JP2017030261A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面のスリップ性およびアンチブロック性が良好で押出ラミネート成形後に表面にパウダー散布が不要な、押出ラミネート法によって成形された積層体を提供する。【解決手段】少なくとも最外層及び基材層を含み、前記最外層が無機物微粒子もしくは有機物微粒子を0.01〜50重量%を含有するオレフィン系樹脂組成物(A)からなり、表面に高さ0.5μm以上の突起が1平方mmあたり10個以上存在することを特徴とする積層体。【選択図】 なし

Description

本発明は、表面のスリップ性およびアンチブロック性が良好で押出ラミネート成形後に表面にパウダー散布が不要な、押出ラミネート法によって成形された積層体に関するものである。
ポリオレフィン系樹脂は、機械的、熱的、化学的、電気的特性に優れ、かつ安価で加工が容易であることから、様々な分野で広く利用されている。特に、ヒートシールが容易に行えるという特徴を活かし、包装用フィルムやシーラントフィルムとしての利用が主要な用途のひとつになっている。
包装用フィルムやシーラントフィルムには、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの樹脂が用いられ、これらをプラスチックや紙などからなる基材上に、ドライラミネート法、押出ラミネート法、サンドラミネート法などのラミネート法によって積層して使用することが一般的である。中でも押出ラミネート法は、生産効率が高く製品の品質が安定していることから、広く使用されている。
ただし、押出ラミネート法では溶融した樹脂を基材上に押し出した後に冷却ロールで圧着しながら固化させるため、得られる積層フィルムは表面の平滑度が非常に高くなり、スリップ性やアンチブロッキング性が不足するという問題点があった。このような積層フィルムを用いて製袋などの二次加工を行う場合、製袋ラインでのフィルムの滑りが悪いために製袋に支障を生じたり、製袋品のフィルム同士がブロッキングして口開きが悪化するなどの問題があった。
インフレーションフィルムやTダイキャストフィルムのスリップ性やアンチブロッキング性を向上させる方法としては、最外層に適当な粒径のアンチブロッキング剤を配合してフィルム表面に凹凸を形成し、フィルム同士の密着を防止することが有効である。しかし、押出ラミネート法による加工時にアンチブロック剤を配合した樹脂を使用した場合、冷却ロールでの圧着によりアンチブロック剤はフィルム中に埋没してしまい、十分なアンチブロック性が発揮されない。
押出ラミネート法で成形しても安定したスリップ性とアンチブロック性が発揮できる材料として、エージングにより揮発分を除去したポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子を0.05〜5重量部配合したポリオレフィン系樹脂組成物および該組成物からなるシーラント層を有する積層体が開示されている(特許文献1参照。)。
該特許文献1では、実施例としてPMMA粒子の粒径がシーラント層の厚みよりも大きい積層体が示されているが、このような積層体においてはシーラント層と基材層の圧着が十分でないため接着強度が低下したり、PMMA粒子がフィルム表面に露出してフィルム外観が悪化するという問題点を残している。またPMMA粒子の粒径がシーラント層の厚みよりも小さい場合には、スリップ剤の配合なしにはシーラント層のスリップ性が十分でないという問題がある。
押出ラミネート法で成形したフィルムのスリップ性やアンチブロッキング性を改善する方法としては、フィルムを巻き取る直前に澱粉のパウダーを表面に散布する方法(粉ふり)が一般的に行われている。
この場合、澱粉は空気中の湿気を吸収しやすく、これを養分としてカビが発生する恐れがあるため、衛生性が要求される食品用途や医療用途には使用できない。また、不純物の混入を嫌う電子材料の包装などにも使用できないなど、用途が制限されていた。さらには、製造工程において発生する粉塵が作業環境を悪化させるという問題もあった。
特開2003−261718号公報
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、成形後に粉ふりを行わなくてもスリップ性やアンチブロック性が良好な、押出ラミネート法によって成形された積層体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、押出ラミネート加工された積層体の表面層に特定の方法によって突起を形成することで積層体のスリップ性やアンチブロック性が良好になることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、少なくとも最外層及び基材層を含み、前記最外層が無機物微粒子もしくは有機物微粒子を0.01〜50重量%を含有するオレフィン系樹脂組成物(A)からなり、表面に高さ0.5μm以上の突起が1平方mmあたり10個以上存在することを特徴とする積層体に関するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層体を構成するオレフィン系樹脂組成物(A)に用いられるオレフィン系樹脂については特に制約はないが、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂等が挙げられ、これらの中で高圧ラジカル法エチレン(共)重合体、線状エチレン(共)重合体及びプロピレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記の高圧ラジカル法エチレン(共)重合体としては、高圧ラジカル法エチレン単独重合体、エチレン・ビニルエステル共重合体およびエチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体などが挙げられる。
上記の高圧ラジカル法エチレン単独重合体は低密度ポリエチレンとも呼ばれ、公知の高圧ラジカル重合法により製造される。
また、上記のエチレン・ビニルエステル共重合体としては、エチレンと、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどのビニルエステルとの共重合体を挙げることができる。
さらに上記のエチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体としては、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン・無水マレイン酸共重合体、エチレン・無水マレイン酸・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン・無水マレイン酸・(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体金属塩などを例示することができる。
前記の線状エチレン(共)重合体は、チーグラー触媒、フィリップス触媒およびメタロセン触媒等を用いたイオン重合によって得られるものであり、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられる。
なお直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンとα−オレフィンを共重合して得られ、エチレンから導かれる繰り返し単位と炭素数3〜8のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位からなり、炭素数3〜8のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン等が挙げられる。これら炭素数3〜8のα−オレフィンの少なくとも2種類を併用してもよい。
前記のポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体およびプロピレン−エチレンブロック共重合体などが挙げられる。
オレフィン系樹脂組成物(A)は上記の樹脂を2種以上混合して使用することができる。特に、メタロセン触媒を用いて製造したエチレン・α−オレフィン共重合体と低密度ポリエチレンを混合した組成物は、ラミネート加工性が良好でありかつ得られたフィルムの機械的強度および外観が良好になることから、好適に使用することができる。
本発明の積層体を構成するオレフィン系樹脂組成物(A)の密度は特に制約はないが、870kg/m以上970kg/m以下が好ましく、さらに好ましくは900kg/m以上930kg/m以下であり、最も好ましくは905kg/m以上925kg/m以下である。
本発明の積層体を構成するオレフィン系樹脂組成物(A)は、無機微粒子もしくは有機微粒子を0.01〜50重量%含有する。微粒子の含有量は好ましくは0.1〜5重量%であり、さらに好ましくは0.3〜3重量%である。微粒子の含有量が0.01%よりも少ないとフィルム表面に形成される突起の数が少なく、十分なスリップ性やアンチブロック性が発揮されない。また50重量%を超える場合はオレフィン系樹脂組成物(A)の延展性が低下して押出ラミネート成形が困難になる恐れがある。
前記の無機微粒子としては特に制約はないが、シリカ、タルク、珪藻土、合成アルミノシリケートなどが挙げられる。
前記の有機微粒子としては特に制約はないが、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、架橋ポリスチレン、架橋シリコーンなどが挙げられる。
本発明の積層体を構成するオレフィン系樹脂組成物(A)には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、スリップ剤など、ポリオレフィン樹脂に一般的に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。特にスリップ剤は、積層体のスリップ性、アンチブロック性を向上させるために、配合することが好ましい。スリップ剤の種類としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどの高級脂肪酸アミドやエチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミドなどの高級脂肪酸ビスアミドなどが挙げられる。
また、スリップ剤の配合量としては0.01〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜2重量%、最も好ましくは0.01〜1重量%である。
本発明の積層体を構成する基材については特に制約はなく、合成高分子重合体フィルムおよびシート、織布、不織布、金属箔、紙類、セロファンなどが例示できる。前記の合成高分子重合体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。これらの高分子重合体フィルムおよびシートは、アルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着されたものでもよい。また、これらの高分子重合体フィルムおよびシートは、ウレタン系インキなどを用いて印刷されたものでもよい。金属箔としては、アルミ箔、銅箔などが例示でき、また、紙類としてはクラフト紙、伸張紙、上質紙、グラシン紙、カップ原紙や印画紙原紙等の板紙などが挙げられる。
なお、基材は単層であってもよく、複数の層からなる積層体であってもよい。積層する方法については特に制限はなく、シングルラミネート加工法、タンデムラミネート加工法、サンドウィッチラミネート加工法、共押出ラミネート加工法などの各種押出ラミネート加工法やドライラミネート加工法等を例示できる。
本発明の積層体は、最外層であるオレフィン系樹脂組成物(A)よりなる層の表面に、高さ0.5μm以上の突起が1平方mmあたり10個以上存在するものである。高さ0.5μm以上の突起の密度が1平方mmあたり10個よりも少ない場合は、被接触体と積層体表面の接触面積が大きくなり、積層体のスリップ性およびアンチブロック性が低下する。
突起の高さについては、本発明者らは検討により高さ0.5μm以上の突起がスリップ性の向上に特に有効であることを見出した。ただし突起が高すぎると突起同士の引っ掛かりでスリップ性が悪化したりフィルム外観を損ねたりする恐れがあるため、有効な突起の高さは0.5μm〜20μmと考えられ、さらに好ましくは0.5μm〜10μm、最も好ましくは0.5μm〜5μmである。
また、基材と最外層の間には、最外層を押出ラミネート加工する際に、ひとつまたは複数の層を設けてもよい。この層の材質については特に制約はなく、前記の基材と同様の材料を例として挙げることができる。積層の方法についても特に制約はないが、タンデムラミネート加工法、サンドウィッチラミネート加工法、共押出ラミネート加工法などを例示できる。
本発明の積層体は、最外層であるオレフィン系樹脂組成物(A)よりなる層を押出ラミネート法によって基材に積層して得ることができる。押出ラミネートの方法としては、シングルラミネート加工法、タンデムラミネート加工法、共押出ラミネート加工法などの各種押出ラミネート加工法を例示することができる。基材との良好な接着性を得るため、押出ラミネート法におけるオレフィン系樹脂組成物(A)の温度は250〜350℃の範囲が好ましく、冷却ロールの表面温度は10〜50℃の範囲が好ましい。
上記押出ラミネート法による積層を行う際に、オレフィン系樹脂組成物(A)からなる溶融フィルムの少なくとも基材と接する面は、空気もしくはオゾンガスにより酸化されていてもよい。空気による酸化反応を進行させる場合、ダイより押出されたオレフィン系樹脂組成物(A)の温度は270℃以上であることが好ましく、オゾンガスによる酸化反応を進行させる場合は、ダイより押出された本発明の押出ラミネート用エチレン樹脂組成物の温度は250℃以上であればよい。またオゾンガスの処理量としては、ダイより押出された本発明の押出ラミネート用エチレン系樹脂組成物よりなるフィルム1m当たり0.5mg以上であることが好ましい。
また基材との接着性を高めるため、基材表面にアンカーコート剤処理、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を施してもよい。
上記のアンカーコート剤としては、ポリウレタン接着剤、ポリイソシアネート接着剤、ポリウレア接着剤、エポキシ接着剤、アクリル接着剤、ポリアミド接着剤、ポリブタジエン系接着剤などを例示することができる。
本発明の積層体において、オレフィン系樹脂組成物(A)よりなる最外層の厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に制限はないが、製函などの二次加工を考慮すると5μm〜5mmの厚みであることが好ましく、さらに経済性などの観点から7μm〜150μmの範囲が最も好適である。
またオレフィン系樹脂組成物(A)よりなる最外層の厚みは、最外層と基材との接着性の観点から、オレフィン系樹脂組成物(A)に含有される無機微粒子または有機微粒子の平均粒径以上であることが好ましい。
本発明の積層体は、オレフィン系樹脂組成物(A)を積層した後に、他のフィルムと重ね合せない状態で加熱処理を施すことにより得ることができる。加熱処理を行わないと、オレフィン系樹脂組成物(A)よりなる最外層に配合された微粒子は埋没したままとなりフィルム表面に突起を形成することができず、スリップ性が劣ったフィルムとなる。また、他のフィルムと重ね合せた状態で加熱処理を行うと、フィルム表面が圧迫されてフィルム表面に突起が形成されにくくなる。
前記加熱処理は、以下の条件で行うことが好ましい。
(i)加熱処理温度Ta(℃)が、次の条件を満たす。
Tm−30 ≦ Ta ≦ Tm+100
ただしTmはオレフィン系樹脂組成物(A)の融点(℃)。
(ii)加熱処理時間が、0.1〜600秒。
加熱処理温度は、オレフィン系樹脂組成物(A)の融点よりも30℃低い温度から100℃高い温度の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、融点よりも20℃低い温度から30℃高い温度の範囲である。この範囲では、樹脂の分子運動が活発となり、層の内部に埋没していた微粒子が表面に押し出されて突起が多数形成される。
加熱処理時間は0.1〜600秒が好ましく、より好ましくは0.1〜60秒さらに好ましくは0.1〜30秒である。この時間の範囲内で加熱処理を行えば、積層体表面で突起が形成されやすくかつ積層体表面の酸化が進行してフィルムの機械強度などの諸物性が低下する恐れは少ない。
上記の加熱処理の実施形態には特に制約はなく、押出ラミネート成形機の成形ラインにおいてダイから巻取機までの間に赤外線ヒーターや乾燥炉を設置して押出ラミネート直後のフィルムに加熱処理をインラインで行う方法や、ドライラミネーターのラインの途中に赤外線ヒーターや乾燥炉を設置してあらかじめ押出ラミネート法により製造したフィルムの加熱処理をオフラインで行う方法などを例として挙げることができる。
本発明の積層体は、加熱処理によって形成された突起によってスリップ性やアンチブロック性が良好なため澱粉パウダーの散布を行うことなく二次加工を行うことができる。さらにフィルム外観も良好であることから、食品包装、医療用包装、電子材料包装などに好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)物性評価方法
以下に、各物性の評価方法を示す。
(1−1)密度
JIS K6922−1(1997年)に準拠し、測定した。
(1−2)フィルム表面の突起数
フィルム表面を超深度形状測定顕微鏡((株)キーエンス製)により観察し、突起部分の最大断面高さを算出して突起の高さを決定した。単位面積における5μm以上の突起数を求め、これを1平方mmあたりに換算した。
(1−3)スリップ性
JIS P8147に準拠して測定した。測定面を外側にして試験片を傾斜版とおもりに各々貼りつけた。測定面同士が接触するようにおもりを傾斜板の上に乗せて徐々に傾斜角を増して行き、おもりが滑り始めた時の傾斜角θを測定した。傾斜角の正接tanθを求め、これを静摩擦係数とした。この値が小さいほど、スリップ性は良好である。
(1−4)フィルム外観
フィルム外観の判定は目視により行い、以下の基準で判定した。
○:良好で実用上問題なし、△:欠点が確認されるが実用可、×:欠点が多く実用不可。
(2)材料
実施例および比較例に用いた材料は、以下のとおりである。
(2−1)オレフィン系樹脂
高圧ラジカル法によるエチレン(共)重合体(LDPE)として、低密度ポリエチレンであるペトロセン222(東ソー(株)製、密度924kg/m、MFR8g/10分)を使用した(以下PE−1と表記)。
線状エチレン(共)重合体(LLDPE)として、いずれもエチレン・α−オレフィン共重合体であるニポロン−Z ZF330(東ソー(株)製、密度920kg/m、MFR2g/10分)(以下PE−2と表記)およびニポロン−Z HM510R(東ソー(株)製、密度905kg/m、MFR12g/10分)(以下PE−3と表記)を使用した。各々の樹脂の性状を、表1にまとめた。
Figure 2017030261
(2−2)無機微粒子および有機微粒子
有機微粒子として、架橋シリコーン粒子であるトスパール1100(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製、平均粒径10μm、比重1.2kg/m)(以下AB1と表記)、架橋ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子であるタフチックFH−S020(東洋紡(株)製、平均粒径20μm、比重1.2kg/m)(以下AB2と表記)を使用した。
無機微粒子として、合成アルミノシリケート粒子であるシルトンAMT−100(水澤化学工業(株)製、平均粒径10μm、比重2.5kg/m)(以下AB3と表記)を使用した。各々の微粒子の性状を、表2にまとめた。
Figure 2017030261
〔実施例1〕
AB−1 0.5重量%とPE−1の粉砕パウダー19.5重量%、PE−1のペレット80重量%を予備混合した後、二軸押出機(東洋精機製作所(株)製2D25)で溶融混練してペレット化した。なお溶融混練の条件は、シリンダー温度180℃、スクリュー回転数60rpm、フィード速度30g/分であった。
このペレットを25mm押出ラミネート成形機((株)プラコー製、ダイス幅600mm)に導入し溶融させたものを、PET基材(厚み25μm、幅300mm)上に20μmの厚みで押し出し、ウレタン系アンカーコート剤を使用して貼り合せて押出ラミネートフィルムを製造した。なお押出ラミネートの条件は、シリンダー温度およびダイ温度300℃、冷却ロール温度30℃、スクリュー回転数200rpm、ライン速度10m/分であった。冷却ロールはセミミラーロールを使用した。得られた積層体を200mm×300mmの大きさに切り出し、130℃に保持したスモールオーブン(WernerMathisAG社製)に3秒間入れて、加熱処理を行った。加熱処理後の積層体の、最外層の表面の突起数、スリップ性および表面外観について評価した。結果を表3に示す。スリップ性と表面外観は良好であった。
〔実施例2〕
加熱処理の時間を30秒とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示す。スリップ性と表面外観は良好であった。
〔実施例3〕
加熱処理の温度を90℃とした他、加熱処理時間を30秒とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示す。スリップ性と表面外観は良好であった。
〔実施例4〕
PE−1の代わりにPE−2を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示す。スリップ性と表面外観は良好であった。
〔実施例5〕
加熱処理の時間を30秒とした以外は、実施例4と同様の操作を行った。結果を表3に示す。スリップ性と表面外観は良好であった。
〔実施例6〕
加熱処理の温度を90℃とした他、加熱処理時間を30秒とした以外は、実施例4と同様の操作を行った。結果を表3に示す。スリップ性と表面外観は良好であった。
〔実施例7〕
PE−1の代わりにPE−3を使用した他、加熱処理温度を110℃とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示す。スリップ性と表面外観は良好であった。
〔実施例8〕
AB−1の代わりにAB−2を使用した以外は、実施例7と同様の操作を行った。結果を表3に示す。スリップ性と表面外観は良好であった。
〔実施例9〕
押出ラミネート成形時のライン速度を20m/分としラミネート厚みを10μmとした以外は、実施例8と同様の操作を行った。結果を表3に示す。スリップ性は良好であったが、微粒子が目視で確認できることから表面外観は若干劣った。
〔実施例10〕
AB−1の代わりにAB−3を使用した他、AB−1の配合比率を1.0重量%とPE−1の粉砕パウダーの配合比率を19.0重量%とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示す。スリップ性と表面外観は良好であった。
Figure 2017030261
〔比較例1〕
押出ラミネート成形の材料として無機微粒子および有機微粒子を配合していないPE−1のペレットを使用し、実施例1と同様の操作で押出ラミネートフィルムを製造した。またこの積層体は加熱処理を行わなかった。この積層体の、最外層の表面の突起数、スリップ性および表面外観について評価した。結果を表4に示す。フィルム表面に突起が存在せず、スリップ性が実施例1〜3と比較して大きく劣った。
〔比較例2〕
比較例1の押出ラミネートフィルムについて、実施例1と同様の方法で130℃で3秒間加熱処理を行った。この積層体の、最外層の表面の突起数、スリップ性および表面外観について評価した。結果を表4に示す。フィルム表面に突起が存在せず、スリップ性が実施例1〜3と比較して大きく劣った。
〔比較例3〕
実施例1と同様の方法で製造した押出ラミネートフィルムについて、加熱処理を行わなかった。この積層体の、最外層の表面の突起数、スリップ性および表面外観について評価した。結果を表4に示す。フィルム表面に突起がほとんど存在せず、スリップ性が実施例1〜3と比較して大きく劣った。
〔比較例4〕
押出ラミネート成形の材料として無機微粒子および有機微粒子を配合していないPE−2のペレットを使用し、実施例4と同様の操作で押出ラミネートフィルムを製造した。またこの積層体は加熱処理を行わなかった。この積層体の、最外層の表面の突起数、スリップ性および表面外観について評価した。結果を表4に示す。フィルム表面に突起が存在せず、スリップ性が実施例4〜6と比較して大きく劣った。
〔比較例5〕
実施例4と同様の方法で製造した押出ラミネートフィルムについて、加熱処理を行わなかった。この積層体の、最外層の表面の突起数、スリップ性および表面外観について評価した。結果を表4に示す。フィルム表面に突起がほとんど存在せず、スリップ性が実施例4〜6と比較して大きく劣った。
〔比較例6〕
押出ラミネート成形の材料として無機微粒子および有機微粒子を配合していないPE−3のペレットを使用し、実施例7と同様の操作で押出ラミネートフィルムを製造した。またこの積層体は加熱処理を行わなかった。この積層体の、最外層の表面の突起数、スリップ性および表面外観について評価した。結果を表4に示す。フィルム表面に突起が存在せず、スリップ性が実施例7と比較して大きく劣った。
〔比較例7〕
実施例7と同様の方法で製造した押出ラミネートフィルムについて、加熱処理を行わなかった。この積層体の、最外層の表面の突起数、スリップ性および表面外観について評価した。結果を表4に示す。フィルム表面に突起がほとんど存在せず、スリップ性が実施例7と比較して大きく劣った。
〔比較例8〕
実施例8と同様の方法で製造した押出ラミネートフィルムについて、加熱処理を行わなかった。この積層体の、最外層の表面の突起数、スリップ性および表面外観について評価した。結果を表4に示す。フィルム表面に突起がほとんど存在せず、スリップ性が実施例8と比較して大きく劣った。
〔比較例9〕
実施例9と同様の方法で製造した押出ラミネートフィルムについて、加熱処理を行わなかった。この積層体の、最外層の表面の突起数、スリップ性および表面外観について評価した。結果を表4に示す。フィルム表面には多数の突起が存在したが、スリップ性が実施例8と比較して大きく劣った。またフィルム外観は微粒子がはっきりと視認できるため劣るものであった。
Figure 2017030261

Claims (6)

  1. 少なくとも最外層及び基材層を含み、前記最外層が無機物微粒子もしくは有機物微粒子を0.01〜50重量%を含有するオレフィン系樹脂組成物(A)からなり、表面に高さ0.5μm以上の突起が1平方mmあたり10個以上存在することを特徴とする積層体。
  2. 前記無機物微粒子および有機物微粒子の粒径が5〜50μmの範囲である、請求項1に記載の積層体。
  3. 最外層の厚みが、前記無機物微粒子および有機物微粒子の平均粒径以上である、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. オレフィン系樹脂組成物(A)が、高圧ラジカル法エチレン(共)重合体、線状エチレン(共)重合体、プロピレン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 基材に無機物微粒子もしくは有機物微粒子を0.01〜50重量%を含有するオレフィン系樹脂組成物(A)を押出ラミネート法によって積層した後に、他のフィルムと重ね合わせない状態で加熱処理を施すことに得られることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 加熱処理を(i)〜(ii)の条件で行うことを特徴とする、請求項5に記載の積層体。
    (i)加熱処理温度Ta(℃)が、次の条件を満たす。
    Tm−30 ≦ Ta ≦ Tm+100
    ただしTmはオレフィン系樹脂組成物(A)の融点(℃)。
    (ii)加熱処理時間が、0.1〜600秒。
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