JP2017001546A - 車両の動力伝達制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】AMT付ハイブリッド車両に適用される、「正転前提の構成」を備えた車両の動力伝達制御装置であって、第2移動部材の位置を検出する位置センサに異常が発生した場合であっても、車両の走行を適正に続行できるもの、を提供すること。
【解決手段】車両の駆動方向の変更用にアクチュエータによって駆動される第2移動部材M2の位置を検出する位置センサP4の正常時、シフトレバーが「Dレンジ」にあるときは、M2を前進位置ADに移動し電動機M/Gの出力軸A4を正転駆動し、シフトレバーが「Rレンジ」にあるときは、M2を後進位置RVに移動しA4を正転駆動する。P4の異常時において異常発生直前のP4の検出結果がAD(RV)である場合、シフトレバーが「Dレンジ」にあるときはA4を正転(逆転)駆動し、シフトレバーが「Rレンジ」にあるときはA4を逆転(正転)駆動する。
【選択図】図13

Description

本発明は、車両の動力伝達制御装置に関し、特に、動力源として内燃機関と電動機とを備え、且つ摩擦クラッチを備えた車両に適用されるものに係わる。
従来より、複数の変速段を有し且つトルクコンバータを備えていない変速機と、内燃機関の駆動出力軸と変速機の入力軸との間に介装されてクラッチトルクを調整可能なクラッチと、車両の走行状態に応じてアクチュエータを用いてクラッチトルク及び変速機の変速段を制御する制御手段と、を備えた動力伝達制御装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。係る動力伝達制御装置は、オートメイティッド・マニュアル・トランスミッション(AMT)とも呼ばれる。
また、従来より、動力源としてエンジンと電動機(電動モータ)とを備えた所謂ハイブリッド車両が知られている(例えば、特許文献2を参照)。ハイブリット車両では、変速機の入力軸を介することなく電動機の動力を変速機の出力軸に伝達できる構成が採用される場合が多い。以下、AMTを搭載し、且つ、変速機の入力軸を介することなく電動機の動力を変速機の出力軸に伝達できる構成を備えたハイブリッド車両を「AMT付ハイブリッド車両」と呼ぶ。
特開2006−97740号公報 特開2000−224710号公報
近年、本発明者は、「変速段を変更するためにアクチュエータによって駆動される第1移動部材(後述する図2のM1を参照)と、車両の駆動方向(前進か後進か)を変更するためにアクチュエータによって駆動される第2移動部材(後述する図2のM2を参照)と、を備えた変速機」を有するAMT付ハイブリッド車両を開発してきている。
この変速機では、第2移動部材が前進位置(AD)にある場合には、電動機の出力軸を正転方向に駆動することによって変速機の出力軸(従って、駆動輪)が前進方向に駆動される。他方、第2移動部材が前進位置(AD)から後進位置(RV)に移動すると、電動機の出力軸と変速機の出力軸との間のトルクフローを構成するギヤ列が変化することによって、電動機の出力軸を正転方向に駆動することによって変速機の出力軸(従って、駆動輪)が前進方向とは反対の後進方向に駆動される。即ち、この構成では、前進時も後進時も、電動機の出力軸が正転方向に駆動される。以下、この構成を「正転前提の構成」と呼ぶ。
「正転前提の構成」では、前記トルクフローを構成するギヤ列を前進時と後進時との間で調整することによって、後進時の電動機減速比(変速機の出力軸の回転速度に対する電動機の出力軸の回転速度の割合)が前進時の電動機減速比より大きい構成を容易に得ることができる。後進時の電動機減速比を前進時の電動機減速比より大きくしたい、という要求が多い。即ち、「正転前提の構成」を採用すると、この要求に沿う変速機を設計し易い。
なお、第2移動部材が前進位置(AD)から後進位置(RV)に移動した場合に、前記トルクフローを構成するギヤ列を変更することなく、電動機の出力軸を正転方向と反対の逆転方向に駆動することによって変速機の出力軸(従って、駆動輪)を後進方向に駆動する構成を採用することも考えられる。しかしながら、この構成では、後進時の電動機減速比が前進時の電動機減速比と同じになる。即ち、後進時の電動機減速比を前進時の電動機減速比より大きくしたい、という上述の要求が達成され得ない。
「正転前提の構成」を有する変速機が採用される場合、車両の運転者によって操作されるシフトレバーが前進用の位置(D)にあるとき、第2移動部材がアクチュエータによって前進位置(AD)に移動されるともに、電動機の出力軸を正転方向に駆動することによって駆動輪が前進方向に駆動される。シフトレバーが後進用の位置(R)にあるとき、第2移動部材がアクチュエータによって後進位置(RV)に移動されるともに、電動機の出力軸を正転方向に駆動することによって駆動輪が後進方向に駆動される。
「正転前提の構成」では、シフトレバーが前進用の位置(D)にあるときに第2移動部材が前進位置(AD)に確実に移動したこと、並びに、シフトレバーが後進用の位置(R)にあるときに第2移動部材が後進位置(RV)に確実に移動したこと、を保証するため、第2移動部材の位置を検出する位置センサを設けることが好ましい。この位置センサを設けることによって、第2移動部材の位置情報を逐次得ることができるので、運転者の意思(シフトレバーの操作)と異なる方向に車両が移動するような事態の発生を未然に防ぐことができる。
ところが、この位置センサに異常が発生した場合、それ以降、第2移動部材の正確な位置情報を得ることができない。この場合、「運転者の意思と異なる方向に車両が移動する事態の発生を未然に確実に防ぐ」という観点からは、車両の走行を完全に禁止する処置(具体的には、電動機の作動を停止する等)を行うことも考えられる。
しかしながら、この位置センサに異常が発生した場合であっても、「運転者の意思と異なる方向に車両が移動する事態の発生を防ぐ」ことを保証しながら車両の走行を続行できる状況があるのであれば、車両の走行を続行できる機会をできる限り増やすことが好ましい、と考えられる。
本発明の目的は、AMT付ハイブリッド車両に適用される、「正転前提の構成」を備えた車両の動力伝達制御装置であって、第2移動部材の位置を検出する位置センサに異常が発生した場合であっても、「運転者の意思と異なる方向に車両が移動する事態の発生を防ぐ」ことを保証しながら車両の走行を続行できるもの、を提供することにある。
本発明に係る「正転前提の構成」を備えた動力伝達制御装置は、上述のように、前記第2移動部材(M2)の位置、又は、前記第2移動部材(M2)の移動に応じて移動する部材の位置、に関する情報を所定時間の経過毎に検出する位置センサ(P4)を備える。
本発明に係る動力伝達制御装置の特徴は、前記位置センサ(P4)が正常か異常かを前記所定時間の経過毎に判定する判定手段を備えた点、並びに、前記位置センサ(P4)が異常と判定された場合の構成にある。
具体的には、「前記位置センサ(P4)が異常と判定され、且つ、前記異常と判定される前の前記位置センサ(P4)の最新の検出結果が前記前進位置(AD)である」場合、前記シフトレバー(SL)が前記前進用の位置(D)にあるときは、前記電動機の出力軸(A4)を前記正転方向に駆動することによって前記駆動輪を前進方向に駆動するように構成される。前記シフトレバー(SL)が前記後進用の位置(R)にあるときは、前記電動機の出力軸(A4)を前記正転方向と反対の逆転方向に駆動することによって前記駆動輪を後進方向に駆動するように構成される。
加えて、「前記位置センサ(P4)が異常と判定され、且つ、前記異常と判定される前の前記位置センサ(P4)の最新の検出結果が前記後進位置(RV)である」場合、前記シフトレバー(SL)が前記前進用の位置(D)にあるときは、前記電動機の出力軸(A4)を前記逆転方向に駆動することによって前記駆動輪を前進方向に駆動するように構成される。前記シフトレバー(SL)が前記後進用の位置(R)にあるときは、前記電動機の出力軸(A4)を前記正転方向に駆動することによって前記駆動輪を後進方向に駆動するように構成される。
上述のように、この動力伝達制御装置が備える位置センサは、第2移動部材の位置に関する情報を所定時間の経過毎に検出するとともに、位置センサが「正常か異常か」が所定時間の経過毎に判定される。従って、所定時間を極短時間(例えば、6msec)に設定することによって、位置センサの判定結果が正常から異常に変化した時点における第2移動部材の実際の位置情報は、その時点から所定時間(即ち、極短時間)だけ前の時点にて正常であった位置センサが検出した第2移動部材の位置情報とほぼ同じになる、と考えられる。
換言すれば、位置センサが異常と判定された時点(位置センサの判定結果が正常から異常に変化した時点)以降において第2移動部材を駆動しない限りにおいて、位置センサが異常と判定された状態における第2移動部材の実際の位置情報は、「位置センサが異常と判定される前の位置センサの最新の検出結果」に基づく位置情報とほぼ同じである、ことが保証され得る、と考えることができる。
上記構成は、係る知見に基づく。即ち、「位置センサ(P4)が異常と判定され、且つ、異常と判定される前の位置センサ(P4)の最新の検出結果が前進位置(後進位置)である」場合には、(位置センサの判定結果が正常から異常に変化した時点以降において第2移動部材を駆動しない限りにおいて)第2移動部材が現在、前進位置(後進位置)にあることが保証され得る。
従って、上記構成によれば、シフトレバー(SL)が前進用の位置(D)にあるときには駆動輪が前進方向に駆動され、シフトレバー(SL)が後進用の位置(D)にあるときには駆動輪が後進方向に駆動される、ことが保証され得る。即ち、位置センサに異常が発生した場合であっても、「運転者の意思と異なる方向に車両が移動する事態の発生を防ぐ」ことを保証しながら車両の走行を続行することができる。
ただし、前記位置センサ(P4)が異常と判定され、且つ、前記異常と判定される前の前記位置センサ(P4)の最新の検出結果がニュートラル位置(N)である場合には、前記シフトレバー(SL)が前記前進用の位置(D)及び前記後進用の位置(R)の何れにあっても、前記電動機(M/G)の作動を停止する等の車両走行を禁止する処置を行うことが好適である。
位置センサが異常である限りにおいて、「ニュートラル位置」にある第2移動部材を「前進位置」又は「後進位置」の方向に駆動したとしても、第2移動部材が実際に「前進位置」又は「後進位置」にあることを保証することができない。従って、この場合は、「運転者の意思と異なる方向に車両が移動する事態の発生を未然に確実に防ぐ」という観点から、車両の走行を完全に禁止する処置を行うことが好ましい、と考えられる。上記構成は、係る知見に基づく。「車両走行を禁止する処置」としては、電動機の作動を停止する処置のみならず、内燃機関の作動を停止する処置、及び、摩擦クラッチを分断状態にする処置等も挙げられる。
上記本発明に係る動力伝達制御装置では、上述のように、前記位置センサ(P4)が異常と判定された場合、前記第2移動部材(M2)を駆動しないように構成されることが好適である。しかしながら、前記第2移動部材(M2)の前記前進位置(AD)が、前記第2移動部材(M2)の移動範囲における第1の端部を含む位置であり、前記第2移動部材(M2)の前記後進位置(RV)が、前記第2移動部材(M2)の前記移動範囲における前記第1の端部とは異なる第2の端部を含む位置であるには、以下のように、第2移動部材を駆動することができる。
即ち、前記位置センサ(P4)が異常と判定され、且つ、前記異常と判定される前の前記位置センサ(P4)の最新の検出結果が前進位置(後進位置)である場合には、前記シフトレバー(SL)が前記前進用の位置(D)及び前記後進用の位置(R)の何れにあっても、前記第2アクチュエータによって前記第2移動部材(M2)を第1の端部(第2の端部)に向けて駆動することができる。これにより、第2移動部材を駆動しない場合と比べて、第2移動部材が現在、前進位置(後進位置)にあることがより一層保証され得る。
本発明の実施形態に係る車両の動力伝達制御装置の概略構成図である。 図1に示した変速機の第1、第2移動部材の移動パターンの一例を示した図である。 運転者が操作するシフトレバーの操作パターンの一例を示した図である。 車速及びアクセル開度と、選択される変速段との関係を規定したマップを示したグラフである。 位置センサが正常、且つ、シフトレバーが「D」にある場合において、「1速」が選択された場合における、図1に対応する図である。 位置センサが正常、且つ、シフトレバーが「D」にある場合において、「2速」が選択された場合における、図1に対応する図である。 位置センサが正常、且つ、シフトレバーが「D」にある場合において、「3速」が選択された場合における、図1に対応する図である。 位置センサが正常、且つ、シフトレバーが「D」にある場合において、「4速」が選択された場合における、図1に対応する図である。 位置センサが正常、且つ、シフトレバーが「D」にある場合において、「5速」が選択された場合における、図1に対応する図である。 位置センサが正常、且つ、シフトレバーが「R」にある場合における、図1に対応する図である。 位置センサ異常時における処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2移動部材の移動パターンにおいて、AD領域、N領域、RV領域、AD側ストッパ点、及び、RV側ストッパ点を説明するための図である。 位置センサにパターンAの異常が発生し、且つ、シフトレバーが「R」にある場合における、図1に対応する図である。 位置センサにパターンRの異常が発生し、且つ、シフトレバーが「D」にある場合における、図1に対応する図である。 本発明の実施形態の変形例に係る車両の動力伝達制御装置の概略構成図である。 位置センサが正常、且つ、シフトレバーが「D」にある場合において、「1速」が選択された場合における、図15に対応する図である。 位置センサが正常、且つ、シフトレバーが「R」にある場合における、図15に対応する図である。 位置センサにパターンAの異常が発生し、且つ、シフトレバーが「R」にある場合における、図15に対応する図である。 位置センサにパターンRの異常が発生し、且つ、シフトレバーが「D」にある場合における、図15に対応する図である。
以下、本発明の実施形態に係る車両の動力伝達制御装置(以下、「本装置」と称呼する。)について図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1は、本装置の概略構成を示す。図1に示すように、本装置が搭載される車両は、動力源として内燃機関とモータジェネレータとを備え、且つ、トルクコンバータを備えない有段変速機とクラッチとを使用した所謂オートメイティッド・マニュアル・トランスミッション(AMT)を備えた、上述した「AMT付ハイブリッド車両」である。
この車両は、エンジンE/Gと、変速機T/Mと、クラッチC/Dと、モータジェネレータM/Gと、を備えている。E/Gは、周知の内燃機関の1つであり、例えば、ガソリンを燃料として使用するガソリンエンジン、軽油を燃料として使用するディーゼルエンジンである。E/Gの出力軸A1は、フライホイールF/W、及び、クラッチC/Dを介して、変速機T/Mの入力軸A2と接続されている。
変速機T/Mは、前進用の複数(具体的には、5つ)の変速段、後進用の1つの変速段、及びニュートラル段を有するトルクコンバータを備えない周知の有段変速機の1つである。T/Mの出力軸A3は、ディファレンシャルD/Fを介して車両の駆動輪と接続されている。
図1に示すように、変速機T/Mは、前進1速〜前進5速に係わる、対応する変速段の駆動ギヤ及び被動ギヤがそれぞれ常時噛み合う駆動ギヤG1i〜G5i及び被動ギヤG1o〜G5oを備える。駆動ギヤG1i〜G5i、及び、被動ギヤG1o〜G5oは、それぞれ、入力軸A2又は出力軸A3に設けられた固定ギヤ(対応する軸に相対回転不能に設けられたギヤ)、又は、遊転ギヤ(対応する軸に相対回転可能に設けられたギヤ)である。
T/Mは、入力軸A2又は出力軸A3に設けられたスリーブS1〜S4を備える。スリーブS1〜S4は、それぞれ、対応する軸に相対回転不能且つ軸方向に相対移動可能に設けられ、且つ、その軸方向位置に応じて対応する遊転ギヤと係合可能に設けられている。1つの遊転ギヤが対応するスリーブと係合すると、その遊転ギヤが対応する軸に相対回転不能に固定されることによって、入力軸A2と出力軸A3との間でその遊転ギヤに対応する前進用の変速段の動力伝達系統が確立される。即ち、前進用のその変速段が実現される。図1では、スリーブS1〜S4の全てが対応する遊転ギヤと係合していないことによって、T/Mのニュートラル段(入力軸A2と出力軸A3との間で動力伝達系統が確立されない状態)が実現されている。
また、T/Mは、後進に係わる、駆動ギヤGRi、及び、被動ギヤGRo1、GRo2を備える。駆動ギヤGRiは、入力軸A2に設けられた固定ギヤである。被動ギヤGRo1は、カウンタ軸A5に設けられた固定ギヤであり、GRiと常時噛み合っている。被動ギヤGRo2は、スリーブS1に相対回転不能且つ軸方向に相対移動可能に設けられ、且つ、その軸方向位置に応じて被動ギヤGRo1と係合可能に設けられている。GRo2がGRo1と係合すると、入力軸A2と出力軸A3との間で後進用の1つの変速段の動力伝達系統が確立される。即ち、後進用の1つの変速段が実現される。
更に、T/Mは、第1移動部材M1、及び、第2移動部材M2を備える。第1、第2移動部材M1、M2については後述する。第1、第2移動部材M1、M2の位置、並びに、スリーブS1〜S4、及び、被動ギヤGRo2の軸方向位置は、変速機アクチュエータACT2によりそれぞれ調整可能となっている。
クラッチC/Dは、変速機T/Mの入力軸A2に一体回転するように設けられた周知の構成を有する摩擦クラッチディスクである。より具体的には、エンジンE/Gの出力軸A1に一体回転するように設けられたフライホイールF/Wに対して、クラッチC/D(クラッチディスク)が互いに向き合うように同軸的に配置されている。フライホイールF/Wに対するクラッチC/D(より正確には、クラッチディスク)の軸方向の位置が調整可能となっている。クラッチC/Dの軸方向位置は、クラッチアクチュエータACT1(図1を参照)により調整される。なお、このクラッチC/Dは、運転者によって操作されるクラッチペダルを備えていない。
以下、クラッチC/Dの原位置(クラッチディスクがフライホイールから最も離れた位置)からの接合方向(圧着方向)への軸方向の移動量をクラッチストロークと呼ぶ。クラッチストロークを調整することにより、クラッチC/Dが伝達可能な最大トルク(クラッチトルクTc)が調整される。「Tc=0」の状態では、エンジンE/Gの出力軸A1と変速機T/Mの入力軸A2との間で動力が伝達されない。この状態を「分断状態」と呼ぶ。また、「Tc>0」の状態では、出力軸A1と入力軸A2との間で動力が伝達される。この状態を「接合状態」と呼ぶ。
モータジェネレータM/Gは、周知の構成(例えば、交流同期モータ)を有している。具体的には、例えば、M/Gのロータ(図示せず)がM/Gの出力軸A4と一体回転するようになっている。図1に示すように、M/Gの出力軸A4は、所定の歯車列を介してT/Mの出力軸A3と動力伝達可能に接続されている。即ち、T/Mの入力軸A2を介することなく、M/Gの動力がT/Mの出力軸A3(従って、駆動輪)に伝達可能に構成されている。
図1に示すように、本装置は、スリーブS1〜S4の軸方向位置をそれぞれ検出する位置センサP1〜P4、及び、電子制御ユニットECUを備えている。ECUは、位置センサP1〜P4、並びに、図示しないアクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ、シフトレバーSL(後述する図3を参照)の位置を検出するシフト位置センサ、ブレーキペダルの操作の有無を検出するブレーキセンサ、車両の速度を検出する車速センサ等からの情報に基づいて、アクチュエータACT1、ACT2を制御する。これにより、C/Dのクラッチストローク(従って、クラッチトルクTc、分断状態か接合状態か)、及び、T/Mの変速段が制御される。
また、ECUは、上述した各種センサ等からの情報に基づいて、E/Gの燃料噴射量(スロットル弁の開度)を制御することによって、E/Gの出力軸A1の駆動トルク(EGトルク)を制御するとともに、インバータ(図示せず)を制御することによって、M/Gの出力軸A4の駆動トルク(MGトルク)、並びに、駆動回転方向を制御する。
以上、この車両は、AMTを搭載し、且つ、M/Gの動力がT/Mの入力軸A2を介することなくT/Mの出力軸A3に伝達可能に構成された「AMT付ハイブリッド車両」である。以下、EGトルクのみを利用して車両が走行するモードを「EG走行モード」、MGトルクのみを利用して車両が走行するモードを「EV走行モード」、EGトルク及びMGトルクの両方を利用して車両が走行するモードを「HV走行モード」と呼ぶ。
(第1、第2移動部材M1、M2)
上述のように、変速機T/Mは、第1、第2移動部材M1、M2を備える。図2に示すように、本装置では、第1移動部材M1はHパターンに沿って移動し、第2移動部材M2はIパターンに沿って移動するようになっている。第1、第2移動部材M1、M2は、それぞれ、MT(マニュアルトランスミッション)を搭載した車両に備えられるシフトレバー(運転者により操作されるレバー)に相当する部材である。
M1は、スリーブS1〜S3と機械的に連結されている。Hパターンにおいて、1速−2速に対応するセレクト位置(図2において左右方向の位置)におけるM1のシフト位置(図2において上下方向の位置)に応じてスリーブS1の軸方向位置が制御され、3速に対応するセレクト位置におけるM1のシフト位置に応じてスリーブS2の軸方向位置が制御され、4速−5速に対応するセレクト位置におけるM1のシフト位置に応じてスリーブS3の軸方向位置が制御される。これにより、前進用の「実現される変速段」(1速〜5速)が決定される。「1速」から「5速」に向けて、T/M減速比(出力軸A3の回転速度に対する入力軸A2の回転速度の割合)が次第に小さくなっていく。
また、M2は、スリーブS4、及び、被動ギヤGRo2と機械的に連結されている。IパターンにおけるM2のシフト位置(図2において上下方向の位置)に応じて、スリーブS4、及び、被動ギヤGRo2の軸方向位置が制御される。これにより、車両の駆動方向(前進(AD)、又は、後進(RV))が決定される。
ただし、M1及びM2は、車両において運転者から視認・操作できない場所に搭載されている。従って、運転者は、M1及びM2を操作することができない。この車両は、M1及びM2とは別に、車両の運転者により操作されるシフトレバーSLを備える。本装置では、M1及びM2の位置(従って、スリーブS1〜S4、及び、被動ギヤGRo2の軸方向位置)は、このシフトレバーSLの位置に応じて、変速機アクチュエータACT2によりそれぞれ制御される。
ACT2として、M1用の2つのアクチュエータ(M1のセレクト方向(図2において左右方向)の位置を制御するアクチュエータと、M1のシフト方向(図2において上下方向)の位置を制御するアクチュエータ)と、M2用の1つのアクチュエータ(M2のシフト方向(図2において上下方向)の位置を制御するアクチュエータ)と、が使用され得る。M1用のアクチュエータとして、M1のセレクト方向及びシフト方向の両方の位置を制御可能な1つのアクチュエータが使用されてもよい。
図3に示すように、シフトレバーSLの位置としては、例えば、「D(ドライブ)レンジ」、「M(マニュアル)レンジ」、「N(ニュートラル)レンジ」、及び「R(リバース)レンジ」がある。「Dレンジ」、及び「Mレンジ」は、前進用の変速段(1速〜5速)に対応し、それぞれ「自動モード」、及び「手動モード」に対応する。「Nレンジ」はニュートラル段に対応し、「Rレンジ」は後進用の1つの変速段に対応する。
従って、シフトレバーSLが「Dレンジ」又は「Mレンジ」にある場合、M2が前進位置ADに制御されるとともに、M1が、1速〜5速のうち「実現される変速段」のシフト完了位置に制御される。SLが「Rレンジ」にある場合、M2が後進位置RVに制御されるとともに、M1が、3速のシフト完了位置に制御される。この点については、後にも説明する。SLが「Nレンジ」にある場合、M2がニュートラル位置Nに制御されるとともに、M1が、N領域(図2を参照)に制御される(上述した図1を参照)。
シフトレバーSLが「Dレンジ」にある場合(自動モード)、「実現される変速段」は、ECU内のROMに記憶された変速マップ(図4を参照)と、車速及びアクセル開度等の車両の走行状態とに基づいて、選択・変更される。例えば、現在の車速がαで現在のアクセル開度がβの場合、「実現される変速段」として「3速」が選択される。SLが「Mレンジ」にある場合(手動モード)、SLの位置の+側又は−側への移動に応じて、「実現される変速段」が、シーケンシャルに選択・変更される。
(位置センサ正常時における作動)
本装置では、シフトレバーSLが「Dレンジ」又は「Mレンジ」にあるときにM2が前進位置ADに確実に移動したこと、並びに、SLが「Rレンジ」にあるときにM2が後進位置RVに確実に移動したこと、を保証するため、上述のように、スリーブS4の軸方向位置を検出する位置センサP4が備えられている。ここで、上述のように、スリーブS4は、M2と機械的に連結されている。従って、位置センサP4は、M2のシフト位置を検出するセンサということもできる。位置センサP4を設けることによって、M2の位置情報を逐次得ることができるので、運転者の意思(シフトレバーSLの操作)と異なる方向に車両が移動するような事態の発生を未然に防ぐことができる。
本装置(具体的には、ECU)は、所定時間(例えば、6msec)の経過毎に、位置センサP4によって検出されたM2のシフト位置(図2において上下方向の位置)に関する情報を取得・記憶するようになっている。加えて、本装置(具体的には、ECU)は、所定時間(例えば、6msec)の経過毎に、位置センサP4が正常か異常かの判定を行うようになっている。この判定は、例えば、センサP4の出力電圧がセンサ正常時に対応する範囲内にあるか否かでなされ得る。なお、M2の位置情報の検出タイミングと、センサP4が正常か異常かの判定のタイミングとは、同じであっても異なっていてもよい。
なお、スリーブS1〜S3が、M1と機械的に連結されている観点から、スリーブS1〜S3の軸方向位置をそれぞれ検出する位置センサP1〜P3は、M1のセレクト位置及びシフト位置を検出するセンサということもできる。本装置は、所定時間(例えば、6msec)の経過毎に、位置センサP1〜P3によって検出されたM1のセレクト位置及びシフト位置に関する情報を取得するように構成され得、また、本装置は、所定時間(例えば、6msec)の経過毎に、位置センサP1〜P3が正常か異常かの判定をそれぞれ行うように構成され得る。
以下、位置センサP4が正常である場合における作動の一例について、表1、並びに、図5〜図10を参照しながら簡単に説明する。図中において、太い実線はEGトルクの流れを示し、太い破線はMGトルクの流れを示す。
<Dレンジ 1速>
図5は、シフトレバーSLが「Dレンジ」にあり、且つ、「実現される変速段」として「1速」が選択された場合を示す。この場合、M2が前進位置ADに制御され、M1が1速のシフト完了位置に制御される。M2が前進位置ADに制御されることによって、スリーブS4が被動ギヤG3oと係合し、この結果、被動ギヤG3oが出力軸A3に対して相対回転不能となる。これにより、M/Gの動力が被動ギヤG3oを介して出力軸A3(従って、駆動輪)に伝達可能となる。また、M1が1速のシフト完了位置に制御されることによって、スリーブS1が被動ギヤG1oと係合し、この結果、被動ギヤG1oが出力軸A3に対して相対回転不能となる。これにより、入力軸A2及び出力軸A3の間で1速の動力伝達系統が確立される。
図5、及び、表1に示すように、この場合、M/Gを正転方向に駆動し、且つ、クラッチC/Dを接合状態に制御しながらE/Gを駆動することによって、MGトルク(太い破線を参照)、及び、1速のEGトルク(太い実線を参照)を利用した「HV走行モード」によって、車両が前進方向に駆動される。
<Dレンジ 2速>
図6は、SLが「Dレンジ」にあり、且つ、「実現される変速段」として「2速」が選択された場合を示す。この場合、M2が前進位置ADに制御され、M1が2速のシフト完了位置に制御される。1速の場合(図5)との相違点は、スリーブS1が被動ギヤG1oではなく被動ギヤG2oと係合している点のみである。これにより、入力軸A2及び出力軸A3の間で2速の動力伝達系統が確立される。
図6、及び、表1に示すように、この場合、M/Gを正転方向に駆動し、且つ、クラッチC/Dを接合状態に制御しながらE/Gを駆動することによって、MGトルク、及び、2速のEGトルクを利用した「HV走行モード」によって、車両が前進方向に駆動される。
<Dレンジ 3速>
図7は、SLが「Dレンジ」にあり、且つ、「実現される変速段」として「3速」が選択された場合を示す。この場合、M2が前進位置ADに制御され、M1が3速のシフト完了位置に制御される。1速の場合(図5)との相違点は、スリーブS1が被動ギヤG1oに係合するのではなく、スリーブS2が駆動ギヤG3iと係合している点のみである。これにより、入力軸A2及び出力軸A3の間で3速の動力伝達系統が確立される。
図7、及び、表1に示すように、この場合、M/Gを正転方向に駆動し、且つ、クラッチC/Dを接合状態に制御しながらE/Gを駆動することによって、MGトルク、及び、3速のEGトルクを利用した「HV走行モード」によって、車両が前進方向に駆動される。
<Dレンジ 4速>
図8は、SLが「Dレンジ」にあり、且つ、「実現される変速段」として「4速」が選択された場合を示す。この場合、M2が前進位置ADに制御され、M1が4速のシフト完了位置に制御される。1速の場合(図5)との相違点は、スリーブS1が被動ギヤG1oに係合するのではなく、スリーブS3が駆動ギヤG4iと係合している点のみである。これにより、入力軸A2及び出力軸A3の間で4速の動力伝達系統が確立される。
図8、及び、表1に示すように、この場合、M/Gを正転方向に駆動し、且つ、クラッチC/Dを接合状態に制御しながらE/Gを駆動することによって、MGトルク、及び、4速のEGトルクを利用した「HV走行モード」によって、車両が前進方向に駆動される。
<Dレンジ 5速>
図9は、SLが「Dレンジ」にあり、且つ、「実現される変速段」として「5速」が選択された場合を示す。この場合、M2が前進位置ADに制御され、M1が5速のシフト完了位置に制御される。4速の場合(図8)との相違点は、スリーブS3が駆動ギヤG4iではなく駆動ギヤG5iと係合している点のみである。これにより、入力軸A2及び出力軸A3の間で5速の動力伝達系統が確立される。
図9、及び、表1に示すように、この場合、M/Gを正転方向に駆動し、且つ、クラッチC/Dを接合状態に制御しながらE/Gを駆動することによって、MGトルク、及び、5速のEGトルクを利用した「HV走行モード」によって、車両が前進方向に駆動される。
なお、上述した図5〜図9に示したDレンジの1速〜5速の例では、「HV走行モード」によって車両が前進方向に駆動される場合が示されているが、Dレンジの1速〜5速において、クラッチC/Dを分断状態に制御することによって、MGトルクのみを利用した「EV走行モード」によって車両が前進方向に駆動される状態を実現することもできる。この場合、E/Gを駆動状態に維持しても停止状態に維持してもよい。
<Rレンジ>
図10は、SLが「Rレンジ」にある場合を示す。この場合、M2が後進位置RVに制御され、M1が3速のシフト完了位置に制御される。M2が後進位置RVに制御されることによって、スリーブS4の被動ギヤG3oとの係合が解除されるとともに、被動ギヤGRo2が被動ギヤGRo1と係合する。これにより、入力軸A2及び出力軸A3の間で後進用の動力伝達系統が確立される。加えて、M1が3速のシフト完了位置に制御されることによって、スリーブS2が駆動ギヤG3iと係合する。これにより、3速の駆動ギヤG3i及び被動ギヤG3oを介して、M/Gの出力軸A4及び入力軸A2の間の動力伝達系統が確立される。
図10、及び、表1に示すように、この場合、M/Gを正転方向に駆動し、且つ、クラッチC/Dを分断状態に制御することによって、MGトルク(太い破線を参照)のみを利用した「EV走行モード」によって、車両が後進方向に駆動される。この場合、E/Gを駆動状態に維持しても停止状態に維持してもよい。なお、M/Gを正転方向に駆動し、且つ、クラッチC/Dを接合状態に制御しながらE/Gを駆動することによって、MGトルク及びEGトルクを利用した「HV走行モード」によって車両が後進方向に駆動される状態を実現することもできる。
<Nレンジ>
SLが「Nレンジ」にある場合、図1、及び、表1に示すように、M2がニュートラル位置Nに制御されるとともに、M1が、N領域(図2を参照)に制御される。クラッチC/Dは分断状態に維持され、M/Gは停止状態に維持される。C/Dが分断状態に制御されているので、E/Gは駆動状態に維持されても停止状態に維持されてもよい。
以上、位置センサP4が正常である場合、本装置では、シフトレバーSLが「Dレンジ(又はMレンジ)」にあるとき(即ち、M2が前進位置ADにあるとき)、M/Gの出力軸A4を正転方向に駆動することによって駆動輪が前進方向に駆動され、SLが「Rレンジ」にあるとき(即ち、M2が後進位置RVにあるとき)、M/Gの出力軸A4を正転方向に駆動することによって駆動輪が後進方向に駆動される。即ち、本装置は、前進時も後進時もM/Gの出力軸A4が正転方向に駆動される構成(上述した「正転前提の構成」)を備えている。
加えて、本装置では、「正転前提の構成」を採用していることに起因して、後進時のM/G減速比(T/Mの出力軸A3の回転速度に対するM/Gの出力軸A4の回転速度の割合)が前進時のM/G減速比より大きい。従って、本装置は、「後進時のM/G減速比を前進時のM/G減速比より大きくしたい」という要求に沿うものである。以上、位置センサP4の正常時における本装置の作動について説明した。
(位置センサ異常時における作動)
次に、位置センサP4の異常時における本装置の作動について説明する。位置センサP4に異常が発生した場合、それ以降、M2の正確な位置情報を得ることができない。この場合、「運転者の意思と異なる方向に車両が移動する事態の発生を未然に確実に防ぐ」という観点からは、車両の走行を完全に禁止する処置(具体的には、M/Gの作動を停止する等)を行うことも考えられる。
しかしながら、位置センサP4に異常が発生した場合であっても、「運転者の意思と異なる方向に車両が移動する事態の発生を防ぐ」ことを保証しながら車両の走行を続行できる状況があるのであれば、車両の走行を続行できる機会をできる限り増やすことが好ましい、と考えられる。
そこで、本装置は、位置センサP4に異常が発生したと判定した場合、図11に示すフローチャートに沿った処理を続行する。以下、説明の便宜上、図12に示すように、M2のシフト位置(図12における上下方向の位置)を、「AD領域」、「N領域」、「RV領域」の3領域に区分する。
「AD領域」とは、スリーブS4が被動ギヤG3oと係合することによって、M/Gの動力が、被動ギヤG3oを介して、出力軸A3(従って、駆動輪)に伝達される状態が得られる領域を指す。「RV領域」とは、スリーブS2が駆動ギヤG3iと係合し且つ被動ギヤGRo2が被動ギヤGRo1と係合することによって、M/Gの動力が、3速の駆動ギヤG3i及び被動ギヤG3o、並びに、後進用の駆動ギヤGRi、被動ギヤGRo1、及び被動ギヤGRo2を介して、出力軸A3(従って、駆動輪)に伝達される状態が得られる領域を指す。「N領域」とは、M/Gの動力が出力軸A3に伝達されない状態が得られる領域を指す。
上述のように、本装置では、所定時間(例えば、6msec)の経過毎に位置センサP4によって検出されたM2のシフト位置に関する情報が取得・記憶され、且つ、所定時間(例えば、6msec)の経過毎に位置センサP4が正常か異常かの判定が行われている。
位置センサP4の判定結果が正常から異常に変化した場合、ステップ1105にて、車両が走行中か停止中かが判定される。この判定は、例えば、上記車速センサによって検出された車速が所定の極低速度以上か否かによってなされ得る。ステップ1105にて、車両が「走行中」(車速が所定の極低速度以上)と判定された場合、ステップ1110にて、「走行中の処理」が行われる。
<走行中の処理>
車両が走行中の場合、通常、車両の前進・後進の切り換えは行わない。即ち、M2が駆動されない。従って、シフトレバーSLが「D又はMレンジ」にあって車両が前進走行中である限りにおいて、M2がAD領域にあることが保証され得、SLが「Rレンジ」にあって車両が後進走行中である限りにおいて、M2がRV領域にあることが保証され得る。
従って、車両走行中にてシフトレバーSLが「D又はMレンジ」(「Rレンジ」)にある場合において位置センサP4の判定結果が正常から異常に変化した場合、位置センサP4が異常と判定された時点(判定結果が正常から異常に変化した時点)以降も、M2を継続して駆動しない限りにおいて、M2がAD領域(RV領域)にあることが保証され得る。
係る知見に基づき、本装置では、車両走行中にて位置センサP4の判定結果が正常から異常に変化した場合、位置センサP4が異常と判定された時点以降も、M2を駆動しない状態が維持され、並びに、現在のT/Mの状態、現在のC/Dの状態、現在のE/Gの駆動状態、及び、現在のM/Gの駆動状態(回転駆動方向を含む)が維持される。
これにより、車両走行中にて位置センサP4に異常が発生しても、「運転者の意思と異なる方向に車両が移動する事態の発生を防ぐ」ことを保証しながら車両の走行を続行することができる。なお、車両が前進走行中の場合、必要に応じて(例えば、図4に示す変速マップに従って)M1の位置を変更することによって「実現される変速段」が変更されてもよい。
また、本装置では、車両が前進走行中にて位置センサP4の判定結果が正常から異常に変化した場合、位置センサP4が異常と判定された時点以降、M2をAD側ストッパ点(図12を参照)に向けて駆動してもよい。これにより、M2がAD領域にあることがより一層保証され得る。同様に、車両が後進走行中にて位置センサP4の判定結果が正常から異常に変化した場合、位置センサP4が異常と判定された時点以降、M2をRV側ストッパ点(図12を参照)に向けて駆動してもよい。これにより、M2がRV領域にあることがより一層保証され得る。
<停止中の処理>
再び、図11を参照して、ステップ1105にて車両が「停止中」(車速が所定の極低速度未満)と判定された場合、ステップ1115以降にて、「停止中の処理」が行われる。
車両が停止中の場合、車両の前進・後進の切り換えが行われ得る。即ち、M2が駆動される可能性がある。従って、車両が走行中の場合と異なり、シフトレバーSLが「D又はMレンジ」(「Rレンジ」)にあっても、M2がAD領域(RV領域)にあることが保証され得ない。
上述のように、本装置では、所定時間(例えば、6msec)の経過毎に位置センサP4によって検出されたM2のシフト位置に関する情報が取得・記憶され、且つ、所定時間(例えば、6msec)の経過毎に位置センサP4が正常か異常かの判定が行われている。従って、所定時間を極短時間(例えば、6msec)に設定することによって、位置センサP4の判定結果が正常から異常に変化した時点におけるM2の実際の位置情報は、その時点から所定時間(即ち、極短時間)だけ前の時点にて正常であった位置センサP4が検出したM2の位置情報とほぼ同じになる、と考えられる。
換言すれば、位置センサP4が異常と判定された時点(位置センサP4の判定結果が正常から異常に変化した時点)以降においてM2を駆動しない限りにおいて、位置センサP4が異常と判定された状態におけるM2の実際の位置情報は、「位置センサP4が異常と判定される前の位置センサP4の最新の検出結果」に基づく位置情報とほぼ同じである、ことが保証され得る、と考えることができる。以下、「位置センサP4が異常と判定される前の位置センサP4の最新の検出結果」に基づく位置を、「異常発生直前の位置」と呼ぶ。
係る知見に基づき、本装置では、車両停止中にて位置センサP4の判定結果が正常から異常に変化した場合、それ以降、M2を駆動しない状態が維持される。そして、先ず、ステップ1115にて、「異常発生直前の位置」がAD領域、RV領域、及びN領域(図12を参照)の何れに属するかが判定される。そして、「異常発生直前の位置」が、AD領域の場合にはステップ1120にて「パターンAの処理」が行われ、RV領域の場合にはステップ1125にて「パターンRの処理」が行われ、N領域の場合にはステップ1130にて「パターンNの処理」が行われる。以下、これらの処理について順に説明する。
[パターンAの処理]
表2は、パターンAの処理における作動の一例を示す。表2において、上述した表1と異なる項目には、微細なドットが付されている。
表2に示すように、パターンAにおいて、シフトレバーSLが「Dレンジ(又はMレンジ)」にあるときは、上述した「位置センサP4正常時における作動」(表1、及び、図5〜図9を参照)と全く同じ作動が行われる。具体的には、M/Gが正転方向に駆動され、且つ、クラッチC/Dを接合状態に制御しながらE/Gを駆動することによって、「HV走行モード」によって、車両が前進方向に駆動される。クラッチC/Dを分断状態に制御することによって、「EV走行モード」によって車両が前進方向に駆動されてもよい。
一方、パターンAにおいて、シフトレバーSLが「Rレンジ」にあるときは、上述した「位置センサP4正常時における作動」(表1、及び、図10を参照)とは全く異なる作動が行われる。具体的には、表2、及び、図13に示すように、M/Gが逆転方向に駆動され、且つ、クラッチC/Dを分断状態に制御することによって、MGトルク(太い破線を参照)のみを利用した「EV走行モード」によって、車両が後進方向に駆動される。C/Dが分断状態に制御されているので、E/Gは駆動状態に維持されても停止状態に維持されてもよいし、M1は何れの位置に制御されてもよい。図13に示す例では、M1がN領域に制御されている。
パターンAにおける上述した「SLがDレンジ(又はMレンジ)にあるときの作動」、及び、「SLがRレンジにあるときの作動」は、共に、「異常発生直前の位置がAD領域の場合は、位置センサP4の判定結果が正常から異常に変化した時点以降においてM2を駆動しない限りにおいて、M2が現在AD領域にあることが保証され得る」という考えに基づく。加えて、SLが「Rレンジ」にある場合において、M2をRV側ストッパ点(図12を参照)に向けて駆動しないのは、位置センサP4が異常である限りにおいて、「AD位置」にある(と保証されている)M2をRV側の方向に駆動したとしても、M2が実際に「RV領域」(図12を参照)に入ったことを保証することができないこと、に基づく。
また、パターンAにおいて、シフトレバーSLが「Nレンジ」にあるときは、上述した「位置センサP4正常時における作動」(表1、及び、図1を参照)と同様、表2に示すように、M/Gが停止状態に維持され、クラッチC/Dが分断状態に制御され、M1がN領域に制御される。C/Dが分断状態に制御されているので、E/Gは駆動状態に維持されても停止状態に維持されてもよい。
なお、パターンAの処理中(具体的には、位置センサP4の判定結果が正常から異常に変化した時点以降)であって、且つ、SLが「Dレンジ(又はMレンジ)」又は「Rレンジ」にある場合、上述のように、M2を駆動しない状態が維持されるが、これに代えて、M2をAD側ストッパ点(図12を参照)に向けて駆動してもよい。これにより、M2がAD領域にあることがより一層保証され得る。
[パターンRの処理]
表3は、パターンRの処理における作動の一例を示す。表3において、上述した表1と異なる項目には、微細なドットが付されている。
表3に示すように、パターンRにおいて、シフトレバーSLが「Dレンジ(又はMレンジ)」にあるときは、上述した「位置センサP4正常時における作動」(表1、及び、図5〜9を参照)とは全く異なる作動が行われる。具体的には、表3、及び、図14に示すように、M1が3速のシフト完了位置に固定され、M/Gが逆転方向に駆動され、且つ、クラッチC/Dを分断状態に制御することによって、MGトルク(太い破線を参照)のみを利用した「EV走行モード」によって、車両が前進方向に駆動される。C/Dが分断状態に制御されているので、E/Gは駆動状態に維持されても停止状態に維持されてもよい。なお、この場合、T/M減速比が3速に固定される(従って、M/G減速比も固定される)ので、比較的高い車速での前進走行を行うことが困難になる。従って、この場合、車速制限が設けられてもよい。
一方、パターンRにおいて、シフトレバーSLが「Rレンジ」にあるときは、上述した「位置センサP4正常時における作動」(表1、及び、図10を参照)とは全く同じ作動が行われる。具体的には、表3に示すように、M1が3速のシフト完了位置に制御され、M/Gが正転方向に駆動され、且つ、クラッチC/Dを分断状態に制御することによって、MGトルク(太い破線を参照)のみを利用した「EV走行モード」によって、車両が前進方向に駆動される。E/Gを駆動状態に維持しても停止状態に維持してもよい。なお、クラッチC/Dを接合状態に制御しながらE/Gを駆動することによって、MGトルク及びEGトルクを利用した「HV走行モード」によって車両が後進方向に駆動される状態を実現することもできる。
パターンRにおける上述した「SLがDレンジ(又はMレンジ)にあるときの作動」、及び、「SLがRレンジにあるときの作動」は、共に、「異常発生直前の位置がRV領域の場合は、位置センサP4の判定結果が正常から異常に変化した時点以降においてM2を駆動しない限りにおいて、M2が現在RV領域にあることが保証され得る」という考えに基づく。加えて、SLが「Dレンジ(又はMレンジ)」にある場合において、M2をAD側ストッパ点(図12を参照)に向けて駆動しないのは、位置センサP4が異常である限りにおいて、「RV位置」にある(と保証されている)M2をAD側の方向に駆動したとしても、M2が実際に「AD領域」(図12を参照)に入ったことを保証することができないこと、に基づく。
また、パターンRにおいて、シフトレバーSLが「Nレンジ」にあるときは、上述した「位置センサP4正常時における作動」(表1、及び、図1を参照)と同様、表3に示すように、M/Gが停止状態に維持され、クラッチC/Dが分断状態に制御され、M1がN領域に制御される。C/Dが分断状態に制御されているので、E/Gは駆動状態に維持されても停止状態に維持されてもよい。
なお、パターンRの処理中(具体的には、位置センサP4の判定結果が正常から異常に変化した時点以降)であって、且つ、SLが「Dレンジ(又はMレンジ)」又は「Rレンジ」にある場合、上述のように、M2を駆動しない状態が維持されるが、これに代えて、M2をRV側ストッパ点(図12を参照)に向けて駆動してもよい。これにより、M2がRV領域にあることがより一層保証され得る。
[パターンNの処理]
表4は、パターンNの処理における作動の一例を示す。表4において、上述した表1と異なる項目には、微細なドットが付されている。
表4に示すように、シフトレバーSLが「Dレンジ(又はMレンジ)」、「Rレンジ」、及び「Nレンジ」の何れにあっても、M/Gが停止状態に維持され、クラッチC/Dが分断状態に制御され、M1がN領域に制御される。C/Dが分断状態に制御されているので、E/Gは駆動状態に維持されても停止状態に維持されてもよい。
位置センサP4が異常である限りにおいて、「N領域」にある(と保証されている)M2をAD側又はRV側の方向に駆動したとしても、M2が実際に「AD領域」又は「RV領域」に入ったことを保証することができない。従って、この場合は、「運転者の意思と異なる方向に車両が移動する事態の発生を未然に確実に防ぐ」という観点から、車両の走行を完全に禁止する処置を行うことが好ましい、と考えられる。上述した表4に示すパターンNの処理は、係る知見に基づく。
以上、本装置では、「パターンAの処理」、及び、「パターンRの処理」によって、シフトレバーSLが「Dレンジ(又はMレンジ)」にあるときには駆動輪が前進方向に駆動され、SLが「Rレンジ」にあるときには駆動輪が後進方向に駆動される、ことが保証され得る。即ち、車両停止中にて位置センサP4に異常が発生した場合であっても、「運転者の意思と異なる方向に車両が移動する事態の発生を防ぐ」ことを保証しながら車両の走行を続行することができる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、図1に示すように、後進用のギヤ列GRi、GRo1、及び、GRo2が設けられ、3速の被動ギヤG3oがスリーブS4と係合可能な遊転ギヤとなっている。この構成によって、前進時も後進時もM/Gの出力軸A4が正転方向に駆動される構成(「正転前提の構成」)が達成されている。この構成では、後進時、M/Gの動力が、3速の駆動ギヤG3i及び被動ギヤG3o、及び入力軸A2を経由して駆動輪に伝達される。
これに代えて、図15に示すように、後進用のギヤ列GRi、GRo1、及び、GRo2が設けられず、3速の被動ギヤG3oが出力軸A3に固定された固定ギヤであり、且つ、M/Gの出力軸A4に切替機構A4が介装された構成が採用されてもよい。
この切替機構では、「M/Gの出力軸A4(=切替機構の入力軸)の回転駆動方向」に対する「切替機構の出力軸A6の回転駆動方向」が、M2と機械的に連結されているスリーブS4の軸方向位置によって変化する。即ち、M2がAD領域(図12を参照)にある場合には、出力軸A6が出力軸A4と同じ方向に回転駆動される。M2がRV領域(図12を参照)にある場合には、出力軸A6が出力軸A4と反対の方向に回転駆動される。M2がN領域(図12を参照)にある場合には、出力軸A6が出力軸A4によって回転駆動されない。出力軸A6が出力軸A4と反対の方向に回転駆動される場合、出力軸A6が出力軸A4と同じ方向に回転駆動される場合と比べて、切替機構の減速比(出力軸A6の回転速度に対する出力軸A4の回転速度の割合)が大きいことが好適である。
図15に示す構成では、位置センサP4が正常であり、且つ、シフトレバーSLが「Dレンジ(又はMレンジ)」、又は「Nレンジ」にある場合、上記実施形態の作動(表1を参照)と全く同じ作動が行われる。例えば、SLが「Dレンジ(又はMレンジ)」にある場合、図5に対応する図16に示すように、M2がAD領域に制御され、M/Gの出力軸A4が正転方向に駆動される。この結果、切替機構の出力軸A6も正転方向に駆動されることによって、車両が前進方向に駆動される。なお、図16では、M1の位置(実現される変速段)として「1速」が選択された場合が示されている。
位置センサP4が正常であり、且つ、SLが「Rレンジ」にある場合、図10に対応する図17に示すように、M2がRV領域に制御され、且つ、M/Gの出力軸A4が正転方向に駆動される点では上記実施形態の作動(表1を参照)と同じであるが、M1の位置が任意である点においてのみ上記実施形態の作動(表1を参照)と異なる。この場合、切替機構の出力軸A6が逆転方向に駆動されることによって、車両が後進方向に駆動される。なお、図17では、M1の位置として「N」が選択された場合が示されている。
位置センサP4の異常時で「パターンAの処理」が行われる場合、シフトレバーSLが何れの位置にあっても、上記実施形態の作動(表2を参照)と全く同じ作動が行われる。例えば、SLが「Rレンジ」にある場合、図13に対応する図18に示すように、M2がAD領域にある(と保証されている)状態にて、M/Gの出力軸A4が逆転方向に駆動される。この結果、切替機構の出力軸A6も逆転方向に駆動されることによって、車両が後進方向に駆動される。なお、図18では、M1の位置(実現される変速段)として「N」が選択された場合が示されている。
位置センサP4の異常時で「パターンRの処理」が行われる場合、シフトレバーSLが「Dレンジ(又はMレンジ)」又は「Rレンジ」にある場合においてM1の位置が任意である点を除いて、SLが何れの位置にあっても、上記実施形態の作動(表3を参照)と全く同じ作動が行われる。例えば、SLが「Dレンジ」にある場合、図14に対応する図19に示すように、M2がRV領域にある(と保証されている)状態にて、M/Gの出力軸A4が逆転方向に駆動される。この結果、切替機構の出力軸A6が正転方向に駆動されることによって、車両が前進方向に駆動される。なお、図19では、M1の位置(実現される変速段)として「N」が選択された場合が示されている。
上述した図15に示す構成でも、前進時も後進時もM/Gの出力軸A4が正転方向に駆動される構成(「正転前提の構成」)が達成されている。この構成では、図1に示す構成と異なり、前進時も後進時も、M/Gの動力が入力軸A2を経由せずに駆動輪に伝達される。
また、上記実施形態では、第1移動部材M1がHパターンに沿って移動し、第2移動部材M2がIパターンに沿って移動するようになっているが(図2を参照)、M1が前進用の変速段を変更するためにアクチュエータによって駆動される部材であり、M2が車両の駆動方向(前進か後進か)を変更するためにアクチュエータによって駆動される部材である限りにおいて、M1及びM2がHパターン及びIパターン以外のいかなるパターンに沿って移動するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、後進用として1つの変速段のみが設けられているが、後進用として2つ以上の変速段が設けられていてもよい。この場合、M2が、駆動方向(前進か後進か)を変更するためのみならず後進用の変速段を変更するためにアクチュエータによって駆動される部材であってもよい。
また、上記実施形態では、位置センサP4がスリーブS4の軸方向の位置を検出するセンサであるが、位置センサP4がM2のシフト位置そのものを直接検出するセンサであってもよい。
T/M…変速機、E/G…エンジン、C/D…クラッチ、M/G…モータジェネレータ、M1…第1移動部材、M2…第2移動部材、A1…エンジンの出力軸、A2…変速機の入力軸、A3…変速機の出力軸、A4…モータの出力軸、ACT1…クラッチアクチュエータ、ACT2…変速機アクチュエータ、ECU…電子制御ユニット

Claims (4)

  1. 動力源として内燃機関(E/G)と電動機(M/G)とを備えた車両に適用される車両の動力伝達制御装置であって、
    前記内燃機関(E/G)の駆動出力軸(A1)から動力が入力される入力軸(A2)と、前記車両の駆動輪へ動力を出力する出力軸(A3)と、前進用の複数の変速段(1速〜5速)と、後進用の少なくとも1つの変速段(R)と、位置に応じて実現される前記変速段が変更される第1移動部材(M1)と、位置に応じて前進及び後進のうち前記駆動輪が駆動される方向が変更される第2移動部材(M2)と、を備え、トルクコンバータを備えない変速機(T/M)であって、前記第2移動部材(M2)が前進位置(AD)にある場合に前記電動機の出力軸(A4)を正転方向に駆動することによって前記変速機の出力軸(A3)が前進方向に駆動されるとともに前記第2移動部材(M2)が前記前進位置とは異なる後進位置(RV)にある場合に前記電動機の出力軸(A4)を前記正転方向に駆動することによって前記変速機の出力軸(A3)が後進方向に駆動される、変速機(T/M)と、
    前記内燃機関の駆動出力軸(A1)と前記変速機の入力軸(A2)との間に介装された摩擦クラッチ(C/D)であって、摩擦クラッチが伝達し得るトルクの最大値であるクラッチトルクを調整可能な摩擦クラッチ(C/D)と、
    前記摩擦クラッチ(C/D)を制御して前記クラッチトルクを調整する第1アクチュエータ(ACT1)と、
    前記変速機(T/M)の前記第1、第2移動部材(M1、M2)の位置を制御して前記実現される変速段、並びに、前進及び後進のうち前記駆動輪が駆動される方向を変更する第2アクチュエータ(ACT2)と、
    前記第2移動部材(M2)の位置、又は、前記第2移動部材(M2)の移動に応じて移動する部材の位置、に関する情報を所定時間の経過毎に検出する位置センサ(P4)と、
    前記車両の運転者によって操作されるシフトレバー(SL)の位置、前記車両の走行状態、及び、前記位置センサ(P4)の検出結果に基づいて、前記内燃機関(E/G)、前記電動機(M/G)、前記第1アクチュエータ(ACT1)、及び前記第2アクチュエータ(ACT2)を制御する制御手段(ECU)と、
    を備え、
    前記制御手段(ECU)は、
    前記位置センサ(P4)が正常か異常かを前記所定時間の経過毎に判定する判定手段を備え、
    前記位置センサ(P4)が正常と判定される場合、
    前記シフトレバー(SL)が前進用の位置(D)にあるとき、前記第2アクチュエータ(ACT2)によって前記第2移動部材(M2)を前記前進位置(AD)に移動するとともに、前記電動機の出力軸(A4)を前記正転方向に駆動することによって前記駆動輪を前進方向に駆動し、前記シフトレバー(SL)が後進用の位置(R)にあるとき、前記第2アクチュエータ(ACT2)によって前記第2移動部材(M2)を前記後進位置(RV)に移動するとともに、前記電動機の出力軸(A4)を前記正転方向に駆動することによって前記駆動輪を後進方向に駆動するように構成され、
    前記位置センサ(P4)が異常と判定され、且つ、前記異常と判定される前の前記位置センサ(P4)の最新の検出結果が前記前進位置(AD)である場合、
    前記シフトレバー(SL)が前記前進用の位置(D)にあるとき、前記電動機の出力軸(A4)を前記正転方向に駆動することによって前記駆動輪を前進方向に駆動し、前記シフトレバー(SL)が前記後進用の位置(R)にあるとき、前記電動機の出力軸(A4)を前記正転方向と反対の逆転方向に駆動することによって前記駆動輪を後進方向に駆動するように構成され、
    前記位置センサ(P4)が異常と判定され、且つ、前記異常と判定される前の前記位置センサ(P4)の最新の検出結果が前記後進位置(RV)である場合、
    前記シフトレバー(SL)が前記前進用の位置(D)にあるとき、前記電動機の出力軸(A4)を前記逆転方向に駆動することによって前記駆動輪を前進方向に駆動し、前記シフトレバー(SL)が前記後進用の位置(R)にあるとき、前記電動機の出力軸(A4)を前記正転方向に駆動することによって前記駆動輪を後進方向に駆動するように構成された、車両の動力伝達制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記制御手段(ECU)は、
    前記位置センサ(P4)が異常と判定され、且つ、前記異常と判定される前の前記位置センサ(P4)の最新の検出結果がニュートラル位置(N)である場合、
    前記シフトレバー(SL)が前記前進用の位置(D)及び前記後進用の位置(R)の何れにあっても、前記電動機(M/G)の作動を停止するように構成された、車両の動力伝達制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記位置センサ(P4)が異常と判定された場合、前記第2移動部材(M2)を駆動しないように構成された、車両の動力伝達制御装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記第2移動部材(M2)の前記前進位置(AD)が、前記第2移動部材(M2)の移動範囲における第1の端部を含む位置であり、前記第2移動部材(M2)の前記後進位置(RV)が、前記第2移動部材(M2)の前記移動範囲における前記第1の端部とは異なる第2の端部を含む位置であり、
    前記位置センサ(P4)が異常と判定され、且つ、前記異常と判定される前の前記位置センサ(P4)の最新の検出結果が前記前進位置(AD)である場合、
    前記シフトレバー(SL)が前記前進用の位置(D)及び前記後進用の位置(R)の何れにあっても、前記第2アクチュエータによって前記第2移動部材(M2)を前記第1の端部に向けて駆動するように構成され、
    前記位置センサ(P4)が異常と判定され、且つ、前記異常と判定される前の前記位置センサ(P4)の最新の検出結果が前記後進位置(RV)である場合、
    前記シフトレバー(SL)が前記前進用の位置(D)及び前記後進用の位置(R)の何れにあっても、前記第2アクチュエータによって前記第2移動部材(M2)を前記第2の端部に向けて駆動するように構成された、車両の動力伝達制御装置。
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