JP2017006158A - 移動型x線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転倒の可能性が高い方向において、転倒の防止を図ることができる移動型X線装置の提供をする。【解決手段】X線管7aを支持する支持部3は、移動型X線装置1の台車11に対するX線管の位置を可変にする可動部と、台車11に対する支持部又はX線管7aの位置の変更を検出する検出部とを備え、台車11が備える車輪の少なくも一つは、その回転軸が台車に対する取付軸に対し偏芯した走行車輪8であり、台車11の短手方向の中心に向う側を内側その反対側を外側としたとき、車輪制御部は、検出部が位置の変更を検出した場合、少なくも一つの走行車輪8の回転軸を台車11の取付軸より外側に移動する。【選択図】図1

Description

本発明は、移動型X線装置に係り、特に、移動型X線装置の姿勢の安定化を図る技術に関する。
医療用X線画像診断装置として、移動型X線装置が知られている。移動型X線装置は、X線を発生するX線発生部と、X線発生部を支持する支持機構部と、支持機構部を上下方向に沿ってスライド可能に支持する支柱と、移動型X線装置の各部を制御し、撮影を実行する制御部と、これらを搭載し、移動用車輪を備えた台車と、支柱を台車に対し回転可能に支持する回転機構部とを備えている。また、台車には、X線発生部に高電圧を供給するバッテリ部が収納されている。
このような移動型X線装置では、支持機構部を伸縮し、支柱にそってスライドさせ、回転機構部を用いて支柱を回転することにより、被写体の撮像すべき部位にX線発生部の位置合わせができるため、ベッド等に寝たままの患者に対してX線撮影を行うことができる。
しかし、重量の大きいX線発生部の位置合わせによって、重心位置が移動するため、移動型X線装置の姿勢のバランスが悪くなり、転倒に対する安定性が損なわれる場合がある。
特許文献1に記載されている移動型X線装置は、台車内にX線管を駆動する変圧器を含む大重量のX線発生装置を備えており、移動型X線装置の姿勢の安定性を図るために、支持アームが台車の上方に位置する格納姿勢にあるときにはX線発生装置が前方位置にあり、支持アームが台車前方に張り出した使用姿勢にあるときにはX線発生装置が後方位置にあるように、支持アームの旋回に連動してX線発生装置を前後動させる構成をとっている。
特開平7−299054号公報
近年、移動型X線装置の小型化、軽量化に伴って、相対的にX線管部の重量が大きくなる傾向があり、特許文献1の技術だけでは対応できない場合が増加している。例えば、重量の大きいX線発生部を支えるアームが、台車の短手方向に平行な方向に張り出される時、重心を支持する、台車の短手方向の幅が小さいため、移動型X線装置の姿勢のバランスが崩れやすく、移動型X線装置が転倒する可能性が最も高くなる。
本発明は、このような転倒の可能性が高い方向を考慮して、転倒の防止を図ることができる移動型X線装置の提供を課題にする。
本発明の移動型X線装置は、上記課題を解決するため、台車の短手方向に平行な方向における移動型X線装置の姿勢の安定性を補強する機構を有する。特に、本発明の移動型X線装置は、台車の短手方向に平行な方向に重心を支える支持面を拡げる機構を有する。また、本発明の移動型X線装置は、重心を安定させるために、重量の大きい構成部を台車の短手方向に平行な方向に移動させる機構を有する。
具体的には、第一の態様では、本発明の移動型X線装置は、X線管と、X線管を支持する支持部と、X線管および支持部を搭載する台車と、台車が備える車輪を制御する車輪制御部とを備え、支持部は、台車に対するX線管の位置を可変にする可動部と、台車に対する支持部又はX線管の位置の変更を検出する検出部とを備え、台車が備える車輪の少なくも一つは、その回転軸が台車に対する取付軸に対し偏芯した走行車輪であり、台車の短手方向の中心に向う側を内側その反対側を外側としたとき、車輪制御部は、検出部が位置の変更を検出した場合、少なくも一つの走行車輪の回転軸を台車の取付軸より外側に移動することを特徴とする。
また、第二の態様では、本発明の移動型X線装置は、X線管と、X線管を支持する支持部と、X線管を駆動する駆動部と、X線管、支持部及び駆動部を搭載する台車とを備え、支持部は、台車に対するX線管の位置を可変にする回転機構部を備え、駆動部を、台車の走行方向と交差する方向に移動する移動機構と、回転機構部の動作を移動機構に伝達する伝達機構部をさらに備え、伝達機構部は、回転機構部によるX線管の移動に伴い、移動機構を介して台車の走行方向と交差する方向における駆動部の位置を変更することを特徴とする。
本発明の移動型X線装置は、前輪を転倒しにくい方向へ回転させる前輪制御部を備えることにより、X線発生部を支えるアームが、台車の短手方向に平行な方向に張り出される時の移動型X線装置の転倒に対する安定性を改善できる。
また、本発明の移動型X線装置は、台車の短手方向に平行な方向において、制御部などをX線発生部とは反対の位置に移動させる駆動伝達機構を有することにより、移動型X線装置の転倒に対する安定性を改善できる。
このように、転倒に対する安定性が改善できることにより、該装置の小型化・軽量化を行うことが可能となる。この小型化・軽量化により該装置の操作性や視認性が改良される。
本発明が適用される移動型X線装置の全体概要を示す側面図 本発明が適用される移動型X線装置におけるX線発生部の動きの説明をする上面図であって、(a)は、X線発生部および支持機構部が走行姿勢の位置に配置されている状態を示し、(b)および(d)はX線発生部および支持機構部が台車の長手方向に垂直な方向に配置されている状態を示し、(c)はX線発生部および支持機構部が台車の長手方向に平行な方向に配置されている状態を示す。 本発明が適用される移動型X線装置の主な要素の機能ブロック図 偏芯している車輪を説明する図 本発明が適用される移動型X線装置の回診時の動作を説明する図 図5のX線発生部の位置合わせの動作を説明する図 移動型X線発生装置の倒れにくい位置への前輪の移動を説明する図 第一および第二実施形態の主な要素の機能ブロック図 前輪の回転位置を説明する図 第一実施形態の処理の流れを説明する図 第二実施形態の処理の流れを説明する図 第三および第四実施形態の主な要素の機能ブロック図 第三実施形態の処理の流れを説明する図 第四実施形態の処理の流れを説明する図 第五実施形態の支柱(回転機構部)、駆動伝達機構部、および格納部の動作を説明する図であって、(a―1)、(b−1)、(c−1)、および(d−1)は移動型X線装置の上面図、(a―2)、(b−2)、(c−2)、および(d−2)は駆動伝達機構部の断面図である。 本発明が適用される移動型X線装置に用いる支持機構部の他の例を示す側面図であって、(a)はアームの上下動を示す図、(b)はアームの前後(伸縮)動を示す図。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。以下、本発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
この移動型X線装置1は、図1および図2に示すように、主たる構成として、X線管7aを含むX線発生部7、X線発生部7を支持する支持機構部3、支持機構部3を上下方向に沿ってスライド可能に支持する支柱(支持部)2、支持機構部3を走行姿勢の位置(図1および図2(a)に示す状態)に固定するキャッチ機構部6、X線装置1の各部を制御し、撮影を実行する制御部4、制御部4を格納する格納部4aを収納する筐体10、筐体10や支柱2を搭載し、移動用車輪8を備えた台車11、および支柱2を台車11に対し回転可能に支持する回転機構部12を備えている。また、台車11には、X線発生部7に高電圧を供給するバッテリ部5が収納されている。なお、本明細書において、台車11が置かれる床面に対し垂直な方向を上下方向(図1に示す上下矢印参照)といい、台車11の長手方向に平行な方向を縦方向および短手方向に平行な方向を横方向という(図2(a)に示す縦矢印および横矢印参照)。また、制御部4およびバッテリ部5は駆動部を構成する。
X線発生部7は、X線を発生するX線管7aと、X線の照射範囲を制限するX線絞り7bと、X線管に高電圧を印加する高電圧発生器7c(不図示)を備え、後述する制御部4からの指示に従って、X線を発生し、被検体(不図示)に照射する。
支持部は台車11に対するX線管7aの位置を可変にする可動部を備える。
すなわち、支持機構部3は、X線管7aを支持するアーム3aと、アーム3aが連結されるスライダ3b(垂直機構部)とを備える。スライダ3bは一端がアーム3aに固定され、他端が支柱2に対して上下動可能に支持されている。また、アーム3aは、支柱2に対して直交する方向へ(図1矢印B)伸縮可能な機構(水平機構)を備えている。
支柱2は回転機構部12に固定され、回転機構部12が回転することにより、支柱2の長手方向を軸として台車11に対し回転することができる。
支持機構部3および回転機構部12には、図3に示すように、支持機構部電磁ブレーキ74および回転機構部電磁ブレーキ75がそれぞれ備えられている。支持機構部電磁ブレーキ74は、アーム用電磁ブレーキ121およびスライダ用電磁ブレーキ122を備える。アーム用電磁ブレーキ121を解除すると、アーム3aの伸縮が可能となる(図1矢印B)。スライダ3b用電磁ブレーキ122を解除すると、支柱2に対するアーム3aの上下移動(スライド)が可能となる。回転機構部電磁ブレーキ75を解除すると、支柱2の回転が可能となる。
なお、本実施形態では、回転機構部12に電磁ブレーキを備える場合を説明するが、回転機構部12のかわりに支柱2に電磁ブレーキを備えることもできる。
このような支持機構部3および支柱2の構造により、アーム3aに固定されたX線管部7aはX線絞り7bとともに、支柱2に対して上下方向に移動できる。また、支柱2を回転させることによりX線発生部7を走行姿勢の位置から任意の角度に回転でき、このような状態でアーム3aを伸長できる。一例として、図2に示すように、X線発生部7を、図2の(a)に示す走行姿勢の位置から、図2の(b)または(d)に示す、左右横方向、または、図2の(c)の前輪8a、8b側の縦方向に配置できる。このことにより、幅広い自由な角度でX線発生部7を被写体(不図示)に対して位置合わせできる。
制御部4が格納されている筐体10には、操作パネル(不図示)と、X線装置1を移動する際に操作者が使用するハンドル13が配置されている。
キャッチ機構部6は、キャッチ支柱6aと、ピン6bと、キャッチ機構部センサー6cと、固定部材6dと、を備える。
ピン6bは、その一端が固定部材6dを介してアーム3aと固定され、他端には筐体10上に配置されたキャッチ支柱6aに挿入できる構造を有し、キャッチ支柱6aは、ピン6bの、アーム3aと固定されていない方の端部が挿入できる構造を有している。ピン6bがキャッチ支柱6a内に挿入されることにより、X線発生部7を伴って支持機構部3を走行姿勢の位置(図1および図2(a)に示す状態)に固定することができる。それにより、X線装置1の走行中に支持機構部3やX線発生部7が振動などで動くことを防止できる。
キャッチ機構部センサー6cは、キャッチ支柱6aへのピン6bの挿入または引き抜きを検出する。挿入および引き抜きの検出により、制御部4は、X線撮像を、それぞれ不可能および可能にさせる。これにより、走行中の誤作動によるX線撮像が防止される。
キャッチ機構部センサー6cは、ピン6bの挿入または引き抜きを検出できる場所に配置できればよく、例えば、キャッチ支柱6a内に配置することができる。キャッチ機構部センサー6cとしては、ピン6bの有無が検出できるものを用いることができる。一例として、光センサーがあげられる。
台車11には、X線装置1を走行させるための走行車輪8が取り付けられている。走行車輪8は、前輪8a、8bおよび主輪8c、8dを備える。本実施形態では、前輪8aと前輪8bとの対および主輪8cと主輪8dとの対が、台車11の下部であって、台車の横方向と平行になるように配置される(図2参照)。これにより、本実施形態では、X線装置1の走行方向は、台車11の縦方向(長手方向)に沿った方向となる。
前輪8a、8bは、台車11に固定するための前輪取付け部材14(前輪8aは前輪取付け部材14a、前輪8bは前輪取付け部材14b(不図示))を備える。前輪取付け部材14は、常時は、台車11に対して回転自在に固定されている。
前輪8a、8bは、台車11に対して車輪の転がり方向が自由に変えられる自在車輪を用いることができる。本実施形態では、自在車輪として、偏芯している車輪の構造を備えたものを用いる。一例として、図4に示すように、偏芯車輪は、前輪取付け部材14の取り付け軸(回転軸)P1と、前輪8a、8bの車輪の回転軸P2とが偏芯している(ずれている)構造をとる。このように偏芯することにより、前輪8a、8bは、台車11の動く方向に合わせて車輪の向きを自在にかえて動くことが可能となる。
主輪8c、8dは、台車11に対して車輪の転がり方向が固定された固定車輪を用いることができる。主輪8c、8dの駆動源は、走行用モータ(不図示)でも手動でもよい。
台車11内に搭載されているバッテリ部5は、X線装置1が院内を回診しX線撮像を行うための電力を供給する。例えば、X線管7aに高電圧を印加する高電圧発生器7cに電力を供給する。
制御部4は、X線装置1の各部の動作を制御し、撮影を実行する。図3に示すように、制御部4は、主な構成として、X線撮影を制御する撮像制御部71、支持機構部3や支柱2等の動作の制御等を行う機構制御部72、および撮像したX線画像の読み込みや処理等を行う画像制御部73を有する。また、以下に説明する実施形態によっては、センサーの入力により前輪の回転を制御する前輪制御部76を有する(図3では不図示)。撮像制御部71および画像制御部73は従来のものと同じ機能を有するため詳細な説明は省略する。
これらの制御部4を構成する各部はCPUとメモリで構成することができる。メモリには、各部の機能を実行するためのプログラムが予め格納されており、CPUはメモリのプログラムを読み込んで実行する。その結果、各部の動作の実現が可能となる。後述する各部の処理手順の説明では、ソフトウェとして実現するもとして説明するが、本実施形態は、ソフトウェアに限られるものではなく、各部の処理をASICやFPGA等のハードウェアによって実現することも可能である。
制御部4を構成するハードウェア等は、格納部4aに格納されて、筐体10内に収納されている。
なお、上述した装置の構成は、以下に説明する実施形態に共通である。
次に、図5を用いてX線装置1による回診時の処理の概要を説明し、各部の動作について説明をする。
<ステップS30>
操作者による電源スイッチ(不図示)押下により、機構制御部72は、X線装置1を稼働させる。走行ハンドル13を介した操作者の走行操作により、X線装置1は、走行姿勢の状態(図1および図2(a)参照)で、患者(被写体)のいるベッドサイドに移動する。
なお、走行中は、後述するステップS36で説明するように走行中の誤動作によるX線照射を防ぐため、撮像制御部71は、X線発生部7に対してX線撮影が行えない状態(X線撮影ロック状態)に設定にしている。
<ステップS31>
X線装置1がベッドサイドに到着した後、操作者は、撮像すべき部位を透過したX線を検出できるように、X線フラットパネル検出器(FPD)(不図示)を所定の位置にセットする。
<ステップS32>
操作者は、支柱2および支持機構部3を操作して、患者の撮像すべき部位にX線発生部7を配置するために、X線発生部7の位置合わせをする。このステップの詳細な説明は、図6を用いて後述する。
<ステップS33>
操作者は、X線絞り7bを用いてX線照射野を設定する。なお、X線絞りランプ(不図示)を点灯し、設定した照射野を光表示することにより、X線照射野を確認できる。
<ステップS34>
操作者の入力を介して、撮像制御部71は、管電圧、X線量(mAs)等を所定の条件に設定する。撮像制御部71は、操作者のX線照射指示を受け付け、設定した条件でX線を照射するようにX線発生部7へ指示する。指示をうけたX線発生部7はX線を撮像部位に照射し撮影が完了する。
<ステップS35>
撮影後、画像制御部73は、FPDから画像データを読み出し、読みだした画像データを表示画面に表示するために所定の画像処理を行い、処理したデータを表示部(不図示)に出力する。これにより、操作者は、撮像画像を確認できる。
<ステップS36>
撮影終了後、操作者の操作を介して、アーム3aに固定されているピン6bがキャッチ支柱6aに挿入されると、アーム3aが走行姿勢の位置(図1および図2(a)参照)に固定される。そのため、走行中の振動等により、X線発生部7および支持機構部3が動くことなく、X線装置1は安全に走行できる。
また、キャッチ支柱6a内に配置されたキャッチ機構部センサー6cは、ピン6bの挿入を検出し、これを撮像制御部71へ出力する。撮像制御部71は、ピン6bの挿入の入力をうけ、X線発生部7に対してX線撮影が行えない状態に設定する。これにより、走行中の誤動作によるX線照射を防ぐことができる。
<ステップS37>
走行姿勢となったX線装置1は、次の患者がいる場合は次の患者のベッドサイドへあるいは回診が終了した場合は所定の位置へ走行ハンドル13を介した操作者の操作により移動する。
次に、上述したように、ステップS32のX線発生部7の位置あわせについて図6を用いてさらに説明をする。
<ステップS41>
操作者による電磁ブレーキの解除スイッチ(不図示)の押下を介して、機構制御部72は、支持機構部3の電磁ブレーキ74(アーム3a用電磁ブレーキ121およびスライド3用電磁ブレーキ122)および回転機構部12の電磁ブレーキ75の電磁ブレーキの解除の指示を受け、これらの電磁ブレーキの解除を行う。これにより、支柱2(回転機構部12)の回転、アーム3aの上下の動き、アーム3aの伸縮が可能となる。
<ステップS42>
操作者のスライダ3bの操作によって、キャッチ支柱6aからピン6bが引き抜かれる。これにより、アーム3aは、キャッチ支柱6aから外され、走行姿勢の位置での固定から解除される。
<ステップS43>
キャッチ機構部センサー6cは、ピン6bの引き抜きを検出すると、それを撮像制御部71へ通知する。
<ステップS44>
通知をうけた撮像制御部71は、走行中はX線発生部7によるX線撮影が不可能な状態(X線撮影ロック状態)からX線撮影可能状態(X線撮影ロック解除)へと設定を変更する。
<ステップS45>
操作者は、支柱2および支持機構部3を操作して、患者の撮像すべき部位にX線発生部7を配置するために、X線発生部7の位置合わせをする。具体的には、回転機構部12により、ピン6bがキャッチ支柱6aに挿入可能な位置から任意の位置へ支柱2が回転される。また、スライダ3bの上下の移動およびアーム3aの支柱2に対して垂直方向の移動(矢印A参照)によりアーム3aが上下動および伸縮される。なお、操作者が電磁ブレーキの解除スイッチ(不図示)の押上して、電磁ブレーキをかけることにより、X線発生部7の位置は容易に決定される。
X線発生部7の位置合わせの終了後、X線照射野を設定するために次のステップS33が行われる。
以上、X線装置1における回診時の動作の概略を説明したが、X線装置1の小型化、軽量化にともない、重量の大きいX線発生部7を支えるアーム3aが、左右横方向に配置される時(図2の(b)および(d))に、台車11の短手方向の幅が狭いため、X線装置1が転倒する可能性が最も高くなる。そのため、本実施形態は、転倒の可能性の高い左右横方向におけるX線装置1の姿勢の安定性を改善する手段を備えている。このような転倒防止の手段は、以下に説明する実施形態のように、いくつかの形態を取り得る。
<第一実施形態>
本実施形態のX線装置1は、X線管7aを支持する支持部が、台車11に対するX線管7aの位置を可変にする可動部と、台車11に対する支持部またはX線管7aの位置の変更を検出する検出部と、台車が備える車輪を制御する車輪制御部とを備える。また、台車が備える車輪の少なくとも一つは、その回転軸が台車に対する取付軸に対し偏芯した走行車輪である。台車の短手方向の中心に向う側を内側その反対側を外側としたとき、車輪制御部は、検出部が位置の変更を検出した場合、少なくとも一つの走行車輪の回転軸を台車の取付軸より外側に移動する。また、本実施形態のX線装置1は、X線管を走行姿勢に固定するキャッチ機構部をさらに備えてもよい。検出部は、キャッチ機構部に備えられたセンサーであり、キャッチ機構部によるX線管7aの固定の解除を検出することができる。
すなわち、本実施形態のX線装置1は、回診時にキャッチ機構部センサー6cがピン6bの引き抜きを検出する(ステップS43参照)ことを利用して、前輪8a、8bの向きをX線装置1が転倒しにくい方向へ向かせる前輪制御部を有することが特徴である。
図1、図2、図7から図10を用いて具体的に説明する。
本実施形態では、図1および図7に示すように前輪8a、8bに備えられた前輪取付け部材14(14a、14b)(14bは不図示)は、モーター9(9a、9b)に伝達部材15(15a、15b)を用いて接続されている。伝達部材15は、モーター9の回転を前輪取付け部材14に伝達できるものでよく、例えばギア等を用いることができる。
伝達部材15を介して、モーター9の回転が前輪取付け部材14に伝達され、前輪取付け部材14は、前輪8a、8bを、X線装置1が転倒しにくい位置(図7の斜線で示した前輪8a´、8b´の位置参照)へ移動させる。
また、前輪8a、8bは台車11に対して車輪の転がり方向が自由に変えられるため、前輪取付け部材14a、14bには、前輪8aおよび8bの車輪の位置情報を得る前輪用センサー77aおよび77b(図1および図7不図示)がそれぞれ配置されている。前輪用センサー77は、前輪8a、8bの車輪の位置を検出できるものであればよく、例えば、回転量を検出できるエンコーダ等が挙げられる。
図8に示すように、本実施形態の制御部4は、各実施形態に共通の要素である撮像制御部71、機構制御部72、画像制御部73に加えて前輪制御部76を備えている。
前輪制御部76は、キャッチ機構部センサー6cから、キャッチ支柱6aからピン6bが外れた通知を受け、前輪8a、8bの位置を検出する前輪用センサー77aおよび77bから前輪8aおよび前輪8bの位置情報をそれぞれ入手し、前輪8aおよび前輪8bがX線装置1の転倒しにくい位置あるいはX線装置1の姿勢の安定性が補強される位置(図7の斜線で示した前輪8a´、8b´の位置および図9(b)に示す前輪8a、8bの位置参照)(以下「所定の位置」という)へ移動するための補正量を算出する。また、前輪制御部76は、算出した補正量に基づき、モーター9aおよび9bを制御して、伝達部材15a、15bを介して前輪取付け部材14a、14bを動かし、前輪8aおよび前輪8bの車輪の向きを所定の位置へと回転させる。図7に示すように、前輪制御部76は、破線で示す前輪8a、8bの車輪の位置から、前輪8aおよび前輪8bを前輪取付け部材14a、14bを回転軸として台車11の外側方向(矢印Aの方向)に旋回させ、斜線で示す前輪8a´、8b´の位置へ移動させる。
図9および図4を用いて、前輪8a、8bの車輪の回転軸を用いて、所定の位置への前輪8a、8bの移動をさらに説明する。図9は前輪の回転(移動)位置を理解しやすくするために、X線装置1の台車11、前輪8a、8b、前輪取付け部材14a、14bのみを示している。図9の(a)は前輪回転前、(b)は前輪回転後を示す。
前輪回転前に前輪8a、8bの位置はその車輪の回転軸P2と台車11の縦方向とが垂直となる位置にある場合(図9(a))、前輪回転後に前輪8a、8bの位置が、その車輪の回転軸P2と台車11の縦方向とが平行になる位置でありかつ前輪8a、8bと床面との接地部分(接地点)G(言い換えると、前輪8a、8bの回転軸P2(図4参照))が前輪取付け部材14a、14bの回転軸P1より外側(図4の矢印Hに示す外側参照)になる位置になるように、前輪制御部76は、モーター9aおよび9bを制御して、前輪取付け部材14a、14bの回転軸P1を回転軸として、前輪8a、8bを台車11の外側方向(矢印Aの方向)に旋回させる(図9(b))。
なお、台車11の短手方向の中心に向う側を内側その反対側を外側(図4の矢印Hおよび図9(b)の横方向を示す矢印参照)という。
図10を用いて本実施形態のX線発生部7の位置合わせの処理の流れおよび各部の動作を説明する。なお、X線装置1の回診時におけるX線発生部7の位置合わせの詳細な説明(図6)で説明したステップと重複するステップも併せて説明する。
<ステップS41>
X線装置1の回診時におけるX線発生部7の位置合わせの詳細な説明と同様に、機構制御部72は、支持機構部3用の電磁ブレーキ74(アーム3a用電磁ブレーキ121およびスライダ3b用電磁ブレーキ122)および回転機構部12用の電磁ブレーキ75の解除を行う。
<ステップS42>
X線装置1の回診時におけるX線発生部7の位置合わせの詳細な説明と同様に、キャッチ支柱6aからピン6bが引き抜かれ、アーム3aは走行姿勢の位置での固定から解除される。
<ステップS83>
キャッチ機構部センサー6cは、ピン6bの引き抜きを検出し、それを撮像制御部71と前輪制御部76とに通知する。
<ステップS86>
前輪制御部76は、ステップS83でのキャッチ機構部センサー6cからのピン6b引抜きの通知を受ける。
<ステップS87>
前輪取付け部材14(14a、14b)に配置した前輪用センサー77(77a、77b)は、前輪8a、8bの位置を検出し、前輪制御部76に通知する。
前輪制御部76は、前輪用センサー77が検出した前輪8a、8bの車輪の位置情報を用いて、前輪8a、8bを所定の位置へ車輪を移動させるため回転量を算出する。
<ステップS88>
前輪制御部76は、算出した回転量に基づき、モーター9(9a、9b)を動かす。
<ステップS89>
モーター9(9a、9b)は、伝達部材15(15a、15b)を介して前輪8a、8bを回転させ、所定の位置へ移動する。(図4および図9(b)の前輪8a、8bの位置参照)。これにより、前輪8a、8bは、偏芯しているため、前輪8a、8bの接地部分Gが台車11を支える前輪取付け部材14a、14bの回転軸P1より、外側であって左右横方向へでてくる(図4、図9(b)参照)。このため、重心を支える支持面が広がり、図2の(b)や(d)の位置に示す、X線発生部7を伴う支持機構部3の移動により転倒の可能性が最も高いX線装置1の横方向において姿勢の安定性の強化が図られる。
<ステップS44>
X線装置1の回診時におけるX線発生部7の位置合わせの詳細な説明と同様に、ピン6b引抜きの通知(ステップS83)を受けた撮像制御部71が、X線撮影ロック状態の解除を行う。
<ステップS85>
このステップは、X線装置1の回診時におけるX線発生部7の位置合わせの詳細な説明における、支持機構部3および支柱2を用いた患者の撮像すべき部位にX線発生部7を配置するためにX線発生部7の位置合わせをするステップS45と同様である。
ただし、本実施形態では、前輪8a、8bが転倒しにくい位置へ回転するステップS89の処理により、前輪8a、8bが所定の位置へ移動した状態であるため、X線装置1の転倒防止がより改善した状態でX線発生部7の位置合わせを行うことができる。
なお、撮影終了後、X線装置1が走行姿勢で走行する場合(図5のステップS37)、前輪8a、8bが前輪8a´、8b´の位置であっても偏芯構造のため、X線装置1(台車11)の走行操作を行えば、前輪8はその進行方向に自在に追随して走行できる。なお、伝達部材15と前輪取付け部材14とをギアなどで接続している場合は、接続を解除する必要がある。
本実施形態では、前輪取付け部材14の軸P1を回転軸とした前輪8a、8bの旋回により、車輪の接地部分G(図4参照)が、前輪取付け部材14の回転軸P1よりも外側(図4の矢印Hに示す外側を参照)へでてくるため、重心を支持できる横幅が大きくなる。したがって、重量の大きいX線発生部7の移動(重心の移動)により転倒の可能性が最も高くなる台車11の横方向の位置において姿勢の安定性が増加する。
また、支持機構部3および支柱2を操作してX線発生部の位置合わせをするステップS85の前に前輪8a、8bが所定の位置に旋回されるため、X線発生部7の位置合わせの前に転倒に対する安定性を予め補強することができる。
<第二実施形態>
本実施形態のX線装置1は、可動部が、前記X線管を前記台車に対し水平方向に移動する水平機構部を有し、少なくも一つの走行車輪の回転軸が台車の取付軸より外側に移動した後に前記水平機構部の可動を可能とする機構制御部を備えることを特徴とする。
すなわち、本実施形態では、キャッチ部センサーによる検知を利用して前輪8をX線装置1の転倒しにくい方向へ前輪を回転させる機構を有する点は第一実施形態と同一であるが、前輪8が転倒しにくい方向へ向かなければアーム3aの伸縮動作ができない機構を有する点が第一実施形態と異なる。
図11を用いて、図10で説明した第一実施形態の動作と異なる点を説明する。なお、次に説明するステップ以外の第二実施形態のステップは第一実施形態のステップと同様である。
<ステップS131>
本実施形態では、機構制御部72は、操作者からの電磁ブレーキの解除指示をうけて、スライダ3b用の電磁ブレーキ121および回転機構部電磁ブレーキ75の解除を行う。これにより、支柱2に対するアーム3aの上下移動および支柱2(回転機構部12)の回転が可能となる。一方、第一実施形態(ステップS41参照)と異なりアーム3a用のブレーキ122は解除されていないため、アーム3aの伸縮(図1の矢印B参照)はできない。
<ステップS1310>
前輪8a、8bが転倒しにくい位置に回転するステップS89において前輪8a、8bが所定の位置に移動後、本実施形態では、前輪制御部76は、前輪用センサー77(77a、77b)が検出する前輪8a、8bの位置情報を取得し、前輪8a、8bの所定の位置への回転(移動)完了を確認し、それを機構制御部72に通知する。
<ステップS1311>
本実施形態では、通知を受けた機構制御部72は、アーム3a用電磁ブレーキ122の解除を行う。これにより、アーム3aの伸縮が可能となる。そのため、次に説明するステップS135での患者の撮像すべき部位にX線発生部7を配置するためのX線発生部7の位置合わせが可能となる。
<ステップS135>
本実施形態では、このステップは、第一実施形態で説明した、支持機構部3および支柱2を用いて患者の撮像すべき部位にX線発生部7を配置するためのX線発生部7の位置合わせ行うステップS85と同様である。
ただし、本実施形態では、前輪8a、8bが所定の位置への回転を確認するステップS1310の後にアーム3aの電磁ブレーキ解除をするステップS1311によりアーム3aの伸縮が可能となる。
これにより、転倒の可能性が最も高い台車11の横方向における姿勢の安定性を前もって補強した後に、重量の大きいX線発生部7を伴うアーム3aの伸縮が可能となるため、転倒に対する予防が確実となる。
<第三実施形態>
本実施形態では、X線装置1は支持部を台車11に対し回転方向に移動する回転機構部を有し、検出部が回転機構部による支持部の回転を検出し、車輪制御部が車輪を制御することを特徴とする。
すなわち、本実施形態では、前輪8をX線装置1の転倒しにくい方向へ前輪8を回転(移動)させる機構を有する点は第一実施形態と同一であるが、第一実施形態では前輪制御部76がキャッチ機構部センサー6cの通知により前輪8を制御する機構を備えているのに対して、第三実施形態は支柱センサーの通知により前輪8を制御する機構を備える点が異なる。
図1、図7、及び図12に示すように、本実施形態のX線装置1は支柱センサー16を備える。
支柱センサー16は、回転機構部12の回転を介して支柱2が初期位置から支柱2の長手方向を軸として回転したことを検出し、それを前輪制御部76へ通知する。ここで、支柱2の初期位置とは、走行姿勢の位置での支柱2の位置であって(図1参照)、具体的には、支持機構部3のスライダ3bの上下のスライドのみでピン6bがキャッチ支柱6a内へ挿入および引き抜きができる支柱2の位置である。
支柱センサー16は、支柱2が初期位置から回転したことを検出できるものでよく、例えば、光センサーがあげられる。
支柱センサー16は、支柱2が初期位置から回転したことを検出できる場所であれば、回転機構部12の任意の場所に配置してよく、あるいは支柱2に配置してもよい。
図13を用いて、本実施形態の処理および動作について説明する。なお、第一実施形態の処理および動作の説明(図10)と重複する部分も併せて説明する。
<ステップS41>
X線装置1の回診時におけるX線発生部7の位置合わせの詳細な説明と同様に、機構制御部72は、支持機構部3用の電磁ブレーキ74(アーム3a用電磁ブレーキ121およびスライダ3b用電磁ブレーキ122)および回転機構部12用の電磁ブレーキ75の解除を行う。
<ステップS42>
X線装置1の回診時におけるX線発生部7の位置合わせの詳細な説明と同様に、キャッチ支柱6aからピン6bが引き抜かれ、アーム3aは走行姿勢の位置での固定から解除される。
<ステップS43>
本実施形態では、第一実施形態と異なり、X線装置1の回診時におけるX線発生部7の位置合わせの詳細な説明と同様に、キャッチ機構部センサー6cは、ピン6bの引き抜きを検出すると、それを撮像制御部71へ通知する。
<ステップS44>
X線装置1の回診時におけるX線発生部7の位置合わせの詳細な説明と同様に、キャッチ機構部センサー6cからのピン6b引抜きの通知を受けた撮像制御部71が、X線撮影ロック状態の解除を行う。
<ステップS115>
このステップは、X線装置1の回診時におけるX線発生部7の位置合わせの詳細な説明で説明した、支柱2および支持機構部3を操作して、患者の撮像すべき部位にX線発生部7を配置する、X線発生部7の位置合わせ(ステップS45)と同様である。
ただし、本実施形態では、位置合わせをするために支柱2(回転機構部12)が初期位置から回転した時、次に説明するように、支柱センサー16による回転の検知および前輪制御部76による前輪8a、8bの制御によりX線装置1の姿勢安定が補強された状態で、X線発生部7の位置合わせができる。
<ステップS116>
前述のステップにて支柱2が初期位置から回転した時、支柱センサー16は、支柱2(回転機構部12)の回転を検出し、その検出を前輪制御部76へ通知する。
<ステップS87>
前輪用センサー77は、前輪8a、8bの位置を検出し、前輪制御部76は、前輪用センサー77が検出した前輪8a、8bの車輪の位置情報を取得し、前輪8a、8bを所定の位置へ車輪を移動させるため回転量を算出する。
<ステップS88>
前輪制御部76は、算出した回転量に基づきモーター9を回転させる。
<ステップS89>
モーター9は前輪取付け部材14の軸P1を回転軸として前輪8a、8bを所定の位置に回転させる。
本実施形態では、支柱2、支持機構部3の操作によるX線発生部7の位置合わせ(ステップS115)において、アーム3aを動かす前でも後でも、支柱2を回転した場合、前輪8a、8bの旋回により、車輪の接地部分G(図4参照)が、前輪取付け部材14の回転軸P1よりも外側へでてくるため、重量の大きいX線発生部7の移動により転倒の可能性が最も高い横方向における姿勢の安定性が増加する。また、X線発生部7が台車11の左右横方向(図2(b)および(c)参照)に移動する前に、前輪8a、8bが転倒しにくい位置へ回転しているため、予め姿勢の安定性を補強することができる。
<第四実施形態>
本実施形態は、支柱センサー6の通知により前輪8をX線装置1の転倒しにくい方向へ前輪を回転させる機構を有する点が第三実施形態と同様であるが、前輪8が転倒しにくい方向へ向かなければアーム3aの伸縮動作ができない機構を有する点が第三実施形態と異なる。
別の表現で言うと、前輪8が転倒しにくい方向へ向かなければアーム3aの伸縮動作ができない機構を有する第二実施形態の特徴を支柱センサー6の通知により前輪8をX線装置1の転倒しにくい方向へ前輪を回転させる機構を有する第三実施形態に適用する。
図14を用いて、図13で説明した第三実施形態の動作と異なる点を説明する。
<ステップS131>
本実施形態では、第三実施形態の全電磁ブレーキを解除するステップS41と異なり、機構制御部72は、操作者からの電磁ブレーキの解除指示をうけて、スライダ3b用の電磁ブレーキ121と回転機構部電磁ブレーキ75の解除を行う。これにより、アーム3aの上下の動きおよび支柱2の回転が可能となるが、アーム3a用のブレーキ122は解除されていないため、アーム3aの伸縮(図1の矢印B参照)はできない(第二実施形態と同様)。
<ステップS1310>
前輪8a、8bが転倒しにくい位置に回転するステップS89において前輪8a、8bが所定の位置に移動後、前輪制御部76は、前輪用センサー77(77a、77b)が検出する前輪8a、8bの位置情報を取得し、前輪8a、8bの所定の位置への回転(移動)完了を確認し、それを機構制御部72に通知する(第二実施形態と同様)。
<ステップ1311>
通知を受けた機構制御部72は、アーム3a用電磁ブレーキ122の解除を行う。これにより、アーム3aの伸縮が可能となる(第二実施形態と同様)。
これら以外の工程は第三実施形態と同様である。
本実施形態によれば、第二実施形態と同様に、前輪8a、8bの回転を終了後にアーム3aの伸縮が可能となるため、転倒に対する予防が確実となる。
上述した第一実施形態から第四実施形態では、前輪制御部76が前輪8a、8bの位置情報から所定の位置への回転量を算出し(ステップS87)、算出した回転量に基づきモーター9を動かす(ステップS88)ように説明したが、例えば、前輪取付け部材14に、前輪8a、8bが所定の位置に移動したことを検出する手段が備えられている場合、前輪8a、8bがどこにあっても、前輪制御部76は、前輪8a、8bの位置情報から所定の位置への回転量を算出せずに、該手段から所定位置へ移動完了の通知を受けるまでモーター9を動かすことができる。
さらに、該手段を用いる場合、第二実施形態および第四実施形態おいて、前輪制御部76が前輪8a、8bの位置情報を取得して回転完了を確認しそれを機構制御部72に通知するステップS1310では、前輪制御部76が該手段のからの移動完了通知をうけて、機構制御部72に通知することもでき、あるいは該手段からの移動完了通知を機構制御部72が直接うけることもできる。
また、第一実施形態から第四実施形態では、台車11の備える車輪のうち前輪2つが偏芯した走行車輪であり、この2つの偏芯した走行車輪が所定の位置へ移動する場合を説明したが、これに限定されず、台車11が複数の車輪を備える場合、車輪の少なくとも1つが偏芯した走行車輪でよく、この偏芯した走行車輪の少なくとも一つを所定の位置へ移動させる場合もこれらの実施形態に含まれる。
<第五実施形態>
本実施形態では、X線装置1は、X線管と、X線管を支持する支持部と、X線管を駆動する駆動部と、X線管、支持部及び駆動部を搭載する台車とを備え、支持部は、台車に対するX線管の位置を可変にする回転機構部を備え、駆動部を、台車の走行方向と交差する方向に移動する移動機構と、回転機構部の動作を移動機構に伝達する伝達機構部をさらに備え、伝達機構部は、回転機構部によるX線管の移動に伴い、移動機構を介して台車の走行方向と交差する方向における駆動部の位置を変更することを特徴とする。また、台車の走行方向は台車の長手方向であり、当該走行方向と交差する方向は台車の短手方向であることを特徴とする。
すなわち、第一から第四実施形態のX線装置1は、センサーおよび前輪8a、8bの位置制御により転倒に対する安定性の補強を行う機構を備えているが、本実施形態のX線装置1は、転倒に対する安定性の補強するために、支柱2(回転機構部12)の回転に伴って、X線装置1のなかで重量の大きい構成部を移動する機構を有する点が異なる。
図1に示す、制御部4が格納された格納部4aは、X線発生部7やバッテリ部5のように重量が大きい。本実施形態では、このように重量の大きい格納部4aを筐体10の中で左右横方向に移動する移動機構(不図示)が備えられている。
移動機構としては、レールとレールを介して左右に動くように支持された台のような移動機構にこれらを搭載してもよい。
このような移動機構は、駆動伝達機構部17を介して回転機構部12と連結されており、支柱2が固定している回転機構部12の回転は駆動伝達機構部17を介して格納部4aの移動機構に伝達される。
駆動伝達機構部17は、図15の(a―2)から(d−2)に示すように、支柱2(回転機構部12)の回転に伴って回転動作を行う駆動歯車17aおよび該回転動作から左右方向の運動を取り出すラック17bを備える。ラック17bは内側に開口部を有する枠状の部材であり、該開口部には駆動歯車17aが配置されている。
駆動歯車17aは、回転機構部12と同軸上に連結し、回転機構部12の回転とともに回転し、ラック17bを左右方向に移動させる。駆動歯車17aは、連続した複数の歯を有する歯部161と歯部が欠けている歯欠け部162を有する。
ラック17bは、歯部161と係合できる複数の凹部を有する係合部163および164を有する。係合部163および164は、ラック17bの開口部側に、長手方向の枠の中央部分に対向するように配置されている。
ラック17bは、係合部163および164と駆動歯車17aの歯部161との係合および係脱により左右横方向に移動可能となる。
ラック17bは左右方向への移動は、必要に応じて設けられる伝達部材(不図示)を介して格納部4aの移動機構に伝達される。これにより、ラック17bの左右方向の移動に伴って重量の大きい格納部4aも左右方向へ移動可能となる。
次に、X線装置1の回診時における、支柱2、支持機構部3を操作してX線発生部7を撮像すべき位置に配置する(図6のステップS45)際の支柱2の回転動作に伴う駆動伝達機構部17の動作および格納部4aの移動について図15を用いて説明する。なお、図15の(a―1)から(d−1)のX線装置1の上面図において、駆動歯車17aを斜線で示している。
支柱2が初期位置(図15の(a―1)および図1参照)にある時、駆動歯車17aはラック17bの開口部の中央に配置され、歯部161の一部の歯が係合部163に係合している(図15の(a−2)参照)。この時、ラック17bと連結している移動機構を備えた格納部4aは台車11の中央に配置している(図15の(a―1))。
支柱2を反時計回りに回転し始めると、回転機構部12に連結した駆動歯車17aは連動して反時計回り(図15の(a−2)の矢印F参照)に回転する。駆動歯車17aが回転しながら、歯部161の歯が係合部163に順次係合していく。この係合により、ラック17bは左方向(図15(a−2)に示す左矢印方向)へ移動する。
そして支柱2が初期位置から90度回転すると(図15の(b−1))、駆動歯車17aの歯部161は係合部163から係脱する(図15の(b−2)参照)。これにより、ラック17bの左方向への移動は停止する。
このようなラック17bの移動により、格納部4aは台車11の中央の位置から左側へ(図15(b−1)の矢印C参照)へ移動し、停止することができる(図15(a−1)から(b−1)参照)。
支柱2がさらに反時計まわりに回転し始めると、駆動歯車17aの回転とともに、歯部161が係合部164と順次係合し始め、ラック17b右方向(図15(a―2)の右矢印方向)へ移動を開始する。支柱2が初期位置から180度回転すると(図15(c−1))、ラック17bの中央に駆動歯車17aが配置され、駆動歯車17aの歯部161の一部の歯は係合部164に係合している(図15(b−2)から(c−2)参照)。
このようなラック17bの移動にともない、左側で停止した格納部4aは右方向(c−1の矢印D参照)へ移動し台車11の中央へ移動することができる((b−1)から(c−1)参照)。
さらに、支柱2が反時計まわりに回転し始めると、歯部161が係合部164と順次係合し始め、ラック17bがさらに右方向へ移動を開始する。支柱2が初期位置から270度回転すると(図15の(d−1))、駆動歯車17aの歯部161は係合部164から係脱する。これによりラック17bの右方向への移動は停止する(図15(c−2)から(d−2)参照)。
これにより、格納部4aは台車11の中央から右側へ(図15(d−1)の矢印E参照)移動し停止できる。
このような支柱2の回転に伴う格納部4aの左右横方向への動きにより、X線発生部7が配置される位置とは反対の位置に格納部4aが配置される。X線発生部7が転倒の可能性が高い横方向へ配置されても、重量の大きい制御部4を収納した格納部4aを移動できるため、重心位置を安定する方向に移動することができる。それにより、X線装置1の転倒への防止が図られる。
本実施形態では、制御部4が収納された格納部4aを移動させる場合を説明したが、バッテリ部5(図1参照)を移動させてもよいし、格納部4aおよびバッテリ部5を移動させてもよい。
図15に示す駆動伝達機構17は、一例であって、支柱2の動きに伴って格納部4a等が移動できるものであれば用いることができる。
上述した第一から第五実施形態のうち2以上を組み合わせることもできる。
上述した第一から第五実施形態では、アーム3aが支柱2に対して垂直方向へ伸縮する支持機構部3を用いて説明したが、図16に示すように、スライダ3bが1ないし複数のリンク部材からなり、一端がアームに3aに固定され、他端が支柱2に上下動可能に支持している支持機構部3を用いてもよい。
7a・・・X線管、2・・・支柱(支持部)、4・・・制御部(駆動部)、4a・・・格納部(駆動部)、5・・・バッテリ部(駆動部)、11・・・台車、3・・・支持機構部(可動部)、12・・・回転機構部(可動部)、6c・・・キャッチ機構部センサー(検出部)、16・・・支柱センサー(検出部)、8a、8b・・・前輪(車輪)、76・・・前輪制御部(車輪制御部)、1・・・移動型X線装置、3b・・・スライダ(垂直機構部)、3a・・・アーム(水平機構部)、6・・・キャッチ機構部、72・・・機構制御部、17・・・駆動伝達機構部(伝達機構部)、P2・・・前輪の回転軸(車輪の回転軸、走行車輪の回転軸)、P1・・・前輪取付け部材の回転軸(台車の取付軸)

Claims (6)

  1. X線管と、X線管を支持する支持部と、前記X線管および前記支持部を搭載する台車と、前記台車が備える車輪を制御する車輪制御部とを備え、
    前記支持部は、前記台車に対する前記X線管の位置を可変にする可動部と、前記台車に対する前記支持部又は前記X線管の位置の変更を検出する検出部とを備え、
    前記台車が備える車輪の少なくも一つは、その回転軸が前記台車に対する取付軸に対し偏芯した走行車輪であって、
    前記台車の短手方向の中心に向う側を内側その反対側を外側としたとき、前記車輪制御部は、前記検出部が位置の変更を検出した場合、少なくも一つの前記走行車輪の回転軸を前記台車の取付軸より外側に移動することを特徴とする移動型X線装置。
  2. 請求項1に記載の移動型X線装置であって
    前記可動部は、前記X線管を前記台車に対し垂直方向に移動する垂直機構部と、前記支持部を前記台車に対し回転方向に移動する回転機構部とを有し、
    前記検出部は前記垂直機構部による前記X線管の移動又は前記回転機構部による前記支持部の回転を検出することを特徴とする移動型X線装置。
  3. 請求項1または2に記載の移動型X線装置であって、
    前記X線管を走行姿勢に固定するキャッチ機構部をさらに備え、
    前記検出部は、前記キャッチ機構部に備えられたセンサーであって、前記キャッチ機構部による前記X線管の固定の解除を検出することを特徴とする移動型X線装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の移動型X線装置であって、
    前記可動部は、前記X線管を前記台車に対し水平方向に移動する水平機構部を有し、
    前記少なくも一つの走行車輪の回転軸が前記台車の取付軸より外側に移動した後に前記水平機構部の動作を可能とする機構制御部をさらに備えることを特徴とする移動型X線装置。
  5. X線管と、X線管を支持する支持部と、X線管を駆動する駆動部と、X線管、支持部及び駆動部を搭載する台車とを備え、
    前記支持部は、前記台車に対する前記X線管の位置を可変にする回転機構部を備え、
    前記駆動部を、前記台車の走行方向と交差する方向に移動する移動機構と、前記回転機構部の動作を前記移動機構に伝達する伝達機構部をさらに備え、
    前記伝達機構部は、前記回転機構部による前記X線管の移動に伴い、前記移動機構を介して前記台車の走行方向と交差する方向における前記駆動部の位置を変更することを特徴とする移動型X線装置。
  6. 請求項5に記載の移動型X線装置であって、
    前記台車の走行方向は前記台車の長手方向であり、当該走行方向と交差する方向は前記台車の短手方向であることを特徴とする移動型X線装置。
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