JP2017000985A - 二酸化塩素生成用触媒、二酸化塩素生成用触媒の製造方法、および、二酸化塩素生成装置 - Google Patents

二酸化塩素生成用触媒、二酸化塩素生成用触媒の製造方法、および、二酸化塩素生成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017000985A
JP2017000985A JP2015119658A JP2015119658A JP2017000985A JP 2017000985 A JP2017000985 A JP 2017000985A JP 2015119658 A JP2015119658 A JP 2015119658A JP 2015119658 A JP2015119658 A JP 2015119658A JP 2017000985 A JP2017000985 A JP 2017000985A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
chlorine dioxide
test
binder
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015119658A
Other languages
English (en)
Inventor
庸三 笠井
Yozo Kasai
庸三 笠井
隆夫 松金
Takao Matsukane
隆夫 松金
修 福元
Osamu Fukumoto
修 福元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
WATER TECHNO KASAI KK
Original Assignee
WATER TECHNO KASAI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by WATER TECHNO KASAI KK filed Critical WATER TECHNO KASAI KK
Priority to JP2015119658A priority Critical patent/JP2017000985A/ja
Publication of JP2017000985A publication Critical patent/JP2017000985A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】高い汎用性を有した二酸化塩素生成用触媒、二酸化塩素生成用触媒の製造方法、および、その二酸化塩素生成用触媒を備える二酸化塩素生成装置を提供する。【解決手段】二酸化塩素生成装置が備える触媒装置13は、二酸化塩素生成用触媒13CTを収容し、二酸化塩素生成用触媒13CTは、二酸化マンガンを主成分とする触媒微粒子と、シリカとアルミナのいずれか一方を主成分とするバインダー溶融物とから構成される。触媒微粒子の含有量は90重量%以上95重量%以下であり、残分がバインダー溶融物である。また、二酸化マンガンには活性化二酸化マンガンが含まれる。【選択図】図1

Description

本発明は、二酸化塩素の生成に用いられる二酸化塩素生成用触媒、二酸化塩素生成用触媒の製造方法、および、二酸化塩素生成用触媒を用いて二酸化塩素を生成する二酸化塩素生成装置に関する。
細菌やウイルスなどの除去に優れた効果を発揮する二酸化塩素の生成には、その一例として、亜塩素酸の触媒反応が用いられている(例えば、特許文献1,2参照)。亜塩素酸の触媒反応に用いられる触媒には、例えば、白金、パラジウム、二酸化マンガン、炭素などが知られており、これらの触媒はゼオライトなどの様々な担体に担持された状態で用いられている。
特開2013−144085号公報 特表2004−536761号公報
しかしながら、上述した二酸化塩素生成用触媒は、ゼオライトなどの担体が白金などの触媒を担持した構造体であるため、二酸化塩素生成用触媒の製造に際し、二酸化塩素の生成に適した態様で二酸化マンガンを担体に担持させること、一度担持された触媒が担体から外れない程度に担体に溝や突起を形成することなどの煩わしさが潜在している。二酸化塩素を用いた洗浄に対しそれの需要が高まる近年では、こうした二酸化塩素生成用触媒の汎用性を高めることが強く望まれている。
本発明は、高い汎用性を有した二酸化塩素生成用触媒、二酸化塩素生成用触媒の製造方法、および、二酸化塩素生成用触媒を備える二酸化塩素生成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための二酸化塩素生成用触媒は、二酸化マンガンを主成分とする触媒微粒子と、シリカとアルミナのいずれか一方を主成分とするバインダー溶融物とから構成され、前記触媒微粒子の含有量が90重量%以上95重量%以下であり、残分が前記バインダーである。
上記二酸化塩素生成用触媒によれば、二酸化マンガンを主成分とする触媒微粒子同士がバインダー溶融物によって固定されているため、触媒微粒子が二酸化塩素中に混入することが抑えられる。そして、触媒微粒子とバインダーとの混練物を用いる押し出し成形や射出成形などによって二酸化塩素生成用触媒を製造することが可能になるため、一度担持された触媒が担体から外れない程度に担体に加工を施すなどの煩わしさを省くことが可能となる。
上記二酸化塩素生成用触媒において、前記二酸化マンガンが活性化二酸化マンガンを含むことが好ましい。
上記二酸化塩素生成用触媒によれば、二酸化マンガンのなかで触媒作用が高い活性化二酸化マンガンを触媒微粒子が含むため、二酸化塩素生成用触媒を用いた二酸化塩素の生成効率を高めることが可能となる。
上記二酸化塩素生成用触媒において、前記バインダー溶融物はシリカバインダー溶融物であることが好ましい。
上記二酸化塩素生成用触媒によれば、触媒微粒子同士を固着する性能がアルミナバインダーよりも高いシリカバインダーが用いられるため、触媒微粒子が二酸化塩素中に混入する可能性をさらに抑えることが可能となる。
上記課題を解決するための二酸化塩素生成用触媒の製造方法は、二酸化マンガンを主成分とする触媒微粒子であって混練物の90重量%以上95重量%以下である前記触媒微粒子と、シリカとアルミナのいずれか一方を主成分とするバインダーであって残分である前記バインダーとから構成される前記混練物を生成すること、前記混練物を押し出し成形することによって二酸化塩素生成用触媒を製造することを含む。
上記二酸化塩素生成用触媒の製造方法によれば、二酸化マンガンを主成分とする触媒微粒子同士がバインダーによって固定されているため、触媒微粒子が二酸化塩素中に混入することが抑えられる。そして、触媒微粒子とバインダーとの混練物を用いる押し出し成形によって二酸化塩素生成用触媒を製造することが可能になるため、担体に触媒を担持させることなどの煩わしさを省くことが可能となる。
上記課題を解決するための二酸化塩素生成装置は、二酸化塩素生成用触媒と、前記二酸化塩素生成用触媒に亜塩素酸を供給する供給部とを備え、前記二酸化塩素生成用触媒が、二酸化マンガンを主成分とする触媒微粒子と、シリカとアルミナのいずれか一方を主成分とするバインダー溶融物とから構成され、前記触媒微粒子の含有量が90重量%以上95重量%以下であり、残分が前記バインダー溶融物である。
上記二酸化塩素生成装置によれば、それに用いられる二酸化塩素生成用触媒において、二酸化マンガンを主成分とする触媒微粒子同士がバインダー溶融物によって固定されているため、触媒微粒子が二酸化塩素中に混入することが抑えられる。そして、触媒微粒子とバインダーとの混練物を用いる押し出し成形によって二酸化塩素生成用触媒を製造することが可能になるため、担体に触媒を担持させることなどの煩わしさを省くことが可能となる。
本発明によれば、高い汎用性を有した二酸化塩素生成用触媒、二酸化塩素生成用触媒の製造方法、および、二酸化塩素生成用触媒を備える二酸化塩素生成装置を提供することができる。
図1は、二酸化塩素生成装置が備える各構成要素の接続を処理対象となる液体の流路によって示す流路系統図である。 図2は、二酸化塩素生成用触媒の製造方法における各工程を工程順に示す工程フロー図である。
二酸化塩素生成用触媒、二酸化塩素生成用触媒の製造方法、および、二酸化塩素生成装置の一実施形態を以下に示す。
図1が示すように、二酸化塩素生成装置は、亜塩素酸塩供給部11、イオン交換装置12、触媒装置13、および、二酸化塩素吐出部14から構成されている。亜塩素酸塩供給部11は、亜塩素酸塩の一例である亜塩素酸ナトリウムの水溶液を所定の流量でイオン交換装置12へ供給する。イオン交換装置12は、水素型の陽イオン交換物質を有し、亜塩素酸塩供給部11から吐出される亜塩素酸塩とイオン交換樹脂との接触によって亜塩素酸を生成する。触媒装置13は、イオン交換装置12で生成される亜塩素酸と二酸化塩素生成用触媒13CTとを接触させることによって二酸化塩素を生成する。すなわち、二酸化塩素生成装置は、下記式1に示される反応に従って亜塩素酸塩から亜塩素酸を生成し、下記式2に示される反応に従って亜塩素酸から二酸化塩素を生成する。
5Na + 5ClO - → 5H + 5ClO - ・・・(式1)
5H + 5ClO - → 4ClO + H + Cl- + HO ・・・(式2)
触媒装置13は、二酸化塩素生成用触媒を収容している。二酸化塩素生成用触媒は、二酸化マンガンを主成分とする触媒微粒子と、シリカとアルミナのいずれか一方を主成分とするバインダー溶融物とから構成され、触媒微粒子の含有量が90重量%以上95重量%以下であり、二酸化塩素生成用触媒の残分がバインダー溶融物である。二酸化塩素生成用触媒において、触媒微粒子の含有量が90重量%以上であれば、二酸化塩素の生成量がバインダーを含まない二酸化塩素生成用触媒とほぼ同じ程度に確保される。二酸化塩素生成用触媒において、触媒微粒子の含有量が95重量%以下であれば、二酸化塩素の水溶液に触媒微粒子が溶出しない程度に、残分であるバインダーを確保することができる。
触媒微粒子の主成分である二酸化マンガンは、粒状の二酸化マンガンであってもよいし、無定形の二酸化マンガンであってもよい。なお、触媒微粒子の主成分は、触媒微粒子を構成する成分のなかで80重量%以上を占める成分であり、触媒微粒子を構成する成分のなかで主成分以外の成分は、二酸化マンガンを生成する過程において不可避的に混入する成分である。
二酸化塩素生成用触媒においては、二酸化塩素生成用触媒を用いた二酸化塩素の生成効率を高めるうえで、二酸化マンガンが活性化二酸化マンガンを含むことが好ましい。活性化二酸化マンガンは、表面に多数の凹凸を有する多孔質体であって、非活性化二酸化マンガンよりも比表面積が大きく、非活性化二酸化マンガンよりも二酸化塩素を生成する触媒作用が高い。活性化二酸化マンガンは、無定形の二酸化マンガンであってもよいし、例えば、0.1μm以上5.0μm以下の粒径を有する粒状の二酸化マンガンであってもよい。活性化二酸化マンガンが有する比表面積は、例えば、150m/g以上250m/g以下である。
アルミナバインダー溶融物は、無定形アルミナ、アルミナ粉末、高分子量アルミナである擬ベーマイトなどが溶融されることによって形成される。シリカバインダー溶融物は、粒状シリカ、鎖状シリカ、無定形シリカなどが溶融されることによって形成される。粒状シリカは、例えば、5nm以上200nm以下の粒子径を有する。なお、二酸化塩素生成用触媒においては、二酸化塩素の水溶液に触媒微粒子が混入する可能性を抑えられるうえで、バインダー溶融物がシリカバインダー溶融物であることが好ましい。
図2が示すように、二酸化塩素生成用触媒の製造方法においては、まず、二酸化マンガンを主成分とする触媒微粒子であって混練物の90重量%以上95重量%以下である触媒微粒子と、シリカとアルミナのいずれか一方を主成分とするバインダーであって残分であるバインダーとから混練物が生成される(ステップS11)。アルミナを含むアルミナバインダーは、例えば、アルミニウムの水酸化物であるコロイダルアルミナやベーマイトゲルなどである。アルミナバインダーは、例えば、200℃以上に加熱されることによって、水酸基の脱水反応などが進行し、それによって、アルミナ間が結合される。シリカを含むシリカバインダーは、例えば、コロイダルシリカやケイ酸ナトリウムの水溶液などである。シリカバインダーは、例えば100℃以上に加熱されることによって、水酸基の脱水反応などが進行し、それによって、シリカ粒子間が結合される。
次いで、生成された混練物が加熱された状態で押し出し成形、あるいは、射出成形され(ステップS12)、それによって、二酸化塩素生成用触媒が製造される。なお、バインダーに含まれる成分のなかで触媒微粒子の分散状態などを安定させる安定剤は、加熱成形における加熱によって混練物から取り除かれる。製造された二酸化塩素生成用触媒においては、二酸化マンガンを主成分とする触媒微粒子同士がバインダーによって固定されているため、触媒微粒子が二酸化塩素中に混入することが抑えられる。このように、触媒微粒子とバインダーとの混練物を用いる加熱成形によって二酸化塩素生成用触媒を製造することが可能になるため、例えば、一度担持された触媒が担体から外れない程度に担体に加工を施すなどの煩わしさを省くことが可能となる。
[実施例1]
二酸化塩素生成用触媒を製造するためのバインダーとしてシリカバインダーを用い、シリカバインダーとしてスノーテックスN(日産化学株式会社製)を20%濃度に希釈して用いた。スノーテックスNは、小粒子径シリカゲルであるコロイダルシリカを含み、コロイダルシリカは、小粒子径シリカゲルをアンモニアによって安定化した水溶液である。スノーテックスNを希釈して生成したシリカバインダーの組成を表1に示す。二酸化塩素生成用触媒を製造するための触媒微粒子として、50重量%の活性化二酸化マンガンと、50重量%の非活性化二酸化マンガンとの混合物を用いた。活性化二酸化マンガンの組成を表2に示し、二酸化塩素生成用触媒に含まれる非活性化二酸化マンガンの組成を表3に示す。そして、シリカバインダーと触媒微粒子とから実施例1の混練物を生成し、生成された混練物を押し出し成形することによって、実施例1の二酸化塩素生成用触媒を製造した。混練物における活性化二酸化マンガン、非活性化二酸化マンガン、および、触媒微粒子の混合比を表4に示す。
[実施例2]
二酸化塩素生成用触媒を製造するためのバインダーとしてアルミナバインダーを用い、このアルミナバインダーと、実施例1と同じ触媒微粒子とを用いて実施例2の混練物を得た。そして、生成された混練物を押し出し成形することによって、実施例2の二酸化塩素生成用触媒を製造した。アルミナバインダーの組成を表5に示す。触媒微粒子における活性化二酸化マンガン、および、非活性化二酸化マンガンの組成は、実施例1と同じである。実施例2の混練物における活性化二酸化マンガン、非活性化二酸化マンガン、および、アルミナバインダーの混合比を表6に示す。
[pH値、および、吸光度]
実施例1の二酸化塩素生成用触媒を用い、二酸化塩素濃度が互いに異なる試験例1から試験例5の二酸化塩素水溶液を作成した。試験例1から試験例5の各々の二酸化塩素水溶液に対し、ガラス電極法を用いたpH値を測定した。また、試験例1から試験例5の各々の二酸化塩素水溶液に対し、水を対照とし、1cmセルを用いた紫外可視吸光スペクトルを測定した。試験例1から試験例5の各々の二酸化塩素水溶液におけるpH値、および、360nmの波長における吸光度を表7に示す。
表7が示すように、二酸化塩素水溶液のpH値が中性に近いほど、二酸化塩素濃度が低いという二酸化塩素水溶液に特徴的な傾向が認められた。また、二酸化塩素濃度が低いほど、二酸化塩素に特徴的な吸収である360nmの吸光度が低いという二酸化塩素水溶液に特徴的な傾向も認められた。なお、実施例2の二酸化塩素生成用触媒を用いて生成された二酸化塩素水溶液においても、上記と同様の傾向は認められた。ただし、実施例1の二酸化塩素生成用触媒を用いた場合には、3000L以上の二酸化塩素水溶液を生成したとしても、二酸化塩素水溶液に触媒微粒子の混入は認められなかった。一方で、実施例2の二酸化塩素生成用触媒を用いた場合には、二酸化塩素水溶液に触媒微粒子が混入しないことに対する耐久性が、実施例1ほど高くはないことが認められた。
[殺菌性]
試験例1から試験例4の各々の二酸化塩素水溶液に対し、試験菌1から試験菌10に対する殺菌性を測定した。また、参照例1として300ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用い、同様に試験菌1から試験菌10に対する殺菌性を測定した。
試験菌1は枯草菌(Bacillus subtilis NBRC 3134)であり、試験菌2は大腸菌(Escherichia coli NBRC 3972)であり、試験菌3はレジオネラ(Legionella pneumopHila GIFU 9134)である。試験菌4は緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC 13275)であり、試験菌5はサルモネラ(Salmonella enterica subsp. enterica NBRC 3313)であり、試験菌6は黄色ブドウ球菌(StapHylococcus aureus subsp. aureus NBRC 12732)である。試験菌7はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(StapHylococcus aureus IID 1677)であり、試験菌8は化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes JCM 5674)であり、試験菌9はカンジタ(Candida albicans NBRC 1594)であり、試験菌10はクロコウジカビ(Aspergillus niger NBRC 105649)である。
試験菌1、2,4〜8の各々の生菌数を測定するため、測定用培地にはSCDLP寒天培地(日本製薬株式会社製)を用い、また、培養方法には混釈平板培養法を用い、培養温度を35℃±1℃に設定し、培養期間として2日間を設定した。
試験菌3の生菌数を測定するため、測定用培地にはB-CYEα寒天培地(栄研化学株式会社製)を用い、また、培養方法には平板塗抹培養法を用い、培養温度を35℃±1℃に設定し、培養期間として7日間を設定した。
試験菌9の生菌数を測定するため、測定用培地にはGPLP寒天培地(日本製薬株式会社製)を用い、また、培養方法には混釈平板培養法を用い、培養温度を25℃±1℃に設定し、培養期間として2日間を設定した。
試験菌10の生菌数を測定するため、測定用培地にはGPLP寒天培地(日本製薬株式会社製)を用い、また、培養方法には混釈平板培養法を用い、培養温度を25℃±1℃に設定し、培養期間として7日間を設定した。
試験菌1の試験菌液は、以下の方法によって調整した。まず、試験菌1を、ゾイビーン・ガゼイン・ダイジェストカンテン培地(栄研化学株式会社製)で7日〜10日培養した。この際、培養温度に30℃±1℃を設定した。次いで、試験菌1を生理食塩水に懸濁させ、懸濁液を70℃±1℃で20分間加熱し、栄養細胞を死滅させた。この懸濁液を遠心分離し、遠心分離後の上澄み液を除き、その後、菌体を生理食塩水に懸濁させ、菌数が約10/mlとなるように調整し、芽胞液とした。菌数が10〜10/mlとなるようにこの芽胞液を精製水で希釈し、これによって試験菌1の試験菌液を得た。
試験菌2、および、試験菌4〜8の試験菌液は、以下の方法によって調整した。まず、各試験菌を、普通寒天培地(栄研化学株式会社製)で18時間〜24時間培養した。この際、培養温度に35℃±1℃を設定した。次いで、試験菌2,4,5,8に対しては、試験菌を精製水に浮遊させ、また、試験菌6,7に対しては、試験菌を生理食塩水に浮遊させ、それによって、菌数が10〜10/mlとなるように試験菌を希釈し、各試験菌の試験菌液を得た。
試験菌3の試験菌液は、以下の方法によって調整した。まず、試験菌3を、B-CYEα寒天培地(栄研化学株式会社製)で2〜3日間培養した。この際、培養温度に35℃±1℃を設定した。その後、再度、B-CYEα寒天培地(栄研化学株式会社製)で2〜3日間培養した。この際も、培養温度に35℃±1℃を設定した。そして、試験菌を精製水に浮遊させ、それによって、菌数が10〜10/mlとなるように試験菌を希釈し、試験菌3の試験菌液を得た。
試験菌9の試験菌液は、試験菌9をPotato Dextrose Agar(Difco)で2日間培養した。この際、培養温度に25℃±1℃を設定した。試験菌を精製水に浮遊させ、それによって、菌数が10〜10/mlとなるように試験菌を希釈し、試験菌9の試験菌液を得た。
試験菌10の試験菌液は、試験菌10をPotato Dextrose Agar(Difco)で7〜10日間培養した。この際、培養温度に25℃±1℃を設定した。胞子を0.005%のスルホこはく酸ジオクチルナトリウム溶液に浮遊させ、不織布フィルターでろ過後、菌数が10〜10/mlとなるように試験菌を希釈し、試験菌10の試験菌液を得た。
試験例1〜4の各々の二酸化塩素水溶液、および、参照例1の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の各々の検体に対し、10mlの検体に0.1mlの試験菌液を接種し、それを試験液とした。室温で各試験液を保存し、保存時間を1分、3分、5分の各々に設定した。この際に、試験菌5および8以外の試験菌液に対し、SCDLP培地(日本製薬株式会社製)で直ぐに10倍に希釈し、試験液中の生菌数を測定した。また、試験菌5および8の試験菌液をSCDLP培地(日本製薬株式会社製)で直ぐに100倍に希釈し、試験駅中の生菌数を測定した。
なお、参照例2として、試験菌6および7以外の試験菌は、精製水を用いて試験し、開始時および5分後の各々で生菌数を測定した。試験菌6および7の試験菌は、生理食塩水を用いて試験し、開始時および5分後の各々で生菌数を測定した。
試験菌1に対する試験結果を表8に示し、試験菌2に対する試験結果を表9に示し、試験菌3に対する試験結果を表10に示し、試験菌4に対する試験結果を表11に示し、試験菌5に対する試験結果を表12に示す。また、試験菌6に対する試験結果を表13に示し、試験菌7に対する試験結果を表14に示し、試験菌8に対する試験結果を表15に示し、試験菌9に対する試験結果を表16に示し、試験菌10に対する試験結果を表17に示す。
表8が示すように、枯草菌に対する殺菌性は、試験例1から試験例3の各々の二酸化塩素水溶液において認められない一方で、試験例4の二酸化塩素水溶液には認められた。表9から表16の各々が示すように、大腸菌、レジオネラ、緑膿菌、サルモネラ、黄色ブドウ球菌、MRSA、化膿連鎖球菌、および、カンジダに対する殺菌性は、試験例1から試験例4のいずれの二酸化塩素水溶液においても認められた。表17が示すように、クロコウジカビに対する殺菌性は、試験例1および試験例2の各々の二酸化塩素水溶液において認められない一方で、試験例3および試験例4の各々の二酸化塩素水溶液には認められた。なお、実施例2の二酸化塩素生成用触媒を用いて生成された二酸化塩素水溶液においても、二酸化塩素濃度と殺菌性との間には、上記と同様の関係が認められた。
以上、上記実施形態によれば以下に列記する効果が得られる。
(1)触媒装置13が、例えば、触媒微粒子のみからなるカラムを備え、亜塩素酸がカラムを通じることによって二酸化塩素が生成されるとき、こうした構成では、生成当初の二酸化塩素水溶液に少なからず触媒微粒子が混入してしまう。この点、上述した構成であれば、二酸化マンガンを主成分とする触媒微粒子同士がバインダー溶融物によって固定されているため、触媒微粒子が二酸化塩素中に混入することが抑えられる。
(2)触媒微粒子とバインダーとの混練物を用いる押し出し成形や射出成形などによって二酸化塩素生成用触媒を製造することが可能になるため、一度担持された触媒が担体から外れない程度に担体に加工を施すなどの煩わしさを省くことが可能となる。
(3)二酸化マンガンのなかで触媒作用が高い活性化二酸化マンガンを触媒微粒子が含む場合には、二酸化塩素生成用触媒を用いた二酸化塩素の生成効率を高めることが可能となる。
(4)触媒微粒子同士を固着する性能がアルミナバインダーよりも高いシリカバインダーを用いた場合には、触媒微粒子が二酸化塩素中に混入する可能性をさらに抑えることが可能となる。
なお、上記実施形態は以下のように変更して実施することができる。
・二酸化塩素生成用触媒を構成するバインダー溶融物は、シリカバインダー溶融物とアルミナバインダー溶融物との混合物であってもよいし、シリカバインダー溶融物のみであってもよいし、アルミナバインダー溶融物のみであってもよい。いずれの構成であっても、上記(1)から(3)の各々に準じた効果は得られる。
・触媒微粒子に含まれる二酸化マンガンは、非活性化二酸化マンガンのみであってもよいし、活性化二酸化マンガンのみであってもよい。触媒微粒子に含まれる二酸化マンガンが非活性化二酸化マンガンのみである構成であれば、活性化二酸化マンガンが含まれる構成と比べて、二酸化塩素生成用触媒の製造に要する材料コストを抑えることが可能である。触媒微粒子に含まれる二酸化マンガンが活性化二酸化マンガンのみである構成であれば、非活性化二酸化マンガンが含まれる構成と比べて、二酸化塩素の生成効率を高めることが可能である。
11…亜塩素酸塩供給部、12…イオン交換装置、13…触媒装置、13CT…二酸化塩素生成用触媒、14…二酸化塩素吐出部。

Claims (5)

  1. 二酸化マンガンを主成分とする触媒微粒子と、
    シリカとアルミナのいずれか一方を主成分とするバインダー溶融物とから構成され、
    前記触媒微粒子の含有量が90重量%以上95重量%以下であり、残分が前記バインダー溶融物である
    二酸化塩素生成用触媒。
  2. 前記二酸化マンガンが活性化二酸化マンガンを含む
    請求項1に記載の二酸化塩素生成用触媒。
  3. 前記バインダー溶融物がシリカバインダー溶融物である
    請求項1から2のいずれか一項に記載の二酸化塩素生成用触媒。
  4. 二酸化マンガンを主成分とする触媒微粒子であって混練物の90重量%以上95重量%以下である前記触媒微粒子と、シリカとアルミナのいずれか一方を主成分とするバインダーであって残分である前記バインダーとから構成される前記混練物を生成すること、
    前記混練物を押し出し成形することによって二酸化塩素生成用触媒を製造すること、
    を含む
    二酸化塩素生成用触媒の製造方法。
  5. 二酸化塩素生成用触媒と、
    前記二酸化塩素生成用触媒に亜塩素酸を供給する供給部と
    を備え、
    前記二酸化塩素生成用触媒が、
    二酸化マンガンを主成分とする触媒微粒子と、
    シリカとアルミナのいずれか一方を主成分とするバインダー溶融物とから構成され、
    前記触媒微粒子の含有量が90重量%以上95重量%以下であり、残分が前記バインダー溶融物である
    二酸化塩素生成装置。
JP2015119658A 2015-06-12 2015-06-12 二酸化塩素生成用触媒、二酸化塩素生成用触媒の製造方法、および、二酸化塩素生成装置 Pending JP2017000985A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015119658A JP2017000985A (ja) 2015-06-12 2015-06-12 二酸化塩素生成用触媒、二酸化塩素生成用触媒の製造方法、および、二酸化塩素生成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015119658A JP2017000985A (ja) 2015-06-12 2015-06-12 二酸化塩素生成用触媒、二酸化塩素生成用触媒の製造方法、および、二酸化塩素生成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017000985A true JP2017000985A (ja) 2017-01-05

Family

ID=57753331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015119658A Pending JP2017000985A (ja) 2015-06-12 2015-06-12 二酸化塩素生成用触媒、二酸化塩素生成用触媒の製造方法、および、二酸化塩素生成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017000985A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004531647A (ja) * 2001-06-22 2004-10-14 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 二酸化塩素を発生させるための電解セル
JP2004536761A (ja) * 2001-08-02 2004-12-09 サムプスン,リチァド 亜塩素酸および二酸化塩素を作製する方法
JP2014159360A (ja) * 2013-01-24 2014-09-04 Takasago Thermal Eng Co Ltd 二酸化塩素ガス発生システム、及び二酸化塩素ガス分解装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004531647A (ja) * 2001-06-22 2004-10-14 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 二酸化塩素を発生させるための電解セル
JP2004536761A (ja) * 2001-08-02 2004-12-09 サムプスン,リチァド 亜塩素酸および二酸化塩素を作製する方法
JP2014159360A (ja) * 2013-01-24 2014-09-04 Takasago Thermal Eng Co Ltd 二酸化塩素ガス発生システム、及び二酸化塩素ガス分解装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Si et al. Biocidal and rechargeable N-halamine nanofibrous membranes for highly efficient water disinfection
CN103726319A (zh) 一种壳聚糖负载纳米二氧化钛复合物及其制备方法
CN104770395B (zh) 金属纳米颗粒掺杂的抗菌剂及其制备和使用方法
Jayaramudu et al. Synthesis of gum acacia capped polyaniline-based nanocomposite hydrogel for the removal of methylene blue dye
CN106492638B (zh) 一种纳米银有机框架超滤膜的制备方法及利用其净水的方法
JPH03252308A (ja) シリカゲルを母体とした抗菌性組生物
Ren et al. Biocidal nanofibers via electrospinning
US9943785B2 (en) Water purifier
Rus et al. Silver Nanoparticles (AgNP) impregnated filters in drinking water disinfection
KR20160036192A (ko) 가시광 활성 광촉매 타일
KR101609221B1 (ko) 구리계 화합물이 포함된 항균 필터
Machado et al. Improving the biocidal activity of outdoor coating formulations by using zeolite-supported silver nanoparticles
Cui et al. Fabrication of Ag+, Cu2+, and Zn2+ ternary ion-exchanged zeolite as an antimicrobial agent in powder coating
Altintig et al. Prepared activated carbon from hazelnut shell where coated nanocomposite with Ag+ used for antibacterial and adsorption properties
Fahmy et al. Tuned interactions of silver nanoparticles with ZSM-5 zeolite by adhesion-promoting poly (acrylic acid) deposited by electrospray ionization (ESI)
JP2017000985A (ja) 二酸化塩素生成用触媒、二酸化塩素生成用触媒の製造方法、および、二酸化塩素生成装置
JP2014033776A (ja) 酸化チタン系抗菌消臭剤、その分散液および該酸化チタン系抗菌消臭剤が付与された製品
CN106474945A (zh) 一种抗菌聚酰胺高分子膜及其制备方法和应用
KR102403900B1 (ko) 유해가스제거 및 항균탈취기능을 가지는 소재를 이용한 필터 제조방법
KR20130006425A (ko) 살생물제 제조방법
JP2002293705A (ja) 銀系抗菌剤及びその製造方法
CN101513536B (zh) 一种具有杀菌功能的纳米级空气净化剂及其制备方法
JP2784240B2 (ja) アルミナを母体とする抗菌性組成物
JPS63239205A (ja) 抗菌ならびに防カビおよびcod低下機能を有するゼオライト‐活性炭複合体およびその製造方法
CN114011377A (zh) 空气杀菌净化材料及其制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170801