JP2017005054A - 発光装置 - Google Patents

発光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017005054A
JP2017005054A JP2015115782A JP2015115782A JP2017005054A JP 2017005054 A JP2017005054 A JP 2017005054A JP 2015115782 A JP2015115782 A JP 2015115782A JP 2015115782 A JP2015115782 A JP 2015115782A JP 2017005054 A JP2017005054 A JP 2017005054A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
layer
periodic structure
light emitting
photoluminescence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015115782A
Other languages
English (en)
Inventor
享 橋谷
Akira Hashiya
享 橋谷
平澤 拓
Hiroshi Hirasawa
拓 平澤
安寿 稲田
Yasuhisa Inada
安寿 稲田
松尾 三紀子
Mikiko Matsuo
三紀子 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2015115782A priority Critical patent/JP2017005054A/ja
Priority to CN201610261401.1A priority patent/CN106252496B/zh
Priority to US15/169,771 priority patent/US9899577B2/en
Publication of JP2017005054A publication Critical patent/JP2017005054A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/48Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor body packages
    • H01L33/50Wavelength conversion elements
    • H01L33/508Wavelength conversion elements having a non-uniform spatial arrangement or non-uniform concentration, e.g. patterned wavelength conversion layer, wavelength conversion layer with a concentration gradient of the wavelength conversion material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/44Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the coatings, e.g. passivation layer or anti-reflective coating

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Planar Illumination Modules (AREA)
  • Illuminated Signs And Luminous Advertising (AREA)
  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)

Abstract

【課題】挟角配光の発光と、広角配光の発光とを備えた新規な構造を備えた発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置10は、励起光を受けて発光するフォトルミネッセンス層30と、フォトルミネッセンス層30上に位置し、フォトルミネッセンス層30から生じた光を出射する発光面40と、を備える。発光面40は、第1の領域40aおよび第2の領域40bを含み、フォトルミネッセンス層30が発する光は、空気中の波長がλaの第1の光を含み、第1の領域40aから出射する第1の光の指向角は、第2の領域40bから出射する第1の光の指向角よりも小さい。
【選択図】図1A

Description

本開示は、フォトルミネッセンス層を有する発光装置に関する。
照明器具、ディスプレイ、プロジェクターといった光学デバイスには、指向性の高いものと低いものとがある。蛍光灯、白色LEDなどのデバイスで使用されているフォトルミネッセンス材料は、等方的に発光する。よって、これらのデバイスは、原理的に低い指向性、すなわち広角の配光特性を有する。しかし、多くの用途において、発光装置は必要な方向に強く光を出射する特性、即ち挟角の配光特性が求められる。特定の方向に強く光を出射させるために、一般的な発光装置では、フォトルミネッセンス材料とともに、リフレクターやレンズなどの光学部品が用いられる。例えば、特許文献1は、配光板および補助反射板を用いて指向性を確保した照明システムを開示している。
特開2010−231941号公報
従来の発光装置には、指向性の高い(即ち、挟角配光の)発光と、指向性の低い(即ち、広角配光の)発光とを同時に行うものは存在しない。
本開示は、挟角配光の発光と、広角配光の発光とを備えた新規な構造を備えた発光装置を提供する。
本開示の一態様に係る発光装置は、励起光を受けて発光するフォトルミネッセンス層と、前記フォトルミネッセンス層上に位置し、前記フォトルミネッセンス層から生じた光を出射する発光面と、を備える。前記発光面は、第1の領域および第2の領域を含み、前記フォトルミネッセンス層が発する光は、空気中の波長がλaの第1の光を含み、前記第1の領域から出射する前記第1の光の指向角は、前記第2の領域から出射する前記第1の光の指向角よりも小さい。
本開示の他の態様に係る発光装置は、励起光を受けて発光する第1のフォトルミネッセンス層を含む第1の発光層と、前記第1の発光層の少なくとも一部の上に位置する第2の発光層であって、前記第1の発光層を透過した前記励起光を受けて発光する第2のフォトルミネッセンス層を含む第2の発光層と、を備える。前記第1および第2のフォトルミネッセンス層が発する光は、空気中の波長がλaの第1の光を含む。前記第1および第2の発光層の一方は、前記第1または第2のフォトルミネッセンス層に平行な面に沿って拡がる少なくとも1つの周期構造を有する。前記周期構造は複数の凸部および複数の凹部の少なくとも一方を含む。前記一方の発光層に含まれる前記フォトルミネッセンス層の、前記第1の光に対する屈折率をnwav-aとし、前記少なくとも1つの周期構造の周期をpaとすると、λa/nwav-a<pa<λaの関係が成り立つ。前記一方の発光層の表面から出射する前記第1の光の指向角は、他方の発光層の表面から出射する前記第1の光の指向角よりも小さい。
上記の包括的または具体的な態様は、素子、装置、システム、方法、またはこれらの任意の組み合わせで実現されてもよい。
本開示のある実施形態による発光装置は、挟角配光の領域と広角配光の領域とを備えるため、広い範囲を明るくしながら、特定の場所をさらに明るくするといった用途に使用することができる。
本開示のある実施形態による発光装置は、新規な構成を有し、新規なメカニズムに従って、輝度、指向性、または偏光特性を制御することができる。
本開示のある実施形態における発光装置10の概略的な構造を示す断面図である。 他の実施形態における発光装置10の概略的な構成を示す模式断面図である。 発光装置10の発光面における挟角配光領域40aおよび広角配光領域40bの配置の一例を示す平面図である。 発光装置10から出射する光の配光特性を模式的に示す図である。 発光装置10の他の変形例を示す図である。 発光装置10から出射する光の配光特性の他の例を模式的に示す図である。 発光装置10のさらに他の変形例を示す図である。 発光装置10のさらに他の変形例を示す図である。 発光装置10における挟角配光の領域と広角配光の領域との体積比を説明するための図である。 挟角配光の領域を広角配光の領域よりも大きくした発光装置10の一例を示す平面図である。 ある実施形態による発光素子の構成を示す斜視図である。 図8Aに示す発光素子の部分断面図である。 他の実施形態による発光素子の構成を示す斜視図である。 図8Cに示す発光素子の部分断面図である。 発光波長および周期構造の高さをそれぞれ変えて、正面方向に出射する光の増強度を計算した結果を示す図である。 式(10)におけるm=1およびm=3の条件を図示したグラフである。 発光波長およびフォトルミネッセンス層の厚さtを変えて正面方向に出力する光の増強度を計算した結果を示す図である。 厚さt=238nmのときに、x方向に導波するモードの電場分布を計算した結果を示す図である。 厚さt=539nmのときに、x方向に導波するモードの電場分布を計算した結果を示す図である。 厚さt=300nmのときに、x方向に導波するモードの電場分布を計算した結果を示す図である。 図9の計算と同じ条件で、光の偏光がy方向に垂直な電場成分を有するTEモードである場合について光の増強度を計算した結果を示す図である。 2次元の周期構造の例を示す平面図である。 2次元周期構造に関して図9と同様の計算を行った結果を示す図である。 発光波長および周期構造の屈折率を変えて正面方向に出力する光の増強度を計算した結果を示す図である。 図15と同様の条件でフォトルミネッセンス層の膜厚を1000nmにした場合の結果を示す図である。 発光波長および周期構造の高さを変えて正面方向に出力する光の増強度を計算した結果を示す図である。 図17と同様の条件で、周期構造の屈折率をnp=2.0とした場合の計算結果を示す図である。 光の偏光がy方向に垂直な電場成分を有するTEモードであるものとして図16に示す計算と同様の計算を行った結果を示す図である。 図16に示す計算と同様の条件で、フォトルミネッセンス層の屈折率nwavを1.5に変更した場合の結果を示す図である。 屈折率が1.5の透明基板の上に、図9に示す計算と同じ条件のフォトルミネッセンス層および周期構造を設けた場合の計算結果を示す図である。 式(15)の条件を図示したグラフである。 図8A、8Bに示す発光素子100と、励起光をフォトルミネッセンス層110に入射させる光源180とを備える発光装置200の構成例を示す図である。 励起光を擬似導波モードに結合させることで、効率よく光を出射させる構成を説明するための第1の図である。 励起光を擬似導波モードに結合させることで、効率よく光を出射させる構成を説明するための第2の図である。 図24Aの構成における光の吸収率の波長依存性を示す図である。 図24Bの構成における光の吸収率の波長依存性を示す図である。 2次元周期構造の一例を示す図である。 2次元周期構造の他の例を示す図である。 透明基板上に周期構造を形成した変形例を示す図である。 透明基板上に周期構造を形成した他の変形例を示す図である。 図26Aの構成において、発光波長および周期構造の周期を変えて正面方向に出力する光の増強度を計算した結果を示す図である。 複数の粉末状の発光素子を混ぜた構成を示す図である。 フォトルミネッセンス層の上に周期の異なる複数の周期構造を2次元に配列した例を示す平面図である。 表面に凹凸構造が形成された複数のフォトルミネッセンス層110が積層された構造を有する発光素子の一例を示す図である。 フォトルミネッセンス層110と周期構造120との間に保護層150を設けた構成例を示す断面図である。 フォトルミネッセンス層110の一部のみを加工することによって周期構造120を形成した例を示す図である。 周期構造を有するガラス基板上に形成されたフォトルミネッセンス層の断面TEM像を示す図である。 試作した発光素子の出射光の正面方向のスペクトルを測定した結果を示すグラフである。 (a)および(b)は、試作した発光素子の出射光の角度依存性を測定した結果(上段)および計算結果(下段)を示すグラフである。 (a)および(b)は、試作した発光素子の出射光の角度依存性を測定した結果(上段)および計算結果(下段)を示すグラフである。 試作した発光素子の出射光(波長610nm)の角度依存性を測定した結果を示すグラフである。 スラブ型導波路の一例を模式的に示す斜視図である。
[1.本開示の実施形態の概要]
本開示は、以下の項目に記載の発光素子および発光装置を含む。
[項目1]
励起光を受けて発光するフォトルミネッセンス層と、
前記フォトルミネッセンス層上に位置し、前記フォトルミネッセンス層から生じた光を出射する発光面と、
を備え、
前記発光面は、第1の領域および第2の領域を含み、
前記フォトルミネッセンス層が発する光は、空気中の波長がλaの第1の光を含み、
前記第1の領域から出射する前記第1の光の指向角は、前記第2の領域から出射する前記第1の光の指向角よりも小さい、
発光装置。
[項目2]
前記第1の領域は、前記フォトルミネッセンス層に近接する透光層の表面である、項目1に記載の発光装置。
[項目3]
前記フォトルミネッセンス層および前記透光層の少なくとも一方が、複数の凸部および複数の凹部の少なくとも一方を含む少なくとも1つの周期構造を有し、
前記第1の光に対する前記フォトルミネッセンス層の屈折率をnwav-aとし、前記少なくとも1つの周期構造の周期をpaとすると、λa/nwav-a<pa<λaの関係が成り立つ、
項目2に記載の発光装置。
[項目4]
前記透光層が前記少なくとも1つの周期構造を有する、
項目2に記載の発光装置。
[項目5]
前記発光面は、前記フォトルミネッセンス層の表面である、項目1に記載の発光装置。
[項目6]
前記フォトルミネッセンス層は、前記第1の領域に、複数の凸部および複数の凹部の少なくとも一方を含む少なくとも1つの周期構造を有し、
前記第1の光に対する前記フォトルミネッセンス層の屈折率をnwav-aとし、前記少なくとも1つの周期構造の周期をpaとすると、λa/nwav-a<pa<λaの関係が成り立つ、
項目5に記載の発光装置。
[項目7]
前記フォトルミネッセンス層は、前記表面の逆側の面における前記第1の領域に対向する領域に、複数の凸部および複数の凹部の少なくとも一方を含む少なくとも1つの周期構造を有し、
前記第1の光に対する前記フォトルミネッセンス層の屈折率をnwav-aとし、前記少なくとも1つの周期構造の周期をpaとすると、λa/nwav-a<pa<λaの関係が成り立つ、
項目5に記載の発光装置。
[項目8]
前記第2の領域の少なくとも一部は、前記発光面の端部に位置している、項目1から7のいずれかに記載の発光装置。
[項目9]
前記第2の領域は、前記第1の領域を取り囲んでいる、項目1から8のいずれかに記載の発光装置。
[項目10]
前記第1の領域の面積は、前記第2の領域の面積よりも大きい、項目1から9のいずれかに記載の発光装置。
[項目11]
前記第2の領域の面積は、前記第1の領域の面積よりも大きい、項目1から10のいずれかに記載の発光装置。
[項目12]
励起光を受けて発光する第1のフォトルミネッセンス層を含む第1の発光層と、
前記第1の発光層の少なくとも一部の上に位置する第2の発光層であって、前記第1の発光層を透過した前記励起光を受けて発光する第2のフォトルミネッセンス層を含む第2の発光層と、
を備え、
前記第1および第2のフォトルミネッセンス層が発する光は、空気中の波長がλaの第1の光を含み、
前記第1および第2の発光層の一方は、前記第1または第2のフォトルミネッセンス層に平行な面に沿って拡がる少なくとも1つの周期構造を有し、前記周期構造は複数の凸部および複数の凹部の少なくとも一方を含み、
前記一方の発光層に含まれる前記フォトルミネッセンス層の、前記第1の光に対する屈折率をnwav-aとし、前記少なくとも1つの周期構造の周期をpaとすると、λa/nwav-a<pa<λaの関係が成り立ち、
前記一方の発光層の表面から出射する前記第1の光の指向角は、他方の発光層の表面から出射する前記第1の光の指向角よりも小さい、
発光装置。
[項目13]
前記第1および第2の発光層の前記一方は、前記一方の発光層に含まれる前記フォトルミネッセンス層に近接する透光層を含み、
前記フォトルミネッセンス層および前記透光層の少なくとも一方が前記周期構造を有する、
項目12に記載の発光装置。
[項目14]
前記第1および第2の発光層の前記一方に含まれる前記フォトルミネッセンス層が前記周期構造を有する、項目12に記載の発光装置。
[項目15]
前記第2の発光層が前記周期構造を有し、
前記第2の発光層の前記表面から出射する前記第1の光の指向角は、前記第1の発光層の前記表面から出射する前記第1の光の指向角よりも小さい、
項目12に記載の発光装置。
[項目16]
前記フォトルミネッセンス層と前記透光層とは直接接している、項目2、3、4または12に記載の発光装置。
[項目17]
前記励起光を出射する励起光源をさらに備える項目1から16のいずれかに記載の発光装置。
従来、相対的に狭い指向角(即ち挟角配光)の発光領域および相対的に広い指向角(即ち広角配光)の発光領域の両方を含む発光装置は存在しなかった。そのような発光装置を実現するためには、従来の広角配光の光源と、リフレクターやレンズなどの光学部品を用いて挟角配光を実現した光源とを組み合わせる以外に方法はなかった。しかし、そのような2種類の光源を単に組み合わせた構成では、それぞれの光源を別々に製造し、それらを結合させる必要があるため、製造工程が多くなる。
本発明者らは、上記の課題を見出し、挟角配光の発光領域と広角配光の発光領域とを1つの発光素子が備える構造を鋭意検討した。その結果、以下に説明する実施形態の構造を採用することにより、挟角配光および広角配光の両方の特性を有する発光装置を簡易に製造できることを見出した。
図1Aは、本開示のある実施形態における発光装置10の概略的な構造を示す断面図である。この発光装置10は、励起光を発する励起光源20と、励起光を受けて発光するフォトルミネッセンス層30と、フォトルミネッセンス層30の上に位置し、フォトルミネッセンス層30から生じた光を出射する発光面40とを備える。発光面40は、第1の領域40aおよび第2の領域40bを含む。フォトルミネッセンス層30が発する光は、空気中の波長がλaの第1の光を含む。波長λaは、例えば可視光の波長域に含まれる任意の波長である。典型的には、フォトルミネッセンス層30が発する光は、白色光に近い広い波長域の光であり得る。第1の領域40aから出射する第1の光の指向角は、第2の領域40bから出射する第1の光の指向角よりも小さい。ここで「指向角」とは、発光面から出射する光の強度が最大である方向と、光の強度が最大強度の50%になる方向との間の角度であると定義する。以下の説明では、第1の領域40aを「挟角配光領域40a」、第2の領域40bを「広角配光領域40b」と称することがある。
図1Aに示す例では、発光面40は、フォトルミネッセンス層30の表面である。図1Aでは発光面40とフォトルミネッセンス層30との間に界面が存在するように描かれているが、実際にはそのような界面は存在しない。
図1Bは、他の実施形態における発光装置10の概略的な構成を示す模式断面図である。この発光装置10aは、フォトルミネッセンス層30の上に位置する透光層50をさらに備えている。この例では、透光層50の表面が発光面40である。図1Bでも発光面40と透光層50との間に界面が存在するように描かれているが、実際にはそのような界面は存在しない。
発光面40における第1の領域40aには、本発明者らが見出した新規な構造(サブミクロン構造または周期構造と称する。)が設けられ得る。詳細は後述するが、この構造は、発光面に平行な面に沿って拡がる少なくとも1つの周期構造を有する。第1の光に対するフォトルミネッセンス層30の屈折率をnwav-aとし、上記周期構造の周期をpaとすると、λa/nwav-a<pa<λaの関係が成り立つ。このような条件を満足することにより、後述するように高い指向性の発光が実現する。
上記の周期構造は、第1の領域40a自体に設けられている必要はなく、第1の領域40aと励起光源20との間の領域に設けられていてもよい。周期構造は、フォトルミネッセンス層30または透光層50の、発光面40とは逆側の面における第1の領域40aに対向する部分に設けられていてもよい。
第2の領域40bには、上記のような周期構造は設けられていない。第2の領域40bは、例えばガラスや合成樹脂等の透光性のカバーや、光を散乱させる散乱板などの表面であり得る。
図2Aは、発光装置10の発光面における挟角配光領域40aおよび広角配光領域40bの配置の一例を示す平面図である。図2Bは、発光装置10から出射する光の配光特性を模式的に示す図である。この例では、第1の領域40aが発光面の中央付近に位置し、第2の領域40bが第1の領域40bを取り囲んでいる。発光面の第1の領域40aからは挟角配光の光L1が出射する。第2の領域40bからは広角配光の光L2が出射する。このような構成により、広い範囲を明るく照らしながら、特定の場所をさらに強く照射することができる。
図3Aおよび図3Bは、発光装置10の他の変形例を示す図である。この発光装置10では、第2の領域40bが発光面40の端部に位置している。このように、第2の領域40bの少なくとも一部が発光面40の端部に設けられていてもよい。これにより、例えば部屋全体を明るくしながら部屋の隅を強く照射することができる。
図4は、発光装置10のさらに他の変形例を示す図である。この例では、発光装置10は、広角配光の第1の発光層60aと、その上に位置する挟角配光の第2の発光層60bとを備える。第1の発光層60aは、第1のフォトルミネッセンス層30aを含む。第2の発光層60bは、第2のフォトルミネッセンス層30bと、発光面40とを含む。この例では、発光面40はフォトルミネッセンス層30bの表面であるが、前述の例のように、透光層の表面であってもよい。フォトルミネッセンス層30a、30bは、同じ材料で構成されていてもよいし、異なる材料で構成されていてもよい。
フォトルミネッセンス層30a、30bが発する光は、空気中の波長がλaの第1の光を含む。発光層60bにおける発光面40は、その内部のフォトルミネッセンス層30bに平行な面に沿って拡がる少なくとも1つの周期構造を有する。フォトルミネッセンス層30bの第1の光に対する屈折率をnwav-aとし、少なくとも1つの周期構造の周期をpaとすると、λa/nwav-a<pa<λaの関係が成り立つ。その結果、発光面40から出射する第1の光の指向角は、発光層60aの表面(この例では、フォトルミネッセンス層30bに接する面)から出射する第1の光の指向角よりも小さくなる。
この例では、第2の発光層60bが周期構造を有しているが、第1の発光層60aが周期構造を有していてもよい。その場合、第1の発光層60aに含まれるフォトルミネッセンス層30aまたは不図示の透光層に周期構造が設けられ得る。
図5は、発光装置10のさらに他の変形例を示す図である。この発光装置10では、広角配光の発光層(発光領域)60aの一部の上に挟角配光の発光層(発光領域)60bが位置している。この例のように、挟角配光の発光領域が広角配光の発光領域に埋め込まれていてもよい。
図4および図5に示す例のように、挟角配光の発光領域と広角配光の発光領域とを異なる面上に形成(積層)することにより、小型化を実現することができる。
以上の例において、挟角配光領域および広角配光領域の配置、形状、大きさについては、利用用途に応じて適宜設計され得る。挟角配光領域の位置をずらす車輪やモータなどの駆動機構を設けたり、リモコン等の操作に応じて挟角配光領域の位置、明るさ、色を変化させる制御機構を適用したりしてもよい。
図6は、発光装置10における挟角配光の領域と広角配光の領域との体積比を説明するための図である。部屋を明るくするために必要な光束は、例えば約16m2の部屋で4000〜5000lm程度である。一方、作業をするために必要な光束は、例えば1m2の作業スペースで750〜1500lm程度である。この例では、挟角配光の光束よりも広角配光の光束の方が必要とされる量が多いため、挟角配光の発光領域の体積よりも広角配光の領域の体積の方が大きく設計される。この用途では、広角配光の発光領域の体積に対する挟角配光の領域の体積の割合は、例えば1/5以上1/2以下であり得る。
一方、挟角配光の領域を広角配光の領域よりも大きく設計してもよい。図7は、そのように設計された発光装置10の一例を示す平面図である。この発光装置10は、図1Aまたは図1Bに示す構成と同様の構成を有する。ただし、挟角配向領域40aが広角配向領域40bよりも著しく大きい点で前述の構成とは異なっている。この例では、挟角配向領域40aの面積は、発光面の面積の8割以上を占めている。このような構成は、主に指向性の高い光を利用する用途に適用される。広角配向領域40bは、挟角配向領域40aを取り囲むガラスや合成樹脂等の枠(いわゆる額縁)であり得る。主に指向性の高い光を利用する用途の場合、広角配向領域40bは発光領域としてよりもむしろ額縁として機能させても良い。すなわち、発光装置10を筐体等の支持部に取り付ける際に掴む部分として機能させても良い。広角配向領域40bを掴んで支持部に固定させれば、挟角配向領域40aを傷つけることなく組み立てを容易に行うことが可能となる。 以上の例では、発光装置10が励起光源を備えているが、励起光源は発光装置10の外部の要素であってもよい。また、挟角配光を実現するための構成は、周期構造を用いる構成に限定されない。図1Aおよび図1Bに例示するように1つのフォトルミネッセンス層を複数の発光領域が共用するタイプでは、複数の領域から指向性の異なる光が出射するように設計されていればよい。例えば、第1の領域40aに既存の指向性の比較的高いLEDなどの光源を組み込み、第2の領域40bに光拡散板を設けたりしてもよい。
以下、挟角配光を実現するための周期構造をより詳細に説明する。周期構造は、完全に周期的な構造である必要はなく、少なくとも一部が周期的であればよい。また、複数の周期構造の組み合わせであってもよい。周期構造の周期がミクロンオーダよりも小さい場合、そのような構造は「サブミクロン構造」と称することができる。挟角配光のために用いられる発光素子には、例えば以下に説明する各種の構成を採用することができる。
本開示のある実施形態による発光素子は、フォトルミネッセンス層と、前記フォトルミネッセンス層に近接して配置された透光層と、前記フォトルミネッセンス層および前記透光層の少なくとも一方に形成され、前記フォトルミネッセンス層または前記透光層の面内に広がるサブミクロン構造とを有する。サブミクロン構造は、複数の凸部または複数の凹部を含む。フォトルミネッセンス層が発する光は、空気中の波長がλaの第1の光を含む。隣接する凸部間または凹部間の距離をDintとし、第1の光に対するフォトルミネッセンス層の屈折率をnwav-aとすると、λa/nwav-a<Dint<λaの関係が成り立つ。波長λaは、例えば、可視光の波長範囲内(例えば、380nm以上780nm以下)にある。赤外線を利用する用途では、波長λaは、780nmを超える場合もあり得る。本開示では、赤外線も含めた放射全般を「光」と表現する。
フォトルミネッセンス層は、フォトルミネッセンス材料を含む。フォトルミネッセンス材料は、励起光を受けて発光する材料を意味する。フォトルミネッセンス材料は、狭義の蛍光材料および燐光材料を包含し、無機材料だけなく、有機材料(例えば色素)を包含し、さらには、量子ドット(即ち、半導体微粒子)を包含する。フォトルミネッセンス層は、フォトルミネッセンス材料に加えて、マトリクス材料(即ち、ホスト材料)を含んでもよい。マトリクス材料は、例えば、ガラスや酸化物などの無機材料や樹脂である。
フォトルミネッセンス層に近接して配置される透光層は、フォトルミネッセンス層が発する光に対して透過率が高い材料で形成される。例えば、無機材料や樹脂で形成される。透光層は、例えば誘電体(特に、光の吸収が少ない絶縁体)で形成される。透光層は、例えば、フォトルミネッセンス層を支持する基板であってよい。フォトルミネッセンス層の空気側の表面がサブミクロン構造を有する場合、空気層が透光層となり得る。
発光素子は、後に計算結果および実験結果を参照して詳述するように、フォトルミネッセンス層および透光層の少なくとも一方に形成されたサブミクロン構造(例えば、周期構造)によって、フォトルミネッセンス層および透光層の内部に、ユニークな電場分布を形成する。この電場分布は、導波光がサブミクロン構造と相互作用して形成されるものであり、「擬似導波モード」と表現することもできる。この擬似導波モードを活用することで、以下で説明するように、フォトルミネッセンスの発光効率の増大、指向性の向上、偏光の選択性の効果を得ることができる。なお、以下の説明において、擬似導波モードという用語を使って、本発明者らが見出した、新規な構成および/または新規なメカニズムを説明することがある。以下の説明は、1つの例示的な説明に過ぎず、本開示をいかなる意味においても限定するものではない。
サブミクロン構造は、複数の凸部および複数の凹部の少なくとも一方を含む。隣接する凸部間または凹部間の距離(即ち、中心間距離)をDintとすると、λa/nwav-a<Dint<λaの関係を満足する。λは光の波長を表し、λaは空気中での光の波長であることを表す。nwavはフォトルミネッセンス層の屈折率である。フォトルミネッセンス層が複数の材料を混合した媒質である場合、各材料の屈折率をそれぞれの体積比率で重み付けした平均屈折率をnwavとする。一般に屈折率nは波長に依存するので、λaの光に対する屈折率であることをnwav-aと明示することが望ましいが、簡単のために省略することがある。nwavは基本的にフォトルミネッセンス層の屈折率である。ただし、フォトルミネッセンス層に隣接する層の屈折率がフォトルミネッセンス層の屈折率よりも大きい場合には、当該屈折率が大きい層の屈折率およびフォトルミネッセンス層の屈折率をそれぞれの体積比率で重み付けした平均屈折率をnwavとする。この場合は、光学的には、フォトルミネッセンス層が複数の異なる材料の層で構成されている場合と等価であるからである。
擬似導波モードの光に対する媒質の有効屈折率をneffとすると、na<neff<nwavを満たす。ここで、naは空気の屈折率である。擬似導波モードの光を、フォトルミネッセンス層の内部を入射角θで全反射しながら伝播する光であると考えると、有効屈折率neffは、neff=nwavsinθと表すことができる。有効屈折率neffは、擬似導波モードの電場が分布する領域に存在する媒質の屈折率によって決まる。このため、例えば、サブミクロン構造が透光層に形成されている場合、フォトルミネッセンス層の屈折率だけでなく、透光層の屈折率にも依存する。また、擬似導波モードの偏光方向(TEモードとTMモード)により、電場の分布は異なるので、TEモードとTMモードとでは有効屈折率neffは異なり得る。
サブミクロン構造は、フォトルミネッセンス層および透光層の少なくとも一方に形成される。フォトルミネッセンス層と透光層とが互いに接するとき、フォトルミネッセンス層と透光層との界面にサブミクロン構造が形成されてもよい。このとき、フォトルミネッセンス層および透光層がサブミクロン構造を有する。フォトルミネッセンス層はサブミクロン構造を有さなくてもよい。このとき、サブミクロン構造を有する透光層がフォトルミネッセンス層に近接して配置される。ここで、透光層(またはそのサブミクロン構造)がフォトルミネッセンス層に近接するとは、典型的には、これらの間の距離が、波長λaの半分以下であることをいう。これにより、導波モードの電場がサブミクロン構造に到達し、擬似導波モードが形成される。ただし、透光層の屈折率がフォトルミネッセンス層の屈折率よりも大きいときには上記の関係を満足しなくても透光層まで光が到達するため、透光層のサブミクロン構造とフォトルミネッセンス層との間の距離は、波長λaの半分超であってもよい。本明細書では、フォトルミネッセンス層と透光層とが、導波モードの電場がサブミクロン構造に到達し、擬似導波モードが形成されるような配置関係にあるとき、両者が互いに関連付けられていると表現することがある。
サブミクロン構造は、上記のように、λa/nwav-a<Dint<λaの関係を満足するので、サブミクロンオーダーの大きさで特徴づけられる。サブミクロン構造は、例えば、以下に詳細に説明する実施形態の発光素子におけるように、少なくとも1つの周期構造を含む。少なくとも1つの周期構造は、周期をpaとすると、λa/nwav-a<pa<λaの関係が成り立つ。すなわち、この場合、サブミクロン構造は、隣接する凸部間の距離Dintがpaで一定の周期構造を有する。サブミクロン構造が周期構造を含むと、擬似導波モードの光は、伝播しながら周期構造と相互作用を繰り返すことにより、サブミクロン構造によって回折される。これは、自由空間を伝播する光が周期構造により回折する現象とは異なり、光が導波しながら(即ち、全反射を繰り返しながら)周期構造と作用する現象である。したがって、周期構造による位相シフトが小さくても(即ち、周期構造の高さが小さくても)効率よく光の回折を起こすことができる。
以上のようなメカニズムを利用すれば、擬似導波モードにより電場が増強される効果によって、フォトルミネッセンスの発光効率が増大するとともに、発生した光が擬似導波モードに結合する。擬似導波モードの光は、周期構造で規定される回折角度だけ進行角度が曲げられる。これを利用することによって、特定の波長の光を特定の方向に出射することができる(指向性が顕著に向上)。さらに、TEとTMモードで有効屈折率neff(=nwavsinθ)が異なるので、高い偏光の選択性を同時に得ることもできる。例えば、後に実験例を示すように、特定の波長(例えば610nm)の直線偏光(例えばTMモード)を正面方向に強く出射する発光素子を得ることができる。このとき、正面方向に出射される光の指向角は例えば15°未満である。
逆に、サブミクロン構造の周期性が低くなると、指向性、発光効率、偏光度および波長選択性が弱くなる。必要に応じて、周期性を調整すればよい。周期構造は、偏光の選択性が高い1次元周期構造であってもよいし、偏光度を小さくできる2次元周期構造であってもよい。
サブミクロン構造は、複数の周期構造を含み得る。複数の周期構造は、例えば、周期(ピッチ)が互いに異なる、あるいは、周期性を有する方向(軸)が互いに異なる。複数の周期構造は、同一面内に形成されてもよいし、異なる面に形成されていてもよい。もちろん、発光素子は、複数のフォトルミネッセンス層と複数の透光層とを有し、これらが複数のサブミクロン構造を有してもよい。
サブミクロン構造は、フォトルミネッセンス層が発する光を制御するためだけでなく、励起光を効率よくフォトルミネッセンス層に導くためにも用いることができる。すなわち、励起光がサブミクロン構造により回折されフォトルミネッセンス層および透光層を導波する擬似導波モードに結合することで、効率よくフォトルミネッセンス層を励起することができる。フォトルミネッセンス材料を励起する光の空気中における波長をλexとし、この励起光に対するフォトルミネッセンス層の屈折率をnwav-exとすると、λex/nwav-ex<Dint<λexの関係が成り立つサブミクロン構造を用いればよい。nwav-exはフォトルミネッセンス材料の励起波長における屈折率である。周期をpexとすると、λex/nwav-ex<pex<λexの関係が成り立つ周期構造を有するサブミクロン構造を用いてもよい。励起光の波長λexは、例えば、450nmであるが、可視光よりも短波長であってもよい。励起光の波長が可視光の範囲内にある場合、フォトルミネッセンス層が発する光とともに、励起光を出射するようにしてもよい。
[2.本開示の基礎となった知見]
次に、本開示の基礎となった知見を説明する。上述のように、蛍光灯、白色LEDなどで使われるフォトルミネッセンス材料は等方的に発光するので、特定の方向を光で照らすためには、リフレクターやレンズなどの光学部品が必要である。しかしながら、もしフォトルミネッセンス層自身が指向性をもって発光すれば、上記のような光学部品は不要になるので(若しくは小さくできるので)、光学デバイスや器具の大きさを大幅に小さくすることができる。本発明者らは、このような着想に基づき、指向性発光を得るために、フォトルミネッセンス層の構成を詳細に検討した。
本発明者らは、まず、フォトルミネッセンス層からの光が特定の方向に偏るようにするため、発光自体に特定の方向性をもたせることを考えた。発光を特徴付ける指標である発光レートΓは、フェルミの黄金則により、以下の式(1)で表される。
Figure 2017005054
式(1)において、rは位置を表すベクトル、λは光の波長、dは双極子ベクトル、Eは電場ベクトル、ρは状態密度である。一部の結晶性物質を除く多くの物質では、双極子ベクトルdはランダムな方向性を有している。また、フォトルミネッセンス層のサイズと厚さが光の波長よりも十分に大きい場合、電場Eの大きさも向きに依らずほとんど一定である。よって、ほとんどの場合、<(d・E(r))>2の値は方向に依らない。即ち、発光レートΓは方向に依らず一定である。このため、ほとんどの場合においてフォトルミネッセンス層は等方的に発光する。
一方、式(1)から、異方的な発光を得るためには、双極子ベクトルdを特定の方向に揃えるか、電場ベクトルの特定方向の成分を増強するかのいずれかの工夫が必要である。これらのいずれかの工夫を行うことで、指向性発光を実現できる。本開示では、フォトルミネッセンス層へ光を閉じ込める効果により、特定方向の電場成分が増強された擬似導波モードを利用するための構成について検討し、詳細に分析した結果を以下に説明する。
本願発明者らは、電場が強い導波モードを用いて、発光の制御を行うことを考えた。導波構造自体がフォトルミネッセンス材料を含む構成とすることで、発光を導波モードに結合させることができる。しかし、ただ単にフォトルミネッセンス材料を用いて導波構造を形成しただけでは、発せられた光が導波モードとなるため、正面方向へはほとんど光は出てこない。そこで、フォトルミネッセンス材料を含む導波路と周期構造(複数の凸部および複数の凹部の少なくとも一方で形成された)とを組み合わせることを考えた。導波路に周期構造が近接し、光の電場が周期構造と重なりながら導波する場合、周期構造の作用により擬似導波モードが存在する。つまり、この擬似導波モードは、周期構造により制限された導波モードであり、電場振幅の腹が周期構造の周期と同じ周期で発生することを特徴とする。このモードは、光が導波構造に閉じ込められることにより特定方向への電場が強められたモードである。さらに、このモードは周期構造と相互作用することで、回折効果により特定方向の伝播光へと変換されるため、導波路外部へと光を出射することができる。さらに、擬似導波モード以外の光は導波路内に閉じ込められる効果が小さいため、電場は増強されない。よって、発光のほとんどは大きな電場成分を有する擬似導波モードへと結合することになる。
つまり、本願発明者らは、周期構造が近接して設けられた導波路を、フォトルミネッセンス材料を含むフォトルミネッセンス層(あるいはフォトルミネッセンス層を有する導波層)とすることで、発光を特定方向の伝播光へと変換される擬似導波モードへ結合させ、指向性のある光源を実現することを考えた。
導波構造の簡便な構成として、スラブ型導波路に着目した。スラブ型導波路とは、光の導波部分が平板構造を有する導波路のことである。図37は、スラブ型導波路110Sの一例を模式的に示す斜視図である。導波路110Sの屈折率が導波路110Sを支持する透明基板140の屈折率よりも高いとき、導波路110S内を伝播する光のモードが存在する。このようなスラブ型導波路をフォトルミネッセンス層を含む構成とすることで、発光点から生じた光の電場が導波モードの電場と大きく重なりをもつので、フォトルミネッセンス層で生じた光の大部分を導波モードに結合させることができる。さらに、フォトルミネッセンス層の厚さを光の波長程度とすることにより、電場振幅の大きい導波モードのみが存在する状況を作り出すことができる。
さらに、フォトルミネッセンス層に周期構造が近接する場合には、導波モードの電場が周期構造と相互作用することで擬似導波モードが形成される。フォトルミネッセンス層が複数の層で構成されている場合でも、導波モードの電場が周期構造に達していれば、擬似導波モードが形成されることになる。フォトルミネッセンス層の全てがフォトルミネッセンス材料である必要はなく、その少なくとも一部の領域が発光する機能を有していればよい。
また、周期構造を金属で形成した場合には、導波モードとプラズモン共鳴の効果によるモードが形成され、上で述べた擬似導波モードとは異なる性質となる。また、このモードは金属による吸収が大きいためロスが大きくなり、発光増強の効果は小さくなる。したがって、周期構造としては、吸収の少ない誘電体を用いるのが望ましい。
本発明者らは、まずこのような導波路(例えば、フォトルミネッセンス層)の表面に、周期構造を形成することで、特定の角度方向の伝播光として出射することのできる擬似導波モードに発光を結合させることについて検討を行った。図8Aは、そのような導波路(例えば、フォトルミネッセンス層)110と周期構造(例えば、透光層)120とを有する発光素子100の一例を模式的に示す斜視図である。なお、図8Aは、図1Aから図7を参照して説明した挟角配向領域40aに対応する部分の構造を示している。周期構造を示す以降の図についても同様である。以下、透光層120が周期構造を形成している場合(即ち、透光層120に周期的なサブミクロン構造が形成されている場合)、透光層120を周期構造120ということがある。この例では、周期構造120は、各々がy方向に延びるストライプ状の複数の凸部がx方向に等間隔に並んだ1次元周期構造である。図8Bは、この発光素子100をxz面に平行な平面で切断したときの断面図である。導波路110に接するように周期pの周期構造120を設けると、面内方向の波数kwavをもつ擬似導波モードは、導波路外の伝播光へと変換され、その波数koutは以下の式(2)で表すことができる。
Figure 2017005054
式(2)におけるmは整数であり、回折の次数を表す。
ここで、簡単のため、近似的に導波路内を導波する光を角度θwavで伝播する光線であると考え、以下の式(3)および(4)が成立するとする。
Figure 2017005054
Figure 2017005054
これらの式において、λ0は光の空気中の波長、nwavは導波路の屈折率、noutは出射側の媒質の屈折率、θoutは光が導波路外の基板または空気に出射するときの出射角度である。式(2)〜(4)から、出射角度θoutは、以下の式(5)で表すことができる。
Figure 2017005054
式(5)より、nwavsinθwav=mλ0/pが成立するとき、θout=0となり、導波路の面に垂直な方向(即ち、正面)に光を出射させることができることがわかる。
以上のような原理に基づけば、発光を特定の擬似導波モードに結合させ、さらに周期構造を利用して特定の出射角度の光に変換することにより、その方向に強い光を出射させることができると考えられる。
上記のような状況を実現するためには、いくつかの制約条件がある。まず、擬似導波モードが存在するためには、導波路内で伝播する光が全反射することが必要である。このための条件は、以下の式(6)で表される。
Figure 2017005054
この擬似導波モードを周期構造によって回折させて導波路外に光を出射させるためには、式(5)において−1<sinθout<1である必要がある。よって、以下の式(7)を満足する必要がある。
Figure 2017005054
これに対し、式(6)を考慮すると、以下の式(8)が成立すればよいことがわかる。
Figure 2017005054
さらに、導波路110から出射される光の方向を正面方向(θout=0)にするためには、式(5)から、以下の式(9)が必要であることがわかる。
Figure 2017005054
式(9)および式(6)から、必要な条件は、以下の式(10)であることがわかる。
Figure 2017005054
なお、図8Aおよび図8Bに示すような周期構造を設けた場合には、mが2以上の高次の回折効率は低いため、m=1である1次の回折光を主眼に設計すると良い。このため、本実施形態における周期構造では、m=1として、式(10)を変形した以下の式(11)を満足するように周期pが決定される。
Figure 2017005054
図8Aおよび図8Bに示すように、導波路(フォトルミネッセンス層)110が透明基板に接していない場合には、noutは空気の屈折率(約1.0)となるため、以下の式(12)を満足するように周期pを決定すればよい。
Figure 2017005054
一方、図8Cおよび図8Dに例示するような透明基板140上にフォトルミネッセンス層110および周期構造120を形成した構造を採用してもよい。この場合には、透明基板140の屈折率nsが空気の屈折率よりも大きいことから、式(11)においてnout=nsとした次式(13)を満足するように周期pを決定すればよい。
Figure 2017005054
なお、式(12)、(13)では、式(10)においてm=1の場合を想定したが、m≧2であってもよい。すなわち、図8Aおよび図8Bに示すように発光素子100の両面が空気層に接している場合には、mを1以上の整数として、以下の式(14)を満足するように周期pが設定されていればよい。
Figure 2017005054
同様に、図8Cおよび図8Dに示す発光素子100aのようにフォトルミネッセンス層110が透明基板140上に形成されている場合には、以下の式(15)を満足するように周期pが設定されていればよい。
Figure 2017005054
以上の不等式を満足するように周期構造の周期pを決定することにより、フォトルミネッセンス層110から発生した光を正面方向に出射させることができるため、指向性を有する発光装置を実現できる。
[3.計算による検証]
[3−1.周期、波長依存性]
本発明者らは、以上のような特定方向への光の出射が実際に可能であるかを光学解析によって検証した。光学解析は、サイバネット社のDiffractMODを用いた計算によって行った。これらの計算では、発光素子に対して外部から垂直に光を入射したときに、フォトルミネッセンス層における光の吸収の増減を計算することで、外部へ垂直に出射する光の増強度を求めた。外部から入射した光が擬似導波モードに結合しフォトルミネッセンス層で吸収されるという過程は、フォトルミネッセンス層における発光が擬似導波モードへと結合し、外部へ垂直に出射する伝播光へと変換される過程と逆の過程を計算していることに対応する。また、擬似導波モードの電場分布の計算においても、同様に外部から光を入射した場合における電場を計算した。
フォトルミネッセンス層の膜厚を1μm、フォトルミネッセンス層の屈折率をnwav=1.8、周期構造の高さを50nm、周期構造の屈折率を1.5とし、発光波長および周期構造の周期をそれぞれ変えて、正面方向に出射する光の増強度を計算した結果を図9に示す。計算モデルは、図8Aに示すように、y方向には均一な1次元周期構造とし、光の偏光はy方向に平行な電場成分を有するTMモードであるとして計算を行った。図9の結果から、増強度のピークが、ある特定の波長と周期との組み合わせにおいて存在することがわかる。なお、図9において、増強度の大きさは色の濃淡で表されており、濃い(即ち黒い)方が増強度が大きく、淡い(即ち白い)方が増強度が小さい。
上記の計算において、周期構造の断面は、図8Bに示すような矩形であるものとしている。式(10)におけるm=1およびm=3の条件を図示したグラフを図10に示す。図9と図19とを比較すると、図9におけるピーク位置はm=1とm=3に対応するところに存在することがわかる。m=1の方が強度が強いのは、3次以上の高次の回折光よりも1次の回折光の回折効率の方が高いからである。m=2のピークが存在しないのは、周期構造における回折効率が低いためである。
図10で示したm=1およびm=3のそれぞれに対応する領域内において、図9では複数のラインが存在することが確認できる。これは、擬似導波モードが複数存在するからであると考えられる。
[3−2.厚さ依存性]
図11は、フォトルミネッセンス層の屈折率をnwav=1.8、周期構造の周期を400nm、高さを50nm、屈折率を1.5とし、発光波長およびフォトルミネッセンス層の厚さtを変えて正面方向に出力する光の増強度を計算した結果を示す図である。フォトルミネッセンス層の厚さtが特定の値であるときに光の増強度がピークに達することがわかる。
図11においてピークが存在する波長600nm、厚さt=238nm、539nmのときに、x方向に導波するモードの電場分布を計算した結果を図12Aおよび図12Bにそれぞれ示す。比較のため、ピークが存在しないt=300nmの場合について同様の計算を行った結果を図12Cに示す。計算モデルは、上記と同様、y方向に均一な1次元周期構造であるとした。各図において、黒い領域ほど電場強度が高く、白い領域ほど電場強度が低いことを表している。t=238nm、539nmの場合には高い電場強度の分布があるのに対して、t=300nmでは全体的に電場強度が低い。これは、t=238nm、539nmの場合には、導波モードが存在し、光が強く閉じ込められているからである。さらに、凸部または凸部の直下に電場が最も強い部分(腹)が必ず存在しており、周期構造120と相関のある電場が発生している特徴が見て取れる。つまり、周期構造120の配置に従って、導波するモードが得られていることがわかる。また、t=238nmの場合とt=539nmの場合とを比較すると、z方向の電場の節(白い部分)の数が1つだけ異なるモードであることが分かる。
[3−3.偏光依存性]
次に偏光依存性を確認するために、図9の計算と同じ条件で、光の偏光がy方向に垂直な電場成分を有するTEモードである場合について光の増強度の計算を行った。本計算の結果を図13に示す。TMモードのとき(図9)に比べ、ピーク位置は多少変化しているものの、図10で示した領域内にピーク位置が納まっている。よって、本実施形態の構成は、TMモード、TEモードのいずれの偏光についても有効であることが確認できた。
[3−4.2次元周期構造]
さらに、2次元の周期構造による効果の検討を行った。図14Aは、x方向およびy方向の両方向に凹部および凸部が配列された2次元の周期構造120’の一部を示す平面図である。図中の黒い領域が凸部、白い領域が凹部を示している。このような2次元周期構造では、x方向とy方向の両方の回折を考慮する必要がある。x方向のみ、あるいはy方向のみの回折に関しては1次元の場合と同様であるが、x、y両方の成分を有する方向(例えば、斜め45°方向)の回折も存在するため、1次元の場合とは異なる結果が得られることが期待できる。このような2次元周期構造に関して光の増強度を計算した結果を図14Bに示す。周期構造以外の計算条件は図9の条件と同じである。図14Bに示すように、図9に示すTMモードのピーク位置に加えて、図13に示すTEモードにおけるピーク位置と一致するピーク位置も観測された。この結果は、2次元周期構造により、TEモードも、回折により変換されて出力されていることを示している。また、2次元周期構造については、x方向およびy方向の両方について、同時に1次の回折条件を満足する回折も考慮する必要がある。このような回折光は、周期pの√2倍(即ち、21/2倍)の周期に対応する角度の方向に出射する。よって、1次元周期構造の場合のピークに加えて、周期pの√2倍の周期についてもピークが発生すると考えられる。図14Bでは、このようなピークも確認できる。
2次元周期構造としては、図14Aに示すようなx方向およびy方向の周期が等しい正方格子の構造に限らず、図23Aおよび図23Bのような六角形や三角形を並べた格子構造であってもよい。また、方位方向によって(例えば、正方格子の場合x方向およびy方向)の周期が異なる構造であってもよい。
以上のように、本実施形態では、周期構造とフォトルミネッセンス層とによって形成される特徴的な擬似導波モードの光を、周期構造による回折現象を利用して、正面方向にのみ選択的に出射できることが確認できた。このような構成で、フォトルミネッセンス層を紫外線や青色光などの励起光で励起させることにより、指向性を有する発光が得られる。
[4.周期構造およびフォトルミネッセンス層の構成の検討]
次に、周期構造およびフォトルミネッセンス層の構成や屈折率などの各種条件を変えたときの効果について説明する。
[4−1.周期構造の屈折率]
まず、周期構造の屈折率に関して検討を行った。フォトルミネッセンス層の膜厚を200nm、フォトルミネッセンス層の屈折率をnwav=1.8、周期構造は図8Aに示すようなy方向に均一な1次元周期構造とし、高さを50nm、周期を400nmとし、光の偏光はy方向に平行な電場成分を有するTMモードであるものとして計算を行った。発光波長および周期構造の屈折率を変えて正面方向に出力する光の増強度を計算した結果を図15に示す。また、同様の条件でフォトルミネッセンス層の膜厚を1000nmにした場合の結果を図16に示す。
まず、フォトルミネッセンス層の膜厚に着目すると、膜厚が200nmの場合(図15)に比べ、膜厚が1000nmの場合(図16)のほうが、周期構造の屈折率の変化に対する光強度がピークとなる波長(ピーク波長と称する。)のシフトが小さいことがわかる。これは、フォトルミネッセンス層の膜厚が小さいほど、擬似導波モードが周期構造の屈折率の影響を受けやすいからである。即ち、周期構造の屈折率が高いほど、有効屈折率が大きくなり、その分ピーク波長が長波長側にシフトするが、この影響は、膜厚が小さいほど顕著になる。なお、有効屈折率は、擬似導波モードの電場が分布する領域に存在する媒質の屈折率によって決まる。
次に、周期構造の屈折率の変化に対するピークの変化に着目すると、屈折率が高いほどピークが広がり強度が下がっていることがわかる。これは、周期構造の屈折率が高いほど擬似導波モードの光を外部に放出するレートが高いため、光を閉じ込める効果が減少する、すなわちQ値が低くなることが原因である。ピーク強度を高く保つためには、光を閉じ込める効果が高い(即ちQ値が高い)擬似導波モードを利用して、適度に光を外部に放出する構成にすればよい。これを実現するためには、屈折率がフォトルミネッセンス層の屈折率に比べて大き過ぎる材料を周期構造に用いるのは望ましくないことがわかる。したがって、ピーク強度およびQ値をある程度高くするためには、周期構造を構成する誘電体(即ち、透光層)の屈折率を、フォトルミネッセンス層の屈折率と同等以下にすればよい。フォトルミネッセンス層がフォトルミネッセンス材料以外の材料を含むときも同様である。
[4−2.周期構造の高さ]
次に、周期構造の高さに関して検討を行った。フォトルミネッセンス層の膜厚を1000nm、フォトルミネッセンス層の屈折率をnwav=1.8、周期構造は図8Aに示すようなy方向に均一な1次元周期構造で屈折率をnp=1.5、周期を400nmとし、光の偏光はy方向に平行な電場成分を有するTMモードであるものとして計算を行った。発光波長および周期構造の高さを変えて正面方向に出力する光の増強度を計算した結果を図17に示す。同様の条件で、周期構造の屈折率をnp=2.0とした場合の計算結果を図18に示す。図17に示す結果では、ある程度以上の高さではピーク強度やQ値(即ち、ピークの線幅)が変化していないのに対して、図18に示す結果では、周期構造の高さが大きいほどピーク強度およびQ値が低下していることがわかる。これは、フォトルミネッセンス層の屈折率nwavが周期構造の屈折率npよりも高い場合(図17)には、光が全反射するので、擬似導波モードの電場の染み出し(エバネッセント)部分のみが周期構造と相互作用することに起因する。電場のエバネッセント部分と周期構造との相互作用の影響は、周期構造の高さが十分大きい場合には、それ以上高さが変化しても一定である。一方、フォトルミネッセンス層の屈折率nwavが周期構造の屈折率npよりも低い場合(図18)は、全反射せずに周期構造の表面にまで光が到達するので、周期構造の高さが大きいほどその影響を受ける。図18を見る限り、高さは100nm程度あれば十分であり、150nmを超える領域ではピーク強度およびQ値が低下していることがわかる。したがって、フォトルミネッセンス層の屈折率nwavが周期構造の屈折率npよりも低い場合に、ピーク強度およびQ値をある程度高くするためには、周期構造の高さを150nm以下に設定すればよい。
[4−3.偏光方向]
次に、偏光方向に関して検討を行った。図16に示す計算と同じ条件で、光の偏光がy方向に垂直な電場成分を有するTEモードであるものとして計算した結果を図19に示す。TEモードでは、擬似導波モードの電場の染み出しがTMモードに比べて大きいため、周期構造による影響を受けやすい。よって、周期構造の屈折率npがフォトルミネッセンス層の屈折率nwavよりも大きい領域では、ピーク強度およびQ値の低下がTMモードよりも著しい。
[4−4.フォトルミネッセンス層の屈折率]
次に、フォトルミネッセンス層の屈折率に関して検討を行った。図16に示す計算と同様の条件で、フォトルミネッセンス層の屈折率nwavを1.5に変更した場合の結果を図20に示す。フォトルミネッセンス層の屈折率nwavが1.5の場合においても概ね図16と同様の効果が得られていることがわかる。ただし、波長が600nm以上の光は正面方向に出射していないことがわかる。これは、式(10)より、λ0<nwav×p/m=1.5×400nm/1=600nmとなるからである。
以上の分析から、周期構造の屈折率はフォトルミネッセンス層の屈折率と同等以下にするか、周期構造の屈折率がフォトルミネッセンス層の屈折率以上の場合には、高さを150nm以下にすれば、ピーク強度およびQ値を高くできることがわかる。
[5.変形例]
以下、本実施形態の変形例を説明する。
[5−1.基板を有する構成]
上述のように、発光素子は、図8Cおよび図8Dに示すように、透明基板140の上にフォトルミネッセンス層110および周期構造120が形成された構造を有していてもよい。このような発光素子100aを作製するには、まず、透明基板140上にフォトルミネッセンス層110を構成するフォトルミネッセンス材料(必要に応じて、マトリクス材料を含む、以下同じ。)で薄膜を形成し、その上に周期構造120を形成する方法が考えられる。このような構成において、フォトルミネッセンス層110と周期構造120とにより、光を特定の方向に出射する機能をもたせるためには、透明基板140の屈折率nsはフォトルミネッセンス層の屈折率nwav以下にする必要がある。透明基板140をフォトルミネッセンス層110に接するように設けた場合、式(10)における出射媒質の屈折率noutをnsとした式(15)を満足するように周期pを設定する必要がある。
このことを確認するために、屈折率が1.5の透明基板140の上に、図9に示す計算と同じ条件のフォトルミネッセンス層110および周期構造120を設けた場合の計算を行った。本計算の結果を図21に示す。図9の結果と同様、波長ごとに特定の周期において光強度のピークが現れることが確認できるが、ピークが現れる周期の範囲が図9の結果とは異なることがわかる。これに対して、式(10)の条件をnout=nsとした式(15)の条件を図22に示す。図21において、図22に示される範囲に対応する領域内に、光強度のピークが現れていることがわかる。
したがって、透明基板140上にフォトルミネッセンス層110と周期構造120とを設けた発光素子100aでは、式(15)を満足する周期pの範囲において効果が得られ、式(13)を満足する周期pの範囲において特に顕著な効果が得られる。
[5−2.励起光源を有する発光装置]
図23は、図8A、8Bに示す発光素子100と、励起光をフォトルミネッセンス層110に入射させる光源180とを備える発光装置200の構成例を示す図である。上述のように、本開示の構成では、フォトルミネッセンス層を紫外線や青色光などの励起光で励起させることにより、指向性をもつ発光が得られる。そのような励起光を出射するように構成された光源180を設けることにより、指向性をもつ発光装置200を実現できる。光源180から出射される励起光の波長は、典型的には紫外または青色領域の波長であるが、これらに限らず、フォトルミネッセンス層110を構成するフォトルミネッセンス材料に応じて適宜決定される。なお、図23では、光源180がフォトルミネッセンス層110の下面から励起光を入射させるように配置されているが、このような例に限定されず、例えば、フォトルミネッセンス層110の上面から励起光を入射させてもよい。
励起光を擬似導波モードに結合させることで、効率よく光を出射させる方法もある。図24A〜24Dは、そのような方法を説明するための図である。この例では、図8C、8Dに示す構成と同様、透明基板140上にフォトルミネッセンス層110および周期構造120が形成されている。まず、図24Aに示すように、発光増強のためにx方向の周期pxを決定し、続いて、図24Bに示すように、励起光を擬似導波モードに結合させるためにy方向の周期pyを決定する。周期pxは、式(10)においてpをpxに置き換えた条件を満足するように決定される。一方、周期pyは、mを1以上の整数、励起光の波長をλex、フォトルミネッセンス層110に接する媒質のうち、周期構造120を除く最も屈折率の高い媒質の屈折率をnoutとして、以下の式(16)を満足するように決定される。
Figure 2017005054
ここで、noutは、図24の例では透明基板140のnsであるが、図23のように透明基板140を設けない構成では、空気の屈折率(約1.0)である。
特に、m=1として、次の式(17)を満足するように周期pyを決定すれば、励起光を擬似導波モードに変換する効果をより高くすることができる。
Figure 2017005054
このように、式(16)の条件(特に式(17)の条件)を満足するように周期pyを設定することで、励起光を擬似導波モードに変換することができる。その結果、フォトルミネッセンス層110に効率的に波長λexの励起光を吸収させることができる。
図24Cおよび図24Dは、それぞれ、図24Aおよび図24Bに示す構造に対して光を入射したときに光が吸収される割合を波長ごとに計算した結果を示す図である。この計算では、px=365nm、py=265nmとし、フォトルミネッセンス層110からの発光波長λを約600nm、励起光の波長λexを約450nm、フォトルミネッセンス層110の消衰係数は0.003としている。図24Dに示すように、フォトルミネッセンス層110から生じた光だけでなく、励起光である約450nmの光に対して高い吸収率を示している。これは、入射した光が効果的に擬似導波モードに変換されることで、フォトルミネッセンス層に吸収される割合を増大させることができているためである。また、発光波長である約600nmに対しても吸収率が増大しているが、これは、もし約600nmの波長の光をこの構造に入射した場合には、同様に効果的に擬似導波モードに変換されるということである。このように、図24Bに示す周期構造120は、x方向およびy方向のそれぞれに周期の異なる構造(周期成分)を有する2次元周期構造である。このように、複数の周期成分を有する2次元周期構造を用いることにより、励起効率を高めつつ、出射強度を高めることが可能になる。なお、図24A〜24Dの例では、励起光を基板側から入射しているが、周期構造側から入射しても同じ効果が得られる。
さらに、複数の周期成分を有する2次元周期構造としては、図25Aまたは図25Bに示すような構成を採用してもよい。図25Aに示すように六角形の平面形状を有する複数の凸部または凹部を周期的に並べた構成や、図25Bに示すように三角形の平面形状を有する複数の凸部または凹部を周期的に並べた構成とすることにより、周期とみなすことのできる複数の主軸(図の例では軸1〜3)を定めることができる。このため、それぞれの軸方向について異なる周期を割り当てることができる。これらの周期の各々を、複数の波長の光の指向性を高めるために設定してもよいし、励起光を効率よく吸収させるために設定してもよい。いずれの場合も、式(10)に相当する条件を満足するように各周期が設定される。
[5−3.透明基板上の周期構造]
図26Aおよび図26Bに示すように、透明基板140上に周期構造120aを形成し、その上にフォトルミネッセンス層110を設けてもよい。図26Aの構成例では、基板140上の凹凸からなる周期構造120aに追従するようにフォトルミネッセンス層110が形成された結果、フォトルミネッセンス層110の表面にも同じ周期の周期構造120bが形成されている。一方、図26Bの構成例では、フォトルミネッセンス層110の表面は平坦になるように処理されている。これらの構成例においても、周期構造120aの周期pを式(15)を満足するように設定することにより、指向性発光を実現できる。この効果を検証するため、図26Aの構成において、発光波長および周期構造の周期を変えて正面方向に出力する光の増強度を計算した。ここで、フォトルミネッセンス層110の膜厚を1000nm、フォトルミネッセンス層110の屈折率をnwav=1.8、周期構造120aはy方向に均一な1次元周期構造で高さを50nm、屈折率をnp=1.5、周期を400nmとし、光の偏光はy方向に平行な電場成分を有するTMモードであるものとした。本計算の結果を図26Cに示す。本計算においても、式(15)の条件を満足する周期で光強度のピークが観測された。
[5−4.粉体]
以上の実施形態によれば、周期構造の周期や、フォトルミネッセンス層の膜厚を調整することで任意の波長の発光を強調することができる。例えば、広い帯域で発光するフォトルミネッセンス材料を用いて図8A、8Bのような構成にすれば、ある波長の光のみを強調することが可能である。よって、図8A、8Bのような発光素子100の構成を粉末状にして、蛍光材料として利用してもよい。また、図8A、8Bのような発光素子100を樹脂やガラスなどに埋め込んで利用してもよい。
図8A、8Bのような単体の構成では、ある特定の波長しか特定の方向に出射できないため、例えば広い波長域のスペクトルを持つ白色などの発光を実現することは難しい。そこで、図27に示すように周期構造の周期やフォトルミネッセンス層の膜厚などの条件の異なる複数の粉末状の発光素子100を混ぜたものを用いることにより、広い波長域のスペクトルを持つ発光装置を実現できる。この場合、個々の発光素子100の一方向のサイズは、例えば数μm〜数mm程度であり、その中に例えば数周期〜数百周期の1次元または2次元の周期構造を含み得る。
[5−5.周期の異なる構造を配列]
図28は、フォトルミネッセンス層の上に周期の異なる複数の周期構造を2次元に配列した例を示す平面図である。この例では、3種類の周期構造120a、120b、120cが隙間なく配列されている。周期構造120a、120b、120cは、例えば、赤、緑、青の波長域の光をそれぞれ正面に出射するように周期が設定されている。このように、フォトルミネッセンス層の上に周期の異なる複数の構造を並べることによっても広い波長域のスペクトルに対し指向性を発揮させることができる。なお、複数の周期構造の構成は、上記のものに限定されず、任意に設定してよい。
[5−6.積層構造]
図29は、表面に凹凸構造が形成された複数のフォトルミネッセンス層110が積層された構造を有する発光素子の一例を示している。複数のフォトルミネッセンス層110の間には、透明基板140が設けられ、各層のフォトルミネッセンス層110の表面に形成された凹凸構造が上記の周期構造またはサブミクロン構造に相当する。図29に示す例では、3層の周期の異なる周期構造が形成されており、それぞれ、赤、青、緑の波長域の光を正面に出射するように周期が設定されている。また、各周期構造の周期に対応する色の光を発するように各層のフォトルミネッセンス層110の材料が選択されている。このように、周期の異なる複数の周期構造を積層することによっても、広い波長域のスペクトルに対し指向性を発揮させることができる。
なお、層数や各層のフォトルミネッセンス層110および周期構造の構成は上記のものに限定されず、任意に設定してよい。例えば2層の構成では、透光性の基板を介して第1のフォトルミネッセンス層と第2のフォトルミネッセンス層とが対向するように形成され、第1および第2のフォトルミネッセンス層の表面に、それぞれ第1および第2の周期構造が形成されることになる。この場合、第1のフォトルミネッセンス層および第1の周期構造の対と、第2のフォトルミネッセンス層および第2の周期構造の対のそれぞれについて、式(15)に相当する条件を満足していればよい。3層以上の構成においても同様に、各層におけるフォトルミネッセンス層および周期構造について、式(15)に相当する条件を満足していればよい。フォトルミネッセンス層と周期構造との位置関係が図29に示すものとは逆転していてもよい。図29に示す例では、各層の周期が異なっているが、これらを全て同じ周期にしてもよい。その場合、スペクトルを広くすることはできないが、発光強度を大きくすることができる。
[5−7.保護層を有する構成]
図30は、フォトルミネッセンス層110と周期構造120との間に保護層150を設けた構成例を示す断面図である。このように、フォトルミネッセンス層110を保護するための保護層150を設けても良い。ただし、保護層150の屈折率がフォトルミネッセンス層110の屈折率よりも低い場合は、保護層150の内部に波長の半分程度しか光の電場が染み出さない。よって、保護層150が波長よりも厚い場合には、周期構造120に光が届かない。このため、擬似導波モードが存在せず、光を特定方向に放出する機能を得ることができない。保護層150の屈折率がフォトルミネッセンス層110の屈折率と同程度あるいはそれ以上の場合には、保護層150の内部にまで光が到達する。よって、保護層150に厚さの制約は無い。ただし、その場合でも、光が導波する部分(以下、この部分を「導波層」と呼ぶ。)の大部分をフォトルミネッセンス材料で形成したほうが大きな光の出力が得られる。よって、この場合でも保護層150は薄いほうが望ましい。なお、保護層150を周期構造(透光層)120と同じ材料を用いて形成してもよい。このとき、周期構造を有する透光層が保護層を兼ねる。透光層120の屈折率はフォトルミネッセンス層110よりも小さいことが望ましい。
[6.材料]
以上のような条件を満たす材料でフォトルミネッセンス層(あるいは導波層)および周期構造を構成すれば、指向性発光を実現できる。周期構造には任意の材料を用いることができる。しかしながら、フォトルミネッセンス層(あるいは導波層)や周期構造を形成する媒質の光吸収性が高いと、光を閉じ込める効果が低下し、ピーク強度およびQ値が低下する。よって、フォトルミネッセンス層(あるいは導波層)および周期構造を形成する媒質として、光吸収性の比較的低いものが用いられ得る。
周期構造の材料としては、例えば、光吸収性の低い誘電体が使用され得る。周期構造の材料の候補としては、例えば、MgF2(フッ化マグネシウム)、LiF(フッ化リチウム)、CaF2(フッ化カルシウム)、SiO2(石英)、ガラス、樹脂、MgO(酸化マグネシウム)、ITO(酸化インジウム錫)、TiO2(酸化チタン)、SiN(窒化シリコン)、Ta25(五酸化タンタル)、ZrO2(ジルコニア)、ZnSe(セレン化亜鉛)、ZnS(硫化亜鉛)などが挙げられる。ただし、前述のとおり周期構造の屈折率をフォトルミネッセンス層の屈折率よりも低くする場合、屈折率が1.3〜1.5程度であるMgF2、LiF、CaF2、SiO2、ガラス、樹脂を用いることができる。
フォトルミネッセンス材料は、狭義の蛍光材料および燐光材料を包含し、無機材料だけなく、有機材料(例えば色素)を包含し、さらには、量子ドット(即ち、半導体微粒子)を包含する。一般に、無機材料をホストとする蛍光材料は屈折率が高い傾向にある。青色に発光する蛍光材料としては、例えば、M10(PO46Cl2:Eu2+(M=Ba,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種)、BaMgAl1017:Eu2+、M3MgSi28:Eu2+(M=Ba,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種)、M5SiO4Cl6:Eu2+(M=Ba,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種)を用いることができる。緑色に発光する蛍光材料としては、例えば、M2MgSi27:Eu2+(M=Ba,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種)、SrSi5AlO27:Eu2+、SrSi222:Eu2+、BaAl24:Eu2+、BaZrSi39:Eu2+、M2SiO4:Eu2+(M=Ba,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種)、BaSi342:Eu2+Ca8Mg(SiO44Cl2:Eu2+、Ca3SiO4Cl2:Eu2+、CaSi12-(m+n)Al(m+n)n16-n:Ce3+、β−SiAlON:Eu2+を用いることができる。赤色に発光する蛍光材料としては、例えば、CaAlSiN3:Eu2+、SrAlSi47:Eu2+、M2Si58:Eu2+(M=Ba,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種)、MSiN2:Eu2+(M=Ba,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種)、MSi222:Yb2+(M=SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種)、Y22S:Eu3+,Sm3+、La22S:Eu3+,Sm3+、CaWO4:Li1+,Eu3+,Sm3+、M2SiS4:Eu2+(M=Ba,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種)、M3SiO5:Eu2+(M=Ba,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種)を用いることができる。黄色に発光する蛍光材料としては、例えば、Y3Al512:Ce3+、CaSi222:Eu2+、Ca3Sc2Si312:Ce3+、CaSc24:Ce3+、α−SiAlON:Eu2+、MSi222:Eu2+(M=Ba,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種)、M7(SiO36Cl2:Eu2+(M=Ba,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種)を用いることができる。
量子ドットについては、例えば、CdS、CdSe、コア・シェル型CdSe/ZnS、合金型CdSSe/ZnSなどの材料を用いることができ、材質によって様々な発光波長を得ることができる。量子ドットのマトリクスとしては、例えば、ガラスや樹脂を用いることができる。
図8C、8Dなどに示す透明基板140は、フォトルミネッセンス層110の屈折率よりも低い透光性材料によって構成される。そのような材料として、例えば、MgF(フッ化マグネシウム)、LiF(フッ化リチウム)、CaF2(フッ化カルシウム)、SiO2(石英)、ガラス、樹脂が挙げられる。
[7.製造方法]
続いて、製造方法の一例を説明する。
図8C、8Dに示す構成を実現する方法として、例えば、透明基板140上に蛍光材料を蒸着、スパッタリング、塗布などの工程によってフォトルミネッセンス層110の薄膜を形成し、その後、誘電体を成膜し、フォトリソグラフィなどの方法によってパターニングすることによって周期構造120を形成する方法がある。この際、図1A等に示す広角配向領域40bに相当する部分にはマスキングして周期構造が形成されないようにする。上記方法の代わりに、ナノインプリントによって周期構造120を形成してもよい。また、図31に示すように、フォトルミネッセンス層110の一部のみを加工することによって周期構造120を形成してもよい。その場合、周期構造120はフォトルミネッセンス層110と同じ材料で形成されることになる。
図8A、8Bに示す発光素子100は、例えば、図8C、8Dに示す発光素子100aを作製した後、基板140からフォトルミネッセンス層110および周期構造120の部分を剥がす工程を行うことで実現可能である。
図26Aに示す構成は、例えば、透明基板140上の挟角配向領域40aに相当する部分に半導体プロセスやナノインプリントなどの方法で周期構造120aを形成した後、その上にフォトルミネッセンス層110を構成する材料を蒸着やスパッタリングなどの方法で形成することによって実現可能である。あるいは、塗布などの方法を用いて周期構造120aの凹部をフォトルミネッセンス層110で埋め込むことによって図26Bに示す構成を実現することもできる。
なお、上記の製造方法は一例であり、本開示の発光素子は上記の製造方法に限定されない。
[7.実験例]
以下に、本開示の実施形態による発光素子を作製した例を説明する。
図26Aと同様の構成を有する発光素子のサンプルを試作し、特性を評価した。発光素子は以下の様にして作製した。
ガラス基板に、周期400nm、高さ40nmの1次元周期構造(ストライプ状の凸部)を設け、その上からフォトルミネッセンス材料であるYAG:Ceを210nm成膜した。この断面図のTEM像を図32に示し、これを450nmのLEDで励起することでYAG:Ceを発光させたときの、正面方向のスペクトルを測定した結果を図33に示す。図33には、周期構造がない場合の測定結果(ref)と、1次元周期構造に対して平行な偏光成分を持つTMモードと、垂直な偏光成分を持つTEモードを測定した結果について示した。周期構造がある場合は、周期構造がない場合に対して、特定の波長の光が著しく増加していることが見て取れる。また、1次元周期構造に対して平行な偏光成分を持つTMモードの方が、光の増強効果が大きいことが分かる。
さらに、同じサンプルにおいて、出射光強度の角度依存性を測定した結果および計算結果を図34および図35に示す。図34は、1次元周期構造(周期構造120)のライン方向と平行な軸を回転軸として回転させた場合について、図35は、1次元周期構造(即ち、周期構造120)のライン方向に対して垂直な方向を回転軸として回転させた場合についての測定結果(上段)および計算結果(下段)を示している。また、図34および図35のそれぞれにおいて、TMモードおよびTEモードの直線偏光についての結果を示しており、図34(a)はTMモード、図34(b)はTEモード、図35(a)はTEモード、図35(b)はTMモードの直線偏光についての結果をそれぞれ示している。図34および図35から明らかなように、TMモードの方が増強する効果が高く、また増強される波長は角度によってシフトしていく様子がわかる。例えば、610nmの光においては、TMモードでかつ正面方向にしか光が存在しないため、指向性かつ偏光発光していることがわかる。各図の上段と下段とが整合していることから、上述の計算の妥当性が実験によって裏付けられた。
上記の測定結果に基づき、一例として、610nmの光において、ライン方向に対して垂直な方向を回転軸として回転させた場合の強度の角度依存性を調べた。図36は、その結果を示すグラフである。正面方向に強い発光増強が起きており、そのほかの角度に対しては、ほとんど光が増強されていないことがわかる。正面方向に出射される光の指向角(即ち、強度が最高強度の50%になる角度)は15°未満であることがわかる。つまり、指向性発光が実現していることがわかる。さらにこれは、全てTMモードの成分であるため、同時に偏光発光も実現していることがわかる。
以上の検証は、広帯域の波長帯で発光するYAG:Ceを使って実験を行ったが、発光が狭帯域のフォトルミネッセンス材料で同様の構成としても、その波長の光に対して指向性や偏光発光を実現することができる。さらに、この場合、他の波長の光は発生しないために他の方向や偏光状態の光は発生しないような光源を実現することができる。
本開示の発光素子および発光装置は、照明器具、ディスプレイ、プロジェクターをはじめ、種々の光学デバイスに適用され得る。
10 発光装置
20 励起光源
30、30a、30b フォトルミネッセンス層
40 発光面
40a 挟角配向領域
40b 広角配向領域
60a 第1の発光層
60b 第2の発光層
100、100a 発光素子
110 フォトルミネッセンス層(導波層)
120、120’、120a、120b、120c 透光層(周期構造、サブミクロン構造)
140 透明基板
150 保護層
180 光源
200 発光装置

Claims (17)

  1. 励起光を受けて発光するフォトルミネッセンス層と、
    前記フォトルミネッセンス層上に位置し、前記フォトルミネッセンス層から生じた光を出射する発光面と、
    を備え、
    前記発光面は、第1の領域および第2の領域を含み、
    前記フォトルミネッセンス層が発する光は、空気中の波長がλaの第1の光を含み、
    前記第1の領域から出射する前記第1の光の指向角は、前記第2の領域から出射する前記第1の光の指向角よりも小さい、
    発光装置。
  2. 前記第1の領域は、前記フォトルミネッセンス層に近接する透光層の表面である、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記フォトルミネッセンス層および前記透光層の少なくとも一方が、複数の凸部および複数の凹部の少なくとも一方を含む少なくとも1つの周期構造を有し、
    前記第1の光に対する前記フォトルミネッセンス層の屈折率をnwav-aとし、前記少なくとも1つの周期構造の周期をpaとすると、λa/nwav-a<pa<λaの関係が成り立つ、
    請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記透光層が前記少なくとも1つの周期構造を有する、
    請求項2に記載の発光装置。
  5. 前記発光面は、前記フォトルミネッセンス層の表面である、請求項1に記載の発光装置。
  6. 前記フォトルミネッセンス層は、前記第1の領域に、複数の凸部および複数の凹部の少なくとも一方を含む少なくとも1つの周期構造を有し、
    前記第1の光に対する前記フォトルミネッセンス層の屈折率をnwav-aとし、前記少なくとも1つの周期構造の周期をpaとすると、λa/nwav-a<pa<λaの関係が成り立つ、
    請求項5に記載の発光装置。
  7. 前記フォトルミネッセンス層は、前記表面の逆側の面における前記第1の領域に対向する領域に、複数の凸部および複数の凹部の少なくとも一方を含む少なくとも1つの周期構造を有し、
    前記第1の光に対する前記フォトルミネッセンス層の屈折率をnwav-aとし、前記少なくとも1つの周期構造の周期をpaとすると、λa/nwav-a<pa<λaの関係が成り立つ、
    請求項5に記載の発光装置。
  8. 前記第2の領域の少なくとも一部は、前記発光面の端部に位置している、請求項1から7のいずれかに記載の発光装置。
  9. 前記第2の領域は、前記第1の領域を取り囲んでいる、請求項1から8のいずれかに記載の発光装置。
  10. 前記第1の領域の面積は、前記第2の領域の面積よりも大きい、請求項1から9のいずれかに記載の発光装置。
  11. 前記第2の領域の面積は、前記第1の領域の面積よりも大きい、請求項1から10のいずれかに記載の発光装置。
  12. 励起光を受けて発光する第1のフォトルミネッセンス層を含む第1の発光層と、
    前記第1の発光層の少なくとも一部の上に位置する第2の発光層であって、前記第1の発光層を透過した前記励起光を受けて発光する第2のフォトルミネッセンス層を含む第2の発光層と、
    を備え、
    前記第1および第2のフォトルミネッセンス層が発する光は、空気中の波長がλaの第1の光を含み、
    前記第1および第2の発光層の一方は、前記第1または第2のフォトルミネッセンス層に平行な面に沿って拡がる少なくとも1つの周期構造を有し、前記周期構造は複数の凸部および複数の凹部の少なくとも一方を含み、
    前記一方の発光層に含まれる前記フォトルミネッセンス層の、前記第1の光に対する屈折率をnwav-aとし、前記少なくとも1つの周期構造の周期をpaとすると、λa/nwav-a<pa<λaの関係が成り立ち、
    前記一方の発光層の表面から出射する前記第1の光の指向角は、他方の発光層の表面から出射する前記第1の光の指向角よりも小さい、
    発光装置。
  13. 前記第1および第2の発光層の前記一方は、前記一方の発光層に含まれる前記フォトルミネッセンス層に近接する透光層を含み、
    前記フォトルミネッセンス層および前記透光層の少なくとも一方が前記周期構造を有する、
    請求項12に記載の発光装置。
  14. 前記第1および第2の発光層の前記一方に含まれる前記フォトルミネッセンス層が前記周期構造を有する、請求項12に記載の発光装置。
  15. 前記第2の発光層が前記周期構造を有し、
    前記第2の発光層の前記表面から出射する前記第1の光の指向角は、前記第1の発光層の前記表面から出射する前記第1の光の指向角よりも小さい、
    請求項12に記載の発光装置。
  16. 前記フォトルミネッセンス層と前記透光層とは直接接している、請求項2、3、4または12に記載の発光装置。
  17. 前記励起光を出射する励起光源をさらに備える請求項1から16のいずれかに記載の発光装置。
JP2015115782A 2015-06-08 2015-06-08 発光装置 Pending JP2017005054A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015115782A JP2017005054A (ja) 2015-06-08 2015-06-08 発光装置
CN201610261401.1A CN106252496B (zh) 2015-06-08 2016-04-25 发光装置
US15/169,771 US9899577B2 (en) 2015-06-08 2016-06-01 Light-emitting apparatus including photoluminescent layer

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015115782A JP2017005054A (ja) 2015-06-08 2015-06-08 発光装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017005054A true JP2017005054A (ja) 2017-01-05

Family

ID=57452581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015115782A Pending JP2017005054A (ja) 2015-06-08 2015-06-08 発光装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9899577B2 (ja)
JP (1) JP2017005054A (ja)
CN (1) CN106252496B (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3046659B1 (fr) * 2016-01-11 2019-11-29 Valeo Vision Dispositif lumineux muni d'un element de conversion de longueur d'onde courbe, et projecteur comprenant un tel dispositif lumineux.
CN110164854B (zh) * 2018-07-25 2021-01-22 友达光电股份有限公司 照明装置

Family Cites Families (84)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5517039A (en) 1994-11-14 1996-05-14 Hewlett-Packard Company Semiconductor devices fabricated with passivated high aluminum-content III-V material
FR2728399B1 (fr) 1994-12-20 1997-03-14 Bouadma Nouredine Composant laser a reflecteur de bragg en materiau organique et procede pour sa realisation
JP3931355B2 (ja) 1995-09-06 2007-06-13 日亜化学工業株式会社 面状光源
JP2991183B2 (ja) 1998-03-27 1999-12-20 日本電気株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子
US6728034B1 (en) 1999-06-16 2004-04-27 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Diffractive optical element that polarizes light and an optical pickup using the same
JP2001059905A (ja) 1999-06-16 2001-03-06 Matsushita Electronics Industry Corp 回折型光学素子および当該回折型光学素子を用いた光ピックアップ
JP2001155520A (ja) 1999-11-22 2001-06-08 Sharp Corp 面状光源、並びにそれを用いたバックライト光学系およびディスプレイ
US20040141108A1 (en) 2000-12-28 2004-07-22 Hideyuki Tanaka Light guiding plate and liquid crystal display device with the light guiding plate
US20030021314A1 (en) 2001-07-27 2003-01-30 The Furukawa Electric Co, Ltd. Distributed bragg reflector semiconductor laser suitable for use in an optical amplifier
KR100464358B1 (ko) 2002-03-11 2005-01-03 삼성전자주식회사 분배 브락 반사경을 갖는 반도체 레이저의 제조 방법
US7699482B2 (en) 2002-09-25 2010-04-20 Fujifilm Corporation Light-emitting element
JP4220305B2 (ja) 2003-05-22 2009-02-04 三星エスディアイ株式会社 有機エレクトロルミネセンス素子
JP4425571B2 (ja) 2003-06-11 2010-03-03 株式会社半導体エネルギー研究所 発光装置及び素子基板
US7430355B2 (en) 2003-12-08 2008-09-30 University Of Cincinnati Light emissive signage devices based on lightwave coupling
WO2005089098A2 (en) 2004-01-14 2005-09-29 The Regents Of The University Of California Ultra broadband mirror using subwavelength grating
WO2006011734A1 (en) 2004-07-24 2006-02-02 Young Rak Do Led device comprising thin-film phosphor having two dimensional nano periodic structures
US20060039433A1 (en) 2004-08-20 2006-02-23 Simpson John T Silicon nanocrystal/erbium doped waveguide (SNEW) laser
US7447246B2 (en) 2004-10-27 2008-11-04 Jian-Jun He Q-modulated semiconductor laser
US8134291B2 (en) 2005-01-07 2012-03-13 Samsung Mobile Display Co., Ltd. Electroluminescent device and method for preparing the same
WO2006131924A2 (en) 2005-06-07 2006-12-14 Oree, Advanced Illumination Solutions Inc. Illumination apparatus
JP4971672B2 (ja) 2005-09-09 2012-07-11 パナソニック株式会社 発光装置
JP2007080996A (ja) 2005-09-13 2007-03-29 Sony Corp GaN系半導体発光素子及びその製造方法
WO2007034827A1 (ja) 2005-09-22 2007-03-29 Sharp Kabushiki Kaisha 導光体、表示装置用基板および表示装置
US20070103931A1 (en) 2005-11-09 2007-05-10 Kun-Chui Lee Assembly device for a sidelight light source module and liquid crystal panel
TWI435927B (zh) 2006-02-10 2014-05-01 Mitsubishi Chem Corp 螢光體及其製造方法,含螢光體之組成物,發光裝置,暨影像顯示裝置及照明裝置
JP4934331B2 (ja) 2006-03-06 2012-05-16 ハリソン東芝ライティング株式会社 面状発光デバイス
KR101030659B1 (ko) 2006-03-10 2011-04-20 파나소닉 전공 주식회사 발광 소자
US20080069497A1 (en) 2006-09-15 2008-03-20 Yann Tissot Optical waveguide tap monitor
US7745843B2 (en) 2006-09-26 2010-06-29 Stanley Electric Co., Ltd. Semiconductor light emitting device
JP4765905B2 (ja) 2006-11-17 2011-09-07 日亜化学工業株式会社 面状発光装置及びその製造方法
US7868542B2 (en) * 2007-02-09 2011-01-11 Canon Kabushiki Kaisha Light-emitting apparatus having periodic structure and sandwiched optical waveguide
KR100862532B1 (ko) 2007-03-13 2008-10-09 삼성전기주식회사 발광 다이오드 패키지 제조방법
US7781779B2 (en) * 2007-05-08 2010-08-24 Luminus Devices, Inc. Light emitting devices including wavelength converting material
KR20090002835A (ko) 2007-07-04 2009-01-09 엘지전자 주식회사 질화물계 발광 소자 및 그 제조방법
US8376601B2 (en) 2007-10-23 2013-02-19 Sharp Kabushiki Kaisha Backlight unit and display unit
US8619363B1 (en) 2007-11-06 2013-12-31 Fusion Optix, Inc. Light redirecting element comprising a forward diffracting region and a scattering region
JP5219493B2 (ja) 2007-11-14 2013-06-26 キヤノン株式会社 発光素子及びそれを用いた発光装置
WO2009099211A1 (ja) 2008-02-07 2009-08-13 Mitsubishi Chemical Corporation 半導体発光装置、バックライト、カラー画像表示装置、及びそれらに用いる蛍光体
JP2010015874A (ja) 2008-07-04 2010-01-21 Kyoto Institute Of Technology 有機光学デバイス、その製造方法、及び増幅又は狭線化した光を発する方法
JP5010549B2 (ja) 2008-07-25 2012-08-29 株式会社東芝 液晶表示装置
KR20110039362A (ko) 2008-07-25 2011-04-15 고쿠리츠다이가쿠호진 토쿄고교 다이가꾸 유기 el 소자 및 그 제조 방법
JP2010237311A (ja) 2009-03-30 2010-10-21 Sanyo Electric Co Ltd 投写型映像表示装置
JP2010097178A (ja) 2008-09-22 2010-04-30 Mitsubishi Electric Corp 光源ユニット、及び画像表示装置
JP2010199357A (ja) 2009-02-26 2010-09-09 Nichia Corp 発光装置及びその製造方法
JP2010210824A (ja) 2009-03-09 2010-09-24 Seiko Epson Corp 光学素子及び照明装置
JP5212947B2 (ja) 2009-03-26 2013-06-19 パナソニック株式会社 アンビエント照明システム
TW201041190A (en) 2009-05-01 2010-11-16 Univ Nat Taiwan Science Tech Polarized white light emitting diode (LED)
WO2011040528A1 (ja) 2009-09-30 2011-04-07 日本電気株式会社 光学素子、光源装置及び投射型表示装置
KR20110049578A (ko) 2009-11-05 2011-05-12 삼성모바일디스플레이주식회사 유기 전계 발광 표시장치
KR100969100B1 (ko) 2010-02-12 2010-07-09 엘지이노텍 주식회사 발광소자, 발광소자의 제조방법 및 발광소자 패키지
US9184414B2 (en) 2010-04-22 2015-11-10 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Organic electroluminescent element and lighting device
KR20130124494A (ko) 2010-09-29 2013-11-14 바스프 에스이 보안 부재
CN103154804B (zh) 2010-10-15 2015-12-02 日本电气株式会社 光学装置、光源以及投影型显示装置
JP5672949B2 (ja) 2010-10-25 2015-02-18 セイコーエプソン株式会社 光源装置及びプロジェクター
JP2012099362A (ja) 2010-11-02 2012-05-24 Toshiba Corp 発光装置
JP2012109334A (ja) 2010-11-16 2012-06-07 Toyota Central R&D Labs Inc 発光装置
JP2012109400A (ja) 2010-11-17 2012-06-07 Sharp Corp 発光素子、発光装置および発光素子の製造方法
WO2012108384A1 (ja) 2011-02-10 2012-08-16 シャープ株式会社 蛍光体基板、およびこれを用いた表示装置、照明装置
JP2012182376A (ja) 2011-03-02 2012-09-20 Stanley Electric Co Ltd 波長変換部材および光源装置
US20140022818A1 (en) 2011-04-07 2014-01-23 Nec Corporation Optical element, illumination device, and projection display device
CN106932856B (zh) 2011-04-28 2020-11-10 L.E.S.S.有限责任公司 用于照明***的波导装置
WO2013008361A1 (ja) 2011-07-12 2013-01-17 パナソニック株式会社 光学素子及びそれを用いた半導体発光装置
JP5832210B2 (ja) 2011-09-16 2015-12-16 キヤノン株式会社 有機el素子
WO2013084442A1 (ja) 2011-12-07 2013-06-13 パナソニック株式会社 シート及び発光装置
KR101289844B1 (ko) 2012-01-18 2013-07-26 한국전자통신연구원 유기 발광 소자
JP2015092434A (ja) 2012-02-24 2015-05-14 シャープ株式会社 バックライトユニット及び液晶表示装置
JP2013183020A (ja) 2012-03-01 2013-09-12 Toshiba Corp 半導体発光装置およびその製造方法
DE112013002508B4 (de) 2012-05-16 2020-09-24 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Wellenlängen-Umwandlungselement, Verfahren zu seiner Herstellung und LED-Element und Laserlicht emittierendes Halbleiterbauteil, die das Wellenlängen-Umwandlungselement verwenden
WO2014024218A1 (ja) 2012-08-06 2014-02-13 パナソニック株式会社 蛍光体光学素子、その製造方法及び光源装置
JP6080429B2 (ja) * 2012-08-24 2017-02-15 キヤノン株式会社 光源装置、光源装置の制御方法、及び、表示装置
JP2014082401A (ja) 2012-10-18 2014-05-08 Ushio Inc 蛍光光源装置
JP2014092645A (ja) 2012-11-02 2014-05-19 Dainippon Printing Co Ltd 偽造防止構造並びにそれを有するラベル、転写箔及び偽造防止用紙
KR20140089014A (ko) 2012-12-31 2014-07-14 삼성디스플레이 주식회사 표시 장치 및 그 제조 방법
WO2014119783A1 (ja) 2013-02-04 2014-08-07 ウシオ電機株式会社 蛍光光源装置
CN104103722B (zh) 2013-04-15 2017-03-01 展晶科技(深圳)有限公司 发光二极管晶粒及其制造方法
JP6111960B2 (ja) 2013-09-30 2017-04-12 ウシオ電機株式会社 蛍光光源装置
WO2015118426A2 (en) 2014-02-06 2015-08-13 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light-emitting element, lighting device, and electronic appliance
US9515239B2 (en) 2014-02-28 2016-12-06 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Light-emitting device and light-emitting apparatus
US9618697B2 (en) 2014-02-28 2017-04-11 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Light directional angle control for light-emitting device and light-emitting apparatus
US9518215B2 (en) * 2014-02-28 2016-12-13 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Light-emitting device and light-emitting apparatus
WO2015133999A1 (en) 2014-03-04 2015-09-11 Empire Technology Development Llc Backlight units and methods of making the same
JP2016171228A (ja) 2015-03-13 2016-09-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 発光素子、発光装置および検知装置
US10031276B2 (en) 2015-03-13 2018-07-24 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Display apparatus including photoluminescent layer
US10182702B2 (en) 2015-03-13 2019-01-22 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Light-emitting apparatus including photoluminescent layer

Also Published As

Publication number Publication date
US20160359091A1 (en) 2016-12-08
CN106252496A (zh) 2016-12-21
CN106252496B (zh) 2019-07-23
US9899577B2 (en) 2018-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9518215B2 (en) Light-emitting device and light-emitting apparatus
US9618697B2 (en) Light directional angle control for light-emitting device and light-emitting apparatus
WO2015129224A1 (ja) 発光装置
US9515239B2 (en) Light-emitting device and light-emitting apparatus
WO2015129223A1 (ja) 発光装置
JP6748898B2 (ja) 発光素子および発光装置
JP2016171228A (ja) 発光素子、発光装置および検知装置
US9880336B2 (en) Light-emitting device including photoluminescent layer
JP2017040818A (ja) 発光素子
JP6719094B2 (ja) 発光素子
WO2015129220A1 (ja) 発光素子および発光装置
JP2017040905A (ja) 発光装置
WO2015129221A1 (ja) 発光素子および発光装置
WO2015129219A1 (ja) 発光素子および発光装置
JP6566313B2 (ja) 表示装置および発光装置
JP2017005054A (ja) 発光装置
CN106486574B (zh) 具备光致发光层的发光元件
JP2016033664A (ja) 発光素子
JP2016021072A (ja) 発光素子
JP2015179657A (ja) 発光素子および発光装置
JP2016029481A (ja) 表示装置
JP2017003697A (ja) 発光素子および発光装置