JP2016533012A - 小型質量分析器を用いたサンプル定量化 - Google Patents

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Abstract

本発明は、概して、小型質量分析器を用いたサンプル分析に関する。ある実施形態では、本発明は、第1の分析物のイオンと第2の分析物のイオンとの生成を伴う方法を提供する。それらのイオンは、移送中、非連続的サンプル導入インターフェースが開放されたままである様式で、非連続的サンプル導入インターフェースを通して質量分析器の第1のイオントラップの中に移送される。非連続的サンプル導入インターフェースは、閉鎖され、イオンは、質量分析器の第2のイオントラップに連続的に移送され、そこで、連続的に分析される。

Description

(関連出願)
本願は、米国仮出願第62/013,005号(2014年6月17日出願)および第61/865,377号(2013年8月13日出願)の利益およびそれらに基づく優先権を主張し、それらの内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
(政府支援)
本発明は、国立衛生研究所によるGM106016下の政府支援によって為された。政府は、本発明における一定の権利を有する。
(技術分野)
本発明は、概して、小型質量分析器を用いたサンプル定量化に関する。
市販のHPLC−MSシステムでは、三連四重極質量分析器が、典型的には、定量化のための分析物およびその内部標準の特徴的なフラグメントピークの相対強度を測定するために使用される(MRM、多重反応モニタリング)。しかしながら、三連四重極質量分析器は、ポイントオブケア診断に対して好適ではない大型ベンチトップ型器具であり、著しく広い研究所スペースを要求する。加えて、そのようなシステムは、動作させるための高レベルの専門性を要求する。
小型質量分析器は、標準ベンチトップ型三連四重極質量分析器のそれらの問題を克服し、ポイントオブケア診断を可能にする。例示的小型質量分析器が、Gao、他(Anal Chem、2006年、78、5994−6002ページ)、Gao、他(Anal Chem、2008年、80、7198−7205ページ)、およびLi、他(Anal.Chem、2014年、86(6)、2909−2916ページ)において説明され、それぞれの内容は、その全体が、本明細書に参照することによって組み込まれる。ポンピングシステムを小型化するために、小型質量分析器は、非連続的サンプル導入インターフェースを具備し、これは、小型質量分析器のイオントラップを、外部環境(典型的には、大気圧またはわずかに低減された圧力にある)から周期的に遮断するインターフェースである。非連続的サンプル導入インターフェースは、Ouyang、他(米国特許第8,304,718号(特許文献1))において説明され、それぞれの内容は、その全体が、本明細書に参照することによって組み込まれる。非連続サンプル導入インターフェースは、イオンの質量分析を実施するためのイオン導入の後、システムのポンプが、イオントラップ内の真空圧力を好適なレベルに低下させることを可能にする。そのようなシステム構成は、小型質量分析器が、MS/MS能力を保持することを可能にし、市販のシステムにおけるものよりも100倍小さい容積の小型ポンピングシステムを用いる噴霧されたイオンの分析を可能にする。各スキャンに対して、非連続的サンプル導入インターフェースは、約15ミリ秒間開放され、イオンを伴う空気が、真空中に導入される。マニホールド内の圧力は上昇する(約500mTorrまで)が、イオンは、依然として、イオントラップ内に効率的にトラップされ得る。非連続的サンプル導入インターフェースが閉鎖された後、マニホールド圧力は、約500ミリ秒の時間にわたって低下し、MS/MS分析が、次いで、約3mTorr以下の圧力において実施される。
良好な感度が、スキャン速度を犠牲にした小型ポンピングシステムを用いて達成され、これは、小型質量分析器が1〜2秒/スキャンであるのに対し、市販の三連四重極質量分析器は100ミリ秒/スキャンである。それは、30秒の全体的な分析時間が許容可能であるポイントオブケアシステムに対して、有意な影響を及ぼさない。しかしながら、これは、潜在的に、定量化における高い不正確性につながる。市販のベンチトップ型器具では、分析物および内部標準強度の測定は、100ミリ秒の時間差を伴って実行される。絶対強度は、経時的に劇的にドリフトし得るが、分析物と内部標準との比率は、比較的小さな変動を伴って得られる。非連続的サンプル導入インターフェースを具備する小型質量分析器に関して、分析物および内部標準強度の測定は、1秒の最小時間差を伴って実施され、これは、定量化における不正確性を生じさせる。
米国特許第8,304,718号明細書
本発明は、市販の三連四重極質量分析器と同じデューティサイクル(すなわち、100ミリ秒/スキャン)を達成するように構成される非連続的サンプル導入インターフェースを具備する小型質量分析器を提供する。その様式では、小型質量分析器の利益が、市販の三連四重極質量分析器と比較してデューティサイクルを犠牲にすることなく達成され、正確な分析物の定量化が、達成される。
本発明の側面は、少なくとも2つのイオントラップを使用して達成される。分析物および内部標準のイオンが、生成され、非連続的サンプル導入インターフェースを通して、小型質量分析器の第1のイオントラップの中に同時に移送される。第1のイオントラップは、1回のスキャンサイクル内でのMS/MS測定のために、分析物および内部標準イオンを同時にトラップし、それらを第2のイオントラップに連続的に送るために使用される。そのような設定では、フラグメント強度が、第2のイオントラップの2回のスキャンを使用して100ミリ秒以内で測定されることができ、重要なこととして、測定に関与する分析物および内部標準のイオンは、同じイオン化条件下で同時に生成され、非連続的サンプル導入インターフェースを通して同時に移送され、第1のイオントラップ内にトラップされる。その設定は、量的な精度における有意な改良をもたらす。
ある側面では、本発明は、複数の分析物を分析する方法を提供する。それらの方法は、第1の分析物のイオンと第2の分析物のイオンとを生成することを伴う。分析物は、固体、液体、気体、またはそれらの組み合わせ等、任意の形態におけるサンプルに由来し得る。それらのイオンは、非連続的サンプル導入インターフェースを通して、質量分析器の第1のイオントラップの中に移送される。ある実施形態では、非連続的サンプル導入インターフェースは、移送中、開放されたままであるが、他の実施形態では、非連続的サンプル導入インターフェースは、イオン移送プロセス中、開放することと閉鎖することとの間を循環する。非連続的サンプル導入インターフェースは、閉鎖され、イオンは、質量分析器の第2のイオントラップに連続的に移送され、そこで、それらが連続的に分析される。連続的移送は、質量選択的、すなわち、質量選択的移送に基づき得る。移送の順序は、必ずしもm/zに基づかない。混合物におけるイオンのいずれかは、随時、MS/MSのために第2のイオントラップの中に質量選択的に移送され得る。ある実施形態では、第1および第2の分析物のイオンを、非連続的サンプル導入インターフェースを通して、第1のイオントラップの中に移送することは、同時に発生する。第1および第2の分析物は、任意の分析物であり得、例示的な実施形態では、分析物は、サンプルおよび内部標準である。ある実施形態では、第1および第2のイオンは、単一スキャンサイクル内で第2のイオントラップに移送される。ある実施形態では、分析することは、MS/MS測定を行うことを含む。ある実施形態では、イオンは、第2のイオントラップ内でフラグメント化され、フラグメントイオンは、連続して質量分析される。ある実施形態では、フラグメントテーションは、第1のイオントラップから第2のイオントラップへのイオン移送中に発生し、フラグメントイオンは、第2のイオントラップ内で質量分析される。
本方法は、任意の特定のイオントラップまたはイオントラップの組み合わせを使用することに限定されない。ある実施形態では、第1のイオントラップは、線形四重極型イオントラップであり、第2のイオントラップは、直線型イオントラップ(RIT)である。他の実施形態では、第1および第2のイオントラップは、両方とも直線型イオントラップである。ある実施形態では、トラップは、トラップからのイオンが第1のトラップから第2のトラップ中に軸方向に排出されるように配列される。イオンは、次いで、第2のトラップからイオン検出器に、軸方向または半径方向に排出され得る。
当分野で公知である任意の技法が、イオンを生成するために使用され得る。大気圧においてイオン化源を利用する例示的イオン生成技法は、エレクトロスプレーイオン化(ESI;Fenn、他によるScience、246:64−71ページ、1989年、およびYamashita、他によるJ.Phys.Chem. 88:4451−4459ページ、1984年)と、大気圧イオン化(APCI;Carroll、他によるAnal.Chem.47:2369−2373ページ、1975年)と、大気圧マトリクス支援レーザ脱離イオン化(AP−MALDI;Laiko、他によるAnal.Chem. 72:652−657ページ、2000年、およびTanaka、他によるRapid Commun.Mass Spectrom. 2:151−153ページ、1988年)とを含む。これらの参照の各々の内容は、その全体が、本明細書に参照することによって組み込まれる。
直接大気下イオン化/サンプリング方法(すなわち、イオン化に先立つサンプルへの加工を要求しない方法)を利用する例示的イオン生成技法は、ペーパースプレー(Ouyang、他による米国特許出願公開第2012/0119079号およびWang、他によるAngewandte Chemie International Edition、49、877−880ページ、2010年)と、脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI;Takats、他によるScience、306:471−473ページ、2004年および米国特許第7,335,897号)と、リアルタイムでの直接分析(DART;Cody、他によるAnal.Chem. 77:2297−2302ページ、2005年)と、大気圧または低圧誘電体障壁放電イオン化(DBDI;KogelschatzによるPlasma Chemistry and Plasma Processing、23:1−46ページ、2003年およびPCT国際公開第WO 2009/102766号)と、エレクトロスプレー支援レーザ脱離/イオン化(ELDI;Shiea、他によるJ.Rapid Communications in Mass Spectrometry、19:3701−3704ページ、2005年)と、湿潤多孔性材料を使用するイオン化(PCT国際出願第PCT/US/10/32881号およびWang、他によるAngew.Chem.Int.Ed.2010年、49、877ページ)とを含む。これらの参照の各々の内容は、その全体が、本明細書に参照することによって組み込まれる。
本発明の方法は、ほとんどは、小型質量分析器の文脈において説明されるが、本発明の方法は、小型質量分析器に限定されず、市販のベンチトップ型質量分析器をとともに使用され得る。同様に、本発明の方法は、非連続的サンプル導入インターフェースの使用を要求しない。
別の側面では、本発明は、小型質量分析器におけるサンプルおよび内部標準を分析することを伴う方法を提供する。それらの方法は、サンプルイオンおよび内部標準イオンを生成することと、サンプルおよび内部標準イオンを非連続的サンプル導入インターフェースを通して小型質量分析器の第1のイオントラップの中に同時に移送することと、非連続的サンプル導入インターフェースを閉鎖することと、小型質量分析器の第2のイオントラップにサンプルおよび内部標準イオンを連続的に移送することと、第2のイオントラップ内のサンプルおよび内部標準イオンを連続的に分析することとを伴う。
本発明の別の側面は、非連続的サンプル導入インターフェースを具備する小型質量分析器内で分析物を定量化する方法を提供する。それらの方法は、分析物からのイオンと内部標準からのイオンとを、非連続的サンプル導入インターフェースを通して、小型質量分析器の中に移送することと、分析物および内部標準イオンを分析することであって、分析物および内部標準イオンは、互に1秒未満内で分析される、ことと、分析物を定量化することとを伴う。分析物は、固体、液体、気体、またはそれらの組み合わせ等、任意の形態におけるサンプルに由来し得る。ある実施形態では、定量化することは、分析物と内部標準との比率を得ることを含む。
本発明の別の側面は、第1の分析物および第2の分析物を非連続的サンプル導入インターフェースを通して移送することと、非連続的サンプル導入インターフェースを閉鎖することと、質量分析器の第1のイオントラップの中に移送される第1の分析物のイオンと第2の分析物のイオンとを生成することと、第1および第2の分析物のイオンを、質量分析器の第2のイオントラップに連続的に移送することと、第2のイオントラップ内の第1および第2の分析物のイオンを連続的に分析することとを伴う、複数の分析物を分析する方法を提供する。そのような実施形態では、イオン化源は、非連続的サンプル導入インターフェースの後ろにある。そのようなシステム設定は、例えば、Ouyang、他(米国特許第8,785,846号および米国特許出願公開第2014/0138540号)において説明され、それぞれの内容は、その全体が、本明細書に参照することによって組み込まれる。ある実施形態では、第1および第2の分析物は、非連続的サンプル導入インターフェースと動作可能に関連付けられている容器内に含まれている。容器は、大気圧において、または大気圧を下回って維持され得る。ある実施形態では、容器は、大気圧より低い圧力において維持される。前述のイオン化技法のいずれも、生成するステップにおいて使用され得る。ある実施形態では、生成するステップは、誘電体障壁放電イオン化源を利用する。ある実施形態では、質量分析器は、小型質量分析器である。
図1Aは、小型質量分析器に関する従来技術のシステム構成および動作モードの概略図である。
図1Bは、従来技術のシステムを用いて、DAPIが閉鎖された後、マニホールド圧力が、約500ミリ秒の時間にわたって低下し、MSまたはMS/MS分析が、次いで、約3mTorr以下の圧力において実施されることを例証するグラフである。良好な感度が、1〜2秒/スキャンである、スキャン速度を犠牲にした小型ポンピングシステムを用いて達成される。
図1Cは、ウシの全血(100ng/mL)中のコチニン(177/180→80)およびコチニン−d3(内部標準)に対する多重反応モニタリングを通して測定される強度を示す、従来技術の市販の三連四重極からのグラフである。
図2Aは、本発明の方法のためのシステム構成を示す概略図である。
図2Bは、本発明のシステムを用いて、DPAIが閉鎖された後、100ミリ秒以内でのRITの2回のスキャンを使用して、フラグメント強度が測定されることを例証するグラフである。
図3Aは、本発明のシステムにおける使用のための2つのイオントラップの実施形態の構成を示す概略図である。
図3Bは、DAPI、LIT、およびRITに対する同期制御信号を示す概略図である。
図4は、直線型イオントラップを伴う小型質量分析器内に結合される、非連続的大気圧インターフェースを示す概略図である。
図5A−Bは、z軸に沿ったイオンの注入/排出を可能にする直線型イオントラップと、DCトラッピング電圧を示す。
図5A−Bは、z軸に沿ったイオンの注入/排出を可能にする直線型イオントラップと、DCトラッピング電圧を示す。
図6A−Bは、x軸に沿った注入/排出のためのスリットを伴う直線型イオントラップと、DCトラッピング電圧を示す。
図7A−Bは、3つのRF区分を伴う直線型イオントラップと、DCトラッピング電圧とを示す。
図8A−Bは、3つのRF区分と端板とを伴う直線型イオントラップと、DCトラッピング電圧とを示す。
図9は、質量分析システムにおける図2に示されるタイプの直線型イオントラップを図式的に示す。
図10は、図5のシステムを用いて得られる、アセトフェノンに対する質量スペクトルを示す。
図11は、図5のシステムおいてCIDによって得られる、アセトフェノンの親m/z105イオンと、フラグメントイオンm/z105との質量スペクトルを示す。
図12は、質量m/z111のイオンを得るための、異なる時間にわたるジクロロベンゼンのイオン化の効果を示す。
図13は、直線型イオントラップ(以下に定義される)に対するRFおよびDC電圧を使用してマッピングされる安定度図を示す。
図14A−Bは、図1の直線型イオントラップの端部電極における孔を通しての、z軸に沿った質量選択的イオン排出に対するACおよびRF電圧を示す。
図14A−Bは、図1の直線型イオントラップの端部電極における孔を通しての、z軸に沿った質量選択的イオン排出に対するACおよびRF電圧を示す。
図15は、x電極間に印加されるACを伴う、端部電極におけるスリットを通しての質量選択的排出のための直線型イオントラップを示す。
図16は、xまたはy電極間のいずれかに印加されるACを伴う、端部電極におけるスリットを通しての質量選択的排出のための直線型イオントラップを示す。
図17は、ACスキャン電圧のX電極への印加による、xRF電極上のスリットを通してのイオンのスキャンのための直線型イオントラップを示す。
図18は、ACスキャン電圧の対応する電極への印加による、xまたはyRF電極上のスリットを通してのイオンのスキャンのための直線型イオントラップを示す。
図19は、イオンが任意の方向に排出されることを可能にする、RFにおけるスリットおよび端部電極を伴う直線型イオントラップを示す。
図20は、各電極において交差したスリットを伴い、それによって、選択される電極対の間のRFおよびAC電圧の印加が、x、y、またはy方向におけるイオン排出を可能にする、立方体直線型イオントラップを示す。
図21は、直線型イオントラップと印加されるDC電圧との連続的組み合わせを示す。
図22は、同じサイズのイオントラップの直列アレイを図式的に示す。
図23A−Eは、3つの直列的に接続された直線型イオントラップの、種々の動作モードを図式的に示す。
図23A−Eは、3つの直列的に接続された直線型イオントラップの、種々の動作モードを図式的に示す。
図23A−Eは、3つの直列的に接続された直線型イオントラップの、種々の動作モードを図式的に示す。
図23A−Eは、3つの直列的に接続された直線型イオントラップの、種々の動作モードを図式的に示す。
図23A−Eは、3つの直列的に接続された直線型イオントラップの、種々の動作モードを図式的に示す。
図24は、異なるサイズの直線型イオントラップの直列アレイを図式的に示す。
図25は、直線型イオントラップの並列アレイを示す斜視図である。
図26は、イオン集合での一連の動作を実施する、直線型イオントラップの並列アレイを示す斜視図である。
図27は、直列的に配列された直線型イオントラップの2つの並列アレイを示す斜視図である。
図28は、イオン移動測定のための並列アレイの斜視図である。
図29は、非RFスキャン多重プロセス分析のための、可変サイズの直線型イオントラップの並列アレイを図式的に示す。
図30は、非RFスキャン多重プロセス分析のための、可変サイズの直線型イオントラップの別の並列アレイを図式的に示す。
図31は、3次元アレイに配列された直線型イオントラップの斜視図である。
図32Aは、1つのLITおよび二重LITを伴う、DAPI MS器具に対するMS/MS分析の比較を示す。
図32Bは、MS/MS分析のためのDAPI−RIT−RIT構成を示す。
図32Cは、反発電圧の関数としてイオン検出器に到達する、アミトリプチリンイオンm/z278に対して測定される信号強度を示す。
図32Dは、プロトン化したコカインm/z304およびメタンフェタミンm/z150に対して、RIT−2によって記録されるMSスペクトルを示し、それぞれ、RIT−1からRIT−2に質量選択的に移送され、イオンは、わずか1μg/mLのコカインまたはわずか500ng/mLのメタンフェタミンを含むメタノール溶液のESI、80mVおよび168kHzのAC励起、RIT−1におけるq=0.45、RIT−2におけるイオンのトラッピングのための低質量カットオフ=67によって生成される。
図33Aは、DAPI−RIT−RIT構成をテストするための器具設定を示す。2つのイオン検出器アセンブリが、使用された。RIT−1においてトラップされるイオンはまた、半径方向の排出を用いたRFスキャンによって直接モニタリングされ得、共通メッシュ端部電極上のDC電圧は、軸方向の排出を防止するために高く(>10V)引き上げられた。マニホールド圧力は、500μmの内径の30cm長の毛細管をフロー制約として使用する、DAPIの20ミリ秒の開放に伴って、約500mTorrに上昇した。DAPI開放後の約500ミリ秒の遅延が、マニホールド圧力がMSまたはMS/MS分析のために約3mTorrにポンプダウンされることを可能にするために使用された。2つのRIT間のメッシュ電極は、65%の開放面積および0.0191cm(0.0075インチ)のワイヤ厚さを伴う、耐腐食性304ステンレス鋼織ワイヤクロスから作製された。
図33Bは、図33Aに示されるもの類似する器具設定を示す。この設定では、500μmの内径の35cm長の毛細管が、質量選択的イオン移送の直前に、マニホールド圧力を3mTorrから10mTorrに上昇させるために、空気を導入するためのフロー制約として使用された。
図33Cは、二重相RFによって駆動されるRIT−RITにおける質量選択的イオン移送中の、中心軸に沿ったDC電位を示す。
図33Dは、単一イオン検出器アセンブリを用いるDPAI−QLIT−RIT設定を示す。
図34Aは、アミトリプチリンおよびアミトリプチリン−d6(メタノール内にあり、ナノESIによってイオン化される)に対して記録されるMSスペクトルを示し、1.015MHzの単相RFがy電極上に印加され、双極性ACが共鳴排出のためにx電極間に80mVp−pを伴う165KHzにおいて印加される。
図34Bは、RIT−1からのイオンの軸方向の排出を検出するための器具設定を示す。追加のメッシュ電極(図の拡大された右パネルを参照されたい)が、反発する電位を印加するために、イオン検出器の前面に挿入された。RIT−1から軸方向に排出されたイオンの運動エネルギーは、イオン検出器に到達するために、障壁を超えるのに十分に高くされる必要があった。反発電位を変動させることによって、イオンのKEは、プロファイル化された。
図35A−Eでは、COMSOL(バージョン4.3a、COMSOL AB、ストックホルム、スウェーデン)が、本明細書で研究される二重LIT構成のための電場を解決するために使用された。伸長された幾何学形状(図35B)のRrf−RIT(図35A)に関して、中心軸に沿った電位は、200Vの単相RFが印加されると、128Vと同程度の高さの振幅において振動し得る(図35C、上パネル)。図35C(下パネル)は、xおよびy電極対の間に印加される平衡二重相RFを用いて、中心電位が、より低くなるが、依然として、最大57Vであり得ることを示す。対称構成を用いるQLIT(図35D)に関して、中心電位は、単相RF(図35E、左パネル)を用いて、依然として高くあり得るが、平衡二重相RFが印加されると、0Vに留まる(図35E、右パネル)。
図35A−Eでは、COMSOL(バージョン4.3a、COMSOL AB、ストックホルム、スウェーデン)が、本明細書で研究される二重LIT構成のための電場を解決するために使用された。伸長された幾何学形状(図35B)のRIT−RIT(図35A)に関して、中心軸に沿った電位は、200Vの単相RFが印加されると、128Vと同程度の高さの振幅において振動し得る(図35C、上パネル)。図35C(下パネル)は、xおよびy電極対の間に印加される平衡二重相RFを用いて、中心電位が、より低くなるが、依然として、最大57Vであり得ることを示す。対称構成を用いるQLIT(図35D)に関して、中心電位は、単相RF(図35E、左パネル)を用いて、依然として高くあり得るが、平衡二重相RFが印加されると、0Vに留まる(図35E、右パネル)。
図35A−Eでは、COMSOL(バージョン4.3a、COMSOL AB、ストックホルム、スウェーデン)が、本明細書で研究される二重LIT構成のための電場を解決するために使用された。伸長された幾何学形状(図35B)のRIT−RIT(図35A)に関して、中心軸に沿った電位は、200Vの単相RFが印加されると、128Vと同程度の高さの振幅において振動し得る(図35C、上パネル)。図35C(下パネル)は、xおよびy電極対の間に印加される平衡二重相RFを用いて、中心電位が、より低くなるが、依然として、最大57Vであり得ることを示す。対称構成を用いるQLIT(図35D)に関して、中心電位は、単相RF(図35E、左パネル)を用いて、依然として高くあり得るが、平衡二重相RFが印加されると、0Vに留まる(図35E、右パネル)。
図35A−Eでは、COMSOL(バージョン4.3a、COMSOL AB、ストックホルム、スウェーデン)が、本明細書で研究される二重LIT構成のための電場を解決するために使用された。伸長された幾何学形状(図35B)のRIT−RIT(図35A)に関して、中心軸に沿った電位は、200Vの単相RFが印加されると、128Vと同程度の高さの振幅において振動し得る(図35C、上パネル)。図35C(下パネル)は、xおよびy電極対の間に印加される平衡二重相RFを用いて、中心電位が、より低くなるが、依然として、最大57Vであり得ることを示す。対称構成を用いるQLIT(図35D)に関して、中心電位は、単相RF(図35E、左パネル)を用いて、依然として高くあり得るが、平衡二重相RFが印加されると、0Vに留まる(図35E、右パネル)。
図35A−Eでは、COMSOL(バージョン4.3a、COMSOL AB、ストックホルム、スウェーデン)が、本明細書で研究される二重LIT構成のための電場を解決するために使用された。伸長された幾何学形状(図35B)のRIT−RIT(図35A)に関して、中心軸に沿った電位は、200Vの単相RFが印加されると、128Vと同程度の高さの振幅において振動し得る(図35C、上パネル)。図35C(下パネル)は、xおよびy電極対の間に印加される平衡二重相RFを用いて、中心電位が、より低くなるが、依然として、最大57Vであり得ることを示す。対称構成を用いるQLIT(図35D)に関して、中心電位は、単相RF(図35E、左パネル)を用いて、依然として高くあり得るが、平衡二重相RFが印加されると、0Vに留まる(図35E、右パネル)。
図36のパネルAは、質量選択なしでQLITから移送されるイオンに対して、RITによって記録されるMSスペクトルを示す。MS/MSスペクトルは、プロトン化されたシステインm/z241(図36のパネルB)と、クレンブテロールm/z277(図36のパネルC)と、アミトリプチリン−d6m/z284(図36のパネルD)と、アミトラズm/z294(図36のパネルE)と、コカインm/z304(図36のパネルF)とであり、各化合物の前駆イオンが、質量選択的にQLITからRITに移送され、RITにおいてフラグメント化され、MS分析される。AC励起は、80mVおよび169kHzであり、QLITにおけるq=0.45であり、RITにおけるイオンをトラッピングするためのq=−0.2であり、RITにおけるCIDのためのq=−0.2である。
図37のパネルA−Eは、メタノール溶液中のクレンブテロール(1μg/mL)と、アミトリプチリン−d6(1μg/mL)と、アミトラズ(200ng/mL)と、システイン(500ng/mL)と、コカイン(500ng/mL)との混合物が、ナノESIによってイオン化されたことを示す。イオンは、DAPIを通して導入され、QLIT内でトラップされた。図37のパネルAは、全てのイオンが、共通メッシュ電極上の電位を−0.23Vまで下げることによって、質量選択なしでRITに移送され得ることを示す。MSスペクトルが、半径方向の排出を用いたRITを使用して、それに続くMS分析とともに記録された。図37のパネルB−Eは、全てのイオンが、QLIT内でトラップされた一方、各狭いm/z範囲内における前駆イオンは、質量選択的にRITに移送され得ることを示す。QLITおよびRITのDCオフセット間の差異が10Vよりも小さいとき、有意なフラグメンテーションは、発生しないであろう。それに続くMS分析が、図37パネルのB−Fに示されるように、前駆イオンのMSスペクトルを生成し得る。MS/MS分析もまた、RIT内のこれらのイオンのそれぞれに実施され得、結果が図36のパネルA−Fに示される。
図38Aは、質量選択的イオン移送中にCIDを伴うMS/MSのための器具設定を示す。図38B−38Dは、−15V(図38B)、−21V(図38C)、および−40V(図38D)におけるRIT DCオフセットにおいて、プロトン化されたアミトリプチリンm/z278の質量選択的移送に対して記録されるMS/MSスペクトルを示す。QLITからの軸方向の排出に対するAC励起は、80mVおよび169kHzであり、QLITではq=0.45であり、RITにおけるイオンのトラッピングには、q=0.2とした。
図38Aは、質量選択的イオン移送中にCIDを伴うMS/MSのための器具設定を示す。図38B−38Dは、−15V(図38B)、−21V(図38C)、および−40V(図38D)におけるRIT DCオフセットにおいて、プロトン化されたアミトリプチリンm/z278の質量選択的移送に対して記録されるMS/MSスペクトルを示す。QLITからの軸方向の排出に対するAC励起は、80mVおよび169kHzであり、QLITではq=0.45であり、RITにおけるイオンのトラッピングには、q=0.2とした。
図38Aは、質量選択的イオン移送中にCIDを伴うMS/MSのための器具設定を示す。図38B−38Dは、−15V(図38B)、−21V(図38C)、および−40V(図38D)におけるRIT DCオフセットにおいて、プロトン化されたアミトリプチリンm/z278の質量選択的移送に対して記録されるMS/MSスペクトルを示す。QLITからの軸方向の排出に対するAC励起は、80mVおよび169kHzであり、QLITではq=0.45であり、RITにおけるイオンのトラッピングには、q=0.2とした。
図38Aは、質量選択的イオン移送中にCIDを伴うMS/MSのための器具設定を示す。図38B−38Dは、−15V(図38B)、−21V(図38C)、および−40V(図38D)におけるRIT DCオフセットにおいて、プロトン化されたアミトリプチリンm/z278の質量選択的移送に対して記録されるMS/MSスペクトルを示す。QLITからの軸方向の排出に対するAC励起は、80mVおよび169kHzであり、QLITではq=0.45であり、RITにおけるイオンのトラッピングには、q=0.2とした。
図39は、プロトン化されたアミトリプチリンm/z278およびアミトリプチリン−d6m/z284に対して記録されるMSスペクトルを示し、これらは、同時にQLITに導入されたが、100ミリ秒の間隔を伴ってRITに連続的かつ質量選択的に移送された。測定された強度は、図40における変動する信号のトレンドをプロットするために使用される。アミトリプチリンおよびアミトリプチリン−d6を伴うメタノール溶液のペーパースプレーは、120ng/mLであり、噴霧電圧は、4.3kVである。QLITからの質量選択的移送に対して、AC励起は、80mV、169kHzであり、q=0.45である。RITにおけるイオンのトラッピングには、q=0.2とした。
図40は、連続的かつ質量選択的に移送されるアミトリプチリンm/z278およびアミトリプチリン−d6m/z284に対して、RITによって測定される信号強度を示す。アミトリプチリンおよびアミトリプチリン−d6を伴うメタノール溶液のペーパースプレーは、120ng/mLであり、噴霧電圧は、4.3kVである。QLITからの質量選択的移送に対して、AC励起は、80mV、169kHzであり、q=0.45である。RITにおけるイオンのトラッピングには、q=0.2とした。
タンデム質量分析法(MS/MS)は、化学構造を解明し、化学的雑音を抑制し、高精度で定量化するその能力により、化学分析における本質的なツールである。MS/MS分析は、典型的には、他のイオンを廃棄しながら、標的前駆イオンを分離することによって適用され、その後にプロダクトイオンを生成するフラグメンテーションが続く。以下の実施例では、二重線形イオントラップの構成が、高効率のMS/MS分析を開発するために探求された。第1の線形イオントラップ内でトラップされたイオンは、MS/MS分析のために、軸方向に、質量選択的に、第2の線形イオントラップに移送された。質量分析器中に同時に導入された複数の化合物からのイオンが、連続的に分析された。本開発は、サンプルの高効率な使用を可能にし、さらに、非連続的サンプル導入インターフェースを伴うイオントラップ質量分析器に対して、特に、大気下イオン化源を伴う小型システムに対して、分析速度および定量化精度を著しく改良させた。
本発明は、概して、小型質量分析器を用いたサンプル定量化に関する。例示的小型質量分析器が、例えば、Gao、他(Anal Chem、2006年、78、5994−6002ページ)と、Gao、他(Anal Chem、2008年、80、7198−7205ページ)と、Ouyang、他(「Atmospheric Pressure Interface for Miniature Mass Spectrometers」、The Pittsburgh Conference on Analytical, Chemistry and Applied Spectroscopy、Orlando、FL、米国、2012年)と、Ouyang、他(「Mass Spectrometry for Human Health and Security」、The Pittsburgh Conference on Analytical, Chemistry and Applied Spectroscopy、Orlando、FL、米国、2012年)と、Ouyang、他(「Proof−of−Concept Development of a Personal Mass Spectrometer」、60th ASMS Conference on Mass Spectrometry and Allied Topics、2012年)と、Li、他(Anal. Chem.2014年、86(6)、2909−2916ページ)とに説明され、それらの各々の内容は、その全体が、本明細書に参照することによって組み込まれる。数千ワットの電力を用いるラボスケールの器具のために使用されるポンピングシステムと比較して、小型質量分析器は、概して、わずか5L/分(0.3m/時間)のダイヤフラムポンプと、11L/秒のターボポンプとを伴う、18Wのポンピングシステムを有する。
ある側面では、本発明は、複数の分析物を分析する方法を提供する。それらの方法は、第1の分析物のイオンと第2の分析物のイオンとを生成することを伴う。分析物は、固体、液体、気体、またはそれらの組み合わせ等、任意の形態におけるサンプルに由来し得る。サンプルは、哺乳類組織もしくは体液サンプル(例えば、ヒトの組織、または血液、血漿、尿、唾液、痰、脊髄液、乳液等、ヒトの体液サンプル)、環境サンプル、または農業サンプル(食品サンプル等)であり得る。それらのイオンは、非連続的サンプル導入インターフェースを通して、質量分析器の第1のイオントラップの中に、非連続的サンプル導入インターフェースが移送中、開放されたままである様式で、移送される。非連続的サンプル導入インターフェースは、閉鎖され、イオンは、質量分析器の第2のイオントラップに連続的に移送され、そこで、それらが連続的に分析される。
非連続的サンプル導入インターフェースを具備する小型質量分析器の従来技術の設定が、図1Aに示される。そのようなシステムは、MS/MS能力を保持し、市販のシステムにおけるものよりも100倍小さい容積の小型ポンピングシステムを用いて、噴霧されたイオンの分析を可能にする。各スキャンに対して、非連続的サンプル導入インターフェースは、約15ミリ秒間開放され、イオンを伴う空気が、真空中に導入される。マニホールド内の圧力は上昇する(約500mTorrまで)が、イオンは、依然として、イオントラップ(直線型イオントラップ(RIT)として図1Aに例示される)内に効率的にトラップされ得る。非連続的サンプル導入インターフェースが閉鎖された後、マニホールド圧力は、約500ミリ秒の時間にわたって低下し、MS/MS分析が、次いで、約3mTorr以下の圧力において実施される(図1B)。良好な感度が、スキャン速度を犠牲にした小型ポンピングシステムを用いて達成され、スキャン速度は、このシステムが1〜2秒/スキャンであるのに対し、三連四重極質量分析器は、100ミリ秒/スキャンである。しかしながら、これは、潜在的に、定量化において大きな不正確性につながる。市販の器具では、分析物および内部標準(IS)強度の測定は、100ミリ秒の時間差を伴って実行される。絶対強度は、経時的に劇的にドリフトし得る(図1C)が、分析物と内部標準との比率は、比較的小さな変動を伴って得られる。DAPI−RIT構成を伴う小型質量分析器に関して、分析物および内部標準強度の測定は、1秒の最小時間差を伴って実施され(図1B)、これは、定量化における不正確性の原因である。
本発明は、その問題を解決し、市販の三連四重極質量分析器と同じデューティサイクル(すなわち、100ミリ秒/スキャン)を達成するように構成される非連続的サンプル導入インターフェースを具備する小型質量分析器を提供する。図2Aは、本発明の例示的実施形態を例証する。本発明のシステムに関して、四重極型の線形イオントラップ(LIT)等の追加のイオントラップが、非連続的サンプル導入インターフェースとRITとの間に追加される。LITは、1回のスキャンサイクル内で、MS/MS測定(図2B)のために、分析物および内部標準イオンを同時にトラップし、それらをRITに連続的に送ることができる。フラグメント強度は、RITの2回のスキャンを使用して100ミリ秒以内で測定され(図2B)、重要なこととして、測定に関与する分析物および内部標準のイオンは、同じイオン化条件下で同時に生成され、非連続的サンプル導入インターフェースを通して同時に移送され、LIT内にトラップされる。有意な改良が、量的な精度において予期され得る。
図3A−3Bは、本発明のシステム構成の例示的実装を示す。LITとして、r0=5mmおよび長さ40mmの四重極が、使用される。分析物および内部標準の質量選択的移送は、軸方向質量選択的スキャン技術に基づき、これは、例えば、Hager(Rapid Communications in Mass pectrometry、2002年、16、512−526ページ)およびGuna(Anal Chem、2011年、83、6363−6367ページ)(それぞれの内容は、その全体が、本明細書に参照することによって組み込まれる)に説明される、SCIEXイオントラップ質量分析器において以前に使用されている。一連の波形が、分析物および内部標準イオンの分離および励起を促進するために、RF電極の一対の間に印加される。非連続的サンプル導入インターフェースが開放される(図3Bのステップ1)と、分析物イオンのm/z値を中心とする幅広分離ウィンドウ(約Δm/z50)を伴うSWIFT(記憶された波形の逆フーリエ変換)が、適用される。これは、空間電荷効果を最小限にすることによって、分析物および内部標準イオン(典型的には、Δm/z<10である)に対するトラッピング効率を改良することに役立つ。非連続的サンプル導入インターフェースが閉鎖された後、より狭い分離ウィンドウ(約Δm/z10〜15)を伴う別のSWIFTが、後のイオン移送ステップ中の他のイオンからの潜在的干渉をさらに最小限にするために、冷却期間(ステップ2)中に適用される。レンズI上(図3A)のDC電位が、トラップされたイオンをレンズIIに向かって押し出すために増大させられ、共鳴ACが、次いで、LITからRITに、分析物イオンを軸方向に排出するために、LITのRF電極の一対の間に印加され(ステップ3)、RITで、それらが、MS/MSを用いて分析される(ステップ4)。より低く調節された周波数を伴う第2の共鳴ACが、次いで、MS/MS分析(ステップ6)のためのISイオンを排出するために、再度印加される(ステップ5)。
分析物および内部標準を使用して例示されるが、本発明の方法は、それらの2つの分子に限定されず、任意の分析物を用いて実施され得る。加えて、本発明の方法は、3個、4個、5個、10個、20個等、3個以上の分析物を用いて実施され得る。加えて、例示されるイオントラップは、線形四重極型イオントラップおよび直線型イオントラップであるが、本発明の方法は、それらのイオントラップに限定されない。本方法は、任意の特定のイオントラップまたはイオントラップの組み合わせを使用することに限定されない。
当分野で公知である任意の技法が、イオンを生成するために使用され得る。大気圧においてイオン化源を利用する例示的イオン生成技法は、エレクトロスプレーイオン化(ESI;Fenn、他によるScience、246:64−71ページ、1989年、およびYamashita、他によるJ.Phys.Chem. 88:4451−4459ページ、1984年)と、大気圧イオン化(APCI;Carroll、他によるAnal.Chem.47:2369−2373ページ、1975年)と、大気圧マトリクス支援レーザ脱離イオン化(AP−MALDI;Laiko、他によるAnal.Chem. 72:652−657ページ、2000年、およびTanaka、他によるRapid Commun.Mass Spectrom. 2:151−153ページ、1988年)とを含む。これらの参照の各々の内容は、その全体が、本明細書に参照することによって組み込まれる。
直接大気下イオン化/サンプリング方法(すなわち、イオン化に先立つサンプルへの加工を要求しない方法)を利用する例示的イオン生成技法は、ペーパースプレー(Ouyang、他による米国特許出願公開第2012/0119079号、およびWant、他によるAngewandte Chemie International Edition、2010年、49、877−880ページ)と、脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI;Takats、他によるScience、306:471−473ページ、2004年および米国特許第7,335,897号)と、リアルタイムでの直接分析(DART;Cody、他によるAnal.Chem. 77:2297−2302ページ、2005年)と、大気または低圧誘電体障壁放電イオン化(DBDI;KogelschatzによるPlasma Chemistry and Plasma Processing、23:1−46ページ、2003年およびPCT国際公開第WO 2009/102766号)と、エレクトロスプレー支援レーザ脱離/イオン化(ELDI;Shiea、他によるJ.Rapid Communications in Mass Spectrometry、19:3701−3704ページ、2005年)と、湿潤多孔性材料を使用するイオン化(米国特許出願公開第2012/0119079号およびPCT出願第PCT/US 10/32881号およびWang、他によるAngew.Chem.Int.Ed.2010年、2010、877ページ)とを含む。これらの参照の各々の内容は、その全体が、本明細書に参照することによって組み込まれる。
本発明の方法は、ほとんどは、小型質量分析器の文脈において説明されるが、本発明の方法は、小型質量分析器に限定されず、市販のベンチトップ型質量分析器とともに使用され得る。同様に、本発明の方法は、非連続的サンプル導入インターフェースの使用を要求しない。
(非連続的サンプル導入インターフェース)
ある実施形態では、本発明のデバイスは、非連続的サンプル導入インターフェースとともに使用される。非連続的サンプル導入インターフェースは、Ouyang、他(米国特許第8,304,718号およびPCT出願第PCT/US2008/065245号)において説明され、それぞれの内容は、その全体が、本明細書に参照することによって組み込まれる。
例示的非連続的サンプル導入インターフェースが、図4に示される。非連続的サンプル導入インターフェースの概念は、イオン導入中にそのチャネルを開放し、次いで、各スキャン中のその後の質量分析のためにそれを閉鎖することである。伝統的な連続的非連続的サンプル導入インターフェースに対してよりもはるかに高いフロー伝導性を伴うイオン移送チャネルが、非連続的サンプル導入インターフェースに対して可能にされることができる。マニホールド内部の圧力は、チャネルが最大イオン導入のために開放されると、一時的に、著しく上昇する。この期間中、全ての高電圧は、遮断され、低電圧RFのみがイオンのトラッピングのためにオンであることができる。イオン導入後、チャネルは、閉鎖され、高電圧がオンにされることが可能であり、RFが質量分析のために高電圧までスキャンされることが可能であると、圧力が、さらなるイオン操作または質量分析のための最適な圧力に到達するためにある期間にわたって低下することが可能である。
非連続的サンプル導入インターフェースは、制御される方式でエアフローを開放および遮断する。真空マニホールド内部の圧力は、大気圧インターフェース(API)が開放すると、上昇し、それが閉鎖すると、低下する。非連続的サンプル導入インターフェースと、質量分析器または中間段階貯蔵デバイスであり得るトラッピングデバイスとの組み合わせは、所与のポンプ能力を伴うシステム中へのイオンパッケージの最大導入を可能にする。
かなり広い開口部が、新たな非連続的導入モードにおけるAPI内の圧力制約構成要素のために使用され得る。APIが開放されている短い期間中、イオントラッピングデバイスは、流入するイオンを貯蔵するために、低RF電圧を用いるトラッピングモードで動作させられ、同時に、変換ダイノードまたは電子増倍管等、他の構成要素に対する高電圧は、より高い圧力におけるそれらのデバイスおよび電子装置への損傷を回避するために、遮断される。APIは、次いで、マニホールド内の圧力が、質量分析のための最適な値に戻ることを可能にするために閉鎖され得、そのとき、イオンは、トラップ内で質量分析される、または質量分析のために真空システム内の別の質量分析器に移送される。非連続的方式におけるAPIの動作によって可能となる動作のこの2つの圧力モードは、イオン導入を最大化するだけでなく、所与のポンプ能力を用いた質量分析のための条件を最適化する。
設計目標は、質量分析器に対する最適な真空圧力(質量分析器のタイプに応じて、10−3〜10−10torrである)を維持しながら、最も広い開口部を有することである。大気圧インターフェースにおける開口部が広くなるにつれて、真空システム中に、したがって、質量分析器に送達されるイオン電流は高くなる。
非連続的サンプル導入インターフェースの例示的実施形態が、本明細書に説明される。非連続的サンプル導入インターフェースは、大気圧領域と真空の領域とを接続するシリコンチューブ内の経路を開放および遮断するために使用されるピンチ弁を含む。通常閉鎖ピンチ弁(390NC24330、ASCO Valve Inc. Florham Park、NJ)は、大気圧領域への真空マニホールドの開口部を制御するために使用される。2つのステンレス鋼毛細管が、シリコンプラスチックチュービングの部品に接続され、その開放/閉鎖状態が、ピンチ弁によって制御される。大気に接続するステンレス鋼毛細管は、フロー制限要素であり、250μmの内径と、1.6mm(1/16インチ)の外径と、10cmの長さとを有する。真空側のステンレス鋼毛細管は、1.0mmの内径と、1.6mm(1/16インチ)の外径と、5.0cmの長さとを有する。プラスチックチュービングは、1.6mm(1/16インチ)の内径と、3.2mm(1/8インチ)の外径と、5.0cmの長さとを有する。両方のステンレス鋼毛細管は、接地される。小型質量分析器のポンピングシステムは、5L/分(0.3m/時間)のポンピング速度を伴うダイヤフラムポンプ1091−N84.0−8.99(KNF Neuberger Inc. Trenton、NJ)と、11L/秒のポンピング速度を伴うTPD011ハイブリッドターボ分子ポンプ(Pfeiffer Vacuum Inc. Nashua、NH)との、2段階から成る。
ピンチ弁が常に通電され、プラスチックチュービングが常に開放されていると、フロー伝導性が高くなり、それによって、真空マニホールド内の圧力が、ダイヤフラムポンプが動作することに伴って、30torrを上回る。イオン移送効率は、0.2%であると測定された。これは、連続的APIを伴うラボスケールの質量分析器に匹敵する。しかしながら、これらの条件の下、TPD011ターボ分子ポンプは、オンされることができない。ピンチ弁が通電されていないと、プラスチックチュービングが圧搾閉鎖され、次いで、ターボポンプが、1×10torrの範囲内のその最終圧力までマニホールドをポンプするためにオンにされることができる。
イオントラップを使用して質量分析を実施するための動作のシーケンスは、通常、限定ではないが、イオン導入と、イオン冷却と、RFスキャンとを含む。最初にマニホールド圧力がポンプダウンされた後、スキャン機能が、イオン導入と質量分析とのために、開放モードと閉鎖モードとを切り替えるために実行される。イオン化時間中、24VのDCが、ピンチ弁を通電するために使用され、APIが、開放される。この期間中、直線型イオントラップ(RIT)端部電極上の電位はまた、接地するように設定される。ピンチ弁に対する最小応答時間が、10ミリ秒であると見出され、15ミリ秒〜30ミリ秒のイオン化時間が、非連続的APIの特徴付けのために使用される。圧力が低下し、イオンがバックグラウンド空気分子との衝突を介して冷却することを可能にするために、APIが閉鎖された後、250ミリ秒〜500ミリ秒の冷却時間が実装される。次いで、電子倍増管に対する高電圧がオンにされ、RF電圧が、質量分析のためにスキャンされる。非連続的APIの動作中、マニホールド内の圧力変化は、Mini 10上のマイクロピラニ真空計(MKS 925C、MKS Instruments,Inc.Wilmington、MA)を使用してモニタリングされ得る。
(直線型(rectilinear)イオントラップ)
直線型イオントラップは、例えば、Ouyang、他(米国特許第6,838,666号)において説明され、その内容は、その全体が、本明細書に参照することによって組み込まれる。図5−8は、4つの直線型イオントラップの幾何学形状と、場合によっては、イオンをトラップおよび分析するために電極プレートに印加されるDC、AC、およびRF電圧とを例証する。トラッピング体積は、zxおよびzy面における離間された平面またはプレートRF電極11、12および13、14のxおよびy対によって画定される。イオンは、図5および6では、プレートのx、y対によって画定される体積の端部に配置されるxy面における離間された平面またはプレート端部電極16、17に印加されるDC電圧によって、または図7では、各々が平面またはプレート電極11a、12aおよび13a、13bの対を備える、区分18、19においてRFと併せて印加されるDC電圧によって、z方向にトラップされる。図8では、RF区分に加えて、平面またはプレート電極16、17が、追加され得る。DCトラッピング電圧は、各幾何学形状に対して、図5B、6B、7B、および8Bに例証される。イオンは、プレートに印加されるRF電圧によって生成される四重極RF場によって、x、y方向にトラップされる。ここで説明されるであろうように、イオンは、端部電極に形成される開口を通ってz軸に沿って、またはxもしくはy電極に形成される開口を通ってxもしくはy軸に沿って排出され得る。分析または励起されるべきイオンは、その体積内にある間、サンプル気体をイオン化すること(例えば、電子衝突イオン化)によって、トラッピング体積内で形成され得るか、またはイオンは、外部でイオン化され、イオントラップの中に注入され得る。イオントラップは、概して、緩衝気体の補助とともに動作させられる。したがって、イオンがイオントラップの中に注入されると、それらは、緩衝気体との衝突によって運動エネルギーを失い、DC電位井戸によってトラップされる。イオンがRFトラッピング電圧の印加によってトラップされる間、ACおよび他の波形が、以下により詳細に説明されるように、質量選択的方式でイオンの分離または励起を促進するために、電極に印加され得る。軸方向排出スキャンを実施するために、AC電圧が端部プレートに印加されている間、RF振幅が、スキャンされる。軸方向排出は、丸棒電極を用いる線形トラップからの軸方向排出を制御する原理と同じものに依存する(米国特許第6,177,668号)。直交イオン排出スキャンを実施するために、RF振幅が、スキャンされ、AC電圧が、開口を含む電極の組に印加される。AC振幅は、排出を促進するためにスキャンされ得る。RF、AC、およびDC電圧を印加および制御するための回路は、周知である。
RIT内にトラップされたイオンは、DC電圧が、RITの端部における電位障壁を除去するように変更されると、z軸に沿ってトラップから流れ出得る。図5のRIT構成では、RITの端部におけるRF場の歪みが、分離、衝突誘起解離(CID)、または質量分析等のプロセス中に、トラップされたイオンに望ましくない影響を生じさせ得る。図7Aおよび8Aに示されるような、2つの端部RF区分18および19のRITへの追加は、中心区分に対して均一なRF場を生成することに役立つであろう。3つの区分に印加されたDC電圧は、DCトラッピング電位を確立し、イオンは、中心区分においてトラップされ、種々のプロセスが、中心区分におけるイオンに対して実施される。イオン分離またはイオン収束が必要とされる場合では、端部電極16、17が、図8に示されるように設置され得る。したがって、図5−8および説明される他の図は、単に、好適な電圧源から印加される電圧を示す。
直線型イオントラップの性能を実証するために、分析システムが、建造され、Thermo Finnigan(San Jose、Calif.)によって販売されるITMSシステムにおける直線型イオントラップ(RIT)を使用してテストされた。RITは、図6に例証されるタイプであり、完全なシステムが、図9に図式的に示される。スリットを伴うx方向の2つの電極の間の半分の距離(x)と、y方向の2つの電極の間の半分の距離(y)は、5.0mmであった。xおよびy電極と、z電極との間の距離は、1.6mmであった。xおよびy電極の長さは、40mmであった。x電極におけるスリットは、長さ15mmおよび幅1mmであり、中心に位置した。RF電圧は、1.2MHzの周波数で印加され、y電極と接地との間に印加された。AC双極性場が、2つのx電極11、12の間に印加された。正DC電圧(50〜200V)が、z方向に沿ってRIT内で正イオンをトラップするために、図6におけるz電極16、17に印加された。ヘリウムが、緩衝気体として、示される3×10−5torrの圧力まで追加された。
実験では、分析されるべき揮発性化合物が、示される2×10−6torrの圧力まで、真空チャンバ中に漏出させられた。フィラメント21から放出された電子が、揮発性化合物をイオン化するためにRIT中に注入され、イオンが、電子衝突(EI)イオン化を通してRIT内に形成された。イオンは、印加されたRFおよびDC場によってトラップされた。冷却期間の後、RFは、傾斜を与えられ(ramp)され、イオンは、x電極上のスリットを通して排出され、変換ダイノード23を具備する電子倍増管22によって検出された。図10は、本実験において記録されたアセトフェノンの質量スペクトルを示す。スペクトルは、典型的には、他のタイプの質量分析器においてこの物質に対して見られる、比較的豊富な分子と、フラグメントイオンとを示す。
RITのMS/MS能力も、テストされた。アセトフェノンのフラグメントイオンm/z105は、RF/DC分離を使用して分離され、次いで、0.35Vの振幅および277kHzの周波数のAC場を印加することによって励起された。親イオンおよびMS/MSプロダクトイオンスペクトルの分離が、図11に示される。
トラッピング能力は、トラップされるイオンの数を推定するための基準として、観察可能な空間電荷効果(「スペクトル限界」)の発現を使用してテストされた。イオンの数が空間電荷に対するスペクトル限界を超過すると、スペクトルの分解能は、顕著に不良となる。RITのスペクトル限界を特徴付けするために、ジクロロベンゼンが、0.1、1、10ミリ秒のイオン化時間を使用してイオン化された(0.1は、ITMS制御電子装置を使用して設定され得る最短イオン化時間である。10ミリ秒よりも長いイオン化時間が使用されたとき、信号強度は、検出器の限界を超過した)。トラップされたイオンは、スペクトルを生成するためにRIT内で質量分析された。m/z 111のピーク形状が、図12に示されるように、各イオン化時間に対して質量分解能を比較するために使用された。ピークのFWHMは、イオン化が0.1ミリ秒から10ミリ秒に100倍変動するとき、変化せず、これは、スペクトル限界(以下に定義される)が、電子倍増管のダイナミックレンジの限界に到達していないことを意味する。
トラップされるイオンの質量電荷比率と、RITの幾何学的形状と、印加されるRFおよびDC電圧との関係性が、以下の方程式によって推定され得る。
式中、Aは、電場の多重極展開式における四重極展開係数であり、VRFおよびUDCは、xおよびy電極間に印加されるRFおよびDC電圧の振幅であり、aおよびqは、マチウパラメータであり、xは、中心からx電極までの距離、Ωは、印加されるRFの周波数である。永年周波数Ωυ(u=xまたはy)は、以下によって推定され得る。
式中、
RITに対する安定度図が、図13に示される。
前述の方程式から分かるように、RF電極への事前決定された周波数のRF電圧およびその範囲までのDC電圧の印加はまた、イオントラップの寸法に依存する。トラップされたイオンは、分離され、排出され、質量分析され、モニタリングされ得る。イオン分離は、RF/DC電圧を、xy電極対に印加することによって実行される。RF振幅は、分離ウィンドウの中心質量を決定し、RFとDC振幅との比率は、分離ウィンドウの幅を決定する。イオンを分離する別の方法は、好適なRFおよびDC電圧の印加によって、広い質量範囲にわたってイオンをトラップし、次いで、分離されるべきものを除く全てのイオンの永年周波数を含む広帯域波形を印加することであろう。波形は、事前決定された期間にわたって、2つの対向(典型的には、xまたはy)電極間に印加される。着目イオンは、全ての他のイオンが排出される間、影響を受けない。任意の所与のm/z値の任意のイオンに対する永年周波数は、方程式3から決定され得、RF振幅を変動させることによって変更され得る。トラップされたイオンは、2つの対向RF電極間に印加される、励起されるべき特定イオンの永年周波数と等しい周波数を有するAC信号を印加することによって、励起され得る。この永年周波数を伴うイオンは、トラップ内で励起され、フラグメント化するか、またはトラッピング場から逃散し得る。類似プロセスが、AC信号を、端部電極に印加することによって、展開され得る。DC電圧パルスが、任意の2つの対向電極間に印加され得、広い質量範囲のトラップされたイオンは、RITから排出され得る。
RITは、以下に説明されるように、質量分析の種々のモードを実行するために使用され得る。
a)非スキャンイオンモニタリング
図5に示されるような最も単純な構成を使用して、単一または多重イオンモニタリングが、イオン分離およびRF振幅調節を実施することによって達成され得る。着目イオンの分離は、RF/DC(質量選択的安定性)または前述の波形方法を使用することによって達成され得る。i)単一イオンモニタリングに対して、着目イオンが、分離され、次いで、検出のためにDCトラッピング場を下げることによって、z方向にRITから流れ出ることを可能にされるか、またはそれらは、パルス出力(pulsed out)もしくはAC励起出力(excited out)され得る。ii)多重イオンモニタリングに対して、いくつかのm/z値のイオンが、前述の単一イオンモニタリング方法の複数のインスタンスを使用して、順にモニタリングされる。iii)MS質量分析に対して、m/z値を伴う着目イオンが、分離され、AC電圧の印加によって励起され、CIDを通してフラグメント化される。プロダクトイオンは、単一または多重イオンモニタリングによって質量分析され得る。
b)端部電極上の開口を通してのイオンスキャン
質量不安定性スキャンが、図15に示される幾何学形状を伴うRITを使用して実装され得る。i)図14Bでは、AC信号が、x(またはy)電極間に印加され、RFがスキャンされる間、スキャンされる。図14Aでは、イオンは、それらのm/z値に従って(低から高に)、適切な方向に質量選択的に排出される。図15では、端部プレート16における開口部は、x軸に沿ったスリット26のはずであり、AC信号によってx軸に沿って振動させられるイオンが、効率的に排出されることを可能にする。ii)図16では、RITの端部プレートにおける二重スリット27、28(交差)は、ACがxもしくはy電極のいずれか、または両方の間に印加されることを可能にする。RITから排出されるイオンビームの向き(xまたはy軸に沿って)は、ACを印加するために、電極対(xまたはy)を選ぶことによって選択される。この選択は、排出されるイオン雲形状が、次のデバイス、例えば、別のRITの開口部に合致する必要がある場合、適切である。異なる周波数のAC電圧がxおよびy電極に印加される場合、2つの異なる質量のイオンが、スリットから排出される。
c)RF電極におけるスリットを通してのイオンスキャン
i)図17では、x(またはy)電極上に開口部またはスリット29を追加し、これらの2つの電極間に選択された周波数を伴うAC電圧を印加することによって、イオンは、RF振幅をスキャンすることによってスリットを通して質量選択的に排出され得る。典型的には、AC電圧の振幅もまた、より良好な分解能を達成するためにスキャンされ得る。
ii)図18に示されるRITは、xおよびy電極の両方の上にスリット29および31を有する。排出方向は、AC信号を印加するために、電極対xもしくはyまたは両方を選ぶことによって選択され得る。異なる質量のイオンが、スリットの各々から排出され得る。
d)任意の方向の電極を通してのイオンスキャン
図19に示されるRITデバイスは、前述の構成の特徴を組み合わせ、x、y、またはz軸のいずれかに沿ったイオン注入および質量選択的または非選択的排出を可能にする。このタイプのRITは、DCパルスまたはAC信号を、対応する電極に印加することによって、x、y、またはz方向のいずれかに沿ってイオンを移送させ得る。選択規則は、前述の通りである。各電極に対して対称特徴を伴う立方体である代替幾何学形状が、図20に示される。i)図20では、120°だけ相が異なるRF信号が、(回転する)3次元RFトラッピング場を確立するために、立方体デバイスにおける電極の各対に印加され得る。ii)RFトラッピング面およびDCトラッピング軸が、RFまたはDCを追加するべき電極対を選ぶことによって、選択的に変更され得る。ACおよびDCを使用する排出モードが、ACまたはDC信号を対応する電極に追加することによって適用され得る。このデバイスは、イオン移送動作における方向切り替え器として機能し得る。iii)代替トラッピングモード:電極の任意の2つの対が、円筒形イオントラップにおけるものと類似する「立方体トラップ」を形成するために、同じRF信号に電気的に接続され得、他の対は、接地されるか、または180°相が異なるRFを供給されることによって、エンドキャップ対のように作用し得る。
e)直線型イオントラップが、種々のデバイスを構築するために多面的な方法で組み合わせられ得る
i)RITの典型的な直列配列が、図21に示される。この配列は、区分IIおよびIVの2つのRITを使用し、RFトラッピング区分IおよびIIIと、それを通してイオンが導入される端部プレート31と、スロット33を伴う端部プレート32とを伴う。電極に印加されるDCトラッピング電圧34および36が、図式的に示される。モードIでは、DC電位井戸が、イオンが区分IIおよび区分IV内でトラップされ得るように設定される。モードIIでは、区分II内のイオンは、区分IVに移送することを可能にされる。区分IIIは、区分IIおよびIVの間の干渉を最小限にするために使用され、そこで、異なる動作が、イオンに対して実施される。一実施例として、同時に、分離、CID、イオン/イオンまたはイオン分子反応、および質量選択的排出のような種々の動作が、区分IV内で実施される間、イオンは、区分II内で(質量選択的または非選択的に)蓄積され得る。
ii)図22は、三連四重極質量分析器と類似する特性を伴うタンデム質量分析器のように作用するように、直列構成で配列された同じサイズのRITを示す。イオンは、図21に示されるような同じ様式でDC電位を変更することによって、1つのRITから次に移送される。
iii)図23A−Eは、イオン/イオン反応に関する、3つのRIT41、42、および43のいくつかの動作モードを示す。短いRIT46、47が、イオン移送効率を上げるために、イオン移送のための端部プレートレンズの代わりに使用される。図23Aは、外部イオン化源A、B、およびCから、それぞれ、RIT41、42、および43中に注入されるイオンを示し、図23Aでは、イオンは、端部プレート44の短いRF区分46、47へのDCトラッピング電圧の印加と、RIT41、42、および43へのRF電圧の印加とによって、それぞれ、イオン源から注入され、蓄積される。図23Bでは、示されるようにDCトラッピング電圧を変更することによって、RIT41内にトラップされたイオンが、RIT42に移送され、そこで、それらは、反応し得る。図23Cは、RIT41、43からRIT42中への、蓄積されたイオンの移送のためのDC電圧を例証する。図23Dおよび23Eは、それぞれ、RIT42からRIT41への、RIT42からRIT43へのイオンの移送のためのDC電圧を示す。気付き得るように、これらの動作モードは、三連四重極等の従来の直列構成のためのものとは著しく異なる特徴を有する。イオンは、構造における任意の段階で導入され得、任意の段階でトラップされたイオンは、フラグメントをもたらすために分離または励起され得、任意の段階でトラップされたイオンは、他のイオンまたは中性物質と反応するために、その他に両方向(順方向および逆方向)に移送され得る。
iv)図24では、異なるサイズの3つのRITが、定振幅の単一RF信号を用いて動作させられる。1つはイオン分離、1つはイオン励起のための2組の波形が、所望の動作を実施するために、異なる時間において全てのxまたはy電極に印加される。第1のRITのサイズは、親イオンの分離のための望ましいqに基づいて選択される。サイズの計算のために使用される方程式は、以下である。
式中、x(y)は、x(y)電極間の半分の距離である。
イオン分離のための波形Iもまた、このqに基づいて計算される。イオンがRIT51中に注入され、冷却された後、波形Iが、印加され、所望のm/zの親イオンが、分離される。ビーム軸に沿ったDC電位は、親イオンが第2のRIT52中に移送されるように調節される。RIT52のサイズは、親イオンm/z値およびCIDまたはイオン/分子反応に所望のqに基づいて選択され、CIDのための波形IIもまた、このqに基づいて計算される。親イオンは、プロダクトイオンを生成するために、波形IIを印加することによって、または分子もしくは他のイオンと反応することによってフラグメント化し、プロダクトイオンは、DC電位が調節されると、RIT53に移送される。第3のRITのサイズは、分離およびモニタリングされるべきプロダクトイオンのm/zに基づいて計算される。分離のためのqは、RIT51のためのものと同じであり得、したがって、同じ波形が、RIT53における分離のために使用され得る。RIT53のサイズは、qおよび分離/モニタリングされるべきイオンのm/z値に基づいて計算される。分離されたイオンは、外部検出のために排出される。このタイプの直列アレイは、RF電圧をスキャンするために専用電子装置を要求せずに、RITを使用するMS等の分析プロセスを提供する。RITIおよびIIIにおける分離はまた、適切なq値においてRF/DC分離を使用して達成され得る。
v)それらの矩形形状と、イオンをxおよびy方向ならびにz方向に排出する能力とのため、直列アレイだけでなく、並列アレイならびに直列および並列アレイの組み合わせを有することが可能である。図25は、並列アレイの全てのRIT中にz方向に注入され、冷却され、次いで、質量分析される、単一サンプルからのイオンを示す。トラップされ、検出されるイオンの総数は、RITの数および多重チャネルRITアレイ質量の感度に比例する。異なるサンプルからのイオンは、異なるRIT中に注入され得、各RITは、独立した質量分析器としての役割を果たし得る。図示されない個々の検出器が、各チャネルに対して使用され得るか、または空間的に分解された信号を処理するイメージング検出器が、排出されたイオンを検出するために使用され得る。複数のサンプル内の分析物が、多数のサンプルの高スループット分析を達成するために、同時にイオン化および質量分析され得る。同じ並列アレイもまた、最終質量分析および検出の前に、イオンが気相における種々の選択的プロセスを経験することを可能にすることによって、高選択性分析を実施するために使用され得る。図26に示されるように、RIT1中に注入されたイオンは、質量選択的に分離され、次いで、イオン/分子反応のために電極におけるスロットを通してRIT2中に移送され、イオン/イオン反応のために電極におけるスロットを通してRIT3中に移送され、次いで、電極におけるスロットを通して排出することによって質量分析され得る。明白なこととして、デバイスは、高選択性モードにおけるより多いプロセスならびに高感度モードにおけるより強い信号および高スループットモードにおいて同時に分析されるべきより多いサンプルを可能にするために、より多いチャネルを有し得る。図27は、直列的に接続された並列アレイの組み合わせを示す。
イオン集合を、隣接するトラップ中に、xまたはy方向のいずれかに移送する能力は、所与の質量/電荷比率のイオンが、3次元的イオントラッピングアレイ内のどこにでも配置されることを可能にする。化学的に識別性のある種の空間的位置を固定する能力は、(i)イオン/表面反応およびイオンソフトランディングによる隣接する表面へのパターン移送と、(ii)電極電位が反応性混合を可能にするために低下される前に、逆の電荷のイオンが隣接する要素内に貯蔵されるイオン消滅実験と、(iii)3つの空間的次元および1つの質量/電荷次元から成る高密度情報記憶とを含む、様々な潜在的用途を可能にする。
vi)図28に示されるように、イオンがDCパルスを使用して1つのRITから別のRITに移送されるとき、第1のRITから排出されるイオンは、非常に特定の狭いRF相ウィンドウ中にしか、第2のRITに進入することができない。第1のRITの出口スリットから同時に離れるイオンは、Heとの衝突に対する衝突断面における差異に起因して、第2のRITの入口スリットに同時に到達しないこともある。排出RF相、RIT間の距離、またはHeの圧力のいずれかを注意深く選択することによって、異なる断面を伴うイオンは、異なるイオン移動に起因して空間内で分離され、それらの一部は、第2のRIT内にトラップされることができ、その他は、トラップされないこともある。第1のRIT内のイオンと、第1のRIT内でトラップされたイオンとを比較して、イオンの断面が、推定され得る。
vii)ちょうど直列RITの場合のように、異なるサイズの並列RITは、一定振幅の単一RF信号を用いて動作させられ得る。RITのサイズは、各RITにおいてモニタリングされるべきイオンが、イオン分離のための同じq値において動作させられるように、方程式1を使用して計算され得る。図29に示されるように、同じqにおけるノッチを伴う単一波形が、全てのRITに印加され、対応するm/z値またはm/z値の範囲を伴うイオンが、各RITにおいて分離およびトラップされる。トラップされたイオンは、後に、検出されるようにx/yまたはz方向に沿って排出される。代替イオン分離方法は、RF/DC分離である。図30は、並列アレイのための代替配列を示す。z軸に沿ってイオンを移送する代わりに、イオンは、y軸に沿って移送され、図24の直列アレイにおいて例証されるプロセスを連続的に経験する。
RITアレイを構築するための別の方法は、RIT間の接合部として立方体イオントラップを使用することである(図31)。1つのRITからのイオンは、立方体トラップ中に移送され、貯蔵され、次いで、次のRIT中に移送され得る。同じ構成を用いて、立方体トラップ中に注入されたイオンは、DCパルスまたはAC波形を印加することによって、6つの方向のいずれかに移送され得る。異なるサイズのRITが、種々のアレイを形成するために、立方体トラップを使用して接続され得る。
前述は、RITがイオンの分析および操作を実行するために使用され、組み合わせられ得る方法の実施例にすぎない。プレート構成が、イオントラップの製作を促進および簡略化する。イオントラップの単純な矩形構成は、直線型イオントラップの多面的な組み合わせを可能にする。
(参照による組み込み)
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(均等物)
本明細書に示され、説明されるものに加えて、本発明の種々の修正および多くのそのさらなる実施形態が、本明細書に引用される科学的および特許文献の参照を含む、本書の全容から、当業者に明白となるであろう。本明細書における主題は、その種々の実施形態およびその均等物における、本発明の実践に適合され得る、重要な情報、例示、および指針を含む。
タンデム質量分析法(MS/MS)(Sleno、他によるJournal of Mass Spectrometry、2004年、39、1091−1112ページ)は、複合マトリクスを用いたサンプルにおける化学的および生物学的化合物の分析のために広く使用されている。前駆イオンが、分離およびフラグメント化され、プロダクトイオンが、質量分析される。イオントラップは、多段MS/MS分析を実施し得る、普及した質量分析器である。現在の市販の質量分析器では、MS/MS分析は、各化合物に対して約100ミリ秒のスキャン時間を伴って迅速に実施され得る。しかしながら、サンプルの使用法は、標的前駆イオン以外のイオンが分離プロセス中に廃棄されるため、低効率である。小型質量分析法(MS)システム(Ouyang、他によるAnnual Review of Analytical Chemistry、2009年、2、187−214ページ)に関して、MS/MSは、さらにより本質的な役割を果たし、MS/MSプロセスに対する効率的な改良が、より有意な影響も及ぼし得る。原位置または現場内分析のためのサンプル調製およびクロマトグラフ分離は、大気下イオン化(Cooks、他によるScience、2006年、311、1566−1570ページおよびMonge、他によるChemical Reviews、2013年、113、2269−2308ページ)源を用いる小型MSシステム(Hendricks、他によるAnalytical Chemistry、2014年、86、2900−2908ページおよびLi、他によるAnalytical Chemistry、2014年、86、2909−2916ページ)の近年の開発に伴って実証されるように、高度に簡略化されるか、または完全に排除されるはずである。しかしながら、異性体と同重体とを区別するためにMS/MSを使用する必要があり、検出の限界(LOD)および定量化の限界(LOQ)もまた、著しく改良され得(Li、他によるAnalytical Chemistry、2014年、86、2909−2916ページ)、化学的雑音は、MS/MSプロセスを通して除去される(Cooks、他によるScience、1983年、222、273−291ページ)。化学的識別の確認のための特徴的なフラグメンテーションパターンを使用して、高特異性もまた、潜在的に、超高質量精度または分解能なしで小型質量分析器に対して保持され得る。
現在、非連続的大気圧インターフェース(DAPI;GaoによるAnalytical Chemistry、2008年、80、4026−4032ページ、Gao、他によるInternational Journal of Mass Spectrometry、2009年、283、30−34、およびXu、他によるAnalytical Chemistry、2010年、82、6584−6592ページ)は、大気圧イオン化および大気下イオン化源と、小型線形イオントラップ(LIT)質量分析器(Hendricks、他によるAnalytical Chemistry、2014年、86、2900−2908ページ、Li、他によるAnalytical Chemistry、2014年、86、2909−2916ページ、およびGao、他によるInternational Journal of Mass Spectrometry、2009年、283、30−34ページ)との結合を可能にするために使用されている。イオンは、約1.5秒毎に、約20ミリ秒のDAPIの開放を伴う、パルス化方式で導入され、これは、イオンが、上昇圧力においてLIT内に注入およびトラップされ、圧力が500〜800ミリ秒以内に数ミリトルレベルに戻った後、分析されることを可能にする(図32A)。要求されるポンプ能力が、DAPI−LITシステムに対して大きく低減される一方、MSおよびMS/MS分析に対する効率およびスキャン速度もまた、低減される。1秒またはそれより長い秒数毎の低デューティサイクル、例えば、20ミリ秒のイオン導入に起因するサンプルの廃棄は、DAPI動作と同期されたパルス化イオン源を使用することによって最小化され得る(Xu、他によるAnalytical Chemistry、2010年、82、6584−6592ページ)。しかしながら、サンプル内の複数の分析物のMS/MS分析のために、全プロセスは、著しく長い時間がかかり得る。
以下の実施例では、前述の問題に対する解決策が、単一イオン導入を伴う多重MS/MS分析を実行するために、二重LIT構成を使用して発見された(図32A)。広質量/電荷比率(m/z)範囲内のイオンは、第1のLIT内でトラップされ、複数のm/z範囲の前駆イオンは、連続的かつ質量選択的に、MS/MS分析のために第2のLITに移送され得る。本実施例では、m/z値の前駆イオンは、軸方向かつ質量選択的に、MS/MS分析のために第2のLITに移送されたが、他のイオンは、依然として、それに続く質量選択的移送およびMS/MS分析のために、第1のLIT内にトラップされた。本概念の実装のために、さらに、高効率なMS/MS分析を実証するために、2つの普及した市販のイオントラップ器具のために以前に開発された、軸方向(HagerによるRapid Communications in Mass Spectrometry、2002年、16、512−526ページ)および半径方向(Schwartz、他によるJournal of the American Society for Mass Spectrometry、2002年、13、659−669ページ)の質量選択的イオン排出方法を組み合わせた。
(実施例1)器具類、結果、および考察
一連の小型質量分析器(Hendricks、他によるAnalytical Chemistry、2014年、86、2900−2908ページ、Li、他によるAnalytical Chemistry、2014年、86、2909−2916ページ、Gao、他によるAnalytical Chemistry、2006年、78、5994−6002ページ、およびGao、他によるAnalytical Chemistry、2008年、80、7198−7205ページ)の開発において以前使用された直線型イオントラップ(RIT;OuyangによるAnalytical Chemistry、2004年、76、4595−4605ページ)が、この二重LIT概念の初期テスト(図32Aおよび図33A)のために使用された。2つのRITの各々は、x方向に5.0mm、y方向に4.0mmの電極間距離を伴う伸長された幾何学形状を有する。ステンレス鋼メッシュが、これらのRIT間の共通端部電極として使用された。以前に報告されたテストシステム(Xu、他によるAnalytical Chemistry、2010年、82、6584−6592ページ)が、実験的特徴付けのために修正された。各端部電極と隣接するRF電極との間の距離は、全て2mmである。ホウ素石英ガラス毛細管(内径0.85mmおよび外径1.5mm)から引かれる、バルク装填噴霧器が、ナノESIのために使用された。全ての化学物質は、商業的に利用可能であり、精製せずに使用された。アミトリプチリン−d6は、CDN isotopes(ポイントクレア、ケベック、カナダ)から購入された。全ての他の化学物質は、Sigma−Aldrich(セントルイス、MO)から得られた。
1015kHzおよび995kHzの単相RFが、それぞれ、RIT−1およびRIT−2のy電極上に印加された。イオンは、DAPIの開放期間中にRET−1内にトラップされ、次いで、RIT−2に向かう軸方向質量選択的排出が、2つの方法、すなわち、双極性ACによる共鳴排出を用いるRFスキャン(HagerによるRapid Communications in Mass Spectrometry、2002年、16、512−526ページ)または定常RFを用いるAC励起を使用して実施された。広範囲における調節が、RF電圧、AC励起周波数(q値)、および振幅だけではなく、共通メッシュ端部電極上のDC電圧に対しても実施された。
RIT−1からの軸方向質量選択的イオン排出は、次いで、図33Bに示される設定を使用して特徴付けされた。ナノESI(エレクトロスプレーイオン化;WilmによるAnalytical Chemistry、1996年、68、1−8ページ)によってイオン化された、メタノール中のアミトリプチリン(3μg/mL)およびアミトリプチリン−d6(2μg/mL)に対する、図34Aに示される一実施例を用いて、AC励起を用いる効率的な軸方向イオン排出が、観察され、MSスペクトルが、記録された。
メッシュ電極が、次いで、RIT−1から排出されたイオンの運動エネルギー(KE)を制御するために、図34Bに示されるように、反発する電圧を印加するために、RITのメッシュ端部電極と、イオン検出器アセンブリとの間に追加された。アミトリプチリンm/z277の信号強度が、反発電圧の関数として測定され、最大70eVの広運動エネルギー(KE)分布を反映した(図32C)。
LITの中心軸における場は、LIT上に印加される不平衡RF電圧を用いて振動することが知られており、これは、軸方向に排出されたイオンに対するKEの広分布に関与した。二重相RFが、次いで、RIT−1上に印加された。KEの特徴付けは、軸方向に排出されたイオンに対して、10eVを下回るかなり狭い分布を示した(図32C)。
別の構成では、衝突冷却が、使用された。そのために、第2のDAPIが、次いで、マニホールド圧力を3mTorrから10mTorrに上昇させるために、イオン排出直前に、10ミリ秒にわたって気体フローを導入するために使用された。148kHzにおける80mVのAC励起(q=0.4)が、RIT−1からイオンを質量選択的に排出するために使用され、圧力が約100ミリ秒以内に3mTorrまで低下した後、RIT−2内でのMS分析がそれに続いた。RIT−2内で移送されたイオンのトラッピングが、観察された。ある時間において、フラグメンテーションもまた、プロトン化されたコカインm/z304およびメタンフェタミンm/z150に対して記録されたMSスペクトルによって示されるように、観察された(図32D)。衝突は、イオンの運動エネルギーを低減させるのに役立ち、上昇圧力において効率的である衝突誘起解離(CID)も促進した。イオンの完全な移送は、80ミリ秒程度かかった。実践的な実装に対して、質量選択的移送中の前駆イオンのフラグメンテーションは、CIDに対する動作がRIT−2に対して要求されないため、利点を表す。
軸方向に排出されるイオンのKEをさらに低減させるために、Qトラップ器具(AB Sciex,Ltd、トロント、カナダ;HagerによるRapid Communications in Mass Spectrometry、2002年、16、512−526ページ)の開発において以前使用された、対称構成のLIT(QLIT)が、使用され、伸長された幾何学形状のRIT−1に取って代わった(図33C−D)。QLITは、丸電極(r=4.17)を用いて構築され、r0=4.0mmである対称構成を有する。シミュレーションが、RIT−RITおよびQLIT−RIT構成に対する電場の比較のために実行された(図35A−E)。最も狭いKE分布が、平衡二重相RFを用いて動作させられたQLITに対して予期された。完全な前駆イオンの質量選択的移送が、上昇圧力の必要もなく、AC励起を用いたQLIT−RIT構成に対して、実際に達成された。メタノール溶液中のクレンブテロール(1μg/mL)と、アミトリプチリン−d6(1μg/mL)と、アミトラズ(200ng/mL)と、システイン(500ng/mL)と、コカイン(500ng/mL)との混合物の分析に関する図36のパネルA−Fおよび図37のパネルA−Fに示されるように、これらの化合物からの前駆イオンの各々は、最小のフラグメンテーションを伴って質量選択的に移送され(図37のパネルA−F)、その後に、RIT内でフラグメント化され、質量分析され得る(図36のパネルB−F)。
イオンは、DAPIを通して20ミリ秒にわたって導入され、LIT内で500ミリ秒にわたってトラップおよび冷却された。各化合物からの前駆イオンのMS/MS分析は、QLITからRITへの質量選択的移送のための30ミリ秒と、CIDによるフラグメンテーションのための20ミリ秒と、フラグメントイオンのMS分析のための約50ミリ秒とを含め、約100ミリ秒かかった。各スキャンサイクルに対して実行された5回のMS/MS分析では、MS/MS分析毎の平均分析速度は、0.2秒であり、これは、連続的大気圧インターフェースを用いて動作させられる市販の器具に匹敵する。本明細書におけるシステムは、大型のマニホールドと、ラボスケールの質量分析器のためのポンピングシステム、すなわち、30m/時間のロータリベーンポンプ(UNO−030M、Pfeiffer Vacuum Inc. ニューハンプシャ)と、345L/秒のターボポンプ(TurboVac 361、Leybold Vacuum、ドイツ)とを有した。DAPIの開放を伴うスキャンは、スキャンあたり0.6秒で繰り返し起動されることができた。小型ポンピングシステムを伴う小型DAPI−RITシステム(Li、他によるAnalytical Chemistry、2014年、86、2909−2916ページ、およびGao、他によるAnalytical Chemistry、2008年、80、7198−7205ページ)に対して、スキャン期間は、典型的には、1回のMS/MS分析に対して1.5秒である。実装されるDAPI−LIT−LIT構成では、n個の分析物の各々のMS/MS分析に対する平均時間は、方程式1によって推定され得る。
各分析サイクル内で実装される10回以上のMS/MSスキャンでは、小型器具の分析効率は、現在のラボスケールのイオントラップ器具に匹敵するか、またはそれよりも有意に高い。
RIT−RIT構成を用いて以前に観察されたように、質量選択的移送中のフラグメンテーションもまた、制御可能な方式におけるQLIT−RITを用いて探求された。図38Aに示されるように、第2のDAPIが、使用され、マニホールド圧力が、質量選択的軸方向移送の直前に、10ミリ秒の開放とともに10mTorrまで引き上げられた。プロトン化されたアミトリプチリンm/z278に関する図38B−38Dに示されるように、質量選択的移送中のフラグメンテーションの程度は、QLITとRITとのDCフロート電圧間の電位差を変動させることによって、良好に制御され得る。
単一パルスのイオン導入を用いる多重MS/MS分析の追加のかつ有意な一利点は、量的な分析に対する精度の潜在的改良である。DAPI−RIT構成のMini 12システムの以前の評価では、分析物およびその内部標準(IS)のMS/MS分析が1〜2秒の間隔を伴う2回の完全に分離したスキャンにおいて実施されるため、信号の安定度は、定量化精度のために重要であることが示された。DAPIを通しての2つのイオン導入間のイオン電流の増減は、測定される分析物/IS比率(A/IS)において大きな誤差をもたらすであろう。単一スキャンにおける多重MS/MS分析を使用して、分析物およびISイオンは、同時に収集され、0.1秒程度の短い時間間隔を伴って連続的にMS/MS分析され得る。
この概念を立証するために、各々が120ng/mLの濃度である、アミトリプチリンおよびISアミトリプチリン−d6を含む40μLのメタノール溶液が、ペーパースプレーイオン化のために三角形紙基材上に滴下された。各スキャンサイクルに対して、全てのイオンが、最初に、QLIT内でトラップされ、プロトン化されたアミトリプチリンm/z278が、最初に、RITに移送され、0.1秒後に、プロトン化されたアミトリプチリンm/z284もまた、RITに移送された。各スキャンサイクルに対するA/IS比率を計算するために、MS分析が、次いで、RITによって実施され、m/z278および284の強度が、測定された(図39)。図40に示されるように、イオン信号強度は、溶媒の蒸発に起因して、ペーパースプレーに伴って著しく変動した(Li、他によるAnalytical Chemistry、2014年、86、2909−2916ページおよびRen、他によるChromatographia、2013年、76、1339−1346ページ)。しかしながら、分析物およびISイオンは、常に、DAPIの同じ開放期間において同時にサンプリングされたため、分析物およびISの信号強度は、良好に互をトレースし、それによって、A/IS比率における良好な精度(RSD<15%)が得られた。
本明細書におけるデータは、本明細書に説明される二重LIT構成が、単一イオン導入を伴う複数のMS/MSプロセスを可能にすることを示す。その開発は、特に、大気下または大気圧イオン化源に結合される小型器具に対して、非連続的サンプル導入インターフェースを使用するMSシステムの分析的性能に直接的影響を及ぼす。スキャン速度および定量化精度が、著しく改良された。サンプル消費における効率は、大きく改良され、これは、複合混合物の分析を実施するための、小型およびラボスケールのMSシステムの両方にとって魅力的である。この概念を実装するための理想的構成は、空間電荷効果を克服するための大きなトラッピング能力を伴う第1のLITと、MS/MS分析のための、比較的小さなサイズであるが、高い分解能および質量精度を伴う第2のLITとを使用する。

Claims (35)

  1. 複数の分析物を分析する方法であって、前記方法は、
    第1の分析物のイオンと第2の分析物のイオンとを生成することと、
    前記第1および第2の分析物のイオンを非連続的サンプル導入インターフェースを通して質量分析器の第1のイオントラップの中に移送することであって、前記非連続的サンプル導入インターフェースは、前記移送中、開放されたままである、ことと、
    前記非連続的サンプル導入インターフェースを閉鎖することと、
    前記第1および第2の分析物のイオンを前記質量分析器の第2のイオントラップに連続的に移送することと、
    前記第2のイオントラップにおける前記第1および第2の分析物のイオンを連続的に分析することと
    を含む、方法。
  2. 前記第1の分析物は、サンプルであり、前記第2の分析物は、内部標準である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1および第2の分析物のイオンを前記非連続的サンプル導入インターフェースを通して前記第1のイオントラップの中に移送することは、同時に発生する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1のイオントラップは、線形四重極型イオントラップである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第2のイオントラップは、直線型イオントラップである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記イオンを生成することは、大気圧および気温において動作するイオン化源を利用する技法による、請求項1に記載の方法。
  7. 前記イオンを生成することは、直接大気下イオン化/サンプリング技法を利用する技法による、請求項1に記載の方法。
  8. 前記第1および第2のイオンは、単一スキャンサイクル内で前記第2のイオントラップに移送される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記分析することは、MS/MS測定を行うことを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記質量分析器は、小型質量分析器である、請求項1に記載の方法。
  11. 小型質量分析器においてサンプルおよび内部標準を分析する方法であって、前記方法は、
    サンプルイオンおよび内部標準イオンを生成することと、
    前記サンプルおよび内部標準イオンを非連続的サンプル導入インターフェースを通して小型質量分析器の第1のイオントラップの中に同時に移送することと、
    前記非連続的サンプル導入インターフェースを閉鎖することと、
    前記サンプルおよび内部標準イオンを前記小型質量分析器の第2のイオントラップに連続的に移送することと、
    前記第2のイオントラップにおける前記サンプルおよび内部標準イオンを連続的に分析することと
    を含む、方法。
  12. 前記第1のイオントラップは、線形四重極型イオントラップである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第2のイオントラップは、直線型イオントラップである、請求項11に記載の方法。
  14. 前記イオンを生成することは、大気圧および気温において動作するイオン化源を利用する技法による、請求項11に記載の方法。
  15. 前記イオンを生成することは、直接大気下イオン化/サンプリング技法を利用する技法による、請求項11に記載の方法。
  16. 前記技法は、ペーパースプレーイオン化である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記第1および第2のイオンは、単一スキャンサイクル内で前記第2のイオントラップに移送される、請求項11に記載の方法。
  18. 前記分析することは、MS/MS測定を行うことを含む、請求項11に記載の方法。
  19. 非連続的サンプル導入インターフェースを具備する小型質量分析器を用いて分析物を定量化する方法であって、前記方法は、
    分析物からのイオンと内部標準からのイオンとを前記非連続的サンプル導入インターフェースを通して前記小型質量分析器の中に移送することと、
    前記分析物および内部標準イオンを分析することであって、前記分析物および内部標準イオンは、互に1秒未満内で分析される、ことと、
    前記分析物を定量化することと
    を含む、方法。
  20. 前記定量化することは、前記分析物と前記内部標準との比率を得ることを含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記分析物は、固体、液体、および気体から成る群から選択される形態におけるサンプルに由来する、請求項19に記載の方法。
  22. 複数の分析物を分析する方法であって、前記方法は、
    第1の分析物および第2の分析物を非連続的サンプル導入インターフェースを通して移送することと、
    前記非連続的サンプル導入インターフェースを閉鎖することと、
    前記第1の分析物のイオンと前記第2の分析物のイオンとを生成することであって、前記第1の分析物のイオンと前記第2の分析物のイオンとは、質量分析器の第1のイオントラップの中に移送される、ことと、
    前記第1および第2の分析物のイオンを前記質量分析器の第2のイオントラップに連続的に移送することと、
    前記第2のイオントラップにおける前記第1および第2の分析物のイオンを連続的に分析することと
    を含む、方法。
  23. 前記第1および第2の分析物は、前記非連続的サンプル導入インターフェースと動作可能に関連付けられている容器内に含まれている、請求項22に記載の方法。
  24. 前記容器は、大気圧より低い圧力にある、請求項23に記載の方法。
  25. 前記生成するステップは、誘電体障壁放電イオン化源を利用する、請求項22に記載の方法。
  26. 前記第1の分析物は、サンプルであり、前記第2の分析物は、内部標準である、請求項22に記載の方法。
  27. 前記第1のイオントラップは、線形四重極型イオントラップである、請求項22に記載の方法。
  28. 前記第2のイオントラップは、直線型イオントラップである、請求項22に記載の方法。
  29. 前記分析することは、MS/MS測定を行うことを含む、請求項22に記載の方法。
  30. 前記質量分析器は、小型質量分析器である、請求項22に記載の方法。
  31. 前記非連続的サンプル導入インターフェースは、前記移送中、開放されたままである、請求項22に記載の方法。
  32. 複数の分析物を分析する方法であって、前記方法は、
    第1の分析物のイオンと第2の分析物のイオンとを生成することと、
    前記第1および第2の分析物のイオンを非連続的サンプル導入インターフェースを通して質量分析器の第1のイオントラップの中に移送することであって、前記非連続的サンプル導入インターフェースは、前記移送中、開放されたままである、ことと、
    前記非連続的サンプル導入インターフェースを閉鎖することと、
    前記第1および第2の分析物のイオンを前記質量分析器の第2のイオントラップに連続的に移送することであって、前記第1および第2の分析物のイオンは、前記移送中にフラグメント化され、前記第1および第2の分析物のフラグメントイオンを生成し、前記第1および第2の分析物のフラグメントイオンは、前記第2のイオントラップにおいて受け取られる、ことと、
    前記第2のイオントラップにおける前記第1および第2の分析物のフラグメントイオンを連続的に分析することと
    を含む、方法。
  33. 前記第1の分析物は、サンプルであり、前記第2の分析物は、内部標準である、請求項32に記載の方法。
  34. 前記第1および第2の分析物のイオンを前記非連続的サンプル導入インターフェースを通して前記第1のイオントラップの中に移送することは、同時に発生する、請求項32に記載の方法。
  35. 前記質量分析器は、小型質量分析器である、請求項32に記載の方法。
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