JP2017034276A - インプリント用モールドとインプリント方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】欠陥発生を抑制したローラーインプリントを可能とするインプリント用モールドと、このモールドを使用したインプリント方法、および、位置合わせが容易であり直線偏光の生成に支障を生じないワイヤーグリッド偏光子とその製造方法を提供する。
【解決手段】可撓性を有する基材12の一の面に設定された主パターン領域13と計測パターン領域16、を有し、計測パターン領域は、主パターン領域の外郭線13aの内側に位置する領域を少なくとも有し、主パターン領域13には、ライン形状の主凸パターン15が所望のスペースを介して複数配列されて構成された主パターン14が位置し、計測パターン領域16には、ライン形状の単位凸パターン18a,18bが所望のスペースを介して複数配列されて構成された計測パターン17が位置し、主パターン14のライン方向Aと計測パターン17のライン方向Bが等しいような構成とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、インプリント用モールド、特に可撓性を有するインプリント用モールドと、このモールドを使用したインプリント方法およびワイヤーグリッド偏光子とその製造方法に関する。
近年、フォトリソグラフィ技術に代わる微細なパターン形成技術として、インプリント方法を用いたパターン形成技術が注目されている。インプリント方法は、微細な凹凸構造を備えた型部材(モールド)を用い、凹凸構造を被成形樹脂に転写することで微細構造を等倍転写するパターン形成技術である。例えば、被成形樹脂として光硬化性の樹脂組成物を用いたインプリント方法では、転写基板の表面に光硬化性樹脂組成物の液滴を供給し、所望の凹凸構造を有するモールドと転写基板とを所定の距離まで近接させることにより凹凸構造内に光硬化性樹脂組成物を充填し、この状態でモールド側から光を照射して光硬化性樹脂組成物を硬化させることにより樹脂層を形成し、その後、モールドを樹脂層から引き離すことにより、モールドが備える凹凸が反転した凹凸構造(凹凸パターン)を有するパターン構造体を形成する。また、このパターン構造体をエッチングレジストとして転写基板をエッチング加工することが行われる。
このようなインプリント方法では、インプリント時に発生する誤差要因により、形成目的であるパターンの位置座標と設計座標との間にズレを生じることがある。このため、モールドに、形成目的であるパターンを形成するための凹凸構造(主パターン)とともに、計測パターンを設けておき、インプリントにより主パターンと共に形成された計測パターンを測定することによって、ズレの大きさ、方向を検出し、主パターンの形成位置のズレを補正することが行われている(特許文献1、特許文献2)。
また、近年、微細な金属細線を平行に複数備えたワイヤーグリッド偏光子が光配向処理等に使用されている(特許文献3)。例えば、金属細線を一方向に揃えるようにして複数のワイヤーグリッド偏光子を保持枠体内に配列配置することにより偏光素子ユニットを構成し、この偏光素子ユニットに紫外線を照射し、出射された直線偏光を硬化性樹脂組成物に照射することにより異方性を持たせて光配向処理を施すことが行われている(特許文献4)。光学素子は、光配向処理の他にも、例えば、ディスプレイの輝度を向上する部材等、種々の用途に使用されており、このような光学素子の作製においても、インプリント用モールドの使用が検討されている。
特開2010−278041号公報 特開2011−61025号公報 特開2009−265290号公報 特開2012−203294号公報
通常、可撓性を具備しないモールドを使用するインプリントでは、モールドから引き離された樹脂層における残膜厚みを均一とするために、モールドと転写基板との平行が維持されることが要求される。そして、このような可撓性を具備しないモールドは、面積が拡大すると樹脂層との引き離しに際して大きな剥離応力が作用し、パターンに欠陥を生じさせないような離型が難しくなる。このため、可撓性を具備しないインプリント用のモールドの大面積化には限界があった。
一方、インプリント方法として、可撓性を有する基材に微細な凹凸構造を形成することによりモールドを作製し、このモールドの裏面(凹凸構造が形成されていない面)からローラーで加圧することにより、樹脂組成物に対してモールドを接触させ、接触後に樹脂組成物を硬化させ、その後、硬化した樹脂層とモールドとの離型を行う、所謂、ローラーインプリントが知られている。このローラーインプリントは、可撓性のないモールドを用いたインプリント方法に比べて大面積化が容易である。しかし、ローラーインプリントでは、モールドをローラーで加圧することにより樹脂組成物に接触させるので、パターンの変形が生じ易いという問題があった。さらに、ローラーインプリントに使用するモールドが、形成目的のパターンである主パターンと共に、計測パターンのような付随したパターンを有する場合、計測パターンにおいても変形が生じ易く、所望の計測が行えないという問題があった。
また、インプリント用モールドを使用したワイヤーグリッド偏光子の製造においては、ローラーインプリントを採用することにより、可撓性を具備しないモールドを使用するインプリントに比べて、より大きな面積のワイヤーグリッド偏光子の製造が可能となる。しかし、金属細線を一方向に揃えるようにして複数のワイヤーグリッド偏光子を保持枠体内に配列配置することにより偏光素子ユニットを構成する場合、個々のワイヤーグリッド偏光子に個体差があり、偏光軸がずれるという問題があった。このため、個々のワイヤーグリッド偏光子の位置合わせを行って偏光軸を揃える必要がある。このような位置合わせは、例えば、計測パターンを利用して行うことができるが、金属細線を形成する主パターン領域内に計測パターンが位置する場合、計測パターンが存在する部位では直線偏光が得られないので、光配向処理に支障を来すという問題があった。また、このような問題を解消するために、直線偏光が得られない計測パターンを、金属細線を形成する主パターン領域の外側に配置する場合、計測パターンと主パターンとが離間することになり、精確な位置合わせが困難となったり、ワイヤーグリッド偏光子における有効な偏光領域が狭くなるという問題があった。さらに、上述のように、ローラーインプリントでは、計測パターンにおいても変形が生じ易く、ワイヤーグリッド偏光子の位置合わせ精度が低下するという問題があった。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、欠陥発生を抑制したローラーインプリントを可能とするインプリント用モールドと、このモールドを使用したインプリント方法、および、高精度の位置合わせが可能なワイヤーグリッド偏光子とその製造方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のインプリント用モールドは、可撓性を有する基材と、該基材の一の面に設定された主パターン領域と計測パターン領域、を有し、前記主パターン領域には、ライン形状の主凸パターンあるいは主凹パターンが所望のスペースを介して複数配列され構成された主パターンが位置し、前記計測パターン領域には、ライン形状の単位凸パターンあるいは単位凹パターンが所望のスペースを介して複数配列され構成された計測パターンが位置し、前記主パターンのライン方向と、前記計測パターンのライン方向とが等しいような構成とした。
本発明の他の態様として、前記主パターンを構成するライン形状の主凸パターンあるいは主凹パターンのライン幅と、前記計測パターンを構成するライン形状の単位凸パターンあるいは単位凹パターンのライン幅とが等しいような構成とした。
本発明の他の態様として、前記計測パターン領域は、前記主パターン領域の外郭線の内側に位置する領域を少なくとも有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記計測パターンは、観察手段により観察可能な部位を有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記主パターン領域と前記計測パターン領域との距離が100μm以下であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記計測パターンを構成するライン形状の単位凸パターンあるいは単位凹パターンの中心線と、該中心線の延長線上に位置する前記主パターンを構成するライン形状の主凸パターンあるいは主凹パターンの中心線との位置ずれが、前記計測パターンを構成するライン形状の単位凸パターンあるいは単位凹パターンのライン幅の半分未満であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記基材は、樹脂フィルムであるような構成とした。
本発明のインプリント方法は、一方の面に凹凸構造を有する可撓性のインプリント用モールドの前記凹凸構造を有する面を、前記凹凸構造が形成されていない面からローラーで加圧することにより、転写基板の一方の面に位置する被成形樹脂層に圧着させる圧着工程と、前記インプリント用モールドに圧着させた前記被成形樹脂層を硬化させることにより前記凹凸構造が転写された転写樹脂層とする硬化工程と、前記転写樹脂層と前記インプリント用モールドを引き離すことにより、前記転写樹脂層であるパターン構造体を前記転写基板上に位置させた状態とする離型工程と、を有し、前記インプリント用モールドは、上述の本発明のインプリント用モールドを使用し、前記圧着工程では、前記インプリント用モールドの前記主パターンのライン方向に沿って、前記インプリント用モールドを前記被成形樹脂層に圧着させるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記離型工程では、前記インプリント用モールドの前記主パターンのライン方向に沿って、前記転写樹脂層と前記インプリント用モールドとを引き離すような構成とした。
本発明のインプリント用モールドは、ローラーインプリントにおいて、パターンの変形を抑制することができ、本発明のインプリント方法は、欠陥発生を抑制したローラーインプリントが実施可能である。
また、本発明のワイヤーグリッド偏光子は、複数のワイヤーグリッド偏光子の位置合わせを高い精度で行うことができ、偏光軸のズレを抑制した良好な光配向処理が可能であり、本発明のワイヤーグリッド偏光子の製造方法は、このようなワイヤーグリッド偏光子を簡便に製造することができる。
図1は、本発明のインプリント用モールドの一実施形態を説明するための平面図である。 図2は、図1に示されるインプリント用モールドの実線円で囲まれた部位の拡大平面図である。 図3は、図1に示されるインプリント用モールドの一点鎖線円で囲まれた部位の拡大平面図である。 図4は、図2に示されるインプリント用モールドのI−I線における縦断面図である。 図5は、図2に示されるインプリント用モールドのII−II線における縦断面図である。 図6は、本発明のインプリント用モールドの他の実施形態を説明するための平面図である。 図7は、本発明のインプリント用モールドの他の実施形態を説明するための平面図である。 図8は、本発明のインプリント用モールドの他の実施形態を説明するための平面図である。 図9は、図8に示されるインプリント用モールドの実線円で囲まれた部位の拡大平面図である。 図10は、本発明のインプリント用モールドの計測パターンの他の例を示す平面図である。 図11は、本発明のインプリント用モールドの計測パターンの他の例を示す平面図である。 図12は、本発明のインプリント方法の一実施形態を説明するための工程図である。 図13は、本発明のインプリント方法の一実施形態を説明するための工程図である。 図14は、図13(B)に示される転写基板のIII−III線における部分縦断面図である。 図15は、本発明のワイヤーグリッド偏光子の一実施形態を示す平面図である。 図16は、図15に示されるワイヤーグリッド偏光子の実線円で囲まれた部位の拡大平面図である。 図17は、図15に示されるワイヤーグリッド偏光子の一点鎖線円で囲まれた部位の拡大平面図である。 図18は、図16に示されるワイヤーグリッド偏光子のIV−IV線における縦断面図である。 図19は、図16に示されるワイヤーグリッド偏光子のV−V線における縦断面図である。 図20は、本発明のワイヤーグリッド偏光子の他の実施形態を説明するための平面図である。 図21は、本発明のワイヤーグリッド偏光子の他の実施形態を説明するための平面図である。 図22は、本発明のワイヤーグリッド偏光子の他の実施形態を説明するための平面図である。 図23は、図22に示されるワイヤーグリッド偏光子の実線円で囲まれた部位の拡大平面図である。 図24は、本発明のワイヤーグリッド偏光子の製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
尚、図面は模式的または概念的なものであり、各部材の寸法、部材間の大きさの比等は、必ずしも現実のものと同一とは限らず、また、同じ部材等を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
[インプリント用モールド]
図1は、本発明のインプリント用モールドの一実施形態を説明するための平面図であり、図2は、図1に示されるインプリント用モールドの実線円で囲まれた部位の拡大平面図であり、図3は、図1に示されるインプリント用モールドの一点鎖線円で囲まれた部位の拡大平面図である。また、図4は、図2に示されるインプリント用モールドのI−I線における縦断面図であり、図5は、図2に示されるインプリント用モールドのII−II線における縦断面図である。
図1〜図5において、インプリント用モールド11は、可撓性を有する基材12と、この基材12の一の面12aに設定された主パターン領域13と4個の計測パターン領域16、を有している。図示例では、主パターン領域13を実線で囲み示しており、また、計測パターン領域16を鎖線で囲み示している。図1に示されるように、主パターン領域13は、外郭の形状が矩形であり、この矩形の各辺に凹み領域を有している。また、計測パターン領域16は、主パターン領域13が有する上記の凹み領域に位置しており、図示例では、計測パターン領域16の全域が主パターン領域13の外郭線13aの内側に位置しているが、計測パターン領域16の一部の領域が主パターン領域13の外郭線13aの内側に位置するものであってよい。尚、図示例では、主パターン領域13の外郭線13aを二点鎖線で示している。
ここで、主パターン領域の外郭線とは、主パターン領域の外側を囲む線であり、図示例にように、計測パターン領域16を設定するための凹み領域が主パターン領域13に存在する場合には、この凹み領域を含むように主パターン領域の外側を囲む線を外郭線とする。また、後述する図7に示されるように、主パターン領域が近接して複数設定されている場合には、複数の主パターン領域を含むように主パターン領域の外側を囲む線を外郭線とする。尚、図示例では、主パターン領域13の周囲と外郭線13aとを判り易くするために、便宜的に主パターン領域13から外郭線13aを若干離して示している。以下の実施形態においても同様である。
基材12の一の面12aに設定された主パターン領域13には、ライン形状の主凸パターン15が所望のスペースを介して複数配列されて構成された主パターン14が位置している。図2、図3では、主凸パターン15に斜線を付して示している。図示例では、矢印Aで示される方向に延設されたライン形状の主凸パターン15が、主パターン領域13の全域に形成されている。ライン形状の主凸パターン15のライン幅Wa(図2、図3参照)は、インプリント用モールド11の使用目的に応じて適宜設定することができ、また、主凸パターン15間に位置するスペースの幅も、適宜設定することができる。尚、図1では、主凸パターン15、および、後述する単位凸パターン18a,18bを省略している。
基材12の一の面12aに設定された計測パターン領域16には、ライン形状の単位凸パターン18a,18bが所望のスペースを介して複数配列されて構成された計測パターン17が位置している。図2、図3では、単位凸パターン18a,18bに斜線を付して示している。図示例では、矢印Bで示される方向に延設されたライン形状の単位凸パターン18aを所望のスペースを介して複数配列し、同じく矢印Bで示される方向に延設されたライン形状の単位凸パターン18bを所望のスペースを介して複数配列し、この2種の単位凸パターンにより、十字形状の外形を有する計測パターン17が構成されている。ライン形状の単位凸パターン18a,18bのライン幅Wb(図2、図3参照)は、インプリント用モールド11の使用目的に応じて適宜設定することができ、また、単位凸パターン18a,18b間に位置するスペースの幅も、適宜設定することができる。このようにライン形状の単位凸パターン18a,18bで構成される計測パターン17は、観察手段により観察可能な部位を有するものである。例えば、観察手段が光学顕微鏡である場合、個々の単位凸パターン18a、あるいは、単位凸パターン18bは光学顕微鏡による観察が不可能であっても、複数の単位凸パターン18a、あるいは、複数の単位凸パターン18bからなる計測パターン17の一部、あるいは、全体が、光学顕微鏡により観察可能であればよい。光学顕微鏡以外の観察手段としては、蛍光顕微鏡やレーザー顕微鏡、ラマン顕微鏡等を挙げることができる。
上記のようにインプリント用モールド11における主パターン14を構成する主凸パターン15の高さ、計測パターン17を構成する単位凸パターン18a,18bの高さは、インプリント用モールド11の使用目的、基材12の強度等に応じて適宜設定することができる。例えば、ライン形状の主凸パターン15のライン幅Waに対する主凸パターン15の高さの比(主凸パターン15のアスペクト比)、ライン形状の単位凸パターン18a,18bのライン幅Wbに対する単位凸パターン18a,18bの高さの比(単位凸パターン18a,18bのアスペクト比)が10以下となるように設定することができる。
本発明では、主パターン領域13に位置する主パターン14を構成する主凸パターン15のライン方向(矢印Aで示される方向)と、計測パターン領域16に位置する計測パターン17を構成する単位凸パターン18a,18bのライン方向(矢印Bで示される方向)とが等しいものとなっている。これにより、インプリント用モールド11は、ローラーインプリントにおいて、主パターン14および計測パターン17の変形を抑制することできる。また、ローラーインプリントにおいて、転写樹脂層とモールドとの離型に際し、形成するパターンの変形を抑制することができ、パターンを高精度で形成することができる。したがって、ローラーインプリントによって形成した主パターンの誤差計測、位置合わせ等を、計測パターンを利用して高い精度で行うことができる。ここで、主パターン14を構成する主凸パターン15のライン方向と、計測パターン17を構成する単位凸パターン18a,18bのライン方向とが等しいとは、両者のライン方向の相違が5°以下であることを意味し、以下の実施形態においても同様である。
また、本発明では、上記のライン形状の主凸パターン15のライン幅Waと、ライン形状の単位凸パターン18a,18bのライン幅Wbとが等しいことが好適である。これにより、例えば、インプリント用モールド11を使用してワイヤーグリッド偏光子を製造する場合、計測パターン17においても、主パターン14と同様の直線偏光が得られるようなワイヤーグリッド偏光子の製造が可能となる。ここで、主凸パターン15のライン幅Waと、単位凸パターン18a,18bのライン幅Wとが等しいとは、両者のライン幅の相違が5nm以下であることを意味し、以下の実施形態においても同様である。
また、本発明では、計測パターン17を構成する単位凸パターン18a,18bの中心線(図2、図3において矢印Bで示される方向に沿った線)と、この中心線の延長線上に位置する主パターン14を構成する主凸パターン15の中心線(図2、図3において矢印Aで示される方向に沿った線)とが一致することが好ましく、一致しない場合の中心線同士の位置ずれは、計測パターン17を構成する単位凸パターン18a,18bのライン幅Wbの半分未満であることが好適である。これにより、インプリント用モールド11を使用してワイヤーグリッド偏光子を製造する場合、計測パターン17と主パターン14とにおいて、偏光軸のずれが防止された同様の直線偏光が得られるようなワイヤーグリッド偏光子の製造が可能となる。
上記のようなインプリント用モールド11において、主パターン領域13と計測パターン領域16との距離L(図2〜図4参照)は、100μm以下、好ましくは30μm以下とすることができる。主パターン領域13と計測パターン領域16との距離Lが100μmを超えると、主パターン領域13の面積が減少するため好ましくない。
尚、本発明のインプリント用モールドは、ライン形状の主凸パターン15に代えてライン形状の主凹パターンを有し、ライン形状の単位凸パターン18a,18bに代えてライン形状の単位凹パターンを有するものであってもよい。すなわち、主パターン領域13に、ライン形状の主凹パターンが所望のスペースを介して複数配列され構成された主パターンを有し、計測パターン領域16に、ライン形状の単位凹パターンが所望のスペースを介して複数配列され構成された計測パターンを有するものであってもよい。
上述のインプリント用モールド11では、外郭形状が矩形の主パターン領域13の各辺に位置する凹み領域に計測パターン領域16が位置しているが、図6に示すように、主パターン領域13の中央部にも計測パターン領域16が位置するようなインプリント用モールド11′であってもよい。尚、主パターン領域13の内部の領域に位置する計測パターン領域16に位置、数は、図6に示されるものに限定されない。
また、本発明のインプリント用モールドは、主パターン領域が近接して複数設定されたものであってもよい。図7は、このようなインプリント用モールドの例を示す平面図である。図7において、インプリント用モールド21は、可撓性を有する基材22と、この基材22の一の面22aの4箇所に設定された主パターン領域23と、各主パターン領域の間隙部に設定された5個の計測パターン領域26、を有している。図示例では、主パターン領域23を実線で囲み示しており、また、計測パターン領域26を鎖線で囲み示している。図7に示されるように、4個の主パターン領域が近接して設定されている場合、これらの主パターン領域23を含むように主パターン領域の外側を囲む線を外郭線23a(二点鎖線で示している)とする。このインプリント用モールド21では、計測パターン領域26は、4個の主パターン領域23を含むように画定される外郭線23aの内側に位置している。
基材22の一の面22aに設定された主パターン領域23には、ライン形状の主凸パターン25が所望のスペースを介して複数配列され構成された主パターン24が位置している。図示例では、4個の主パターン領域23のそれぞれにおいて、ライン形状の主凸パターン25が矢印Aで示される方向に延設されている。また、5個の計測パターン領域26のそれぞれには、ライン形状の単位凸パターン28a,28bが所望のスペースを介して複数配列され構成された計測パターン27が位置している。図示例では、計測パターン27は、矢印Bで示される方向に延設されたライン形状の単位凸パターン28aと、同じく矢印Bで示される方向に延設されたライン形状の単位凸パターン28bの2種の単位凸パターンで構成され、計測パターン27の外形は十字形状とされている。尚、図7では、主凸パターン25、単位凸パターン28a,28bを省略するとともに、主パターン領域23の一部、計測パターン領域26の一部を拡大した平面図として示し、主凸パターン25、単位凸パターン28a,28bには斜線を付して示している。
このインプリント用モールド21においても、主パターン領域23に位置する主パターン24を構成する主凸パターン25のライン方向(矢印Aで示される方向)と、計測パターン領域26に位置する計測パターン27を構成する単位凸パターン28a,28bのライン方向(矢印Bで示される方向)とが等しいものとなっている。また、ライン形状の主凸パターン25のライン幅と、ライン形状の単位凸パターン28a,28bのライン幅とが等しいものであってもよい。さらに、主パターン領域23と計測パターン領域26との距離は、100μm以下、好ましくは30μm以下とすることができる
図8は、本発明のインプリント用モールドの他の実施形態を説明するための平面図であり、図9は、図8に示されるインプリント用モールドの実線円で囲まれた部位の拡大平面図である。図8および図9において、インプリント用モールド31は、可撓性を有する基材32と、この基材32の一の面32aに設定された主パターン領域33と、4個の計測パターン領域36と、を有している。図示例では、主パターン領域33を実線で囲み示しており、また、計測パターン領域36を鎖線で囲み示している。図8に示されるように、主パターン領域33は、外郭の形状が矩形であり、この矩形の各辺に凹み領域を有している。また、計測パターン領域36は、その一部領域が主パターン領域33が有する上記の凹み領域に位置している。したがって、計測パターン領域36の他の領域が、主パターン領域33の外郭線33a(二点鎖線で示している)の外側に位置している点で、上記のインプリント用モールド11と相違する。
基材32の一の面32aに設定された主パターン領域33には、ライン形状の主凸パターン35が所望のスペースを介して複数配列され構成された主パターン34が位置している。図9に示すように、矢印Aで示される方向に延設されたライン形状の主凸パターン35が主パターン領域33の全域に形成されている。また、4個の計測パターン領域36のそれぞれには、ライン形状の単位凸パターン38a,38bが所望のスペースを介して複数配列され構成された計測パターン37が位置している。図9に示すように、計測パターン37は、矢印Bで示される方向に延設されたライン形状の単位凸パターン38aと、同じく矢印Bで示される方向に延設されたライン形状の単位凸パターン38bの2種の単位凸パターンによって構成されており、計測パターン37の外形は十字形状となっている。尚、図8では、主凸パターン35、単位凸パターン38a,38bを省略している。また、図9では、主凸パターン35、単位凸パターン38a,38bには斜線を付して示している。
このインプリント用モールド31においても、主パターン領域33に位置する主パターン34を構成する主凸パターン35のライン方向(矢印Aで示される方向)と、計測パターン領域36に位置する計測パターン37を構成する単位凸パターン38a,38bのライン方向(矢印Bで示される方向)とが等しいものとなっている。また、ライン形状の主凸パターン35のライン幅と、ライン形状の単位凸パターン38a,38bのライン幅とが等しいものであってもよい。さらに、主パターン領域33と計測パターン領域36との距離は、100μm以下、好ましくは30μm以下とすることができる
上記のようなインプリント用モールド11,11′,21,31を構成する基材12,22,32としては、ローラーインプリントに使用可能な可撓性を有し、ローラーインプリントにおいて被成形樹脂層を硬化させるための光、例えば、紫外線等を透過可能な光透過性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、透明樹脂フィルム、光学用樹脂フィルム、薄板ガラス等の透明なフレキシブル材を用いることができる。また、基材12,22,32の平面視形状に特に制限はなく、矩形状、長尺形状等、適宜設定することができる。尚、本発明において光透過性とは、波長200〜400nmにおける光線透過率が50%以上、好ましくは70%以上であることを意味する。光線透過率の測定は、日本分光(株)製 V−650を用いて行うことができる。
上述のインプリント用モールドは例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態では、ライン形状の単位凸パターンが所望のスペースを介して複数配列され構成された計測パターンの外形形状が十字形状であるが、この計測パターンの外形形状は、十字形状に限定されるものではない。例えば、図10に示されるように、矢印Bで示される方向に延設されたライン形状の単位凸パターン48aを所望のスペースを介して複数配列し、同じく矢印Bで示される方向に延設されたライン形状の単位凸パターン48bを所望のスペースを介して複数配列し、この2種の単位凸パターンにより、計測パターン47の外形形状が口形状に構成されたものであってもよい。また、図11に示すように、矢印Bで示される方向に延設され、かつ、切欠きが多数設けられたライン形状の単位凸パターン58aを所望のスペースを介して複数配列し、同じく矢印Bで示される方向に延設され、かつ、切欠きが多数設けられたライン形状の単位凸パターン48bを所望のスペースを介して複数配列し、この2種の単位凸パターンにより、計測パターン57の外形形状が十字形状に構成されたものであってもよい。尚、図10、図11では、単位凸パターン48a,48b、単位凸パターン58a,58bには斜線を付して示している。
[インプリント方法]
本発明のインプリント方法は、上述の本発明のインプリント用モールドを使用し、このモールドの裏面(凹凸構造が形成されていない面)からローラーで加圧することにより、被成形樹脂層にモールドを接触させ、接触後に被成形樹脂層を硬化させ、その後、硬化した樹脂層とモールドとの離型を行う、所謂、ローラーインプリント方法である。このようなインプリント方法を、上述の本発明のインプリント用モールド11を使用した場合を例として説明する
図12および図13は、本発明のインプリント方法の一実施形態を説明するための工程図である。また、図14は、図13(B)に示される転写基板のIII−III線における部分縦断面図である。
この実施形態では、まず、一方の面101aに被エッチング層102を備える転写基板101の被エッチング層102上に、被成形樹脂層103を形成する(図12(A))。
本発明のインプリント方法に使用する転写基板101は、適宜選択することができ、例えば、石英やソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、シリコンやガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂基板、金属基板、あるいは、これらの材料の任意の組み合わせからなる複合材料基板であってよい。また、例えば、半導体やディスプレイ等に用いられる微細配線や、フォトニック結晶構造、光導波路、ホログラフィのような光学的構造等の所望のパターン構造物が形成されたものであってもよい。また、被エッチング層102は、転写基板101上に形成するパターンの材質として要求される材質からなる薄膜であってよく、例えば、無機物薄膜、有機物薄膜、有機無機複合薄膜等、適宜選択することができる。
転写基板101の形状は、図示例では、平板形状であるが、例えば、周囲よりも突出した凸構造平面部位を一方の面101aに有するメサ構造であってもよい。
被成形樹脂層103は、所望の樹脂組成物、例えば、光硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物等を用いて、スピンコート法、ディスペンスコート法、ディップコート法、スプレーコート法、インクジェット法等の公知の塗布手段で形成することができる。この被成形樹脂層103の厚みは、使用するモールドの凹凸構造の凸部の高さ、凹部の深さ、および、形成するパターン構造体に生じる残膜(凸パターン間に位置する部位)の厚みの許容範囲等を考慮して設定することができる。
<圧着工程>
次に、圧着工程にて、一方の面12aに凹凸構造を有する可撓性のインプリント用モールド11の凹凸構造が形成されていない面12bからローラー151で加圧することにより、インプリント用モールド11の凹凸構造を有する面12aを被成形樹脂層103に圧着させる(図12(B)、図13(A))。
使用するインプリント用モールドは、上述の本発明のインプリント用モールド11であり、可撓性を有する基材12の一方の面12aに設定された主パターン領域13には、ライン形状の主凸パターン15を所望のスペースを介して複数配列して構成された主パターン14が位置しており、面12aに設定された計測パターン領域16には、ライン形状の単位凸パターン18a,18bを所望のスペースを介して複数配列して構成された計測パターン17が位置している。したがって、インプリント用モールド11は、主パターン14、および、計測パターン17からなる凹凸構造を有している。尚、便宜的に、図12(B)では、インプリント用モールド11の主パターン14を示し、計測パターン17は示していない。また、図13(A)では、インプリント用モールド11の主パターン14を構成する主凸パターン15の延設方向を矢印Aで示している。
図12(B)、図13(A)に示すように、ローラー151の加圧によるインプリント用モールド11の凹凸構造を有する面12aと被成形樹脂層103との圧着では、転写基板101を矢印a方向に搬送するとともに、ローラー151を矢印b方向に回転することにより、インプリント用モールド11と被成形樹脂層103とを同じ速度で移動させ、両者間にズレを生じないようにする。そして、この圧着工程では、インプリント用モールド11の主パターン14のライン方向(図13(A)に矢印Aで示す方向であり、インプリント用モールド11の計測パターン17のライン方向でもある)に沿って、インプリント用モールド11を被成形樹脂層103に圧着させる。これにより、インプリント用モールド11の主パターン14および計測パターン17の変形を抑制することできる。
ローラー151による加圧は、インプリント用モールド11の主パターン14、および、計測パターン17からなる凹凸構造を被成形樹脂層103に完全に埋め込むことができる範囲で適宜設定することができる。したがって、例えば、転写基板101を搬送するステージ(図示せず)からローラー151までの間隔を所望の値に固定し、ステージとローラー151との間を転写基板101とインプリント用モールド11が通過することにより、インプリント用モールド11の凹凸構造が被成形樹脂層103に完全に埋め込まれる場合には、ローラー151を転写基板101方向に付勢することにより加圧する必要はない。
<硬化工程>
次いで、インプリント用モールド11と圧着された被成形樹脂層103を硬化させることにより、インプリント用モールド11の主パターン14、および、計測パターン17からなる凹凸構造が転写された転写樹脂層104とする。
図12(B)、図13(A)に示される例では、インプリント用モールド11と圧着された直後に、インプリント用モールド11を介して光照射装置161から光を照射し、これにより被成形樹脂層103を硬化させて転写樹脂層104としているが、インプリント用モールド11と被成形樹脂層103との圧着が完了した後に、被成形樹脂層103を硬化させることにより転写樹脂層104としてもよい。また、転写基板101が光透過性である場合、転写基板101の裏面側に光照射装置161を配設し、インプリント用モールド11との圧着が完了した被成形樹脂層103に対して、転写基板101を介して光照射装置161から光を照射し、これにより被成形樹脂層103を硬化させてもよい。さらに、インプリント用モールド11を介した光照射装置161からの光照射と、転写基板101を介した光照射装置161からの光照射を併用して、インプリント用モールド11との圧着が完了した被成形樹脂層103の硬化を行ってもよい。
<離型工程>
次に、転写樹脂層104とインプリント用モールド11を引き離すことにより、転写樹脂層104であるパターン構造体を転写基板101上に位置させた状態とする(図12(C)、図13(B))。このように形成された転写樹脂層104は、図14に示されるように、インプリント用モールド11の主パターン14の凹凸が反転した主パターン114と、計測マーク17の凹凸が反転した計測マーク(図示せず)を有するものである。尚、図13(B)では、形成された転写樹脂層104が有する凹凸構造(主パターンと計測マーク)は省略している。
転写樹脂層104とインプリント用モールド11の引き離しの方向は、上述の圧着工程と同様に、インプリント用モールド11の主パターン14のライン方向(インプリント用モールド11の計測パターン17のライン方向でもある)とすることが好ましい。これにより、転写樹脂層104の主パターン114および計測マーク(図示せず)の変形、損傷によるパターン欠陥の発生を抑制することできる。
転写樹脂層104とインプリント用モールド11の引き離しは、被成形樹脂層103に対するインプリント用モールド11の圧着と、被成形樹脂層103の硬化による転写樹脂層104の形成が完了した後に行うことができる。また、被成形樹脂層103に対するインプリント用モールド11の圧着が完了する前に、既にインプリント用モールド11の圧着がなされている被成形樹脂層103を硬化することにより形成した転写樹脂層104からインプリント用モールド11を適宜引き離してもよい。また、転写樹脂層104とインプリント用モールド11とが引き離された後に、転写樹脂層104を完全に硬化するため追加露光を行ってもよい。
上述のように形成された転写樹脂層104であるパターン構造体104の主パターン114および計測マーク(図示せず)から、残膜114a(図14参照)を除去し、その後、パターン構造体104をマスクとして被エッチング層102をエッチングすることにより、所望のパターンを転写基板101上に形成することができる。また、このように形成したパターンをマスクとして転写基板101をエッチングすることにより、転写基板101に凹凸構造を形成することもできる。
本発明のインプリント方法は、本発明のインプリント用モールドを使用したローラーインプリントであり、インプリント用モールドと被成形樹脂層との圧着において、パターンの変形を抑制することができ、これにより欠陥発生を抑制したローラーインプリントが実施可能である。したがって、ローラーインプリントによって形成した主パターンの誤差計測、位置合わせ等を、計測パターンを使用して高い精度で行うことができる。また、ローラーインプリントにおいて、転写樹脂層とインプリント用モールドとの引き離しの方向を、インプリント用モールドの主パターンのライン方向とすることにより、形成するパターンの変形が更に抑制され、パターンを高精度で形成することができる。
上述のインプリント方法の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、転写基板101が被エッチング層102を備えおらず、転写基板101上に被成形樹脂層103が直接位置するものであってもよい。
[ワイヤーグリッド偏光子]
図15は、本発明のワイヤーグリッド偏光子の一実施形態を示す平面図であり、図16は、図15に示されるワイヤーグリッド偏光子の実線円で囲まれた部位の拡大平面図であり、図17は、図15に示されるワイヤーグリッド偏光子の一点鎖線円で囲まれた部位の拡大平面図である。また、図18は、図16に示されるワイヤーグリッド偏光子のIV−IV線における縦断面図であり、図19は、図16に示されるワイヤーグリッド偏光子のV−V線における縦断面図である。
図15〜図19において、ワイヤーグリッド偏光子201は、透明基板202と、この透明基板202の一の面202aに位置するワイヤーグリッド材料層203と、このワイヤーグリッド材料層203に設定されたワイヤーグリッド領域213と計測パターン領域216と、を有している。尚、図16、図17では、ワイヤーグリッド材料層203に斜線を付して示している。
図示例では、ワイヤーグリッド領域213を実線で囲み示しており、また、計測パターン領域216を鎖線で囲み示している。図15に示されるように、ワイヤーグリッド領域213は、外郭の形状が矩形であり、この矩形の各辺に凹み領域を有している。また、計測パターン領域216は、ワイヤーグリッド領域213が有する上記の凹み領域に位置している。
本発明のワイヤーグリッド偏光子201は、この計測パターン領域216が、ワイヤーグリッド領域213の外郭線213aの内側に位置する領域を少なくとも有することが好ましい。図示例では、計測パターン領域216の全域がワイヤーグリッド領域213の外郭線213aの内側に位置している。尚、図示例では、ワイヤーグリッド領域213の外郭線213aを二点鎖線で示している。
ここで、ワイヤーグリッド領域の外郭線とは、ワイヤーグリッド領域の外側を囲む線であり、図示例にように、計測パターン領域216を設定するための凹み領域がワイヤーグリッド領域213に存在する場合には、この凹み領域を含むように主パターン領域の外側を囲む線を外郭線とする。また、後述する図21に示されるように、ワイヤーグリッド領域が近接して複数設定されている場合には、複数のワイヤーグリッド領域を含むようにワイヤーグリッド領域の外側を囲む線を外郭線とする。尚、図示例では、ワイヤーグリッド領域213の周囲と外郭線213aとを判り易くするために、便宜的にワイヤーグリッド領域213から外郭線213aを若干離して示している。以下の実施形態においても同様である。
ワイヤーグリッド材料層203に設定されたワイヤーグリッド領域213には、ライン形状の主開口部215が所望のスペース(ワイヤーグリッド材料層)を介して複数配列されて構成されたワイヤーグリッド214が位置している。図示例では、矢印Aで示される方向に延設されたライン形状の主開口部215が、ワイヤーグリッド領域213の全域に形成されている。ライン形状の主開口部215のライン幅W′a(図16、図17参照)は、ワイヤーグリッド偏光子の用途に応じて400nm以下の範囲内で適宜設定することができ、また、主開口部215間に位置するスペース(ワイヤーグリッド材料層)の幅も、ワイヤーグリッド偏光子の用途に応じて400nm以下の範囲内で適宜設定することができる。尚、図15では、主開口部215、および、後述する単位開口部218a,218bを省略している。
ワイヤーグリッド材料層203に設定された計測パターン領域216には、ライン形状の単位開口部218a,218bが所望のスペース(ワイヤーグリッド材料層)を介して複数配列され構成された計測パターン217が位置している。図示例では、矢印Bで示される方向に延設されたライン形状の単位開口部218aを所望のスペースを介して配列し、同じく矢印Bで示される方向に延設されたライン形状の単位開口部218bを所望のスペースを介して配列し、この2種の単位開口部で構成された計測パターン217は、その外形形状が十字形状となっている。
本発明では、ワイヤーグリッド214を構成する主開口部215のライン方向(矢印Aで示される方向)と、計測パターン217を構成する単位開口部218a,28bのライン方向(矢印Bで示される方向)とが等しいものとなっている。また、計測パターン217を構成するライン形状の単位開口部218a,218bのライン幅W′b(図16、図17参照)は、上記のライン形状の主開口部215のライン幅W′aと等しいものである。このような本発明のワイヤーグリッド偏光子201は、計測パターンが存在する部位においても直線偏光が得られ、ワイヤーグリッド領域213における消光比と、計測パターン領域216における消光比との違いが抑制され、光配向処理に支障を来すことが防止される。また、計測パターン領域216が、ワイヤーグリッド領域213の外郭線213aの内側に位置する領域を少なくとも有する場合、計測パターンとワイヤーグリッドとが接近することとなり、計測パターンの計測によってワイヤーグリッドの位置、方向等の精確な計測が可能であるとともに、ワイヤーグリッド偏光子の有効な偏光領域を広く設定することが可能となる。これにより、複数のワイヤーグリッド偏光子の位置合わせを、計測パターンを用いて高い精度で行うことができ、偏光軸のズレを抑制した良好な光配向処理が可能である。尚、単位開口部218a,218b間に位置するスペース(ワイヤーグリッド材料層)の幅も、主開口部215間に位置するスペース(ワイヤーグリッド材料層)の幅と等しいことが好ましい。
ここで、ワイヤーグリッド214を構成する主開口部215のライン方向と、計測パターン217を構成する単位開口部218a,218bのライン方向とが等しいとは、両者のライン方向の相違が5°以下であることを意味し、以下の実施形態においても同様である。また、主開口部215のライン幅W′aと、単位開口部218a,218bのライン幅W′bとが等しいとは、両者のライン幅の相違が5nm以下であることを意味し、以下の実施形態においても同様である。
また、本発明では、単位開口部218a,218bの中心線(図16、図17において矢印Bで示される方向に沿った線)と、この中心線の延長線上に位置する主開口部215の中心線(図16、図17において矢印Aで示される方向に沿った線)とが一致することが好ましく、一致しない場合の中心線同士の位置ずれは、単位開口部218a,218bのライン幅W′bの半分未満であることが好適である。これにより、上記のように、ワイヤーグリッド偏光子201の計測パターンが存在する部位においても直線偏光が得られ、かつ、ワイヤーグリッド領域213における直線偏光との間で、偏光軸のずれが防止されたものとなる。
上記のように、ライン形状の単位開口部218a,218bで構成される計測パターン217は、観察手段により観察可能な部位を有するものである。例えば、観察手段が光学顕微鏡である場合、個々の単位開口部218a、あるいは、単位開口部218bは光学顕微鏡による観察が不可能であっても、複数の単位開口部218a、あるいは、複数の単位開口部218bからなる計測パターン217の一部、あるいは、全体が、光学顕微鏡により観察可能であればよい。光学顕微鏡以外の観察手段としては、蛍光顕微鏡やレーザー顕微鏡、ラマン顕微鏡等を挙げることができる。
また、本発明のワイヤーグリッド偏光子201において、ワイヤーグリッド領域213と計測パターン領域216との距離L(図16〜図18参照)は、100μm以下、好ましくは30μm以下とすることができる。ワイヤーグリッド領域213と計測パターン領域216との距離Lが100μmを超えると、ワイヤーグリッド領域213の面積が減少するため好ましくない。
上述のワイヤーグリッド偏光子201では、外郭形状が矩形のワイヤーグリッド領域213の各辺に位置する凹み領域に計測パターン領域216が位置しているが、図20に示すように、ワイヤーグリッド領域213の中央部にも計測パターン領域216が位置するようなワイヤーグリッド偏光子201′であってもよい。尚、ワイヤーグリッド領域213の内部の領域に位置する計測パターン領域216に位置、数は、図20に示されるものに限定されない。
尚、図20では、主開口部215、単位開口部218a,218bを省略するとともに、ワイヤーグリッド領域213の一部、計測パターン領域216の一部を拡大した平面図として示し、ワイヤーグリッド材料層203に斜線を付して示している。
本発明のワイヤーグリッド偏光子は、ワイヤーグリッド領域が近接して複数設定されたものであってもよい。図21は、このようなワイヤーグリッド偏光子の例を示す平面図である。図21において、ワイヤーグリッド偏光子221は、透明基板222と、この透明基板222の一の面222aに位置するワイヤーグリッド材料層223と、このワイヤーグリッド材料層223に設定された4個のワイヤーグリッド領域233と計測パターン領域236と、を有している。図示例では、ワイヤーグリッド領域233を実線で囲み示しており、また、計測パターン領域236を鎖線で囲み示している。図21に示されるように、4個のワイヤーグリッド領域が近接して設定されている場合、これらのワイヤーグリッド領域233を含むようにワイヤーグリッド領域の外側を囲む線を外郭線233a(二点鎖線で示している)とする。このワイヤーグリッド偏光子221では、計測パターン領域236は、4個のワイヤーグリッド領域233を含むように画定される外郭線233aの内側に位置している。
ワイヤーグリッド材料層223に設定されたワイヤーグリッド領域233には、ライン形状の主開口部235が所望のスペース(ワイヤーグリッド材料層)を介して複数配列されて構成されたワイヤーグリッド234が位置している。図示例では、矢印Aで示される方向に延設されたライン形状の主開口部235が、4個のワイヤーグリッド領域233のそれぞれに形成されている。また、5個の計測パターン領域236のそれぞれには、ライン形状の単位開口部238a,238bが所望のスペースを介して複数配列され構成された計測パターン237が位置している。図示例では、矢印Bで示される方向に延設されたライン形状の単位開口部238aと、同じく矢印Bで示される方向に延設されたライン形状の単位開口部238bの2種の単位開口部により構成される計測パターン237は、その外形形状が十字形状とされている。尚、図21では、主開口部235、単位開口部238a,238bを省略するとともに、ワイヤーグリッド領域233の一部、計測パターン領域236の一部を拡大した状態で示し、ワイヤーグリッド材料層223に斜線を付して示している。
このワイヤーグリッド偏光子221においても、ワイヤーグリッド領域233に位置する主開口部235のライン方向(矢印Aで示される方向)と、計測パターン領域236に位置する単位開口部238a,238bのライン方向(矢印Bで示される方向)とが等しい。また、ライン形状の主開口部235のライン幅と、ライン形状の単位開口部238a,238bのライン幅とが等しいものとなっている。さらに、ワイヤーグリッド領域233と計測パターン領域236との距離は、100μm以下、好ましくは30μm以下とすることができる
図22は、本発明のワイヤーグリッド偏光子の他の実施形態を説明するための平面図であり、図23は、図22に示されるワイヤーグリッド偏光子の実線円で囲まれた部位の拡大平面図である。図22および図23において、ワイヤーグリッド偏光子241は、透明基板242と、この透明基板242の一の面242aに位置するワイヤーグリッド材料層243と、このワイヤーグリッド材料層243に設定されたワイヤーグリッド領域253と計測パターン領域256と、を有している。図示例では、ワイヤーグリッド領域253を実線で囲み示しており、また、計測パターン領域256を鎖線で囲み示している。図22に示されるように、ワイヤーグリッド領域253は、外郭の形状が矩形であり、この矩形の各辺に凹み領域を有している。また、計測パターン領域256は、計測パターン領域256は、その一部領域がワイヤーグリッド領域253が有する上記の凹み領域に位置している。したがって、計測パターン領域256の他の領域が、ワイヤーグリッド領域253の外郭線253a(二点鎖線で示している)の外側に位置している点で、上記のワイヤーグリッド偏光子201と相違する。
ワイヤーグリッド材料層243に設定されたワイヤーグリッド領域253には、ライン形状の主開口部255が所望のスペース(ワイヤーグリッド材料層)を介して複数配列され構成されたワイヤーグリッド254が位置している。図示例では、矢印Aで示される方向に延設されたライン形状の主開口部255がワイヤーグリッド領域253の全域に形成されている。また、4個の計測パターン領域256のそれぞれには、ライン形状の単位開口部258a,258bが所望のスペースを介して複数配列されて構成された計測パターン257が位置している。図示例では、矢印Bで示される方向に延設されたライン形状の単位開口部258aと、同じく矢印Bで示される方向に延設されたライン形状の単位開口部258bの2種の単位開口部により構成された計測パターン257は、その外形形状が十字形状となっている。尚、図22では、主開口部255、単位開口部258a,258bを省略している。
このワイヤーグリッド偏光子241においても、ワイヤーグリッド領域253に位置する主開口部255のライン方向(矢印Aで示される方向)と、計測パターン領域256に位置する単位開口部258a,258bのライン方向(矢印Bで示される方向)とが等しい。また、ライン形状の主開口部255のライン幅と、ライン形状の単位開口部258a,258bのライン幅とが等しいものとなっている。さらに、ワイヤーグリッド領域253と計測パターン領域256との距離は、100μm以下、好ましくは30μm以下とすることができる
上記のようなワイヤーグリッド偏光子201,201′,221,241を構成する透明基板202,222,242としては、例えば、石英ガラス、合成石英、フッ化マグネシウム等のリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。
尚、本発明において透明とは、波長200〜800nmにおける光線透過率が50%以上、好ましくは70%以上であることを意味する。光線透過率の測定は、日本分光(株)製 V−650を用いて行うことができる。
また、ワイヤーグリッド偏光子201,201′,221,241を構成するワイヤーグリッド材料層203,223,243の材質としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、白金、珪素化モリブデン、酸化チタン等の金属、金属化合物等の導電性材料、誘電性材料を挙げることができ、これらのいずれかを単独で、あるいは、組み合わせで使用することができる。このようなワイヤーグリッド材料層の厚みは、10〜500nmの範囲で適宜設定することができる。
上述のワイヤーグリッド偏光子の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
上述の実施形態では、ライン形状の単位開口部が所望のスペース(ワイヤーグリッド材料層)を介して複数配列され構成された計測パターンの外形形状が十字形状であるが、この計測パターンの外形形状は、十字形状に限定されるものではない。例えば、長さの異なるライン形状の単位開口部を同一方向に複数配列して、計測パターンの外形形状が口形状(図10参照)に構成されたものであってもよい。また、長さの異なるライン形状の単位開口部であって、切欠きが多数設けられたライン形状の単位開口部を所望のスペースを介して同一方向に複数配列して、計測パターンの外形形状が十字形状(図11参照)に構成されたものであってもよい。
[ワイヤーグリッド偏光子の製造方法]
本発明のワイヤーグリッド偏光子の製造方法は、上述の本発明のインプリント用モールドを使用し、上述の本発明のインプリント方法により、透明基板に設けたワイヤーグリッド材料層上にレジストパターン層を形成し、このレジストパターン層をマスクとしてワイヤーグリッド材料層をエッチングし、これにより開口部を形成することにより作製するものである。
このようなワイヤーグリッド偏光子の製造方法を、上述の本発明のインプリント用モールド11を使用したワイヤーグリッド偏光子201の製造を例として説明する
図24は、本発明のワイヤーグリッド偏光子の製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。
この実施形態では、まず、透明基板202の一方の面202aにワイヤーグリッド材料層203を形成し、このワイヤーグリッド材料層203上にエッチングレジスト層204を形成する(図24(A))。
使用する透明基板202は、上述の本発明のワイヤーグリッド偏光子の説明で挙げた透明基板を使用することができる。また、ワイヤーグリッド材料層203は、上述の本発明のワイヤーグリッド偏光子の説明で挙げた材質であってよく、真空成膜法等により所望の厚みに形成することができる。
エッチングレジスト層204は、ワイヤーグリッド材料層203のエッチングにおいてエッチング耐性を発現するものであり、従来のエッチングレジスト材料から、ワイヤーグリッド材料層203の材質等に応じて適宜選択することができる。また、ワイヤーグリッド材料層203上に金属薄膜を形成し、この金属薄膜をエッチングレジスト層204を介してエッチングすることによりハードマスクを形成し、このハードマスクを介してワイヤーグリッド材料層203をエッチングしてもよい。エッチングレジスト層204の形成は、スピンコート法、ディスペンスコート法、ディップコート法、スプレーコート法、インクジェット法等の公知の塗布手段を用いて行うことができる。このエッチングレジスト層204の厚みは、使用するインプリント用モールド11の主凸パターン15、単位凸パターン18a,18bの高さ、および、形成するレジストパターンに生じる残膜(凸パターン間に位置する部位)の厚みの許容範囲等を考慮して設定できる。
<圧着工程>
次に、圧着工程にて、一方の面12aに凹凸構造を有する可撓性のインプリント用モールド11の凹凸構造が形成されていない面12bからローラー271で加圧することにより、インプリント用モールド11の凹凸構造を有する面12aをエッチングレジスト層204に圧着させる(図24(B))。
使用するインプリント用モールドは、上述の本発明のインプリント用モールド11であり、可撓性を有する基材12の一方の面12aに設定された主パターン領域13には、ライン形状の主凸パターン15が所望のスペースを介して複数配列され構成された主パターン14が位置しており、面12aに設定された計測パターン領域16には、ライン形状の単位凸パターン18a,18bが所望のスペースを介して複数配列され構成された計測パターン17が位置している。したがって、インプリント用モールド11は、主パターン14、および、計測パターン17からなる凹凸構造を有している。また、インプリント用モールド11は、主パターン14のライン方向と、計測パターン17のライン方向とが等しく、さらに、主パターン14を構成するライン形状の主凸パターン15のライン幅と、計測パターン17を構成するライン形状の単位凸パターン18a,18bのライン幅とが等しいものである。尚、便宜的に、図24(B)では、主パターン14のみを示し、計測パターン17を省略している。
ローラー271の加圧によるインプリント用モールド11の凹凸構造を有する面12aとエッチングレジスト層204との圧着では、透明基板202を矢印a方向に搬送するとともに、ローラー271を矢印b方向に回転することにより、インプリント用モールド11とエッチングレジスト層204とを同じ速度で移動させ、両者間にズレを生じないようにする。そして、この圧着工程では、インプリント用モールド11の主パターン14のライン方向(図24(B)に矢印Aで示す方向であり、インプリント用モールド11の計測パターン17のライン方向でもある)に沿って、インプリント用モールド11をエッチングレジスト層204に圧着させる。これにより、インプリント用モールド11の主パターン14および計測パターン17の変形を抑制することできる。
ローラー271による加圧は、インプリント用モールド11の主パターン14、および、計測パターン17からなる凹凸構造をエッチングレジスト層204に完全に埋め込むことができる範囲で適宜設定することができる。したがって、例えば、透明基板202を搬送するステージ(図示せず)からローラー271までの間隔を所望の値に固定し、ステージとローラー271との間を透明基板202とインプリント用モールド11が通過することにより、インプリント用モールド11の凹凸構造がエッチングレジスト層204に完全に埋め込まれる場合には、ローラー271を透明基板202方向に付勢することにより加圧する必要はない。
<硬化工程>
次いで、インプリント用モールド11と圧着されたエッチングレジスト層204を硬化させることにより、インプリント用モールド11の主パターン14、および、計測パターン17からなる凹凸構造が転写されたレジストパターン層205とする。
図24(B)に示される例では、インプリント用モールド11と圧着された直後に、インプリント用モールド11を介して光照射装置281から光を照射することにより、エッチングレジスト層204を硬化させているが、インプリント用モールド11とエッチングレジスト層204との圧着が完了した後に、エッチングレジスト層204を硬化させてもよい。
<離型工程>
次に、レジストパターン層205とインプリント用モールド11を引き離すことにより、レジストパターン層205をワイヤーグリッド材料層203上に位置させた状態とする(図24(C))。図24(C)は、図24(B)に示す透明基板202の搬送方向(矢印aで示される方向)と直交する方向での縦断面を示しており、レジストパターン層205は、主パターン206および計測マーク(図示せず)を有している。尚、図24(C)では、レジストパターン層205における残膜(凸部の間に残存するレジスト層)を省略している。
レジストパターン層205とインプリント用モールド11の引き離しの方向は、上述の圧着工程と同様に、インプリント用モールド11の主パターン14のライン方向(インプリント用モールド11の計測パターン17のライン方向でもある)とする。これにより、形成されたレジストパターン層205は、主パターン206および計測マーク(図示せず)の変形、損傷によるパターン欠陥の発生を抑制することできる。
レジストパターン層205とインプリント用モールド11の引き離しは、エッチングレジスト層204に対するインプリント用モールド11の圧着と、エッチングレジスト層204の硬化によるレジストパターン層205の形成が完了した後に行うことができる。また、エッチングレジスト層204に対するインプリント用モールド11の圧着が完了する前であっても、圧着後のエッチングレジスト層204を硬化することにより形成したレジストパターン層205からインプリント用モールド11を適宜引き離してもよい。
<エッチング工程>
次いで、上述のように形成されたレジストパターン層205の主パターン206および計測マーク(図示せず)から、残膜(図示せず)を除去し、その後、レジストパターン層205をマスクとしてワイヤーグリッド材料層203をエッチングすることにより、主開口部215で構成されたワイヤーグリッド領域214と単位開口部で構成された計測パターン(図示せず)を形成する(図24(D))。これにより、本発明のワイヤーグリッド偏光子201を作製することができる。尚、図24(D)も図24(C)と同様に、図24(B)に示す透明基板202の搬送方向(矢印aで示される方向)と直交する方向での縦断面を示しており、ワイヤーグリッド材料層203に形成された主開口部215は示されているが、単位開口部は示されていない。
本発明のワイヤーグリッド偏光子の製造方法は、本発明のインプリント用モールドを使用し、本発明のインプリント方法であるローラーインプリントを用いるものであり、インプリント用モールドとエッチングレジスト層との圧着において、パターンの変形を抑制することができ、また、レジストパターン層とインプリント用モールドとの引き離しにおいて、形成するパターンの変形が抑制され、パターンを高精度で形成することができる。したがって、作製したワイヤーグリッド偏光子201は、計測パターンが存在する部位においても直線偏光が得られ、ワイヤーグリッド領域213における消光比と、計測パターン領域216における消光比との違いが抑制され、光配向処理に支障を来すことが防止される。また、計測パターンとワイヤーグリッドとが接近しており、計測パターンの計測によってワイヤーグリッドの位置、方向等の精確な計測が可能であるとともに、ワイヤーグリッド偏光子の有効な偏光領域を広く設定することが可能となる。これにより、複数のワイヤーグリッド偏光子の位置合わせを、計測パターンを用いて高い精度で行うことができ、偏光軸のズレが抑制された良好な光配向処理を可能とする。
上述のワイヤーグリッド偏光子の製造方法の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
ローラーインプリントを用いた種々のパターン構造体の製造、および、基板等の被加工体へ微細加工等、および、光配向処理等に適用可能である。
11,11′,21,31…インプリント用モールド
12,22,32…基材
13,23,33…主パターン領域
14,24,34…主パターン
15,25,35…主凸パターン
16,26,36…計測パターン領域
17,27,37,47,57…計測パターン
18a,18b,28a,28b,38a,38b,48a,48b,58a,58b…単位凸パターン
101…転写基板
103…被成形樹脂層
104…転写樹脂層
151…ローラー
201,201′,221,241…ワイヤーグリッド偏光子
202,222,242…透明基板
203,223,243…ワイヤーグリッド材料層
213,233,253…ワイヤーグリッド領域
213a,233a,253a…ワイヤーグリッド領域の外郭線
214,234,254…ワイヤーグリッド
215,235,255…主開口部
216,236,256…計測パターン領域
217,237,257…計測パターン
218a,218b,238a,238b,258a,258b…単位開口部
204…エッチングレジスト層
205…レジストパターン層
271…ローラー

Claims (9)

  1. 可撓性を有する基材と、該基材の一の面に設定された主パターン領域と計測パターン領域、を有し、
    前記主パターン領域には、ライン形状の主凸パターンあるいは主凹パターンが所望のスペースを介して複数配列され構成された主パターンが位置し、
    前記計測パターン領域には、ライン形状の単位凸パターンあるいは単位凹パターンが所望のスペースを介して複数配列され構成された計測パターンが位置し、
    前記主パターンのライン方向と、前記計測パターンのライン方向とが等しいことを特徴とするインプリント用モールド。
  2. 前記主パターンを構成するライン形状の主凸パターンあるいは主凹パターンのライン幅と、前記計測パターンを構成するライン形状の単位凸パターンあるいは単位凹パターンのライン幅とが等しいことを特徴とする請求項1に記載のインプリント用モールド。
  3. 前記計測パターン領域は、前記主パターン領域の外郭線の内側に位置する領域を少なくとも有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインプリント用モールド。
  4. 前記計測パターンは、観察手段により観察可能な部位を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインプリント用モールド。
  5. 前記主パターン領域と前記計測パターン領域との距離が100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインプリント用モールド。
  6. 前記計測パターンを構成するライン形状の単位凸パターンあるいは単位凹パターンの中心線と、該中心線の延長線上に位置する前記主パターンを構成するライン形状の主凸パターンあるいは主凹パターンの中心線との位置ずれが、前記計測パターンを構成するライン形状の単位凸パターンあるいは単位凹パターンのライン幅の半分未満であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインプリント用モールド。
  7. 前記基材は、樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のインプリント用モールド。
  8. 一方の面に凹凸構造を有する可撓性のインプリント用モールドの前記凹凸構造を有する面を、前記凹凸構造が形成されていない面からローラーで加圧することにより、転写基板の一方の面に位置する被成形樹脂層に圧着させる圧着工程と、
    前記インプリント用モールドに圧着させた前記被成形樹脂層を硬化させることにより前記凹凸構造が転写された転写樹脂層とする硬化工程と、
    前記転写樹脂層と前記インプリント用モールドを引き離すことにより、前記転写樹脂層であるパターン構造体を前記転写基板上に位置させた状態とする離型工程と、を有し、
    前記インプリント用モールドは、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のインプリント用モールドを使用し、前記圧着工程では、前記インプリント用モールドの前記主パターンのライン方向に沿って、前記インプリント用モールドを前記被成形樹脂層に圧着させることを特徴とするインプリント方法。
  9. 前記離型工程では、前記インプリント用モールドの前記主パターンのライン方向に沿って、前記転写樹脂層と前記インプリント用モールドとを引き離すことを特徴とする請求項8に記載のインプリント方法。
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