JP5010549B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、拡散フィルムとプリズムシートとを積層して設けているため、構成の複雑化、高コスト化を招くことになっていた。
特許文献2に開示がされた技術においては、導光板に設けられた基板の光出射面に基板よりも屈折率の高い薄膜層を形成するようにしている。そして、基板の内部を伝搬してきた光が基板の光出射面で全反射されるのを防止することで光の利用効率を向上させるようにしている。
しかしながら、スネルの法則によれば、基板のみの場合(屈折率の高い薄膜層が設けられていない場合)において、基板の内部を伝搬してきた光が基板と空気との界面で全反射されるときの伝搬角と、屈折率の高い薄膜層が設けられた場合において、基板の内部を伝搬してきた光が屈折率の高い薄膜層へ入射し屈折により角度を変え、その後、空気との界面で全反射されるときの基板内部での元々の伝搬角と、は等しいことになる。そのため、基板の内部を伝搬してきた光が光出射面で全反射されるときの条件に変化はなく、光の利用効率を向上させることができないおそれがあった。
また、図2は、比較例に係る導光板、発光装置を例示するための模式図である。
まず、図2に例示をする比較例に係る導光板、発光装置について説明をする。
図2に示すように、発光装置100には導光板101、光源102が設けられている。 導光板101は、光源102から入射した光を伝搬することができるように透明材料で形成されている。また、導光板101の一方の主面には光出射面103が設けられ、光出射面103には回折格子104が設けられている。光出射面103と略直交する方向における導光板101の一方の端面には光入射面105が設けられている。光入射面105は光の入射が阻害されないようにするために、必要に応じて研磨加工されている。そして、光入射面105と対向するようにして光源102が設けられている。
図4に示すように、回折格子104への入射角度(伝搬角度θ2)が大きいものの場合(Bの場合)には、小さいものの場合(Aの場合)に比べて回折効率が1/3程度まで低下してしまうことがわかる。
図5に示すように、発光装置100aには導光板101a、光源102が設けられている。この場合、図2に例示をしたものとは導光板101aの屈折率が異なるものとされている。すなわち、導光板101aの屈折率を2程度とした場合(例えば、透光性セラミックスや高屈折率樹脂などの場合)である。
図6に示すように、回折格子104への入射角度(伝搬角度θ3)が大きくなれば回折効率は低下する。また、前述した60°〜90°の範囲においても入射角度(伝搬角度θ3)が大きくなれば回折効率はさらに低下する。
図1に示すように、発光装置1には導光板11、光源2が設けられている。
導光板11は、光源2から入射した光を伝搬する基板12と、基板12の一方の主面に設けられ基板12を介して入射した光の伝搬角度の範囲を変換する変換部13と、を備えている。また、変換部13の基板12に設けられる側の面と対向する面には光出射面3が設けられ、光出射面3には回折格子4が設けられている。また、光出射面3と略直交する方向における基板12の一方の端面には光入射面5が設けられている。光入射面5は光の入射が阻害されないようにするために、必要に応じて研磨加工されている。そして、光入射面5と対向するようにして光源2が設けられている。
この場合、例えば、基板12の屈折率を1.45以上、1.55以下とすることができ、変換部13の屈折率をこれよりも高いものとすることができる。1.45以上、1.55以下の屈折率を有する材料としては、例えば、アクリル樹脂(屈折率1.49程度)やポリカーボネイト樹脂(屈折率1.53程度)などのような透明な有機材料、ガラス(屈折率1.45程度)などのような透明な無機材料を例示することができる。
また、変換部13は、光の伝搬角度を変換させるために設けられるものであるため、その厚みを薄くすることもできる。例えば、基板12の厚みを500μm程度、変換部13の厚みを5μm程度とすることができる。
光出射面3に設けられた回折格子4としては、図1に例示をしたような矩形断面形状を有するものを例示することができる。ただし、回折格子4の断面形状はこれに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
ここで、λは波長、pは回折格子の周期(ピッチ)、n2は変換部13の屈折率、n1は外気(空気)の屈折率、mは整数である。
そのため、光を光出射面3と略直交する方向(正面側)に出射させるようにするためには、θ4がゼロ付近の値となるように回折格子4の周期pを決定すればよい。例えば、波長530nm、n2=1.45の場合は、回折格子4の周期(ピッチ)を400〜500nm程度とすれば、光出射面3と略直交する方向(正面側)に光を出射させることができる。
そして、変換部13の内部を伝搬する光は、変換部13と外気(空気)との界面において回折格子4に角度θ1aで入射し、回折効果により光の一部が空気中へ取り出され、残りの光は変換部13の内部へ向けて反射される。
例えば、例示をしたものの場合には、伝搬角度θ1(46°〜90°程度)を伝搬角度θ1a(31°〜47°程度)に変換することができる。
また、図4に示した比較例の場合と比較するために、グラフ図中の「C」は基板12の内部を伝搬する光の伝搬角度θ1が50°〜69°の範囲のものの平均値を表し、「D」は伝搬角度θ1が70°〜90°の範囲のものの平均値を表している。すなわち、光源から放射された光の伝搬角度としては、図7の「C」と図4の「A」、図7の「D」と図4の「B」とが同一の範囲となっている。
そのため、図7に示すように、基板12の内部を伝搬する光の伝搬角度θ1が大きいものの場合(Dの場合)であっても、小さいものの場合(Dの場合)であっても同じような回折効率を得ることができる。その結果、基板12の内部を伝搬する光の伝搬角度θ1の全範囲に亘って光の利用効率を向上させることができる。このことは、高輝度の発光装置1とすることができることにもなる。
また、図8、図9からは、基板12の屈折率を1.45〜1.5程度の幅で変化させても、変換部13の屈折率との組合せ関係においては大きな差がないこともわかる。例えば、基板12の材料としてアクリル樹脂(屈折率1.5程度)やガラス(屈折率1.45程度)などを選択したような場合には、変換部13の屈折率が1.9以上、3以下となるような透明材料を選択すればよい。この場合、変換部13の屈折率を1.9以上、2.5以下とすれば、材料選択を比較的容易にすることができる。例えば、変換部13の材質としては透光性セラミックス(屈折率2程度)や高屈折率樹脂などを例示することができる。
図10は、本実施の形態に係る液晶表示装置について例示をするための模式図である。 図10に示すように、液晶表示装置50には、本実施の形態に係る発光装置1(導光板11)、液晶表示パネル53が設けられている。発光装置1(導光板11)は、箱状を呈する筐体54の内部に設けられている。また、液晶表示パネル53は、発光装置1が有する導光板11の光出射面3に対向するようにして設けられ、発光装置1(導光板11)から出射した光を受光できるようになっている。また、導光板11の光出射面3と対向する側の面に図示しない光反射シート、プリズム、回折格子などを必要に応じて設けるようにすることができる。
なお、本実施の形態に係る発光装置1(導光板11)以外の構成要素は、既知の技術を適用することができるのでその説明は省略する。
本実施の形態に係る液晶表示装置によれば、高輝度の表示特性を得ることができる。 次に、本実施の形態に係る導光板の製造方法について例示をする。
図11は、第1の実施の形態に係る導光板の製造方法について例示をするための模式工程図である。
本実施の形態においては、回折格子4を有する変換部13を形成した後に、変換部13に基板12を設けるようにしている。すなわち、回折格子4の形状を転写する凹凸部(凹凸形状のパターン60a)が形成された金型60を用いて、変換部13の一方の主面に回折格子4を形成し、変換部13の回折格子4が形成された面と対向する面に、変換部13の屈折率よりも低い屈折率を有する基板12を設けるようにしている。
次に、図11(e)に示すように、基板12の変換部13が設けられた面と対向する面に反射シート14を設けるようにすることもできる。また、反射シート14や基板12の変換部13が設けられた面と対向する面には、必要に応じてプリズムや回折格子などをパターニングすることもできる。
本実施の形態においては、変換部13と基板12とを接合した後に、変換部13に回折格子4を設けるようにしている。すなわち、変換部13と、変換部13の屈折率よりも低い屈折率を有する基板12と、を接合し、回折格子4の形状を転写する凹凸部(凹凸形状のパターン60a)が形成された金型60を用いて、変換部13の主面に回折格子4を形成するようにしている。
一方、図12(a)に示すように、基板12となる板状材12aと、変換部13となる板状材13aとを接合する。これらの接合には接着法などを用いることができる。
次に、図12(d)に示すように、基板12の変換部13が設けられた面と対向する面に反射シート14を設けるようにすることもできる。また、反射シート14や基板12の変換部13が設けられた面と対向する面には、必要に応じてプリズムや回折格子などをパターニングすることもできる。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、発光装置1、導光板11、液晶表示装置50などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
Claims (1)
- 発光装置と、
前記発光装置が有する導光板の光出射面に対向して設けられた液晶表示パネルと、
を備え、
前記発光装置は、
導光板と、
前記導光板の光入射面と対向して設けられた光源と、
を有し、
前記導光板の前記光入射面と略直交する方向には、光出射面が設けられており、
前記導光板は、
光源から入射した光を伝搬する基板と、
前記基板の一方の主面に隣接して設けられ、前記基板の前記主面に隣接する面と対向する面に回折格子を有する変換部と、
を有し、
前記光源から入射して前記基板の内部を伝搬する光の伝搬角度よりも、前記変換部の内部を伝搬する光の伝搬角度のほうが小さく、
前記変換部の屈折率は、1.9以上、3以下であり、
前記基板の屈折率は、1.45以上、1.55以下であることを特徴とする液晶表示装置。
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