JP2017025949A - 制動装置の支持構造 - Google Patents

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勇志 北川
Yuji Kitagawa
勇志 北川
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Abstract

【課題】制動時に作用するトルクに基づく支持部材の振動や締結部材の摩耗を抑制するための制動装置の支持構造を提供する。【解決手段】本発明のキャリパー32の支持構造5は、後輪16を回転可能に支持するスイングアーム15と、スイングアーム15に固定されるブレーキブラケット33と、ブレーキブラケット33に支持されて後輪16に制動力を付与するキャリパー32と、を備え、スイングアーム15は、ブレーキブラケット33に当接することでキャリパー32を介して後輪16からブレーキブラケット33に伝達される制動トルクの反力を受ける接触面47を有し、ブレーキブラケット33は、接触面47に直交する方向に延びるボルトBによってスイングアーム15に締結されている。【選択図】図6

Description

本発明は、車両に備えられる制動装置の支持構造に関する。
自動二輪車等の車両は、回転する車輪に制動力を付与するディスクブレーキ装置を備えていることがある。
例えば、特許文献1に記載のディスクブレーキ装置は、後輪と共に回転するブレーキディスクを挟み込む一対の摩擦パッドを内蔵したブレーキキャリパーを備えている。ブレーキキャリパーは、後輪を軸支するリアフォークにブレーキブラケットを介して固定されている。ブレーキブラケットは、後輪の回転軸方向に延びるボルトをリアフォークに螺合させることで固定されている。
実開昭58−093588号公報
ここで、自動二輪車を制動させる(ブレーキを作動させる)と、ブレーキキャリパーは、後輪の回転方向に向かうトルク(制動トルクの反力)を受ける。したがって、ブレーキブラケットを固定するボルトは、大きなせん断力を受けて摩耗することがある。また、例えば、ブレーキキャリパー(ブレーキブラケット)は、ボルトとボルト穴との公差の範囲で振動することもあった。この場合、ボルトがボルト穴の内面に打ち付けることで異音(打音)を発生させることもあった。
本発明は、上記した課題を解決すべく、制動時に作用するトルクに基づく支持部材の振動や締結部材の摩耗を抑制するための制動装置の支持構造を提供する。
本発明の制動装置の支持構造は、車輪を回転可能に支持する懸架構造体と、前記懸架構造体に固定される支持部材と、前記支持部材に支持されて前記車輪に制動力を付与する制動装置と、を備え、前記懸架構造体は、前記支持部材に当接することで前記制動装置を介して前記車輪から前記支持部材に伝達される制動トルクの反力を受ける接触面を有し、前記支持部材は、前記接触面に直交する方向に延びる締結部材によって前記懸架構造体に締結されている。
この構成によれば、支持部材は、車輪の制動時に、制動装置を介して車輪の回転方向に向かう荷重(制動トルクの反力)を受けて接触面に押し付けられる。締結部材は、制動トルクを受けるように形成された接触面に直交する方向に懸架構造体と支持部材とを互いに締結させる。つまり、締結部材の締結方向が、接触面に直交する方向に合致する。したがって、締結部材の軸力の方向が制動トルクの方向に合致するため、車輪の制動時において締結部材にせん断力が働くことを防止することができる。これにより、締結部材の取り付け部分の寸法公差の範囲で支持部材が振動することを抑制することができる。また、支持部材の振動に基づく締結部材の摩耗や打音の発生を抑制することもできる。
この場合、前記懸架構造体は、前記接触面に開口する挿通穴を有し、前記支持部材は、前記挿通穴に遊挿された前記締結部材を螺合させる雌ネジ部を有していることが好ましい。
また、この場合、前記懸架構造体は、前記車輪側に向けて突設されて前記接触面を形成する保持部を有し、前記挿通穴は、前記接触面に直交する方向に向けて前記保持部に穿設され、前記支持部材は、前記接触面に面接触する固定部を有し、前記雌ネジ部は、前記固定部に穿設されていることが好ましい。
これらの構成によれば、締結部材は、懸架構造体側から挿通穴を挿通し、接触面に接触した支持部材の雌ネジ部に螺合する。つまり、締結部材は、接触面に直交する方向に螺合する。これにより、支持部材が接触面に強固に締結されるため、支持部材の振動や締結部材の摩耗等を有効に抑制することができる。
この場合、前記車輪を具備する車両が前進するときの前記車輪の回転方向を正回転方向とする場合に、前記支持部材は、前記正回転方向上流側から前記接触面に面接触する固定部を有し、前記締結部材は、前記正回転方向下流側から前記挿通穴に遊挿され、前記接触面に直交する方向に前記懸架構造体と前記支持部材とを締結することが好ましい。
この構成によれば、支持部材からの正回転方向の荷重の殆どが接触面に掛るため、締結部材が引っ張られることが防止され、締結部材に対する負担を減らすことができる。
この場合、前記支持部材は、弾性変形可能な防振部材を挟んで前記懸架構造体の前記接触面に当接していることが好ましい。
この構成によれば、防振部材は、接触面と支持部材との間に挟持され、弾性変形することで支持部材等の振動を吸収する。これにより、支持部材の振動や締結部材の摩耗等を更に有効に抑制することができる。
本発明によれば、制動時に作用するトルクに基づく支持部材の振動や締結部材の摩耗を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る自動二輪車を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るキャリパーの支持構造に含まれるスイングアームを示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るキャリパーの支持構造を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るキャリパーの支持構造の下側を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るキャリパーの支持構造に含まれる保持部を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るキャリパーの支持構造を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るキャリパーの支持構造に含まれるブレーキブラケットの下側を示す斜視図である。 本発明の一実施形態の変形例に係るキャリパーの支持構造を示す側面図である。 本発明の一実施形態の変形例に係るキャリパーの支持構造に含まれるブレーキブラケットの下側を示す斜視図である。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1を参照して、自動二輪車1の全体構成について説明する。図1は自動二輪車1を示す側面図である。なお、以下、自動二輪車1に搭乗した乗員を基準に各方向を設定し、各図に示す方向を基準に説明する。
自動二輪車1は、車体フレーム2と、エンジン3と、を備えて概略構成されている。
車体フレーム2は、鋼材またはアルミニウム合金材等から成るチューブを溶接して構成されている。車体フレーム2の前部には、左右一対のフロントフォーク10を操舵可能に支持するヘッドパイプ4が固定されている。フロントフォーク10の下部には、前輪11が回転可能に支持されている。フロントフォーク10の上部には、ハンドルバー12が設けられている。
車体フレーム2の前側上部には、燃料(例えばガソリン)を貯留するための燃料タンク13が設けられている。車体フレーム2の後側上部には、乗員が搭乗するためのライダーシート14が設けられている。車体フレーム2の後側下部には、スイングアーム15がピボットボルトP(図2参照)を介して上下方向に揺動可能に支持されている。スイングアーム15の後端部には、後輪16が回転可能に支持されている。スイングアーム15と車体フレーム2との間には、リアクッションユニット17が架設されている。
前輪11および後輪16(以下、単に「車輪11,16」とも呼ぶ。)には、それぞれ、ディスクブレーキ装置20,30が設けられている。各ディスクブレーキ装置20,30は、ブレーキディスク21,31と、キャリパー22,32と、を含んで構成されている。各ブレーキディスク21,31は、車輪11,16と同軸上に配置され、車輪11,16の右側に固定されている。前側のキャリパー22は、ブレーキブラケット23を介してフロントフォーク10に固定されている。後側のキャリパー32は、ブレーキブラケット33を介してスイングアーム15に固定されている。各キャリパー22,32は、ブレーキディスク21,31の左右両面にブレーキパッド22a,32aを押し付ける押圧機構(図示せず)を備えている。なお、各ディスクブレーキ装置20,30は、車輪11,16の左側に設けられていてもよいし、車輪11,16の左右両側に設けられていてもよい。
エンジン3は、燃料タンク13の下方で車体フレーム2に搭載されている。エンジン3は、複数の懸架ブラケット(図示せず)を介して車体フレーム2に固定されることによって車体フレーム2の構造部材として機能する。
図示は省略するが、エンジン3の内部には、コンロッドを介してピストンに連結されるクランクシャフトが軸支されている。クランクシャフトは、変速機を介してドライブシャフトに接続されている。ドライブシャフトに固定されるドライブスプロケットと、後輪16に固定されるドリブンスプロケットとの間には、ドライブチェーンが掛け渡されている。
エンジン3内に供給された混合気は、点火プラグによって着火されて燃焼し、ピストンを往復運動させる。ピストンの往復運動は、クランクシャフトの回転運動に変換され、変速機やドライブチェーン等を介して後輪16を回転させる。燃焼後の排気は、エンジン3内から排気管18および排気マフラー19を通って外部に排出される。
次に、図2ないし図7を参照して、キャリパー32の支持構造5について説明する。図2はスイングアーム15を示す平面図である。図3はキャリパー32の支持構造5を示す斜視図である。図4はキャリパー32の支持構造5の下側を示す斜視図である。図5は保持部44を示す斜視図である。図6はキャリパー32の支持構造5を示す側面図である。図7はブレーキブラケット33の下側を示す斜視図である。
図2に示すように、支持構造5は、スイングアーム15と、ブレーキブラケット33と、キャリパー32と、を備えている。懸架構造体としてのスイングアーム15は、後輪16を回転可能に支持している。支持部材としてのブレーキブラケット33は、スイングアーム15に固定されている。制動装置としてのキャリパー32は、ブレーキブラケット33に支持されて後輪16(ブレーキディスク31)に制動力を付与する。
スイングアーム15は、ピボットボス40と、左右一対のアーム部41と、を有している。スイングアーム15は、鉄やアルミニウム合金等によって構成されている。
ピボットボス40は、左右方向(車幅方向)に延びる円筒状に形成されている。ピボットボルトPは、ピボットボス40を貫通して車体フレーム2に連結されている。これにより、スイングアーム15は、車体フレーム2に上下方向に揺動可能に連結される。
左右一対のアーム部41は、ピボットボス40の左右両側から後方に向けて延設されている。各アーム部41の前後方向中間部には、リアクッションユニット17(図1参照)の下端部を固定するためのクロス部42が設けられている。クロス部42は、左右一対のアーム部41に架設されている。左右一対のアーム部41の間には、クロス部42よりも後方で後輪16が挟まれるように配置されている。
図2および図3に示すように、各アーム部41の後端部には、車軸16aを貫通させる長穴43が形成されている。長穴43は、側面視(車幅方向から見て)で前後方向(アーム部41の長手方向)に長く形成されている。車軸16aは、長穴43と、ブレーキブラケット33と、後輪16のハブ(図示せず)と、を貫いて設けられている。また、車軸16a(後輪16)は、調整機構(図示せず)を操作することで、長穴43に沿って前後方向に移動する。これにより、ドライブチェーンの張り具合が調整される。
図4および図5に示すように、右側のアーム部41の内側面41a(後輪16に対向する側面)には、保持部44が後輪16側(左方)に向けて突設されている。保持部44は、長穴43の前側上部で前後方向に延設されている(図6参照)。保持部44は、保持部本体45と、フック部46と、を含み一体に形成されている。
保持部本体45は、長穴43と平行を成すように前後方向に長い略直方体状に形成されている(図6参照)。保持部本体45の上下両面は、互いに平行を成すと共に平滑に形成されている。また、保持部本体45の上下両面は、略垂直を成すアーム部41の内側面41aに対して直交する方向に形成されている。保持部本体45の上面は、ブレーキブラケット33の一部に当接する接触面47を形成している。接触面47には、挿通穴48が開口している。挿通穴48は、接触面47に直交する方向に向けて保持部本体45に穿設されている。挿通穴48は、平面視で前後方向に長く形成されている。挿通穴48には、締結部材としてのボルトBが下側から遊挿される。
フック部46は、延出部46aと、折曲部46bと、によって正面視で略鉤爪状に形成されている。延出部46aは、接触面47からアーム部41の内側面41aに沿って上方に延設されている。折曲部46bは、延出部46aの上端部から内側に折り曲がるように形成されている。折曲部46bの先端部には、下方に延出する爪部46cが形成されている。折曲部46bの上部内側の一辺は、面取りされてテーパー面46dを構成している。保持部本体45と延出部46aと折曲部46bとで囲まれる範囲には、前後方向に延びる溝部49が形成されている。
図3に示すように、ブレーキブラケット33は、右側のアーム部41の内側面41aに沿って配設されている。ブレーキブラケット33は、右側のアーム部41と後輪16との間に配置されている(図2参照)。ブレーキブラケット33は、鉄やアルミニウム合金等によって一体に構成されている。
図3および図6に示すように、ブレーキブラケット33は、軸受部50と、取付部51と、固定部52と、を有している。
軸受部50は、支持板部50aの下端部に形成される軸ボス50bを有し、側面視で略扇状に形成されている。支持板部50aは、軸ボス50bから上方に延設されている。支持板部50aは、側面視で保持部本体45よりも上側まで延びている。軸ボス50bは、支持板部50aよりも外側(右側)に突設されて、長穴43の縁部分に当接している(図3参照)。これにより、支持板部50aが保持部44に干渉しないようになっている。
軸ボス50bには、側面視で円形の軸穴50cが穿設されている。上記したように、後輪16の車軸16aは、スイングアーム15の各長穴43と、軸ボス50bの軸穴50cと、後輪16のハブと、を貫いて設けられる。図2に示すように、車軸16a(後輪16)およびブレーキブラケット33は、長穴43に沿って移動可能にスイングアーム15に支持される。そして、車軸16aがナットNによってスイングアーム15(各アーム部41)に固定されることで、ブレーキブラケット33もスイングアーム15に固定される。この状態で、後輪16はスイングアーム15に回転可能に支持される。
図3および図6に示すように、取付部51は、支持板部50aの上部に連設されている。取付部51の上端面は、側面視で下方に凸となる湾曲面51aを構成している。取付部51の前方には、ディスク通過部51bが形成されている。ディスク通過部51bは、湾曲面51aから上方に延出した先端部を下側に折り返すように形成されている(図3参照)。つまり、ディスク通過部51bは、下面を開口させた倒立U字状に形成されている。上記したブレーキディスク31は、ディスク通過部51bの内部に配置される(図2参照)。
固定部52は、略直方体状に形成され、取付部51の前側下部に設けられている。固定部52は、側面視で軸ボス50bの前側上部に配置されている。固定部52は、取付部51よりも外側(右側)に突設されている(図4参照)。固定部52の外側は、溝部49に対して摺動可能に嵌合している(図4参照)。なお、上記した取付部51の内側面は、折曲部46bの先端部に当接している。固定部52の内側面(左側面)は、取付部51の内側面と同一平面を形成している。
図7に示すように、固定部52の下端面には、接触面47に面接触する被接触面53が形成されている。被接触面53には、雌ネジ部54が開口している。雌ネジ部54は、被接触面53(または接触面47)に直交する方向に向けて固定部52に穿設されている。図6に示すように、雌ネジ部54には、挿通穴48に遊挿されたボルトBが螺合する。ボルトBを締め付けることで、ブレーキブラケット33は、保持部44の接触面47に被接触面53を密着させた状態で固定される。上記したスイングアーム15の接触面47は、ブレーキブラケット33に当接することでキャリパー32を介して後輪16からブレーキブラケット33に伝達される制動トルクの反力を受けるように形成されている。雌ネジ部54に螺合したボルトBの軸心線Lは、接触面47に対して直交している。
なお、上記したドライブチェーンの張り具合の調整は、車軸16aを固定するナットN(図2参照)とボルトBとを緩めた後に調整機構を操作することで実行される。車軸16aは、調整機構の作用によって長穴43に沿って移動する。同時に、ボルトBは挿通穴48に沿って移動し、ブレーキブラケット33は溝部49に沿って移動する。調整後に、ナットNとボルトBとを締め付ける。
上記したように、キャリパー32は、ブレーキディスク31に左右一対のブレーキパッド32a(図2参照)を押し付けることで後輪16に制動力を与える。なお、キャリパー32は、一般的なブレーキキャリパーと同様であるため、その詳細な説明は省略する。キャリパー32は、湾曲面51a上に配置されて取付部51に固定される(図6参照)。この状態で、左右一対のブレーキパッド32aがディスク通過部51b内に配置されたブレーキディスク31を挟むように配置される。
次に、図6を参照して、キャリパー32の支持構造5の作用について説明する。なお、以下の説明では、自動二輪車1は前進しているものとする。なお、自動二輪車1が前進するときの車輪11,16の回転(方向)を「正回転(方向)」とする。
キャリパー32を作動させて走行中の自動二輪車1を制動させると、ブレーキブラケット33は、キャリパー32を介して正回転方向に向かう荷重(制動トルクの反力)を受ける(図6の二点鎖線矢印参照)。つまり、ブレーキブラケット33は、車軸16aを中心とした正回転方向のモーメントを受ける。接触面47は、制動トルクの反力によるブレーキブラケット33の正回転を規制するように形成されているため、ブレーキブラケット33の固定部52(被接触面53)は、正回転方向上流側からスイングアーム15の保持部44(接触面47)に押し付けられる。
ブレーキブラケット33は、接触面47に直交する方向に延びるボルトBによってスイングアーム15に締結されている。ボルトBは、正回転方向下流側から挿通穴48に遊挿され、接触面47に直交する方向にスイングアーム15とブレーキブラケット33とを互いに締結させている。つまり、ボルトBの締結方向が、接触面47に直交する方向に合致する。したがって、ボルトBの軸力の方向が制動トルクの方向に合致するため、自動二輪車1(後輪16)の制動時においてボルトBにせん断力が働くことを防止することができる。これにより、ボルトBと挿通穴48との寸法公差の範囲で、ブレーキブラケット33が振動することを抑制することができる。また、ブレーキブラケット33の振動に基づくボルトBの摩耗や打音の発生を抑制することもできる。
より具体的には、スイングアーム15の保持部44(接触面47)とブレーキブラケット33の固定部52(被接触面53)とは、後輪16の車軸16a(または長穴43)に対して前方に設けられている。このため、ブレーキブラケット33の正回転によって固定部52(被接触面53)が保持部44(接触面47)に与える荷重の方向は上から下に向かう。一方、ボルトBは、挿通穴48に下側から挿通されて、スイングアーム15とブレーキブラケット33とを略上下方向に締結している。この様に、固定部52(被接触面53)に螺合させるボルトBを下側、すなわち正回転方向下流側から挿入することで、ブレーキブラケット33からの正回転方向の荷重の殆どが保持部44(接触面47)に掛る(作用する)。このため、ボルトBが引っ張られることが防止され、ボルトBに対する負担を減らすことができる。
以上説明した本実施形態に係るキャリパー32の支持構造5によれば、ブレーキブラケット33(被接触面53)は、正回転方向上流側からスイングアーム15(接触面47)に当接され、ボルトBは、正回転方向下流側からブレーキブラケット33(雌ネジ部54)に接続される。ボルトBは、スイングアーム15側から挿通穴48を挿通し、接触面47に接触したブレーキブラケット33の雌ネジ部54に螺合する。つまり、ボルトBは、接触面47に直交する方向に螺合する。これにより、ブレーキブラケット33が接触面47に強固に締結されるため、ブレーキブラケット33の振動やボルトBの摩耗等を有効に抑制することができる。
なお、本実施形態に係るキャリパー32の支持構造5は、スイングアーム15(接触面47)とブレーキブラケット33(被接触面53)とを直に面接触させていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図8に示すように、ブレーキブラケット33は、弾性変形可能な防振部材60を挟んでスイングアーム15の接触面47に当接していてもよい。例えば、図9に示すように、防振部材60は、合成ゴムで板状に形成され、ブレーキブラケット33の被接触面53に接着されている。防振部材60には、雌ネジ部54に通じる連通穴60aが形成されている。なお、防振部材60は、接触面47に接着されていてもよいし、各面47,53に接着されずに接触面47と被接触面53との間に挟まれているだけでもよい。また、防振部材60は、合成ゴム製に限らず、例えば、金属製のスプリングワッシャー等を採用してもよい。
この構成によれば、防振部材60は、接触面47とブレーキブラケット33との間に挟持され、弾性変形することでブレーキブラケット33等の振動を吸収する。これにより、ブレーキブラケット33の振動やボルトBの摩耗等を更に有効に抑制することができる。
なお、本実施形態(変形例を含む。以下同じ。)に係るキャリパー32の支持構造5では、ブレーキブラケット33が、車軸16aよりも前側に配置された接触面47に接触していたが、本発明はこれに限定されない。図示は省略するが、例えば、接触面47が車軸16aよりも後側に配置されていてもよい。この場合、接触面47は、保持部44(保持部本体45)の下面に形成され、ブレーキブラケット33(固定部52)は、下側から接触面47に当接する。ボルトBは、上側から挿通穴48を挿通して固定部52の雌ネジ部54に螺合する。すなわち、ブレーキブラケット33は、正回転方向上流側からスイングアーム15に当接され、ボルトBは、正回転方向下流側からブレーキブラケット33に接続されていればよい。
なお、本実施形態に係るキャリパー32の支持構造5では、1つの保持部44(接触面47)に1つの固定部52(被接触面53)を接触させて、ボルトBで締結していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、接触面47と被接触面53とを複数形成してもよい。この場合、複数の接触面47と複数の被接触面53とのうち少なくとも1つをボルトBで締結する。
なお、本実施形態の説明では、一例として、後輪16側のキャリパー32の支持構造5について示したが、本発明はこれに限定されない。図示は省略するが、当該支持構造5を前輪11側のキャリパー22に適用してもよい。この場合、前輪11側のブレーキブラケットは、懸架構造体としてのフロントフォーク10に固定される。
なお、本実施形態の説明では、一例として、自動二輪車1の制動装置に支持構造5を適用した場合を示したが、これに限らず、同様の構造を有する車両(例:前二輪、後一輪の三輪車等)に対し、本発明の制動装置の支持構造5を適用してもよい。
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る制動装置の支持構造における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態における構成要素は、適宜、既存の構成要素等との置き換えや組み合わせが可能であって、上記実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
5 支持構造
15 スイングアーム(懸架構造体)
16 後輪(車輪)
32 キャリパー(制動装置)
33 ブレーキブラケット(支持部材)
44 保持部
47 接触面
48 挿通穴
52 固定部
54 雌ネジ部
60 防振部材
B ボルト(締結部材)

Claims (5)

  1. 車輪を回転可能に支持する懸架構造体と、
    前記懸架構造体に固定される支持部材と、
    前記支持部材に支持されて前記車輪に制動力を付与する制動装置と、を備え、
    前記懸架構造体は、前記支持部材に当接することで前記制動装置を介して前記車輪から前記支持部材に伝達される制動トルクの反力を受ける接触面を有し、
    前記支持部材は、前記接触面に直交する方向に延びる締結部材によって前記懸架構造体に締結されていることを特徴とする制動装置の支持構造。
  2. 前記懸架構造体は、前記接触面に開口する挿通穴を有し、
    前記支持部材は、前記挿通穴に遊挿された前記締結部材を螺合させる雌ネジ部を有していることを特徴とする請求項1に記載の制動装置の支持構造。
  3. 前記懸架構造体は、前記車輪側に向けて突設されて前記接触面を形成する保持部を有し、
    前記挿通穴は、前記接触面に直交する方向に向けて前記保持部に穿設され、
    前記支持部材は、前記接触面に面接触する固定部を有し、
    前記雌ネジ部は、前記固定部に穿設されていることを特徴とする請求項2に記載の制動装置の支持構造。
  4. 前記車輪を具備する車両が前進するときの前記車輪の回転方向を正回転方向とする場合に、
    前記支持部材は、前記正回転方向上流側から前記接触面に面接触する固定部を有し、
    前記締結部材は、前記正回転方向下流側から前記挿通穴に遊挿され、前記接触面に直交する方向に前記懸架構造体と前記支持部材とを締結することを特徴とする請求項2に記載の制動装置の支持構造。
  5. 前記支持部材は、弾性変形可能な防振部材を挟んで前記懸架構造体の前記接触面に当接していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の制動装置の支持構造。

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