JP2017012965A - 繊維状吸着材およびその繊維状吸着材を用いる吸着方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸着対象物質の吸着後に高い重量減少率で容易に減容化が可能であり、容易に工業的に製造可能な繊維状吸着材を提供する。
【解決手段】アルギン酸塩を含む繊維状吸着材であって、1価のアルギン酸塩を含むアルギン酸塩水溶液を、カルシウム塩を含むカルシウム塩水溶液に吐出紡糸してゲル状繊維を得るゲル化工程と、前記ゲル化工程で得られたゲル状繊維を乾燥する乾燥工程と、を含む方法によって得られ、吸着対象物質の吸着後に350℃で90分間加熱して炭化させ、さらに600℃で120分間加熱して灰化させた後の繊維状吸着材の重量減少率(100×(灰化前の重量−灰化後の重量)/灰化前の重量)が、80%以上である繊維状吸着材である。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸着対象物質の吸着後に高い重量減少率で容易に減容化が可能な、アルギン酸塩を含む繊維状吸着材、およびその繊維状吸着材を用いる吸着方法に関する。
アルギン酸は、コンブ、ワカメ等の褐藻類等に含まれる天然多糖類である。アルギン酸、アルギン酸塩、およびその誘導体は、食品分野では増粘剤、安定剤、ゲル化剤等として利用され、その他にも医薬品、化粧品、繊維加工等、幅広い用途に利用されている。
アルギン酸は、水系において、アルギン酸が有するカルボキシル基と対をなす陽イオン(対イオン)の種類によって物性が著しく変化することが知られている。例えば、アルギン酸ナトリウム等の1価のアルギン酸塩の水溶液にカルシウムイオン(Ca2+)が接触すると、イオン結合してゲル化を起こす。この性質を利用して、アルギン酸ナトリウム等の水溶液をカルシウム塩の水溶液中に滴下することにより、表面張力でアルギン酸ナトリウム等の水溶液が球状になりながらゲル化し、ビーズ状のゲル状物(以下、「ゲルビーズ」と呼ぶことがある)を得ることができる。このゲルビーズは、吸着材等として利用することができる。
放射性物質等の吸着対象物質を吸着材を用いて吸着処理した場合、吸着対象物質を吸着した後の吸着材の廃棄処理を容易にするために減容化することが求められる。
例えば、特許文献1には、ゲルを形成する多糖類又はポリペプチド類からなる少なくとも1つのゲル化成分を含む溶液に有害物質吸着剤を添加し分散させる分散工程と、有害物質吸着剤を分散させた後、前記溶液全体をエポキシ架橋によりゲル化させるゲル化工程とを有するビーズ状等の有害物質吸着媒体を製造する方法が記載され、この有害物質吸着媒体は、有害物質を吸着した後に、水分等の溶媒を圧搾、乾燥等により除去することにより、減容することができることが記載されている。
特許文献2には、キトサンと、酸性基を有するポリマと、MFe[Fe(CN)](前記一般式中、Mはアルカリ金属又はアンモニウム基を示し、二つのFeの一方は2価であり、他方は3価である)で表される化合物を主成分とする顔料とを含有する、綿状の吸着剤組成物が記載され、この綿状の吸着剤組成物を、少なくとも放射性セシウムを汚染物質として含有する汚染水に添加する工程と、添加した吸着剤組成物を固液分離して除去する工程と、汚染物質が吸着した吸着剤組成物に含まれる有機物を、焼却または微生物によって分解して減容化する工程を有する汚染水浄化方法が記載されている。
特許文献3には、放射性物質吸着剤が基材に担持されている放射性物質吸着材であって、基材が水溶性高分子化合物を含んでいる放射性物質吸着材が記載され、この放射性物質吸着材は、基材が水溶性高分子化合物を含んでいるため、放射性物質吸着材へ80℃以上の温度の水を付与することで水溶性高分子化合物を溶解させて、放射性物質吸着材を減容することができることが記載されている。
特許文献1のビーズ状吸着材は、ゲルをエポキシ架橋するための設備が必要となる。また、アルギン酸ゲル単体の有害物質吸着効果を考慮していない。特許文献1では、ゲルを繊維状にして吸着剤に使用することによる有効性向上を考慮していない。
特許文献2の吸着剤組成物は、工業的に製造するためにキトサンの原料である甲殻類の殻を大量に用意することが困難であるという問題がある。また、微生物による減容化は、分解速度が遅く処理に時間がかかるという問題点がある。
特許文献3の放射性物質吸着材は、減容化処理を行う際に、放射性物質が付着した吸着剤および水溶性高分子化合物を含む溶解液を最終的に処理するため、遠心分離やろ過等の設備投資を行う必要があり、処理のためコストが増加する。
特開2014−213218号公報 特開2012−236190号公報 特開2014−032066号公報
本発明の目的は、吸着対象物質の吸着後に高い重量減少率で容易に減容化が可能であり、容易に工業的に製造可能な繊維状吸着材、およびその繊維状吸着材を用いる吸着方法を提供することにある。
本発明は、アルギン酸塩を含む繊維状吸着材であって、1価のアルギン酸塩を含むアルギン酸塩水溶液を、カルシウム塩を含むカルシウム塩水溶液に吐出紡糸してゲル状繊維を得るゲル化工程と、前記ゲル化工程で得られたゲル状繊維を乾燥する乾燥工程と、を含む方法によって得られ、吸着対象物質の吸着後に350℃で90分間加熱して炭化させ、さらに600℃で120分間加熱して灰化させた後の繊維状吸着材の重量減少率(100×(灰化前の重量−灰化後の重量)/灰化前の重量)が、80%以上である繊維状吸着材である。
前記繊維状吸着材において、前記アルギン酸塩水溶液が、さらに吸着剤を含んでいてもよい。
また、本発明は、上記繊維状吸着材を用いて吸着対象物質を吸着する、吸着方法である。
本発明により、吸着対象物質の吸着後に高い重量減少率で容易に減容化が可能であり、容易に工業的に製造可能な繊維状吸着材、およびその繊維状吸着材を用いる吸着方法を提供することができる。
実施例1〜4および比較例1における、海水への浸漬時間に対する単位乾燥重量当たりのストロンチウム吸着量(mg/kg)を示すグラフである。 実施例1および比較例1における、Sr添加蒸留水への浸漬時間に対する単位乾燥重量当たりのストロンチウム吸着量(mg/kg)を示すグラフである。 実施例5〜7および比較例2における、Cs添加海水への浸漬時間に対する単位乾燥重量当たりのセシウム吸着率(%)を示すグラフである。 実施例5〜7および比較例2における、Cs添加淡水への浸漬時間に対する単位乾燥重量当たりのセシウム吸着率(%)を示すグラフである。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係るアルギン酸塩を含む繊維状吸着材は、1価のアルギン酸塩を含むアルギン酸塩水溶液を、カルシウム塩を含むカルシウム塩水溶液に吐出紡糸してゲル状繊維を得るゲル化工程と、前記ゲル化工程で得られたゲル状繊維を乾燥する乾燥工程と、を含む製造方法によって得られる。この製造方法において、乾燥工程の前に、ゲル化工程で得られたゲル状繊維について水洗等による洗浄する洗浄工程を含んでもよい。本実施形態に係るアルギン酸塩を含む繊維状吸着材は、吸着対象物質の吸着後に350℃で90分間加熱して炭化させ、さらに600℃で120分間加熱して灰化させた後の繊維状吸着材の重量減少率(100×(灰化前の重量−灰化後の重量)/灰化前の重量)が、80%以上であり、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上である。
本発明者らは、このような製造方法により、吸着対象物質の吸着後に高い重量減少率で容易に減容化が可能である繊維状吸着材が、容易に工業的に製造できることを見出した。
本実施形態に係る繊維状吸着材であるアルギン酸系繊維は、アルギン酸に特有の多価カチオン吸着能により、水中の重金属等の吸着材として利用することができる。特にストロンチウムとの親和性が高いことから、放射性ストロンチウムの吸着材として高い機能を発揮する。このアルギン酸系繊維は、微細な繊維の集合体であり、アルギン酸系ビーズに比べて表面積が著しく大きい。そのため、重金属等の吸着速度がアルギン酸系ビーズより優れている。また、このアルギン酸系繊維は、乾燥工程を経て乾燥されているため、アルギン酸系ビーズに比べて含水率が低く、長期保管が可能となり、軽量であるので運搬も容易である。不織布としてシート状、フィルタ状等、自由な形状に加工することができる。水中、特に海水中に投じて使用する場合には、強度が高く、崩壊することがほとんどなく、回収が容易である。吸着材そのものは吸水しにくいため、使用後は脱水、高い重量減少率での減容が容易である。
本実施形態に係る繊維状吸着材の製造方法における各工程について、説明する。
[ゲル化工程]
ゲル化工程では、例えば、1価のアルギン酸塩と吸着剤とを含むアルギン酸塩水溶液を調製し、アルギン酸塩水溶液を、カルシウム塩を含むカルシウム塩水溶液に吐出紡糸することによりゲル状繊維を得る。
吐出紡糸に用いる紡糸ノズルの径は、所望のアルギン酸系繊維の太さ等に応じて設定すればよく、特に制限はないが、例えば、直径0.05mm〜0.20mm程度とすればよい。最も好ましくは0.1mmである。紡糸ノズルの径が0.05mm未満であると、詰まりが多く歩留まりが低下する場合があり、0.20mmを超えると、繊維が太くなって凝固しにくく脆くなる場合がある。
吐出紡糸における吐出圧は、所望のアルギン酸系塩水溶液の粘度等に応じて設定すればよく、特に制限はないが、例えば、0.05MPa〜0.2MPa程度とすればよい。
吐出紡糸における紡糸速度は、下記の巻取速度との差により設定する延伸倍率等に応じて設定すればよく、特に制限はないが、例えば、6.0m/分〜12.0m/分程度とすればよい。
吐出紡糸における巻取速度は、上記の紡糸速度との差により設定する延伸倍率等に応じて設定すればよく、特に制限はないが、例えば、7.0m/分〜15.0m/分程度とすればよい。
紡糸速度/巻取速度の比(延伸倍率)は、特に制限はないが、1.0〜2.0の範囲であることが好ましい。紡糸速度/巻取速度の比(延伸倍率)が1.0未満であると、繊維が脆くなる場合があり、2.0を超えると、紡糸のときに繊維が破断しやすくなる場合がある。
吐出紡糸における紡糸原液の温度は、特に制限はないが、例えば、20〜35℃程度とすればよい。紡糸原液の温度が高温になるとアルギン酸分子の解重合が進み、分子量が低下し、繊維が脆くなる場合がある。
本実施形態において用いられる1価のアルギン酸塩の4重量%水溶液の20℃における粘度は、特に制限はないが、例えば、5,000mPa・s〜50,000mPa・sの範囲であることが好ましく、10,000mPa・s〜30,000mPa・sの範囲であることがより好ましい。
本実施形態において用いられるアルギン酸塩水溶液中の1価のアルギン酸塩の濃度は、特に制限はないが、例えば、1重量%〜20重量%の範囲であることが好ましく、3重量%〜10重量%の範囲であることがより好ましい。
1価のアルギン酸塩としては、特に制限はないが、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム等のアルギン酸のアルカリ金属塩や、アルギン酸アンモニウム等が挙げられる。
アルギン酸は、生分解性の高分子多糖類であって、D−マンヌロン酸(M)とL−グルロン酸(G)という2種類のウロン酸が直鎖状に重合したポリマである。より具体的には、D−マンヌロン酸のホモポリマ画分(MM画分)、L−グルロン酸のホモポリマ画分(GG画分)、およびD−マンヌロン酸とL−グルロン酸がランダムに配列した画分(MG画分)が任意に結合したブロック共重合体である。アルギン酸のD−マンヌロン酸とL−グルロン酸の構成比(M/G比(モル比))は、主に海藻等の由来となる生物の種類によって異なる。
本実施形態において用いる1価のアルギン酸塩のM/G比は、特に制限はないが、0.5〜2.0のものを用いることが好ましく、1.0〜1.5のものを用いることがより好ましい。1価のアルギン酸塩のM/G比が0.5未満であると、得られた繊維が固く脆くなる場合があり、2.0を超えると、紡糸が困難になる場合がある。
本実施形態に係る繊維状吸着材は、さらに吸着剤を含んでいてもよい。繊維状吸着材であるアルギン酸系繊維がアルギン酸および吸着剤を含んで構成されていると、アルギン酸に特有の多価カチオン吸着能により、水中の重金属等の吸着材として利用することができることに加え、アルギン酸だけでは捕捉が困難な成分の吸着も可能となる。例えば、アルギン酸が特にストロンチウムとの親和性が高いことから、放射性ストロンチウムの吸着材として高い機能を発揮するのに加え、セシウムを吸着する吸着剤を包含させた場合は、放射性セシウムの吸着材としても利用することができる。なお、吸着剤を含まずに、アルギン酸塩単体の吸着性能を利用することにより、吸着剤を含む場合に比べて減容化率がより高まる。
吸着剤としては、所望の吸着対象物質(吸着質)に応じて選定すればよく、特に制限はないが、フェロシアン化鉄、フェロシアン化ニッケル等のフェロシアン化金属、ゼオライト、結晶化シリコンチタネート等が挙げられる。吸着剤は、吸着対象物質として、アルギン酸だけでは捕捉が困難な物質を吸着可能なものであることが好ましい。例えば、フェロシアン化鉄は、セシウムを吸着することができるので、吸着剤としてフェロシアン化鉄を含有させれば、放射性ストロンチウムだけではなく、放射性セシウムの吸着材としても利用することができる。
吸着剤の含有量は、特に制限はないが、例えば、繊維に対して2重量%〜20重量%の範囲が好ましく、5重量%〜20重量%であることがより好ましい。吸着剤の含有量が2重量%未満であると、吸着剤としての機能が不十分になる場合があり、20重量%を超えると、吸着剤が無機物質の場合には、この無機系吸着剤を含む繊維を加熱して減容化処理を行っても無機系吸着剤の重量がほとんど減少せず、減容化の効果が小さくなる場合がある。
カルシウム塩としては、例えば、塩化カルシウム等が挙げられる。
紡糸原液中の1価のアルギン酸塩に対するカルシウム塩水溶液中のカルシウム塩のモル比(カルシウム塩(モル)/1価のアルギン酸塩(モル))は、例えば、0.2〜3.0の範囲であることが好ましく、0.5〜3.0の範囲であることがより好ましい。このモル比が0.2未満であると、ゲル化が不十分な場合があり、3.0を超えると、繊維の表面だけがゲル化し、やはりゲル化が不十分な場合がある。
ゲル化工程において、保存性向上等のために、アルギン酸塩水溶液またはカルシウム塩水溶液に、必要に応じて保存料等を添加してもよい。
[洗浄工程]
洗浄工程において、ゲル化工程で得られたゲル状繊維について、必要に応じて洗浄が行われる。
洗浄工程は、例えば、水による水洗等により行われればよい。
[乾燥工程]
乾燥工程において、ゲル化工程で得られたゲル状繊維について、または必要に応じて洗浄されたゲル状繊維について、乾燥される。
乾燥工程における乾燥は、紡糸後、熱風乾燥、真空乾燥等により行われる。
乾燥されたアルギン酸系繊維の含水率は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。含水率が20質量%を超えると、繊維が微生物汚染を受けやすくなる場合がある。
乾燥工程における乾燥温度および乾燥時間は、上記含水率にできる程度に設定すればよく特に制限はないが、例えば、80〜90℃の範囲の乾燥温度で、行えばよい。乾燥温度が100℃を越えると、繊維が脆くなる場合がある。
本製造方法において、紡糸した繊維を、凝固浴(ゲル化工程)→洗浄浴(洗浄工程)→熱風乾燥(乾燥工程)の順に連続的に工程を通過させ、巻き取ってもよい。
得られるアルギン酸系繊維の太さは、特に制限はないが、1dtex〜150dtexの範囲であることが好ましく、1dtex〜100dtexの範囲であることがより好ましく、2dtex〜80dtexの範囲であることがさらに好ましい。アルギン酸系繊維の太さが、1dtex未満であると、繊維の歩留まりが低下する場合があり、150dtexを超えると、上記重量減少率が80%以上とならず、また、繊維が堅くなり取り扱いにくい場合がある。上記範囲内で繊維が細い方が、吸着性能が高く、乾燥しやすい。なお、1dtexは、10,000mあたり重量が1gである繊維の太さを示す。
得られるアルギン酸系繊維の太さは、ゲル化工程において用いるアルギン酸塩水溶液の粘度や、吐出紡糸の際に用いる紡糸ノズルの径、吐出圧、紡糸速度、巻取速度等を調整することにより、制御することができる。通常は、ゲル化工程において用いるアルギン酸塩水溶液の粘度を低くすることにより、また吐出紡糸の際に用いる紡糸ノズルの径を小さくすることにより、得られるアルギン酸系繊維の太さを細くすることができる。細い繊維を得るために、例えば、紡糸ノズル径を0.1mm以下とし、紡糸の吐出圧を0.1MPa以上、紡糸速度/巻取速度の比(延伸倍率)を1.5以上とすればよい。
本実施形態に係る繊維状吸着材の製造方法において、ゲル化工程で得られたゲル状繊維をさらに2価以上の金属塩を含む金属塩水溶液に浸漬する浸漬工程を含んでもよい。
2価以上の金属塩としては、特に制限はないが、例えば、カルシウムイオン(Ca2+)、バリウムイオン(Ba2+)、ストロンチウムイオン(Sr2+)等のアルカリ土類金属イオンや、銅イオン(Cu2+)、亜鉛イオン(Zn2+)、鉄イオン(Fe2+)、コバルトイオン(Co2+)、ニッケルイオン(Ni2+)等の2価の金属イオンの塩、鉄イオン(Fe3+)、アルミニウムイオン(Al3+)、セシウムイオン(Ce3+)等の3価の金属イオンの塩化物、臭化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、硝酸塩、水酸化物等の無機塩等が挙げられる。これらのうち、得られる処理ゲル状繊維の強度が高い等の点から3価の金属イオンの塩を用いることが好ましく、鉄イオン(Fe3+)の塩がより好ましい。
浸漬工程における浸漬時間は、特に制限はないが、通常、5秒〜60秒程度とすればよい。浸漬工程における浸漬時間が5秒未満であると、ゲル強度が十分に向上しない等の場合がある。
浸漬工程における、2価以上の金属塩のモル比は、1価のアルギン酸塩に対して0.5〜5程度とすればよい。1価のアルギン酸塩に対する2価以上の金属塩のモル比が0.2未満であると、ゲル強度の向上が不十分となる等の場合がある。
本実施形態に係る繊維状吸着材の製造方法により得られるアルギン酸系繊維を用いて、水等の液体または空気等の気体に含まれる吸着対象物質を吸着することができる。本実施形態に係る繊維状吸着材の製造方法により得られるアルギン酸系繊維は、例えば、水中等の放射性物質の除去、重金属の除去、水質の浄化等の用途に利用することができる。不織布としてシート状、フィルタ状等、自由な形状に加工することができるので、様々な形態で吸着材として用いることができる。本実施形態に係る繊維状吸着材を用いて吸着対象物質を吸着する吸着方法は、減容化処理に優れる。
吸着対象物質である放射性物質として、ストロンチウム、セシウム等が挙げられる。
吸着対象物質である重金属としては、例えば、鉄、鉛、金、白金、銀、銅、クロム、カドミウム、水銀、亜鉛、ヒ素、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、錫、ビスマス、ウラン、タリウム、ポロニウム、セレン、アンチモン等が挙げられる。
吸着対象物質の吸着後には、加熱により繊維状吸着材を減容化することができる。減容化は、例えば、大気雰囲気等において、500℃〜600℃の温度で、1時間〜2時間程度加熱することにより行うことができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
[紡糸原液の調製]
M(マンヌロン酸ブロック)/G(グルロン酸ブロック)=1,00のアルギン酸ナトリウムをイオン交換水に加え、30分間撹拌して、4重量%水溶液を調製し、これを、200メッシュのフィルタでろ過、脱泡したものを紡糸原液A1とした。紡糸原液A1の20℃における粘度は、29,100mPa・sであった。なお、M/G比は、サンプルに塩酸を加えて加水分解し、加水分解に対する抵抗性の違いにより各ブロックを分画し、単離した各ブロックをフェノール硫酸法で比色定量する方法により求めた。
[凝固浴の調製]
塩化カルシウムをイオン交換水に加え、4重量%の塩化カルシウム(CaCl)水溶液を調製し、これを凝固浴Bとした。
[紡糸工程]
紡糸原液A1を、直径0.10mmの細孔を有する紡糸ノズルから、0.15MPaの圧力で押出し、紡糸速度10.0m/分で、液温(5〜30℃)の凝固浴B中(長さ1.0m)を通過させ、巻取速度13.5m/分で巻き取り、約1.3倍の延伸をかけた。
[乾燥工程]
得られた繊維を水洗した後、80〜90℃の熱風で乾燥して、アルギン酸系繊維を得た。得られたアルギン酸系繊維の太さは、4dtexであった。
<実施例2>
M/G=1.30のアルギン酸ナトリウムを使用した以外は、実施例1と同様にして、紡糸原液A2を調製した。紡糸原液A2の20℃における粘度は、30,500mPa・sであった。
M/G=1.30のアルギン酸ナトリウム由来のゲルは強度が低く、M/G=1.00のアルギン酸ナトリウム由来のゲルは強度が高くなる。
実施例1と同様にして、紡糸、乾燥を行い、アルギン酸系繊維を得た。得られたアルギン酸系繊維の太さは、4dtexであった。
<実施例3>
紡糸原液A2を、直径0.20mmの細孔を有する紡糸ノズルから、0.05MPaの圧力で押出し、紡糸速度7.2m/分で、液温(5〜30℃)の凝固浴B中(長さ1.0m)を通過させ、巻取速度8.5m/分で巻き取り、約1.2倍の延伸をかけた。得られた繊維を水洗した後、80〜90℃の熱風で乾燥して、アルギン酸系繊維を得た。得られたアルギン酸系繊維の太さは、40dtexであった。
<実施例4>
紡糸原液A2を、直径0.20mmの細孔を有する紡糸ノズルから、0.05MPaの圧力で押出し、紡糸速度6.5m/分で、液温(5〜30℃)の凝固浴B中(長さ1.0m)を通過させ、巻取速度7.0m/分で巻き取り、約1.1倍の延伸をかけた。得られた繊維を水洗した後、80〜90℃の熱風で乾燥して、アルギン酸系繊維を得た。得られたアルギン酸系繊維の太さは、75dtexであった。
<参考例1>
[紡糸原液の調製]
M/G=2.00のアルギン酸ナトリウムをイオン交換水に加え、30分間撹拌して、4重量%水溶液を調製し、これを、200メッシュのフィルタでろ過、脱泡したものを紡糸原液A3とした。紡糸原液A3の20℃における粘度は、12,000mPa・sであった。
[紡糸工程]
紡糸原液A3を、直径0.10mmの細孔を有する紡糸ノズルから、0.15MPaの圧力で押出し、紡糸速度10.0m/分で、液温(5〜30℃)の凝固浴B中(長さ1.0m)を通過させ、巻取速度13.5m/分で巻き取ろうとしたが、凝固浴中で繊維が破断し、巻き取ることができなかった。
<比較例1>
[ビーズ原液の調製]
M/G=1.30のアルギン酸ナトリウムをイオン交換水に加え、30分間撹拌して、4重量%水溶液を調製し、これを、200メッシュのフィルタでろ過、脱泡したものをビーズ原液C1とした。
[凝固浴の調製]
塩化カルシウムをイオン交換水に加え、2重量%の塩化カルシウム(CaCl)水溶液を調製し、これを凝固浴Dとした。
[ゲル化工程]
ビーズ原液C1を、液温(5〜30℃)の凝固浴Dに滴下し、30分間浸漬した。得られたビーズをろ過、水洗してアルギン酸系ビーズを得た。得られたアルギン酸系ビーズの粒径は、直径が2.0〜3.0mmであった。
[試験方法]
(海水におけるストロンチウム吸着量分析)
実施例1〜4で得られたアルギン酸系繊維20gおよび比較例1で得られたアルギン酸系ビーズ100gをそれぞれ、目開き約1.0mmの網を張った別々の円筒状の籠に投入した。千葉県富津市の新富津漁協付近の海岸にて、それぞれの籠を海水(海水Sr濃度:7.2ppm、水温:23〜25℃)に浸漬させた。酸分解ICP(Inductively Coupled Plasma)質量分析法により、ICP質量分析装置(アジレント・テクノロジー株式会社製、720ES型)を用いて、海水のストロンチウム濃度を測定したところ、7.2ppmであった。所定の時間だけ浸漬させた後に、各サンプルを一定量取り出し、酸分解ICP質量分析法により、サンプル中のストロンチウム吸着量を分析した。分析結果から、浸漬時間毎に採取したサンプルの単位乾燥重量当たりのストロンチウム吸着量(mg/kg)を算出した。結果を、表1および図1に示す。
(淡水におけるストロンチウム吸着量分析)
塩化ストロンチウムを蒸留水に加え、ストロンチウム濃度が8.4ppmになるように調製した試験水溶液を作製した。酸分解ICP質量分析法により、試験水溶液のストロンチウム濃度を測定したところ、8.4ppmであった。実施例1で得られたアルギン酸系繊維6.3g(アルギン酸カルシウム乾燥重量換算:5.0g)、比較例1で得られたアルギン酸系ビーズ100.0g(アルギン酸カルシウム重量換算:5.0g)を、サンプル毎に用意した試験水溶液(蒸留水Sr濃度:8.4ppm、水温:20〜22℃)1Lの入ったビーカに直接浸漬した。ビーカの水溶液は、マグネットスターラにより常時水流を発生させた。所定の時間だけ浸漬させた後に、各サンプルを一定量取り出し、酸分解ICP質量分析法により、サンプル中のストロンチウム吸着量を分析した。浸漬時間毎に採取したサンプルの単位乾燥重量当たりのストロンチウム吸着量(mg/kg)を算出した。結果を、表2および図2に示す。
このように実施例1〜4のアルギン酸系繊維は、比較例1のアルギン酸系ビーズに比べて、優れたストロンチウム吸着能を示し、水中の重金属等の吸着効率を向上することができた。特に海水において、実施例1のアルギン酸系繊維は、比較例1のアルギン酸系ビーズに比べて、優れたストロンチウム吸着能を示した。また、実施例2と実施例3との比較により、繊維の太さが細い方が優れたストロンチウム吸着能を示した。
(含水率測定)
実施例3で得られたアルギン酸系繊維および比較例1で得られたアルギン酸系ビーズについて、小型遠心脱水機(日立工機株式会社製、himac CT6D型)を用いて、回転数1,000rpm、脱水時間3分で脱水を行った。脱水前後の重量から、含水率(%)を求めた。アルギン酸系繊維の含水率は14.39%、アルギン酸系ビーズの含水率は98.00%であった。結果を表3に示す。
このように実施例3のアルギン酸系繊維は、比較例1のアルギン酸系ビーズに比べて、含水率が低いことがわかる。
<実施例5>
[紡糸原液の調製]
M(マンヌロン酸ブロック)/G(グルロン酸ブロック)=1.30のアルギン酸ナトリウムをイオン交換水に加え、30分間撹拌して、4重量%水溶液を調製した。これに、吸着剤としてフェロシアン化鉄0.4重量%(アルギン酸ナトリウム水溶液に対して)を加えて分散させ、これを、200メッシュのフィルタでろ過、脱泡したものを紡糸原液A4とした。紡糸原液A4の20℃における粘度は、30,500mPa・sであった。なお、M/G比は、サンプルに塩酸を加えて加水分解し、加水分解に対する抵抗性の違いにより各ブロックを分画し、単離した各ブロックをフェノール硫酸法で比色定量する方法により求めた。
[紡糸工程]
紡糸原液A4を、直径0.10mmの細孔を有する紡糸ノズルから、0.15MPaの圧力で押出し、紡糸速度10.0m/分で、液温(5〜30℃)の凝固浴B中(長さ1.0m)を通過させ、巻取速度13.5m/分で巻き取り、約1.3倍の延伸をかけた。
[乾燥工程]
得られた繊維を水洗した後、80〜90℃の熱風で乾燥して、アルギン酸系繊維を得た。得られたアルギン酸系繊維の太さは、5dtexであった。
<実施例6>
紡糸原液A4を、直径0.20mmの細孔を有する紡糸ノズルから、0.05MPaの圧力で押出し、紡糸速度7.2m/分で、液温(5〜30℃)の凝固浴B中(長さ1.0m)を通過させ、巻取速度8.5m/分で巻き取り、約1.2倍の延伸をかけた。得られた繊維を水洗した後、80〜90℃の熱風で乾燥して、アルギン酸系繊維を得た。得られたアルギン酸系繊維の太さは、55dtexであった。
<実施例7>
紡糸原液A4を、直径0.20mmの細孔を有する紡糸ノズルから、0.05MPaの圧力で押出し、紡糸速度6.0m/分で、液温(5〜30℃)の凝固浴B中(長さ1.0m)を通過させ、巻取速度7.0m/分で巻き取り、約1.1倍の延伸をかけた。得られた繊維を水洗した後、80〜90℃の熱風で乾燥して、アルギン酸系繊維を得た。得られたアルギン酸系繊維の太さは、85dtexであった。
<参考例2>
[紡糸原液の調製]
M/G=2.00のアルギン酸ナトリウムをイオン交換水に加え、30分間撹拌して、4重量%水溶液を調製した。これに、吸着剤としてフェロシアン化鉄0.4重量%(アルギン酸ナトリウム水溶液に対して)を加えて分散させ、これを、200メッシュのフィルタでろ過、脱泡したものを紡糸原液A5とした。紡糸原液A5の20℃における粘度は、12,000mPa・sであった。
[紡糸工程]
紡糸原液A5を、直径0.10mmの細孔を有する紡糸ノズルから、0.15MPaの圧力で押出し、紡糸速度10.0m/分で、液温(5〜30℃)の凝固浴B中(長さ1.0m)を通過させ、巻取速度13.5m/分で巻き取ろうとしたが、凝固浴中で繊維が破断し、巻き取ることができなかった。
<比較例2>
[ビーズ原液の調製]
M/G=1.30のアルギン酸ナトリウムをイオン交換水に加え、30分間撹拌して、4重量%水溶液を調製した。これに、吸着剤としてフェロシアン化鉄0.4重量%(イオン交換水に対して)を加えて分散させ、これを、200メッシュのフィルタでろ過、脱泡したものをビーズ原液C2とした。
[ゲル化工程]
ビーズ原液C2を、液温(5〜30℃)の凝固浴Dに滴下し、30分間浸漬した。得られたビーズをろ過、水洗してアルギン酸系ビーズを得た。得られたアルギン酸系ビーズの粒径は、直径が2.0〜3.0mmであった。
[試験方法]
(海水におけるセシウム吸着量分析)
実施例5〜7で得られたアルギン酸系繊維6.3g(アルギン酸カルシウム乾燥重量換算:5.0g)および比較例2で得られたアルギン酸系ビーズ100g(アルギン酸カルシウム重量換算:5.0g)を用意した。富津市の海岸で採取した海水を200メッシュのフィルタでろ過し、塩化セシウムを加え、セシウム濃度が0.5ppmになるように調製した試験海水を作製した。酸分解ICP(Inductively Coupled Plasma)質量分析法により、ICP質量分析装置(アジレント・テクノロジー株式会社製、720ES型)を用いて、試験海水のセシウム濃度を測定したところ、0.5ppmであった。サンプル毎に用意した試験海水(水温:20〜22℃)1Lの入ったビーカにそれぞれサンプルを直接浸漬した。ビーカの試験海水は、マグネットスターラにより常時水流を発生させた。所定の時間だけ浸漬させた後に、試験海水を一定量取り出し、酸分解ICP質量分析法により、試験海水中のセシウム吸着量を分析した。サンプル浸漬前の試験海水のセシウム濃度を100とし、浸漬時間毎に採取した試験海水のセシウム濃度と対比して吸着率(%)を算出した。結果を、表4および図3に示す。
[試験方法]
(淡水におけるセシウム吸着量分析)
実施例5〜7で得られたアルギン酸系繊維6.3g(アルギン酸カルシウム乾燥重量換算:5.0g)および比較例2で得られたアルギン酸系ビーズ100g(アルギン酸カルシウム重量換算:5.0g)を用意した。蒸留水に塩化セシウムを加え、セシウム濃度が0.5ppmになるように調製した試験水溶液を作製した。酸分解ICP質量分析法により、試験水溶液のセシウム濃度を測定したところ、0.5ppmであった。サンプル毎に用意した試験水溶液(水温:20〜22℃)1Lの入ったビーカにそれぞれサンプルを直接浸漬した。ビーカの試験水溶液は、マグネットスターラにより常時水流を発生させた。所定の時間だけ浸漬させた後に、試験水溶液を一定量取り出し、酸分解ICP質量分析法により、試験水溶液中のセシウム吸着量を分析した。サンプル浸漬前の試験水溶液のセシウム濃度を100とし、浸漬時間毎に採取した試験水溶液のセシウム濃度と対比して吸着率(%)を算出した。結果を、表5および図4に示す。
このように実施例5〜7のアルギン酸系繊維は、比較例2のアルギン酸系ビーズに比べて、優れたセシウム吸着能を示し、水中の重金属等の吸着効率を向上することができた。特に海水において、実施例5〜7のアルギン酸系繊維は、比較例2のアルギン酸系ビーズに比べて、優れたセシウム吸着能を示した。また、実施例5と実施例6と実施例7との比較により、繊維の太さが細い方が優れたセシウム吸着能を示した。
(含水率測定)
実施例7で得られたアルギン酸系繊維および比較例2で得られたアルギン酸系ビーズについて、小型遠心脱水機(日立工機株式会社製、himac CT6D型)を用いて、回転数1,000rpm、脱水時間3分で脱水を行った。脱水前後の重量から、含水率(%)を求めた。アルギン酸系繊維の含水率は14.55%、アルギン酸系ビーズの含水率は98.00%であった。結果を表6に示す。
このように実施例7のアルギン酸系繊維は、比較例2のアルギン酸系ビーズに比べて、含水率が低いことがわかる。
(アルギン不織布 灰化試験)
吸着試験後の実施例1のアルギン酸系繊維1.01gを量り取り、ルツボに入れ、大気雰囲気で、電気コンロにより350℃で90分加熱し、炭化させた。続いて、600℃の電気マッフル炉(TMF−5:トーマス科学機械(株)製)にルツボを移し、120分加熱し、灰化させた。ルツボが常温(20℃)まで冷えた後、灰化したアルギン酸系繊維の重量を測定したところ、0.09gであった。重量減少率(100×(灰化前の重量−灰化後の重量)/灰化前の重量)は、91.1%であった。結果を表7に示す。
同様にして、吸着試験後の実施例2〜7のアルギン酸系繊維、比較例1,2のアルギン酸系ビーズの灰化実験を行った。結果を表7に示す。
(ゼオライト 灰化試験)
ゼオライト 1.12gを量り取り、ルツボに入れ、電気コンロにより350℃で90分加熱した。続いて、600℃の電気マッフル炉(TMF−5:トーマス科学機械(株)製)にルツボを移し、120分加熱した。ルツボが常温(20℃)まで冷えた後、ゼオライトの重量を測定したところ、1.05gであった。重量減少率(100×(灰化前の重量−灰化後の重量)/灰化前の重量)は、6.3%であった。
このように実施例のアルギン酸系繊維は、比較例のアルギン酸系ビーズおよびゼオライトに比べて、吸着対象物質の吸着後の加熱によって高い重量減少率で容易に減容化が可能であった。実施例のアルギン酸系繊維は、容易に工業的に製造可能である。繊維が細い方が、吸着性能が高く、減容化しやすかった。アルギン酸系繊維が吸着剤を含まずに、アルギン酸塩単体の吸着性能を利用することにより、吸着剤を含む場合に比べて減容化率がより高まった。

Claims (3)

  1. アルギン酸塩を含む繊維状吸着材であって、
    1価のアルギン酸塩を含むアルギン酸塩水溶液を、カルシウム塩を含むカルシウム塩水溶液に吐出紡糸してゲル状繊維を得るゲル化工程と、
    前記ゲル化工程で得られたゲル状繊維を乾燥する乾燥工程と、
    を含む方法によって得られ、
    吸着対象物質の吸着後に350℃で90分間加熱して炭化させ、さらに600℃で120分間加熱して灰化させた後の繊維状吸着材の重量減少率(100×(灰化前の重量−灰化後の重量)/灰化前の重量)が、80%以上であることを特徴とする繊維状吸着材。
  2. 請求項1に記載の繊維状吸着材であって、
    前記アルギン酸塩水溶液が、さらに吸着剤を含むことを特徴とする繊維状吸着材。
  3. 請求項1または2に記載の繊維状吸着材を用いて吸着対象物質を吸着することを特徴とする吸着方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108950736A (zh) * 2018-08-22 2018-12-07 贵州森环活性炭有限公司 纳米多孔碳纤维及其制备方法
FR3141189A1 (fr) * 2022-10-25 2024-04-26 Universite de Bordeaux Procédé de préparation d’au moins une fibre composite macroscopique comprenant un alginate et au moins une structure de coordination, ladite fibre et ses applications

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FR3141189A1 (fr) * 2022-10-25 2024-04-26 Universite de Bordeaux Procédé de préparation d’au moins une fibre composite macroscopique comprenant un alginate et au moins une structure de coordination, ladite fibre et ses applications
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