が速い等の点から、より高い転写電圧を印加する。そのため、感光体の非通紙部に転写電流がより流入し易くなることで、感光体の非通紙部における帯電電位の低下がより顕著なものとなる。その結果、カブリがより顕著に発生し易い。
上記の感光体の非通紙部における帯電電位の低下は、次のような作用で生じ易くなることが分かってきた。短辺紙に繰り返し画像を形成すると、転写手段の転写電圧によって、感光体の非通紙部に転写電流が過度に流入する。転写電流が過度に流入すると、感光体表面の帯電電位とは逆極性の電荷が過度に流入し、非通紙部における感光層内部に電荷が蓄積される。そして、感光層内部に電荷が蓄積された状態で、次の画像を形成する一連の工程(画像形成サイクル)において、帯電手段により感光体の表面が帯電されると、感光体内部に蓄積されていた電荷によって、表面電荷が打ち消されてしまう。その結果、非通紙部における帯電電位の低下が生じ易くなる。そして、この状態で、長辺紙に画像を形成すると、長辺紙の両端部には、カブリが生じ易くなる。
これに対し、本実施形態の画像形成装置は、感光体の下引層に対してコール・コールプロット解析を行った場合の体積抵抗率が1.0×10Ωcm以上1.0×1010Ωcm以下の範囲である。
下引層の体積抵抗率を従来よりも低い範囲である上記範囲とすることで、下引層中を電荷が流れ易くなる(すなわち、体積抵抗率が低くなる)。そのため、次の画像形成サイクルにおいて、感光体表面の帯電が開始されるよりも前に、トナー像を用紙に転写したときの感光体の非通紙部に流入した電荷が、導電性基体へと流れ易くなる。そして、感光層中に蓄積された電荷の量が低減することによって、感光体の非通紙部における帯電電位の低下が抑制され易くなり、長辺紙の両端部のカブリの発生が抑制され易くなる。
なお、下引層の体積抵抗率が低すぎる場合(1.0×10Ωcm未満)、下引層は電荷が過度に流れ易くなるため、導電性基体から感光層への電荷の流入し易くなる。そのため、感光体表面を帯電手段により帯電した際に、導電性基体から注入された電荷が感光体表面にまで到達し易くなり、感光体表面は、帯電電位の低下が発生し易くなる。その結果、例えば、全面カブリが発生し易くなる。
また、下引層の体積抵抗率が高すぎる場合(1.0×1010Ωcm超)、下引層は電荷が移動し難くなるため、感光層中に蓄積された電荷の量が低減され難く、非通紙部のカブリの発生し易い。また、露光による静電潜像形成工程で、画像電位が低下し難くなることにより、静電潜像形成能が低下し易くなり、例えば、画像濃度の低下が生じ易くなる。
以上の理由により、本実施形態の画像形成装置は、下引層のコール・コールプロット解析により求められる体積抵抗率を、従来よりも低い範囲である1.0×10Ωcm以上1.0×1010Ωcm以下の範囲とすることで、直接転写方式の画像形成装置で、短辺紙を繰り返し画像を形成した後に長辺紙に画像を形成したときに生じるカブリの発生が抑制されると推測される。
上記では、短辺紙として、A4寸法の用紙を横方向での搬送で繰り返し画像を形成した後に、長辺紙として、A3寸法の用紙を横方向での搬送で画像を形成した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、短辺紙として、寸法の小さい用紙(例えば、B5)を縦方向での搬送で繰り返し画像を形成した後に、長辺紙として、寸法の大きい用紙(例えば、A3)を縦方向(又は横方向)での搬送で画像を形成した場合も、同じ現象により、長辺紙の両端部にカブリが発生するが、本実施形態では、このカブリの発生が抑制される。
また、同じ寸法の用紙(例えば、A4)を縦方向での搬送で繰り返し画像を形成した後に、横方向での搬送で画像を形成した場合も、同じ現象により、横方向で搬送した用紙の両端部にカブリが発生するが、本実施形態では、このカブリの発生が抑制される。
なお、画像形成装置が、トナー像を転写する転写手段の下流側、及び、感光体表面を清掃(クリーニング)する清掃手段(クリーニング手段)の上流側に、記録媒体(用紙)の表面にトナー像を転写した後の感光体の表面を帯電する非接触帯電方式の再帯電手段を備えた直接転写方式の画像形成装置である場合、再帯電手段により、再帯電を行うことで、長辺紙の両端部に生じるカブリの発生がより抑制され易くなり、画像濃度低下も抑制され易くなる。また、上記の再帯電手段により、再帯電を行った場合、トナー像を記録媒体(用紙)の表面に転写した後の感光体の表面に残留する残留トナーの帯電が調整される。それによって、残留トナーが、例えば、清掃手段で回収され易くなる。
ここで、下引層のコール・コールプロット解析により求められる体積抵抗率について説明する。
例えば、電子写真感光体の各層を構成する導電性有機膜の等価回路としては、一般的に、抵抗(抵抗値:R)とコンデンサー(静電容量:C)の並列回路が適用される。抵抗値R、及び静電容量Cが不明な並列回路において、抵抗値Rと静電容量Cとを解析・算出する方法として、コール・コールプロット(Cole・Cole Plot)解析が挙げられる。
コール・コールプロット解析とは、抵抗値R、及び静電容量Cが不明の並列回路(例えば、導電性有機膜)の両端に電極を取り付け、両電極間に、周波数を変化させながら交流電圧を印加し、印加させた電圧と得られた電流の位相関係を解析することで、抵抗値R及び静電容量Cを求める方法である。
以下に、測定・解析の原理を説明する。
図1で表される並列回路(抵抗(抵抗値:R)とコンデンサー(静電容量:C)の並列回路)を考えると、この並列回路のインピーダンスZは、下記式(I)で表される。
ここで、iは虚数を、ωは並列回路に印加される電圧の角周波数(rad)を表す。
式(I)・・・・1/Z=1/R+iωC
次に、式(I)を下記式(II)に書き換えると以下のようになる。
式(II)・・・Z=R/(1+ω)−i[ωRC/(1+ω)]
ここで、インピーダンスZをその実数成分Z´と虚数成分Z´´を用いて表すと、インピーダンスZは、下記式(III)のように表される。
式(III)・・Z=Z´+iZ´´
また、実数成分Z´と虚数成分Z´´はそれぞれ、下記式(IV)と下記式(V)のように表される。
式(IV)・・・Z´=R/(1+ω
式(V)・・・・Z´´=ωRC/(1+ω
そして、式(IV)と式(V)からωを消去すると、最終的には、下記式(VI)が得られる。
式(VI)・・・(Z´−R/2)+Z´´=(R/2)
式(VI)の意味するところは、縦軸に虚数成分Z´´をとり、横軸に実数成分Z´をとって、図2の概念図で示す図表として表すと、実数成分Z´と虚数成分Z´´は、座標(R/2、0)を中心とした半円になることを示している。
すなわち、抵抗値Rと静電容量Cとが、不明の並列回路に、角周波数ωを変化させながら交流電圧を印加すると、得られた電流の絶対値と印加電圧との位相差から、図2のような図表を描くことができる。そして、この図表から抵抗値Rを算出することができる。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る画像形成装置について詳細に説明する。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略構成図である。
図3に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10には、例えば、電子写真感光体7が設けられている。感光体7は、円柱状とされ、駆動モータ27(駆動部の一例)にギア等の駆動力伝搬部材(不図示)を介して連結されており、当該駆動モータ27により、回転駆動(図3中の矢印A方向)される。
感光体7(像保持体の一例)の周辺には、例えば、帯電装置15(帯電手段の一例)、静電潜像形成装置16(静電潜像形成手段の一例)、現像装置18(現像手段の一例)、直接転写方式の転写装置31(転写手段の一例)以下、単に「転写装置」(「転写手段」)とも称する)、非接触帯電方式の再帯電装置40(非接触帯電方式の再帯電手段の一例)(以下、単に「再帯電装置」(「再帯電手段」)とも称する)、清掃装置(クリーニング装置)22(清掃手段(クリーニング手段)の一例)、及び除電装置24(除電手段の一例)が、感光体7の回転方向に沿って順に配設されている。そして、本実施形態に係る画像形成装置10には、定着装置26も配設されている。さらに、画像形成装置10内の各装置及び各部材と接続され、各装置及び各部材の動作を制御する制御装置36も備えている。
感光体7は、例えば、導電性基体と、この導電性基体上に形成された下引層と、この下引層の上に形成された感光層と、を有する。この感光層は、電荷発生層と電荷輸送層との2層構成であってもよい。また、感光層は、最表面に保護層を設けた構成であってもよく、下引層は形成されていない構成であってもよい。
図4は、本実施形態に係る感光体7の層構成の一例を示す概略部分断面図である。図4に示す電子写真感光体7は、導電性基体4上に、下引層1、電荷発生層2及び電荷輸送層3がこの順序で積層された構造を有する。そして、電荷発生層2及び電荷輸送層3が感光層5を構成している。
なお、感光体7は、電荷輸送層3上に、更に保護層が設けられた層構成であってもよい。また、感光体7は、電荷発生層2と電荷輸送層3との機能が一体化した単層型感光層であってもよい。
感光体7の詳細な構成については、後述する。
まず、画像形成装置10の各部の詳細について説明する。
(帯電装置)
帯電装置15(帯電手段の一例)は、感光体7の表面を帯電する。帯電装置15は、例えば、感光体7の表面を帯電する帯電部材14に帯電電位を印加する電源28(帯電部材用の電圧印加部の一例)を含んで構成されている。電源28は、帯電部材14に電気的に接続されている。
帯電装置15の帯電部材14は、例えば、感光体7の表面に接触または非接触で設けられている。帯電部材14としては、例えば、導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触帯電方式の帯電器が挙げられる。また、例えば、非接触帯電方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も挙げられる。
帯電装置15(電源28を含む)は、例えば、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、帯電部材14に帯電電圧を印加する。電源28から帯電電圧を印加された帯電部材14は、印加された帯電電圧に応じた帯電電位に、感光体7を帯電させる。このため、電源28から印加される帯電電圧が調整されることで、感光体7は、異なる帯電電位に帯電される。
(静電潜像形成装置)
静電潜像形成装置(露光装置)16(静電潜像形成手段の一例)は、帯電された感光体7の表面に静電潜像を形成する。
具体的には、例えば、静電潜像形成装置16は、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、帯電部材14により帯電された感光体7の表面に、形成する対象となる画像の画像情報に基づいて変調された光Lを露光する。そして、感光体7上に画像情報の画像に応じた静電潜像を形成し、露光された感光体の表面は、静電潜像形成装置の露光光量に応じた露光後電位となる。
静電潜像形成装置16としては、例えば、半導体レーザ光、発光ダイオード(LED:ライト・エミッティング・ ダイオード)光、液晶シャッタ光等の光を像様に露光する光源を持つ光学系機器等の露光装置が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体7の分光感度領域にあるものがよい。半導体レーザの波長としては、例えば、780nm前後に発振波長を有する近赤外がよい。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、静電潜像形成装置16としては、例えばカラー画像形成のためにはマルチビーム出力する形式の面発光型のレーザ光源も有効である。
(現像装置)
現像装置18は、例えば、静電潜像形成装置16による光Lの照射位置より感光体7の回転方向下流側に設けられている。現像装置18内には、現像剤を収容する収容部が設けられている。
なお、現像装置18に収容される現像剤としては、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。
現像装置18は、例えば、トナーを含む現像剤により、感光体7の表面に形成された静電潜像を現像する現像部材18Aと、現像部材18Aに現像電圧を印加する電源32(現像部材用の電圧印加部の一例)と、を含んで構成されている。この現像部材18Aは、例えば、電源32に電気的に接続されている。
現像装置18の現像部材18Aとしては、現像剤の種類に応じて選択されるが、例えば、磁石が内蔵された現像スリーブを有する現像ロールが挙げられる。
現像装置18(電源32を含む)は、例えば、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、現像部材18Aに現像電圧を印加する。電源32から現像電圧を印加された現像部材18Aは、印加された現像電圧に応じた現像電位に帯電される。
そして、現像電位に帯電された現像部材18Aは、例えば、現像装置18内に収容された現像剤を表面に保持して、現像剤に含まれるトナーを現像装置18内から感光体7の表面へと供給する。
感光体7上に供給されたトナーは、例えば、感光体7上の静電潜像に静電力により付着する。詳細には、例えば、感光体7と現像部材18Aとの向かい合う領域における電位差、すなわち、この領域における感光体7の表面の電位と現像部材18Aの現像電位との電位差によって、現像剤に含まれるトナーが感光体7の静電潜像の形成された領域に供給され、現像剤にキャリアが含まれている場合には、キャリアは現像部材18Aに保持されたまま現像装置18内に戻る。
これにより、例えば、感光体7上の静電潜像は、現像部材18Aから供給されたトナーによって現像されて、感光体7上には、静電潜像に応じたトナー像が形成される。
(転写装置)
転写装置31(転写手段の一例)は、例えば、現像部材18Aの配設位置より感光体7の回転方向下流側に設けられている。
転写装置31は、例えば、感光体7の表面に形成されたトナー画像を用紙P(記録媒体の一例)へ転写する転写部材20と、転写部材20に転写電圧を印加する電源30(転写部材用の電圧印加部の一例)と、を含んで構成されている。転写部材20は、例えば、円柱状とされており、感光体7との間で用紙Pを挟んで搬送する。転写部材20は、例えば、電源30に電気的に接続されている。
転写装置31の転写部材20としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の非接触型転写帯電器が挙げられる。
転写装置31(電源30を含む)は、例えば、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、転写部材20に転写電圧を印加する。電源32から転写電圧を印加された転写部材20は、印加された転写電圧に応じた転写電位に帯電される。
転写部材20の電源30から転写部材20に、感光体7上に形成されたトナー像を構成するトナーとは逆極性の転写電圧が印加されると、例えば、感光体7と転写部材20との向かい合う領域(図3中、転写領域T参照)には、感光体7上のトナー像を構成する各トナーを静電力により感光体7から転写部材20側へと移動させる電界強度の電界が形成される。
用紙P(記録媒体の一例)は、例えば、図示を省略する収容部に収容されており、この収容部から図示を省略する複数の搬送部材によって搬送経路34に沿って搬送され、感光体7と転写部材20との向かい合う領域である転写領域Tに到る。図3中に示す例では、矢印B方向に搬送される。転写領域Tに到達した用紙Pは、例えば、転写部材20に転写電圧が印加されることにより、この領域に形成された転写電界によって、感光体7上のトナー像が転写される。すなわち、例えば、感光体7の表面から用紙Pへのトナーの移動により、用紙P上にトナー像が転写される。
感光体7上のトナー像は、転写電界により用紙P上に転写される。転写電界の大きさは転写電流値に基づいて制御されている。
(再帯電装置)
再帯電装置40(再帯電手段の一例)は、トナー像を前記記録媒体の表面に直接転写した後の前記電子写真感光体を帯電させる。再帯電装置40は、例えば、再帯電部材40Aに帯電電位を印加する電源(不図示)を含んで構成されている。図示しない電源は、例えば、再帯電部材40Aに電気的に接続されている。
再帯電装置40の再帯電部材40Aは、感光体7の表面に非接触で設けられている。再帯電部材40Aとしては、例えば、非接触帯電方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器、コロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等が挙げられる。
再帯電装置40は、例えば、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、再帯電部材40Aに帯電電圧を印加する。印加する電圧は、直流電圧がよい。電源(不図示)から帯電電圧を印加された再帯電部材40Aは、印加された帯電電圧に応じた帯電電位に、トナー像を用紙Pに転写した後の感光体7の表面を帯電させる。
再帯電装置40は、帯電装置15と同極性に帯電させる。例えば、再帯電装置40によって感光体7を帯電させることで、転写装置31によって感光体7の内部に蓄積された電荷を打ち消すことができる。また、再帯電装置40によって感光体7を帯電させることにより、感光体7の表面に残留した残留トナーの帯電が制御され易くなる。そして、残留トナーは、例えば、清掃装置22で回収され易くなる。
(清掃装置)
清掃装置(クリーニング装置)22(清掃手段(クリーニング手段)の一例)は、転写領域Tより感光体7の回転方向下流側に設けられている。
清掃装置22は、トナー像を用紙Pに転写した後に、感光体7に付着した付着物を除去する(つまり、クリーニング装置22は、感光体7の表面をクリーニングする)。
清掃装置22は、感光体7上の残留トナーや紙粉等の付着物を除去する。清掃装置22としては、例えば、感光体7に対して、予め定めた線圧で接触する清掃ブレード(クリーニングブレード)22Aを有する構成等が挙げられる。清掃ブレード22Aは、例えば、線圧10g/cm以上150g/cm以下で感光体7に接触することがよい。
(除電装置)
除電装置24(除電手段の一例)は、例えば、清掃装置22より感光体7の回転方向下流側に設けられている。
除電装置24は、トナー画像を転写した後、感光体7の表面を露光して除電する。
具体的には、例えば、除電装置24は、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、感光体7の全表面(具体的には例えば画像形成領域の全面)を露光して除電する。
除電装置24としては、例えば、白色光を照射するタングステンランプ、赤色光を照射する発光ダイオード(LED)等の光源を有する装置が挙げられる。
(定着装置)
定着装置26(定着手段の一例)は、例えば、転写領域Tより用紙Pの搬送経路34の搬送方向下流側に設けられている。
定着装置26は、例えば、用紙P上に転写されたトナー像を定着する。
具体的には、例えば、定着装置26は、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、用紙P上に転写されたトナー像を熱または熱及び圧力によって用紙Pに定着する。
定着装置26としては、それ自体公知の定着器、例えば、熱ローラ定着器、オーブン定着器等が挙げられる。図3では、加熱ロール26Aと、加熱ロール26Aと対向するように配置された加圧ロール26Bとを備えた熱ローラ定着器を例示している。
ここで、搬送経路34に沿って搬送されて感光体7と転写部材20との向かい合う領域(転写領域T)を通過することによりトナー像を転写された用紙Pは、例えば、図示を省略する搬送部材によって、さらに、搬送経路34に沿って定着装置26の設置位置に到り、用紙P上のトナー像の定着が行われる。
トナー像の定着によって画像形成された用紙Pは、図示を省略する複数の搬送部材によって、画像形成装置10の外部へと排出される。
なお、感光体7は、除電装置24による除電後、再度、帯電装置15によって帯電される。
(制御装置)
制御装置36は、装置全体の制御及び各種演算を行うコンピュータとして構成されている。具体的には、制御装置36は、例えば、CPU(中央処理装置; Central Processing Unit)、各種プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)、プログラムの実行時にワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)、各種情報を記憶する不揮発性メモリ、及び入出力インターフェース(I/O)を備えている。CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ、及びI/Oの各々は、バスを介して接続されている。そして、I/Oには、感光体7(駆動モータ27を含む)、帯電装置15(電源28を含む)、静電潜像形成装置16、現像装置18(電源32を含む)、転写装置31(電源30を含む)、再帯電装置40(不図示の電源含む)、除電装置24、定着装置26等の画像形成装置10の各部が接続されている。
なお、CPUは、例えば、ROMや不揮発性メモリに記憶されているプログラム(例えば、画像形成シーケンスや回復シーケンス等)の制御プログラム)実行し、画像形成装置10の各部の動作を制御する。RAMは、ワークメモリとして使用される。ROMや不揮発性メモリには、例えば、CPUが実行するプログラムやCPUの処理に必要なデータ等が記憶されている。なお、制御プログラムや各種データは、記憶部等の他の記憶装置に記憶されていてもよいし、通信部を介して外部から取得されてもよい。
また、制御装置36には、各種ドライブが接続されていてもよい。各種ドライブとしては、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリなどのコンピュータ読み取り可能な可搬性の用紙Pからデータを読み込んだり、用紙Pに対してデータを書き込んだりする装置が挙げられる。各種ドライブを備える場合には、可搬性の用紙Pに制御プログラムを記録しておいて、これを対応するドライブで読み込んで実行してもよい。
(画像形成動作)
画像形成装置10の画像形成動作について説明する。
まず、感光体7の表面が帯電装置15により帯電される。静電潜像形成装置16は、帯電された感光体7の表面を画像情報に基づいて露光する。これにより、感光体7上に画像情報に応じた静電潜像が形成される。現像装置18では、トナーを含む現像剤により、感光体7の表面に形成された静電潜像が現像される。これにより、感光体7の表面に、トナー画像が形成される。転写装置31では、感光体7の表面に形成されたトナー画像が用紙Pへ転写される。用紙Pに転写されたトナー画像は、定着装置26により定着される。
一方、トナー画像を転写した後の感光体7の表面は、再帯電装置40によって、感光体7の表面を再帯電することで、感光層内部に蓄積されていた逆極性の電荷が打ち消される。また、感光体7の表面に残留した残留トナーの極性を揃えるように帯電が制御される。そして、清掃装置22により清掃され、除電装置24により除電される。
また、図3では、除電装置24として、トナー像の転写後、帯電前に感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置を例に挙げて説明したが、本実施形態に係る画像形成装置は、上記構成に限らない。
さらに、本実施形態に係る画像形成装置において、トナー像の転写後、転写手段よりも感光体7の回転方向下流側で、清掃手段(クリーニング手段)よりも感光体7の回転方向上流側に、再帯電手段を備える装置を例に挙げて説明したが、本実施形態に係る画像形成装置は、上記構成に限らない。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、感光体7を備える部分、及び転写装置31が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る感光体7、及び転写装置31を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、感光体7以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、再帯電手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
[電子写真感光体]
次に、本実施形態に係る画像形成装置の感光体7について説明する。
なお、以下の説明において、符号は省略する。
感光体は、前述のように、導電性基体と、導電性基体上に配置された下引層と、下引層上に設けられた感光層と、を有する。
感光層は、電荷発生層と電荷輸送層とを有する機能分離型の感光層であってもよいし、単層型の感光層であってもよい。
感光層が、機能分離型の感光層の場合、電荷発生層と、既述の一般式(CT1)で示される電荷輸送材料(以下、「ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)」とも称する)と、既述の一般式(PCA)で示される構造単位、及び既述の一般式(PCB)で示される構造単位を含むポリカーボネート樹脂(以下、特定ポリカーボネート樹脂」とも称する)とを含有する電荷輸送層と、を有することがよい。
以下、電子写真感光体の各要素について説明する。なお、各要素の符号は、符号は省略して説明する。
(導電性基体)
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて導電性基体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(下引層)
本実施形態において、下引層は、金属酸化物粒子を含んで構成されている。例えば、下引層は、金属酸化物粒子と結着樹脂とを含む層である。また、前述のように、本実施形態では、下引層のコール・コールプロット解析によって求められる体積抵抗率は、1.0×10Ωcm以上1.0×1010Ωcm以下ある。
カブリをより抑制する観点から、体積抵抗率は、5.0×10Ωcm以上8.0×10Ωcm以下であることが好ましい。
前記下引層のコール・コールプロット解析によって求められる体積抵抗率は、以下の方法により行う。
測定には、DIELECTRIC INTERFACE solartron 1296(東陽テクニカ社製)、及びIMPEDANCE/GAIN−PHASE ANALYZER solartron SI1260(東陽テクニカ社製)を用いる。測定用ソフトウェアとしては、Solartron Material Research and Test softwere Ver.3.0.1(solartron analytical社製)を用いる。測定条件は、以下のとおりである。
−測定条件−
直流印加電圧:0(V)
交流印加電圧:1.0(V)
Sweep Frequency:1.0MHz以上1.0mHz以下
測定ステップ数:5pts/decade
得られた測定結果を、解析ソフトZview Ver.3.1c(Scribner Associates社製)を用いてコール・コールプロット解析を行う。具体的には、得られたインピーダンスZの実数成分Z´と虚数成分Z´´からなる2軸のグラフを作成し、座標(Z´,Z´´)で表した場合に、(0,0)となる点と虚数成分Z´´が最大となる点の間の値を用いて半円形フィッティングを行い、体積抵抗値R(Ω)を求める。
ここで、体積抵抗値をR(Ω)、電極面積をS(cm)、下引き層膜厚をd(cm)とすると、体積抵抗率r(Ωcm)は下記式(VII)で算出する。
式(VII)・・・r=R・(S/d)
ここで、電極面積S(cm)は、上記円形金電極の直径を6mmとしたので、
式(VIII)・・S=π×(0.3)(cm)である。
なお、上記装置と同等の測定が可能であるならば、他の測定機を用いることも可能である。
なお、測定対象となる感光体から、上記体積抵抗率を測定する方法としては、以下のとおりである。
まず、測定対象となる感光体を準備する。次に、例えば、下引層を被覆している電荷発生層、及び電荷輸送層等の感光層をアセトン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール等の溶剤を用いて除去し、下引層を露出させる。そして、露出された下引層上に真空蒸着法やスパッタ法等の手段により金電極を装着して、測定用試料とする。そして、この測定用試料について、上記の測定装置により、体積抵抗率を測定する。
本実施形態の感光体において、下引層のコール・コールプロット解析によって求められる体積抵抗率の制御方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、金属酸化物粒子の分散度合いを調整することによって制御する方法が挙げられる。
金属酸化物粒子を分散させた下引層形成用塗布液の塗膜を形成して下引層を形成する場合、下引層の膜中に、例えば、一次粒子とともに、一次粒子が凝集した状態の二次粒子による金属酸化物粒子が存在していることがある。二次粒子の金属酸化物粒子は、一次粒子に比べて粒径が大きく、この二次粒子の金属酸化物粒子の存在によって、電荷が移動する経路が形成されやすい。そして、例えば、金属酸化物粒子の分散度合いを調製して、二次粒子の金属酸化物粒子を制御することによって、下引層の体積抵抗率が制御される。
一方で、金属酸化物粒子の分散度合いが低すぎる場合(金属酸化物粒子の分散粒径が大きすぎる場合)、下引層中での電荷の移動度が高くなりすぎ、体積抵抗率は低下し易くなる。他方、金属酸化物粒子の分散度合いが高すぎる場合(金属酸化物粒子の分散粒径が小さすぎる場合)、下引層中での電荷の移動度が低くなりすぎ、体積抵抗率は増大し易くなる。
分散度合いを調整する方法は、例えば、金属酸化物粒子の分散時間等によって調整する方法が挙げられる。
金属酸化物粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の金属酸化物粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する金属酸化物粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等が挙げられ、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
金属酸化物粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
金属酸化物粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
金属酸化物粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
金属酸化物粒子は、表面処理が施されていてもよい。金属酸化物粒子は、表面処理の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、金属酸化物粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、金属酸化物粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
アントラキノン構造を有する化合物の中でも、材料の入手性、電子輸送能力等の点で、水酸基(ヒドロキシ基)を持つアントラキノン構造を有する化合物が特に好ましい。水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物は、アントラキノン構造のうちの芳香環の水素原子の少なくとも一つが水酸基で置換された化合物であり、下記一般式(AQ1)で表される化合物、又は下記一般式(AQ2)で表される化合物を用いることがより好ましい。下記一般式(AQ1)で表される化合物がさらに好ましく、とりわけ、材料の入手性や取扱い性などの点で、後述する化合物の具体例「例示化合物(1−9)」で表される化合物を用いることが特に好ましい。
一般式(AQ1)中、an1及an2は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。但し、an1及びan2の少なくとも一方は、各々独立に1以上3以下の整数を表す(つまり、an1及びan2が同時に0を表さない)。am1及びam2は、各々独立に0又は1の整数を示す。Ra1及びRa2は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコキシ基を表す。
一般式(AQ2)中、an1、an2、an3、及びan4は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。am1及びam2は、各々独立に0又は1の整数を示す。an1及びan2の少なくとも一方は、各々独立に1以上3以下の整数を表す(つまり、an1及びan2が同時に0を表さない)。an3及びan4の少なくとも一方は、各々独立に1以上3以下の整数を表す(つまり、an3及びan4が同時に0を表さない)。arは、2以上10以下の整数を示す。Ra1及びRa2は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコキシ基を表す。
ここで、一般式(AQ1)及び(AQ2)中、Ra1及びRa2が表す炭素数1以上10以下のアルキル基としては、直鎖状、又は分岐状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。炭素数1以上10以下のアルキル基としては、望ましくは1以上8以下のアルキル基、より望ましくは1以上6以下のアルキル基である。
a1及びRa2が表す炭素数1以上10以下のアルコキシ基としては、直鎖状、または分岐状のいずれでもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、オクトキシ基等が挙げられる。炭素数1以上10以下のアルコキシ基としては、望ましくは炭素数1以上8以下のアルコキシ基、より望ましくは炭素数1以上6以下のアルコキシ基である。
ここで、電子受容性化合物の具体的を以下に示す。但し、これらに限定されるものではない。
なお、下記の化合物の具体例において、「例示化合物」と称し、例えば、下記(1−1)の化合物であれば「例示化合物(1−1)」と称す。
また、下記例示化合物中、「Me」はメチル基を表し、「Et」はエチル基を表し、「Bu」はn−ブチル基を表し、「C17」はn−オクチル基を表す。
電子受容性化合物は、下引層中に金属酸化物粒子と共に分散して含まれていてもよいし、金属酸化物粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を金属酸化物粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、金属酸化物粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を金属酸化物粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、金属酸化物粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を金属酸化物粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に金属酸化物粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を金属酸化物粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、金属酸化物粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように金属酸化物粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/4n(nは上層の屈折率)から1/2λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、体積抵抗率が上記範囲に制御できれば特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの金属酸化物粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは18μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(電荷発生層)
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4−189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004−78147号公報、特開2005−181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED,有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp−型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn−型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。n−型の電荷発生材料としては、例えば、特開2012−155282号公報の段落[0288]〜[0291]に記載された化合物(CG−1)〜(CG−27)が挙げられるがこれに限られるものではない。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)を、含むことが好ましい。
一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。
cm及びcnは、各々独立に、0、1又は2を表す。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアルキル基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアリール基としては、炭素数6以上30以下(好ましくは6以上20以下、より好ましくは6以上16以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
なお、一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子および基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16の隣接する二つの置換基同士(例えばRC11及びRC12同士、RC13及びRC14同士、RC15及びRC16同士)が連結した炭化水素環構造における、当該置換基同士を連結する基としては、単結合、2,2’−メチレン基、2,2’−エチレン基、2,2’−ビニレン基などが挙げられ、これらの中でも単結合、2,2’−メチレン基が好ましい。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン環構造、シクロアルケン環構造、シクロアルカンポリエン環構造等が挙げられる。
一般式(CT1)において、cm及びcnは、1であることが好ましい。
一般式(CT1)において、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、又は炭素数1以上20以下のアルコキシ基を表し、cm及びcnが1又は2を表することが好ましく、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子を表し、cm及びcnが1を表すことがより好ましい。
つまり、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記構造式(CT1A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT1−3))であることがより好ましい。
以下に、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・−CH:メチル基
・−OCH:メトキシ基
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、電荷輸送材料としては、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料(以下、「ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)」とも称する)を含んでいることが好ましい。特に、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)と、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)とを混合させることがより好ましい。
一般式(CT2)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアリール基としては、炭素数6以上10以下(好ましくは6以上9以下、より好ましくは6以上8以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
なお、一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子および基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(CT2)において、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、RC21、RC22、及びRC23が、各々独立に、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表すことが好ましく、RC21、及びRC23が水素原子を表し、RC22が炭素数1以上10以下のアルキル基(特に、メチル基)を表すことがより好ましい。
具体的には、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記構造式(CT2A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT2−2))であることが特に好ましい。
以下に、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・−CH:メチル基
・−C:エチル基
・−OCH:メトキシ基
・−OC:エトキシ基
ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
高分子電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものが用いられる。特に、特開平8−176293号公報、特開平8−208820号公報等に開示されているポリエステル系の高分子電荷輸送材料は特に好ましい。なお、高分子電荷輸送材料は、単独で使用してよいが、結着樹脂と併用してもよい。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、電荷輸送層の耐摩耗性を高める点から、ポリカーボネート樹脂を用いることがよく、下記一般式(PCA)で示される構造単位と、下記一般式(PCB)で示される構造単位と、を含むポリカーボネート樹脂(特定ポリカーボネート樹脂)であることが好ましい。
一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロアルキル基、又は、炭素数6以上12以下のアリール基を表す。XP1は、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アルキレン基、又は、シクロアルキレン基を表す。
一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4が表すアルキル基としては、炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数1以上3以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4が表すシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルが挙げられる。
一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4が表すアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基等が挙げられる。
一般式(PCA)及び(PCB)中、XP1が表すアルキレン基としては、炭素数1以上12以下(好ましくは炭素数1以上6以下、より好ましくは炭素数1以上3以下)の直鎖状又は分岐状のアルキレン基が挙げられる。
直鎖状のアルキレン基として具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基、n−ウンデシレン基、n−ドデシレン基等が挙げられる。
分岐状のアルキレン基として具体的には、イソプロピレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基、イソヘキシレン基、sec−ヘキシレン基、tert−ヘキシレン基、イソヘプチレン基、sec−ヘプチレン基、tert−ヘプチレン基、イソオクチレン基、sec−オクチレン基、tert−オクチレン基、イソノニレン基、sec−ノニレン基、tert−ノニレン基、イソデシレン基、sec−デシレン基、tert−デシレン基、イソウンデシレン基、sec−ウンデシレン基、tert−ウンデシレン基、ネオウンデシレン基、イソドデシレン基、sec−ドデシレン基、tert−ドデシレン基、ネオドデシレン基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(PCA)及び(PCB)中、XP1が表すシクロアルキレン基としては、炭素数3以上12以下(好ましくは炭素数3以上10以下、より好ましくは炭素数5以上8以下)のシクロアルキレン基が挙げられる。
シクロアルキレン基として具体的には、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基、シクロドデカニレン基等が挙げられる。
これらの中でも、シクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基が好ましい。
なお、一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、RP4、及びXP1が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子)、アルキル基(例えば炭素数1以上6以下のアルキル基)、シクロアルキル基(例えば炭素数5以上7以下のシクロアルキル基)、アルコキシ基(例えば炭素数1以上4以下のアルコキシ基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基等)等が挙げられる。
一般式(PCA)において、RP1、及びRP2は、各々独立に、水素原子、又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、RP1、及びRP2は、水素原子を表すことがより好ましい。
一般式(PCB)において、RP3、及びRP4は、各々独立に、水素原子、又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、XP1がアルキレン基、又はシクロアルキレン基を表すことが好ましい。
ポリカーボネート樹脂の具体例としては、例えば、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、例示化合物中、pm、pnは共重合比を示す。
ここで、特定ポリカーボネート樹脂において、一般式(PCA)で示される構造単位の含有量(共重合比)は、特定ポリカーボネート樹脂を構成する全構造単位に対して5モル%以上95モル%以下の範囲がよく、感光層(電荷輸送層)の耐摩耗性を高める観点から、好ましくは5モル%以上50モル%以下の範囲、さらに好ましくは15モル%以上30モル%以下の範囲である。
具体的には、特定ポリカーボネート樹脂の上記例示化合物中、pm、pnは共重合比(モル比)を示すが、pm:pn=95:5から5:95の範囲、50:50から5:95の範囲、更に好ましくは、15:85から30:70の範囲が挙げられる。
特定ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量としては、例えば20,000以上80,000以下が好ましい。
なお、特定ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量の測定方法としては、次の方法により測定される値である。樹脂1gをメチレンクロライド100cmに均一に近い状態に溶解し、25℃の測定環境下でウベローデ粘度計により、その比粘度ηspを測定し、ηsp/c=〔η〕+0.45〔η〕2cの関係式(ただしcは濃度(g/cm)より極限粘度〔η〕(cm/g)をもとめ、H.Schnellによって与えられている式、〔η〕=1.23×10−4Mv0.83の関係式より粘度平均分子量Mvを求める。
特定ポリカーボネート樹脂は、他の結着樹脂と併用してもよい。ただし、他の結着樹脂は、全結着樹脂に対して10質量%以下(好ましくは5質量%以下)で併用することがよい。
ここで、結着樹脂の含有量は、例えば、感光層(電荷輸送層)の全固形分に対して、10質量%以上90質量%以下が好ましく、30質量%以上90質量%以下がより好ましく、50質量%以上90質量%以下が更に好ましい。
なお、全結着樹脂と電荷輸送材料との配合比(質量比=結着樹脂:電荷輸送材料)は10:1から1:5までが望ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の範囲内に設定される。
(保護層)
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
反応性基含有電荷輸送材料の反応性基としては、連鎖重合性基、エポキシ基、−OH、−OR[但し、Rはアルキル基を示す]、−NH、−SH、−COOH、−SiRQ1 3−Qn(ORQ2Qn[但し、RQ1は水素原子、アルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、RQ2は水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。Qnは1〜3の整数を表す]等の周知の反応性基が挙げられる。
連鎖重合性基としては、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基等が挙げられる。なかでも、その反応性に優れることから、連鎖重合性基としては、ビニル基、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基であることが好ましい。
反応性基含有電荷輸送材料の電荷輸送性骨格としては、電子写真感光体における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が好ましい。
これら反応性基及び電荷輸送性骨格を有する反応性基含有電荷輸送材料、非反応性の電荷輸送材料、反応性基含有非電荷輸送材料は、周知の材料から選択すればよい。
保護層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
保護層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
保護層形成用塗布液を感光層(例えば電荷輸送層)上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
(単層型感光層)
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して10質量%以上85質量%以下がよく、好ましくは20質量%以上50質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<感光体の作製>
〔感光体1〕
(下引層の形成)
酸化亜鉛粒子(商品名:MZ−300、テイカ社製):100質量部、シランカップリング剤として、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(10質量%のトルエン溶液):10質量部、及びトルエン:200質量部を混合して攪拌を行い、2時間還流を行った。その後、10mmHgにてトルエンを減圧留去し、135℃で2時間焼き付け表面処理を行った。
この表面処理後の酸化亜鉛粒子:33質量部、ブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):6質量部、電荷受容性化合物「例示化合物(1−9)」:1質量部、及びメチルエチルケトン:25質量部を30分間混合した。その後、ブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製):5質量部、シリコーンボール(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):3質量部、レベリング剤として、シリコーンオイル(商品名:SH29PA、東レダウコーニングシリコーン社製):0.01質量部を添加し、サンドミルにて1時間の分散を行い、下引層形成用塗布液を得た。
この下引層形成用塗布液を用いて、浸漬塗布法にて直径40mm、長さ357mm、肉厚1.0mmのアルミニウム製の基体(アルミニウム基体)上に塗布し、180℃、30分の乾燥硬化を行い、膜厚23.5μmの下引層を得た。
(電荷発生層の形成)
電荷発生材料として、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料:18質量部、結着樹脂として、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(商品名:VMCH、日本ユニカー社製):16質量部、及びn−酢酸ブチル:100質量部からなる混合物を容量100mLガラス瓶中に、充填率50%で1.0mmφガラスビーズと共に入れて、ペイントシェーカーを用いて2.5時間分散処理し、電荷発生層形成用塗布液を得た。得られた電荷発生層形成用塗布液を、上記で形成した下引層上に浸漬塗布し、100℃、5分の条件で乾燥して、膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層の形成)
電荷輸送材料として、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)「例示化合物(CT1−3):2質量部と、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)「例示化合物(CT2−2)」:2質量部と、結着樹脂として、特定ポリカーボネート樹脂「例示化合物(PC−1)、pm:pn=25:75、粘度平均分子量=4万」:6質量部とをテトラヒドロフラン:60質量部に加えて溶解した電荷輸送層形成用を得た。この電荷輸送層形成用塗布液を、上記で形成した電荷発生層上に塗布して、150℃、30分の条件で乾燥を行い、膜厚24μmの電荷輸送層を形成した。
以上の工程を経て、感光体1を得た。
〔感光体2〜13〕
感光体1の作製において、下引層形成用塗布液の分散時間を調整し、下引層膜厚と体積抵抗率を、それぞれ表1に示す値に変更した以外は、感光体1の作製と同様にして感光体2〜13を得た。
〔感光体14〕
感光体1の作製において、下引層形成用塗布液に電子受容性化合物「例示化合物(1−9)」を含有させず、かつ下引き層形成用塗布液の分散時間を調整し体積抵抗率を、表1に示す値に変更した以外は、感光体1の作製と同様にして感光体14を得た。
〔感光体15〕
感光体1の作製において、下引層形成用塗布液の分散時間を調整し、下引層膜厚と体積抵抗率を、それぞれ表1に示す値とし、かつ、電荷輸送層を、例示化合物(CT2−2):4重量部、及び特定ポリカーボネート樹脂「例示化合物(PC−1)」:6重量部とをテトラヒドロフラン:60重量部を加えて溶解した塗布液を電荷発生層上に形成した以外は、感光体1の作製と同様にして感光体15を得た。
〔感光体16〕
感光体15の作製において、下引層形成用塗布液に電子受容性化合物「例示化合物(1−9)」を含有させず、かつ下引き層形成用塗布液の分散時間を調整し体積抵抗率を、表1に示す値に変更した以外は、感光体15の作製と同様にして感光体16を得た。
〔感光体17〕
感光体1の作製において、下引層形成用塗布液の分散時間を調整し、下引層膜厚と体積抵抗率を、それぞれ表1に示す値とし、かつ、電荷輸送層に含有される特定ポリカーボネート樹脂を、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZの単独重合型ポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量4万)に変更した以外は、感光体1の作製と同様にして感光体17を得た。
〔感光体18〕
感光体16の作製において、下引層形成用塗布液の分散時間を調整し、下引層膜厚と体積抵抗率を、それぞれ表1に示す値とし、かつ、電荷輸送層に含有される特定ポリカーボネート樹脂を、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZの単独重合型ポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量4万)に変更した以外は、実施例16と同様にして感光体18を得た。
〔感光体C1〜C4〕
感光体1の作製において、下引層形成用塗布液の分散時間を調整し、下引層膜厚と体積抵抗率を、それぞれ表1に示す値とした以外は、感光体1の作製と同様にして感光体C1〜C4を得た。
〔評価〕
−下引層の抵抗率の測定−
各感光体の下引層の抵抗率について、下記に示す方法により測定を行った。
(下引層の体積抵抗率測定用試料の作製)
各感光体を作製するための各下引層形成用塗布液を用いて、浸漬塗布法にて直径40mm、長さ340mm、肉厚1.0mmのアルミニウム基体上に塗布し、180℃、30分の乾燥硬化を行い、厚さ23.5μmの下引層を得た。
その後、アルミニウム基体上に形成した下引層の上に、イオンスパッターにて、直径6mm、厚さ300オングストロームの円形金電極を作製し、下引層の体積抵抗率測定用試料とした。アルミニウム基体と金電極を両電極として、既述の方法で下引層の体積抵抗率を測定した。結果を表1に示す。
なお、表1において、「無し」は、を含有していないことを表す。
結着樹脂欄の化合物欄において、「−」は、結着樹脂としてビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZの単独重合型ポリカーボネート樹脂)を用いたことを表している。
また、表1の略称の詳細は以下の通りである。
・1−9 :電子受容性化合物の例示化合物(1−9)
・CT1−3 :ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の例示化合物(CT1−3)
・CT2−2 :ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の例示化合物(CT2−2)
・PC−1 :ポリカーボネート樹脂の例示化合物(PC−1)
<実施例1〜19および比較例1〜4>
得られた電子写真感光体(感光体1〜感光体18、及び感光体C1〜感光体C4)を画像形成装置(富士ゼロックス社製:DocuCentre f1100)に搭載し、気温10℃、湿度15RH%の環境下、再帯電なし、及び再帯電ありの各条件で、下記の手順により、画像を出力し画質の評価を行った。
なお、再帯電ありの条件は、再帯電手段として、ワイヤー径φ30μm、開口幅14mmのコロトロンを転写手段後に設置し、ワイヤーに予め定められた電流を印加することで再帯電を行った。
−画質の評価−
上記画像形成装置を用い、まず、A4寸法の用紙を横方向に搬送して、画像濃度30%の全面ハーフトーン画像で3000枚連続出力した後、A3寸法の用紙を横方向に搬送して、画像濃度30%の全面ハーフトーン画像を1枚出力し、さらに、A3寸法の用紙を横方向に搬送して、全面白色の画像を1枚出力した。
出力した画像の濃度は、A3寸法の用紙を横方向に搬送して出力した画像濃度30%の全面ハーフトーン画像を用い、目視にて評価を実施した。
端部カブリ(用紙の端部のカブリ)は、A3寸法の用紙を横方向に搬送して出力した全面白色の画像を用いてグレード評価を実施した。グレード判定はG0〜G4をG1刻みで行い、Gの数値が小さい方が、評価結果が良好であることを示す(つまり、(優)G0>G1>G2>G3>G4(劣)の関係になる。)。端部カブリの許容範囲はG3以下である。
全面カブリ(用紙の全面のカブリ)についても、端部カブリと同様に、A3寸法の用紙を横方向に搬送して出力した全面白色の画像を用いてグレード判定を実施した。全面カブリの許容範囲はG3以下である。
また、A3寸法の用紙を横方向に搬送して30%濃度の全面ハーフトーン画像を1枚出力した用紙の端部、及び、中央部の画像濃度を画像濃度計X−Rite938(X−Rite社製)にて測定し、端部と中央部との濃度差(ΔD)を測定した。
結果を表2に示す。
−カブリ(端部及び全面)の評価基準−
G0:カブリが全く見えない
G1:カブリが殆ど見えない
G2:カブリが極僅かに見える
G3:カブリが僅かに見える
G4:カブリが極めて明瞭に見える
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、画質評価について、良好な結果が得られたことが分かる。これによって、短辺紙に繰り返し画像を形成した後に、長辺紙に画像を形成したときに生じるカブリの発生が抑制されていることが分かる。
1 下引層、2 電荷発生層、3 電荷輸送層、4 導電性基体、7 電子写真感光体、10 画像形成装置、15 帯電装置(帯電手段の一例)、16 静電潜像形成装置(露光装置)(静電潜像形成手段の一例)、18 現像装置(現像手段の一例)、22 清掃装置(クリーニング装置)(清掃手段の一例)、22A 清掃ブレード(クリーニングブレード)、24 除電装置、26 定着装置、27 駆動部、31 転写装置(転写手段の一例)、40 再帯電装置(再帯電手段の一例)

Claims (6)

  1. 導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、金属酸化物粒子を含む下引層であって、コール・コールプロット解析によって求められる前記下引層の体積抵抗率が、1.0×10Ωcm以上1.0×1010Ωcm以下ある下引層と、前記下引層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に直接転写する直接転写方式の転写手段と、
    を備える画像形成装置。
  2. 前記トナー像を前記記録媒体の表面に直接転写した後の前記電子写真感光体を帯電させる非接触帯電方式の再帯電手段をさらに備える請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記金属酸化物粒子が、酸化亜鉛粒子である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記下引層が、水酸基を持つアントラキノン構造を有する化合物を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記感光層が、電荷発生層と、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料、及び下記一般式(PCA)で示される構造単位と下記一般式(PCB)で示される構造単位とを含むポリカーボネート樹脂を含有する電荷輸送層と、を有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。

    (一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。cn及びcmは、各々独立に、0、1又は2を表す。)

    (一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロアルキル基、又は、炭素数6以上12以下のアリール基を表す。XP1は、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アルキレン基、又は、シクロアルキレン基を表す。)
  6. 導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、金属酸化物粒子を含む下引層であって、コール・コールプロット解析によって求められる前記下引層の体積抵抗率が、1.0×10Ωcm以上1.0×1010Ωcm以下ある下引層と、前記下引層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体と、
    トナー像を記録媒体の表面に直接転写する直接転写方式の転写手段と、
    を備え、
    画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
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