JP2017013197A - 研磨具及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】自生発刃する研磨具であって、研磨の際に研磨面以外に積層している研磨材や固定材の分解や剥離を防ぐ。【解決手段】基材と、基材上に複数配置され、複数の砥粒がアルカリ性の液体に溶解する固定材によって固定された混合物及びアルカリ性の液体に非溶解である被覆材によって構成される研磨剤集合体とを含み、混合物と被覆材とが、基材上において研磨剤集合体が配置された面に対して垂直な方向に交互に積層されて構成され、積層された混合物のうち表面に露出した層以外の層が、被覆材によって覆われていることを特徴とする。【選択図】図6
Description
この発明は、ガラス、セラミックス、シリコン等の硬脆材料を研磨加工するための研磨具(研磨砥石)及びその製造方法に関する。
多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を、一次粒子同士の結合点にネックが形成される温度に加熱処理(焼き締め)して、二次粒子内部の一次粒子を成長させて得られる多孔質の砥粒が用いられている研磨具がある。
このような構成によれば、加工面に向けて発露している部分の砥粒が切刃として機能する。また、砥粒が研磨により摩耗して脱落すると、新たな砥粒が加工面に順次突き出され、切刃となる機能も有している(自生発刃)。そのため、長時間に亘って安定している品質のよい研磨加工を実施することが出来る。
しかし、このように凝集された砥粒を用いた研磨具は自生発刃するため、研磨時の摩耗速度が速く固定砥粒加工工具として寿命が小さい。また、研磨進行に伴い、目詰まり(研磨くずが砥石の加工面に留まって切れ味が低下すること)や、目つぶれ(切れ味の鈍化)が起こる。
これに対して、砥粒を固定する固定材を分解、剥離させ、連続的な砥粒の突き出しを実現させる研磨具が提案されている。(例えば、特許文献1)。
上記特許文献1においては、砥石の固定材としてバインダーポリマー、光重合性の多官能モノマー、光重合開始剤を用い、研磨材を積層させる。これにより、研磨進行による研磨能率低下が抑制される。しかし、アルカリ性の液体を添加して固定材を除去する際に、未研磨の砥粒の脱落や固定材の側面の侵食が発生し、研磨具の寿命延長効果が小さい。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、研磨具であって、研磨の際に研磨面以外に積層している研磨材や固定材の分解や剥離を防ぐことにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、基材と、前記基材上に複数配置され、複数の砥粒がアルカリ性の液体に溶解する固定材によって固定された混合物及びアルカリ性の液体に非溶解である被覆材によって構成される研磨剤集合体とを含み、前記研磨剤集合体は、前記混合物と前記被覆材とが、前記基材上において前記研磨剤集合体が配置された面に対して垂直な方向に交互に積層されて構成され、積層された前記混合物のうち表面に露出した層以外の層が、前記被覆材によって覆われていることを特徴とする。
本発明によれば、研磨具であって、研磨の際に研磨面以外に積層している研磨材や固定材の分解や剥離を防ぐことができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。まず、図1、図2及び図3の研磨具1の説明図に基づいて、本発明の第一実施形態に係る研磨具1の構造及び材質について説明する。
<第一実施形態>
図1の本発明に係る研磨具1の構成図に示すように、研磨具1は、基材シート10に複数の研磨剤集合体11が積層されて立体的に配置された構造である。
図1の本発明に係る研磨具1の構成図に示すように、研磨具1は、基材シート10に複数の研磨剤集合体11が積層されて立体的に配置された構造である。
以下、図面を参照して、研磨具1の製造方法について説明する。
<砥粒の作製>
まず、50〜60nm程度の大きさの超微細ZrO2(二酸化ジルコニウム、ジルコニア)粉末を水で泥漿化させる。このZrO2泥漿をスプレードライヤで噴霧させ、平均粒径D50で60μmの微細二次粒子を作製する。この時、一般的には、1μm〜300μmまでのサイズの粒子を得ることが出来るため、粒度分布がシャープでない場合には、分級プロセスを加えてもよい。平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて、乾式にて測定した。平均粒径の値は頻度積算50%のところの粒径を用いた。
まず、50〜60nm程度の大きさの超微細ZrO2(二酸化ジルコニウム、ジルコニア)粉末を水で泥漿化させる。このZrO2泥漿をスプレードライヤで噴霧させ、平均粒径D50で60μmの微細二次粒子を作製する。この時、一般的には、1μm〜300μmまでのサイズの粒子を得ることが出来るため、粒度分布がシャープでない場合には、分級プロセスを加えてもよい。平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて、乾式にて測定した。平均粒径の値は頻度積算50%のところの粒径を用いた。
通常、結合材料を用いることなく作製した顆粒は、一次粒子間の結合力が弱すぎる場合があるため、ZrO2顆粒を電気炉の中に入れて焼成して一次粒子間の結合力を強くする。焼成時間の短縮や、二次粒子の硬さを高めるために、加圧した状態で焼成を行ってもよい。
焼成中の加熱により、ZrO2の結晶が成長する。したがって、一次粒子の構成物質の物質移動により、一次粒子中のZrO2の結晶も成長する。さらに、一次粒子間の結合箇所が、一次粒子の構成物質の物質移動により太く、不連続点のないなだらかな曲面となり、1葉双曲面状(鼓状)にくびれたいわゆる「ネック」状となる。そのため、焼成時の加熱温度及び温度保持時間を制御することにより、一次粒子間の結合箇所にネックを形成させ、さらにその一次粒子を部分的にかつその間に空隙が形成されている状態で結合している粒状の多孔質体に形成させることが出来る。
焼成して作製した二次粒子の結合力を評価するために、ひとつひとつの粒子をピックアップし、圧縮破壊試験を行った。この圧縮破壊強度実験は、微小圧縮試験機を用いて行った。試験条件として、試験荷重を10〜1000mN、負荷速度は、0.446mN/秒とし、平面圧子を用いて、被測定機械的除去作用の強い第1の砥粒20に圧縮力をかけ、砥粒20が圧縮破壊されたときの強度を測定する。このようにして、上記ZrO2砥粒の圧縮破壊強度が67MPaに達する条件を焼成条件として採用し、砥粒20の焼成を行った。
砥粒20の材質として、ZrO2以外に、CeO2(酸化セリウム)、SiO2(二酸化ケイ素)、FeO・Fe2O3(酸化鉄)、Al2O3(アルミナ)、SiC(炭化ケイ素)、WC(炭化タングステン)、ZrC(炭化ジルコニウム)のいずれかの化合物を使用することも出来る。
<固定材(バインダー)準備>
バインダーポリマーとして、(メタ)アクリレートとアクリル酸の共重合体55wt%、光重合性多官能モノマーとして、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP−TA)及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリート(PEG−D(M)A)の混合物は40wt%、光重合開始剤としてベンゾフェノン5wt%とを、イエローランプ(紫外線カット)20〜25℃の環境で混合撹拌する。この時、流動性を高めるためにトリエチレングリコールアセテートを添加することもある。
バインダーポリマーとして、(メタ)アクリレートとアクリル酸の共重合体55wt%、光重合性多官能モノマーとして、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP−TA)及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリート(PEG−D(M)A)の混合物は40wt%、光重合開始剤としてベンゾフェノン5wt%とを、イエローランプ(紫外線カット)20〜25℃の環境で混合撹拌する。この時、流動性を高めるためにトリエチレングリコールアセテートを添加することもある。
バインダーポリマーを50wt%以上、光重合性多官能モノマーを30wt%以上にすることで、固定材混合液に流動性、可撓性をもたらし、より確実に砥粒20との混合をしやすくさせ、研磨具1の固定材22としての強度を高める。また、このような固定材22を用いることにより、研磨時にアルカリ性の液体を添加すると、固定材22が分解・剥離するため、摩耗した砥粒20もろとも除去することが出来る。
また、バインダーポリマーとして、メチルメタクリレートを主成分とする(メタ)アクリレート、スチレン、アクリロニトリルのいずれかのものと、(メタ)アクリル酸との共重合体を用いることも出来る。さらに、光重合性多官能モノマーとして、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP−TA)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリート(PEG−D(M)A)、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトール(トリ、ヘキサ)アクリレートのいずれか2種類以上のもの、光重合開始剤として、分子間水素引抜型のベンゾフェノン系、チオキサントン系、アンスラキノン系、あるいは分子内結合開裂型のアセトフェノン系、ベンゾインエーテル系のいずれか1つ以上で構成されていてもよい。
<研磨剤混合液の調製>
このようにして作製した固定材22を砥粒20と撹拌する。この時、砥粒20の含有量は、固定材22の固形物の重量に対する混合比で40wt%とし、攪拌機で砥粒20と固定材22の混合物を30分程度撹拌混合させ、研磨剤混合液を調製する。
このようにして作製した固定材22を砥粒20と撹拌する。この時、砥粒20の含有量は、固定材22の固形物の重量に対する混合比で40wt%とし、攪拌機で砥粒20と固定材22の混合物を30分程度撹拌混合させ、研磨剤混合液を調製する。
<研磨シートの作製>
まず、予め定めた形状及び寸法の貫通穴のパターンを有するマスクシートを基材シート10上に位置を決めて固定し、さらにそのマスクシートの上からワイヤバーコータを用いて研磨剤混合液を塗布する。塗布方法として、他にもスクリーン印刷等の方法も使用できる。
まず、予め定めた形状及び寸法の貫通穴のパターンを有するマスクシートを基材シート10上に位置を決めて固定し、さらにそのマスクシートの上からワイヤバーコータを用いて研磨剤混合液を塗布する。塗布方法として、他にもスクリーン印刷等の方法も使用できる。
マスクシートの上から研磨剤混合液を塗布した後、その研磨剤混合液が乾かないうちにマスクシートを剥がすことで、基材シート10表面に貫通穴の形状及び寸法に対応した研磨剤集合体11のパターンが形成される。貫通穴の形状に対応して研磨剤集合体11のパターンが形成されるため、貫通穴の形状を制御することで、研磨剤集合体11に円形や多角形パターンを形成させることが出来る。
そして、マスクシートを剥がした後の基材シート10と研磨剤混合液を2〜5kWの超高圧水銀灯の下で60秒間、紫外線を照射させる。紫外線の照射後、15分程度放置させると、研磨剤混合液は硬化し、研磨剤集合体11の一層となる(以後、研磨層と記載する)。さらに、この硬化した研磨層の上からマスクシートの貫通穴が研磨剤集合体11と一致するように基材シート10上に位置を決めて固定させる。そして、アルカリ性の液体に非溶解性の材料(ポリウレタン樹脂21)を被覆材としてスプレーコート法によって噴霧して研磨層の上に製膜し、被覆させる。そのポリウレタン樹脂21の製膜ののち、マスクシートを剥がさないまま、研磨剤混合液を再度、ワイヤバーコータを用いて塗布する。その後、研磨剤混合液が乾かないうちに、マスクシートを剥がし、再度紫外線照射を実施する。このように、研磨層の作製及び紫外線照射とポリウレタン樹脂21による研磨層の被覆を繰り返し、垂直方向に交互に積層させる(図2参照)。このようにして、図3の研磨具1の断面図に示すように基材シート10上に研磨剤集合体11を形成させる。
このように、研磨剤混合液とポリウレタン樹脂21を重ね塗りし、各回の塗布層を薄くすることで、UV露光による架橋硬化反応を速やかにかつ確実に進行させることが出来る。
また、研磨剤集合体11を積層させた後に、最後に製膜したポリウレタン樹脂21の研磨面表面部分のみをラッピング工具でラッピングし除去する。したがって、研磨剤集合体11の研磨面表面に露出した層以外の層はポリウレタン樹脂21で被覆される。このような構成にすることで、研磨剤集合体11の側面からのアルカリ性の液体による侵食を防ぐことが出来る。
研磨具1の作製においてスプレーコートする材料は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフッ化ビニリデン等のアルカリ性の液体に耐性のある物質でもよい。
<研磨加工実験>
第一実施形態の研磨具1と従来例aの研磨用具を図4で示した研磨装置4の定盤41に取り付け、面粗さ30nmRy前後に調整したφ150mmのBK7光学ガラスディスクを研磨加工し、結果を比較した。図4における研磨装置4の矢印は、それぞれの回転方向を示す。この時の加工条件は、定盤41の回転数:60rpm、加工圧力:30kPaである。また、研磨液として、水(純水)を20ml/分で供給した。図5及び図6は、この研磨加工実験における説明図である。
第一実施形態の研磨具1と従来例aの研磨用具を図4で示した研磨装置4の定盤41に取り付け、面粗さ30nmRy前後に調整したφ150mmのBK7光学ガラスディスクを研磨加工し、結果を比較した。図4における研磨装置4の矢印は、それぞれの回転方向を示す。この時の加工条件は、定盤41の回転数:60rpm、加工圧力:30kPaである。また、研磨液として、水(純水)を20ml/分で供給した。図5及び図6は、この研磨加工実験における説明図である。
図5は、従来例aの研磨用具の構成の説明図である。図5に示すように、従来例aの研磨用具は、砥粒20及び固定材22は研磨具1と同様であるが、ポリウレタン樹脂21による製膜がなされていない構成である。
研磨加工実験の結果、研磨具1及び従来例aの研磨用具どちらも20分間の研磨でスクラッチや加工傷を生じることなく、かつ30nmRy以下の鏡面を維持することが出来た。また、加工能率はどちらも0.6μm/分であった。
このように一度研磨加工を行い、研磨面における研磨能率を低下させた状態で、研磨具1及び従来例aの研磨用具に水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を添加した。図5に示すように、従来例aの研磨用具では、研磨面において摩耗した砥粒20が脱落すると同時にさらに下層の砥粒20にも一部脱落が確認され、研磨剤集合体11の側面からの侵食も発生した。
図6は、本実施形態に係る研磨具1の構成の説明図である。図6に示すように、研磨具1においては、研磨面表面の摩耗した砥粒20のみが脱落し、製膜したポリウレタン樹脂21が研磨面表面に現れた。そのまま研磨を続けると、ポリウレタン樹脂21が少しずつ剥離し、再び研磨層が研磨面表面に現れた。
このように、本発明の研磨具1においては、研磨剤集合体11の研磨面表面からのみ砥粒20の脱落が発生するため、研磨用具としての寿命を長くすることが出来る。
また、研磨具1に添加する液体として、NaOH水溶液の他にもテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)や水酸化カリウム(KOH)水溶液等のアルカリ性の液体を用いてもよい。これらの水溶液を用いた場合であっても、摩耗した砥粒20のみを脱落させ、製膜したポリウレタン樹脂21のみを残留させることが出来る。
<第二実施形態>
第一実施形態では、研磨加工時に、アルカリ性の液体を添加することにより、あらたな研磨面の突出しを実現させたが、このアルカリ性の液体の添加のタイミングが遅いと、砥粒20が摩耗し研磨能率が低下した状態での研磨を行うことになる。一方で、添加のタイミングが早いと、摩耗量が少ない砥粒20を脱落させることになり、研磨具1の寿命を短くしてしまう。
第一実施形態では、研磨加工時に、アルカリ性の液体を添加することにより、あらたな研磨面の突出しを実現させたが、このアルカリ性の液体の添加のタイミングが遅いと、砥粒20が摩耗し研磨能率が低下した状態での研磨を行うことになる。一方で、添加のタイミングが早いと、摩耗量が少ない砥粒20を脱落させることになり、研磨具1の寿命を短くしてしまう。
図7は、本実施形態に係る砥粒20の構成図である。このような砥粒20の脱落を適切なタイミングで行うために、図7に示すように、砥粒20の内部に水酸化リチウム(LiOH)や水酸化カルシウム(Ca(OH)2)等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の結晶(水酸化物71)を含ませる。
図8は、本実施形態に係る研磨剤集合体11の構成の説明図である。砥粒20の内部に水酸化物71を含むに構成することで、研磨加工により砥粒20が摩耗した場合に、図8に示すように、砥粒20内部の水酸化物71が放出され、研磨液である純水と反応し、アルカリ性を示す。従って、このような構成の砥粒20を用いることで、研磨液によって研磨層を溶解させ、摩耗した砥粒20を脱落させる。そして、研磨加工によってポリウレタン樹脂21を剥離させ、新たな研磨層を出現させることが出来る。
このように、研磨液の液性を制御するために、本実施形態においては、砥粒20内部に水酸化物71を含ませている。研磨加工開始から砥粒20の摩耗が進行するにつれて、砥粒20から水酸化物71が研磨液に溶解し、研磨液がアルカリ性を示すようになる。従って、研磨液を砥粒20が摩耗したタイミングでアルカリ性にすることができ、砥粒20の脱落を制御することが出来る。
また、砥粒20の表面から水酸化物71までの距離(換言すると、微細粒子72の層の厚み)を制御することで、砥粒20の脱落するタイミングを砥粒の摩耗量に応じて制御することも可能になる。
以上、説明したように、本発明の研磨具1は、研磨剤集合体11が研磨層とアルカリ性物質に耐性のある被覆材とを交互に積層させ、研磨面表面以外の面がアルカリ性物質に耐性のある被覆材で覆われている構成である。このように構成することで、研磨面表面以外での研磨剤集合体11のアルカリ性の物質による侵食を予防し、研磨具1の研磨用具としての寿命を長くすることが出来る。
また、本発明の研磨具1においては、一次粒子を凝集させた砥粒20を用いることで、砥粒20が自生発刃するため、品質のよい研磨加工を実施することが可能である。
上記実施形態は、本発明の実施形態の例を記載したものに過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明の技術的な範囲を逸脱しない範囲で様々な実施形態が有り得る。例えば、砥粒20の凝集具合(圧縮破壊強度)を制御することにより、加工物の材質に応じた研磨加工を行うことが出来る。本発明においては、圧縮破壊強度が67MPaになるように砥粒20を焼成したが、圧縮破壊強度が異なる砥粒20を用いてもよい。この時、砥粒20が軟質であれば、金属研磨及びポリカーボネート等のプラスチック材料の洗浄研磨に好適であるし、砥粒20が硬質であれば、光学ガラス等工業用硬脆材料の研磨に好適である。砥粒20の圧縮破壊強度は、20MPaから160MPaまでの範囲内であることが望ましい。
1 研磨具
4 研磨装置
10 基材シート
11 研磨剤集合体
20 砥粒
21 ポリウレタン樹脂
22 固定材(バインダー)
41 定盤
71 水酸化物
72 微細粒子(一次粒子)
4 研磨装置
10 基材シート
11 研磨剤集合体
20 砥粒
21 ポリウレタン樹脂
22 固定材(バインダー)
41 定盤
71 水酸化物
72 微細粒子(一次粒子)
Claims (7)
- 基材と、
前記基材上に複数配置され、複数の砥粒がアルカリ性の液体に溶解する固定材によって固定された混合物及びアルカリ性の液体に非溶解である被覆材によって構成される研磨剤集合体とを含み、
前記研磨剤集合体は、前記混合物と前記被覆材とが、前記基材上において前記研磨剤集合体が配置された面に対して垂直な方向に交互に積層されて構成され、
積層された前記混合物のうち表面に露出した層以外の層が、前記被覆材によって覆われていることを特徴とする研磨具。 - 前記被覆材は、
ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフッ化ビニリデンのうち、少なくとも一つ以上から構成されることを特徴とする請求項1に記載の研磨具。 - 前記砥粒は、
圧縮破壊強度が20MPaから160MPaまでの範囲内で、微細な粉末が結合材料を用いることなく凝集して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の研磨具。 - 前記砥粒は、
CeO2(酸化セリウム)、SiO2(二酸化ケイ素)、FeO・Fe2O3(酸化鉄)、Al2O3(アルミナ)、SiC(炭化ケイ素)、WC(炭化タングステン)、ZrC(炭化ジルコニウム)のうち、いずれかの化合物により構成されることを特徴とする請求項1に記載の研磨具。 - 前記砥粒は、
微細な粉末が結合材料を用いることなく凝集し形成され、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が内部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の研磨具。 - 前記固定材は、
バインダーポリマー、光重合性多官能モノマー、光重合開始剤により構成されることを特徴とする請求項1に記載の研磨具。 - 基材と、
前記基材上に複数配置され、複数の砥粒がアルカリ性の液体に溶解する固定材によって固定された混合物及びアルカリ性の液体に非溶解である被覆材によって構成される研磨剤集合体とを含む研磨具の製造方法であって、
前記混合物と前記被覆材とを、前記基材上において前記研磨剤集合体が配置された面に対して垂直な方向に交互に積層させる工程と、
積層された前記混合物のうち表面に露出した層以外の層が、前記被覆材によって覆われる工程とによって前記研磨具を製造する研磨具の製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019180885A1 (ja) * | 2018-03-22 | 2019-09-26 | 三菱電機株式会社 | エレベータのガイドレール加工装置及びガイドレール加工方法 |
-
2015
- 2015-07-02 JP JP2015133870A patent/JP2017013197A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019180885A1 (ja) * | 2018-03-22 | 2019-09-26 | 三菱電機株式会社 | エレベータのガイドレール加工装置及びガイドレール加工方法 |
JPWO2019180885A1 (ja) * | 2018-03-22 | 2020-10-08 | 三菱電機株式会社 | エレベータのガイドレール加工方法 |
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