JP2017025181A - コンクリート処理用のシラン/シロキサン系エマルジョン - Google Patents

コンクリート処理用のシラン/シロキサン系エマルジョン Download PDF

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Hiroshi Kanzawa
弘 神澤
林 大介
Daisuke Hayashi
大介 林
坂田 昇
Noboru Sakata
昇 坂田
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Abstract

【課題】土木構造物コンクリートに対し、優れた浸透性を有し、垂直面に塗布しても液ダレを起こさないシラン/シロキサン系エマルジョンを提供すること。【解決手段】(A)アルキルアルコキシシランと(B)ポリオルガノシロキサン、(C)乳化剤、(D)水からなり、(A)が一般式R1XSi(OR2)4−X(式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基、R2は炭素数1〜6のアルキル基又は水素原子、Xは1又は2の整数)で表わされるものであり、(B)が平均組成式R3a(OR4)bSi(OH)cO(4−a−b−c)/2(式中、R3は炭素数1〜20のアルキル基、R4は炭素数1〜6のアルキル基、a、b、cは各々0<a≦2.0、0≦b<2.0、0≦c<2.0の任意の値であり、a+b+cは3以下である)で表わされるものであり、(A)成分と(B)成分との重量比(A/B)が10/1〜1/1、(A)成分と(B)成分との合計量が全組成物中の60〜90重量%であることを特徴とする構造物に使用されるコンクリートの処理用シラン/シロキサン系エマルジョン。【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリート構造物の改質、特に土木構造物コンクリートの撥水処理に用いる有機ケイ素化合物のクリーム状水性エマルジョンに関する。
シラン化合物やポリシロキサンなどの有機ケイ素化合物を用いて各種の建材に塗布することにより、建材表面を疎水性とし、建材内部への水の浸透を抑制することは従来から知られている。対象となる建材は、コンクリート、モルタル、軽量気泡コンクリート、レンガなどのような無機の多孔質建材であり、多孔質建材の細孔に上記化合物が浸透して表層を疎水化することにより、これら建材の劣化・老朽化が抑制され、更に、撥水性も付与されることで、埃の付着、カビの発生が抑制され汚れを付きにくくするという効果もある。
これらの化合物は、従来は有機溶剤に希釈して用いられていたが、塗布後に揮発する有機溶剤による環境汚染の懸念、作業環境の悪化に対する影響をなくする意味から、水性のエマルジョンとして用いることが望ましく、水性エマルジョンとして用いるに適した化合物又は組成物に関する提案もなされている。
例えば、特許文献1には、乳化剤を用いてアルキルアルコキシシランを水に分散させたエマルジョンが開示されている。このものはコンクリートに浸透するものの塗布したコンクリート表面付近のシランが大気中に揮発しやすいため、数回に分けエマルジョンを塗り重ねる必要があった。
又、特許文献2及び特許文献3には、アルキルトリアルコキシシランの他にアルキルアルコキシポリシロキサンを併用したシラン/シロキサン系のエマルジョンが開示されている。この方法ではエマルジョンを塗布したコンクリート表面に近い部分の疎水化は十分だが、エマルジョン中のシラン/シロキサン濃度が最大でも50%程度と低いためにエマルジョンの粘度が低く、土木構造物のようなより緻密なコンクリートの水平面以外の場所に塗布した場合には浸透する前に液ダレが発生しやすく、コンクリートの疎水化が斑になるという欠点があった。
又、特許文献4には、アルキルアルコキシシランとアミノ基を有するポリシロキサン、又はこれにアルキルアルコキシポリシロキサンを加えたシラン/シロキサン系のエマルジョンであり、シラン/シロキサン濃度の高いクリーム状のエマルジョンが開示されている。クリーム状であるために、土木構造物の垂直面に適用しても液ダレが発生しにくいが、土木用の緻密なコンクリートへの浸透性が十分ではなく、コンクリート表面に残って変色の原因となっていた。
更に特許文献5には、アルキルアルコキシシラン/ポリオルガノシロキサンの混合比が50/1〜10/1とすることで緻密なコンクリートに対して十分に浸透させるエマルジョンが開示されている。アルキルアルコキシシランの割合が多いことで高い浸透性を確保しているが、経年劣化によって表面が疎になったコンクリートではアルキルアルコキシシランの揮発によってコンクリート表面の撥水性(疎水性)が弱くなる欠点があった。
特開昭62−197369号公報 米国特許第5091002号明細書 特表平6−501514号公報 特開平10−81824号公報 特開2004−338980号公報
これら従来技術によるシラン/シロキサン系エマルジョンは、多数回の塗布を必要としたり、緻密なコンクリートからなる土木構造物に対して用いた場合に、液ダレを起こしたり、浸透性や塗布後の初期撥水性が十分でないという欠点を有していたのである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、水性であることによって環境汚染や、作業環境悪化の懸念がなく、上記の従来技術の欠点である土木構造物に対して用いた場合の問題点を解決すること、すなわち、経年劣化したコンクリートに対して優れた浸透力と撥水性を有し、液ダレを起こさないシラン/シロキサン系エマルジョンを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために、シラン/シロキサン系エマルジョンの各成分の構造、組成について鋭意研究を重ねた結果、特定のシラン及びポリシロキサンを用い、特定の配合比とすることにより課題が解決されることを見出し、本発明をなすに至った。すなわち、本発明は、
[1](A)アルキルアルコキシシランと(B)ポリオルガノシロキサン、(C)乳化剤、(D)水からなり、(A)が一般式(1)
(1) RXSi(OR4−X
(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、Rは炭素数1〜6のアルキル基又は水素原子、Xは1又は2の整数)で表わされるものであり、(B)が平均組成式(2)
(2) R (ORSi(OH)(4−a−b−c)/2(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、Rは炭素数1〜6のアルキル基、a、b、cは各々0<a≦2.0、0≦b<2.0、0≦c<2.0の任意の値であり、a+b+cは3以下である)で表わされるものであり、(A)成分と(B)成分との重量比(A/B)が10/1〜1/1、(A)成分と(B)成分との合計量が全組成物中の60〜90重量%であることを特徴とする構造物に使用されるコンクリートの処理用シラン/シロキサン系エマルジョン、
[2](A)成分のRの炭素数が4〜10、Rの炭素数が1又は2である[1]記載のシラン/シロキサン系エマルジョン、
[3]水/セメントの重量比0.5以下で混練した単位セメント量の高い土木構造物コンクリートの撥水処理に用いる[1]又は[2]記載のシラン/シロキサン系エマルジョンである。
本発明のシラン/シロキサン系水性エマルジョンは、緻密なコンクリートに対して優れた浸透力を有し、クリーム状であって垂直面に適用しても液ダレを起こさず、土木構造物コンクリートの撥水処理剤として用いると、コンクリートの劣化を防止し、埃の付着、カビの発生が抑制され汚れを付きにくくするという効果もあり、さらには表面の劣化したコンクリートに対して極めて有用である。
以下、本願発明について具体的に説明する。
本発明の(A)成分であるアルキルアルコキシシランは一般式(1)で表わされるものである。
(1) R Si(OR4−X
(1)式中、Rは同一または異なっていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、Rは同一または異なっていてもよい炭素数1〜6のアルキル基又は水素原子、Xは1又は2の整数である。
式(1)中のRの例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基のようなヘキシル基、n−ヘプチル基のようなヘプチル基、n−オクチル基及び2,2,4−トリメチルペンチル基のようなオクチル基、n−ノニル基のようなノニル基、nーデシル基のようなデシル基及びn−ドデシル基のようなドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基及びメチルシクロヘキシル基のようなシクロアルキル基であり、分子中で同一または異なっていてもよい。好ましいRは、炭素数4〜10のアルキル基である。
式(1)中のRの例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基のようなヘキシル基であり、分子中で同一または異なっていてもよい。これらのなかでも好ましいRは炭素数1又は2のアルキル基である。
本発明の(B)成分であるポリオルガノシロキサンは平均組成式(2)で表わされるものである。
(2) R (ORSi(OH)(4−a−b−c)/2
式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、Rは炭素数1〜6のアルキル基、a、b、cは各々0<a≦2.0、0≦b<2.0、0≦c<2.0の任意の値であり、a+b+cは3以下である。
式(2)中のRの例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基のようなヘキシル基、n−ヘプチル基のようなヘプチル基、n−オクチル基及び2,2,4−トリメチルペンチル基のようなオクチル基、n−ノニル基のようなノニル基、n−デシル基のようなデシル基及びn−ドデシル基のようなドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基及びメチルシクロヘキシル基のようなシクロアルキル基であり、分子中で同一または異なっていてもよい。
式(2)中のRの例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基のようなヘキシル基であり、分子中で同一または異なっていてもよい。これらのなかでも好ましいRは、炭素数1又は2のアルキル基である。
式(2)においての平均組成としては、各々0<a≦2.0、0≦b<2.0、0≦c<2.0の値であって、好ましくは、0<a≦2.0、0≦b<1.7、0≦c<0.5で、1.0<a+b+c<3.0である。
(B)成分の粘度は、25℃で10mPa・s〜2000mPa・sであることが好ましい。10mPa・s以下、又は2000mPa・s以上ではシラン/シロキサン成分の多孔質材料の細孔への浸透が不均一となり好ましくない。特に好ましい粘度は10mPa・s〜1000mPa・sである。(B)のポリオルガノシロキサンは、当業者にとっては、公知の方法によって製造することができる。例えば、メチルトリクロロシランとジメチルジクロロシランとの混合物をアルコールの存在下に加水分解縮合を行う方法、メチルトリアルコキシシランとジメチルジアルコキシシランとをアルカリ触媒下に加水分解縮合を行う方法などがある。また、本発明のエマルジョンにはこのポリオルガノシロキサンの2種以上を混合して使用することができる。
本発明のエマルジョン中、成分(A)及び(B)の合計量は60〜90重量%であることが必要である。60重量%以下では、エマルジョンの粘度が低くクリーム状とならず、90重量%以上では、エマルジョンの粘度が高すぎ塗布の作業性が劣ることとなる。好ましい成分(A)及び(B)の合計量は70〜85重量%であり、この範囲で本発明の効果がもっとも発揮される。
本発明のエマルジョン中、(A)成分と(B)成分との重量比(A/B)は50/1〜10/1で用いられる。この重量比範囲外では本発明の目的とする多孔質建材への高い浸透性が得られない。
本発明の(C)乳化剤成分には、各種の公知の乳化剤使用することができる。乳化剤の具体例は、アニオン乳化剤としては、炭素原子数8〜18の鎖長を有するアルキルスルフェート、疎水性基中に8〜18個の炭素原子数を有し、かつ1〜40個のエチレンオキシド(EO)又はプロピレンオキシド(PO)単位を有するアルキル及びアルカリールエーテルスルフェート、8〜18個の炭素原子数を有するアルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、一価アルコール又はアルキルフェノールとのスルホコハク酸のエステル及び半エステルを挙げることができる。
非イオン乳化剤としてはポリビニルアルコール、3〜40個のエチレンオキシド(EO)単位及び8〜20個の炭素原子数を有するアルキルとからなるアルキルポリグリコールエーテル、エチレンオキシド/プロピレンオキシド(EO/PO)ブロック共重合体、アルキルアミンのエチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの付加生成物などを挙げることができる。
カチオン乳化剤としては炭素原子数8〜24個を有する第一級、第二級及び第三級脂肪アミンの塩、第四級アルキル及びアルキルベンゾールアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリニウム塩及びアルキルオキサゾリニウム塩、長鎖の置換アミノ酸、ベタインなどを挙げることができる。
好ましい乳化剤は、非イオン乳化剤、特にアルキルポリグリコールエーテル、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドとのアルキルアミンの付加生成物、及びポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールは、酢酸ビニル単位を5〜20%含有し、500〜3000の重合度を有するものが好ましい。
本発明で用いる乳化剤の量は、エマルジョンに対して通常0.1〜10重量%であり、好ましくは0.1〜5重量%である。
本発明のエマルジョンには、(A)成分のシランが加水分解に対して安定になるようにpHを5〜8の範囲内に安定化させる緩衝剤を含有させることが有効である。緩衝剤としては、エマルジョンの他の成分に対して化学的に不活性である各種の有機及び無機の酸及び塩基を用いることができ、カルボン酸、リン酸、炭酸及び硫酸のアルカリ塩、アルカリ土類塩及びアンモニウム塩などが適当である。炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム及び酢酸とアンモニア水とからなる混合物がより好ましい。緩衝剤の使用量は、エマルジョンに対して3重量%以下である。
本発明のエマルジョンには、本発明の目的を損なわない範囲で殺カビ剤、殺菌剤、殺藻剤、殺微生物剤、香料、防食剤及び消泡剤を添加することができる。これらの添加物は、エマルジョンに対して0.01〜2重量%の範囲であることが適当である。
本発明によるエマルジョンは、当業者にとって公知の方法によって製造することができる。例えば、まず成分(A)及び/又は(B)の一部、乳化剤及び水の大部分から極めて粘度の低いエマルジョンを製造し、続いて残部の成分(A)及び/又は(B)を加え乳化を行う方法、あるいは、成分(A)及び(B)の全部を水の一部と乳化剤とで乳化して油中水型のエマルジョンとし、更に残部の水を加えて乳化を続け、相転換する方法を用いることもできる。これらの乳化工程にはコロイドミルなどの加圧型の乳化機を用いることが好ましい。
本発明によるエマルジョンは、建築材料、特にコンクリート、モルタル、軽量気泡コンクリート、レンガなどのような無機の多孔質建材に、刷毛塗り又は吹付け塗装により用いることができる。これら建築材料に対する本発明によるエマルジョンの塗布量は400g/m以下、特に100〜250g/mである。本発明のエマルジョンはクリーム状であるために一度の塗装で所要量を塗布することが可能だが、重ね塗りすることもできる。
本発明のエマルジョンはコンクリートへの浸透性に優れるが、緻密なコンクリートに対して用いるときに、この浸透性の高さが特に発揮される。コンクリートの緻密さは、水セメント比で表わすことができ、水/セメントの重量比が0.5以下であるような緻密なコンクリートは、土木構造物に用いられているものである。本発明のエマルジョンは、このような土木構造物コンクリートへの浸透性に優れるが、クリーム状で垂直面へ塗布しても流れ落ちることがないという有利さとあいまって、すでに設置されている土木構造物のコンクリート面に用いるときに特にその効果を発揮する。本発明のエマルジョンが好適に用いられる構造物としては、現場打設のものだけでなく、工場やヤードで製作したプレキャストコンクリートの製品・部材なども含まれる。
さらに、本発明のエマルジョンは打設時には緻密なコンクリートであっても経年劣化でコンクリート表面が疎になったコンクリートに対しても塗布後に優れた撥水性を発現させられる。
本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例におけるコンクリート供試体、コンクリート塗工性の評価方法、及び浸透性の評価方法は以下のとおりである。
<コンクリート供試体>
水セメント比(W/C)が0.4又は0.6のコンクリートで、サイズが100mmx100mmx400mmのコンクリートブロックを用いた。各コンクリート供試体はあらかじめ脱型後に28日間以上気乾養生(雰囲気:気温20℃、湿度60%)したものであり、高周波容量式のコンクリート・モルタル水分計による表面水分率4.5%のものを用いた。さらにこのコンクリート供試体を1N塩酸に24時間浸漬してコンクリート供試体の表面の劣化させ、続いて流水で供試体を十分にすすいだ。すすぎの終わったコンクリート供試体は室温で十分に乾燥させ、高周波容量式のコンクリート・モルタル水分計による表面水分率4.5%のものを用いた。
<塗工性の評価方法>
コンクリート供試体の垂直面に対して200g/mとなるように刷毛を用いて塗布し、塗布3分後までに塗布したエマルジョンが水滴のように垂れ落ちるかを観察した。
<浸透性の評価方法>
エマルジョンを供試体に対して200g/mとなるように刷毛を用いて塗布し、塗布後3日間気乾養生(雰囲気:気温20℃、湿度60%)してから浸透深さを測定した。浸透深さは、コンクリートの塗布面から垂直に割裂して割裂面に水を散布し、水による塗れ色を示さなかった部分(疎水層)の長さを測定し、20ヵ所測定の平均値を浸透深さとした。
<撥水性の評価方法>
スポイトで水道水を0.3mlを塗布面に滴下し、滴下3分後の水滴のはじく度合いを観察した。
<実施例1>
ポリオルガノシロキサン成分(B)として、25℃における粘度約30mPa・s、組成式CHSi(OC0.81.1のポリオルガノシロキサン(MS1)10gと、乳化剤成分(C)としてエチレンオキシド単位を10個持つイソトリデシルアルコールグリコールエーテル(E1)0.13g、水(D)10gを高速で混合・攪拌し、さらにアルキルアルコキシシラン成分(A)としてイソオクチルトリエトキシシラン(iC8)40gを4回に分けて高速で混合・攪拌し、エマルジョンEM1を得た。組成及び塗工性評価を表1に、浸透性および撥水性の評価結果を表2に示す。
<実施例2>
実施例1の乳化剤成分E1の代わりにエチレンオキシド単位を16個持つイソトリデシルアルコールグリコールエーテル(E2)を用い、それ以外は実施例1と同様に同成分かつ同方法でエマルジョンEM2を得た。組成及び塗工性評価を表1に、浸透性および撥水性の評価結果を表2に示す。
<実施例3>
実施例1のポリオルガノシロキサン成分MS1の代わりに、25℃における粘度約100mPa・s、平均組成式(CHSi(OH)0.050.98のポリオルガノシロキサン(MS2)2gと、乳化剤成分E1の代わりにE2を用い、それ以外は実施例1と同様に同成分かつ同方法でエマルジョンEM3を得た。組成及び塗工性評価を表1に、浸透性および撥水性の評価結果を表2に示す。
<比較例1>
実施例1のオルガノシロキサン成分(MS1)を2g、イソオクチルトリエトキシシラン(iC8)を38gとし、それ以外は実施例1と同様に同成分かつ同方法でエマルジョンEM4を得た。組成及び塗工性評価を表1に、浸透性および撥水性の評価結果を表2に示す。
<比較例2>
実施例1のポリオルガノシロキサン成分MS1の代わりに、アミン数約0.3、25℃における粘度約500mPa・sのアミノ基を有するポリオルガノシロキサン(AS)を用い、それ以外は実施例1と同様に同成分かつ同方法でエマルジョンEM5を得た。組成及び塗工性評価を表1に、浸透性および撥水性の評価結果を表2に示す。
(表1)
成分および塗工性の評価

塗工性凡例 ○:液ダレが認められない X:液ダレが認められる
(表2)
浸透性(浸透深さ)及び初期撥水性比較

撥水性凡例 ◎:撥水性が優れ、水滴が塗布面を転がりやすい
○:撥水しているが、水滴は塗布面を転がらない
本発明のシラン/シロキサン系エマルジョンは、水性であることによって環境汚染や、作業環境悪化の懸念がなく、また、経年劣化したコンクリートに対して優れた浸透力と撥水性を有し、液ダレを起こさない、コンクリート処理のための好適な材料である。
塗工性凡例 ○:液ダレが認められない X:液ダレが認められる
撥水性凡例 ◎:撥水性が優れ、水滴が塗布面を転がりやすい
○:撥水しているが、水滴は塗布面を転がらない
塗工性凡例 ○:液ダレが認められない X:液ダレが認められる
撥水性凡例 ◎:撥水性が優れ、水滴が塗布面を転がりやすい
○:撥水しているが、水滴は塗布面を転がらない

Claims (3)

  1. (A)アルキルアルコキシシランと(B)ポリオルガノシロキサン、(C)乳化剤、(D)水からなり、(A)が一般式(1)
    (1) R Si(OR4−X (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、Rは炭素数1〜6のアルキル基又は水素原子、Xは1又は2の整数)
    で表わされるものであり、(B)が平均組成式(2)
    (2) R (ORSi(OH)(4−a−b−c)/2 (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、Rは炭素数1〜6のアルキル基、a、b、cは各々0<a≦2.0、0≦b<2.0、0≦c<2.0の任意の値であり、a+b+cは3以下である)
    で表わされるものであり、(A)成分と(B)成分との重量比(A/B)が10/1〜1/1、(A)成分と(B)成分との合計量が全組成物中の60〜90重量%であることを特徴とする構造物に使用されるコンクリートの処理用シラン/シロキサン系エマルジョン。
  2. (A)成分のRの炭素数が4〜10、Rの炭素数が1又は2である請求項1記載のシラン/シロキサン系エマルジョン。
  3. 水/セメントの重量比0.5以下で混練した単位セメント量の高い土木構造物コンクリートの撥水処理に用いる請求項1又は2記載のシラン/シロキサン系エマルジョン。
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