JP2017049425A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境差による露光後の表面電位の変動が抑制される電子写真感光体を提供すること。【解決手段】導電性基体と、前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂と、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料と、を含み、露光波長780nmの光に対する前記感光層の透過率が50%になる位置が、前記感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置にある感光層と、を有する電子写真感光体。【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
従来の電子写真方式の画像形成装置においては、帯電、静電潜像形成、現像、転写のプロセスを通じて電子写真感光体の表面上に形成したトナー像を記録媒体に転写させる。
例えば、特許文献1には、「単一の感光層に、電荷発生材料と、特定の構造を持つ電子移動材料及び正孔移動材料と、を含有する単層型の電子写真感光体」が開示されている。
また、特許文献2には、「導電性支持体上に電荷発生物質及び電荷輸送物質を同一層内に含有する感光層を有する電子写真感光体において、該感光層を膜厚5μmで形成した場合の、該感光層の780nmの波長の光に対する透過率が、20%以下であることを特徴とする電子写真感光体」が開示されている。
本発明の課題は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂と、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料と、を含む感光層を有する電子写真感光体において、露光波長780nmの光に対する感光層の透過率が50%になる位置が、感光層の膜厚の表面側から25%を超えた位置にある場合に比べ、環境差による露光後の表面電位の変動が抑制される電子写真感光体を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂と、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料と、を含み、露光波長780nmの光に対する前記感光層の透過率が50%になる位置が、前記感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置にある感光層と、を有する電子写真感光体。
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂と、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料と、を含み、露光波長780nmの光に対する前記感光層の透過率が50%になる位置が、前記感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置にある感光層と、を有する電子写真感光体。
請求項2に係る発明は、
前記電子輸送材料が、下記一般式(ET1)で示される電子輸送材料及び下記一般式(ET2)で示される電子輸送材料よりなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記正孔輸送材料が、下記一般式(HT1)で示される正孔輸送材料及び下記一般式(HT2)で示される正孔輸送材料よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の電子写真感光体。
前記電子輸送材料が、下記一般式(ET1)で示される電子輸送材料及び下記一般式(ET2)で示される電子輸送材料よりなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記正孔輸送材料が、下記一般式(HT1)で示される正孔輸送材料及び下記一般式(HT2)で示される正孔輸送材料よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の電子写真感光体。
(一般式(ET1)中、R111、及びR112は、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R113は、アルキル基、−L114−O−R115、アリール基、又はアラルキル基を示す。n1、及びn2は、各々独立に、0以上3以下の整数を示す。L114は、アルキレン基を示し、R115は、アルキル基を示す。)
(一般式(ET2)中、R211、R212、R213、及びR214は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又はフェニル基を示す。)
(一般式(HT1)中、ArT1、ArT2、及びArT3は、各々独立に、アリール基、又は−C6H4−C(RT4)=C(RT5)(RT6)を示す。RT4、RT5、及びRT6は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を示す。RT5及びRT6は、結合して炭化水素環を形成してもよい。)
(一般式(HT2)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を示し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。n及びmは、各々独立に、0、1又は2を示す。)
請求項3に係る発明は、
請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
請求項4に係る発明は、
請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面を露光し、静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面を露光し、静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
請求項1又は2に係る発明によれば、導電性基体と、導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂と、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料と、を含む感光層を有する電子写真感光体において、露光波長780nmの光に対する感光層の透過率が50%になる位置が、感光層の膜厚の表面側から25%を超えた位置にある場合に比べ、環境差による露光後の表面電位の変動が抑制される電子写真感光体が提供される。
請求項3又は4に係る発明によれば、導電性基体と、導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂と、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料と、を含む感光層を有する電子写真感光体において、露光波長780nmの光に対する感光層の透過率が50%になる位置が、感光層の膜厚の表面側から25%を超えた位置にある電子写真感光体を備える場合に比べ、環境差による露光後の表面電位の変動が抑制される電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジ、又は画像形成装置が提供される。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
[電子写真感光体]
本実施形態に係る電子写真感光体(以下、「感光体」と称することがある)は、導電性基体を備え、導電性基体上に単層型の感光層を有する正帯電有機感光体(以下、「単層型感光体」と称することがある)である。
そして、単層型の感光層(以下、単に「感光層」と称することがある)は、結着樹脂と、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料と、を含み、露光波長780nmの光に対する透過率が50%になる位置が、感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置にある。
ここで、単層型の感光層とは、電荷発生能と共に、正孔輸送性及び電子輸送性を持つ感光層である。
「露光波長780nmの光に対する透過率が50%になる位置」とは、感光層中において電荷が発生する平均位置のことを示す。具体的には、感光層の最表面側から導電性基体に向かって、感光層全体の膜厚(深さ)に対する透過率を100%としたときに、その透過率が50%となる位置を感光層の最表面側からの深さの割合で表したものである。以下では、この電荷が発生する平均位置のことを「電荷発生重心」と称して説明する。
「感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置」とは、感光層の最表面側から導電性基体に向かって、感光層の膜厚の25%の厚さ(深さ)以内に相当する領域のことを示す。
本実施形態に係る電子写真感光体(以下、「感光体」と称することがある)は、導電性基体を備え、導電性基体上に単層型の感光層を有する正帯電有機感光体(以下、「単層型感光体」と称することがある)である。
そして、単層型の感光層(以下、単に「感光層」と称することがある)は、結着樹脂と、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料と、を含み、露光波長780nmの光に対する透過率が50%になる位置が、感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置にある。
ここで、単層型の感光層とは、電荷発生能と共に、正孔輸送性及び電子輸送性を持つ感光層である。
「露光波長780nmの光に対する透過率が50%になる位置」とは、感光層中において電荷が発生する平均位置のことを示す。具体的には、感光層の最表面側から導電性基体に向かって、感光層全体の膜厚(深さ)に対する透過率を100%としたときに、その透過率が50%となる位置を感光層の最表面側からの深さの割合で表したものである。以下では、この電荷が発生する平均位置のことを「電荷発生重心」と称して説明する。
「感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置」とは、感光層の最表面側から導電性基体に向かって、感光層の膜厚の25%の厚さ(深さ)以内に相当する領域のことを示す。
ここで、従来、電子写真感光体としては、製造コスト等の観点から単層型感光体が望ましい。
単層型感光体は、その単層型の感光層内に、電荷発生材料と正孔輸送材料と電子輸送材料とを含有する構成であり、電荷発生能と電荷輸送能とを同一層内で行うため、安定した感度特性が得られにくく、特に、環境差(例えば温湿度環境の差)が生じた場合に露光後の表面電位の変動が生じやすくなる。
この露光後の表面電位の変動は、感光層中での電荷発生材料と電荷輸送材料(正孔輸送材料及び電子輸送材料)との相互作用により、電荷発生材料の分散性が低下して電荷発生材料が凝集しやすくなり、電荷発生重心が感光層の膜厚の表面側から遠い位置になりやすくなることに起因すると考えられる。この現象は、感光層中に電子移動度が比較的高い電子輸送材料(例えばジフェノキノン化合物)を含ませた場合であっても十分な移動効率が得られにくいことからも推測される。
そこで、本実施形態に係る感光体では、感光層に、結着樹脂と、正孔輸送材料と、電子輸送材料と、電荷発生材料として上記特定の顔料とを含ませた上で、前記感光層において、露光波長780nmの光に対する透過率が50%になる位置を感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置とする。つまり、「電荷発生重心」を感光層の膜厚の表面側に積極的に存在させるように制御し、電子輸送距離を短くする。
これにより、感光体を露光した際に、電子が感光層の表面側で積極的に発生されるようになり、発生した電子の移動効率も高まる。
よって、本実施形態に係る感光体によれば、環境差による露光後の表面電位の変動が抑制されることとなる。
単層型感光体は、その単層型の感光層内に、電荷発生材料と正孔輸送材料と電子輸送材料とを含有する構成であり、電荷発生能と電荷輸送能とを同一層内で行うため、安定した感度特性が得られにくく、特に、環境差(例えば温湿度環境の差)が生じた場合に露光後の表面電位の変動が生じやすくなる。
この露光後の表面電位の変動は、感光層中での電荷発生材料と電荷輸送材料(正孔輸送材料及び電子輸送材料)との相互作用により、電荷発生材料の分散性が低下して電荷発生材料が凝集しやすくなり、電荷発生重心が感光層の膜厚の表面側から遠い位置になりやすくなることに起因すると考えられる。この現象は、感光層中に電子移動度が比較的高い電子輸送材料(例えばジフェノキノン化合物)を含ませた場合であっても十分な移動効率が得られにくいことからも推測される。
そこで、本実施形態に係る感光体では、感光層に、結着樹脂と、正孔輸送材料と、電子輸送材料と、電荷発生材料として上記特定の顔料とを含ませた上で、前記感光層において、露光波長780nmの光に対する透過率が50%になる位置を感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置とする。つまり、「電荷発生重心」を感光層の膜厚の表面側に積極的に存在させるように制御し、電子輸送距離を短くする。
これにより、感光体を露光した際に、電子が感光層の表面側で積極的に発生されるようになり、発生した電子の移動効率も高まる。
よって、本実施形態に係る感光体によれば、環境差による露光後の表面電位の変動が抑制されることとなる。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る電子写真感光体を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体10の一部の断面を概略的に示している。
図1に示した電子写真感光体10は、例えば、導電性基体3を備え、導電性基体3上に、下引層1及び単層型の感光層2がこの順で設けられている。
なお、下引層1は、必要に応じて設けられる層である。即ち、単層型の感光層2は、導電性基体3上に直接設けられていてもよく、下引層1を介して設けられてもよい。
また、必要に応じてその他の層を設けてもよい。具体的には、例えば、必要に応じて、単層型の感光層2上に保護層を設けてもよい。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体10の一部の断面を概略的に示している。
図1に示した電子写真感光体10は、例えば、導電性基体3を備え、導電性基体3上に、下引層1及び単層型の感光層2がこの順で設けられている。
なお、下引層1は、必要に応じて設けられる層である。即ち、単層型の感光層2は、導電性基体3上に直接設けられていてもよく、下引層1を介して設けられてもよい。
また、必要に応じてその他の層を設けてもよい。具体的には、例えば、必要に応じて、単層型の感光層2上に保護層を設けてもよい。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体の各層について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
(導電性基体)
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて導電性基体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(下引層)
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)102Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m2/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から(1/2)λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から(1/2)λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(単層型の感光層)
本実施形態における単層型の感光層は、露光波長780nmの光に対する感光層の透過率が50%になる位置(電荷発生重心)が、感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置にあり、好ましくは20%以内の位置にあり、より好ましくは18%以内の位置にある。例えば、感光層の膜厚が22μmの場合、電荷発生重心が感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置にあるとは、感光層の最表面側から導電性基体に向かって、深さ5.5μm(22μm×0.25)以内の領域をいう。
電荷発生重心を感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置にすることで、電荷発生重心が感光層の膜厚の表面側に近い位置に存在することになるため、電子輸送距離が短くなる。これにより、感光体を露光した際に、電子が感光層の表面側で積極的に発生されるようになり、発生した電子の移動効率も高まる。この結果、環境差が生じた場合でも露光後の感光体の表面電位の変動が抑制される。
本実施形態における単層型の感光層は、露光波長780nmの光に対する感光層の透過率が50%になる位置(電荷発生重心)が、感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置にあり、好ましくは20%以内の位置にあり、より好ましくは18%以内の位置にある。例えば、感光層の膜厚が22μmの場合、電荷発生重心が感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置にあるとは、感光層の最表面側から導電性基体に向かって、深さ5.5μm(22μm×0.25)以内の領域をいう。
電荷発生重心を感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置にすることで、電荷発生重心が感光層の膜厚の表面側に近い位置に存在することになるため、電子輸送距離が短くなる。これにより、感光体を露光した際に、電子が感光層の表面側で積極的に発生されるようになり、発生した電子の移動効率も高まる。この結果、環境差が生じた場合でも露光後の感光体の表面電位の変動が抑制される。
電荷発生重心は、以下の方法により測定される。
まず、測定対象の感光体から感光層を削り取ることで得た感光層のサンプルをガラスプレートに貼り付ける。膜厚を東京精密社製SURFCOM 1400Gで測定した後、波長780nmの光に対する吸光度を測定する。吸光度の測定は、島津製作所製、紫外可視分光光度計UV2600を用いて行う。次いで、膜の表面を研磨する方法により、膜厚がサンプル全体の厚さの4分の3になるまで表面からサンプルを削り取り、削り取った後のサンプルについて、上述と同様の方法で吸光度を測定する。その後は同様に、膜厚がサンプル全体の厚さの2分の1、4分の1になるまで表面からサンプルを削り取り、吸光度を測定する操作を繰り返す。
そして、各々の厚さで測定した吸光度から下記式(1)に従って、吸光係数αをそれぞれ求め、吸光係数αの平均値αAVEを算出する。この算出された吸光係数αの平均値αAVEを使用して下記式(2)に従って、透過率Tが50%となる位置(感光層の最表面からの深さ(膜厚(光路長)L))を求め、さらに、感光層の最表面からの深さを感光層全体の膜厚で割った値を電荷発生重心として算出する。
・式(1):吸光度Aλ=α×L×C
(試料濃度C(一定)、吸光係数α、及び膜厚(光路長)L)
・式(2):吸光度Aλ=α×L×C=−log10T
(透過率T)
まず、測定対象の感光体から感光層を削り取ることで得た感光層のサンプルをガラスプレートに貼り付ける。膜厚を東京精密社製SURFCOM 1400Gで測定した後、波長780nmの光に対する吸光度を測定する。吸光度の測定は、島津製作所製、紫外可視分光光度計UV2600を用いて行う。次いで、膜の表面を研磨する方法により、膜厚がサンプル全体の厚さの4分の3になるまで表面からサンプルを削り取り、削り取った後のサンプルについて、上述と同様の方法で吸光度を測定する。その後は同様に、膜厚がサンプル全体の厚さの2分の1、4分の1になるまで表面からサンプルを削り取り、吸光度を測定する操作を繰り返す。
そして、各々の厚さで測定した吸光度から下記式(1)に従って、吸光係数αをそれぞれ求め、吸光係数αの平均値αAVEを算出する。この算出された吸光係数αの平均値αAVEを使用して下記式(2)に従って、透過率Tが50%となる位置(感光層の最表面からの深さ(膜厚(光路長)L))を求め、さらに、感光層の最表面からの深さを感光層全体の膜厚で割った値を電荷発生重心として算出する。
・式(1):吸光度Aλ=α×L×C
(試料濃度C(一定)、吸光係数α、及び膜厚(光路長)L)
・式(2):吸光度Aλ=α×L×C=−log10T
(透過率T)
電荷発生重心を感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置に制御する方法については後述する。
単層型の感光層の膜厚は、環境差による露光後の感光体の表面電位の変動を抑制する観点から、好ましくは15μm以上40μm以下、より好ましくは18μm以上30μm以下、さらに好ましくは20μm以上25μm以下の範囲に設定される。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
これらの結着樹脂の中でも、特に、感光層の成膜性の観点から、例えば、粘度平均分子量30000以上80000以下のポリカーボネート樹脂がよい。
感光層の全固形分に対する結着樹脂の含有量は、35質量%以上60質量%以下、望ましくは20質量%以上35質量%以下である。
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
これらの結着樹脂の中でも、特に、感光層の成膜性の観点から、例えば、粘度平均分子量30000以上80000以下のポリカーボネート樹脂がよい。
感光層の全固形分に対する結着樹脂の含有量は、35質量%以上60質量%以下、望ましくは20質量%以上35質量%以下である。
−電荷発生材料−
電荷発生材料としては、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種が適用される。
電荷発生材料としては、これら顔料を単独で用いてもよいが、必要に応じて併用してもよい。そして、電荷発生材料としては、環境差による露光後の感光体の表面電位の変動を抑制する観点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生材料としては、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種が適用される。
電荷発生材料としては、これら顔料を単独で用いてもよいが、必要に応じて併用してもよい。そして、電荷発生材料としては、環境差による露光後の感光体の表面電位の変動を抑制する観点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から好ましい。電子写真感光体の材料として用いた場合に、優れた分散性と、十分な感度、帯電性及び暗減衰特性とが得られ易くなる。
また、上記の810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が特定の範囲であり、且つ、BET比表面積が特定の範囲であることが好ましい。具体的には、平均粒径が0.20μm以下であることが好ましく、0.01μm以上0.15μm以下であることがより好ましい。一方、BET比表面積が45m2/g以上であることが好ましく、50m2/g以上であることがより好ましく、55m2/g以上120m2/g以下であることが特に好ましい。平均粒径は、体積平均粒径(d50平均粒径)でレーザ回折散乱式粒度分布測定装置(LA−700、堀場製作所社製)にて測定した値である。また、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
ここで、平均粒径が0.20μmより大きい場合、又は比表面積値が45m2/g未満である場合は、顔料粒子が粗大化しているか、又は顔料粒子の凝集体が形成される場合がある。そして、分散性や、感度、帯電性及び暗減衰特性といった特性に欠陥が生じやすい場合があり、それにより画質欠陥を生じ易くなることがある。
ここで、平均粒径が0.20μmより大きい場合、又は比表面積値が45m2/g未満である場合は、顔料粒子が粗大化しているか、又は顔料粒子の凝集体が形成される場合がある。そして、分散性や、感度、帯電性及び暗減衰特性といった特性に欠陥が生じやすい場合があり、それにより画質欠陥を生じ易くなることがある。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の最大粒径(一次粒子径の最大値)は、1.2μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましく、より好ましくは0.3μm以下である。かかる最大粒径が上記範囲を超えると、黒点が発生しやすい傾向がある。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、感光体が蛍光灯などに暴露されたことに起因する濃度ムラを抑制する観点から、平均粒径が0.2μm以下、最大粒径が1.2μm以下であり、且つ、比表面積値が45m2/g以上であることが好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜に回折ピークを有するV型であることが好ましい。
一方、クロロガリウムフタロシアニン顔料としては、特に制限はないが、電子写真感光体材料として優れた感度が得られる、ブラッグ角度(2θ±0.2°)7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に回折ピークを有するものであることが好ましい。
クロロガリウムフタロシアニン顔料の好適な分光吸収スペクトルの最大ピーク波長、平均粒径、最大粒径、及び比表面積値は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と同様である。
クロロガリウムフタロシアニン顔料の好適な分光吸収スペクトルの最大ピーク波長、平均粒径、最大粒径、及び比表面積値は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と同様である。
感光層の全固形分に対する電荷発生材料の含有量は、1質量%以上5質量%以下がよく、好ましくは1.2質量%以上4.5質量%以下である。
−正孔輸送材料−
正孔輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体;1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体;トリフェニルアミン、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物;N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4′−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体;4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体;2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体;6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体;p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体;エナミン誘導体;N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体等;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの正孔輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正孔輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体;1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体;トリフェニルアミン、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物;N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4′−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体;4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体;2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体;6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体;p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体;エナミン誘導体;N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体等;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの正孔輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、電荷移動度の観点から、芳香族第3級アミノ化合物がよく、中でも、下記一般式(HT1)で示されるトリアリールアミン系正孔輸送材料、及び下記一般式(HT2)で示されるブタジエン系正孔輸送材料が好ましい。また、トリアリールアミン系正孔輸送材料としては、下記一般式(HT1a)で示されるベンジジン系正孔輸送材料を用いてもよい。
トリアリールアミン系正孔輸送材料(HT1)について説明する。
トリアリールアミン系正孔輸送材料(HT1)は、下記一般式(HT1)で示される正孔輸送材料である。
トリアリールアミン系正孔輸送材料(HT1)は、下記一般式(HT1)で示される正孔輸送材料である。
一般式(HT1)中、ArT1、ArT2、及びArT3は、各々独立に、アリール基、又は−C6H4−C(RT4)=C(RT5)(RT6)を示す。RT4、RT5、及びRT6は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を示す。RT5及びRT6は、結合して炭化水素環を形成してもよい。
一般式(HT1)において、ArT1、ArT2、及びArT3が表すアリール基としては、炭素数6以上15以下(好ましくは6以上9以下、より好ましくは6以上8以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フルオレン基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フルオレン基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
一般式(HT1)において、RT4、RT5、及びRT6が表すアルキル基としては、後述する一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルキル基の例と同様であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(HT1)において、RT4、RT5、及びRT6が表すアリール基としては、上記一般式(HT1)において、ArT1、ArT2、及びArT3が表すアリール基の例と同様であり、好ましい範囲も同様である。
なお、一般式(HT1)において、ArT1、ArT2、及びArT3、並びに、RT4、RT5、及びRT6が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、例えばハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数6以上10以下アリール基などが挙げられる。また、上記各置換基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
トリアリールアミン系正孔輸送材料(HT1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、電荷移動度の観点から、一般式(HT1)で示されるトリアリールアミン系正孔輸送材料のうち、特に、「−C6H4−C(RT4)=C(RT5)(RT6)」を有するトリアリールアミン系正孔輸送材料が好ましい。中でも、後述するトリアリールアミン系正孔輸送材料(HT1)の具体例(HT1−4)で示されるトリアリールアミン系正孔輸送材料が好ましい。
ベンジジン系正孔輸送材料(HT1a)について説明する。
ベンジジン系正孔輸送材料(HT1a)は、下記一般式(HT1a)で示される正孔輸送材料である。
ベンジジン系正孔輸送材料(HT1a)は、下記一般式(HT1a)で示される正孔輸送材料である。
一般式(HT1a)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。
一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアリール基としては、炭素数6以上10以下(好ましくは6以上9以下、より好ましくは6以上8以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
なお、一般式(HT1a)において、RC21、RC22、及びRC23が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子および基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
ベンジジン系正孔輸送材料(HT1a)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
以下に、トリアリールアミン系正孔輸送材料(HT1)、及びベンジジン系正孔輸送材料(HT1a)の具体例(HT1−1)〜(HT1−7)を示すが、これに限定されるわけではない。
ブタジエン系正孔輸送材料(HT2)について説明する。
ブタジエン系正孔輸送材料(HT2)は、下記一般式(HT2)で示される正孔輸送材料である。
ブタジエン系正孔輸送材料(HT2)は、下記一般式(HT2)で示される正孔輸送材料である。
一般式(HT2)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。
n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。
n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。
一般式(HT2)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(HT2)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアルキル基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(HT2)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(HT2)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアリール基としては、炭素数6以上30以下(好ましくは6以上20以下、より好ましくは6以上16以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
なお、一般式(HT2)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子および基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(HT2)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16の隣接する二つの置換基同士(例えばRC11及びRC12同士、RC13及びRC14同士、RC15及びRC16同士)が連結した炭化水素環構造における、当該置換基同士を連結する基としては、単結合、2,2’−メチレン基、2,2’−エチレン基、2,2’−ビニレン基などが挙げられ、これらの中でも単結合、2,2’−メチレン基が好ましい。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造、シクロアルカンポリエン構造等が挙げられる。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造、シクロアルカンポリエン構造等が挙げられる。
一般式(HT2)において、n及びmは、1であることが好ましい。
一般式(HT2)において、正孔輸送能の高い感光層(正孔輸送層)形成の点から、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、又は炭素数1以上20以下のアルコキシ基を表し、m及びnが1又は2を表することが好ましく、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子を表し、m及びnが1を表すことがより好ましい。
つまり、ブタジエン系正孔輸送材料(HT2)は、下記構造式(HT2a)で示される正孔輸送材料(例示化合物(HT2−3))であることがより好ましい。
つまり、ブタジエン系正孔輸送材料(HT2)は、下記構造式(HT2a)で示される正孔輸送材料(例示化合物(HT2−3))であることがより好ましい。
以下に、ブタジエン系正孔輸送材料(HT2)の具体例(HT2−1)〜(HT2−24)を示すが、これに限定されるわけではない。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・CH3:メチル基
・OCH3:メトキシ基
・CH3:メチル基
・OCH3:メトキシ基
ブタジエン系正孔輸送材料(HT2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
正孔輸送材料の含有量は、例えば、結着樹脂に対して10質量%以上98質量%以下がよく、望ましくは60質量%以上95質量%以下、より望ましくは70質量%以上90質量%以下である。
−電子輸送材料−
電子輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、9−ジシアノメチレン−9−フルオレノン−4−カルボン酸オクチル、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’−ジ−tert−ペンチル-ジナフトキノン等のジナフトキノン化合物;3,3’−ジ−tert−ブチル−5,5’−ジメチルジフェノキノン、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの電子輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電子輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、9−ジシアノメチレン−9−フルオレノン−4−カルボン酸オクチル、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’−ジ−tert−ペンチル-ジナフトキノン等のジナフトキノン化合物;3,3’−ジ−tert−ブチル−5,5’−ジメチルジフェノキノン、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの電子輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、下記一般式(ET1)で示される電子輸送材料、及び下記一般式(ET2)で示される電子輸送材料が好ましい。
一般式(ET1)で示される電子輸送材料について説明する。
一般式(ET1)中、R111、及びR112は、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R113は、アルキル基、−L114−O−R115、アリール基、又はアラルキル基を示す。n1、及びn2は、各々独立に、0以上3以下の整数を示す。L114は、アルキレン基を示し、R115は、アルキル基を示す。
一般式(ET1)中、R111、及びR112が示すハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(ET1)中、R111、及びR112が示すアルキル基としては、例えば、直鎖状又は分岐状で、炭素数1以上4以下(好ましくは1以上3以下)のアルキル基が挙げられる。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
一般式(ET1)中、R111、及びR112が示すアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上4以下(好ましくは1以上3以下)のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
一般式(ET1)中、R111、及びR112が示すアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基等が挙げられる。
一般式(ET1)中、R111、及びR112が示すアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
これらの中でも、フェニル基が望ましい。
一般式(ET1)中、R111、及びR112が示すアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
これらの中でも、フェニル基が望ましい。
一般式(ET1)中、R113が示すアルキル基としては、例えば、炭素数1以上15以下(好ましくは、炭素数5以上10以下)の直鎖状のアルキル基、炭素数3以上15以下(好ましくは、炭素数5以上10以下)の分岐状のアルキル基が挙げられる。
炭素数1以上15以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基等が挙げられる。
炭素数3以上15以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基等が挙げられる。
炭素数1以上15以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基等が挙げられる。
炭素数3以上15以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基等が挙げられる。
一般式(ET1)中、R113が示す−L114−O−R115で示される基としては、L114は、アルキレン基を示し、R115は、アルキル基を示す。
L114が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
R115が示すアルキル基としては、上記R111、及びR112が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
L114が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
R115が示すアルキル基としては、上記R111、及びR112が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(ET1)中、R113が示すアリール基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基等が挙げられる。
なお、一般式(ET1)中、R113がアリール基である場合、アリール基がさらにアルキル基で置換されていることが、溶解性の観点で好ましい。アリール基に置換されるアルキル基としては、R111、及びR112が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。また、さらにアルキル基で置換されたアリール基の具体例としては、上記メチルフェニル基及びジメチルフェニル基のほか、エチルフェニル基等が挙げられる。
なお、一般式(ET1)中、R113がアリール基である場合、アリール基がさらにアルキル基で置換されていることが、溶解性の観点で好ましい。アリール基に置換されるアルキル基としては、R111、及びR112が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。また、さらにアルキル基で置換されたアリール基の具体例としては、上記メチルフェニル基及びジメチルフェニル基のほか、エチルフェニル基等が挙げられる。
一般式(ET1)中、R113が示すアラルキル基としては、−R116−Arで示される基が挙げられる。但し、R116は、アルキレン基を示す、Arは、アリール基を示す。
R116が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
Arが示すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、等が挙げられる。
R116が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
Arが示すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、等が挙げられる。
一般式(ET1)中、R113が示すアラルキル基として具体的には、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェニルエチル基、メチルフェニルエチル基、エチルフェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
一般式(ET1)で表される電子輸送材料として、高感度化等の観点から、特に、R113が示すアラルキル基、又は炭素数5以上10以下の分岐状のアルキル基を示す電子輸送材料が好ましく、R111、及びR112が各々独立に、ハロゲン原子、又はアルキル基を示し、R113がアラルキル基、又は炭素数5以上10以下の分岐状のアルキル基を示す電子輸送材料が好ましい。また、同様の観点で、−CO(=O)−R113は、2位または4位の位置に置換していることがさらに好ましく、4位の位置に置換していることが特に好ましい。
一般式(ET1)で示される電子輸送材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
以下、一般式(ET1)で表される電子輸送材料の例示化合物を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(ET1−番号)と以下表記する。具体的には、例えば、「例示化合物(ET1−2)」と以下表記する。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。
「番号−」は、フルオレン環の番号の位置に置換する置換基を表す。例えば、「1−Cl」は、フルオレン環の1位に置換するCl(塩素原子)を、4−CO(=O)−R113は、フルオレン環の4位に置換する−CO(=O)−R113を、それぞれ表す。
また、「1〜3−」は、1位〜3位のすべての位置に置換基が置換していることを、「5〜8−」は5位〜8位のすべての位置に置換基が置換していることを、それぞれ表す。
「Ph」はフェニル基を表す。
「番号−」は、フルオレン環の番号の位置に置換する置換基を表す。例えば、「1−Cl」は、フルオレン環の1位に置換するCl(塩素原子)を、4−CO(=O)−R113は、フルオレン環の4位に置換する−CO(=O)−R113を、それぞれ表す。
また、「1〜3−」は、1位〜3位のすべての位置に置換基が置換していることを、「5〜8−」は5位〜8位のすべての位置に置換基が置換していることを、それぞれ表す。
「Ph」はフェニル基を表す。
一般式(ET2)で示される電子輸送材料について説明する。
一般式(ET2)中、R211、R212、R213、及びR214は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又はフェニル基を示す。
一般式(ET2)中、R211〜R214が示すアルキル基としては、例えば、直鎖状又は分岐状で、炭素数1以上6以下のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
R211〜R214が示すアルキル基は、置換アルキル基であってもよい。置換アルキル基の置換基としては、シクロアルキル基、フッ素置換アルキル基等が挙げられる。
R211〜R214が示すアルキル基は、置換アルキル基であってもよい。置換アルキル基の置換基としては、シクロアルキル基、フッ素置換アルキル基等が挙げられる。
一般式(ET2)中、R211〜R214が示すアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上6以下のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
一般式(ET2)中、R211〜R214が示すハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子、フッ素原子等が挙げられる。
一般式(ET2)中、R211〜R214が示すフェニル基は、置換フェニル基であってもよい。置換フェニル基の置換基としては、アルキル基(例えば炭素数1以上6以下のアルキル基)、アルコキシ基(例えば炭素数1以上6以下のアルコキシ基)、ビフェニル基等が挙げられる。
一般式(ET2)で示される電子輸送材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
以下、一般式(ET2)で示される電子輸送材料の例示化合物を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物に付す番号は、例示化合物(ET2−番号)と以下表記する。具体的には、例えば、「例示化合物(ET2−2)」と以下表記する。
電子輸送材料の含有量は、例えば、結着樹脂に対して4質量%以上70質量%以下がよく、望ましくは8質量%以上50質量%以下、より望ましくは10質量%以上30質量%以下である。
−正孔輸送材料と電子輸送材料との質量比−
正孔輸送材料と電子輸送材料との比率は、質量比(正孔輸送材料/電子輸送材料)で、50/50以上90/10以下が望ましく、より望ましくは60/40以上80/20以下である。
正孔輸送材料と電子輸送材料との比率は、質量比(正孔輸送材料/電子輸送材料)で、50/50以上90/10以下が望ましく、より望ましくは60/40以上80/20以下である。
−その他添加剤−
単層型の感光層には、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤を含んでいてもよい。また、単層型の感光層が表面層となる場合、フッ素樹脂粒子、シリコーンオイル等を含んでいてもよい。
単層型の感光層には、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤を含んでいてもよい。また、単層型の感光層が表面層となる場合、フッ素樹脂粒子、シリコーンオイル等を含んでいてもよい。
(単層型の感光層の形成)
単層型の感光層は、感光層成分(電荷発生材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、結着樹脂等)と、溶剤と、必要に応じて分散助剤などの添加剤と、を含む溶液を混合して得た感光層形成用塗布液を用いて形成される。なお、感光層形成用塗布液は、溶剤に上記感光層成分を一括して混合して得た溶液であってもよいし、溶剤に上記感光層成分の少なくとも1以上を混合して得た溶液を、それぞれ混合したものであってもよい。
単層型の感光層は、感光層成分(電荷発生材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、結着樹脂等)と、溶剤と、必要に応じて分散助剤などの添加剤と、を含む溶液を混合して得た感光層形成用塗布液を用いて形成される。なお、感光層形成用塗布液は、溶剤に上記感光層成分を一括して混合して得た溶液であってもよいし、溶剤に上記感光層成分の少なくとも1以上を混合して得た溶液を、それぞれ混合したものであってもよい。
本実施形態における感光層は、電荷発生重心が感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置にある。電荷発生重心を感光層の膜厚の表面側から上記範囲内の位置に制御するためには、感光層形成用塗布液を調製する際に電荷発生材料の分散性を高めるための操作を行えばよい。電荷発生材料の分散性を高めるための操作としては、例えば、感光層形成用塗布液を調製する際に、電荷発生材料を溶剤に分散させた溶液(以下、「電荷発生材料分散溶液」とも称する)を別途調製し、それを感光層形成用塗布液に添加する方法(電荷発生材料の予備混合方法);が挙げられる。電荷発生材料を溶剤に分散させるためには、分散手段を用いればよい。
分散手段としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー(衝突方式、貫通方式等)、超音波ホモジナイザー、ナノマイザー分散機等のメディアレス分散機などが挙げられる。これらの中でも、電荷発生材料の分散性を高める観点から、超音波ホモジナイザー、ナノマイザー分散機、超音波分散機が好ましい。
また、電荷発生材料の分散性をより高めるためには、上記電荷発生材料分散溶液を調製する際に、分散助剤(例えばアミン化合物)を用いることが好ましい。さらに、感光層形成用塗布液に上記電荷発生材料分散溶液を添加した後、感光層形成用塗布液中に含まれる他の感光層成分(正孔輸送材料、電子輸送材料、結着樹脂等)と共に電荷発生材料を分散させることが好ましい。このとき用いる分散手段としては、上述した分散手段が挙げられるが、電荷発生材料の分散性をより高める観点から、ナノマイザー分散機が好ましい。
上記操作により、感光層形成用塗布液中での電荷発生材料の分散性は高まる。よって、この感光層形成用塗布液を用いて形成された感光層は、電荷発生材料が均一に近い状態で分散された状態となり、電荷発生重心が表面側に近い位置に存在しやすくなると考えられる。これにより、電子が感光層の表面側で効率よく発生しやすくなり、発生した電子の移動効率も高まる。この結果、環境差が生じた場合でも露光後の感光体の表面電位の変動が抑制される。
また、電荷発生材料の分散性をより高めるためには、上記電荷発生材料分散溶液を調製する際に、分散助剤(例えばアミン化合物)を用いることが好ましい。さらに、感光層形成用塗布液に上記電荷発生材料分散溶液を添加した後、感光層形成用塗布液中に含まれる他の感光層成分(正孔輸送材料、電子輸送材料、結着樹脂等)と共に電荷発生材料を分散させることが好ましい。このとき用いる分散手段としては、上述した分散手段が挙げられるが、電荷発生材料の分散性をより高める観点から、ナノマイザー分散機が好ましい。
上記操作により、感光層形成用塗布液中での電荷発生材料の分散性は高まる。よって、この感光層形成用塗布液を用いて形成された感光層は、電荷発生材料が均一に近い状態で分散された状態となり、電荷発生重心が表面側に近い位置に存在しやすくなると考えられる。これにより、電子が感光層の表面側で効率よく発生しやすくなり、発生した電子の移動効率も高まる。この結果、環境差が生じた場合でも露光後の感光体の表面電位の変動が抑制される。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類
、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等、の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は2種以上混合して用いる。
、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等、の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は2種以上混合して用いる。
上記操作により得られた感光層形成用塗布液を、例えば導電性基体上、又は下引層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
(保護層)
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
反応性基含有電荷輸送材料の反応性基としては、連鎖重合性基、エポキシ基、−OH、−OR[但し、Rはアルキル基を示す]、−NH2、−SH、−COOH、−SiRQ1 3−Qn(ORQ2)Qn[但し、RQ1は水素原子、アルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、RQ2は水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。Qnは1〜3の整数を表す]等の周知の反応性基が挙げられる。
連鎖重合性基としては、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基等が挙げられる。中でも、その反応性に優れることから、連鎖重合性基としては、ビニル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基であることが好ましい。
反応性基含有電荷輸送材料の電荷輸送性骨格としては、電子写真感光体における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が好ましい。
これら反応性基及び電荷輸送性骨格を有する反応性基含有電荷輸送材料、非反応性の電荷輸送材料、反応性基含有非電荷輸送材料は、周知の材料から選択すればよい。
保護層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
保護層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
保護層形成用塗布液を感光層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
[画像形成装置(及びプロセスカートリッジ)]
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面を露光し、静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面を露光し、静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図2におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図2には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
−帯電装置−
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
−露光装置−
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
−現像装置−
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
−クリーニング装置−
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
−転写装置−
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
−中間転写体−
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<実施例1>
−電子写真感光体(1)の作製−
まず、電荷発生材料としてCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(CG1)、及びCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.4゜,16.6゜,25.5゜,28.3゜の位置に回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン顔料(CG2)を合計で2部(CG2:CG1=3:2(質量比))と、分散助剤としてアミン化合物0.2部と、溶剤としてテトラヒドロフラン13部からなる溶液を調製し、マグネティックスターラーを使用して、20時間攪拌を実施した後、超音波ホモジナイザーを使用して、電荷発生材料が均一に近い状態に分散するまで4時間撹拌を実施した。これにより、分散溶液(1)を得た。
また、別途電子輸送材料(ET1A)4部と、正孔輸送材料料(HT1A)12部及び正孔輸送材料料(HT2A)22部と、結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:4.5万)60部と、溶剤としてテトラヒドロフラン77部とトルエン10部からなる溶液を調製し、ユニバーサルボールミルを使用して、前記結着樹脂が溶解するまで攪拌を実施した。これにより、分散溶液(2)を得た。
次に、分散溶液(1)と分散溶液(2)とを混ぜ合わせ、同様にユニバーサルボールミルを使用して、これらの溶液が均一に近い状態に混ざり合うまで攪拌を実施した。これにより、塗布液を得た。
最後に、この塗布液を、ナノマイザー分散機を用いて、6回繰り返し分散を行ない電荷発生材料が均一に近い状態に分散するまで分散を実施し、感光層形成用塗布液を作製した。
−電子写真感光体(1)の作製−
まず、電荷発生材料としてCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(CG1)、及びCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.4゜,16.6゜,25.5゜,28.3゜の位置に回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン顔料(CG2)を合計で2部(CG2:CG1=3:2(質量比))と、分散助剤としてアミン化合物0.2部と、溶剤としてテトラヒドロフラン13部からなる溶液を調製し、マグネティックスターラーを使用して、20時間攪拌を実施した後、超音波ホモジナイザーを使用して、電荷発生材料が均一に近い状態に分散するまで4時間撹拌を実施した。これにより、分散溶液(1)を得た。
また、別途電子輸送材料(ET1A)4部と、正孔輸送材料料(HT1A)12部及び正孔輸送材料料(HT2A)22部と、結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:4.5万)60部と、溶剤としてテトラヒドロフラン77部とトルエン10部からなる溶液を調製し、ユニバーサルボールミルを使用して、前記結着樹脂が溶解するまで攪拌を実施した。これにより、分散溶液(2)を得た。
次に、分散溶液(1)と分散溶液(2)とを混ぜ合わせ、同様にユニバーサルボールミルを使用して、これらの溶液が均一に近い状態に混ざり合うまで攪拌を実施した。これにより、塗布液を得た。
最後に、この塗布液を、ナノマイザー分散機を用いて、6回繰り返し分散を行ない電荷発生材料が均一に近い状態に分散するまで分散を実施し、感光層形成用塗布液を作製した。
次に、感光層形成用塗布液を、浸漬塗布法にて、外径30mm、長さ245mm、厚さ0.75mmのアルミニウム基体(アルミニウム製切削管)上に浸漬塗布し、135℃、24分の乾燥硬化を行い、厚さ22μmの感光層を形成して単層型の電子写真感光体(1)を作製した。
<実施例2〜8、比較例1>
表1、表2に従って、感光層形成用塗布液の組成において、電荷発生材料の種類と量、分散助剤の有無、電子輸送材料の種類と量、正孔輸送材料の種類と量、結着樹脂の量を変更した以外は、実施例1の電子写真感光体(1)と同様にして、電子写真感光体を作製した。但し、実施例8では、電子輸送材料として、電子輸送材料(ET1A)の代わりに、電子輸送材料(ET2A)を用いた。
表1、表2に従って、感光層形成用塗布液の組成において、電荷発生材料の種類と量、分散助剤の有無、電子輸送材料の種類と量、正孔輸送材料の種類と量、結着樹脂の量を変更した以外は、実施例1の電子写真感光体(1)と同様にして、電子写真感光体を作製した。但し、実施例8では、電子輸送材料として、電子輸送材料(ET1A)の代わりに、電子輸送材料(ET2A)を用いた。
<比較例2>
電荷発生材料としてCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(CG1)、及びCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.4゜,16.6゜,25.5゜,28.3゜の位置に回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン顔料(CG2)を合計で2部(CG2:CG1=3:2(質量比))と、電子輸送材料(ET1A)4部と、正孔輸送材料(HT1A)12部及び正孔輸送材料(HT2A)22部と、結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:4.5万)60部と、溶剤としてテトラヒドロフラン90部と、トルエン10部からなる混合溶液を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散し、感光層形成用塗布液を得た。
その後、実施例1の電子写真感光体(1)と同様にして、電子写真感光体を作製した。
電荷発生材料としてCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(CG1)、及びCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.4゜,16.6゜,25.5゜,28.3゜の位置に回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン顔料(CG2)を合計で2部(CG2:CG1=3:2(質量比))と、電子輸送材料(ET1A)4部と、正孔輸送材料(HT1A)12部及び正孔輸送材料(HT2A)22部と、結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:4.5万)60部と、溶剤としてテトラヒドロフラン90部と、トルエン10部からなる混合溶液を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散し、感光層形成用塗布液を得た。
その後、実施例1の電子写真感光体(1)と同様にして、電子写真感光体を作製した。
[評価]
(感光層の電荷発生重心)
各例で得られた電子写真感光体の感光層について、既述の方法で電荷発生重心を測定した。具体的に、まず、感光層の最表面側からアルミニウム基体(導電性基体)に向かって、露光波長780nmの光に対する透過率が50%になる位置(感光層の最表面側からの深さ)を求め、この深さを感光層全体の膜厚(22μm)で割ることで算出した。結果を表1、表2に示す。
(感光層の電荷発生重心)
各例で得られた電子写真感光体の感光層について、既述の方法で電荷発生重心を測定した。具体的に、まず、感光層の最表面側からアルミニウム基体(導電性基体)に向かって、露光波長780nmの光に対する透過率が50%になる位置(感光層の最表面側からの深さ)を求め、この深さを感光層全体の膜厚(22μm)で割ることで算出した。結果を表1、表2に示す。
(環境差による感光体の電気特性)
各例で得られた電子写真感光体を画像形成装置(Brother社製、HL-2240D)に搭載し、画像形成装置を電位測定用に改造した。具体的には、現像装置の代わりに電子写真感光体と正対するように表面電位測定プローブ(トレック社、Model 555P−1)を設置し、表面電位計(トレック社製、トレック334)と接続して電位測定を行った。
まず、低温低湿(10℃、15%RH)環境下において、露光装置によって画像濃度100%の画像(ベタ画像)を出力するための露光を行い、その感光体の表面電位(ベタ濃度の潜像が形成された感光体の表面電位)を測定し、これを低温低湿環境下における露光後の表面電位VL1とした。
次に、高温高湿(28℃、85%RH)環境下において、上述の低温低湿環境下における露光後の表面電位VL1と同様の方法により、高温高湿環境下における露光後の表面電位VL2を測定した。
そして、低温低湿環境下における露光後の表面電位VL1と、高温高湿環境下における露光後の表面電位VL2との差|ΔVL|(|ΔVL|=|VL1−VL2|)を求め、環境差による感光体の電気特性を下記基準で評価した。結果を表1、表2に示す。
各例で得られた電子写真感光体を画像形成装置(Brother社製、HL-2240D)に搭載し、画像形成装置を電位測定用に改造した。具体的には、現像装置の代わりに電子写真感光体と正対するように表面電位測定プローブ(トレック社、Model 555P−1)を設置し、表面電位計(トレック社製、トレック334)と接続して電位測定を行った。
まず、低温低湿(10℃、15%RH)環境下において、露光装置によって画像濃度100%の画像(ベタ画像)を出力するための露光を行い、その感光体の表面電位(ベタ濃度の潜像が形成された感光体の表面電位)を測定し、これを低温低湿環境下における露光後の表面電位VL1とした。
次に、高温高湿(28℃、85%RH)環境下において、上述の低温低湿環境下における露光後の表面電位VL1と同様の方法により、高温高湿環境下における露光後の表面電位VL2を測定した。
そして、低温低湿環境下における露光後の表面電位VL1と、高温高湿環境下における露光後の表面電位VL2との差|ΔVL|(|ΔVL|=|VL1−VL2|)を求め、環境差による感光体の電気特性を下記基準で評価した。結果を表1、表2に示す。
−評価基準−
G1+(◎):|ΔVL|≦10V
G1(◎):10V<|ΔVL|≦20V
G2(○):20V<|ΔVL|≦30V
G3(△):30V<|ΔVL|≦40V
G4(×):40V<|ΔVL|
G1+(◎):|ΔVL|≦10V
G1(◎):10V<|ΔVL|≦20V
G2(○):20V<|ΔVL|≦30V
G3(△):30V<|ΔVL|≦40V
G4(×):40V<|ΔVL|
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、電荷発生重心が感光層の膜厚の表面側に存在していることがわかる。また、低温低湿環境下における露光後の表面電位VL1と、高温高湿環境下における露光後の表面電位VL2との差が小さいことがわかる。これは、電荷発生重心が感光層の膜厚の表面側に存在していることに起因すると考えられる。
以上のことから、本実施例の電子写真感光体を用いることで、環境差による露光後の表面電位の変動が抑制されることがわかった。
以上のことから、本実施例の電子写真感光体を用いることで、環境差による露光後の表面電位の変動が抑制されることがわかった。
以下、表中の略称の詳細について示す。
−電荷発生材料−
・CG1:下記構造式で示される電荷発生材料(ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)
−電荷発生材料−
・CG1:下記構造式で示される電荷発生材料(ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)
・CG2:下記構造式で示される電荷発生材料(クロロガリウムフタロシアニン顔料)
・TiPc:電荷発生材料(α型チタニルフタロシアニン顔料)
・InPc:電荷発生材料(インジウムフタロシアニン顔料)
・InPc:電荷発生材料(インジウムフタロシアニン顔料)
−電子輸送材料−
・ET1A:下記構造式で示される電子輸送材料(例示化合物ET1−2)
・ET1A:下記構造式で示される電子輸送材料(例示化合物ET1−2)
・ET2A:下記構造式で示される電子輸送材料(3,3’−ジ−tert−ブチル−5,5’−ジメチルジフェノキノン(例示化合物ET2−3))
−正孔輸送材料−
・HT1A:下記構造式で示される正孔輸送材料(例示化合物HT1−4)
・HT1A:下記構造式で示される正孔輸送材料(例示化合物HT1−4)
・HT2A:下記構造式で示される正孔輸送材料(例示化合物HT2−3)
1 下引層、2 感光層、3 導電性基体、7 電子写真感光体、8 帯電装置、9 露光装置、10 電子写真感光体、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑材、40 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材、133 繊維状部材、300 プロセスカートリッジ
Claims (4)
- 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層であって、結着樹脂と、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料と、を含み、露光波長780nmの光に対する前記感光層の透過率が50%になる位置が、前記感光層の膜厚の表面側から25%以内の位置にある感光層と、を有する電子写真感光体。 - 前記電子輸送材料が、下記一般式(ET1)で示される電子輸送材料及び下記一般式(ET2)で示される電子輸送材料よりなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記正孔輸送材料が、下記一般式(HT1)で示される正孔輸送材料及び下記一般式(HT2)で示される正孔輸送材料よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の電子写真感光体。
(一般式(ET1)中、R111、及びR112は、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R113は、アルキル基、−L114−O−R115、アリール基、又はアラルキル基を示す。n1、及びn2は、各々独立に、0以上3以下の整数を示す。L114は、アルキレン基を示し、R115は、アルキル基を示す。)
(一般式(ET2)中、R211、R212、R213、及びR214は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又はフェニル基を示す。)
(一般式(HT1)中、ArT1、ArT2、及びArT3は、各々独立に、アリール基、又は−C6H4−C(RT4)=C(RT5)(RT6)を示す。RT4、RT5、及びRT6は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を示す。RT5及びRT6は、結合して炭化水素環を形成してもよい。)
(一般式(HT2)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を示し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。n及びmは、各々独立に、0、1又は2を示す。) - 請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面を露光し、静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
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