JP2017014032A - スクライブ方法並びにスクライブ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス基板と吸着テーブルとの間に樹脂シートを介在させたレーザスクライブ手段であって、加工後にガラス基板を樹脂シートから容易に剥離可能とするスクライブ方法並びにスクライブ装置を提供する。
【解決手段】吸着テーブル1上のガラス基板Mの表面をスクライブ予定ラインL1に沿ってレーザBで加熱後、該加熱領域を冷媒で急冷してガラス基板M先頭部のトリガTを進展させて、ガラス基板Mの表面にスクライブ予定ラインL1に沿った分断用の亀裂Sを形成するスクライブ方法及び装置であって、レーザBを走査するストリート領域Rを残した状態で樹脂シート20を吸着テーブル1に吸着保持させ、ガラス基板Mのスクライブ予定ラインL1がストリート領域R上に位置するようにしてガラス基板Mを樹脂シート20に吸着保持させて、ガラス基板Mの表面をレーザBでスクライブすることにより分断用の亀裂Sを形成する。
【選択図】図4
【解決手段】吸着テーブル1上のガラス基板Mの表面をスクライブ予定ラインL1に沿ってレーザBで加熱後、該加熱領域を冷媒で急冷してガラス基板M先頭部のトリガTを進展させて、ガラス基板Mの表面にスクライブ予定ラインL1に沿った分断用の亀裂Sを形成するスクライブ方法及び装置であって、レーザBを走査するストリート領域Rを残した状態で樹脂シート20を吸着テーブル1に吸着保持させ、ガラス基板Mのスクライブ予定ラインL1がストリート領域R上に位置するようにしてガラス基板Mを樹脂シート20に吸着保持させて、ガラス基板Mの表面をレーザBでスクライブすることにより分断用の亀裂Sを形成する。
【選択図】図4
Description
本発明は、無アルカリガラス等からなる薄板のガラス基板に分断用の亀裂(クラック)を加工するスクライブ方法並びにスクライブ装置に関する。特に本発明は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)に使用される薄板のガラス基板をスクライブするスクライブ方法並びにスクライブ装置に関する。
従来から、レーザビームを照射しながら走査し、基板に熱応力分布を発生させてスクライブを行うレーザスクライブ方法を用いて、例えば特許文献1のように分断用の亀裂(クラック)を形成したり、あるいは特許文献2のように完全分断(フルカット加工)したりする技術が知られている。
これまでのレーザスクライブ方法では、図8(a)に示すように、多数のエア吸引孔を有する吸着テーブル21上にガラス基板Mを載せて定着させ、CO2レーザ等のレーザ光22を用いてガラス基板Mの表面近傍をスクライブ予定ラインL1に沿って走査加熱するとともに、これに追従して冷却機構のノズルから加熱領域に冷媒23を噴射している。なお、符号E1はレーザ光22による加熱領域を示し、符号E2は冷媒23による急冷領域を示す。これによって、図8(b)のように先行の加熱によって生じる圧縮応力P1と、次の急冷によって生じる引張応力P2とによる熱応力分布により、トリガ(初期亀裂)Tを進展させてガラス基板Mの表面に分断用の亀裂Sを生じさせたり、厚み全部に亀裂Sを浸透させてフルカット加工したりしている。
スクライブ時にガラス基板を吸着保持する吸着テーブルは、金属板に機械加工で作られた多数の吸引孔を有する金属プレートで形成されたものと、多数の気孔を有するセラミック等の多孔質プレートを用いて形成されたものがあり、レーザスクライブ時にエアで吸引してガラス基板を保持するようにしている。しかし、近年では、スマートフォン等の映像表示装置の軽量化や薄型化によってガラス基板の薄肉化が進んでいることから、例えば0.2mm以下の薄いフィルム状のガラス基板が要求されるようになっており、このような薄肉のガラス基板を吸着テーブルで吸着すると、以下のような問題が生じてレーザスクライブが困難となる。
一般に、金属テーブルに設けられる吸引孔の孔径は約1〜2mmであり、多孔質プレート製テーブルの気孔の孔径はそれよりも小さく約50〜60μmで形成されている。この吸引孔や気孔の開口部にガラス基板を直接吸着させてレーザスクライブすると、開口部付近と開口部のない平坦部との間で、吸着テーブルへの接触の有無に起因する熱放散の変化によりガラス基板内の熱応力に差が生じることになる。この熱応力の差は、0.2mm以下の薄いガラス基板ではさらに顕著となり、スクライブ予定ラインの全長にわたって均等に熱応力を生じさせることができなくなり、亀裂が不完全であったり、ムラが生じたりして精度よくレーザスクライブすることができない。また、薄いガラス基板の場合には、テーブル面に直接接触することにより熱が奪われて、基板内で熱応力を充分に発揮できず、亀裂が不十分になるといった問題点もある。
そこで本出願人は、図9に示すように、ガラス基板Mに樹脂シート20’を接着剤等で貼り付け、樹脂シート20’を下面にした状態で多孔質プレート製の吸着テーブル1上に載置してレーザスクライブする方法を先に出願した。
この方法によれば、上記した吸引孔に起因する熱応力のムラが解決できるとともに、吸着テーブル1とガラス基板Mとの間に樹脂シート20’を介在させることによって、亀裂Sの形成を助長する。
しかし、この方法では、レーザスクライブによる亀裂Sの加工後に、樹脂シート20’からガラス基板Mを剥離するという大変面倒な工程が発生するといった問題点が残る。
ガラス基板と樹脂シートの接着には後で剥がしやすいように接着力の弱い接着剤が用いられるが、それでも0.2mm以下の薄いフィルム状のガラス基板の場合は、剥離時にガラス基板が撓んだり湾曲したりして損傷することがある。特に、亀裂がハーフカット(ガラス基板の厚み全体の70〜90%の深さの亀裂)を目標として加工されている場合には、樹脂シート剥離時の撓みや湾曲によってハーフカットの亀裂が浸透して完全分断したり、あるいは予測しない方向に亀裂が走ったりして不良品になることがあった。
ガラス基板と樹脂シートの接着には後で剥がしやすいように接着力の弱い接着剤が用いられるが、それでも0.2mm以下の薄いフィルム状のガラス基板の場合は、剥離時にガラス基板が撓んだり湾曲したりして損傷することがある。特に、亀裂がハーフカット(ガラス基板の厚み全体の70〜90%の深さの亀裂)を目標として加工されている場合には、樹脂シート剥離時の撓みや湾曲によってハーフカットの亀裂が浸透して完全分断したり、あるいは予測しない方向に亀裂が走ったりして不良品になることがあった。
そこで本発明は、加工対象となるガラス基板と吸着テーブルとの間に樹脂シートを介在させたレーザスクライブ手段であって、亀裂加工後にガラス基板を樹脂シートから容易に剥離できるようにして、分断用の亀裂を確実にかつ精度よく形成することができるスクライブ方法並びにスクライブ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明では次のような技術的手段を講じた。すなわち、本発明は、吸着テーブルに吸着させたガラス基板の表面を、レーザを用いてスクライブ予定ラインに沿って加熱するとともに、その加熱領域を冷媒で急冷することにより、前記ガラス基板内に生じる熱応力で前記スクライブ予定ラインの先頭部に形成したトリガを進展させて、前記ガラス基板の表面に前記スクライブ予定ラインに沿った分断用の亀裂を生じさせるスクライブ方法であって、前記レーザを走査するストリート領域を残した状態で多数のエア吸引孔を設けた樹脂シートを前記吸着テーブルに吸着保持させるとともに、前記ガラス基板の前記スクライブ予定ラインが前記樹脂シートのストリート領域上に位置するようにして当該ガラス基板を前記樹脂シート上に吸着保持させて、この状態で、前記ガラス基板の表面を前記レーザで照射して前記スクライブ予定ラインに沿ってスクライブすることにより、前記ガラス基板に前記スクライブ予定ラインに沿った亀裂を形成することを特徴とする。
前記樹脂シートは、厚みが50〜200μmであり、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、シリコンゴム、ポリウレタン樹脂等から選択された樹脂材料で形成するのがよい。
また本発明は、吸着テーブルに吸着させたガラス基板の表面を、レーザを用いてスクライブ予定ラインに沿って加熱するとともに、その加熱領域を冷媒で急冷することにより、前記ガラス基板内に生じる熱応力で前記スクライブ予定ラインの先頭部に形成したトリガを進展させて、前記ガラス基板の表面に前記スクライブ予定ラインに沿った分断用の亀裂を生じさせるスクライブ装置であって、前記レーザを走査するストリート領域を残した状態で多数のエア吸引孔を設けた樹脂シートが前記吸着テーブルに吸着保持され、前記ガラス基板の前記スクライブ予定ラインが前記樹脂シートのストリート領域上に位置するようにして当該ガラス基板が前記樹脂シート上に吸着保持され、前記ガラス基板の前記スクライブ予定ライン上を前記レーザが走査されるように構成されているスクライブ装置もその特徴とする。
本発明によれば、ガラス基板を樹脂シート上へ載置する際に、樹脂シートのエア吸引孔を有しないストリート領域の中間にガラス基板のスクライブ予定ラインを位置させるようにしたので、樹脂シートの開口部(エア吸引孔)と開口部のない箇所とでの下方への熱放散の差をなくして、ガラス基板内部での熱応力発生のムラをなくすことができる。また、これによりスクライブ予定ラインの全長にわたって均等に熱応力を生じさせることができ、ムラなくきれいに亀裂を形成することができる。
さらに、ガラス基板を透過した一部のレーザの熱によって温められた樹脂シートの一部分が熱膨張で盛り上がるのに伴って、これに接する部分のガラス基板も上方に盛り上がり、ガラス基板表面側に発生する素材自体の引張応力が熱応力の引張応力を助長して確実に亀裂を形成することができる。
特に本発明では、ガラス基板は樹脂シートのエア吸引孔に吸着保持されているだけであって、レーザスクライブ後にガラス基板を簡単に樹脂シートから分離して取り上げることができるので、ガラス基板を接着剤等で樹脂シートに貼り付けた場合の面倒な剥離工程や、剥離時のガラス基板の損傷をなくすことができるといった効果がある。
以下、本発明の詳細を図に示した実施形態に基づき説明する。本実施例では、加工対象となるガラス基板として、厚みが0.03〜0.2mmのフィルム状の無アルカリガラス板が用いられる。
図1は本発明方法に用いられるスクライブ装置Aを示すものであって、ガラス基板Mを載置して吸着保持する吸着テーブル1を備えている。
吸着テーブル1の吸着面は、図2に示すように、多数の気孔を有するセラミックやカーボンなどの多孔質プレート3で形成されている。多孔質プレート3は枠材4で保持され、下方に形成されたチャンバ5を吸引ポンプPで吸引することにより、気孔(開口部)に吸引力を発生させてガラス基板Mを吸着保持するように形成されている。
多孔質プレート3の気孔径は1〜10μm、気孔率は10〜40%で形成するのが好ましく、本実施例では気孔径が5μm、気孔率が35%で形成されている。
また、吸着テーブル1は、水平なレール6に沿ってY方向(図1の前後方向)に移動できるようになっており、モータ(図示外)によって回転するネジ軸7により駆動される。さらに吸着テーブル1は、モータを内蔵する回転駆動部8により水平面内で回動できるようになっている。
吸着テーブル1の吸着面は、図2に示すように、多数の気孔を有するセラミックやカーボンなどの多孔質プレート3で形成されている。多孔質プレート3は枠材4で保持され、下方に形成されたチャンバ5を吸引ポンプPで吸引することにより、気孔(開口部)に吸引力を発生させてガラス基板Mを吸着保持するように形成されている。
多孔質プレート3の気孔径は1〜10μm、気孔率は10〜40%で形成するのが好ましく、本実施例では気孔径が5μm、気孔率が35%で形成されている。
また、吸着テーブル1は、水平なレール6に沿ってY方向(図1の前後方向)に移動できるようになっており、モータ(図示外)によって回転するネジ軸7により駆動される。さらに吸着テーブル1は、モータを内蔵する回転駆動部8により水平面内で回動できるようになっている。
吸着テーブル1を挟んで設けてある両側の支持柱9、9と、X方向に水平に延びるビーム(横桟)10とを備えたブリッジ11が、吸着テーブル1上を跨ぐようにして設けられている。ビーム10には、X方向に水平に延びるガイド12が設けられている。このガイド12に、レーザBを照射するレーザ照射部13と、レーザ照射直後の加熱部分を急冷する冷媒噴射ノズル14とを備えたスクライブヘッド15が取り付けられている。さらに、ガイド12には、ガラス基板Mのスクライブ予定ラインL1の先頭部分にトリガ(初期亀裂)Tを加工するためのカッターホイール16を保持するスクライブヘッド17が設けられている。スクライブヘッド15、17は、モータ18を駆動源とする移動機構(図示外)によってガイド12に沿ってX方向に移動できるようになっている。
レーザ照射部13から照射されるレーザBは、CO2レーザ等のガラスに吸収されやすいレーザ光が用いられる。
レーザ照射部13から照射されるレーザBは、CO2レーザ等のガラスに吸収されやすいレーザ光が用いられる。
吸着テーブル1には、図3に示すように、樹脂シート20が吸着保持されている。
樹脂シート20は、厚みが50〜200μm、例えば100μmで形成され、その材料として、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、シリコンゴム、ポリウレタン等の樹脂材料を用いることができる。
この樹脂シート20には、図4(a)に示すように、所定幅のストリート領域Rをあけて細長のエア吸引孔20aが平行して複数列設けられている。このストリート領域Rの中間位置がレーザBを走査するストリートL2となる。ストリートL2のピッチは、ガラス基板Mのスクライブ予定ラインL1と同じピッチで形成される。本実施例の場合、ガラス基板Mのスクライブ予定ラインL1のピッチが16mmであり、これに対応して樹脂シート20のストリート領域Rの幅が15mm、エア吸引孔20aの短径(幅径)が1mmで形成されている。このストリート領域Rの幅Cは、ガラス基板Mのスクライブ予定ラインL1のピッチに合わせて0.5mm以上で形成することができる。
なお、上記実施例では、エア吸引孔20aを1つの細長い孔で形成したが、図4(b)に示すように、多数の小孔20a’を直線状に並べて形成するようにしてもよい。
樹脂シート20は、厚みが50〜200μm、例えば100μmで形成され、その材料として、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、シリコンゴム、ポリウレタン等の樹脂材料を用いることができる。
この樹脂シート20には、図4(a)に示すように、所定幅のストリート領域Rをあけて細長のエア吸引孔20aが平行して複数列設けられている。このストリート領域Rの中間位置がレーザBを走査するストリートL2となる。ストリートL2のピッチは、ガラス基板Mのスクライブ予定ラインL1と同じピッチで形成される。本実施例の場合、ガラス基板Mのスクライブ予定ラインL1のピッチが16mmであり、これに対応して樹脂シート20のストリート領域Rの幅が15mm、エア吸引孔20aの短径(幅径)が1mmで形成されている。このストリート領域Rの幅Cは、ガラス基板Mのスクライブ予定ラインL1のピッチに合わせて0.5mm以上で形成することができる。
なお、上記実施例では、エア吸引孔20aを1つの細長い孔で形成したが、図4(b)に示すように、多数の小孔20a’を直線状に並べて形成するようにしてもよい。
次に、上記の装置を用いた本発明のスクライブ方法について説明する。
まず、図3並びに図5に示すように、樹脂シート20を吸着テーブル1上に載置し、吸着保持させる。そして、ガラス基板Mのスクライブ予定ラインL1をストリート領域Rの中間に位置させるようにしてガラス基板Mを樹脂シート20上に載置し、エア吸引孔20aを介して吸引保持させる。
まず、図3並びに図5に示すように、樹脂シート20を吸着テーブル1上に載置し、吸着保持させる。そして、ガラス基板Mのスクライブ予定ラインL1をストリート領域Rの中間に位置させるようにしてガラス基板Mを樹脂シート20上に載置し、エア吸引孔20aを介して吸引保持させる。
レーザスクライブに先立って、ガラス基板Mの表面でスクライブ予定ラインL1の先端となる部分にカッターホイール16でトリガTを加工する。このトリガTの加工は、ガラス基板Mの端縁から少し内側に入った位置で、カッターホイール16をガラス基板Mの表面に向かって降下させることにより形成する。トリガTを加工するためのカッターホイール16としては、例えば、円周稜線に沿って溝(切欠き)と刃先とが交互に形成された溝付きカッターホイールを用いるのがよい。
次いで、上記トリガTを起点として、スクライブ予定ラインL1に沿ってレーザ照射部13からレーザBを走査して加熱するとともに、これに追従して冷媒噴射ノズル14から加熱領域に冷媒を噴射する。これによって、図6に示すように、先行の加熱によって生じる圧縮応力P1と、次の急冷によって生じる引張応力P2とによる熱応力分布により、トリガTを起点とする分断用の亀裂Sをスクライブ予定ラインL1に沿って形成する。
このレーザスクライブの際は、ガラス基板Mのスクライブ予定ラインL1が樹脂シート20のエア吸引孔20aを有しないストリート領域Rの中間に位置するようにしてガラス基板Mを樹脂シート20上に載置する、すなわち、レーザBのストリートL2上にはエア吸引孔20aが存在しないので、エア吸引孔20a付近の開口部と開口部のない箇所とでの下方への熱放散の差によるガラス基板M内部での熱応力発生のムラがなくなる。これにより、スクライブ予定ラインL1の全長にわたって均等に熱応力を生じさせることができ、ムラなくきれいに亀裂Sを形成することができる。
また、ガラス基板Mに照射されたレーザの熱によって温められた樹脂シート20の一部分が熱膨張して盛り上がるのに伴って、これに接する部分のガラス基板Mも上方に盛り上がり、ガラス基板Mの表面側に発生する素材自体の引張応力が熱応力の引張応力P2を助長し、確実に亀裂Sを形成することができる。
また、ガラス基板Mに照射されたレーザの熱によって温められた樹脂シート20の一部分が熱膨張して盛り上がるのに伴って、これに接する部分のガラス基板Mも上方に盛り上がり、ガラス基板Mの表面側に発生する素材自体の引張応力が熱応力の引張応力P2を助長し、確実に亀裂Sを形成することができる。
特に本発明では、ガラス基板Mが樹脂シート20のエア吸引孔20aに吸着保持されているだけであって、レーザスクライブ後に吸引力を解除することによりガラス基板Mを簡単に樹脂シート20から分離して取り上げることができ、これにより、ガラス基板Mを接着剤で樹脂シート20に貼り付けた場合のような面倒な剥離工程や、剥離時のガラス基板Mの損傷をなくすことができる。
図7は、気孔径5μmの多孔質プレート3を有する吸着テーブル1にガラス基板Mを直接吸着させてレーザスクライブした場合(図7a)と、本発明方法によりレーザスクライブした場合(図7b)の実験結果を示す表である。発明者等は、ガラス基板Mの厚みを0.145mm、0.1mm、0.07mmとし、レーザの出力と走査速度についてもそれぞれ変化させて実験を行った。ガラス基板Mは無アルカリガラスを用い、レーザはCO2レーザを使用した。なお、図においてハッチングで示した部分は正常に亀裂が形成された領域を示すものである。
実験の結果、図7aの場合は、ハッチングで示す正常領域部分が少なく、特に、厚み0.07mmでは殆ど正常に亀裂が形成されなかったのに対し、図7bの場合は、最薄の0.07mmのものを含め、全ての実験で広範囲において亀裂を正常に形成することができた。
実験の結果、図7aの場合は、ハッチングで示す正常領域部分が少なく、特に、厚み0.07mmでは殆ど正常に亀裂が形成されなかったのに対し、図7bの場合は、最薄の0.07mmのものを含め、全ての実験で広範囲において亀裂を正常に形成することができた。
なお、本実施例では、レーザスクライブによって形成される亀裂Sは、完全分断ではなくガラス基板Mの厚み全体の70〜90%の深さを目標値としたが、亀裂Sを厚み全体に浸透させて完全分断することももちろん可能である。
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施形態に特定されるものでなく、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
本発明は、主として厚みが0.03〜0.2mmの薄いガラス基板に分断用の亀裂を形成するレーザスクライブに利用される。
A スクライブ装置
B レーザ
L1 スクライブ予定ライン
L2 ストリート
M ガラス基板
P1 圧縮応力
P2 引張応力
R ストリート領域
S 亀裂
T トリガ
1 吸着テーブル
13 レーザ照射部
14 冷媒噴射ノズル
20 樹脂シート
20a エア吸引孔
B レーザ
L1 スクライブ予定ライン
L2 ストリート
M ガラス基板
P1 圧縮応力
P2 引張応力
R ストリート領域
S 亀裂
T トリガ
1 吸着テーブル
13 レーザ照射部
14 冷媒噴射ノズル
20 樹脂シート
20a エア吸引孔
Claims (4)
- 吸着テーブルに吸着させたガラス基板の表面を、レーザを用いてスクライブ予定ラインに沿って加熱するとともに、その加熱領域を冷媒で急冷することにより、前記ガラス基板内に生じる熱応力で前記スクライブ予定ラインの先頭部に形成したトリガを進展させて、前記ガラス基板の表面に前記スクライブ予定ラインに沿った分断用の亀裂を生じさせるスクライブ方法であって、
前記レーザを走査するストリート領域を残した状態で多数のエア吸引孔を設けた樹脂シートを前記吸着テーブルに吸着保持させるとともに、前記ガラス基板の前記スクライブ予定ラインが前記樹脂シートのストリート領域上に位置するようにして当該ガラス基板を前記樹脂シート上に吸着保持させて、この状態で、前記ガラス基板の表面を前記レーザで照射して前記スクライブ予定ラインに沿ってスクライブすることにより、前記ガラス基板に前記スクライブ予定ラインに沿った亀裂を形成することを特徴とするスクライブ方法。 - 前記樹脂シートは、厚みが50〜200μmであって、その材料が、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、シリコンゴム、ポリウレタン樹脂から選択される請求項1に記載のスクライブ方法。
- 前記ガラス基板の厚みが0.03〜0.2mmである請求項1又は請求項2に記載のスクライブ方法。
- 吸着テーブルに吸着させたガラス基板の表面を、レーザを用いてスクライブ予定ラインに沿って加熱するとともに、その加熱領域を冷媒で急冷することにより、前記ガラス基板内に生じる熱応力で前記スクライブ予定ラインの先頭部に形成したトリガを進展させて、前記ガラス基板の表面に前記スクライブ予定ラインに沿った分断用の亀裂を生じさせるスクライブ装置であって、
前記レーザを走査するストリート領域を残した状態で多数のエア吸引孔を設けた樹脂シートが前記吸着テーブルに吸着保持され、
前記ガラス基板の前記スクライブ予定ラインが前記樹脂シートのストリート領域上に位置するようにして当該ガラス基板が前記樹脂シート上に吸着保持され、
前記ガラス基板の前記スクライブ予定ライン上を前記レーザが走査されるように構成されているスクライブ装置。
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WO2021182095A1 (ja) * | 2020-03-12 | 2021-09-16 | 日本電気硝子株式会社 | ガラス板の製造方法及びその製造装置 |
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